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お姫様でエロなスレ8

1 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 23:57:58 ID:su7+7hHX
やんごとないお姫様をテーマにした総合スレです。
エロな小説(オリジナルでもパロでも)投下の他、姫に関する萌え話などでマターリ楽しみましょう。

■前スレ■
お姫様でエロなスレ7
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1196012780/

■過去スレ■
囚われのお姫様って
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/sm/1073571845/
お姫様でエロなスレ2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1133193721/
お姫様でエロなスレ3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1148836416/
お姫様でエロなスレ4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1157393191/
お姫様でエロなスレ5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1166529179/
お姫様でエロなスレ6
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1178961024/

■関連スレ■
【従者】主従でエロ小説【お嬢様】 第四章
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1174644437/
◆◆ファンタジー世界の女兵士総合スレpart4◆◆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1173497991/
妄想的時代小説part2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1155751291/
世界の神話でエロパロ創世
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1160406187/
逸話や童話世界でエロパロ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1162899865/

■保管庫■
http://vs8.f-t-s.com/~pinkprincess/princess/index.html

気位の高い姫への強姦・陵辱SS、囚われの姫への調教SSなど以外にも、
エロ姫が権力のまま他者を蹂躙するSS、民衆の為に剣振るう英雄姫の敗北SS、
姫と身分違いの男とが愛を貫くような和姦・純愛SSも可。基本的に何でもあり。

ただし幅広く同居する為に、ハードグロほか荒れかねない極端な属性は
SS投下時にスルー用警告よろ。スカ程度なら大丈夫っぽい。逆に住人も、
警告があり姫さえ出れば、他スレで放逐されがちな属性も受け入れヨロ。

姫のタイプも、高貴で繊細な姫、武闘派姫から、親近感ある庶民派お姫様。
中世西洋風な姫、和風な姫から、砂漠や辺境や南海の国の姫。王女、皇女、
貴族令嬢、または王妃や女王まで、姫っぽいなら何でもあり。
ライトファンタジー、重厚ファンタジー、歴史モノと、背景も職人の自由で。

2 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 00:41:34 ID:lGjatkz3
1乙

3 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 01:00:55 ID:vGUIJX6v
>>1、お疲れ様でした
そなたの働きにはわたくしも、みなも感謝しておりますわ
こちらに来てお座りなさい。紅茶でよかったかしら?

4 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 01:10:42 ID:kuSfVfEk
>>1

5 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 03:00:51 ID:lZOVSdkd
>>1よ、姫が其方の働きに免じ乙を授けて下さると申しておる、有り難く受け取れ

6 :前スレ451:2008/05/05(月) 05:09:35 ID:jG3FniIF
埋めに協力する予定が全部投下する前に埋まってしまったorz
中途半端だけど残りを投下します。

7 :国王と王妃 9/10:2008/05/05(月) 05:10:35 ID:jG3FniIF
 悪いと思わないではなかったが、欲望に負けたユージーンはレティシアの腰を掴み、狙いを定めて落とさせた。
「あ、ああああっ!」
 いきなり挿入された衝撃でレティシアは体を仰け反らせた。きゅうっと襞が収縮してユージーンを締め付ける。
「そなた、受け入れただけで達したのか」
 愉しげにユージーンが笑う。
 肩で息をしながらレティシアはユージーンの胸に額をぶつける。
「薬、まだ効いているのだな」
 円やかな尻を掴んでレティシアを揺らしながらユージーンは下から腰を突き上げる。
「あ、ひゃ……んんッ、や、あっ、あっ、ああっ」
 突き上げられる度にレティシアは途切れ途切れにないた。
 常よりも潤った内部はきつく締め付けてくるのに滑りがよく、まるで意志を持つかのように蠢いてユージーンを悦ばせる。
「ああ……いいぞ、レティシア」
 表情をうかがえばレティシアは恍惚としており、いつの間にか自ら腰を揺らし始めている。ユージーンは舌なめずりをしてレティシアの乳房を少し強めに揉んだ。
「あっ! やぁっ、そこ、ん、い……ああっ」
「ここがいいのか。こんなに堅くして。赤く腫れているようだな」
 乳首を摘むとレティシアは頭を振って喘ぐ。
「感じているのか。そなた、締め付けが一段ときつくなっていくぞ」
 首を傾け、ユージーンは乳房に舌を這わせ、赤く熟れた乳首に吸いついた。
 二人の結合部からは卑猥な水音が立ち、レティシアはひっきりなしに嬌声をあげる。
「少し早いが……出すぞ」
 力強く突き入れながら、ユージーンは上擦った声を上げた。久しぶりな上、未だかつてないほどに淫らな姿を見せつけられては我慢などできるものではなかった。
「あ、ユージーン……あッ、くださっ、なかに……ああっ! あ、あぁああッ」
 深々と奥まで突き込まれ、レティシアが体を震わせる。ユージーンの体が一瞬強張り、中で何度も脈打つのをレティシアは感じていた。
 すべてを注ぎ込まんとするようにユージーンはレティシアの腰を押さえて射精が終わるまで離さなかった。
「まだ、そなたは満足しておらぬな」
 刺激を求めて揺れだしたレティシアの腰を撫で、自身のものが未だ萎えていないことを確認したユージーンはレティシアの膝裏に手を添えて仰向けに倒す。
「よい機会だ。抱かれるのが怖いなど二度と思わぬよう、そなたの体に快楽を教え込んでやる」


8 :国王と王妃 10/10:2008/05/05(月) 05:13:37 ID:jG3FniIF
 抜けてしまったものをもう一度レティシアの中へ押し進め、ユージーンはゆっくり腰を動かし始めた。
「愛しいレティシア。今宵は思う存分なくがいい」
 一度欲望を吐き出したおかげで余裕の出来たユージーンは普段めったに見ることのできないレティシアの喘ぐ様を堪能しながら欲望のままに妃の体を貪ることに決めた。


* * * *


「お呼びですか、陛下」
 ユージーンの機嫌が朝から良いようだと感じていたベンジャミンは、執務の合間に彼から呼び出しを受け、喜色満面な国王の前に跪いた。
 媚薬など邪道だと言わんばかりだった昨日の態度は何だったのかと思うベンジャミンは複雑な気持ちを顔に出さないよう努力する。
「そなたの見つけた薬師はよほど腕がいいと見える」
「左様でございますか。お気に召されたようで何よりです」
「うむ。褒美を取らせたい。そなたにも何かやろう。何がいい?」
 新妻を迎えたばかりのユージーンもこうして機嫌良くベンジャミンに褒美云々と言い出したものだ。そう遠くない昔のことを思い出し、ベンジャミンは懐かしさを覚えた。
「そうですね。私が望むものはただ一つにございます」
 今なら何でも叶えてやるぞと顔いっぱいに書いたユージーンはベンジャミンの言葉を玉座にもたれて待った。
「一日も早くお世継ぎを。ベンジャミンが願うのはそれだけにございます」
 ユージーンは一瞬目を見開き、すぐに呆れたように笑う。
「そなたはそればかりだ。たまには余が驚くほど欲深い願いを口にしてみよ」
「お世継ぎをと進言するだけでも十分恐れ多いことにございますれば」
 畏まって恭しく頭を下げるベンジャミンを眺め、ユージーンは鼻を鳴らす。
「まあいい。そこで一つ相談があるのだが」
 ユージーンはにやりと愉しげに口元を歪める。
 そうくるだろうと思ってはいましたがねと顔には出さないながら内心肩を竦める思いでベンジャミンはユージーンの相談に耳を傾ける。
 薬師に出す謝礼の額を増やさねばならないなと下げた頭の片隅で思い、ベンジャミンはユージーンにはわからぬほど僅かに口の端を上げた。


おわり


>>保管庫管理人様
保存して下さらなくて結構ですので、保管なしでお願いします。

9 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 06:52:12 ID:eHDhDF+r
>>1

>>8
GJ!
幸せそうな夫婦と家臣だ。


10 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 08:26:39 ID:jQNRXwm/
GJ!
レティシアかわいい!
ラブラブで微笑ましいなあ。

11 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 10:05:47 ID:kuSfVfEk
朝から良いものを見させてもらいました。GJ!

12 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 19:37:51 ID:wQ0B8zsF
かわええのぅ

13 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 01:19:14 ID:Is5qR/9Y
GJ!
やっぱりラブラブものはいいなあ
保管しないなんてもったいない。でも作者さんがそう言うならしょうがないか……

14 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 02:11:42 ID:WIYXFr8x
セシリアとエルドの中編はまだだろうか
ワクテカ

15 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 03:50:46 ID:n+B7jpTP
セシリアタンに会いたい…(´д`)

16 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 19:01:49 ID:JIJfLaYB
期待age

17 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 01:15:50 ID:jGg+B2sS
wktk保守

18 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 05:03:20 ID:Nu4DDt5s
連載待ちの合間に保守代わりに一本落としてみる。
平民上がりと貴族の姫君の夫婦もの。

19 :貴族と平民 1/9:2008/05/12(月) 05:04:12 ID:Nu4DDt5s
 鏡台に向かい、湯上がりの肌を化粧水を含ませた綿ではたはたとはたく。ふとイヴォットはその手を止めて溜め息をこぼした。
 何のために手入れをしているのだろう。不意に襲いくる虚しさを払うように、イヴォットは綿を屑籠に捨てて立ち上がった。
 夫と過ごす夜に備えて身支度を整えるための場所にイヴォットはいた。しかし、寝室へと続く扉を開いても寝台には誰もいない。そんなことはわかりきっていた。
 憂鬱な気持ちで扉を開いたイヴォットの耳に調子外れの声が届いた。
「やあ、久しぶりだね。まだ起きてたんだ。意外と夜更かしなんだね、君って」
 驚きのあまり瞬きを繰り返すイヴォットににんまりとした笑みを向け、イヴォットが返事をする前にその笑みはすぐに違う方向を向いた。
「書斎も探したんだけど見つからなくてさ。もしかしたらと思って。君、知らないかなぁ」
 がさがさと寝室の中を荒らし回る様を眺め、イヴォットは未だに呆然としていた。
 久方振りに会った妻に愛を語らうわけでもなく、ギーは勝手気ままに引き出しやら何やら開けたり閉めたりひっくり返したりを繰り返す。
「……な、何をなさってるの」
 ようやく我に返り、イヴォットは不審な行動を取る夫へ疑問を投げかけた。
 相変わらずがさがさとあちこち漁りながらギーは気のない返事を寄越した。
「んー。いつまで経っても工房に届かなくてね。ほら、間違って自宅に届いちゃったんじゃないかと思って。いろいろ探したんだけどないんだよね」
「何がないの?」
「何って、僕の職業知ってるでしょ。薬だよ、薬」
 諦めたように肩を竦め、ギーはイヴォットに向き直る。
「だめだね。やっぱりここにはないみたい」
 さして残念そうでもなく呟き、ギーはさっさと寝室から出ていこうとする。相変わらず自由奔放な夫の振る舞いにイヴォットはふつふつと怒りが湧き上がるのを感じた。
 本来ならば貴族であるイヴォットが平民出のギーと対等に話すことなど許されない。イヴォットの家が落ち目でさえなければ、ギーが王族御用達の腕利きの薬師でなければ、二人が結婚することなどなかったのだ。
 敬えとまでは言わないが夫は妻をもっと大事にするべきだとイヴォットは思う。
「待ちなさい」
 冷えた水のようなイヴォットの呼びかけにギーが足を止める。振り返り、不思議そうな顔でイヴォットを見た。
「なんだい? 何か心当たりでもあった?」


20 :貴族と平民 2/9:2008/05/12(月) 05:05:08 ID:Nu4DDt5s
 イヴォットはギーの顔をまじまじと見つめる。
 平民のくせに貴族のように整った顔をしている。それなのに常に胡散臭い笑みを浮かべていることと調子外れの口調のせいでどこからどう見ても美人には見えない。
たまに真面目な顔で真面目な台詞を口走った時に実は彼が美形なのだと思い出したりもするが基本的には怪しいだけの男だ。
 それなのに、ギーの顔を見ていると体が熱くなる。久方振りに会えたことが嬉しくて胸がぎゅっと締め付けられる。どんなに否定してもギーが夫であるという事実に変わりはなく、認めたくはないがイヴォットがそれを好意的に見ていることも事実だ。
「どんなものか聞かなければ思い出しようがないわ」
 会いたかったと素直に口に出せるほどイヴォットは甘え上手ではないし、甘さの欠片もない空気では雰囲気に乗せて思いを伝えることも不可能だ。それでも、彼と少しでも長い時間を過ごしたいがためにイヴォットは無難な言葉で会話を続けた。
「それもそうだね。どんなものか。どんなのだったかなぁ。えーっと……うーん」
 口元に手を当て、首を傾げながらギーは言う。どんなものかも曖昧なのに探し回っていたのかとイヴォットは呆れた。
「ああ! そうそう、思い出した。見た目は飴玉かな。こう、このくらいの瓶に入ってて」
 親指と人差し指を目一杯開き、ギーは嬉しそうに言う。
「瓶は硝子性で透明でね、まぁるい玉が幾つもの入ってるんだよ。色は赤か青か……あれ、緑だったかな」
 夫の説明を聞き、イヴォットは何か引っかかりを覚えた。そんなものをどこかで見たような気がする。
「私、見たような気がするわ」
 ぽつりと呟く。
「えっ!? 本当に? どこで!」
 一気に興奮し、ギーはイヴォットの目の前まで歩み寄る。そして、期待に満ちた目で彼女を見下ろした。
「少し待って。持ってくるから」
 確か刺繍の合間に食べようと自分の部屋へ持っていったのだ。イヴォットが寝室を出て自室へ向かい歩き出すとギーもそれに続いて歩き出す。
「待っていてと言ったでしょう」
「ついていった方が早いじゃない」
 しれっと答えるギーを追い払うのは難しいのだと知っているイヴォットはそれ以上言わずに黙って歩を進めた。


21 :貴族と平民 3/9:2008/05/12(月) 05:05:56 ID:Nu4DDt5s
 知らないふりをすればギーはずっと家にいてくれたかもしれない。そう考え、けれどもすぐにイヴォットは小さく笑う。そんなはずはない。見つからなければ彼は諦めて工房へ戻っただろう。妻に興味など欠片もなく、彼が愛しているのは工房での研究だけだ。
 思わず浮かんだ自嘲めいたイヴォットの笑みにギーは気づかない。
 自室への扉を開き、イヴォットは机の上に置かれた瓶を手に取る。
「これかしら」
 イヴォットの後ろからその手の瓶を覗き込み、ギーはぱあっと表情を輝かせる。
「これだよ! ああ、よかったぁ。やっと見つかったよ」
 くるくると踊り出しそうな夫の姿にイヴォットの顔に苦笑いが浮かぶ。
「よし。じゃあ、早速」
 瓶の蓋を開け、ギーは赤い玉を一つ取るとそれをイヴォットの口元に差し出した。
「はい、どうぞ」
 形の良い指に掴まれた飴玉のようなものをイヴォットは見つめる。この得体の知れないものを食べろとギーは言っているようだ。
 イヴォットは困惑した様子でギーを見上げた。彼は期待に満ちた目でイヴォットを見ている。
「これは、なに?」
 言われるがままに食べるわけもなく、イヴォットは至極当然な疑問を口にする。
「え? 何って……」
 イヴォットが疑問も抱かず食べるとでも思っていたのか、ギーは驚いたように眉を顰めた。
 沈黙が続き、ギーが少々引きつった笑みを浮かべつつ答える。
「飴玉、かな」
 見かけは飴玉の薬を探しているとさっき自分で言っていたことをよもや忘れたわけではあるまい。ギーは自分でも無理のある答えだと承知しているようだった。
「薬を探していると言っていたじゃないの。何の薬なの?」
 途端にギーがおろおろうろたえだす。結婚して二年は経つが、夫のうろたえる様を見るのは初めてだ。イヴォットは興味深くその姿を眺めた。
「いや、その……あ、薬っていうのは例えみたいなものでね、本当はただの飴玉なんだよ」
「そう。でも、私は今飴を食べるような気分じゃないから遠慮するわ」
 何を食べさせたいのか気にはなるが、どうせろくでもない薬に違いない。ギーはまともな薬も作るが、それ以上に怪しげな薬を作るのが好きだ。
「え? そう言わずに、食べてごらんよ。きっと美味しいから」
 ずいっとギーはイヴォットの口元近くに薬を近付ける。
「あなたが食べればいいでしょう」


