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【銃と】ブラックラグーンVOL.9【弾丸】

1 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 01:22:11 ID:MHWbUNiJ
次スレは>>980よろしく。

前スレ
【ずるいぜ】ブラックラグーンVOL.8【まったく】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1203247517/
 
【アミーゴ】ブラックラグーンVOL.7【タコス】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1184475016/

【尻か?】ブラックラグーンVOL.6【尻よ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1173400775/

【今晩はが】ブラックラグーンVOL.5【抜けてるぜ】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167315026/

【言いたく】ブラックラグーンVOL.4【ねェな】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1157639957/

【むしろアニメが】ブラックラグーンVOL.3【ブラクラ】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1145776198/

【ふたりはブラクラ】ブラックラグーン vol.2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1098608817/

ブラックラグーンでハアハア
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067839049/


*保管庫
2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/
ttp://red.ribbon.to/~storage/index.html

2 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 01:22:59 ID:tsk0T3bk
>>1乙ー

3 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 01:24:19 ID:MHWbUNiJ
スレたてこれでいいの?
(´・ω・`)ハジメテデス

前スレの最後はあれで終わりです。

まさか、投下後512オーバーすると思わなくてびびった

4 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 01:32:59 ID:JoB7D0Hd
これでぬるぽ

5 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 07:26:01 ID:p5ora3u6
降れば土砂降りっていうけど本当だな。
前スレのラストスパートすげえ。

とりあえず>>1乙。
そして前スレのアロハ神GJ!

6 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 08:22:29 ID:tswDPPL6
>>1
投下GJ&スレ立て乙です、前スレ、ちょうどぴったりで埋まったんだ…
二人とも可愛かった
言葉の壁は高かったwww

前スレのアロハ神も超GJ

7 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 13:04:13 ID:6Y1VsjLG
スレ立て乙
しかし、前スレの投下ラッシュはスゴかったな
1000スレ(てか、500すら)行かずに埋るのは初めてじゃねが?

8 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 18:22:45 ID:85oa+eFb
>1乙ー

>7
たしかに投下ラッシュ半端ないwww
シンクロニシティってやつか? 
小ネタじゃなくちゃんとしたssで一日に三作も被ったの初めてじゃね?

9 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 19:03:19 ID:W7GmLo5d
ごめん、全くの素人なんだけどなんで1000いかずに新スレ立ってるの?
なんかルールとかある感じ?

マジ素人でごめん

10 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 19:07:06 ID:85oa+eFb
つ容量オーバー
エロパロ板には512KB規制っつーのがあって、スレの容量がそこまでいくと書き込めなくなる。
ルールっつーか仕様だね。

沢山SSが投下されればされるほど容量食う→512KBまですぐにいく→そして新スレへ
だから色んなスレで投下前に容量確認しろとか言われるわけさ。新スレ誘導とかできなくなるからね。

11 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 19:12:57 ID:W7GmLo5d
すげー親切にどうも!!

毎回楽しく読ませてもらってます
職人さん乙です

あと新スレ乙です!!

12 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 21:20:49 ID:UNu83NLe
何だ…前スレの投下ラッシュは…?
俺を萌え殺す気か(*´Д`)=з

13 :名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 09:33:33 ID:sUAC8ofE
おお、新スレが立った!前スレのスレタイ(アミーゴタコス)にムカついてたからなぁ・・・

相変わらず職人さん達のレヴィのデレ表現は神すぎて、最近の原作はレヴィ不足だから助かりますよ

14 :名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 22:38:17 ID:uI5zwQDc
>>13
それは前の前のスレではないかと。

15 :名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 18:24:38 ID:7/bUp6wz
スレタイの案が出てたのに無視して立てたんだよなw >アミーゴタコス

16 :名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 11:43:36 ID:T1Be7oQl
>>15
なんかのアニメと混同したバカが立ててしまったんだよな

ところで、ロック×レヴィが多いこのスレではファビたんは需要がないの?

17 :名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 15:11:41 ID:v5ArIL+Q
どのキャラにも需要はある
ないのはベニー×ダッチぐらいなもんだ

18 :名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:07:25 ID:RDb2TQFR
>>17
違う意味で読んでみたいwwww

19 :名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 00:04:35 ID:mZAfr72h
「ねえ母さ〜ん。いい加減新しい銃かってよ!」

「ハア?ガキの分際で何糞おもしろくもねえ冗談ぶっこいてんだ?テメーはそのPPKで充分だよ。どっかのスパイみたいでかっこいいだろ?」

「もう飽きたよ!母さんみたいなベレッタの銃がいいな。M93Rなんて凄くかっこいいと思わない?」

「このクソッタレのマセガキが…調子のってんじゃねえよ、どうしても欲しいなら親父に頼むんだね。」
 
「銃持ってるのは父さんには内緒にしてるんだから無理にきまってるだろ!」

「そういうこった。次はもっとジョークのセンスを磨いてくるんだね…とと、さあて、親父が帰ってきたよ。盛大におかえりしてやんな!アイツはそういのが大好きだからな」

んでそこに何も知らないロックがおみやげなんかをぶら下げて帰ってきたりなんだり


つまんない妄想をしてしまた

20 :名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 00:18:31 ID:hETPlBW2
GOODです!!

21 :注意書き ◆AO.z.DwhC. :2008/07/03(木) 00:44:45 ID:CjmWheoC
ベニー×レヴィです。
「恋とギャンブルとアロハ」の設定のロックがラグーン商会に来る以前の二人の話です。
寝取り/寝取られ属性はないですが、ビッチなレヴィが苦手な方は注意な表現があります。
ヤってますが、ベニーはレヴィに恋愛感情がありません。苦手な方はスルーしてください。
よろしければお付き合いください。タイトルは「信頼と実績」です。

22 :信頼と実績 ◆AO.z.DwhC. :2008/07/03(木) 00:45:43 ID:CjmWheoC

薄暗い部屋の中に、まるで獣のような息遣いが響く。
それが相手のものなのか、自分のものなのか、はたまたその両方なのか。
ベニーには区別をつけることすら難しかった。きつく絡みつく腕は、彼が今ま
で抱いてきた女たちの細く柔らかい華奢なものではないし、悪態をつきながら
自分に身を任せる姿も、彼が今までベッドインしてきた女たちの中でトップク
ラスの可愛げのなさだ。
――けれど。
ああ、けれど、神様! どうして自分はこんなに興奮しているんだ。
思わず舌打ちしたくなるほど、女の中は居心地がいい。”彼女”はベニーにとっ
てキュートでもセクシーでもないが、ひどく魅力的だった。傷だらけではある
が驚くほどなめらかな肌の吸い付くような感触に、東洋人特有のさらさらとし
た艶のある黒髪。
口さえ開かなければ、キツめの美人で通る顔立ちは甘く歪み、桜色の唇からは
悪態とともにかすかなため息が零れ落ちていた。
――何をやってるんだ僕は!
女の額に浮かぶ汗を舌で舐めとりながら、ベニーは内心で絶叫する。こんな甘っ
たるいセックスなんて、初めてしたハイスクールの女の子と以来だ。まるで十
代の恋人同士みたいなやり方で、ベニーと”彼女”は夜更けのホテルでセック
スに溺れている。

お笑いぐさだ。今世紀最大のブラックジョークだ。
僕と「あの」レヴィが抱き合ってるなんて!

頭を抱えたくなる衝動にかられたベニーは、しかし寸前で目の前に伸びていた
腕に首をつかまれる。そのまま腕を引き倒したレヴィは、額を寄せ合うほどに
近づいたベニーの顔を見て、不満げに鼻を鳴らした。
「ヘイ、ベニーボーイ。そんなファックじゃ婆でも寝ちまうぜ?」
「…………悪かったね」
顔を歪めて吐き捨てるレヴィに、ベニーは眉をしかめた。たしかに似合わない
相手との似合わないセックスに気もそぞろだったのは認めるが、そこまで言わ
れる筋合いはない。
そもそも、高校生みたいなやり方をしてしまったのは、レヴィが見せたあの笑
い方の所為だというのに。
「……な、あ、知って、るか? ベニー。 正常位じゃ、イケねえんだ、よ」
「聞いた事があるね。口癖かい? それとも経験談?」
「りょう、ほうだ。分かったらベイビー、とっとと代わりな」
途切れ途切れのレヴィの言葉は、かつてベニーがラグーン商会に勧誘され、一
員となった時にレヴィによく分からない八つ当たりされた時のものと同じだ。
「正常位じゃイケない」今までの彼女の生活を忍ばせる台詞だ。こういう人種
が言うからこそ、説得力があるんだろうな、とベニーはぼんやりと考える。
レヴィとベニーは、億単位の確立の偶然が積もり積もって今一緒にいる。もし
自分がクラッキングでドジ踏んだりしなきゃ、一生会わなかった人種だ。

――そう、あの時は他ならぬレヴィに助けられたんだった――。

無理やり体勢を入れ替えられ、自分の上に跨ったレヴィは舌なめずりをしなが
らしなやかな腰をくねらせている。獰猛な仕草は実に彼女に良く似合う。犬歯
が見えそうなほど唇を吊り上げているレヴィは、ベニーの視線などものともせ
ず、彼の快感を追いたてた。
緩く、しかしキツく締め上げられるような内壁の感触に、ベニーが低く呻く。
そんな彼に向かって、レヴィは微かな苦笑を見せると、屈みこんでベニーにキ
スをした。触れるだけのそれは、先ほどまでのおままごとのようなセックスの
延長のように拙く、そっけない。

自分とは違う煙草の香りのする唇が彼から離れていくのが、ベニーは何故か惜
しいと思った。


23 :信頼と実績 ◆AO.z.DwhC. :2008/07/03(木) 00:47:34 ID:CjmWheoC

***

悪徳の街ロアナプラ、刑務所よりも犯罪者の多いこの街は、今日も賑やかだ。
品のないネオンの灯るストリートには光に群がる虫のようなわらわらと男たち
が吸い寄せられ、着飾った毒のある花を摘んでいく。通りの隅では子供が膝を
抱えて座り込み、その隣には死体が転がる。安酒と煙草とドラッグの匂いのす
る潮風が緩く頬を撫でる、混沌の街は今日も死と生が限りなく近く交じり合っ
ていた。

イエローフラッグの安い床を蹴り飛ばしながら、レヴィがいかにも不機嫌な様
子でカウンターに座して小一時間。ダニーは人生のうちでも三本の指に入るほ
どにきまずい六十分を過ごしていた。


「聞いてんのか、四つ目ヤロー」
「……聞いてるよ。今回のは僕のミスだった。悪かったよ、レヴィ」
レヴィの不機嫌の理由は、今日の仕事の最中にベニーのセッティングした機材
が途中で動作不良を起こしたことだ。幸い、レヴィの飛び抜けた戦闘能力と、
クールでタフな雇用主の機転のおかげでなんとか仕事がポシャることは避けら
れた。避けられたのだが。
やはり、レヴィは烈火の如く怒った。
当然だ。何しろ彼女はベニーを一応のこと「信頼」して彼の用意した機材を使っ
たわけだから。
「なあ、ボウヤ。ビジネスってのは信頼が大事だぜ。実績もな」
「レヴィにしてはマトモな意見だ」
「ああん? なんか言ったか? まあいい。いいか、ベニーボーイ、アタシは
とりあえず生きてる。生きてるんなら死にたくねえし、死ぬなら死ぬで、後ろ
から足引き倒されてコケた、なんて間抜けな理由で死にたくねえんだ。分かる
よな? 分かったか? どぅーゆーあんだすたん?」
思わず口笛を吹いたベニーの態度が気に食わないらしく、レヴィは舌打ち交じ
りにドスの効いた声で言った。赤子に言って聞かせるような小馬鹿にした口調
で、「わかりましたか?」と問いかけられたベニーは、顔をしかめてため息を
つく。
仕方ない。今日のミスは確かに、ラグーンの乗組員全員の足を引っ張る行為だっ
た。そして、一度それをやってしまった以上、ベニーが彼らからの「信頼」を
失うのは当然のペナルティだ。ビジネスパートナーとしてこの上ない痛手では
あるが、全ては自分のミスが招いたことであるからして、致しかたない。
小さくため息をついてグラスを煽ったベニーに、レヴィは肩を竦めた。
「悪かったよ、レヴィ」
「わかりゃいい。そんで、二度とすんな。じゃあ飲め」
ベニーの謝罪に、レヴィは気だるげに頷いて酒を勧める。
どうせ僕が奢らされるんだよなあ、と理不尽な思いで勧められるままに酒を飲
み干したベニーは、自分の視界がくらりと傾くのを感じた。
どうにも今日はアルコールのまわりが早いようだ。考え事をしながら酒を飲み
のは良くないな、と思いながら、ベニーはカウンターに突っ伏した。
「ボーイ、ヘイ! ベニーボーイ! ……チッ、潰れやがった」
カウンターで船を漕ぎ始めたベニーを揺すり、しばらくして彼が完全に沈没し
たことを悟ったレヴィが腹立たしそうに舌打ちをする。
そんな彼女に、新しい酒瓶の封を切ってやりながら、店主のバオは小さく肩を
竦めた。
「ま、なんか気がかりがあると、酒の回りは早ええもんさ」
「おーおー、さっすがボウヤは繊細なこって」
もっともな取り成しを混ぜ返し、レヴィは琥珀色の液体が注がれたグラスの縁
に口をつける。
彼女の、どこか詰まらなそうな顔を見るともなしに見ながら、バオは微かな苦
笑いを浮かべた。


24 :信頼と実績 ◆AO.z.DwhC. :2008/07/03(木) 00:48:59 ID:CjmWheoC

***

「……ここ、どこだ?」
汚え、と低い声で呟いたベニーは、アルコールの残滓が残る不明瞭な頭を必死
に動かそうと首をふった。結果、余計にノイズ交じりになった思考に、寝かさ
れていたベッドに再び潜り込む。
「あたしの家だよ。悪かったな、汚くてよ」
ずるずるとベッドに突っ伏したベニーの頭を蹴りつけ、酒で擦れた声でレヴィ
が応えた。
ぐりぐりと頭を踏み潰されながらベニーがとりあえず眼鏡を守るために四肢を
バタつかせると、レヴィはふんと鼻息を一つ吐く。
「――で、目は覚めたかよベニー? とっとと出てけボーイ」
「覚めた、覚めたよ! ていうか、僕はなんでレヴィの部屋なんかにいるんだ?」

「あたしの部屋”なんか”? 上等じゃねえかベニー。ケツの穴増やしてやる
から四つんばいになって後ろ向きやがれ、この×××!」

人種差別用語まで口にしながら、レヴィはカトラスを構えて額にくっきりと青
筋を立てた。まあ、酔っ払いを仕方なく連れ帰り、目を覚ましたソイツに汚い
家だのなんだの言われれば、キレたくもなるだろう。
――僕だってキレてるだろうなあ。
寝起きのせいか上手く回らない頭でぼんやりと考えながら、ベニーはまさしく
絶体絶命の自分の状況に内心で冷や汗を流した。
「うん、落ち着こう。お互いのために、それが一番いいよレヴィ。落ち着こう」

「いいか、ボーイ? あたしはイエローフラッグで潰れやがったお前をピック
アップで運んでやった、ベッドで寝かせてやった、ぐだぐだ言いやがるお前を
まだ殺さないでいてやってる。 神に感謝してもいいくらいの幸運だぜ、ベニー」

「感謝してるさ。ありがとう、レヴィ」
ベニーの茫洋とした言葉に毒気を抜かれたらしいレヴィは、殺気はそのままに
とりあえずカトラスの構えをとき、煙草を吸いだした。いまだ握られたままの
銃身が気になったが、とりあえずは上々の成果である。
「話し合うのは大事だね。機会を与えてくれて嬉しいよレヴィ。というわけで、
僕はこれで! 本当にどうもありがとう!」
「…………待てよ、ベニー」
一気に捲し立てて、レヴィの部屋から一目散に逃げ出そうとしたベニーは、彼
女の低い声に身体を硬直させた。
レヴィの声は、彼が今まで聞いてきた中でもっとも優しげでもっとも甘く、そ
して美しかった。
駄目だ。これは殺される。覚悟とともにベニーが彼女を振り返ると、そこには
微笑んだレヴィの姿があった。いつものどこか皮肉げな笑顔ではなく、ただ底
抜けに美しい、ごみ溜めの中に舞い降りてきた天使のような笑顔だ。
ジェントリー&センシティブ。
まるでレヴィが昔読んだ絵本の薄幸の美少女みたいに見えてしまう、その微笑
みに、ベニーは魅入られたかのように動く事ができなかった。


25 :信頼と実績 ◆AO.z.DwhC. :2008/07/03(木) 00:49:37 ID:CjmWheoC

「なあ、ちっと付き合えよ。すぐ終わるから」

低く甘い声で、レヴィはウィスパーボイスをベニーの耳に吹きかける。ベニー
とて立派な成人男性であるからして、この状況で「何に?」とか聞き返すよう
な野暮な真似はしない。
代わりにいつのまにか睫毛の触れ合いそうな距離まで接近していたレヴィを引
き剥がして、ため息交じりに言った。
「……レヴィ。クスリは良く選んだ方がいいよ」
「うるせえな。安かったんだよ。……どうせ今日みたいな日は眠れねえしな。
面倒みてやった手間賃だ、付き合えよベニー」
「……………………」
レヴィの言う、”今日みたいな日は眠れない”という言葉に、ベニーは眉を下
げる。
自分のミスが招いた、あの危機を指しているのだろうレヴィの独白は、彼の余
り多いとは言えない良心をしかし確実に抉るものだった。
「なあ、付き合えよ」
「……わかった」
再度、ベニーの顎を掴んで顔を近づけたレヴィの、酒気の香る甘い吐息交じり
の言葉に、彼はがっくりと項垂れて答えた。くく、と喉を鳴らしたレヴィが、
獲物を狙う動物めいた仕草で彼の喉元にかじりつき、舐めあげる。
次第に顎を伝って上がってくる彼女の舌を、自分の唇に受け入れながら、ベニー
は一体自分の何が悪かったのか、指折り考えていた。

