ちりとてちんでエロパロ 第五席
- 1 :名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 00:37:31 ID:M5xAEPUy
- ようこそのお運びで厚く御礼申し上げます。
こちらはドラマ「ちりとてちん」のエロパロスレです。
※sage進行でお願いします。
※どなたさまも荒らしは底抜けにスルーの方向で。
※SS投下時には、カプ名と傾向(エロの有無、鬼畜・百合等)の表記をお願いします。
※次スレの算段は容量が490KB超えた、もしくはスレが950まで進行したら、
宣言して立ててください。誘導もよろしくお願い申し上げます。
初代スレ 【朝ドラ】ちりとてちんでエロパロ【貫地谷B子】
http://same.u.la/test/r.so/sakura03.bbspink.com/eroparo/1192353834
二代目スレ ちりとてちんでエロパロ 第二席
http://same.u.la/test/r.so/sakura03.bbspink.com/eroparo/1197886916/
三代目スレ ちりとてちんでエロパロ 第三席
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205681901/
四代目スレ ちりとてちんでエロパロ 第四席
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1210349198/
保管庫 http://enyohaku34.web.fc2.com/omoya.html
- 2 :名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 00:46:35 ID:M5xAEPUy
- 早漏だったか
- 3 :名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 01:29:26 ID:5fY161/I
- 兄さん>>1乙やないですか
- 4 :名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 01:35:49 ID:YChur5Nz
- >>1底抜けに〜乙ですがな〜!
- 5 :名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 23:50:08 ID:/oLMe6b/
- >>1乙!
職人さん帰ってこないかな
- 6 :名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 00:07:24 ID:RYLqQeoC
- あ〜あ〜誰にも〜>>1乙がある〜
- 7 :名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 03:25:53 ID:Kbx4Tdvd
- >>1乙ですさけぇ。
- 8 :名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 20:36:42 ID:lcNIWHtU
- >>1乙です〜
前スレ681もGJ!
>なんや知らんけど、助かったみたいです。
にワロタ。このシチュエーションでよくキスだけですんだな、喜代美。
- 9 :名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 08:11:07 ID:B3fnHo11
- >>1
乙
夢の続きはどうなったかな
- 10 :名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 20:53:38 ID:b9HW8l15
- >>1
乙です。
新スレ初投稿がこんなので申し訳ないのですが、下ネタ系のアホ小ネタ投下します。
小草若視点で内弟子時代の若狭と草々、四草の4人のグダグダ話です。
- 11 :結局うだうだダベって終わるもんなんだよ打ち合わせってヤツは1:2008/12/18(木) 20:54:39 ID:b9HW8l15
- 俺の師匠であり父親でもある徒然亭草若が、寝床寄席で落語家に復帰してからはや一年。
今や一門恒例の会場となった寝床を中心に落語会を開いてはいるけれど
天狗芸能に睨まれている我が徒然亭一門、天狗座のような大舞台で活動なんか
出来る訳も無く、今もあちこち小さな会場を探しては落語を続けている。
今、俺たちが打ち合わせをしているのもそんな落語会の一つだ。
今回企画しているのは、俺が以前タレントとして営業に行った先で知り合った
ある寿司屋の親父が呼んでくれたもので、俺と兄弟弟子の草々、四草との三人の出演。
当然、この話を持ち込んだ俺が三人会のトリを務める予定なんだが。
「トリが寿限無か子ほめの落語会なんて聞いたことも無いわ」
「前座の僕らが小草若兄さんレベルに合わせなあかんのですか」
「……おい、誰のツテで開く落語会思てるんや!」
打ち合わせはなかなか進まず、師匠の家で気付けば深夜に及んでいた。
「腹、減ったな」
「寝床もう閉まってますよ」
「そうやのうて弟弟子のお前がなんか用意するもんやろ、この場合」
「分かりました。若狭叩き起こしてきます」
「こらこらこら!喜代美ちゃんは関係ないやろ!」
俺たちがそんな不毛なやり取りをしていた時だ。
「お疲れさまですぅ」
可愛らしい声とともに障子がスッと開いて、当の喜代美ちゃんが現れたのだ。
俺たちの妹弟子で現在、住み込みで内弟子修行中の喜代美ちゃんは
何を隠そう、この俺の意中の女の子だ。
その女の子がカーディガンひとつ羽織っただけのパジャマ姿なんて
色っぽい格好で立っている。
しかも、手にはいい香りのするカップを乗せたお盆を持って。
自然、頬が緩んでしまう。
「なんや若狭、これは俺らの話し合いやで気ぃ使わんでええんやぞ?」
「ほやけど兄さんら、こない遅うまでいるさけ……」
そう言いながら喜代美ちゃんは温かいカップと菓子を渡してくれる。
「コーヒーに落雁て、変な取り合わせなってますけど」
「ええてええて、おおきに喜代美ちゃん」
ほんま、なんてええ子なんやろ。
こいつらさえいなかったら抱き締めてあげたいとこだ。
「お腹もすいてるん違います?今、お夜食作ってきますけぇ」
コーヒーを啜る俺たちをくるんと見上げる大きな瞳。
この状況、もし俺と二人きりだったらまるで新婚さん……。
「無いな」
「無いですね」
「せやから人の妄想勝手に読むな!」
- 12 :結局うだうだダベって終わるもんなんだよ打ち合わせってヤツは2:2008/12/18(木) 20:55:35 ID:b9HW8l15
- 喜代美ちゃんが淹れてくれた濃いめのコーヒーに、甘い落雁がほんまに美味しい。
議論疲れした心身を揉みほぐしてくれるようだ。
「気ぃ利くようになったもんやな、若狭のくせに」
「気ぃ利かんお前が言うな」
「これも内弟子修行の成果やな」
なんて口々に勝手なこと言ってる俺たちの腹が、誰からとも無くグーっと鳴った。
喜代美ちゃんはくすっと笑って
「ほらぁ、兄さんらやっぱりお腹すいとるやないですか」
悪戯っぽく俺たち三人を見回している。
キラキラした瞳で上目遣い&可愛いアヒル口。
……あかんて、喜代美ちゃん。その顔は凶器や。
時々、喜代美ちゃんはこんな風に無自覚に男煽るようなマネするからタチが悪い。
メロメロになってる俺ほどじゃないが、あとの二人もグッと押し黙っている。
お前ら、喜代美ちゃんのこと普段お子様だの色気無いだの馬鹿にしてるくせになんや。
「せやけど喜代美ちゃん、ほんまにええねんて?もう遅いし」
「ほやかて、もう作ってしまってますもん。おうどん」
すぐに持ってきますけぇ。そう言ってくるっと回れ右した喜代美ちゃん。
「若狭、俺のお揚げは三枚入れとけ」
「おい、なんできつねうどんて決め付けてんねん」
「四草兄さんよう分かりましたね、きつねうどんて」
「匂いでな」
そう言うとこの無遠慮男、びっくりしてる喜代美ちゃんの髪をくんくんしやがった。
「犬か、お前は」
「て言うか嗅ぐな!喜代美ちゃんを!」
アホ四草をひっぺがしてどついていると喜代美ちゃんは
「ほな用意しますけ」
と障子を閉めて行ってしまった。
「楽しみやな〜喜代美ちゃんの手料理」
「毎日食ってるけどそんな大したもんやないぞ?」
「なんやねんお前は。片っ端から俺のささやかな夢ぶち壊すな」
「取り敢えず叩き起こす手間省けましたね」
「おい、ほんまに若狭起こすつもりやったんか」
下らないことを言い合っているうちに障子の向こうからぷぅんと出汁の香りがしてくる。
「お待たせしました〜」
今度は丼を三つお盆に乗せた喜代美ちゃんが再び部屋に入ってきた。
「サンキューやで喜代美ちゃん」
「ありがとな若狭」
各々丼を受け取ると我先に啜り込む。
あー、ほんまに温まるわ。それに料理上手やん。
草々たちに文句言おうとした俺はふと気付いた。なんや二人の様子がおかしい。
不審に思った俺はその視線の先に愕然となった。
き、喜代美ちゃん……!!
- 13 :結局うだうだダベって終わるもんなんだよ打ち合わせってヤツは3:2008/12/18(木) 20:56:17 ID:b9HW8l15
- 喜代美ちゃんが着ているパジャマは、小柄な彼女にはサイズ大きめのもので。
前開きのボタンも大きくて可愛らしいのだけれど。
その、ボタンが。
よりによって胸のとこの真ん中のボタンが。
(は、外れとるやないかーっ!)
当然、そこから真っ白で滑らかな肌と、それに、それに。
(喜代美ちゃん……ノーブラ派?)
たぷんとけっこうなボリュームのある下乳がしっかり見えてますがな!
どうやら俺たちの夜食を用意している間に、どこかに引っ掛けて外れてしまったらしい。
……まあ、そんなとこも喜代美ちゃんらしいっちゃらしいんやけど。
そんなことより。
(……あかん)
こういったハプニングにめっきり弱い某一名。案の定、真っ赤になってフリーズしてる。
あああこれだから素人童貞は!
当の喜代美ちゃんと言えば、なんにも気付かずにニコニコ見てるばかり。
どーする?喜代美ちゃんに知らせるべきか?
『どこ見てるんですか!小草若兄さんのスケベ!最低!見損ないました!』
……いやいやいや、下手したら俺の好感度下がってまうやろ。
それはマズい。絶対にマズい。
かと言って、このままにしとくワケにもいかへんし……。
どーしたらええんや、俺?
そや!最初っから好感度もクソも無い男がいたの忘れとったわ。
(おい、四草……!)
(ヤです)
おいいいっ!兄弟子の命令を0.03秒で拒否るなあああっ!!!
四草の野郎、我関せずとうどん食い続けてるくせに
目だけはしっかり喜代美ちゃんの胸に釘付けてやがる。
……このムッツリスケベが!!
「どねしたんです?草々兄さん?」
さすがに5分以上もうどん咥えたまま固まってる草々を妙に思ったのか
喜代美ちゃんがそばに近付いてきた。
あかん、喜代美ちゃん!そない鼻先でかがんだりしたら……!
ぱっくり割れた胸元から、ぽよんて柔らかな膨らみが落ちてきて
ピンク色の可愛らしい先端が、固まってる男の目の前に……。
ぷしーっ。
「そ、草々兄さんっ!?草々兄さんっ!!」
盛大に鼻血吹いてぶっ倒れる草々。
動揺しまくる喜代美ちゃん。
「ど、どどどねしよ!コーヒー濃く淹れすぎて刺激強うなってしもたんかも……!」
「いや、別の意味で刺激的やで若狭」
「おいこら、こんな時に何うまいこと言うてんねん!」
結局、半泣きの喜代美ちゃんをなだめて鼻血男を介抱して終った打ち合わせ。
なんやねん、これ!
〈終〉
- 14 :名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 21:49:35 ID:CJuWJJhJ
- ぶははははは!GJGJ!
それぞれが言いそうな台詞てんこ盛りですな!
本当にこの人ら、台詞の前に名前がなくても誰の台詞かわかるw
- 15 :名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 01:57:16 ID:gGrprHij
- めっちゃGJ!
何気なく読んで思わず梅こぶ茶吹いた。
セリフが本当、それぞれのイメージどおりで上手すぎますって。
喜代美ラブの小草若視点を読んで、去年の今頃は小草若の不憫さに
胸を痛めながら毎日wktkしてたのを思い出したよ…。
またのご投下、楽しみにしてます〜!
- 16 :名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 02:46:21 ID:pEVBPaKD
- 今頃だったよね…
あの決定打があったのは
それまでは、四草もいずれは参戦してくれると期待してただけに…orz
- 17 :名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 15:12:49 ID:w1RlxGkP
- GJGJ!
やっぱ小草若はかいらしなぁ。0.03秒で拒否る四草、最高w
みんなが、らしくておもしろかったです〜。
- 18 :名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 20:24:17 ID:2t4n6bEA
- GJ!男視点シリーズ、大好きです。
喜代美の天然お色気は最強だ。みんな反応がそれらしくてワロタ。
こっそり師匠も一部始終をのぞいていたりして。
>>14
>本当にこの人ら、台詞の前に名前がなくても誰の台詞かわかるw
ほんとほんと。SS読んでてつくづく思う。
そんだけキャラが立ってるってことなんでしょうなあ。
- 19 :名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 00:07:50 ID:97623+Lc
- 四草一人語りで徒然亭一門→若狭の小ネタ投下します。エロ少々あり。
厨二病全開で色々捏造しまくってますごめんなさい。
- 20 :Lust 1:2008/12/21(日) 00:08:42 ID:97623+Lc
- 寸分の違いも無く繰り返される律動に一段と高くなる嬌声。
女の酢えた匂いが四肢に纏りつく。
流れる汗、立ち上ぼる熱気とは裏腹に脳は冷え冷えと醒めている。
――この女も、あと二、三ヶ月てとこやな
値踏みしながら、快楽の最中にいる女の耳に甘い単語を囁いてやる。
落語家という浮沈の激しい世界において、女を利用して生きる
俺のような人間はさして珍しい存在でも無い。
ごく平凡な家庭を持ち、一時は月給取りの道を選んだ筆頭弟子も
落語馬鹿の異名をとる堅物の二番弟子でさえも、この俺の私生活に関しては
肯定とは言えないまでも、殊更否定も非難もせずにいる。
この世界で生きている以上、清も濁も飲み干していかねばならないのは当然の事。
現に師匠も兄弟子たちも、それなりに遊びの女を一人二人は持っていた。
それが変わったのは、一度は離散した一門が三年の時を経て集結したあの日。
いや、正確にはあの娘が俺たち徒然亭一門の前に現れてからだ。
師匠の声を吹き込んだ古いテープに導かれるように現れた娘は、
それまで停滞と堕落の沼に沈んでいた俺たちを引き上げ、
再びあの高揚と躍動の檜舞台へと押し出してくれた。
生涯、本人に伝る気は無いが、俺にとって彼女の存在は女神に等しい。
だがその女神は、未だこの世界の醜悪を知らずにいる。
彼女とて、苦悩や挫折と無縁と言う訳では無い。
しかし彼女の抱える自己嫌悪も嫉妬心も、清らかな少女の持つそれで。
遥か昔に捨て去った俺には酷く眩しいものに映っていた。
「若狭には、まだ話さんとき」
ある日、俺を呼びつけた筆頭弟子はこう話を切り出した。
「何をです?」
「お前の、そういう生き方をや」
そういう、に力を込めて兄弟子は続ける。
あの子は俺たちを兄弟子として尊敬してるし好意も持っている。
まだ子供の若狭に、現実突き付けて無闇に傷つけることもないやろ――
「だからですか」
俺は頬に皮肉の笑みが浮かぶのを抑えられなかった。
「折角、落語に復帰した兄さんがあそこに通わなくなったのは」
「おい、それとこれとは関係無いやろ」
昔の話や、苦々しげに呟く兄弟子に俺は俺と同類の臭いを感じた。
恐れているのだ。
あの娘に軽蔑の目を向けられるのを。
あの娘が俺たちに失望するのを。
あの娘が俺たちの元を去り、またもあの忌わしい
虚無と倦怠の日々が帰ってくるのを。
だから俺たちは、無垢な瞳を遮る。
- 21 :Lust 2:2008/12/21(日) 00:09:35 ID:97623+Lc
- 三年前の徒然亭一門には、隠微を共有する空気が確かにあった。
今のまるで道徳教本の様な健全さは、昔を知る者が見れば滑稽ですらあるだろう。
俺に沈黙を強いた兄弟子も、彼女を永久に無垢なままで等と
愚かな願いは持っていない。
清純な少女もいずれは知るだろう。男を騙すことも騙されることも。
ただそれはもっと先の話でいい、と筆頭弟子は言う。
彼女はまだ子供なのだからと。
しかし、そうして闇から閉ざされている少女は疑いもしないのだろうか。
薄壁一枚を隔てて隣室に住う男が、必死に女の部分を見まいとしている事を。
少女にあからさまな好意を寄せる男が、女として求めるのを耐えている事を。
そう、子供だと俺たちが自身に言い聞かせている彼女の身体は既に
肉置きの豊かな艶めかしい女になっているのだ。
日に透かせば栗色に光る髪。黒々と濡れる瞳。長く濃い睫毛。
ふくりと紅を湛えた唇。肌理の細かな白い肌。
たわわに実る乳房。大きく張り出した尻。
並の男ならば、肉欲を感じずにはいられない極上の女の身体。
この俺でさえ、いつかは彼女を手に入れるであろう未知の男に対し
激しい嫉妬を覚えるくらいだ。
少女の為に女を断っている男たちにとって、あの滴る様な瑞々しい肢体は毒であろう。
思えば三年前、師匠の妻で俺たちの「おかみさん」であった
女性の存在を失ってから一門はゆっくりと崩壊の道を辿っていった。
現在、再興した一門に新たに加わった少女は「妹弟子」という
不安定な位置にいる。
一門の「母」として、俺たちを束ねる要石でいてくれたかつての女性とは違い
彼女の存在は庇護すべき「子供」であると同時に
欲望の対象にも成り得る「女」でもある。
今はまだ、俺たちが少女の「女」から目を逸らし
情欲の世界から遠ざける事で辛うじてバランスを保ってはいるが。
――危ういな
未だ修行の身である少女の年季が明けた後。
俺たちは果たして彼女を「妹」として見ていられるのだろうか?