22 :貴族と平民 4/9:2008/05/12(月) 05:06:43 ID:Nu4DDt5s
 隙を見せれば無理矢理口に放り込まれそうな気がして、イヴォットは慌てて口元を隠すように右手を当てる。
 ギーは苛立ったようにも嘆いているようにも見える表情でイヴォットを急かした。
「僕が食べたって意味がないんだよ。君が食べなきゃ」
「何の薬なの?」
「それは、その……き、綺麗になる薬だよ。君がいつまでも綺麗でいられるように食べるべきだ」
 イヴォットは溜め息をついた。
「あなたが何をそんなに必死になっているのかわからないけど、そんな怪しいものを食べる気にはならないわ」
 ついに薬を瓶に戻し、ギーはしゅんとうなだれる。その姿に罪悪感がこみ上げ、悪いことをしたわけではないのにちくりと胸が痛む。
「私はもう寝ますから、あなたも休むなら早くなさい」
 その痛みを振り払うように頭を振り、イヴォットはギーを置いて部屋を出た。
 とぼとぼ後ろをついて歩くギーには気付いていたが、敢えて声をかけはしなかった。何の薬か正直に教えてくれるなら食べるかどうか考えてあげるのに。イヴォットはそう思い、小さく溜め息をこぼす。騙して食べさせるような真似をされては食べる気にはなれなかった。
 寝室についてからもギーはしょぼくれたままだった。横になったイヴォットの隣で膝を立て瓶を手の中で弄ぶ。
 そんなに食べてほしかったのかと思うとイヴォットはギーがなんだか可哀想になってくる。
「ねえ」
 ギーの方を向き、イヴォットは彼に声をかけた。
「そんなに私に食べてほしいの?」
 ぴたりとギーの動きが止まり、彼にしては珍しくごにょごにょとくぐもった声で答える。
「別に、その、いいんだ、君が嫌なら食べなくても。食べたって、どうせ僕の思うようにはならないだろうし、そんなの僕だってわかってる」
 イヴォットは体を起こし、仕方のない人だという顔で笑う。
「情けない顔をしないで。あなたはルイスの当主なのだから」
「……当主は僕じゃなくて君だ。僕は名前だけだよ」
「いいえ、あなたが当主よ。……いいわ。食べてあげる。貸しなさい」
 手を差し出すとギーは驚いた顔でイヴォットを見た。
「いいのかい?」
 イヴォットが頷くとギーは嬉しそうに笑って瓶の蓋を開けた。そうして取り出した薬をイヴォットの口元へ運ぶ。
「甘いから大丈夫だよ」
 イヴォットは口を開いてそれを受け入れた。


23 :貴族と平民 5/9:2008/05/12(月) 05:07:29 ID:Nu4DDt5s
 薄い飴のようなものが液体を包み込んでいたらしく、口に含んですぐにそれはほろりと溶けて口の中に香りと液体が広がった。ギーの言うようにそれはとても甘かった。
 イヴォットはこくりと液体を飲み下す。
「ど、どうかな?」
 明らかに興奮している様子でギーは尋ねる。
 イヴォットはしばし考え、小首を傾げた。
「どうって……甘かったわ、すごく」
「それだけ? 胸がどきどきしたりしない?」
「いいえ。特にこれと言った変化はないわ」
 それを聞いた途端にギーは奇声を上げて寝台に倒れこんだ。
 驚いたイヴォットは心配そうにギーの顔を覗き込む。
「大丈夫?」
「いいんだ。わかってたから。でも、ちょっと期待してたから、いや、やっぱりちょっとじゃなくてすごく期待してたかも。どうしよう。すごく悲しい」
 今にも泣き出しそうな姿にイヴォットは胸が締め付けられた。本当に何の変化もないのだが、どういう状態になればギーは喜ぶのかを考える。
「あの、少し、胸がどきどきしてきたわ」
 とりあえず、イヴォットは先程のギーの問いかけを肯定してみることにした。
「本当に?」
 不安げに見上げるギーを安心させるように笑み、イヴォットは頷く。
「他には? 僕のこと、どう?」
「あなたのこと?」
「ほら、かっこよく見えるとか」
 一体何を飲ませたのかと訝しみつつ、イヴォットは頷いた。
「そうね。格好良いわ」
「本当! じゃあ、僕のこと、好きになりそう?」
 ギーの問いかけが予想外すぎてイヴォットはぽかんと口を開いて彼を見た。好きになりそうとはどういうことだろうか。
 不意に腕を掴まれ、イヴォットはギーに引き寄せられる。彼の胸にのしかかるような体勢になり胸が大きく高鳴った。
「ねえ、イヴォット。僕のこと、好きかい?」
 未だかつてないほどに積極的な夫の言動に疑問を抱きながらも、イヴォットは素直に頷いた。
「ちゃんと聞かせてよ」
 ギーの手が頬を撫で、頭を撫でる。
「あなたが好きよ」
 肌を重ねたことは幾度もあるが、こんな風に素直になるのは初めてだったし、こんなに甘い雰囲気を味わったのも初めてのことだ。
 イヴォットの鼓動は初夜の晩よりも高く鳴り響いている。
 満足そうにギーは破顔する。そして、イヴォットの長い髪を一房取り、そっと唇を寄せた。
「嬉しいよ。君が僕を好きになってくれたらいいのにってずっと思ってたんだ」
「嘘……」


24 :貴族と平民 6/9:2008/05/12(月) 05:08:15 ID:Nu4DDt5s
「本当だよ。だって、僕は君みたいに素敵な奥さんが出来て舞い上がってたのにさ。君は僕のことすぐ怒るし、好きじゃないんだと思ったら悲しくて」
 拗ねたような口調でギーは言う。あまりのことにイヴォットは言葉も出ない。
「まあ、わかってたんだ。君は貴族のお姫様で僕は平民だ。僕と結婚なんて君には屈辱でしかないはずだって結婚前に言われたよ」
 ギーの手が何度も何度も優しく髪を撫でる。
「でも、やっと僕のこと好きになってくれた。薬は使っちゃったけど、それでも嬉しいよ」
 イヴォットは頭を振った。
「違うわ」
 聞き返したギーにイヴォットはもう一度同じことを言った。
 ギーはわからないといった顔でイヴォットを見る。
「薬、きいてないわ。何の変化もないもの」
「でも、どきどきするって」
「あなたが喜ぶと思ったから」
 落胆を隠しもせず、ギーは溜め息をついた。
「でも、あなたが好きよ。薬なんか使わなくても、私はあなたが好きだわ」
 驚いた顔でギーはイヴォットを見る。
「あなたは私に興味がないんだと思ってたの」
「どうして?」
「だって、研究ばかりで、滅多に家にいないし」
 月に一度しか帰らないことだってざらだ。
「それは、夢中になると時間が経つの忘れちゃって」
 ギーが申し訳なさそうな顔をする。
「もしかして寂しかった?」
「寂しかったわ。毎日毎日、とても寂しかった」
 自分でも驚くくらいに素直になれる。もしかしたらこれが薬の効果なのかもしれないとイヴォットは思った。
「これからはなるべく帰るよ」
「本当なら嬉しいわ」
「帰るよ。絶対帰る。君を寂しがらせて、ごめん」
 イヴォットを抱き締めるようにしてギーは体勢を入れ替える。今度はギーに覆い被さられて、イヴォットはそっと目を閉じた。
 額に唇が押しつけられ、ぎゅっと抱き締められる。
「好きだよ、イヴォット」
 私もと言いかけたイヴォットの唇はギーのそれで塞がれる。舌を絡ませあう深い口づけにイヴォットはくらくらと眩暈を感じた。
 ギーの手が腿を撫でただけではしたない蜜が溢れ出す。
「あっ……やだ、なんだか、わたし」
 普段より敏感に反応する体が恥ずかしくなってイヴォットはギーから顔を背ける。
 かまわずにギーはイヴォットの服を脱がせ始めた。


25 :貴族と平民 7/9:2008/05/12(月) 05:09:03 ID:Nu4DDt5s
「君が僕を少しでも好きなら僕が好きで好きでたまらなくなって、君が僕を好きじゃなかったら何にも変わらない。そういう薬だってきいたよ。僕が悲しんでたから友達が作ってくれたんだ」
 ギーは露わになった胸元に口づけ、たわわな乳房を優しく揉む。
「いつもより感じるのは、君が素直になったせいかな?」
 くすりと笑い、ギーは胸の頂を口に含んだ。イヴォットは体を強ばらせ、ぎゅっと目を閉じた。
 胸が受けた刺激が下半身に直結しているかのように蜜は止めどなく溢れる。もじもじと腿を擦りあわせると微かに濡れた音がした。
「あ、ン……はァ、やっ、あっああっ」
 甘い声を上げ、イヴォットはギーの髪に指を絡めて頭を掴んだ。もっと欲しいと言うように胸に頭を押しつける。
 ギーに乳首を強く吸われ、イヴォットはそれだけで軽く達してしまう。
「こっちもすごいね」
 体から力が抜けたイヴォットの膝を掴み、ギーは左右に大きく開かせる。見つめられていることが恥ずかしくてたまらないはずなのにイヴォットはまたしても蜜が溢れ出すのを感じた。
 ギーの指が入り口を軽くなぞる。
「このままいれても大丈夫なくらい濡れてるね」
「やっ、いわないでぇ」
 甘えた声を出すイヴォットにギーは再び深く口づける。
「あっ、おねが……もう、やぁ、へんに……なりそ、あんッ」
 自分の体が自分の体でないような感覚にイヴォットは頭がおかしくなりそうだった。こんなに欲しくてたまらないのにギーは胸に触れたりするばかりで応えてくれない。
 イヴォットにねだられ、ギーは嬉しそうな笑みを見せる。
「欲しいの?」
「あッ、おねがい……う、ああン」
「君から欲しがってくれるのは初めてだね。嬉しいよ」
 求められてギーは焦らすことなくそれに従った。いつもの半分以下の前戯なのにいつもの倍以上は濡れている。媚薬のような効果はないときいていたがイヴォットは驚くほど積極的だ。
 急いで服を脱ぎ捨て、ギーは屹立を蜜に絡めるように滑らせる。入り口を擦るだけでイヴォットは可愛らしく啼いた。
「いれるよ」
 低く囁き、ギーは腰を進めた。先端をあてがい、少し力を込めただけですんなりと侵入することができた。
「ん、いいよ。濡れてて、あったかくて」
 焦ることなくゆっくりと根元まで挿入し、ギーは深く息を吐く。


26 :貴族と平民 8/9:2008/05/12(月) 05:12:46 ID:Nu4DDt5s
 気持ちを確かめたせいかいつもより感じる気がする。好かれているのだと思うとそれだけで気持ちが高ぶるのだから不思議だった。
「動くね。気持ちよくなったらいつでも好きなときに気をやってくれていいよ」
 イヴォットの返事もきかずにギーは腰を動かした。初めはゆっくりと馴染ませるように、そして徐々に激しく複雑に腰を使い出す。
「んっ、あっ、だめ、い……ああっ、いやぁ」
 悶えるイヴォットの体を押さえ込むようにしてギーは久しぶりに抱く妻の体を堪能する。
 イヴォットは円かな瞳に涙を浮かべ、快楽にとろけた顔で咽ぶ。
 妻を啼かせることが嬉しくてギーは喜び勇んで責め立てた。
 一際締め付けがきつくなる箇所を見つけてはそこを責めて彼女を喘がせ、焦らすように入り口付近で浅く出入りを繰り返して虐めてみたりもする。感じきって悶える様も、欲しがって泣く姿もすべてが愛らしく愛おしい。
 そうして何度も絶頂に達するイヴォットを眺めている内にギーにも限界が訪れる。
「僕も、そろそろ……限界、かも」
 弾む呼吸の合間にギーが辛そうに呻く。
 夫の絶頂が近いことを感じ取り、イヴォットの襞は今まで以上に蠢いて内部を行き来する屹立をきつく締め付けた。
 射精を促すような内部の刺激に耐えかね、ギーは荒々しく腰を叩きつけ始めた。
「あ、ああっ、や、はげし……ン、んんっ、だめ、アッ、ああッ」
 びくびくと体を震わせるイヴォットの腰を掴み、ギーは強く腰を打ち付けた。一番深く入り込んだと体が認識した瞬間に欲望が弾ける。
 背筋をぞくぞくと心地よさが駆け抜け、脱力感が徐々に体を浸食していく。愛しい妻の胎内を汚したのだと思うだけで、えもいわれぬ達成感がギーの中を埋め尽くした。
 イヴォットの中から萎えたものを抜き去り、ギーは彼女の隣に転がる。
「すごく気持ちよかったよ。今までで一番よかったな」
 恥ずかしげもなく言ってのけ、ギーはイヴォットの方へ顔だけを向けて問いかける。
「君も気持ちよかった?」
 まだ惚けたような顔をしていたイヴォットだったが、火照った顔をさらに赤らめて目を反らす。
「気持ちよくなかった?」
 しつこく問いかけるギーから逃れるようにイヴォットは彼に背を向ける。気持ちよくなかったはずがない。そんなことはギーだってわかっているはずだ。気持ちよかったなどと口にするのは恥ずかしかった。



27 :貴族と平民 9/9:2008/05/12(月) 05:14:41 ID:Nu4DDt5s
 しかし、ギーはイヴォットの腰に腕を回して彼女を抱き寄せ、首筋に顔を埋めながら再度問う。彼はどうしても彼女に気持ちよかったと言わせたいようだ。
「ねえ、イヴォット。せっかく素直になれる薬を飲んだんだから言って」
 ちゅっと肩や項に口づけが落ちた。
 結婚して以来初めてとも言える甘く濃密な空気にくらくらと酔いに似た感覚を覚える。イヴォットはどきどき高鳴る心臓を押さえるように胸元に拳を添えた。
「は、恥ずかしいわ」
 ぽつりと呟くとギーが抗議の声を上げた。
「なんでさ? さっきまであんなに気持ちよさそうにしてたくせに。今更恥ずかしがっても遅いと思うよ」
 かあっと頭に血が上る。これ以上ないくらいに顔を赤くし、イヴォットはギーの腕を振り払おうと躍起になった。
 ギーはイヴォットの抗議など知らぬふりをし、彼女の腰を抱いたまま頬に頬をすり寄せた。
「君が好きだから気持ちよくなってほしかったんだよ。ねえ、どうだった?」
 好きと言われてイヴォットの全身から力が抜ける。夢を見ているように思考がぼやける。
「……気持ち、よかったわ」
 蚊の鳴くように小さな声でイヴォットは答える。
 聞き逃すことなく妻の感想を受け取り、ギーは喜色満面の笑みを浮かべて彼女を抱く腕に力を込めた。



おわり



>>保管庫管理人様
保管庫入りは無しでお願いします。

28 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 17:50:23 ID:EDUNLoGy
えがった

29 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 18:40:33 ID:7Nw3e8X2
薬と言いつつプラシーボっぽいなぁ
友人のくだりすら嘘だったりしてw
だとしたらギー演技派杉
そうでなければ…何者だ友人

30 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 19:41:01 ID:moXhGgt/
薬は嘘だけど、ギーは嘘だと知らされていなかったんじゃないかな

31 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 19:47:24 ID:IMTUB7Lg
GJ!!