――わかった。運だ。

そういや元々ツイてなかった、とますます落ち込むベニーにはお構いなしで、
レヴィは彼を強引にベッドに押し倒す。ベニーにとっての長く、熱い悪夢のよ
うな一夜は、まだ始まったばかりである。薄汚れたブラインドから覗くネオン
の明かりは、まだ煌々と夜を燃やして輝いていた。


26 :信頼と実績 ◆AO.z.DwhC. :2008/07/03(木) 00:51:12 ID:CjmWheoC

***

――まったくもって、イカれてる。

自身の上で腰を振る女の乱れる黒髪を見つめながら、ベニーはいつのまにか必
死で腰を打ちつけていた自分に内心で舌打ちした。ペースを乱されている。
それほど性欲の強いほうでないベニーは、ロアナプラでも適当にヌくか、女を
買うかで済ませてきた。もともと余りそういったことに執着する性質ではない
ので、女を巡ってどうこう、というイザコザに巻き込まれることも皆無である。
――それがどうだ。
かすかな薄笑いを浮かべるレヴィの、その表情を突き崩してやりたくて、ベニー
は必死だった。いままで抱いたどんな女の身体よりも懸命に彼女の快感を探り、
抉る。
「あ、あァ、……イイ、ぜベニー」
「そりゃ、どう、もっ……嬉しいね」
荒い息での軽口の応酬は、まるでいつもの調子だが、流れる空気はまったく違
う。床に放り投げられた衣服に、封の開けられたコンドームの袋、そしてカト
ラス。こんなときでも直ぐ間近に銃を置く、レヴィの痛々しいまでの強さに見
せかけた弱さに、ベニーは心を掻き乱されていた。
「んっ……ふ、あ、あ、アっ! い、イイ、……ハッ……」
「レヴィ」
囁くように名前を呼ぶと、レヴィの身体がひくりと――自身でも気付いていな
いだろうほどかすかに――ひきつる。何があったのか、悲しい癖だと思いなが
らベニーは腰の動きをはやめた。
「イイ、……あ、あアっ! ああぁっ……」
突き上げられる腰の動きに翻弄され、レヴィは切なく眉をひそめて嬌声をあげ
る。やがて、声にならない声を上げて、彼女は絶頂に達した。ひくひくと痙攣
する内壁の締め付けに、ベニーも溜まらずレヴィの後を追う。
倒れこむように重なり合った二人の身体には、じっとりとした汗が張り付いて
いた。

***

どんな時にも朝は来る。
たとえ来て欲しくない夜明けであっても、夜が来たからには必ず明けるのだ。
ブラインドから差し込む日の光に、ベニーは目を瞬かせながら定位置にあるは
ずの眼鏡を探して手を彷徨わせた。途中で、ここが自身の部屋ではないことに
気付き、記憶を辿りながらようやく眼鏡を探し当てると、ベニーはベッドから
身を起こした。
「―――――――」
未だ眠りこけているレヴィからは、健やかな寝息が聞える。改めて見ても、酷
い部屋だ。トラップのように転がる酒瓶に、積まれたゴシップ雑誌、そして箱
詰めの薬莢。
スラム街にふさわしい、スラムのような部屋だ。小さく口笛を吹きそうになっ
て、ベニーは慌ててレヴィを伺った。

――良かった。まだ寝てる。



27 :信頼と実績 ◆AO.z.DwhC. :2008/07/03(木) 00:52:11 ID:CjmWheoC

起きる気配のない家主の、だらしない寝姿に苦笑しながら、ベニーはぐしゃぐ
しゃに脱ぎ散らかされた服を身につけた。
よれよれの姿はいかにも、だが、まあ朝まで飲んでいた人間くらいしか通らな
い今の時間にはそれほど目立たないだろう。納得して一つ頷いたベニーは、未
だ眠りこけるレヴィの頭を一つなでた。
「少なくとも、僕は隣で寝てもらえる程度には信頼されてるのかな?」
昨日レヴィが語っていた「信頼」と「実績」の話を思い出し、ベニーはぽつり
と呟く。
我ながら馬鹿馬鹿しいが、重要なことのような気がするのだ。女性らしからぬ
豪快な寝相を少しだけ修正してやり、ベニーは問いに答えない家主に背を向け
る。
自分では吸わない煙草の匂いの染み付いた部屋は、レヴィの香りで埋め尽くさ
れていた。

***

ロアナプラの早朝のストリートには、死体が転がり、薬莢が散らばっている。
あまりにも現実的な、いつもの風景にベニーはたった今までいたレヴィの部屋
での全ての出来事が幻だったかのような錯覚を覚えた。
腕の中にかすかに残る彼女の香りと、焼きついて離れない、あの微笑み。
今日からはただのビジネスパートナーに戻る彼女との一夜は、早く忘れたほう
がいいような気もしたし、忘れてしまっては勿体無い気もした。
きっと両方なのだろう。しかしともかく、レヴィの抱えるものに踏み込んで彼
女と付き合うには、自分はすこし先が見えすぎる。


――できたら、見つかるといいね。レヴィ


あんな自分を傷つけるようなセックスをしないで済む相手を。自分のように小
狡く少しばかりスレた小悪党ではない、「信頼」できる相手を。
それはもしかしたら不可能かもしれないけれど、僕とレヴィが出会ったように
億単位の偶然が重なれば、可能になるかもしれない。


どこかにいるかもしれない、彼女に本当の「信頼」を与えてくれる誰かが、い
つか彼女の目の前に現れることを――ついでにその時まで自分たちがこのゴミ
溜めの中で生きていけることを――ベニーは心の中で祈った。


28 :終わり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/03(木) 00:53:34 ID:CjmWheoC
終わりです。お付き合いありがとうございました。

↓以下ロック×レヴィ風味のオマケです↓


***

「聞いてくれ、ベニー」

――ああ聞いてるよ。
とだけ返しても、この日本人は納得しそうにない。変なところで意固地なのだ。
自分が話しを聞いてやらないことには梃子でも動かないだろう。
「で、レヴィがどうしたって?」
「ああ、うん。なんか知らないけど、スネてるんだ。ベニーには心当りはある
かい? ダッチに聞いたんだけど、雇用主の守秘義務とか言われちゃって」
「…………レヴィに聞けば? いちいち構いすぎだよ、ロックは」
そうはいってもさあ、と呟いているラグーン商会の新米乗組員は、情け無さそ
うに肩を落とした。先日のレヴィとのデートで購入したらしいアロハが、笑え
るくらい似合っていない。本人も自覚しているだろうに、けなげに着用に及ぶ
あたり、流石は「信頼と実績の」ロックである。
「エダが胴元になって賭けてたんだよ」
「……何を?」
「君らがどうなるのか」
余りにも落ち込んでいるロックが気の毒になり、ベニーがため息をついて教え
てやると、この街では余りにも純な日本人は一気に顔を赤くした。街中で賭け
の対象になっていたことも気付いていなかったロックは、ようやくレヴィの不
機嫌の理由をおぼろげに察したらしい。
「あー、それでか。……なんか大変な事になったのかと思っていたけど、よかっ
たよ」
「そうかい? それはよかった」
十二分に大変なことだと思うが、とうとう感覚が麻痺したのだろうか。もとも
とイカレてるのかもしれない。なにしろ「あのレヴィと」まともに向き合って、
恋人として付き合っている男だ。どちらでも驚かない。ベニーが肩を竦めて雑
誌をめくり始めると、ロックは安心したように書類仕事に戻っていく。休日出
勤だというのに、熱心なことだ。

――よかったね、レヴィ。

小さく呟いたベニーの声が聞えたのか、訝しげな顔でこちらを見つめるロック
になんでもない、と手を振って彼はぼんやりと遠い一夜に思いを馳せた。
あの夜のことは誰にも言えない秘密として墓まで持っていこう、と固く決意す
る。
二丁拳銃を怒らせるのも、キレたら怖い日本人をつつくのも、得策とはいえな
い。
瞼に浮かぶ、儚く美しいレヴィの微笑みの残滓を振り払い、ベニーは雑誌を顔
の上に乗せて、ソファにずるずると横たわった。



29 : ◆AO.z.DwhC. :2008/07/03(木) 01:01:50 ID:CjmWheoC
書き忘れました。

保管庫管理人さんへ

いつも保管作業お疲れ様です。楽しく拝見させていただいてます。

お願いなのですが、わたしの書いた話の取り下げをお願いします。
今回の話も保管庫入りは希望しません。
最初に保管についての希望を明記せず、お手数をお掛けして申し訳ありません。
お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。


30 :名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 07:28:50 ID:XVZ0qbN1
GJ。

でも、正直、嫌なら2chになんか投下しなければいいのに、と思う。
理由はわからないけど、このスレにまとめサイトがあるのは知ってたよね。
多分、みんな過去の作品の誤字脱字とか、表現とか、中途半端な作品とか…訂正とか抹消したくて仕方ないこと沢山あるだろうに、
それでも投下した事実は消えないから何も言わずに恥に耐えてるのに。

31 :名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 23:03:22 ID:ONwivI3Z
>>19
そして教育方針をめぐり夫婦間で火花を散らすわけですね、わかります



理由もわからないまま一人の要望を聞いたら、
際限無くなってまとめサイトの体裁も保てなくなるかもしれないし、
ボラでやってくれてる管理人氏の負担ばかり増えそう

32 :名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:56:43 ID:74eDAJLX
>>30-31
おいおい本気で言ってるの?
そこは普通に流していいんじゃないかい
いちいち理由まで申告してたらキリがないしそもそもそんなにある事でもないだろう
自サイトに載せたいから保管しなくてもいいよ、って話だと思ってたわ

33 :名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 01:42:10 ID:EZfmhzLM
だったら2Chに投下する必要ってあるのか?

34 :名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 02:14:39 ID:74eDAJLX
あるでしょ
スレを盛り上げたり、沢山の人に見て貰いたかったりとか。

まあ管理の問題となるとやはり難しいんだろうし>>29の事情はもっと別のところにあるかもしれないし
見当違いな話題だったねごめん

35 :名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 05:22:03 ID:Yz0Ofy5t
まとめサイトに載ってるから自サイトに載せちゃいかんなんてことは、全くもって無いよね
まー理由なんか知ったこっちゃないけど、嫌なら投下すんなよ

36 :名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 08:05:41 ID:InwPUSDD
え、ちょっと待って、お前らそれマジで言ってんの?
作品の扱いは作者の勝手だろ?
まとめサイトっつったって、人が書いた話勝手にまとめただけの
拘束力も強制力もない代物だろ?

なんで作者<まとめサイトの構図なんか分からん。
ついでに言うなら、2ちゃんだからこそ投下したんであって、
まとめサイトに晒されるのは嫌っつー書き手さんて意外と多いぞ。
エロパロ板このスレしか見てない人ばっかなのか?

37 :名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 18:17:21 ID:+GRGHA7t
まあそんなにモメないで

楽しくエロ妄想するのが一番だと思うぜ

38 :名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 19:05:16 ID:vTcOEBnJ
そうそう。せっかく揉むならレヴィの乳揉もうぜ!

39 :名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 22:11:40 ID:qvygk1xo
>>38
揉むべきはレヴィの尻だろjk
乳なんざロックにくれてやれ

40 :名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 23:51:56 ID:YWsJ48SS
ではふとももは頂く

41 :名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 01:38:50 ID:M3N9S4Q+
う……(;ω;)
ずっとブラウザで見てたから新スレ移行に気がついてなかったんだぜ
ずっとレスがないなぁなんて寂しい思いをしてたんだぜ相棒

42 :名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 11:23:02 ID:doPU5xDr
ベニー×レベッカたんハアハア
はじめて見たカップリングだけどあんま違和感ないな。

ラグーン商会の男どもって全員穴兄弟でもおかしくないと思うんだ。
ダッチとはなんだかんだで一回くらいヤってそうだし、ロックはいわずもがな。
ベニーも今回の話で脳内補完できたし。

大穴で張の旦那×レベッカたんが見てみたい。

43 :名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 13:08:38 ID:UCgP69An
このスレで出てない(ヤって)ないのはダッチだけか?
姉御あたりと絡んでもいい気がする

44 :名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 22:31:16 ID:9hPqCHFU
やっぱダッチは巨根・・・だよね?

45 :名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 23:22:22 ID:cINmOE8N
今さらながらコミック読んだけど・・・
よくこんな暴君な女達をエロにできるもんだw

46 :名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 02:10:41 ID:f9STarNn
わかっとらんな
暴君だからこそ、ギャップが楽しいのではないか
ゆえに、最も楽しいのは姉御である



誰か書いて

47 :蒼空の続きぃ?10:2008/07/06(日) 10:22:28 ID:JGryl0RG
前スレ落ち間に合わなかったですが、続きです。
例によって長いです。その割りにエロ少な目。

+++

ロックとベニーが“荷物の片付け”から戻ると、ちょうどダッチが電話の受話器を置いたところだった。
ダッチには珍しく、やや困惑した様子のまま突っ立っている。
「「?」」
戻った二人は容易ならざる雰囲気に気圧され、これまた互いに困惑した表情で固まる。
例外は相変わらず寝そべって組んだ脚をブラブラさせているレヴィ一人。

ダッチは頭を掻きながらソファーに戻り、一服つけると
「ベニー、お前に仕事(アルバイト)の依頼だ。」
「へぇ、誰から?」
「依頼を寄越したのはロボスの野郎なんだが、………」
どうも煮え切らない返事。やはり普段のダッチとはちょっと様子が違う。

「ひょっとして例の偽札の件かな?」
ベニーが心当たりを口にした。
「らしいんだが、……仕事の内容については、明日直接会って話したいそうだ。
 ただ……、会うのはロボスの野郎じゃねぇ。……」
「…………」
ベニーは黙って聞いている。今はダッチの続きを待つしかない。
「……相手は噂のMr.オカジマだとよ。」
「「ええぇぇっ!」」
二人が驚いた反応を返し、もう一人は眺めていた雑誌をどけて、チラと関心を示した。

「詳しい内容は奴から聞いてくれとさ。」
「だ、だけど、そこに何故…」
ロックが疑問を差し挟む。
「新参者なんかが首を突っ込んで来てやがるんだ? なんか面白そうじゃねぇかよ。」
レヴィは一人ニヤニヤしながら言う。
それを見て複雑な気分になるロック。

「会見場所は向こうが指定してきた。」
ダッチはメモをベニーに手渡した。倉庫街のとある場所。
「車で来てくれとさ。車中で話すそうだ。」
「僕一人でかい?」
「向こうはそれがご希望らしいが、不安なら護衛一人くらいはかまわんとさ。
 ちなみに向こうは一人で来ると約束した。信用できるかどうかはわからんがな。」
「アタシの見た範囲じゃ、アイツはそれなりに信用出来そうな奴だけどな。」
レヴィの口から見知らぬ同胞の話題が出る度、自覚できない嫉妬と不安と焦燥がロックを苛んだ。


48 :蒼空の続きぃ?11:2008/07/06(日) 10:23:15 ID:JGryl0RG
翌日の午後。

事務所でダッチは例によってマグのコーヒーとアメリカンスピリットをやっていた。
しかし、どうもノンビリ気分になれない。
何しろ、さっきから部屋の中に鬱陶しいことこの上ないヤツが居るのだ。
落ち着かずにアチコチをセカセカ歩き回ったり、
ソファにドカッと乱暴に座ってイライラと指でテーブルを突付いたりしてみたり、
頭を掻きむしって意味不明な唸り声を上げたり、
本来やるべきデスクワークに全く手が付かない使用人。
やれやれ、レヴィも相当だと思っていたが、コッチの方も予想していた以上に重症だな。
どいつもこいつもまったく世話の焼ける連中だ。
ダッチは苦笑を禁じえなかった。

ベニーは昨日依頼のあったアルバイトの件で話を聞きに行っている。
レヴィは護衛役を買って出て、一緒に出掛けた。
「アイツは一応武装してやがるし、用心に越したコトはねぇだろう。
 それに奴のツラなら知ってるしな。」
一瞬『俺も』と口から出かかったロックだったが、寸でのところで声を引っ込めた。
考えてみたら自分が同行する理由が無い。
相手は日本人らしいが通訳が要る訳では無いし、依頼された仕事とも自分は関係して無い。
勿論、護衛役なんてするよりされる側だから問題にならない。

ロックの焦燥感は、果たしてレヴィがスンナリ帰って来るか、その一点に集約される。
もし、今回の話がうまくいかずに決裂(トラブル)という事態になったら?
なら簡単だ。ほぼ間違いなくレヴィが自らの手で片付けてくれる。
気がかりなのは、話がまとまった後でベニーが一人で帰って来たら?
レヴィが護衛役を買って出たのは、奴と会いたいからじゃないのか?
会って、用件を済ませて、その後で、何をする?
くだらないと自覚はしているが、そのくだらない妄想がどんどんロックの中で膨らんでいた。

