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有閑倶楽部でエロパロ・第2話

1 :名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 20:03:29 ID:g+OLZ7ks
ここはりぼん、コーラス不定期連載中の『有閑倶楽部』エロパロスレッドです。

・基本sage(mail欄に半角でsage)進行。
・荒らし、煽り、カップリング批判は徹底スルー。
・801は801板へ。
・職人さんはカップリングを最初に表記したほうが、読み手さんには丁寧です。
・職人さんが投下しづらい空気や書き込みはやめましょう。
・作品への感想は職人さんの糧であり、活力になります。
・レス番>>980か480KBか近づいたら次スレの準備をお願いします。

前スレ
有閑倶楽部でエロパロ(初代)
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1192545749

2 :名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 20:04:26 ID:g+OLZ7ks
年末年始で落ちてしまったようなので立て直しました。
実質3話ですが、レス数も少なく作品投下も無かったので、
仕切り直しということで。

3 :名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 20:48:41 ID:eHq+GXp8
乙です。
まったりと続けられたらいいね。
清野の続きが読めますように。

4 :名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 20:27:30 ID:HBYDvEd9
ほす

5 :名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 18:11:35 ID:R187PUxb
ほす

6 :名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 22:16:08 ID:ljNuSSmk


7 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/11(日) 23:48:38 ID:9s6kQij7
ほす代わりに投下。美童×悠理のムツゴロウさん奮戦記。
エロ極薄。エロを求める方はトリップをNGでヨロ。
連投に引っ掛かれば、後日、分割して落とします。
-*-*-*-*-*-*-*-*

世はなべて春休み。
なんと僕は悠理と悠理のママとでスウェーデン旅行中。
どうしてこうなったかというと、悠理がおばさん(悠理ママ)の大事
な人形を先日壊してしまい、怒りの大魔神と化したおばさんのご
機嫌取りも兼ねて、僕に仲介を求め泣きついてきたからだ。
いくら怒ってるおばさんは怖いとは言え、惚れた相手に頼られた
ら、もちろん見捨ててはおけない。
で、結局、おばさんと話をして宥めるうちに、機嫌がよくなってきた
彼女が行きたいと言い出したスウェーデン旅行に、僕も悠理と共
にお供することになったのだ。
本来なら清四郎たちとサイパン旅行で南国気分満喫のはずが、
急遽まだ初春の北欧に。

つまり、こういうことから、図らずも僕は悠理と二人きりになるチャ
ンスを得たのだ。

僕のお祖母さまの城へ滞在して3日目。
前の晩、僕は彼女をヘリスキーへと誘っていた。
「コース外なんだけど、山頂から半分降りたところにね、絶景のポ
イントがあるんだ。そこを悠理に見せたくて。本当は、魅録や清四
郎たちにも見せたかったんだけどね。奴らはいま南の島だし、また
今度ってことで。
それでね、そこで熱々のホットチョコで休憩なんてどうだい?」
途端に悠理の瞳の色が変わる。キラキラした笑顔が僕には眩しす
ぎる。
「行く行くいく行く行く行く早く行こうすぐ行こうさぁ行くぞ美童!」
ホントに君は何て素敵な女の子なんだろう…。

で、その日。
おばさんとお祖母さまは連れ立って、朝からオステルスンドへ。泊
りがけで帰るのは明後日の昼。
お祖母さまが少しは二人で遊んでおいでと気を遣ってくれたのだ。
ただ、春スキーへ行くと僕から聞いたときには、そろそろシーズン
も終わりかけでコンディションがよくないことからいい顔をしなかっ
たが。
それはともかく、今日からの三日、僕は悠理を独占することができ
るので、朝からご機嫌だった。

8 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/11(日) 23:52:04 ID:9s6kQij7
ウエアに着替えた悠理が部屋に入ってきた時、僕は荷物を確認し
ながら詰めていた。
「結構、いろいろ持って行くんだね」
「荷物になっちゃうけど、これはこれでお楽しみのためだし、天候が
悪くなった時のための準備だからね」
「あたいも半分持つよ?」
ギッシリ詰まったザックを見た悠理が、すぐに申し出る。

「じゃぁ、座る時のシートと防寒対策用の毛布や保温シートを背負
ってもらっていいかい? 重くは無いんだけど、嵩張るんだよね」
「了解!」
悠理は自分のザックを持ってきて、毛布やシートを詰め直して背負
った。
「僕は燃料やバーナー、鍋と食料を持って行くから」
「美童の方がすごく重いんじゃ…。あたい、もっと持てるけど?」
「大丈夫だよ。こういう食料抱えて山スキーには慣れてるからね」
「このコースっていやに広いね。それに本格的…」
コース図を見ながら悠理が尋ねてきた。
「うん。フネスダルスフィエーレンはクロスカントリーやバイアスロン
の国際大会が毎年のように開かれてるし、ナショナルチームの練
習拠点でもあるから、起伏に富んでて、飽きないコースばかりだ
よ。僕らはここの一番長いクロスカントリーの林間コースに途中か
ら合流する予定」
「すごいね」
「あまりにも距離があるから、風が強いときなどの退避小屋(キャビ
ン)が点々と設置してあるんだ」
「へー」
「滑ってる途中で吹雪になっても困るでしょ? これ以上進めないく
らい吹雪いているのに、麓に戻るのにはまだかかるって時には、こ
ういう点在しているキャビンで止むのを待つんだ」
「こういうのは日本だとあまりないね」
「まぁコースの距離が長くないとこういう必要性は本来ないからね。
キャビンは最低限の暖房と定期的に置かれる非常食だったり、救
急箱くらいしかないから、用意はすべてこっち持ちが基本。普通滞
在する場所じゃないからね」
「うん」
「で、水は雪を融かせばいいから要らないけど、食料は山に入っち
ゃえば調達しようが無いからね。多めに持っていっても、荷物にな
れば非常食としてキャビンに残して寄付してもいいから、余分に持
っていっても、困らないものだよ」
「本格的にやるとなるとやっぱりすごいね」
「今回は途中でお茶したり、ってのがあるから、重装備なんだけど
ね。もっと普通にゲレンデスキーなら、こんな登山仕様のフル装備
は要らないけど、僕ら行く所は、コース外で整備されてない林を抜
ける山スキーだし、走破するには時間がかかるからね。天候が崩
れた時のための用心は必要なんだ」
「了解」
「まぁ、ヘリで最初に三山ほど離れたところからスタートだし、麓ま
で戻ってくるにも最速で3時間以上かかる。だから、途中で優雅に
お茶休憩っていうのもいいんじゃない?」
「うん! 楽しみ!」
悠理の満面の笑みにつられて僕も笑顔になった。

   *   *   *

9 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/11(日) 23:54:11 ID:9s6kQij7
で。
休憩までは快調だった。天気も薄日が差していたし、気温も思った
ほど下がっていなかったから、シートは使わずにスキー板を斜めに
雪に挿して腰を掛け、ホットチョコと軽いサンドイッチを食べ、たわい
もない話をし、眼下に広がる景色をひたすら見つめていた。

そこは僕が一番お気に入りの場所。
山々の合間から世界に誇る広大なスキーリゾートが一望できる場
所だった。
起伏に富んだ急斜面、緩やかな林を行く林間コース、広々としたゲ
レンデ。
眼下に広がるこのコースを、いよいよこれから滑るのかという高揚
感。
山を、自然を征服してやるという気持ちが高まり、何より滑り終えた
時に、この景色を思い返し、より達成感を得ることは、何物にも代え
難いスウェーデンの冬の醍醐味だった。

「すごい……本当にすごいよ美童! 日本じゃ北海道でも無理だ
し、アルプスのヘリスキーでもこんな景色見たこと無いよ!」
「だろ? 一度みんなに見せたかったんだよね。この場所は僕の
一番のお気に入りの場所でね、それなりにスキーができないと、こ
こまで来れない場所なんだ。だから、野梨子や可憐は残念ながら
連れて来ることができない……」
「斜度のキツイところが多いからね」
「そう。一度見せてあげたいんだけどね……」
「んー、野梨子は清四郎に、可憐は魅録にスノーモービルで連れ
て来てもらえばできないかな?」
「それならモービルを2台は積める、大型のヘリをチャーターしない
と」
僕は苦笑い。悠理はドンを胸を叩いた。
「いいよ。あたいが出す。絶対みんなで一度来よう!」
「うん。そうだね」
悠理は優しい。やっぱり素敵だ。

天候に異変を感じたのは休憩を終えて30分ほど滑り降りた頃。
風が強くなったなと思い、僕は空を見上げ嫌な色をした雲がいつの
間にか広がっていたことに気がついた。
そしてクロスカントリーの林間コースの途中に合流して、そこから広
いゲレンデと交差する手前まで来た時、僕はスピードを緩め、後ろ
からついて滑る悠理に声を掛けようとした。

そして、それに気がついた。



「美童っ! 雪崩っ!」
僕とほぼ同時にそれに気がついた悠理の声は悲鳴に近かった。
僕は悠理に今来た林間コース側へ退避するよう身振りで指示し、
彼女を先に滑らせ懸命に逃れようとした。

しかし、完全に避けることはできず、僕らは白の世界へ飲まれてい
った……。



10 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/11(日) 23:56:45 ID:9s6kQij7
「……あ…」
僕は目を開けたとき、自分がどこにいるのか、しばらくわからなかった。
あたりは薄ぼんやりとした灰白色の世界で、息が少し苦しく感じた。

アレ……僕は……そう、雪崩にあったんだ! 悠理は!?

僕は身体を動かそうとしたが、右腕は胴の下、左腕は頭を守るように
伸びていて、動かそうとしてもあまり自由が利かない。

落ち着け。息ができるってことは、そんなに埋もれてるわけじゃない。

僕は雪とともに育ってきた分、雪崩やホワイトアウトの対処の仕方を
子どもの頃から学校で習う機会がたびたびあった。

大丈夫。僕は生きてる。大丈夫。とにかく雪の下から這い出そう…。

僕は足を動かしてみた。幸い痛みもなく、両足をゴゾゴソ動かすうち
に、ふいに足の感覚が軽くなったのがわかった。雪から出たのだ。

よし、足の方へ這って行けば出れる。
僕は身体をくねらせ、雪の中から脱出した。
深く埋まらなくてよかった。僕はホッとして息をついた。
軽く足踏みをしてみたが、幸い痛みもなく、足には問題は無い。これ
なら滑れると思いきや、板が片方無い。

悠理は?

僕はキョロキョロ辺りを見回した。
雪崩の雪煙が起こり、よく見えない。

悠理!
ヤバイ。どこだ?
「悠理っ! どこだー?」

雪崩の本体は広いゲレンデのど真ん中を滑り落ちて行っていた。も
う少し早いタイミングで林間コースからこのゲレンデに合流していた
ら、僕らは助からなかっただろう。林間コースよりにいた分、雪崩の
端に巻き込まれただけで済んだのだ。

しかし、悠理は見つからない。

あの時、僕の前を滑らせたから、雪崩の本体には巻き込まれて無い
はず。きっとこの近くに埋もれているに違いない。

僕は目を凝らして、荒れたゲレンデを観察した。
彼女の名を叫び続けながら。

11 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 00:00:07 ID:9s6kQij7
雪が積もったところを、残った板を使って慎重かつ素早く掻き分けて
いく。微かに感じた左肩の痛み。でも、いまはそれを気にしてる場合
じゃない。

ここにはいない。
あそこにもいない。

悠理!


後悔の念がよぎる。
こんなことなら、誘うんじゃなかった!

『もう春スキーも終わりだよ。気温が高いと雪崩も起きるし、とにかく
気をつけていくんだよ』
祖母の言葉が頭の中に蘇る。

悠理!
君はどこに?

僕が探し始めてどれくらい経った頃だろう?
きっとそんなに長い時間ではなくても、僕には永遠に感じる拷問。

悠理、君にもしものことがあったら、僕は生きていられない!
重い雲に覆われた空から、雪が舞い落ち始めた。
顔に冷たい気配を感じ、僕は絶叫した。
「悠ー理ーっ!」

ゲレンデを8メートルほど下ったところで、雪に埋もれた彼女の赤のリ
ュックサックを見つけた。
もしやと思い、慌てて駆け寄る。リュックサックの下には雪に埋もれ
た悠理が。
「悠理! 悠理!」
神様!

彼女はリュックを背負ったまま完全に気を失っている。揺さぶってみ
ても、目を覚まさない。だが、彼女の温もりは感じる。

生きてる!

慌ててつつも彼女を傷付けないように慎重に雪を掻き分け、彼女を
抱き上げた。
周囲を見回すと僕の板と、彼女の板が近くの林の木に引っかかって
流れ止まっていた。

大丈夫。僕らは運がいい。
腕にはぐったりと目を閉じたままの悠理。その身体の重さが、今は
嬉しい。
「悠理。目を覚まして。悠理」

祈りを込めて、目を閉じたままの悠理の唇にキスをした。冷たい唇に
自分の熱を伝えるように……。
そして彼女を見つめていると、その瞼が微かに動いた。

「……う……ん?」
「悠理……。気がついてよかった……」

12 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 00:03:12 ID:MOF/owZ6
僕は包み込むような笑顔で彼女を見つめた。
彼女の瞳にぼんやりと、しかし急速に光が戻る。彼女は意識を取り
戻した。
「……美童……美童? あれ? よかった、あたいたち生きてる!」
「うん!」
悠理が僕にしっかり抱きついてきた。お互いの無事を喜び、僕らは
相手の体温を確認するかのようにしっかりと抱き合った。

と、ふいに悠理が抱き上げられたままということに気がついた。
「美童降ろして。もう大丈夫だよ」
「どこか痛みは? スキー板は向こうの木に引っかかってる」
「うん……あ、痛っ。ヤバい、右足……捻挫かな。でも、痛いけど、滑
れない程じゃない……あとは大丈夫。問題ないみたい」
「滑れそうなら、骨折じゃないようだね。とにかくよかった。ゆっくり下
山すればいいよ。大丈夫」
「ゴメン。迷惑かけるね」
彼女の表情は冴えない。
「大丈夫。お互い無事なんだし、装備も流されなかったし、いざとなっ
たら今夜ビバークして凌ぐくらいなら余裕だよ。僕と夜を共にするの
が嫌なら別だけど?」とおどけてウインク。
悠理はふふっと微笑い、ウインクを返してきた。
「いいよ。美童となら」

イイヨ ビドウトナラ……。

瞬間。
ああ、いま世界が止まればいいのに――。

悠理には恋愛の駆け引きとか、ドロドロした裏の意味とか、そういう
のは一切なく、純粋に、ただおどけて発した言葉なんだと思うけど、
僕は今の悠理のウインクを忘れない。
生涯、忘れるもんかっ!

「っと、美童?」
固まった僕の顔を悠理が心配そうに覗き込んでる。
イカン。今はひたってる場合じゃない。急がないと。
チラチラ降り出した雪が少しずつ激しさを増す。
まだ視界を奪われるほどじゃなくても、下山までこのいまの視界のま
まで保つかどうか……。

「とにかく、降りていけるところまで下山しよう。僕の後に付いて来れ
る?」
「大丈夫。OK! 行こう!」

13 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 00:08:26 ID:MOF/owZ6
僕は悠理とゆっくりと山を下り始めた。
悠理の足を考えると傾斜のきついムチャな最短のコースは取れな
い。
多少は遠回りでも、ここは勝手知ったる僕の庭(山)。どのコースを行
けばどこへ通じるかはよく知ってる。
なるべく足への負担がかからないように、斜度のきつくないコースを
選び着実に山を下っていった。

再び下山を始めて30分程。
既に視界はほとんど無いに等しい状況になりつつあった。
もう、これ以上は無理だ。今夜はビバークしたほうがいい。風が強く
なってきているから、間もなく完全にホワイトアウトの状況になるだろ
う。今なら、風雪を凌ぐための避難用のキャビン(小屋)が近い。
僕は決断を下した。

僕はすぐ後ろを滑る悠理に合図を送った。
「どうしたの?」
お互い顔を近づけて大声で話す。風の音は益々強くなっている。
「風が強い。これ以上進むのも危ないから、今夜はビバークしよう。こ
の様子だとそのうちホワイトアウトしそうだ」
「……了解!」
「もうちょっとのところに避難用のキャビンがあるから、そこまで行け
るかい?」
「うん。大丈夫。急ごう」

こうして、僕らはキャビンへと向かった。

   *   *   *

キャビンは最近除雪されたのか、ドアが雪に塞がれるといった埋もれ
た状態でもなく、多少の雪の塊をどかせばすぐに中へ入ることができ
た。
この時点で、ほぼ、ホワイトアウト状態。僕は自分の決断に間違いが
なかったことにホッとしつつ、悠理を先に中へ。

14 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 00:10:50 ID:MOF/owZ6

風を避ける為にやや林の中にある退避キャビンは小さいが頑丈なロ
ッジだった。室内は、中央に薪ストーブが備え付けられ、横には、や
や低めの大きな机にろうそくのランプ、救急箱、丸椅子が4つ。あと
は入口の傍に積み上げられた薪。申し訳程度の小さな窓が1つある
が、雪除けの板が打ちつけられ、その隙間からしか外が見えない。
隙間から覗く外はすでに闇と白の世界だった。