「どうしたの?怖い顔して…」
思案の外にいた今宵の女が肌の上にしなだれかかる。
その裸体を緩慢に抱きよせ乳房をまさぐる。
あの娘に最初に手を伸ばすのは、彼女を恋うてやまないあの男か。
彼女に想われているあの男か。それとも、見も知らぬ第三の男か。
案外それは。
――この俺やもしれへんな
不意に沸き起こった情欲に突き動かされ、俺はまた女を押し倒した。
了
- 22 :名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 16:54:09 ID:Ggd6ACJG
- GJGJ!男くささがなんともかっこいい。ムッツリ絶倫四草もさることながら
昔はいろいろやってたらしい草原兄さんの振る舞いがツボでした。
改めて徒然亭はオオカミの館でそこに迷い込んだ喜代美は羊だったなあと・・・
マタギお父ちゃんそこは見落としてたにちがいないw
- 23 :名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 03:18:45 ID:wv3KseOa
- GJ!!
硬質でクールな文章、四草底抜けにかっこいい
清濁併せ呑む落語家たちが喜代美の登場によって変わったのだな、緊張感のある関係性になっていて楽しみましたGJ
- 24 :名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 06:49:36 ID:g3wX6JFR
- おおおお、GJ!
喜代美との関係性がすごくいいな。
確かに”あの”草々が四草の女関係に対してごちゃごちゃ言わんかったのは
そういうことなんだろうなあ、と妙に納得したよw
>>22さんと同じく草原兄さんもツボ。おもしろかったです。
- 25 :名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 11:57:55 ID:I+99m0DS
- クリスマスといえば思い出す〜草原にいさんのぶっといトナカイ〜
- 26 :名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 21:18:10 ID:m6XrdOt3
- 捕手
- 27 :名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 02:11:04 ID:99/jiqD1
- 喜代美誕生日おめ保守
- 28 :名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 22:12:48 ID:/SvytptA
- 来年も職人さんが来てくれますように小ネタ投下します。
設定はひぐらし亭改築中あたり。
草々×若狭、小草若×清海前提の小草若×若狭。
ぬるーく微エロ程度です。
- 29 :12/31 その1:2008/12/31(水) 22:13:54 ID:/SvytptA
- 温泉街というのは冬でもそこかしこから蒸気が上がっていて
底冷えのする大阪の土地と違ってほんのり温かい気がする。
――せやからこんなカッコで歩き回っても平気なんやな
こんなカッコ、というのは厚手の襦袢を着込んだ浴衣の上にドテラというもの。
派手に旅館の屋号をあしらった浴衣を着て呑気なことを思いながら
曲がりくねった細い道を通っていた小草若はふと足を止めた。
「……どこや、ここ」
亡き父草若の遺志を継ぎ、徒然亭一門が中心となって立ち上げている
常打ち小屋の建設も半ば目処がつき、久々に内輪で骨休めの小旅行といこか
と話が決まったのは今年最後のクリスマス。
それからなんやかんやで結局この温泉街で年越しとなったのだ。
――ま、あの家は改築中やしちょうどええやろ
そう、常打ち小屋とは亡き父のそして小草若自身が生まれ育った屋敷を
改築して建てるのだ。
屋敷内に住んでいた草々若狭夫婦も家を出なくてはならなくなり
お正月どねしよ、とオロオロしていた若狭へ今回の常打ち小屋立ち上げに
スポンサーを名乗り出てくれた若狭塗箸製作所社長の清海が
温泉街の旅館を手配してくれたというのがここまでの経緯。
清海自身も仕事で近くのホテルに泊まっており、それならばと小草若も
夫婦に便乗してここへ来たのだ。
清海とは、小草若が落語に戻る転機となった小浜でのイベント以来
プライベートでも会う仲になっている。
互いに好意を抱いているのは気づいてはいるが
若く美しい会社経営者と将来の安定しない中年芸人という立場が
小草若に二の足を踏ませている。
それでも、なにかと忙しい清海と会える機会があればこうしてホイホイと
来てしまう己の浅ましさに小草若は苦笑を禁じ得ない。
――本当は、俺の方から身を引かなあかんのやけどな
彼女の為にも……あの時のように。
あの時、と十年前の出来事を思い出してしまった小草若の心臓が
じくじくと古い傷跡を引っ掻いたように疼いた。
――まったく、俺ゆう男は
何回“きよみ”という名を持つ女に捕らわれれば気が済むのだろう。
そんな詮無いことを考えつつ、清海と会える時間潰しにと
ぶらぶら歩いているうちに妙な小道に入り込んでしまったらしい。
「ええ年してなに迷子なってんねん」
途方に暮れる自分にツッコミを入れた時。
「小草若兄さん!」
十年前の“きよみ”が息を切らせて小草若の元に駆け込んで来た。
- 30 :12/31 その2:2008/12/31(水) 22:14:39 ID:/SvytptA
- 「こんなとこでなにやっとるんです、小草若兄さん!」
小草若と同じ浴衣にこれまた同じドテラといういでたちの若狭は
そばにやってくるなりこう喚き立てる。
「なんや、ひとの顔見るなりギャンギャンギャンギャン……」
妹弟子の姿にホッとしつつもさっそく始まった説教に小草若は
少々大袈裟に顔をしかめてみせた。
結婚して十年。夫の草々が弟子をとりおかみさんともなった若狭は
主婦としても落語家としても妙に貫禄がついてきて
最近ではこうして兄弟子である小草若たちに口やかましくなっている。
――あの若狭が、なあ……
ぼやきながらも、おどおどしていた小娘が今や一人前の大人となって
自分たちに物申しているのはなんだか微笑ましい。
口にこそ出さないではいるが、小草若だけでなく草原も草々も四草も
末っ子の若狭に説教されるのを密かな楽しみにしているのだ。
そんなわけで心地良い言葉の雨に打たれていた小草若だったが
大阪よりは温かい温泉街と言っても冬の屋外。
「…へっくし!」
「小草若兄さん?……大変!冷えとるやないですか!」
「…そーゆーわけや若狭、説教はそのへんにしてそろそろ戻ろか」
さすがに四十も過ぎて迷子になったとは言えず、さり気なく若狭に道案内させようと
企んだ小草若だったが。
「……小草若兄さん、どこですか?ここ」
「……お前も迷ったんかい」
「自分も迷子のくせに、なに偉そうに説教してんねや!」
「こっ小草若兄さんこそひとのこと言えへんやないですか!」
とりあえずと寒風を避けるため街角の冬囲いに入ってはみたものの
依然として帰り道のわからない迷子二人は不毛な言い争いをしていた。
そんなことをしている間にも冬の日は容赦なく傾いてくる。
「まいったな……エーコちゃんと紅白見る約束やってのに」
「もしかしてこのまま遭難?……嫌やこんなとこで凍死なんて!」
「おい、なに突拍子もない妄想してんねん」
言い合いながらも寒さには勝てず、いつの間にか二人は身を寄せあって
震えていた。
「小草若兄さん、指白うなっとりますよ」
「お前もやろ」
「ほら、もっとこっち来てください……手ぇここ入れて」
「悪いな若狭」
「なに言うとんですか」
若狭が差し出したドテラの袂に小草若は冷えた手を遠慮がちに入れる。
ひやりとした感触に一瞬ぴくんとおののいたが、
若狭の体は小草若を拒むことなく袂ごと小草若の腕を包み込んだ。
- 31 :12/31 その3:2008/12/31(水) 22:15:32 ID:/SvytptA
- 冬囲いの陰に隠れて二つの影が重なりあう。
ひょろりと長い影が小さな影を後ろから抱き込む。
小さな影は背中の体温を確かめるようにその身を預けている。
若狭の袂に差し入れた小草若の手は肘を伝って柔らかな二の腕の
内側をゆるゆると撫でていた。
長い指が上下するたびくすぐったそうに若狭が体をよじる。
吐息交じりの笑い声が漏れる。
「……今、何時くらいやろ」
「まだこんなに明るいんやでぇ、そんなに時間たってへんと思います」
「答えなってへんやん」
「きっと、草々兄さんらぁが探しにきてくれますよ」
「なんや、さっきまで遭難するとか言うてたくせに」
暖をとるため。迎えに来てくれるまで。
これはただの戯れ。仲のいい兄と妹がじゃれあってるだけ。
自分にそう言い訳して体をすり寄せる。
「なあ、若狭……」
「なに?小草若兄さん……」
「ちょうど十年前の今日、やったな」
あの大晦日の彼女の選択。二人をただの兄と妹にした決定打。
「……草々選んだこと、ちょっとでも後悔したことあったか?」
それはずっとタブーにしていた、しかしこの十年何度も何度も
彼女の小さな背中に声には出さず叫び続けていた、問い。
「そら、何億回も後悔してますよ?」
「何億回て。しかも現在進行形かい」
あっさりした答えに拍子抜けする。
「当然やないですか、結婚してへん小草若兄さんにはわからんでしょうけど」
「また偉そうに」
十年。悩んでいた自分がアホらしくなって腕の中の女が憎らしくなって
入れた手を深く潜らせたものの、冬の下着はそれ以上の侵入を許さない。
「……行き止まり、やな」
掠れた呟きが漏れた時。
――行方不明の……判明について……お知らせ……市内……
遠く聞こえる広報に現実に引き戻される。
「…なにやってんのやろな、ええ年したオッサンとオバハンが」
「あっ酷い!オバハンて!」
温まった体を離してまた言い争っていると。
「若狭!」
「小草若さん!」
急ブレーキのタクシーから待ち人がやっと来た。
「なにやってんねんお前ら」
「草若の大名跡を継ごうというひとが迷子になるなんて……」
迷子の二人、子供のように叱られて。
お互いの愛しい人に腕を取られながら気づかれないようにひそりと笑う。
今年最後の夜。自分の選んだ相手と濃密な時間を過ごす。
あれは逢魔が時の戯れ。小さな嘘。
きっと百八つの鐘の音とともに浄化されてしまうだろう。
完
- 32 :名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 16:52:45 ID:z7vi4TEg
- 良作やな、誰か
続き書いてな〜
- 33 :名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 10:14:47 ID:oxW+K6t2
- 続きじゃなくていいから小草若×喜代美読みたい
職人さん帰ってこないかな
- 34 :名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:21:31 ID:POh0GZT/
- 祝・草々&若狭結婚記念日!!
おめでとうございます!!
夫婦仲良く共に白髪までのネタを
職人の皆様方が書いて下さるといいなぁ…orz
と、言いつつ
草々×若狭←四草が一番好きなんだよなぁ……
- 35 :名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 17:57:34 ID:bJ7nOsDz
- ほす
- 36 :名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 21:07:27 ID:PYeTcAhd
- 保管庫4格納してるーd
- 37 :名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 01:06:52 ID:NspFD9nE
- ほんとだ!管理人さんありがとうございます〜
- 38 :名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 18:27:44 ID:+/ity6QO
- 管理人さんありがとうございます。
小草々×若狭の名作長編、また読めて嬉しかった!
- 39 :名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 03:35:39 ID:LIQ4Dyw5
- 四草と喜代美が好き
- 40 :名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 17:37:32 ID:/sXzEzEJ
- ほす
- 41 :名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 01:08:09 ID:E21uf/2v
- はやく職人さんがもどってきてくんなりますように〜〜○
の、願いを込めて、ほとんど昼メロやん!wな小草若×若狭。
不倫ものの常として、草々にいさんがかなりかわいそうな扱いです。
また、やたらと長くなってしまいました。
お嫌な方はスルーしてください…。
職人さんがお戻りになるまで、つなぎにでもしてやっていただければ幸いです。
新年一発目がこんなんでほんまにええんやろか…。とビーコ属性満開…。
- 42 :紫のゆかり 1:2009/01/18(日) 01:10:34 ID:E21uf/2v
- 言うたらあかんことやった。
今ならわかる。
あの言葉だけは、草々にいさんに言うたらあかんかったのに。
けれど私は言ってしまったのだ。
きっかけはほんの些細な喧嘩。理由が何だったか思い出せないくらいの。
感情が高ぶった自分は叫んでしまった。
「そねに好きやったんなら、おかみさんにそう言うたらよかったんですよ!
私は、あのおかみさんやないんですさけ!!」
言った瞬間。
草々にいさんは目を見開いた。
そのまま、凍りついたかのように動かない。
それで、気が付いてしまった。
自分が邪推から真実をすくい上げてしまったことに。
そのあと自分がとれる行動はといえば、部屋を飛び出すことしかなかった。
「おかみさん!」
小草々くんの叫ぶ声が聞こえたが、振り返る気にもならなかった。
聞きたくない。呼ばんで、おかみさんて。
私はどうあがいても、永遠に草々にいさんのおかみさんには、なれんのやさけ。
気が付けば天狗座の前にいた。
どうしてか、自分でもわからない。
ただ、慰めてもらいたかったのかもしれない。
何度も見守ってもらった場所。
自分の実力はさておいて、二人会をさせてもらえるはずだった場所。
最期に師匠が会いに来てくれた場所。
師匠…私は、どねしたらええんでしょう――
それは、偶然だった。
延陽伯の二階の部屋からぼんやりと外を眺めることなどめったにない。
口では「はてなの茶碗」を繰っているけれど、頭では弟弟子に言われた言葉を反芻していた。
「草若の息子の自覚」か。
ふと、暗い笑いが浮かんできた。
いやというほど、わかってるつもりやけどな。のしかかってるわ。
吐き気がしそうなくらいや。
自分のあまりの弱さとふがいなさに。
せめて…あの笑顔がそばにあったなら――
そこまで考え、また笑う。
なにもかも、今更どうなるものでもないというのに。
ぼんやりと天狗座を眺めながら、とりとめもなく思考が巡っていく。
雨…降りそうやな、天気まで真っ暗や。
ぽつんとたたずむその小さな姿が見えたとき、
小草若はそれを自分の思考の延長かと思った。
幻を見るほどとは思わんかったなぁ…。
こんなに未練がましいとは思わんかった。
若狭と呼び始めて、もう何度も季節は巡ったというのに。
そう呼ぶたびに痛んだ胸も、今はもう何も感じなくなってるというのに。
って、え?あれ? あれ、本物の若狭や。妄想ちゃうやん。
小草若は我に返る。
なにしてんねん、あんなとこで。一人で。
泣いているように見えた。
もちろん、ここからでは表情までは見えないけれど。
ぽつり、と雨が振り出した。若狭の代わりに泣いているように思えた。
小草若は立ち上がる。どうするか、などと考える間もなく。
そして、部屋を飛び出した。
- 43 :紫のゆかり 2:2009/01/18(日) 01:11:21 ID:E21uf/2v
- 「こんなもんしか、ないけどな」
小草若がマグカップを差し出した。あたたかな茉莉花茶。
ふわりと、香気が部屋を満たす。
「一応、延陽伯特製ブレンドとか言うてるんや。
ほんまはその辺で仕入れとんのかもしれんけど、そこそこええ香りやろ?
四草がときどきぱくってきよるねん」
その場にいない部屋の主を道化にして笑わせようとしてみた小草若の目論みは、しかし失敗に終わった。
「いただきます」
硬い声で、それでも笑顔らしいものを無理に顔に浮かべながら若狭がぺこりと頭を下げる。
そっとマグカップに口をつけた。
「あ、美味しい…」
今度は本当に浮かんだ小さな笑顔に、小草若はほっとする。調子に乗って、もう一声。
「どうせぱくるんやったら、月餅でも一緒に持って来たらええと思うやろ?
そういうとこ、意外に気ぃ利かんねん、あいつは」
あ、ほんまは一人で食うとるんかもしれん。と付け足してみる。
ふふ、と若狭が笑った。
それだけで、なぜこんなにほっとするのだろう。小草若は自嘲する。
思いつめた若狭の顔を見ると、なんだかおかしな気持ちになる。
二人きりになったところで、今更何があるわけでもあるまい。
「今更」と思うことに、それこそ今更軽い痛みを伴うことに驚く。
けれど、彼女の笑顔を見ていたいと思うのも本当のことだ。
何も聞かない方がいいのかもしれない。
天狗座の前にいた若狭は、雨の中、身動ぎせずにたたずんでいた。
何もかも流れて溶けてしまえといわんばかりだった。
自分自身すら流してしまいたかったのではないか。
あんな若狭は見たことがなかった。けれど…。
「なんで、あそこにおったんか、聞いてもええか?」
聞かないのもむしろ不自然かもしれない、と小草若は思った。
答えたくなかったら、若狭は答えまい。
びくり、と若狭がからだを固くする。慌ててことばをつなぐ。
「あ、ええねん。嘘や。いいたくなかったら何も言わんでええ。何も聞かんから」
それより、ほら、ジャスミン茶飲み。あったまるで。
そう言って、自分もマグカップに口をつけた。
まず、自分が落ち着く必要がある。落ち着け、俺。
訪れる沈黙。破ったのは若狭だった。
「私…なんで、結婚したんやろ。なんで、おかみさんになったんやろ」
独白めいたことばに、小草若は戸惑う。
「いや、なんで、て…。草々を好きやったから結婚したんやろ?」
久々に感じるずきりとした明確な胸の痛み。
草々を好きやったから。喜代美ちゃんは草々をずっと好きやったから。
もうとっくに忘れたはずの思いが一瞬蘇ったような気がした。
…二人きりでいるからか。目の前の彼女が、あの頃と全く変わりないように思えるからか。
「それに…立派なおかみさんやないか」
そんな胸の揺らぎを悟られたくなくて、無理に言葉を続ける。
「ようやってると思うで。自分の高座もあって、おかみさん業もやって…」
「そんなんやないんです!」
若狭が声をあげる。
マグカップに指が食い込むのではないかと思うほど、ぎゅうっと力をこめた。
- 44 :紫のゆかり 3:2009/01/18(日) 01:12:12 ID:E21uf/2v
- 「草々にいさんは、おかみさんが好きやったんや思います。
だから同じことできそうな私がよかっただけなんです。
私のことをそねしたいだけだったんや。そうなりそうだったからや。
なんで、それに気ぃつかへんかったんやろう…」
言い終わって、はたと気がついたように、小草若の顔を見る。
「すいません!にいさんの、お母さんやのに…」
人妻になってもどこか初心な彼女は、自分のことばが小草若の母を汚したような気持ちにでもなったのだろう。
罪悪感一杯の顔で小草若に謝る。
「すいません、私、小草若にいさんにこんなこと…ほんま、すいません」
再び訪れた沈黙。今度は小草若がそれを破る。
「草々が仮にうちのおかんを好きやったとしても…大昔の話やろ。
それにガキの頃の話や。今、喜代美ちゃんが気にすることはない思うで」
若狭の気持ちを落ち着けたい。若狭の気持ちをやわらげたい。
若狭に、笑ってもらいたい。
小草若の頭にはそれしかなかった。だから、自分でも気付かなかった。
若狭を「喜代美ちゃん」と呼んだことに。
一瞬表情を変えた若狭に気がつかず、小草若は言葉を続ける。
「それに、好きな女の子を自分好みにしたい、っちゅうんは
源氏物語の頃からの男の憧れやからなぁ。平安の昔から変わらぬ、男の夢や。
単純やで、男なんて。とくに草々は単純恐竜頭や。そうやろ?」
草々が単純なのは本当のことだと思っているから、貶めても別に気にならない。
やましい気持ちなど、何もない。
「せやから、そこまで気にすることやないって」
な?と顔を覗き込む。
若狭が俯き…顔を上げた。その距離と瞳の色に、小草若はどきりとする。
「にいさんも、ですか?」
「ん?」
瞳の色が気になり、一瞬何を聞かれたのかわからなかった。
若狭が、さらにことばを重ねる。
「にいさんも、自分の好みどおりにしたいて思わはるんですか?」
この場にそぐわない質問のような気もしたが、
若狭の気持ちが別の方向にいったならそれもいい、と思いながら小草若は答える。
「俺は…どうやろ、もともと好みの子ぉを好きになるタイプやからなあ…」
けど、まあ…うーん、などと口篭もっていると、くすっと若狭が笑った。
「にいさんは、優しいですね。私に気を遣こうてくんなっとる」
「そんなんやないけど…」
どう言えば良いのだろう。
自分にとっては若狭が好みの子だったとでも?
