メタルサーガ METAL SAGAのエロパロ その6
- 1 :名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 01:48:56 ID:z9VI3EbI
- メタルサーガ METAL SAGAのエロパロ その6
ここは「メタルサーガ・シリーズ」のエロパロ作品を投稿したり語ったりするスレです。
砂塵の鎖、鋼の季節の他、旧作「メタルマックス」シリーズ(1・2・R)も許容範囲です。
ところでそろそろ新作が待ち遠しいですね。
◇◆◇ 注意事項 & 推奨事項 ◇◆◇
・書きながらのUPはやめましょう。一度ローカルで書き上げてから一度にUPお願いします。
・余裕があれば名前欄に 現ページ数/総ページ数 の記載を推奨します。
・当スレでの主人公名は「はんた」がデフォルトになっていますが、強制ではありません。
・内容に偏りがあると思われる場合、傾向を予告しておくと無用なトラブルの回避になります。
(グロ・スカ・強姦・SM・女人化・ボーイズラブ等、読み手を選ぶと思われる作品は要予告!)
・アップローダーを使用される場合、作品の紛失事故に備え、作者は原版を大事に保管して下さい。
◇◆◇ 参考までに ◇◆◇
・エロ成分が圧倒的に不足しています。煩悩を忘れてはいけません。開放しましょう。
・扱うキャラに偏りが出ています。シャーリィやメグ達も愛してあげて下さい。
・当スレの過去作品は、リンク切れした(流れた)作品を含め、下記保管庫にて保管して頂いています。
管理人様に感謝です。
前スレ
メタルサーガ METAL SAGAのエロパロ その5
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1178159055/
保管庫
ttp://mseroparo.schoolbus.tv/
- 206 :名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 21:56:29 ID:0oF2thl6
- カップラーメンに最適です。
お湯を注ぐシーンはかなり変態的ですが・・・・・
- 207 :名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 22:57:31 ID:XPGVRgmD
- アンドロイドだから大丈夫だろとアルファに中田氏しまくってたら数ヵ月後お腹が膨らんできて焦るはんた
- 208 :名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:39:29 ID:MTQR2NXZ
- それでアルファがアンドロイドから人間になりかけている事が発覚し、責任を取ってはんたはアルファと結婚すると言う事ですね?
- 209 :名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 01:34:54 ID:pzMpVLnr
-
私の人格はプログラムによる人工知能ではなく
錬金術によって作られた人造霊魂によって構築されています。
その錬金術の技術はもう一点、女性器内にも使用されており、
同一の男性からの遺伝子採取が365回を超えた場合に限り、
その精液からホムンクルスを自動生成、
2人の愛の証として次代を成すことが出来るようになっているのです。
……マスター、なにを悲しんでいるのですか?
- 210 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 17:14:12 ID:pJcLz13t
- 子供を産めない某ボーカロイドが妊婦の腹を掻っ捌いて自分のお腹のスペースに入れてるシチュの絵を思い出した
- 211 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 18:13:56 ID:y8DPIyZW
- 避妊機能が未完成だったアルファですか
- 212 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:09:51 ID:dhj9yXJF
- METAL SAGA 〜new generation〜
第2話「黒い死神」
1
お兄ちゃんのようなモンスターハンターになりたい。
そんな漠然とした目的を持って、ジャンクヤードから旅立った一人の少女、エミリ。
その彼女の旅に、無理やり付き合わされてしまった不幸な少年、カール。
エミリの思い描いているモンスターハンターとは、困っている人々の前に現れて、悪い奴をやっつける正義の味方であった。
その様なものだろうと、カールも思っていた。
事実、エミリの兄はんたは、行く先々で困っている人々の前に現れ、悪行を働く賞金首を倒し去っていく。
見方を変えれば、それは十分正義の味方であった。
だが、一歩荒野に踏み出せば、そこにあるのは非情な現実である。
実際のモンスターハンターと言うものは、そんなカッコ良いものではない。
生きていくためには、戦い、奪い、時には他人を蹴落とす非情な世界。
少し外の世界を見て周り、モンスターハンターの現実を知れば、一ヶ月、早ければ数週間で音を上げてジャンクヤードに帰るだろう。
そう思ったから、カールは少しくらいエミリのハンターごっこに付き合っても良いと考えていた。
その考えが余りに甘かった事を、この数ヶ月でカールは痛感した。
荒野のハイウェイを走る2台のクルマ。
「もう、しつこいわね」
ハンドルを握るエミリは、サイドミラーに映るクルマを見る。
エミリの運転するバギーの背後には、ガンボートが猛スピードで追撃していた。
「しつこい男は、嫌われるのよ」
その時、サイドミラーに映るガンボートの荷台に積んである機銃が動いたのを、エミリは見逃さなかった。
「ポチ、しっかりしがみついてなさいよっ!」
ポチは、ガンボートとのカーチェイス中だというのに、助手席でウトウトと居眠りをしていた。
ガンボートが荷台に積んでいるマシンガンを乱射した。
「当たるもんですか」
エミリは、右に左にと巧みになハンドル操作で銃弾をかわす。
見事な身かわし走行である。
するとガンボートが加速し、バギーの横に並ぶ。
荷台のマシンガンが、運転席のエミリに狙いを定める。
「このっ!」
マシンガンから銃弾が撃たれる直前、エミリは勢いよくブレーキを踏んだ。
アスファルトにブラックマークを刻みながら、バギーが急速に減速する。
「くうっ!!」
減速のGに、ハーネスがエミリの身体に食い込む。
相対速度を合わせていたガンボートは、急激に減速したバギーの前に躍り出る。
絶好の位置だ。
「いっけーーー!!!」
ガンボートの後ろについたエミリは、掛け声と共にアクセルをブーツでおもいっきり踏み込む。
バギーは弾丸の如く、全速力で加速した。
ガジャンッ!!