薪ストーブをつけて、少し温まったところで、僕らはスキーウエアを脱
ぎ、部屋の中に張り巡らされた洗濯ロープに掛ける。
雪崩と、汗のために完全に外側も内側も濡れきったウエアを乾燥さ
せなくては。
互いにアンダーウエアだけとなり、持って来ていた毛布と、断熱シー
トにくるまる。
最初に悠理の足の具合を診てまず雪で冷やし始めた後で、簡単に
食事を取る。
鍋で雪を融かし沸騰させてキャビンに置いてあった缶詰を温め、持参
していたカップメンにお湯を注ぐ。

持ってきておいて良かった…。
荷物になるからどうしようかと迷っていた食料がこうして役に立ち、
温かいものが食べられるのが本当にありがたかった。
食事を終えると、部屋のろうそくを消し、机を少しストーブの傍に寄せ
てから、その上に横になる。床に寝転がるよりも、より暖かいからだ。
明日のために、体力を少しでも回復しなければ。
僕の痛めた肩はここにきて少し疼くような痛みが出ていた。
救急箱の中には幸い湿布があったので、まず悠理の足に貼り、その
後で僕の痛み出した肩にも貼る。彼女に気づかれないように。

ホッと、その冷たさに息をついた時、反対側を向き横になって瞳を閉
じていた悠理が小さなクシャミをした。
「寒い?」
僕が顔を覗き込むと悠理が薄く眼を開く。
「……少し」
「捻挫のせいか、少し熱が出てるかな? 悠理、僕の傍へ」
「ゴメン……」
「気にしない。この時期に連れて来た僕の方が悪かったんだ。」
「違うよ美童。このスキーにはあたいも来れて良かったんだ。母ちゃ
んとの買い物にも飽きてたし。連れ出してくれて嬉しかった。だから
この件では謝らないで。で、今の『ゴメン』は毛布独占しちゃって悪い
なーと思ってさ」
「ふふ。了解。いいよ。独占しちゃって。寒くなったら悠理に抱きつか
せてもらうから」
「えー。ああ、でも、そうか! その方が暖かいじゃん。じゃ、美童一
緒に毛布に包まっていいよ」
「本当に?」
「うん。その方がいい」
「じゃ、遠慮なく」

うん。遠慮したら、この先いつ悠理にくっつけるかわからない。
悠理は元気そうに振舞ってるけど、すこし気だるげな感じだ。彼女の
おでこに手を当てると、少し熱い。僕はタオルに外の雪を包み、彼女
のおでこに載せた。寒く無いように新しい薪をくべ、火勢は強く。

15 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 00:12:45 ID:l5Q6a95h
真夜中。
ウトウトしていると、微かに悠理の身動きで僕は目を覚ました。
薪をくべ再び火を強くする。
悠理の様子を見ると縮こまって震えている。
僕は声をそっとかけた。

「……悠理。大丈夫? まだ寒い?」
「……うん……何だかちょっと寒気が止まらなくて……」
悠理のおでこに手をやるとさっきよりも熱がある。
「ちょっと待ってて」
僕は小屋の外から雪を再び運び、タオルに包み悠理のおでこに乗せ
る。外は春の吹雪と闇の世界。林を抜けていく風が轟音と共に吹き
すさび、魔物のような咆哮を上げている。
「部屋の温度上げるから、少しの間我慢できるかい?」
「でも、薪がなくなっちゃうと大変じゃない? あたいは大丈夫だよ。眠
っちゃえばいい……」
確かに、薪の無駄遣いはできない。明日の天気の保障がないから
だ。でも、僕の悠理は今も震えている。僕は悠理に告げた。
「僕が暖房代わりに抱きついてもいい? 人の体温は一番温かいし。
もちろん、悠理がイヤなら辞めるけど」
「……ん……イヤじゃない。美童……あたい寒い……んだ」
「わかった」

僕は上着を脱ぎ、上半身裸になって、上着は悠理の肩のほうへ掛け
た。
悠理の上着を脱がし彼女は下着姿で心もとなげに震えていた。
「こっちへ」

彼女の肌は粟立っていた。その震えを止めたくて、僕は背後から彼女
をぎゅっと包み込むように抱きしめた。

悠理の鼓動が聴こえる。

僕の鼓動は聴こえているのだろうか?
僕らは静かに抱き合っていた。
互いのぬくもりを感じるために。

16 :名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 11:28:53 ID:A4IThDu3
>ムツゴロウさん奮戦記
楽しみにしてましたー!
続きが読めるなんて嬉しいです。
悠理はもちろんかわいいけど、美童がすごくかっこいい!
続き待ってます。

17 :名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 17:10:39 ID:M3SAaWWi
いい所で続きに…!
描写が細かくて、美童のマメさがよーく伝わりました。
作者様いろいろ博識ですね。
続き楽しみです。

18 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 22:38:38 ID:I3T/DpK6

「大丈夫。明日には風も止むだろうから、ゆっくり下山しよう…」
「…うん……」

それから、どれくらい時間が経ったんだろう?
微かな身動きを感じて瞳を開けると、悠理が僕を見つめていた。
薪ストーブの扉の窓から見える炎が、闇に沈む部屋を揺らめかせ、ぼ
んやりとした不可思議な空間に変える。

熱のせいか、彼女の瞳が潤んでいる。


森を駆け抜ける吹雪く風の音はいつの間にか静まりつつあった。
そのせいか、時折、窓を揺らし、サラリと雪が舞い落ちる音が聞こえ始
める。

部屋はとても静かだった。
僕は囁く。
風に舞い滑り落ちる雪の音を邪魔しないくらい、微かに――。

「眠れない?」

僕の胸の中で、彼女は真っ直ぐに僕を見つめている。
「うん…あのね、あたい美童と一緒でよかったなって…下手したら助か
らなかったし…美童のお陰で助かったって…本当にありがと…」
「僕が誘わなければ、雪崩にも遭わずに済んでいたし、僕は申し訳なさ
でいっぱいだよ…」
苦い想い。
彼女を危険に巻き込んだことを、僕は悔いていた。

「でもね、ここに到着するまで、美童が気遣いながら連れて来てくれて、
その背中見てずっと滑ってて、何て頼りになるんだろうって…。
ねぇ美童…。
美童は…あたいのこと好き?」
「もちろん、好きだよ…?」

19 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 22:43:03 ID:I3T/DpK6

僕の鼓動が早くなる。
「違う。何言っているんだろ…あたい…でも、美童のこと、今までも好き
だったけど、そういうんじゃなくって…なんか…よく…わからない…」

熱のせいか、悠理は混乱している。
僕もその混乱が伝染ったようだ…。

炎はちらちら揺らめき、部屋を薄闇に変えている。
薄闇を見透かしても、何かが見えそうで、見えた気になるけど、実は何
も見えてない。

それは人の心を探ることにも似て…。
ただ、もどかしいだけの、闇の牢獄。


「美童…」
「……」
「…キスして…」

闇に響く彼女の声。
熱のせいか、彼女の頬は薄紅色に染まっている。
ストーブの中で、燃え盛る炎で薪がはぜた。
一瞬、炎が強くなり、その勢いに押されるように、僕は彼女にキスをす
る。

そう、きっと混乱しているのだ。
悠理からキスを求めるなんて、あり得ない…。

もしかしたら、本当の僕はまだ雪に埋まっているのかもしれない。
そして、これは息絶える寸前の夢――。


軽いキス。
世界と遮断され、雪と闇に閉じ込められ、ここには僕と君。
やがて、互いの存在を確認するように、唇を求めあう。

今夜 君は 僕のもの
それでいい。

世界よ いま 終われ――。

20 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 22:46:43 ID:I3T/DpK6

薪がはぜ、炎がきらめく。
ストーブの暖かさではなく、お互いの身体の内から熱が起りだす。
彼女の身体にキスの雨を降らしながらも、それでも僕は躊躇した。

微かに眉根を寄せて、切なげに悠理が僕を見る。
僕は彼女の下着を脱がし、くびれた腰のラインを撫でる。

小さく、吐息を吐きだす彼女は、今まで誰にも見せたことのない秘密
の表情を僕だけにさらけ出す。

僕だけに。

捻挫している足に負担がかからないように気遣いながら、脚をやや開
かせ、僕は彼女の花弁へ指を這わせた。
その形を覚えるように、指でなぞりあげる。

「……ん…」
蜜がとろりとまとわり、指の動きを一層滑らかにする。
彼女の体温が一層上がる。

僕は彼女の唇をむさぼり、舌と舌を絡め合う。互いの身体が粟立ち、
微かな刺激が何倍もの快感となって襲ってくる。

彼女の息が弾み、小さく喘ぐ。
彼女自身へ指を挿れ、中を掻き混ぜる。指の動きに合わせるかのよう
に、自然に彼女の腰がくねる。蜜は誘うようにとろりと流れ続ける。

僕から与えられる快感によって、どんどん彼女は追い詰められ、喘ぎ
声とともに、意識を手放した。

だけど――。
僕は彼女をちゃんと抱かなかった。
どんなに自身の身体の熱が高まろうと、気持で抑え込んだ。

彼女を危険に晒したのは僕だ。
キスだけでも、僕はもう充分に報われている。

悠理が穏やかな寝息を立てるのを見て、僕は自身の熱を冷ますため、
そっと静かに外へ出た。
雪が止み、雲の切れ間から凍えた星々が覗いている。

苦い、幸せな夜が過ぎようとしていた。


   *   *   *

21 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 22:49:04 ID:I3T/DpK6
「美童…」
「……ん?」

悠理の声で目が覚める。
雪除けの板の間から、柔らな春の日差しが部屋を染める。
窓には融けた雪の名残りがキラキラ輝いている。
僕は毛布から起き出すと、軽く伸びをした。
悠理はすでにアンダーウエアに着替えており、昨夜干していたスキー
ウエアの乾き具合を確認している。
「美童、おはよう」
「おはよう。熱はどう?」
「下がったみたい。足はまだ痛むけど、昨夜より、だいぶ楽かも」
「そう良かった。天気もよさそうだし、軽く食事を取ったら出発しよう」

僕らは素早く着替え、持参のビスケットにホットチョコで簡単な食事を済
ませる。


ドアを開け、空模様を確認。
これなら余裕で行けるな。

僕は残った食料をいくつかキャビンに残し寄付をした。
「こうしてまた誰かの役に立つんだね…」
悠理はニコニコしながら見つめている。
「僕らも助けられたし、ほんの気持ちだけどね。じゃぁ、行こうか」
「うん!」

キャビンの火の元をもう一度確認して、外へ。
眩しいくらいの雪原を、僕らはゆるゆると下って行った。
懐かしい喧噪の世界へ戻るため――。


翌日。
オステルスンドから戻ったお祖母様から僕は遭難に関して小言を受け、
おばさんからは感謝の言葉を受けた。
幸い、悠理の捻挫も、僕の打撲も大したことなく、残りの滞在期間中は
おばさんやお祖母様と一緒にいろいろ回って過ごした。

悠理は普段と変わらず、ご機嫌なおばさんと一緒に買い物三昧だった
し、僕もその笑顔を見れて幸せだった。

22 : ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 22:50:40 ID:I3T/DpK6
ただ、あの夜のことは、僕も彼女も触れなかった。
冬の雪山で遭難して、命の危機感から恋を錯覚するというのはよくあ
ること。

僕はそんな「恋」を知っている。

あの夜は、僕らも混乱していたし、特別に想うことじゃない。
そう、ただ寒かっただけだ。

僕はいつもと変わらない悠理に、少しの落胆と、でもどこかでホッとし
ていた。
帰りの飛行機で耳打ちされるまでは。


帰りの飛行機。
機内食が終わり、おばさんが化粧室へ立ったとき、悠理が僕の耳元に
顔を近づけてきた。
「ねぇ、美童」
「何?」
「また、連れて来てくれる? あの山スキー」
「もちろん。みんなで、もっといい季節に来よう」
「みんなでもそうだけど、あたいは美童と二人で行きたいな…」
僕が聞き違いかと思って彼女の方をまじまじと見ると、彼女はふいと
横を向き、僕の瞳を避けながらも確かに呟いた。
「二人でも行こうね」
その耳は真っ赤に染まっていた。

季節は春。
何かが、始まる――。



「幸せな結末」  ―Fin―
-*-*-*-*-*-*-*-*-
以上です。保守保守してやった。反省はしていない。
あとは職人さんにお任せってことで、ROMに戻ります。
>>16,17
感想ありがとうございました。励みにします(`・ω・´)シャキーン
では、長々と失礼しました!

23 :名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 12:10:29 ID:aKWi5NRC
GJです!
エロエロもいいけど、このくらい薄味だと原作の延長感覚で読めるのがイイ。
何か美悠に開眼しそう…
ROMなどと言わず、また是非書いてください。待ってます。

24 :名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 21:13:25 ID:HqEEcIp5
>幸せな結末
GJでした!
自分も微エロ好きなんで楽しかったです。
もちろんエロエロも好きですがw
自分、全カプ好きですが、ムツゴロウ美童と悠理、すごく好きです。
またなにか思いついたら読ませてください。

25 :名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 22:30:59 ID:jsrWQcZD
>幸せな結末

いや〜!
エロエロじゃなく、こういうのもすごくいい。
また思いついたら書いてくださいね。
いいもん読ませてもらった。


26 :名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 18:40:11 ID:QFimBWZS
ほす

27 :名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 07:36:11 ID:yyhJnEkz


28 :名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 00:02:53 ID:9Wy30vYT
清→野で 清四郎が野梨子に無理矢理…てのが読みたい

29 :名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 07:38:49 ID:jIK8qZsC


30 :名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 22:35:49 ID:mmwKQFiA
しゅ

31 :名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:05:39 ID:h2tYvarj
清四郎と悠理の結婚ネタに萌えまくる
妄想は偉大だ

32 :名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 14:50:43 ID:7Owf/eNU
悠理と清四郎の結婚話はたしかにいい

33 :☆☆野×悠で45題☆☆:2009/02/02(月) 15:29:00 ID:7Owf/eNU
ほす代わりに投下します。野梨子×悠理でエロなんだかなんだか分からない。原作お題ミニSSです。まぁ、微エロで所により清×悠よりな表現があり、ちょい偽物っぽいです。
苦手なかたスルーよろ

★★★★野×悠で45題★★★★
PART1 紋白蝶

「野梨子、何編んでいるの」
「マフラーですわ」
 少女の膝の上に伸びて行く真っ白いそれは、どう見てもマフラーだ。
 そんなことは悠理にだって分かっている。
 きっと清四郎に編んでいるのだ。
 あの、ムッツリスケベがいかにもしそうな、地味な色だもの。
 いや、どっちかってーと美童かなぁ。
 でも、野梨子が美童にマフラーなんか編むかぁ?
「どうしましたの? 悠理、面白い顔なさって」
「なんでも、ないやい」
 あたしは白いマフラーから目を反らした。
「悠理」
 ふわりと毛糸が巻かれ、あたしは驚いて野梨子を見た。
「やっぱり悠理には私より長くしませんといけませんわね」
 そう言って野梨子は悪戯っぽく笑った。


PART2 むしのしらせ

 やな予感がしたんだ。
 野梨子が美童に鞄を渡すのを見たとき。
 一ノ倉さんと出掛けて行く、後ろ姿を見たとき。
 なのに、あたしは声が掛けれず、見送った。
 どうして声が掛けられなかったんだろう?
 なぁ、清四郎、分かるか?
 そう聞くと、清四郎は眉を少し寄せて、さあねと言った。
 たまには自分で考えなさい。
 ふん、相変わらず冷たいやつ。
 美人で淑やかで頭がよくて、性格がよいと評判だった一ノ倉さん。
 美人で淑やかで頭がよくて、良い性格してる野梨子。
 並んで歩いている二人を見てやな気分になったのかと勘違いした。
 だって、二人はお似合いだったから。
 そこまで考えてあたしは、馬鹿馬鹿しくてやめた。
 くだらないと呟くと、清四郎はその通りですよと呟いた。
 似合いませんよ悠理、そう言って少し笑った清四郎。
 やっぱ、あんたやな奴だな。


34 :☆☆野×悠で45題 2☆☆:2009/02/02(月) 15:34:31 ID:7Owf/eNU
PART3 秋の香り

 何故そこへ行ってしまったんでしょう。
 摩利絵さんの隣りに座った悠理を見たとき、私は昔の事を思い出していた。
 悠理の隣りで摩利絵さんは泣いていた。
 悠理は慰めるように、彼女の肩を抱き寄せ何かを囁いている。
 きっと、慰めているんですわ。
 そんなこと分かっていますのに、どうして嫌な気分になるのかしら。
 悠理は私に意地悪だった。
 出会った時からずっと。
 嫌な娘と思ったけど、他の女子には優しいと気づいた時、私は今までと違う胸の痛みを感じていた。
 あれはいったいなんだったのか?
 今はいつでも助けてくれる。
 摩利絵さんと私が危ない目に合ったら、私を優先させてくれる。
 そうに決まってますわ。
 だけど、悠理にあんなふうに抱き締められたことも、庇われたことも一度もないと思った時、私は走り出していた。
「ねえ、悠理、私と可憐が敵に捕まっていたら、どちらを先に助けますの? 」
 木陰の下で、そう聞くと、悠理は驚いた顔をした。
「それって、魅録や清四郎は側にいないの? 」
「もちろんですわ」
「それって、状況として」
 まだ、続けようとする悠理を私は遮った。
「同じくらい危なくて、悠理との距離も一緒ですの」
「安心しろよ、どっちも助けるから」
 私は内心傷付いて、本を読む振りをした。
「馬鹿だな。野梨子は、そんな弱い女じゃねえだろ? 」
 冗談めかした言葉で言われても嬉しくなんてありませんわ。
「野梨子を先に助けるよって言って欲しいのかよ」
 そう、私はそう言って欲しかった。
 馬鹿げたことを聞いているのは百も承知でしたのよ。
 それでも、嘘でもいいから、野梨子だよと言って欲しかったんですの。 
 じわりと滲んだ涙が悔しくて、立ち上がった。
「悠理なんか嫌いですわ」
「あたしは野梨子が好きだよ」
 背中から聞こえて来た声は思ったよりずっと、小さくて弱々しいものだった。
 私は勇気を出して振り向きたかった。
 ですのに、昼休みの終わりを告げるのをチャイムが鳴るまで、身じろぎもせずに立ち尽くしていた。
 チャイムの音に悠理がため息を吐くと、戻ろうと小さな声で言った。
 私は悠理の顔も見られなくて、俯いたまま振り返ると、悠理が手をそっと握った。
 私は小さく握り返して、無言のまま校舎に向かった。