前作に引き続き、保管なしなんてもったいない作品でなぁ…。

32 :名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 00:05:30 ID:Nu4DDt5s
GJありがとうございます。

蛇足かもしれないけど薬の正体書いてみた。

33 :後日談 1/2:2008/05/13(火) 00:07:24 ID:HBGEGAzZ
 頭の天辺から花が生えているのではないかと本気で疑ったが、ギーの頭は綺麗なものだった。
「脳がやられておるようじゃな。最早手の施しようがないわ」
 ひとしきり頭を確認した後、リュカはギーの髪をぐしゃぐしゃとかき回してから手を離した。
「えー? 何の話さ。僕は正常だよ」
 むうっと頬を膨らませてギーはリュカを見上げた。
「へらへらと締まりのない顔をしおって。さっきから何度同じ薬を調合し直せば気がすむのか教えてほしいものじゃ」
 ギーにしては珍しく今日は何度か調合を失敗している。うっかり分量を計り間違えたり、途中から違う薬の材料を混ぜたりと初歩的な間違いばかりを犯している。
「しかし、その様子では儂の作った薬は抜群に効いたようじゃの」
 リュカは腕を組み、自信に満ちた表情でギーを見下ろす。
「うーん、どうなんだろう」
「何だ。試しておらんのか?」
「試したけど、イヴォットは薬を飲んでも普段と変わらないって」
 リュカが眉を顰めてギーを睨みつける。
「阿呆が。儂の調合した薬が効かぬ訳がなかろう。貴様のやりようが悪いに決まっておる」
「そうかなぁ? 僕はだいぶ頑張ったよ」
 鼻を鳴らし、リュカはギーの頭を軽く小突いた。
「生意気を言いおって。しかし、そなた薬が効いておらぬ割には機嫌が良いように見えるが」
 ふと思い立って尋ねたリュカにギーは喜色満面な笑みを浮かべて答えた。
「イヴォットがね、僕のこと好きだって」
 リュカの動きがぴたりと止まり、一拍おいてわなわな震えだす。
「効いておるではないか、莫迦者がっ!」
 一喝し、リュカは脱力して溜め息を漏らす。
「不肖の弟子とはそなたのような者を言うのであろうな。つくづく手に負えぬ男よ。そなたは常に頭が春じゃ」
「そうじゃなくて。薬を飲む前から僕が好きだったって言ってくれたんだ。今日も早く帰ってきてって家を出るときにお願いされちゃった。もっと早く聞けば良かったなぁ。僕のこと好きかいって」
「それは儂の薬を飲ませたおかげではないか」
「うーん。確かにいつもよりイヴォットは素直で感じやすくてすごく可愛かったけど、薬のせいなのかい?」
 ギーが薬のおかげかもしれないと考え直し始めたことに気を良くし、リュカはフフンと不敵な笑みを浮かべる。
「そうであろう、そうであろう。儂の薬が効かぬ訳がないのじゃ」
「で、何を使って調合したのさ? すごく気になるよ」


34 :後日談 2/2:2008/05/13(火) 00:10:04 ID:HBGEGAzZ
 リュカは戸棚へ近づき、幾つかの薬草を手にしてギーの前にばらまいた。
「これじゃ」
 ギーは薬草と酒瓶を眺めて首を傾げた。
「これでそんな薬が作れるの?」
 リュカはにんまりと笑う。
「できると言えばできるし、できんと言えばできん。あれはただの酒じゃ。薬草入りの酒を飴で包んだ菓子よ。入れたのは少々きつい酒じゃ。そなたの細君が酒に弱ければ多少酔いはするかもしれぬがそれだけのことよ」
 ギーは眉を顰めてリュカを見上げる。
「媚薬と思い込ませれば何の効果もない薬を飲ませても効くことがある。まあ、病は気からというじゃろ。そんなところじゃ」
 まだ訝しんでいるギーにリュカは面倒臭そうに語る。
「そなたのことだからドキドキしてきたかだの何だのとしつこく聞いたのであろう? 惚れ薬やら媚薬の類を飲まされたのだと思い込めば酒も媚薬に変わるというものよ」
 リュカの言葉を噛み砕いてしばらく考え、ギーは呆れた顔でリュカを見た。
「……インチキだ」
「うるさい。インチキではない。薬なぞ使わずにすむならその方がよかろう」
 またしても頭を小突かれ、ギーは不満たっぷりに頬を膨らませる。
「して、そなたよいのか?」
 ギーは首を傾げる。
「早く帰ると約束したのであろう? 日が落ちる前に帰れ。今日の仕事は終わったはずじゃ」
「帰っていいの?」
「うむ。急に押し掛けた儂に気を使わずともよい。そなたがおらずとも一人であれこれ試させてもらう。よもや儂に触られて困るような物は置いておるまい」
 帰ってもいいと言われた途端にそわそわと落ち着きをなくす弟子をリュカは苦笑混じりに眺める。
「じゃあ、その、帰りに鍵かけといてね」
「わかっておる」
「それじゃあ、薬ありがとう。僕も今度お師匠に何か送るよ」
「期待せずに待っておる」
 ぱたぱたと慌てて駆けていくギーの後ろ姿を見送り、リュカは一人ひっそり笑んでいた。


おわり




35 :名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 00:30:10 ID:0IWSEQAn
GJ!

36 :名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 00:58:15 ID:TFGtoAds
すばらしい

37 :名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 01:45:18 ID:6rWU5FYP
お師匠の若い頃の話が読みたいなあ。

38 :名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 20:27:29 ID:R+G+Ic+V
このスレは神ばかりだ…本当にすばらしい
レティシアもイヴォットもかわえぇ〜

セシリアもwktkしながら待ってます!!



39 :名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 10:16:48 ID:wf3ZC27d
ヘタレな魔王さま頑張って

40 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 18:21:38 ID:Xeg08CHM
エルドが居ない今のうちに・・・

セシリアは俺の嫁

41 :エルド:2008/05/16(金) 21:01:11 ID:j+tftOTF
阻止

42 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:17:49 ID:gvCTQinK
ちょwwwwエルドwww

43 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 21:42:39 ID:ZZYCr+dx
ヘタレ魔王は俺も待ってるよ。全裸で。

44 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 17:18:49 ID:nDw8YRFr
過去スレの5〜7が見れないんだけど自分だけ?

45 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 11:19:40 ID:B01ylvwp
>>44
今取ってみたけど取れたよ?

46 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 12:19:37 ID:p2+M12UH
>>45
やっぱり見れない…
何故なんだ
そのうち見れるようになることを祈る
わざわざすまぬな

47 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 12:53:00 ID:B01ylvwp
どんなエラーになるのか分からないと助言のしようも無いよ
●がちゃんと有効になってるのは確かめた?

48 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 17:42:13 ID:p2+M12UH
>>47
1〜4までは見れるんだけど、それ以降はエラーになる
自分はパソコンでなく携帯なんだけど、過去スレ以外でも最近エラーが多い
このページはエラーにより表示できません(502)ってなる
携帯がおかしいのだろうか…

49 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 19:14:04 ID:EuGrEq2K
携帯は最近調子悪い。俺のimonaも通信エラーはきまくり

50 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 19:55:09 ID:p2+M12UH
そうなんだ
ちょっとホッとしたよ
ありがとう
調子良くなるといいな


51 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 02:31:40 ID:girGFv78
ガルィア国の人、サイト開設おめ
加筆修正版もじっくり読ませていただきます。

オーギュストの説明が「学問はできるが顔つきも頭もぼんやりしている」ってのに笑った。

レオノールは結婚後、クレメンテのその後について何か知っていたのか
それとも忘れた(というか昔の思い出として胸の奥にしまっている)のか
ちょっぴり気になっていたので、最新作はそういう意味でも興味深かったです。

ていうか最新作、前スレだったんだね。。ずっとプロバイダが規制くらって
書き込みできなかったんで今更な感想ですが。。。

52 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 15:34:54 ID:KWIIBlVt
上に同じく、サイト開設おめ!
シリーズの仮の題名が妙にやっつけで笑った。
これからも楽しみにしています。

53 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 16:30:47 ID:7VUCb5oT
個人サイトの話をここでやるなよ

54 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 16:35:18 ID:GZuhsCao
作者さんが開設しました報告にきたわけじゃないんだから個人サイトの話をここに持ち込むのは作者さんの迷惑になるんじゃないか?
サイトの話はサイトの掲示板なりメールフォームなりで作者さんに伝えるべきだと思う。
もしかしたら作者さんはサイト開設内緒にしたかったって可能性も考えられるじゃないか。

55 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 16:36:08 ID:GZuhsCao
>>53と被ってしまった。すまんorz

56 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 19:29:12 ID:KBUpWHSB
>>51
えっ!! ちょっ!せめてサイト名だけでも教えてくだせえ!!

57 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 19:52:14 ID:fhqwwh0h
って言い出す奴がでるからさ。
個人サイトの話は厳禁にしたらいい。

58 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 20:29:45 ID:xUIWzCFt
まぁ、ここでアランが見てない内に

エレノールは俺のよ・・・なにをするきさまらー

59 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 20:36:51 ID:rGW81ehg
登場人物の名前とか各話のタイトルとか色々検索ワードはあるだろ・・・

60 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:39:25 ID:NXRJUFDx
まぁ、サーチエンジンに登録してるから。

たしかに作者さん本人の報告がない限りは出すべき話題ではないのかもしれん。


61 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 16:31:09 ID:Rc+bYGkZ
みんな一体どこでそんな情報を…?
まぁお陰で見つけられたよ
ありがたい

62 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 22:11:47 ID:NXRJUFDx
単純に、サーチエンジンサイトにいったら、ちょうど登録したばかりらしく一番上にきてた(・∀・)
餅は餅屋

63 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 16:29:55 ID:48ekQ8WF
>>58は今頃どうしてるだろう…


64 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 16:42:21 ID:TbVqKehq
躾られています

65 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:59:30 ID:FKz5ukAD
ttp://www-2ch.net:8080/up/download/1211647724847283.ZQ9qzu
ttp://www-2ch.net:8080/up/download/1211648143549161.own0hw
このお姫様たちに萌えられたら神
ヒント:スウィフト

66 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 17:37:19 ID:EsSp9swm
駄目だ。世の中サーチエンジンが多すぎる…。

67 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 23:41:06 ID:+LJsAEAd
>>66
頑張れっ!
頑張って探すんだっ!!

68 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 01:05:01 ID:yAsCWW0s
こんばんは。
マリーとオーギュストシリーズを書いている者です。
(HPではRIFと名乗っております)

こちらで個人サイトについて言及するのはルール違反かと思われて
(しかも新作投下のついでというわけでもないので)
ご報告は控えていたのですが、
お祝いのおことばをくださった皆様、
当方をお気遣いくださった皆様、本当にありがとうございました。

大変僭越ですが、
もしまだ拙宅をお探しのかたがいらっしゃいましたら、
たとえば「ChaosParadise R18」という検索サイト様の
「ファンタジー(性描写有)」
というジャンル内でお探しいただくとすぐに見つかるかと思います。
(こちらでの検索対象はサイト名ではなくシリーズの題名になりますが)

また、さきほど「ガルィア」でググッってみると
拙宅内のページが冒頭に出てきたため
そちらからでも直接お越しいただけると思います。

長々と失礼いたしました。
今後もエロ有りのSSについては
こちらに投下をつづけさせていただきたいと存じますので、
よろしくお願い申し上げます。

69 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 01:29:29 ID:Yhs8dzCD
>>68
これからもシリーズは書いてくれるようなので、期待しつつ応援してます。

70 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 01:29:48 ID:0GWz5yGs
お疲れ様です。いつも楽しいお話をありがとうございます。

71 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 02:55:23 ID:8e5dta8o
>>68

ありがとうございます。
自分もみつけられなかった口なのでうれしいです。

それにしても、絵で見るエレノールもかわいいですね。

72 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 21:38:00 ID:ausBlvBb
文筆力だけでなく、絵もお上手なんですね。

>今後もエロ有りのSSについては
有無に関わらず、貴方の作品は魅力的で本当に楽しみです。

73 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 23:10:03 ID:DbUpReWg
いつもありがとうございます。
もう一度読み直して、堪能しました。
特にクレメンテとの話が切なくて大好きです。
彼がどんな気持ちでエレノールの花嫁姿を見送ったのか、
考えると目から汁が…

74 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:28:33 ID:88tvcpoI
エロ目的で読み始めたはずなのに、普通の会話のやり取りにも魅了を感じるよね。

ところでセシリアは今頃どうしてるんだろう…?

75 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:57:26 ID:54K/f/J6
エレノールが可愛くって萌えました。
マリーのイラストもぜひともお願いします。

76 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 01:17:31 ID:hMhyEEBs
イラストってどこにあるのですか?
(見つかりません)

77 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 01:25:48 ID:sHhvzCef
だから個人サイトの話はサイトでしておいでって。他の職人が投下しづらくなるでしょうに。

78 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 03:09:16 ID:h5Jw+Oj0
保守

79 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 18:31:31 ID:k+nRYpZp
職人さん降臨してくれ〜!!

80 :名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 14:11:11 ID:RzjpLrN3
保守

81 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 18:37:16 ID:tCY3rsJq
ほす

82 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 12:17:53 ID:88mfZ8lW
セシリアたんに会いたい(*´д`)ハアハア

83 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:32:09 ID:zre07sPY
エルドは俺の婿

84 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 20:09:51 ID:mJtmpfjU
じゃあエレノールは貰って行きまs・・・アッー

85 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 21:25:33 ID:lmqAUVm1
エルドとセシリアを捕獲してドールハウスで飼いながらニモニモしたいwwwwwww

86 :名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 23:27:25 ID:eVU9bayT
船は市上空で破裂し、そして空からは純白のドレスを着たお姫様が降りてきた。身長は地球人の60倍、80mはある。
「ふふふふふ、私は銀河系宇宙の皇帝様の皇女ローラ。愚かな地球人達よ。おとなしく私達の奴隷と食料になりなさい」
彼女はそう言って、その長いスカートに不似合いなくらい右脚を高く上げると、市内の建物を次々と踏み潰し始めた。
彼女にとってのビルなど地球人にとっての発泡スチロールより弱い代物でしかない。
ちょっと強く脚で踏みつけると、ビルは一瞬のうちに粉々に砕け落ちていった。
彼女はそれが気に入ったようで、今度は身体全体で抱きしめるように高層ビルを掴んだ。
そして一息でビルは跡形もなく崩れていく。
「うわああああ、怪物だあぁ」
「た、助けてくれーーー」
その豊かな胸はビルの壁を押し破り、中にいる小人達を次々と押しつぶしていった。
「地球人達よ感謝なさい、私の胸で潰れていくなんて、滅多にないことよ」
次の目をつけたビルをつまむと、3階の辺りから引きちぎった。
そしてビルの中を覗きこむと、多くの小人達が逃げ場もなくただうろうろ走り回っていた。
3mは優にある巨大な彼女の瞳に睨み付けられて、その場にしゃがみこむ者もいた。
「ふふふ、かわいいの」
彼女はビルをジョッキのように傾けると、中の小人達を一気に口の中へと流し込んだ。
「うわわ、助けてくれーー」「ぎゃあああーーー」
多くの小人達の悲鳴は彼女の口の中へと消えていった。
「ごくん。ふふふ、まだいるはずよぉー」
ローラ皇女のビル丸呑みに、鍵のある部屋に逃げ込んでいたものは辛うじて助かっていた。
彼女は次にビルの中に舌を差しこんだ。
その赤くて唾液でしっとりと湿った舌は幅2m、長さも10mは優にある。
まるでセンサーでもついているように小人のいる場所を探し当てると、
一撃でドアを壊して中の小人達を舐め取っていった。
「わあーーー」「し、舌だぁ!!」
「あーおいしい。隠れても駄目よ。あ、地球人達が暴れながら食道を落ちていってる…」
そのころ、彼女の足元近くを逃げ惑っていたものたちは、そのビルの犠牲の元になんとか遠くへ逃げようとしていた。
「あら、地球人達が必死に逃げようとしている。無駄なのにねえ、、」
そういうと彼女は辺りのビルを次々と手で払い落とすように壊し始めた。
「きゃはははは、地球人が必死に逃げ惑ってるぅ」
彼女はその小人達の姿をみているうち、自分の局部が熱くなってくるのに気づいた。

87 :名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 23:31:00 ID:eVU9bayT
「そうだわ。このビルちょうどいい」
彼女はその長いスカートを膝まで捲り上げた。
ちょうど膝までのソックスが切れて、生の太股が見えるくらいの高さまでめくると、
目の前のビルにかぶせた。
「あ、ふ、ふう…気持ちイイ…中の地球人はどうしているのかしら…考えるだけで萌えちゃう…」
ビルは完全に彼女のスカートの中に入ってしまって、全く外からは見えない。
彼女が悶える姿から何が起こっているのか想像するしかない。
「あ…あ…いい、、、、う、、、ふう、気持ち良かった」
彼女がスカートを外すと、ビルは無残にも崩れ去り、あたり一面粘液で水浸しになった瓦礫の山と化していた。

「こちら攻撃開始する」
ミサイルが次々と彼女に命中するが、全くといっていいくらいダメージがない。
「効かない、、、」
「目玉を狙え。弱いはずだ。こっちで引きつける」
「了解。気をつけろ」
彼女の気を引くように右側から左右に機体を小刻みに旋回させながら近づいていった。
「なに?こいつ?」
彼女は右手を上げてハエを振り落とすように機体を叩き落そうとした。
機体は彼女の顔の前を右から左へすり抜けた。皇女の顔が機体を追って左を向いた瞬間
「くらえぇ!」
「きゃああああーーーーー」
爆発音とともに目から黒煙が上がった。
「やったか?」「気をつけろ、損害を確認するまでは近づくな」「倒れてはいないようだ」
「……お前達ぃ、よくもやってくれたな…」
彼女は赤く充血した両目を見開いた

