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ヤンデレの小説を書こう!Part15

1 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 23:32:38 ID:sNl+0M+K
ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。

○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど)
○ぶつ切りでの作品投下もアリ。

■ヤンデレとは?
 ・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。
  →(別名:黒化、黒姫化など)
 ・転じて、病ん(ヤン)だ愛情表現(デレ)、またそれを行うヒロイン全般も含みます。

■関連サイト
ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫(本保管庫)
http://yandere.web.fc2.com/

ヤンデレ臨時保管庫 @ ウィキ(臨時保管庫)
http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/

■前スレ
ヤンデレの小説を書こう!Part14
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204261770/

■お約束
 ・sage進行でお願いします。
 ・荒らしはスルーしましょう。
  削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
  削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。

■投稿のお約束
 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
 ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。
 ・版権モノは専用スレでお願いします。
 ・男のヤンデレは基本的にNGです。



2 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 23:37:25 ID:PdxkNS+F
             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、           -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、          -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \         / /" `ヽ ヽ  \      / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ    //, '/     ヽハ  、 ヽ     //, '/     ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|     〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|   〃 {_{       リ| l.│ i|
         レ!小l●    ● 从 |、i|     レ!小l●    ● 从 |、i|   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│     ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│.   ヽ|l ●   ●  | .|ノ│
        /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !  /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│. \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│    | /⌒l,、 __, イァト |/ |
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |    /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |.     | /  /::|三/:://  ヽ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |.   `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |

       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
       ┃ちゅるやさんAは、>>1乙を唱えた!                             ┃
       ┃ちゅるやさんBは、>>1乙を唱えた!                              ┃
       ┃ちゅるやさんCは、スモークチーズを欲しがっている。                     ┃
       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

3 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 23:43:45 ID:JZRmxXR0


4 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 00:55:56 ID:8rvuLuFC


5 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 02:44:51 ID:Uj7HMpBS
>>1


6 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 02:48:27 ID:rkzo8kjy
ナイス>>1乙……!
素晴らしい乙……!

7 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 04:38:25 ID:9lD4ju2W
1乙

8 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 06:05:52 ID:g2jL+wwz
>>1お兄ちゃんの乙を独占したいの

9 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 01:03:30 ID:4FqnX7n3
高1春 男
 高校に入学して1ヶ月がたった。
 地元の中学からこの高校に入学したのは俺だけだったので不安もあった。
 でも、友人もでき、問題なく学校生活を送っていた。
 部活はテニス部前から興味があった。それだけだ。
 順調にどこにでもいる高校生になっていった。

高1夏 男
 学校生活にも慣れてきた頃、クラスで気になる女子ができた。
 彼女はクラス、いや学年でもトップクラスの容姿だった。だが漫画に出てくるような容姿端麗、頭脳明晰
 というような娘ではなく、成績は中の下くらいだった。性格はおとなしく、化粧もしていないようで、同じようにおなしい
 性格の友人とグループを作っていた。
 

10 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 01:03:57 ID:4FqnX7n3
高1秋 男
 夏休みが終わり、2学期が始まった。
 彼女は夏休み前と変わっていなかった。
 もし、派手な風貌になっていたらどうしようと身勝手な心配していたので安心した。
 そんな風に彼女を見ていたら目があってしまった。
 あわてて目をそらした。俺は女子にはまったく免疫がないんだ。
  
 文化祭が近づいているので放課後も残って準備することが増えてきた。  
 俺は意図せず彼女と同じ班になっていた。
 黒板の希望するグループのところに自分の名前をさっさと書いて友人とふざけていたら
 彼女もこのグループに来てしまったのだ。
 俺はただでさえ女子に免疫がないのに、気になる娘がそばにいるととても平静ではいられない。 
 放課後の作業も部活だとか塾(嘘)だとか言って逃げまくっていた。
 しかし、いざ文化祭が近づくとそんな言い訳も通じなくなり、いやいや参加していた。
 俺は異常だと自分でも思う。好きな娘と事務的な用事について話すだけでも嫌なのだ。
 心臓がバクバクいって自分のヘタレた部分を見せ付けられるようでとても耐え切れないのだ。

 文化祭は2日間に渡って行われる。
 周りの友人はクラスだの部活の女子だのを誘い一緒に校内を回るようだ。
 だが俺にはそんな発想はまったく無かった。
 はっきり言って好きな娘ができても恋人になりたいなどと思ったことはない。
 前に述べたようにヘタレなのものあるが、何より俺は自分に自信が無かった。
 成績ははっきり言って悪い。運動も部活はしているが試合に勝ちたいとかそういう気持ちはなく、
 いわば、前からの興味と運動不足を気にしてのことだった。
 最後に容姿だが、これは実は周りからの評判は悪くない。といっても女子に免疫のない俺が女子の評判を耳にする機会などあるわけもなく、
 もっぱら、男連中からだ。まあ要は信用ならない情報だ。
 当日は部活の出し物のない時には教室の出し物に顔を出すことにした。
 教室に行くと彼女が居た。 
 俺達のグループで入るのは彼女だけのようだ。目が合ってしまったのでしかたなく平静を装って彼女の方に向かう。
 いつから当番をしているのかと尋ねてみるともうすでに3時間もここに居るそうだ。
 俺は彼女に自分に任せてくれてかまわないと伝えたのだが、しかし
 彼女は友人も男子とどこかにいってしまっているのでいいと返してきた。 
 俺は困ってしまった。彼女にこの場を任せるように言ったのは自分のためでもあったのだ。
 俺は文化祭前に何が何でも彼女を落とすと豪語していた友人の登場を願った、心の底から。
 すると友人ではなく誰だか知らない男が現れ、彼女に話しかけた。誘っているのだろう。
 しかし、彼女はそれを断っているようだ。男はしばらくねばっていたが、やがてあきらめていってしまった。俺を睨み付けて・・・
 結局文化祭が終了するまでの間俺はずっと彼女と一緒にいた。 
 その間彼女には10人以上のお誘いがあった。
 しかし彼女は誰の誘いにも乗らなかった。そのせいで俺は10人以上に睨まれるはめになってしまった。 
 でも、彼女も彼女だと思う。相当なイケメンもいたのに振ってしまうなんて持ったいない。
 イケメンをふって10分に一度「人あんまり来ないね・・・」「うん」なんて会話しかできない俺といるなんて矛盾している。
 もしかしたら彼女も俺と同じ気持ちなのかもしれない
 俺と同じで異性が苦手なのだ。
 ちなみに彼女を落とすと豪語していた友人は前日にはもう振られていたらしい。
 それを聞いて俺はホッとした。 
 身勝手だと思う。 
 彼女と二人になってしまった時には来い!そして誘え!と思っていたというのに。
 

11 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 01:04:34 ID:4FqnX7n3
高1冬 男
 俺の耳に恋愛の噂はあまり入ってこない。
 俺自身が好きな人をまわりに言ったりしないせいだと思う。
 クラスの中で三角関係が起きていたことなど、三角関係に決着が付いた後に知った程だ。
 だが、噂の当事者が学年でも評判の美少女となれば話は別だ。
 彼女に好きな人がいるらしい
 俺は正直ホッとした。付き合っているという噂ならショックを受けただろう。
 しかし、好きな人がいるというのはいいことだと思う。
 自分のことは棚にあげるが、彼女にはいい恋をしてもらいたいと思う。
 はっきりいって俺のような青春は駄目だ。
 それに好きな人がいるらしいという段階から聞ければ、付き合っていると聞いてもショックは和らぐだろう。
 
 2月14日はバレンタインデー
 中高生男子にとっては審判の日だろう。
 女の友人でもいれば気軽に構えてられるのかも知れないが、俺のような人間にそうはいかない。
 というか、俺自身はそんな気にしてないのだが、同じ系統の人間が俺を巻き込んで騒ぐのは迷惑極まりない。
 結果の見えているのにいつまでも教室にいるのは見ていて哀れになる。
 俺はさっさと部活に行くことにして教室を出た。
 その時についいつもの癖で彼女を見てしまう。
 目が合う。合ってしまった。
 後悔した死ぬほど
 勝手に期待していた身の程知らずの男と思われただろうか。
  
 彼女は意中の相手にチョコを渡すことはできなかったようだ。
 彼女の性格なら十分にありうることだ。
 普段、親しくしているならまだしもそうでない相手にチョコを渡すことは告白に等しい。
 彼女は家で泣いたりしたのだろうか
 

12 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 01:05:50 ID:4FqnX7n3
即興で書いたのを勢いで投下しました。
うん、ごめん

13 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 01:23:25 ID:l41RQECY

ねぇちゃんを鈍器で打ったらヤンデレになっちゃったよぅ・・・うっ・・・うっ・・・

14 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 01:24:12 ID:4+RlTjWH
いんや、面白かったぜ!
スピーディーで良かったよ。
続きに期待してます!!

15 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 01:42:03 ID:aQ3WnBEo
続きに期待
でも、誤字脱字が目立ったから、一度推敲してみることをオススメする

16 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 06:08:48 ID:1Il//wuQ
誤字脱字以前の前にsageろ
そんで辞典片手に20回は読み直せ。あまりに酷すぎる。いままで読んだSSの中で一番最低だ
謝るくらいなら投下するな。即興で書いたとか言い訳するな。即興かどうかなんてこっちは知ったことじゃない
ハンパなもん投下する奴が一番タチ悪い。中学生レベルなら身の程をわきまえろ


17 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 06:33:36 ID:ivsGyO8x
どのへんにヤンデレがあるの?
どのへんにヤンデレがあるの?

18 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 07:54:51 ID:l41RQECY
携帯小説レベルと言われても仕方ない出来


19 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 08:47:35 ID:5S3SRATj
>>12
GJ!!
続くのかな?
だとしたら全裸で待機してるよ

20 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 08:53:30 ID:cpVrKqtR
>>16
喚くなハゲ

21 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 09:02:36 ID:1Il//wuQ
>>21
黙れ糞虫。日本語も読めないゲロカス以下は死ね。今日中に死ね

22 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 09:08:42 ID:1Il//wuQ
自爆った…>>20
は、恥ずかしくなんかないんだからね!言い過ぎたことを後悔なんかしてないんだから!

23 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 09:12:36 ID:kxQIA+gg
何か暴れている奴は腐女子のような気がするな

24 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 09:15:11 ID:kxQIA+gg
批判者というのは自分に書く能力がないのに態度だけは偉そうなのはどうしてなんだろうか?


25 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 09:24:44 ID:hf5zHBt6
文法的な間違いってどこかな?

26 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 09:24:47 ID:NZ0Pv+NW
ID変えて擁護乙

27 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 11:31:35 ID:a0ffIId0
気に入らなきゃスルー
それくらい常識だろ

28 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 11:55:35 ID:h9LX2Vum
これから病んでくるじゃない?なぜ騒ぐ?わっかった!みんな中毒だヤンデレの!

29 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 11:56:30 ID:kxQIA+gg
ヤンデレみたいな彼女が現実にいたらいいんだけどね


30 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 12:01:24 ID:kxQIA+gg
鋸を持ったヤンデレに襲われる夢を見た奴が勝ち組なんだよ!!

31 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 12:36:15 ID:ks/S5VkT
女にストーカーされたあげく刺された夢を見た私が参上

32 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 12:43:55 ID:2KNIWV7m
>>31
なんと言うレズ

33 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 15:55:40 ID:ks/S5VkT
男だよ

34 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 17:47:46 ID:2KNIWV7m
ほんとは知ってたんだけどなにか俺の中で期待があったのかもしれない(´・ω・)

35 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 18:24:30 ID:sNNVpEsu
それは本当に夢だったのかな?

36 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 18:45:54 ID:yR4FV587
五時脱字なんてこのヤデレスレには似あわないよ

37 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 19:45:24 ID:SGNkNkQw
>>36
つっこまないぜ

38 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 21:09:32 ID:yaTEmfKK
                  , -‐ァ‐- 、
                    />:<´  ..:ヽ
            , -‐ヤ .:rt:ァ;゙´ ,」:\
            ` ̄`ヾ"`ヾ:::7 シ.: : :ヽ
                  ト-、 ` ツ:.: : : : :\
                 l    _:、 : : : :.:.、\
                ',    .: :ヾ、:.:.、:.:_ミゝ、
                 '、      ` ‐_ミミミミ、
                   ヽ.      _,`''=ミミミミ:、
                      `7>- ニ..ミ三彡ヘヽ\ `
                      /´       /  ヾ:\ヽ
                    、,/       /    ヾ.:ヾ\
                 ̄/         __/      ヾ:.ヽヾ、
                          / ヽ    
         ヒョウロンカキドリ  山梨県 富士樹海

   他の鳥が作った巣に難癖をつけ、攻撃する習性を持つ
   しかし自分では巣を作らない
   ケイタイ虫と呼ばれる寄生虫を飼っており、それによって
    凶暴化しているという学説も有る


39 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/04/26(土) 08:05:45 ID:eYlfZSYl
投下します。
十一話目です。ちなみに、九話から死闘編ということになっております。

40 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/04/26(土) 08:09:12 ID:eYlfZSYl
* * *

 ああ、愉快愉快。
 あの金髪女ったらあんなに取り乱しちゃって。ざまーないわね。
 そんなに彼の姿が見えないのが不安でならないのかしら。
 全く情けない。アタシなんか彼の姿が見えなくったって幸せな気分でいられるっていうのに。
 ま、無理もないかも。あの女、葵紋花火の友達は彼だけ。
 知人と呼べそうなのは体目当てに誘ってくる性欲猿みたいな男子生徒たちだけ。あ、彼のお兄さんも知り合いかな? 
 ともかく、彼が居ない時の葵紋花火はデパートのおもちゃ売り場で迷子になった子供みたいな感じ。
 他に頼れる人がいないんだもん。その唯一の人がいなくなったんだから、取り乱しても当然か。
 沸騰した頭で考えてでたらめに行動したって、なんの結果も生み出せないのに。
 彼が今どこにいるのか、突き止められはしないのに。

 あまりのおかしさに喉だけでくつくつと笑ってしまった。肩もちょっと揺れてる。
 もう、お昼なんか要らないかも。あの女の焦る顔を見ているだけで腹一杯。
「どうしたの澄子ちゃん? いきなり笑ったりして」
「ん? んーん、なんでもないない」
 話しかけてきたのは机をくっつけて一緒にお昼を食べている桃ちゃん。
 桃ちゃんの箸はあまり進んでいない。小さなお弁当箱の中身は半分も減ってない。
 この子の神経の細さじゃ、さっきの光景を見たショックに耐えきれないから当然か。
「……ねえ、大丈夫かな。私たち」
「何が?」
「だってほら、さっきの……さっきみたいに、葵紋さんが……」
「大人しくしてればなんともないよ。だってアタシたち、誰にも言ってないから気付かれてないでしょ? 
 あの子たちみたいに群れたりするからいざとなった時狙われるんだよ。平気平気」
「そう、だよね……うん。ありがと」
 そう言って桃ちゃんはようやく箸を動かした。
 でも口が開いてない。小振りなコロッケを半分に割って食べているようじゃそのうちに昼休みは終わってしまう。

 アタシと桃ちゃんは彼に憧れる同士。
 と言っても桃ちゃんは内気な性格だから彼にアピールしない。アタシもさりげなく止めてるし。
 だって積極的になり出したら敵として認識しなければいけなくなる。できるなら、それは避けたい。
 あまり頼りにならない勘だけど、昔のアタシと桃ちゃんは似てる気がする。
 内気なところとか、声が聞き取りにくいところとか、諦めから物事に取り組むところなんかが。
 アタシは彼と気持ちよく話すために普段から明るく振る舞っているけど、内面ががらっと変わったわけじゃない。
 一人で部屋に居るときや、彼が葵紋花火に話しかけるところを見ていると一気に気分が落ち込んでしまう。
 それでも彼が優しくしてくれると、彼を掴まえて独占したくなる。
 なにかのきっかけがあれば桃ちゃんも今のアタシみたくなる可能性もある。ないとは言えない。
 だからアタシは彼と桃ちゃんをなるべく接触させない。
 罪悪感もある。だけど、彼はアタシだけの恋人なんだから仕方がない。
 それにもし桃ちゃんまで本気になったら、排除しなくちゃいけなくなる。
 アタシは一応桃ちゃんのこと友達だと思ってるから、できればそれは避けたい。


41 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/04/26(土) 08:10:17 ID:eYlfZSYl
「さっきの……葵紋さんが殴った子。どんな様子なのかな」
「さあ。さすがにそこまでは。大事にはなってなければいいんだけど」
 桃ちゃんは小さく頷いた。あんな子を心配するなんて優しいね。
 アタシがさっき口にした言葉は嘘。本当はとっくに大事になっている。
 葵紋花火は昼休みになると同時、彼を狙う有象無象の輪の中に突っ込んでいって、いきなりグーで殴った。
 自分が心配している時に、あーだこーだと彼の行方を推測する人間達に腹を立てたと思われる。
 腹を立てていたのはアタシも同じだけど、さすがに殴らなくても。
 殴られた子は吹き飛ばされて、机を三つほど巻き添えにして床に叩きつけられた。
 とっさに隠したみたいだけど、口から溢れる血と一緒に、折れた歯が床に落ちるのをアタシははっきり見た。
 手加減ってものを知らないのかしら。それともただ後先を考える余裕がないだけ?
 そのままずっと心を乱したままでいればいい。
 校内で暴れ続けていればさすがに教師の目に留まる。
 停学、もしくは退学処分になればあの女の目障りな金髪を目にすることがなくなる。