35 :☆☆野×悠で45題 3☆☆:2009/02/02(月) 15:39:16 ID:7Owf/eNU
PART3 秋の香り

 何故そこへ行ってしまったんでしょう。
 摩利絵さんの隣りに座った悠理を見たとき、私は昔の事を思い出していた。
 悠理の隣りで摩利絵さんは泣いていた。
 悠理は慰めるように、彼女の肩を抱き寄せ何かを囁いている。
 きっと、慰めているんですわ。
 そんなこと分かっていますのに、どうして嫌な気分になるのかしら。
 悠理は私に意地悪だった。
 出会った時からずっと。
 嫌な娘と思ったけど、他の女子には優しいと気づいた時、私は今までと違う胸の痛みを感じていた。
 あれはいったいなんだったのか?
 今はいつでも助けてくれる。
 摩利絵さんと私が危ない目に合ったら、私を優先させてくれる。
 そうに決まってますわ。
 だけど、悠理にあんなふうに抱き締められたことも、庇われたことも一度もないと思った時、私は走り出していた。
「ねえ、悠理、私と可憐が敵に捕まっていたら、どちらを先に助けますの? 」
 木陰の下で、そう聞くと、悠理は驚いた顔をした。
「それって、魅録や清四郎は側にいないの? 」
「もちろんですわ」
「それって、状況として」
 まだ、続けようとする悠理を私は遮った。
「同じくらい危なくて、悠理との距離も一緒ですの」
「安心しろよ、どっちも助けるから」
 私は内心傷付いて、本を読む振りをした。
「馬鹿だな。野梨子は、そんな弱い女じゃねえだろ? 」
 冗談めかした言葉で言われても嬉しくなんてありませんわ。
「野梨子を先に助けるよって言って欲しいのかよ」
 そう、私はそう言って欲しかった。
 馬鹿げたことを聞いているのは百も承知でしたのよ。
 それでも、嘘でもいいから、野梨子だよと言って欲しかったんですの。 
 じわりと滲んだ涙が悔しくて、立ち上がった。
「悠理なんか嫌いですわ」
「あたしは野梨子が好きだよ」
 背中から聞こえて来た声は思ったよりずっと、小さくて弱々しいものだった。
 私は勇気を出して振り向きたかった。
 ですのに、昼休みの終わりを告げるのをチャイムが鳴るまで、身じろぎもせずに立ち尽くしていた。
 チャイムの音に悠理がため息を吐くと、戻ろうと小さな声で言った。
 私は悠理の顔も見られなくて、俯いたまま振り返ると、悠理が手をそっと握った。
 私は小さく握り返して、無言のまま校舎に向かった。


36 :☆☆野×悠で45題 4☆☆:2009/02/02(月) 15:42:18 ID:7Owf/eNU
PART5 椿の花が落ちぬよう

 豪華客船はなかなかスリリングだった。
 野梨子のスイッチはいつ入るか分からないから。

 その夜も掌の感触に目が覚めた。
 いつの間にかパジャマのズボンに手が入っている。
 ううん、ズボンだけじゃない。
 パンツの中に入っている掌のうち、ニ本も指が入っている。
「野梨子・・」
「声を立てては駄目ですわ」
 野梨子の言葉に、隣りに可憐が寝てることを思い出した。
 酷いよ野梨子。
 どのくらいされてたか分からないけど、パンツの中はぬるぬるだ。
 入れたり出したりしている指が、時折ぐいっと深く抉る。
 ツキンとした痛みに、恥ずかしさと気持ち良さに泣きたくなる。
 布団を噛んで耐えるけど、酷いよ、野梨子。
 クスっと笑う声が漏れる。
 ああ、なんかおかしくなりそう。
 漏れそうになる声に、あたしはシーツを握り締めた。
 こんなに深く入れられたのは初めてだ。
 もしかして、今日、処女喪失かも・・・
 そんなことを考えながら、あたしは野梨子が触り易いように足を開いた。


PART6 入道雲

 もう、悠理ったら本当に馬鹿なんだから。
 野梨子がブチキレそうだわよ。
 魅録と二人で抜け出すなんて。
 ただでさえ、清四郎に教えられているあんたを見る目が剣呑だったのにね。
 むっつりとした野梨子を見ながら私は思った。

 このはた迷惑レズカップルに気付いたのは、旅行の時だった。
 だって、私がいるのに始めるんだもの。
 学園の王子様がお姫様の下であへあへ言ってるんですもの。
 まぁ、いいわよ。
 恋愛は自由ですもの。
 皆には黙っていて上げるわ。
 ラスベガス旅行が学校にバレて、必死で勉強してるときもイチャクラしてた。
 孫悟空の輪をつけられた悠理を見る、野梨子の目は危なかったのよね。
 ああ、この二人のアレってなんかSMチックなのよね。
 野梨子がSなのは分かるけど、悠理がMってのは驚きだわよ。
 でも、まぁ素直なとこもあるし、いや、でもベッドの中の素直さは並じゃないわよね。
 泣きそうな声、出しちゃってさ。
 やめてなんて言いながら、言うこと聞いちゃうんだから。
「聞いてますか、可憐」
「え、何、清四郎」
 思わず聞き返すと、清四郎は眉間を押さえた。
「まったく、そんな嬉しそうな顔して、どうせ男のことでも考えてたんでしょう」
 え? 私、嬉しそうな顔してた。
 思わず落ち込む私に、清四郎は方程式を繰り返した。


37 :☆☆野×悠で45題 5☆☆:2009/02/02(月) 15:47:48 ID:7Owf/eNU
PART7 真夏の夜に扉は開く

 剣菱悠理について、私が知っていること。
 いじわるで乱暴者。
 言葉が汚くて、下品な人。
 喧嘩ばかりしているヤバン人。
 私のことを目の敵にする。
 どうしてあんな人が人気あるのか不思議ですわ。
 人気があるといっても、キャーキャーいうのは女ばかりですけど。
 そりゃ、背は高い方で、美人かもしれませんけど、あの立ち振る舞いに、話し方ではいくら奇麗でも興醒めですわ。
 知性というものを感じさせませんもの。
 今日も彼女の周りには女生徒を侍らせて、まるでハーレムですわ。
「悠理様。困っていますの。南中の方にしつこく交際を迫られてますの」
「任せておけよ。二度と近づけさせねえから」
 キャーっと黄色い歓声が上がるのに、私はうんざりとした。
 女同士で何をキャーキャー言っているのかしら。本当に馬鹿みたいですわ。
 それにあの喋り方どうにかならないのかしら。

 あの女、また見てやがる
 あたしが一体何したっていうんだ。
 ガキの時のことをいつまでも根に持ちやがって。
 あんな女がどうしてモテるのか不思議だよ。
 いくら奇麗でも、あんな厭味な根性悪あたしならごめんだ。
「まぁ、悠理さまったら白鹿様を見つめて、ああいう方がよろしいの? 」
 あたしの周りに群がってる女の一人が、いきなりそう言った。
 その途端、白鹿の顔が屈辱とでもいうように、真っ赤に染まった。
「まさか、あんなのごめんだね」
 そう言うと、白鹿のことを口にした女は頬を染めた。
 気色悪いな。そう思ったのは事実だけど、この状況は嫌いじゃない。
 ちやほやされるのは大好きだ。
 ふと白鹿を見ると、怒りで青ざめていた。
「もっとも、顔だけはまぁまぁだから、性格さえよけりゃ隣に座らせてやってもいいけどな」
 わざと聞こえるように言うと、ガタンと席を立った。
 背けた耳は赤く染まり、あたしは嫌な気分になる。
 白鹿といるといつもそうだ。
「最低ですわ」
 小さく声が聞こえ、あたしは、知ってるよと心の中で呟いた。
「言いたいことがあんなら、聞こえるように言ったらどうだよ」
 白鹿の背中に怒鳴ると、くるりと振り向いた。
「あなたのような方と話すことなんてありませんわ」
 隣りではいつも一緒の菊政宗が、やれやれというように肩を竦めた。
 どうしてだか分からないけど、酷く泣きたくなって、あたしは堪えた。
 あの女の前で泣くのは嫌だ。
 菊政宗の前で泣くのは嫌だ。

 私は滲みそうになる涙を必死に堪えてた。
 今、彼女たちは私を見ている。
 見当違いの嫉妬。
 剣菱さんの取り巻きで、私より奇麗な人はいないから。
 剣菱さんが私を気にしているから
 そんな理由で彼女たちは気に入らないのだ。
「妬いてるのですわ」
 小さく呟いて私は逃げ出した。
 嫌いですわ。
 あんな方。
 いじわるで野蛮で
 大嫌いですわ
 天国の門はまだ開かない

38 :☆☆野×悠で45題 6☆☆:2009/02/02(月) 15:52:08 ID:7Owf/eNU
PART8 蝉時雨

 野梨子は意地悪だ。
 知ってたけど。
 ベッドに三人で寝ると。
 思い出したかのように、気紛れにあたしに触れる。
 掌とか、肩に・・・
 野梨子の触れたところが熱い。

 だけど、あの暑かった冬の日のように
 激しく求めることはない。
 旅行にきて、一度もキスをしてない。
 そりゃ、皆がいるところでするのは嫌だって言ったのはあたしだけど
 いきなりこれは寂しすぎる。

 もちろん、へんな事して欲しいわけじゃない
 だけど、そんな風にされると
 構ってくれないと淋しいよ。
 野梨子

 悠理ったらまた魅録とあんなにくっついて。
 いですわ、そっちがそのつもりなら
 ご褒美はあげませんわ。
 悠理からおねだりするまで
 指一本、触れるもんですか。
 そんな物欲しげな顔したって駄目ですわ。

 だけど先に私がまいりそう。
 我慢できずに触れた指先が痺れた。


PART9 クリスマスの魔法

 どういうつもりか分からないけど
 スウェーデンの白い魔法のせいですの?
 悠理がとても優しいんですの。
 私をずっとエスコートしてくださる。
 くすぐったいけれど嬉しいですわ。
 なんだか少年のようなスタイルだし
 もしかして、私達似合いのカップルとでも思われてるのかしら。

 外国にくると野梨子の小ささがいやに目につく。
 日本人形みたいに可愛くて
 小さい野梨子。
 そばに居たいのは
 守ってやりたくなるからなのか
 独占したいからなのか。
 旅の空のしたで、
 あたしはちょっとだけ素直になった。

 周りの視線が厳しいのは
 美少女を二人も連れているせいでしょう。
 まったく人の気も知らないで
 いい気なもんですな。
 前でいちゃつく二人の指が絡むのが見えて、
 何故か微笑みが漏れた。

39 :☆☆野×悠で45題 7☆☆:2009/02/02(月) 15:55:11 ID:7Owf/eNU
PART11 夜鳴鳥

 あたしは食い気しかない不良娘で通ってる。まぁ、そのとおりだけどさ
 夜遊びと喧嘩とロックが大好きで
 夜の街に出掛けずにはいられない。
 いつも退屈してて、面白いことがあれば、なんでも首を突っ込む
 だけど野梨子、夜明けが近づいて
 空が白くなってくると
 あたし淋しくなるんだ。
 どんなに楽しく騒いでも
 野梨子が恋しくなるんだ。
 夜明けの寝室に忍んで行くと
 野梨子はいつも嫌な顔をする。
 くるのなら、もっと早く来てくださいな
 そう言って手を払われる。
 香水の匂いがしますわ
 誰かの残り香を野梨子は酷く嫌う。
 ねえ、野梨子、あたし淋しいんだ。

 夜が黒く染まってくると訳もなく泣きたくなる。
 淋しくなってたまらない時があるんですの。
 夜は毎晩来ますのに
 母の手伝いでNYにいる間、
 摩天楼は明るくて私はなんだか淋しかった。
 どうしてこんなに明るいのに
 淋しいのでしょう
 くたくたに疲れて日本に帰った晩
 夢現つで悠理を見た。
 目を開けると白んだ障子の前にボーイのような格好の少女がいた。
「野梨子」
 甘えるように名前を呼ばれ、布団に手を掛けられる。
 嬉しかったのに、恋しかったのに
 私はその手を払いのけた。
 見知らぬ香水のせいではないの
 気紛れなあなたがにくらしかっただけ。


PART12 いらかの反乱

 そんな気分になれないよ。
 こんな匂いじゃ

 バスローブに手を差し込むと悠理は言った。

 酷いですわ。
 悠理の為に泊まり込んで、一緒に観音探しをしたのに。
 ご褒美が欲しいですわ。

 じゃあ、美童や魅録や清四郎や野梨子や男山にも
 ご褒美あげなきゃいけないね

 意地悪な言葉に私は頷いた。

 もうご褒美なんか要りませんわ。
 ほっとした悠理に私は笑う。

 お仕置きしてあげますわ。

40 :☆☆野×悠で45題 9☆☆:2009/02/02(月) 16:00:24 ID:7Owf/eNU
PART13 アイスクリームと秋の空

 可憐は一人なら我慢できるけど四人なら我慢できないらしい。
 そーいうの、あたしは分かんない。
 あたしが我が儘だからかもしれないけど
 野梨子はあたしだけだけど
 本当言うと全然足りない。
 だからといって具体的に何がっていうとちっとも分かんない。
 野梨子は奇麗だ。
 野梨子は頭が良い。
 野梨子はか弱い。
 野梨子を守るのは大抵清四郎かあたし。たまに魅録。
 もしくは側にいた人。
「野梨子が馬鹿でブスで運動神経抜群で強かったらよかったのに」
 溶けかけのアイスクリームを舐めながらそう言うと、清四郎は溜め息吐いた。
「悠理は本当に馬鹿ですな」
 そんなこと知ってるわい。
「どうせ清四郎には分かんないよ」
 そう言うと、一匙アイスクリームを取られた。

 清四郎に返せと悠理が怒鳴ると
 あっさりとアイスクリームを口元に運ばれた。
 本当にあの二人って仲がいいよね。
 ペットと主人って感じだけど 
 素直に舐る悠理は子犬みたいに可愛い。
 微笑ましい気分で見ていた僕は気づいてしまった。
 何故か魅録が悠理を睨んでいることを。
 ニヤニヤとした清四郎に気づいてしまった。
 ああ、魅録と清四郎ってそうなんだ。
 悠理って当て馬?
 顔が赤くなる前に野梨子が向こうから飛んで来て悠理を連れて行った。
 ああ、もしかして、僕って微妙?
 旅行の時の部屋割りで一緒になりたくないよお。
 カップル部屋は嫌だよお。
「ねぇ、悠理、旅行の時は同じ部屋にしようよ」
「いいよ」
 思わず出た言葉に悠理は笑ってくれたのに、何故か悪寒が走った。


PART14 桜散るなか梅が咲く

 最近、なんだか落ち着きませんわ。
 清四郎とは昔から好みが似ていたせいかしら。
 こんなところで好みがあうなんて最悪ですわ。
 しかも清四郎のほうが、悠理を理解してるようなんですもの。嫌になってしまいますわ。

 幽霊が嫌いな筈なのに、今回は妙に乗り気な悠理。
 賭博が好きだから?
 いいえ、その前から急に元気になりましたわ。
 今も悠理は絶好調ですわ。
 まぁ、そんな悠理も可愛らしいですけど。
 悠理を見て、清四郎はどうして顔を赤くしているのかしら。
 なんだか嫌な気分ですわ。

 しかもこうして見ると凛々しいんですわよね。
 確かにキャーキャー言われるの分かりますわ。
 だけど、二人きりのあの時の愛らしさにはかないませんわ。
 あのお嬢さん方にも一度見せてさしあげたいですわ。

 いいえ、やっぱりもったいなくて見せられませんわね。

41 :☆☆野×悠で45題 10☆☆:2009/02/02(月) 16:05:49 ID:7Owf/eNU
PART13 アイスクリームと秋の空

 可憐は一人なら我慢できるけど四人なら我慢できないらしい。
 そーいうの、あたしは分かんない。
 あたしが我が儘だからかもしれないけど
 野梨子はあたしだけだけど
 本当言うと全然足りない。
 だからといって具体的に何がっていうとちっとも分かんない。
 野梨子は奇麗だ。
 野梨子は頭が良い。
 野梨子はか弱い。
 野梨子を守るのは大抵清四郎かあたし。たまに魅録。
 もしくは側にいた人。
「野梨子が馬鹿でブスで運動神経抜群で強かったらよかったのに」
 溶けかけのアイスクリームを舐めながらそう言うと、清四郎は溜め息吐いた。
「悠理は本当に馬鹿ですな」
 そんなこと知ってるわい。
「どうせ清四郎には分かんないよ」
 そう言うと、一匙アイスクリームを取られた。

