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ヤンデレの小説を書こう!Part39

124 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/11/16(火) 11:33:45 ID:WBUL+36S
 カリカリ、と紙面に文字を書き込む音が自室に響く。
 数学の証明問題は思ったよりも手強く、何度も手を止めたり、椅子の前脚を浮かせてのけ反ったりとしながら、なんとかクリアした。
 私は言い様の知れぬ達成感を感じ、ふぅと一息ついてから、持っていたシャープペンシルを離した。
 机の上には、文字がびっしり詰まったノートと、使いこまれた参考書が並べられている。テスト期間が近いので、今夜は普段以上に勉強していた。
 壁に備えつけられてる掛け時計を見て、時刻を確認する。時計は、もうじき今日が終わることを告げていた。
 ちょうどいい時間だな、と私は思った。
 ノートや参考書を机の中にしまい、椅子から腰を上げて、大きく伸びをする。長い時間座っていたせいか、体中の間接が悲鳴をあげていた。
 さて、それじゃあ準備するかな。
 クローゼットを開け、中から厚手のコートとマフラーを取り出した。最近はよく冷えるので、防寒を怠ってはならない。
 それらを片手に持って、部屋の電気を消してから、自室を出た。
 と、いけない、いけない。
 踏み出した片足を慌てて戻して、ベッドの上に投げ捨てられていた携帯電話を、ポケットに突っ込む。
 普段利用する機会が少ない分、私は携帯電話を忘れることが多い。けど、別段それで困ったこともなかった。着信なんて、稀にしか来ない。
 私は階段を下りて、玄関で靴を履いた。
 コートを羽織り、首元にマフラーを巻く。中にも大分着込んでいるので、寒がりの私でも、これで大丈夫だろう。
「いってきます」
 振り返って、冷たい廊下に向けてはっきりと声を上げた。
 しかし、返事は返って来ない。リビングには光が灯っていて、人の気配もあるというのに。
 もう一度言ってみようかしら、と思って再び口を開けるが、やっぱり止めた。
 返事が返ってきたことなど、一度も無いことを思い出したからだ。
 私は、そっと家を出た。

 深夜の空気は刺すように冷たくて、鋭利な刃物を思わせる。
 思わずぶるりと体を震わせて、私は門を出た。
 出発する前に、我が家を振り返る。
 自室の隣の部屋の電気が、まだついていた。あそこはリンちゃんの部屋だ。
 きっと、まだ眠れずにいるのだろうな、と私は思った。

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