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コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命でエロパロ

1 :名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 11:45:31 ID:sfZY24WV
コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命のスレです。
職人さん、お待ちしています!

2 :名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 11:49:30 ID:iFCe/7RI
藍沢×白石
藍沢×緋山
藍沢×冴島
冴島×白石
緋山×白石
緋山×冴島
藤川×緋山

3 :名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 21:31:47 ID:0jQlTY9v
期待age

4 :名無しさん@ピンキー:2008/08/04(月) 18:34:53 ID:FnoPorHF
期待


5 :名無しさん@ピンキー:2008/08/04(月) 18:40:02 ID:5ksHRH1V
冴島×白石だったら百合萌えスレにあったね

6 :名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 19:57:38 ID:jI1IJhzy
>>5
見当たらないよ?

7 :名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 07:26:13 ID:vHWH0ARg
あげとくか

8 :名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 02:43:26 ID:cEvqF9i3
今週ので藤川×冴島もアリだと思った

9 :名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 20:22:33 ID:dMfXY4Ks
>>8
ありだな

10 :名無しさん@ピンキー:2008/08/10(日) 13:19:29 ID:xbuacYZS
藤川×冴島
みたいなぁ

11 :名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 01:14:01 ID:gG0iwASs
職人さん 来ないかなぁ・・・

12 :名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 21:01:54 ID:7+Kg5a+a
普通の小説もココでいい?

13 :名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 21:29:48 ID:1bT5S2eh
>>12
コードブルーに関する物なら何でもアリ。
エロのありなしなんてオマケみたいな物です。

14 :名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 07:22:48 ID:7SQG7u4E
じゃお盆に書くわ
藤川×冴島 にする

15 :名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 21:59:28 ID:6s2BXmPm
お盆明けに書きたいと思ってネタを練ってます。
たぶん藍沢×緋山
ユーザー少ないかな?

16 :名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 23:08:14 ID:PyP+NwF7
俺的には一番メジャー(?)な藍沢×白石を・・・

17 :名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 23:24:13 ID:7SQG7u4E
藤川××緋山 も需要なさそうだ。

18 :名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 00:46:55 ID:iNxwB947
期待して待ってまーす

19 :名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 01:36:51 ID:RVjdQagn
いやいや緋山のキャラ大好きだしwktkして待ってる!
藤川、藍沢、白石、冴島も待ってるよ〜

20 :名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 08:50:10 ID:pXFg72Hx
>>14
>>15
wktkしながら待ってます

21 :名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 11:19:56 ID:Ok2Ri/y+
藤川×緋山明日アップできるかも

22 :名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 12:23:00 ID:PZN+zumk
wktk

23 :冴島×藤川:2008/08/13(水) 21:11:32 ID:vjIL6oXw
「本当に医者ですか?もっと期待に応えられるように努力してください」
同年代の看護師にあれだけ言われれば
さすがの彼も少しは、現状を認識してくれると思っていた。
いったい彼は一人だけヘリに乗せてもらえないという現状をどう感じているのだろう?

もちろん今日もヘリにのれないので、私と入院患者のフォローだ。
「冴島さんはヘリ初めて乗るときどうだったの?」
正直言うと緊張していて覚えていないのだが…
「先生は初めて呼吸をしたときのことを覚えていますか?」
「え???」
「私にとってヘリに乗るということは、そういうことなんです。」
一事か万事こういう調子だ。
はっきり言って彼との相性は悪いと思っている。

黒田先生と
「おはようございます」「お疲れ様です」以外の会話をする所から
まずは始めてみたらどうですか?
私はこう吐き捨てると白石先生が呼びに来た。
どうやら来客のようだ…。
妙だ。私に来客なんていったい誰だろう?
胸騒ぎがする。



とりあえず今日はここまでにします。
他の作者さんも頑張ってください

24 :冴島×藤川:2008/08/13(水) 21:12:12 ID:vjIL6oXw
一応エロなしです
ごめんなさい

25 :名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 23:30:50 ID:xK0+aTGo
801なら黒田×藍沢
百合なら新垣×戸田
だろ
間違いない

26 :名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 23:43:10 ID:b6twyPa5
百合なら冴島×白石もありだろう

27 :名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 04:29:41 ID:Ha1yOKY0
百合はかなり早い時期から向こうにスレ立ってて、過疎板ながらも賑わってるよ。
801は知らん。

28 :名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 06:24:00 ID:9s9MLNWu
>>24
気にしないでください!エロ無しでも充分ですから。
続き楽しみにしてます^^

29 :冴島×藤川:2008/08/14(木) 10:54:42 ID:U/evuKxh
「私にお客さんですか?」
念のため、白石先生に確認する。
「うん、なんか車椅子に乗った男の人とお母さん?みたいだったよ。」
職場にまで会いに来るなんて、いったい何を考えているんだろうか
いや、私のほうが迂闊だったのか。
看護師であるということもあり、家族にも職場のことは話していなかったのだから。

「冴島さんどうしたの?顔色悪いよ?」
白石先生が心配そうに顔を覗き込む
「もしかして彼氏?熱いねぇ。」
「違うよ、藤川君、冴島さんの彼氏は半年前に…」
全くこの人は勘がいいのか・悪いのか。
藤川先生の目は興味津々といった様子だ。
確かに苦手な看護師に車椅子で男が訪ねてきたと聞けば、興味を持つなと言うほうが難しいかもしれない。
(こんなとき藍沢先生なら仕事中だぞ。で済むんだけどねぇ)
この熱心さと好奇心が1%でも医学のほうにむけば、
少しは医者らしくなるような気がするのだが今はいうまい。
「私ちょっと行ってきます。藤川先生、ちょっとコーヒーでも飲んでてください」
白石先生の言葉を遮ると私は走り出した。
「ごゆっくり、どーぞ」
藤川先生の声が廊下にこだました。

30 :冴島×藤川:2008/08/14(木) 11:08:02 ID:U/evuKxh
「藤川君やめようよー」
「白石だって冴島にはこっぴどくやられてんだろ?」
「そうだけどさぁ、こういうの良くないよ」
「ここで冴島の弱みでも握っておけば、少しはしおらしくなるかもしれないじゃないか」
「だけどさぁ・・・」
「大丈夫だよ。コーヒーを飲んでろって言ったのは、他ならぬ冴島だぜ?
 どこでとは言われてないしな。」
自動販売機からコーヒーを取りながら、藤川がニヤリと笑う。
「でも冴島さんにばれたら、本気で怒ると思うよ?本性出してくるよ?」
白石はどうやら以前の手術室での冴島の変貌ぶりがトラウマになっているようである。
「大丈夫だっていざとなれば、看護師とドクターとは綿密な信頼関係を気付かなければならない。
 その第一歩がお互いを知ることだって黒田に言われたことにするから。
 あの二人そんなに接点無いからまず大丈夫だ」
「藤川君ってさぁ…。あ・あれじゃない?」
「一応隠れとくか」
白石が何かを言おうとしたが、冴島の姿が見えたので視線をうつした。

31 :冴島×藤川:2008/08/14(木) 11:10:03 ID:U/evuKxh
ペース遅くてごめんなさい。
今日の話を見てから今後残り二人をどうやってからませるか考えます。
感想くれると嬉しいけど、この長さじゃ無理か

32 :名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 01:29:34 ID:CFhzJ2cT
>>31
君、天才ですか?もしくはプロですか?
まるで普通にこのドラマのスピンオフを見てるみたいだ…
焦らず、納得いく話を考えて下さい

33 :名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 09:04:31 ID:q4KtX+Gs
藍沢×冴島を書いて

34 :冴島×藤川:2008/08/15(金) 13:47:00 ID:F+W7rC4M
一階の待合室では昼時にも関わらず、外来患者がごった返している。
(白石先生の話では確かこの辺にいるはずなんだけど…)
車椅子の患者は数が少ないのですぐわかるのだが…
あまり近づくと気がつかれてしまうため、遠くから相手を探しているのだ。
(いた、あれだ。)
相手に気がつかれないよう柱の影から注意深く彼を確認する。
母親お手製のペットボトルで水をもらっているところを見るとため息が出る。
(やっぱり会うのはよそう)
ちょうど良いところで、急患の知らせが携帯電話に入ってきた。
(急患が入ったんだから仕方がないよね。)
そう自分に言い聞かせるように走り出した。

35 :冴島×藤川:2008/08/15(金) 14:44:14 ID:F+W7rC4M
「おいおい聞いたか?冴島の彼氏がきてるみたいだぞ」
「へぇぇそうなんだ?」
「さっき白石と歩いてたら見かけたんだが、なんか車椅子に乗ってたぞ」
(こうやってこの男は話を広めるのね。)
以前ちょっとした嘘をついてヘリに乗ったことが、
何故か初対面の入院患者にまで伝わっていたことを彼女は思い出していた。
そのうち資料をポケットに沢山入れた白石をカンガルー呼ばわりしたこともどこからか聞きつけ、
患者にドクターカンガルーと冷やかされる白石の姿が今から目に浮かぶ。
「噂好きな男って最低〜」
その熱心さを医療に向ければ、天敵黒田もヘリに乗せるはずなのだが…

「お前ら他に話すことないのか?」
緋山はどちらかというと、こういう話題には興味がある方だがこの男は違った。
藍沢はコップを乱暴に置くとこちらを睨みつけている。
藤川はばつ悪そうにサラダを口に含む。

(藍沢のいうことは最もだけど気になるんだよなぁ。
 緋山の言うとおりにしてはあまり元気なさそうだ。何かあったんだろうか?)

視線の先には一人窓際の席に陣取り、浮かない顔で食事をしている彼女の姿があった。

36 :冴島×藤川:2008/08/15(金) 15:38:40 ID:F+W7rC4M
(こういう日に限ってヘリ担当じゃないのよね。)
結局彼とは会うことはできなかった。
いや、出来なかったのではない、会わなかったのだ。
後から待合所を見渡すと、そこにはもう彼の姿は無かった。
(諦めて帰ってくれたなら良いのだけど…)

「冴島さん?冴島さん?おーい」
「あ・すみません。何でしたっけ?」
「食事の相談だよ。さっきサラダ食べてて思ったんだけど、
 藍沢のお婆さんの食事を思い切って四つ切にしてみたらどうだろう?
 箸でつつき易いかもしれないじゃないか。」

私にはヘリナースとしての仕事がある。
彼の世話だけをすることはできない。

「冴島さんさっきから聞いてる?」
「え…ええ」
先程から藤川先生が珍しく医者らしい発言をしていることは分かっているのだが、
私の頭の中は彼のことで頭が一杯だった。

「さっきの男の人、本当に彼氏だったの?」
「そうですよ。私にも彼氏の一人や二人います。藤川先生と一緒にしないでください」
「冴島さんモテそうだもんね。」
思わずペンが止まる。
正直藤川先生がここまで興味津津だとは思わなかった。
前にお母さんが来たときにも感じたのだが、
私にどうして欲しいのだろうか?
「私の彼はALSです。次の質問はどうして病院に来たのかですか?
 最近会っていないからです。こんなもんで良いですか?」
「…」
まさかALSを知らないなんてことは無いわよね?
一応医者ですよね?
「はい、藤川です。オペ室?分りました。」
「急患ですか?」
「病院の階段から車いすで転落だって、まったくひどい話だよ。行こう」

半年前にもこんなことがあったような気がする。
どうか別人で会ってほしい。

「遅くなりました。!!」
処置室に入り患者の顔を見て愕然とした。
「どうした?知り合いか?」
黒田先生が治療を続けながら私のほうを見る。
「はい。名前は・・・」
私に視線が集まるのがわかる。
小生意気な看護師の彼氏が病院の階段から転落?痴話喧嘩でもしたのか?
特に女性看護師の視線が突き刺さる。
居たたまれなくなった私が輸血パックに手を伸ばすと、突然自動ドアが開いた。

「ちょっと目を離しただけなの。助けて」
彼の母親だ。
「だれか外に出してくれ」
「お母さん大丈夫です。処置をしています」
「はるかちゃん大丈夫かい?ちょっと目を離しただけなの。」
「外でお待ちください」

私は彼女を処置室の外の椅子に座らせ彼の容体を説明した。

37 :冴島×藤川:2008/08/15(金) 15:44:02 ID:F+W7rC4M
今日はここまで

ごめん、昨日もう少し絡みがあるかと思ったんだけど
ここからパラレルになるかもしれないです。
冴島は同性からもねたまれてるということでお願いします。

>>31
前回の流れで想像してみました。
今回で流れが変わるみたいなので想像が難しい

38 :名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 01:11:06 ID:t8QY5CV/
いかんせん需要が・・・

39 :名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 01:24:31 ID:oOdgdPzS
需要ありまくりだよ。
待ってるから冴島×藤川頑張ってくれ。
他の職人さんや他カプも大歓迎なので待ってます。
自分も頑張って書いてみる。

40 :名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 06:16:16 ID:JXweQ4ie
藍沢×白石も待ってます

41 :緋山×藤川:2008/08/16(土) 12:59:31 ID:5R2XTyz8
「何で貴方がその事を?」
私は思わず目を丸くした。
初対面の患者が私の失態をなぜか知っているのだ。

前にもこんなことがあった。
卵巣のう腫茎捻転を発症した弁護士・若杉さんのときだ。

この患者もあの時と同じで入院して間もない。
救急センターの人間との接点はそんなにないはずだ。
そもそも私の失態を知っているのは、ごく一部の人間しかいないはず…
気の強いフライトナースか?
いや、彼女はそういうタイプではない。
特に親しいわけではないが、職務を淡々とこなすタイプで
世間話をするにしてもそういう患者さんを不安にさせるような話はしないはずだ。
とするとドクターの中に犯人が…
シニアドクターはまず除外するとして、

考えられるのは同期3人のうちのだれかだ。
藍沢か?
いや、アイツはそういう患者との世間話なんてしないはずだ。
救命救急センター苦情ランキング連続タイトルホルダーの実力はだてじゃない。
愛想がなさすぎる。機械的。気持ちがこもっていない。等など苦情は様々だ。
まぁ本人は外科医は腕がすべてだと公言しているからさほど気にしていないのだろうけど。

「今日は天気がいいですね。」
なんてアイツから笑顔で患者さんに話しかけたなんて珍事が起きた日には、
黒田先生はハンカチを用意し、看護師陣はケーキを用意することだろう。
天気は無論雪だ。

あの優等生か?
う〜ん。彼女とは同性ということもあり良い関係を築いてきたつもりだ。
無論性格的な物でどうしても喧嘩になってしまうこともあるが、
第三者を通じてお互いを乏しめるような回りくどいマネはしないと思う。
彼女の思考回路はそういう気の利いた事はできないようになっている気がする。

とすると残る容疑者は一人だ。
腕も頭も大したことない癖に、
寝ていながら患者の心を治したり髄膜炎を見抜いたりと意外性NO1なアイツ。
他の同期が無口だったり、優等生的な発言を連発するので
多分ドクターの中では一番話しているかもしれない。

私は乱暴に医局のドアを開ける。
「ねぇ、藤川知らない?」

42 :緋山×藤川:2008/08/16(土) 13:27:33 ID:5R2XTyz8
「藤川君なら今さっき冴島さんと一般病棟に行ったよ。」
ドーナツを口に頬張りながら白石がホワイトボードを指さす。
「食べる?美味しいよ。」
「ちょっと用事があるから後にするね。」
あのお調子者逃げたな。
「藤川君どうかしたの?」
「ん…ちょっとね。」
「今出たばかりだから急ぎだと追いかけたほうが早いかもね。」
今日のヘリ担当は藍沢か…
私も早く常時ヘリに乗れるようになりたいなぁ


43 :緋山×藤川:2008/08/16(土) 13:41:15 ID:5R2XTyz8
冴島×藤川は今日はおやすみです〜
録画を見ていて緋山とはよく絡んでいるので書いてみました。
同時進行できるように頑張ります。
藤川は創造がしやすくて重宝します。
>>39
お持たせして申し訳ない
明日か明後日には続き書きたいっす

44 :冴島×藤川×緋山:2008/08/16(土) 18:12:01 ID:5R2XTyz8
「それにしても冴島さんの彼氏さん、怪我が大したことなくて良かったな」
午後一番の騒ぎを彼が思い出したように振り返る。
「そんなことより、藤川先生良かったんですか?さっきの患者さんにあんな話して」
「そんなことって一応彼氏なんだろ?相変わらず冷たいなぁ。
 医者は傷を治すだけでなく、患者の心もケアするのも仕事なのだよ。はるか君」
「何か今日はご機嫌ですね?心のケアが大事なのはわかりましたけど、
 緋山先生の失敗を話すのは何故なんですかね?看護学校では習いませんでしたので
 今後のためにも教えておいていただきたいですね。」
「心を掴むにはまずは笑い話からというわけだよ。はるか君もまだまだだねぇ」
この人には嫌味が通用しない。
だから私も思い切って話せる。看護学校にもこういうタイプは居なかったので少し新鮮である。