 清四郎に返せと悠理が怒鳴ると
 あっさりとアイスクリームを口元に運ばれた。
 本当にあの二人って仲がいいよね。
 ペットと主人って感じだけど 
 素直に舐る悠理は子犬みたいに可愛い。
 微笑ましい気分で見ていた僕は気づいてしまった。
 何故か魅録が悠理を睨んでいることを。
 ニヤニヤとした清四郎に気づいてしまった。
 ああ、魅録と清四郎ってそうなんだ。
 悠理って当て馬?
 顔が赤くなる前に野梨子が向こうから飛んで来て悠理を連れて行った。
 ああ、もしかして、僕って微妙?
 旅行の時の部屋割りで一緒になりたくないよお。
 カップル部屋は嫌だよお。
「ねぇ、悠理、旅行の時は同じ部屋にしようよ」
「いいよ」
 思わず出た言葉に悠理は笑ってくれたのに、何故か悪寒が走った。


PART14 桜散るなか梅が咲く

 最近、なんだか落ち着きませんわ。
 清四郎とは昔から好みが似ていたせいかしら。
 こんなところで好みがあうなんて最悪ですわ。
 しかも清四郎のほうが、悠理を理解してるようなんですもの。嫌になってしまいますわ。

 幽霊が嫌いな筈なのに、今回は妙に乗り気な悠理。
 賭博が好きだから?
 いいえ、その前から急に元気になりましたわ。
 今も悠理は絶好調ですわ。
 まぁ、そんな悠理も可愛らしいですけど。
 悠理を見て、清四郎はどうして顔を赤くしているのかしら。
 なんだか嫌な気分ですわ。

 しかもこうして見ると凛々しいんですわよね。
 確かにキャーキャー言われるの分かりますわ。
 だけど、二人きりのあの時の愛らしさにはかないませんわ。
 あのお嬢さん方にも一度見せてさしあげたいですわ。

 いいえ、やっぱりもったいなくて見せられませんわね。

42 :☆☆野×悠で45題 10☆☆:2009/02/02(月) 16:11:49 ID:7Owf/eNU
すまん。同じのあげちゃった。正しい10でぷ。

PART15『犬猫まるごとHOWマッチの巻』水道管の人魚姫

 あたなはまるでマーメドのように泳ぐ。

「正直私、魅録とあなたを見ていますと少しだけ嫉妬してしまいますの」
 野梨子はそんな風に言う。
 ウソばっか。
 少しじゃないじゃないか。
 散々野梨子に苛められたばかりなのに
 淋しげな声を出されるとあたしの負け
 汗ばんだ肌をシーツに押し付けながら野梨子の背中を見つめた。
 日に焼けない背はまるで人魚姫
 好きだよって勇気を出して言ったのに
 野梨子は笑う。
 知ってますわって。
 ずるいよ、野梨子。


PART16『欧羅巴トラブル・ツアーの巻』向日葵の残香

「悠理といると、本当に退屈しませんわ」
 それが厭味なことぐらい、馬鹿なあたしにも分かる。
 なぁ、野梨子何を怒ってんだよ。
 あたし馬鹿なんだ。
 はっきり言ってくれなくっちゃ分からない。

 悠理は無鉄砲。
 馬鹿で大食らいでそのうえ手癖まで悪い。
 こんなにいつも一緒にいて、いつも心配していますのに
 あなたと冒険するのは、魅録と清四郎
 そんなのずるいですわ
 足手まといにしかならないって分かっていても
 私は淋しいですの。

 野梨子は気紛れだ。
 残酷にあたしを振り回すんだ。
 意味もなく怒ったり、急に優しくしてくれたり
 誰かに甘えたくなって、魅録の背中に擦り寄ると
 清四郎の腕が引き戻した。
 文句を言おうと思ったけど、
 ぽんぽんと撫でられると言葉が出なくなる。
 この手が好き。
 皆大好き。
 なのにどうして野梨子じゃなきゃ駄目なのか。

 僕は見てしまった、悠理が魅録になつくと
 清四郎が邪魔をしているところを
 悠理って誰にでも懐くもんな。
 きっと二人の関係に気づいてないんだ。
 魅録が清四郎を見てるのに気づきどうしようかと思ってると
 野梨子が悠理を連れて行った。
 よかった。
 そう思った背中で可憐が呟くのが聞こえた。
「複雑な上に乱れてるわ」
 ああ、同士がここにいた。

43 :☆☆野×悠で45題 11☆☆:2009/02/02(月) 16:13:48 ID:7Owf/eNU
PART17『香港より愛を込めての巻 前編』福寿草の涙

 悠理と私の趣味が会わないなんてこと、今に始まったわけじゃない。
 もちろん私は楽しいですわ。
 悠理と離れていたって。
 買い物は大好きですもの。
 それに夜には会えますもの。
 ベタベタした付き合いなんかしてませんもの。

 やっぱ、魅録と一緒にいるのが一番だ
 そんなことを言って悠理は腕を組んでくる。
 あるんだかわからないような膨らみが肘にあたり、俺は内心焦った。
 悠理は女の自覚が足りない。
 しかも、よく見るとけっこう可愛いんだ。
 一緒にいて楽しいし、気が合うこいつはダチだ。
 だから、今、悠理が誰かを思い出しているとしても関係ねえよ
 突然空を見上げた悠理から、俺は顔を反らした。


PART18『香港より愛を込めての巻 後編』福寿草の花びら

 前々から疑問だったことが一つだけあります。
 何故ぼくには嫉妬するくせに
 可憐や美童にはしないのか。
 これが不思議でしょうがないですな。

 悠理の隣りで涙ぐむ中国娘に対し
 ほんの一瞬、野梨子の視線に剣が含むのを見てそう思った。
 かと思うと、悠理はぼくを冷たい目で見つめた。
 もちろん、一瞬に過ぎない。
 野梨子の隣りに立っているというだけで。


PART19『幽霊なんかこわくないの巻』蛇苺

 旅行に行って少し困るのは部屋割り。
 悠理と野梨子は落ち着いたけど、
 カップル部屋っていい気はしない。
 けっこうトラウマになってるのよ。
 だから野梨子が別の部屋なのはちょっと安心。

 しかし、悠理って分からない子よね。
 野梨子と付き合ってるくせに、今泉くんと婚約なんて
 たとえ嘘でも嫌じゃないのかしら
 今も目の前ではしゃいでる悠理に私は首を傾げた。

 野梨子はお嫁に行く
 いつか、あたしを置いてお嫁に行く
 そんなこと分かってる。
 だから、野梨子の気まぐれな唇を
 意地悪な指をあたしは拒まない
 いつかお嫁に行く野梨子の気紛れを
 忘れたくないから

44 :☆☆野×悠で45題 12☆☆:2009/02/02(月) 16:16:56 ID:7Owf/eNU
PART20『成金爆発娘の巻』クリスマスローズが咲く前に

 あたいは不良、野梨子は優等生
 あたいは頭が悪い、野梨子はお利口さん
 あたいは女じゃない、野梨子はお淑やか
 あたいは成金、野梨子は深層令嬢
 あたいは喧嘩が強い、野梨子は腕力がない
 あたいはきれいじゃない、野梨子は美人
 趣味だって全然会わない
 なのに野梨子不足であたいは死にそうになった。
 どこから声に出てたんだろう
「悠理だって美人ですよ」
 清四郎がそう言って頭を撫でた。


PART21『南海の秘宝の巻』ハイビスカスの冬

 あたいはロマンの感じ方が人と違うらしい。
 実際、水晶の谷よりも、お菓子の山やケーキの谷はロマンチックだと思う。
 魅録は恋をした。
 あたしは恋がどんなものか知らない。
 男にも恋愛にも興味がない。野梨子もそう
 だから、きっとあたいには必要じゃないんだね。
「そうかも知れませんね」
 清四郎は変な顔して笑った。


PART22『スポーツマンで行こうの巻』日だまりの紫陽花

 テニスは結構好き、でもマジでやんのはシンドイ。
 あたいはいつもいい加減で、スポイルされた不良娘。
 なのに、美童と熱血すんのは連中と馬鹿やんのが楽しいから。
 メンどいこともシンドイことも嫌いだけど、退屈が一番嫌い。
 だから、これも今回限りのお遊びならやる。

 悠理は気付いていませんのね。
 コートでどんなに目立っているか。
 テニスが美人が多いといったってたかが知れてますもの。
 だからこの一回でやめてくださってよかったですわ。
 これ以上ライバルが増えるのは嫌ですもの。 


PART23『池のコイ誘拐事件の巻』鯉幟

 ネオンの中の悠理が私は好きじゃない。
 そうですね、妬いているのかもしれないですわ。
 私の知らない友人と平気で抱き合ったり
 イキイキと泳ぐあなたを
 妬いてるのかもしれませんわ。

 魅録と一緒の悠理が嫌なのも
 言われてる気がしますの
 住む世界が違うのだと

 だけどカウンター越しに絡ませた指を解かなかったから
 あなたが一瞬不安げな顔をしたから
 私は大丈夫。
 大丈夫ですわ。

45 :☆☆野×悠で45題 13☆☆:2009/02/02(月) 16:27:24 ID:7Owf/eNU
PART24『愛すればこその巻』狂い咲きの秋桜

 無邪気な悠理、可愛い悠理。
 あなたは頓着しませんのね
 殿方のベッドに寝っ転がるなんてどういう方ですの?
 そんなこと今更ですわね。

 ねえ野梨子、人の命ってあっけないね
 淋しいね。
 あたいなんだか淋しいよ。

 子供みたいに泣き出した悠理。
 きっといつか、遠い何時かあなたとはぐれても
 待っていると指を絡めると
 カートゥーンみたいに、目の回りを青くしたあなたは
 雨上がりの笑顔を見せた。


PART25『世界一周アドベンチャークイズの巻』桜舞い散るわたしのこころ

 野梨子は可愛い
 小さくて良い匂いがして、柔らかい
 あたいが守ってあげなくちゃ

 だけど野梨子を守りたいのは、あたいだけじゃない。
 魅録が怒ったのは野梨子が馬鹿にされたからだ。
 だってあたいはいつだって馬鹿にされてるもん。
 頭がよくて、世間知らずで、気ばっかり強くて、可愛い野梨子。
 あたいが守ってあげるからね


PART26『剣菱家の事情の巻』花盗人

 許しませんわ、絶対許しませんわ
 愛してもいないくせに、悠理と結婚だなんて、婚約だなんて
 絶対絶対許しませんわ。

 いつか悠理はお嫁にいくかもしれないけれど
 他の誰に許しても、清四郎だけは許しませんわ。
 絶対絶対、許しませんわ

 どうか誰も私から悠理を盗らないでと、冬の空に願った。


PART27『白鹿野梨子に捧げる愛』春宵人

 野梨子が男を好きなった
 よかったね。
 男嫌い卒業かぁ。
 祐也はいいやつだし
 あたいもウレシイ。
 話してくれなかったのは水臭いけど
 許してやるよ。
 だって本当にうれしいから
 清四郎の腕があたしの目許を覆ったから、
 毛糸がちくちくして涙が出た。

 がんばれよ。
 冷やかす彼女の捧げる愛が眩しくて、僕は思わず腕を延ばした。

46 :☆☆野×悠で45題 14☆☆:2009/02/02(月) 16:38:27 ID:7Owf/eNU
PART28『愛してごめんなさいの巻』 五月雨の空るころ
 
 悠理は妬かない。私を責めない。
 車の中で指を絡ませると、ほんのりと頬を染める。
 そのくせ、すぐに外して、イカクンばかり食べていますのね。
 遊園地へ行っても乗りたい乗り物はいつも別々。淋しくないんですの。
 悠理がいなくても、気心知れた仲間が一緒だもの、私は楽しいですわ。 
 でも心のどこかが、いつも淋しいんですの。
 だからあなたも淋しいと思って欲しいんですの。


PART29『丑三つ時の女の巻』雪菊鬼唄

 あたいは幽霊が嫌い。蛇も嫌い。鬼はもっと嫌い。
 倶楽部に入って嫌いなもんがどんどん増えるよ。
 でもあたいも少しは変わったかな。
 澄ましてたアンタが鬼退治で大怪我すんだもんな。人間って分かんないね。
 小さな緑子ちゃんが誰かに似てて、あたいは昔のこと思い出した。
 あの日、野梨子に初めて会った日、友達になってって頼んでいたら、
 遊ばないかって誘ったら違う未来はあったかな。
「そんなの困りますわ」
 野梨子はそう言って唇を塞いだ。


PART30『芽台、復習の巻』梅華

 何度目かの誘拐劇、数えるのもやめちまった。
「悠理と一緒だと命がいくつあっても足りませんわ」
「野梨子は一体何回心配させれば気が済むんだ」
 軽い口喧嘩した振りして抜け出した部室。
 手を繋いだまま踊り場の陰で、あたいたちはキスをした。


PART31『狙われた学園−男ともだち・女ともだち−の巻』 雪月花

 悠理が誘惑なんて無理があると思いますわ。だって、ほら、色気がありませんもの
 それに馬鹿だからばれてしまうかもしれませんわ。

 ああ、野梨子だだ漏れですよ。そんなに悠理が心配ですか?
 まぁ、分からないでもないですがね。だって野梨子は知っているんですよね。
 悠理がどんな声を出すか。どんな顔をするか。
 色気とは無縁の少女の顔を見て、僕は目眩を感じた。

47 :☆☆野×悠で45題 15☆☆:2009/02/02(月) 16:54:33 ID:7Owf/eNU
PART32『男子禁制殺人事件の巻』 エーデルワイス

 不思議だったことがあります。どうして可憐や美童に嫉妬しないんでしょう。

 不安じゃないんですかと、清四郎が突然言った。本気で分からなくて聞き返すと、何故か口籠もった。
「スパに行けば良かったのにと思っただけです」
「嫌だよ、あたい興味ないもん」
 そう言うと余裕ですねと清四郎は笑った。
「可憐は怖くないですか?」
 清四郎はそういうけど、全然分かってない。あたしが何を恐れてるか。
「清四郎こそ、スパに行けばよかたじゃないか」
 男子禁制ですよ清四郎はそう言うけど、そんなこと知ってるもん。
「余裕だって言ったのは悠理にたいしてじゃないですよ」
 耳元に囁かれると、魅録に腕を引かれた。
「何やってんだよ。競争だぞ」
 だからあたいは、まっさきに走りだした。負けるのは大嫌い。喧嘩も何もかも勝ち方なんか気にしない。
 だから清四郎、怖くなんかない。だってあたいはズルをして野梨子を手に入れたもの。このぐらい離れてたって揺らぐもんか。


PART33『夢で逢いましょうの巻』チューリップの花で眠る姫

 眠ったままの悠理は、とてもきれいで不安になった。
 神に愛され過ぎた子供は早世だという。月の女神に愛されたものは何年も目覚めないと聞いたことがある。
 だれもいない病室で私はそっと口付けた。
 あなたが起きないことに、馬鹿みたいに傷付いて、涙を一粒落とした。


PART34『初春大騒動絵巻の巻』 紅梅

 あなたの首に咲いた赤華
「野梨子はいったい何回人質になりゃ、気がすむんだよ」
「まぁ悠理には言われたくありませんわ」
 言い合いは相変わらずけたたましいのに、甘えるように擦り寄ってくるなんて、本当に狡い子。
「野梨子連れてトイレ入るから、変なことされたんじゃないかと思った」
 泣きそうな顔でそんなことをいいますのね。
「調べて見れば宜しいですわ」
 そう言って私は帯を解いた。
「こんなとこにキスマークがあるよ」
 詰るような言葉に笑みが漏れる。
「野梨子にこんなことする奴許せないな」
 自分で付けたその花びらに、そんな事を言う可愛い唇を私は塞いだ。


PART35『温泉へ行こうの巻』 水芭蕉

「せっかく悠理と温泉に来たのに」
 野梨子はそう言っていたけれど、悠理の首筋に赤い痣に気付いてしまった。
 見えるか見えないかギリギリのライン。やることやってるんじゃないですか。
 まったく、こういった挑発がよけいに男心を擽るってこと、分かってないんですかね。

48 :☆☆野×悠で45題 16☆☆:2009/02/02(月) 17:05:26 ID:7Owf/eNU
PART35『温泉へ行こうの巻』 水芭蕉

「せっかく悠理と温泉に来たのに」
 野梨子はそう言っていたけれど、悠理の首筋に赤い痣に気付いてしまった。
 見えるか見えないかギリギリのライン。やることやってるんじゃないですか。
 まったく、こういった挑発がよけいに男心を擽るってこと、分かってないんですかね。


PART36『モルダビア怒りの鉄拳の巻』 

 なんとなく気に入りませんわね。モルダビアが見る悠理への視線、まさか狙っているんじゃありませんこと

 野梨子の奴、なんか目が妖しいよな。まさかスイッチ入っちゃったんじゃないだろうな。

 なんか悠理って今日、ちょっと色っぽくない?僕の気のせいかな?