自分にはそのままの若狭がいとおしい、変えたいなんて微塵も思わないとでも?
今更。そう、今更。何もかも。
- 45 :紫のゆかり 4:2009/01/18(日) 01:12:43 ID:E21uf/2v
- 「若紫、ですよね」
そんな小草若の逡巡をよそに、ぽつりと若狭が言う。
「源氏物語の…。藤壺の宮でしたっけ。その人にそっくりに育てられたん…若紫ですよね」
「ああ…せやな」
「授業でやった部分しか読んどらんでぇ、続き知らんのです。
そのあとどうなったんですか?幸せになったんですか?」
…言えるかいな、そんなん。この状況で。
再び小草若は逡巡する。そんな小草若を見て、若狭はくすりと笑った。
「また、にいさんは気を遣とんなる…。なってへんのですね」
「別の女を正妻にもらうんや。若紫は身分のことがあって正妻やなかったさかいな。
その女は、身分も高いし、藤壺の宮の姪で…。結局また同じことするんやな、源氏は」
不承不承、小草若は答える。
「けど、その女…女三宮って言うんやけど、その女に柏木っちゅう男が惚れててな。
まぁ、なんやかやあって、女三宮はその柏木の子どもを産むんや。
源氏はその子を自分の子として育てなくてはいけなくなる。報いを受けるわけやな」
なんや、へんな方向に話がいっとるな。小草若はふと思う。
修正して、若狭を慰めなくては。
「草々は他の女に手ぇ出したり、せんやろ?まして、若狭はちゃんと草々の奥さんやろ?
だから、若紫とは違うわけやし…」
若狭が黙り込んだ。
よけいに落ち込ませたか、と小草若は不安になる。
「ええなあ…」
小さな声で、若狭がつぶやいた。
「ええなあ、その、女三宮って人にはちゃんと好きになってくれる人がおるんや」
すうっと、涙が流れる。
「私にも、そんな人がおったら…よかったのに…」
おったやろ。ここに、おったやないか。
そう言えたら、どんなに楽だっただろう。
しかし、そのことばは言ってはならないことばだった。
言ってしまったら、歯止めがきかなくなる。そのくらいの自覚はある。
今にも、抱きしめてしまいそうなのに。
「さっき…にいさん、喜代美ちゃんって呼んでくんなりましたね」
涙を目に溜めたまま、若狭が言った。
無意識だった小草若は驚く。自分がそう呼んだことに。
そして、若狭がそれを意識したことに。
潤んだ瞳。その瞳に一筋の熱をのせて若狭がつぶやいた。
「名前呼んでくんなるの、にいさんだけやったのに…」
なぜ、自分は小草若の思いを受け止めなかったのだろう。
こんなに愛してもらっていたのに。
その思いが瞳に熱を吹き込む。涙が零れ落ちる。
「時間が戻せたら…私は…小草若にいさん…」
小草若は、ふと時間が戻ったように錯覚していた。
若狭は内弟子修行中で。
もちろん草々とは結婚なんてしていなくて。
自分は売れっ子のタレントで。
草若の名の重みなんて、受け継ぐなんてことはまだまだ先のことだと思っていて。
喜代美ちゃんが、大好きで。
その喜代美ちゃんが、こんな目をして自分を見つめているならば。
指先で、すっと若狭の涙をぬぐう。
そのまま細い指を若狭の顎にかけ、持ち上げる。
歯止めなんて、きくはずもなかった。
- 46 :紫のゆかり 5:2009/01/18(日) 01:13:47 ID:E21uf/2v
- 小草若の細い指が顎にかけられた。
そっとやさしく触れるだけの口づけ。
若狭は自分の扉がするりと開いたことに気がつく。
小草若にいさんが、鍵を持っとんなったんや。
本当は知っていたのに。
「喜代美ちゃん」という呼び名がどれほど重いものだったか。
それこそが、自分を解き放す鍵だったのに。
だから――舌を差し入れたのは自分だ。
折れそうなほど細い首筋に腕を回したのは自分だ。
触れられるだけのキスに耐えきれなくなったのは。
小草若にいさんを抱きしめたいと思ったのは。
ほしいとねだったのは。
私や。
首筋を抱き止められた小草若は、その意味を違えず悟ったようだった。
舌を絡め、若狭の唇を吸い上げる。
小草若の手がそっと胸の膨らみを弄った。
若狭は首を反らし、それに応える。
こんなにやわらかな愛撫を受けたことはなかった。
焦らされているようなもどかしさを感じたが、
けれど小草若の指は確実に若狭のからだを波立たせている。
漏れ出す吐息。
からだの奥が疼き始めるのがわかる。
いつの間にか素肌が空気にさらされていた。
ひんやりした空気と小草若の指の熱さの対比がさらに若狭を狂おしくさせる。
「喜代美ちゃん…綺麗や。ほんまに…綺麗や」
やわやわと胸をまさぐられながらまっすぐな賛辞を耳元で囁かれた若狭は、
疼きはじめたからだの奥が潤んでいくのを感じた。
そっと口づけられたやわらかなふくらみの先は、それだけで痛いくらいに立ち上がる。
舌で転がされ、指でこねられ、その感覚はダイレクトにからだの奥の疼きと繋がっていった。
無意識に腰がうねる。
それに気がついた小草若がそっと内腿をさすりあげた。
思わず声をもらすと、その声に満足したように小草若は手をすべらせ、
さりげない素振りで核心に触れた。
「あぁ…ん!はぁ…ん」
若狭の奥は潤いを保ちきれず、切ないくらいにとろりとあふれ出す。
小草若は指でその潤いをすくい上げ、ぷつりとした粒をなでた。
突然与えられた鋭いほどの快感に、思わず息を飲む。
小草若は潤いの源を確かめるかのように細い指をそっと中に差し入れ、手のひらで粒を刺激する。
触れられただけで、もうこんなにあふれそうだ。
小草若の指が動く度にくちゅくちゅと卑猥な音が聞こえ、
波立っていた若狭のからだは一気に高みに押し上げられる。
あかんもうあかん。小草若にいさん私もう――
ことばになったかどうか定かではない。
自分の耳に聞こえるのは、自分の荒い呼吸と濡れきった誘い込むようないやらしい声。
そして粘ついた水音だけ。
「喜代美ちゃんのイッた顔、俺に見せて?」
指の抜き差しを激しくしながら、いっそ無邪気なほどの笑顔で小草若がささやいた。
「やぁっ…そんなこと、言わんでぇ…」
一本だったはずの指は二本に増え。
突然敏感な粒をはねあげられた若狭は堪えきれず悲鳴じみた矯声をあげた。
頭の芯とからだの奥が痺れて真っ白になる。かけあがる。
「あ、あ、あぁん…、小草若にいさん、私、も、い…」
びくびくと若狭がからだを震わせる。
- 47 :紫のゆかり 6:2009/01/18(日) 01:14:33 ID:E21uf/2v
- 「可愛らしなあ…喜代美ちゃんはイッた顔も可愛らしいんやな」
そっと頬に口付けながら、小草若がするりと指を抜いた。
一度熟した若狭の中は、とたんに空白を埋めて欲しくて焦燥し始める。
知らず知らずのうちに腰がうごめいた。
欲しい欲しい欲しい、小草若にいさんが欲しい、おかしくなりそうや――
口には出せないから、ぎゅっと小草若の腕をつかんだ。
「…小草若にいさん……あの、私……」
それ以上は口には出せなかった。けれどその瞳が。
その潤んだ瞳の色に煽られた小草若から、余裕の色が消えた。
若狭の膝を立て、やや乱暴に開く。
今までの緩やかな愛撫との違いに、若狭は思わず声をあげた。
「あ、にいさん…いやぁ…」
反射的な抵抗。
けれど、小草若にとってはますます煽るものでしかなかったらしい。
「喜代美ちゃん…」
熱いものが触れ、あ、と思う間もなくぐちゅりと空白が埋められる。
瞬間、性急なほどに腰を打ち付けられた。
望んでいた痛みを与えられて若狭は喘ぐ。
「はぁっん……あぁ!」
からだがいっぱいになる。満たされた快感に頭まで痺れ、視界が霞む。
「あっ、あっ……ああっ、あっ」
小草若に突かれるたびに大きな声が漏れた。
からだ全てが、小草若に満たされている。
からだ全てが、小草若を飲み込もうとしている。
若狭のからだが波打った。
何度も何度も突き上げられ、若狭はまた打ち上げられそうになる。
「…っ喜代美ちゃん、俺…っもう…」
時を同じくして小草若の動きが激しくなった。
「…喜代美ちゃん、大好きやっ…」
何よりも、そのことばが若狭を高みに連れて行く。
「小草若にいさん…!」
潮が満ち、白い波が若狭の中で弾けて砕ける。
快楽の波に飲み込まれ、溺れるのを感じた。
そっと、若狭に口付ける。
甘えるように小草若に寄り添っていた若狭が、ふと思い出したように問い掛けた。
「…そういえば、女三宮と柏木はどうなるんですか?」
小草若はそれには答えず、再びひんやりとした内腿に手を滑らせ、
柔らかなふくらみに口付ける。
「やん、小草若にいさん、くすぐったいです…あぁ、ん…」
くすくす笑っていた若狭の声が、徐々に濡れ始めた。
小草若はもう一度若狭のからだに波を起こす。
「あ、あ、あぁん…もういっかい、ですかぁ…?」
「…嫌やないやろ?こんななってんのに」
わざと煽るように耳元でささやく。若狭が目を閉じた。
行為に惑溺しながら、小草若は若狭に聞こえないようにつぶやく。
その二人の行く末はな…破滅、や。
小草若が一門会をすっぽかし、失踪したのはその日から幾日も過ぎない日のことだった。
- 48 :紫のゆかり 7:2009/01/18(日) 01:16:14 ID:E21uf/2v
- 自分は若狭の弱さにつけこんだ。
一日だって、あの日のことを忘れたことはなかった。
あのときの若狭はひどく弱っていて、そのくせぞっとするほど艶やかで
思い出すたびに浅ましい夢を見た。
けれど今はただひたすら、あの笑顔が見たかった。
触れることができなくてもいい、ただそばにいたいと。
なんて身勝手な自分。
小浜にきたのは、どこかに未練があったからだ。
誰かが若狭に伝えてくれるかもしれない、そうしたら若狭に会えるかもしれない…。
思ったとおり、若狭は来てくれた。
それなのに。
「草々と別れてくれ」
いけずで言うた、なんて嘘や。未練以外の何物でもなかった。
困らせるだけだったのに。わかっていたのに。
あのときの若狭は弱っていただけだ。たまたま自分がそばにいただけだ。
連れ戻してくれるかもしれない、なんて
そばにいたい、だなんて
もう、無理な話だ。
あんなことをしてしまったのでは。
そう。時間は戻せない。
自分は一人で生きていくしかないのだ。
自分が追いつめた、と思った。
落語で既に飽和状態になっていた小草若に、自分という重荷を背負わせたと。
小草若がいなくなってから、一日だってあの日の事を忘れたことはなかった。
思い出しながら、自分のからだを慰めることもあった。
けれど今はただひたすら、帰ってきて欲しかった。
抱いてくれなくともいい、ただそばにいて欲しいと。
なんて身勝手な感情。
小草若が小浜に姿をみせたと聞いた瞬間、満ち溢れたのは快感に近い高揚だった。
帰って来てくれたと思った。自分のそばに。
小浜を選んだのは自分へのメッセージだと。
それなのに。
「草々と別れてくれ」
そう言われたとき、とっさに返事ができなかった。
草々と別れ、小草若と…?