 桃ちゃんが箸を置いた。まだ中身の残ったままの弁当箱に蓋をして、嘆息する。
「葵紋さんが暴れたのって、やっぱり彼が今日休んでるのが原因かな」
「たぶん、そうだと思う」
「でもたまには休むことだってあるだろうし。どうしてあんなに荒れてるんだろ。
 彼が休むたびにあんなんじゃ、私落ち着いて学校に行けないよ」
「たまたま、二日目とぶつかったんじゃない? 
 大丈夫だって。アタシたちは絶対に狙われることなんかないから」
「うん……うん、そうだね。ありがと、澄子ちゃん」
 弁当箱を布でくるむと、桃ちゃんは自分の席へと戻っていった。
 アタシは唇だけを動かして呟く。
「なんにも心配要らないよ。もうすぐ恋に悩む必要すら無くなる。
 ……彼はアタシが手に入れたんだから」

 彼の居場所を知っているのはアタシだけ。
 彼が昨晩何を食べたか、何をしていたのか知っているのはアタシだけ。
 彼の全て、心も体も考え方もコントロールできるのはアタシだけ。
 今はまだだけど、これからそうなっていく。アタシがそうする。

 そして、最後。
 これこそが葵紋花火にとっては最大の屈辱。
 ――――彼の初めての味を知っているのはアタシだけ。


42 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/04/26(土) 08:11:37 ID:eYlfZSYl
* * *

「知ってるんだろ、アニキならもちろんさ。なんたってお兄さんなんだからな」
 短いなかに俺への悪意が強く感じられる、花火の言葉。
 これでもこいつにしては抑えている方だろう。本来なら胸ぐらを掴み上げられてもおかしくない。
 そうしないということは、ここへは話を聞きに来たのだろう。
「どうなんだ、アニキ」
「わからん」
「…………は、なんだって?」
「わからないんだ、本当に。弟は昨日学校から帰ってこなかった。で――」
「その後で変なメールが送られてきた。そうだろ?」
 花火がスカートのポケットから携帯電話を取り出し、開く。
 画面に映っているのはメールの文章だった。
 でも、これは……。
「あいつが私にこんなメールを送ってくるはずない。絶対にありえない。
 昨日あげたチョコ、あいつは貰ってくれた。大切に味わって食べるって言ってくれた。
 だから、急にこんなメールを送ったりするほど気変わりするわけがない」
 花火の言うとおり、メールの文章は弟ではなく、弟になりすました誰かが送ったとしか思えないものだった。

 いきなりだけど、大事なお願いがある。
 二度と僕に近づかないで欲しい。
 僕の前に姿を現さないで。
 僕は花火のことが好きじゃないんだ。 
 花火が僕のことを好きじゃないのと同じで。
 さよなら、花火。

「こんなの、こんなのあいつじゃない! 誰かがあいつの携帯を奪ったんだ! 
 あいつと仲のいい私を嫌ってる誰か、男か、女か、年上年下同い年……どいつでもいい! 
 昨日この学校であいつを奪った奴がいるんだよ! 許せるかっ、そんなのっ!」
 花火の掌が机を激しく打った。瞬間的に椅子ごと揺らされたような錯覚を覚えた。
「答えろ、考えろ、思い出せ! 何か一つぐらい心当たりがあるんだろ、アニキ!」
 教室中を静寂に陥れる叫び声。しかし、隠し切れていない怯えが裏にある。
 花火の手が小刻みに揺れる。
 弱い。今の花火には弱さだけがある。俺に怒りをぶつけてきた時の勢いは欠片もない。
 でも、俺には励ましの言葉を言う権利や、状況を利用して軽口を叩く勇気もなくて。
 可哀想だけど、もっとも誠実に、期待を裏切るような言葉を言うしかできない。

「悪いけど、本当に知らないんだよ。俺のところにもそれと似たようなメールが来た。妹にもだ。
 昨日はずっと寝ずに待っていたけど、帰ってこなかった。連絡をとろうとしたけど返事もない。
 とりあえず今日まで様子を見てみて、明日になっても同じようだったら警察に連絡するよ」
「遅いんだよ、そんなんじゃ。
 明日まで待つだって? 明日まであいつが無事で居られる保証は? 警察が発見する確率は?
 一日もあれば、人間一人ぐらいどこにだってバレずに移動させられるんだぞ。
 アニキはあいつのこと心配じゃないのかよ」
「……まったく心配していないわけじゃない」
「なら、こんなところで座ってないであいつを捜しに行きなよ。
 捜してるのは私だけだ。本気で心配してるのも私だけ。どいつもこいつも憶測するか、待つしかしない。
 もうこの際、なりふり構ってられない。アニキにも手伝ってもらう」
 右手首を掴まれた。力の全く籠もっていない手が強引に体を引っ張り上げようとする。
 振り解こうとすればできたけど、今の花火を拒絶することはできなかった。
 過去に花火を傷つけた罪悪感が、従う以外の選択肢を許さない。
 もしかしたらまだ完全には嫌われていないのかもしれない、なんて甘い考えが脳裡を掠める。
 そんなことはありえない、と自分に言い聞かせると少しだけ寂しくなった。


43 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/04/26(土) 08:12:37 ID:eYlfZSYl
 花火の手に引かれるまま椅子から腰を浮かせ、後をついていく。
 教室の入り口前に辿り着いたところで、突然花火が止まった。背中にぶつかりそうになるのをなんとか堪える。 
 見物人でも溜まっていたのだろうか。花火の肩越しに進行方法を見遣る。
 見えたのは、腕を組んで入り口のど真ん中に佇んでいる葉月さんの姿だった。
「どけ」
 花火の声を聞いても葉月さんは動かない。眉さえぴくりとも動かさない。
 ただまっすぐに目前の相手を見据えているだけ。
「詳しく話を聞かせて欲しいの。さっき、そこの彼の弟のことを話していたでしょう」
 葉月さんの目が俺を捉えた。その目が少しだけ細くなったのは何故だ。
 もしや、怒っている? 
 ――あ、そういや葉月さんには弟のことは一言も話していなかった。
 相談されなかったからのけものにされたとでも思ったのかもしれない。
 こっちにそのつもりはなかったけど、ごめんなさい。

 葉月さんの視線が花火の方を向く。真摯な目をして、ふざけた調子のない声で喋り出す。
「私も彼の弟が心配なの。あなたの言うとおり何かがあったとしたら助けないといけない。
 動くなら早いほうがいいもの。そうでしょう?」
「……その通りだ」
「それじゃあ、私も一緒に捜すから」
「いや、その必要はない。協力しないで欲しい。私とアニキの二人だけで探す」
 葉月さんの表情が怪訝なものに変わった。おそらく今の俺も似たような顔をしていることだろう。
 花火はなぜ葉月さんの協力を拒む? 人を捜すなら人海戦術をとった方が有利だということはわかるだろうに。
「どうして協力したらいけないのかしら? 理由は?」
「……話す必要がない。これは私とあいつと、アニキの問題だからだ」
「そんな理由じゃ納得できないわ。弟君のことを心配しているのは私だって同じよ。
 もし何かあったりしたら私だって困るもの」
「……なに?」
「だってそれは、将来……他人じゃなくなるんだから。無事でいてもらわなきゃ、私の計画が崩れちゃうわ」
 うつむきながら葉月さんが呟く。昨日もだったが、言葉だけでは葉月さんの考えを読めない。
 計画ねえ。将来の計画、進むべき未来の予想図、これからやりたいこと。
 俺には模型作りの趣味以外にやりたいことがすぐに浮かばない。
 同い年でありながら先のことを考えている葉月さんは立派だと思う。
 まあ、そんなことはどうでもいい。今考えるべきなのは花火が葉月さんの協力を拒む理由だ。


44 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/04/26(土) 08:14:11 ID:eYlfZSYl
「そんなわけだから、私も弟君を捜すの手伝うから」
「お前の名前は?」
「私? 葉月よ」
「葉月……葉月。そうか、お前が、か」
 花火の声が幾分低くなった。
「二年D組の、葉月。お前もか。お前もそうなのか」
 花火が一歩踏み出す。表情は俺の位置からは見えない。しかし声を聞く限り、穏やかであるとは思えない。
 正面から向かい合っている葉月さんの様子も少し違う。表情が固くなったというか、あまり動かなくなった。
 ふと気づいた。昼休みだというのに、葉月さんと花火の近くにいる人間は俺一人だ。
 そのせいで緊迫した空気に俺まで飲み込まれた気分になる。
 関係者ではあるのだが、にらみ合いに混ざっているわけでも、こうなった原因を作ったわけでもないので立ち位置の判断に困る。
 もしかして、二人を止める役どころをクラスメイトに期待されていたりしないだろうな。
 実家が道場を開いていて自身も武道を習っている葉月さん。ぱっと見てもじっと見ていてもアウトローに見える花火。
 葉月さんには過去四回ほど投げられたことがある。花火には一度殴られたことがある――こっちは自業自得だが。
 ともあれ、口論で事態が収まらないのだとしたら、体を張らなければならない。
 二人の衝突を見過すことなどできないのだから。

 葉月さんが口を開く。それだけのことで驚いて心臓の鼓動が速くなる気がした。
「私も、って? 私が今あなたに何かしたかしら」
「私にじゃない。あいつに、だ」
「あいつ……弟君のこと?」
「葉月、お前のことはあいつから何度か聞いた。
 私と一緒にいるとき、あいつが女のことを話すのは少ない。せいぜい自分の妹のことぐらい。
 だが、最近になってお前のことも話題に上るようになった。
 そのことを、気にしすぎだと思っていなくて良かった。警戒していて、良かった。
 私の予想通りに、葉月――お前は、あいつを奪おうとしていた!」
 目の前にいる花火の肩が少し揺れた。そして、たったそれだけで事態は急変した。


45 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/04/26(土) 08:16:00 ID:eYlfZSYl
 拍手の快音に似た音がひとつ生まれた。しかし誰かが拍手したわけではない。
 言うなれば、葉月さんと花火が協力してできた音だった。
 花火の右拳が葉月さんの顔面を真正面から狙った。それを葉月さんが両手を使って止めたのだ。
 葉月さんが口を開く。いつもより声が一段階低い。
「……そっか。あなたもやっぱり弟君のこと」
「ああ。お前と同じでな!」
 花火の体が小さく傾ぐ。左足のシューズが床から離れている。
 この動きが蹴りだと気づいた瞬間、左足が跳ね上がり、葉月さんへ向かっていった。
 蹴りを受け葉月さんの体勢が低くなる。
 途端に背筋が寒くなった。葉月さんが倒れる――と思ったが、そうはならなかった。

 予想だにしなかったことだが、今度は俺の体に衝撃が走る番だった。
 蹴りを出したはずの花火の体がいきなり俺の体にぶつかったのだ。
 そう、花火は後ろに下がった。蹴りを放った体勢のまま。
「は…………はああ?」
 何が起きた? 蹴りを受けた葉月さんじゃなく、どうして攻撃した花火が下がる?
「く、お前……!」
「やめて。あなたは誤解してる。私はあなたが心配するようなこと、考えてない」
「そんな台詞は聞き飽きた!」
 右腕を花火に掴まれた。腕を引かれ、体を振り回される。
 強制的に葉月さんのもとへと押しやられる。
 このまま抱きついてしまおうか、なんて考えたがすぐに思考を止め、次にもつれる足を止める。
 花火に一言文句を言うために振り向く。
 目に映り込んだのは、右足を振り上げた花火の姿。足の軌道は床と水平。高さはみぞおちまで。
 衝撃に備えるのが間に合わない。反射的に目を閉じる。 

 右方向への強制的な浮遊感、いやむしろ、転倒する感覚。
 脇腹に痛みは覚えない。だというのに明らかに体は傾いていた。事実、立っている位置が変わっていた。
 花火と向かい合っていたはずの場所から、葉月さんを背にして右にいた。
 目の前に黒板の右の壁に貼られている時間割がある。今日の五時間目は国語。
「ち、奇妙なことを!」
 声がした方向を向く。花火が目を剥いていた。視線の先にいるのは俺ではなく、葉月さん。
 葉月さんの立ち位置は一切変わらない。花火の蹴りを食らったような様子もない。
「もう一度言うわ。やめて頂戴。
 こんな言い方嫌いなんだけど、私は護身術みたいなものを習っているから、さっきみたいなことをされると体が反応するの。
 最初の蹴りは足が伸びきったところを掴んで押した。さっきのは彼を右に動かして、あなたの蹴りを腕で逸らした。
 反撃しようとすればできた。けどやらなかったのは、反撃したくなかったから。
 頭に血の上ったあなたじゃ無理。私の膝を床に付けさせることはできない」
「そんなの、絶対だなんて言えるか!」
「ああ、もう――――少しは話を聞けないの!?」


46 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/04/26(土) 08:17:17 ID:eYlfZSYl
 耳をふさいでしゃがみたくなるほどの大音声。間近で聞いたから鼓膜が本当に痛い。
 葉月さんが花火を指さしながら言う。
「私は弟君のことなんか――じゃない。弟君を狙ってたりしないわよ!
 だってわたしが、……き……なのは、別の人なんだから!
 勘違いされちゃ困るわ! 本当に困る! もし誤解されたらどうするのよ!」
 ……うむ。なんていうか、照れる。
 葉月さんが好きなのって、俺――なんだよな、たぶん。昨日バレンタインチョコもらってないから自信ないけど。
 でも、ここまで必死になって弟との関係を否定されるとちょっとだけ嬉しい。ライバルが一人減った気になる。
 必死の叫びを聞いた花火はまだ納得できていない顔をしていたが、握り拳を解いていた。
「今の言葉、本当だな?」
「ええ。彼だけじゃなく、クラスにいる全員に誓ってもいい」
「そうか。なら――謝る。すまなかった」
 花火が会釈ぐらいの角度で頭を下げた。意外にも、花火は自分が悪かったときは非を認めるらしい。

「わかってくれたならいいの。それじゃ、早速弟君を捜しに行きましょ」
「……それは駄目だ。やっぱり断る」
「ええ? どうしてよ。やっぱり誤解してるんじゃ」
「違う。ただ単に一人で捜しに行こうと思い直しただけだ」
 花火が入り口方向、葉月さんのところへ歩き出した。
 葉月さんが花火の前に立ちふさがった。しばし二人が見つめ合う。
 ほどなくして、葉月さんがため息をついて道を譲った。顔には諦めが浮かんでいる。
 ふと、思い出した。花火が教室に来たのは俺を弟捜索の応援に駆り出すためだったはず。
 なのにいきなり一人で捜しに行くなんて、どういう心境の変化があったんだ。
「花火、俺を連れて行くんじゃなかったのか?」
「……もういいよどうでも。ていうか、着いてこないでくれ、アニキ」
 扉に左手を懸け、肩越しに花火が俺を見た。 
「アニキ。やっぱり、あんたは最低な人間だ」
 ――え?
「ちょ、ちょっとあなた、なんてこと言うのよ。彼はそんな悪い人間じゃないわよ」
「葉月、あんただってそう思うはずだ。今はまだでも、アニキとの関係を続けていればいつか必ず」
「……どういうことよ、それ。返答次第じゃただでは済ませないわよ」
 葉月さんが花火へと詰め寄る。花火は首を廊下へと向け、教室から出て行った。
「待ちなさいよ! どういうことなのか説明しなさい!」
 昼休み終了のチャイムが間もなく鳴る時間帯、教室に戻る生徒が行き交う廊下に葉月さんの声が響く。

 花火の足が止まる。窓から指す陽光を反射する、流れるように滑らかな金髪も一拍遅れて動きを止める。
「はっきり言ってやろうか、葉月」
「ええ、言ってみなさいよ。彼のどこが悪いって言うの?」
「私からすれば存在自体なんだけど、あんたに言っても無駄だろう。
 ひとつだけ言わせてもらうよ。アニキの絶対的な欠点。
 人の気持ちに不誠実なところ。平気で裏切るとか、いつまでも相手の気持ちに答えないとか。
 忠告しておいてやる。アニキに関わったら、いつかあんたまで不幸になるよ」
「そんなのっ……」
「言いたいのはそれだけ。じゃあ」
 言い終わると花火は歩き出した。
 葉月さんはその場に立ちつくし、階段のところで花火の姿が見えなくなる頃になってようやく口を開いた。
「仕方が……ないじゃない。駄目だって、まだ無理だって。
 私には……待つことしかできないんだもん。あなたなんかに何がわかるのよ」
 泣いてはいなかったが、声は悲しみに沈んでいた。
 拳は固く握りしめられ、小さく震えていた。

 昼休み終了を告げる鐘の音が鳴る。
 葉月さんにかける言葉を見つけられなかった俺は、鐘の音を聞いて心が安らぐのを自覚した。

47 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/04/26(土) 08:17:57 ID:eYlfZSYl
十一話はここで終了です。それではまたお会いしましょう。

48 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 08:24:38 ID:uHljBazC
うおおぉ!
リアルタイムGJ!
兄貴の記憶にない過去が気になるなあ

49 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 08:48:36 ID:tCb0nO5E
初期に保健室でクロロホルムの話をしていたのは澄子ちゃんではなく桃ちゃんでいいの?
澄子ちゃんとはキャラが重ならないから、どこ行っちゃったのかな?と思ってたんだ。


50 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 10:31:27 ID:CzLvOW/t
確かに兄貴ってびっくりするほど行動しないよな。
もう少しアクションがあってもいいと思うんだけど。
その辺含めて後で語られるのかな。
楽しみにしてます。

51 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 13:09:35 ID:H+tKNrpX
GJ!やっと来たぜ新作。こりゃ、長いことになりそうだな。葉月さんはこれからヤンデレにはならない…かな?結局病みそうなのは誰だ?花火?妹?澄子?

52 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 13:27:12 ID:w26y1BI/
新作だと?

53 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 14:04:38 ID:tCb0nO5E
つうかさ、クリスマスにはラブコメっぽかった澄子ちゃんがいきなり病んでるのはなぜ(?_?)。
おいらが一話見落としているのか、それとも弟視点話で澄子ちゃんが独白してくれるのか・・。

54 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 14:05:04 ID:obck4Il3
>>47
葉月さんは可愛いなあ
それにしても、ここまでボロクソに言われる過去の兄はどんなんだったのだろうか。
今はただ鈍いだけだが

55 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 14:24:53 ID:KbLm19Xk
いや、これは全員病んでるんじゃないのか?