「どうだ、ちょっとはレヴィの気持ちが分かったか?」
「え?!」
心ココに在らずだったロックに、唐突にダッチの声が割り込んだ。
それにしてもダッチは何を言いたいのか。
レヴィの気持ちなんて皆目分からない。分かるわけも無い。分かるならこんなにイライラと悩んだりしない。
「…………」
「ふふん、勘違いするなよ、ロック。
 今のお前に拳銃でも持たせたら、部屋の壁を穴だらけにしそうに見えたんでな。」
??!!
何のことはない、レヴィの気持ちというのは、度々暴発する乱射タイムの時のことを言っているのだ。
例によってダッチの話術にまんまとハメられたロックは、照れて顔を真っ赤にしていた。
おかげで、ロックのイライラが一時棚上げに出来たのは、双方にとって益のあることだった。


49 :蒼空の続きぃ?12:2008/07/06(日) 10:24:03 ID:JGryl0RG
「まったく妙な依頼だったよ。」
戻ってきたベニーは開口一番、ヘンテコなアルバイトの件を話した。
ちなみにレヴィはケロッとした顔で一緒に戻り、ロックを安堵させていた。

「偽ドル原版作成の依頼じゃねぇのか?」
「いや、原版を作るんだけど、ヘンな内容でね。
 一見デキの良い原版に見えて、
 実際に刷ると素人でも一目で偽物とわかるようなものを吐き出すのが欲しいんだってさ。」
「何だそりゃ?!」
「まったく、コッチも誰かに聞きたい気分だよ。」
「ロボスの野郎の依頼か?」
「そこのところがハッキリしないんだよ。
 どうも原版が欲しいのはロボスで、Mr.オカジマはロボスを嵌める気じゃないのかな?」
「直接ロボスがコッチに依頼して来ねぇってのがわからねぇな。」
「金策じゃないかな。
 ロボスがMr.オカジマと何等かの取引をして、何かと引き換えに原版を得る。」
「なるほど。ロボスの奴、この間の件で国元筋に顔向けできなくなってる。
 何でもいいから原版が欲しいが元手が無い。
 で、噂のMr.が欲しがる物を提示して、ウチを紹介して原版を作らせる、と。」
「そんなとこかな。」
「もう一つ気になるのは、そのMr.、金持ってるのか?」
「それについては、信用出来ないなら仕方ないから断ってくれてイイってさ。
 別口の原版のアテがあるのかどうか知らないけどね。
 で、どうするダッチ? この仕事請けるかい?」
「どうせ実作業は“彼女”まかせだろ、ベニーボーイ。
 “彼女”の説得はまかせる。」
「了ぉー解。」
堂々と“彼女”と会って話せることになったベニーはご機嫌である。
レヴィは相変わらずゴロ寝モードに突入していて、ベニーの話には全く無関心。
また、焦燥感に苛まれ始めた人が一名。

「それにしても、素人にもバレるような玩具の札を刷るんだろ。
 刷り見本はどうするつもりだ?」
「それはMr.が既に準備していたよ。見せてくれたけど良く出来ていたね、アレは。
 ジェーンに見せたら卒倒するかもね。」
「アタシにもまるで本物と見分けがつかなかった。」
レヴィが横から口を挟んだ。
「ほう、じゃ何故その見本が贋札と分かる?」
「表と裏で逆さに印刷されてた。失敗見本だってさ。」
「なるほど。
 しかし自分でそんなの作れるヤツが何で他所に依頼するんだ?」
「さぁてねぇ……」


50 :蒼空の続きぃ?13:2008/07/06(日) 10:24:55 ID:JGryl0RG
「一見すると完璧に見えて、実は不出来なものを作り出すってのも技術的には面白いチャレンジでね…」

その日の晩のイエロー・フラッグ。
カウンター席にロックとベニーが並んで収まっていた。
ダッチとレヴィは少々物騒な件で出掛けたため、珍しくこの二人の組み合わせとなったのだ。
ロックはとっとと帰って一人になりたい気分だったのだが、
ベニーが話があると誘ったのでこの状態になっている。

ベニーはご機嫌で一人喋り続けている。
「1996年に合衆国は100ドル札を改刷したんだけど、この時に初めて米ドル札にスカシが導入されて…」
「なぁベニー、あんたの話したいことってアルバイトの件かい?」
半ばイヤイヤ付き合わされた格好のロックは、不機嫌な口調を隠しもせずにベニーの話の腰を折った。
ロックのボヤきに、ベニーは思わず吹き出してしまった。
「いやいや、悪かったロック。本題の前のIntroductionだよ。」
クスクス笑いながら謝罪されても説得力ゼロである。
ロックは相変わらずムスっとしたままラムを舐めている。

「とりあえず向こうの依頼を全部聞いて、持ち帰って検討すると約束したんだけどね、
 その後があったんだ。」
「………」
「レヴィの件でね……」
彼女の名前が出た途端、それまで呆けたような顔をしていたロックの顔色が変わった。
「な、何があったの!?」
「そう慌てない。順番に話すよ。」
ベニーはクスクス笑いが止まらない。一方ロックは急に焦れったくなって話を急かす。

「それで!?」
「僕とMr.は運転席と助手席に座っていたんだ。レヴィは後部座席ね。
 あのMr.はいい度胸してるよ。銃を抱えたレヴィにずっと背中向けて平気でいたんだから。」
「レヴィの件ってのは!?」
「話が終わった後で僕とMr.だけ、いったん車を降りたんだ。まあ、別れの挨拶だね。
 握手したらいきなり引っ張られてね、レヴィに聞こえないようにして小声で聞かれた。」
「何て!?」
「あのMr.、僕の耳元で『君が彼女(レヴィ)の思い人か?』って聞いてきたんだよ。
 よりにもよってこの僕にだよ。もうちょっとで大笑いするところだった。」
ベニーの笑い声のボリュームがちょっと上がった。
ロックの心拍数も一緒に上がった。


51 :蒼空の続きぃ?14:2008/07/06(日) 10:25:42 ID:JGryl0RG
「これはひょっとするとロックが興味を持つ話が聞けるかと思ってね、曖昧に返事したんだ。
 『だったら?』って。」
「うん、で?」
ついさっきまでの不機嫌さは何処へやら、ロックはベニーの話を一語一句聞き逃すまいと全神経を集中している。

「あのMr.も結構タヌキだね。コッチが曖昧な返事したんで、曖昧な謎掛けをしてきたよ。
 『そうだったら、…彼女を大切にな。
  “ハート”が砕ける寸前の繊細なガラス細工になってたよ。
  で、そうでないなら…そうだなぁ、あれでタバコ臭くなきゃ言うこと無いんだがねぇ。』
 これ、どういう意味だと思う?」

なんとなく見当は付く。というか、そのままだろう。
ヤったか、ヤってないかで言えば、たぶんヤったんだろう。
やっぱりか。
なんとなくロックは力が抜けてしまって、思わず溜息が出た。

「なぁベニー、その……そいつってどんな奴だった?」
「見かけの話かい?」
「うん…」
「なんて言うかなぁ、ただの貧相なオジサンだったよ。
 少なくともレヴィがああいうのがタイプとは思えないねぇ。」
そんなのと、何故……
ロックは急にアルコールが回ったような目まいに襲われた。

「笑ってるかと思えば、深刻な顔したり忙しいな、何の話だい。」
珍しいことに、バオが接客の合間に首を突っ込んできた。
普段のバオはめったに自分から客の話には加わらない。
別に無愛想なわけではない。この店の客の話題など、関わらない方が身のためなのだ。
ただ、この二人の話題なら心配ないだろうという、彼なりの判断である。


52 :蒼空の続きぃ?15:2008/07/06(日) 10:26:22 ID:JGryl0RG
「ちょうどいいや。ココは人生の先輩に助言を仰ごうよ、ロック」
「えっ? あ! いや、バオ、何でも無いよ。」
「連れねェな、俺だってテメエ等よりはちったぁ人生経験は積んでるつもりだぜ。」
「何でもないってば。」
「ははーん、オンナがらみか? どーだい図星だろ?」
ロックは必死になって否定したが、真っ赤な顔にはでっかく『その通りです』と書かれている。
ベニーはグラスを揺らしながらニヤニヤとそれを眺めていた。

「アレか? レヴィが例の旦那とヤらかした件か?」
もうロックはそっぽを向いて無視を決め込んだ。
「そうそう、それで焼きもち焼いてるワケだよ。」
ベニーが余計な事を言う。
「なっ! そんなんじゃ…」
慌てて否定するロック。

「なるほどなァ。
 けどな、大概のオンナなんてぇのはそんなモンだぜ。」
レヴィはそんな女じゃない。それは誰よりも自分が良く知っている。
ムスっとしたまま、ロックは黙ってやり過ごそうとした。
そんなロックを見透かしたように、バオが更に火に油を注ぐような事を言う。

「マァ、あれだ、野郎ってのは自分のオンナだけはそんなこはしねェと思いがちなんだが、
 これが大間違いってヤツなんだな。
 野郎が知らねぇトコロでとんでもない本性を見せたりすっからなァ。
 だからよ、あんまり深刻になることァねえぜ。」
ロックは初めてバオに殺意を抱いた。
いつもは店を破壊される度にバオのことを気の毒に思っていた。
だけど今は違う。
ダッチの言葉『今のお前に拳銃でも持たせたら…』
ああ、間違いなく店内で乱射してやる。
いや、そんなもんでは気が済まない。
いっそのことラブレス家から使用人の一個大隊くらい派遣してもらえないだろうか。
さぞ痛快なことになるだろうに。
ド派手なドンパチを脳内展開して憂さ晴らしするロックだった。


53 :蒼空の続きぃ?16:2008/07/06(日) 10:27:18 ID:JGryl0RG
「久しっぶりでド派手なドンパチをできると期待してたのによぉ、
 スンナリ話をまとめやがって、あのクソダッチ。」
穏やかでないことを、ケロっとした顔で話すレヴィ。

ベニーとバオに散々からかわれたロックは、早々にイエロー・フラッグから退散して自分のヤサに戻った。
一切払わずに出て来たが、今日はベニーの奢りだ。ロックは勝手にそう決めていた。
話を聞かせてくれたことには感謝している。
だけど、バオと一緒になって酒のサカナにしてくれたんだ。
それぐらい払ってくれたってバチは当たらないだろう?

色々とモヤモヤを抱えたロックはとっとと不貞寝を決め込むツモリだったが、そうはいかなかった。
ヤサに戻っていくらも経たないうちに、物騒な取引から戻ったレヴィが押しかけて来たのだ。
よりにもよって、あのレヴィが。
どこかのオッサンとヤらかしてくれたレヴィが。
まったく、今日はバイオリズムが最低最悪なのか、それともシスター・エダが黒魔術でも使ったのか。
バオのところに一個大隊どころの騒ぎではない、自分のところが一個師団に攻撃された気分だ。

無遠慮に上がり込んだレヴィは、勝手知ったる他人の家とばかりに、
戸棚からロックの酒瓶を取り出して飲り始める。
そんな彼女をぼんやりと眺めているロック。

「どうした。シケた顔してねぇで、オメエも飲め。」
誰が買った酒だよ。
何でそんなふうに好き勝手できるんだよ。
俺はお前にとってはタダの酒蔵で、やっぱり単なる性欲処理の道具なのかよ。
ロックはどんどん黒い思考に汚染されて行く。

ヤバイ、これは絶対にヤバイ。
このままでは自分は間違いなく大暴走をカマす。
そうしたら、彼女との関係ももう終わりだ。
The END
ならいっそのこと、彼女が本気で身の危険を感じて自分を始末してくれたら…
血風呂(ブラッド・バス)が出来なくて欲求不満なんだろ。
なら俺が襲ってやるよ。
俺の身体をカトラスの生贄に奉げてやるよ。


54 :蒼空の続きぃ?17:2008/07/06(日) 10:28:08 ID:JGryl0RG
「なぁ、どうかしたか。」
一杯目を干すと、一服点けたレヴィが何とは無しに訊いて来た。
そんな無警戒な彼女の態度が、一っカケラだけ残っていたロックの理性を揺り動かした。

『“ハート”が砕ける寸前の繊細なガラス細工になってた』

あれはどういう意味だ?
自分は今の今まで、ヤったかヤってないかの行為だけに焦点を当てていた。
レヴィは何故そんな行為に及んだのか。その“何故”を無視していた。

例の“事件”。
あの時はよりにもよってどこぞのヤク中に身体を売るところまで彼女の“ハート”はズタズタになっていた。
最近調子が良さそうに見えたので、すっかり気にせずにいた。
ひょっとして今回も何かあって、苦悩の末の行為だとしたら?

戻った翌日の晩の情事。
普段とは違ったあの態度。およそ彼女には不似合いな“ロマンス”という言葉。
あれは彼女なりの何かのサインではなかったのか。
自分はそれに応えられただろうか?

考えてみたら、今夜だってそうだ。
撃ち合いにはならなかったらしいが、緊張で胃がキリキリする思いだったろうに。
そんな現場から無事に帰って、ホッとするひと時。
何でそんな彼女を労わってやれないんだ。
一気に黒い霧が晴れたロックは、とりあえずレヴィと差し向かいで飲ることにした。

疲れが出たのか、レヴィは酒瓶が一本空いたところで早くもテーブルに突っ伏し、
お休みモードに突入してしまった。
「レヴィ、こんなところで寝たら風邪引くよ。」
肩を揺すってみても、
「……るっせぇなぁ、わぁってるよぉ……」
全然わかって無い。
タオルケットを掛けてやっても、すぐ身体をモゾモゾ揺らして床に落としてしまう。
処置無し。
「しょうがないなぁ…」
ロックはレヴィが椅子から落ちないように支えながら羽交い絞めにすると、
ベッドまでズルズル引き摺っていった。
どうにかしてベッドに上に横にし、彼女愛用のコンバットブーツを脱がし、
これまた愛用品で肩から提げっ放しのホルスターを外してやる。
こんな重いもの四六時中提げてて、よく肩が凝らないよな、と思いながら。
ついでで両手に張り付いたようなグローブも何とか引っ剥がす。
やれやれ、ロックは床に落とされたままのタオルケットを拾いに行こうとした。
その途端、背後から引っ張り戻されてベッドに尻餅をついた。
レヴィが腰に抱きついて来たのだ。


55 :蒼空の続きぃ?18:2008/07/06(日) 10:28:50 ID:JGryl0RG
『まったくよぉ……、
 目の前でオンナが無抵抗に寝ちまってるんだぜ。
 襲うだろ、フツー。
 ましてアタシとオマエの仲じゃねぇか。普段から散々ヤってるじゃん?
 だいたいナンだよ、ベッドにお連れするなら抱っこするのが礼儀ってモンだろうに。
 それを引き摺ったりしやがって、貧相なヤツめ。』

頭の中でブツブツ文句を並べながら、レヴィはついに実力行使に及んだ。
ロックの腰に両手を絡めて離そうとしない。
何とか手をどけようとしたロックだったが、何度か抱き着き直されてタオルケットは諦めた。
仕方が無い、ベッドの縁に座ると彼女の頭や頬を優しく撫でてやる。
レヴィは猫ならゴロゴロ喉を鳴らしそうな蕩けた表情になる。
そうやって手から力が抜けてきたところで再度立ち上がろうとするが、その度に引っ張り戻される。
『傍から見たらバカみたいなことやってるように見えるだろうな。』
ロックはそう思いながらも飽きもせずに同じ事を繰り返した。

「オマエ……イイ加減にしろよ………」
何度目かの引き戻しの祭に、とうとうレヴィの口から文句が出た。
ロックは、浮気しておいて何を言ってんだか、と呆れたが仕返しにちょっと意地悪したくなった。、
「それじゃあどうして欲しいのか、はっきり言ってよ。」
「………」
『コイツ、分かってるクセしてワザと聞いてる。言えるかっ、そんな恥ずかしいコトっ。』
レヴィは相変わらず頭の中だけで文句をつける。

目を閉じたまま、ちょっと膨れっ面をしているレヴィが可愛くなって、ロックは更にイジメてみたくなった。
「黙っていたら分からないよ。」
「………」
「やっぱり数こなしたくなった?」
「………?」
「ヤったんだろう? 噂のオジサンとも。」
「………!」
レヴィは手を離すと、ゴロリとベッドの上を半回転してソッポを向いてしまった。


56 :蒼空の続きぃ?19:2008/07/06(日) 10:29:40 ID:JGryl0RG
「……レヴィ?」
「…………な………だよ。……」
「…え? 何?」
「だから、……どうせ、……アタシは、……
 ああ、そうだよ! すぐにヤりたがる、尻軽オンナだよ! 誰彼見境無くな!!」

ヤバ、失敗した。
ロックはうっかりでは済まない地雷を、思いっきり蹴飛ばしてしまったことを悟った。
別に問い詰めたいわけではなかった。
『知ってるぞぉ〜』ってな調子で、軽い気持ちで指摘したつもりだったのに。
ところが、レヴィは想像以上に深刻に受け止めてしまったらしい。