それは、無理だ。
そんなことになったら、徒然亭の醜聞になる。
世間はおもしろおかしく噂するだろう。
一門に傷をつけるわけにはいかない。
そんなことを冷静に考える自分に、少し驚く。
自分は何をしたいのか。
小草若に帰ってきて欲しいのに、何もできないのか。
自分の勝手な感情は抜きにしても、小草若に帰ってきてもらいたい。
にいさんがつらいんやったら、あの日のことはなかったことにすればいい。
そばにいてさえくれればいい。
「家族」としてよりそっていけばいい。
浅ましい欲望は押し隠して、純粋な気持ちで。
そう。私を救ってくれたのは小草若にいさんだから。
一人にするわけにはいかないのだ。
- 49 :紫のゆかり 8:2009/01/18(日) 01:16:57 ID:E21uf/2v
- 若狭。…喜代美ちゃん。
イベント会場で一人涙目で叫びつづける若狭を見たとき、
彼女が何を思って高座をかけたのか、自分は気がついてしまった。
「誰にでもふるさとがある」「積み重ねてきた、あたたかなふるさと」
…落語が、俺のふるさと。
そんな簡単で単純な、でもとても大事なことを思い出させるため。
やっぱり、鍵は喜代美ちゃんがもっとったんや。
幼い頃の記憶が蘇る。
父の落語を聞いて、過ごした日々。
ただひたすら、楽しくて。ただひたすら、落語が好きだった。
仲睦まじく高座を勤める父と母を見ているのが大好きで。
母が困っていると「ほんまに鈍くさいなあ」などと笑いながら
いつもさりげなく助けてやる父の笑顔。
そう。それが自分が憧れていた、父親の姿。
落語の名人やったからやない。人間として憧れた父親の姿。
落語を通してあんな人間になりたいと、そんな憧れ。
いつしか、何かにとらわれて見失っていたけれど。
今、自分はそれをすることができる。
愛する落語で。愛する人を助けることができる。
これで、この邪な思いを昇華することができる。
すっと、一歩を踏み出す。誰も気がついていない。
そのとたん、寝床寄席での草若の高座復帰が頭をよぎった。
予定にない寿限無をかけ、挙句に泣き出し、高座をめちゃめちゃにした自分。
あの感情の昂ぶりは、芸人として許されることではなかった。
けれどそんな自分を見て、あれほどまでに頑なに拒否し続けていた草若が
高座に上がった。
ああ、こんな気持ちだったのかと思う。
ええ年して、こんなことにも気ぃつかんかったんか。
ふがいない弟子の後始末をしたかったわけではなかったのだ。
ちゃんと、自分を思ってくれていたではないか、父は。
若狭の横をすり抜ける。気がついた若狭が顔を上げる。
大丈夫、俺が守るから。一番大事な人だから。
よく通る声で。一発で客を引きつけなければ。
オヤジのように淡々と引き込むことはできないけれど、
それはそれで、俺らしくてええやんか。
見ててな、喜代美ちゃん。
通りがええのは結局はこれなんやろな、と思いつつ、息を吸い込む。
それはとっさにはたらいた芸人としての天性の勘。声を張る。
「底抜けに、お待たせいたしましたがな!徒然亭小草若でございます」
よく通る声で言いながら、小草若は思っていた。
これで、元どおりに戻れるかもしれない、と。
- 50 :紫のゆかり 9:2009/01/18(日) 01:18:20 ID:E21uf/2v
- 大阪に帰ってからは、穏やかな日々だった。
あの日小浜で感じたとおり、自分は思いを昇華できるのだと思った。
若狭とは、今までどおり兄弟子と妹弟子。
若狭は、草々の嫁。
あの日のことは、なかったこと。
そのことはあまりにも当然のことで、ゆるやかに時は流れていく。
時々、あの日のことを夢に見てしまうのは単なる衝動であって未練ではない。
若狭が時々そっと自分を見ていると思うのは単なる気のせいだ。
そう思っていたのに。
四草が京都での落語会で出かけたある日。
珍しくノックの音がして…ドアを開けるとそこに立っていたのは。
「若狭…」
にっこりと、邪気のない顔で若狭が微笑む。
「差し入れ持ってきましたさけ、上がってもええですか?」
月餅です。そういった若狭の顔は…あの日の顔に似ていた。
部屋に上がった若狭は、世間話のようにさらりと話を始める。
「私、源氏物語全部読んでみたんです」
もちろん現代語訳ですけど。と言って、ぺろっと舌を出す。
あどけない仕草のはずなのに、やけに艶めいて見えるのは昇華しきれていない自分の邪な思いのせいか。
それとも。
「それで思ったんですけど、私が女三宮だったら絶対源氏にバレんようにするな、て」
淡々と当然のことのように、ひとりごとのように若狭は言った。
小草若は黙り込む。
「絶対バレんようにして柏木のことも薫のことも守るけどな、って思たんです。
女三宮がなんで柏木を避けるんか、わからんですもん」
化粧気のない、けれどふっくらと柔らかな唇があでやかに言葉をつなぎつづける。
その言葉に他愛なく翻弄されそうになる自分を戒めた。
ほのかに漂うジャスミン茶の香りはあの日と同じ。
自分を酔わせる。ほら、もう手を伸ばしたくなっている。
そんな小草若の葛藤にはまるで気がついていないかのように若狭は言葉を続けた。
「だって、私はあの日からずっと幸せやったから。
小草若にいさんが私を見ていてくんなるって思っただけで幸せやったから」
また草々と何かあったのか。そう思わせるほど、若狭は一瞬沈鬱な表情になった。
そんな小草若に気がついたかのように、若狭は首を振る。
「あ、今日は違うんです。草々にいさんは…あれ以来ずっと変わらんし。
けんかとかしたわけやないんです」
草々は自分を思っていないわけではない。それはわかっているのだ、と若狭は言った。
草々なりに、自分を思ってくれているのだろう。
ただ、自分をおかみさんと同じように育て上げたいだけ。
そう望んでいるだけで、自分をおかみさんの代わりにしているつもりは草々には全くない。
けれど、それは。
"エーコ"の裏の"ビーコ"ではなく、自分自身である"喜代美”でいることを渇望した自分にとっては。
- 51 :紫のゆかり 10:2009/01/18(日) 01:20:35 ID:E21uf/2v
- 「…小草若にいさんがわかってくれとんなる、と思っただけで、
私は今までどおりいられたんやと思います」
そうでなければ自分は壊れていたかもしれない、と若狭は言った。
「甘えてるんはわかっとるんです、自分でも。
せやから、あの時のことは私の心のなかのことだけにしようと思てたんです。
でも…」
後悔したくないから今思っていることだけは伝えたいと思ったのだ、と若狭は言う。
聞いてしまったら。若狭のその言葉を聞いてしまったら、おそらくもう後戻りはできない。
小草若の中の理性がそう告げていた。
けれど、それよりも強い何かがささやく。
言わせればええ。手に入れたらええ。
草々からむりやり奪うわけやない。手放したのは、あいつや。
焦がれ続けた女が、自分から飛び込んでこようとしている。
「小草若にいさん、私…」
言葉を発しようとする若狭の唇に、小草若はそっと人差し指をあてた。
「…先に言わせるのもええかなぁ思たけど、今までので充分や」
「にいさん…」
ひたりと見つめた若狭の視線から目をそらし、小草若はわざとおどけたような表情をつくって見せる。
「徒然亭若狭は、すごいな。徒然亭"草若"を愛人にする気やもんな」
「もう、にいさん!」
目を丸くする若狭。あどけないこの女がどれほどの鬱屈を秘めてきたのか。
どれほどの思いでここに来たのか。それを自分は知っている。
ひとしきり笑った後、ぴたりと表情を改めて強い視線で小草若は若狭を射抜いた。
若狭は思う。ああこれや。これが小草若にいさんなんや、と。
優しくて、繊細で、誰よりも強い――
「あの時のことは、夢やったで済む。けど、もう後戻りはできんで。ええのか?」
その強い視線を受け、若狭は嫣然と微笑んで見せた。
息が詰まるかと思うほど艶やかな瞳。その瞳が、声が、若狭のすべてが小草若をひきつける。
「…わかっとんなるくせに、まだ確かめはるんですか?」
それが小草若の優しさだとわかっているから。
当然のことのように、若狭は小草若の腕の間にするりと滑り込んだ。
- 52 :紫のゆかり 11:2009/01/18(日) 01:21:41 ID:E21uf/2v
- 若狭の息遣い。声。白い肌。どこに触れてもまるみのあるやわらかなからだ。
あの時はもう二度とないことだと、これは夢なのだと思い、その罪ごとすべてを自分自身に刻み付けるように若狭を抱いた。
自分は、もう一度若狭を手に入れている。今は共犯者となった女。
白い裸体に目をやると、若狭は恥ずかしそうにうつむいた。
「小草若にいさん…そんなに見んでぇ…」
「喜代美ちゃんがあんまり綺麗やから、見たなるんや。しゃあないやん」
その言葉に、若狭は子どものように無邪気な笑顔を見せる。
「そんなん言うてくんなるの、小草若にいさんだけや…」
まるで自分を誘うようにほの白い首筋へ、ゆるゆると唇を這わせた。若狭は表情を女のそれに変える。
きつく吸い上げ、紅い印をつけたくなる衝動を小草若は必死でこらえた。
やわらかな胸をもみしだき、その先端に口付けると、若狭は切なげに息を漏らす。
からだ中をいとおしむかのように、小草若はゆっくりと口付けた。
若狭は背をしならせ、声をあげ、びくりと腰をくねらせる。
そっと内腿に手を伸ばすと、若狭はひときわ高い声をあげた。
「はぁっ…ん!」
あまりにも強い反応に、小草若は少し笑う。
「…喜代美ちゃん、まだちゃんと触ってへんで?」
「小草若…にぃさんの、意地悪…」
羞恥に染まりながら、じっと睨みつけるその瞳はやはり扇情的で、もっと淫らに染め上げたくなる。
焦らすことなくとろりとしたそこをそっと撫で上げると、
「ああ、もうこんなや…やらしいな、喜代美ちゃん」
言いながら、泡立てるようにその奥を細い指でかき回した。
「あんっ…もう、にいさんの、せいやないですか…」
男を煽り立てるものでしかないその表情は、無意識なのだろう。
かなわんな、と小草若は思う。もっと意地悪をいいたくなる。
「なら、ちゃんと俺が綺麗にしたるから。許してな」
そう言って顔を埋め、その潤いを舐めあげた。
「あぁあ!にいさん、あかん…そんなん、はぁん…」
反射的に逃れるかのように浮かせた腰をとらえ、わざと音を立てて口付けた。
別の生き物のように揺れる腰を押さえつけて激しく舌で犯す。
「あ、あ、あ…あぁあん!」
若狭は甘すぎる声を漏らしながら、背を反らせびくびくと体中を震わせる。
きゅうっと足をこわばらせ、やがてくたりと力が抜けた。
顔を上げ濡れた唇を舌でぬぐいながら、小草若が言う。
「…こうすると、イッた顔が見られへん」
息を乱している若狭は、そんな軽口にも答えられないようだった。
「せやから…」
弛緩した若狭のからだを抱え上げ、自分も座りなおすと膝の上に若狭の腰を乗せる。
「今度は、顔、見せてな」
目の前にある愛らしい顔に、そっと口付ける。下から貫いた。若狭は甘く激しい声をあげ、それに応えた。
突き上げながら小草若は「喜代美ちゃん」と呼び続ける。
若狭の奥に誘い込まれ果てそうになるのに耐えながら、何度も何度も名前を呼んだ。
彼女が一番求めている行為は、自分が名前を呼び続けることだとわかっていたから。
やがて彼女が、小草若の頭を抱え込み荒い息の中つぶやいた。
「にいさん…そのまま、で、ええですさけ…」
今度こそ夢ではなく若狭を手に入れる。
小草若はもう一度名前を呼び、若狭の奥に全てを注ぎ込んだ。
そうして何度か季節が巡り。ある日、若狭が小草若に言った。
「にいさんから、子猫をもらう夢を見たんです」
くるりと大きな瞳が、言外の何かをほのめかす。こねこ?と一瞬途惑うが、ああ、と小草若は理解した。
やっぱり俺は柏木か。素直に喜んでよい立場だろうか。
そうは思うが、こみ上げてくる喜びと愛おしさをこらえられなかった。若狭を抱きしめる。
「約束、守ってな?」
「はい?」
「守ってくれるんやろ、俺と"薫"」
「もちろんです。その強さ、小草若にいさんからもろてますから」
若狭は小さく笑った。
「草々にいさんには、明日言いますさけ」
子どもができましたよ、って。そう言ってあの頃とは別人のように強くなった若狭は、小草若を抱きしめた。
- 53 :紫のゆかり 12:2009/01/18(日) 01:22:15 ID:E21uf/2v
- 若狭の妊娠、ひぐらし亭のオープンや小草若の四代目草若襲名の準備。
もちろん普段の高座もある徒然亭は、めまぐるしいほどの忙しさのなかにあった。
「やっぱり小草若にいさんは底抜けにアホですね」
やっと向きあった四草は、以前とは明らかに違う温度で突然そう言い放った。
「なんやねん、それ」
「"落語は小草若にいさんのふるさと"。それはええでしょう。実際そうなんですから。ただ…」
言葉を切って、らしからぬことにそこで一瞬目を伏せる。
しかしすぐに目を上げ、この上なく四草らしい目つきで言った。
「ただ、他人の女を"終のすみか"にするんは、やっぱりアホや思います」
かっと、小草若の強い視線が四草に投げつけられた。
それでひるむ四草ではない。顔色ひとつ変えずに小草若を見返した。
なんのことを言われているのか、わからないわけはない。
自分のためではなく若狭のために、この場をどう切り抜けるべきか。
小草若は一瞬で算段をめぐらせた。そんな小草若を眇めた目で見やり、四草は首を振る。
「小草若にいさんのくせして、僕をごまかせると思ってるんですか。そんな算段、にいさんらしない」
…まだ僕しか気ぃついてないと思いますよ。そう付け加えた。
ふと、小草若が表情を緩ませる。ため息をついた。
「いつ、気ぃついた?」
ごまかしきれない。そう悟った小草若は四草に問う。
「…女連れ込んだら気ぃつきますよ。それと、にいさんこの前若狭のこと名前の方で呼んだでしょう」
あれか、と、小草若は舌打ちをする思いだった。一瞬の気の緩み。
うまくいつもの冗談に紛らせたはずだったのに。
「フォローはうまかったですね、にいさんにしては上出来でしたよ。
でも、一瞬とは言えあからさまに顔をこわばらせたのは、あかん。
若狭みたいにしれっとしとったらよかったんです。…ああいうときは女の方が強いですね」
皮肉なのかそうでないのかわからない表情で淡々と。
そしてその続きのように、さらりと四草は言った。
「――覚悟は、できてるんですか」
落語も、一門も、信頼や社会的なもの、今まで積み上げてきたものすべて。
渇望しつづけ、やっと手に入れたすべてのもの。愛する女すらも失うかもしれない。
その覚悟はできているのかと、瞳を見据え兄弟子に問う。
「言うたやろ」
ふ、と薄く笑みを浮かべ小草若が答える。
目の前にいる兄弟子が突然変貌したかのように、四草には思えた。
迷い子のように思いつめ、虚勢を張っていた小草若ではなく。
自分自身のめざす道を見つけ出し、すっきりと突き抜けた小草若でもなく。
それは、守るべきもののために獲物を狩りに行く野生動物のような。
「決めたから戻ってきたんや、て」
望んでいたものすべてを手に入れた男。その力と自信にあふれた瞳。
呑まれる。強すぎる意思の光に。四草は思わず目を閉じた。
しかし次の瞬間、四草は自分を取り戻す。
「そうですか。ならええんですけど。そもそも僕が口を出す話じゃありませんしね。
僕としては"草若"がしっかりしてくれはったら、それでええんです」
ごくあっさりと、言ってのける。
「四草」
そんな四草に、まるで思いついたかのように小草若が言った。
「なんですか?」
「…おまえにも渡さんで」
その強い光は、自分の中の闇にまで射し込み、秘めたものをさらそうとしているかのようだった。
自分が誰を見つめていて、そのことに気がついたか。
自分が誰を守るために、その秘めごとを隠しとおすつもりなのか。
奥深くの闇に誰がいるのか見切ったうえ、抉り出そうとしているような。
けれど、四草はその光から目をそらすことなく、答える。
光がいかに強くとも、深海まで届くことはないのだ。
自分自身ですら覗き込めない深く暗い海の底のようなこの闇までは、その光は決して届かない。
だからあくまでもいつもの表情で、さらりと言ってのける。
「いりませんよ、あんなん。それより稽古しはったらどうですか。ひぐらし亭の開席公演、もうすぐですよ」
- 54 :名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 01:23:23 ID:E21uf/2v
- おしまいです。お粗末さまでした。ありがとうございました。
時間軸書くの忘れた…。今更ですが、小草若失踪前後です。
ほんとに今更だ…orz
貼ってみて、本当に長くてびっくりした。駄文長文すみませんでした。
- 55 :名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 03:18:21 ID:VKdqM4l+
- >>41 GJ!
- 56 :名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 03:20:13 ID:VKdqM4l+
- ところで、保管庫で、カップル別で読んだりしたいと思うのは自分だけですか?
- 57 :名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 04:10:47 ID:o7MPcfpX
- >>54
超絶GJ!!!!!
待ってました小草若×喜代美の長編!しかもエロ!
源氏の女三ノ宮になぞらえてのストーリー展開……感服致しました。
さり気に四草→喜代美も忍ばせているとこがこれまた憎いですね〜。
また職人さんが戻ってこられて嬉しいです。
次回作も期待しちゃっていいですか?
- 58 :名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 08:07:43 ID:UQyEzJMl
- 泣きながら読みました!小草若好きにとっては、重いけれどたまらん展開。最後の四草とのやりとりも、そしてエロも、素晴らしかった。ありがとうございます!
- 59 :名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 14:26:25 ID:Z1l3MDrm
- …ふぅ(*´Д`*)
エロいエロい!
ありがとうございます。
延陽伯から外を眺めてるのが小草若という画がまた新鮮。
- 60 :名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 00:17:01 ID:RrJ/5HOI
- >>54
乙カレさまです!そしてGJ!!小草若も四草も好きなのでこれはたまらん><
>>59
そうそう、そこ新鮮だった
- 61 :名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 13:03:16 ID:BRvvaGEZ
- >>54
この山のようなGJを受け取ってくれ!GJGJGJー!!!!!
小草若好きにはたまらんかったし、時間軸に合わせて二人の関係が展開してくのも良かった。
喜代美から小草若を求めるのもぐっときたよ。
何より強かな喜代美が良かった、女は強いのぅ。
久々に覗いて良かった。感動したよありがとう!!
- 62 :名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 00:21:01 ID:HGlNYRu1
- GJGJGJ!!
涙ぼろぼろ流しながら読みました。
一年近くたってこんな良作に出会えるなんて
こまめにチェックしててよかった。。。
ぜひ同じ作者様に四草×喜代美を読ませていただきたいです。
ありがとう!!!
- 63 :名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 13:11:22 ID:puwg3OgV
- 保守!
- 64 :名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 18:19:00 ID:rmb9O/go
- BLTの付録で若狭がちょっと派手なバイトしてる件
- 65 :名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 18:47:21 ID:wt/SevYv
- 過去スレの若狭グラビア話を思い出したww
- 66 :名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 10:21:33 ID:2gVgubmE
- 短いエロなしの小ネタ投下します。
最終話ちょっと前くらいの草々んとこのお弟子さん話です。
- 67 :小ネタ たのしい朝ごはん:2009/01/27(火) 10:22:24 ID:2gVgubmE
- あこがれの徒然亭草々一門に弟子入りして、早いもんで3ヶ月が過ぎました。
草々師匠はおっかないけど、落語はほんま熱心に教えてくれはるし。
おかみさんはちょっとそそっかしいけど、優しくて料理もおいしいし。
兄弟子の小草々兄さんはウソつきやけど、基本ええ人やし。
内弟子修行は厳しいけど、ほんま入門できて良かったな思てます。
ただひとつ、文句言わしてもらえば。
「草々にいさぁん、小草々くぅん、朝ごはんできましたよー」
内弟子の俺は毎朝、おかみさんに教わりながら朝食を用意します。
今朝の献立はご飯に豆腐と若布の味噌汁、海苔に茄子の辛子漬け
干魚、小松菜のごま和え、出汁巻き玉子、大根おろし、南瓜の煮物。
それにリンゴとバナナのフルーツサラダ。
ダイエット中の女の子が聞いたら悲鳴あげる量ですけど
弟子の俺や小草々兄さんはもちろん、40過ぎの草々師匠も
妊娠中のおかみさんも毎朝ぺろりとたいらげます。
落語家は腹から声出すもんや。せやから腹にしっかり入れとかなあかん。
そういうんが草々師匠の信条で、俺の一門は朝昼晩と
かなりガッツリ食べてます。
朝はコーヒー1杯、昼はコンビニ弁当、夜はビールにカップ麺で
済ませてた俺は、最初あまりの品数にびっくりしてましたけど
今ではすっかり慣れてご飯を2杯はおかわりしてます。
そんなわけで、師匠も小草々兄さんも食卓について皆で朝食なんですけど。
「ん、うまい。やっぱり若狭の作る出汁巻き玉子は日本一やな」
「またぁ、日本一やなんて」
「ほんまやて、この出汁巻き食うたらよその食えんようになる」
「ほんま?」
「ほんまや」
「ほんまにほんま?」
「ほんまにほんま」
「ほんまにほんまにほんま?」
「ほんまにほんまにほんま」
……師匠、おかみさん。
色恋禁止の内弟子の前で朝っぱらからイチャつくのってアリなんですか。
砂吐きそうな俺の横では小草々兄さんが黙々と食べてます。
「……小草々兄さん、どーにかなりませんかアレ」
「心頭滅却すれば火もまた涼し、や」
「兄さん、それぜんぜん解決なってません」
「せやから心頭滅却」
「むしろあのバカ夫婦を滅却したいです俺は」
「それは思ってても口にしたらあかん」
師匠とおかみさんは完全に二人の世界行ってます。
「草々一門は君と僕が最後の砦や。きばっていこうな」
「入門したての俺にいきなり背水の陣敷かんでください」
完
- 68 :名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 11:34:32 ID:TBhRZCIq
- GJ!