56 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 17:54:00 ID:6XAW3pct
>>50
タイトルに傍観者と銘打ってるわけだしいいんじゃないか?
あまり積極的に動きすぎると看板に偽りあり、ってことになっちまうしな

57 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 22:09:42 ID:CDAbNtRH
傍観者なのにクソミソ言われてるのも妙な話だが

58 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 23:03:30 ID:UCq/AwTP
連載当初は確かに傍観者だったよ。そこからどんどん周りに巻き込まれたんだろ

59 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 23:43:28 ID:UvqDZ014
花火に殴られた娘が可愛そうです。
弟を無事見つけられたら反省してほしい

60 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 23:49:18 ID:5GOgZQ5A
実は本当の傍観者は弟の方なんじゃね?

61 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 00:44:21 ID:F+toZw+R
どっちにしても主人公なんだから兄貴は最後にカッコよく決めてくれると信じてる。
さすがにこの状況でいつまでも傍観者を気取ってはられまい。

62 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 00:46:00 ID:tyGbB3JU
記憶の一部分が無いことやら、告白された美人への返事やら
複雑な家庭環境やらどうみても自分が関わってるのに傍観者
のごとく問題を静観するだけで投げっぱなしだしな
思考も解決しようとするのではなく問題先送りにしてるだけだし
よく考えるとダメ人間な気がw

63 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 03:14:56 ID:sf04hmCW
ヤンデレの主人公なんて基本ヘタレな気もするがw
ただまぁ、妙に感じ方が奇妙なのもあるな。誰が喋ってても言葉の意味を考えようとはしてないし

64 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 06:19:40 ID:QhHgTSQ+


65 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 12:55:33 ID:dHJVDZqA
まぁ書き手が書きにくくなっちゃいかんからあんま詮索しないほうがいいだろうがな。
あっ後みんなおはよう。ツンデレっ娘に怒られてたらいつの間にか眠くなってヤンデレっ娘に
監禁される夢見たよ。すっごく幸せだった。

66 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 18:07:36 ID:JZZlC6BC
馴れ合いうぜえ

67 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 19:30:17 ID:U8TKeMm8
>>65
ヤンデレの夢はごくたまに見るけど夢の中でもまだ監禁されたことがないから正直少し羨ましい
血とかはないけど中〜重度の依存症気味の女の子
やはり脳内の理想のヤンデレ像とかヤンデレ娘に言われてみたい言葉が影響しているんだろうか

68 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 19:55:27 ID:izKGek9N
ヤンデレとか実際いいもんじゃないぞ
たとえ顔がかわいくてもね、やめてほしくなる

69 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 19:55:59 ID:+r8g0N6n
去れ

70 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 20:17:30 ID:/PKThdUc
>>68
そりゃ三次元だろ。
たぶんだけど俺らは大半が二次元のヤンデレ萌えだと思う。
70年〜90年代のヤンデレが出てくるやつ見た奴はとくに。

71 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 20:18:06 ID:YMec9AVg
このタコが

72 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 20:41:26 ID:dHJVDZqA
>>67 監禁は愛の究極体だということがよく分かったよ

>>68 君はいったいここをどこだと思ってるんだい?

73 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 21:20:52 ID:izKGek9N
すまん別に批判してるわけじゃないんだ
実際俺も体験するまではこのスレの話読んで俺もヤンデレに愛されたいなーとか思ってたし

74 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 21:22:00 ID:+r8g0N6n
   \み会行きたくない…   orz   ……orz     /orzorzorzorzorzorzorzorzorzorz
. .: : : : : \  orz   orz  彼女にアニオタだってバレ/orzorzorzorzorzorzorzorzorzorz
. .: : : : : : : \ノジョにフられた……   orz  …    /orzorzorzorzorzorzorzorzorzorz
    . . : : : \  ……    orz     友達と喧嘩/ ■■■  ■ ■■ ■■■■■
   . . .... ..: : ::\orz   女の子のアドレス30件しか /■    ■  .■        ■
        Λ_\ ……orz   …orz     /  ■    ■ ■        ■  
 リア充→ /:彡ミ゛ヽ;\ …     経験人数が一/  .■    .■ ■      ■
      / :::/:: ヽ、ヽ、\ … ∧∧∧∧∧   /    ■■■  .■     ■■■■■  
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l\<     自  >/ orzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorz
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄<      虐  > orzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorz
                <      風  >orzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorz
―――――――――――<  の   自  >――――――――――――
36名前:学生さんは名前 <  予   慢  >   OTL  セックスしすぎて…
東大に入って、昨日の駒 <  感      > OTL  彼女が… orz 
彼女に運ばれて、今日の <  !!       >     高学歴なのに… orz  
                 /∨∨∨∨∨\ 友達が… OTL mixiで…
24 名前:学生さんは名前が/          \      合コンで… orz
彼女から着信あるとマジで/   リア充[ピーーー]よ!\´  OTL イケメンなのに…
連続ですごいかけてくる /∧_∧ ∩         \サークルが… orz
正直しんどいです…   /( ;´Д`)ノ______     \ orz 180cm65kgで…  
              / (入   ⌒\つ  /|      \ 女の子が… OTL
427 名前:学生さんは/  ヾヽ  /\⌒)/   |       \  バイトの…
童貞に戻りたい…orz/   || ⌒| ̄ ̄ ̄|              \ 

75 :名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 22:40:22 ID:OKmGdIja
お茶会を全裸で待つ。

76 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 00:58:36 ID:KKL5Vf+f
主人公の男が引きこもりだったらヤンデレはどんな行動をとるのか…

77 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 01:13:16 ID:HyG/K924
監禁する手間が省けるだけです

78 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 01:22:17 ID:9UNdHfr7
社会復帰を全力で阻止する

79 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 02:15:30 ID:enBNyxon
>>78
えぐいな…だが興奮を禁じえない

80 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 09:36:20 ID:oNPhMG0c
>>75
例大祭終わるまで待ってやれよw

81 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 11:53:43 ID:BuOZBwvN
『殺し愛』の一部のパターンはヤンデレだと思っている私は異端でしょうか?
殺し合う=愛し合う的な思考回路のヒロインはやっぱヤンデレとは言えないんかなー

82 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 13:00:16 ID:Ohei2eNI
>>78
最悪じゃんwww
と思ったらそこから妄想が膨らんで萌えた。
男「初めて女友達できた^^」
女「!」

83 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 13:08:00 ID:6nIYF+Oi
>>82 つまり世話焼きでツンデレな幼馴染が駄目駄目NEETの主人公を働かせようとして
紆余曲折ながら嫌々NEETは仕事始めるんだけど
段々と働くことが楽しくなってきてそこで幼馴染は寂しさを感じるんだけど主人公のためだと思って我慢しとく
でもあるとき主人公が女と親しく話してるところを見て、

「あの女誰なの・・・?」

的な感じで主人公を追い詰め始める的な?w

84 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 13:35:05 ID:0BVZQyst
むしろ引きこもらせた原因を作ったのがその娘っていうね

85 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 15:28:06 ID:zz9erowk
愛ゆえに!


素敵……そういうのシビれちゃう……

86 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 18:11:06 ID:0BVZQyst
というか昔そういうヤンデレもの考え付いて途中まで書いた
投げたけど

87 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 19:41:36 ID:Ohei2eNI
>>86
さあ、お前の「ヤンデレ.txt」の中にある文章を素直にここに出しなさい(`・ω・´)
出さないと俺の知ってるヤンデレの番長に焼きいれてもらうからな。

88 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 22:43:22 ID:TyV8OtB8
ふと思い出したことだが、
7,8年くらい前に何かの宗教の女教祖が逮捕された事件があったな

その女教祖はある好青年(確か名前はユタカ)にベタ惚れしてて、
自分の宗教の信者達には「ユタカ様」と言わせて自分と同じように敬わせていたんだと

しかし、信者の中に
「ユタカ様とドライブしてみたい」とか「ユタカ様ってかっこいい」と言う女がいれば、
「お前には狐がとりついておる!」と言い出し、
他の信者たちを呼び、集団リンチで殺していたそうだ

この女教祖が逮捕された後の話は、
その時俺がヤンデレに興味がなかったせいか、どうなったのかはよく覚えていない

89 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 23:35:13 ID:aXXMwxmi
>>88
前半の文でカルタグラを思い出し
中の文でこの女痛いなと考え
後半でカルタグラの再プレイを決めた

90 :名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 22:11:24 ID:JI5inxaN
ヤンデレを3日間ほど徹底スルーしたらどうなるんだろう

91 :名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 22:24:48 ID:vrW15ifj
前スレ落ちた?
1000いくかと思ったのに

92 :名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 22:39:12 ID:BnF9RCyL
>>90
1週間というSSが保管庫にあってだな

93 :名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 01:39:50 ID:b2ceXhLE
>>90
今の未来日記が似たような状況だと思う

94 :名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 01:43:41 ID:WjciKzqG
>>90
腕組まれたり添い寝されたり、やりたい放題される

95 :名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 15:16:55 ID:dKFi3s8/
ヤンデレ女にやりたい放題されたいな。
ああ二次元が出てきてくれたいいのに

96 :名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 15:49:53 ID:AZsNBQud
>>94

「ほら男くん。腕くんでみようね…」
「お、女さん…そ、それなんか違う…!!」
「ん〜?じゃあ上に乗っかっちゃうよ」
「ああ!!女さんの体温は感じるけど、かなり違う気が!!」
「……ワガママばかり言うと!!」
「あだだだだ!!!!」


ヤンデレ柔道娘?

97 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 12:11:47 ID:7Pwbiol6
捕手

98 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 13:04:30 ID:J3V1WISz
投手

99 : ◆wzYAo8XQT. :2008/05/01(木) 13:17:48 ID:i6U3Ixs2
86だけど、短いが一応形になった
というわけでこれから投下する

100 :ヒキコモリと幼馴染 ◆wzYAo8XQT. :2008/05/01(木) 13:18:45 ID:i6U3Ixs2
「お、7777だ」
 僕がよく行く、全員が固定ハンドルネームをつける馴れ合い掲示板がある。
 今日もいつものようにいったら、アクセスカウンターが7777という、縁起のよさそうなキリ番になっていた。
「七誌さん、おめでとう〜」
「ちくしょー、俺が踏むつもりだったのに!」
「七誌オメ」
 すぐに掲示板にそんなカキコミがならんだ。
 ちなみに七誌とは、僕のハンドルネームである。
 7777、いかにもいいことがありそうな数字じゃないか……といっても、ヒキコモリの分際でにいいこともなにもないか。
 僕は、そのキリ番を踏んだことを少しうれしく思いながらも、その喜びはすぐにこの“ヒキコモリ"という、負け組としかいいようのない、自分の境遇に対する絶望に上書きされてしまった。
 僕は一つため息を吐くと、掲示板にキリ番を踏んだことの報告をし、そのまま別のサイトを開いた。
 ちょうどそんな時だ。俺の部屋の窓ガラスがコツコツ、と鳴ったのは。
 カーテンがしてあり、外の様子は窺い知れないが、その音の原因ははっきりと分かってる。
だから、僕はそれを無視して、またサイトを眺める。
「信也くん、起きてるよね」
 うるさい。
 その声自体は、大して大きくもなく、いや、むしろ遠慮がちで、うるさいという形容詞からは程遠い声だ。
 だが、僕にとっては、うるさくて、不快でしかたがなかった。
 ヒキコモリ続けて早半年。
 教師なんて言うまでもない。心配し、そして叱責してきた父、媚び諂ったかと思えば、何をどう考えたのか知らないが、自殺未遂までしてみせた母。
 彼らですら、とうの昔に僕に干渉し、社会復帰させることを諦めてしまっている。
 それなのに。
 そんな中、この糞女――古閑風香、僕の幼馴染だ――だけは、未だに僕に対して接触を謀ってくる。
 いい加減にして欲しかった。
 彼女が知っている昔の僕とは違って、もはや現実世界をまともに生きていく気なんて微塵もなく、
パソコンの中のささやかな幸せや楽しみが世界の全てとなっている僕にとっては、現実世界をまともに生きている彼女は、それだけで、存在するだけで、僕にとっては猛毒にも等しい。
 その猛毒が、積極的に自分にアプローチをはかってくるのだ。
 小鳥のさえずりの様な可愛らしい声も、小動物のような、キョトキョトとせわしなく動く仕草も、僕にとっては、聴覚や視覚に訴えかけてくる毒に他ならない。
 それなのに、彼女は僕の気持ちなどまったく顧みず、どんな罵声を浴びせようと彼女は毎朝毎晩僕にいちいち接触を試みてくる。
 うんざりだった。
 もう僕は経験から、どんな誹謗中傷も意味を成さないことを知っている。
 だから僕が取る選択はたった一つ。
 無視だ。
 息を殺し、じっと彼女が立ち去るのを待つ。
 しかし、いつもはしばらく無視すれば立ち去るというのに、今日はいつになっても立ち去らず、それどころか、起きてるのは分かってるだの、出てきてくれだの、僕に声をかけてきやがる。
 時計を見ればもう九時、とっくに学校は始まってるはずだ。
 と、そこで気づいた。今日は土曜日、休日だ。
 最悪だ。もう寝た振りしていてもしょうがない。僕はパソコンをカチカチを弄り始めた。
「あ、やっぱり信也くん起きてたー。ねえ、今日はいいことあったんだから、久々に外に出てみようよ」
 なんてヤツだ。僕がこれだけ無視しているのに、まったく意に介した様子も無く、明るい口調で話しかけてきやがった。
 最悪だ。
 僕はヘッドホンをつけると、大音量で音楽を流し始めた。そろそろ寝ようと思っていたのに、とんだ災難だ。
 しかも、こんな生活をしている僕に、いいことなんてあるわけないだろ。しいて言えばあの掲示板のキリ番を踏んだくらいだ。
 その思考に至った瞬間、背筋に寒気が走った。
 いや、まさかそんなはずはない。僕がいつもアクセスしている掲示板でキリ番を踏んだことなんて知っているはずもない。ただの偶然。ただ僕の気を引くためのでまかせがちょうど当たったってだけだ。

101 :ヒキコモリと幼馴染 ◆wzYAo8XQT. :2008/05/01(木) 13:19:42 ID:i6U3Ixs2
 音楽で彼女が何を言っているかは分からないが、まだ彼女がいて、何かを言っていることも分かる。
 彼女は何を言っているのだろうか。まさかとは思うが、僕を監視していたりするのではないか。
 僕は、ヘッドホンを外した。
 馬鹿馬鹿しい。ただの偶然なのに。
 自分で自分に嘆息する。ヒキコモリ生活のせいだろうか、こんなくだらない妄想に囚われるなんて。これは彼女の言に従うわけではないが、少し外に出たほうがいいのかもしれない。
「ね? 一緒に神社まで散歩しようよ、ほら、いい天気だよ」
 外にでるっていっても、てめえと一緒に出る気なんてさらさらねえよ。
「ほら、紅葉でも見たいって言ってたよね? 神社なら綺麗だよー」
 僕はガタンと跳ねた。
 当然、僕が彼女にそんなこと言ったわけじゃない。家族とだってもう随分会話してないんだ、まして他人なんかとそんな会話をしているわけが無い。
 しかし僕は思い当たる節があった。
 あの掲示板に、紅葉の写真が添付されたときに、見に行きたいと書いていたのだ。
 いいことがあったとか、紅葉を見に行きたがってるとか、どうして知ってるか。
 誰でもすぐにこの思考に至るだろう。
『アイツはこの掲示板を知っていて、俺の固定ハンドルも知っている』
 糞っ! 胸糞悪い。一体どこから洩れたんだ! つまり今までずっと僕のカキコミは彼女に駄々漏れだったってことか。
 思わずキーボードを机に叩きつけて破壊しそうになった。しかし破壊してしまえば、外界と接触を取らざるをえなくなるため、すんでのところでそれを堪えた。
「死ねこのストーカー女! 気持ち悪いんだよ! 警察に通報するぞ!!」
 意味が無いと分かっていながらも、窓の向こうのアイツに向けて悪態を吐く。
 返事は、無い。
 糞っ!
 再び悪態を吐いた後、僕はこの掲示板のブックマークを削除するために、ブラウザのブックマーク一覧を開いた。
 ブックマークにマウスの矢印を重ねて左クリック。
 それを実行しようとした瞬間、窓ガラスがコツン、と鳴った。
 誰もいないものと思っていた僕は驚いて、その拍子に右クリックしてしまった。
 そのことによって掲示板は更新され、現在の書き込みが表示された。
 その更新されていた内容。それを見て、僕は愕然とした。
「どうして分かってくれないの?」
「私はあなたのことを思っているだけなのに」
「誰がなんと言っても、私だけは信也くんの味方だから」
 僅か数分の間に書き込まれていた書き込み。
 そして、その書き込みを行っているハンドルネームは一つだけではない。
 この掲示板の、主に書き込みをしている住人全員のものだった。
 愕然とし、咄嗟に窓ガラスのほうを向く。
 窓ガラスにはカーテンがかかっていて、外の様子は窺い知れない。
 でも……。
 僕はゴクリと唾の飲み込み、深呼吸をすると、意を決してカーテンの前まで歩く。
 目を瞑り、開き、勢いよくカーテンを開けた。
 朝の眩しい陽光が注がれる。
 反射的に目を覆い、そしてその手を序々にずらす。
 そこにあったのは、ただの何の変哲も無い庭だった。
 はあ……と安堵のため息を漏らす。
 まあ特にあの女がいなかったからいなかったからといって、何の問題の解決になる訳でもないのだが。
 それでも安心して、カーテンを閉じると、もう一つため息を吐いて、天井を仰いだ。
 そして、風香と目が合った。
 思考は停止し、目のピントは固まってしまったかのように、彼女の目から逸らす事ができない。
 天井板の一部を外し、天井から風香が僕を見ていた。
「信也くんのこと、ずっと見ているよ」

102 : ◆wzYAo8XQT. :2008/05/01(木) 13:20:04 ID:i6U3Ixs2
投下終了です

103 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 13:36:31 ID:WnfULUJc
これは神作品の予感!!!
GJ!!