 まったくこんな所で、ケダモノでこまったもんですね。

 カーテンコールの中、妙な気配を感じて振り向いた私は、楽しい気分も吹き飛んで帰りたくなった


PART38『君に愛の花束を』

 ねえ、怒んなよ。野梨子を忘れてた訳じゃないんだ。
 ただ、すごく疲れてて、寝ちゃっただけなんだ。
 ケーキも花束でも機嫌を直してくんないなんて、ねえ野梨子大好きだよ。
 キスしようとしたら引っぱたかれた。酷いよ野梨子。

 泣きだした悠理の声を聞き付けて、魅録と清四郎がやって来た。
 泣きたいのはこっちですわ。
 許す気になれないのは山々ですのに、仕方がないから許す振りをしましたの。
 だって背に腹は変えられませんもの


PART39『時をかける恋の巻』

 いつか悠理も恋をしますの?私以外の誰かに?
 悠理は何故私にすべてを許してくださるの?
 時々不安になりますわ。
 初めてその肌に触れた時から、一度も拒みませんもの
 大好きだよ。愛してる。そんな言葉も、あなたの温もりも遠く感じる時がありますの

 野梨子はお嫁にいく。いつか、今じゃないけど、いつかきっとお嫁にいく。
 そのときあたいはきっと泣く。でも平気だよね、だってあたい泣き虫だもん。
 だからそれまで、離さないで。ねえ、野梨子。


PART40『雛人形は眠れない』

 もう幽霊は嫌なのに、どんだけ怖い目にあわなきゃいけないんだよぉ

 悠理のトラブル体質に慣れてる私でも、やっぱりいつも驚かされますわ。
 少しは安心させてくださいな。しがみついたまま眠った幼子のような悠理。淫らな声を上げていたなんて信じられない寝顔。
 ねえ、安心させてくださいな。私は眠る貴女の吐息を奪う。

49 :☆☆野×悠で45題 17☆☆:2009/02/02(月) 17:11:33 ID:7Owf/eNU
PART41『玉の輿料理対決』

 あたいは馬鹿だ。下品だし。女らしさのかけらもない。
 恋なんかしたことない。したいとも思わない。
 だから浮気男の気持ちなんか分かんない。浮気される女の気持ちなんか分かんない。
 かぁちゃんがあんなに怖いのも、ああ、分かんないことだらけだ。
 清四郎が作ってくれた地図をチェックしながら、あたいはお礼と一緒に願い事をした。
 どうか、あしたは野梨子と会えますように。


PART42『初恋の鎮魂歌の巻』

 私は妬いたりしませんわ。だって知っていますもの。
 あれが悠理じゃないってことを。
 だって知っていますもの。恋をした悠理の姿を。
 震える足で歩く姿を、指先が触れただけで、泣きそうな顔を、
 唇が触れただけで、溶ける吐息を、甘い蜜の味も、絡む指先も
 だから妬いたりしませんわ。

PART43『ウェディング・エクスプレスの巻』五月恋歌

『結婚についてのアンケート』
松竹梅魅録 どっちでもいい
菊政宗清四郎 その内します
美童グランマニエ もっとうんと遊んでから うんと年下の かわいい娘と
黄桜可憐 できるだけ早くよね
白鹿野梨子 わからない
剣菱悠理 絶対ヤダ

 あたいは絶対結婚なんかしない、恋だってしない、男なんて興味ないし。

 はいはい分かってますよ。しなければいいでしょう。

 野梨子はいつかお嫁にいく、そんなこと分かってるんだ。
 きっと、顔が良くて背が高くて金持ちで、でも成り金じゃなくて、品があって、優しくて、そんでもって頭がよくて厭味じゃなくて
 清四郎みたいに情緒障害でもない、絶対浮気しない、控えめでおとなしい男と幸せになるんだ。

 そんな男いませんよ。

 いるもん。そんなのがいつか現れて野梨子はお嫁にいく。

 野梨子はお嫁にいく、まったく耳にタコですな。

 野梨子はいつかお嫁にいく、そう言って笑う、泣き虫な幼なじみをそっと抱き締めた。

50 :☆☆野×悠で45題 18☆☆:2009/02/02(月) 17:16:29 ID:7Owf/eNU
PART44『人生いつでも勝負の巻』

 悠理はおじさまに似ているのかもしれない、そう思ったのはゴムボートでの急流下り。
 悠理はここ一番で決して迷わない。そしてたいてい成功する。
 好きなものは好き。怖いものは怖い。嬉しいときに笑い、悲しい時に泣く。
 だけど私がそっと手を握った時、あなたが震えたこと、瞳が揺れたこと、
 戸惑ったような不安な顔が、私を勇気づけますの。
 今朝別れた時、笑顔で後でと笑ったあなた。
 そのとき不意に見せた切なさが、私を勇気づける。

 一緒にいれば大丈夫ですわ と。
 将来のことをいったのに、悠理は野梨子のスケベと呟いた。


PART45『菊政宗清四郎 一生の不覚の巻』

 私もすっかり皆さんに染まってしまって、恐ろしいですわね。

 何言ってやがる、野梨子が怖いのは昔からじゃないか

 まぁ、まだ生意気な口が聞けますのね。私の手を噛んだでしょう。

 ピシャリ
 尻をまた叩かれてあたいは泣いた。

 まあ、こんなに濡らして、いけない子。

 野梨子の意地悪。野梨子なんか大嫌いだ。縄を解けよお。

 まぁ、これは帯ですのよ。絹だから痛くないでしょ。

 楽しそうに野梨子は笑う。

 痛い 痛い 痛いよぉ
 縛られたまま転がされ、あたいはずっと泣いてる。

 今日の野梨子は意地悪だ、悲しくなって声を上げて泣くと、キスで口を塞がれる。
「母屋に聞こえますわ」
 意地悪な野梨子。なんで言うことを聞いちゃうんだろう。
 口枷を嵌められ、叩かれる。100回を数えるころには、いつも許してくださいと懇願しちまう。
 あそこが熱くてどうにかなりそう

 ねえ、野梨子、助けてよ。

おわりです。
思った以上にスレ使ってしまい反省してます。こんなの書いてしまいましたが、美悠と清悠が好きです。誰か清悠書いて下さると嬉しいっす。

51 :☆☆野×悠で45題 18☆☆:2009/02/02(月) 17:17:06 ID:7Owf/eNU
PART44『人生いつでも勝負の巻』

 悠理はおじさまに似ているのかもしれない、そう思ったのはゴムボートでの急流下り。
 悠理はここ一番で決して迷わない。そしてたいてい成功する。
 好きなものは好き。怖いものは怖い。嬉しいときに笑い、悲しい時に泣く。
 だけど私がそっと手を握った時、あなたが震えたこと、瞳が揺れたこと、
 戸惑ったような不安な顔が、私を勇気づけますの。
 今朝別れた時、笑顔で後でと笑ったあなた。
 そのとき不意に見せた切なさが、私を勇気づける。

 一緒にいれば大丈夫ですわ と。
 将来のことをいったのに、悠理は野梨子のスケベと呟いた。


PART45『菊政宗清四郎 一生の不覚の巻』

 私もすっかり皆さんに染まってしまって、恐ろしいですわね。

 何言ってやがる、野梨子が怖いのは昔からじゃないか

 まぁ、まだ生意気な口が聞けますのね。私の手を噛んだでしょう。

 ピシャリ
 尻をまた叩かれてあたいは泣いた。

 まあ、こんなに濡らして、いけない子。

 野梨子の意地悪。野梨子なんか大嫌いだ。縄を解けよお。

 まぁ、これは帯ですのよ。絹だから痛くないでしょ。

 楽しそうに野梨子は笑う。

 痛い 痛い 痛いよぉ
 縛られたまま転がされ、あたいはずっと泣いてる。

 今日の野梨子は意地悪だ、悲しくなって声を上げて泣くと、キスで口を塞がれる。
「母屋に聞こえますわ」
 意地悪な野梨子。なんで言うことを聞いちゃうんだろう。
 口枷を嵌められ、叩かれる。100回を数えるころには、いつも許してくださいと懇願しちまう。
 あそこが熱くてどうにかなりそう

 ねえ、野梨子、助けてよ。

おわりです。
思った以上にスレ使ってしまい反省してます。こんなの書いてしまいましたが、美悠と清悠が好きです。誰か清悠書いて下さると嬉しいっす。

52 :名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 17:20:34 ID:7Owf/eNU
すいません。うp上手くいかなくて、二重にうpしてしましました。これからは大人しくロムります。

53 :名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 01:02:17 ID:ZGrcvgHx
45題…なんと大量な!一気読みしました。GJです!
PART7のお題の不器用な二人にキュンとしました。
野梨子と悠理、可愛くて切なくていいですね。

54 :名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 01:48:40 ID:HA4/Wn8d
美悠も書いてください。

55 :名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 22:09:32 ID:Fw+zI+UN
>45題
一生懸命原作を順に思い出しながら読みました。
自分もPART7が好き。あとスウェーデン話は、以前から妙に
悠理と野梨子が仲良さげなコマが気になっていたので
ニヤニヤしてしまった…
PART4の誘拐と、紳士は美少年がお好きの話が抜けてるのは
うpミスかな?補完宜しくです。

56 :名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 22:20:52 ID:YJpB0k71
レズがいいならホモもおk?

57 :☆☆野×悠で45題☆☆:2009/02/03(火) 23:12:21 ID:RxusYPBe
45題書いたもんです。すみません。うpミスです。根っからのロムラーなのにカキコして上手くうpできなくて迷惑かけます。
補完ぶんでふ。しかし、皆さん優しい感想ありがとうTT。
45題は野×悠の個人的萌ポイントで書いたので、絶対ソコじゃねえだろってトコにポイント置いてる話が多いっす。
実を言うとPART4で、エロ路線に行ってしまったんです(ToT)/~~~

PART4 初紅

 少女の中にはたまに少年が潜んでいると、私は知っている。
 私の側にも一人いるから。
 女の子を守ったり、黄色い声援を受けたり、エスコートをしたりするために。
 悠理は男よりも多く、ラブレターを貰う。
 すべて女の子から。
 少なくとも、そういう振りはしている。
 男から貰っても気づかれないように、宛て名を隠し処分する。
 子供のころからそうだった。
 そして少年の顔で、笑っている。

 振り袖を着た悠理は奇麗だった。
 だけどまだ、少年の振りをしている。
 派手な友禅に赤い帯を締めた、奇麗な悠理。
 どんなに少年の振りをしたって、だめですわ。
 今日ばかりは、魅録よりも私のほうがお似合いですわ。
 機嫌のよい私の顔に、悠理は身の代金略奪成功のせいだと思っているようですけれど違いますのよ。
「悠理は化粧しませんのね」
 化粧室で隣りになった悠理にそう言うと、悠理は首を振った。
「顔に塗るの気持ち悪いもん」
「お正月ですし、紅だけならいいんじゃありませんこと? 」
 下から覗き込むようにして聞くと、紅を履いたように頬が染まった。
 にぶい悠理には意味が分からないと思っていたというのに、随分察しが宜しいこと。  
 黙ってしまった悠理の唇に私は唇を重ねた。
「・・ん」
 薄く開いた唇を割っても悠理は嫌がらなくて、赤い舌はザラザラとして苺そっくりの味がした。
 唇を離すと、悠理には薄く私の紅が移っていた。
「見て、悠理、可愛らしいこと」
 鏡を見せると、悠理は野梨子のスケベと呟いた。
 懐紙で紅を拭ってさし上げると、不思議そうな顔をしてこちらを見上げた。
「どうして? 」
「人に見せるのは勿体ないですわ」
 不満げな悠理に私は付け加えた。
「気に入ったのなら、今晩、またしてあげますわよ」
 悠理は真っ赤になって、野梨子のスケベと呟いた。


PART37『紳士は美少年がお好き』 造花の牡丹

 悠理のそっくりさんのヌードを見た時
 正直気分は最悪でしたわ。
 これを見て、悠理ファン倶楽部のみなさんは想像するんですわ。
 私の悠理を。
 悠理が性的な対象として話されるのは我慢がなりませんの。
 色気がなくてよかったですわ。
 少なくとも普段は。

 華開く姿は誰にも見せたくありませんわ。

補完以上です。

58 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:43:16 ID:HJflU1p0
うわ、レズ・・

59 :名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 17:42:05 ID:EW8GZeuT
野悠乙。gjですた。
乱交倶楽部2ってまだ残ってる?

60 :名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 19:08:21 ID:0v5URd6F
じつはオイラも乱交倶楽部目当てで通ってる。

61 :名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:55:24 ID:niGVWtyP
乱交倶楽部懐かしいね。
自分はトリップ清×野の続きをずっと待っているw

62 :名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 17:54:11 ID:2BHOacYa
自分も待ってる。

63 :名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 00:20:50 ID:ppv/5S97
ほす

64 :美×悠:2009/02/19(木) 05:26:22 ID:+4GWUBq9
初めてですが投下してみますm(_ _)m

美×悠





それはある日のことだったーーー。


いつもの様に6人が談笑していた。
可憐はファッション雑誌を広げ、このドレス素敵だわ〜等とチェックをいれている。
其処にはセクシーなモデルが、胸元を大胆にも露出して、スパンコールで彩られた艶やかなドレスを身に纏って映っていた。
「可憐ったら、そんなに露出すると下品に見えますわよ」
可憐は乃梨子の意見に対し
「あら?ストールと合わせれば、そんな下品にならないわよ。最も乃梨子が着たらずり落ちちゃうと思うけど」
「んまっ!!?失礼ですわね!!!」
乃梨子がほんの少し頬を染め、負けじと言い返す。
清四郎と魅録がまあまあ…と乃梨子を宥めようとしている中、美童が一言。
「そうそう。別に気にする程じゃないよ。そこでお菓子ぼりぼり食べてる奴に比べたら、乃梨子のがまだあるって」
皆がどっと笑うのに対し、お菓子を食べていた主は、手をピタリと止め、席を立ち上がり怒鳴りつけた。
「あ、あたいと乃梨子にどんな差があんだよ?!!たいして変わんないじゃないかっ!!!」
顔を真っ赤にして怒る悠理と、ポカーンとする乃梨子と、たしかにないな…と同意する三人。
「え〜、だってホントのこと言っただけじゃないかぁ…」
「うるさぁぁぁあいっ!!!!テメー見たこともないくせに勝手なこと言うなぁ!!!!」
殴られる…とばかりに美童は肩を竦めぎゅっと両目を瞑るが、いつまでたっても殴って来ないので、恐る恐る目を開けてみる。
あれ?
ガランッと扉の音がすると同時に出て行ってしまった。
一瞬、沈黙が流れるものの、それを突き破ったのは可憐だった。
「馬鹿ねぇ、あのコあれでも実は結構気にしてんのよ」
「そ…そうですわよ。女性にそんなこと言うなんて最低ですわ!」
「お前、機嫌とって来いよ〜」
「世界の恋人がかたなしですな」
(な、なんで僕が悪者扱いなんだよ!
みんな面白がってるだけじゃないか。
だいたい悠理なんて食べ物の一つでも与えりゃ、すぐ機嫌治るだろうに…)
そんな美童の考えを他所に、皆は好き勝手言う。





その頃、剣菱邸では―――。


「かあちゃん、なんであたいのこと、もっとボインボインに産んでくれなかったんだよぉ〜っ」


65 :美×悠:2009/02/19(木) 05:27:48 ID:+4GWUBq9
「あ、貴方〜、悠理が変だわ!!」
「い…一体どうしたんだがや?悠理〜」
「みんながあたいのこと貧乳だって馬鹿にすんだよぉ〜」





「…ったく…なんで僕がこんな目に…。今から彼女とデートの約束だってのに…」
ブツブツ言いながら、美味しいと評判の店のケーキを買って悠理の家に向かう。
門の前に辿り着くと、入れ違いに猛ダッシュで悠理が出てきた。
「あ、悠理、丁度よかっ…」
声を掛けようとするが、何やら大急ぎで走って行ってしまい、気付いていないようだ。
仕方がないので、後を追うが、あまりの早さに追い付けない。
息を切らしながら、もう諦めて引き返そうとすると、悠理がランジェリーショップに入って行くのが見えた。
中から店員と悠理の声が聞こえて来る。
「いらっしゃいませ、剣菱様。いつもの猫ちゃん柄のをお仕立てすれば宜しいですか?」
「あ、じゃあ宜しく…じゃない!こう胸がバーンってなるヤツ…」
「かしこまりました。此方の商品でしたら…」
なんだ!?
あいつ本当に気にしてたのか?
いや、あいつも一応女だしな…
一部始終、会話のやり取りを聞き終え自問自答していると、買い物を終えた悠理が出てきた。
「あれ?美童こんな所で何やってんの?」
「…えっ?いや、悠理にお土産持ってってくれって…みんなが…」
若干ふて腐れてるようにも見えるが、到っていつも通りの悠理。
やっぱり皆が言う程でもないじゃないか。
溜め息混じりにケーキの箱を渡そうとすると
「わっ!!!ここのケーキ絶品なんだよねぇ〜」
と、目を輝かせ飛び付いてきた。
その拍子にバランスを崩し、美童の上に悠理が倒れ込む形となった。
「いててて…」
下敷きになった美童の顔の上には、先程悠理が大量に買い込んでいた下着が山積みに散らばった。
「あ、悪い!」
悠理は身体を退かし片付けようと紙袋に詰め込んでいった。
ったく…こんな色気のないデザインの着けてる時点で、そんな悩みとは無縁だろうが。
片付けるのを手伝おうと、そのうちの一着を手にすると、有り得ない分厚さのパッドが内蔵されていた。
「見てんじゃねー!!!」
思い切り奪い取ると、悠理はササッと全てを片した。
「な、なんだよ?オマエまたあたいのこと馬鹿にして…」