やっぱこの夫婦は、周囲が見てらんないくらいのバカップルぶりを発揮するのがいいな
- 69 :名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 12:15:34 ID:a0o7ePJx
- BLTって何ですか?
プレーボーイに
出るという噂は
聞きましたが?
- 70 :名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 17:27:11 ID:Dy0rIPVJ
- >>67
おもろかった〜。草々×若狭のラブラブっぷりも大好きだ。
実際バカップルだからな、あの二人w
先週小草々っぽいヒトwを某ドラマで見たから、よけいに図が浮かびましたわ。
>>69
B.L.Tはテレビ雑誌です。地方版がないとかだったらすまんが。64じゃないけどね。
- 71 :名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 07:39:47 ID:90reqZK9
- 見れました。
プレーボーイは
次回表紙だとか。
- 72 :名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 02:39:16 ID:/RAW5SBp
- 7レス使って投下します。キワモノにつき注意書きします。
若狭×四草です。四草が若狭に襲われてます。
若狭が非常に嫌な女です。
エロありですがSM描写(首絞め)があります。
やることやってますが恋愛感情は無しです。むしろ若狭vs四草です。
若狭は草々一筋で、四草は若狭をバカにしてます。
東○テレビ制作ドロドロ系なノリです。
1つでも無理!と思われた方はどうぞスルー願います。
- 73 :女時 1:2009/01/31(土) 02:39:49 ID:/RAW5SBp
- 女時、という古い語がある。
人生には何をやってもうまくいかない時があり、それを女時と呼ぶ。
徒然亭四草にとって今がその時なのかもしれない。
「バカにせんといて!」
罵声とともにひゅん、と投げつけられたカップは四草の頬を掠めて
畳んだ布団に当たりぽてんと転がった。
プラスチックの安物でよかったなと一瞬ホッとした四草だが
籠の中で騒ぎ出した九官鳥の平兵衛に女への怒りが沸きあがった。
「帰れ」
「は!?」
「ええから帰れ」
畳に散らばっていた女のストッキングやショールを拾い集めて
お返しとばかりに投げつける。
「なんなんよ一体!あたしはあんたのなんなん!」
「うるさい」
喚く女の歪んだ顔に数時間前の悦楽の影など微塵も無い。
元々性欲処理の為にと割り切って引入れた女だったが、
こうも態度を変えられると身勝手なもので無性に癪に障る。
「聞こえんかったんか?帰れ」
「ちょっと!待ってよ忍!」
女を玄関口まで押し出しドアを開けたその時。
「きゃあっ!?」
ドアの外にいた、四草のよく知るもう一人の女が驚愕の声をあげる。
「……チッ」
あまりの間の悪さに四草は天を仰ぎたくなった。
「誰!?この女」
外にいた女と内にいた女の鉢合わせ。
案の定、騒ぎ立てる部屋の女に四草は頭痛を覚える。
「ええと、あの、その……」
玄関にいる女は半ばパニックになっているらしく、しどろもどろだ。
「忍!あんたこの女来るからあたしのこと追い出そうとしたん!?」
「そ、そんなん違います!わ、私は四草にぃ……ひゃっ!?」
面倒だ、とばかりに四草は玄関に佇む女に近づき抱きよせた。
「忍っ!」
「そういうことや」
未だ部屋の内にいる女に当てつけるように、腰に手を回す。
「言うた筈や、帰れ」
腕の中の女の強張りを悟られぬよう、体を擦りつけ髪に口づける。
「それとも、このまま俺たちがヤるの見てくか?」
「……っ!」
怒りと屈辱で般若の如き形相となった女は、バッグとショールを掴み
物も言わずに飛び出して行った。
「……やっと行ったか」
女を抱きしめたまま四草は溜息を吐いた。
抱きつかれていた女は、四草の腕を乱暴に振り払う。
「なんや、ヤらんのか」
四草の軽口に女は顔をしかめる。
「言っていい冗談と悪い冗談があります」
新たな来訪者は呆れたように四草を仰ぎ見た。
「こんなこと続けてたら、いつか刺されますよ?四草兄さん」
- 74 :女時 2:2009/01/31(土) 02:40:29 ID:/RAW5SBp
- 「悪かったな、猿芝居に付き合わせて」
出演料や、と四草が放ってよこした缶コーヒーを小さな手が受け取る。
「ギャラ安うないです?これでも私、元・人気タレントですよ」
ぶちぶち言いつつ四草の妹弟子、徒然亭若狭はプルトップを開けた。
「玄関開けたら二秒で修羅場とか、ほんま勘弁してください」
あー心臓に悪ぅー、とぼやきながらコーヒーを飲んでいた若狭は
ふと気づいたように四草を振り返った。
「今のひと、ここのお店でよくご飯食べてたお客さんですよね?」
「それがどうした?」
「私が四草兄さんの妹弟子ゆうこと、すぐバレるんやないですか?」
ここって天狗座の真ん前やし、私も先週出番あったばっかりやし……
どねしよ、と一人で青くなってる若狭に四草は苦笑する。
「いや、あれは俺が落語家ゆうことも知らん」
「ほんまですか?」
「ほんまや」
「そういえば、忍て呼んでましたねぇ」
今更のように、若狭は胡乱な表情で四草を見つめる。
「どういうお付き合いしてるんです?」
「企業秘密」
「ほうですか」
ご馳走さま、とコーヒーの缶を置いた若狭の瞳はまだ四草への
不審の色が消えていない。
「言いたいことあるなら言え」
先に切り出したのは四草だった。
「四草兄さんみたいな男のひと、演歌の話や思てました」
「演歌?」
「ほら、芸のためなら女房も泣かす…みたいな」
あまりにも的外れな若狭の喩えに四草は吹き出した。
歌のモデルとなった噺家は俗に言う破滅型の天才芸人で
算段の平兵衛を自負する四草とは対極だ。
「それはどっちか言うたら草々兄さんやろ」
兄弟子の無計画な生き方を揶揄したつもりだったが。
「草々兄さんは私のこと泣かしたりしません」
むっとして若狭が言い返す。
「そうやのうて、俺が女を泣かす男やて言いたいんやろ?」
四草の指摘に若狭はこくんと頷いた。
「だいたいなんで四草兄さんみたいなひとがモテるんです?」
部屋の隅に落ちている薄い布地を摘み上げて若狭はぼやく。
先刻の女の忘れ物だ。
「さっきみたいな酷いことされて、あんなに怒ってたあのひとも」
わ、このストッキング、ペルラや。
そう呟き、摘んだそれをしげしげ眺めて続ける。
「四草兄さんが別れ話ちらつかせたら、すぐに戻ってくるんですよね?」
鈍い妹弟子にしては察しが早い。ご名答、と四草は笑う。
「よう分かっとるやないか」
「分かりたくもないですけど」
- 75 :女時 3:2009/01/31(土) 02:41:12 ID:/RAW5SBp
- 元々、この妹弟子は四草の派手な私生活に嫌悪を抱いているようで
他の兄弟に比べるとあまり仲も良いとは言いがたい。
が、それにしても今日はやけにつっかかるなと四草は思った。
「ま、俺はお前好みの一途な草々兄さんとは正反対やからな」
俺にはあんな暑苦しい男のどこがええのか、さっぱり分からんけどな。
そう付け加えた四草は自分のセリフに既視感を覚える。
それは丁度、目の前の女と初めて出会った時に彼女に言ったものと
同じセリフだった。
言われた若狭は気づいていないのか四草を睨みつける。
「……草々兄さんは四草兄さんみたいに酷いこと絶対しません」
「酷いこと、か」
自分の女関係を夫の草々と比較している妹弟子に、四草は次第に
苛立ちを感じていた。
「確かに、草々兄さんなら俺みたいな女の付き合い方せえへんやろ」
せえへん、どころか四草のように複数の女と付き合うことなど
あの不器用な大男には無理な話だ。
何故なら。
「草々兄さんは常に一人の女しか見えへんからな」
話が見えない、といった風情で訝しげに見上げる若狭に四草は言う。
「あのお嬢さんに惚れてた頃はお前なんか眼中無かったやろ?」
あのお嬢さん。
若狭の幼馴染みで、草々が愛した女性。
数年前の失恋を思い出したのか、若狭の顔が曇る。
「草々兄さんに浮気はでけへん」
挑発するように若狭の目を覗き込む。
「必ず本気になる」
言葉を続けながら、四草は自身に困惑していた。
俺は何を言ってる?
目の前にいるのは妹弟子だ。妹弟子で、兄弟子の妻だ。
同門の家族のような娘を何故こうまで追い詰めようとする?
頭の片隅で警鐘を鳴らすも、舌は勝手に動いていく。
「あれで草々兄さん、見てくれはええからな」
よせ。
「その気になればモノにできる女、いくらでもおるやろ」
止めろ。
「お前より美人で落語に熱心で兄さんを支えてくれる女おったら」
言うな。
「本気になるやろな……あのお嬢さんからお前に乗り換えたように」
言うな。
「そうなったらお前、黙って身ぃ引く覚悟あるんか?」
「……あははははは、あははははは!」
突然、壊れたゼンマイ人形のようにけたたましく笑い出した若狭に
四草は怯んだ。
「若、狭……?」
ひとしきり笑い終えた若狭は静かな目で四草を見据える。
「四草兄さんて意外と鈍いんですね」
別人のように浮かぶ酷薄の笑み。
「知ってますよ?そのくらい」
- 76 :女時 4:2009/01/31(土) 02:41:50 ID:/RAW5SBp
- とん、と体が突き飛ばされるのを四草は感じた。
転がっていたカップに足を取られ、倒れた背が畳んだ布団に当たる。
身を起こそうとした次の瞬間、小さな体が自分の上にのしかかり
首にふわりと柔らかいものが巻きつけられたかと思うと
鋭い痛みを伴って気道を絞めつけられた。
(……あのストッキングか)
どこか他人事のように四草は思った。
「四草兄さんに言われんでも、分かっとります」
キリキリと四草の首を絞め上げながら歌うように若狭は言う。
草々兄さんに言い寄る女のひとが少なくないことも。
女遊びも芸の肥やしやゆうて尊建兄さんや柳眉兄さんたちが
しょっちゅう草々兄さんを誘っていることも。
「天狗芸能のひとたちも陰で言うてますよね」
徒然亭草々も勿体ないことしたもんや、
若手でも随一の腕持って徒然亭一門の名前背負っていけるゆうのに
あんなつまらん妹弟子なんぞに引っ掛かって……
「私が、知らんとでも思てたんですか」
「わ、かさ」
芸能の世界は嫉妬と怨嗟の巣窟だ。
若手有望株の兄弟子を夫に持ち、名門徒然亭の復興と共に落語家デビュー。
年季明けそこそこで会長の目に止まり、タレント活動で名前が売れ
天狗座の高座にも出番がある。
順調すぎる女落語家の台頭を妬む連中も少なくない。
「まとも、に、高座も、打てへん、奴らの、下らん、やっかみ、や」
狭められた息の下から四草は必死に伝えようとする。
若狭への贖罪をこめて。
「そうやろか」
若狭は取り合わない。
「兄さんも、私が草々兄さんに相応しないて思てるんやないですか」
「誰、が、そん、な」
「あのひとも、四草兄さんの差し金でしょう?」
「あの、ひと?」
「とぼけんといてください」
いっそ艶やかに若狭は笑い、喘ぐ四草の唇に口づけをする。
「……!?」
「徒然亭の寄席によう来てて、四草兄さんが手ぇつけた綺麗なひと」
冷たい微笑が唇に浮かぶ。
「四草兄さんがさっきのひとに乗り換えてから」
その唇が醜く歪む。
「うちの草々兄さんに色目つこてるやないですか」
「さすが四草兄さんの選んだひとはセンスええですね」
喋りながら若狭は何度も口づけを落とす。
「草々兄さんが喜ぶ落語の蘊蓄、よう心得てはる」
抵抗を封じられた四草を嘲るようにキスを繰り返す。
「あれも四草兄さんが仕込んだんですか?」
「誤解、や、若狭」
苦しげに四草が呻くのを暗い瞳が見下ろしている。
- 77 :女時 5:2009/01/31(土) 02:42:30 ID:/RAW5SBp
- 見誤っていた。
思考回路は後ろ向きだが、根はアホで単純な子供のような女。
それが四草の知っている妹弟子だった。
こんな女は知らない。
こんな、笑いながら四草の首を絞め、呼吸を奪うように口づける女は。
若狭の唇は四草のそれをゆるりと這い、空気を求めて開く口を
塞ぐように小さな舌が挿入される。
若狭に口内を犯され首を絞め上げられ、酸素の薄くなった脳が
だんだんと白んでくる。
(二ヶ月前、か)
茫と霞んでくる頭で、若狭の言っていた女を思い返す。
その女は一門会の客の一人だった。
こちらは顔など覚えていなかったが、オフの日に繁華街で声を
かけられその気になった。
足首の細さが四草の好みで、予想通り体の相性も良かった。
だが、それ以上でも以下でもない。
醒めてしまえば興味もわかず、兄弟子の高座に現れていることを
人伝てに聞いても何の感慨も浮かばなかった。
まさか、そんな女の為に妹弟子の怨みを買う羽目になるとは。
(まったく、シャレならんな……)
若狭の舌は、これがあの乳臭い妹弟子かと疑うほど容赦なく
四草を攻め立て呼吸を奪う。
息が苦しい。
元来、己の性分は嫌というほど心得ている。
ろくな死に方はしないだろうとは思っていたが、それでも。
こんな所で。こんな小娘に。
(……死ぬんか、俺は)
ぼんやりとそんな考えが浮かんだ時。
不意に喉の戒めが弛み舌が外された。
咳き込みながら大きく肺に空気を送る。
と、四草の息が止まった。
「っ!!」
カーゴパンツの金具が外され、するりと小さな手が挿入されたのだ。
若狭の手は下腹を撫でためらいも無く陰部を柔らかく握る。
「くっ……!」
そのままゆるゆると手のひらで擦り刺激する。
軽く爪を立てしなやかな指がかりり、と亀頭を掻く。
「若狭、なにを……っ!?」
「元気ですね……四草兄さんの」
ここ、と若狭は指の腹でなぞる。
「さっきのひとと遊んだばかりやてのに」
「よせ、若狭……!」
「もうおそと出たいてゆうてる」
「おい、聞け……!」
「言うこと聞くんは四草兄さんのほうです」
「……っ!」
若狭に根本を掴まれ、四草は詰まった。
脂汗がにじむ四草のこめかみに、またも柔らかな若狭の唇が落ちる。
「四草兄さんがおいたする分は、私もなんも言わへん」
ほやけど、と若狭は言う。
「私の草々兄さんをたぶらかすんは、許さへん」
その瞳は奈落の底のように暗い。
- 78 :女時 6:2009/01/31(土) 02:43:06 ID:/RAW5SBp
- 覆いかぶさったままの姿勢で若狭は腕を伸ばす。
四草の背後にある布団を探り、その下から目当てのものを取り出した。
若狭が手にした小さな箱に、四草は内心舌打ちをする。
(あの騒ぎで、片付けんの忘れとった)
「借りますね、四草兄さん」
フタが開いたままの箱から、片手で連なる袋を取り出し口に咥える。
「兄さんに、ヘンな病気でも移されたら困るでぇ」
そう言うとピリ、と歯を立て袋の一つを食い破った。
「お前、まさか本気で……!」
「私とヤるて言うたんは四草兄さんやないですか」
四草の下半身に膝乗りになった若狭は、なぶられて勃ち上がった
モノへゆっくりとゴムを被せてゆく。
根本まで覆うと、今度は自身のスカートをたくしあげ下着を
ずらして四草に跨がった。
ぴちゃり、と水音を立て亀頭部が飲み込まれる。
若狭のそこは既にしとどに濡れていた。
ぎょっと見上げる四草を若狭は薄く笑う。
「安心してください。兄さん見て、こうなってるわけやないですから」
浅く息を吐きながら、若狭は腰を落としてゆく。
「私が見てんのは、草々兄さんだけや」
完全に埋めた腰が揺らめき始める。
「十八で出会うてから、ずっと」
望まぬ快楽に犯され吐き気がする。
己の上で蠢く女が喋るのを四草は茫然と聞くより無かった。
草々兄さんに振り向いて欲しくて、どうしようもなく焦がれて。
落語も三味線もお料理も、一所懸命がんばって。
あの誕生日の夜、抱きしめられてプロポーズされて
どんなに嬉しかったか、四草兄さん分かります?