104 : ◆wzYAo8XQT. :2008/05/01(木) 13:50:58 ID:i6U3Ixs2
神作品も何も、続き書く予定ありません

105 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 14:01:51 ID:Dh/6G0Ao
住人は全員風香の自演かw
GJ

106 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 14:55:05 ID:kaumOuSf
GJ!
他の言葉は見つからぬ

107 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 14:55:38 ID:kaumOuSf
すまない。ageてしまった

108 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 15:55:18 ID:7Pwbiol6
それでも続編を望む

109 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 16:04:21 ID:bH11oGiA
GJ!
でも、この展開だと続きは書けないよな
出来たとしても質が下がりそうだしさ……

なので、違う短編も書いてみて下さいなw
自分的には、とても良かった


110 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 16:26:49 ID:Hu78xs5+
「こ〜こはど〜この箱庭じゃ?」を思い出した

111 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 16:40:29 ID:aDjeonJL
>>110
俺も俺も

112 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 20:11:32 ID:rwAih/+8
ところで5/3のやみなべ祀行く人居る?
今回は都産祭の一環で今までより規模が大きいみたいなんだけど
前回のようにクレームがきて当日会場が混乱しないか不安だ…

113 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 20:51:51 ID:WnfULUJc
>>104
続きを書いてくれたら近所のヤンデレあなたに差し上げます。
更にさらにさーらーに、もう一人、予備のヤンデレもおつけします。

114 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 22:37:42 ID:T5hsuvVS
このスレの人間は肉体的にはドMなのに
精神的にドSな人間が多いと思うのだが、どうだろう?

115 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 23:17:25 ID:Dh/6G0Ao
心も体もMな俺が参上

116 : ◆wzYAo8XQT. :2008/05/01(木) 23:49:10 ID:i6U3Ixs2
>>108>>113
もし続き書くとしたら、登場人物の背景や性格が微妙に俺好みではないので、その辺を直した別物を書くことになるでしょうね
プロットにしたらほぼ同じものですが
>>110-111
元々このプロットはホラーものとして書いたものなのであながちはずれでもありません
しかしヤンデレ好きになった今考えてみると、アレはいいヤンデレ


というわけで、連投臭くなってしまいますが、第三話を投下します

117 :ぽけもん 黒 ロケット団復活 ◆wzYAo8XQT. :2008/05/01(木) 23:50:13 ID:i6U3Ixs2
 空が微かに白み始めたころ。
 香草さんが大きな伸びをして起床した。
「……起きてたの?」
 香草さんは木の根元にもたれかかっている僕を見るなり、そう言ってきた。
「火の番が必要だからね」
「相談してくれれば、私だって……」
 香草さんは珍しく柔和な態度をとっている。これが見れただけでも、半徹夜の価値はあったかもしれない。
「無理しなくていいよ。その代わり、今からよろしく。僕はこれから少し寝るよ」
 僕はそう告げると、寝袋に包まって即時に夢の世界に旅立った。


――――――――――――――――――


「……なさい!」
 甲高い何かが聞こえる。まったく、なんだよ人が気持ちよく寝てる時に……。
「起ーきーなーさーいー! 一体いつまで寝ているつもりよ!」
 耳朶を叩き壊さんばかりの大声と、甘い香りで目を覚ました。
 声のした右のほうを向けば、鼻の頭がぶつかりそうなほどの超至近距離に香草さんの顔があった。
 反射的に飛びのこうとしたが、両手両足が寝袋で封じられているため、飛びのくことも出来ずにただ変なポーズをとっただけになってしまった。首がグキリとなる。
「あいたっ!」
「もう、なにバカやってんのよ。もうアンタ以外準備出来てるんだからね」
「あ、朝飯は?」
「……あの鳥が木の実摘んできたわよ。それと虫も! 信じられる? 虫を食べるのよ!?」
 うわー、露骨に不快そうだなあ。
 虫かあ……まあ僕も食べたことが無いわけでもない。都会の人間はあまり食べないみたいだけど、若葉町なんか思いっきり田舎だからなあ。
「あ、ゴールド起きたです! 木の実食べるですー? それとも虫食べるですー?」
 軽快な声とバサバサという羽音が聞こえた。頭を少し持ち上げてみれば、ポポが僕のほうに飛ぶように跳んでいるところだった。
 待て待て、ちょっと待て、まさかそのまま……。
 僕の顔から見る見る血が引いていく。その憂慮どおり、彼女は両膝で僕の腹の上に着地した。
 当然声にならない悲鳴を上げた。意識を失うほどでないだけ、昨日よりはマシだったが。
「どうしたです? 具合悪いですー?」
「な、なんでもないよ。大丈夫だから早く僕の上から降りて……!」
 軽い拷問だ。早くどいて貰わないといろんな秘密を意味もなくゲロってしまいそうだ。
 ポポは多分事態を理解できていなかっただろうが、僕の上からはどいてくれた。
「あ、虫潰れちゃったですー」
 体を起こして見てみれば、ポポの鉤爪には潰れた虫と思しき液体と物体が付着している。彼女は体を器用に丸めて、それをペロペロと舐めていた。
 他人の食生活にとやかく言う気は無いが、これは結構キツイ光景だな。
 ちゃんと契約して登録したら、そういうのは控えてもらうようにしよう。
 僕はその後、普通に木の実を食べると――この木の実がやたら苦かった。どんな錯乱状態でも一瞬で正気に戻りそうな苦さだ。甘い木の実もあるというのに――、荷物を片付け、火を消し、そのまま吉野町に向けて出発した。
「あのさ、昨晩考えたんだけど、折角人数増えたんだし、協力しない?」
「協力?」
「そう、ポポに僕らの上を飛んでもらって周囲の警戒をしてもらうのさ。草むらの中じゃあまり早いうちから野生のポケモンが分からないだろう?
 上から見て、それを伝えてもらって、早期発見早期撃退ってね。それに多分鳥ポケモンが目立つ位置にいるってだけで虫ポケモンは逃げ出すはずだし」
「いらないわよ、そんなの」
「まあまあそう言わずに、物は試しだと思ってさ。いいね、ポポ?」
「分かったですー!」
 ポポは素直でいいなあ。前方を肩を怒らせて歩いている香草さんに見習わせたいよ。
 と、思っていたら、早速ポポが大声を出した。

118 :ぽけもん 黒 ロケット団復活 ◆wzYAo8XQT. :2008/05/01(木) 23:50:34 ID:i6U3Ixs2
「ポケモンいたですー!」
「どの辺ー?」
「あっちのほうにいるですー!」
 あっちかよ!
 思わぬ不意打ちに僕と香草さんはこけそうになる。
 そういえば、野生で暮らしていれば方角を指す言葉なんて知っているわけが無いな。
「ポポー、一度下りてきてー」
 教えないといけないな、と思ってポポを下ろした。
「どうしたです?」
「あっちってその方向さ?」
「あっちですー」
 ポポはビシッと翼を二時の方向に向けた。
「『蔓の鞭』」
 香草さんがその方向に二本の蔓の鞭を伸ばせば、何かにぶつかった音と短い悲鳴が同時に聞こえ、その後草むらを僕達から遠ざかるように走り去る音が聞こえた。
 やっぱり思った通りだ。草むらにおいて二人は相性がいい。……ポポの問題さえ解消できれば。
「よしポポ、勉強の時間だ」
「勉強? それ食べ――」
「食べられないよー。勉強ってのは、頑張って頭をよくしようってことだよー」
「勉強したらいいことあるです?」
「食べ物たくさん食べられるようになるよー」
「やるですー!」
 ポポの扱い方がちょっと分かってきたかもしらない。
「何『ちょろいな!』みたいな顔してんのよ、気持ち悪い」
 な、中々厳しいな……。
「やっぱり役立たずじゃない。だから私はあんなのとは」
「はいはいはいはい」
 ここで全自動愚痴聞きマシーンになってもよかったが、時間が勿体ないから悪いとは思いつつ流す。
 ああ、間違いなく彼女は怒るんだろうなあ……。
 予想通り、彼女は大声でわめき散らしている。でも暴れたりしないからまだマシか。
「いいかポポ、正面が十二時、背後を六時とする。で、こっちの翼のほうを三時、こっちの翼のほうを九時だ。覚えた?」
「覚えたですー」
「よし、じゃあ次はそれぞれの間を三つに分けるんだ。十二時と三時の間に一時と二時、三時と六時の間に四時と五時、六時と九時の間に七時と八時、九時と十二時との間に十時と十一時。分かった?」
「よ、よくわかんなくなったです……」
「あはは、一気にやりすぎたか。まあ三時六時九時十二時さえちゃんと覚えてくれれば、後は適当でいいから。じゃ、出発しようか」
 ポポは再び飛び上がり、香草さんは僕が走ってなんとか追いつけるような速度で進みだした。
 ポポは混乱していたみたいだったが、実際は割とよく理解できていたみたいだ。
 ここからは本当に順調だった。ポポが指示した先に香草さんが蔓の鞭を伸ばし追い払う。ほとんど歩を止めることすらなく、昼までにかなりの距離を進んだ。
 僕にもっと体力があればもっと進めただろう。
 もっとも、人間離れした体力があれば、だが。
「ぜはーぜはー」
「情けないわね」
 肩で息をしている僕に、香草さんは理不尽な言葉を浴びせてくる。
「は、早いよ、進むの」
「普通よ、このくらい」
 大部分の人間にとっては普通じゃないんだ。
 昼食のために止まったが、もう動き出せそうに無い。
「木の実とってきたですー」
「お、ポポ、おかえりー」
 ポポが木の実を摘んで戻ってきた。
「何か水がある場所あった?」
「なかったです……」
 うーん、木の実のおかげでかなりの節水になってるから、吉野町まで水分補給できる場所がなくても大丈夫といったら大丈夫なんだけど、それでも不安だなあ。
「まあいいや、じゃあお昼にしようか」
「はいですー!」
 こうして僕とポポは木の実を食べだした。
 今度の木の実はやけに冷たい。先ほどまで火照っていた体が、今はもう寒気すら感じる。
 僕とポポは普通に談笑しながら木の実を食べていたが、香草さんは僕らから距離をとって、会話に加わろうとするどころか近づこうとすらしない。

119 :ぽけもん 黒 ロケット団復活 ◆wzYAo8XQT. :2008/05/01(木) 23:51:43 ID:i6U3Ixs2
 うーん、中々難しいなー。
 元々他の種のポケモン嫌いに加えて、天敵の鳥ポケモンだから、ポポと仲良くするのは相当難しいだろう。
 でも、僕はどうせならやっぱり皆仲良く旅をしたい。
 その旅がたとえ途中までの短いものであったとしても、だ。
「もう行くわよ」
 僕が木の実を食べ終わったころ、見計らったように香草さんが声をかけてきた。
 僕はこんな短い休憩では満足に疲労がとれるわけもなく、本音を言えば一歩も動きたくなかったが、早く体を温めないと明らかにやばい気もする。
「ポポ、もう大丈夫? 多分また休憩無しで日が暮れるころまで飛びっぱなしになると思うんだけど」
「大丈夫です……。それより寒いから早く動きたいです……」
 ポポが食べた実も、僕が食べた実と同じ実だったみたいだ。香草さんだけが、僕らの様子を見てキョトンとしている。
 彼女のそんな顔が可笑しくて、にやけそうになるのをなんとかこらえる。
 もうこれ以上怪我を増やしたくないし。

 ポポが空高く舞い上がったのを確認すると、僕達は再び歩き出した。
 時たまポポが野生のポケモンの存在を伝え、遭遇する前に香草さんがそれを迎撃するだけで、他のトレーナーや人に会うことも無い。
 速度的には僕達はかなりハイペースだし、最後尾からのスタートなんだろうから、出会ってもおかしくはないと思うんだけどな。
 そんなことを考えていたとき、ポケットに入っていたポケギアが突然激しく振動した。
 ポケギアの画面を見れば、宇津木博士からメールが来ていた。
 香草さんとポポに止まってもらって、そのメールを確認した僕は、我が目を疑わずにはいられなかった。
「そ、そんなことって……」
「どうしたのよ?」
 香草さんは怪訝な顔をしながら僕のところまで歩いてきた。そして僕のポケギアの画面を見て、僕と同じような強張った表情を浮かべた。
「ロケット団復活ですって!?」
「し、信じられない……」
「どうしたですー?」
 僕らの様子が気になったのだろう、ポポも地上に降りてきた。
「ポポ、字読める?」
「読めないですー」
 ポポは元気に右の翼を掲げながら言った。
「だよねえ……。ロケット団って知ってる?」
「知らないですー」
 ポポはさらに元気に右の翼を掲げながら言った。
「だよねえ……。ロケット団っていうのは、とっても悪い人たちの集団のことだよ。ポケモンを正式な契約無しに捕獲して売りさばいたり、自身の技を使って犯罪行為をしたり……三年前に壊滅させられて解散したって聞いたんだけど……」
「それで、そのろけっとだんってのがどうかしたです?」
「復活したんだよ……それで、宇津木博士から、『この辺での目撃情報はまだ無いけど、一応念のため、今は使われていない旧街道を使うように』って。その街道は通行には不便なんだけど、見通しがいいから、多分警察の人たちが何人か派遣されてるんだろうね」
「で、どうするのよ」
 香草さんがズイッと僕の視界の前に来た。
「どうするもこうするも……旧街道のほうに――」
「何ふぬけたこと言ってんのよ! 他のパーティーがちんたらしてる隙にリードするチャンスじゃない!」
 僕の言葉を最後まで待ってもくれない。
「で、でも、もしロケット団と会ったりしたら――」
「所詮チンピラの集まりじゃない! それに、三年前壊滅させたのだって、私達と同い年くらいのパーティーだったらしいじゃない! なら大丈夫よ!」
 僕の言葉にかぶせるように彼女は自信満々に言った。一方の僕は、彼女が自信を持てば持つほど、自信が無くなっていく。
「そ、そんなのただの噂話じゃないか……」
「昨日も言ったでしょ? 私は、誰にだって負けないんだから」
 その赤い双眸には、強い光が宿っていた。
 はあ……と僕は軽くため息を吐いた。彼女にはかなわないな。
「分かったよ。でも、一つだけ約束して。戦闘中……もし戦闘になったらだけど、ちゃんと僕の指示を聞いてよ。昨日みたいに暴走するのは無しだからね」
「う……そんなの、分かってるわよ!」
 彼女の頬がぽうっと赤く色付く。一応昨日のことは恥ずかしく思っているんだな。
「たとえ逃げる、っていう指示でも、だよ」

120 :ぽけもん 黒 ロケット団復活 ◆wzYAo8XQT. :2008/05/01(木) 23:52:17 ID:i6U3Ixs2
「うう……分かったわよ!」
 彼女はかなり癪なようだ。声がほとんど怒り声になっている。まあ彼女のプライドから考えたら逃げるなんて絶対に嫌なんだろうなあ。
 でも、古くの言葉にすら、三十六計逃げるにしかず、なんていうものもあるくらいだ。逃げることの有効性は確かなものなのに。
「じゃあ、逃げるときの合図を決めとくよ。僕がリュックに手を入れたら即座に戦闘を中止して、僕の後を追って一目散に逃げてね」
 僕はそう言って、リュックから手のひらサイズの筒を取り出した。
「にゃんにゃかにゃんにゃんにゃーん。シルフカンパニー製、怪しい光曳光弾ー」
 僕はそれを頭上に掲げながら、だみ声を作って言った。少しでも場を和ませようと思ってだ。
「……ナニソレ?」
 しかし、僕の期待を見事に裏切って、彼女はポカーンとしている。
「怪しい光と同じ効果がある曳光弾。だから絶対に光を見ないでね」
「いや、そうじゃなくて、その前の」
「アレ? 知らない? そういう感じのシーンのある有名なアニメあったじゃない?」
「……知らない」
 うっわー、完全に滑ったな、こりゃ。
「ま、まあいいや、そういうことだから」
 僕は無理やり話を終わらせると、逃げるように歩き出した。
 ものの三十分で後悔した。
 僕の足とスタミナはあっさりと限界を突破した。
 というわけで、今僕は香草さんに蔓の鞭でずるずると引きずられている。
 もうだめだ、休憩しようと言ったら、アンタなんかに付き合ってらんない、と香草さんが蔓の鞭で僕を縛り上げ、そのまま引きずって歩き出したからだ。
 草がうっそうと生い茂っているお陰で痛くは無いが、ズボンとリュックは黄緑色に染まっていることだろう。
 僕を引きずったまま香草さんは無言で日没間際まで歩き続けた。
 日没間際なので、当然夜目の利かないポポは木の実を探すこともできなかった。