「あの〜どさくさに紛れて名前呼ぶのやめて貰えません?」
「彼氏さんは冴島さんのことなんて呼んでるの?」
「もうその話はやめてください!!」
私の声が大きかったからか彼の顔色がサッと変わる。
 
「でも良いんですか? 緋山先生怒るんじゃないですか。
 人の失敗を笑い話にするってあんまり良い趣味じゃないですよ?」
「藍沢だとなんか人間味が出るだけだし、白石だと泣きそうなんだもんなぁ」
どうやら彼の頭の中には、自分の体験談を話すということはないらしい。
「藤川先生の失敗を話したらどうですか?」
「俺の失敗?そんな面白いのあったかなぁ?」
「除細動に通電する医者なんて初めてみましたよ。
 テレビドラマみたいな貴重な体験をありがとうございました。」
私が澄ました顔で皮肉ると流石の彼も苦笑いを浮かべた。
「やっぱりあれで黒田に嫌われたのかなぁ?」
「その前のブラジャーをつけてCT撮るって言い出したときからじゃないですか?」
「え?そんな前からなの?」
「さぁ?」
私が両手を上げる
「まぁそれはともかく、緋山の話なら大丈夫だ。俺とアイツの仲だ笑って許してくれる」
(とても笑ってるようには見えませんけどねぇ〜)
私の視線の先にはエレベーターから出てくる緋山先生の姿があった。
不幸にも彼はまだ気が付いていないようだ。
勝気な彼女のことだからヘリに乗れない欝憤と書類整理のストレスをも合わせて彼で発散しようとしているのだろう。
入院患者が避ける様は、まるでモーゼの十戒のようである。
「お疲れ様です。」
「え・あ・おつかれ」
不意に挨拶されたのに驚いたのか彼女の挨拶が少し遅れた。
「今日もヘリ担当じゃないんですね。」
今更な事をあえて言うあたり、私もかなり性格が悪いのかもしれない。
「ええ…藍沢先生に譲ったの」
「現場でフリーズしちゃったら燃料費もばかにならないこのご時世、勿体ないですもんねぇ。」
「そうねぇ、医者一家で優秀な冴島さんと違ってそういうこともたまにはあるわ」
「緋山どうしたんだよ?冴島さんもどうしたの?二人とも何かあったの?」
彼はオロオロしながら私と彼女の顔を見ている。
「ところで緋山先生こんなところで何してるんですか?」
「え・ああ・・・藤川先生が患者さんと打ち解けてるみたいだから秘訣を聞きにね。」
「失敗話をすると人は共感を持ってくれるみたいですよ。三井先生も仰ってました。」
彼女はどうやら三井先生を尊敬しているようなので、これでもう何も言えない。
「用事が済みましたら、私達先を急ぎますので。藤川先生次は504号室です。」
「あ…ああ」

エレベータのボタンを押しながら小声で彼がお礼をいう。
(貴方に意地悪していいのは私だけです。)
「緋山と冴島さんって仲悪かったんだねぇ」
彼はブツブツとつぶやいている。


45 :冴島×藤川×緋山:2008/08/16(土) 18:12:55 ID:5R2XTyz8
二つまとめました。
藤川の取り合いになる予定です。
長くなりそう(汗)

46 :名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 19:14:32 ID:oOdgdPzS
>>45
藤川が注目されるなんて新鮮!w
冴島緋山もっとやれ〜せめてこの話の中だけでも藤川先生に花持たせてあげないとね。
「ドーナツ食べる?」の白石が可愛い過ぎて吹いたw

47 :名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 07:15:50 ID:U1UUBMAt
藤川モテモテだな

48 :名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 13:35:59 ID:wkhBCxfQ
藍沢×白石書きたいけど難しいな。
って白石が言ってた、たぶん。

49 :名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 19:28:34 ID:Gyx/VZN9
藍沢はセックスを処理程度にしか思ってなさそうだもんな

50 :名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 20:25:09 ID:4G9CYWAU
職人さん書いて〜

51 :冴島×藤川×緋山:2008/08/17(日) 21:57:17 ID:b7paV+9+
「相っ変わらず勘に触るわね!!!」
誰かがコップをゴミ箱に乱暴に叩き込む音がする。
自動販売機の陰に隠れていて、私に気がつかないのか話声が聞こえてきた。

「どうしたの?」
白石先生の声がする。
「冴島よ!冴島!…く〜思い出しただけで腹が立つ!」
「ご愁傷様」
「何よ?同期ならもっとこう。どうしたの?とか生意気だよね!とか言えないの?」
ようやくわかった。
声の主は緋山先生だ。
どうやら先程の事を根に持っているようだ。

「冴島さんとは私接点無いから…」
「何言ってんのよ。大学教授の娘同士仲良くしなさいよ!」
どうやら白石先生を通じて私に探りを入れようとしているようだ。
「え?無理だよ。無理。話題無いし。お願いそれだけは許して」
はて?白石先生に嫌われるような事しただろうか?
今度藤川先生に聞いてみよう。
「だいたい藤川もなんなのよ!看護師の肩なんて持っちゃって!
 恥ずかしくないの?アイツ医者でしょ?こっち側の人間じゃない!」
「こっちとかあっちとか良くわかんないけど、職場の仲間だと思うけど」
「こんなときまで綺麗ごと言わないでよ!」
緋山先生のヒステリックな声が響き渡る。
「だいたい藤川君のことになるとどうしてそんな真剣になるの?
 ブラ付けてCTとる時も黒田先生に行く前に止めてたよね?」
「藤川見てると何かイライラするのよ。」
「たまに私にも言うけどそれとは違うの?」
何となく私も分かるな。
私は白石先生の問診に聞き入っていた。
「アンタのは単純にまたか!って感じなんだけど・・・」
「けど・・・?藤川君の場合は?」
「ほっとけないと言うか・助けてあげたいというか」
「なるほど、ちょっと熱と脈を図りましょうか。」
聴診器を耳に当てると白石先生は、彼女の診察を始めた。
(リアルお医者さんごっこって言うのかしら)

「ちょっと真剣に聞いてくれる?真面目な話なんだよ?
 他に相談できる人も居ないし、私アンタくらいしか・・・」
医者に限らず病院という職場は、シフト制なこともあり思った以上に人間関係が狭く希薄である。
私も相談事なんてもう何年もしていない。
そもそも私はここで彼女の話を聞いてどうするのだろうか?
「心配しなくても大丈夫。
 私はどんなときでも味方だよ。同期で女同士じゃない。
 医者としても一生切磋琢磨して行きたいと思ってる。
 だから恋愛も頑張ろう。冴島さん何かに負けちゃ駄目だよ」
「ありがとう。アンタやっぱり良い奴だね。でも私まだ恋愛ってわけじゃないよ?」
「素直になりなよ。それは恋の病だよ。お薬倍だしとくね。」
白石先生は彼女の頭を撫でている。
私も村田さんに同じように相談してみようかな。

52 :名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 22:11:38 ID:DRW0mx7K
巧いな
エロかどうかはともかく

53 :名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 22:12:35 ID:wkhBCxfQ
>>51 dクス


>>49
>処理程度 にワロタw

藍沢×白石だったら、藤川が白石に
「お前のこと好きかも、って藍沢が言ってたよ。…たぶん」
とか、緋山が白石に
「休みの日くらい勉強やめてデートでも行ってくれば?…藍沢と。」
とかからかって欲しいw
からかわれた白石はどんな反応するんだろw


54 :名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 22:19:04 ID:DRW0mx7K
処理程度ってリアルだな
それなら藍沢x村田か体だけの関係と割り切ろうとする藍沢x冴島ってとこだな

55 :名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 22:31:03 ID:Q1eP5tdI
白石はオカマ・バーに行ってメリージェーン洋子に藍沢とのことをそこはかとなく相談してほしい

56 :名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 22:35:33 ID:wkhBCxfQ
>>54
なるほど。職人さんのハードル高いけど面白そう

57 :冴島×藤川×緋山:2008/08/17(日) 22:48:45 ID:b7paV+9+
それにしても、女医二人が協力するとなると厄介だ。
何故なら彼らフェローは日夜机を並べ仕事をし、一緒に食事をし濃密な時間をすごしている。
特に彼女は藤川先生の隣の席だ。
少し情報を収集しておいた方がいいかもしれない。

「あら、お邪魔だったかしら?」
「は?」
緋山先生は白石先生の胸から顔をパッと顔を離す。
「もしかして話し聞いてた?」
白石先生が珍しく眉を顰めながら尋ねる。
「何のですか?切磋琢磨していきたいとかって声は聞こえた気がしますが
 仕事中ですので特に聞いておりませんが?」

「そうよね、彼氏と会う時間も無いほどお忙しいんですものね。」
「ハッキリ言っておきますが、元彼ですからね。誤解しないで下さい」
「ええ、元彼が職場に親と一緒に来たりする?白石先生聞いたことある?:
「え?私?ええっと」
突然会話に巻き込まれた白石先生は、呂律が回っていない。
「流石史上最年少ヘリナース様よね」
元彼(とはいっても別れたのは5時間前でそれ一方的)の話をされると、
私としては何も言い返せない。
ここは下手に言い返せず、甘んじて非難を受け入れるとしよう
「その上、階段から転落までされた日には余計な仕事増やしちゃってさぁ。」
私は思わずユニフォームのズボンの裾を握る。
「お手数をお掛けして申し訳ありませんでした。
 先程退院しましてもう二度と彼と会うことはないと思います。
 本当に申し訳ありませんでした。」
迷惑を掛けた事は事実だし、素直に私は謝ることにした。
「そろそろ私達は行こうか?カルテの整理終わってないし。」
白石先生が恐る恐る切り出す。
「藍沢仕事早いし終わってたりして。まぁいいわ、行きましょう」
彼女はすれ違いざまに私の耳元で小声で囁くとクスリと笑う。
「病気になった彼氏を捨てて
 もう次の男なんてアンタも綺麗な顔してやるわねぇ。」
グシャっという音を立てて、私の右手にあったカップジュースが潰れた。
「どうかしたの?」
「さぁ?行こう」
驚いた白石先生が振り向いたが、彼女はそのまま背中を押して部屋の方へ消えていった。

彼女の性格から言って同じことを何度もネチネチというタイプではない。
一度はどうしても避けては通れなかったことだ。
むしろ公衆の面前やナースステーションで言われなかっただけ良しとすべきだ。

気分転換にヘリの装備チェックでもしに行こう。

58 :冴島×藤川×緋山:2008/08/17(日) 22:56:24 ID:b7paV+9+
しまったsage忘れてました。
一応これで前回までの流れに乗った予定です。
非エロですみません。

次回はちょっとイベントでも入れてみようと思います
お盆だし帰省とか。夏休みとか。
それを上手に絡めていけたらなぁ。

59 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/17(日) 23:17:56 ID:tHsshQnM
「ああいう所って…行った事あるの?」
「無い。初めてだった」
「そう…なんだ…。でも、落ち着いてたから…。
 あ、そっか…藍沢君はいつも落ち着いてるか…」

ポツリポツリとした会話をしながら繁華街の裏路地を歩いている。
白石は少し落ち着きの無い様子を隠せない
病院じゃない場所で、しかも私服で藍沢と居る事が奇妙に思えると同時に
初めて行ったオカマのショーパブという空間に驚いた余韻もあった。
そして何か普通を装わないとけいないという気持ちもあった

「メリージェーン洋子さん、ショーで見るほうが
入院してたときより綺麗に見えたね。お化粧とかかな…少し痩せたからかな」

「無理して話さなくていいから。」

「無理してないよ…。ごめんね?無理やりきてもらっちゃって…
 せっかく早く勤務終わったのに。でもどうしても一人じゃ行く勇気なくって…」

緋山も藤川も今夜が当直で誘えなかった
地元を出て病院の近くに一人暮らしをこの春からしたばかりで
気軽にそういう場所につきってもらえる友人もなく
だめもとで、偶然に病院の通用口で会った藍沢を誘ったのだ。
正確には「頼み込んだ」だが。

「そうだよな…大学教授のご令嬢がショーパブ初体験を一人でなんて
 できる訳ないよな。俺は別に“へぇ”って感じで済むけど。
 酒も少しだけど飲まなきゃいけない空気だしな、ああいう店は」


仕事以外の会話を初めてした、白石が驚きながら「うん…」と小さく頷いた。
地下鉄の駅までの近道として裏路地を歩いていくとどうしても沈黙が重苦しい…
再び白石は口を開いた

「大山さ…じゃないや、メリージェーン洋子さん、新しい彼氏できたのかな。
入院中にフラれちゃったんだって。でも今日綺麗になってたから新しい恋とかしたのかも。
藍沢君は、彼女とか…いるの?そういうのには興味ないって感じだよね…」

最後のほうは勢いで質問に繋げてみた。だけど聞いてからの空気の重さに
聞かなきゃよかったと後悔をする。2歩くらい先を歩く藍沢が振り向きもせずに答える

「興味は確かに無いな。今は。そんな暇ないし。」
「でも…彼女がいたとか、恋したことってある…よね?」
「過去に。それなりに。一応」

藍沢らしい手短な答え。しかし答えるという行動が藍沢らしくない。
そう驚いていると続けて藍沢が呟いた

「夜勤明けで少ししか寝てない時に酒飲むと、まわるな」

…酔ってるのかな…。でも別に口調や歩き方は変化ないし…
「そうだね…」弱弱しく答えて白石は観察するように藍沢の後姿を見ていた。

60 :名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 23:53:34 ID:BTkJgRol
ちょっと、早くヅラよこしなさいよ!

洋子出ないのか洋子

61 :名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 23:56:54 ID:VbaVTRRV
メリージェーン洋子キテタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─ !!!!
GJ

62 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/18(月) 00:09:48 ID:3kuZMI3n
スマソ続きは明日以降。
投下が超久しぶりなんでテストとして投下しますた。。

63 :名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 01:09:56 ID:teiGewTG
待ってました職人さん

64 :名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 01:58:09 ID:i/G2adgS
メリージェーン1回で消すには惜しいキャラだもんなw みんな違う名前で呼び間違えるお約束とか…

( ・∀・)つ〃∩モエー さん続き楽しみにしてます
wktkが止まりません wktkwktk

65 :名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 06:26:39 ID:2KkopJYc
>>58
GJ!!!
女の争いって恐いっすね(;゚;ж;゚;)
つーか、藤川が羨ましいwww

66 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/18(月) 10:21:50 ID:3kuZMI3n
駅までは15分程歩くだろう…そんな事を考えながらはじまった無言に耐えていると
2歩前を歩いている藍沢がフラリとする。咄嗟に肩を支え

「大丈夫?…どうしたの?」
「ごめん…別に…何でも。」

支えた手を軽く払うと再び歩きはじめた。

「徹夜明けに久しぶりに酒なんて飲んだから、少し」

酔ったんだ?藍沢君が…?なんだか不思議な感じがする。
だけど彼も人間だからそれは当たり前なんだけど…

「ね、本当に大丈夫?」

2歩分、小走りをして藍沢の前に出ると、かなり眠そうな顔をしている。
心なしか少し歩き方も先程よりは千鳥足。そんな藍沢を見て驚いた顔をする白石に
藍沢は自分の酔いを感づかれた事に少し不満そうな表情になり

「帰ろう」
「あの…送ってってあげるよ…」
「いいよ別に」
「いいってば。ね、タクシー拾おう?」
「一人で帰れるから。まだ電車あるし」

あくまでも断る藍沢に対し、白石は心配からやっと出た大通りで手をあげてタクシーを拾った。

「藍沢君…明日ヘリ当番でしょ?私がつきあわせたせいで明日に響いたら悪いし…
だから送らせて?タクシー代出すから。」
「…。」

無言でタクシーに乗り込む二人。
再び無言が重苦しく思えて横目で藍沢を見ると寝ている事に気づいた。
あ…どうしよう…藍沢君の家の場所、聞くの忘れた…

「ねぇ、藍沢君、家って何処に…」

何度か揺するが起きる気配がない。それどころが揺すったらガクンと力が抜けて
熟睡している藍沢が自分の膝元に倒れ込んでしまった。
仕方なく、自宅の場所をタクシーの運転手に告げると膝を枕に熟睡している藍沢の顔を
何か緊張した気持ちで見つめ続けた。
そしてそっと、頬を指先で触れるが起きる気配はなく…
そのまま優しく髪を撫でてやる。緊張が、甘い緊張へと変わった。

67 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/18(月) 10:23:11 ID:3kuZMI3n

「悪い…。」

タクシーから降りると寝起きの藍沢がぼそっと言う。

「大丈夫?あの…少し散らかってるけど…よかったら…」

ドアを開けて一人先に部屋へ上がり電気をつける。
片付いた部屋の中、机の上には付箋がしつこいくらいについている医学書が積まれている。
父ですら、まだこの部屋にきたことはない。自室に同僚といえ男性を招くのは緊張する
たとえ何もないとしても…。
冷蔵庫からミネラルウォーターを出しコップに注ぐと横目で玄関を見る。
藍沢が躊躇っている様子…しかし水の注がれる音を聞いて、ひとつため息をついて靴を脱いでいる。