88 :名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 23:36:15 ID:eVU9bayT
「効いてない!」「そんな…ばかな…眼球に直撃だぞ」
「これでもくらえー!」
彼女は口から光線を発射した。
「回避ぃーーーー!」
光線は扇のように広がってくる。
「なんだぁ?うわあああ!」
戦闘機は左翼を光が突き抜け、機体は完全にコントロールを失った。
「旋回しろ!奴に突っ込むぞ」「旋回できない…」「脱出しろぉ!」
戦闘機は彼女のお腹に衝突し、大爆発を起こした。もちろん彼女は何ともない。その直前、パイロット間一髪で脱出した。
幸運にもパイロットは皇女と反対方向に飛び出したため、遠くのビルの屋上に着地した。
「おろかな、お前達全滅させてやる」
彼女の光線は容赦なく攻撃隊を襲う。反応の遅れた機は次々と火を吹いていく。
「イーグル3,6,7墜落」「ミサイル残数は?」「合計6発」「ちくしょう。全く歯が立たない」
「危ない!」「しまった!」
機体を左に旋回させてかわそうとしたが、翼端に光線を浴びてしまった。
「くっ、バランスが取れない…」
彼の機体は彼女の足元へ近づいていく。
「脱出しろ!」「ここで飛び出せば彼女の餌食だ!」「しかし…」
「うふふ、こうしてあげる…」
彼女はスカートの裾を持つと、膝まで捲り上げた。
「なんだ……?」
機体がスカートの中へ入ったのを確認した彼女は、スカートから手を離した。
攻撃隊からは彼の機体が彼女の秘密の園へ吸い込まれていくように見えた。
「応答しろ!!!」「、、、、、、」「だめだ、全く反応がない、、、」
「このままでは全滅だ。ミサイルの残数もない。いったん引き上げるぞ」
「応援部隊は?」「後5分で到着します」
「お前達、覚悟するんだな!」
彼女は更に光線を発射した。
同じ攻撃でバランスを崩した1機が同じようなコースへ向かってしまった。
「イーグル8、脱出しろ」
彼女は再びスカートの裾を捲り上げた。
「うふふ。いらっしゃい」
「わあああああ」
彼の機体もまた秘密の園へ入り込んでしまった。
「ぜ、全機退避!」
「あははは、地球防衛軍って聞いていたけど、なにが防衛よ。口ほどにもないわ」
攻撃隊が去った後、彼女は再び近くのビルに目をつけると、その脚を振り上げて破壊を始めた。


89 :名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 23:40:41 ID:eVU9bayT
「ふう、ここはどこだ…」
先ほどのパイロットは彼女のスカートの中、スリップに機体をめり込ませて動けなくなってしまっていた。
彼は風防を開けて外に出た。目の前には巨大な2本の白いタワー・・・つまり皇女の2本の膝まであるソックスを履いた脚が
遥か頭上までそびえたっていた。
周りはすべて白いレース、つまり彼女のスリップだが、に覆われた空間、直径50mはあるだろうか。
足元と頭上、その両脚の付け根は共に見えない。
「待てよ。こいつの背丈は100mあるかないか……だとしたらスカートの長さはせいぜい50m。ここから地面とパンツが見えないのは変だ」
と、そのとき足を滑らせた。
「ん?わ!わ・・・なんだ????」
彼はその巨大なふくらはぎの肉塊にぶつかったが、下に落ちるわけでもなく、そのまま立ち上れた。
「皇女は立っているなら、俺は横向きに立っていることになる…どういうことだ??そうか、奴は今寝転がっているのか。
いや、ならスカートが覆い被さってきてもいいはずだ。引力が働いていないのか…」
彼はゆっくりと左右を見回した。
「あれは…?」
脚の向こうに戦闘機がスリップに引っかかって止まっている。
「俺の機体じゃない。誰のだ?」
彼は脚伝いに機体の近くまで歩いていった。
「イーグル8・・・」
コックピットの中を注意深く覗いてみた。
「いない、、、どこに行ったんだ?」
ちょうどこの辺りは脚が盛り上がっている。ちょうど膝の上だ。ソックスが切れて生脚が向こうへ伸びている。
「俺のいたところがあの辺で、8の機体までなんでこんなに遠いんだ?…この中はせいぜい50m四方しかないはず・・・
俺達が縮小したのか・・・いや、脚の太さはこんなもんだ。それに、脚が全く動かないのはどう考えてもおかしい・・・
こいつのスカートの中は空間がねじまがっているのか?」
彼は相棒のウルトラ女に連絡を取ろうとした。
「おい、聞こえるか…」
何の反応もない。
「だめか」


90 :名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 23:45:25 ID:eVU9bayT
戦闘機をスカートの中に連れこんだ後、皇女は市内のめぼしい建物を片っ端から破壊していった。
あるものはその豊かな胸の下敷きとなり、またあるものはビルごと引きちぎられて中の小人は
彼女の口の中へと呑み込まれていった。
しばらくして到着した第2波攻撃隊も、ほとんどなすすべもなく全滅状態になってしまった。
「はーはっはっ。この星はわれわれがいただく。地球人達よ、それで文句はないな」
市内で僅かに生き残った血j級人達はもはや何をする気力さえうせて、
あたり一面に響き渡る彼女の言葉にただ恐れおののいているだけだった。

「8、8!、、いない、、ふぅ疲れた。一方向に進んでいるはずなのに、なんで元いた場所に戻って来るんだ?」
彼は彼女の膝から太股の方向へ歩いていったのだ。しかし、なぜかまた膝の上に戻ってきている。
そのとき、彼はほのかな香りに気づいた。
「なんだこの匂い・・・いい匂いだ。引きつけられるような…」
彼はその香りのする方向へ巨大な脚の上を歩いていった。巨大な太股は柔らかく、歩いていても足がめり込みそうになるくらいだ。
と、一面を取り囲むスリップの頭上になにかあるのに気づいた。
「あれは、、先日消息を絶った鉱石船、、、なぜあの船がこんな中に入っているんだ?しかもあんなに小さく」
彼は意を決して船のほうへジャンプしてみた。
すると不思議なことにまるで宇宙遊泳でもするようにするすると船のほうへ向かって泳いでいっているのだ。
すると近づくに連れ、船は本来の大きさと変わっていないのが判った。彼は船の周りを注意深く見回してみた。
「どういうことだ、、、あそこのハッチが開いている」
彼は中へ入ってみた。
「おーい。誰かいるかー・・・声がしない・・・ここでもあの匂いがする。しかもさっきより強い」
船を飛び出すと、匂いのする方向へ向かった。
「これは、、、」
ようやく太股の付け根が見えてきた。ドレスと同じ純白の下着をつけている。
局部はほんのりと湿って右側からは愛液が少しはみ出している。
「これだ、、奴はここにスカートの中に連れこんだ地球人をおびき寄せていたのか!
8や鉱石船の乗組員は恐らく、、この匂いでひきつけていたんだ。俺はひっかからないぞ」
彼は、銃を構えた。陰部に撃ちこもうというのだ。
「ふざけやがって」
と、その時、身体が浮かび上がった。
「わ、なんだ?」
そしてそのまま湿った陰部に押し付けられてしまった。

91 :名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 23:52:26 ID:eVU9bayT
「ふふ、まさかウルトラ族がいるとは・・・どうりで地球人には十分過ぎるほどの
匂いで引っかからなかったわけだ」
ローラ皇女の声だ。
「う」
今まで我慢してきたが皇女の匂いには引きつけられるようだ。
今までとより更に強い芳香があたり一面に漂っている。
「ふふふ、わたしのあそこの感触と、芳香に包まれてゆっくり休むがいい」
「あ、イイ気持ち…力が抜けていく」
「すべて吸い取ってあげる」

「待ちなさい!ローラ皇女、あなたを逮捕します」
「なにぃ、、、貴女、ウルトラ族!?」
「覚悟なさい」
「うふふ、地球防衛軍の小人はこのスカートの中だ」
「そんな手にのるもんですか。いくわよ」
ウルトラ女は有無を言わさずローラ皇女に飛びげりを入れた。
いきなりの奇襲に皇女はそのまま仰向けに倒れてしまった。
ウルトラ女はダウン寸前の彼女のスカートを掴むと、一気にめくり上げて股間のパンティを凝視した。
その時
「うふふふ、私の特殊空間に入り込んだらもう二度と出てはこれない。貴女も同じ目に遭わせてあげる」
ローラ皇女はそう言うと、その長いスカートをウルトラ女の頭からかぶせた。
「きゃあ!なにするの?」
ローラ皇女のわなにかかったウルトラ女はスカートの中で暴れていたが、やがて動きがなくなり、
スカートも元の形に戻った。ローラ皇女が脚を開いてパンティが丸見えの姿勢で座っていてもどこにも見えなくなった。
そのころ、皇女の股間に吸い付けられていた彼は局部の感触と芳香と熱気で完全に意識が遠くなって、
夢の世界へ入りかけていた。
「あ・・・気持ちイイ」
「なに一人で遊んでいるの!!」
「わ、!!あ、お前か、驚かすなよって、なんでこんなとこいるんだ??」
彼女は彼と同じ大きさになってそばまで来ると、呆れたようにため息をついた。
「あなたを助けに来たのよ」「そりゃありがたい」「ここは皇女の造った異次元空間よ」「脱出できるのか?」
「簡単よ。でもこの仕掛けが判るまでは苦労したんだから。でもあなた楽しそうだから、置いて帰ろうか」
「ひでー!」「わかったわよ」
彼女は手を伸ばすと股間に貼りついていた彼を掴むと肩に乗せた。
「しっかり掴まっててよ」
彼女は全身から光を発し始めた。

92 :名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 23:54:34 ID:eVU9bayT
「ん、なんだ?この感触・・・まさか、、、わああああ!」
ローラ皇女はなおも残った建物脚をかけて踏み潰そうとしていた。
そのとき、突如スカートが膨れ始めたかと思うと、
ウルトラ女が飛び出してきた。
「あなたの子供だましの次元幻覚術、ウルトラ族の私には通じないわよ!」
「貴様ぁ…」「悪いけど、時間ないから。覚悟してよね。光線発射」
「きゃあああーーー!」
「あなたには黙秘する権利と弁護人を選ぶ権利があります」
「ふぅーっ。終わったな」



ドレス着たお姫様(*´Д`)ハァハァマジ来てほしい(*´Д`)ハァハァ

93 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 00:09:13 ID:vA05L41R
凄く新鮮で面白かった

94 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 00:42:59 ID:ftxyFWuT
ワロタ

95 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 10:17:07 ID:LjpORvm8
なんという鬼畜お姫様w

96 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 11:09:47 ID:LjpORvm8
しかし冷静に考えてみると彼女も本国でストレス溜まっていたのかも知れん
公人は求められるものが大きいし
宇宙皇帝の娘ともなると規模のでかい国家のようだし公務も大変なんだろう
領外の地球でちょとはっちゃけたかっただけと考えると心情を察して泣け・・・ないかw

97 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 16:38:32 ID:pzPCTRLj
>>96
いや、むしろ地球に来たのが公務で
本当は・・・

98 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 21:39:52 ID:TMZRGOh+
今までにないタイプの御姫様でワラタwww

99 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 00:04:17 ID:iD0k8yNZ
かなり間があき、申し訳ありませんでした。
『桃色の鞠』中編を投下します。

100 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:06:31 ID:iD0k8yNZ
記念祭三日目。
セシリアは、エルドに会うため、早々に王宮入りを果たしていた。
一晩あれこれと悩んだ結果、彼に全てを打ち明けることが最適のように思えたのだ。
何しろ、エルドはこちらの厄介な婚約の事情について知っている。
ついでに、わからなかった言葉の意味も質問してみよう、とセシリアは考えていた。

侍従長から、第三王子が厩舎に居ることをさりげなく聞きつけると、
セシリアは、勇み足で目的地に向かった。
中庭を横切ろうとしたときだった。
突然、彼女の視界の端に桃色の物体が飛び込んできた。

――鞠だ。

セシリアは、反射的に手を伸ばし、それを受け止めた。
一人の少年が、息を切らしながら、駆け寄ってくる。
「セシリア!」
「あら、ロビン」
それは、ユーリ陛下の末息子にして第四王子のロビンだった。
彼の後ろから、二人の従者も走ってくる。

「ありがとう」
ロビンはそう言って、両手を差し出した。
「これは……」
この鞠は、かつては私の物だったのよ、と言おうとして、セシリアは止めた。
今は、ロビンの物なのだろう、と思い当たったのだ。
無言で、桃色の鞠をロビンに渡した。

「ずいぶん背が高くなったのね」
セシリアは実の弟を見守る感慨で、栗色の頭を撫でた。
色はエルドによく似ているが、髪質はもっと硬かった。

「そんなに伸びてないよ」  ロビンは、首を振る。
「セシリアがちっとも後宮に来てくれないから、わからないだけだよ。前はよく来てくれたのに」
無邪気な声には、ほんの少しの非難が混じる。
そういえば、成人してから後宮に行く機会はめっきりと減っていた。

「あら、ごめんなさい。それでは、近い内にあなたがたに会いに後宮へ伺うわ」
「うん、きっとだよ」
ロビンは嬉しそうにぴょんと跳ねた。
それから、何かを思いついたようにセシリアを見上げた。

「ねえ、セシリア。もう一つお願いがあるんだ」
「何かしら?」
「エルドも一緒に連れて来てくれる?」
「エルドですって?」
どうして、誰もかれもエルドのことを話題に出すのだろう。

「うん。セシリアからエルドを誘ってみてよ」
「まあ。どうして、私が誘わなくてはならないの?」
「だって、セシリアだったら、エルドに何でも好き放題、無理難題を言い放つことができるじゃないか」
「そ、そうかしら」
屈託のないロビンの答えに、セシリアは、がくりと肩を落とした。
幼い彼の目には、自分たちは、どんな風に映っているのだろう、と考えてみるが、
理想的な関係に見えていないことは確実のようだ。

101 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:08:02 ID:iD0k8yNZ
「私たちは、あなたにとっていいお手本ではなかったわね」
言い争いに終始していた過去を振り返り、セシリアは仕方ないわ、とため息をつく。
すると、幼い少年は満面の笑みを作った。
「僕は、エルドとセシリアの口喧嘩を子守唄がわりにして寝ていたんだって。ばあやが言っていたよ」
ロビンの顔は、まるで大切な宝物を守っているように幸せそうだった。
「まあ、そんなのばあやの冗談よ」
セシリアは頬を膨らました。
「だいたい、エルドに来てもらいたいなら、あなたから誘えばいいのよ。
 一緒に遊びたい、なんて無理なお願いでも何でもないわ」

「……僕は、別にエルドと遊びたいわけじゃないよ」
その途端、ロビンは気まずそうに目を伏せた。
セシリアは「どういう意味かしら?」と首をかしげる。
ちらりと従者たちに目を遣ると、つんと澄ましていた彼らの一人が、おもむろに切り出した。

「ロビン様は、お兄様に告げたいことがあるのです」
「告げたいこと?」
もう一人の従者も、熱心に言い募る。
「そうです。昨日の武芸競技大会にエルド様は参加していたでしょう? その件につきまして少し―――」
そこで、従者は思わせぶりに言葉を切ったので、セシリアの興味はいたずらに煽られる。
「彼が大会に参加したのは、やはり何か意味があってのことなの?」

従者の一人は、こほんと咳払いをすると、いそいそと話し出した。
「あれは、つまりエルド殿下が、軍部入りを希望しているということですよ」
「軍部入り?」
セシリアは、かすれた声で呟いた。
「それじゃあ、エルドは軍官になるの?」

「ほぼ間違いないでしょうね。だいたいエルド様の出自を考えたなら―――」
「黙れ!」
突如として、幼い声が遮った。
「セシリアは関係ないんだから。それ以上、お前たちは変な話を吹き込むな」

振り返ると、ロビンは、鞠を抱きしめ、口を堅く結んでいた。
どうしてなのか、その様子はとても痛ましく見えた。
「ロビン」
深く考えもせずに、セシリアは、第四王子の手を取り、従者たちから引き離した。
「少しあちらの庭を散歩しましょうよ」
わざとらしいくらい朗らかに誘いかけると、
不思議そうに目をきょろきょろさせたあとで、ロビンは大きく頷いた。

102 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:10:19 ID:iD0k8yNZ
薔薇が咲き乱れる庭園を、セシリアとロビンは歩いた。
木々は鮮やかな緑の衣を纏い、道沿いは、スミレやプリムラの絨毯で覆われている。
暖かな木漏れ日と爽やかなそよ風は心地よい。
しかし、後ろから一定の距離をあけて付いてくる従者たちが気になってならなかった。