66 :美×悠:2009/02/19(木) 05:28:45 ID:+4GWUBq9
唖然とする美童に悠理は言葉を投げ掛ける。
「いや、その…まさかそんな気にすると思ってなかったから…ゴメン」
ケーキを差し出しながら謝るとゴクリと唾を呑む音が聞こえた。
「し…しゃーねーなぁ。許してやらぁ」
食べ物の誘惑にはあらがえない。
やっぱりいつもの悠理だ。
が、こうして見ると長い睫毛や通った鼻筋、決め細かな肌と華奢な身体にスラリと延びた四肢は着飾って化粧の一つでもすれば案外いい線いくのかも知れない。
女に見えたことは一度もないが、美人には間違いないし。
中身は別として。
そんなことを考えていると
「美童は食わないのか?あたい全部貰っちゃうぞ」
と、道端にも関わらず既にケーキをパクついていた。
行儀悪いなぁ。
「ん?僕はいいよ。それより悠理、そんなに胸が欲しいなら、僕が大きくする方法教えてあげよっか?」
なんて自分で言っておきながら、その直後にはなんで悠理にこんなこと言ってしまったんだと激しく後悔する。
「な、何言ってんだよ!!オマエのことだから、どーせ男にもんでもらえばでかくなるとか言い出すんだろっ!!!?」
案の定、顔を真っ赤にしてつっかかって来たが、思った程怒ってなかったので美童はホッと胸を撫で下ろす。
「そんなこと言わないよぉ」
どう考えても悠理にそんな相手が居ないことは分かる。
「悠理、胸の発育には女性ホルモンが必要なんだ。だからそれに似た働きをする食べ物や…、他にも女性らしい服装をしたり、見られてるって感覚が女性ホルモンを活発にしたり…」
まあ、言っても無駄だろうなと思いつつ、簡単に説明するが
「ホントか?!!!じゃあ、どーやったらいいか教えてくれっ!!!!」
キラキラと仔犬の様に目を輝かせる悠理の意外な反応に、ほんのちょっと可愛いと思ってしまう自分が居た。
もし、万が一、悠理を自分好みーーーと迄はいかなくても、それなりに色気付かせる所までいけば、光源氏みたいな気分が味わえるんじゃないだろうか。
悠理が一度も女に見えたことがないのは、逆にいえば見ようとしなかった―――大切な友人故に気付こうとしなかったのか―――?
でも、やっぱり悠理だしな…無理があるか?


―――色々と思い耽ってしまった。


「なぁ、どうすればいいんだよ!?」


67 :美×悠:2009/02/19(木) 05:29:41 ID:+4GWUBq9
すっかりケーキを平らげた悠理が、ぐいぐいと美童の腕を掴んで引っ張る。
軽く十人前はあったぞ…なんていう突っ込みは今更しないが、思い描く美女とは程遠い現実に一瞬でも血迷った自分が恥ずかしくなった。
それでもなんとかしろとせがむ悠理に、仕方なく協力することになり、二人は美童の家に向かった。





「なんで、こんな格好しなきゃならないんだよっ!!」
美童が悠理に選んだのは、あま色の髪が映える、パールホワイトのキャミワンピだった。
柔らかいシルク生地でヒラヒラしたミニ丈のスカートは、派手好きだがアクティブで活発な悠理には着慣れないものだった。
どうやら、美童が昔の彼女に渡し損ねたまま、クローゼットに眠っていたものらしい。
美童はメイクも得意である。
普段の健康的な悠理の素顔を活かして、ほんのりメイクを施した。
馬子にも衣装…といわんばかりに黙って大人しくさえしていれば、道行く男が振り返る程の出来だった。
僕って天才だな…と美童は満足気に浸った。
「じゃ、行こうか」
いつの間にか美童も私服に着替えて、悠理を連れ出そうとする。
「何処行くんだ?」
「デートだよ」
「はっ?」
摩訶不思議な表情を浮かべる悠理に美童が言う。
「別にデートったって二人で遊ぶだけだよ。お茶したりさ…」
「そ、そんなんでホントに胸がでかくなんのか?」
「急には無理だよ。悠理の場合、まずは自分で女性だって意識することから始めなきゃね。今日一日、僕と悠理は恋人同士の設定で」
何だかよく理解できないが、言われるままに、悠理はしぶしぶ立ち上がった。





「なぁ…、変じゃないか?あたいこんなの似合わな…」
落ち着かない上にヒールが慣れないせいか、変な歩き方になる。
そんな悠理を見て美童はクスッと笑い
「可愛いよ。あいつらが見たら悠理の変身振りにきっとびっくりするよ」
そう言って、慣れた手付きで腰に手を回す。
一瞬、悠理の身体が緊張感で跳ねた。
普段は抱き付いたりしても何ともないのにな…。
「あ…でも…、なんかこの服スースーして…」
「大丈夫だよ。凄く似合ってる」
耳元で囁くのでビクリとしてしまった。
こいつはいつもこんな風に女口説いてんのか?!!!
恥ずかしくて思わず赤面する悠理。









68 :美×悠:2009/02/19(木) 05:30:47 ID:+4GWUBq9
しかも、周りから視線を感じる。
「なんか…じろじろ見られてる様な気すんだけど…」
「あぁ、それは悠理が可愛いからだよ。僕たちが幸せそうなカップルに見えてるんだ」
あたいと美童がカップルに…。
普段なら、二人で並んで歩いてても絶対そうは見えないだろう。
調子狂うな〜等と考えるものの、美童は常にレディーファースト精神を忘れず悠理をエスコートする。
そうはいっても相手が相手なだけに、アクション映画や、食べ放題と悠理が好みそうなものばかりで、普段の美童のデートコースでは有り得ない内容なのだが。





「デートしてたら胸が育つのか?」
「そうだね。可能性はあるかもね」
「可能性って…オマエあたいのこと騙したのかよぉ?!!」
「騙してなんかないよ。こうやって男に特別扱いされることで自然とフェロモンが滲み出て来るもんなんだし」
あくまで優しく微笑みながら語る美童に、う〜んと唸りながらも、無理矢理納得してみる。
美童としては、最初は仕方なしだったが、いつの間にか自分自身がこの状況を楽しんでいたことに気付いていた。
「明日もデートしよっか?」
「えっ!!?あ…うん、いいけど…やっぱこーゆー格好慣れなくてさ…動き辛いし」
ほんのり頬を染め、しどろもどろに答える悠理に胸がキュンとなるのを感じ
「いいよ。悠理の好きな服装で―――」


―――無意識に唇を重ねていた。
やがて少しの距離が出来ると、悠理は声を漏らした。
「なっ―――?!!!」
其処で美童が我に返った。
ぼ、僕は悠理相手に一体何をしようと…!!?
っていうか、もうしちゃったけど、どうしよう!!!?
絶対ぶっ飛ばされる…
「おい…」
「わぁ〜っ!!!!ごめんなさいっ!!!!」
グッと歯を食いし張る。
「これもデートなんだよな…?」
「へっ?」
そ〜っと悠理の顔色を伺うと、耳迄真っ赤になった悠理がうつむいていた。
あれ?
怒ってない!?
「あ…うん。びっくりさせてごめんね」
ホッとして気を取り直し、柔らかい髪を撫でる。


と、その時美童の携帯が鳴った。
「あ、電話だ。ちょっと待ってね」
立ち尽くす悠理に背を向け電話に出る。
「もしもし―――うん…それで…そーゆーことだから…」
電話を切ると共に一息吐く。


 

69 :美×悠:2009/02/19(木) 05:31:20 ID:+4GWUBq9
「ん…彼女からだったけど…すっかり約束してたの忘れちゃってて」
「い…いいのかよ!?」
「うん…もういいんだ」
本当にどうでもよかった。
目の前の少女のことで頭がいっぱいだったから。





それから何度か二人で逢った。
悠理もエスコートされることに段々慣れて来たのか、いつも通り延び延び楽しんでいる。
勿論、超健全なデートであれ以来キスもしていない。
というか、その件については全く触れて来ない。
気にしてないだけなのか、無かったことにしようとしてるのか、どちらにせよ美童としては複雑な心境だった。
「美童!!!」
大声で呼ばれてハッとした。
「あ、ごめん。ちょっとボーッとしてて」
「何回も呼んでんのにさぁ〜」
美童はあたいと二人で居て楽しくないのかな?
やっぱそうだよな。
元々あたいの胸が原因でわざわざデートに付き合ってくれてるわけだし…。
「あ、あのさ、もう大丈夫だよ!!胸もほんのちょっと大きくなった気ぃするし」
実際の所、全く変わってないのだが。
笑って誤魔化そうとする悠理の胸元にチラッと視線を移す。
「…………」
「や、やだなあ…服の上からじゃ分かんないって…」
手をパタパタさせ、必死で言い訳するが
「じゃあ見せてよ」
と、無表情で返され何冗談言ってんだとばかりに笑いながらも半分引きつっている。
「別に冗談で言ってるんじゃないよ」
「び、美童…、オマエなんか今日おかしいぞ…」
「別におかしくないよ。僕は普段の僕だよ。おかしいのは悠理の方だよ。さっきまで楽しそうにしてたかと思えば、突然もういいとかわけ分かんないよっ!!!」
つい苛立ってしまったせいか、口調がきつくなってしまった。
美童にしてみれば、こんなことは初めてだった。
今まで好きになった女性の殆んどは、いとも容易く手に入れて来たし、ましてやデート中に相手の考えてることが分からなくなって苛ついたりとか、そんな余裕のない恋愛はしたことがないのだ。
「あ…あたい、美童が元気なくてつまんな…そうにしてたから、今まで…無理に付き合わせて悪かったかなって…ぐすっ…」
悠理は必死に涙を堪えながら、訴える。
「あ…、ごめん、悠理。泣かせるつもりじゃなかったんだ。ただ―――、ただ僕と二人で会うのが嫌になったのかなって…」


70 :美×悠:2009/02/19(木) 05:32:02 ID:+4GWUBq9
泣きじゃくる悠理をそっと抱き締め、耳元で囁いた。


「悠理、好きだよーーー」


結局、そのまま返事を待たずに美童は悠理を家まで送ることにした。
悠理はまるで信じられないかの様な表情をしていたし、焦っても仕方ないと美童は思ったから。
門の前で、また明日学校で…と手を振ろうとするが、悠理が美童の着ているシャツの裾を掴んで放そうとしない。
「どうしたの?家着いたよ」
「…………」
「どうしたのか言ってくんなきゃ分かんないよ?」
「―――んな」
「え?」
「帰んなよ…。とーちゃんとかーちゃん旅行中だし、豊作にーちゃんは仕事で忙しくて構ってくれないし…五代まで息子の体調が悪いとかで昨日から休み取って帰っちゃって…なんか部屋で一人になるの心細いんだよぉ…」
それは…嬉しい気もするが…
「だ、駄目だよ。僕の気持ち伝えたでしょ?!今、悠理と部屋で二人きりになんてなったら、僕きっと悠理のこと傷付けちゃうよ」
「来てくれなきゃ、また泣いてやるもんっ!!」
「わ、分かったよ。一緒に行くから…」
自分に気がある男を部屋に上げる意味を分かってないんだろうか―――?
それとも、僕じゃ絶対に悠理に力では敵わないことを分かってるからなのかーーー?
どちらにせよ、自分が望む答えじゃないことは目に見えてる。





「お嬢様、美童様を客室に御案内致しましょうか?」
「あ、朝まで飲み明かすんだ。だからあたいの部屋にワインと食いもん持って来て!!」
「かしこまりました」
一人のメイドが手早く準備をして、高級ワインとご馳走を運んで来た。


「そんなに飲んで…、明日も学校だよ」
「いーじゃん!寝坊したらそん時はそん時だよ」
まあ…それはそうなんだけど…。
しかし、こんな時ですら凄い食欲だなぁ。
あんなにあったのに、殆んど一人で食べちゃって…。
今の状況まるっきり分かってないな。
なんていうか…酒も強いし、先に自分の方が酔いが回って来た。
「美童、グラス留まってんだよ。早く空けろよ〜」
「飲んでるよ…って、わっ!!!抱き付くなって」
酔っぱらってるんだろうか?
顔色は全然変わってないけど。
「へへッ。なんか美童っていい匂いする。すっげ〜甘い香り…」





二度目のキスをした。
触れるか触れないかの優しい口付け。



71 :美×悠:2009/02/19(木) 05:32:34 ID:+4GWUBq9
一旦離れては、ついばむ様に頬や瞼に何度もキスの雨を降らせる。
耳たぶを唇でなぞり、悠理の躰がビクッと反応する。
そして、もう一度今度は深く口付けた。
歯列を割って舌を絡ませると、口端から吐息が漏れるのを感じた。
「ン…、―――ふっ…」
やがて解放すると悠理の頬は蒸気して瞳は微かに潤んでいた。
優しく髪撫で、抱き締める。
「悠理ーーー、嫌なら今のうちに言ってーーー。今ならまだ…」
悠理は少し戸惑いながら
「い…やじゃな…い…けど―――」
「けど?」
「だって、美童は…」
「僕がどうしたの?」
「誰にでもこーゆーこと…あたい意外でも誰とでも…するくせに…」
「悠理が嫌なら、みんな別れるよ」
「そ、そんなの信じられ…るかっ…」
「本当だよ。もう誰とも逢わない。なんなら悠理の目の前で全員切っても構わない―――」
そう言って首筋から唇を這わせ、ベッドに倒れこんだ。
再び唇を重ね合わせながら、美童は悠理が着ているキャミソールの中に片手を忍ばせた。
ブラのホックはいつの間にか外され、唇を離した後、キャミソールと同時に脱がせた。
「は、恥ずかしいからあんまり見んなよ」
悠理は顔を真っ赤にして訴える。
本人いわくコンプレックスらしい僅かな双丘を優しく撫で上げると、ほんの少し悲鳴を漏らした。
「どうして?こんなに綺麗なのに…」
甘い声で囁いた後、桜色した突起を口に含んだ。
「ん…ッ、ーーーあッーーー」
悠理は自分の手で口を抑えながら、必死で声が漏れるのを耐えようとする。
「ねぇ…、もっと聴かせてーーー」
そう言って舌で転がしたり、優しく甘噛んだり、もう片方の膨らみは掌や指で丁寧に愛撫していく。
二つのそれがピンと上を向き固くなるのを感じる。
やがて、汗ばんだ躰をなぞるかの様に、手は下の方へと降りて行った。
ショートパンツからしなやかに延びる、スラリと細い脚の爪先から徐々に腿まで唇でなぞり、金具に手を掛けると、下着ごと下ろした。
膝を割って指先で中心をそっと撫でると、悠理の躰が大きく揺れた。
「ーーーひっ、ア…」
美童の白く長い繊細な指先にヌルリとしたものが絡み付く。
「悠理、優しくするから―――」
瞳を潤ませ、少しだけ震える悠理に優しく声を掛ける。
瞬間、指とは違う生暖かいものが、其処に触れた。
今迄とは比べ物にならない強い刺激が訪れる。


72 :美×悠:2009/02/19(木) 05:42:26 ID:+4GWUBq9
「あッ…ーーーっ?!!!…ハァ…、やっ…そんな…と…こ、んッ―――!!!!」
ざらついた感触がねっとりと纏わり付き、舌先を尖らせ一番敏感な場所に触れると同時に、指先が侵入して来るのを感じ到達してしまった。
全身の力が抜け束の間ぐったりするものの、浸入したままの指が躰の内部を蝕んでいく。
「ーーーっ、ふっ…う」
少し苦しいのか眉をしかめる悠理に優しく口付けながら、一本、二本と徐々に増やしていきゆっくりと掻き乱して、なるべく負担がない様に慣らしながらも、苦痛とは違う反応をする場所を探しあてていく。
「…ア…、っふ…ぁ」
その一点に触れた瞬間、悠理の口許から再び甘い吐息が漏れた。
「きつくない…?」
優しく問い掛けると、歯を喰い縛りながら頷く。
其処を撫でるように掻き回す度、悠理は歓喜の悲鳴を上げる。
ぐちゅぐちゅと音を立て、透明な密が溢れ出る。
「悠理…、そろそろ僕も限界…」
カチャカチャと金属音を立てた後、弄んでいた指を引き抜かれ、代わりに熱く猛ったものが浸入して来た。
「い―――痛っーーー!!!!」
つい先程の快感と引き換えに、初めて経験する痛みが全身を支配する。
「ゆ…うり、力抜いて…」
悠理も痛いが美童もきつい。
「ん…なこと言ったって…、どーすれば…」
苦痛に悶える悠理の耳元で何度か大丈夫だよと囁き、舌を這わせた。
「ひァっ…」
退け反った拍子に、美童は悠理の中に自分自身を全て呑み込ませた。
そして、ゆっくりと動き始める。