「水貰ったら、帰るわ…」
「うん…気持ち悪い?回ってる感じする?」
「問診するな。大丈夫だから」

コップの水を一気に飲む姿を見て、いつものような反論ができるくらいなら
大丈夫なんだろう、と少し安心した。空になったコップを白石が受け取ると
藍沢がソファにだらしなく座り、机の上の書籍を見て呟く

「――この部屋、男入れたことないだろ。変な生活感出すぎだ」
「…別に…いいじゃない…」

図星で気まずそうに答えると藍沢が続ける

「付き合ってる奴とか、いないんだな。見てわかる。」
「確かにいない…けど…。そういう暇、ないし…」

やっぱりまだ酔ってるんだ、プライベートの話題を自分からするなんて…
少し動揺しながら確信した。空になったコップを持ったままでいる白石の手を
突然藍沢が引いて、抱き寄せた。

「っえ…」

何が起こったか一瞬解らず…解った時には驚きと同時にバクンと心臓が強く動き始める。
かなり強く抱きしめられる…無言のままの藍沢にやっと声が出たが小さい声で

「どう…したの…?」

答えはない。「藍沢君…?」――やはり答えはない。ただわかったのは
自分と同じくらいに藍沢の心臓も速く動いているという事。
速い鼓動が伝わってくる。そしてアルコールの匂いが呼気から感じられる

「酔ってるんだ…?」
「酔ってるよ」

やっと答えてもらっても、「そうなんだ…」としか言えない答えで。
そのまま自然な流れで唇を重ねてくる…抱きしめる手の力が緩くなり
その代わりにいきなり深く舌が入り込んでくる。
戸惑いの感情が強かったが、藍沢の呼気のアルコールに便乗するように
それに応じようとされるがままに舌をねっとり絡ませていく。

68 :名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 13:36:12 ID:AqffU3Cj
藍沢…

萌えすぎです

69 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/18(月) 14:06:52 ID:3kuZMI3n
数分…気づけば続いている。互いの呼吸音と自分の鼓動の音しか聞こえない。
反射的に、混ざり合った互いの唾液を飲み込んだ時にゆっくり唇が離れる
ふぅ…大きく空気をを吸うと、どれだけ自分が夢中になってたか気づいた。
それと同時にいきなり慌てだす。

「酔いすぎ、だよ…。よくないと思う…お酒の勢いとかそういう…」
「しておいて、今更慌てんなよ。」

いつもと変わらない冷静な藍沢が言葉を止めた。彼の言う通りすぎて。
だけどもこういうのは良くない、と思い立ち上がろうとするが藍沢の手が
白石の腕を掴んで離してくれない。それどころか、少し強引に引っ張られ
ソファーの下に倒れこまされる、そして藍沢がゆっくりとした動きで両腕を押さえ込んだ。
そして初めて、正面から視線が合う。再び無言の時間…
彼の無言は、思考が読めずに怖い。そう思うと勝手に言葉が出てきた。

「どうして…いつも、感情を殺すの…?」

予想外な質問をされて、一瞬相沢は「え?」という顔をする。

「殺してない。感情的にならないだけ。必要ないから」
「あの時みたいに…泣いたりしたって、誰も責めないよ…」

“あの時”が何時のことかはすぐに藍沢はわかった。
認知症の祖母の言葉で、院内の売店で涙が堪えられなかった時――
の少し驚いた様子だが口調は冷静なまま

「…見てたのかよ」
「うん…ごめん…」

なぜか謝ってしまう。それは彼が見られたくない場目だったのがわかるから。
だけども子供のように泣いて祖母にすがりつく姿は、どこか愛おしいような
そんな気持ちで見ていた感情を思い出すと、それまで驚いた顔のままだったが
少し温和な表情へと変わって、自分の両腕を封じている藍沢に話しかける。

「こういう…お酒の勢いで行動しちゃう所があっても不思議じゃないんだよね…
藍沢君だって人間だもん…。だけど、やっぱり解らない…」
「解りたいんだ…?」
「どうなんだろう…。解りたいっていうか…知りたい、のかな…」

漠然とした自分の気持ちを言った白石に、藍沢は再び唇を重ねる。
これ以上、自分の深層を探るような、揺さぶるような事を言わせないために。

70 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/18(月) 14:08:51 ID:3kuZMI3n
結局は藍沢のペースに流されっぱなしで
フローリングの床で、気づけば下着だけの姿にされていた。
初めは余裕でもあるのかというようなゆっくりした動きで
肩先や首筋を舌を這わせ愛撫していた藍沢も
今は指が食い込む勢いで白石の手首を押さえつけている
器用に右手だけでブラジャーを取り、胸元へ舌を這わせていく。
不規則に小さくピクンと体を反応させながら、白石は甘いため息をついた。

「痛い…手…」

白石が呟くと藍沢は体を起こし手を離す。本人も無意識に力が入ってしまっていたようだ。
白い腕に、ピンク色に手錠のような跡…それを見ると藍沢が無愛想に「ごめん」と呟く
膝で立ったままで着ていたシャツを脱ぎ捨てると白石の残る下着に手をつける。
相手の体温が自分よりも高い…密着した時にそんな事を白石は思いながら目を閉じた。
そしてそこへと指先が擽るように触れてくる。「あ」と小さく声をあげて腰が逃げようと動く
そこを藍沢が膝で押さえ逃がさない。再び口付けで唇を塞がれると指が自分の中へと入り込む
かき混ぜるように動かされ、そのうち水音が聞こえ始める。暴れそうな体、それを押さえながら
責め続ける藍沢…。白石は薄く目を開くと指がもう1本…入ってきた。
クチャクチャという恥ずかしい音をさせられ、再びぎゅっと目を閉じる。
そして藍沢がジーンズを蹴るように脱ぎ、白石の両膝を立てて…
そこで白石は思わず呟いた

「ほんとに…するんだ…。っていうか…愛情とか、そういうのってあ」
「最中に会話したいタイプなのか」
「そうじゃなくって…」

結局は何を言っても藍沢の言葉に返り討ちされてしまう。
うるさい、といわんばかりに、入り口へと宛がわれると藍沢がアイコンタクトで合図をする。
それを白石が拒まないと、ゆっくりと指で解し潤ったそこへと挿れていく

71 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/18(月) 14:10:25 ID:3kuZMI3n
勝手に全身がガクガクと小さく痙攣するよう。体全身が、快楽を表現してしまう。
ゆっくりと一番奥まで入ると、藍沢は深呼吸のように息を吐く。

「藍…沢くん…」
「俺、会話いらないタイプなんだ」

心なしか、いつもよりは口調が優しかった…そう思ったと同時にいきなりガン、と激しく貫かれる。
短い声をあげ、両腕で顔を隠すような仕草をする白石に、前後に動かし貫きながら
藍沢は再び白石の両腕を掴んで押さえる。そして表情を見つめながら、長いストロークで
深く深く、貫き続ける。泣きそうな顔で、受け入れ続けながら
自然に腰が浮き背中が弓なりになっている。角度が更に深くなり頭の先まで貫かれているように
快楽がビリビリとしびれるように襲ってくる。
鳴き声のような声を貫かれるたびに出す白石の表情を見続けながら藍沢は動きを止めると
両膝を持ち上げ、ぐい、と押す。白石の白く細い体が丸くなる。
そして再び動かすと挿入角度が変わり、さっきまでとは違う刺激に白石は更に泣きそうな声になる。
彼の言うように、会話は一切ない…自分はどういうつもりで、彼がどういうつもりで…
そんな事を一瞬考えたが、全て快楽で打ち消されていく。
しかし少し強引に展開が進みこうなり、快楽に溺れていく中で白石は呟いた

「すき…かも…」

聞こえているか、いないのか。藍沢は無反応で早まる呼吸だけをしている。
フローリングの床の上、背中や肩に自分の体重と藍沢の力がかかり痛みを感じはじめる
床の上でなんて、したことがない…。だけども屈辱的な気分でもない…。
頭の隅でそんな思いが浮かんでいると、藍沢の指がそれを察知するかのように
敏感になっているそこを押しつぶすように刺激し始めた。
それと同時に白石の体が、跳ねた。短い悲鳴のような声をあげる。
再び暴れはじめた体に、更に指で刺激を続けながら強まった収縮に顔を歪ませる藍沢。
その表情を薄目で見た白石は、全部、藍沢に委ねた。もう、理性が飛んだ…

「い、く…っ」

打ち付けるように強く、子宮を突く勢いで藍沢が貫く。
白石はもう、限界だった

「あっあっ…あいざ、わ…くんっ…」

ガクガクガクっと腰が大きく震えると全身が力んでいく。達してしまったのだ。
もう少し、と藍沢は閉じようと力の入る白石の膝を体重をかけて広げると
力加減も考えずにただただ快楽を求めて、打ちつけた。
そして生き物のように収縮する刺激に後押しされ、歯を食いしばるような表情になり

「っく…!」

奥で果てたいという衝動を抑え、引き抜くと白石の腹部に白い物を放つ。
肩で激しく息をして、床に両手をついて暫く息切れをする藍沢を
残る快楽でぼんやりとしたまま白石が見つめる。
視線が合うと、藍沢は封じる役割ではない口付けを
優しく、白石の頬と唇に落とした。
その優しい感触に…白石は微笑んだ。


72 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/18(月) 14:12:49 ID:3kuZMI3n

「ティッシュ…何処」
「あ…テーブルの、上」

それがやっと交わした会話。白石の腹部を丁寧にふき取る。
まだ少し荒い呼吸のままでティッシュで自身を拭いたりする藍沢の背中を
白石は見つめながら体を起こす

「痛っ…床の上だと、体が痛いね…」

返事もない藍沢。彼に全て委ねてしまった…全部を見られてしまった…
ふと、背中に抱きついて

「泊まって…く…?」

恐る恐る聞くと、丸めたティッシュをゴミ箱へと投げて、そっと白石の手を放すように促し
立ち上がり下着とジーンズを履きながら背中を向けたままで藍沢が答えた。

「帰るよ…。水、また貰う」

勝手に冷蔵庫を開けてミネラルウォーターのボトルを取る藍沢を見ながら
「そう…」と答える白石。脱ぎ散らかされた自分の服の中から下着を探し始める。
そしてまた、同じ質問を投げずにいられなかった

「ねえ、どうしてそんなに…感情を押し殺すのかな…」

果てた直後の優しいキス…
それが彼の、唯一の感情に思えて仕方なかった。それは自惚れなのか、わからない。
シャツを着ながら振り向き藍沢が答える

「必要ないから出さないだけで、押し殺してる訳じゃないよ」

口調はどこか、優しかった。内容はあまり優しくなかったが…
白石はそれにたいして「そうなんだ」と答える事しかできなかった。

73 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/18(月) 14:23:16 ID:3kuZMI3n
「ねぇねぇ、昨日行ったんでしょ?モーリシャス京子」
「メリージェン洋子。うん、行ってきた。ステージメイクと衣装のせいかな
綺麗だったよ。ダイエットも成功したみたいで少し痩せてたし」

医局で緋山が聞いてきた質問に訂正しながら答える。
売店で買ったドーナツを持って藤川が医局に入ってくると
ノートパソコンに向かう白石に駆け寄ってテンション高く話しかける

「行ったのか?ショーパブってやつに。グランベリーカズコ!」
「メリージェーン洋子。初めて行ったけど、すごかったよ。びっくりちゃった」

そこへ藍沢が医局に入ってくる。一瞬合う視線、そしてすぐ離れる視線。
そんな事には気づかずに緋山が藤川のドーナツを1つ奪いながら続ける

「白石、一人で行ったの?」
「ううん…あの…友達、と…」

少し歯切れが悪くなった白石の様子に気づく事もなく「へぇ〜いいな〜」
自分も行ってみたそうに緋山が言う。ちらりと横目で藍沢を見ると
いつもと変わらない様子でカルテに記入をしている。
その視線の中に藤川が横切り、藍沢に暑苦しく話しかけていた

「藍沢は?行ったことあるか?オカマバーっていうか、ショーパブっていうか」

カルテに記入をしながら無愛想に藍沢が答えた

「あるよ。友達と。付き合いで。」

意外な答えに緋山と藤川が「えっ!?」と驚く。
白石も違う意味で「えっ!?」と思わず声をあげた。
そして用事が終わったのか、驚く3人を無視するように席を立ち
医局から出ていった。

74 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/18(月) 14:25:54 ID:3kuZMI3n
超久しぶりの投下だったので誤字脱字、お許しください。。
冷徹すぎない藍沢、好きなんだけど難しい…

75 :名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 15:44:21 ID:Jnf1HdDc
GJGJ!!
エロなんだけど下品さを感じさせなくて爽やかだった。
リアルさとドラマが融合してて実際、藍沢と白石だったらこんな感じなんだろうな〜って想像出来た。
ここまでキャラを壊さずに出来るなんて天才!
最後の藍沢の「友達と」発言にニヤニヤしちゃったじゃないか!
白石も可愛い過ぎ!

76 :名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 17:44:52 ID:AqffU3Cj
GJ
絶妙すぎる…!

途中でレスしてすまんかった

77 :名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 20:08:13 ID:QSu2iESn
マタマタキテタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─ !!!!GJGJGJGJ!!!

78 :冴島×藤川×緋山:2008/08/18(月) 20:35:29 ID:/wYOXeb0
「黒田先生からO.Kでたからよろしく頼むな。」
藤川先生と回診を終えてエレベータを待っていると、背後から藍沢先生の声がする。

「どうかしたんですか?」
いつもだと藤川先生が藍沢先生に話しかけて、クールにスルーされているだけに新鮮な光景だ。
ちなみにそのクールさが、他の看護師には絶大なる人気を誇っている。
「そろそろお盆だろ、でウチの実家に骨折に効能のある温泉があってね。
折角だから、藍沢のおばあちゃんを連れて行こうって話になったんだ」
「それってお二人で行かれるんですか?」
「流石にフェロー全員休むわけには、行かないからねぇ。」
たまに非常識な発言するので一瞬心配したが、流石にそれは大丈夫だったようだ。
「冴島さんはどうするの?」
私は実家との折り合いが悪いので、こういうときは一人でいつも過ごしている。
「私はその〜あの〜えーと」
「その温泉、美容の効果もあるらしいよ。」
「私も行っても良いですか?」
「助かるよ。実は骨折した老人ってどうやって温泉に入れたら良いか困ってたんだ」
相変わらず計画性が無いみたい。
「まさか混浴じゃないですよね?」
「まさか〜」
ん?これって何か良い感じじゃない?
看護師やってて良かったと久しぶりに思った瞬間だった。

79 :冴島×藤川×緋山:2008/08/18(月) 21:43:02 ID:/wYOXeb0
「温泉かぁ、良いなぁ〜」
恵は論文にしおりを挟むと、羨ましそうにつぶやく私を小突いてくる。
「良いの?このままで?」
「ちょっと職権乱用な気がするけど、看護師としての腕は確かだし」
「あのメンツだと夜は冴島さんと藤川君が同じ部屋で、
 藍沢君とお婆ちゃんが同じ部屋だよね」
「そ・そうかな…」
「どうしましょう?夜のヘリ要請でちゃったら。」
恵もやっぱり女の子である。
こういう人の恋話は楽しくてしょうがない様子である。

「さ・冴島一人じゃ、女の子一人でかわいそうよね。まぁ行ってあげてもいいかな」
「素直じゃないなぁ」
「じゃちょっと藤川君とこ行ってみよう」
恵のこの積極性…何故現場では発揮できない?
私が思うに恵はある種藤川と同じタイプ。
自分のためではなく、人のために何かしようとすると力を発揮するタイプなのだ。
執刀医ではなく、第一助手として優秀なタイプだ。
それはヘリドクターとしてはどうなのだろうかというのは、
また今度考えるとしよう。

「とりあえず藤川君探そう。多分部屋に戻ってる気がする。
 ついでに帰り道だしナースステーションで冴島さんに参加するって宣言してみよ」
「え?ちょっとまって…」
恵はユニフォームの裾をつかむと、私を引きづりだした。

80 :冴島×藤川×緋山:2008/08/18(月) 22:20:24 ID:/wYOXeb0
ふふふ…温泉か。
早速図書館で早速高齢者介護の本を数冊借りてきた。
「あれ、はるかどうしたの?」
香織が私の右肩に顎を乗せ手元を覗き込んだため、一瞬景色が暗くなる。
ちなみに院内で私が唯一心を許して話せる女性だ。
「うん…ちょっとお勉強」
「頑張れ〜若手看護師の期待の星〜フレフレ〜♪」
この力の抜け具合とても気持ちが良い。
「ところで若手看護師の期待の星はるか先生に質問してもいい?」
「どうしたの?」
「最近綺麗になった?お化粧変えたの?」
「え?そう?気のせいじゃない?」
「うん…大原婦長も言ってたよ。
 最近藤川先生とも仲良さそうに話してるって」
ふ・婦長まで話が及んでいるのか。
これは温泉に行くことは絶対に内緒にせねば…
私と違って香織の周りには、いつも誰かが居て笑い声が絶えない。
本人にそのつもりが無くても、いつの間にか言いふらしてしまう事になりかねない。
「はるかは藤川先生のことどう思ってるの? 
 私はどっちかというと、藍沢先生の方が好きかなぁ。
 藤川先生は良い人だけど、やっぱり農家の長男って減点よね。
 私一人娘だしなぁ」
「って香織…藍沢先生のこと好きなの?」
「うん。好きだよ」
私と藤川先生と藍沢先生で旅行に行って果たして話題があるだろうか?
趣味は?好きな歌手は?実はお互いのこと何も知らない。
藍沢先生と仕事の以外の話を出来るだろうか?
自信が全く無い。
これは香織にも来てもらった方が得策かもしれない。
後で藤川先生に相談してみよう。
香織なら看護師としての腕も確かだし、性格的に強く言えば反対はしないだろう。