もちろん、先日の不審者が侵入した事件のことを考えると、宮中といえども、安全だとは言い切れず、
幼い王子が一人で出歩くものではないとわかっている。
それでも時代は変わったものだ、とセシリアは懐古にふけった。
自分が幼いときは、お目付け役なんて持たずに、城の庭という庭を駆け回っていたというのに。

「ねえ、ロビン」
イチイの木のアーチを潜り抜けたとき、セシリアは、ロビンに囁いた。
「エルドが軍部に入りたいって本当なの?」
確かに、武芸競技大会は、軍部に入隊することを希望する若者たちにとっては、
軍の幹部に自分の活躍を披露できる、いわば登竜門という側面も持っている。
だが、セシリアはエルドが軍官になるなんて到底、信じられなかった。

「そんなこと、わからないよ。僕はエルドのことを何にも知らないんだから」
そう言って、ロビンは、鞠を真上に放り投げた。
もうその話はしたくないという合図のように見えて、上下する鞠を目で追いながら、セシリアは次の質問を探した。

「あなたは、エルドに何か告げたいことがあるの?」
「――というよりも、訊きたいことがあるんだ」
丸い鞠は、宙に舞い、そして、ロビンの手元に落ちていく。
「でも、エルドはきっと俺なんかに会いたくないよね」
そう言って、幼い少年は何でもないことのように笑った。
子供らしくない笑顔だった。この年齢にして、周囲に気を遣い、全てを諦めているような。

「あなたの従者たちが、そんな益体もないことを吹き込んだの?」
セシリアは、ちらりと背後を確認する。少なくともあの者たちは、エルドのことを快く思っていないようだった。
問われても、ロビンは否定せずに苦笑するばかりで、鞠を再び投げた。
自分で投げ、自分で受け止める。
そうやって、ずっと一人で遊ぶことに慣れているのだろうか。

「あなたは、自分のお兄さんのことを誤解しているのよ」
「誤解?」
「そうよ。エルドは、確かに無愛想な奴だけど、弟のあなたのことを大切に思っているわ」
「……そんな慰めいらないよ」
ロビンは、無表情のまま鞠を投げ続ける。
「慰めなんかじゃないわ」
セシリアは一歩も譲らなかった。

エルドのことを何も知らないのは、セシリアだって一緒だ。
ランスロット=ベイリアルが守りたいと言ったエルドも、
コートニーが一瞬にして心を奪われたエルドも、セシリアにはよくわからない。
けれども、自分にだってわかることがあるのだ。

「あなたが生まれたのは夏だったわ。よく覚えている」
そう。新しい王子の誕生に、宮中は大騒ぎだったのだ。
「あなたが生まれてすぐのとき、エルドと二人で、あなたの顔を見に行ったことがあるのよ」

どんな経緯で、エルドと同行することになったのかは忘れてしまったが、それは事実だった。


103 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:13:16 ID:iD0k8yNZ
ロビンの部屋の大きな扉の前で、幼い日のセシリアとエルドは顔を見合わせた。

『エルド。ねえノックして』
『何で俺が、リアがしろよ』

すっかり日常になった言い争いが始まる。
その声を聞きつけたのか、扉がそっと開かれ、乳母が顔を出した。

『今、ちょうどお休みになられたところですよ。お静かに』
口元に人差し指を当てながら、彼女は言った。
『ばあや。赤ちゃんを見てもいいでしょう? 静かにしているから』
セシリアが懇願すると、乳母は扉を大きく開き、二人を中に入れてくれた。

ミルクの匂いが漂う室内の中央には、ヴェールが垂れ下がり、その下に、籐の揺りかごが置かれていた。
わくわくしながら、その中を覗き込むと、幼い王子が、すやすやと寝息を立てていた。
なんと愛らしいのだろう、とセシリアは感動する。まるで全ての幸福の象徴のように思えた。

『あなたの弟よ』
一人っ子のセシリアはうらやましくて、隣にいる少年に囁いた。
すでに兄も姉も、妹までいるのに、エルドは弟まで持つことができるのだ。
『……そうか』
エルドは赤ん坊をじっと見つめた。
そして、おっかなびっくりといった感じで、壊れそうなくらい小さい指を触った。


「―――あのときのエルドはとても嬉しそうだったわ」
セシリアは心を込めて言った。ありふれた陳腐な言葉に聞こえないように、と願いながら。
「あなたの誕生を、エルドは心の底から喜んでいたの。慰めなんかじゃないわ」

その瞬間、ロビンはセシリアの正面に向き直った。
受け取り損ねた鞠は、地面の上を跳ねて、茂みの中に消えていく。
「……それは本当?」
少年は、瞬きを繰り返した。その目の奥がきらりと光る。

セシリアは肯定するかわりに、ロビンの指をぎゅっと握った。
あの頃に比べたら、ずいぶん大きくなった手のひらだった。
それでも、彼はまだ八歳で、ほんの子供で、もっともっと遊ぶことが必要なのだ。

「待っていてちょうだい。
 記念祭が終わって、落ち着いたら、エルドを連れて来てあげるから」



104 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:15:42 ID:iD0k8yNZ
厩舎にて、第三王子エルドは、愛馬のレディ・シャルロッテにブラシをかけ、
昨日行われた武芸競技大会の健闘を労っていた。
何しろ、初出場の大会で善戦できたのも、彼女に寄るところが大きかったのだ。

「お前は最高の名馬だよ」
エルドはシャルロッテに優しく囁きかけた。
「あの大会の中で、お前はどの馬よりも美しくて、しなやかだったぞ」
褒められて、彼女は満足そうに、大きな顔をエルドの身体に擦りつけた。

そのとき、厩舎の戸が開く音と足音が響いた。
「リア」
エルドはすぐさま相手の名前を呼んだ。振り向きもしなかった。
「あら、よくわかったわね」
残念そうで、少し拍子抜けしたような少女の声が返ってくる。
「ここから見れば、誰が厩舎に来るかわかるんだよ」
そう言って、エルドは前方にある小窓を示した。そこからは、窪地にあるここまで続く道が見渡せるので、
エルドは馬の世話をしつつ、身辺に気を配っていたというわけだ。

「ふうん」
金色の頭が、エルドの隣に並び、丸い小窓を覗きこんだ。
その横顔や胸のふくらみに、ついつい目を遣りながら、何となくエルドはセシリアから一歩離れた。
彼女に会うのは、一日ぶり、自分の寝室で慌ただしく別れたきりだった。

「リア、あのさ……」
そう言いかけて、エルドは口ごもる。彼女に訊きたいことは山ほどあったのだ。
それなのに、こうして目の前に本人が現れると、本当に伝えたい言葉はどこかに消えてしまう。

「わざわざ、こんなところまで何しに来たんだよ」
冷淡なエルドに、セシリアはどこ吹く風だ。
「あら、いいじゃない。シャルロッテに会いに来たのよ」
そう言って、彼女は、エルドの愛馬に手を伸ばし、そのたてがみを撫でようとする。
しかし、シャルロッテは乱暴に身震いし、セシリアの手をはねのけた。

「きゃっ!」
バランスを失ったセシリアはよろけて、干草の山に倒れこんだ。
「珍しいな。シャルロッテは人見知りしないのに」
「……私は嫌われているのかしら」
セシリアは、ショックを受けたようで、しょんぼりする。
いい気味だ、とエルドは思わずにいられなかった。

「リア。お前は、好意には好意が返ってくると信じているんだろう」
「え?」
セシリアは虚をつかれたように、エルドを眺める。
その、ぽかんと開かれた唇に、角砂糖を押し込んだ。

「……甘いわ」
驚いたように目をしばたかせ、セシリアは唇をなめた。
シャルロッテのための角砂糖だよ、と告げると、さっきまで落ち込んでいた顔は、嬉しそうにほころぶ。
単純な奴だ。
一方で、愛馬に同じものをやろうとすると、
こんな娘と同等の扱いを受けるなんて我慢できないと言いたげに、鼻を鳴らして無視された。

105 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 00:18:08 ID:M9y6iiB3
待ってた!

106 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:20:31 ID:iD0k8yNZ
また持ってくるから、と愛馬を宥めていると、背中に強い視線を感じた。
振り返ると、公爵令嬢は、干草の上から熱心にこちらを観察していた。

「どうしたんだ?」
「あなたを見ているのよ」
「―――どうして?」
「だって私はあなたのことを何も知らないんですもの」
セシリアは秘密めいた笑みを浮かべる。
エルドは、やれやれと思いながら、彼女に再び近づいた。
本当は思い出したくなかったのに、脳裏に、二晩前のことがよぎる。

『―――私はいつも自分のことばかりで、あなたのことをちっとも見ていなかったわ』
あのとき、泣きそうな表情の彼女を笑い飛ばすくらいすればよかったのに、どうして慰めてしまったのだろう。

「それで俺のことはわかったのか?」
エルドは、壁に手をつき、セシリアを見下ろした。
彼女は上目遣いにこちらを覗き込む。アーモンドのような瞳に吸い込まれそうだった。

ねえ、と形のいい唇が動いた。
「これは賭けてもいいけど、あなただって私のことをきちんと見たことがないはずよ」
「……何だよ。それ」
ずるい言い方だ。彼女の言う通りに肯定するのは癪だし、
かといって否定すれば、「セシリアのことをきちんと見ている」という意味になってしまう。

返答するかわりに、エルドは、親指でセシリアの唇を撫でて、試すように鼻先を近づけた。
ほんの少しでもいいから、彼女をたじろがせることを期待して。

でも次の瞬間には、もうセシリアの方から顔を近づけていた。
エルドの唇に柔らかい吐息がかかる。
そっと舌を入れると、セシリアの中は甘い砂糖の味がした。
そして何も考えられなくなってしまうのだ。
しばらくのあいだ、二人は、動物が互いの匂いを嗅ぐように、顔を寄せ合った。

唇が離れると、セシリアはエルドの首筋にすがりつき、ほらね、と囁いた。
「私のこと見ているよりも、キスしている時間の方が長いじゃない」
「仕方ないよ」
エルドは、セシリアの頬に手を添え、こちらを向かせた。
「お前のうるさい口を黙らすのに、これほどいい方法はないんだから」
そして、また唇を重ねるために、彼女に後頭部に手を回そうとした。

107 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:22:56 ID:iD0k8yNZ
けれども、そのとき、白い頭がにゅっと二人のあいだに割り込んできた。
「きゃっ!」
セシリアが驚いたように飛びのいた。
「シャルロッテ!」
エルドも驚いて立ち上がると、
愛馬は、ふてくされたようにカラス麦の飼い葉桶に顔を隠した。

「どうしたのかしら?」
彼女は不思議そうにシャルロッテを眺めた。
小窓から差し込む一筋の光が、王冠のようにセシリアの額を照らしていた。
エルドは、決まり悪くなって、無言で床に放り出していたブラシを拾い上げた。

「―――それで、結局お前は何しに来たんだ?」
シャルロッテの体を梳きながら、再びその疑問を口にすると、
「ええと」という呟きが聞こえてきた。

「実は、質問したいことがあったのよ。
 あなたは私に何でも教えてくれるって約束してくれたでしょう」
「……そんな厄介な約束した覚えは一切ないんだけど」
「でもあなたに関することなのだから知っているに決まっているわ」
「俺に関すること?」
「ええ。『童貞』の意味を教えて欲しいの」
エルドは危うくブラシを落としかけそうになった。

108 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:30:07 ID:iD0k8yNZ
「エルド? どうしたの?」
「お前、どこからそんな言葉……」
「マリアンヌが言っていたのよ。あなたが童貞に違いないって」
「お前たちは、一体、どういう会話をしているんだよ!」
思わず声を荒げると、セシリアは目を丸くした。
「そんなに変な言葉なの?」

「……変というかさ」
変なのはお前だよ、という呟きはかろうじて飲み込んだ。
どこから突っ込んでいいのか迷いつつ、エルドはとりあえずセシリアの誤解を解くことする。
「マリアンヌは間違っている。俺は童貞じゃないよ」
「まぁ、そうなの?」
「というか、そのことをリアが一番よく知っていると思ったんだけど」
「あら、どうして私が?」
セシリアは本当に不思議そうに首をかしげる。
わざとではないとわかっていても、エルドは面白くなかった。

「だってお前が―――」
心のどこかで、やめとけと叫ぶ声が聞こえたが、すでに勢いは止まらなかった。
「リアが、俺の童貞を奪ったんだから」
「え?」
鳩が豆鉄砲をくらったように、セシリアはぽかんとするので、
エルドはもっとわかりやすい言葉を探した。
「つまり童貞というのは、男性に使う処女という意味だよ」

そのときのセシリアの表情は見物だった。
エルドの顔をじっと見つめ、何度も何度も瞬きを繰り返す。
けれども、最近身をもって処女を失うことを体験した彼女は、何かに思い当ったらしい。
「つまり、童貞とは――」
出題された問題を解くように、セシリアは慎重に言った。
「性交渉したことが一度もない男性ということ、なの?」
「よくできました」
白けた気分でエルドが言うと、セシリアの顔は、さっと青ざめた。
「じゃあ、マリアンヌの言ったことは、当たっているじゃない!
 私が、あなたに強要しなかったら、あなたは今でも童貞だったに違いないわ」

どうして、そんなにきっぱりと言い切るのだろう、と複雑に思いながらも、エルドは「かもな」と頷いた。
「でも、そんなことどうでもいいだろ。
どうせ、マリアンヌだって、軽口を叩いたに過ぎないんだから」

「いいえ。マリアンヌは大いに気にするわ!!」
居ても立ってもいられないというように、勢いよくセシリアは立ち上がった。
「よりによって、私が、彼女の計画を台無しにしてしまうなんて!」
「計画? 何のことだ?」
エルドは鋭く追及する。
しかし、セシリアは小窓の方向に視線を遣ると、そのまま動きを止めた。

「リア。聞いているのか?」
尚も問い詰めようとすると、彼女は、ようやく搾り出すように声を発した。
「……マリアンヌが」

109 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:31:50 ID:iD0k8yNZ
エルドが小窓から外を確認すると、
姉のマリアンヌとその友人が道を辿って、こちらにやって来るのが見えた。
「―――どうして、あいつがこんなところに?」
セシリアが訪れるのも珍しいことだったが、姉が厩舎を訪れるなんて、天変地異の前触れのような気がした。

公爵令嬢は、エルドの服の裾を引っ張った。
「エルド。隠れなきゃ」
「隠れる?」
「私があなたと一緒にいるところを見られたら、マリアンヌはどう思うか……」
「喧嘩していると思うんじゃないか」
昔から、二人が言い争いをしていると、彼女は仲裁役に回ったものだ。
といっても、マリアンヌの仲裁は火に油を注ぐようなもので、喧嘩はますます悪化していくのが常であったのだが。

「わかってないわ」
セシリアは呆れたように首を振り、先ほどまで自分がいた干草の山をかきわけ始めた。
「リア? 何しているんだ?」
エルドが驚いたことに、セシリアは、その中に身体を埋めようとしていた。

「おい、そんなことすると臭いが移るぞ」
「構わないわ」
セシリアは干草の束を自分の身体にかぶせながら言った。
「臭いがついたら、落とせばいいだけじゃない。
 でも、マリアンヌの信頼を失ったら、永遠に取り戻すことは不可能よ」

ともかく、エルドは、干草の束をかぶせ、彼女が隠れるのを手伝った。
「ときどき、お前の頭の中を覗いてみたくなるよ」
そう独りごちてから、
いや、何も知らない方が精神を良好に保っていられるのかもしれないな、と考え直した。

そして、また厩舎の戸が開いた。

110 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:33:46 ID:iD0k8yNZ
「ごきげんよう、エルド。お久しぶりね」
第四王女マリアンヌは、弟に向かって、微笑んだ。
その背後では、彼女の腰巾着であるエリオット=ベイリアルが、へらへらと笑っている。
まるで人をたばかる二匹の狐のようだ、とエルドは思った。

「何の用事だ」
「まあ、挨拶もなしなの? 嘆かわしいわ。我が弟君は、最低限の礼儀も知らないのだから」
マリアンヌがわざとらしくため息を漏らした。
「前置きはいいから。さっさと用件を言ってくれ」

エルドは、辟易しながら言った。
すでに嫁いだ、他の三人の姉からも、何かと要らぬ干渉を受けてきたが、この四番目の姉ほど厄介な存在はなかった。
きらきらと輝く琥珀色の瞳は、いつでも好奇心を満たせるものがないか探し求めているし、
つんと上がった薔薇色の口元は、自分がその場を支配できると確信している傲慢さに満ち溢れている。
彼女にとって年齢の近い弟は、単なる暇つぶしの玩具に過ぎないのだ。