バギーは、前方に躍り出たガンボートの後部に体当たりを食らわせた。
ガンボートのリアバンパーがグシャリッと破壊されるが、剛性の高い軽合金製のシャシーを持つバギーはへこみもしない。
- 213 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:10:57 ID:dhj9yXJF
- 2
「ぶっ飛べーっ!!!」
ほとんどゼロ距離から、エミリはバギーに搭載されている副砲を乱射した。
ガンボートは、後部に数十発の弾丸を食らいバランスを崩す。
タイヤが軋み悲鳴を上げながらガンボートはコントロールを失い、車体が横滑りを始めた。
そして、遠心力に耐えられなくなったガンボートは横転した。
ガラスが砕け散り、車体が押し潰され、2度、3度と転がり逆さまになってようやく停まった。
横転したガンボートの脇を通り抜けたバギーは、タイヤから白煙を上げながら停車した。
エミリは、バギーをバックさせると横転しているガンボートを注意深く観察する。
ガンボートは、完全に沈黙していた。
「ふぅ〜」
緊張を解いたエミリは、ハンドルから手を離す。
「大丈夫、ポチ?」
助手席に座っているポチを見ると、ふわぁ〜っと大きなあくびをしていた。
「さてと、それじゃガンボートから使えそうな物を頂きましょうか」
賞金のかかっていないモンスターは、倒しただけではお金にならない。
タンク系、サイバー系、ヴィーグル系などの機械モンスターなら、燃料や電子部品などを街で売ってお金に換えなければならないのである。
エミリは、後部座席からジェリカンとポンプとバールを取り出すと、バギーからポチと一緒に降りる。
「ポチ、周辺の警戒よろしくね」
ポチにそう言うと、さっそくガンボートの給油口をバールでこじ開け始めた。
「ワンッ! ワンッ!」
「んっ? どうしたの、ポチ?」
こじ開けた給油口にポンプのホースを突っ込み、燃料を抜き取っていると、ポチが大きな尻尾を振りながら今まで走ってきた方を見ながら吠えた。
耳を澄ますと、キャタピラ音とエンジン音が聞こえてきた。
エミリは、いつでもバギーに戻れるように身構える。
すると、後方から一台の戦車が走ってきた。
その戦車を見て、エミリとポチは警戒を解いた。
それは、一緒に旅をしているメカニック、カールの愛車パンターGであった。
「エミリちゃん、よかった無事だったんだね」
戦車から心配そうな顔をしたカールが駆け寄ってくる・・・・・・・が。
「遅いっ! 今まで何やってたのよ!」
カールは、いきなりエミリに怒られる。
何で怒られるの? といった顔をするカール。
「何やってたって、ハイウェイタンク四台も押し付けたのエミリちゃんでしょ」
カールは遭遇したハイウェイタンク四台を相手にドンパチを繰り広げた後、大急ぎでエミリの後を追ってきたのだが・・・。
「言い訳しないのっ!」
そう言うとエミリは、燃料の抜き取り作業に戻る。
カールが、ボーゼンとその後ろ姿を見ていると。
「何ボーーーーーーと突っ立ってんのよ」
「えっ?」
「私は燃料抜き取ってるんだから、カール君は電子部品でも引っ剥がしてよ。
それと、これが終わったらハイウェイタンクの燃料と電子部品も盗りに戻るわよ」
エミリは、カールが思っていたよりも遥かにたくましく荒野で生きていくサバイバル能力を持っていた。
以前、ジャンクヤードで人の良い笑みを浮かべていた少女は、アグレッシブでタフな精神を持つ、モンスターハンターへと成長していた。
- 214 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:11:46 ID:dhj9yXJF
- 3
「かんぱーい」
手に持ったコップを高々と上げるエミリとカール。
ここは、かつてドライブインらしき場所に人か集まって出来た小さな村である。
小さな村であるが、宿屋、道具屋、酒場、満タンサービス、ハンターオフィスと最低限の設備は兼ね備えていた。
エミリとカールは、手に入れた燃料や電子部品を売り払うと、酒場でささやかな祝杯をあげていた。
ちなみにポチは、テーブルの下でわんわんグルメを食べている。
「いや〜、カール君にも見せてあげたかったわよ、私の華麗なる運転テクニック」
「ここ数ヶ月で、ずいぶんと腕をあげたよね」
事実、エミリの運転技術は、駆け出しレベルを超えている。
「もうハンターとして一人前かな?」
「ん〜、一応、賞金首を一体倒せば『やっと一人前』って言われてるんだけど」
バリバリソーダを飲みながら、何の気なしに答えるカール。
「なら、賞金首を倒しに行こうよ」
「賞金首をっ!?」
思わず、飲んでいたバリバリソーダを吹き出しそうになるカール。
「そうよ、お兄ちゃんは、あのバギーを手に入れたその日に、賞金首のスカルベンジャーを倒したんだから。
私だって、そろそろ賞金首の一体でも倒してモンスターハンターとして名声を上げないと、お兄ちゃんみたいになれないわよ」
コブシを振り上げ熱弁するエミリ。
「いや、でも、この辺り賞金のかかってるモンスターいないみたいだし」
そう言うカールに、エミリは笑みを浮かべる。
その笑みに、カールは嫌な予感がした。
「じゃ〜ん! ほらこれ見てよ、さっきハンターオフィスで貰ってきたの」
エミリは、テーブルの上に手配書を置いて見せた。
「いつの間に!?」
嫌な予感は的中した。
「カール君が電子部品を売ってる間に、それよりほら、ここ見てよ」
それは、賞金のかかった盗賊団の手配書であった。
「盗賊団!?」
「カール君、盗賊団ってあれでしょ?