81 :冴島×藤川×緋山:2008/08/18(月) 22:26:50 ID:/wYOXeb0
さて明日か明後日旅行に行かせようと思ってます。
村田さんの呼び方が変わったのは内緒ね。
展開が強引なのも内緒ね。
長くなりそうだなぁ

グダグダでエロなしでごめんなさい

82 :名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 22:28:59 ID:PV8UoQQy
楽しみに待ってる

83 :名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 22:40:16 ID:RY6hIZQA
温泉旅行さいこー!
楽しみにしてます。

84 :名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 00:22:06 ID:Kj+tx8cA
イベントか〜♪

85 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/19(火) 09:46:39 ID:UJyF1fDm
流れ豚切ってKYな感じで止まらない妄想を投下します。
>>54 >>56さんの言葉からインスピレーションうけました

5度目…そう、5回目。
ぼんやりと天井を見ながら数えずに回数がわかった。
藍沢が、自分の部屋に来た回数…

はるかは寝返りをして狭いシングルベッドに一緒に寝ている藍沢の寝顔を見る。
そして時計へ何気なく目をやると始発が動いている時間になっていた
蒼白い空が、カーテンの隙間から見えた…

「藍沢先生、そろそろ行かないと…。着替えに帰るんですよね?」

肩を軽く叩いて言うと浅い眠りから起きた藍沢が「うん」と頷いた。
気だるそうにベッドから出るとそのままシャワーを浴びに風呂場へと入る
起き上がると、はるかはベッドの下に散乱している服の中から下着を見つけて身に着ける。
ついでに藍沢の下着と服を畳んで、脱衣所にそっと置いてやった

「冴島は今日は…?」
「日勤だから朝から行きます。もう少し、仮眠しますけど…」
「じゃ、俺が早く帰らないと眠れないな」

タオルで体を拭きながら藍沢が話す。いつものように淡々とした口調と態度。
そして丁寧に畳まれた服を着ていく、その様子を横目で見ながら嫌味な口調ではるかが言う

「こうしてうちに来なければ、まっすぐ帰ればお互いもっと睡眠取れるんでしょうね」
「そうだな。」

ベルトを留めながら藍沢が短く返事をする。そして続けて

「だけど…無駄な時間じゃないと思う」

遠まわしすぎる優しさ…いつも彼はそうだ。みんなが思っているような
無感情で冷徹な人間じゃない…私はわかる、とはるかは密かに心の中で繰り返した。

「私も…そう思います」

はるかの答えを聞くと、藍沢は軽く手を挙げて「おやすみ」と言うと
早朝の外へと出て行った。
5回目の朝…。1回目の朝は、病院内だったんだっけ…。まだ体温が残るベッドに入ると
はるかは反芻するように思い出した



86 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/19(火) 09:48:06 ID:UJyF1fDm

冷たい言葉を投げ、別れた彼の携帯から久しぶりにPHSに着信があった。
相手は彼の母親…様態が急変したという知らせだった
もう恋人ではない、というのは母親も知っていた様子だが、一応知らせてくれたらしい。
もう…意識はないという言葉に別れた彼といえ、目の前が暗くなった。
そして自分が浴びせた自分の正直で残酷な気持ちと言葉を…悔やむ。
夜中の人気も疎らの病院内を早歩きで進み、エレベーターを降りると
既に堪えていた涙が零れてしまう。誰にも見られたくない…一刻も早く、どこかへ…
処置室…外来処置室ならこの時間誰もいない…そう思い部屋のドアを開けた
――しかしそこには、藍沢が座っていた。
もう、ボロボロと涙が止まらない状態のまま立ち尽くす。

「冴島…?」
「…失礼、しました…」

先客に一言を涙声でやっと言って早く立ち去ろうとすると、手首を掴まれた
驚いて振り向くと、藍沢が愛想なしのままで

「いいよ。俺、本読んでただけだから。」

処置室のベッドの上には老人介護や認知症に関する書籍が数冊あるのが見える。
そして藍沢の顔へと視線を移すと…目が赤いように思えた

「藍沢先生…?」

感づかれた、と咄嗟に藍沢は本を重ねデスクに置きながら

「もう行くから、使っていいよ」

逃げるように部屋から出ようとする背中に、発作的に縋り付いた――
壊れた感情…止まらない涙…どうしようもない孤独感、自己嫌悪感…
押しつぶされそうだった。

「少しだけ…少しだけでいいんです…一緒にいてください…」

ドアノブにかけていた手を離すと、藍沢はそのまま立って背中を貸してやった。
はるかは声を殺しながらも泣き続けた。少し…落ち着いてきただろうか
やっと握り締めていた藍沢の術衣を離し、一歩後ろに下がると
いつもの事務的な口調を涙声のままに

「ありがとうございました。つきあわせてしまって、申し訳ありません…」
「俺も…さっきまで、冴島と同じ事、してたから…」

87 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/19(火) 09:48:58 ID:UJyF1fDm
やっぱり、泣いてたんだ。あの藍沢先生が…
認知症の書籍に視線を移しながら驚いた顔をする。

「自分が一番大事だけど…それを貫き通すって、すごく意思が必要で辛い時もあるよな…」

自分の指先を弄りながら見つめて、藍沢が呟いた。
はるかは、そんな彼に自分の分身を見ているような感じになる
―似たもの同士―勝手にそんな言葉が頭に浮かぶ。そして彼の右手を取り
はるかは両手え包み込む。そして手の甲に唇を押し当てると藍沢が「冴島?」と問いかけてきた。
もう…衝動でしかない。彼を…私を…紛らわせたたい…
そのまま彼に抱きついた、体を離そうとする藍沢に顔をあげてはるかが言う

「あと10分だけ…一緒にいてくれませんか…」

本来当直ではない藍沢は自主的に居残っていただけだった。
正確には自宅に戻っても眠れないだろうという予想からだったのだが…
「いいよ」と短く答えると同時に冴島が抱きついてきた。
今だけこの時間だけ、誰かに縋り現実から逃げたい…そんな感情が、伝わってきた。
至近距離で見詰め合うとまだ涙で濡れている目で藍沢に言う

「勝手に思いました…藍沢先生も、同じなのかもって…」

やはり数分前までの涙を感づかれてしまったんだ、と藍沢は思った。何も答えずにいると
冴島がゆっくりしゃがみこみ、膝をつく。そして藍沢のズボンに手をかけた

「え…何…」
「10分だけ一緒にいてください」

事務的な口調で返ってきた言葉と行動に驚いていると「座って」と指示をされてしまう。
処置用のベッドに軽く押されたので、そのまま藍沢は座る、冴島が下着をずらす。
そして何も言わずに藍沢のそれを口に含んだ。突拍子もない行動と展開に藍沢は
驚きはすぐに収まり彼女に従う事にしてみる…それは「衝動」だったんだろうか…
丁寧にしゃぶりついていると口の中で熱を帯びて成長していくそれは、いつのまにか
根元までは口に含めないくらいになっていた。はるかは夢中でしゃぶりつく、そして
手を根元に添えると舌だけで根元から先まで、アイスのようにゆっくりと舐めて見せる。
視線を上へ…藍沢の顔へと向けると、両手を後ろについて見た事のない藍沢の顔…
満足そうに、そのままはるかは再びできるだけ奥まで口に含んだ。
微かに聞こえる息遣い…頭を上下に動かすと、口の中で血管がひくっとする感触がわかる。
このまま一人だけなんて、ずるい…そっと口を離すと、立ち上がりはるかは自分のズボンを脱いだ
そして下着も脱ぐと、上の術衣は着たままで、藍沢に跨り彼の上半身を押して倒す。

「冴島…?」
「もうちょっと…だけですから…」

そう言うとさっきまで丁寧に舐めまわしたそれを自分の入り口に宛てる…そしてゆっくりと
体重をかけて、そのまま腰を落とす。自分の中が満たされていく独特の感覚に表情が歪む。
藍沢の肩を両腕で上半身の体重をかけて押さえつけたまま、自分の中を満たしていく。

88 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/19(火) 09:50:34 ID:UJyF1fDm

膝を使い上下に動き、もっと奥、もっと奥と欲しがる衝動のままに動き続けた
少しずつ上がる呼吸…藍沢も自分と同じように、快楽に表情をくしゃっとしている。
お互い、呼吸に吐息という短い声が混ざるようになってきた。

「藍沢先生…っ声、気をつけ、て…壁薄いですから…」

そういいつつも意地悪で、今度は腰を前後にグラインドさせ擦り付けるように動かす。
さっきよりも深く挿入されて、藍沢ははるかの腰を掴む。しかし制止する手ではなく添える手だった。
クリトリスが擦り付けられる刺激と深い挿入の刺激…頭の中で何がか少しずつ粉になっていくような
満たされ続ける感覚に夢中になる。

「冴島っ、もう、俺…」
「もう少しで、私もですから…」

我慢させるような事を言うと藍沢の指が自分の腰に食い込んでくる
…我慢してくれてるんだ、腰の動きを早めるとすぐに追いつき始める。

「イキ、ますっ…あっ…」

我慢できず少し大きい甘い声で言うと、体の中心を快楽が貫いて全身が小刻みに震える。
背中を反らせて硬直する…飛んだ、そんな感覚の絶頂の中で少し、酔う…
――やっと、戻ってくると無意識に止まっていた早い呼吸を吹き返す。藍沢の顔を見下げると
彼も同じように浅く早く呼吸をしていた。

「中で…」
「大丈夫です、今日は」

中で出してしまった、といいかけた藍沢に再び事務的に答えるとゆっくりと自分を満たしていたものを
抜いてベッドの上に中腰の状態…満たされていた場所から、混ざり合った白いものがどろっと出てくる
そんな卑猥な光景を藍沢は眺めながら手を伸ばしティッシュで押さえる。

「藍沢先生…ありがとうございました…」

藍沢の頬に、軽く口付けると藍沢もまた、はるかの頬に軽く口付けた。
気づけば朝の4時…窓のブラインドの隙間は、蒼白い空が見えていた

89 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/19(火) 09:51:52 ID:UJyF1fDm
その日の夜に、自分から再び声をかけたのだ。
「お暇でしたら、また時間を少し貸してくれませんか?」と。
そして自宅へと藍沢を連れて行くと、また自分を満たす時間を過ごした
藍沢は少し躊躇う様子もあったが強引に、はるかが行動をしたら、そうなった。
すると毎日…どちらかが当直じゃない日ははるかの部屋に藍沢が訪れるというのが
暗黙の了解になっていた。しかし彼は朝方…始発電車が動き始めると
服を着替えに家に帰っていく。決して完全に一泊はしなかった。
もちろん仕事中には仕事以外の会話はない。二人の時間も、あまり会話はなかった。
自分勝手だが、はるかにはそれがありがたかった。

朝のICU回診が終わり、エレベーターに乗っていると連日の寝不足から欠伸が出る。
手を添えてかみ殺しているとエレベーターの扉が開いて、藤川が入ってきた

「お疲れ。何何?疲れてるねぇ〜冴島があくびしちゃうなんて珍しい」

無言でエレベーターの階数表示を見つめていると藤川は暑苦しく続ける

「寝不足?でも昨日夜勤じゃなかったよな。お?もしかしてこれは〜
 昨日、夜遊びでもしちゃった?実は男と朝まで過ごしたとか?」

そこでエレベーターのドアが再び開いて、入ってきたのは藍沢だった。
右隅にはるか、左隅に藍沢、そして真ん中には一人ワクワクとする藤川。
「お疲れ様です」「お疲れ」「藍沢おつかれ!」「…。」
挨拶が一言ずつ済むと、藤川は空気を読まずに楽しそうに続ける

「朝まで過ごす相手か、いいなぁ〜。俺は動脈瘤破裂の仲川さんと朝まで一緒だったからなぁ〜。
…実は朝まで一緒にいた男っていうのは藍沢だったりして〜っ?」

二人を交互に指差し冗談でうひゃうひゃ笑いながら言う藤川に、視線を動かさずに

「藍沢先生、朝までつきあって頂いてありがとうございました。またお願いします」

一瞬、間が空いてから藍沢が「じゃ、また今夜」と答えた。
一番間が空いてたのは藤川…きょとんとした様子で二人を交互に見ると

「ほんと、だったの?…マジで?」

間抜けヅラ、という言葉がぴったりな藤川の顔を睨むように見ながら

「藤川先生は冗談でも信じちゃうんですね。そのうち結婚詐欺にでも合いますよ。
朝まで付き合ってもらったらどうですか?結婚詐欺師に。」

そう言うと冴島はエレベーターから降りていった。
残された藍沢に藤川はひきつった笑顔で

「なんだよ…冗談、かよ。」
「…。」
「いきなりの冴島のフリに藍沢が合わせたのか、そんな所で茶目っ気いらねえよ〜」

肘で藍沢の腕を突くと、無反応のまま藍沢も次の階でエレベーターを降りていった。



90 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/19(火) 09:54:16 ID:UJyF1fDm
急患があったので時間は深夜になったが、その日の夜も藍沢は部屋にきた。
そして再び、お互いを満たすように抱き合うとベッドへとなだれ込む
快楽をひたすら貪りあって、快楽に溺れて…。
…終わって、気だるい浅い眠りの中で、藍沢の胸に耳を宛てて鼓動を聞く…
少し抱き寄せられ、体温を、お互い感じる。
しかし会話らしい会話は、相変らず無い…
もうすぐ6回目の朝がやってくる。寝息をたてる藍沢を見ながら
彼はもうすぐまた帰っていくんだと思うと、初めて切ないような感情が湧いてくる。

「藍沢先生…もうすぐで、電車が」
「もうそんな時間か…」

眠そうに薄目を開くとはるかのほうへ寝返りをうち、彼女をそっと抱きしめた。

「藍沢先生…もう…明日は来ないでください」

はるかは、少し途切れながら言う。彼の胸に顔をうずめたままで行った。
少し、間があった。藍沢は「わかった」と小さく答える
それを聞くとはるかは顔をあげる。涙が、目に浮かんでいた

「なんでそんなに…優しいんですか…。最初から、何も聞かないで、何も言わないで
ただ私につきあってくれて…なんで何も訊かないんですか…」

何も聞かないという優しさが、ありがたくもあり辛くもあった。

「ただ冴島の誘いにつきあっただけじゃないから…俺の、自分の、意思だから」
「私はただ…自分の心の隙間を満たして、全部忘れる時間がほしかっただけなんです…」
「俺も、そうだよ…。全部忘れて、弱い所を吐き出したかった…」

ベッドの中で裸のままで抱き合う。多分今で…最後。

「割り切りすぎてたんですね、私も…藍沢先生も…。
やっぱり…同じでしたね…。私たち…。」

似たもの同士…また、その言葉が頭に浮かんだ。


彼が玄関で靴を履いている。はるかは初めて玄関先まで送った。
「じゃ、また。病院で。」「そうですね」
短い会話。…こちらを藍沢が見つめている。「?」はるかは首を傾げると

「最後に、5秒だけ、俺につきあって」

そっと頬に手を添えて、ゆっくりと唇を重ねてくる――
それは初めて、優しく温かく、ふわりとした、キスで…
ゆっくり離れていく唇…今までと違う、鼓動の高鳴りだった。

「何回もセックスしたのに…1回のキスのほうが…満たされるんですね…」

率直な感想を、柔らかい口調で呟くと背中を向けドアを開けた藍沢が

「…俺も今、同じ事思った。」

それも優しい口調だった、そしてドアが静かに閉まった。
はるかは…はじめて安らかな気持ちで、体温の残るベッドで眠りに落ちていった。

91 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/19(火) 09:56:29 ID:UJyF1fDm
朝から投下、失礼しました。
ちょっと切ない感じになったけど、割り切った関係の冴島×藍沢が
書きたくなってしかたなかったw

92 :名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 12:10:26 ID:izAuQfbl
うわーーーーーーーんちょっと泣いちゃったよ!!切なくて優しくて超いい!!
白石のも良かったけど、大人な関係の藍沢x冴島に超萌えますた!!好き!また書いてください!