「……なにこれ」
 僕が差し出したものを見て、香草さんは不服そうな顔をしている。
「何って、乾パンと水だよ」
「見れば分かるわよ、そんなの。……それよりもどうしてこんなものしかないのって聞きたいの」
「しょうがないだろ。香草さんが日が暮れるまで止まってくれないからポポは木の実を探しにいけなかったし、火を使ったら野性動物やポケモンは逃げても、ロケット団は逆に寄ってくるだろうし」
「……」
 文句を言いつつも、香草さんはきっちり完食していた。
 そして今日も昨日のようにメタモンガムを噛み、就寝の準備をする。
 ちなみにポポが、「ポポもそれ食べたいですー」と言ってきたので、一応の効能を説明してガムをあげたら、噛むのもそこそこに飲み込んだ。大丈夫だよな? 人体に対しては無害なはずだよな?
 ガムの効能を説明している間も、飲み込んだことを叱っている間も――ポポは「おいしくないです……」とか言っていてまともに聞いてなさそうだったが――、
香草さんはずっと不機嫌で――と言っても昼間のような過激な不機嫌さではない。空気を澱めるような、ダウナーな不機嫌さだ――、僕達のそばに寄ろうともしかなかった。
 はあ……と軽くため息を吐いた。
 ポポは僕のため息の意味が理解できないのか、ぼおっと僕を見ている。
「香草さん」
 僕は藪の中で横になっている香草さんに声をかける。
「……」
 返事がない。もう寝てしまったのだろうか。……いや、この空間を伝わってくる不機嫌オーラで分かる。彼女はまだ起きている。
「……何?」
「今晩は火を焚かないじゃない? だから用心のために固まって寝たほうがいいと思うんだけど……」
「絶対イヤ」
 即答だ。予想通りだけどさ。
 僕はその後、一言も言葉を発しなかった。
 ポポは当然すぐに寝てしまったし、そして……。
「……香草さーん」
 小声で呼びかける。しかし返ってくるのは規則正しい寝息の音だけ。
 よし、もう寝たみたいだな。
 僕は香草さんの……というか大部分の草ポケモンの性質上、夜に弱いということが分かっていた。だから僕がちょっと待っていれば香草さんはすぐ眠ってしまうわけで……。
 僕は寝ているポポを抱きかかえ、同じく寝ている香草さんのすぐそばまで移動した。

121 :ぽけもん 黒 ロケット団復活 ◆wzYAo8XQT. :2008/05/01(木) 23:53:07 ID:i6U3Ixs2
 月の光に照らされた香草さんの寝顔はとても美しく、どこか幻想的な雰囲気すら纏っている。
 こうして見つめている分にはいいんだけどなあ……。
 はあ……、とまた一つため息を吐くと、僕も眠った。

「起きるですー」
 頭とペシペシと叩かれる感覚。どこか舌足らずな声。
 それらで僕は目を覚ました。
 ポポの幼い顔が僕を覗き込んでくる。
「おはよう。香草さんは?」
「離れて木の実食べてるです」
 ポポの指すほうを見れば、こちらを見ながら無表情で木の実を食べている香草さんがいた。
「そうか……。ポポはさ、香草さんの態度、気にならない?」
「気になるって何がです?」
「いや、かなり距離とってるだろ?」
「草ポケモンは皆近づいてくれないです」
 ああ、そういえばそうだ。ポポにしてみたら、香草さんの態度は当然のものなのか。うーん、色々考えさせられるなあ。人間とポケモンの共存はもちろん、ポケモンごとの共存も難しい問題なんだな。
 そんなことについて考えながら食事を終え、再び吉野町に向かって歩き出した。
 やはり行進は順調そのもので、まともに遭遇したポケモンは一人もいない。
 相変わらず空気は最悪だったが。
 今日は僕は昨日の疲れもあり、午前中から引きずられることになってしまった。
 やはりほとんど会話もないまま昼食を取り、ほとんど休まずに歩き続けた。僕は歩いてないけど。

 そうして、日が傾き始め、そろそろ吉野町に着くかな、と思ったころ。
 僕達の上を飛んでいたポポが、大きな声を出した。ポケモンを見つけたときより焦っているように見える。
「十二時の方向に、全身真っ黒の怪しい人たちが三人いるです!」
 僕は慌てて蔦をほどき、体勢を立て直した。
「服に赤い字で何かかかれてない?」
「書かれてるです!」
 やっぱり! ほぼ間違いなくロケット団だ! まさか町の入り口近くで張っていたのか!?
 どうしようかと考えていると、向こうにも目の効く者がいるのか、こちらに気づいたらしい。高らかな笑い声が聞こえてくる。
「ハーッハッハ!」
「我々はロケット団だ! ガキ共、おとなしく――」
 ロケット団の演説は途中で中断した――いや、させられた。
 草むらの間を縫う、低い蔓の鞭が三人の足を絡め取り、逆さ吊りにしたのだ。
 彼らの着ている服は、やはりロケット団のものだった。
 ロケット団は人間の男が一人にポケモンが男女二人か。多分、どっちもコラッタかな?
「コ、コラ、人の話は最後まで聞けと――」
 男が何か喚いたが、香草さんはそれをまったく意に介さず、左の林に向かって高く放り投げた。
 罵声、絶叫、悲鳴。その三つの声が順番に発せられた。
 その声もかなりの距離飛び、林に突っ込むころには聞こえなくなった。
 唖然とする僕とポポ。
「なんだ、やっぱり大したことないじゃない」
 平然としている香草さん。
「香草さん! いくらなんでも死んじゃうよ!」
「別に死んでもいいじゃない。どうせゴミよ。それに、多分生きてるわよ。ちゃんと加減したから」
 あ、あれで加減したって言えるのか?」
「で、でも警察にちゃんと突き出さないと――」
「警察に一体なんて言うのよ? そんなことしたら私達が迂回しなかったことがばれちゃうじゃない」
 そ、それはそうだけど……。
 僕は何も反論できなかった。
 香草さんはしばらく僕を見ていたが、話は終わり、と言うようにプイッと向き直り、そのまま無言で進み始めた。
 僕は僕で、かけるべき言葉が見当たらず、一瞬の逡巡の後、彼女を追って歩き出した。
 ポポも困惑しているようだが、僕達に続く。
 そうして、それからすぐ僕達は町に着いた。

122 : ◆wzYAo8XQT. :2008/05/01(木) 23:54:29 ID:i6U3Ixs2
と、いうわけで投下終了です
話は全然進んでいませんが

123 :名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 01:09:06 ID:DnlCmsuZ
>>122
非常にGJ!
香草さんはツン→ンデ→ヤンとみた!
蔓の鞭って拘束に便利ですよね

124 :名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 09:39:21 ID:yX3Vqd3Z
>>122
ずっと待ってたよ、gj!

香草さんかわええw

125 :名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 11:44:25 ID:YUUYxXst
ぽけもん 黒キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

126 :名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 22:41:53 ID:PMsXYit9
ロケット団がちょい役すぎるな。たった数行じゃないか。

127 : ◆wzYAo8XQT. :2008/05/03(土) 08:57:53 ID:yChHOa4d
ロケット団の宿命ですw

128 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 10:02:02 ID:xYjM7rLE
ヤンデレな幽霊のSSはありませんか

129 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 11:00:39 ID:aPnxtwm4
「今日はすごい雨だなぁ…」と思ってたら、ふとこんな事考えた。雨の中、ヤンデレに言われたいセリフはなんだろう

130 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 11:46:42 ID:fRKPB0kl
雨に濡れながら主人公を待ってるっていうのは定番だけに人気もあるのでは

131 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 12:21:01 ID:CyM/iuM7
主人公に頼まれて一緒に空手の練習をしていたヒロイン。
ある日、主人公が乗っていたバスが高速道路で大規模な事故に巻き込まれる。
ヒロインは初めのうちこそ楽観していたが、次々と舞い込んでくる絶望的な知らせに精神を疲弊させられていく。
日付や時間の感覚をなくしたヒロインは、主人公と二人きりで練習していた場所で待ち続ける。
周囲が闇に染まっても、どしゃぶりの中でも、毎日毎日、ずっとずっと……

みたいな妄想が浮かんだ。

132 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 14:53:39 ID:yxzQn2KP
>>131 それヤンデレかな?

133 :触れられない優しさ:2008/05/03(土) 15:32:59 ID:ZfWXD8eZ
書いてみました
投下してみます


>>128
書いてみた

――か、体が動かない。どうやら金縛りにあったらしい。また、か……
「こんばんはぁ、健ちゃん」
僕の脳の中で甘ったるい女性の声が反響する。その声の主は、僕が愛した女性の声だ。名前を由梨という、二年前に事故死した彼女の。
「ふふ、また来ちゃった」
目を開けると、向日葵のように微笑む、生前のままの由梨の姿があった。透き通るような長い黒髪も、陶器のような白い肌も、睫の長いぱっちりとしたかわいらしい瞳も……
「健ちゃぁん……さっき、どこ行ってたの?」
そして異常なまでの僕への独占欲も。全て生前のままの彼女だった。

134 :触れられない優しさ:2008/05/03(土) 15:33:54 ID:ZfWXD8eZ
「い、いや……別に」
声が出せないので心の中で呟く。幽霊ってのは心の中まで覗けるのか、声が出せなくても会話はできた。
「別にって……私に言えないことなの……?」
悲しみとも怒りともつかない声が脳内に響く。聴覚を介せず、直接脳に語りかけてくる声からは逃れられない。
「私には分かるよ。健ちゃん、女の家にいってきたんでしょ?」
そう、確かに僕は今晩女の子の家に行ってきた。でも、別にやましいことをしてきたわけじゃない。言い訳はできないのは分かっているが、説明したところで、彼女が理解してくれるか怪しかった。
「健ちゃん……私のこと嫌いになったの?忘れちゃったの?」
由梨が僕の頬に手を伸ばす。だが、彼女の半透明の手は僕の体をすり抜ける。幽霊である彼女は、生きている僕の体に触れることはできないのだ。それでも彼女は幾度となく触れようとした。そしてその度にうなだれた。
「嫌いにもなってないし忘れてもないけど……ごめん」

「……なんで謝るの?」由梨は無表情で僕を見下ろしていた。見る者すべてを凍り付かせるような目で。それは、僕が由梨以外の女の子と話したりご飯を食べたりしたときの表情。
そしてなまじ美しいだけに、恐ろしかった。

135 :触れられない優しさ:2008/05/03(土) 15:34:24 ID:ZfWXD8eZ
投下終わります

136 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 15:57:57 ID:xYjM7rLE
>>135
GJ!!
まさか書いてくれるとは思わなかったよ!!
ありがとう!

137 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 16:03:55 ID:ZfWXD8eZ
>>136
いや、なんか恩きせがましいこといってすいませんでした
要は閃いたといいたかったんです

あとsage忘れすみませんでした…

138 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 16:23:46 ID:Fj87ocXr
>>137
素晴らしい、もっとくれ!

139 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 19:06:38 ID:iGVVwY+0
>>112
微妙に遅レスですが、やみなべ祀一般参加で行ってきました。

やみなべ祀としての規模自体は前回とあまり変わっていないという印象でした。
ただ、他のイベントと合同&雨でしたので会場に入る時が多少混雑していたかな?

前回盛り上がった落書きスペースのヤンデレしりとりは健在で、前回は最後の文字
が1番目の文字に繋がるように終了しましたが、今回は中央部分に書かれていた
"中に誰もいませんよ"に繋がった後、最後は"よろしく誠君"でめでたく終了。
と思ったらなんとヤンデレしりとりIFバージョンとして第2弾が開始。
こちらの方も最後が"ん"になる言葉で終了。
またこれも前回あったナイスボートでの外周埋めですが、今回はあまり埋まらず
途中から前回参加した方がネタを交えて1人でナイスボートを埋めて
こちらも終了。
そして終了間際、女性スタッフの方が来てヤンデレしりとりの内容を途中まで音読
してくれるというサプライズがありました。
アフターイベントは前回同様ヤンデレカルタ大会でした(自分は不参加)。
なお、次回開催は11/3、川崎で開催を予定しているみたいです。

ヤンデレのマグカップ(ヤンデレカルタ大会参加者に抽選でプレゼントされた)欲しかったな・・・。

140 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 19:45:31 ID:yxzQn2KP
川崎だと……!?地元だ……。

141 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 20:25:10 ID:xTbUXORb
地球なんて言うからには、この惑星は球体なわけで。今僕を苦しめるこの暑さを知らずにいる人々がたくさん居る。
それはひどく不公平だと思う。
完全に自分勝手な考えではあるけども、訂正するつもりはないし、異論も認めない。
暑苦しいのは気候だけで十分だ。
夕方の空が藍色に染まっていくのを縁側で眺めながら、僕は夕涼みをしていた。
 涼は景観から、と取り付けた風鈴は少しも揺れていない。
 ふと聞こえた吐息に僕はため息を吐いた。続いて振り向く。
背後には一式の敷き布団とそこに横たわる少女。
艶やかな黒髪が汗ばんだ肌に纏わりついて、ほんのり朱に染めた頬と喘ぐような吐息。乱れた浴衣姿と寝具は情事の余韻のようでもあるが、実際はそんなに色っぽいものでもない。
彼女は僕が奉公している屋敷の娘さんで、時代が時代なれば『お嬢さま』と『下男』なわけだ。そんな僕らが関係を持つなど有り得ないし、あってはならない。

142 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 20:26:26 ID:xTbUXORb
では、一体何なのだ。
その答えはとても込み入ったものではあるが、端的に言うなれば僕の『仕事』なのかもしれない。
僕は縁側から這うように彼女の下へ向かった。
僕の接近に築いた彼女は、探るようにその手を辺りに漂わせた。彼女の腕は周囲のものを気にせず漂い、枕元の水差しにぶつかってしまう。けれども水差しは倒れない。間一髪伸ばした僕の腕が受け止めていた。
ふと下を見遣れば僕の胸の中に彼女が居た。
艶やかな黒髪と同色の目隠しと猿轡。それらがよく映える白磁の肌。
純粋に、極々純粋に、綺麗だと思った。
僕は慣れた手つきで目隠しを取る。それを巻いたのは僕なのだから外す手つきが慣れているのは当たり前だ。
目隠しの下、血の色の瞳が真っ直ぐに僕を見つめていた。
途端に痛みを覚え、声を洩らす。痛みを感じた右腕は彼女のそれに力強く握られていた。彼女の白磁には幾許の青筋が走り、長い爪が僕の肌に食い込んでいる。
僕は視線で彼女に拘束を解くよう促す。しかし、彼女は首を横に振る。

143 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 20:28:38 ID:xTbUXORb
仕方無く僕は左手だけで猿轡を解いた。手元が覚束ないのでひどく手間取る。
自由を得た彼女の唇はまさしく水を得た魚のように言葉を紡いだ。
「愛しています」
僕は気にしない。
彼女は言葉を紡ぐ。次々に、次々に。
愛しています。
愛しています。
愛しています。
愛しています。
愛しています。
「うるさい」
僕が制止の言葉をかけると彼女は微笑んだ。
「やっと聞いてくれた」
彼女の笑みがあまりにも可憐で見取れてしまった。
それがいけなかった。
しまった。と考えた頃には既に彼女の左腕が僕の首に伸びていた。
柔い細腕のどこにこんな力があるのかと思うほどに強く、万力のように締め付けられる。
意識を失いそうになる。
しかし、すんでのところで僕の意識は『仕事』を果たす目的に踏みとどまった。
「ごめん」
水差しを強かに打ちつけた。

144 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 20:30:55 ID:xTbUXORb




夕焼けはとっくに終わっていて、風鈴を月明かりが照らしていた。
僕の傍らで安らかな寝息をあげる彼女の黒髪を梳く。愛しさとかが胸の内に湧き上がるものの、首筋に残る赤い手形に寒気を感じてしまう。
でもこれが僕の『仕事』。
元来彼女の家の家系は狂気に囚われやすいらしく、更に女性はそれが顕著に現れる。彼女も例に洩れず、狂気と正気の狭間で揺れている。
僕らの家系に代々与えられる仕事はその狂気を受け止めること。
彼女たちが狂気に堕ちてしまわぬように、よき伴侶を得るその日まで。

145 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 20:31:20 ID:xTbUXORb
つまるところ、僕が感じるこの思いは作り物なわけで、僕は彼女にとっての繋ぎでしかない。
彼女が僕を愛していることすら、その場しのぎでしかないかもしれない。

故に望む。
彼女がいつの日か本当に愛しい人と結ばれるなら、それが本当に幸せであるように。
僕がその時には死んでいるようにと。


それまで僕は死ねない。


彼女が呟く。
「愛しています」
それはきっとただの音の羅列に過ぎず、意味なんて無い、見出しちゃいけない。
「僕もだよ」
言ってから気付いた。この想いはきっと報われない。
僕は少しだけ涙した。
月は霞んで消えてしまい、僕と重なった。

146 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 20:33:24 ID:xTbUXORb
誰もいない!
(゜Д゜≡゜Д゜)
投下するなら今だ!