「実はね、君に夜会の招待状を持ってきたんだよ」
エリオットがエルドの前に進み出て、ラベンダー色の封筒を差し出した。
「夜会?」
エルドは眉をひそめる。
記念祭の期間中、宮中では毎晩何かしらの夜会が開かれているが、
騒がしいことが苦手なエルドにとっては、王族として出席義務があるもの以外は、参加する気になれなかった。

「ええ、昨夜から考えていたの。
 記念祭の期間中、若い人たちだけの気軽な集まりの場所があれば、楽しいんじゃないかしらって。
 それで、少々急なのだけれど、明日の晩に開くことになったのよ」
「ふうん。いいんじゃないか? でも俺は興味ないよ」
招待状をつき返そうとするが、マリアンヌの態度は強行だった。

「エルド。あなたに断る権利があると思っているの?」
「だって出席する義務なんてないだろう」
「いいえ。あなたの参加は義務よ。これ以上、私の顔に泥を塗るのは許されないわよ」
「いったい全体、いつ俺が、マリアンヌの顔に泥を塗ったんだよ!」

身に全く覚えがないエルドが叫ぶと、すかさずエリオットが耳打ちした。
「つまりさ、武芸競技大会での君の雄姿を見逃してしまったことを指しているんだよ。
 出席することを、君に秘密にされて、マリアンヌ様は、拗ねているというわけなのさ」

「エリオット。私は別に、拗ねてなんかいないわよ」
マリアンヌは扇子を横暴に振り回して、エリオットを小突き、
彼は、ほらね、とエルドに片目を瞑ってみせた。

111 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:35:31 ID:iD0k8yNZ
武芸競技大会のことを持ち出されるとは予想していなかったので、エルドは戸惑った。
優勝したなら、まだしもトーナメントの一つに参加しただけなのだ。どうして騒ぎ立てるのだろう。

「あれは、故意に秘密にしていたわけではなくて、飛び入り参加だっただけだ」
「参加が決まった時点で、どうして報告しないのよ!
 記念祭行事の中でいちばんの話題を見逃してしまった私の立場を考えてみてちょうだい」
「マリアンヌの立場なんて、俺には関係ないだろ!」
エルドは慌てて、自己弁護に回った。
このままではマリアンヌに言い負かされ、まるで自分に非があるように仕立て上げられてしまう。

「まあ、そうかもしれないけれど」
マリアンヌは悪びれずに笑い声を立てた。
「でも、この夜会に出席してくれたって、罰は当たらないでしょう?
 うら若き令嬢もたくさん集まるから、紹介してあげるわ」
「俺がそんな言葉に乗ると思っているのか。マリアンヌ」

マリアンヌは面白くなさそうに鼻を鳴らしたが、
エルドの反応を予測していたようで、すかさず畳み掛けた。
「じゃあ、軍部の若き騎士たちを紹介してあげるというのはどうかしら?
 彼らも大勢招待しているのよ」
その言葉に、エルドはぴくりと反応し、マリアンヌは意味ありげに笑った。

「あなたは軍部に入りたいのでしょう?」
「―――それが?」
自然に、エルドの声は険しくなる。
「わかっているくせに。軍部に入ったら、縦社会よ。協調性が必要になってくるわ。
 いくら王子だろうとも、あなたお得意の個人主義なんて気取っていられなくなるわよ」
マリアンヌはくどくどと、夜会に出席することの有益性を説明する。
それにね、と彼女は最後に付け加えた
「エルドが軍官になることをお父様に口添えしてあげてもいいのよ」

それが決め手だった。
エルドは、エリオットの手から招待状を乱暴にひったくった。
結局、マリアンヌはいつだって思い通りに事を運ばせてしまうのだ。

112 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:38:06 ID:iD0k8yNZ
「じゃあ、後は任せたわ。エリオット」
思う存分話したいことを話したあと、 マリアンヌはすっきりした顔で厩舎を後にした。
残されたエルドとエリオットは、互いに見つめ合う。

「―――何でお前が残るんだ?」
憮然としてベイリアル家の次男坊をねめつけると、
彼は待っていましたとばかりに、にんまりと笑った。
「いやね、マリアンヌ様に言いつかって、僕はエルド様に色々と教えに来たんだよ」
「何を?」
「そうだね。まあ、主に女性の扱い方かな」
「………不敬罪で訴えてやろうか」

その時、エルドの視界の端で、干し草の山が微かに動いたような気がした。
そうだ、セシリアがいることを忘れていた。
ブラシを釘にかけ、飼い葉桶を持ち上げると、エルドは入口の方へ向かった。

「とにかくここを出よう。その話は、歩きながら聞くから」
エリオットは驚いたように、第三王子の後を付いて来た。
「いいか。ここから出て行くからな!」
出る瞬間、エルドは、後ろに向かって、大声で叫んだ。

「エルド様、そんなに大きな声を出さないでも聞こえているんですけど……」
「さっさっと出ろ!」
エリオットの訴えを無視しながら、エルドは彼の肩を押した。


113 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:41:45 ID:iD0k8yNZ
「―――で、お前とマリアンヌは何を企んでいるんだ?」
自室に向かう道を歩きながら、エルドはエリオットに尋ねた。

「企むって、そんな身も蓋もないなぁ。 ただマリアンヌ様は、君が年頃なのに、
 あまりにも艶事に興味を示さないのを心配しているだけだよ」
「なるほどね」
エルドの頭に、先ほどのセシリアの露骨な質問が浮かんだ。

「そういうのを余計なお世話だというんだよ。
 だいたいマリアンヌは俺のことを心配しているんではなくて、面白がっているんだろう」
「そんなこと言わないでさ。少しは、僕に協力してくれたっていいじゃないか。
 マリアンヌ様は、僕と君の二人が、めくるめく女性の魅力について語り合うことを所望しておられるんだから」
「あいにく俺は、そんな話題に、全く興味ないんだが」
全身で拒絶の色を示すエルドを意に介さないで、エリオットは「まさか」と笑った。
それが、いやに癇に障る。

「とにかく、僕たちみたいに身分が高いとさ、女遊びも一種の勉強というか義務みたいなものなんだよ」
「俺は……」
「気をつけた方がいいよ。君みたいに潔癖で、『女に現を抜かすなんて愚か』だと
 鼻で笑っているような奴ほど、女に人生を狂わされるんだから」
「俺はそんなことしないよ」
「そう。誰もが、自信たっぷりに、自分だけは違うと思っているんだ。
 それなのに、一度快楽の味を知ってしまうと、自分を制御できなくなり、深みに嵌って―――」
そこでエリオットは言葉を切り、愛想笑いをする。
「そんなに恐い顔しないでよ。エルド様。ただの一般論じゃないか」

エルドは浮かない表情のまま、にらみつけた。
「これ以上、くだらない話を続ける気はない。
 マリアンヌには、適当にごまかしておけばいいだろう」
「わかったよ。マリアンヌ様には、エルド様は女性に全く興味を示さなかったと説明するよ。
 しかも君が軍部に入りたがっているのは、
 麗しい令嬢よりも、むさくるしい男共の集団の中にいたいから、だと伝えておこう。
 あはは。何だか、逆に、彼女の関心を煽ってしまいそうだな」

エリオットが一人で悦に入っているあいだに、エルドはさっさとその場を退散した。


114 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:47:20 ID:iD0k8yNZ
自室に足を踏み入れると、いつもと何かが違う気がして、エルドは身をこわばらせた。

「警備の数が少なすぎですよ。エルド様」
「アーク!」
祖父の忠実なる僕は、堂々と長椅子に座り、サイドボード上の調度品を鑑賞していた。
まったく今日は千客万来だ、とエルドは嘆息した。
セシリアに、マリアンヌに、エリオット。そして極めつけがアーク。
エルドの精神力を消耗させようと、そろいもそろって襲いかかってくる。

「お前は、俺からも何か盗むつもりなのか」
「まさか」
アークは上品に口の端だけ上げて、すくっと立ち上がった。
「御前の命により参りました。昨日の競技大会の件につきまして」
「もう祖父さんの耳に入ったのか」
エルドは目を丸くする。もちろん、いずれは祖父の知ることになるだろうと予測していたが、昨日の今日だ。

「ご冗談を。街中、その話題で持ちきりですよ。あなたは自分の影響力というものをわかっていない」
「わかっているよ」
イースキン=ラルフの孫息子でいることの影響力は、痛いほど実感しているつもりだった。

「それで、お前は、わざわざ皮肉を言いに来たというわけか。ご苦労なことだな」
「わたしは、エルド様のご意向を確認するために参ったのです。―――まさか、あなたは軍部に入るおつもりなのですか?」
「その通り。俺は軍官になるよ」
そう宣言し、アークの反応を伺うが、彼は一切の感情を隠していた。

「―――それでは、それは御前と交わした約束と喰い違うのでは」
「アーク。俺は王位継承権は放棄しないとだけ約束したんだけだよ」
「もったいないことを」
アークは呆れたように首を振った。
「今の平和ボケしたこの国では、軍部の権力は日増しに弱くなっているというのに」
「構わない。俺は出世や名誉を望んでいるわけではないんだから」
「では何を望んでいる、と?」
アークはじっと見据えてくる。エルドは肩をすくめた。

自分は何が欲しいのだろう。
昔から望んだものは、全てあっという間に手に入った。
でも、本当に心の底から何かを望んだことはあったのだろうか。

「ただ望みさえすれば、権力の杖は簡単にあなたの手の中だ」 
刺々しい口調にもかかわらず、アークは相変わらず、穏やかな表情のままだった。
「それを手に入れたいとは思わないのですか?」

エルドは苦笑した。
アークの尋ね方はひどく形式的で、その台詞を言うように指示した祖父の顔が透けて見えてくる。
「だって俺には、最初からその杖を授かる資格はないんだ」

エルドはアークの脇を通り抜け、隣の部屋の扉を開けた。
「祖父さんに伝えてくれ。俺は、王太子になるつもりはない、と」 
敷居を跨ぐとき、次兄の顔が浮かんだ。彼は自分の決心を聞いたら何と言うだろう。

「―――伝えておきましょう」
背後から、アークの低い声がした。
「それでも、あの方を止めることはできませんよ」

わかっているよ、とエルドは心の中で答え、扉を閉めた。
最愛の娘を亡くしたときから、もうずっと、イースキン=ラルフに残された野望は、唯一つなのだから。
それでも、エルドは祖父の操り人形でいる気はなかった。



115 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:49:14 ID:iD0k8yNZ
セシリアは、小舟の端に寄りかかり、川の流れを眺めていた。
水面には、つまらなさそうな女の子の顔が映っては、すぐに歪んで消えていく。
遠くに見える陸地では、色とりどりの旗で飾られた屋台の数々で賑わい、
その隙間を人々の群れが舞うように行き交っている。

外側を虹色に輝く貝殻で飾られた舟は、マリアンヌ王女の自慢の種だった。
一度に乗れるのは、船頭を除いて、約五名で、
川遊びを楽しむためというよりは、話し合いに耽りたいときのために、度々利用されていた。

あるときは、気ままなお喋りの場に、またあるときは悩める者の告白と述懐の場になった。
いずれにしても、寡黙な船頭は何も聞こえない体を装い、ただ忠実に棹を漕ぐ。
そして、今回は、参謀会議の場となったのである。

「まあ、本当? マリアンヌ」
「ええ、ちゃんとエルドを誘ったわ。必ず来るように」
マリアンヌは、紫色のクッションが置かれたいつもの特等席に座り、ご満悦だった。
そして、その隣では、コートニーが熱っぽく対応する。
その席は、本来だったらセシリアの定位置だった。
しかし、セシリアは向かい側で、そんな二人の様子を芝居の観客席にいるように、ただ傍観していた。

「さあ、これでお膳立てはそろったわね」
マリアンヌは得意満面で、手元の招待状を開いてみせる。
明日の晩、急遽開催が決まった夜会。
しかし、元々華やかなことを好む第四王女が企画しただけに、不審に思う者は誰もいなかった。

「夜会が始まってしばらくしたら、エルドにあなたを紹介するわ」
「ああ、ありがとう。マリアンヌ」
コートニーは両手を前で組み、マリアンヌを拝まんばかりだ。
「あなたがいなかったら、ただエルド様の面影を思い返すことしかできなかったわ」
「別にいいのよ」
感謝されることはマリアンヌの最大の養分だ。
こんなこと何でもないのよ、と彼女は胸を張り、それから少し顔を曇らした。

「でも、いくらあなたが可愛い人でも、あいつを籠絡させることは難しいかもしれないわ。
 知り合いに探らせたのだけど、やっぱり堅物というか偏屈というか、全く女性慣れしていないのだから」
それにちょっと嫌な噂も聞いてしまったし、とマリアンヌは言葉を濁した。

「まあ、そうなの」
そう反応する声は、半分残念そうで、半分嬉しそうだった。
「わかるわ。エルド様はどこか禁欲的な雰囲気があるんですもの」
うっとりするコートニーを眺めながら、やはり彼女の趣味はどこかおかしいわ、とセシリアは実感した。

116 :桃色の鞠(中編):2008/06/08(日) 00:54:54 ID:iD0k8yNZ
マリアンヌは更に言葉を継いだ。
「これがもう少し先の話だったら、もっと綿密に計画を立てられたのだけどね。
 でも、夜会は明日に迫っているのだから強硬手段に出るしかないわ」
「どうするの?」
張り詰めた表情でコートニーが尋ねると、マリアンヌは生き生きと説明を始めた。

「エルドを思いっきり酔わせてしまいましょう。
 薄暗い照明。語りかけるような音楽。柔らかい長椅子。美味しいチーズ。そして、とびきり強いお酒」
「まあ、それではエルド様はうたた寝してしまうのでは?」
「そうよ。眠らせてしまうの。そして目覚めたときは――」
「目覚めたときは―――」
コートニーが復唱する。
「一糸まとわぬ姿で、あなた同じ寝台の上にいるのよ」
その途端に、二人の王女は興奮して、船頭が振り返るほどの歓声を上げた。

「でも、それって、何も起きてないということじゃないの?」
一人だけ、展開についていけないセシリアは、 とうとう二人の会話に口を挟んだ。
「そう。何も起きてないのよ」
そこが重要だと言いたげに、マリアンヌは強調する。
「でも、前後不覚になるほど酔ってしまえば、エルドは自分の素行に自信が持てっこないわ。
 考えただけで、爽快じゃなくって?」
セシリアは条件反射で頷いたが、楽しいことのようには思えなかった。
明日の晩、エルドとコートニーに同じ寝台で眠りにつくのか、とぼんやり考える。

「うまくいくのかしら」
コートニーは頼りなげにぽつりと言った。
彼女のうなじにかかったおくれ毛は風に揺れ、細い肩はかすかに震えた。
まるで計算されたような仕草だった。
その瞬間、セシリアの身体の中を、暗い気持ちがさっと駆け巡った。

結局、彼女は、「大丈夫、うまくいくわよ」と言ってもらいたいだけなのだ。
昨日、相談を持ちかけたときから、コートニーは 自分の無力さを主張することで、
実に見事に、マリアンヌの自尊心をくすぐり、彼女を操っている。

いいや、それはただの焼餅だ、と必死で自分に言い聞かせる。
現実と夢の区別がついてない少女を操っているのは、マリアンヌの方かもしれないのに。

割り切れない感情を捨て去るために、
セシリアはにこりと笑って、二人が喜ぶような言葉を紡いだ。
「大丈夫。マリアンヌがいるんだから、うまくいくに決まっているわ」
「その通りよ」
マリアンヌが自信たっぷりに目配せし、コートニーは嬉しそうに頷く。

八年前に、コートニーと友達になっていたら、こんな気持ちを抱かなかったかもしれない、とふと思った。
どうして、あの夏、フォレストに行けなかったのだろう?
湖でボートに乗りたかった。森へピクニックに行きたかった。
マリアンヌとコートニーと、たくさん笑って、たくさん遊びたかった。

それなのに、今、彼女たちは、美しい川の流れなんて目もくれずに、くだらない話に夢中で、
セシリアは、ただ醜いとしか形容できない気持ちを抱えながらも、楽しそうな振りをしているのだ。

手を伸ばせば届く距離にいるのに、向かい側の二人は限りなく遠かった。


続く

117 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 00:55:38 ID:iD0k8yNZ
以上です。ありがとうございました。
後編も必ず投下するので、気長に待っていてください。

118 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 00:57:57 ID:y3kyl3FD
GJ!
毎日覗いてた甲斐があった

119 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 00:58:38 ID:y3kyl3FD
すまんsageるの忘れてた…orz

120 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 01:04:39 ID:uKESNnz6
>>117
お疲れ様ー。相変わらずセシリアいいですね、世間知らずのお嬢の割に、なんか妙に
強いところがあったりして。

ああしかし、良い作品ほど世に出るまで時間がかかるのが辛いところですな。
後編のみならず、シリーズの完結までずっと待ってるので、頑張って書いてください。

121 :おたずね致します:2008/06/08(日) 01:20:26 ID:X0/MG/Ee
まったりしているところ申し訳ありませんが、住人の皆様にお伺いします。
>気位の高い姫への強姦・陵辱SS、囚われの姫への調教SS
>他スレで放逐されがちな属性も受け入れヨロ。
とあるので、こちらに投稿してみようかと考えているのですが、
過去ログをざっと拝見したところ、ほのぼの路線が歓迎される主流のように思われてきました。

拙作のあらすじ:
ある国は征服地の王族の女を陵辱することで、戦の神に感謝する慣わしがある。
ひとりの姫が自国の民の命と引き換えに、その身を敵国に捧げる。
三人の王子たち(プラス一人)の寝所に順番に召し出される姫。
※異常な性癖をもった王子もおり、残酷な方法で姫を責め苛む。

・肉体的苦痛を伴うSM的場面あり、というかこればっかり
・異物(生き物含める)挿入、緊縛、アナル責めあり
・輪姦あり
・出血あり ※「血が出た」くらいの記述で

こんなのは駄目でしょうか?
あ、もちろんお姫様がヒロインで、エロです。
拷問こそありませんが、蝋燭責めはあります。
スカトロこそありませんが、SM描写になじみのない方は気分が悪くなるかもしれません。
三角木馬こそ出番はありませんが、性器に対して似たようなことはあります。
シリアス鬼畜エロの定番要素をだいたいそろえた感じです。

あと投稿が許される場合なのですが、
・上記のような理由により、最初は小出しにして、再度お伺いを立ててみたほうがいいですか?
・原稿はほぼ出来ていて、20回分になりそうです。
半分に分けて第一部第二部として投稿したほうがご迷惑にならないでしょうか?
・現在連載中の方がいらっしゃったら、割り込みは失礼になると思うのですが、
投稿はもっとずっと後の方がいいでしょうか?