93 :冴島×藤川×緋山:2008/08/19(火) 20:15:58 ID:Ix3VJT6S
「ちょっと聞きました フェローが旅行行くらしいんですよ。それも温泉。」
「旅行って行っても、藍沢先生のおばあちゃんを温泉に連れて行くんでしょ?」
「でもさぁ、フェロー全員が同時にどう思うよ?」
「その割を森本先生が食ったんですか?」
轟木は屈伸をしながら森本の方を見る。
「黒田先生に勝手にしろとは言ったが、どうしたもんかなぁ。って耳元で言われてごらん」
「そりゃ怖いな」
梶は愛妻弁当をつつきながら呟く。
「三井先生は年頃の女ですもの。共感しますわとか言ってるし」
「僕達の若い頃はね、年末年始も夏休みも・・・・」
森本が愚痴りかけたのを察したのか
轟木が言葉を遮る。
「そもそもフェローの人間関係、私今一面識ないので掴めてないんですけど
 どんな感じなんですか?」
「そうなんだよ。僕も良くわかんないんですよ。
 白石と冴島と緋山が旅行に一緒に行く程仲が良いなんて、藤川からも聞いてませんでしたよ。
 全く、何のための森本派だと思ってるんだ」
「なんです?その森本派ってのは?」
梶は爪楊枝をいじりながら、森本に尋ねた。
「平和を愛する人達を称するんですよ。どうです轟木さんも?」
「遠慮しておきます」
「そもそも最初白石は残ってるはずだったんですよ。
 でも何故かいつの間にか全員と看護師何人かでいくらしいんですよ」
「考えてみると黒田先生よく許可しましたね。」
「藍沢に患者ともっと向き合えって言ったのが、効果か出てきたとか勘違いしてるんですよ。そのせいで何で僕が…」
「まぁ若いうちに恋愛しておこうと、人間としても成長するんじゃないですかね?」
「え?梶さん何か知ってるんですか?」
「轟木さんと違って私はたまにヘリであってますからねぇ」
「私は更衣室ですれ違うくらいかなぁ。」
「藤川もこういうときこそ、一人残ってればヘリに乗れたのになぁ。」
「そういうところが良い所であり、悪いところでもあるんですよね。」

シニアドクター陣がこんな話をしている頃…

94 :冴島×藤川×緋山:2008/08/19(火) 21:26:50 ID:Ix3VJT6S
「へっくション!!誰か患者さんが俺の事呼んでるのかなぁ」
「藤川先生大丈夫ですか?運転変わりましょうか?」
私は助手席でカーナビを操作しながら尋ねる。
「大丈夫。それにしても冴島さんごめんね。車2台に別れちゃってさぁ。」
彼は申し訳なさそうに頭を下げる。
「良いんですよ。藤川先生。
 藍沢先生とお婆ちゃんを少しでも一緒に居させてあげたいんですよね」
むしろ私としては非常に好都合だ。
「あら大学教授のお嬢様に車の運転なんて出来るのかしら?車庫入れとかできるの?」
彼女さえ居なければ。
「緋山は運転得意なんだっけ?」
「私はいつも病院までスポーツカーで来てるから!実家にもフェラーリあるし」
「ああ・・・思い出したこの前一緒に病院に来た白石が、私不良になっちゃったって言ってたよな」
「野蛮な人ってどこにでも居ますよね?
 そんな人をお婆ちゃんのいる車に乗せなくて良かったですね。藤川先生GOOD JOBです。」
「あれは寝坊したからしょうがなかったの!!三井先生のオペも見たかったし」
「見ててオペが出来るようになるなら、看護師は全員スーパードクターですよ。」
「さ・冴島さん?」
いけない。いけない。今日は藤川先生もいるんだ。
「ドクターも大変ですねぇ〜。緋山さん頑張ってくださいね。」
「いえいえ看護師の皆様のサポートあってのことですよ。
 冴島さんこれからもよろしくお願いしますね。」
彼女も同意見のようだ。

「ところでさぁ、
 温泉に着いて荷物降ろしたら、俺実家の仏壇に線香上げに行こうと思うんだ。
 晩御飯の材料も何か畑から調達できるかもしれないから、どっちか付いてきてくれないか?
 あ・ヘリに乗ってないことは内緒な。」
そうだった。彼はお母さんが病院に来たときのことを知らないのだ。
「嘘はつき続けると、ばれた時に困りますよ?」
「一応地元では期待の星って言われてるからさぁ。頼むよ。」
「それは良いけど、夕飯自分達で作るのは聞いたけど、料理できるの?」
「俺はもっぱら外食だよ。冴島さんは?」
「私は嗜む程度ですよ。お菓子とかは得意なんですけど。」
この日のために寝る間を惜しんで練習に練習をしてきたのだが、
ハードルは低い方が成功した時のポイントは高いはずだ。
「え〜、冴島さんお菓子焼けるんだ。」
「私だってお菓子くらい焼けるわよ。」
せっかくの良い雰囲気に割り込んでくる彼女の声
何か不機嫌そうだが私には関係ない。
「お菓子くらいってことは、お料理なんてお手の物なんですね。頼もしいです!」
「え?う…うん、そ…そ…うね。楽しみにしててよ」
「そっか緋山って意外と女の子っぽいこと出来るんだなぁ。意外だなぁ。」
「そ・そんなに意外かしら?」
彼女は焦っているのか・照れているのか分かりにくい顔色をしている。

「次のドライブインで昼でも食べながら休憩しようか?」
彼はそういうと左折のウインカーを出した。

95 :冴島×藤川×緋山:2008/08/19(火) 21:38:08 ID:Ix3VJT6S
「ねぇねぇ、車内ではどんな話をしたの?」
恵が私の顔を心配そうに見つめる。
「大丈夫、喧嘩とかしてないよ。それよりもね。大変なことになっちゃったの」
「どうしたの?」
「料理得意な事になっちゃった…。」
「むしろ不得意な方だよね?」
「いや、冴島の卑劣な手に嵌められたというか…その場の流れというか」
「何でもかんでも、冴島さんのせいにしちゃ駄目だよ。」
そうだ。そもそも私が夕飯の事なんか話題にしなければ…
「どうしよう?」
「大丈夫だよ。レシピはたくさん印刷してきたし!」
恵はポケットを指さす。
(医学書だけじゃないんだ)

一方こちらは…

96 :冴島×藤川×緋山:2008/08/19(火) 21:49:03 ID:Ix3VJT6S
「藤川先生運転中何か飲みたいですか?」
「あのさぁ、病院じゃないんだから先生は止めてくれない?」
彼が笑いながら頭をかく。
「先生は私にとって先生ですよ?」
「じゃ、せめて病院とは違う呼び方にして欲しいなぁ」
私としては藤川なんて呼び捨てには出来ないし…
「じゃ私も病院とは違う呼び方にしてください」
「え?名前くらいしか無いじゃん?」
「私もこれから名前で呼ぶからおあいこです。」
名前で呼び合うなんてまるで本当のカップルのようだ。
まだ目的地についても居ないのに、これだけの収穫があるとは思わぬ誤算だ。
今年の夏は私にとって一生の思い出になるのかもしれない。

97 :冴島×藤川×緋山:2008/08/19(火) 21:51:13 ID:Ix3VJT6S
今日はここまでちょっとペース遅くてごめんなさい。
まだ目的地にも着いていません
次回は緋山のターンかもしれません。



98 :名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 22:04:26 ID:ROy9EFd1
藤川がモテモテってスゲ〜違和感w

99 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/19(火) 22:37:10 ID:UJyF1fDm
|д゜) <また、しつこく投下していいっすか…


需要少ないと言われている藤川×緋山とも思ったけど
>>97氏が終わってからにしようかな。
何か、需要のあるコンビやシチュってあったら知りたいっす。
その通りに書けるかどうかわかんないけどw

100 :名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 23:46:39 ID:rtnfxS3V
書きたくても書けないから是非書いてほしいw
また藍沢×白石が読みたいな

101 :名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:08:46 ID:1WaDYGmR
>>99
>>54だが藍沢x冴島が予想以上の作品で驚いた
GJ

次は藍沢x白石のその後か、藍沢x緋山でコンプリートなんてどうか?
強がってはいるが実はあまり経験のない緋山を開発する藍沢、など
作風が合わなそうだがw

102 :名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:53:18 ID:LXYJZaWX
藍沢×檜山すっげぇ読みたい

103 :名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 03:40:51 ID:6s1nYUnP
個人的には同じ組み合わせはもういらない
藍×緋、藤×白、藤×緋、藤×冴を書いて引退して下さい

104 :名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 07:29:19 ID:IsovMGJH
藤川×白石がいいな
単発を連発するより、じっくり書いたのを読みたいなぁ。
>>97氏のもう一つの車両はほんわかしてそうだね。

105 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/20(水) 09:20:51 ID:Dw7vlVch
皆さんご意見ありがとです。。

とりあえず現在脳内にもやもやと浮かんでるのは
藍沢×緋山で藍沢のミッションコンプリートにするかとw
ただ、いい感じに話が組み立てられない。

同じ組み合わせのその後とかは強く要望があったら作ろうかと…
単発と見せかけて実は自分としては毎回結構パワー使ってるから
長編はヘタレてしまうのだ。スマソ(´・ω・`)

>>103 引退はしたい時にする って藍沢が言ってた。たぶんw

106 :sage:2008/08/20(水) 09:39:30 ID:psvR+QJt
是非!藍沢と檜山で!!
よろぴく!!!

107 :名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 10:27:00 ID:AkWfefBE
職人さんが好きなだけ書いてかまわないかと
需要とか気にせず職人さんのSSが読みたいんで

108 :名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 11:53:43 ID:zGxPWrvc
亀だけど藍沢白石悶えた
職人さん気が向いたらまた続き待ってます
どんどん展開していけそうな2人だ

109 :冴島×藤川×緋山:2008/08/20(水) 20:15:19 ID:IsovMGJH
「ごめんなさい…ごめんなさい…許して…。」
後部座席で寝ているスヤスヤと寝息を立てながら、たまに冴島の寝言が車内に小さく反響する。

「この旅行に行くために大変だったらしいよ。」
藤川はポツリとつぶやく。
女の敵は女とは誰の言葉だったろうか。
この旅行に行くために、冴島は先輩に頭を下げ、夜勤を自発的に入れ雑用を引き受け
なんとか休みを確保したのである。
元々そんなに先輩受けが良くない冴島が、フェロー二人と温泉旅行に行くので
休みが欲しい等と言えば、先輩看護師達からどんな仕打ちを受けたかは聞くに及ばない。

遂に力尽きたのか。先程女子トイレにて冴島に席を変わって欲しいといわれたのだ。
彼女としては断腸の思いだったのだろう。ちょっと悔しそうだった。
それでも助手席で寝るという失態を演じるよりはマシという事なのだろうか。

「ところでさぁ、白石って彼氏っているの?」
「え?キー」
「うわぁ。」
唐突な藤川の質問に思わずアクセルとブレーキを間違えてしまった。

「危ないなぁ。本当に目的地までつくんだろうなぁ?」
「アンタが急に変な事言うからでしょ!!ここ高速道路なんだからね!」
ずれた眼鏡を直しながら、藤川が後部座席の冴島の様子を確認する。

「そんなに変な事聞いた?」
「なんでそこで恵の名前が出てくるのよ!」
「いやぁ、彼氏いるのかなぁと思ってさ」
「一度恵の家に泊まりに行ったことあるけど、断言する絶対居ない」
ココだけの話だが、恵の家は付箋のついた本が几帳面に並べられているだけの
飾り気のないそっけない部屋だ。
よくドラマで教授の部屋が本だらけというシーンを見るが、
まさにそんな感じであった。
「好きな人とかはいるのかなぁ?あ・これココだけの話な。」
(当たり前でしょ。)
私はアクセルを強く踏み込み一気に車を加速させた。
タイヤと地面がこすれる音は、まるで私の叫びのようである。

110 :冴島×藤川×緋山:2008/08/20(水) 20:51:34 ID:IsovMGJH
「特に私は聞いてないわよ。」
私はぶっきら棒に返事をした。
「そうか。そうなのか。」
藤川はちょっと嬉しそうにCDをあさり始める。

ガシャガシャというCDをBOXから出す音が車内に響く
「あ・・・もうイライラする!アンタ恵のこと好きなの?」
私は頭を掻きながら思い切って尋ねてみることにした。


静寂が車を支配する。

私にはこの沈黙が耐えられそうもない。

何かを口にしてしまいそうだ。

でも今は我慢だ。

心臓が止まりそうである。

ヘリは高速道路にも来てくれるのだろうか?

「俺が?何で?」
「はぁぁぁ!!勿体ぶってないでさっさと言いなさいよ。
 こっちは必死なんだからね。」
「緋山前!前見ろ!」
「危ないなぁ、どこみて運転してんのよ!」
横の車はクラクションを鳴らして警告してきた。
「どう考えてもお前のよそ見運転だろ。
 だいたい何で俺が白石好きになってんだよ?」
「今の流れで行くと普通にそう思いますよ。一男さん?」
「わぁ、起きてたのか。」
「いつから聞いてたのよ?」
「一男さんが目的地に着くのか心配したあたりからです。
 非常に興味深い話でしたので…」
「殆ど全部じゃないのよ!」
彼女は悪びれる素振りもなく答えた。


111 :冴島×藤川×緋山:2008/08/20(水) 21:19:31 ID:IsovMGJH
「それで一男さんは白石先生のこと好きなんですか?」
「そうよ。ドサクサにまぎれて逃げんじゃないわよ」

これが女の連帯感なのか。困るね。先生・・・

あまりにタイムリーな曲に彼がシドロモドロになる。
「いやぁ、こればっかりは言えない。」
「何よ言えないって?」
「何ですか?それでも医者ですか?はっきり言ってください。
 告知になれてるはずでしょ」

私達から見ればこれは告知のようなものである。

「絶対ここだけの話だぞ?
 もし誰かに言ったら俺のアッペの練習か献血の練習代になってもらうよ?」

彼は二人に詰め寄られた迫力がよほど怖かったのか
ようやく重い口を開いた。

「藍沢がさぁ…何か気になってるっぽいんだよね」
「ふぅーん。」
「まぁそれは向こうの車両でやってもらうとしようか」
私と彼女は一気に興味を失った。

「なんだよ、それ〜。そういう訳だから内緒だぞ。」
(それにしてもあの藍沢先生がねぇ。)
「人って自分に無いものを求めるって言うものね。」
「優等生と挑戦者って感じかしら?」
「弱気と強気じゃないですか」
「今日だって藍沢のお婆ちゃんのために、
 休みを潰してきてくれる位だろうから脈はあるのかなと思ってさ。」
「今度どんな人が好きか聞いとくよ。」
緋山先生は面倒そうに答える。
「そういえば、二人は今好きな人とかいるの?」
「え?×2」
二人の声が思わずハモル。


112 :冴島×藤川×緋山:2008/08/20(水) 21:29:41 ID:IsovMGJH
今日はココまで。
実は最初は
冴・緋→藤→白→藍→緋にしようと思ったけど、ドロドロしすぎてパスしました。
明日は最初の山場と温泉到着予定です

>>104
ID一緒だ。珍しい。
もう一個の車両は謎です。
誰か書きたければご利用ください(笑)

113 :名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 21:53:43 ID:uwkbLAy6


114 :名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 21:55:10 ID:uwkbLAy6
もうさ、誰も求めてないから投稿するのやめてくれないか。
もしくはまとめて投稿しろ

115 :名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 21:55:50 ID:uwkbLAy6
今の>>110

116 :名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 22:25:19 ID:DxHY06TO
職人さんに消えろはNGですよ
読むか読まないかは読者の自由…自分は(ry

117 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/20(水) 23:29:45 ID:Dw7vlVch
投下。
若干長いです。藍沢のイメージ、崩れちゃうかもです。スマソ


深夜のワークステーション、夜勤の看護師が数人作業をしている。
看護師が巡回や作業でみんな席を外し、白石と緋山の二人だけになった。
隅にある電子カルテ用のパソコンに向かって座って作業をしていると
白石がポツリ、と話しかけてくる。

「藍沢先生、今日は帰ったのかな…3日も泊まってるし…」
「帰ったよ。日没でヘリも終わっていい加減に帰れって黒田先生に言われて」

緋山がキーボードを叩きながら答えると「帰ったんだ…」と白石が安堵の声。
…やっぱり、気にしてるんだ?そう思ったけど口にはしない
ポケットから救命医学書のまとめたメモを出して読みながら白石が続ける

「藍沢先生って、家帰って何するんだろ…プライベートが想像できないね」
「そうね。まあ、どうせ熟睡なんじゃない?あんだけずっと動いてたし」

空中を見ながらぼんやりと、白石が呟く

「好きな食べ物とか…何なんだろう。そういう事、全然知らないね、同期なのに」

それは同期としての興味じゃないような…ってツッコミを飲み込んで
やっと入力作業が終わって緋山は椅子から立ち上がる。

「別にいいんじゃない?藍沢も知られたくないっていうか、そういうの嫌いみたいだし」
「そう…だよね…」

時計を見るともうすぐ日付が変わりそうだ。
少し急いで周囲を片付けると緋山は白石の肩をポンと叩いて

「じゃ、帰るね。当直がんばって。」
「うん。お疲れ様。」

ロッカールームで私服に着替えると早足で外に出る。病院から道を歩きながら携帯で電話をする。
相手が出ない。イラついたように何度も同じ番号にコールする。
4回留守番電話サービスセンターに繋がれてしまったけどかけなおして5回目でやっと相手が出る