「悠理…好きだよーーー。愛してる―――」


幾度も繰り返しその言葉をつむぐ。
悠理はもう痛み等感じていなかった。
只、この静寂の中で、二人を繋ぐ淫猥な水音と重なりあう吐息と鼓動と、そして繰り返しつむがれる美童の言葉だけが聴こえていた。
「アっ…、っーーーんッ、ハァ…、あッーーー」
段々と加速して行くリズムに、喘ぎ声も増していく。
背中に絡ませた両腕は、絹糸の様な美童の長い金髪が絡み付く。
「悠理…もう…、イキそ…」
美童が悠理の中に欲望を吐き出すと同時に、悠理も意識を手放したーーー。





「二人揃って、仲良く風邪引いて休みだなんて珍しいわねぇ」
可憐の何気ない一言に魅録が
「美童は昨日は出掛ける用事があるって嬉しそうな顔してたから、どうせ女と遊んでるか、若しくはにでもフラレて熱出したんだろ」



73 :美×悠:2009/02/19(木) 05:42:56 ID:+4GWUBq9
乃梨子も思い出したかの様に
「そういえば、昨日は悠理も急いで帰ったんですのよね?それにしても悠理が風邪引くなんて珍しいですわね。健康優良児ですのに心配ですわ…」
皆の話を聞いて、クックッと笑いを堪えながら、清四郎が言った。
「だったら、今日は二人の家にお見舞いでも行きましょうかーーー」





end





オマケ


魅「なんでオマエが悠理の家に居るんだよ!?」

乃「全くですわ!朝まで酒盛りして二日酔いで休んだだなんて心配しましたのに」

清「二人とも、来週のテストはみっちり頑張って貰いますからね」

可「偶然、外でばったり会ったから、二人だけで呑んでた〜なんて絶対怪しいと思うんだけど…」


以上です。

74 :名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 16:51:15 ID:cwADRLhp
美悠好きなんで読めて嬉しかったです。
でも乃梨子じゃなくて野梨子だよ。

75 :美×悠投下したものです:2009/02/20(金) 01:26:26 ID:fX34c0T4
74さん>>

乃理子じゃなくて野理子だよ。>>

すみません(>_<)
間違ってました

76 :名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 13:48:29 ID:qm1OMMjB
自分も美×悠好きなんでうれしかった。
乃梨子は気になったけどw

77 :名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:31:34 ID:0x3S68PG
>>75
まだ間違ってるよ〜。野「理」子じゃなくて野「梨」子。
うっかりだとは思うけど、念のため。

78 :名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 14:45:34 ID:yjlTkBHP
>>77
普通に変換じゃ出づらいからね、「野梨子」
悠理も「悠里」、魅録も「弥勒」とか
清四郎、可憐くらいじゃない、楽に出てくれるの

79 :美×悠投下したものです:2009/02/21(土) 21:19:35 ID:NNMpLJOR
76 77 78>>
またうっかりと…
以後気を付けます

80 :名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:27:20 ID:7NfvCDLZ
>79どんまいw
面白かったです。

以前別版に落としたモノをこっちに落としてもいいかな?
なんか久しぶりにいったら、微妙な空気になっていて、
下くなりすぎたってのもあって、投下しずらいんじゃ
でもエロ無しだから、もしもこっちに投下するには、
エロ入れた方がいいかな?


81 :名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 09:15:37 ID:TyH5S1/q
>>80
エロなしでもOKですよー。
あったらあったで嬉しいけどw
待ってます。

82 :名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 10:33:30 ID:B2IRIhqp
>>80
無理に入れることはないですよ
注意書きしとけばいいんじゃないかな
そうすれば見たくない人はスルーできるし
投下お待ちしています

83 :エロ無しxx清×悠xx馬鹿ネタ:2009/02/22(日) 12:36:07 ID:7NfvCDLZ
>81、82あががとうTT。おいら落とすよ。

元ネタは、とよ田みのる氏のラブロマでコネタですなんですが、
自分は氏のような爽やかさんじゃないのでシモい上に変態っぽくなった。
思った事を素直に赤裸々告白したら大変なことになんだろって話っす。
スマン清四郎ってな話なんで苦手な人はスルーよろ。

84 :エロ無しxx清×悠でラブロマ1 告白1xx:2009/02/22(日) 12:38:39 ID:7NfvCDLZ
 それはバレンタインを控えた、とても寒い日のことでした。
 今日の清四郎がおかしいと幼なじみとして、心配しておりました。
 今朝、眉間にはくっきりとした二本の皺を寄せ、
 どろどろとした暗雲を立ち込める清四郎と、一緒に登校しましたわ。
 正直、隣を歩くのは嫌でしたが、
 清四郎がどうかしてるののは、慣れていますもの。
 もちろん、我慢しましたわ。
 あまりの迫力に、どうしましたの? 
 と声をかけることもできませんでしたの。
 クラスの皆も怖がって、誰も近付けませんでしたわ。
 HRが終わると、ノートを借りに悠理が現れましたの。
 その時、清四郎の瞳がまるで恨み事でもあるかのように、
 ギラギラと光り酷く睨みつけたのもですから、
 悠理ときたら可哀想に、何も持たずに、逃げてしまいましたわ。
 その際、んぎゃっと尾っぽを踏まれた猫のような声を上げましたわ。
 よっぽど、怖かったのでしょう。
 もしかするとこの間、清四郎の大事にしている碁石をばら蒔いてしまい、
 いくつか無くしたことが、とうとうバレテしまったのかしら。
 それとも、清四郎の部屋にあった壷を割ってしまい、
 接着剤でくっつけたのがバレタのかしら。
 もし、そうだとすると、割った悠理もですが、
 接着剤で直した魅録も無事ではすまないかもしれませんわ。
 しかし、私の心配を余所に、悠理が逃げてしまえば、
 清四郎はまた窓の外に顔を向け、そして時々思い出したように
 チラチラと私を見ているじゃありませんの。
 今も窓を睨んでいる清四郎は、はっきり言って不気味ですわ。
「野梨子」
 肩に手を置かれたのは、そっとしておきましょうと、背を向けた時でした。
「何ですの」
 振り向くと、清四郎は険しい顔のまま、フムッと溜息をつきましたわ。
 そして顔を上げると、私の目を見てこう切り出しましたの。

85 :エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白2xx:2009/02/22(日) 12:41:35 ID:7NfvCDLZ
「この前、野梨子が言った事なんですが、
 昨晩から突然に気になってしまい、眠れないんです」
 何のことか分からず、訊ねますと清四郎は更に眉間の皺を深くいたしました。
「野梨子が、悠理を愛しているように見えないと、言ったことなんですが」
「・・・」
 いきなり言われて何のことか分からりませんでしたわ。
 ようやく婚約騒動のことを思い出したのは、清四郎がこう続けたからですの。
「悠理はもしかして、この気持ちを理解していないのかと考えたのですが
 野梨子の考えを聞かせてもらえませんか」
 その瞬間、クラス中がわっと沸き返りました。
「嘘、菊政宗さんって、剣菱さんが好きだったんだ」
「いやですわ〜、白鹿様とお付き合いされていたんではないんですの?? 」
「ならば、何故、婚約解消なさったの? 」
 しかし蜂の巣をつついたような騒ぎには頓着せず、清四郎は更に私に問いかけましたわ。
「野梨子はこの愛が伝わっていないと、思いますか? 」
「この気持ちも、この愛も、私には何のことかさっぱり分かりませんわ」
 まったくの不幸としか言えませんが、
ここで、たちの悪い冗談だと笑い飛ばすには、私は清四郎を知り過ぎていたことでしょう。
「分からないんですか? 本当に」
 真顔でそう言った清四郎の言葉を遮るように、私は笑いましたわ。
「ほほほほほ、清四郎ったら、驚きましたわ。冗談が過ぎますわ」
「笑うとは失敬ですね。本気で聞いているんですよ」
「ほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ。
 もう、清四郎、参りましたわ。すっかり騙されましたわ」
 かなり苦しいことは分かっていましたが、
 幼なじみの微妙な恋を応援する為に、私はあえて笑いましたの。
 ここで、変な流れで悠理に伝わるのは、あまり得策だとは思えませんもの。
 もっとももう手遅れかも知れませんけれど。
 そう、思いながら、私は苦しい笑いを絞り出し、教室から連れ出そうとしましたの。

86 :エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白3xx:2009/02/22(日) 12:43:42 ID:7NfvCDLZ
 人が真剣な相談をしているというのに、突然野梨子は笑い出した。
 それは、幼なじみにしては珍しいことだ。
 変だと思っているうちに連れてこられた場所と言えば、いつもの部室だ。
 しかし、ドアが閉まった瞬間、
 野梨子の顔から笑みが消え、こちらに向き直る。
「清四郎、TPOって言葉を知らないんですの? 」
 ドアに背を向けたまま、そう言う野梨子はどうやら怒っているようだ。
「知っていますよ。馬鹿にしているんですか? 」
「じゃあ、どうして教室であんな話をしたんですの?
 誰かの口から悠理の耳に入ったら、どうしますの。気を悪くしますわ」
 野梨子の剣幕から考えると、どうやら失敗してしまったようだ。
 しかし、分からないのは、何を失敗したのかということだった。
「何がいけなかったんです。悠理に対する気持ちを表現することで、
 今まで野梨子が怒ったことはなんて無かったじゃないですか」
 そう言うと、野梨子は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
 ちなみに瞳は小さな○で口は◇になっていた。
「野梨子、嫁入り前の女性がそんな面白い顔をしてはいけませんよ」
「まぁ、失礼ですのね」
 野梨子は真っ赤になって怒ったが、いつもの顔に戻っていたので
 逆に感謝されてもいい筈だと僕は思った。
「しかし、野梨子、教えてください。
 いままで、事あるごとに示してきた愛情が
 もしかしたら理解されて無いのではないかと思えてきたんです」
 野梨子はドアにもたれ掛かったまま、
 勝ち気な彼女には珍しく張りの無い声をだした。
「清四郎はもしかして、悠理に恋愛感情を持って好いてますの? 」
 その口調は、まるで聞きたくない、
 もしくは聞くのが面倒だとでも言うような口調だった。
 いつになく、幼なじみの薄情な態度に、多少腹を立てながら頷いた。
「当たり前でしょう。
 悠理と初めて会った時からずっと・・・その・・なんですよ」

87 :エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白4xx:2009/02/22(日) 12:48:09 ID:7NfvCDLZ
 思ったことを言ったのに、どうしてこんなことを言われなくてはいけないのか。
「バカは清四郎ですわ。愛しく思う相手に言う言葉じゃありませんもの。
 それに、あんなことを言った後で、
そういうところが好きだと言っても厭味にしか聞こえませんわ」
 バカと言われてカチンときたが、もし本当にそうだとすると、
 もしかして今まで示してきた愛情表現は、すべてスルーされてしまったんだろうか?
 じゃあ、あの婚約破棄も、悠理よりも剣菱を動かすことが楽しいと誤解させた為に
 拗ねてしまっただけの痴話喧嘩ではなく、本当に嫌がっていたんだろうか?
 いや、でも悠理は一昨日、清四郎ちゃん、大好きと言ってくれた。
「そのすぐ後、魅録に愛してるって言ってましたわ」
 心を読んだかのような、野梨子の言葉に現実に引き戻された。
 確かに野梨子の言ったように、悠理の魅録に対する言葉は不安を煽るものだった。
「そもそも清四郎はちゃんと悠理を愛してますの?
 バカ犬や、異常食欲なんて言葉は好いた女性に使うものじゃありませんわ」
 分かってませんね、野梨子は。
「そういう所も・・なんですよ。その可愛いじゃありませんか」
「だいたい清四郎は悠理のどこを好きになったんですの」
「あの、騒々しいところがいいですね。あと、底無しのにバカなところも可愛いですよ。
 女とは思えないような思いきりのいい暴れっぷりや、色気皆無のとこも好きです」
 何しろ、あいつはああ見えても美人ですからね、
 変に色気なんかあったら、気が気じゃありませんよ。
 しかし、野梨子はこの回答が気に入らなかったようで、
 妙な迫力を出しながら、睨んできた。
「清四郎は失礼ですわ。
 照れもあるのかも知れませんが、恋愛では素直が一番ですのよ」
 野梨子はそう言うと、まるでなっていないと言うように首を振った。
「以前、私に友達ができない原因は
 上から見ているからと言ったのは清四郎じゃありませんか。
 恋愛も同じですわ」
「これはこれは。野梨子がそんなに恋愛に詳しいとは知りませんでしたよ」

88 :エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白5xx:2009/02/22(日) 12:51:43 ID:7NfvCDLZ
 野梨子の口から恋愛もなんてことを聞くとおかしくて、
 思わず笑みが漏れると、野梨子の眉間にビシッと青筋が浮かんだ。
「お言葉ですけど、清四郎の心配をしてますのよ。
 そんなことでは、そのうち鳶に油揚げで、どこかの誰かに悠理を捕られてしまいますもの。
 隠してますけど悠理、最近、殿方に人気がでてきたんですのよ」
 その言葉は、眠っていた、怒りを呼び覚ました。
「この前、悠理にラブレターを寄越した、あの身の程知らずのストーカーの事だったら安心しろ。
 二度と悠理の前に現れないと泣いて誓ったから」
 もうカタがついた筈の男を想い出し、首を振った。
 たいした覚悟も無く、よく悠理に言い寄れたもんだと呆れてしまう。
 この僕でさえ、ちゃんと口を聞いて貰えるまで、十年経ったのだから。
 しかし野梨子はますます気に入らないというように、溜息をついたので、
 なんだか不安になった。
「清四郎は悠理のどこを綺麗だと思いますの。どんな時にドキドキしますの? 」
 その質問は、たしかにこちらの平常心を奪った。
 そして再び顔が火照った。
 しかし、野梨子も今度は笑わなかった。
「どんな時って、特別な時じゃないですよ。
 ・・・大口開けて笑ってる時も、子供みたいに泣いてる時も、
 はしゃいでる時も、拗ねてる時も、全部特別なんですよ」

 悠理のことを思い出しているのでしょう。
 清四郎はとても優しい瞳で微笑んでいました。
 いままで、愛情欠損者だと信じていた清四郎の変わりように、
 私は微笑ましい気持ちで見つめましたわ。
 清四郎も人の子でしたのね。
「そうやって、悠理にも素直に言えばいいんですわ。
 変に言葉を作らずに思ったまま言えばいいんですわ」
 そう言うと、清四郎はまるで初心な少年のように頬を染め、頷きましたの。
「でも、悠理に告白する時は、ちゃんと細かく心情を言わなくてはいけませんわ。
 じゃなければきっと、分かって貰えませんもの」

89 :エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白6xx:2009/02/22(日) 12:53:46 ID:7NfvCDLZ
「細かくですか」
 清四郎の眉間に皺が寄り、またドロドロとした暗雲が立ち込め
 私は憂鬱になりました。本当に、大丈夫かしら。
「でも、あまりはっきり言うと、怒られそうで・・・」
「どうしてですの? 」
 首を傾げたると、女心は分かっても男心は分からないでしょうなんて言いますのね。
「悠理にはいつまでも今のまま無垢でいて欲しいとか、
 世間から守ってやりたいとか言ったら嫌がりそうじゃないですか」
「そうですわね。それは言わない方がいいかもしれませんわ」
 私は頷きましたわ。
 だって自分が言われたらやっぱりいい気持ちがしませんもの。
「それに、悠理の亜麻色の瞳に吸い込まれそうとか
 笑顔を見ると、動悸息切れがするなんて言うと気持ち悪がられませんか」
「まぁ、そこはちゃんと言わないといけませんわ。
 吉とでるか、凶とでるか分かりませんが、その時はその時ですわ」
 どっちにしても、情緒が欠落していると信じていた清四郎の告白を見届けたいですわ。
「それから、動悸息切れなんて疾患のような言い方はいけませんわ。
 ちゃんと悠理をこう思ってるから、ドキドキするって言い方をなさいませ」
「そんな事を言ったら、引っぱたかれますよ」
 首を振る清四郎に向かい、私は言い聞かせましたわ。
「確かに悠理は照れて怒るかもしれませんが、そんなことを気にしてはいけません」
 そこを省くと、きっと気づいてもらえませんわ。
「じゃあ仮に、野梨子が告白される時、
 悠理の細い肩を見ると、抱き寄せたくなるなんて言ったらどうですか」
 その言葉に吹き出すのを我慢した私は、自分を褒めてあげますわ。
 いつも澄ましているくせに、そんなことを考えてましたのね。
「好きな殿方でしたら、嬉しいですわ」
 私の返事は予想外だったのでしょう。
 清四郎は驚いた顔をして、私を見てから、真顔になって頷きましたの。
「わかりました。ありがとう、野梨子。覚悟を決めましたよ」
 ああ、決めてくださいましたのね、清四郎。
 私、清四郎の初恋の行く末を、失恋にしろ成就にしろ、しっかり見届けますわ。
 そんな風に思った私は、やっぱり清四郎を分かっていなかったんですわ。