初めてのキスもセックスも、ぜんぶぜんぶ草々兄さんにあげて。
私の体、草々兄さんの指と舌と唇が触れてないとこなんて一つも無くて。
「……草々兄さんは私のもんや」
陶然と若狭は呟く。
「誰にも、渡さへん」
(若狭……)
四草は初めて、妹弟子の本性を見た気がした。
あの男と穏やかな愛を育んでいた恋人を彼方へ追いやり
自分に惚れていた兄弟子を利用して揺さぶりをかけ
そうまでして恋しい男を手に入れたのだ。この業の深い女は。
ふと、頬に熱い雫が落ちた感触がして四草は若狭を見上げた。
若狭は泣いてなどいない。
奈落の底のように暗い瞳で四草を見下ろしているだけだ。
だが、四草には。
自分を犯している女が一瞬、泣きじゃくる幼子に見えた。
四草は若狭の小さな背に腕を回す。
そして、親鳥が雛を慈しむようにゆっくりと包み込んだ。
- 79 :女時 7:2009/01/31(土) 02:43:43 ID:/RAW5SBp
- ことが済み、四草の上から降りた若狭は簡単に身繕いをして向き直る。
四草もまた身を起こして始末し、外されていたジッパーを閉めると
長い束縛から解放された喉に指を這わせた。
「痣になるな」
ヒリヒリとした痛みに顔をしかめて愚痴る。
「首にこんな跡つけて高座上がれゆうんか」
「キスマークつけたまま高座上がる四草兄さんなら平気や思います」
素っ気無く若狭が答える。
「で、お前がここ来た用はなんや?」
「ほうや、まだ言うてませんでしたね」
今更のように若狭は声を上げ、そして四草に告げた。
「四草兄さんに、あのひと引き取ってもらいたいんです」
若狭の要求に四草はやれやれと首を振る。
「一度棄てた女を追っかける趣味、無いんやけどな」
「このこと、バラします。四草兄さんに手ごめにされたて」
なんでもないように若狭は言う。
「兄弟子の妻に手ぇ出して、生きてゆける世界やないですよね?」
「脅迫、するんか」
ええ、と当然のように若狭は頷く。
「それとも、私に無理矢理犯されたて正直に言います?」
「いや」
拒絶は出来たのだ。小娘一人振り払うことなど容易に。だが。
彼女に飲まれた時点で己も同罪だ。
「若狭」
ほな帰ります、と立上がりかけた妹弟子を呼び止める。
「まさかお前が脅しのネタつくるために、あんなマネするとはな」
「草々兄さん守るためやで、なりふり構ってられません」
「捨て身やな」
四草の言葉にくすりと笑うと、首筋に口づけて若狭は言った。
「約束、忘れんといてくださいね」
若狭を見送ると、どっと疲労が四草を襲った。
さすがに一日で二人相手はキツい。
俺もトシやなと一人ごち、だるい指で携帯を探る。
登録した番号を呼び出すと電話をかけ相手を待った。
『それにしても珍しいな、若狭がお前んとこ行くて』
「なに、ただ世間話してっただけですよ」
他愛ない会話を続けながら四草は胸の内で呟く。
草々兄さん、あんたとんでもない化け物育ててしもたようですよ?
「ところで、兄さんの高座にようくる髪の長い女いてますよね」
『……ああ、あの子か』
しばしの逡巡の後、草々は答える。
その声音に僅かながら親愛の情が滲み出ているのを四草は
聞き逃さなかった。
「あれ、実は僕の女なんです」
通話越しに息を飲む気配が伝わる。
四草は笑い出したくなる衝動を抑えて言った。
「そろそろ、返してもろてええですか?」
了
- 80 :名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 05:26:11 ID:CbnE1Ext
- おもろい!おもろい!
- 81 :名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 14:43:26 ID:VwCUi7uY
- 若狭壊れたwww
でもこの悪魔のような若狭もええなあ!
悪魔のようでいて、草々に一途で可愛い。
話も最後までよく出来てるし、おもしろかったよ。
あと四草、お前は使える男やw
- 82 :名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 18:25:22 ID:mhxh2Qnq
- うっわぁ!GJ!
壊れた若狭、すげぇなぁw
四草すらタジタジなとこがまた…w
知らぬは草々兄さんばかりなりか…怖っ!
- 83 :名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 21:59:38 ID:UUm8IZx5
- すごいすごい!
あの四草が逆恨みでこんな目に遭うなんて人妻の経験値ってこえぇ〜。
四草、命捨てる覚悟するの早いw でも、事後はマイッタナと思いつつも
頭の片隅で「ごちそうさまでした、若狭ねえさん」とか言ってそう。
>四草が若狭に襲われてます。
このフレーズが一番エロかった・・・新しい組み合わせ底抜けにGJでした。
- 84 :名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 22:57:45 ID:NbPsNeXz
- 全編にちりばめられている四草のたらしっぷりがたまらなくいい!
こういうの待ってました!
(自分でも少し書いてみたけどどうも下手でorz)
サゲまでかっこよすぎる
GJでした
- 85 :名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 15:15:38 ID:8Swt0IaE
- 若狭の御座敷ストリップ噺なんか如何?
- 86 :名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:31:35 ID:GVtC1ETz
- >>85
読みたい!書いて!
- 87 :名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 21:06:29 ID:T6WW3yUf
- 補習
- 88 :名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 04:49:00 ID:gQ6VdVIF
- 小ネタです。
もしも>>71のグラビアを柳眉と尊建が見たら、みたいな感じで。
- 89 :楽屋でなにしてんねん:2009/02/06(金) 04:50:07 ID:gQ6VdVIF
- 長い睫毛に縁取られた澄んだ瞳がまっすぐに見つめてくる。
はだけた胸元からこぼれる、静脈の浮き出るような白い乳房。
ぽってりと熟れた唇はなにかをねだるように薄く開かれて。
「……なにヨダレ垂らしてエロ本見てんねん」
「誰がエロ本や失礼な……て、あんたまたヒトの楽屋にズカズカと!」
「おーっ!これやなウワサの若狭のグラビアて」
「聞けやヒトの話」
長いこと腐れ縁やっとるけど、この男だけはほんま苦手や。
「うっわなんやこれ、めっちゃ別人やん!」
「なあ、ワタシも驚いてたとこや」
「しかもめっちゃ谷間!」
「またすぐそうゆうとこ見て……」
「おまえかてヨダレ垂らしてたやろ」
「なんですと!?」
……まあ、入ってきてしもたもんは仕方ないっちゅうんで、
尊建とエロ……やない若狭のグラビア載ってる雑誌見ることなりました。
男ふたりで頭つき合わせて女の写真見るゆうんは、なんや気色悪いですけど。
「……意外とええカラダしとんのやな、若狭て」
「まあ、アレで人妻やし」
「草々、見る目あったんやな」
「ワタシもなんであんなちんちくりんな子と、て思てたもんやけど」
「ちんちくりんて」
「あんたかてゆうとっやんか、草々のシュミわからんわーて」
「ま、オレら女見る目草々以下ちゅーことやな」
「ちょっとムカつくわそれ」
雑誌はいわゆる男性向けのもんで、若狭のグラビアもソレ向けゆうか
胸元やら唇やらえらい強調されたもんになってまして。
正直、色っぽいんですわコレが。
「いやコレほんまエロすぎやて」
「“徒然亭若狭”て書いてなかったら落語家てわからんがな」
「まんまグラビアアイドルでもいけるんちゃうか?」
まあ本人知らんと好き勝手言うとります。
「若狭の本名て確かワダキヨミゆうたかな」
「今はアオキキヨミやろ」
「なんや結婚して語呂悪うなったな」
「それにしてもこの写真、仕事ならしゃーないけど徒然亭には酷やで」
「なんでや?」
「ヨシダキヨミとかクラサワキヨミにしたかった連中、おるやろ」
「確かにそっちのが語呂ええっちゃええな」
「コレ見てしもたら焼けぼっくいに火ぃつくんとちゃうか?」
「あいつらなら大丈夫や、ウマいこと折り合いつけるやろ」
「しっかしこの乳吸ったり揉んだりできるんか……ええな草々」
「あんたほんまに品性下劣やな」
「ええやん別に、これもろてくで」
「自分で買い」
おわり
- 90 :名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 12:30:18 ID:MlLZaAFl
- おお柳眉やないか(・∀・)
久しぶりですね柳眉兄さん(¬_¬)
- 91 :名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 23:31:43 ID:XGEi3yyg
- GJです!柳眉兄さん
- 92 :名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 23:59:07 ID:bWrVLDbk
- あんまり久しぶりやから誰かと思たやないですか、柳眉兄さん。GJ!
- 93 :名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 10:57:28 ID:1GdC+57n
- そない柳眉、柳眉と
連呼せんでください。
- 94 :名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 20:06:01 ID:ZxQxFAdt
- せやからどんなGJやねん!
…いや、GJGJ!好きだわ、この二人w
- 95 :名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 21:40:08 ID:NJCX2D/Q
- 本放送中は気にもしてなかったんだけど
いくら落語家だからって結婚してからも喜代美に「にいさん」呼びさせてる草々って
ただの妹萌えなんじゃないかと思えてきた
- 96 :名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 01:54:27 ID:i7JxjZEm
- お兄ちゃん…じゃないからギリギリセーフなはずだ、多分、なんとなく、漠然と…
- 97 :名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 22:16:26 ID:58IZir6r
- 新ジャンル「妹弟子萌え」
…いや、何でもない。
- 98 :名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 02:43:47 ID:NHv/9hlE
- ジャンル「妹弟子萌え」でエロ小ネタ投下します。
草々×若狭でひたすらやってるだけです。
- 99 :残さずお食べください:2009/02/14(土) 02:44:39 ID:NHv/9hlE
- 徒然亭草々の辞書にデリカシーの文字は無い。
「こんなちっさいパンツにようおまえのデカ尻が入るもんやな」
「ひっ、ひとのパンツ持ってそゆこと言わんでくださいっ!」
「ほんまはサイズ合ってへんのと違うか?」
「ちゃんと合ってます!」
妻の下着を手に取ってしげしげと眺めたあげく、みょーんと
引っ張ってる夫に若狭はたまらずつかみかかってみたものの
あっさりと長い腕に捕まってしまい、その上。
「やぁんっ!」
「こんなデカ尻丸出しで言うても説得力ないで?」
大きな手に裸の尻をきゅっとつかまれてしまう。
「ま、丸出して……脱がしたの、草々兄さんやないですか!」
「パンツ汚すの嫌やって言うたんはおまえやろ?」
「それは草々兄さんがっ……あっ、ひゃあんっ!」
「やっぱ先脱がしといて正解やな、もうこんなんなっとる」
ほら、と亀裂を濡らしはじめた蜜にぴちゃ、と音を立て指を浸す。
真っ赤に染まる妻の期待通りの反応に満足してうなじに唇を寄せる。
また、いつもの夜が始まる。
「ん……ゃあっ……あんっ……!」
快感に悶えてしがみつく若狭をかかえて、デカいとからかった
柔らかな尻を撫でやわやわと秘所をくすぐる。
まだ表面に触れているだけなのに、泉はこんこんとわき出ていた。
「おまえが食いもんやったら、絶対うまいやろな」
「…………え?」
乳房に顔をうずめながら妙なことを呟く夫に快楽の淵にいた若狭は
ぼんやりと聞き返す。
そんな妻をくすりと笑うと草々は続ける。指と舌を。
「どこもかしこもすべすべで、舐めてもしゃぶってもええ」
「ちょっ……にいさ……!」
「おっぱいはふわふわで、こりこりした乳首の舌触りもまた絶品や」
「やあっ……あんっ!」
「このむちむちしたデカい尻なんか、ナカは熱うてとろとろなっとるし」
「ぁあっ……ゃあ……っ!」
「ほんま、上等の菓子のようやな」
草々の舌は言葉通りに若狭の裸身をめぐり、そのひとつひとつを
丹念に味わっていく。
さんざんになぶられて上気した妻に目を細めると、草々は若狭に
そっとささやく。
「知っとったか?おまえの唇」
「気持ちようなってくると、最高に甘うなるんや」
そう言うと、紅い唇に吸いつきその甘露な蜜を存分に堪能した。
全身しゃぶり尽くされた若狭がくすくすと草々に聞く。
「私て、草々兄さんのごはんなんですか?」
「そや、毎日食うても飽きん俺の大好物や」
終
- 100 :名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 08:32:59 ID:29khfaqF
- まさに上等の菓子のような甘々さ!GJ!
- 101 :名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 18:33:40 ID:Yh7jF/4D
- うぉぉぉ〜バレンタインデーにふさわしい甘々SS、GJ!
一行目に爆笑しました。
∞は薄い壁越しにこんなの毎日のように聞かされたんじゃないだろか・・・
- 102 :名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 07:03:48 ID:i0rmOaoo
- >∞
これってなに?
- 103 :名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 07:18:08 ID:QO1azx54
- ID違うけど101です。
あ・・・小草々です。言い訳はしません、すんません。
- 104 :名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 14:29:05 ID:BSnmnSKK
- 小草々メガネ∞ぽいなw
- 105 :名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 10:02:51 ID:eyPUN5vJ
- わっかりにっくぅ〜
- 106 :名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 10:51:50 ID:Sr5Xf8GO
- ∞ってふつう関○ャニのことだよね?なんで小草々?
もしかして小草々の人ジャ○の子と勘違いしてる?
- 107 :名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 14:43:27 ID:UGSZGSi5
- ∞わかりにくいか?まんまメガネじゃん
大元のレスには薄い壁越しって書いてあるし
文脈から小草々って簡単に想像つくと思うけどな
○ャニ興味無いから∞で関○ャニって言われても
そっちの発想のほうが無かったわ
- 108 :名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 16:31:15 ID:Q7BxbsF4
- シブがき隊しか思い浮かばなかった俺は負け組
- 109 :名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 00:53:51 ID:nkFiiRdL
- いきなりそんな一休さんなとんち出されてもわかんないよ!
おれ二流のクズでバカだからわかんないよ!
- 110 :名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 02:07:03 ID:Kq1PdQzU
- あー、メガネが元かどうか自分は詳しくないが、
数字板の徒然兄弟数字呼びで、小草々は∞なんだ
- 111 :名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 02:41:47 ID:FlrKsa0I
- なんだそりゃ
つーかそっちのジョーシキ持ち込むのやめてくんない?
数字板ってあれじゃん男ホモにしてヒロイン死ねとか叩くとこじゃん
自分そーゆーとことお近づきになりたくないんですよチキンだから
- 112 :名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 12:59:09 ID:2DIR4hK0
- 両刀の人意外と多いんじゃね
チキンならそもそもなぜこんなとこにいるのかね
>>110
不用意にあっちの話しない方がいいよ
こっちは正常であっちは異常と思ってる輩が多いから
同じ穴のムジナなのにさあ
……あ、違う穴かw
- 113 :前スレ977:2009/02/17(火) 15:39:51 ID:yv2Wev1l
- ここらでIF世界ってことで初代スレの作品のような小草若×喜代美、四草×喜代美が
内弟子時代からそのままハッピーエンドな作品読みたいな。
職人様方、よろしければお願いします。
>99
小草々初高座後、若狭にデロメロ目線を投げる草々を思い出しました。GJです。
- 114 :113:2009/02/17(火) 17:38:49 ID:yv2Wev1l
- 別スレ書込時の名前が残ってました。
気にしないで下さい。
- 115 :名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 16:53:59 ID:+HvD6Ho+
- 誰うまw
ちりとての数字スレは「ヒロイン死ね」みたいな
怖い所では全くないよ
自分も両刀w
- 116 :名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 16:57:56 ID:+HvD6Ho+
- >>115は>>112宛です
- 117 :名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 21:12:51 ID:T6rd9ZJF
- せっかく住み分けてるんですから自重していただけませんか>両刀な方々
- 118 :名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 07:30:35 ID:XYB+W158
- 数字板の探し方教えて
ください。ていうか
正式名称は?
- 119 :名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 08:33:36 ID:JhnbXFMN
- >>101
二度と書き込むな
- 120 :名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 18:04:45 ID:3CUGw2mx
- 空気読まずに小話します。徒然亭4兄弟Q&Aです。
いろいろ間違ってる部分は目をつぶってください。
- 121 :アンケートお願いします。:2009/02/19(木) 18:05:32 ID:3CUGw2mx
- Q.突然ですが理想の妹弟子について語ってください。
A1.そうやな…やっぱり素直で頑張り屋な子がええな。
欲いえばもっと明るい子ならええんやけど、ま、こればっかりは性格やし。
それよりこう、ふだんくよくよしててもにこって笑った顔がかわゆうてな。
あれ見るとなんやこっちまでほっこりしてくるんや。
まあうちの緑には敵わんけどな。こないだも俺がちょっとヘソ曲げてしもて
うっかり八つ当たりしてもうたことあったんやけど、
緑は怒りもせんと俺の顔じっと見て『まーくん、明日は元気?』ゆうて
励ましてくれて……緑、みどりぃ〜!
A2.落語に男も女もあらへん。精進あるのみや。
とはゆうてもあいつは不器用すぎてこっちまでイライラしてくるけどな。
けど、師匠も言うとった…不器用なもんほどぎょうさん稽古する。
ぎょうさん稽古したもんは誰よりもうまなるんや、て。
そういうとこは、なんやどっかおかみさんに似てていじらしなる……
て、なに言わすんや。
べ、別にあいつがどうこうゆうわけやあらへんぞ俺は。小草若やあるまいし。
A3.そらもうめっちゃキュートやろ!