『――はい』
「熟睡してたんでしょ」
『ああ…。』
「今病院出たんだけど。少し…会えない?」
『…わかった。じゃ、俺ん家の近くの駅前の…この前お茶した店で』
「了解。じゃ、あとで。多分…15分くらいでつけると思うから」

深夜のシアトル系コーヒー屋は人が疎ら。その中で売れ残ってたベジタブルサンドイッチと
カフェオレを買うとゆったり座れるソファ席に緋山はついた。
かなり遅めの夕食、でもダイエットしてるから食べなくてもよかったなぁ、でもお腹空いてるし…
そんな事を思いながらサンドイッチを食べていると、店のオーダーカウンターに電話の相手が見える
片手にサンドイッチを持ったままで反対の手を高く上げて

「藍沢、こっち」

私服の藍沢が、コーヒーを買って呼ばれて緋山と向かい合わせに席に着いた。
「お疲れ」「お疲れ。」無愛想な挨拶を交わす
こんな風にプライベートで二人で会うようになってから一ヶ月になる

118 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/20(水) 23:34:10 ID:Dw7vlVch

一ヶ月前…今日みたいに夜のワークステーションで藍沢と二人だけになり
白石が藍沢に男として興味があるんじゃないかという緋山が憶測の話をしたら、
藍沢が一言いったのだ。ぽそりと。自分から。
また、仕事以外のどうでもいい話をしたと怒るのかと思ったら…

「俺は、緋山に興味ある」

口調も変わらずカルテを見ながらだったので聞き間違いかと思った。
または彼なりの冗談。かなりウケない、というか心臓に悪い。
緋山は対抗するつもりで

「興味あるなら誘いなさいよ、ご飯とかに」
「じゃ、今日行こう。俺、もうすぐで終わるし。緋山もオペ伝票書いたら終わりだろ」
「…うん」

なんだか奇妙、なんだか違和感、そんな感じで二人で帰りに食事をした。
会話はそれほど非日常ではなく「事故で大腿骨開放骨折の川崎さんが…」
「脳梗塞の西原さんのオペが…」「外科的気道確保の…」といった具合だった。
なんだかカンファレンスと変わらないね、と最後は緋山が苦笑いをした。
その帰りに緋山を家まで送ってくれた。そして、マンションの前でキスをされた…

「藍沢、正気?なんかさ…」
「緋山は、嫌なのかよ」
「嫌…じゃない、わよ…」
「言っただろ。緋山に興味あるって」
「ほんとに興味あるなら携帯の番号とかメアドとか、交換しなさいよ」

そんな感じで連絡先を交換し、仕事が終わるとこうして二人で会うようになった。
少しずつだが…藍沢も自分のプライベートの話をするようになっていた
リハビリ病棟にいる祖母の話、奨学金で行った大学の話、研修医時代の話…
それが緋山には嬉しく、違う藍沢の一面や表情を見る事ができた。
しかし一ヶ月、こうして食事やお茶をして話す程度で、特に何もない。
唯一は、最初にされた短いキスだけ。

曖昧なのは嫌いな性格から、サンドイッチを食べ終わって
サプリメントを指に2錠持ちながら目線を合わさずに聞く。

「ね。わたしたちって、これって付き合ってんの?」


119 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/20(水) 23:35:31 ID:Dw7vlVch
ーヒーを置いて窓の外を見ながらぼんやりとした口調で藍沢が答える

「緋山はどっちがいい?」

えっ、私っ!?ぎょっとした顔で藍沢を見たが相変らず窓の外を眺めてる。
少し…髪の毛ボサボサじゃん、やっぱ寝てたんだ。そりゃ3日ずっと仮眠だけで仕事してたしね…
っていうか、疲れて寝てたのに私に呼び出されて、来ちゃうんだ…
緋山がグルグルと思いをめぐらせているとこっちを向いた藍沢が視点の合わない緋山に呼びかける

「聞いてる?」
「うん…聞いてる。私は…つきあってる、でいいよ…」
「じゃ、そうしよう」
「いつから?」
「…何が?」

身を乗り出して緋山がサプリメントをグーで握り締めながら

「いつから、付き合ってる事になるの?」

面倒臭そうに藍沢が言う

「初めてメシ食った日からでいいよ」
「何それ、超適当。」
「だってキスしたし、それが致命傷ってことで」
「致命傷って何よ」

思わず表現のおかしさに笑い出す。藍沢も、ふっと鼻で笑う
そして思い出したように

「あ、そうだ。ね、藍沢の好きな食べ物って、何?」
「好きな食べ物?………歌舞伎揚げ」
「カブキアゲ?何それ」

眉間にシワを寄せて緋山が首を傾げると、藍沢が説明を始める

「緑とオレンジと黒の縞模様がついた袋に入ってて醤油味の」
「あ、お煎餅!?っていうかお菓子じゃん。普通は好きな食べ物聞かれたら
 焼肉とかパスタとか、そういうの答えない?」
「一番に思いついたのが歌舞伎揚げだったんだからいいだろ別に」

カブキアゲかぁ〜と小さく繰り返してくすくすと笑いながら緋山はやっと
サプリメントを口に入れて水で流し込んだ。
少しずつ…プライベートでの藍沢にも、慣れはじめてきた


120 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/20(水) 23:36:46 ID:Dw7vlVch
それから半月程、毎日が忙しくお互いに病院で仕事に追われる日々が続いた。
元々から当直じゃない日も病院に泊り込み重症患者を待って腕を磨こうとする藍沢は
看護師たちから「病院に住んでる」と揶揄されるようになる。
「いい症例に当たりたい」と思っている緋山も、以前より病院にいる時間が長くなった。
そしてある日、ふと波が引くように病床に空きが増える、ホットラインが鳴る回数も少ない日だった。
黒田に自宅に帰れと促された藍沢は、渋々と更衣室へと歩いていった。
その様子を横目で見ていた緋山は「休憩いってきます」と小さく言うと
さりげなくその場から出て早足で藍沢を追いかけた

「藍沢」

声をかけると相手が振り向く。「ちょっと」と言って視界に入った「空室」のプレートがかかる
カンファレンスルームへと藍沢を引っ張る。室内には患者の家族に説明などをするための
テーブルやホワイトボードなどがある。緋山が電気をつけると藍沢がため息をついた

「何?」
「仕事とは…関係ないんだけど、さぁ…」

それを聞くと藍沢は表情を変えずに

「だったら行くよ。仕事場では一切、こういうのはナシだって言ったよな」

確かに二人の間での約束。仕事場ではプライベートな話は一切言ってはいけない、と。
緋山は去ろうとする藍沢の手を捕まえた

「わかってるけど、あのね…どうしても、藍沢に会いたかったから…」
「毎日会ってるだろ」
「そうじゃなくて、仕事じゃない藍沢に…」

この半月、電話をしても出ない状態で、病院ではしつこいぐらいにずっと顔を合わせていたが
別人のようなプライベートの藍沢の顔を、話を、聞いていなかった。
実はそんなに好きという感情もなく、面白半分で「つきあう」ということにした緋山だったが
半月の間で、それがもどかしく思えて、愛おしさに変わり、感情に変化が出ていた…

「今夜私、当直だから…今だけ、少しだけって思ったら、追いかけてた」

黙って聞く藍沢、沈黙が重くて緋山は続ける

「藍沢がヘリに乗れば私がヘリに乗る回数が減る、藍沢がオペに入ると私がオペに入る回数減る、
 正直…鬱陶しい、って思ってたけど。っていうか…仕事では、今もそう思っちゃってるけど…
 だけどね、ちょっと笑った顔とか、すごく眠いはずなのに呼び出したら来てくれた事とか
 …そういうのが、大事で、好きだって、…最近になって思い出して…」

纏まらない言葉で頭の中の感情をぽつぽつと並べていくと、恥ずかしさで心臓が高鳴る。
藍沢が振り向いて、ゆっくり抱きしめてきた。

「俺は眼中ないけど。実力のある奴がヘリに乗ってオペにも入るのが当たり前だから」
「…むかつく」
「だけど…その後の下りは、嬉しい」

緋山も相手の背中に両手をまわしてぎゅうっと抱きつく。

121 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/20(水) 23:37:37 ID:Dw7vlVch
二重人格、そんな言葉がぴったりだな…と、自分で思うと藍沢は頭の中の
モード切替が自動的にされていくのがわかった。
早く腕を上げたい、その一心で邪魔になる感情は全部押さえ込むという
精神コントロールは完全にできる。だけど、今は…少しだけ。

「なんか、高校生同士の恋愛みたいだね。会いたいだとか、好きだとかって」

笑いながら腕の中で緋山が言った。そう…かもしれない。

「20代後半にもなる男女の交際で、キスしかしたことないしね?」

また笑いながら彼女が言うと確かに、と頷いた。

「そうだよね、最後に会った時だって、俺ん家泊まってけとか誘われなかったし。
 大事にしたいから手は出さないーってタイプじゃなさそうだし…」

彼女の憶測が続く。好きだなそういう話、と少しため息をつくと彼女が顔を上げて

「あ。もしかして……藍沢って童――」

くだらないオチがつくのが途中から予測できて、キスで唇を塞いでやった。
いきなりのキスは、2回目だな…最初の時も緋山がびびって体がびくっとしてた。
ゆっくりと唇が離れると、近い距離のままで緋山の目を見つめる

「童貞だったら面白いよな。話としては」

冷めた口調で言ったが、久しぶりに彼女の唇に触れたせいか少し鼓動が強くなる。
いつもそうだ…いつのまにか、上手く感情が出せなくなっていた…
緋山と話す時間は、リハビリのように少しずつ、感情が出せる唯一の時間になっている。

「…好き」

甘く呟く彼女の声で、どちらからともなく再び唇を重ねる。
抱きしめる腕に力が入ると、背中にある彼女の手も、強くなる…

「俺も」

細い腕が自分の首に纏わり付くようにまわされて、もっと深く欲しいとせがむような口付けに。
そこからは前後不覚、何か「切れ」たという表現が近い。
自分は勤務が終わってるから…今はプライベートの時間だ、と藍沢は自分に理由づけをした


122 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/20(水) 23:39:29 ID:Dw7vlVch
唇から頬…そして首筋へ、何度もキスを落とされて、そのたびにゾクゾクとする…
藍沢の「俺も」という言葉を聞いてちょっと泣きそうになった。
と、藍沢の重心が緋山にかかると足元が1歩後ろに下がる、そして長机にぶつかった。
それに感づいた藍沢は、緋山の背中に腕をまわし、ゆっくりと長机に寝かすように押し倒す

「え、ちょっと…ここ、で?」

何がここでなのかは恥じらいで言えないが意味は十分に通じる
さっきより少し柔らかい表情の藍沢が悪戯に言う

「童貞だったらどうする?」
「どうしよう…私もそんなに場数踏んだ訳じゃ…」
「そうなんだ…へぇ」

思わぬ情報が出してしまい、緋山は一気に恥ずかしくなった。
藍沢の両腕が、自分の頭の左右に突かれ、顔を覗き込むように再び唇を重ねてきた
舌の絡み合う音が聞こえるくらいに激しく…自分の口角から唾液が一滴零れたのがわかった
深い口付けは、それだけでも刺激で…体中が熱くなっていく。
そして青い術衣の裾から彼の掌が進入してきた。優しく…胸を確かめるように揉んでいく
それだけでもまたぞくっとしてしまう。全神経が鋭敏になっている…そんな感じ。
激しいキスの最中も、お互いの胸ポケットにあるボールペンや院内PHSがぶつかり合い
カチャカチャとプラスチックがぶつかる音がしている。
緋山の脚の間に藍沢の脚が割り込んで、術衣のズボンを下げていく…

「やっぱ、ここでやめておこうよ…」

緋山は藍沢の背中をトントンと指で叩いた。それを無視して藍沢は頬や耳元に口付けながら
下着の中へ掌を進めていく。そして既に溢れ出しているそこを指でなぞりながら

「大丈夫…『使用中』にしといたから」

その言葉に答える余裕がなさそうに、緋山の体がびくびくっと反応する。
ヌルッとした感触と同時に指を1本ゆっくりと中へ入れてみると、背中にある緋山の手が
藍沢の術衣を強く掴んだ。再び唇を重ねて漏れそうな声を封じてやる…

「キスだけで、こんなになるんだ」

それは童貞疑惑にかけた無知としての感想か、意地悪としての言葉か…
緋山は口調と表情でわかった。煽られてる、と――
指が2本に増やされ、ゆっくりだった出し入れが少しずつ早まる。
膣壁が擦れるたびに声が漏れそうになり、それを藍沢が唇で塞いでくれる
片足を長机の上に上げさせられ、大きく脚を開かされた格好…
くちゃくちゃと卑猥な水音と、たまに廊下を通る足音…
腰が自然に左右に動いてしまう。緋山は状況を把握すればするほど、思惑通り「煽られ」る。

123 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/20(水) 23:41:23 ID:Dw7vlVch
指をそっと引き抜くと、ねっとりと濡れた指を緋山に見せる
見ないふりの緋山に意地悪く藍沢が言う

「机に少し、垂れるくらいなんだけど」

…わかってた、自分の内腿に伝うくらいに濡れてしまっているのは。
そして見せている指を、藍沢が見せ付けるようにして、舐めた
一気に…また、煽られる。ごまかそうとキスをしようと少し頭を起こしたら
自分が舐めていた指を緋山の口元につきつけてきた。
緋山は舌を出してその指を舐めて見せる。藍沢は満足そうに見ている。
広げさせられてる脚が震える。やっぱりこの場所じゃ…
すると藍沢に体を起こされる…そして長机のほうを向かされると
「手、ついて」と短く言われた。言われるままにするとお尻を突き出すポーズになる

「藍沢…、やっぱり…職場でするのは…」
「ヘンに興奮するからやめよう って?」

藍沢に意地悪で間違った憶測をつけられると、なんだか諦めがついてきた。
というよりも…それに従ってもいいやという気にもなってきた
彼が、欲しいという感情が強くなったから…

「もっと、腰上げて」

少し優しい口調での指令に体が勝手に従う。ズボンを緩めながら緋山のポーズを見て
「ヤラシイな」と小さく藍沢が呟いた。ファスナーの下げられる音、腰に添えられる手…
そして腿に伝う程溢れ出している所にそれを突きつけられると熱くなった体温が伝わってきた。
その次の瞬間に、ゆっくり体内に割り込んでくる感覚…

「んっ…」

緋山の体がネコが伸びをするように、背中を大きく反らして小さく震える。
深層に届くと、小さく何度か子宮をノックする動き、そしてだんだんと大きいストロークでの動き
容赦なく強く奥を突かれ始める。悲鳴に近い声が漏れて、必死で緋山は声を殺す。
長机の脚が動くたびにギシギシ音を立てる。突き上げるように腰を使い藍沢の呼吸が早まる

「ね…顔…」

緋山が泣きそうな声で呟く

「顔…見たい…」

動きを止めてゆっくりと一旦抜いてやるとびくんと緋山の体が跳ねた。
そのままごろんと横に転がりさっきと同じ、長机に腰から上が寝ている状態に戻る。
緋山が今度は自分から片足を机の上に上げて脚を開いた
藍沢の腰に両腕をまわして、再びお互いの体が繋がると体を震わせる。

「緋山…」

緋山の快感に歪む顔を見て、もっと占領したい欲求が沸いて出る。
占領したいというよりも…何か、こう、無茶苦茶にしたい、というような…
再び緋山の薄く開いた唇から甘い声が漏れ出したので、口付けて、塞ぐ。
お互い呼吸が荒く、夢中になって酸素よりも互いの舌を求めていく
その間にも確実に昇りつめていく、快楽――

124 :名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 23:44:09 ID:LXYJZaWX
>>114
少なくとも俺は求めてる

125 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/20(水) 23:44:33 ID:Dw7vlVch

唇で塞いでも、鼻先から声が出始めた。
そして緋山の体が、力み始める…首を横に何度か振ると哀願するように

「も…ヘン…だから…っ」

緋山のもう片方の脚を持って、更に脚を開かせると腰が勝手に浮いた。
体がもっと奥へと求めるよう。緋山のくしゃっとした目からぽろっと涙が零れた

「ヤ…っ、イキ、そ…」
「俺も…いく…」

ギリギリまで我慢してそのギリギリの所の快楽を貪っていた藍沢も限界だった
机の脚がさっきよりも音を大きくたてている。

「藍沢っ…、あっ…!」

ピーンと緋山の体が硬直して痙攣するようにして硬くなる。
その2秒後に、トン、トン、と2回大きくゆっくり深く貫くと緋山の一番奥で藍沢が達した――

何秒飛んだんだんだろう…と、緋山が思った瞬間にガクンと一気に力が抜けて
ただ、息切れした激しい呼吸をしている。藍沢が少し遅れて「はあっ」と大きく息を吸った。
まだ…中でヒクヒクと彼がたまに動くのがわかる…シアワセな感じ。
二人が息切れして呼吸を整えようとしているときに、廊下を会話しながら通り過ぎる人の音が聞こえた