90 :エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白7xx:2009/02/22(日) 12:54:57 ID:7NfvCDLZ
 清四郎が怒ってる。
 なんだか知らないけど、すっごく怒ってる。
 あたいはユウウツになって、机に顔を伏せた。
 なんかやったかなぁ。
「おい悠理、清四郎怒らせたんだってな。何やったんだよ」
 魅録の呆れたような、それでいて楽しそうな声が聞こえて顔を上げた。
 薄情者め。
「何にもやってないよ〜助けてくれよ〜」
「さっさと、謝っちゃえよ」
 あたいは本気で怖かったのに、魅録は笑った。
 本気にしてくんないのは、きっとあの、清四郎を見てないからだ。
「やだよ〜、あたい」
 そこまで言った時、教室のドアが開き、清四郎が入ってくるのが見えた。
 清四郎はもう不機嫌な顔をしていなかった。
 眉間の皺も、どろどろとしていた黒い雲も無くなっていた。
 だけど、無表情の清四郎は、さっきより、もっともっと怖かった。
「ひいっ」
 あたいが悲鳴を上げたのに、魅録は笑顔で片手を上げた。
「よぉ、清四郎」
 清四郎は笑いもしないで、どうもと言った。
 つーか、無表情だ。魅録はなんで怖くないんだ。
「悠理に話があるんですが、いいですか」
 清四郎が魅録に向かってそう言い始めたから、あたいは魅録の腕にしがみついた。
「いくない。あたいは話なんかないからな」
「お前がなくても、僕があるんだ。いいから、取り敢えず終わりまで聞け」
 さっきまで無表情だった清四郎の眉間には深い皺が出来て、眉は意地悪そうに吊り上がった。
 そして背中には、オドロオドロした黒い雲が見えた。
「ひっ」
 魅録に助けを求めても、肩を竦ませただけだった。
 薄情者〜〜

91 :エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白8xx:2009/02/22(日) 12:56:14 ID:7NfvCDLZ
 悠理が魅録の腕にぶら下がっているのを見て、ぼくの気分はかなり悪くなった。
 正直、最悪だ。
 それに、手が汗ばんで気持ちが悪い。
 動悸息切れも激しく、心臓が痛いし、耳鳴りもしている。
 もしかすると、僕は緊張してるのかもしれない。
 目の前の悠理は、ブルブルと震えていて、まるで母親から離された子兎のようだ。
 ああ、そうか、悠理も緊張しているのだ。
 そう思ったら、少し呼吸が楽になった。
 ああ、怖がりで淋しがりやの悠理。
 大丈夫だ。
 ちゃんと僕から言ってやるから。
 緊張で強ばった頬の筋肉を駆使して笑顔を作ると、悠理はさらに真っ青になった。
「悠理、僕はお前を愛してる。付き合おう」
 言葉はするりと滑り出ていた。
 あんなに一生懸命考えた告白の内容と違ってしまったが、これで良かったのかもしれない。
 何しろ、告白するのは僕なのだから、野梨子の言葉より僕の言葉のほうがいい。
 不思議なことに、愛情は一旦口にしてしまうと、緊張は消えていた。
 悠理はぽかんと口を開けて、僕を見上げている。
 なんだかそうしていると、可哀相な子に見えた。
 僕は悠理が愛しくなって、手を延ばして、柔らかい髪の毛をそっと撫でた。
「お前のすべてが好きなんです。僕のものになってしまいなさい」
 呆けている悠理に、もう一度僕は繰り返した。
 まだぽかんと口を開けたままだった悠理の顔が、真っ赤になった。
「な、な、な、何言ってんだよ。このヤロウ」
 今度は激しく吃りながら、悠理は唾を飛ばして怒鳴り始めた。
 照れていると思いたいが、判断はつかなかった。
 まだ悠理を腕にぶら下げている魅録を見ると、何故か固まっていた。
「あ、分かった、お前、あたいの事、からかってんだろっ」
 悠理はそう怒鳴ると、今度は急に泣きそうな顔で僕を見上げた。
 不安げな、縋るような瞳が、僕を見上げている。

92 :エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白9xx:2009/02/22(日) 13:01:11 ID:7NfvCDLZ
 ああ、どうしたことか、また心音がバクバクと鳴り出した。
 壊れてしまったかのように激しく脈打ち、僕はうまく呼吸が出来なくなる。
 悠理の唇が震えている。
 いけない、泣き出しそうだ。
 何か言わないと、何か、何か、何か・・・
 そうだ、野梨子も細かく心情を伝えろと言っていた。
 すべてが好きや僕のものなんて言い方では駄目だったんですね、野梨子。
 いや、野梨子先生と呼ばせて貰おう。
 それに、よく考えたら僕のものなんて言い方で、まずいのではないだろうか。
「からかってなんていませんよ。僕は、お前が好きなんです、悠理」
 そう言うと、悠理の緊張が少し解けたように思えた。
 GJ自分。
「すべてがなんて言い方では、理解力が不自由なお前には、ちょっと分かりにくかったかも知れませんね。
僕はお前の笑い顔が好きなんです。
たとえ、女とは思えないくらい大口を開けて笑っていても、不思議とドキドキするんです。
時々自分が変態じゃないだろうかと、思う時がある位です。
それから、実は泣き顔も好きです。子供みたいに泣いているのを見ると、正直興奮します」
 そこまで言うと、悠理の眉尻が吊り上がり、眉間に皺が寄っていることに気が付いた。
 まだ顔は赤かったが、むっとしたように唇を尖らせている。
 ああ、機嫌を損ねてしまったようですな。
「だからといって、泣いてほしい訳ではありませんよ。
できれば、泣かずにいて欲しいと思っているんです。
ただ、好きな女の泣き顔は男を興奮させるんですよ、悠理。
正直、泣いてる顔を見ると、挿入して、気持ちよく鳴かせてみたいと思うものです。
もっとも悠理は処女でしょうから、最初は痛くて泣いて泣いてしまうでしょうが。
だけど、怯えた顔には敵いませんね。悠理の怯えた顔を見ると、僕は背筋がゾクゾクするんです。
あの、興奮と快感は何物にも代え難い感覚ですよ。
だから、勉強会は僕にとって、悠理のフルコースみたいなもんですね。
泣いたり、怒ったり、甘えたり、笑ったり忙しいったらないですから。
それに幽霊騒動なんかで、泣きながら抱き着かれたりすると、男として辛いものがあるんですよ」
「せえしろ」
 まだ続けようとしていたのに、悠理に遮られてしまった。
 その声は若干震えていて、真っ赤だった顔は蒼醒めていた。
「それ、全部、冗談なんだろ? 」
 ここまで言ったのに悠理に信じて貰えないなんて、僕は傷付いた。

93 :エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白10xx:2009/02/22(日) 13:03:24 ID:7NfvCDLZ
 いや、蒼醒めた顔や緊張感は、悠理にも僕の本気が伝わっている証拠なのだ。
「いいえ、全部本気です。僕は全身全霊をかけて悠理を愛しています。
元気に暴れまわっているお前が好きなんです。
ただ、スカートで跳び蹴りするのはやめて欲しいですけどね。
僕の欲情を煽るのはまだしも、他の男にまで見えてしまいますから。
それから、ノーブラで歩くのもどうかと思います。
正直僕も、僕の部屋で二人きりの時はオイシイと思ったりもしますが、行き帰りが心配です。
悠理は、男は皆、大きい胸が好きだと思っているようですが、小さい胸のほうが好きな人間も多いんです。
その証拠に、グラビア雑誌には微乳特集はかなり多いんですよ。
もっとも僕は、小さかろうが大きかろうが、四歳の時の悠理のセミヌードの方が興奮しますけど」
 僕が黙ったのは、悠理の様子が変だったからだった。
 体はカタカタと震えているし、瞳に涙が盛り上がっていた。
 そのうえ、魅録の腕を胸にしっかりと抱え込み、唇を引き結んで僕を見ていた。
 だけど、一番気に入らなかったのは魅録の腕が、悠理の頭を抱き抱えるように、引き寄せたことだった。
「もう、いいだろ、清四郎。悠理が何したか知らねえけど、やり過ぎだ。本気で怖がってるじゃねえか」
 悠理はキツク僕を睨むと、魅録の腹に顔を埋めるように抱き着いた。
 どういうつもりですか?
 告白中に他の男に抱き着くなんて。
 しかも、魅録はポンポンと悠理の頭を撫でている。
 怖がる?
 確かに悠理は怯えているようだ。
 何故、悠理が僕を・・・
 じっと、観察していると悠理と一瞬だけ目があった。
 涙で汚れた顔を見ると、まるで僕が苛めたみたいだ。
 その瞬間、悠理は座ったまま、ビクッと軽くジャンプした。
 そして魅録の腹に、グリグリと頭を押し付けている。
 ・・・羨ましい。
「何を怖がっているんですか、悠理。怖がることなんか無いんですよ。
今までだってずっと悠理を守ってきたじゃないですか」
 努めて優しい声を出したけれど、悠理は魅録に抱き着いたまま離れない。
 小さい嗚咽と震える肩から、泣いてるのが分かる。
 魅録は悠理の肩に手を回して、責めるように、僕を見てる。
 そうですか、魅録、宣戦布告と言う訳ですね。


94 :エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白11xx:2009/02/22(日) 13:05:18 ID:7NfvCDLZ
 いや、蒼醒めた顔や緊張感は、悠理にも僕の本気が伝わっている証拠なのだ。
「いいえ、全部本気です。僕は全身全霊をかけて悠理を愛しています。
元気に暴れまわっているお前が好きなんです。
ただ、スカートで跳び蹴りするのはやめて欲しいですけどね。
僕の欲情を煽るのはまだしも、他の男にまで見えてしまいますから。
それから、ノーブラで歩くのもどうかと思います。
正直僕も、僕の部屋で二人きりの時はオイシイと思ったりもしますが、行き帰りが心配です。
悠理は、男は皆、大きい胸が好きだと思っているようですが、小さい胸のほうが好きな人間も多いんです。
その証拠に、グラビア雑誌には微乳特集はかなり多いんですよ。
もっとも僕は、小さかろうが大きかろうが、四歳の時の悠理のセミヌードの方が興奮しますけど」
 僕が黙ったのは、悠理の様子が変だったからだった。
 体はカタカタと震えているし、瞳に涙が盛り上がっていた。
 そのうえ、魅録の腕を胸にしっかりと抱え込み、唇を引き結んで僕を見ていた。
 だけど、一番気に入らなかったのは魅録の腕が、悠理の頭を抱き抱えるように、引き寄せたことだった。
「もう、いいだろ、清四郎。悠理が何したか知らねえけど、やり過ぎだ。本気で怖がってるじゃねえか」
 悠理はキツク僕を睨むと、魅録の腹に顔を埋めるように抱き着いた。
 どういうつもりですか?
 告白中に他の男に抱き着くなんて。
 しかも、魅録はポンポンと悠理の頭を撫でている。
 怖がる?
 確かに悠理は怯えているようだ。
 何故、悠理が僕を・・・
 じっと、観察していると悠理と一瞬だけ目があった。
 涙で汚れた顔を見ると、まるで僕が苛めたみたいだ。
 その瞬間、悠理は座ったまま、ビクッと軽くジャンプした。
 そして魅録の腹に、グリグリと頭を押し付けている。
 ・・・羨ましい。
「何を怖がっているんですか、悠理。怖がることなんか無いんですよ。
今までだってずっと悠理を守ってきたじゃないですか」
 努めて優しい声を出したけれど、悠理は魅録に抱き着いたまま離れない。
 小さい嗚咽と震える肩から、泣いてるのが分かる。
 魅録は悠理の肩に手を回して、責めるように、僕を見てる。
 そうですか、魅録、宣戦布告と言う訳ですね。

95 :エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白12xx:2009/02/22(日) 13:07:21 ID:7NfvCDLZ
「悠理、怖がる必要はないって言ってるでしょう。
この前、家に泊まった時も、お前がパジャマで抱き着いて来ても、人に寄りかかったまま寝てしまっても、指一本、触れなかったんですよ。
あの時はノーブラだったし、僕のパジャマだから大きくて、胸なんか丸見えだったんですよ。
悠理は無防備だから、乳首は愚か、可愛いお臍まで見えてたんですよ。
抱き着かれた時なんか、風呂上がりで、ピンクでほかほかだったのに。
なのに、なのに、なのに僕は、一晩中、家庭教師してやったんですよ。
この、鋼の理性をもう少し信用してくれてもいいでしょう」
「ぎゃ〜、変態〜」
 せっかく人が心を砕いて話しているというのに、悠理は僕の説明を聞こうともせず、更に暴れ始めた。
 告白されただけで、こんな暴れる女が他にいるだろうか?

ビリリリリ

 いい加減、切なくなったころ、悠理の制服が破れた。
「ギャアアアアア」
 怪獣の断末魔のような声を上げたに後ろから抱き締めたのは、彼女の柔肌を他の人間の視線から守る為だった。
 けっして、いやらしい意味じゃ無かった。
「何をしているんですの? 清四郎」
 声の方に顔を向ければ、野梨子がドアに立っていた。
 大騒ぎする悠理の声を聞き付けたのだろう。
「野梨子〜、助けて〜、清四郎に犯される〜」
「違います、これはですね。悠理が逃げようとするから」
 悠理が誤解を招く発言をしたせいか、野梨子の表情は険しい。
 それに、いつの間にこんな人だかりが出来たのだろう。
 誰が呼んだのか、風紀顧問のオールドミスまで来ていた。
「せ、生徒会長、あなたいったい剣菱さんに何をしてるんですか」
 ワナワナと震える唇は、まさか誤解しているのだろうか?
 思わず、悠理を掴んでいた力が緩んでしまうと、するりと腕から抜け出された。
「駄目ですよ悠理」
 叫んだ時はもう遅く、悠理は逃げ出していた。
 肩から背中まで完全に破れてしまった為、右肩から背中まで、べろんと露出している。

96 :エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白13xx:2009/02/22(日) 13:09:13 ID:7NfvCDLZ
 薄いライムのキャミソールから覗くブラジャーは、今まで見たことのないさくらんぼ柄だった。
 悠理は、制服をはだけたまま野梨子の腕に飛び込んだ。
「わああ、野梨子〜」
 野梨子はまるで強姦魔でも見るような眼で僕を見ていた。
「待ってください。僕の話を聞いてください」
 悠理の肩に触れようとした瞬間、野梨子の張り手が飛んで来た。
 バシッ
「最低ですわ、この獣」
 
 気が付いたら、悠理は野梨子の胸で泣いていた。
「悠理っ」
 声をかけると悠理はゆっくり振り返った。
 涙で濡れた顔はぐしゃぐしゃだけど、僕には魅力的に見えた。 
 ああ、可愛い悠理。
 お前はまだ恋するのが怖いのか。
 僕は告白するのが早すぎたのだと、少しだけ後悔していた。
 悠理の瞳が更に潤み、唇が震えた。
「気持ち悪いんだよ、この変態」
 しかし、愛らしい唇から叫ばれた言葉は、僕の胸に深く刺さった。
「へ、へんたい? 」
 それは誤解だ悠理。
 僕は決して変態じゃない。
 しかし、悠理は僕がショックを受けている間に、更に追い打ちをかけた。
「清四郎なんか大っっっっっ嫌いだっっ。絶好だっっ」
 そして悠理は僕に布切れ一枚残して、野梨子と一緒に帰ってしまった。
 気が付いたら消えていたのが本当だ。
 教師や魅録が何かを言っていることが分かったが、不思議と声は聞こえなかった。
 ああ、思考がうまく纏まらない。整理しないといけないのに、どうしたことでしょう。
 力がまるで入らない。
 そう、整理しましょう。

 魅録がライバル。→ 望むところです。
 悠理が、泣いていた。→ 可愛かったです。
 野梨子が怒っていた。→ 訳が分かりませんな。
 悠理に変態と言われた。→ 言われの無い事実です。
 白地にサクランボのブラ。→ 悠理もだんだん女の子らしくなっているんですね。

97 :エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白14xx:2009/02/22(日) 13:13:42 ID:7NfvCDLZ
 ぐるぐると回る中、清四郎なんか大っっっっ嫌いという悠理の言葉が何度もリフレインされている。
 きらいきらいきらいきらい
 清四郎なんか大っっっっっ嫌い大っっっっっ嫌い
 ああ、どうしたことだろう。止まらない。
 悠理と知り合って、5797日と8280秒、彼女に大嫌いと言われた数は数知れない。
 しかし、この日言われた大嫌いという言葉には、いまだかつて無い程傷けられた。
 ああ悠理、臆病なさみしがり屋な悠理。
 どうやら、僕は言葉が足りなすぎたようです。
「いや、余計なこと言い過ぎなんじゃねーか」
 どこかで魅録の声が聞こえたような気がした。

終焉 回答編へ続?

変態なのは清四郎ではなく漏れです。
だけど男子高校生が思ったことそのまま告ったら、放送禁止用語多発になっちゃうよな?
って思っちまったんだよ。ラブレスっぽくなったけど清×悠のつもりです。


98 :名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 17:46:57 ID:8H9VU7Dr
>ラブロマ
面白かったです!!
清四郎の告白が情緒障害者ぽくて良かったです。
続き楽しみに待っています。

99 :名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 22:53:54 ID:q5o6JkcT
>ラブロマ
これ、楽しみにしていたんです!
清四郎が面白い
野梨子がどう清四郎をわかっていなかったのかと思っていたんだけど、こうきたか!
男のただ漏れは女の子からしてみれば変態としかいいようないですよね
回答編が楽しみです

100 :名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 18:46:35 ID:+cE/FGSf
魅録がいるとこで、こんな告白したのか。

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