モヒカン頭にトゲ付きショルダーパットを身に付けて『ヒャッハッー! 水だ、水だー!!』って言ったり。
上半身裸の筋肉モリモリで、ホッケーマスク被って『ガソリンだー、ガソリンをよこせーっ!!』って言う人達の事でしょ?」
「まぁ、間違ってはないけど」
かなり偏見の入った盗賊像である。
「ハンターオフィスで聞いたんだけど、盗賊団は全部で80人ほどで、ここから南に17〜8キロほど行った所の倉庫街をアジトにしてるんだって」
「80人!?」
決して少なくない人数だ。
ベテランハンターなら何とかなるかも知れないが、駆け出しハンターにはとても倒せる人数ではない。
「カール君、この盗賊団、倒しに行こうよ」
「ダメだ、エミリちゃん危険すぎるよ! 人間の賞金首は、モンスターとはまた違う意味で危険なんだよ!」
それなりに場数を踏んでいるカールは、反対する。
「何ビビッてるのよ、仮にもカール君だってBBアーミーって軍団と戦ったんでしょ」
「戦った事はあるけど、あの時は姉さんやはんたさん達がいたからで、とにかく僕達だけじゃ危険だよ」
何とか説得しようとするカールであった・・・・・・・が。
「何よ! もういいわよ、それじゃ! 私とポチだけで盗賊団を退治しに行くんだから!」
逆切れである。
こうなったエミリは、止められそうにない。
放っておいたら、本当に一人で盗賊団のアジトに突撃しかねない。
「ま、待って! 落ち着いて! わかったよ、僕も行くよ!・・・・・・・でも最初は偵察からだからね」
「それでこそモンスターハンターよ、カール君」
コロリと態度を変え、親指を立ててみせるエミリ。
意気込むエミリを尻目に、カールは、彼女に万が一の事が遭ったら、はんた、キョウジ、ニーナに殺されると、覚悟をした。
- 215 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:13:01 ID:dhj9yXJF
- 4
荒野のハイウェイ沿いに立つ倉庫街。
倉庫街の、もっとも大きな倉庫の中に、迷彩服を着た多くの男達がいた。
木箱を囲みカードゲームや、くつろいだ姿勢で談笑などをしている。
その最奥部に、広間のように木箱が積み上げられて作られた部屋があった。
「今回も、大成功だったな」
ソファーにくつろいだ姿勢で座り、贅沢品の葉巻を銜え、酒を飲む男がいた。
この盗賊団のボスである。
髭面にがっちりした体格。
典型的な盗賊団の、ボスの見本のような奴である。
ボスの傍らには、真新しい木箱が乱暴に開けられて置かれていた。
そこにある物は、つい先日トレーダーの輸送トラックを襲い、強奪した積み荷の酒、煙草、食料等であった。
「やっぱり、トレーダー共は実入りが良いですね〜」
「これで、女がいれば言う事無しなんですが」
「しょうがねえだろ、トレーダー共は皆殺しにしちまったんだから」
チンピラ達は、贅沢品の入った木箱を叩きながら、下品な笑みを浮かべる。
「でもボス、最近少し派手に暴れすぎじゃありませんか?」
「ハンターオフィスが、ボスに賞金をかけたらしいじゃないですか」
部下達が少し心配そうに呟くが。
「ハンターが怖くて盗賊が出来るかっ! ハンターが攻めてきたら逆に返り討ちにしてくれるわ」
ボスは、ガッハッハッハと笑い飛ばし酒を口にする。
すると、倉庫の外が急に騒がしくなった。
怒声、罵声、悲鳴、そしてその声を掻き消す機銃の重い音。
それが、だんだんと近づいてくる。
「何事だっ!?」
ボスが立ち上がると、一人の部下が走りこんでくる。
「ボスッ、大変ですっ! モンスターハンターが攻めてきましたっ!」
「モンスターハンターだとっ!」
「外の連中は、ほとんどやられちまった!」
報告に来たチンピラは、真っ青な顔をしている。
「どうします、ボス?」
「おのれ〜、モンスターハンターが〜」
ボスは、手に持った酒ビンを飲み干すと、床に投げ捨てる。
「倉庫内に誘い込め、ここを襲った事を後悔させてやるっ!」
ボスの命令に、部下達は一斉に散っていった。
それが、彼らにとって最悪の選択になろうとは、この時知る由もなかった。
- 216 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:14:34 ID:dhj9yXJF
- 5
「何よ・・・・・・・・これ」
盗賊団退治の名目で出発したエミリとカールが、盗賊団のアジトになっている倉庫街に着いた時、そこは地獄と化していた。
エミリとカールが盗賊のアジトになっている倉庫街に入って、まず目にしたのは血だらけで倒れているチンピラ達であった。
エミリは、バギーを停めて、深く考えもせずにドアを開けた。
辺りには、バイクやハンビー等が燃えた後なのか、ガソリンの焼ける匂いが充満している。
「・・・・・一体、何があったのよ?」
腰のホルスターに挿したショットガンを引き抜くと、慎重に辺りを見回した。
「エミリちゃん、不用意にクルマの外に出ちゃダメだよ」
カールが戦車から降りながら、エミリに注意する。
その手には、武器のブーメランスパナが握られていた。
「ここは、敵地なんだから、もう少し慎重に行動しないと命取りになるよ」
「わ・・・・わかってるわよ、それくらい、それよりこの状況は何? ここで何が起こったのよ?」
辺りを見回せば、そこかしこに人が倒れており、バイクやハンビーからは黒い煙が立ち上っている。
「わからないよ、見た所仲間割れって感じじゃないし、僕たち以外のモンスターハンターが襲撃したのかも知れない。
エミリちゃんは、ポチと一緒に周囲を警戒して、僕は燃え残ったクルマを調べてみるから」
カールはそう言うと、さっそく焼け焦げたハンビーを調べる。
車内にある黒い塊を出来るだけ見ないようにしてハンビーを調べると、銃撃された弾痕が残っている。
「この弾痕から見て、撃ち出された弾丸は15、いや20mmかな?
無駄なく精確に燃料タンクを撃ち貫いてる、凄腕だ、これ程の腕前を持つハンターは、そうはいないはず」
カールがハンビーを調べている間、エミリはポチと一緒に周囲を探索していた。
「・・・・・・酷いわね」
辺りを歩きながら、率直な感想を口にする。
「ワンッ! ワンッ! ワンッ! ワンッ!」
ポチが突然、倉庫と倉庫の間に向かって吠え始めた。
「どうしたの、ポチ? 何かいるの?」
エミリは、慎重にポチが吠えている方に足を進める。
「誰かいるの? いるのなら抵抗はやめなさい、こっちにはスーパーダイナマイトな破壊力の武器があるんだから」
手に持ったショットガンを、握り直しながら声をかけるが返事は無い。
ポチが倉庫と倉庫の間に入って行く。
「ポチ、ちょっと」
エミリもポチの後に続く。
そこには、血だらけのチンピラが壁に寄りかかり座り込んでいた。
ポチは、そのチンピラをジッと見つめている。
「・・・・・・・死んでるの?」
腹部から染み出した血が、コンクリートの地面に血溜まりを作っている。
「・・・・・・・・・・・・ぅぅ・・・・・・」
チンピラが微かに呻き声を上げた。
「カール君、生きてる人がいたー!」
エミリが声を上げると、ハンビーを調べていたカールがすぐにさま駆け寄ってくる。
「大丈夫ですか!?」
エミリは、チンピラの横にかがみ込み優しく肩を触った。
傷口は見えないが出血が激しく、致命傷だと直感した。
「一体何があったんです?」
エミリはチンピラの顔を覗き込みながら質問する。
「・・・・・・・・・・・・・黒ぃ・・・・・・・・・・・・・・・・戦車・・・・・」
「黒い戦車?」
「・・・・・・真っ黒な・・・・・・戦車に乗った・・・・・・賞金稼ぎが・・・・・・・・・・きやがったんだよぉぉぉぉぉっ!!!!!!」