その足音と会話が遠のくと、緋山がぼんやりとした声で口を開いた

「藍沢って…ヤラシイんだね、実は」

予想外の感想に「は?」という顔で藍沢が答える

「実はってなんだ実はって。」

全て出し切って緋山を占領したそれを抜こうとした時に「あ!」と緋山が止める
その「あ!」の声の大きさに驚いて「何」と短く藍沢が小さい声で言う

「ティッシュとか…ないじゃん…。中で出しちゃったんでしょ?どうしよう…」

このまま抜けば長机に緋山の中からどろっと出てくる事になる
藍沢はべつにどうでもいいと思ったが、困った様子の緋山を見て一瞬にやっと笑う。
そして自分が脱がせた緋山の下着を足を使って器用に拾うと二人が繋がってる部分に宛がった。
引き抜いてすぐに緋山の下着で押さえる。

「あ〜っ、ちょっとぉ…」

だけどそれしか今は方法がない、と緋山が黙る。
体を起こして、何度かゆっくりとキスを交わすと藍沢は身支度を整えて言う

「今夜、当直なんだよな?ノーパンで」
「…!!!」

126 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/20(水) 23:46:12 ID:Dw7vlVch

言われるまで気がつかなかった、と唖然とする緋山。少しにやりとした藍沢の顔に気づいて
策略だったことが今わかる。でももうどうしようもない…下着は精液でドロドロだ。
仕方なくノーパンのままで術衣のズボンを履くときつめにベルトを締めた。
髪を結い直すと両手で汚れた下着を包むように隠して持つ

「やっぱり、藍沢むかつくっ」
「好きな癖に」

藍沢は更に緋山がむかつくように言葉の追い討ちをかける
まだ早い鼓動が収まらないうちに、緋山はカンファレンスルームを出た。



翌朝になり、早朝に運ばれてきた急患の処置を終えて緋山がぐったりした様子で
医局に入ると、白石がまばたきもせずに座ってる。

「また目開けたまま寝てんの?」
「――ごめん…」

平和だったのは3時まで、4時くらいになってから急変があったり急患がきたり。
結局は…ノーパンである事すら忘れるくらいに忙しくなった。実際は忘れてないけど。
下着がないとやっぱり違和感があり…更にはそのせいで藍沢との時間が脳裏から離れない。
コンビニで下着を買ってこよう、と席を立った所で藍沢が入ってきた

「おはよう」

白石が「もうきたの?」と驚きながら挨拶をする。

「お疲れ」「おはよう」「――。」

財布を手にした緋山を見て藍沢が緋山の挨拶を無視した。
これは…下着買いに行くなって、こと??緋山は勝手にそう思った、自己催眠かも、とすら思った。
しかし藍沢はもういつもの藍沢の表情で。昨夜の事を聞ける隙はない。

「朝ごはん買ってくるの?」

財布を持って固まってる緋山に白石が声をかけた

「そ…う。ちょっとだけ、食堂まだやってないし」

そういってコンビニ袋を持って戻ってきた緋山が買ってきたものは…

「何?…お煎餅?パンとかじゃないの…?」

白石が目を丸くした。椅子に座って袋を開けて緋山は歌舞伎揚げをかじる。
自動販売機で買ったコーヒーで、歌舞伎揚げ。新しい発見かも?と密かに思う。
そのミスマッチな朝食を白石は首をかしげて見ている
藍沢は担当患者のカルテを黙々と見ていた。

「藍沢先生、朝ごはんとか…食べたの?こんなに朝早くきて…」

白石がなぜか恐る恐る聞くと藍沢は立ち上がって

「まだ食ってない。…これ、いいか?」

緋山の買ってきた歌舞伎揚げを1つ取る。緋山がもぐもぐと口を動かしながらうん、と頷くと
いつもどおりの無愛想のままで藍沢が煎餅をかじる。
バリバリと煎餅をかじる音、白石は不思議そうにまた首を傾げた

127 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/20(水) 23:50:38 ID:Dw7vlVch
以上です(´Д`)ゞ

またも誤字脱字スマソ…
藍沢のちょっとラブな話を書いてみたかったので少々キャラ崩しました。
>>101氏のアイディアを取り入れようとしたけど開発までに至らず
プチ羞恥プレイで終わってしまいました(´Д⊂

128 :名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 00:30:46 ID:J9SB/6IA
いいね!!
全然キャラ崩壊してないよ、むしろ自然w
プチ羞恥プレイの変態ぷりがツボにはまったw
女性キャラの動かし方がとても上手だね
次の作品は決めてるの?

129 :名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 01:08:27 ID:DJAntX77
職人さんうますぎGJ
まだまだwktkしてます

130 :名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 01:41:51 ID:zXO61gQK
>>127
素晴らしい!

131 :名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 02:13:34 ID:8yqIDW5o
>>127さんの作品は相変わらず引き込まれるなぁ…
白石はもちろん、冴島や緋山バージョンも物語に深みがあるっていうか。
これからも納得いく作品、書きたい作品、いくらでも待ってます。
旅行の話を書いてくれた職人さんも大歓迎。
みんな待ってるから是非書いて下さい!
でも、まとめて投下して下さると嬉しいっていうのは私も思いました。

132 :名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 07:44:50 ID:ZKbluWBp
ブラボー!!!

133 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/21(木) 10:01:20 ID:r6GN7+iR
藍沢の女子制覇も終わり
次の構想は現在白紙。頭ん中が白紙でつ(汗)
あ、女子は三井先生が残ってたかw
まあ、とりあえず今日の放送を見て充電します。。


ということで、職人様方、投下お願いしますヽ(´ー`)ノ
書くのも好きだけど読むのも好きです。wktk

134 :名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 10:07:45 ID:NmjYkywx
相手を変えてもこんだけ自然に入り込める話つくれるのがSUGEEEEE
藍沢三井も面白そうかもw
またなんか思いついたら書いてくださいwktk

135 :藤川×冴島@:2008/08/21(木) 17:30:13 ID:8yqIDW5o
初心者なのですが、思い付いたので2回に分けて投下しても良いでしょうか…?
流れをブタ切ってすみませんorz
興味が無い方は温かくスルーして下さると嬉しいです…。

**

「お疲れ様です。」

今日も忙しかった。
フライトナースの冴島は、ほとんど毎日の様にヘリに乗り、
激務をこなし、自分の身を削って患者の命を救う日々を過ごしていた。

この忙しさで毎日を振り返る余裕などない。
そう−昔の事を思い出す暇すら、ない。
だが、それが彼女にとってはありがたかった。


「よっ!」
勤務が終わり冴島が病院の敷地を出ると、メガネの背の小さな男が片手を上げてこちらを見ている。
4人のフライトドクター候補生の一人、藤川一男だ。
冴島は彼に気付くと思い切り顔をしかめた。
「藤川先生、今日はお休みでしたよね?休みの日まで病院に来るなんて
余程ココが好きなんですね。仕事が出来るかは別として。」
嫌味を言って通り過ぎようとする冴島を追いかけ、藤川は人なつこい笑顔で彼女に話しかける。
「君を待ってたんだ。」
その言葉に冴島の足が止まる。
「私を?」
「そうそう!冴島さんを。」
嬉しそうに続ける藤川をジロリと見ると、冴島は再び歩き出した。
「休みの日に私に用なんて何ですか?まさかストーカーとか?」


136 :藤川×冴島A:2008/08/21(木) 17:32:16 ID:8yqIDW5o
相変わらずな調子の冴島に、さすがの藤川も苦笑いで答える。
「……。違うよ、この間の御礼がしたかったんだ。
ホラ、髄膜炎の上村さん。中学生の息子が黒魔術がどうのって言ってた−」
「覚えてますよ。」
「あの時君、手柄を僕に譲ってくれたじゃない。だからメシでもご馳走させてくれないかなって。」
「別に手柄を譲ったなんて思ってませんよ。看護士がドクターのサポートをするのは当たり前の事です。」
表情を変えずに冴島が言うと、感嘆した様に藤川が答える。
「カ〜っ!さすが優秀な冴島さんだね。看護士の鏡っ!」
少しオーバーに褒めすぎなのではないかと思ったが、おそらく藤川は純粋にそう思っているのだろう。
「いいですよ。」
「えっ?」
「今から食事、行きましょう。お腹ペコペコです。」
「あっ…!そ〜お?じゃあね、じゃあね、とっておきの良い店知ってるんだよ!そこ行こ、そこ!」
「はい。」
飛び上がるんじゃないかと思うくらい喜んでいる藤川を見て、思わず冴島も少し笑顔になる。
邪気がない男だなぁ、と思った。
裏表がなくて純粋。それが彼の良い所だけれど、どこか掴み所がなくてわからない男だ。
今夜は彼を見極めてやろう。医者として向いているかどうかも−。
冴島はこっそり心の中で思うのだった。

(続く)

**

続きは今夜にでも、なるべく早く投稿させて頂きます(>_<)

137 :冴島×藤川×緋山:2008/08/21(木) 21:12:55 ID:155Bnz80
「私はついこの前別れたばかりですから…あまり大きな声で言えないのですが…」
公然の話になっているので、私がこういうことに二人は特に反応しない。
緋山先生はモゴモゴと口篭っている。
「そういうそっちはどうなのよ?好きなタイプとかあるの?」
緋山先生は溜まりかねたのか、ちょっと慌てたように質問で返している。
彼の好きなタイプというのは、前にもちょっと聞いたことがある。
なんでも初恋の人は年上の家庭教師の先生だったとか
ようはビシッと導いてくれる人か好きらしい。
「アンタまさか三井先生のこと言ってるの?バツ一子持ちよ?」
唖然としたように緋山先生は尋ねる。
「俺別に三井先生に導いてもらってないし、ビシッと言ってもらってないし」
まぁ彼女としては当然心配だろう。
尊敬する指導医が恋敵というのは、今後の医師生活にも支障をきたしかねない。
「やっぱり年上が好きなんですか?」
「う〜ん、今は同い年とか一歳上とか良いかなぁと思ってるんだ。」
「へ?」
二人の背筋がキュンと伸びる。


138 :冴島×藤川×緋山:2008/08/21(木) 21:15:09 ID:155Bnz80
すみません
新しい小説見逃してました。

こっちは色々言われてますが、マターリ行く予定ですので、
今日はカップリング重なっててご迷惑そうなので、
137は忘れてください。


139 :名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 22:00:35 ID:DUQCoTDP
藤川ちん人気あるね

140 :名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 01:49:31 ID:hX5w63zY
>>135
おーツンデレ冴島っぽいw

141 :名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 20:21:28 ID:G4cNxJzX
昨日のは黒田×白石っぽかったよね
王道シチュエーションだったし

142 :名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 23:02:22 ID:hllq0Y61
>>135
割り込んだんだから早く書けよ。同じ組みあわせとか嫌がらせするから
誰も書かなくなったじゃないか!


143 :名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 15:14:00 ID:wI7QJyfU
ってか待ってる必要はなくない?
割り込んでもないし、緋山藤川冴島の職人さんも、藤川冴島の職人さんも
藍沢を制覇した職人さんも、投下してくれるなら何でもありがたい。

144 :名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 15:28:13 ID:werZW4fX
>>141
黒田の白石を止めるときのシーンも青春ドラマかってな雰囲気だったw
西条にも何気に目をかけられてるし、白石ってオヤジキラー

145 :名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 18:34:17 ID:wI7QJyfU
あの事故が起きる前に黒田先生と何かあった白石…w
他のフェローには内緒で大人の関係があったりして。
影では色々指導してる黒田先生…という無理矢理な解釈もある。

146 :名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 19:06:12 ID:RzqnRMmp
藤川いわく白石は黒田派だもんな


147 :名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 19:09:01 ID:6cYonuLd
まぁ、黒田先生があと10才くらい若かったら何かあったかもなw
黒田先生はフェロー達のお父さんみたいな存在なんじゃないか?
普段は厳しくてもいざというときは命がけで守るっていう

白石がファザコンだったら白石→黒田で片思いで終わりそう

148 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/23(土) 23:39:52 ID:UvxvRRtj
また長めになっちまいました。
誤字脱字は見逃してください  って白石が言ってた…きっと。


あの夜から何日経っただろう。
メリージェーン洋子さんのお店でショーを見た後の、あの出来事…
2週間くらい経った…だけども藍沢はいつもの調子で
全く何も変化はない。むしろ、変化しないように頑張ってるのは白石だけだった。

お酒で酔った勢い?
それにしては…そんなにスゴイ飲んでた訳じゃないし…
疑問ばかり浮かんで戸惑う、を何度も繰り返した。
勿論、藍沢に問いただす事も考えたけどそんな度胸は無い…

「別に…1回ああいう事があったからって、どうこうしろって事じゃないし」

独り言が口から出る癖は、困る。
咳払いをして誰もいないワークステーションで一人小さくなる。
カルテを書いてたはずがペンはずっと止まっている
何かしろとか、そういう事じゃなく、自分の気持ちの問題なんだ、と行き止まる。
そう…感情の問題。1度だけ、体の関係があっただけ
でもその1度は、大きく自分の感情を動かしていることは確かだった…
最中に思わず呟いた「好き…かも…」はその場で生まれて今も奥のほうに
押し込めて飛び出さないようにずっと隠している感情――

「お疲れ」

声で誰なのか解る、思わずびくっとした。「おつかれ」と返事をする。
藍沢が背後のデスクの椅子に座る…びっくりした…そっと気づかれないようにため息をついた。
こういう二人になる時間はいくらでもあった、でも度胸が全くない…
すると藍沢が背中を向けたままでぼそりと言う

「今度…」

あれやこれやと考えていたせいか動揺が収まらないまま「え?」と聞き返す。

「今度、時間が合う時があれば…二人で会いたい」

…まん丸に目を開いたまま、驚いた表情で振り向いて藍沢の背中を見る。

「今度は酒飲まない所で。オカマも居ない所。」

そういい残すと席を立ち、再び病棟のほうへと歩いていってしまった。
残された白石はポカンとしたままで、ただ、自分のドキドキが酷い事に気づく
だけど…真意がわからない、やっぱり理由がほしい、真相が知りたい…
追いかけようと席を立って藍沢が消えた方向へ廊下を走る。
視線の先、薄暗い廊下の曲がり角に藍沢の背中が見える、声をかけようとした時に
「お疲れ」と女性の声が遠くでしたのに気づく――藍沢の横に三井が歩いてきた。
白石はあわてて壁に隠れ、忍者ごっこでもしてるのかという具合で様子を伺おうと
深夜の静まり返った廊下の音に耳を澄ます。

149 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/23(土) 23:41:06 ID:UvxvRRtj
三井の前じゃ絶対に話せない内容を、藍沢と話したい。
内容をまとめ、なんと切り出そうか、なんと聞けばいいか、…何を聞けばいいのか。
白石は頭の中でまとめながら耳を澄ます。

「藍沢今日は当直じゃないんじゃ…」
「オペ見学に行ってたら遅くなったんで、ついでに急患が来るの待とうかと思いました」
「たまには早く帰って体を休めないと、持たないわよ。」

そんな会話が聞こえてくる。落ち着け、落ち着け、とまるで高校生の告白前の状態で
胸に手をあてて深呼吸をしていると耳に入った声でその深呼吸も止まる

「環奈さん」

――!?
今のは…藍沢先生の声…?環奈さんって…三井先生の事?
少し二人から距離があるが、思わず息を殺して会話に聴覚を全力で集中させる

「昨日、環奈さんの所に俺ん家の鍵を忘れてったと思うんですけど」
「そう…それを早く渡さなきゃって思ってたの。でもなかなか隙がなかったわね。」

――家の、鍵?三井先生の家に??っていうか環奈さんって…
そっと、曲がり角から顔を出して二人の様子を伺うと少し距離があるせいで
細かくは見えない…向き合った二人、三井の手から、話に出てきていた鍵らしい物が
藍沢の手に渡されたのはわかった。柔らかい笑みで三井が藍沢を見つめている。

「じゃあ明日…藍沢の家で。」
「…やっぱり…環奈さん…もう…」

笑みを絶やさない三井、固い表情の藍沢…何が起こっているのか把握できずに覗き見る。

「…とりあえず明日。それも含めて、ね?」
「――わかりました」

かなり小さい声での二人の会話。だけども聞いてしまった、見てしまった…
違う意味での心臓のドキドキが収まらない。壁に背中をつけたままその場にへなへなと座り込む。
…やっぱり、そういう、事だよね…自分に聞いて自分で答えらず、混乱したまま。
何か私が間違えてるのかも、と思いもう一度そっと覗き見てみると。見えてきたのは
三井が、藍沢の頬に挨拶のようなキスをする瞬間だった。
そして二人は別方向の廊下へと歩いて消えていく。白石はしばらく動けなかった。
…やっぱり、そういうコト、なんだ…。自分がさっきまで藍沢に問いただそうとしていた事よりも
衝撃が強くてなんだか色々と頭の中にまとめていたことが吹っ飛んでしまった。