長々とすみません。
あらゆる意味で大人の方、澁澤龍彦などに親しんできた方に読んでいただきたいなと
思っているのですが、こちらが適切なスレかどうか自信がありません。
ご指導よろしくお願いいたします。


122 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 01:32:54 ID:teBBhgUg
テンプレにあるんだから、問題ないでしょ
気遣いも過ぎると、誘い受けと取られることもあるから、やめたほうが良い

123 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 01:59:12 ID:xtxVRDG4
トリップ付けて投下前に1レス使って注意書き、で問題無いかと。

124 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 02:13:52 ID:5xYsD40H
まとめサイトに拷問っぽいものもあるからいいんじゃないかな?
注意書きはしたほうがいいかもだけど

125 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 02:14:53 ID:AZvhcb+u
>>117
エルドとセシリアのずれてる対話が相変わらず楽しいですね。
二人はそろそろお互いへの独占欲を持ち始めるのだろうか……気になる。
セシリア的には複雑かもしれませんが、
マリアンヌとコートニーの密談?もいかにも乙女って感じで可愛いです。

126 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 08:32:06 ID:xk8WYIEh
>>121
今となっては関係ない(かもしれない)が
姫スレは元々SM板の出自だ。


127 :名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 04:01:26 ID:7cBSbM4K
>117

GJ!
読めてうれしいような
読み終わって寂しいような

続き楽しみに待ってます。

128 :名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 18:01:26 ID:1Ci8m5iz
GJです!!
短編もだけど特に長く連載してくれる作者さんには本当に感謝してる。
お金貰ってるわけでもないのに住人にこんな素晴らしい話を提供してくれて
長く続けるのって相当大変だろうなと思う
心から感謝してます
続編も待ってます

129 :名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 08:28:00 ID:hKJyExHA
>>128
全面的に同意
職人さんたちは作品を書くのも投下するのも自由だからね
いつも感謝しながら読ませてもらってる

130 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 03:01:30 ID:p7BAxMf3
>>121
くくくっ、久しぶりに鬼畜が来るか・・・

131 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 05:07:32 ID:nD0hGppj
倉庫みるとその昔はSM系もふつーにあったからアリだとは思う。
個人的には、お姫さまであることと肉体的苦痛を伴うSMのどちらが
その話の中で重要か、がポイントだな。

シスタースレも見てて思うんだけど、高貴あるいは聖なる立場の人を
貶める系は肉体的より精神的な苛め度が強い方が萌える
要するに具体的になにやったこうやった、ってより心理描写が重要。
あくまで個人的な捉え方だけど。

132 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 12:30:35 ID:WPT3r5El
なら、別に書かなくて良いよ。>あくまで個人的な捉え方

要は、ダーク系でも問題ないってこと
投稿前に長文で尋ねるより、まずは投下してみるといいんじゃないかな
本当に何かズレてるような場合は、ふさわしいスレに誘導もしてもらえるだろうし

133 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 22:52:47 ID:O3dKqpfS
>>130
ある意味>>98も鬼畜作だろw
たぶんこのスレで一番人が死んでるSSだぞw

134 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 22:53:48 ID:O3dKqpfS
ああいかん>>86だった>>98めんご☆

135 :名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 14:58:44 ID:9VXOSz+X
ひゃぁ がまんできねぇ

136 :名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 18:18:24 ID:bL8k8CSQ
鬼畜陵辱は大好きだよ

137 :名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 05:43:04 ID:+02/+zkK
愛のある鬼畜は好きです

138 :名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 06:50:50 ID:mDampFW7
愛がなくてもいいよ

139 :名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 02:02:28 ID:W50kiFP5
でも愛があった方がいいよ

140 :名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 06:03:41 ID:iMdn9Jtj
むしろ鬼畜は愛がない方がいいよ

141 :名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 16:05:50 ID:4GcBRtvY
どちらでもいいです
つか、書く人の好きにさせてあげればいい

142 :名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 17:32:47 ID:f8jNCz6j
フリーダムン!

143 :名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 22:25:46 ID:UpuUSwar
職人さんが来るまで雑談でも。
『姫と盗賊』のコリーヌ(見た目の派手さに欠けるが相当な美人)が
実在したらこんな感じかな、とこの絵を見て感じた。
なんていうか、地味な装いと、清楚で知的で上品な雰囲気がコリーヌ風。

ttp://ameblo.jp/public/image/displayimage.do?imagePath=/user_images/15/48/10013069739.jpg

144 :名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 22:24:11 ID:WclGSGu6
鬼畜になってたつもりがいつのまにか相手に惚れまくっててでも認めたくない→もっといぢめる
→でも本当は好きだから悩む、みたいなのプリーズ

145 :名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 02:23:54 ID:bm3lB3df
どっかの傭兵隊長を思い出したわw
あれ、最初はもろ暴力的で痛そうだったな。最後はハッピーエンドでよかったけど。

肉体的な力じゃどうしても男と女では大きな違いがあって、それがお姫様ならば
なおさらなんで、女が男に振るう暴力と男が女に振るう暴力はちょっと違うんだよね。

まあなんだ、投下する前に属性を並べておいてくれれば、苦手なものはスルーするから
それさえ書いてくれれば。

146 :名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 04:12:52 ID:AwAftIsx
>>144
偽善だな

147 :名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 15:05:28 ID:7Q1oreN2
だが、それが良い。

148 :名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 22:34:55 ID:YHR2pbLk
徹底的な鬼畜でも良いよ

149 :名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 03:00:38 ID:BSNQ9EMt
>>144な展開も徹底的な鬼畜もどっちも好き

150 :名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 17:34:17 ID:Pbj//kOX
これがいい、あれがいいと、無意識に書き手を誘導する流れになると、廃れるからな
スレ違いでなければ、来るものは拒まないね

151 :名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 02:14:29 ID:t7H5hxMe
>>121マダー

152 :名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 08:24:42 ID:PHMD9VK5
意見を求めておきながら、それっきりなところを見ると
>>121は、もうこのスレを見ていない気がするな・・・

153 :名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 21:46:06 ID:lvdeDkdk
121南無

154 :121:2008/06/26(木) 00:37:18 ID:qADBuGnN
121です
いっぱいレスをありがとうございました…!
完成したものを投下しようと思いましたが
過去ログを参照に他の皆さんの作品と比べると、あまりにも一回分が長く
思い切って専用のサイトを作ることにしました

こちらのスレの諸事情がよく分っておらず、ご迷惑をおかけしました
ご親切にありがとうございました

155 :名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 00:44:41 ID:lChLx2z1
生きておられたか・・・
サイトが出来たら、報告よろ

156 :名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 20:16:13 ID:kTVTdzfz
>>154
サイト完成報告、首を長くして待ってます
時間が経ってて書き込みし辛かっただろうに、ありがとう

157 :121:2008/06/26(木) 23:46:34 ID:wint74rS
何とか出来ました。こちらになります。
ttp://spicaplus.web.fc2.com/
澁澤龍彦系なんて大口叩いた自分が痛かったのですが、落とし前はつけます…。
最初から最後までスレ違い野郎になってしまったことを深くお詫び申し上げます。

鬼畜OKの方の存在に励まされました。ありがとうございました。

158 :名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 03:50:26 ID:1qb6qXva
おめでと〜
明日ゆっくり拝読いたす!

159 :名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 15:20:33 ID:KcpShgQf
童話のお姫様のエロを書いたんだが、「姫」だからこっちに投下しようかと思ったんだけど
>>1見たら「逸話や童話世界でエロパロ 」ってスレが既にあるようで。
この場合、あっちに投下するべき?

160 :名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 15:36:57 ID:tp4yGKLt
だな。
向こうに投下したら読みに行くよ。

161 :名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 18:47:48 ID:KcpShgQf
>>160
レスありがとう。
ということであっちに投下してきました。

162 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 09:36:12 ID:dyHHEDtS
あっちの投下した後見たけど、レスひどいな…。
続きあるのでしたら、こちらに投下していただけると助かります。

163 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 20:20:55 ID:d09q+ZZY
セシリアたんの後編そろそろ・・・

164 :名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 22:00:32 ID:Ox1KFGED
>>162
同意

面白かったからこっちに投下してくれると嬉しい>シンデレラの人

165 :枕辺戯語(前書き):2008/06/30(月) 00:35:00 ID:1ml+H+km
他の作者様方のリクエスト直後に投下することになってしまい申し訳ありません。
マリーとオーギュストシリーズを書いている者です。
本編を書いている合間に小ネタ(やや長いですが)ができあがったので保守がわりに投下します。
王太子夫妻が和解して間もない新婚時代の話です。
エレノールの逆襲ではないのですがそれっぽい話で、アイディアを下さった方、どうもありがとうございました。

だいぶ前ですが、末弟夫妻やトマなどほかの人物のリクエストを下さった方々、すみません。
本当にありがとうございました。とてもうれしかったです。
できるだけ早く彼らを登場させたいと思います。
(末弟夫妻に関しては健全話(?)が多くなりそうなので今後の登場はHP主体になるかもしれません)






166 :枕辺戯語:2008/06/30(月) 00:39:26 ID:1ml+H+km
「そなたに贈るものがある」
唐突に告げられて、エレノールは喜ぶというよりも不思議そうに大きな漆黒の瞳でアランを見返した。
長椅子にふたり寄り添いながら歓談を交わしているうちに夜はだいぶ更けていたが、
夫婦の寝室には大きな燭台がいくつも据えられているので
互いの姿や表情をたしかめるのに不自由はない。
すぐそこにある夫の端然とした面持ちはとくに冗談を言っているわけではなさそうだった。

「まあ、なんでしょう。
 何かのお祝いの日でもありませんのに」
彼らは婚礼からようやく半年を数えたばかりで、初めての記念日を迎えるにはまだ間があり、
まして今日はエレノール自身の誕生日でも彼女の洗礼名の由来である聖女の日でもない。
だがいぶかしげな妻の表情を尻目に、アランは寝台のそばの戸棚から正方形の箱を取り出してきた。
それはちょうど膝に乗るぐらいの大きさで、絹布張りの表面には色鮮やかな芥子の花の刺繍が施されており、
見るからに上等で舶来品らしい仕立てだった。
器でさえこうなのだから、中身はどれほどのものかとエレノールもつい気を引かれずにはいられなかった。

「先日、東方貿易の相手国のひとつから交易品目の拡大を打診する文書が
 あまたの珍貴な産品とともに宮中に送られてきた。
 今年中には正式に使節を迎えて交渉を始めることになると思うが、
 それはそなたにも話したな」
「ええ、陛下からご下賜いただいた品々のすばらしかったこと。
 織物も陶磁器も紙細工も、あれほど繊細で丈夫なものはこちらではなかなか入手できませんものね。
 でもそれでしたら、あなたはすでにわたくしにお贈りくださったではありませんか。
 蔓文様が施された羊毛織りの絨毯も、稀に見るほど大粒の真珠を連ねた首飾りも、
 侍女たちの間で評判になっておりますわ」
「まだ見せていないものがあったのだ。仕立て上がってからそなたに贈ろうと思っていた」
「まあ」

思わず声が高くなりかけ、エレノールは慌てて口元を押さえた。
それでも頬がほんのりと染まるのは隠しようがない。
(もう十八で人妻だというのに、童女のようにはしゃいだりしては見苦しいわ)
そうは思いつつも、
このいつも無関心そうな顔をしている夫が自分のために密かに装束を仕立ててくれたという事実がやはりうれしい。
それも世に名高い東方産の織物なのだ。
柔らかい光沢を放つ絹織物で、人間業とは思えぬようなこまやかな刺繍が施されているのだろう。
虚栄心の虜になってはいけない、罪深いことだわ、と自分を諌めつつも、
年若い王太子妃の心はすでに、それを纏って宮中に出でたときに捧げられる賞賛の辞を思い描こうとしていた。


167 :枕辺戯語:2008/06/30(月) 00:43:05 ID:1ml+H+km
「これだ」
淡々とした声で突然現物を提示されて、エレノールはアランの手元を見やった。
そしてそのまま視線を固まらせる。
「―――これ、でございますか」
「そうだ。美しいだろう」
「ええ、美しいことは美しいですけれど、でもあの、これは……
 こ、これでは、人前に出られませんわ」
「むろんだ。寝室で着るためのものなのだからな」
「し、寝室といっても、あなたや侍女たちの前でさえ着られのうございます」
「俺に遠慮することはない。今からでも着替えてくれ」
「できません!」

真っ赤になって拒絶すると、エレノールは顔を伏せたまま脇を向いた。
アランが箱から取り出した織物はたしかに、少し見て手触りをたしかめただけで、
卓絶した職工が最高級の素材を用いて完成させたものであろうと察せられたが、
しかし仮にも王女である自分がこんなものを身につけられるはずがない。
それは紗織りの軽やかなローブで、工芸品にも喩えうるほどの薄さはまさに透けるようだった。
いや実際、肌まで透けて見えるのに間違いなかった。
なにしろアランが彼女に向かってそれを掲げてみせたとき、彼の輪郭さえ布越しに見ることができたのだ。
こんな代物をいったい何のためにまとわなければならないのか。

「なぜそう拒むのだ。そなたのために寸法をはかって仕立てさせたというのに」
「恩着せがましくおっしゃらないでください。
 あなたこそなぜこんなものをわたくしに着せたがるのです。
 こ、これではまるで、いかがわしい生業の婦人のようではありませんか」
「いや、あちらでは後宮の貴婦人たちもまとっているというぞ」
「嘘ばかり。一体何のためにです。
 こんなに薄くては肌着の役目さえ果たしませんわ」
「いや大丈夫だ。役に立つ」
「どのようにです」

「つまりだな、聞くところでは、この薄さと触感が血行を促進して婦人の身体によい影響を及ぼし、
 細かい医学的理論は省略するが、めぐりめぐって身ごもりやすい体質になるというのだ。
 あちらの使者から直接奏上されたのだから間違いない。
 国際的な善意を無にする気か」
「そんな、そんなことをおっしゃったって」

エレノールは少しとまどった。
善意うんぬんはともかく、身ごもりやすくなるといわれるとやはり無下に拒みきるのは気が引けた。
彼女とアランが結婚した最大の目的は、言うまでもなくこの国の未来を担う世継ぎをもうけることなのだ。
実際のところ、彼女の心身は妊娠の確実性を抜きにしても夫との同衾に歓びをおぼえるようになっていたが、
それをみとめれば姦淫を愉しんでいることになってしまい、
やはり努めて嗣子の問題を心にかけないわけにはいかなかった。
生来の信心深く貞潔な性格がまたそれに拍車をかける。