チンピラは、最後の力を振り絞り絶叫すると、そのまま恐怖に歪んだ顔のまま事切れた。
- 217 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:16:10 ID:dhj9yXJF
- 6
倉庫街の一番奥にある、大きな倉庫。
そこは、凄惨という言葉では言い表せられない状況に陥っていた。
硝煙の匂いを掻き消すほどの血の匂いが、倉庫内に充満している。
そんな中を、黒い影が駆け抜ける。
腰まで伸びる黒色の髪。
闇を思わせる瞳は、獣のように鋭い。
闇色の黒地の上下つなぎのレザースーツが、鍛え上げられた戦士の肉体を包んでいる。
胸の膨らみから、その者が女性であることがわかる。
全身から漂わせる気配は戦場を駆けるソルジャーのそれによく似ており、冷たく、殺伐とした雰囲気を出していた。
その手には、抜き身の片刃の刀が握られている。
倉庫内を駆け抜ける風は、黒い旋風。
その黒い風に向かってチンピラ達は叫びながら、それぞれ手に持った銃の引き金を引いていた。
銃声が倉庫内にいくつも響く。
だが当たらない。
そして、神速とも思える速度でチンピラ達との間合いをつめる。
黒い旋風と交叉した瞬間、チンピラ達の首が、身体が、宙を舞った。
何故かチンピラ達の切られた切断面からは、血は一滴もこぼれていない。
チンピラ達が唯一幸運だったのは、あまりにも高速な斬撃ゆえに、痛みを伴わず死ねた事だろう。
全ての者が一刀のもとに切り伏せられた。
刀にこびりついた血糊を、吹き飛ばす。
すると、思い出したかの様に、斬られたチンピラ達の切断面から、噴水やシャワーのように真っ赤な血が噴出した。
彼女の駆け抜けた後には、首や胴体が綺麗に切り離されたチンピラ達の死体が血の海の中に転がっていた。
「な・・・・なんだ、何なんだ、こいつはっ!?」
「こいつ、本当に人間なのか?」
「人間じゃねえ、こいつは、こいつは悪魔だっ!」
チンピラ達は、恐怖にかられて絶叫した。
暴力に物を言わせてきた彼らは、敏感に悟った。
自分達が、とんでもないモノを相手にしていると。
この女の強さは、圧倒的だと。
彼女は、微かに顔を動かして視線を走らせる。
その目に射抜かれたチンピラ達は、おもわず後ずさった。
背筋の凍るような冷たい目。
全身が総毛立ち、彼らは息を殺す。
「私は、貴様らのような者の命を刈る・・・・・・・死神だ」
一振りごとにチンピラ達の身体が宙を舞い、命を落とす。
まさに、相手の命を刈る死神の鎌。
「お前達の命運は、私の手で尽きる事になる」
チンピラ達の命を刈りながら薄闇の中、木箱が積み上げられている倉庫を奥へ、奥へと進んでいく。
- 218 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:17:26 ID:dhj9yXJF
- 7
エミリとカールが倉庫街をしばらく進むと、大きな倉庫が現れた。
倉庫には、シャッターの下りた入り口がある。
「シャッターが下りてる、これじゃ中に入れないじゃない」
すると、ポチが走り出した。
「あっ! ポチッ!?」
慌てて後を追う、エミリとカール。
「ワンッ! ワンッ! ワンッ!」
ポチは、倉庫の右側にあるドアの前で吠えていた。
「ポチ、お手柄よ」
エミリはドアを調べる。
「鍵はかかってないわね、カール君、先に入って」
「えぇ!? どうして」
「男の子でしょ、それともなに、か弱い女の子を危険かも知れない倉庫に先に入らせるつもり」
「入らないで帰るって選択肢は無いの?」
「ゴチャゴチャ言ってないで、さっさと中に入るの」
エミリは、手に持ったショットガンをカールに押し付ける。
「わかったよ、わかったから、ショットガンをコッチに向けて押し付けないで」
しぶしぶカールは、ドアを開ける。
「(お邪魔しま〜す)」
カールは、とても場違いな挨拶をしながら中に入る。
続いてエミリ、ポチも後に続く。
そこは、事務所になっていた。
左側にはシャッターの下りた窓があり、奥には倉庫へ続くドアがあった。
カールは、ドアに近づくと、軽くノブを確かめる。
「ここも鍵はかかってない・・・・・開けるよ」
カールがそう言い、エミリはショットガンを構える。
それを見て、カールは一息入れてからノブを回し、一気にドアを引っ張り開ける。
薄闇の中、置き捨てられたように埃にまみれた木箱や、サビの浮いたドラム缶があちこちに転がっている。
カールは、慌ててドアを閉めた。
木箱やドラム缶とは別に、床に転がっているモノを見てしまった。
真っ青な顔をしたカール。
「・・・・・・・・・・・エミリちゃん・・・・・・・・見ちゃった?」
恐る恐る、カールは振り返った。
エミリは、ショットガンを構えたまま硬直していた。
「・・・・・・・・・エミリちゃん?」
「キャアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」
絹を裂くような悲鳴が事務所に響く。
「カール君! 死体がっ! 今そこに、死体が転がってたぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
ドアを指差し、絶叫するエミリ。
「エミリちゃん、落ち着いて、死体なら外でも見たでしょ」
エミリが余りにもパニックになっているので、逆にカールは冷静になる事が出来た。
「だって、だって、死体は平気だけど不意をうたれるのは嫌いなのよっ! それにあれ首が、頭が、グロすぎっ!」
エミリは涙目、涙声だ。
(泣きたいのはコッチだよ)
「と、とにかく落ち着いて、ポチも知らんぷりしてないで、エミリちゃんを落ち着かせてよ」
ちなみにポチは、エミリが悲鳴を上げた直後に、入り口のドアまで後退りしていた。
エミリがわめき散らし、カールが必死になだめていると、雷鳴にも似た銃声が倉庫内に、事務所内に響き渡った。
銃声に二人は、ピタリと動きを止めた。
「何よ、カール君、今の音は?・・・・・・・・銃声?」
「・・・・・・・奥からだ」
二人は、閉まっている倉庫へ続くドアを凝視した。
- 219 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:18:43 ID:dhj9yXJF
- 8
倉庫の奥へと歩く黒い影。
やがて開けた場所に出る。
壁のように積み上げられた木箱の上に、間隔を開けて立つ数十人の気配があった。
「撃てっ! 撃てっ! 撃てっ!」
その声に、チンピラ達は各々の手にした銃の引き金を引き絞った。
銃弾の雨が、死神と名乗った彼女めがけて降り注ぐ。
だが彼女は、まるで踊るような動きで無数に降り注ぐ銃撃をかわすと、凄まじい反撃を披露する。
彼女は、両手を左右に広げる。
その手には、二丁の大型拳銃が握られていた。
いつの間にか、刀は背中の鞘に収められている。
雷鳴のような銃声が倉庫内に轟く。
積み上げられた木箱の上にいた二人のチンピラが悲鳴を上げる間もなく撃ち抜かれ、身体を後方に吹き飛ばされ壁に激突する。
彼女は、二丁拳銃を乱射する。
銃声と共に、さらに四人のチンピラが吹き飛ばされる。
お返しとばかりに撃ち出される銃弾に、チンピラ達は、一人、また一人と吹き飛ばされ動かなくなる。
そのあまりの凄まじさに、チンピラ達は震え上がった。
「ひぃ、逃げろっ! 逃げろっ!」
「来るなっ! 来るなっ! 来るなーっ!」
「助けて、助けて、神様」
本物の死神に魅入られてしまったように、恐怖とパニックがその場を支配した。