ってノリでやった
反省はしない
後悔はしている

147 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 20:51:52 ID:6Yz5zL3h
>>146
しかしいるぜ。
なんだか情景がきれいな感じだ、GJ

148 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 21:17:03 ID:bV45Habb
 短編投下します
 例によって書きながらなのでちょっと時間かかるかもしれません
 のんびり見ていただければ幸い

149 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 21:19:14 ID:xYjM7rLE
>>148
全裸でお待ちしております

150 :はやくおおきくなあれ ◆msUmpMmFSs :2008/05/03(土) 21:26:22 ID:bV45Habb
 ぴちゃりと――
 小さな水音がするのは、彼女の行儀が悪いからだ。誰も食べ方など教えなかったし、教えたところで
彼女は覚えようとしないだろうし――覚えなかったとしても、誰もこまりはしなかったから。地下室に
いるのは彼女と私だけで、それ以外に人の目はなく、誰にはばかることもなかった。
 思う存分に、
 思うがままに、
 彼女は食事を楽しんでいる。

「――――――」

 私はそれを見ている。美味しいかい、とも、慌てなくてもいいよ、とすらいわない。
 ただ、見ている。
 見ているだけだ。決して手は出さない。地下室に存在するモノは椅子が一つきりで、その椅子を私は専有して
いる。自然、彼女は剥き出しになったコンクリートの上に座ることになるが、それを苦と思う様子はない。
 そもそも――
 彼女が何かを思うのか、私はよくわからなかった。ものを食べているとき、嬉しそうにしているから、感情は
あるのだろうが――それが本当に『嬉しい』という感情なのかも、私にはわからない。
 誰も彼女に教えなかったから。
 生まれたばかりの赤子、どころではない。生まれるまえの胎児にすら等しいのだ。

「――――――」

 私は無言のままに部屋の中を一瞥する。部屋、というのもおこがましい。箱、と呼称するのが
正しいであろう空間。地下の深く深く深く深くに封じられた地下室。壁を突き破ったところで、
その先にはどこまでも続く土の重圧があるだけだ。外へと繋がる戸と、換気のための目に見えな
穴。外部と繋がるのはそれくらいのものだ。
 外部。
 その言葉にどれほどの意味があるのだろう? 彼女は、外を認識していない。彼女にとって、外
など存在しないのではないか。私はただ、『どこからともなく現れて食べ物をくれる人』としか思
われていないのではないか。
 そう、思った。

「――――――」

 視線を部屋から中央に座る少女へと移す。水溜まりのなかに膝を曲げて座りこみ、口も身体
も汚しながら一心不乱に食事を続ける少女。小さな少女だ。抱きあげれば壊れてしまいそうな、
生きるために必要最低限な筋肉すらない壊れかけの少女。かつては白かったウェディングドレ
スは、今では真っ黒に染まっている。
 ただの黒ではない。汚れて、澱んだ、黒ずんだ色。かつては紅かったものが、時間とともに
黒くなって――ウェディングドレスは、黒と白に染まっている。
 水溜り。
 色は紅で、存在は血だ。食べ物から滴り落ちる血を浴びて、食べながら、少女は笑っている。
 微笑んでいる。
 嬉しそうに。
 幸せそうに。
 自身と同じ体構造のモノを食べながら――微笑んでいる。

151 :はやくおおきくなあれ ◆msUmpMmFSs :2008/05/03(土) 21:34:40 ID:bV45Habb

 ぴちゃり、
 ぴちゃりと――だらしなく食べるたびに、口から毀れた血と肉が血だまりの中で跳びはね、彼女の
ウェディングドレスを染めていく。自身が食べた記録を積み重ねるように。
 私は、
 私はそれを見ている。何も知らない少女の、何も知らずに食人行為を重ねる少女を、ただ見ている。
 見つめて、
 観察し、
 待ち、
 焦がれている。

「――――――――」

 そんな私の視線に気づく様子はない。彼女は微笑んでいるが、その頬笑みは私へと向けられた
ものではない。誰にも向けられることのない、ただの純粋な感情の発露。だからこそ――それを
私は尊いと思うし、見つめているのだ。
 微笑んでいる。
 自分の肩から生えた腕と、食べているものが同じカタチであることにも疑問を思わず。皮をち
ぎり指を食み腕を噛む。切りとられたそれを、嬉しそうに食べている。
 彼女は、
 純粋だった。
 何も余計なものを与えられていない、余分なものを与えられていない、人間として究極すぎるほど
に先鋭化された存在。道具を遣うこともできず、言葉を話すこともできず、そんな存在さえ知らない。
与えられたものを甘受し、ただただ満たされて育ってゆく。
 そこに不幸はない――幸福はないから。
 そこに絶望はない――希望はないから。
 地下の深くの、閉ざされた世界。
 まるで楽園だ。神の作りあげた世界のようだ。けれどここには禁断の木の実もなければ
蛇もいない。楽園はいつまでも閉ざされていて、外に出ることはない。少女は知恵をつけ
ることもなく、永遠は永遠として続いている。
 それを、
 私は、

「――――――――」

 少女が腕を食べ終わる。切断面から洩れた血が地面に水たまりを作り、その上にはこぼした
肉片がいくつも浮かんでいる。もったいないと、純粋にそう考えたのだろう。少女は尻を突き
あげるようにして四つん這いになり、ぴちゃぴちゃと、血だまりを舐めはじめる。
 手でかきよせるようにして肉をあつめ、舌ですくうように食べる。真っ赤な唇。真っ赤な舌。
紅く紅く、血よりも紅い彼女の臓器は、何よりもの生きている証左だ。
 ぴちゃぴちゃと、
 ぴちゃぴちゃと――血を舐める音だけが、静かな箱に響き渡る。
 


152 :はやくおおきくなあれ ◆msUmpMmFSs :2008/05/03(土) 21:42:57 ID:bV45Habb

 美味しいとも、
 不味いとも、
 彼女は言わない。言うことができない。その口はただ、肉を食むためだけにある。その体
は育つためにある。
 足りない。
 まだ、足りない。
 何が?
 時間が。
 あるいは、全てが。
 足りていない。

「――――――」

 だから私は見る。ただ、見つめている。閉ざされた世界での少女の成長を。姿を。
四つん這いになり血を舐めるその姿を。猫のようだ。失われた動物のように、彼女は
音を立てて血を舐める。跳ねた血が、文様のように彼女の肌に痕をつける。生まれて
から一度として陽の光を浴びたことのない肌は白く、一度として切ったことのない髪
もまた白い。すべては白かった。それが少しずつ、血と時間で紅く黒く染まっている。
 育っていく。
 汚れて、穢れて。
 彼女は、育ってゆく。

「――――――――」

 私は何も言わなかった。彼女が満足がいくまで舐め終わるのを待ち、更には満足げに眠る
まで動きすらしなかった。椅子に座り、彼女の生態を観察する。彼女にとっては――私は此処
にある椅子と同じようなモノに過ぎない。視線をやることもなく、丸くなって眠りについた。
 いつものように。
 そして私はいつものように椅子を立ち、眠る彼女の元に歩み寄る。濡れたタオルで彼女の汚
れた肌と、血の跡がつく髪を丁寧にぬぐい取る。時間をかけて、優しく。起こさないように、
傷をつけることのないように。最後に彼女の下着を脱がせ、確認し、新しいのを履かせて傍を
離れる。
 寝た子を起こす趣味はなく、
 私は何の声をかけることもなく、閉ざされた箱を後にした。

 ……ぱたん。
 

153 :はやくおおきくなあれ ◆msUmpMmFSs :2008/05/03(土) 21:48:30 ID:bV45Habb

 ――箱。

 それは彼女の部屋だけではなく、この場所全てがそうだと言えるのだろう。
 箱。
 閉ざされて、開かれることのない箱。
 そもそもが蓋の存在しない箱。蓋の開け方は失われてしまった。強引に外に出たところ
でそこは土の壁があるだけであり――数百メートルと続く壁を越えて『上』へと出たとこ
ろで、そこはもはや人の住む世界ではないのだろう。
 かつてから変わっていなければ、だが。
 だがもはや確かめる方法はない。『上』で変化が起き、誰かが来てくれるのならばわか
るかもしれないが――それはただの夢物語である。
 世界は閉ざされている。
 箱は閉じ切っている。
 ずっと昔から、そうであったように。
 ――だからここは楽園だ。楽園の内側だけで循環する、外側を必要としない閉じた
世界。
 彼女と、
 私と、
 二人しかいない――楽園。さながらアダムとイブのように。

「……いや、」

 久しぶりに声を出して否定する。彼女のいる部屋にいる間は、声を出すことができない
から。自分の声を聞くのは自分だけだ。
 いや、と否定する。
 さながら、ではない。
 ある意味では――本質的には。
 そのものだ、と自嘲するように呟いた。

「……構わない」

 そう、
 構わないとも。
 世界にいるのは私と彼女だけであり、それだけで世界は成り立っている。楽園は閉ざされている。
彼女は禁断の果実を食べることなく、幸せを甘受して生きている。だからこれは私だけの苦しみだ。
一足先に禁断の木の実を食べてしまった、彼女よりに先に食べてしまったという、それだけのことなのだ。
 構わない。
 今更――悔やむはずもない。
 世界には私と彼女しかおらず、
 私は彼女を――愛しているのだから。
 そうだ。
 そのはずだ。

 世界はそうやって成り立っている。



154 :はやくおおきくなあれ ◆msUmpMmFSs :2008/05/03(土) 21:54:36 ID:bV45Habb

 かぶりをふり、私は余計な思考を振り払う。悪い癖だ。どうしても考えてしまう。彼女が
成長すれば成長するほどに、考えてしまうのだ。
 思考は余計だ。
 思索は無意味だ。
 後悔も躊躇も必要がない。
 世界はこうなっているのだと、受け入れるしかない。
 狂ってはいない。
 初めからこうだっただけだ。
 私たちはこうあることしかできず、
 それならばきっと――外のほうが狂っているに違いない。禁断の木の実を食べ、楽園を捨て、
自ら滅びるほどに発展し繁栄した外のほうが。
 それでも――

「神様を――恨まずにはいられない」

 アダムのように、私は呟く。
 イヴのように、私は呟く。
 私たちがアダムとイヴならば、それを作った神がいる。
 比ゆではなく。
 確かに――いるのだ。ただ神と名づけることしかできないだけで、それは私たちと同じような
モノなのだろうけれど。この地下室を造ったものは、確かに存在する。
 彼は、
 彼女は、
 何を考えて――こんなものを作ったのか。
 希望をこめてか。あるいは絶望とともにか。不幸のどん底からのがれるようにか、希望を求めるためにか。
 それとも。
 私は思う。それを作ったのも、あるいは私なのではないかと――思わずにはいられない。
 だとすれば、自業自得としかいいようがなく、

「――――――ははは」

 いつものように私は笑った。
 何度目か数えきれない思考は途絶えることなく、私は笑う。
 閉ざされた箱の中で、笑い声は反響し、消えることはない。

155 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 22:03:04 ID:T4P/z52t
書き上げてから投下しろ

156 :はやくおおきくなあれ ◆msUmpMmFSs :2008/05/03(土) 22:05:57 ID:bV45Habb
 いつも通りはいつまでも続く。次の日も私はいつものように食べ物を持って彼女の部屋を訪れ、
いつものように彼女はそれを食べた。その日は左足で、彼女はそれを抱きかかえるようにして食べていた。
 血だまりの中で。
 食べにくいのか、貪るたびに彼女の体が揺れ、必至で挑むように食べている。
 ゆらゆらと、
 白い髪が、
 白い身体が、
 黒い婚姻服が揺れる。
 ゆらゆらと、揺れている。
 振り子のように揺れる姿を、私は椅子に座ったまま見つめている。手をのばしても届かない距離だ。
彼女から手を伸ばしたことは一度としてなく、私から手を伸ばしたこともまた、ない。
 まるで箱だ。
 お互いが箱に詰められていて、外側を知り得ることはないのだ。彼女にとって、私など、食べているソレ
と大差はない。
 私にとって――
 私にとって、
 彼女はどうなのだろうと、考えた。

「――――――」

 考えるだけだ。決して答えは出さない。出す必要もない。
 初めから出ているのだから。
 言葉にする必要など――どこにもなかった。
 いつものように彼女は食事を終え、いつものように寝転がる。今日は珍しく食べる量が少なく、
床に散乱する肉と血だまりはそのままだった。身体が倒れたときに、ばしゃりと大きな音と
ともに血だまりが跳ね、波のように広がった。
 仕方なく、私は血だまりを踏むように歩き、彼女のもとへと歩み寄る。身体を拭くためには
場所を変えなければならない。だが、そうすれば彼女は起きてしまうだろう。思案し、先に確
かめることにする。黒いウェディングドレスのスカートをまくり、下着を下ろし、

「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――」

 手が止まる。
 視線が固まる。
 意識は硬直し、心音だけが、高く深く跳ねた。
 ずりおろした白の下着は、汚れていた。
 外側からではなく。
 汚物でもなく。
 初めて。
 初めて――内側から、紅く汚れていた。

 ――初潮の、紅。

「――――――――は」

 何よりも先に笑いが漏れた。
 手よりも視線よりも先に、それらを全て忘れたように、口からは笑いが出た。

「は――――はははははは」

 視線は穢れた下着にとまったままに、口だけが我を忘れたように笑い始める。はは、ははは、と。
彼女が起きるかもしれない、など思いもしなかった。何を考えることも放棄して、笑っていることを
意識できないほどに――私は笑う。
 笑う、
 笑わずにはいられない。
 待っていたものが――ようやく訪れたのだから。
 そうして、私は。

157 :はやくおおきくなあれ ◆msUmpMmFSs :2008/05/03(土) 22:15:15 ID:bV45Habb

「×××××」

 初めて、彼女の名前を呼んで、
 その体を、押さえつけた。
 小さく、細く、壊れそうな体を――壊すかのように押さえつける。白い髪が散らばり、
押さえられた頬が血に埋まる。眠りについたばかりの彼女は、浅い眠りから叩き起こされた。
 目を覚ます。
 目を開けて――私を見た。
 初めて。
 おそらくは初めて、彼女は私を認識した。背景の一部でしかなかったモノが、突如として自身の
身体を押さえつけていることに驚くように目を開いて。そのことに私の方が驚いてしまう。彼女が
驚くとは思わなかった。何をされているかわからず、世界の一部として受け入れるかと思ったのだ。
 構わない。
 驚くが、驚くまいが――このあとの展開が変わるはずもない。

「――――――――」

 彼女の視線を見返しながら私は動いた。ずりさげた下着はそのままに、めくりあげたスカート
もそのままに。血を受けて黒く染まるウェディング・ドレス。逃れられないように、細い両手首
を片腕で抑え込み、
 残る片腕で、自らの服を脱ぎ、性器を露出させる。

「――――――」

 彼女は無言だった。無言のまま、私を見上げていた。何も言わない。何をされるかも、
わかってはいないのだろう。私が動いていることに驚いているだけで、行為そのものに
頓着はしていない。
 構わない。
 反応を――求めているわけではない。
 委細気にすることなく、私はすでに張りつめていた性器を、何ひとつ愛撫していない
彼女の秘所に突き刺した。愛液ではなく――血に濡れる秘所へと。
 短剣のように。

「――――――――!!」

 流石に劇的な反応があった。行為の意味は知らずとも、痛みだけは明確な事実として存在する。
突然内臓を抉られたようなものだ。無理やりに押し開かれた秘所の痛みに、彼女は暴れようとする。
 無理だ。
 細い腕は暴れれば自ら折れそうなほどに弱いのに――逃れられるはずもない。ばしゃばしゃと、血の
水たまりをかき混ぜるように動くことしかできない。逃れることができない。一部で繋がり、一つとな
った体は、前へ進むことすらできない。
 悲鳴をあげる。
 声ではなく、
 音を張りだすように、彼女は痛みからのがれる悲鳴を叫んだ。
 ――ああ。
 良い音だ、と思う。それは初めて聞く彼女の音だった。微笑みではない、彼女の内側
から発せられる意図だった。他人から与えられるとはこんなにも良いものなのか。突き
さした性器は痛いだけで快楽などなく、その音によって恍惚を得る。
 縛っていた手を放し、彼女を後ろ向きに組み伏せるようにする。自由になった手をばた
ばたと動かすが、やはり血をかき混ぜるだけだ。必死に前へ――私から離れようとするが、
しゃくとりむしのように前後するだけで、一歩として前へは移動しない。
 ばしゃり、
 ばしゃりと、血が跳ねる。
 血の海で、溺れている。

158 :はやくおおきくなあれ ◆msUmpMmFSs :2008/05/03(土) 22:23:09 ID:bV45Habb
 初めての性行為を心地よいとは思わない。知識でしか知らなかったことを体験したところで、
快感があるはずもない。痛い。ただ痛い。彼女が突き刺される痛みに悲鳴をあげるように、私は
締めつけられる痛みに臓器を持っていかれそうになる。当たり前だ、たった今、今日、初めて変
わったばかりの体なのだ。性交渉に向いているとは思えない。
 けれど、
 向き不向きに関わらず、
 彼女はもはや、未熟ではない。
 未成熟ではない。
 熟している。
 果実は、熟れた。
 受け入れることができる。

 子供を造ることができる。

 それだけが全てだった。
 無作為な前後運動を繰り返す。自身は動かない。後ろから抱き締めるように彼女の
身体を固定するだけでいい。彼女は這って逃げようとし、逃げられずに戻ってくる。
鈍感な往復運動。内臓で内臓が擦られる。
 熱い。
 痛くて、熱い。はちきれそうなほどに。
 堪える理由など、どこにもありはしなかった。
 迷いなく、
 繋がったままに、
 解き放つ。

「……………………!!」

 一瞬――視界が白く、真っ白に染まる。自身の腰が意志と関係なくはねる、抱きしめた
彼女の身体が同じように跳ねるのがわかる。同じように、彼女の意識もまた白ずんでいる
のかもしれない。意志を、力を、生命を、絞り込むように彼女の中へと放出する感触。
 注ぎこまれる感触が、彼女をむしばんでいる。
 腰がはねる。止まらない。二度、三度と放出し、そのたびに彼女の身体が痙攣する。逃
げようとしていた身体が止まる。力の抜けた身体が血の海に突っ伏し、だらしなく開いた
口から唾液とともに舌が零れ、無意識で血を舐めていた。
 そっと――
 つきさし、今は萎えたそれを抜き取る。白と紅に汚れてたそれを抜き、しまうことなく、
私は彼女を見下ろす。
 動かない。
 死んではいない。初めての外的接触に意識だけが飛んでいる。私もそうしたかったが――
最後の力を振り絞るように立ち、彼女の箱を後にした。

 ……ぱたん。


159 :はやくおおきくなあれ ◆msUmpMmFSs :2008/05/03(土) 22:38:20 ID:bV45Habb
 戸を開け、しめる。それだけで世界は隔離された。

「……………………」

 小さな部屋だ。箱状で、彼女が生きる部屋と大差はない。地下深くに沈められた世界は、
二つの箱が繋がりあうような構造になっている。本来ならば向こうが居住区であり、こちら
が生命維持のための部屋だったに違いない。地上から離れても、長く長く生きていられるように。
再び『上』が命溢れる世界になるまで逃れるために。
 生命維持。
 それは――間違っていない。確かに向こうの部屋が停滞ならば、こちらの部屋は生命だ。