150 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/23(土) 23:42:22 ID:UvxvRRtj
「お疲れー。あれ?白石、顔色悪いよ?寄り道も買い食いもしないで帰ってちゃんと寝ろよ」
当直の森本に言われると私は小学生か、と苦笑いして会釈をする。
通用口から出て、まだ少し混乱気味の頭を自分で叩いてみた、すると背後から
「白石」と呼ぶ声――藍沢だ。振り向くと私服でこちらに歩いてくる。
彼も…帰りなんだ、それと同時に動揺しまくってしまい目を合わせられない…

「今から時間、あるか?」
「……一応、ある」

すると藍沢は何も言わずに白石の2歩前を歩き出す。
本当に彼だけは、全くわからない。今まで自分がいた環境には居なかったタイプだ。
だけども今は…確かめたい…

「あのっ、藍沢先生。…三井先生、なんだけど…」
「三井先生が何?」
「………カナさんって呼ぶの?…」

藍沢の足が止まる。白石も立ち止まる。
暫くの沈黙…白石が一番苦手な空気…

「いつから知ってた」
「―――さっき。偶然…偶然なの、廊下でたまたま…話し声が聞こえてきて…」

藍沢の目をおそるおそる見上げる…でもやっぱり反らしてしまう。

「…つきあって、るの?三井先生と…」
「―――ああ。」

短く小さい返事を聞くと、感情に体を動かされたようにいきなり白石は走り出した。
涙が出そうなのが悔しかったから。藍沢が追いかけてきた、もちろん追いつかれてしまう
腕を振り払おうとするが、男の力に勝てる訳もない。
泣く寸前でがんばって止めて、我慢しながら藍沢の顔を見る

「その事とか…この前の事とか、ちゃんと話そうと思って」

冷静なままの藍沢が淡々と言った。
それは…一時の酒の過ちで、ちゃんとした彼女がいるんですって説明?
白石は自分の中の感情が頭の中で爆発しそうな感覚になる。言葉が出ない
藍沢の腕をやっと振り払うと、まとめたはずの言葉が粉々に壊れて
まとまってない言葉が勝手に飛び出した

「酔った勢いでああいう事して、同じ職場の中で2人も肉体関係のある人がいるって
 不謹慎だよ。藍沢先生は…仕事と同じでもっと真面目かと思ったけど違ったね。
 忘れるから。もう…私もあの日は酔ってたってことにして忘れるから」

感情のままに出た言葉は、こんな時まで妙なプライドのせいで淡々と静かに語られた。
その言葉を聞いた藍沢は表情を変えずに黙り込んでしまった。
また…沈黙…もう、逃げ出したい…

「白石には、話しておきたい」

藍沢がやっと、口を開く。

「結論は話を聞いてからにしてほしい」
「…うん…。わかった…」

そう言うと再び二人は歩き出す。

151 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/23(土) 23:44:49 ID:UvxvRRtj
終電もなくなった時間のファミレスは、案外客が多い。
少しざわついた中でお通夜のような静かな席…白石だけがお通夜のような顔をしている。
コーラを飲んで藍沢が話し始めた。

「三井先生とは…前の病院からの知り合いなんだ」

意外な話のスタート地点に白石は藍沢の顔をじっと見つめる。
せっかく、私に聞いてほしいって言ってくれたから、全部聞いて…できれば受け止めたい。
藍沢は俯き加減に、右手の指先を弄りながら淡々と、静かに話し始める―――

数年前…研修医の藍沢がいた病院は、地方都市の翔陽医大の系列病院で
地方病院の中でも救急医療には力を入れている病院でもあった。
ある日そこに産科から転科して救急にきた、救急の研修にきたのが三井だった。
同じ救命内に既に三井という名の医師が居たために、「環奈先生」とみんなが呼んでいた
態度が大きく生意気な研修医、しかしセンスはあるという評価だった藍沢は
寝食を惜しんで仕事に没頭していた。そしてぐんぐんと腕を上げて
1年先輩よりも早く正確な判断をして診断できるまでになった。
三井も産科でのオペ経験が豊富で、すぐに救急医療に馴染む。

ある日、自分の生活を省みずに仕事に没頭していた藍沢は倒れた。
過労というと大げさだったが、睡眠不足と軽い栄養障害…
周囲からは散々怒られたが、三井は黙ってある日、弁当を藍沢に作ってきたのだ。

「一人暮らしだと面倒だから食事取らなくてもいいやって思うでしょ。
 強制的に食事が出てくれば、食べるわよね?医者は自己管理も仕事のうちよ。」

当時既婚者だった三井は、自分と旦那の弁当を毎朝作るから1つ弁当が増えても
全く手間ではないから食べろと、二人の勤務が重なる日は毎日弁当を作ってきた。
弁当箱のやりとりから…ある日感情のやりとりに変わる。
藍沢は、三井に特別な感情を持つようになった。しかし三井は既婚者…
その想いを告げる事はなく、三井の研修期間は終わり、今の病院へと移動していった

「――じゃあ、今の病院を選んだのは、三井先生を追いかけて…?」

152 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/23(土) 23:46:22 ID:UvxvRRtj
氷が解けて水と2層になってしまったオレンジジュースを混ぜながら白石が聞くと
藍沢は半分程呑んだコーラを見つめながら答える

「違う。単純にドクターヘリ目当てだ。三井先生がいると知ったのは今の病院に行くって決めて
 資料を見てて初めて知った。」

数年を経て再会した二人は、経験を数年積んだ若手救命医と、離婚暦有りの子持ち医師になっていた。
藍沢が今の病院に配属になった日、再会を祝い二人で食事に行くと三井のほうから切り出してきた
「泊まらない?」と…。忘れかけていた妙な感情を押さえ込んでいたが
積極的な三井から誘いが…それを無駄にしてしまった…
1度の間違い、1度だけの、とならずにその後時間さえ合えば睡眠を削って会いに行ったのは
藍沢のほうからだった。三井との甘い時間に私生活全部を注ぎ込んでしまう。

「――藍沢先生、が…?」

驚いた顔で白石は窓の外へと遠い視線の藍沢を見る。
意外すぎる。感情の一切を出さずストイックに仕事をする藍沢が、恋にのめり込むなんて…

しかし三井の藍沢への感情は同じ物ではない事を、しばらくして藍沢は気づいてしまう。
小さい子供がいる事を知って、つれてくればいい、3人で食事してもいいと申し出る藍沢に

「うちの子にも、藍沢にも…妙な感情や情を持ってほしくない」

そう言って三井は断ったのだ。二人は会う度に肌を重ね、快楽を貪った。
単純に藍沢は年上の女性の体に溺れてしまっていたのかもしれない…。
三井は年下の藍沢に、執拗に甘え、慰めを求めてきた。それが自分の持っている恋愛感情ではなく
「慰め」る存在をひたすら求め、現実を忘れただ安らぐ時間を藍沢に求めている事に、気づく。
自分は無駄な感情を抱いているだけなのか…感情とは私生活でも「無駄」なのか――
そして藍沢は、三井にある時切り出したのだ。

「もう、やめましょう…。俺は、環奈さんの辛い事を全部消す器量はないです…。
 それに…消すだけの役割は、他の誰でもできる。」

服を着ながら世間話でもするような口調で三井が答えた

「誰にでもはできないわ。研修医から知ってる藍沢だから…安心するの」

それはやはり、男として、恋愛としての「必要」ではないんだ、そう藍沢は解ってしまった。
それからは二人で会う時間も減り…藍沢の心境にも変化が生まれ始める

153 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/23(土) 23:48:21 ID:UvxvRRtj
「ごめん…なんか、全部がいきなりすぎて…ドラマのあらすじ聞いてるみたい」

少し気の抜けた様子で白石が言うと、藍沢がため息をついて「そうだよな」と小さく答えた。

「三井先生は…多分、身近な存在の何かが欲しかったんだと思う…
 俺だったら昔から知ってて、職場も一緒で、余計な事を言わずに欲求に答える
 そんな…丁度いい存在なだけだったんだろうな」

そして今までずっと合わなかった視線を合わせ、白石の目を真っ直ぐに見て

「この前のは…酒の勢いでも、ヤケを起こした訳でもない」

どきん、と自分に話の矛先がいきなり来て白石は小さく飛び跳ねた。
わかりやすい態度に藍沢は柔らかい口調になり

「ちゃんと…終わらせるから。三井先生の事だ、後腐れも無いだろう。だから…」

藍沢の声が小さく消えた。白石は周囲の雑踏よりも自分の鼓動の音が大きくなっていくのが
痛いくらいに感じられてきゅっと両手を握り締める

「全部ちゃんと終わったら、――また二人で会いたい」

自惚れ者と思われたくない、簡単な女と思われたくない。そんなプライドから
会ってどうするの?何するの?なんで会いたいの?という質問が浮かぶが、それを飲み込んだ。
黙って…頷いた。だけどもどうしても飲み込めなかった言葉が口を突く

「なん…で。何で、私、なのかな…」
「白石は…傷の手当をしてくれたから。あの時から…」

そこで言葉は消えてしまう。傷の手当…思い当たるのはあの時しかない。
藍沢の祖母が暴れ点滴を倒した時に、藍沢が顔を切ってしまいその傷を消毒しただけ――
その時に交わした会話…彼の、せつなさ、悲しさ、やりきれなさ、初めて人間的な感情に触れた。

「嫌だったら、言ってもらっていいから」
「別に…嫌なんかじゃないよ…私も、また二人で…会いたいって思ったから…」

ファミレスを出るとお互いタクシーを拾って帰路につく。
車中で白石は、自然と顔が笑ってしまって困った、それと同時に、あの三井先生が、という驚き。
三井との関係にのめりこんだ藍沢、信じられない話を飲み込もうと目を閉じた。

154 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/23(土) 23:49:47 ID:UvxvRRtj
「遅くなってすいません。転落で脾臓破裂の患者のオペが急にあったんで」

数日経った深夜に、藍沢は電話をすると三井がタクシーで藍沢の部屋へやってきた。
部屋に入るなり三井は藍沢に抱きつく。しかし藍沢の手は、動かない――

「本当に…終わりにしたいのね」

藍沢の頬から耳元へゆっくりとキスをしながら三井が呟いた。そして一歩離れると
自身が着ている服のボタンを外しだす…藍沢はその様子を見て「環奈さん…」と止めようとするが
三井はそれが聞こえていないように服を脱いでいく。足元に…着ていた服と下着がストンと落ちていく
見慣れて、触れ慣れて…藍沢の目が、手が、よく知っている白い体が晒される。
そして藍沢の着ているTシャツの裾に三井が手をかけながら呟く

「最後、だから…。最後にしてあげる…。」

その言葉を聞くと、藍沢は止めようとした手を下げた。
Tシャツを脱がされてベッドに座ると環奈に肩を押されて倒れこむ。環奈の髪が首筋をくすぐる。

「藍沢の感情を…私が奪ってしまったのかもしれないわね…」

環奈がそっと唇を重ねると、藍沢は環奈の体を抱きしめた。
そこから一気に加速するように激しく互いの舌を求めあいながら、環奈は藍沢の下着に手をかける。
足を使いそれを手伝いながら環奈の胸を掌で包み、確かめるように揉むと体制を変えて
藍沢が上になる。環奈の表情を見つめるとそっと、環奈の掌が藍沢の頬を包む。

「好きだった…。でもいつのまにか、私の都合のいいように…藍沢を使ってたのね…」

藍沢はゆっくりと唇を重ね、環奈の足を開かせていくと指先を胸から腹部へと辿るように滑らせて
僅かに湿るそこへとたどり着かせる。綿に触れるように軽く刺激しはじめると
環奈の息遣いが不規則になり、体が反応を見せた。唇が離れると両腕を藍沢の首にまわし環奈が
再び首筋にしゃぶりつくように舌と唇を使って、顎先へと舐めあげる。
身震いした藍沢に気づくと体勢を変えるように手で促し、ゆっくりと寝返りをうつように回り
環奈が藍沢の体に跨る。そして、再び貪るように、食べるように唇にかぶりついた。
腰を動かし、硬いそこを太腿で感じると、ヌルッとする程に濡れたそこを腰を動かし擦りつける。
太腿に藍沢の手が添えられる…目を閉じている藍沢を見下ろしながら環奈がそっと言う

「最後だから…見て…繋がる所…」

環奈がM字に足をして腰を浮かせると、藍沢のそれを手でしごきながらすっかり潤ったそこに宛てる。
そして見せつけながら…ゆっくり腰を落として、上下に動かし始めた。
生温く卑猥な音をさせながら繋がる場所を、表情を歪めながら藍沢は見つめている
少しずつ環奈の短く甘い声が聞こえ始めると動く度に水音が大きくなっていく。
腰を動かしながら、環奈は舌全体を使って藍沢の腹部から舐めまわす…胸元へと丁寧に舐めていく。
ザラザラとした独特の感触が、下品で煽られていく――
環奈の中が熱く、ヒクつくような締め付けに変わっていき、動いていない藍沢の呼吸も乱れ始めた。
腰を動かしながら犬のように首筋から唇へと、舌で愛撫する環奈、昇り詰めるペースを押さえようと
歯を軽く食いしばる藍沢…。体を起こし、角度を変えてより深く…自分の中に刺さるような感じを求め
環奈が動き始めると藍沢がはぁっと大きく息をした。

「駄目、です…もうちょっとでいきそ…」
「いいのよ…私でいって…?」

155 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/23(土) 23:52:17 ID:UvxvRRtj
藍沢の反応を楽しみながら腰の動きを早めると、息遣いも激しさを増す。
そろそろヤバイのか、藍沢の両手が環奈の腰に添えられ、力が入る、指が食い込む。
それを振り切るように、頭の先まで貫かれる快楽を貪って深く、強く、腰を落とす――

「ゴム、してないです…」
「いいから…。このまま、イッて…?見ててあげるから…」

その言葉に本能が先に従ってしまう。何かキッカケでもあったかのようにびくっと体をさせると
藍沢が再び歯を食いしばるような顔になる。そして、「イク…」と言い掛けて全身が固まる。
環奈はその表情、息遣い、一部始終を見つめている――そして自分の中で弾けるような感覚…
びくびくっと中で脈打つ感覚を合図に腰を擦りつける。
昇りきった後に息切れをはじめる藍沢を見ると満足そうにゆっくりと腰を上げて抜く…
そしてそのまま…自分の中で弾けたばかりの、愛液と精液がべっとりついたそれを、手を使わずに
いきなり口に含んだ。驚いたように思わず腰が引けた藍沢は、その様子を眺める。
丁寧に舐められ、口の中で吸われたりしている――暫くは達した直後の余韻もあり
くすぐったいような妙な感じだったが、数分そうされていると新しい快楽への準備になっていた。
頭を何度か上下に動かし先のほうまで丁寧に舐めあげて、再び深く根元まで口に含むと
先ほど体を嘗め回していたザラザラとした生暖かいものが纏わりついて刺激する…
それはそのうちピンポイントになり、藍沢がする反応を見極めて環奈はよく知る藍沢のツボを
舌先で刺激しながら時折、強く吸ったり…数分前に弾けたばかりの筈が、すでにまた…

「環奈さん…っ」

名を呟いた後で、彼女の求める思惑通り。環奈の口の中で、今度は弾けた――
口内の温度よりも少し高い液体が注がれると、独特の味に少し顔を顰めながら
喉を小さく鳴らして、環奈は飲み込んでいった。そして…そっと口を離す。
口元を腕で拭うとただ息切れしている藍沢に覆いかぶさり、抱きしめる…
髪をぐしゃぐしゃと軽く撫でながら、彼にそっと呟いた。

「…ありがとう…。『環奈さん』って呼ばれるの、さっきで最後ね…」


156 :( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2008/08/23(土) 23:53:41 ID:UvxvRRtj
白石は一晩寝て起きて、全部夢だったんじゃないかと疑うようになる。
そんなはずはないのだけど…そう思わないと、なんだか混乱しすぎてしまうのだ。
当直だった看護師から、担当患者のカルテを受け取りチェックをしていると

「お早う」

三井が髪を結いながら入ってきた。
少し…動揺したけど、もう勤務時間だから忘れよう、と必死で飲み込む

「おはようございます」
「緋山は?」
「さっき、ICUに行きました」
「そう。」

三井がICUへと歩いていくと小さくため息をついた。
やっぱり夢だった、それでもって、藍沢先生とああなったのも夢で
昨日のファミレスで話したのもなにか夢とか勘違いとか…
現実逃避方法を自動的に頭が編み出すようになって、ぼんやりしていると

「お疲れ」

藍沢がやってきた。びくっと小さく跳ねた心臓を押さえるようにしながら

「おはよ…」

返事をしてチラリと藍沢を見るが…やっ