「死神だと言ったはずだ」
彼女は、軽やかなダンスを踊るように舞、BGMのごとき銃声が響き渡る。
命を刈る死神のダンス。
部下達がパニックに陥っている中、盗賊団のボスは、いち早く逃げ延びていた。
彼が生き残れたのは、卑怯者だったからだ。
ボスは、部下の一人を自分の前に押しやり、逃げるための貴重な数秒を稼いだ。
前に押しやった部下の頭半分が、まるでスイカのように吹き飛んだのをボスは見た。
倉庫の中に誘い込み、入り口のシャッターを閉め、戦車止めで身動きの出来なくなった戦車から降りた奴を倒す。
戦車から降りれば、いくら強いモンスターハンターでもただの人間になってしまう。
これは、戦車に頼っているモンスターハンターを倒す、必勝の作戦であった。
そして、あの女モンスターハンターを戦車から降ろし、待ち伏せたまではよかったが、相手が悪すぎた。
悪夢を見ているようだ。
80人近くいた部下が、たった一人によって惨殺されたのだ。
最初に気がつくべきだった。
漆黒の戦車に乗った、凄腕の賞金稼ぎ。
モンスターから盗賊団まで、たった一人で乗り込んで悪党どもを撃ち倒す。
魂を刈る漆黒の戦車、モンスターハンターからも恐れられる凄腕の賞金稼ぎ。
そのモンスターハンターに狙われたら、待ているのは100%の死、そしてついた通り名が『黒い死神』。
結果的に彼は、仲間を全て失い、彼自身も危ういところを逃げ出したのだ。
死んだ仲間には気の毒だったが、所詮は金で繋がっただけの関係である。
仇をとろうなんて気は、サラサラ無い。
なによりあの女には、生身では勝てないと彼の勘が告げていた。
背後から、靴音が近づいてくる。
あきらかにその音は、ボスとの距離を縮めつつあった。
飛び出すようにドアを抜けると、目的のモノがそこにはあった。
- 220 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:19:41 ID:dhj9yXJF
- 9
「盗賊団の一味とはいえ、これは・・・・」
これでも少なくない修羅場を、姉のローズと共に潜り抜けてきたカールでも、思わず顔を背けたくなる程の凄惨な状況であった。
倒れているチンピラ達は、首が飛び、両腕が切断され、胴が切り裂かれ、更には頭から股間まで真っ二つに切り開かれたものまであった。
辺り一面、血の海という表現がピッタリである。
「皆、一刀の元に切り伏せられてる、即死だな」
屈み込み、斬られたチンピラ達を調べていたカールは、振り返りエミリを見る。
エミリは、込み上げて来る吐き気を必死に我慢している。
「エミリちゃん、無理しないでクルマに戻ってて良いんだよ、僕一人で調べるからさ」
「こ、これ位へっちゃらよ、こんな事でビビッてたらお兄ちゃんみたいなモンスターハンターになれないわよ」
そう強がってはいるが、足元が震えていた。
ポチは、足元が血で滑るのか歩きにくそうである。
「カール君、一体なにを使えばこんな風に人が斬れるのよ、ライトサーベルとか?」
「いや、ライトサーベルなんかの剣で斬られると、切り口が焼けて血は出ないんだよ。
これは間違いなく実剣、それもキーンエッジや堀川国広みたいな鋭利な刃物で斬られた後だよ」
「・・・・でも、骨って凄く硬いよね」
「実剣で、人間を斬るなんて相当の技量だよ、ラシードさんクラスの剣の使い手だね」
さらにエミリとカールは、血の海と化した倉庫内を奥へ、奥へと進んで行く。
しばらく進むと、開けた場所に出た。
そこにも、多くの死体が転がっていた。
「カール君、こっちはもっと酷い」
指差すのはイヤなのか、ショットガンを向けて示した先の死体は、言うとおり酷いものであった。
こちらは、頭がザクロのように爆ぜ、腕が千切れ飛び、胸には大きな風穴を開け、粉々に粉砕された内臓や脊髄、肺や心臓などが散らばっていた。
「うぇ、ひどい傷、ミニバルカンみたいな物で撃たれたのかな?」
カールは、その無残な銃創を観察してから呟く。
「この銃創から見て、使った銃は大口径の大型銃、44マグナム? いやオートマグかな?」
カールが考えていると、エミリが肩を叩いた。
「カール君、あれ」
エミリが、更に奥にある開け放たれたドアを指差した。
二人はお互い顔を見ると、どちらか共なく頷きドアを抜ける。
そこは室内型の駐車場になっていた。
その駐車場に、箱型でキャタピラ式の鋼鉄のクルマが一台置かれていた。
「あれって、戦車?」
「装甲車だよ」
その装甲車と対峙するように一人の人物が立っていた。
二人は、慌てて手近な柱の影に身を隠す。
真っ黒な髪をした女性であった。
ボディラインが浮き上がるほどピッチリとした闇色のレザースーツが、鍛え上げられた肉体を包んでいる。
腰には、大きな二挺の拳銃がホルスターに納まっている。
背中には、片刃の長剣を背負っていた。
- 221 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:21:19 ID:dhj9yXJF
- 10
『あっという間に、俺様の子分たちを片付けちまうとは! 噂以上の凄腕だな! ・・・・だが、貴様に俺は倒せんぞ!』
盗賊団のボスの声が、装甲車に搭載されているスピーカーから発せられ、駐車場内に響き渡る。
しかし、彼女はまったく意に介した様子は無い。
『うわははははははっ! いかに死神でも、生身では戦車に敵うまい! あの世に行きな、死神! 文字通り冥府に送り返してやる!』
言うが早いが、装甲車は彼女に向かって、2門の機銃を乱射した。
食らえばどんなに強い人間でも、一瞬にしてミンチになる攻撃。
だが、一瞬速く、黒い影を残して彼女が消えた。
いや、エミリとカールの目には消えたように見えたと言った方が正しい。
一瞬にして装甲車の機銃から逃れた彼女。
その彼女の両手には、いつの間に引き抜かれたのか、二挺の拳銃が握られていた。
神々しいまでに黒く輝く、二挺の大型拳銃。
漆黒の輝きが、エミリとカールの目を釘付けにした。
銃の知識に乏しいエミリには、銃の種類はわからなかったが、カールには、それがハンドキャノンの異名を持つデザートイーグルだろうと見当がついた。
デザートイーグルをベースに、過剰なまでに改造を施したスペシャルバージョン。
男でも構える事さえ困難に思えるその巨大な銃を、彼女はそれぞれ片手で構える。
次の瞬間、轟音を響かせ銃を乱射した。
大口径のデザートイーグルを、まるで小銃のごとく撃ちまくる。
人間が食らえば、かすっただけで致命傷になるだろう。
しかし、いかに強力とはいえ、所詮は拳銃、戦車相手にそうやすやすと致命傷は与えられない。
『フハハハハハハッ! そんなモノが戦車に通用するものか!』
装甲車は、旋回しながら機銃を乱射する。
置かれていた木箱が、派手な音を立てて砕け散った。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」
「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!」
ドラム缶が吹き飛び、エミリとカールが隠れている柱を、機銃の弾丸が削り取る。
エミリとカールは悲鳴を上げ、ポチはその場に伏せる。
『こいつを破壊したければ、対戦車ライフルでも持って来るべきだったな!』
装甲車を中心に、コンクリートを駆け銃を撃つ彼女と、旋回しながら機銃を乱射する装甲車との撃ち合いが続く。
そんな中、絶対的に不利な戦いを強いられているはずの彼女の顔は、笑みを浮かべていた。
それは、戦いを、殺し合いを楽しんでいるようであった。
ガジャンッ!!!
