ビッチな娘が一途になったら
- 152 :本当の初恋 前半 4/11:2008/08/22(金) 23:33:14 ID:9DoWPBEf
- それからも、彼は度々私のおじいちゃんの雀荘に来ていた。
最初はたまたまだろう、と思っていた私だったが、何回やっても彼は強かった。
もちろん私も勝つことはあった。しかし総合計から言えば遥かに負けていて、しかも勝った時はやたらと手が最初から良いという時だけだった。
ある程度話もするようになった。
無口で偏屈な男かと思ったが、話してみると意外にも感じの良い、素直な性格の男だった。・・やっぱり、やや暗かったが。
話しの大半は、麻雀のことだった。私と彼が初めて会った時、何故私が負けてしまったのかと聞いたら、
『勝負が始まる前の局で、私がギャラリーとして後ろから彼の手を見ているとき、わざと癖があるように見せて引っ掛けた』とのこと。
「麻雀漫画の読みすぎ!」
と彼にはつっこんでおいたが、実際に引っかかってしまった私が言ってもどうしようもないことかもしれない、とも思い、素直に参考にすることにした。
そしてある日。
「ねえ、ちょっと」
私は帰りがけの彼に声をかけた。相変わらず、深く帽子をかぶっていて、表情がいまいち読み取れない。
「ねえねえ、普段は何してる人?」
私らしくも無い質問だった。気まぐれではあったが、しかしこの正体不明の謎の麻雀バカが普段何をして生計を立てているのかというのはちょっと気になるところだった。
「・・実は学生なんだ」
と、彼は言いにくそうに言った。
私は、何故彼が言いにくそうに言うのか分からなかった。この店には中年だけじゃなく大学生とかだってけっこうきてるのに。
「へー、大学生なんだ。もしかして学費これで稼いでるとか?あはは」
あははと笑いながらも、「実際こいつ稼いでるなあ」と頭の中で呟いた。
と、その時ぐーっと私のおなかが鳴った。そういえば麻雀にしばらく没頭していて飲まず食わずだったことを思い出す。
「あはは、おなか減ったんだ?」
「え、うん・・・」
彼は笑ったが、つい私は彼の顔をまじまじと見てしまった。彼の笑い顔は初めてみたからだ。
「どっかで食べて行こうかな」
と何も考えずに呟くいた瞬間、彼と目があった。
・・もしかして。
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