「……あ、いや、……別に、……その、そんなこと思ってないし……」
「ウソだ! そう思ってる。そう思って当然だ。」
ソッポを向いたまま、レヴィが悲鳴のような声をあげる。
「……お、思ってないよ。……えーと、……ゴメン、……」
何で浮気された方が謝っているんだ? ロックは何とも理不尽な気分になる。

少し肩を震わせていたレヴィは、黙ったまま起き上がると、ブーツを履こうとした。
「レヴィ!?」
「……悪かった。もうココへは来ねぇから……」
レヴィはそれだけ言うと、そのまま立ち上がろうとした。
が、それはできなかった。
今度はロックがレヴィを背後から抱き締めてベッドへ引き戻したからだ。
「は、離せロック! こんな、こんな淫売と付き合ってもロクなコト無ぇ。」
手足をバタつかせてレヴィは抵抗した。
「だからさ、前にも言ったろ。レヴィの話を聴く気が無い程ケツの穴小さか無いって。」
ロックが必死に抱き締めたままこう言うと、レヴィは抵抗を止めてそのまま俯いてしまった。
「……誰も……居なかった。」
「え?」
「あの時は、誰も…、オマエも、側に居なかった……。」
「……ああ、そうだったね。」


57 :蒼空の続きぃ?20:2008/07/06(日) 10:30:28 ID:JGryl0RG
一時間後。
レヴィはベッドの上でうつ伏せになり、四肢をだらしなく放り出していた。勿論素っ裸。

ぼそぼそとレヴィの悔悟の告白の後、二人は身体を合わせた。
前でノーマルに交わった後、ロックは“浮気のお仕置き”と称して後ろにも突っ込み、さらに上の口にまで咥えさせた。
そして今は、顎を突き出したレヴィの上の口はタバコを咥えていた。
鼻先には灰皿がある。シーツとマットレスを炎上させられてはかなわないと、ロックが置いたもの。
久しぶりでトライ・穴(三穴)を攻略したロックはご満悦だったが、レヴィはムッつりしている。

「なんかご機嫌斜めだね。」
「オマエなぁ、ケツに突っ込まれたモノしゃぶらされて愉快だと思うのか?」
ぐったりしてタバコを咥えたまま、レヴィが面倒くさそうに答える。

「まぁ、お仕置きだから。」
「けっ、オマエとはもうヤんねぇ。」
「それで?」
「イクヤのオヤジの方がよっぽど優しくしてくれらぁ。」
「ははー、そんじゃその度にお仕置きだ。」
「ぐっ。何でそうなるンだよ。」
「それじゃあ、改めて優しくシようか。」
「フざけんな。オマエがヤり足り無いだけじゃねぇか。」
図々しく頭を撫で始めたロックに、レヴィは口では拒絶するものの、身体は相変わらず放り出したまま。
腰が抜け切ってしまったのか、もう呆れて抵抗する気も起きないのか。

「なぁレヴィ……」
頭を撫でながらロックが訊いた。
「あん?」
「このところ妙に“ロマンス”なんて求めていたのも、オジサンの影響?」
「………怖かったんだよ…」
「怖い?」


58 :蒼空の続きぃ?21:2008/07/06(日) 10:31:20 ID:JGryl0RG
「あのスケベオヤジに抱かれて、溺れかかっちまったんだ。
 それが怖かった。
 そんな筈は無ぇ、アタシの大事な男は一人だけの筈なんだ……
 それで…、それを…、確かめたくて………」
途中でトンでもなく恥ずかしいコトを告白していると気が付いたレヴィは、段々声が小さくなる。
咥えていたタバコを灰皿に落とすと、顎を引いて顔をベッドに埋めてしまった。
心なしか耳が赤い。
ロックはレヴィがどんな顔しているか見たくて、撫でていた手で頭を掴むと、
顔を強引にこっちを向かせた。
目を閉じて真っ赤になった顔。
「止せ、見られたモンじゃねぇ。」
レヴィは直ぐに頭を戻してしまった。

「レヴィ……」
彼女の言葉と態度のダブルパンチで一挙にいきり立ってしまったロックは、
肩を抱いて仰向けにしようとした。
勿論、もう一発、今度は目一杯優しくスるツモリで。
だがしかし、そう簡単にはいかなかった。
レヴィの半身が上を向いたところで、ロックの顎に左アッパーが命中した。
奇襲を受けたロックは、もんどりうってベッドの下まで転がり落ちた。
「ロォォォック!」
「ふぁい」
「だ か ら そんなにヤりたきゃ、先ずシャワー浴びてキレイに身体磨いて来いっ!」

*****

「…んっ……ロッ…ク………ぁう…んっ……」

シャワーを浴びた後、二人は再度身体を絡めた。
レヴィの口から控え目の喘ぎ声が漏れ、吐息が身体を密着させたロックの鼻腔を刺激する。
『タバコ臭くなきゃ、もう言うこと無い』
悔しいコトではあったが、ロックは見知らぬ同胞の感想に同意だった。



+++

長々とお付き合いありがとうございました。
それにしてもなんか不器用な二人……


59 :名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 23:16:16 ID:qyJcFw9s
じゃあ次はロック×ヨランダいってみようか

60 :名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 23:34:33 ID:uuqOllss
ヨランダってすげえとこ突いてくるなオイ

しかし実際どうなんだろ
ロックがマザコン入ってたらイケそうか?
包容力ありそうだし年の功でなんだかんだ恋仲になったら上手くいくかも試練。

そんでヨランダが微妙に歳の差気にしてたらいいかもな
浮気してもいいよとか私が死んだら教会の利権やるとか言われてロックが怒るイベントもほしい。
最終的には自分の教会の礼拝堂でロックの若い性を受け止めて蟠りが消える王道のノリがいいな
やっぱりシスター犯すなら教会だよハアハア
よーしパパ書いちゃうぞー




ごめんやっぱ無理

61 :名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 01:31:59 ID:XU3TT7tD
まあ、若ヨランダなら全く問題ないが……

62 :名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 03:51:29 ID:/iWzZfZT
ロック×若ヨランダは成り立たないだろう・・・

63 :名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 08:09:21 ID:ycWaU3ax
時代の事を言っているならなんら問題無い。なにせここはエロ『パロ』なのだから!
巻末オマケ使えばいくらでもおk

64 :名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 16:36:26 ID:nIDM0s2Y
ロリライカ×ショタボリスという手もあるぞ

ロリシェンホアもあるが問題は相手を誰にするかだな

65 :名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 20:50:34 ID:GgSEadsM
乙ですー。
次はオリジナルの話が読みたいですー。

66 :保管庫”管理”人:2008/07/08(火) 19:41:35 ID:jIulBNNj
前スレ落ちてたの今知りました。
珍しくレス無いなーとかのん気に思ってました。すいません。

職人さんの要望ですが、誤字脱字の修正でも削除でも
何でも構わないのでどうぞお気軽に。
ただ、反映まで若干時間掛かるかもしれないので
そこの所理解して頂ければ…と思います。
遅レスな上、なんか空気読んでなくてスマソ

67 :名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 19:43:29 ID:jIulBNNj
なんで名前に””が・・・

68 :名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 20:55:34 ID:Cv1cFNhJ
つ特攻の拓
ハードラックとダンスっちまったんだよ。気にしてやるな。

69 :名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 23:56:30 ID:eR3xlr8b
>>60
ダッチに暴力教会に注文した品物を取りに行ってほしいと頼まれた。
レヴィやダッチみたいにドンパチをやらない俺はこういうのが仕事だ。
「こんにちはー!ラグーン商会ですが品物を受け取りに参りました!」
礼拝堂の大きな扉をこう叫びながら何回も叩くが誰も出てこない。
さらに何回か叩いたところで礼拝堂の扉がが開く
「まったく…礼拝堂から入ってくるなと何回も言ってるだろうが」
中から出てきたのはレヴィに思い切りグーで殴られた時ぐらい目の覚める美人だった。
「すみません。ラグーン商会の者ですが注文した商品を受け取りに来たのでけど…」
「おやおや…誰かと思ったら坊ちゃんじゃあないか。今日は坊ちゃんがお使いに来たのかい?」
このどこか妖艶な雰囲気を持ったシスターはどうやら俺のことを知っているようだ。
「入りな。今日はいい紅茶が入ったんだ、ご馳走してあげるよ。」
「あの…初めてお会いする方だと思うんですがどちら様で?」
俺はそう尋ねるとシスターはケラケラと笑っている
こんな美人は会ったら忘れるはずは無いと思うのだが…俺の記憶がおかしいのだろうか?
「あたしゃヨランダだよ。なぜかは知らんが朝起きたら若返っちまっててねえ、嬉しい限りさ」
口ゲンカで怒ったレヴィにいいボディをもらったあとぐっすりおねんねしてしまうくらいの気持ちいいアッパーを
もらったような衝撃が走った。そんなマンガみたいな都合のいい事があってたまるか
「まあ詳しい話は中でしようじゃあないか、取りあえずお入りよ。」
その時シスター・ヨランダの口元が少し歪んでいるのがちらりと見えたのだが
この時点で俺はまだその意味を知る事ができなかった


若ヨランダとロックならなんとかなりそうだが
ここまでしか考えられん無理

70 :名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 06:09:34 ID:zvfpDvQh
ダメだ・・・どうしてもオマケ漫画のヨランダが浮かんでこない・・・

71 :名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 10:38:45 ID:dFSrmXeC
>>70
見ればいいだろ

72 :名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 12:21:40 ID:G6J2HLqc
呼吸数を抑えていたヨランダが脱皮したり、シワシワを内圧高めて短時間若返ったりするんですね








双子×ヨランダだとカオスの極みだ

73 :名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 20:10:38 ID:zvfpDvQh
>>72
老師かよw

74 :名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 00:07:11 ID:Ub32ERaU
バラライカの姉さんをひぃひぃ言わせたいのぅ

75 :名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 01:38:56 ID:bP4q+whI
それよりバラライカの旦那とメガネッ娘ベニーが絡んだら
一体どうなるのか気になる

76 :名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 03:57:34 ID:H0O1bx5S
アニメくるー

77 :名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 17:11:04 ID:OETEH9q8
第3期って8巻出てからか?

78 :名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 18:08:01 ID:QACAouSQ
冬か春かな

79 :名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 01:42:04 ID:yBxdnGYe
容量オーバーで新スレ移行してたのに今まで気づかなかった俺バカスorz

昔はレス数だけじゃなく容量警告も出たんだがなあ…。

80 :名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 00:08:19 ID:8VC5C60y
前スレで鬱撒き散らしてしまったお詫びに取り敢えず

【い.バカップル】

要望があったものは、ちまちま書いてみようかと
シンプルに纏めるとか言いつつ、やっぱり意味無くダラダラ長い。
そして、『バカップル』という響きを追求するあまり、『バカなだけ』の二人に。

・・・・・・

ラグーン商会のガンマン、レヴェッカ嬢はその日、空腹で目が覚めた。
眠い。
だがそれ以上に腹が減った。
このところ立て続けに4件仕事が入り、補給と荷積みで数時間戻った以外は10日間ほぼ海の上。
だから昨夜は、今も欝陶しく絡みついたまま寝息を立てる男――ロックと二人、食事も摂らずに溜まりに溜まった
欲求不満を解消したのだ。
眠い目をこじ開けながら男の腕と足を払いのける。
(つーかコイツ突っ込んだまま寝てやがる…くたばれ!)
シャワーを浴びにベッドから抜けだした男が、戻って来るなり抱きついて来たのは覚えている。
無視を決め込んで、寝に入っていたのだが…まさかそのまま突っ込んで来ていたとは。
呆れてモノも言えない。
彼女が自身の乾きかけた身体に納まったままの男のソレをずるりと引き抜くと、密着しているためか内臓を引き
抜かれるような…いつもとは違う感覚。
「ん…ぁあ…っ…ぁ…」
やっべ、クセになりそう…そんな不本意な快感に眉を潜めつつ起き上がって時計を見る。
7時だ。
ウトウトしながらダラダラとヤり続け、男が抱きついて来た折には外が白み始めていた。
正味3時間位は寝ていたのか。
欠伸をしながらガシガシと頭を掻いていると腰に何かが絡まる感覚。
「……レヴィ〜?」
間抜け面で眠りこけていた男が目を醒まし、寝ぼけて腰に抱き着き頬を摺り寄せている。
中途半端に伸びたヒゲが腰にジョリジョリと当たって、痛い。
「…うぜぇよ…死ね」
悪態を一つ、そして空腹を伝える。
「んー?何も無いよ?10日間居なかったし。インスタントヌードルならあるかなぁ」
「それでいい……作れ」
当たり前のように命令を下すと、これまた当たり前のように惰眠を貪るべくシーツに潜り込む女。
男は、やれやれと内心呆れつつ、クローゼットからスウェットパンツを引っ張り出してキッチンへ向かった。

鍋に湯を沸かし、中身を適当にブチ混んで煮込むだけのシュリンプ味のソレ。
カピとニンニクを炒めてから煮込み、少し風味を付けたのだが、どうにも物足りない。
野菜は…無い。
ああ、確か冷蔵庫に卵があった。
2週間前に買ったものだからまだ大丈夫。
二人分の材料が煮立った鍋に卵を割って落として………。

「レヴィ、大変残念なお知らせだ」
「…んぁ?」
「卵が腐ってた、そして本当にもう何も無い」
「…………Why?」
「多分腐ったのを売り付けられたんだろ、迂闊だったよ、いつもならボウルに取って確認してから使うんだけどね」
部屋に漂うは、香ばしいカピとニンニクと香辛料の効いたスープの香り。
レヴィの胃袋は臨戦態勢に入っていた。
「あー…クソ、昨日何か買って来とくんだった…。」
「仕方ないだろ、現に何も無いんだから。食いに行こう」


81 :名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 00:09:21 ID:8VC5C60y
本日、彼女の予定の中に外出の二文字は無い。
朝から晩まで、彼の部屋着を着て、寝て、食って、ヤって、ダラダラして、飲んで、食って、ヤって、ヤって、ヤって、
寝て…の、自堕落まっしぐらコース、のつもりだった。
「メンドくせぇ、適当に買ってきてここで食おうぜ、今日はとことんダラダラすんだよ」

一方、彼の予定はこうだった。
昼くらいまでは彼女と二人仲良く惰眠を貪り、あわよくば1回位はお相手頂き、午後からは食料及び切れ掛かって
る雑貨の補充。彼女に起こされた時点で既に歯車は狂い始めているが。
「そうしたいのは山々だけど、買わなきゃならないものが沢山ある。メシ食ってから市場に行くつもりだけど…」
「そんなのあたしの予定にない」
「俺の予定も既に狂ってる。予定なんてそんなモンだよ。メシ食って、買い物して、早めの晩飯作って、あとはゆっく
 りしよう」

レヴィは考える。
ここでウダウダ言ったところで、メシが出てくるわけでもない。
どうせ出かけるなら午前中の方がまだましだ。
それにコイツと買い物に行くのも久しぶり、行けば行ったできっとそれなりに楽しい。
「……………………………………シャワー浴びて来る。あたしの下着どこだ」
「2番目の引き出し」
「…オーライ」
彼女がフラフラとシャワールームへ消えたのを確認し、ベッドに目を遣る。
よれてしわくちゃのシーツには昨夜の交感を思い出させる無数のシミ。
どうせ帰って来たならば飽きずにまた身体を交えるのに、シーツの換えはあと1枚こっきり。
ロックは剥がれかけたシーツを引っ張り腕に抱えると、床に散らばる自分のシャツと下着、そして彼女の服と下着
を次々拾い上げ………………無表情にそれらを洗濯機にブチ込んだ。





82 :名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 00:10:21 ID:8VC5C60y
「アホかてめぇは!お前の部屋にゃ下着しか置いてねぇんだよ、洗濯したら着るモンねぇだろが」
レヴィは大層ご立腹だった。
大股開きで椅子に腰掛け、テーブルに肘をついて激しく貧乏揺すりを繰り返す。
この街の者であれば絶対に近寄らない。
何せ彼女の不機嫌のとばっちりで身体に風穴など作りたくはない。
だが彼女の目の前で彼女の怒りを一身に受ける男は、そんなことを歯牙にもかけずシレッと言い放つ。
「着てるだろ」
彼女が来ているのはアンチ・クライストで有名などこぞのロックスターの全身がプリントされた黒のTシャツに、黒と
赤の三段フリルのミニスカート。
「コレしか無ぇから仕方なくだろ」
「似合ってるよ〜」
「うるせぇ。大体何だってこんなモンを着せようと思ったんだ…罰ゲームじゃあるまいし…って、お、来たな。ああ、
 ソレはコイツんだよ、あたしは鶏のセンミーだ」
…そう、ここは彼のヤサから徒歩2分。路地裏で営まれる現地料理の屋台。
基本セルフサービスの屋台において、常連の気安さからか、レヴィはいつも席まで料理を運ばせる。
屋台は、朝食時ということもあるが、ほぼ満席。
つまり、そこそこ旨い。
そして…。
二人の会話は周囲に筒抜け。
周囲に腰掛ける店の客、そして店の者、とにかく声の届く者は皆聞き耳を立て、届かぬ者も横目でチラチラと、二
人を伺う。
背徳の街の、うらびれた屋台に似合わぬ二人。
二挺拳銃は勿論のことながら、男の方も……いつもと趣が違う。
いや、男はいつもだってこの街からは浮いているのだが…今日は無精ひげも剃らずに白地に線画の蓮がプリント
されたTシャツに細身のジーンズという、随分とラフないでたちだ。
バンコクあたりまで行けば、ただの年若いカップルで済むものも、この街では場違いなことこの上無い。
その上、先程から二人の間で交わされる会話は、あの二挺拳銃の「浮いた話」というヤツだ。
興味が沸かないわけがない。