『な、何事だーーー!!??』
不意に、金属音と共に、装甲車のキャタピラが外れた。
「えっ、何? 整備不良?」
「違う、キャタピラの連結部分を撃ち抜いたんだ」
エミリの問いに、メカニックのカールがすぐに答える。
『旋回能力を奪ったくらいで、まだ負けた訳ではないわぁ!』
彼女は、機銃を跳躍で避けると、そのまま装甲車の上に降り立つ。
その手には、いつの間にか銃ではなく、抜き身の長剣が握られていた。
鞘から抜き放たれた白銀の刀身。
何人モノ人間を切り伏せたとは思えない、曇りなき輝きを放つ刀。
「ハァッ!」
気合と共に繰り出された斬撃は、2門の機銃を根元から切り落とした。
彼女は、更にエンジン部分に剣を突き立てる。
「戦車を切ったの!?」
「まるでレッドフォックスだ」
装甲車は、完全に機能を停止した。
- 222 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:23:14 ID:dhj9yXJF
- 11
「おのれー」
装甲車が使い物にならないとわかると、中から盗賊団のボスが飛び出した。
手には、AK47アサルトライフルが握られている。
「この、バケモノがー!」
ボスは、叫ぶと同時に引き金を絞った。
次の瞬間、持っていたAK47アサルトライフルは、中ほどから切り落とされていた。
「チェックメイト」
剣をボスの喉元に押し付け、彼女は冷たく言い放った。
「ま、待て・・・・・・・待て、待て、待て、頼む、命だけは助けてくれ〜」
ボスは、使い物にならないアサルトライフルを落とすと、拝むように命乞いをした。
「・・・・・・・一つ、質問がある」
彼女が静かに問い掛ける。
「何でしょう?」
「お前、ノアシードと言う物を知っているか?」
「し・・・・・知らねぇ」
「本当に知らないのか?」
刀身の切っ先がボスの皮膚に軽く食い込み、血が滲み出てくる。
「そ・・・・そんな、本当に知らないんだ」
「そうか・・・・・・・・・・・・・・・・では、死ね」
「ま、待て、いや、待ってください、もう盗みはしない、だから命だけは助けてくれ!!!」
「ダメだ」
「き、貴様には、情ってものがねえのか!」
「悪党にかける情は無い・・・・・・・・・・・っが、正直に話したお前にチャンスをやろう」
彼女はそう言うと、剣を引き背中の鞘に戻すと後ろに下がる。
「・・・・・・・? 何のマネだ?」
「懐に、もう一丁、銃を持っているのだろ」
「・・・・!」
「抜き撃ちで勝負といきましょうか、私を殺せたらあなたの勝ちよ」
そう言われたが、ボスは動けなかった。
彼女から発せられる刃物のような殺気に気圧され、筋肉が硬直してしまっていた。
エミリもカールもポチも、その様子を物陰から固唾を飲んで見守る。
「どうした? きっかけが欲しいか」
彼女は、何かを取り出した。
指先に摘まんでいるのは、古びたコインであった。
「こいつが床に落ちたら撃ちなさい、ついでにあなたの運勢も占ってやろう」
彼女は、指先でピンッとコインを弾いた。
コインは弧を描き、床に落ちていく。
エミリとカールは、弧を描くコインを目で追った。
そして、コインが床に落ちた。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!! 死ねっ! 死神っ!」
懐から銃を抜きざまに、ボスは決死の雄叫びを上げた。
叫びと銃声、どちらが速かったのか。
雷鳴にも似た銃声に続き、ボスの身体が数メートル後方に吹き飛んだ。
余りにもレベルが違いすぎる反射速度で、彼女がデザートイーグルを抜き撃ちしたのだ。
そして、床に落ちたコインを拾い上げる。
「残念だったな、運勢も悪かったようだ」
彼女は、手にした銃をクルクルッと回すと、鮮やかに腰のホルスターに収める。
エミリとカールは、目の前で起こった事に対して、現実感がまるで無かった。
戦車相手に生身で挑み、まったくの無傷な彼女の姿がそこにはあった。
- 223 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:25:19 ID:dhj9yXJF
- 12
「・・・・・柱の影にいる者、出てきなさい」
彼女の言葉に、エミリとカールの心臓が飛び上がる。
「(私達の事)」
「(ばれてるね)」
エミリとカールは、顔を見合わせる。
「出てこないのなら、柱ごと撃ち抜く」
冗談ではない、彼女の銃なら可能である。
二人は、意を決して柱の陰から出る。
「見た所、盗賊団の連中ではないようだが・・・・・何者だ?」
斬りつけるような声であった。
人に名前を尋ねる時は、まず自分から名乗るのが礼儀じゃないの。
エミリは、そう言い返してやりたかったが、声は喉元で凍りついて出てこない。
彼女のまわりに漂う死の匂い。
エミリとカールとポチを見るその瞳には、温かさのかけらも感じる事が出来なかった。
エミリはもちろん、カールまでもが迫力に呑まれてしまった。
「なぜ黙っている」
彼女が一歩前に足を踏み出す。
それだけで強烈な殺気が吹き付けられる。
気圧される形で、エミリもカールも思わず後ろに下がる。
そんな中、ポチが物怖じせず彼女に歩み寄る。
(ポ、ポチ!?)