ちっちゃくて髪サラサラで色白おて…。日本海生まれの女の子は情が深いゆうし。
あのキラキラしたおっきなおめめで俺のことじっと見上げて
『小草若にいさん、お稽古お願いします』とか
『小草若にいさん、ごはんにします?それともお風呂?』とか
『小草若にいさん……素敵すぎて見とれてしまいました』とか
言われた日にはもう……ウヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョ
「言うてへんやろ」
「言うてへん言うてへん」
「言うてへんですよね」
なんでやねん!なんで俺の時だけみんなしてつっこむねん!
A4.確かに色は白いですよね。ろくに化粧もしてへんから肌も綺麗ですし。
そうは言っても色気無いことこの上ないですけど。
でも、小柄なわりに胸はけっこうあるし器量はそこそこですし
あと2、3年もすれば化けると違いますか?
あれで不思議と着物姿も似合いますし……
髪あげた時のうなじがええ具合に色っぽくなってきたら食べごろでしょうね。
「おい!なにを言うてんねんおまえは!」
「た、食べごろて若狭に一体なにするつもりや!」
やだなにいさんたち。単なる一般論ですよ。
「どんな一般論やねん!」
なあ、俺ら質問の主旨からズレてってへん?
これが>>97の言う妹弟子萌えですね。
〈完〉
- 122 :名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 22:13:45 ID:lQjqFRwu
- おぉ〜GJ!
キャラが完璧に立ってるなw
- 123 :名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 22:47:57 ID:clncCg+R
- いいですね〜!
- 124 :名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 11:22:46 ID:k5Octsql
- 妹弟子萌えって
ある日突然
可愛がってた後輩が
義理の妹になってしまった
と言うような萌えに似ていると感じる…orz
- 125 :名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 11:01:37 ID:SIWMFHFI
- 三番弟子と四番弟子は1行目から回答になってねえwww
師匠にも理想の女の子弟子像を聞いてみたいものだ。
- 126 :名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:16:08 ID:9huVPU9E
- 八神くんの家庭の事情?
- 127 :名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:19:11 ID:9huVPU9E
- 途中送信してしまった。
申し訳ないです。
- 128 :名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 17:38:35 ID:kytJ6+hs
- ほしゅ
- 129 :名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 21:33:49 ID:6vk1hePH
- 保守の投下です。
1レス小ネタで時は鐘なり週第76回の小草若です。暗いです。
- 130 :名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 21:34:18 ID:6vk1hePH
- 来週の月曜。1996の年明け。
この部屋にあの子が引っ越してくる。
何年も恋い焦がれてきたあの子と、ついに一緒に暮らせる。
それなのに、こんなにも心が浮き立たないのは何故なのだろう。
「よっしゃ、あとはバスルームやな」
喜代美ちゃんの新居になる部屋を用意して、家具全部を整理して
朝から大掃除をしている俺は、体を動かすことだけに集中して
余計なことは一切考えないようにしていた。
余計なこと。
あの日、喜代美ちゃんが俺の誘いを受けてくれた時の。あの、涙。
(……わかりきってたことやんけ)
俺のことなんか好きでもなんでもないあの子が、この部屋に来る理由。
あいつへの当てつけ。体のいい逃げ場。
(都合のええ兄弟子ちゅうわけや、俺は)
雑巾の手が止まる。心臓が潰れるくらい痛い。
「喜代美ちゃん……」
喜代美ちゃん。俺のこと、ほんのちょっとでも考えたことある?
ずっとずっと喜代美ちゃんだけを想い続けて。
喜代美ちゃんが好きで好きでたまらなくて。
だけど、全然報われることなんてなくて。
今でも喜代美ちゃんに振り向いてもらえることだけを願っている
愚かな俺のことを。
(同棲、するようなったら)
少しは変わるのだろうか。この一方通行な関係は。
答の出ない思考は中断して、バスルームの掃除に取りかかる。
バスタブは特に念入りに。
(……喜代美ちゃんが入るんや)
そう思った途端、白い裸を想像してしまい慌てて打ち消す。
(俺はほんまもんのアホやな)
当て馬のくせに、下心持つなんて。
喜代美ちゃんは、けっして優しい子なんかじゃない。
いつでもいつまでもあいつのことばかり考えていて
こっちの純情なんか平気で踏みにじったりもする。
顔だって取り立てて美人というわけじゃない。
スタイルがいいわけでも、頭がいいわけでもない。
田舎くさくて鈍感でずるくて自分勝手で妄想ばかりしていて
俺の気持ちなんかちっともわかってくれない。
それでも。
「喜代美ちゃん」
目を閉じればいつだってあの子の顔が浮かんでくる。
「喜代美ちゃん」
まっすぐに俺だけを見つめて、この腕の中に飛びこんでくれる。
「好きや」
とびきりの愛くるしい笑顔を見せて、かわいらしく唇を寄せて。
「好きや」
そばにいて。俺のものになって。
「大好きや」
気が狂うほど。いや。
もう、狂ってるのかもしれない。
「喜代美ちゃん……大好きや」
終
- 131 :名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 22:01:38 ID:W/ole6A3
- >130
ちょー切ない…!GJ!
そういう、全部分かっててでも好きっていうのが小草若らしさ。
不器用な君が好きさ…。
- 132 :名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 00:48:52 ID:o/QDI/SX
- >>130
GJGJ!!
あー本編の「ええがな!」のあの笑顔が甦ってきた。
すごい切ない小草若の心情を投下してくれてありがとう。
やっぱり小草若が好きだ。
- 133 :名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 19:25:34 ID:ECyWaCRJ
- 保管庫の3スレ目に小草若×喜代美でマンション同居して
ハッピーエンドになる名作長編あったよね。
あの職人さん帰ってこないかな……
- 134 :名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 22:47:15 ID:P4/+9TNd
- >>130
超〜GJ!!!!!!!
目が潤んできた 切なすぎる
いやーわかりすぎるほどわかるな、この気持ち
ラスト数行がまた切ない
こんないいヤツ振るなんてマンション女め許せんw
>>133
ノシ ひそかに待ってる
- 135 :名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 08:33:05 ID:dMogAcI8
- 気持ち悪い
- 136 :名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 09:38:25 ID:Sh9chRlb
- つわりか?
- 137 :名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 10:01:18 ID:zrvB2S7n
- 越前そばも戻してしもたやろ〜?
- 138 :名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 12:04:34 ID:PxZ5fbQ6
- 早とちりすんな
レギュラーおろされてヤケ酒二日酔いかもしれん
- 139 :名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 23:47:03 ID:YWeTspUs
- ちりとて終わって一年もしないうちにみんなずいぶん変わってしまったな
B子がヒロインのじゃまばかりする天然お嬢さまA子に
草々が大阪の落語バカから沖縄のサトウキビバカに
四草はなんかうさん臭いピアニストとか医者とか
おかあちゃんは仕事人だし
- 140 :名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 01:16:51 ID:M+SF6Shr
- おかあちゃんは仕事人だしワラタ
きれえなべべ着てお色気むんむんや〜
草々兄さん某映画でヤクザの鉄砲玉だった
四草兄さんなんか撃たれても死なんかった
- 141 :名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 15:22:37 ID:Uv6Mkgtz
- おとうちゃんは東京の下町で
出稼ぎの左官職人しとんなるし
- 142 :名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 15:44:01 ID:b0y00dvy
- 小梅ちゃんは人殺しちゃったし!
あ、あほぼんもか。
- 143 :名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 16:56:10 ID:RxcV8stE
- >>141
テロリストと戦ってバンバン拳銃撃ちまくったこともぉ、
出稼ぎの左官職人として黙々と働きつつ一回だけキャバクラで弾けまくったこともぉ、
みぃんな綺麗な模様に(ry
- 144 :名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 00:48:48 ID:9YMRmXye
- あげとくでぇ
- 145 :名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 19:58:11 ID:9l7CfFF4
- TVを見ていたら唐突に
「草若一門でラ〜ブ・シャッフル!」
……という電波障害が発生した
- 146 :名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 21:49:29 ID:kmJD6C4r
- 四草は誰を連れてくるんだ、まさか、あの(ry
- 147 :名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 22:03:27 ID:0RyG5lFT
- ぎゃああああ
一番最初のお姉ちゃんきぼん
- 148 :名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 22:35:55 ID:NEMq/eBP
- ・・・緑さんがヤリマンだったり草原にいさんが実はほもだったりするのか
- 149 :名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 16:43:07 ID:QK58X68x
- hosu
- 150 :名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 17:32:01 ID:34e3FIoY
- 需要なさげですけどアホボン×ビーコのエロ無しデート投下します。
設定は第2週あたりでアホボン大学生、ビーコ高校生時代。
一応Wikiで調べてみたんですけど、時代背景とか土地感覚とか
おかしいとこはスルーしてやってください。
- 151 :Mi sono innamorato 1:2009/03/19(木) 17:32:33 ID:34e3FIoY
- 俺には自慢の妹がいる。
和田清海。
小浜にいてこの名前を知らない人間がいたとしたらモグリだ。
この土地を代表する企業、若狭塗箸製作所の社長令嬢にして
市内でも評判の模範的優等生、そして小浜随一の美少女。
高校の入学式の答辞で新入生総代として現れた清海の姿には
三学年の男子生徒全員はもちろん、若い独身の男性教師たちも
一斉に色めき立ったものだ。
当然、言い寄る男どもは掃いて捨てるほどいるわけだが
そこは我が聡明な妹のこと。
すべて丁重にお断りして清らかな身を保っている。
なにより、頭脳明晰・容姿端麗・スポーツ万能で人望も厚い清海に
釣り合う男なんかいるわけないのだ。
そんな清海の兄である俺には、友人たちから羨望半分やっかみ半分の
野次がよくとばされる。
「あんな美人の妹いたら他の女なんか目に入らんやろ」
「友春もある意味不幸やな。なんたって絶世の美少女が身内やもん」
なんて言われるけれど心配ご無用。俺にはれっきとした彼女がいる。
それも将来俺と結婚する運命の彼女が。
和田喜代美。
我が妹と同姓同名の彼女は、清海の同級生だがなにもかも妹と正反対だ。
へちゃで頭悪くてなんの取り柄もないごく平凡な女子高生。
俺たち兄妹の和田家とは昔、父の塗箸の修行先が彼女の祖父だったという
浅からぬ縁だが、今は彼女の父もうちの会社の従業員に過ぎない。
そんな凡人の彼女は同じ名前の清海と区別するため妹のエーコに
対してビーコと呼ばれている。
そのあだ名が示す通り彼女――ビーコはキラキラ輝いている
エーコな妹と違って地味な女の子だ。
当然、言い寄る男も狙ってる男も一人もいやしない。
けど、俺だけは知っている。
ビーコが、見つめられるだけでドキドキするような綺麗な瞳をしてること。
くっきりとえくぼが浮かぶ、ピンク色の柔らかな頬を持ってること。
小学生のころからウジウジしてるくせにヘンに負けん気が強くて
いざというと年上の男子にまで平気で立ち向かってくること。
そう、清海の陰に隠れて目立たないけれどビーコは実は
めちゃくちゃ魅力的でかわいい女の子なのだ。
このことに気がついている男は、小浜中いや世界中でこの俺ただ一人。
節穴な目玉しか持たないそこらの男にまったく相手にされない以上、
俺が救済の心を持ってビーコをめとってやらねばなるまい。
俺とビーコが結ばれるのはまさに必然。これはもう運命なのだ。
- 152 :Mi sono innamorato 2:2009/03/19(木) 17:34:05 ID:34e3FIoY
- 朝の天気予報による本日の降水確率は10%。気持ちのいい秋晴れの空。
まさに俺たちのためにあるようなデート日和。
将来が約束された仲とはいえ、ビーコはまだ高校生。
俺たちはまだ手もつないだことのない健全な交際を続けている。
だが、そろそろキスくらいは進展させてもいいんじゃないか?
と思うわけだ。
俺は、今の大学を卒業したらそのまま若狭塗箸製作所に就職して
父の後を継ぐための修行が始まる。
ビーコはおそらく地元の短大に進学だろう。
となると、ちょうど俺と卒業が一緒になる。
プロポーズはその時にするつもりだ。
結婚前提のカップルがキスも済ませてないのは不自然すぎる。
というわけで、本日のデートは名付けて初キス決行大作戦なのだ。
待ち合わせは11時。デートに備えてまずはシャワーを浴びておく。
首も脇もきっちり洗って、念のためチンコもしっかりと。
も、もちろん高校生相手にどうこうとかするつもりはないけれど
なんせアホのビーコのことだ。
俺とのキスにうっとりなってあの大きな瞳をうるませて
『友春さん……ええよ?』
なんてOKの目になってせまってくるかもしれない。
ま、まあそうなったらたとえこっちにその気は無くても
女に恥かかせるのは男がすたるというものだ。
……万が一の事態に備えてホテルもチェックしておこう。
風呂から出たら歯をきっちり磨いて髭は念入りに剃って、忘れずに
ブレスケアも済ませておく。
制汗剤スプレーを吹きかけた上にオーデコロンを軽くつけて
イタリア直輸入のLUIGI BORRELLI製セミワイドカラーシャツをはおる。
ワックスでヘアスタイルをキメたら、鏡で全身をチェック。
……キマりすぎや。
この俺の姿を見たらビーコの奴、メロメロになって
『友春さんステキ!』
なんて抱きついてくるやもしれん。
……あいつ、チビのくせにけっこう発育ええからな。
あのデカくてふわふわ柔らかそうな胸をぎゅっと押しつけて
すべすべのほっぺたを真っ赤に染めてほおずりしてきて
そして、そして、ピンク色の唇をぷくんと突き出して俺と……。
「……って、アホか俺は!」
あかん、うっかり鏡の前で一人キスの予行演習してしまった。
鏡の中の俺はかなりマヌケな姿をさらしている。
ま、まあええか。
数時間後にはホンモノの柔らかい唇が俺のものになる。
待ってろよビーコ。
今日という日を俺とおまえの最高の記念日にしたる。
- 153 :Mi sono innamorato 3:2009/03/19(木) 17:34:37 ID:34e3FIoY
- 待ち合わせ場所はいつものマーメイドテラスの見える海岸沿いで。
青い海、内外海半島の絶景をバックに赤の新車を停めて待つ。
新車は父にムリ言って買ってもらったユーノス・ロードスター。
この二人乗りオープンカーの助手席はもちろんビーコの指定席だ。
デートプランは、ここから三方五湖のレインボーラインを通って
気比の松原までのドライブを予定している。
夕日に染まる白砂青松の浜を二人で眺めて、そして初めてのキス。
(……きまりやな)
それにしても、肝心のビーコがなかなか来ない。
デートの日時は昨日なんどもなんどもなんども念押ししておいた。
いくらアホでもあれだけ言い聞かせておけば忘れないハズだ。
(オシャレすんのに時間かかっとるんやろか?)
なんせこの友春さまとのデートだからな。
俺の予想ではビーコの今日のデート服はあのワンピースだろう。
ふわっとすそがふくらむワンピはビーコの女らしさを引き立てて
俺の中で密かなお気に入りなのだ。
いつもは色気なく縛っているおさげをほどいて、長い髪をゆらして
息を弾ませて俺のところに駆けてくるビーコ。
セリフはきっとこうだ。
『友春さん、遅なってごめんなさい』
「友春さん、なに一人でニヤついてるん?」
ってちゃうやろソコは!ビーコはもっとこう……。
「用ないなら帰るで?」
「せやからソコは……ビ、ビビビビーコ!?いっ、いつの間に!?」
「人のこと呼びつけといてなんやのんそれ」
しまった。俺としたことが、うっかり自分の想像に浸ってしまった。
慌ててポーズをキメてビーコを迎える……ハズが。
「……ビーコ、なんやそのカッコは」
俺の目の前で憮然と突っ立っているビーコが着ているもんときたら
予想のかわいらしいワンピとは程遠いトレーナーにオーバーオール。
……おまえ、それめっちゃ普段着やんけ。
しかも、髪もいつも通りのおさげな上にアホ毛ピンピン立ってるし。
おまえな、俺とのデートにそれはないやろ!?
せっかくデートにあれこれ準備してきた俺がアホみたいやないけ!
せめて俺のこのスタイリッシュなファッション見てなんか言うこと
ないんこ!
「あれ?友春さん」
このアホ女、ようやく気づいたか。
「夏バテでもしたん?なんやちょっと痩せとるみたい」
痩せ……。
「んなわけないやろ!よう見てみい!」
「なんで友春さんなんかよう見んとあかんの」
…………かわいくない。
- 154 :Mi sono innamorato 4:2009/03/19(木) 17:35:08 ID:34e3FIoY
- デートプランは初っ端から大幅な修正が必要となった。
始めに予定していたドライブは後回しにして、まずはビーコだ。
すっきりと晴れ渡った秋空の下、ブーたれて機嫌の悪いビーコ。
ま、アホのビーコのことだ。大方腹が減ってるとかそんなんだろう。
(ちょうどメシ時やし)
ここはカジュアルに最近はやりのイタメシ屋にでも連れてってやろう。
むくれてるビーコをなだめすかして助手席に乗せて出発進行。
こんなこともあろうかとトラットリアはおさえてある。
さすがは俺、和田友春。
次期社長を担うデキる男は緊急トラブルにも万全の対策がとれるのだ。
海岸線をそのまま北上して、チェックしておいた店に到着するころには
ビーコのふてくされ顔もちょっとは改善されたようだった。
「へぇ〜友春さん、こんなお店知っとったん」
「ふん、まあな」
若狭湾が一望できる小さなレストランはビーコの好みだったらしい。
計画通り。
女はこの手のコジャレたメシ屋に弱いと週プレにも書いてあった。
機嫌のなおったビーコをエスコートしてさっそく店に入る。
カランコロンと鳴るドアを開けると、店内はイタリアンらしい
オリーブとガーリックの香りが立ち込めていた。
……んん?ガーリック?