ロックは彼女の分も含めて代金を支払うと、届いたばかりの皿の上でメインの青菜炒めと米を合わせながら、先
程の問いに対して理由を述べる。
曰く。
「レヴィに似合うかな〜と思って」
至ってシンプル。
「はぁっ!?意味わかんねぇ、このヒラヒラしたのがか?……っと、よぉ、シンハーくれ」
「あ、俺も」
届いた器に調味料を投入しながらビールの追加を注文するレヴィに追従し、彼も2本目を頼む。
「日本に行った時にスカート着てたろ?可愛かったから……あ、ナンプラ取ってプリックの方」
「…馬っ鹿じゃねぇ??」
悪態はつくがナンプラのボウルは手渡す。
耳まで赤い、随分と照れているようだ。
あの猪女がこんな可愛い顔をするなんて…!周りの野郎共はある種の戦慄と感動を覚える。
「そもそも、どこで買ったんだよ、こんなの」
「ん?掃除屋に貰った。通販で買ったけどサイズが大きかったんだって」
ロックは付け合せの魚のから揚げにナンプラを掛けながら、事も無げに言い放つ。
「…………へ………へぇぇぇぇえええぇぇ…知らなかったぜ、あの鬱ゴスと仲良いんだなー」
二挺拳銃の機嫌が急降下している…店内に緊張が走った。
そろそろ帰ろうか…でも二人の会話は気になる…あの日本人がいればイキナリ無差別に銃乱射、ということもあ
るまい。
結局席を立つものはおらず、座席の回転率はどんどん下がる。
「仲いいってことは無いけど………近所だしね、よく道で会うよ。この間ブカブカの服を着て道で塞ぎこんで………
 あ、ありがとう……はい、レヴィの」
運ばれて来たビールを彼女に手渡す。
「へぇ〜〜〜〜〜。」
彼の手からビールの瓶を受け取り、ジト目で睨みつけながらゴクゴクと飲み下す。
「なに?」
「別にナンもねぇよ…!!」
「何か言いたそうだけど…大体さぁ…その……臭かった…よ?10日間、何回着替えた?」
一瞬、周囲の食事をする手が止まる。
皆、素知らぬ顔で彼女の返事を注視する。

83 :名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 00:11:02 ID:8VC5C60y
「くっ…!?…………………下着は換えてた。身体も拭いてた。大体てめぇだってあちこちに鼻押し付けて匂い嗅
 いでハァハァおっ立ててんじゃねぇか!!」
これまた…ずいぶんとマニアックなご趣味だ。
これが噂に聞くHENTAIってヤツだろうか?
「否定はしないけど、何ごとにも限度って、あるよね。女の子なんだからさぁ。それとも俺のためにわざわざ臭い服
 着てくれてたワケ?」
「んなワケあるかよ、頭沸いてんのか?」
舌打ちと共に顔を歪ませ、そっぽを向く。
「俺としては感謝して欲しいくらいだけどねー。シャワーの後に清潔な服でメシ食って、お前は家に帰って洗濯の
 必要も無い」
「服ったって、掃除屋のお下がりだけどな…それ寄越せ」
彼の皿の上で良い具合にナンプラと馴染んだ白身魚を掻っ攫う。
「あー、最後に取っておいたのに…」
「うるせぇ……っ!!!ぁあ…ぅっ…はぁ……か…ら…ぁ…ぁあ…」
突然汗を垂れ流して喘ぎ始めるレヴィ。
半分ほど残るシンハーを一気に飲み干すと、炭酸に噎せて咳込み、大口開けて上を向いたり下を向いたりと忙し
い。
そして……実にエロティックな表情だ。
だが、そんな女を目の前に、男は呆れた表情を浮かべる。
「唐辛子噛んだ?たっぷりかけたからねー。水いる?」
人のものを盗み食いするからだと言わんばかりの男にムカつきながら頭を激しく縦に振るレヴィ。
「はぁ…ぁ…ぁぁあああ…」
ロックが買った冷たい水で口を十分冷やしてから文句を一つ。
「…お前コレ、辛過ぎ…」
涙目で睨み付ける彼女をニコニコ眺める日本人。
彼が次に吐いた言葉に、ギャラリーは唖然とする。
「もの欲しそうに見てたからね、絶対盗ると思ってた」
確信犯(誤用)だ、この日本人…。
この街の誰もが怖れて通る二挺拳銃をこうも正面からおちょくって生きていられるのは、この男と金髪のクソ尼くら
いだろう。
誰とも無くそう思っていると…
「ファック!!!てめぇ!そんなに額にケツ穴こさえたいか?ぁあ!?」
二挺拳銃がブチギレた。
前言撤回。
いくらこの男でも、度が過ぎると報復を受けるらしい。
だが、立ち上がって掴みかからんばかりの彼女の全身を眺める彼が吐いた言葉は…。
「レヴィ、ソーヤーのお下がりが嫌なら、今日はレヴィの服も買おう、白っぽいのとかピンクとか…、赤も似合うかも」
二挺拳銃も含め、再び一同唖然。
だがしかし。
我に返った彼女は、目を泳がせながらこう言った。
「……ピンクなんか誰が着るかよ」
皆、一様に悟らされる。
…こいつら本物のバカップルだ、と。


84 :名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 00:12:45 ID:8VC5C60y
さて、そのバカップルお二人様は食事を終えると、次の目的を果たすべくマーケットに向かった。
洗剤、靴下、シェイブクリームEtc…。
道すがら、彼女のためにとシャツと膝丈のショートパンツ、脱がすのが実に楽しみな部屋着のワンピースも買った。
「これで俺の部屋に泊まっても着るものがある」
そう満足気に呟く男に「しつけぇな…ちゃんといつもはテメェの服着てんだろが」
と舌打ちすると、気まずそうに目をそらし、「そんなにクサかったか?」と少し俯く。
「うん、確かに臭った。けど別にそれが嫌で洗濯したわけじゃないからさ、そんなに気にしなくたっていいよ。」
自分がしつこいくせに、気にする素振りをすれば、こうして理解あるかのような態度を取る。
本当に卑怯な男だ。
「それに、レヴィの服があることに意味がある」
そう、それなのだ。
彼の部屋に自分の食器や着替えが増えていく。
嬉しくないわけではない。
だが。
「そうやって何でもなし崩しになるのがイヤなんだよ」
これも事実。
「俺はさ、一緒に住んでもいいんだけど」
「大概しつこいな、お前。返事はNOだ。イヤなこった。毎晩あんな風に抱き着かれてたら寝返りも打てねぇ」
「仕方ないだろ、シングルベッドなんだ。なら広いベッド買おうよ」
「一人になりてぇってこともあんだろ」
「なら2部屋あるトコに引っ越そう」
「何でそうなる、そんな面倒なコトはしたくねぇ。イヤなモンはイヤなんだ…」
「…そう、なら仕方ないね……」
二人の間に沈黙が落ちる。

それにしても……先程から雑踏を歩いていると、場違いな二人に皆がギョッとした顔で振り返る。
会話が無くなると、余計にそれを自覚させられる。
それはそうだろう、それは彼女にも理解出来る…が、気分は良くない。
大体何だって掃除屋のお下がりを着ているのかと、根本的な疑問に立ち戻り、普通は近所というだけで服のやり
とりなどしない…この街では尚のコトだと不信感が募る。
「あとは…洗剤か…レヴィは何も買わないのか?」
そう言って振り返る男に、「お前、よくアイツと会話出来るよな…」と、先程とは全く別の話を振る。
「え?アイツって?」
「ソーヤーだよ、メンドくせぇ臭いがプンプンするだろ、ああいうヤツって」
「そうか?普段は話せばちゃんと返事返って来るよ?たまにメシ持って来てくれるし」
「………………………はぁぁぁああぁぁ?」
今、目の前の男が何を言ったのか、彼女は瞬時には理解出来ない。
「何て言ったっけ、あの、台湾人の…」
「ですだよ?」
「そう!ですだ…じゃなくてさ」
「いいじゃんよ、誰んコトだか解りゃ」
「…とにかく、彼女に料理を習っているらしくててね、練習したのを2回くらい持って来てくれた」
「…ぁのアマ、まさか人のモン狙ってるワケじゃねぇだろうな…??」
「何か言った?」
「…別に。…で、何持って来るんだ?」
「酢豚とか肉まんとか角煮とか腸詰めの煮たヤツとか…」
笑顔で少し嬉しそうに答えるロック。
そんなに女の手料理が嬉しいかよと、少し腹が立つ。
だが、何だろう、ソレ以上に何とも言い難い、膝の裏が痒くなるような、鳥肌が立つような感覚が沸き起こる。
今まで感じたことの無い、えもいわれぬ不快感。
「……お前、ソレ食ったのか?」
味の濃い肉料理ばかりじゃねぇか…そう思いながら敢えて口には出さない。
「え?まぁ…せっかく分けて貰ったし」
「…旨かったか?」
気まずげに目を反らしながら問う彼女に、ロックは嫉妬をしくれているのだろうか、可愛いところもあるものだと思
わず頬が緩む。
「少し味が濃かったかな…」
そう答えながら次は何と声を掛けようかとあれこれ逡巡していると、彼女が先に口を開いた。
「あのよ…それ……ホントに豚肉だったか?」
「…………………っ!?」

85 :名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 00:16:33 ID:8VC5C60y
彼女の言わんとしていることを理解し、ロックは一瞬にして顔面蒼白となる。
…掃除屋の目的と実際の中身が何であれ、これであの女の「手料理」を口にすることは二度とないだろう。
彼も暫くは思い悩むに違いない。
ざまあみやがれと少しだけ溜飲を下げる。
だが、まだ彼を赦したわけではない。
彼女は薄くほくそ笑むと、次に神妙な顔を作り込み、ロックに辛辣な言葉を投げかける。
「ま、てめぇが悪いよな、そんなに女の手料理が食いたけりゃ、ですだよンとこで馳走になりゃいいじゃねぇか。
 悪いなぁ、おまえにメシもまともに作ってやれねぇ女でよ」
そう拗ねたような顔をすると唐突に踵を返す。
「え!?レヴィ??」
振り返りレヴィを追おうとするも、彼女にとって雑踏でロック如き撒くなど造作もない。
「せいぜい慌てろ、バーカ。」

彼女には行き先があった。
買いたいものがあった。
先程、彼と歩いていて見つけた。
彼に内緒で買わなければ意味が無い。
さっさと買って、さっさと彼の元に戻ろう。
そして、買い物の続きの後、部屋に戻ったら一服して、一発ヤって、アイツがメシ作るのを眺めてその後は…。
彼女の新しいスケジュールは既に予定で一杯だった。
彼と二人で過ごす時間が楽しくて仕方ない。



****
とりあえずここまで。
週末までには続きを落としたい。
でないと多分、祭りに浮き足立って書かないと思う。

次は多分バカエロオンリー。

86 :名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 02:37:10 ID:ifuPHmTM
あなたが神か
GJ!!

バカエロ全裸待機してます

87 :名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 12:30:09 ID:wavrY7ae
GJ!
胸焼けしそうなまでの甘々ゴチ
……だが、








つ「あのよ…それ……ホントに豚肉だったか?」
リアルにオッカねえ
ソーヤー好きだから
「巧いことやりやがって
ロックめぇ〜」
だったんだが、確かに掃除屋の肉料理は怖い

88 :名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 17:03:06 ID:Jncl+fCA
GJ!
いいねw

89 :名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 21:07:27 ID:bEtNGpb1
>行けば行ったできっとそれなりに楽しい


この一文で萌え転がったことをお伝えしておく。
ナチュラルバカップルたまらんな、もっとやれもっとやれ!

90 :名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 23:22:26 ID:Zz5NeaG4
レヴィとロックが一言一言喋るたんびに
箸がピタッと止まる屋台の客と店員を想像してワロタ

けしからんバカップルだ!いいぞもっとやれ!!

91 :名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 23:32:05 ID:KQgRsLus
gjgjgjg!!!
週末まで待てないーーっ!


92 :さんろくぜろ:2008/07/16(水) 23:54:37 ID:8VC5C60y
皆さん…ノリいいっすね…。
週末は…努力目標ですが、まぁ、何とか頑張ります。
仕事、溜まってるんだけどね。
今書いてる仕事の報告書に、ロックという単語とソーヤ(大豆)という単語を多々用いなければならず、
仕事にならんような、なるような…。

93 :名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 00:04:35 ID:HvdwOSLm
どんなにラブラブでも、しっかりブラックな小ネタ突っ込んで来るあたり、
『この、好きモノめ』と言って差し上げたい

94 :名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 01:03:46 ID:cmU5ywUT
うまいなあ。

95 :名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 16:50:27 ID:tOGKXSjm
続きwktk

96 :名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 19:27:15 ID:u8HWz/YQ
ノベライズ版を買ってみた。
……でっぱなからロックとレヴィがラブってて笑った。

97 :名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 23:13:10 ID:fIorMowC
なんだと!?
早速買ってこなければ


98 :名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 00:13:00 ID:673rVY0N
GJ!これはいいバカップルですね。

『肉料理』wwwソーヤーがどんな感じで料理持ってきたのかも気になったり。

99 :日常:2008/07/19(土) 12:05:10 ID:55kYl3Yg
エロなし
>>80さんのパクり
猟奇?
***********************************************

ガチッ
「…………?」
ロットンが匙を止め、その端正な顔をしかめた
「どうしたね
ソーヤーの料理に不満でもあるか?」
最近、請われて料理を教えているシェンホアが、尖った視線を向けた
まだ馴れてなく、一味足りないシチューだが、可愛い妹分の作った料理だ
貶そうものなら……
「いや、何か固いものが……」
口元に手をやり、何かをとり出す

「…………」
「…………」
それは、シルバーの指輪だった

「なんで、こんなものが?」
「ワタシのではナイね
あの娘も、こんなシンプルなのは持ってナイよ」
シェンホアのアクセサリーは、蓄財も兼ねて宝石付きのモノが多い
ソーヤーはファッションに合わせて、ゴツい装飾のモノを好む
では、この指輪はどこから…………

急にシェンホアの顔色が変わった
「い、いや、まさか…………」
口元を抑え、何か考えこむでいる
「どうした
シェンホア?」
「この前、張の旦那の依頼で片付けた奴らが、こんな指輪してたような……」
不安げに口にするシェンホア
「そういえば、多すぎて始末が大変とかボヤイてたな……」
合わせるロットン
「…………」
「…………」
「「ハ、ハハハハ……」」
やや、引き吊り気味の顔を見合わせ、乾いた笑いを浮かべた





100 :名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 12:16:22 ID:SEu3GKMV
エロくないよぉ!(´;ω;`)
怖いよぉ!(´;ω;`)w

101 :名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 16:08:23 ID:tG9aeJJo
アイヤー!カニバリズム怖いアルよ!!

102 :日常:2008/07/20(日) 00:13:48 ID:rTCeUKe2
「ザッ……ドうしタの?」
「「ワアッ!?」」
驚く二人
ソーヤーがキッチンから入ってきた
サラダボールを抱えたまま、不思議そうに小首を傾げている
「ザッ……、美味シくなカった?」
事情を知らないソーヤーは、オドオドと尋ねてくる
「そっ、ソンなことないね」
「あ、ああ、腕を上げたな」
ソーヤー可愛さに、つい取り繕ってしまったが、流石に匙は動かない
どうしたモンかと悩む

「ザッ……、アッ、ソレ……」
スープ皿を突っつくばかりの二人を気にしていたソーヤーが、指輪に気づいた
「ザッ……、出テきたノ?」
何故か嬉しそう
「し、知ってるのか!?
ソーヤー」
「コレ、なにね?」
詰め寄る二人に、いつもの調子で答える

「ザッ……、フォーチューンリング」

リングを入れたお菓子を取り分け、引いた人が王様
肉や野菜を買いに行った食品店で、そんな遊びのことを聞いた
リングを買ったら早速やってみたくなったので、シチューに入れてみた

「ザッ……、ロットン王様b」

楽しそうに微笑むソーヤー






「「紛らわしいことすんな〜〜〜〜〜!!」」











理不尽に怒られ、ムクれたソーヤーの機嫌を取るのに、二人は3日を費やした



とっぴんぱらりのぷう
************************************************今日発売のGXで、三人のチームプレイが見れて大満足(噛ませっぽかったが)
シェンホアにすがるソーヤーたんが愛らしい
久々に三人モノを書きたくなったが、ついてるシェンホアはキライな人多いのかな?
ソーヤー受けの都合上、ついてるほうが書きやすいんだが……

103 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 00:19:22 ID:CYISOOBl
やべえソーヤー可愛すぎるwwwwww
GJ!