そして、彼女の足元まで行くとフンッフンッと鼻で匂いを嗅いでいる
エミリとカールは、気が気ではない。
雰囲気からして、いきなりポチをバッサリと斬りかねない。
二人がハラハラしていると、ポチが顔を上げ挨拶するように鳴いた。
ポチには、善と悪を見分ける鋭い能力が備わっている。
そのポチが、彼女は敵ではないと判断したのだ。
「ワンッ」
すると、彼女の顔がほんの少しほころんだ。
それと同時に彼女から発せられる殺気が霧散していく。
「いい子だ」
しゃがみ込み、ポチの頭を撫でる彼女。
「この犬の名は?」
「ポ・・・・・・・・ポチ」
彼女の言葉に、エミリが答える。
緊張のあまり、口の中はカラカラに乾いている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カレンだ」
「「・・・・・・・・・・はっ?」」
何を言ったのかエミリもカールも最初、意味がわからなかった。
「私の名だ」
言われて、二人は慌てて自己紹介をする。
「ぼ、僕はカール、メカニックをしています」
「あ・・・・・・・私は、エミリ、見ての通りモンスターハンターよ」
二人が自己紹介を終えると、カレンと名乗った彼女が立ち上がる。
「同業者か、あなた達二人だけでここまで来たの?」
「は、はい」
カールが答えるが、先程から心臓の高鳴りが収まらない。
「フッ・・・・・。 無鉄砲な奴らだ」
彼女、カレンは、二人に背を向けると倒れているボスの亡骸を調べ始める。
- 224 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:27:03 ID:dhj9yXJF
- 13
「あの、なぜ・・・・なぜ、殺したんですか?」
カールは、背を向けているカレンに問う。
「あなた程の強さがあれば、その人を生きて捕らえられたはず、それなのに、なぜ?」
「・・・・・おかしな事を聞くな」
倒れているボスの、服の懐からリモコンの様な物を取り出す。
「悪人に人権など無い、悪い奴は・・・・・・・・・・・皆殺しだ」
立ち上がり、振り返ったカレンの鋭い視線。
その姿は、死者をいたぶり、ほくそ笑む悪魔のようだった。
背筋を走る悪寒が、二人の身を強張らせる。
「私も一つ、質問がある」
「な、何でしょう?」
「ノアシードと言う物を知っているか?」
エミリとカールは、顔を見合わせる。
先程、盗賊団のボスにしていた質問だ。
無論、二人ともそんな物は見た事も聞いた事も無い。
「知らない」
「すみません、僕も心当たりはありません」
「そうか」
特に期待していなかったようで、彼女はそのまま駐車場を後にする。
二人は、その後について行く。
倉庫内を戻る三人と一匹。
その間、誰も喋らず、重い雰囲気が漂う。
「・・・・・・・・・・・・・・・・あの」
その雰囲気に耐えられなくなったカールが、口を開いた。
「ノアシードと言うのは、何なんですか?」
倉庫内を歩きながら、先を進むカレンにカールが聞いた。
「・・・・・・・・・・知らない方がいい」
歩みを止めず、振り向きもしないでカレンが答える。
「かつて、文明を崩壊させたという、巨大コンピュータNOAと何か関係が?」
更に問うカール。
するとカレンが歩を止めた。
いつの間にかシャッターの下りた場所まで戻っていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・深入りはするな、とっとと家に帰りなさい」
リモコンを操作すると、閉まっていた倉庫のシャッターがゆっくりと上がり始めた。
戦車止めの前に置かれているモノに、エミリとカールは身震いした。
「これはっ!?」
「メルカバmk2ブラックスペシャルッ!!」
現れたのは、漆黒の闇のようなカラーリングをした真っ黒な戦車であった。
驚く二人を無視して、カレンはもう一度リモコンを操作し、閉まっていた入り口のシャッターを開けると、戦車に飛び乗る。
「残りはあなた達の好きにしなさい、ツイてたわね」
カレンはメルカバのエンジンをかけると、悪魔の咆哮を想わせるエンジン音を残し、その場を後にした。
後には、ただ呆然としているエミリとポチとカールが残された。
(ノアシード・・・・・・・お兄ちゃんが倒した、NOAの残党と何か関係があるのかな?)
村に戻ったエミリとカール。
カレンが立ち去った後、二人は倉庫内に残されていた贅沢品を片っ端から盗ってきた。
彼女の言った残りとは、その手のモノの事であった。
おかげで完全な無駄足と言う事でもなく、賞金首の賞金額には及ばないが、それでも充分に財布を潤す事が出来た。
黒い死神カレンとの出会いが、エミリ達の運命に深く関わる事を、この時はまだ知る由もなかった。
第3話へ続く。
- 225 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:37:56 ID:pdXjoY0T
- 北w
- 226 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:48:44 ID:JWMrystK
- どうでもいいけど何でsageないんだ
- 227 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 22:12:16 ID:3kt4wMVH
- 乙
なんで姉ちゃんがハンターに?
- 228 :名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 00:41:59 ID:Gyfs6qKp
- >>208
「当人が決めたことならいいけれど、一度アルファちゃんのご両親ともお話しておかないと……」
「……両親……?」
- 229 :名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 01:48:12 ID:iu5gVjcV
- 「父のβです。」「母のγです。」「姉のωです。」
ωが巨乳に見えたありさまだ・・・
- 230 :名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 01:27:57 ID:n20k5ziJ
- あはははは…♪
マニアックミカさん・ガンダムF91編
傾向:メタルマックス2をリアルタイムでプレイした世代なら
知ってる方も多いと思います。え?映画のF91じゃないの???