「それは、もちろん、世継ぎを授かるためにはあらゆる手を尽くさなくてはならないとは思いますけれど」
「そうだろうとも」
「で、でも、わたくし、侍医たちの協力も得て日ごろからそのための食事を心がけておりますし、
 体調管理には気を遣っておりますし」
「それらも大切なことだが、万全を期すためには外部から条件を整えるのも必要だと思わんか」
「それは、そう、かもしれませんが……」

168 :枕辺戯語:2008/06/30(月) 00:44:35 ID:1ml+H+km
妃の態度が軟化してきたことを察し、これならいつものように押し切れるだろうとアランはひとり見当をつける。
婚礼後半年にわたる断絶を経てようやく和解し、事実上の妻にしたばかりのこの娘は、
婚前に肌を許した恋人がいるとはいうもののまぎれもない処女で、
男女の具体的な営みに関してはほぼ全く無垢で無知な花嫁だった。
これが他の女なら、寝台の上でさえ貞淑を持そうとするその受動的な態度にアランは煩わしさをおぼえたかもしれないが、
この信心深く恥じらい深い王女に関しては、触れれば触れるほどに、
固い蕾をつけたばかりの薔薇をほころばせあでやかに花開かせていく喜びを深めていくばかりだった。

つまるところ、どれほどはしたない姿態を強いようと、
「子を授かりやすくするためだ」と耳元でささやけばこの生真面目な新妻は拒めないのだ。
義務感のために羞恥心をこらえると同時に快楽に溺れまいと悶える初々しい肉体を夜ごと責め抜くのは、
女遊びに慣れた王太子にとっても実にたまらないものがあった。

「そういうわけだ。とにかく着てみるといい。
 肌にじかに着けなければ効果はないということだ」
いまだ困惑しているような納得できないような顔をしている妻の手の中に強引にローブを押し付けると、
アランはさっさと後ろをむいてしまった。
(このかたはもう、本当に)
エレノールは本気で憤慨したが、懐妊という大義をかざされた上でここまで押し切られたらもう拒みきることはできなかった。
衣擦れの音を立てるのさえ恥ずかしい思いで立ち上がると自分の腰帯をそっとほどき、
寝衣と肌着を足元に脱ぎ捨て、贈られた薄布を手早く羽織る。

だが手早く作業する必要などなかったのだ、と彼女はすぐに気がついた。
ローブは想像以上に薄い代物で、着けても着けなくても同じというか、
微妙な陰影でぼんやりと透けている分、全裸よりもむしろ卑猥さが増していた。
そしてその感想はアランにおいても同じようだった。
妻のほうを振り返った彼は、笑みこそ見せなかったものの一瞬感嘆にも似た表情を浮かべ、
それこそ視姦というべき執拗さで恥らう妻の姿を頭から爪先までじっくりと眺めた。

「胸や脚の付け根を隠さずともいいだろう。手をはずしてくれ」
「いやです」
「頼むから」
「いやです」
「なら仕方ない」
アランは立ち上がると、呆然としているエレノールを抱き上げて寝台まで運びさっさと押し倒した。
そして彼女が抵抗するのを押さえつつ自分も手早く寝衣を脱ぎ捨てる。

169 :枕辺戯語:2008/06/30(月) 00:45:43 ID:1ml+H+km
「ひどいわ、お放しください!」
「そなたが強情だからだ」
口調こそはなんとか落ち着きを保っているが、荒い息も隆起した下腹部も、
彼の忍耐が早くも限界に近いということを歴然と示していた。
妻と同じ弱冠十八歳の身の上であれば、ある意味避けがたい反応だともいえる。

「しかし卑猥だな」
薄布の下に小ぶりな丘陵と桃色の乳首をうっすらと浮かび上がらせる妻の華奢な肢体を眺めながら、
アランはつくづく感心したように言った。
さらに少し目線を下げれば、可愛らしい臍のくぼみや黒々とした茂みの位置まで分かる。
「あなたのまなざしが卑猥なのです」
真っ赤な顔で言いながら、エレノールはなんとか胸だけでも覆い隠そうと腕をじたばたさせたが、
枕元に押さえつけた手首をアランが放してくれる見込みはなさそうだった。

「いい子でいるんだ。じっくり鑑賞させてくれ」
「いやったらいや!」
「そんなに身をよじって胸を揺すったら誘っているようにしか見えぬぞ、ほら」
そういうとアランは妻の乳房に顔を近づけ、その桃色の頂を布越しに優しく吸い上げた。
途端に抵抗する細腕の力が弱くなり、その敏感さに彼は思わず微笑を漏らす。
唇で挟んでやる前から乳首はすでにある程度こわばっていたが、
舌で円を描くように嬲っているうちに木の実のように硬くなり、
頭上からは妻の甘い吐息が漏れ聞こえてきた。

そして左右の乳房に同じ愛撫を施してから顔を上げると、濡れた布越しに屹立しながら透ける乳首は何にも増して卑猥に見え、
恥ずかしそうに顔を背ける妻の清楚な面立ちと見比べるとそれはいっそう強調された。
(恥毛もしっかり浮かび上がらせてやろう)
そう思いながら彼女のなだらかな下腹部に顔を近づけかけたが、ふと思いなおして止まった。
(ちょうどいい)
考えてみれば、これは実にいい機会だった。

「そんなに胸を見られるのがいやか」
「むろんです。わたくしを何だとお思いですの」
「俺の妻だ。だからそなたとの間に早く子をなしたい。
 そこでだ」
彼がつと顔を近づけてきたのでエレノールはどきりとした。
夫の美貌自体にはすでに慣れてしまっていたが、
こんな風に思いがけなく接近されると胸が高鳴るという事実に、
このかたを本当に好きになってしまったのだ、と思う。

170 :枕辺戯語:2008/06/30(月) 00:48:41 ID:1ml+H+km
「後ろから、試してみないか。
 そなたにしてみれば胸も隠せるし、悪くないだろう。俺としては惜しいが」
甘やかな感情を途端に雲散霧消させられて、彼女はさらに愕然とする。
「う、後ろとはつまり、あなたの前で、両肘と両膝を寝台の上につけて、ということですか」
「そうだ。いわゆる四つ這いだ」
「いやです!そんな獣のようなことはできません」
「獣とはいうが、この体位は侍医たちも絶賛奨励している。
 種子が子宮に流れ込みやすいのだそうだ。なんとなく分かるだろう」

「で、でも、わたくしが婚礼前に習った話では、子をもうけるのに肝要なのは営み方ではなく時期なのだと」
「こんなことをあえて言いたくはないが、
 そなたの生国は医学の水準においてわが国にやや遅れをとっているのではないか。
 五年前に編纂されたガルィアの医学叢書を翻訳する事業がつい先年始められたばかりだと聞いたが」
「それは本当のことですけれど、でも、臨床に関しては彼我にそれほど差はないと存じますし、
 それに、その、……そんな格好をしたなんてもし誰かに知られたら!」
「嫁に行けないか?もう俺の妻ではないか」
「ふ、父母に顔向けできません」
「そなたの父上母上は魔術師か?かの国の宮廷から透視でもできるというのか。
 ここには俺しかいない。安心して恥ずかしい姿勢をとるんだ」
「で、でも、わたくし、そんな」
「分かるだろう、子を授かるためだ」

夫の顔と声がいつのまにか厳粛になってきたので、エレノールもつい抗弁をやめた。
「俺とて妻に恥ずかしい営みを強いるのは心苦しいんだ。
 できれば常に正常な作法でそなたを正妃らしく遇したいと思っている。
 何より、そなたを抱くときはちゃんと顔を合わせて恥じらう様子を確かめ―――というか、
 見つめあって気持ちを通じさせたい。
 それができないのは残念だが、しかし身ごもる可能性を高めるためなら何でも試すべきではないか。
 それは王族たるわれわれの務めでもあるのだから」
「そう……かもしれませんわね……で、でも、あの……」
「決まりだな」

そう言うとアランは押さえつけていたエレノールの両手首を離し、
代わりに彼女の身体をうつぶせにさせてから自分は膝立ちになり、しなやかな腰の両脇をつかんだ。
「きゃっ」
思いがけないほど腰を高く引き上げられて、エレノールは思わず驚きの声を上げた。
そして瞬時に羞恥心と紅潮が全身をかけめぐる。
「お、お放しください」
「後ろからするのに同意しただろう」
「ですけれど、このような姿勢とはうかがっておりません。
 こ、これではまるで」
「欲しがっている牝犬のよう、か?」
そんな問いに答えることさえ恥ずかしく、エレノールは首だけでうなずいた。
顔こそ見えないが、その真っ赤になった耳たぶだけでアランの欲情をかきたてるには十分だった。

171 :枕辺戯語:2008/06/30(月) 00:49:27 ID:1ml+H+km
「腰を高く持ち上げたほうが種子が奥まで流れ込みやすいんだ。
 位置的に理にかなっているだろう」
言いながら、彼は両手で薄布越しに形の良い臀部をまさぐりはじめる。
柔らかい尻肉の感触を楽しみながら、
すらりと伸びた太腿の付け根をそれとなく指で探ろうとすると慌てて両脚が閉じられそうになった。
仕方がないので悪いとは思いつつも無理やり開かせ、薄紅色の溝を眼前にたしかめることに成功する。
ヴェールをかけられたようなぼんやりとした色合いと形状は、
その曖昧さゆえにいっそう淫靡さを際立たせられているかのようであった。

「なんだ、もうずいぶん濡れているな」
最初のひと触れで湿り気を感じとると、アランは可笑しそうに妻に声をかけた。
むろん彼女は顔をシーツに押し付けんばかりに恥じ入っており、答えが返ってくるはずもない。
「ああ、もうこんなにはっきりと浮かび上がってきた。濡れ方が激しいからだな」
布越しにくちゅくちゅと音をたてながら、指を花びらの間に、そして花芯のなかへと行きつ戻りつさせ、
詰るような面白がるような声でアランはつぶやいた。

「い、や……あっ……」
「それにしても卑猥な眺めだ。布越しだというのに、花びらのかたちが隅々まではっきり分かるぞ。
 つぼみに至ってはもう剥かれているかのようだ。指で探られるだけでこんなに大きくなったのか。
 それともこれからされることを想像して欲情しているのか?
 このあいだ処女を失くしたばかりだというのに、本当に感じやすい身体だな」
「いや、いやっ」
「そうだな、指だけでは満足できまい。
 欲しがっているものをくれてやる。
 こんな、牝犬同然に腰を高く突き出して待ち受けているのだからな」
「だ、だってそれは、あなたが無理やり……あっ、あぁっ!!」

下半身を覆うローブがたくし上げられたかと思うと、猶予なく熱い先端が花園の入り口に押し付けられるのを感じ、
エレノールはもはや声を噛み殺してはいられなくなった。
「いや……あぁっ……だ、だめ……っ」
「だめなはずがあるか、こんなにすんなりと咥えこんでいるくせに」
「う、嘘……すんなり、なんて……」
「これだけ濡れていれば無理もない。俺が進むたびに音が立っているのが聞こえるだろう。
 ほら、奥まで届いているのが分かるか」
「そ、そんなの、分から……あぁっあっ」

小刻みに突き上げられ始めると、エレノールはまたも大きく背を反り返らせ、
無力で切なげな甘い声を上げるようになった。
そしてやがて両腕の力さえ抜けきったかのように上半身をシーツの上にぺたりと着け、
アランの力だけで下半身を高く支えられている格好に陥ってしまう。
本人に自覚はないのだろうが、これこそまさに彼女がどうしても拒もうとした「欲しがる牝犬」の姿だった。
「エレノール、なんと浅ましい姿だ」
「ゆ、許して……だって、あなたが……あぁっ!そこは、だめっ……」
「ここがいいんだな?
 奥まで突かれるとそんなに感じるのか。
 いやというまで責めてやろう」

ことばどおりに執拗な嬲りをつづけつつも、アラン自身かつてない興奮に高まっていく自分を抑えるすべはなかった。
きつく締まった肉襞を奥の奥までかきわけてゆく歓び、
濡れそぼった可憐な花びらのなかを自らの雄が出入りするさまを見下ろす快感、
そして日ごろ気品と淑美とを空気のように自然にまとっている新妻を今だけは牝犬同然に押さえつけ、
荒々しい暴漢のように後ろから「犯し」ぬいているという実感が彼の理性を剥ぎ取り、
自制心を徐々に崩壊させ、ついには極力射精を遅らせようとしていた楔を抜き取った。
出すぞ、と荒い息とともに彼が低くつぶやいたのは、達したのとほぼ同時だったかもしれない。
エレノールはむろん返事もなく、
ただただすすり泣くような喘ぎで夫の宣告と熱い白濁液とを従順に
―――それこそ姿態そのままの従順さで受け止めるばかりだった。

172 :枕辺戯語:2008/06/30(月) 00:50:37 ID:1ml+H+km
ようやく振動が収まると、アランは自らのものを温かい花芯から抜き出そうとゆっくり動き始めた。
それがいまだ力を保っていることは見ないでも分かっていたが、
少し引き出すたびに充血した花弁が物欲しそうにくちゅりと音を立てるのを聞くと、
彼の意思とは関係なくそれはますます硬直せざるを得ず、
まして花弁と抜き出した亀頭との間に蜜と白濁液の混ざり合ったか細い糸が引かれているのを目にすると、
一晩中でもこの清楚な妻を犯しぬきたいという獣的な情欲に駆り立てられるのだった。
さらに彼の視線は少しだけ上のほうへさまよった。
そこには愛らしい皺の寄った菊門があり、さらなる快楽を予感してひくついているようにさえ見えた。

(―――ああ)
たまらない思いをなんとか抑えながら、アランはエレノールがうつ伏せになっている隣に横たわった。
一見ひどく力ないようすで、ひょっとしてそこまで疲労させてしまったのかと彼は心配になったが、
よく見ると妻はまだ歓喜の余韻から覚めずにいるのだった。
そっと頬に触れてみるとびくりと身体を震わせたが、じきに意識らしい意識を取り戻したようだった。
アランが肩を抱くと、ごく自然に甘えるように身を寄せてくる。
豊かな黒髪がすぐ鼻先で揺れ、かぐわしい香りを放つ。

「よかったか」
「………」
「よかったのだろう」
「……はい……」
この娘は先ほどまで娼婦もかくやと思われるほどの浅ましい姿態を見せつけていたというのに、
今はこうしてうつむきながら消え入るような声で答えている。
その生まれたての仔兎のような恥じらいが、彼には耐え難いほどいとおしかった。
さらなる愛し方責め方を試してみたいという気持ちが下腹部の隆起と同様ますます高まってゆく。

「もっとよくしてやろう」
「そんな、もっと、だなんて……」
「恥ずかしがることはない。
 どこの夫婦もみんなしていることだ。いやみんなというか、多くというか、まあ少なくとも一部はだ。
 それぐらい普遍性のある営みなんだ」
「どのように、営むのですか……?」

妻は依然恥じらいながらも少しだけ興味を持ってきたようだと察し、アランは秘蔵の甘い微笑と囁きを向けた。
ふだん笑顔を見せない彼だけに、独身時代、大抵の貴婦人や令嬢はこれで落ちたものである。
「後ろの門だ」
「後ろ……?先ほど、なされたばかりでは……」
「いや、つながりかたではなく、つながる部位のことだ」
「え……?」
「まあ、意外かもしれんが、そういう方法もあるのだ」
「……後ろの門とは、つまり……」
「最初は怖いかもしれんが、じきによくなる。慣れれば女のほうが快感が激しいというぞ。
 大丈夫だ、時間をかけて優しくするから」
「……あの、それは子作りと何の関係が……」
「あ?ああ、つまりだな、ええとまあ、そちらのほうが開拓されると産道がほどよく圧迫されて子宮にもよい影響が」

173 :枕辺戯語:2008/06/30(月) 00:54:58 ID:1ml+H+km
ばふっという音とともに会話は中断された。
妻の渾身の力で振り下ろされた枕は枕といえどあまりに重く、
アランは顔の痺れから回復し唇を動かすのにしばらく間をおかなければならなかった。
「―――何をするんだ」
「この変態!虚言者!!」
「いや、聞いてくれ」
「聞く耳などありません!」
「なあ、エレ」
言いかけたとたん再び枕が振り下ろされ、彼は自分に発言権がないことを知った。
「信じ込んでいたわたくしが馬鹿でしたわ。
 『子を授かりやすくするため』だとあなたがおっしゃるから
 言われるままにあんな恥