104 :さんろくぜろ:2008/07/20(日) 01:27:43 ID:Rj62ZUC3
ども。
続きを書いてみた。
・・・・

突如姿をくらましてしまったレヴィを探し、はじめは右往左往していたロックだったが、闇雲に探しても仕方ないと
まずは用事を終わらせることにする。
彼女が本気で隠れるつもりならば彼には探しようが無いのはわかっていた。
それに、もしかしたら着替えに戻っているのかもしれない。
用事が住んでも戻らなければ彼女の行動範囲を探しに行こう。
そう決めて彼が食料を調達するべく方向を定めると、たった今想いを巡らせていた女が目の前にいた。

「お帰り。よく解ったね」
まるで戻ってくることを知っていたかのような言葉に、彼女は腹が立つような嬉しいような複雑な想いで男を睨む。
「そこらで『うちの水夫知らねぇか』って聞きゃすぐ見つかる」
どうやら、彼女と常に行動することで、彼もまた有名人となっているようだ。
「そう。…ごめんな、別に誰かの手料理が食べたかったわけじゃないんだよ」
まずは謝ると彼女の手を取り、歩き始める。
「その割には嬉しそうだったな」
彼女も逆らわずに、彼と手を繋いで彼の隣を同じペースで歩く。
「ああいう、一見何考えてるか解らないコが料理練習してるっていう意外性が面白かったのと、一般論としてそりゃ
 やっぱり嬉しい」
悪戯な笑みを浮かべて彼女を見る。
「けっ…やっぱ喜んでんじゃねぇか」
レヴィは鼻息荒く、批難めいて彼を見る。
「まぁね、でもかと言ってそれを望んでるってわけでもない。オーライ?」
嘘は言っていないのだろう、多分。
「そういうことにしといてやる、けどよ、あんまこの街で他人を信用すんな、ロクなコトが無ぇ」
「うん、そうだね。肝に銘じることにする。……さて、暑くなってきたし、買うもの買って帰ろうか」
そう言って彼は話題を打ち切ると、夕食は何を食べるかと聞いて来た。
「食えるモンなら何でもいい」
ロックと一緒に食卓を囲むことに意味がある。
一緒には住みたくないと言いながら、矛盾していると自分でも思うが。
「生地からこねてピザでも作る?フライパンで」
そして、今はラフな姿のロックと二人、手を繋いでマーケットを眺めている。
自分もフザけた格好であることを差し引いても…悪く無いと思ってしまうあたり、随分とヤキが回ったものだと彼女
は苦々しく思う。
「…ピザはいつも食ってる」
悔しいから、先刻言ったことを棚に上げて意見してみた。
「そう。じゃあレヴィは野菜足りてないから野菜にしよう、温野菜のサラダと、豆カレーにする?あとは酒のつまみに
 なるようなものを適当に……」
「…お前、自分が肉食いたくねぇだけだろ…」
「…そんなコト……ない…よ…?」
「嘘吐け」
ああ、こんなやり取りすらも無性に楽しい。



105 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 01:28:28 ID:Rj62ZUC3
「はぁ…はっ…レ…ヴィ…」
童顔のこの男が前髪を下ろすと、余計に幼く見える。
なのに、今日はそれに似合わぬ不精髭。
たまらなくアンバランスだ。
そのクセ、たまらなくセクシーに見えるのは、暑くて自分の頭が煮えているからだろうか。
手を繋いで歩いているだけでやたらと気分が高揚しているのに気付き、「暑い」「かったりぃ」などと不平を垂らして
帰宅を急かした。
この男のことだ、不平不満などただのポーズであったことなど気付いているのかもしれない。
そんなコトを考えながら、自分の上でゆっくりと身体を揺らす男の首に抱き着き頭を引き寄せると、顎に舌を這わす。
ジャリジャリとした硬い髭と湿った肌の感触…そして、汗の味。
そんなモノにすらカンジている自分がやけに滑稽だ。

両手一杯の荷物を抱えて帰宅したのは、昼を少し過ぎた頃だった。
炎天下から戻った室内は、外以上の熱気を孕んでいて、正直うんざりする。
冷房を入れて、今そこで買って来たばかりのビールを喉に流し込むと、ベッドに乗り上げてすっかり乾いた洗濯物
を取り込んでいる男をそのままそこに引き倒した。
「暑いんじゃなかったの?」
「いいんだよ。忘れさせろ」
そう言って始めた行為だったのだが…。

「ぁ…ぁっ…んっ…あつぃ…っ…」
ぴったりと密着して来る男のカラダから逃れるように身を捩る。
「仕方な…いだろ、うちの…冷…房は、効き始め…るまで…に、時間が…かかる、んだっ…」
彼も少し身体を離し、熱の逃げ場を作ってやる。
「だからっ…クーラー点けて出掛けろっ…つったんだ…」
彼の体温と重みが離れたことで一心地つくと、とりあえず文句を言ってみることにする。
「ヤだよ、そんな無駄な…こと」
だが、彼の返事はコレ。しかも即答だ。
「……ロック、たった今…理解した…ぜ、お前、とは、何があってもっ…ぁ…一緒に、住めな…い…ぁ…はぁっ…」
「何で、だよっ……」
「女にっ…暑さを…忘れさせる、甲斐性も…無い、そのクセっ…快適にぃ…過ご…すためのっ…出費も惜しむ……
 小せぇ男だよなぁ、ハートも、ナニも………ぁっ……ヤっ…!」
その言い草に流石にロックもムカッとする。
ムキになって熱い内壁を抉るように擦り上げると、レヴィは悩ましげに眉を寄せて小さく喘ぐ。
「全…否定っかよ…いつも、その…『小さいナニ』…を、『もっと』って、ねだる…くせにっ…」
「…はぁ…ぁ…っん…悔しけりゃ…もっと男を見せてみろよ、…なぁ?ダーリ…ン」
レヴィが挑発するように笑むと、ロックは少し困ったような顔をして動きを止めると言い訳を一つ。
「寝不足…なんだよ、ヤリ過ぎてこんな時間から…寝るワケにもいかないだろ?」
「いいじゃん、寝ようぜ、起きた頃にはちったぁ涼しくなってるさ」
どうせ今日も夜は長いのだから…そう心で呟いて、レヴィは先を促すように腕と脚を目の前の熱い身体へ一層強
く巻き付けた。



106 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 01:29:11 ID:Rj62ZUC3
二人並んで一寝入りし、彼女がシャワーを浴び終えると、先に浴び終えさっぱりとヒゲを剃ったロックがキッチン
で野菜をちぎっていた。
先刻の掃除屋の話もあり、何となく気に入らず、野菜をちぎる位やってやると彼女にしてはめずらしい手伝いの申
し出。
彼が振り返ると前ボタンで膝丈の黒いキャミソールのワンピースを着たレヴィ。
柔らかな生地が身体のラインに馴染んで色気があるのに、肩紐と腰周りのリボンの赤が甘すぎずに可愛い。
律義に彼と買った部屋着を着て、照れ臭そうに手を伸ばして来る彼女を可愛く思いながら、これはもう終わるから
卵をボイルしてくれと頼む。
「腐ってねぇだろうな」
「今日買って来たから大丈夫。レヴィもいたしね、お前に腐ったもの売り付ける猛者はこの街にはいないだろ?」

一口しかないコンロに鍋を掛けて以降、自らに与えられた仕事を完璧に遂行すべく目の前のそれを真剣に睨み据
える女を子供のようだとほほえましく見つめる。
つい構いたくなり、「レヴィ。ゆで卵作ったコト無いの?」と尋ねると、彼女は憮然とした表情を浮かべ、意外な言葉
を吐いた。
「お前……馬鹿にしてるだろ…片付けが面倒なだけで料理しないワケじゃねぇよ…」
浅からぬ付き合いの中で、彼女がまともに料理している様など見たことがない。
せいぜい冷凍のピザや、レトルトかインスタントフードくらいだ。
だが、そう言われれば『お願い』をしないわけにはいくまい。
甘えるように腰を抱くと、耳元でねだる。
「じゃあさ、今日の片付けは俺がするから、メシ作ってよ」
レヴィは少し考える素振りをした後、思わせぶりに「…高いぞ?」と返す。
「怖いなぁ……幾らの請求書が来るか…」
そうおどける彼の鼻に、花の香りが広がった。
「レヴィ…いいニオイがする…シャンプー?」
「お前がクセぇってうるせぇから………」
不機嫌な口調でそう言う彼女の髪の香りを、「別に気にしてないってば」などと言いつつ、まるで犬のようにくんくん
と嗅ぎ続ける男。
「…どうだ?ちっとはムラムラしたか?」と悪戯っ子のように尋ねると、ロックは満足気に「それはもう…最高」と胸の
辺りに手を這わせ始める。
狙い通り欲情する男に満足して好きにさせていると、調子に乗った彼は柔らかなそこを揉み始め、逆の手でスカート
を捲くり上げ太ももを撫で回す。
その手に陥落しかける自身を制し、不埒な掌をギリギリと抓り上げて笑う。
                                                                   
「行儀が悪いぜ、可愛い坊や。ママの手料理食い終わるまでは寝んねもおっぱいもお預けだ。オーライ?」
                              
                                                                    
レヴィの作った料理は、美味くもなければ食えないほど不味くもなく、作った人間の性格のように大雑把な味だった。
だが、豆のカレーが、カレー風味のトマトケチャップスープに化けようとも、温野菜サラダが味の無いベチャベチャの
野菜炒めになろうとも、それが彼女が作ったものだという事実の前では瑣末な問題にしかなり得ない。
『ママの手料理』を残さず平らげた『息子』は、お約束のお片づけもそこそこに、ベッドに腰掛け一服つけている女に
甘えるべく、膝を着いて腰に抱きつく。
「坊や、お片付けが済んでないぜ?」
「後でするよ」
駄々を捏ねるように、彼女の膝に顔を埋める。
「ママとのお約束だろ?」 
レヴィはそんな男の髪に愛しげに指を絡めて微笑む。
「さっきからずっとガマンしてたんだ、いいだろ?」
「聞き分けの悪いクソガキはお仕置きされるんだぜ?」
「…ベッドの上でなら…悪く無いね」
言いながら、既に脚を撫でながらそこに口付けし始めている男
「呆れたクソガキだ」
そう悪態を吐きつつ、彼に促されるままにゆっくりとマットへ身体を沈める。


107 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 01:30:28 ID:Rj62ZUC3
ロックは、横たわる彼女を嬉しそうに見つめ「綺麗だね」と称賛を贈ると、シーツに広がる髪を掬って、香りを鼻腔いっぱ
いに吸い込む。
タバコの匂いが混ざってしまってはいるが、それも香水のように下品ではない瑞々しい甘い香り。
先程は花かと思ったが、スパイシーな香りもする気がする…って、これはカレーか。
「何の香り?」
くんくんと香りを嗅ぎながら無邪気に尋ねる彼に、彼女は「解らないのかい?坊や」と少しばかりがっかりしたように呟く。
改めて嗅ぎまわり、それでもわからないと謝り、答えを尋ねる彼への彼女の解答は、意外なものだった。
「ジャパニーズ・グリーンティー……」
「………へぇ……グリーン…ティー……?」
グリーンティーとはアレだろうか、いわゆる緑茶…日本茶…というヤツか?
彼のためにと選んだのだろう彼女には悪いが、さっぱり緑茶の香りなどしない。
「日本の茶だろ?わかんねぇのか…?」
「ぁー…うん、まぁ…でも何かそんなような気がしてきた。好きな香りだ」
何にせよ、心地の良い香りではあるのだ。
「ジャンク屋の裏?」
色町に通じる道に石鹸や香油、香が豊富な店があった筈、そう思いそこで買ったのかと彼女にたずねる。
「ああ。」
照れくさそうに応える彼女。
いつになく可愛気に溢れるレヴィに、今日はゆっくりと愉しもうと決める。
「…たまにはいいね、こういうのも……」
ほんの少しだけ嬉しそうに目を輝かせた彼女の唇にキスを落とした。

ゆっくりと、時間をかけて、舌と呼吸を絡ませる。
じっくりトロ火で熱を伝えるような、そんな交感。
キスの合間に、ふと目が合う。
潤み始めたその目を見つめながら、いい女だとしみじみ思う。
じっと目を合わせていると、負けじと睨み返して来るこの女が可愛くて仕方ない。
胸に触れると、頂が服の上からでもはっきりと解る程に立ち上がっていた。
「感じてる?」
やわやわと乳房に触れながら尋ねる男の鼻先に噛み付く女。
「坊や、そういうコトを言うウゼぇ男は女の子にモテないぜ?」
あくまでその設定を貫くつもりらしいレヴィ。
たまにならそういプレイも悪くはない…筈が無いのだが、せっかく彼女が楽しそうにしているのに水を注すのは本意
ではない。
そう、時間はたっぷりある。
ならば、ほんの少しだけ彼女の悪ふざけにお付き合い申し上げようと、柔らかな胸に顔を埋めた。
「んー…モテなくたっていいよ、『ママ』さえいれば…」
そう言って身体へしがみつき、胸に埋めた顔を更に押し付けて甘えてみる。
だが。  
「…だはは!…ぉ…お前、馬鹿だろっ!?目茶苦茶寒いぞっ…ククっハハハハハ…」
肩を震わせ、大爆笑された。
「…………振ったのはお前だろ…?レヴィ」
真っ赤な顔を胸から上げ、抗議するロック。
「別にお前まで乗ってくるこたぁ無ぇだろ…それともヤリてぇか?赤ちゃんプレイ。ヤリたいならママがちゅきあって
 あげまちゅよ〜」
よしよしと言いながら頭を撫で回してくる彼女。    
「…遠慮しとくよ、残念ながら…そっちの趣味は、無い」
いまだ顔を赤くしたまま、丁重に辞退申し上げる。
「安心したぜ?お前のオムツ交換とかヤラされるかと思ったわ、日本人のHENTAIってのは好きなんだろ?そういうの」
どういう日本人像だと突っ込みたくてたまらないが、聞かない方が身のためだ、ロックは一瞬でそう判断する。
先程までの艶めいた甘い空気と熱はすっかり霧散し、硬くなりかけたナニも…萎えた。

108 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 01:32:07 ID:Rj62ZUC3
「台所、片付けて来る…」
ずり落ちかけたスウェットを引き上げながらヨロヨロとベッドから下りる。
「…赤ちゃんプレイの次は放置プレイか、お前…」
「誰のせいだと思ってんだ…」
恨めしげに振り向くと、ニヤニヤと身を乗り出してくる女。
そして。  
「あたしのせいってか?ひっでぇな、この甲斐性無し!脱げよ!立たせてやっから!」
そう言って舌なめずりしながら彼の下着を引きずり下ろそうとつかみ掛かるレヴィ。
「ちょっ…やめろって、いいよ、別に心配してもらわなくたってちゃんと人並みに機能してるからさぁ」
そう言うと、レヴィから逃れて衣服を整える。
暫しの間抜けな睨み合いの後、レヴィはニヤリと笑うと「お前が脱がねぇならあたしが脱ぎゃイイじゃねぇか」と、
ワンピースの裾を上へと引き上げる。
露わになる彼女の胸。
「脱ぐなよ!しかも色気も無く!!脱がせたくて買ったんだからさぁ、勝手に脱がれちゃ楽しみが半減だ」
「お前、さっき違うコト言ってたよなぁ、本音はこっちか…。ほら、早く脱がせてみろよ、でねぇと勝手に脱いじゃうぜ?
 色気なんざ期待すんなよー?」
ベッドの上に仁王立ちし、軽く身体を左右に揺らしながらいつでも脱げるようヘソのあたりで裾をスタンバイするレヴィ。
色気の無い無地のショーツに何とも言えない悲しさが沸き上がる。
着古し、激しく毛羽立った綿の下着を凝視、次に脱いだら即ゴミ箱行きだと勝手に決定。
この女には下着まで用意してやらなければならないのかと情けなくなる。
だが、まぁ、これ以上自分が意地を張る理由が無いのも事実。
実際のところ、仕切り直せばすぐにスイッチは入るのだ。
やれやれといった風を装い、ベッドに腰掛けると、隣をポンポンと叩いてそこに座るよう促した。

レヴィはマットにペタンと尻をついて座り、彼の顔を覗き込む。
頬に触れると、その手に自らの手を重ね、嬉しそううに目を細めるのを見て最近は随分甘え上手になったものだと思う。
とてもじゃないが以前の彼女からは想像もつかない。
だから、一緒にいて飽きることが無いのだ。
やはり、とてつもなくいい女だ。
「ロック、お前脱がすのは好きなクセに脱がされるのは嫌いなのか?」
からかうように問う顔は、少し幼く見える。
「…場合による」
頬に当てた掌を返して彼女のそれと絡ませると、彼女は改めてキスに誘うように首を傾げる。
彼女の唇に自分の唇をゆっくりと押し当て、じっくりと舐めるように貪りながら胸元のボタンを一つ、二つと外す。
肌蹴た隙間から掌を挿し入れ、重みを確かめるように乳房を下から持ち上ると、ずっしりと重く柔らかなそれ。
その感触に大層満足し、そのまま彼女にのしかかると、抗うことなく身を任せてくれた。
些か強引に乳房を揉む手に、合わせた唇から「痛っ」という苦痛の声が漏れる。
だが、一切意に介さずに乳首を摘んだり、優しく撫でたり…安心した直後に些かの苦痛を与えたりと、好きなよう振る舞う。
レヴィはレヴィで、ロックの下半身に手を延ばすと衣類の上から彼のコックを刺激し、「彼が欲しい」と訴えた。
互いの唾液を存分に混ぜ合わせながら、衣服越しに互いの官能を高め合う。
乱れた衣服から覗くうっすら汗ばむ素肌が、かえって全裸よりも興奮を誘った。
荒くなり始めた呼吸を隠すこともなく、服の隙間から彼女の素肌を撫で回す。
彼の手に馴染んで久しい彼女の素肌のどこに銃創があって、どこがケロイドになっているか、細かい疵も含めてつぶさに
覚えている。
それを一つ一つ確認するようにゆっくりと掌を這わせ、指先で傷痕をなぞるとピクリと震えるレヴィの身体。
身体をまさぐりながら、先程ゴミ箱逝きを決断された下着の上から湿めりの中心部をこね回す。
腰をもぞもぞと動かし、ため息を吐く彼女の下着を引き摺り下ろして直に中心に触れると、トロトロとした粘性の体液ですっ
かりふやけていた。