ttp://uproda.2ch-library.com/src/lib056288.zip.shtml
※ミカさん書いてると、他のSSの制作が全然進まないので、
今回で暫くお休みです。気が向いたらまた…。(予定は未定)
- 231 :名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 01:46:13 ID:lCliMxV6
- >>230
友人が購入、なかったことになったゲームだwwwww
まさに黒歴史だったわwwwww
- 232 :名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 14:08:10 ID:jOj5BbVe
- >230
持ってたなー。やはり途中で投げ出した覚えがあるわw
- 233 :名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 20:12:23 ID:6rkncJZ/
- 「アルファさんと痛車」
ここ最近の痛車雑誌の乱発で思いついたネタ。アルファの日記の人とは別人です。
○月×日…マスターと旧文明のジャンクを求め「アキハバラ」と呼ばれている町へ向かう。
マスターは旧文明のジャンクには目もくれず、少女の絵が描かれた戦車を見て興奮しているようだ。
データベースと照合してみたところ、
大破壊前の戦闘機乗りたちが愛機に施した「ノーズアート」と呼ばれるものに酷似していることが判明。
マスターは戦闘機も好きなのだろうか。
○月△日…マスターの様子がおかしい。キリヤと何か相談をしているようだ。二人とも顔がにやけていて不気味だ。
数時間後、マスターの戦車に少女の絵が描かれたマグネットシートが貼られているのを発見。
装甲としての役割を果たさず、無駄に重量を食うだけだと判断したので剥がし、
近くにあったレンタルタンクに貼っておいた。
後日、そのレンタルタンクを借りていたハンターが消息不明になったとの話を聞いたが、関係ないだろう。
○月□日…マスターが落ち込んでいる。「…俺の○○たん…キリヤに作ってもらったのに…」と呟いているようだ。
数時間後、マスターの戦車に今度は少女の絵が描かれたカッティングシートが貼られているのを発見。
重量はさほど食わないものの、マスターの戦車への悪質な嫌がらせと判断。
マスターがこれ以上落ち込まないよう剥がしておいた。
○月▽日…マスターがさらに落ち込んでいる。「俺の手切り…半日かかったのに…」と泣いている。
数時間後、マスターの戦車に今度は少女の絵がフルカラーで描かれたステッカーが貼られているのを発見。
理解しがたいオブジェクトだったので剥がしておいた。
○月◎日…マスターの落ち込みようが尋常じゃないレベルに達している。タミオさんとなにやら相談をしているようだ。
数時間後、マスターの戦車に今度は少女の絵が塗装されているのを発見。タミオ氏の仕事らしい。
マスターは「これでいたずらもされないぞ!いやっほぅ!俺の○○、可愛いよ○○」と独り言を呟いている。
データベースと照合…「馬鹿は死なないと治らない」と言う言葉を発見。
とりあえずレッドフォックスにマスターの半殺しを依頼しておいた。これでマスターも治るだろう。
- 234 :名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 20:27:58 ID:z1T6SP+e
- 1ヵ月後、そこには自分の戦車にウホッなキャラをペイントしまくるアルファさんの姿が!
- 235 :名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 21:35:52 ID:hM2ys5Jo
- >>230
きつかったけど、当時は楽しんでたな
90Vと91はエネルギーの残量で乗り換えていた
- 236 :名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 02:55:42 ID:CQdkCvCs
- >>233
アルファロメオを痛車にしたアレと二重に掛けた洒落かと深読みしすぎた
- 237 :名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 13:24:34 ID:5EGDJ05k
- >>230
ベルガ様の耐久力は異常 あとはんたのツッコミが的確すぐる
>>233
〇月◎日のペイントも上から塗りつぶして欲しかったw
はんたの落胆とアルファの誤解が平行線のまま終わって欲しかったなww
- 238 :名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 20:49:50 ID:z87FHB5f
- 試しにアルファを戦車に描いてみたはんた
- 239 :名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 19:48:06 ID:GBhdoLmY
- >>230
ニコ動にF90Dタイプ縛りプレイがうpされてるんだけど、
もしかして>>230の中の人?
- 240 :230:2008/09/30(火) 19:53:27 ID:ozok27GC
- 違います。そんな気力無いっす。
- 241 :名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 01:04:17 ID:RuQkd11A
- >>238
「戦車にアルファを描いてみた。」
「マスター。私は貴方の従者であると同時に、旧文明の第1級軍事機密と言える存在です。
私の外見も機密に属する関係上、このイラストも封印せざるを得ません。消します。」
キュッ!
「…… OTL 」
- 242 :名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 04:45:07 ID:T6T6qTPc
- >>241
「逆に考えるんだ、アルファに戦車を描いてみればいいやと考えるんだ」
描き描き。
「マスター。頬に戦車のマーキングをする意味があるのでしょうか?
これでは街中などで目立って人型をしている意味がなくなってしまいます。消します」
「むしろ今目だってないと思ってたのか……って、なんでそこで俺のズボンのチャックを下ろす!?」
「修正液とは白くて不透明でネバネバして乾くと表面に貼りつくものです」
「何も間違ってないけど何かバグってる!?……あ、あ、あ……」
(省略されました。続きが読みたければ漫画版F-91の思い出を)
- 243 :名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 10:47:50 ID:EbiIwCbR
- >>242
すっ、スーパーすげぇどすばい?
- 244 :名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 19:19:29 ID:7uCi0A0q
- 規制が解除されてたら何か書く
- 245 :名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 19:20:08 ID:7uCi0A0q
- あっ・・・・・・・・マジで・・・・・・?orz
ネタ考えてくるわ
- 246 :名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 19:40:11 ID:W0q8Lg8c
- 「戦車にアルファを描いてみた。」
「マスター。その絵を鏡に映して反転して見て下さい。」
「え?」
「そうすると、デッサンの狂いが分かります。
プロのイラストレーターも、原稿を裏から透かして確かめます。
これで自身の作画レベルが分かりますよ、ほら。」
「うわああああああああああああああ!!」
「まだ修行が足りません。そして私自身、これを私だと思いたくありません。
やり直し。消します。」
キュッ!
「…… OTL 」
- 247 :名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 01:11:20 ID:YBdrtQun
- 的確すぎて酷ぇw
- 248 :名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 19:13:15 ID:lsHKQlbf
- タミオに頼め。頼んだところでどうせアルファに消されるのがオチだろうけど
- 249 :名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 21:21:39 ID:uq6si3wG
- MSにもめいさいシールドがあればアルファに見えないようにして…
ああ、見せて反応を楽しまないと面白くないな
くそう
- 250 :名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 21:44:35 ID:qA7ILT5F
- アルファのヘアバンド
構想:1秒
執筆:10分
ttp://uproda.2ch-library.com/src/lib059852.htm.shtml
- 251 :名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 22:31:33 ID:XNch4MQr
- >>250
GJ!!1!w
- 252 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 18:51:38 ID:WsVqNWrm
- >>250
アルファさんダメダメだーw
乙!
しかしここ最近のアルファラッシュはアルファ好きの俺としては嬉しい。
あとはエロをですね(ry
- 253 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 21:49:10 ID:iWQqhzFa
- イージスシステムなどの習得してる特技をフルに使ったエロスか
- 254 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:21:33 ID:h6G8yLkb
- そう言われるとはんたがアルファに責めたてられる図しか思い浮かばない
- 255 :名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 02:08:59 ID:5Tj/B2nK
- 「マスターが私の中に入れてくれると私は素晴らしい快楽を得ることができます。
そこで私がマスターの中に入れれば、マスターも快楽が得られるのではないかと思いました」
「アッー!」
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