 ――禁断の果実がここにある。

 彼女が食べることのなかった果実が、私の前に広がっている。
 ずるずると戸に背を預けて座り込み、私の箱を見遣る。箱は狭い。純粋な大きさは彼女の箱と
変わりないのだろうが、モノがあるかないか、という一点で印象の差がわかれている。
 彼女の箱には、椅子しかない。
 この箱には椅子はない。椅子を埋める間もないくらいに――みっちりと、機械類が詰められている。
 命を維持するための機械と、
 命を造るための機械が。

「………………ようやく、」

 私はひとりごとを呟く。ここにいるのは独りではないが、独り言でしかない。
 彼女たちは、聞きはしない。
 眠りにつく彼女は、ただのモノでしかない。
 それは命だ。
 食糧にして――命だ。

「…………前へと、進めそうです」

 私は呟く。笑いたかった。けれど、きっと笑いは浮かんでいなかっただろう。
 むしろ――笑ってほしかった。
 彼女に。
 彼女たちに。
 私は見上げる。隣の部屋で成長する××××と同じ姿を。巨大な試験管に詰まった彼女の姿を。
箱の中にみっちりと詰められた試験管の群れを、その中で眠り続ける彼女たちを。無限に造られ
ながらも生殖機能を持ち得ない彼女たちを。
 ――楽園は完全だ。閉ざされている。死すらなく、子供を作る必要などない。
 酷い冗談だ。この中にいる限り死ぬことはなく、それが故に子供を作る機能がないだなんて。
それを得たければ、外で育てるしかないだなんて――コレを食べながら。
 禁断の木の実。
 すべてが、それだ。彼女そのものが。それを食べてしまった以上、二度と楽園へは戻れない。

 私は、独りでは生きられない。

 だから幾度となく続けるのだろう。彼女が子を成すまで。私以外のモノが生まれるまで。自分以外の
他者が生まれるまで。たとえ同一のモノから生まれたとしても、それは別のモノだろうから。
 愛すべきダレカが生まれるのを願って――私はぼんやりと、立ち並ぶ試験管を、
 私と同じ姿をした彼女たちを、ずっと見つめていた。

 世界は狂っている。狂ったダレカが作ったから。初めから狂った私たちは、独りでなくなることを祈り、願う。
 はやくおおきくなあれ、と。

(了)

160 :はやくおおきくなあれ ◆msUmpMmFSs :2008/05/03(土) 22:41:17 ID:bV45Habb
投下終了です。時間かかってごめんなさい
ふと思い立って投下した短編ですが、相変わらず主人公側が病んでるとか色々アレです
血の池でカニバリするドレスの女の子は好きですか

お茶会はもうしばらくかかりそうです
待ってくれてる人、ありがとうございます

161 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 22:44:42 ID:Mcfx0Opk
よし、今から見る

162 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 22:45:17 ID:6Yz5zL3h
>>160
お茶会の人か!
途中鬱入りそうになったけど、相変わらずの独特の世界観で乙でした。
いない君はいつでも待ってますよ

163 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 23:12:08 ID:xYjM7rLE
カニバリは苦手だ…

164 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 00:55:55 ID:cxdzbSC4
彼は刈ったばかりの芝生の上に横になってる

私の全てを魔法みたいに変えてくれたのに
酷く思いつめてた

あなたが私にしてくれたように
あなたの全てを私が変えてあげた

でも今あなたの目は死んでる

だいたいそんな感じ
ギャグ漫画日和

165 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 02:00:18 ID:Q4rBVE8/
>>139氏も書いていますが一応やみなべレポ。

大雨の中、都産祭という合同イベントなのでかなりの人数が開始前からセンター前に並ぶ。
今回は並んでいる最中もしくはカタログ購入時に18歳以上の人は身分証を提示して
証明のためのリストバンドをつける形でした。

最近の東京都はこの辺の問題に敏感だし、前回はそれで一悶着あったのでこの手間は
センターを気持ち良く利用するためには必要だと思います。

で、中に入って3Fへ。
今回はやみなべ・ハルヒ・初音ミク・クィーンズブレイドが同室で開催。
やみなべのサークルは大まかにハルヒ・スクイズ・オリジナル。比率はオリジナルが多めで前回より
ハルヒ・ひぐらし・シャッフルが減少。(ハルヒは隣が普通のハルヒオンリーだったからかも?)
前回・前々回あったサークルさんが来ない卓は今回は全くなし。

そして毎回恒例落書きコーナーが、これまた毎回恒例超カオスに。
外周で「ヤンデレしりとり」と「NiceBoat」が同時勃発。外周を埋めつつ周囲の絵や文のために
グネグネと曲がるしりとりは圧巻。
NiceBoatはヤンデレしりとりに食われる形で早々に止まるも、途中から馬鹿が「ひとりBoat」を決行。
「NiceBoat」「良好小船」「内酢棒斗」「誠ボート」「ブルーアイズアルティメットNiceBoat」
「ドロー!NiceBoatカード!ドロー!もうやめて誠はとっくに生首よ!」とネタを混ぜながらも
NiceBoatで外周一周も成し遂げる。おつかれ、自分。

終了間際には女性スタッフがヤンデレしりとりの文を読み上げるというお遊びが始まり、
中にはかなり際どい文章も。「できちゃった…あなたの子供」を書いたのは自分ですごめんなさい。

終了後はアフターイベント。4イベント共同じゃんけん大会とやみなべアフターであるヤンデレカルタ。
前回ヤンデレカルタはスタッフがその場で読み上げていましたが、今回はカルタ付属の読み上げCDを使用。
景品は非売品ポスター、非売品マグカップ、売品カルタ+読み上げCDでした。

最後に主催者様の挨拶で次回からは、神奈川に入り川崎で開催とのこと。



今回も前回に引き続き個人的にヤンデレ娘に改造したフィギュア(Pinky:st)を持ち込んだところ
はるか昔にこのスレに投下したフィギュア+SSを見たという方と遭遇、驚きました。
以前の作品(Wikiじゃない保管庫の彩 味香(仮))のに加えてもうふたりほどいますので
折角だしアップしてみます。
ttp://xtp0001.s3.x-beat.com/cgi-bin/up/source/Sonata_24612.jpg
ttp://xtp0001.s3.x-beat.com/cgi-bin/up/source/Sonata_24613.jpg

長文失礼しました。

166 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 07:09:37 ID:Hd6oCBIQ
>>160
カニバリズム大好きな俺には超GJ!
この狂った感じたまらんw

いない君はずっと待ってるのでゆっくり書いていってね!

167 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 11:53:43 ID:NDne1Qh0
>>146
こういうの好きだ
GJ!

168 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 12:00:17 ID:mXK3jQCC
>>165
>途中から馬鹿が「ひとりBoat」を決行。
>NiceBoatで外周一周も成し遂げる。おつかれ、自分。

本人かw
連休中だからか懐かしい人達帰ってきてるなあ。皆さん、乙

169 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 13:03:30 ID:sVl/SzWw
ほトトギすの人まだかな。そろそろ終盤だからかなり待ち遠しい。

170 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 15:34:10 ID:y/qEogVB
無形氏は俺のよm(ry

171 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 23:14:27 ID:MUzDDzl7
紳士なら全裸で待て

172 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/05(月) 08:22:51 ID:VyAnuljW
みなさんおはようございます。
今日も元気に、ヤンデレ娘に(性的な意味で)迫られる妄想に励みましょう。

第十二話、投下します。

173 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/05(月) 08:24:19 ID:VyAnuljW
「掃除用具入れ、異常なし、と」
 しけった匂いを放つロッカーの扉を閉める。使い倒された扉の金具が大袈裟な音を立てた。
 窓の外に目を向ける。夕方の太陽が放つオレンジ色が雲に映り、鮮やかな光景を作り出していた。
 俺が何をしていたのかというと、校内の各教室巡りである。授業が終了してからこの時間までずっと続けていた。
 そして、最後の教室である多目的室に到着し、何の収穫も得られなかったことに落胆した。

 弟が隠されている場所を探し、一度も入ったことのない多目的室までやってきたが発見できず。
 すでに頻繁に利用される教室は全て見回った。男子トイレと、女子トイレまで人がいないタイミングを見計らって調べた。
 職員室に備え付けられている更衣室まで掃除という名目で入り込んだ。しかしどこにも弟はいない。
 校舎の中で探していない場所というと校長室ぐらい。
 しかし、いくらなんでも頭髪に相当の白が混じっている年齢の人間が弟をさらったりはすまい。
 残るは部活に所属する人間が動き回るグラウンドと体育館のみだ。

 俺がこうしているのは、つい一時間ほど前、帰りのホームルーム終了後に葉月さんから話を持ちかけられたのが始まりだった。
「今日は暇がある? もしあるんなら、今日は弟君を探しに行かない?
 やっぱり心配だもの。本当に事件に巻き込まれたのかもしれないし。あなただって、そうでしょう?」
 もちろん頷いた。昼休みに花火と一悶着あったせいで、朝よりもずっと弟のことが気にかかっていたから、
葉月さんに声をかけられなくても探しに行くつもりだった。
 葉月さんは今、俺の近くにはいない。
 俺が学校内を捜索、葉月さんが弟の友人知人に直接話を聞きに行く、という役割分担で動いているからだ。
 まあ、妥当な配役である。葉月さんが校内でうろちょろしていたらいろんな人に声をかけられて動きにくいだろうし、
俺は弟の友人知人なんてろくに知らない。
 人付き合いのスキルにおいて俺よりも葉月さんの方が上回っているのはほぼ確実だ。
 さりげなく話を聞き出すなら、話慣れしている人間の方が上手くやれる。
 印象の薄い人間の方が、あちこち探っていても人目につきにくい。
 そういうわけで、俺は一人で放課後の校舎を隅から隅まで見て回っているわけである。

 多目的室から移動し、振り出しの地点である弟の教室へと向かうことにした。
 校舎の一階にある弟の所属するクラスへ向かう。
 廊下から窓ガラスの向こうの教室を見ると、誰も残っている人間はいなかった。
 遠慮なしに入り口のドアを開ける。
 そうしたら俺の目の前に弟が立って――いれば楽なんだけどなあなんて思ったが、もちろんそんなことは起こっていなかった。

 この教室には、去年文化祭の準備で一週間ほどお世話になったことがある。
 当時の弟の席は窓側の列の中ほど、夏場に窓から差し込む日差しを避けられる壁のある箇所だったはず。
 かつての弟の席の机の中や、鞄掛けフックには何も残されていない。机の上の落書きまでない。
 果たしてここが現在も弟の席であるのかどうかはわからない。それでも意味もなく座ってみた。
 窓の外を見る。空はいつのまにか黒の成分を増量させ始めていた。
 もうじき夜が来る。夜になると人に限らず捜しものをするには困難な状況になる。
 それに部活をしているわけでもないのにいつまでも校内に残っていたら、教師に目をつけられてしまう。

 というわけで休憩終わり。同時に再スタート。
 まだ捜索していないグラウンドと体育館へ向かうため腰を浮かす。


174 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/05(月) 08:25:26 ID:VyAnuljW
 廊下を歩いていると、突然制服の上着の内ポケットが振動した。素早く小刻みに動く携帯電話を取り出す。
 電話をかけてきているのは葉月さんだった。通話ボタンを押して応答する。
「もしもし、葉月さん?」
「……あれ? 声……」
「もしもーし。聞こえてる、葉月さん。俺だよ」
「あ、うん。聞こえてるよ。ごめんね、一瞬誰か別の人にかけちゃったかと思っちゃった。
 電話を通して聞く声って普段と結構違うんだね」
「そう?」
「うん。顔が見えてないからかな。よくわかんないや」
 俺は葉月さんに限らず、声の調子で相手の表情をなんとなく読めるのだが、葉月さんはそうではないのだろうか。
 普段の連絡の手段に電話ではなくメールを活用するのは、電話するのが苦手だからか。
 ――ん? 待てよ。
「葉月さんって、電話苦手じゃなかった? なんで今は?」
「……うん、ちょっとだけ苦手。でも今は、今だけは別だよ。
 あなたの声が聞きたかったの。なんだか不安だったから。
 弟君が居なくなったから、もしかしたら次はあなたの番なんじゃないかって思っちゃって」
「……ありがとう、心配してくれて。でも俺は大丈夫だから」
「うん。声聞けたから、安心した」
 それは何より。
 俺がさらわれることなんてことはありえないから無駄な心配ではあるが。
 弟みたいな人気者ならともかく、俺をさらって得をする人間などいないはずだ。
 まあ、俺が葉月さんと仲良くしている様子を妬んだ男や女にとっては腹いせになるだろうけど。

「それじゃ私、今から学校に行くね。一緒に帰ろう」
「え、ちょっと待って。学校にくるって、葉月さん今どこに居るの?」
「学校から歩いて二十分かからないくらいの場所。走れば十分もしないうちに着くから、待っててね」
「いやいや、葉月さんこそ待って! そのまま帰った方が安全だって。わざわざ学校に戻らなくても」
「いいの! 一緒に帰りたいんだから、そうするの!」
「それは嬉しいんだけどだからってここまで…………って、もう切ってるし」
 携帯電話からはツーツーという無機質な音が聞こえてくる。
 こちらからかけ直そうかと思ったが、葉月さんを説得しているうちに葉月さん自身が学校に到着するかもしれないので、諦めた。
 呆れてやれやれと呟くべきか、嬉しくてにこにこと笑うべきか。
 二つの選択の中間、ため息を吐き出す行為をとった後、携帯電話をしまった。

 葉月さんがここまでするのは心配しているからだろうが、なぜ心配しているのかというと、
まだ俺のことを好きでいるからなんだろう。
 俺は以前葉月さんに告白された。
 だから気持ちに応えるため、なんらかの返事をしなくてはならない。
 昼休みに花火が俺を非難したのは、俺が葉月さんと中途半端な関係を続けているから。
 花火は昼休みのやりとりで、葉月さんの抱く思いと、それに対する俺の反応を読んだ。
 告白されたのに、俺が白黒つける回答をしていない、と。


175 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/05(月) 08:26:17 ID:VyAnuljW
 葉月さんのことを好きか、嫌いか。
 嫌いという回答はまずありえない。そんなことは欠片も思っていない。
 それではどう思っているのか。胸に手を当てて自問する。
 答えはすでに準備してあった。
「俺は葉月さんのこと――大事にしたい。仲良くしたい」
 声にすると、心の中のもやは晴れる。
 でもこの答えは葉月さんの期待しているものではないはず。
 要は、あなたはいいお友達です、ということ。
 少し言葉の捉え方を変えれば、いいお友達でしかありませんよ。
 もし言ってしまったら、葉月さんは離れていってしまうのではないか――いいや、離れていく。
 だったらこのまま答えを保留し続けてもいいはず。

 嫌なことから逃げて何が悪い?
 一体俺を、誰が責められる?


176 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/05(月) 08:27:15 ID:VyAnuljW
 不意に、開け放たれた窓から風が吹いてきた。
 冷たい風。冷たくて、思考までがぬるま湯状態から、この季節に蛇口から流れる水ぐらいまで冷えた。
「……そんなんじゃ駄目だろ、俺」
 誰が責めるか? 二人いる。まず俺、もう一人は花火。
 昼休みに葉月さんが呟いた言葉で、葉月さんは俺との今の関係を快く思っていないということが知れた。
 でも、答えを出すまで待ち続けるとしたら、葉月さんはいつまでも悲しい顔を隠し続ける。俺に気付かれぬように。

 最低じゃねえか。
 真剣な気持ちで告白してくれたのに、友達の関係のままでいたいからって応えない。
 大事にしたい? 仲良くしたい? 
 相手を思うなら真剣な気持ちで応えるべきだろ。
 これから仲良くしていくうちに好きになっていくかも? ――本当にそうか? それは具体的にいつになる?
 というか、これから先がどうこうという時点で話が違っているだろう。
 今の俺が、葉月さんをどう思っているのか。それを葉月さんは知りたがっているんだ。
 あえて問い質さずともわかっている。すでに答えは出ている。
 全ての始まり、葉月さんに告白されたその日、その時に、確たる答えを導き出していた。
 言おう。葉月さんが校門に現れたとき、面と向かって口にしよう。
 ごまかし続けるより、嘘を吐くより怖いけれど、言わなくてはならない。

 決断すると、不思議なことに足取りがふっと軽くなった。
 すっきり起きられた朝に、緩やかな陽光の注ぐ庭で、晴天を見上げながら鳥のさえずりを耳にしているよう。
 静かで、気持ちがどこまでも落ち着いている。
 頭の中のざらざらした感覚が一切合切払われていた。
 俺は今まで告白への返答のことで悩んでいたのだ、と悟ると同時に、罪悪感を覚えた。葉月さんに対して。
 だって、あなたの告白の返事を考えていたら頭の中が重くなっていました、なんて言ったら可哀想だ。
 むしろこっちの方で葉月さんが傷つくかもしれない。
 ……このことは言わなくてもいいよな。言うべきことではないし。言うべきは俺の気持ちだし。
 結局、一つ答えを出した代わりに、一つ内緒にすることが増えた。

 ま、いいか。
 頭の中が完全に自由になるよりも少し悩みを抱えている方が俺らしい。
 それに、葉月さんのことで悩まなくなったらそこで関係が終わってしまいそうだ。
 葉月さんが俺の家に来て妹を一回、俺を数回ぶん投げたあの日、俺が言った言葉は嘘じゃないんだから。