109 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 01:32:58 ID:Rj62ZUC3
指をつぷりと挿し入れて中をかき回すと、身体をよじって喉を鳴らす。
レヴィはウエストから彼の下着の中へと手を潜り込ませ、直接彼の性器に指を絡ませる。
指先で裏を刺激したり、やわやわと揉んだりと、確実に彼の興奮を高めていく彼女。
「…っ…ちょっと…そこに寝ろよ」
言われるままに隣に寝そべると、起き上がった彼女が彼の下着を引き下ろそうと服に手を掛けている。
手伝うように腰を浮かせてやると、先刻彼が彼女にしたのと同じように、膝のあたりまで一気に引き下ろされる。
レヴィは露わになった臨戦態勢のソレを口に咥え込み…舌で舐め回し、甘噛みし、吸い上げ、しごき上げる。
彼女の温かな口腔の粘膜と唾液がねっとりと纏わりつき、何とも…たまらない。
「…ん…んはぁ………んく………ふ…ん…」
「はぁっ………レ……ヴィ…っ…」
苦しげにくぐもった彼女の喉の音、彼の荒い息、淫らな水音、彼女が内股を擦り合わせる音…………………………。

限界を感じ始めて頭を擡げると、上目遣いで彼の反応を伺いながら夢中になって彼のモノにしゃぶり付いているレヴィと目が
合う。
「ん……限っ界……挿れて…も、イイ…?」
目線だけで挑発的に笑んだ彼女が、咥えていた口を離す。
彼女の唾液に塗れた自らのそそり立つ性器と、艶めかしく濡れる赤い唇との間が、唾液と先走りの混じった細い糸で繋がる
のを静かな興奮を以って眺めた。
切れそうで切れないそれであったが、レヴィが軽く横へと動いた瞬間に呆気なく消失する。
何故だかそれを少し残念に思いながら、目の前の女の腕を掴んで引っ張り寄せると、そのまま自らの下へと組み敷く。
彼女に圧し掛かり、引き締まった腿を撫でながらスカートの裾を引き上げると、ゆっくり膝を立てて脚を広げてくれた。
「このまま挿れてもいい?」
ロックはレヴィの顔を両手で挟んで額を合わせると、甘えるようにねだる。
「………中に出すんじゃねぇぞ」ぁ
鼻で嗤いながら、それでも挿れやすいように少しだけ腰を浮かせてくれる彼女のトロトロの入り口に、張り詰めた自らを宛て
がう。
「レヴィ…凄いね…そんなに欲しかった?」
あまりにふやけ切ったソコに、からかいを含んで尋ねると、少しイラついた様子で「さっさと突っ込めよ、甲斐性無し」と罵ら
れる。
「照れなくてもいい…の、にっ…」
そんな態度すら愛しく思いながら彼女の腹の最奥へと自らを沈めると、眉を寄せて半開きの口から浅いため息を吐くレヴィ。
上気した頬に浮かぶ汗にそそられて舌を這わせてやると、鼻にかかった喘ぎと共に首をすくませてブルっと軽く身体を震わ
せる。
「…随分っ…感度イイね…」
「んッ…………ハぁ……はぁ……」
大きく息を吐き、呼吸を整える彼女。
そんな彼女を一切省みず、彼は宣言する。
「…動くよ…?」

「…ぁ………ぁ………クっ………あっ……んぁ…………ぁ…はぁ……」
苦行に耐えるような険しい顔を浮かべ、呻きとも喘ぎともつかぬ声を上げ続けるレヴィを何度も何度も烈しく突き上げる。
はだけた箇所から露出する片方の乳房が波を打つように揺れる。
髪を振り乱し、伸びてしまうほどに彼のシャツを握り締めて快感に耐える姿。
汗で頬に張り付いた髪を払ってやると、彼女はキスをねだるように顎を突き上げて自らの唇を舐める。
与えてやりたいのはやまやまだが、少し意地悪をしようと、頬や耳元に音を立てて何度も口付けするが、欲しがっている箇所
には与えてやらない。
彼女の、ねだる声を聞きたかった。
たが、縋るような切ない顔で彼女に見つめられると無条件に何でも与えてやりたくなってしまう…というよりも、彼自身が彼女
へ口付けたくてたまらなくなる。
それでは彼女のおねだりが聞けない。
一度彼女の顔から視線を外して身体を起こすと、改めて全身を俯瞰する。
そして、気付いてしまった…というか、思い出してしまった。

110 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 01:33:47 ID:Rj62ZUC3
それ以降、彼は彼女ではない別のものが気になって仕方がなかった。
二人の交わった箇所から30センチほど右側に投げ捨てられている…彼女の下着である。
朝、洗濯して干す時は忙しくてマジマジとは見なかったが、見れば見るほど酷い。
ほつれて糸が飛び出ている。
ゴムも伸びている気がする。
とにもかくにも酷すぎる。
これに気付いてしまった以上、どうにかしないと行為に没頭できない。
よし、最中であるが…捨ててしまおう、そうしよう。
彼女に見つかってはまた面倒だ、視界を塞がなければ…そう思い、渋々ながらキスをすることにする。

眼下の愛しい女にキスを落とすと、嬉しそうに首に絡み付いて来る腕。
小さく断続的に喉を鳴らしながら、必死にしがみ付いてくるレヴィに対し罪悪感を抱かないわけではないが、目下の課題を
クリアすればあとは心置きなくこの時間と彼女の身体を愉しめばいい。
彼女の性器を自らのそれでかき混ぜ、ついでに口の中もかき混ぜる。
『もっと』とねだるように突き出される舌、揺れる腰と絡みつく脚、ひくひくと震えうごめく温かな愛液に満たされた内壁。
正直、そのままイってしまいそうだが、彼女が行為に夢中になっている今がチャンスとばかりに身体を撫で回しながら下着
を掴み、ベッドサイドのゴミ箱へと放り投げる。
カサリと音がした気がしたが、ベッドがギシギシと軋む音と、二箇所からの水音、互いの吐息の音で彼女には気付かれずに
済んだようだ。
あとは、近々まともなものを買い与えてやればいい。
そうだ、どうせなら自分好みのものがいい。

気分も新たに、彼女を夢中になって貪る彼は、彼女のとの「お約束」を忘れていた。
唇を合わせたまま、儘ならぬ発音で彼女の名前を繰り返し呼び、そして腹奥底を思い切り突き上げた瞬間にコソで果てた。
精を放ちながら、意思をもった生き物のようにうごめくレヴィの膣の感触に酔い、唇を離して満足のため息を吐くと、身体の
下からは「ロ〜ック!!」と怒気に満ちたレヴィの声。
「てめぇ…中で出さねぇって言ったよな?」
「ぇ…………………あっ!」
一瞬、彼女が何を怒っているのか解らなかった彼だが、そういえばそんな約束をしたということを思い出し、返す言葉が無い。
「言 っ た よ な ・ ・ ・ ?」
「ゴメンナサイ」
ここは謝るしかないだろう。
それはそうだ、自分が悪い。
一二発ド突かれることを覚悟した彼だが、意外なことに彼女は彼の耳元に唇を寄せると、「仕方の無い坊やだ」と笑う。
「キモチ良かったか?」
彼の頬をなぞりながら淫靡に微笑む彼女に見とれるが、行為の終盤ほぼ上の空でした…などとは言えるはずもなく、
返事の代わりに「もう一回。ハダカで。」と二回戦をリクエストした。

結局翌日も寝不足に陥るのだが、それ以上に重要なのは、何故だかその半月後に例の下着と再びご対面するハメになった
ことと…酒場で流れた彼等二人に関する様々な噂話。
二挺拳銃と日本人は毎夜変態プレイに勤しんでる、同棲しているらしい、実は彼女は妊娠している、路地裏でファックしていた、
日本人が掃除屋と寝て二挺拳銃と街中で大喧嘩した、体臭好きの日本人のため彼女は日々シャワーも浴びないらしい。
何せ酒の席での話。
あること無いこと噂される。
それをネタに、当分の間二人揃って同僚・友人達から実際のところを問い詰められることとなり、その度に時と場所と状況…
いわゆるTPOというヤツの大切さを痛感するのだった。


おわり


111 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 01:36:15 ID:Rj62ZUC3
・・・・・・・・・・・・
・どうやら書いた人はレヴィたんを着せ替えするのが好きらしい。
 
・アニメで、「岡島氏、寝起き早々ソーヤーの死体解体現場とご対面」ってシーンありましたよね。
 ロックとソーヤーは近所さんなのか…と勝手に思ったのですが、そこのとこ、どうなんでしょう。
              
・今旬の流行語、「HENTAI」使ってみたかった。

・スワンナプーム国際空港国際線ロビー内アロマショップの石鹸3番人気はグリーンティーだった。
 ぼったくり価格の上、緑茶の匂いなどサッパリしないが、大きく勘違いした白人共がアジア土産に買って行くのだろうと思う。
 とか言いつつ土産に石鹸を頼まれていたためネタで買ってみたが、「何故わざわざタイくんだりまで行って敢えてコレなのか」と、
 家族友人からブーイングの雨霰だった。

・報告書は泣きながら書いたけど、田舎暮らし&残業のため祭りに乗れず(そこはかとなく予想はしてた)。
 悔し涙を垂れ流しながら続きを書いた。
 明日も無理そうなのでファックファック言いながら日曜出勤することにする。
 都会のヤツらなんかみんな死んじゃえばいいのに。くそったれ。

112 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 02:08:37 ID:D6Hq+kgp
キタ━━ヽ(゚∀゚)ノ━( ゚∀)ノ━(  ゚)ノ━ヽ(  )ノ━ヽ(゚  )━ヽ(∀゚ )ノ━ヽ(゚∀゚)ノ━━!!!
お仕事&投下乙です!!1
8巻ノベル本誌3期確定祭りの〆に大いに萌えさせていただきました

113 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 02:10:04 ID:cjpNW9Zm
>>111
GJ!うまいなあー

114 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 08:35:37 ID:IUdI/Zgc
GJ!ラブラブバカップルご馳走様でした。
ボロパンツレヴィたん萌えwww

115 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 15:00:43 ID:qjmwTFhd
GJ
小さいとか言われてへこまないロックwww
とりあえず無精ひげロックがどんなもんか、コミックスにいたずら書きwww

HENTAIは流行ものなので、とりあえず海外でがんばるサラリーマン代表にはその洗礼を受けさせるぜ。
みてろ毎●新聞。おまいのせいだ。



ところで三連休なんだが、
足を怪我してどこにもお出かけできないおいらも今夜投下するお。
だから今のうちに「さんろくぜろ」のラブラブを思う存分堪能するんだ。
いいな同士軍曹!
(´・ω・`)

116 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 19:11:29 ID:re1ZC4+V
(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン


117 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 19:24:26 ID:9S/0YGjB
先生!次はヘストンがいいです!

118 :sage:2008/07/20(日) 23:16:09 ID:w/yALZQm
8巻の若様のエロっぶりにやられて米軍兵に蹂躙される若様ネタを妄想しかけ

そ れ は 8 0 1だ

と気づいたorz

119 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 23:41:15 ID:A0J9QOZi
ようこそ腐兄

120 :sage:2008/07/21(月) 01:19:54 ID:4h+guZC5
若様萠え他板でも多いっすね。

ロベルタの籠絡シーン、エロ格好良すぎだがアニメではどうするんかいな。

121 :名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 01:32:37 ID:hlgyKQX6
>>115
(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

122 :名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 01:51:48 ID:Iln0bMUl
>>115
すまん
ド ラ ク エ 5 とかやってた
推敲進んでないおwww

早くて明け方、遅ければ明日の夜になりまする
(´・ω・`)



123 :名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 02:53:16 ID:nOXKnox3
投下予告とかいらないから

124 :Epitaph:2008/07/21(月) 05:00:38 ID:Iln0bMUl
「そいつ曰く、『とっかえひっかえ』って分けじゃ無ぇらしい。食堂の女も花屋の女も全員に本気で惚れて
たと言い張っていたらしいんだが、とにかくそい、つがくそ暑いバンコクの通りで心臓発作を起こし、天
国の門だか地獄の門だかをくぐったとき、そいつには六人の女がいた。女房の他に六人だ。いい女もブ
スも、ババァからガキみたいなのまで色とりどり。まあ、そんな男と二十年も連れ添っていただけあって
女房はできた女で、その上、こうそそるようなイイ女だ。その女房は全員を葬式に呼んで、女たちを旦
那との付き合いが長い順で並べて、さあ葬式が始まろうって時に気がついた。墓石に自分の名前が無
ぇってことにな」
レヴィは何が楽しいのかグラスを持ってゲラゲラ笑いっぱなしだ。さっきから彼女の体の揺れに従って
グラスからいつものバカルディが零れている。カウンターの上が水浸しだった。その向こうに座っている
エダもニヤニヤと笑っている。
バオは続けた。
「もう一回最初から墓碑銘を確認する、『マリーア、ベッツィ、シェンシェン、ロイス、アン、キミー、そして
エリスの愛とともに眠る』。やっぱり無ぇ。よりによって女遊びを許して息子も生んでやって、二十年も女
房としてやってきたってぇのによりによって自分の名前が無ぇ。別嬪の女房は遺品の銃を手にとってバ
ンバンバン!棺桶に向かって撃ちやがった。で言ったのさ」
「死にやがれ!」
エダとレヴィが声を合わせて言った。二人とも笑っている。
なんだ、ジョークの類だったのか、と溜息をついた。
「バオ、そりゃあどっかで聞いた与太話だぜ?なぁ、エダ」
「そうそう、オチが丸見え」
「ったくこのアバズレどもが。おれのベトナム時代のダチの話なんだよ。先週そいつが死んじまって、葬
式行ってきたんだよ。そん時の話だ」
「で、結局その哀れな友人はどうなったんだ?バオ」
仕方が無い、助け舟を出す。
「女房はすげぇ形相で葬儀屋に詰め寄った。なんてこたぁ無ぇ、女房の名前はエリーなんだが、葬式屋
が間違えてエリスって注文しちまったんだとよ。今はちゃんと埋められて、冷たい石の下だ。墓石は彫り
なおしだとさ」
バオは話しながら、カウンターまで取りに来た張の部下へ紹興酒一本と黒砂糖の入った小瓶を手渡し
た。紹興酒まで置いてあるとは意外だった。頼めばSAKEも出てくるかもしれない。SHO-CHUはどうだ
ろう。今度頼んでみようか。
「俺は思ったよ。自分が死んだときの為に墓碑銘を考えておくのもいいが、精々笑いものにならないよ
うにしなきゃいけねぇってな。死んでまで殺されちゃあたまったもんじゃ無えよ」
「ねぇロックぅ?あんたたちニッポンジンは墓に何て書くのぉ?」
この尼さんは今夜も卑猥と言っても決して過言ではない出で立ちだ。ミニスカートの下から覗く長い足
がカウンターの下で組み変えられる。シャロンも裸足で逃げ出す色気。なんと寛容なことか、彼女の神
は。


125 :Epitaph:2008/07/21(月) 05:02:24 ID:Iln0bMUl
「僕たち日本人の殆どが特定の宗教を意識していないんだ。生まれたら神社で『お宮参り』。洗礼…み
たいなものかな?結婚式は教会で、死んだらお寺でお葬式、ってのがごく一般的な日本人。で、お寺や
霊園の墓に入るんだけど、墓には大抵がファミリーネームを彫ってあるよ。『岡島家の墓』と『先祖代々
の墓』って。個人の墓に入る人もいるにはいるけど、多くが骨になったら家族みんなと同じところに入る
んだ」
「爺さんも婆さんも入っているところじゃぁ満杯じゃねぇか。ニッポンジンはウサギ小屋みたいに小さい家
に住んでいるっていうが、死んでまでそうなのかよ…。足さえ伸ばせねぇ」
そう言えば、レヴィは日本のホテルでさえ狭い狭いと文句を言っていた。あのホテルは結構高級の部
類に入るし、広さは十分だったんだが…。
悪かったな。日本の土地事情は異常なんだよ。
「それにしても、生まれてから死ぬまでいろんな宗教を渡り歩くたぁ、ニッポンジンってのは節操ねぇな
ぁ」
バオがつぶやく。
「もともと日本には八百万の神様がいたんだ。鍋とか、近所の沼とか、トイレとか、貧乏神なんてのもい
る。そんなふうに沢山の神様と暮らしていたところに、仏教やキリスト教が入ってきたんだ。だから後進
の方々もその八百万の神様の仲間の一人にしてしまっているのかもしれない。宗教学者じゃないから、
おれが自国の宗教観で語れるのはこの程度だよ」
もともとこんなロアナプラにいるような人間に信心深い者は少ない。ジーザスもブッダもジョークにして
いるやつらばかりだが、それは『無神論者』に近いのであって、日本人のような(ある意味なんでも来い
の)宗教観はやはり異常に感じるのかもしれない。
そこで、一応この場で唯一の宗教関係者が口を挟んだ。
「じゃあ色男、あんたが明日死んだらニッポンの墓に入れるために空輸しなきゃいけないじゃないのよ
ぉ。寂しいわぁ」
「Fedexに頼んでやるよ、送り先メモに書いとけ」
レヴィ、それひどい。
だいたいお前、運送屋だろうが。他社に頼むな、他社に。
「だから墓碑銘なんて考えたことも無かったけど…、エダは決めてるのかい?墓になんて書くか」
エダは足を組み替えた。
「そうねぇ、バオの与太話を聞いてて思ったんだけど、あたしも色男の名前を書くことにしようかしら。ま
ずはロック、あんたの名前を書いてもいーい?」
「黙んなエダ、てめぇの墓にはあたしが彫ってやるよ。『ジョージ、トム、エイブ、アレックス、オールドヒッコリー、ユリシーズ、ベンジャミンへの報われぬ愛とともに眠る』ってな。七人だ。ちょうどいいだろ」
「『報われぬ愛』じゃなくて『に愛されて眠る』にしろってのスベタ、花はいらないから札束いっぱい投げ
込んどけよ」
いやはや、何とも豪華な話しだ。