しまったああ!
イタリア料理ゆうたら、たっぷりのオリーブオイルにガーリック!
今日のデートの目標はビーコの唇!
記念すべきビーコとの初キスがニンニク臭いもんになってしまう!
「ビ、ビーコやっぱ店変え……」
「わたしこのスパゲッティ・ネーロゆうん食べたい」
おいいいっ!俺より先にさっさと席着いて勝手にオーダーすなっ!
「かしこまりました。お連れさまは?」
くぉら店員!テーブルつくの早すぎやんけ!
「……秋ナスとアンチョビのパスタ」
くそっ。出るに出られなくなってしまった。
しかも。
「ビーコ、スパゲティ・ネーロてなんか知っとったんけ?」
「うぅん?」
ネーロ=イタリア語で黒。真っ黒いイカスミのスパゲティ。
俺とのキスを待っているハズのビーコの唇はいまや見るも無惨な
イカスミまみれとなっていた。
「……おまえ、口ん中真っ黒やぞ」
「……へ?」
うわ。歯グキまで黒っ!
「ひゃあっ!?おはぐろみたいなってしもてる!ど、どねしよ」
「俺の歯ブラシ使え」
「ええ〜〜友春さんの〜〜?」
イヤそうな顔すんな。
「俺も使てへん新品や」
なんでこない面倒見んとあかんねん。
- 155 :Mi sono innamorato 5:2009/03/19(木) 17:36:04 ID:34e3FIoY
- イタメシは失敗だった。
化粧室で数十分。ようやくビーコのおはぐろは落ちたものの
まだ俺も口ん中がニンニク臭い。
(しばらく取れそうないな)
とてもじゃないがこのままキスに持ち込めるような雰囲気じゃない。
「ビーコ、映画でも見てこか」
そうだ。ベタだがこんな時の時間潰しには映画が一番だ。
とりあえず近場の映画館に入って適当にチケットを二枚。
運良く、ちょうど評判のラブストーリーものを取ることができた。
タイトルは“ゴースト〜ニューヨークの幻〜”
恋人と死に別れた男が幽霊となってヒロインを守るロマンチックな
恋愛映画だ。
(これは、ラッキーやったかもしれん)
館内は俺たちのようなカップルぞろい。
悲恋モノだからか、あちこちから女のすすり泣きが聞こえる。
ちらっと隣りを見てみるとビーコの大きな瞳はすでに涙で潤んでいた。
(ビーコ……)
映写機の光に照らされたビーコは、いつものおさげ頭だというのに
どきりとするほど大人びていて綺麗だ。
暗闇に浮かぶぽってりとした唇がたまらなく色っぽい。
スクリーンでは、デミ・ムーアが幽霊となった恋人との切ない
ラブシーンを演じている、まさにクライマックス。
(よ、ようし)
映画にあわせて、こっちもクライマックスだ。
さり気なくビーコの肩を引き寄せる。
柔らかいビーコの体が俺の胸元にもたれてくる。
(……イケる)
バクバクする心臓をおさえて、そっと顔を近づけてゆく。
ビーコの唇まであと10cm……5cm……。
「ちょっと!友春さん顔ジャマ!」
……こんなハズじゃなかった。
スッキリとした顔のビーコと平手打ち食らって真っ赤に腫れあがった
情けない顔の俺。
デートの続行はムリすぎる。
「ほな、ここで」
商店街の近くまで戻ると、無情にもビーコは車を停めさせて
さっさと助手席を降りてしまった。
ああ、俺のもんになるハズの唇が。
未練たらしく見送る俺の前で、ぴょこんとおさげが振り返る。
「……?」
「今日、嫌なことあってちょっと落ち込んでたん」
それであんなブーたれ顔してたのか。
「ほやけど友春さんといたらアホらしなってどっかいってしもた」
「ビーコ……」
「ありがと、友春さん」
目の前でふわっとほころびる極上の笑顔。
ああ、これだから。
へちゃで頭悪くてなんの取り柄もない、けど愛しいビーコ。
ぜったいにおまえを嫁に迎えてやる。待ってろよ。
終
- 156 :名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 20:18:16 ID:cEuOG6JR
- >>150
GJwww友春バロスwww
>週プレにも書いてあった
がツボにハマったwww
恋愛って得てしてこういうもんなんだよね…青春時代を思い出したよ
- 157 :名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 13:06:11 ID:lxYiDbqa
- GJ!!!
とっても楽しませてもらったよ
セリフがいちいち友春とビーコの声で聞こえてくるし、
情景もめっちゃリアルに浮かんできた
また投下よろしく!
- 158 :名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 21:09:08 ID:ClICExZp
- GJ!!
懐かしさと新鮮さがきた
鯖子も好きだが、友春とB子も良かったよな〜。
- 159 :名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 22:59:48 ID:6A3qFq9d
- GJ!
若い2人が目に見えるようだ!
アホ毛にツボ入ってしまったわ
- 160 :名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 01:23:25 ID:0hxV7Fi4
- マジメな話アホボンはちりとてNo.1の男前だと思うんだ
(芸妓コスも自然にこなす超絶美形なおいたんは除く)(あれはもう別次元だから)
小学校から十年近くもあんだけスキスキ言われてたのに
一向になびかないどころかモテない女を自認してた喜代美って
- 161 :名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 14:32:33 ID:iHRYO0gz
- 補習
- 162 :名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 01:23:36 ID:2OeBj/cs
- hosyu
- 163 :名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 15:22:19 ID:VtoQRzo+
- 保守
- 164 :名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 23:18:32 ID:7TaV5Aux
- あげとくでぇ
- 165 :名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 08:32:12 ID:bEf9j21u
- 保守
- 166 :名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 21:26:45 ID:dE0Yw9oF
- 私の居場所をsageんといて!
- 167 :名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 10:48:35 ID:uwFqjBVn
- また、読みたいな〜。誰か書いて下さい。
- 168 :名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 00:40:52 ID:y3XQ/qN7
- 燃料投下
5/4 小草若の落語が聞けるっ
ttp://pid.nhk.or.jp/event/PPG0022903/index.html
- 169 :名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 17:05:33 ID:Zi0ByZll
- 底抜けに、いけんがな〜!
遠くてな…。
と、ほっしゅっしゅ。
- 170 :名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 23:29:13 ID:ZKJkOTBf
- >>168
行ける人は楽しんで。
行けない人間は保守がてらに投下してます。
小草若×喜代美に始まり、四つ巴の何という話でもなくエロくもなくです。
- 171 :午睡の顛末1:2009/05/03(日) 23:30:27 ID:ZKJkOTBf
- 春は過ぎて初夏の爽やかな日差しが傾きだした頃、
小草若は草若邸の廊下に突き出ている二本の足を見つけた。
「…喜代美ちゃん?」
女の小さな足の上を追って居間を覗き込むと、愛しい妹弟子である喜代美が
畳の上にころんと転がっていた。
寝息を立てすやすやと眠っている。
「あちゃ〜、どないしよ」
目を瞬いて頭をがしがしと掻く。
喜代美は一応内弟子修行中の身だ。ここにうるさい二番弟子の草々がいれば
即怒鳴ってたたき起こすところだろう。
怒鳴らないまでも兄弟子なら、起こして気の緩みを正すところかもしれない。
が、そこは恋する男小草若である。
「喜代美ちゃんは寝顔も底抜けに可愛らしいがな〜〜」
皮膚滑らかにして雪の如く。肌柔らかにして…いや、触ってみないことには
分からないが、喜代美の滑らかで日に透ける肌を見ていると、その触り心地は
絹のようで羽毛に触れるように柔らかいのではないだろうかと想像する。
影を宿す睫毛、すっきりとした鼻梁。
ふっくらとした唇には吸い寄せられる魔力がある気がする。
「毎日毎日家事やらで大変なんやろな、よお寝とるわ…」
日が眩しくはないだろうかと思うが喜代美は規則正しい呼吸で
ぐっすり眠り込んでいる。
小草若は廊下の板の上に腰を下ろした。キスしたろか、という魔が差さない
でもないが、眠る喜代美は穏やかで侵しがたい安らかさがある。
それに、これは可愛いではなく、綺麗なのだ。
この綺麗な喜代美をいつまでも眺めていたというのが今の小草若だった。
それにしても…
さすが喜代美である。
一応スカートなるものを穿いているが、世の女達がどんなに足をむき出した
ファッションに身を包もうと、常に鉄壁の膝下キープである。
今だって踝から20cm以上うえは見えない。
眠っているのだから、寝返りで肌蹴てめくれ上がる…ということも期待できない
タイトというか広がりが無ければ色気も無いストレートなスカートである。
更に体の線が分かりにくい厚手のジーンズ地。
別にいやらしいことを期待していない、全然していない、と言い訳しつつ
小草若は喜代美の体のラインを追っていた。
スカートは残念だが、右側を下にくの字に体を折っている喜代美の腰から太ももの
ラインは見ごたえがある。
その向こうにすやすやと眠る喜代美の愛らしい顔が見えて実に良かった。
喜代美は胸ぐりの開いたロングTシャツを着ていた。そこからのぞく鎖骨のくぼみ、
その更に下にある胸の豊かな膨らみ。
「……ん?」
胡坐をかいて座っていた小草若は思わず姿勢を伸ばして正座した。
喜代美の膨らみの下りていく流れ。
もしや。
「…喜代美ちゃん、今ブラ着けてへん?」
よく見ると布越しに膨らみの中心にある蕾の盛り上がりが確認できる、
…ような、出来ないような。
男とは哀しい生き物である。
例え見えなくても「今下着つけてないの」と言われて目の前でスカートを
翻されたとしたらどんな気持ちになるだろうか。
時に直接的な接触よりも、想像、妄想というものの方が刺激的だということがある。
というか女がいて妄想を多少でもしない男はいない、いないはずだと小草若は思った。
それが好きな女の子であるなら尚更だ。
とは言え好きだからこそ、目の前にあるからこその苦悶がある。
- 172 :午睡の顛末2:2009/05/03(日) 23:31:12 ID:ZKJkOTBf
- 「何してるんですか、小草若兄さん」
「うわっ…」
唸っていたところに突然声を掛けられて飛び上がり叫びそうになったが、
寸でのところで口を塞いだ。四草が不審そうに眉を上げて、それから喜代美を見た。
「何やええボジションに座ってますね」
と言って小草若の隣に腰を下ろす。
「…起こさへんのか」
「僕は教育係りと違いますから。叱るんは草々兄さん、教えるんは草原兄さんの役です」
そして甘やかすのが小草若なら、こき使うのが四草である。
今の喜代美の状況は一大事だった。少なくとも小草若にとっては。
どうかこの秘密にこいつが気付きませんように…と内心で必死に祈っていた。
ところが、小草若のそんな思いを知らず、喜代美は二人の前で寝返りを打った。
くの字に曲げていた体を伸ばし、「ん…」と声を漏らしながら仰向けになる。
居場所を確かめるように少し体を揺らした。
はっきり言って非常に色っぽい仕草であった。
喜代美の腕の下に隠れていた胸が強調されるように露わになる。
「…ふうん」
四草は喜代美をまじまじと見てから小草若を横目でちらりと見た。
「ちゃっちゃうねんで?」
「何がです?ええやないですか、眼福。でも後で言うとかなあきませんね」
「な、なにを?」
「胸でかいのはええけど、ブラせんと将来垂れるぞ、って」
ど阿呆!!と音に出さない声で小草若は四草の頭をどついた。
「何してんねん二人とも」
草原と草々が寄席を終えて揃ってやってきた時、小草若も四草も廊下の
堅い板の上に鎮座していた。
草原は居間を覗き込んで納得したように何度か頷いた。
草々も覗き込んで眉をしかめたが、何か言う前に草原が「まぁ座ろうか」と促す。
ここに四人の男が眠れる喜代美を囲んで雁首を揃えた。
「ええ?起こさへんのですか?草原にいさん」
「まぁ、日ごろの疲れが出たんやろ。ちょっと寝かしたろうかと」
「草々っ」
「兄弟子には従わんとあかんやろ、うん」
嘘付け!と叫びたかったが、それぞれの思惑は分かるほど分かる。
奥手である草々ですら、そうなのだ。
やはり男は哀しい生き物である。
なぜ見てしまうのか、そこには喜代美の柔らかい寝顔と豊かな膨らみがあるからだ。
「………くしゅっ」
西日は傾きを急にして喜代美のそばから遠のいていた。
夕暮れの冷たさが上ってくる時分になっている。
喜代美のクシャミに全員が弾かれるように立ち上がった。
「…なんですか、草原兄さんベストて。普通上着を掛けてやるもんでしょ」
「着てへんもんはしゃあないやろ。四番弟子の上着は後回しや」
「ほな、俺は二階から昔使ってた毛布を取ってきます」
「そんなかび臭いもんいるか!俺の部屋から持ってきた方が早い!」
「お前んとこの汗臭いのよりましやろ!」
…かく騒いでいる内に喜代美は目を覚ました。
所用で出ていた師匠が帰ってきたのだったが、微妙な顔つきの四人を見て
なにやら面白そうな顔つきをしてみせた。
内弟子修行中の喜代美には色恋は禁じているが、
この四人の鞘当てを面白がっているようだ。
何となく罪悪感を共有して、四人は喜代美の夕飯作りの仕事を代わった。
妹思いのいい兄弟子たちである。
「お前らほんまにおもろいやっちゃのう」
何も見ていないはずの師匠が、おかしそうに笑い声を立てた。
終
- 173 :名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 01:48:20 ID:eipSjoUv
- >>170
おお、ひさびさの投下GJ!!
無自覚のナイスバディほどたちの悪いもんはありませんなあw
喜代美が知らんだけで内弟子修業中はこういうことたびたび起きてそう。
- 174 :名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 07:34:44 ID:fKW2qUQU
- 底抜けお疲れ!
良かった!
- 175 :名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 13:15:07 ID:bUv58JUD
- GJ!
若狭の寝姿の描写が色っぽくて読んでるだけでムラムラきた
最後の師匠も楽しそうで面白かったっす
- 176 :名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 13:31:03 ID:NfJ3I65z
- GJGJ! 小草若のなめるような観察ぶりがおかしくて
>実に良かった。
で爆笑。おもしろかった〜
クシャミに対する四兄弟の反応もかわいいなあ。
糸子はん!毛糸のパンツの前に年頃の娘にブラくらいつけなれ言うたってください!
- 177 :名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 21:13:38 ID:k2RSpsto
- 5/4行ってきたよー
小草若健在やったw
- 178 :名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 22:07:23 ID:L9c+i4i/
- >>170
久々に来てみれば、投下GJGJ!
笑ったし、何かほのぼのした。
「ん…」という声だけの喜代美だけど
小草若の実況で充分堪能しましたw
- 179 :名無しさん@ピンキー:2009/05/12(火) 06:03:32 ID:Wag0h49S
- GJ!!!ほしゅ
- 180 :名無しさん@ピンキー:2009/05/12(火) 16:41:24 ID:Lq4gicQT
- かわいいかわいい!底抜けにGJやがな!
なんだかほのぼのーだなあ…。
- 181 :名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 13:21:49 ID:8BFD/9/w
- hosyu
- 182 :某”管理”人:2009/05/23(土) 00:20:25 ID:igUt+f6N
- 保管庫の更新日が近づいているのですが、需要はどんなんですかね・・・
- 183 :名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 12:24:29 ID:+SB5GiBg
- お願い致しますm(__)m
- 184 :名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 13:50:55 ID:tW6xZcwD
- 底抜けにお願いします
- 185 :名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 18:19:37 ID:zajZ3BUy
- お願いいたしますぅ
- 186 :名無しさん@ピンキー:2009/05/24(日) 21:56:21 ID:bcNpynlg
- このスレが生き残ってる間はどうかお願いします
- 187 :名無しさん@ピンキー:2009/05/24(日) 22:50:12 ID:HRtHFfgF
- 探るようなこと書いてすみません。
更新しましたので安心してご利用くださいまし。m(_管_)m
- 188 :名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 02:42:14 ID:Ih4YsMsY
- 底抜けにありがとうございます〜!
うっかりログ消しちゃったから…無くなると悲しい…。
管理人さんいつもありがとうございます。
- 189 :名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 21:59:13 ID:pLP1ciL1
- おおきにありがとさーん!!
- 190 :名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 15:07:04 ID:AJ4eVizY
- hosyu
- 191 :名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 23:55:14 ID:tN8shT0u
- 高速連射で底抜けに保守!
- 192 :名無しさん@ピンキー:2009/06/17(水) 16:31:01 ID:e/IFD7cd
- (ё)<ホシュ!ホシュ!
- 193 :名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 14:16:58 ID:wiCkpFgJ
- 貴代美の目の前で犯される糸子
- 194 :名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 16:38:44 ID:GspFZauE
- >>193
糸子凌辱作品待ってるよ!いつまでも待ってるよ!
- 195 :名無しさん@ピンキー:2009/06/26(金) 17:01:05 ID:e4KGAc6g
- 娘の貴代美の巨乳と巨尻を無理矢理しゃぶらされる糸子。
- 196 :名無しさん@ピンキー:2009/06/27(土) 23:46:22 ID:XhAlrYMn
- >>195
神SS楽しみにしてます
- 197 :名無しさん@ピンキー:2009/06/30(火) 18:17:18 ID:/o+lKdm4
- 続編期待上げ
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