126 :Epitaph:2008/07/21(月) 05:03:10 ID:Iln0bMUl
死ぬかもしれないと思ったことは一度や二度ではない。まずラグーンの連中に出会ったときがそうだっ
たし、その後も何度そんな状況に追い込まれたか数知れない。あの街にいた頃より、確実に死を身近
に感じる生活をするようになったのは確かだが、それでも自分の死後についてなど考えたことは無かっ
た。「死」そのものより、死後のことを考えるほうが余りに現実的からだろうか。その現実から無意識の
内に考えるのを避けていたのだろうか。
分からない。
自分はいつどこでどんな風に死ぬのだろう。こんな仕事をしている以上、ベッドの上で死ぬとはとても思
えない。海に落ちて魚の餌になって死ぬのか、この町の路地裏で撃たれて死ぬのか、違う町で刺され
て死ぬのか。
レヴィの横顔を見る。さっきから下らないジョークに笑いっぱなしの彼女。
今まさに死ぬというその瞬間、彼女は傍にいるのだろうか。手を握り、泣いたりしてくれるのだろうか。
じゃあ俺は?
彼女が死んだとき、俺は泣いたりするのだろうか。
墓にすがり、声を上げて。



「自分の酒の量も弁えられない様なヤツは飲む資格なんか無ぇよ」
珍しい。レヴィが正論をぶっている。
こんなに酔ったのは久しぶりだった。大抵ヘベレケになるまで酔っ払ったレヴィを抱えて彼女の部屋ま
で連れ帰るのは自分の役目だったのだが、今日はその役目を彼女に譲った。もうどうやっても足がうま
く動かない。
寝床にしているホテルの廊下はいつもどおりに薄暗い。明かりは一応ついているのだが、ヤニや埃で
汚れた電球は殆どその役目を果たしていない。部屋の前で鍵を手渡すと、レヴィは鍵を開けるのに少
し苦労していた。
横からそれにちょっかい出して邪魔しようとするが、邪魔だとばかりに手を払いのけられる。
ドアが開いて、よろよろと部屋の中に入るとベッドに放り込まれた。もう少し優しくてくれてもいいのに。
古いベッドはギシっと音を立てた。見上げると、いつもの天井が揺れている。地震、ではない。この街は
地震とは縁が薄い。次に回転ベッド、という懐かしいフレーズが思い浮かんだが、それこそ全くもって意
味は無い。だいたい乗ったことすらない。どんなふうに回転するんだ?目は回らないのか?そんなんで
セックスできるのか?
これ以上ふらふらする天井を見つめながら取りとめも無いことを考えていると更に酔いが回りそうで、
思わず目を閉じた。自分が酔っていることがよく理解できた。こんなヘベレケをよく連れ帰ってくれたも
のだと、素直に謝罪を口にする。
「…悪い」
「いいから寝ろ、ボケ」
冷蔵庫を開ける音。冷たい感触を額に感じて目を開けると、ペットボトルを額に押し当ててくれていた。


127 :Epitaph:2008/07/21(月) 05:03:56 ID:Iln0bMUl
「飲むか?」
頷くと、キャップを開けてくれた。
起き上がり、ベッドに腰掛けたまま一気に飲み込む。まるで砂漠に撒いたようにゴクゴクと飲めたが、一
向にすっきりしない。まぁ、これだけ酔っ払えば仕方が無いが。
ようやく部屋を見渡せば、明かりはついていないが、ブラインドの隙間から外のネオンがわずかに刺し
こみ、床にカラフルな影を映していた。自分の部屋がこんなふうに幻想的な影に彩られる瞬間があるこ
とをはじめて知った。こういうの、何て言うんだっけ?
そう、「キレイ」だ。
その一つをレヴィの足が踏む。
「じゃあ、帰るからな」
つれない言葉。
「何で?泊まっていけば?」
「誰が酔っ払いの世話なんかするか、ボケ。自分で始末しな」
「セックスしようよ」
「ふざけんな、それだけ飲めば勃たねぇだろうが、役立たずに跨る趣味は無ぇよ」
「じゃあ一緒に寝るだけでいいから」
「ひ・と・り・で・寝ろ」
「遅いし一人で出歩くと危ないよ」
「誰に対してもモノ言ってんだ?それともラムでとうとう脳みそ溶けちまったのか?」
「ママ、傍にいて」
「誰がママだ。死ね。ここで朽ち果てろ」
降参。何を言ってもイエスとは返事しないだろう。
諦めて後ろから腰に手を回し、力任せにベッドに引き倒した。
あれだけ悪態をついていたわりには抵抗は無い。酔っ払いの相手を諦めたのか、最初からこうしたか
ったのか、そうだとしたらかわいいことだが、腕の中に納まったままレヴィは小さく溜息をついた。
後ろから抱きしめたまま囁く。
「レヴィ、かわいいよ」
「うるせぇ、死ね」
「裸が見たい、触りたいんだ」
「うるせぇ、死ね」
「せめてホルスターはずして」
「うるせぇ、うるせぇ、うるせぇ、死ね」
そう言うわりには起き上がって、ホルスターを外す。かわいいな。本当に。
カトラスを床に置き、ついでにホットパンツとブーツを脱いで下着姿になり、もう一度横たわる。背中を向
けているのが少々気になるが、まぁこれはオーケーのサインだろう。


128 :Epitaph:2008/07/21(月) 05:04:19 ID:Iln0bMUl
首筋に鼻を突っ込み息を吸う。シャワーを浴びていない体からはタバコと酒と汗の匂い。いい匂いとは
言い難いが、レヴィのいつもの匂いだった。まぁ、自分だって同じ匂いで臭いに決まってる。
左腕を彼女の腕枕にし、右手を彼女の前身へ回す。タンクトップの上から乳房に触れる。手を大きく広
げ、柔らかな感触を楽しむと、最初はその存在すら隠していた乳首が、布の下で緩やかにその存在を
主張し始めた。
「……んっ………」
かわいい声が上がった。
これはゴングが鳴ったのだろうか。いや、これは鳴った、間違いない、と自分に言い聞かせながら、タン
クトップの下へ手を滑り込ませようとしたとき、レヴィの手が進入禁止を知らせた。
「なぁ、ロック」
「ん?」
「聞いときたいことがあるんだ」



「聞きたいこと」と言ったものの、レヴィは口をつぐんだまま、腕の中で背を向けて身動きすらしない。発
言のとおり、何か言いたいことがあるのは背中から伝わってくる。だが、それがどの類のものなのかま
では分からない。引っ張り出すか、それともただ発言を待つか。考えあぐねているとようやく口を開い
た。
「おまえ、死んだらニッポンに帰りたいのか?」
何だ?店での話の続きか。
店でどんなふうに話しただろうかと、酩酊の向こうにある記憶を手繰る。彼女が気にするようなことを、
酔いに任せて口先だけの、思ってもいないような返事をしていないだろうか。
…言っていないよな。
「Fedexに頼んでくれるんだろ?」
ちょっとイヤだけど。
「Fedexはダッチに頼んどけ」
なぜこんなことを言い出したんだ?
何を考えている?
「こういう話、したこと無かったな。…って、ダッチとだって話したこたぁ無ぇけどさ、でもさ、あの、もしそう
思うんだったら、ダッチとか姉御とかに頼んで、手配だけはしておくってのも有りだぜ」
自分が死んで、棺桶に大量のドライアイスをぶち込まれ、日本へ運ばれる。実家の両親は届いた荷物
をどう扱うのだろう。普通に荼毘にふしてくれるのだろうか、それとも、何も言わずに行方不明になった
息子なんて知らないと、受け取り拒否…、そしたらどうなるんだ?
品物名、息子。要冷蔵。
笑えない。


129 :Epitaph:2008/07/21(月) 05:04:58 ID:Iln0bMUl
もし明日死んだらどうしてほしいのか、真剣に考えたことなど無かった。だからイエローフラッグでエダ
に聞かれたとき、日本の風俗について、一般的な日本人はどうするのかを話すだけにとどめた。
なんてことは無い、それ以上語る言葉を持っていなかったからだ。
日本にあるいわゆる先祖代々の墓に入りたいのか、と聞かれれば、YESとは言い難い。
だが、入りたくないのか、と問われれば、やはりYESとは言い難い。
どうでもいいわけでもないが、何かプランがあるわけでもない。
だいたい叶えてもらえるかも分からないことを考えてどうするんだ。死後の約束などというのは支払い
に対する対価を得るような、対等な契約ではない。
一方的な「依頼」だ。
心臓が止まり、もう物を考えることすらしなくなった屍を目の前にしても、その「ただのお願い」を守るよ
うな、対価以上のものが互いの間になければそんなことはできない。
それはいったい何だ?
あのバオが話した見知らぬ人妻が、不義理を続けた夫の約束を守った理由。
それはきっと、以前であればもっと楽な気持で言えた言葉。こんなふうに抱き合うような関係であれば、
もっと簡単に口に出せていたかもしれない言葉。
「あたしは無理だ。…言っただろ?ダッチに言え。何か望みがあるなら」
あぁ、知ってるよ。
俺たちの間にそれが無いことぐらい。



「あぁっ・・・・・、くっぅあっ」
髪を振り乱して快楽に溺れている彼女の背中から覆いかぶさり、身動きを封じる。最奥を突くたびにベ
ッドの上へ上へと逃げようとする体を抑えるために、拘束具のように手首を掴み、シーツに繋ぎ止め
る。
性器がぶつかり合うその場所から、ひっきりなしにパタパタと二人の体液の混じったものが白いシーツ
に落ちる。たいした前戯もしていないのに、レヴィがこんなに濡れているのは久しぶりだ。「こういうのが
好きなの?」と普段であればからかう程、いわゆる大洪水。
ドッグスタイルは嫌いだった。こちらからは顔を見ることができないから、彼女の快楽の度合いも、限界
も、知ることができない。ましてや意地悪をして、その反応を楽しむこともできない。
だが今夜はこれでよかった。顔を見てしまえば、今自分がどんな顔をして彼女を犯しているのかを知る
ことになってしまう。獣みたいなセックスはしたくないと、ファックなどごめんだと普段聖人ぶってご高説
垂れているくせに、なんだこの行為は。肉食獣のセックスだ。肉食獣?犬だ。ただの犬のファック。ただ
メス犬を押さえ込み、突っ込んで、犯し続ける。こんなの、接合点を介在させたお互いの体を利用した
ただのオナニーだ。
それは今の二人には相応しすぎる。
だってそうだろう?


130 :Epitaph:2008/07/21(月) 05:07:07 ID:Iln0bMUl
何の約束もできない関係なら、こんなふうに利用しあうのが一番だ。
一人でするよりマシなだけ。
複数とヤルより安全なだけ。
「いや…やめっ…やっ、…あ、あ、あ、」
NOじゃない。イクと言えといつもいっているのに、なんだよ、それ。
そんな約束すら守れないのかよ。
押さえつけた手首、その先で指がシーツを引き絞る。びくっと一瞬体全体が揺れて、膣の中が収縮す
る。突っ込まれているモノから全てを搾り取ろうとするかのように。
言いたい。
本当は言いたいんだ。
彼女が最後に見せた貪欲なメスの部分に任せて、奥で果てる。体から力が抜けて、彼女の上に倒れこ
む。
口元にある、彼女のかわいい耳。それに囁きたい。
言いたいんだ。
本当は、約束をしてほしいと。



終わり

131 :(´・ω・`):2008/07/21(月) 05:11:19 ID:Iln0bMUl
投下予告とかしちゃってゴメンネ。
もう直しても直しても気に入らなくて、
書けば書くほど岡島くんが暗くなって、
もっと精進しますお。


さて、どらk(ry

132 :名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 10:51:46 ID:hlgyKQX6
なぜ今更5なんだ

133 :名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 13:12:05 ID:ih1UvYYj
DS版でしょ。

…なんでも、嫁さんに出来るキャラが一人増えたとか。

134 :名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 13:51:29 ID:s5LItW5C
一夫多妻制になったという事ですね


135 :名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 18:58:33 ID:I3HeROUM
>>131
もんもんしますなロック君は
なんか弾けたらエライ事しそうで楽しみですがw
>>134
それはPS2版

136 :名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 20:31:14 ID:JlZ2WI5f
ロックいじけてるなぁ

137 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 19:02:24 ID:DhyYL/AO
GJ!
いじけロックもまた良し

138 :名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 10:47:13 ID:HZi3AOss
ガガガ文庫のシェイターネ・バーディ、みんな買った?
レヴィのボンデージ姿がたまらん!!!あれをいつか画集にまとめて欲しい!!
話も面白かったし、レヴィの女王様話もどなたかが補完して詳細に書いてくれたら
という妄想が止まらない…。

139 :名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 12:09:07 ID:KAh7NWXS
ロック生でショータイム見れなかったんだよねカワイソス(´・ω・`)
レヴィたんもロックに見せたかったと思うんだ

140 :名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 15:09:34 ID:ysoAWpj2
ビッチの場合
大喜びで鞭しばく

乙女の場合
客とロックを追い出して撮影のみ
ローワンがチケット捌いたらしいから前者かな

141 :名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 15:14:27 ID:ysoAWpj2
なんだ
ケースビッチだったのか
ロックもそりゃ残念なこった

帰って早く読まねば

142 :名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 15:24:45 ID:BsLxcIvI
ボンテージルックに関する詳細ならあるじゃないか。
このスレで伝説となった長編が。

挿し絵はレヴィたんと兄貴が同じポーズで撃ってる絵が好きだな。
こういうの見るとレヴィたんに銃の手ほどきをしたのは旦那なのかな?とか妄想の種になるw
戦闘が始まったら要領よく相手と呼吸を合わせるのが得意らしいけど、「やっぱ旦那が一番合わせやすいぜ」とか、
あー熱気で頭煮えてんなー

143 :名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 17:53:19 ID:ysoAWpj2
銃の腕は兄貴に習ったとして
SMは誰だ?
誰が彼女を女王に目覚めさせた?

144 :名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 18:33:50 ID:n1qC5peH
まぁ、レヴィたんは一旦デレた相手にはとんでもなくドMなんだけどな…。
両方メチャウマらしいし。

145 :名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 16:31:19 ID:NPDAF19a
レヴィは普段1人の時は色んな妄想してるんだろうな

ロックとのイチャイチャ妄想とか、ロックにこう甘えたらどうだろうとか

で、自己嫌悪に落ちてイライラしちゃうんだ

意外にも乙女なのかも知れん(*´Д`)

146 :名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 02:36:44 ID:IzlEozLb
小説版のボンテージレヴィたんのページが不自然に開きやすくなってる俺に何か一言

147 :名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 06:12:42 ID:rRdNyYRb
>>146
ズボンのチャックが開いてるぜ

148 :名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 10:48:52 ID:rYvGOGeu
一番最後の挿絵のレヴィたんがかわいい

149 :名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 14:41:35 ID:Myt1LBSF
このレヴィたんもSなんです
http://l.pic.to/sxlve

150 :名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 10:22:32 ID:DXgYj1u7
>>149
kwsk!

151 :名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 19:12:32 ID:8jaiPd9+
広江がアザスケの本に寄稿した絵

152 :名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 01:58:11 ID:T86GMUXs
そういや広江ってMのレヴィを描かないよな

153 :名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 08:25:30 ID:agin4gkd
本編で描いてるじゃないか。

あざすけ氏の最新CG集に覚醒ロックに犯されてるレヴィたんがあったな。


154 :名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 20:37:19 ID:/0xJ4Smn
それ欲しいんだよ!!
でも買いにいけないんだよ!!
サイトのサンプルCG見ておっきした。

ダウンロード販売してくんねえかなあ

155 :名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 13:07:49 ID:DCOXIlcH
>>154
夏コミで発売されるだろ

156 :名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 21:10:57 ID:Jo2qfjgd
夏コミにいけないんだ…

157 :名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 01:39:49 ID:pZv+xMU