177 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/05(月) 08:29:54 ID:VyAnuljW
 一階廊下側の窓はたった一つだけ開いていた。俺の位置から五歩前方。
 非模範的生徒になろうとしてもなれない俺の足は勝手にオープン状態の窓へ寄っていく。
 無視するのも忍びないので、窓を閉じたうえで鍵をかける。
 窓の向こうに見える中庭はすでに明度を低くしたテレビ画面のようになっていた。
 こんな暗い中、葉月さんを家まで送っていくのか。
 嫌だなんて一切思わない。問題は送っていく途中ではなく葉月さん宅に着いてから。
 葉月さんの家の玄関、のさらに向こう側、家の中からじっと見つめられている気がするのだ。
 家に住んでいるのは葉月さんと葉月さんの両親だけらしいから、視線の主は父親か母親のどちらかだろう。
 俺が葉月さんを暗くなるまで連れ回していると思われている、なんて誤解されているかもしれない。
 そうなった誤解を解かなければならないわけだが、解くことができるかがわからない。
 もしあまり印象を持たれていなかった場合、言葉選びを間違ったり視線を一瞬逸らしただけでミッションオーバーになりうる。
 クラス一実年齢と後ろ姿から推測される年齢がかけ離れている、と高橋に評されている俺である。
 説得失敗する可能性が濃厚だ。

 上手くやる方法はないかなんて考えていたら、ふとあることが浮かんだ。
 気だるさが体外に自然放出される。前のめりになるところを、窓枠を掴みガラスに額を押しつけることで耐える。
「あーあ……そうだったよ」
 今日一緒に葉月さんと帰れるかわからないじゃないか。
 告白の返事をして、その後でどんな反応が返ってくるかいまいち予想できない。
 いや、予想したくない。考えると返事する気が削がれそうだ。
 だって、だってだぞ。もし泣かれたら――――――
「あああああ、やめやめやめやめ、止め!」
 額をぐりぐり窓に押しつける。次に打ち付けようとしたところで、ガラスが割れる光景が浮かんだので停止する。
 ネガティブな想像をしたらネガティブな気分になるだろうが。ただでさえ背景は薄暗いってのに。
 ともあれ、まずすべきは校門に現れるはずの葉月さんを迎えることからだ。それ以外は考えるな。
 たとえ、中庭を一人で横切ろうとする女子専用制服を着た人影が通り過ぎたとしても。

 校舎の出入り口へ向けて歩を進め――急停止した後にバックステップ、という行動を体がとった。
 今し方目にした光景をスルーするなと脳が拒んだだけである。断じて舞台に備えて演技の練習をしているわけではない。
 中庭を観察する。校舎内に目もくれず歩いていくのは確かに同じ高校の女子生徒だった。
 葉月さんではない。暗い中でもはっきりわかるぐらい身長に差がある。
 髪型も違う。葉月さんは黒のロングだが、視線の先にいる彼女はショートヘアー。
 スカートは短い。といってもそれは女子用制服のデフォルトである。
 だが彼女のようなか細くないのにしまっている足は、全女子に共通しているわけではない。
 みんなああだったらいいのになあという感想はさておいて、観察を続けるべく腰をかがめて移動開始。
 校舎内から女子生徒を追い抜き、気付かれぬよう窓の下に隠れ、女子生徒の顔を観察する。
 ふうむ、んー……暗くてわからん。

 というか、何をやっているんだ俺は。
 なんで人気の無くなった校舎内で一人かくれんぼをしている。まるで女子生徒のストーカーじゃないか。
 改めて自問しても答えは出ない。なんとなく、中庭を歩いている彼女のことが気になっただけ。
 とはいえ、誰かに見つかったら答弁しようがないな。
 もうしばらく、女子生徒が誰かわかるまで先生が来ないよう祈るのみだ。


178 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 08:31:26 ID:mtcrNc77
支援いたす

179 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/05(月) 08:34:47 ID:VyAnuljW
 中庭にいる彼女と校舎内の俺が距離を空けて肩を並べた時、突然窓ガラスが揺れた。
 人為的なものではない。おそらく強風が吹き付けてきたのだろう。
「わひゃあっ!」
 小さな悲鳴が聞こえた。女子生徒の方を見ると、彼女はスカートの前を両手で押さえていた。
 さらに窓が揺れる。女子生徒のスカートの後ろ側が風によってめくれる。
「もう、何するんですかいきなり!」
 女子生徒は俺に背を向けるように反転して尻を押さえ、風に向かって抗議の声をあげる。
 俺はというと、心の中で風にエールを送っていた。いいぞ、もっとやれ!

 だが、応援の甲斐無く風は活動を止めてしまった。
 彼女のスカートの中身は、俺と女子生徒の位置関係、および膝上十センチ以上は死守すべきと
たたき込まれてきたかのような彼女の鉄壁の守りによって、一切見えなかった。
「まったくもう。人が居なくてよかったですよ。きっと見えちゃってたもん」
 いいえ、見えませんでした。ですが見たかったわけではありません。
 俺はただ必死にスカートを押さえる女の子の姿を見たかっただけ。
 ふわりと浮く柔らかなスカートの裾や、さりげなく露出度の上がった白いフトモモ、必死に二本の手で抵抗する女の子の仕草がいい。
 同じクラスの女子からは引かれ、男子からは同意を得られない嗜好かもしれない。
 だが、悪いことだろうか? 
 女子のスカートというものは隠れた向こう側が見えないからこそ魅力があるのだ。
 向こう側を知っている、もしくは常時見えている状態であれば興味をそそられない。
 そんなものは、引いたら必ず目当てのものが出てくるガチャガチャのようなものである。
 ロールプレイングゲームの二周目のボスを倒しても、一周目の時のような感慨も湧かないのと同じだ。
 俺は今後「風が吹いてもスカートは役目を全うすべきの会」の代表者として活動し高橋をはじめとする友人から仲間に
引き込んでゆきゆくゆくは春一番と緑風と秋風と寒風の吹き始める季節のそれぞれに会合を開いてゆく所存だ。

「……なんてな」
 もちろん本気ではない。自分でもわけ分からなくなってきた。
 きっと気分が軽くなっているせいだ。そうに違いない。


180 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/05(月) 08:35:30 ID:VyAnuljW
 さて、俺は女子生徒が風によって翻弄される光景を目の当たりにしたが、下半身だけに集中していたわけではない。本当だ。
 まず、声を聞いた時点で相手の見当をつけられた。丁寧語が印象に残ったからだろう。
 続けて、中庭にいる女の子の容姿と予想した相手の容姿を比べた。結果はほぼ一致。
 最後に、彼女が俺に背中を向けている間に目を凝らし、女子生徒の顔を確認した。
 相手は予想の通り、木之内澄子ちゃんであった。
 その澄子ちゃんは、制服の乱れがないかを確認した後で再度目的地へと進路をとった。
 今は建物の死角に入ったから姿は見えない。
「怪しい……」
 傍から見れば一番怪しいのは俺であるが、それは除外して澄子ちゃんに焦点を絞り込む。
 現在の俺の目的は弟の捜索。
 弟が自分の意志で俺や花火に黙って失踪したのでなく、何者かの手によって姿を現せない状態にあるとしよう。
 そう仮定した場合、第一容疑者は澄子ちゃんということになる。

 理由は二つ。
 その一。彼女には弟をさらう動機がある。
 澄子ちゃんは弟に恋している。
 もっとも、身を焦がすような恋をしていても容疑者候補に挙げるには足りない。
 それだけで容疑者にしたてられるなら、花火や弟のファンクラブの子たちも疑わしくなる。
 しかし彼女には他の女子と違う点がある。
 それこそが理由その二。彼女には前科がある。
 去年の文化祭の一日目、弟は行方不明になった。犯人は忍者のコスプレをした澄子ちゃん。
 事実を知っているのは俺だけだ。もう二度と同じことはしないと信じていたので、かばうつもりで葉月さんと妹には伏せていた。
 けれど、同じ事態になった以上はもうかばいようがない。
 涙を流しながら縋り付かれても、俺は澄子ちゃんを第一容疑者として認識する。
 その第一容疑者が夕方の学校の中を一人歩いている。怪しむのが当然だ。


181 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/05(月) 08:37:20 ID:VyAnuljW
 急いで靴を履き替えて外に飛び出す。早足よりちょっと早いぐらいの速度で中庭へ向かう。
 地面の砂利を踏む音を立てないよう歩くという小細工を使っているつもりだが、音は少なからず発生する。
 砂利の音と緊張感が俺の精神をやすりで削るように縁からじわじわと削りカスに変えていく。
 削り取られて少し五感が鋭くなった気がした。錯覚を事実として強引に認識。
 腕利き諜報員のつもりで建物の陰から中庭を観察する。
 澄子ちゃんはすでに中庭にはいなかった。しかし、概ね行き先は絞り込める。
 もし澄子ちゃんが弟をさらったなら、今から隠し場所へ向かう可能性が高い。
 校舎内は俺がすでに見て回った。弟が校舎にいないことは九割方確信できる。
 校舎内に弟がいるなら、澄子ちゃんは中庭から一直線に校舎へ向かい、俺と遭遇するはず。
 しかしそうはならなかった。つまり、まだ俺が捜索の手を伸ばしていない体育館かグラウンドに向かった、ということ。

 ヤマをはろう。倉庫と床下のスペースがある体育館か、部室棟と屋内練習場の建ち並ぶグラウンド、どちらか。
 部活見学さえやらなかった俺は、運動部の部室の内部がどうなっているのかは知らない。
 体育の授業で剣道場や弓道場に入ったことはあるが、隅から隅まで見たことはない。
 体育館はまだ馴染みがあるが、詳しく知っているかというと否。
「――ふうむ」
 顎に右手の指を添えて唸ってみる。
 葉月さんはいつやってくるかわからない――いや、そろそろ正門をくぐった頃かも。
 なんにせよ、二月の寒空の下歩き回っては体調を崩しかねない。
 待たせないためにも、ここは戸の総数の少ない体育館へ向かおう。
 部室棟はちょっと数が多い。野球部、サッカー部、ラグビー部、陸上部、テニス部、……エトセトラ。
 その点、体育館は正面、裏口、舞台の袖、左右に一つずつだから比較的少ない。
 澄子ちゃんがすでに中に入っていたら中から鍵をかけるかもしれないが、澄子ちゃんは間の抜けた部分があるのでかけ忘れる可能性がある。
 初対面した日にクロロホルムの効果のほどを知らずにそれに頼ろうとしていたこと、
文化祭の日に弟を自分の体で引きずって移動させていたこと、
クリスマスイブに弟を見失った後でいい年したサラリーマンにつきまとわれていたこと。
 あのドジが再発したならば、運良く弟の隠し場所にビンゴするかもしれない。
 もし期待以上の成果があったとしても俺は行動しない。すぐに教師を呼び、事態を収拾してもらう。
 俺が一人で突っ込んでいっても返り討ち、もしくは二人目の犠牲者になるだけ。
 情けないが、自分の実力も図れずに動くよりはずっとマシというものだ。


182 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/05(月) 08:39:46 ID:VyAnuljW
 足下の怪しい夕刻の渡り廊下を通過し、体育館前へ到着した。
 正面入り口の両脇には電灯が設えられていた。
 おかげで入り口に至るまでの階段で足をおそるおそる差し出さずに済んだ。
 スライド式のドアを開こうとしてみるが、開かない。
 諦めて別の入り口へ向かってみる。
 時計回りにぐるりと体育館を回ってみたが、どのドアも開いていない。
 てことはハズレか。悔しさの中に一滴の安堵がこぼれ落ちて波紋が生まれる。

 仕方なく正面入り口前に戻り、葉月さんに連絡をとるため携帯電話を取り出す。
 通話ボタンを押す直前、ディスプレイ以上に頼りになる光源の電灯に何気なく視線を向ける。
「む、ん? ……あれ?」
 正面入り口のドアが開いている。
 わずかではあるが、右と左のドアの間に隙間ができている。ここに来た時には開いていなかったのに。
 入り口に近寄り、隙間に両手の指を入れて開くと、重い手応えと一緒にドアは動いた。
 何故だ? 誰か忘れ物を取りに戻ってきた生徒がいる?
 違うか。生徒に体育館の鍵を管理させるほどこの学校の教師はユルユルではない。
 すると見回りにやってきた教師が開けた可能性が濃厚。
 その次に、澄子ちゃんが開けた可能性が浮上する。
 俺が他の入り口を探している最中に入れ違いで体育館の正面入り口から入り、鍵を閉め忘れるというドジっぷりを発揮した、とか。
 中にいるのが教師か、澄子ちゃんか。
 どちらにせよ、中に入ってみなければ。もちろん誰にも見つからないように。

 体育館のフロアを覗きこんでも人影は無い。見回りをしている教師なら懐中電灯を使うはず。
 おかしい。静かすぎる。人が居るなら足音や、戸を開ける音が聞こえるのが普通。
 それがない。すなわち誰も居ない、もしくは隠れている。
 もしも後者であるなら、隠れる理由はなんだ? 
 見つかりたくないから、見つかる訳にはいかないから。
 たとえば、他人に知られたくない何かが――――

 静寂を打ち砕くような轟音。体育館内の壁とガラス、おまけに自分まで揺れる気がした。
 突然の音は正面入り口からやってきていた。外灯の明かりがドアの窓枠の向こうに見える。
 入る時は左右どちらかのドアを全開にしたままだったはず。それが今では閉めきられている。
 ということは。
「誰かが、閉めた」
 としか考えられない。
 見回りの教師が今頃来て、体育館の入り口を閉めていったならまだいい。
 それ以外なら。俺が中にいることを知りながらドアを閉め切ったのなら、その目的は?
「まさか、俺を、閉じこめ」
「――るのが目的ですよ、先輩」


183 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/05(月) 08:42:16 ID:VyAnuljW
 不意に聞こえてきた女の声に体が反応する。勝手に足が後退したせいで背中と壁がぶつかり、また驚いた。
「そのっ、声は」
「はあい。木之内澄子ちゃんですよ。いつか先輩の義妹になる、恋する女の子です」
 左から右、右から左へと目を泳がしても暗いだけで、澄子ちゃんらしき人影はない。
 どこだ、一体どこから喋っている。
「先輩、今アタシを探してますね。よーく見えますよ、ここからなら」
「ここってどこだよ! 姿を見せろ!」
「あれあれ? 焦ってますねえ先輩。怖がらなくてもいいですよ。ここにはアタシと、彼だっているんですから」
 彼? 三人称で言われてもわからんぞ。
「でも、先輩が一番早くここに辿り着くなんて思わなかった。
 てっきり葵紋花火がくるものだと思って色々用意していたのに。
 まあ、いいです。アタシの邪魔をする人、彼を奪っていく人。そんな人たちには相応のやり方で応えます」
 花火? 邪魔? 奪って? 応えます?
 何を言っているんだ。わからない。耳と脳を繋ぐ回路が混線してるせいだ。

 腹部に違和感。同時に耳障りなモーターの音。
 攻撃を加えられたわけではない。制服のポケットに入れていた携帯電話が動いただけ。
 慌てて止めようとするが、手をコントロールできない。内ポケットは右と左どっちにある?
 駄目だ、わからない。制服を脱いで床に敷き、携帯電話を探る。
 ……よし、見つけた。
 本体を開いて、電源ボタンを押そうとして――首に冷たい異物が触れていることに気付いた。
 首をぐるりと巻いているこれは、鉄線?
「見ーつけた、せんぱい」
 声がとても近くから聞こえた。
 強制的に冷められた頭を働かせて、澄子ちゃんの位置を探る。
 前、居ない。左、右、居ない。肩越しに背後を見る。誰もいない。
 前後左右以外の方向でこんなに接近できる居場所は。もしや。
 ゆっくりゆっくり、緩慢に首が上がる。
 直上を見上げたとき、そこには。

「ようやく、アタシを見つけられましたね。
 まったくもう…………先輩ったら、ほんとうに、キヅくのが、オソインデスネ?」

 俺の頭上に居ながら、目と鼻の先で不気味に微笑む澄子ちゃんを見て、その場に尻餅をついた。
 澄子ちゃんの口から漏れる音は聞こえない。何か言っているようだったけど、耳が働かない。
 次第に霞んでいく意識の中、鉄線が首に食い込む痛みと、携帯電話の放つ緑の光だけを認められた。
 振動音と、床を跳ねる音が重なっていく。

 ぶぃぃぃん、がたがた。
 ぶぃぃぃぃん、がたがたがた。
 ぶぃぃぃぃぃん、がたがたがたがた。

 いつまでも、音は鳴り止まない。


184 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 08:43:31 ID:VyAnuljW
十二話は終わりです。

ちなみに最終回ではありません。次回がエピローグなわけでもありません。続きます。

185 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 08:47:25 ID:5FZBvvDq
>>184
リアルタイムGJ!

186 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 08:49:04 ID:mtcrNc77
>>184
ぎゃあああぁぁあ!!!!
危ない危ないと思って読んでたら案の定捕まりやがった!
葉月さん、葉月さーん! たーすーけーてー!
やっぱり下手人は澄子ちゃんか。ちょっとは信用してたんだけどね。
心臓がばくばく言ってます。超GJ

187 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 16:43:15 ID:03Zdusic
>>184
GJ!
でも、鉄線って体重なんてかけたら首切れない?

188 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 17:33:52 ID:+RqJeO+8
まさかの主人公生首→ヤンデレのターゲットは弟だから物語はそのまま続行
→傍観者編終了、新章突入

189 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 18:44:43 ID:03Zdusic
その後葉月さんはnice boatするんですね、わかります

190 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 20:29:58 ID:vKVVyCW/
別れ話をスルーする女はヤンデレですか。

191 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 20:33:12 ID:mtcrNc77
>>190
かなり近いと言わざるを得ない。

192 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 21:16:02 ID:vKVVyCW/
そうかー、(´・ω・)親父うらやましす

193 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 21:53:28 ID:DN9Kek6c
だが我々は突っ込まない

194 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 22:06:13 ID:vqPF+91Z
sage

195 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 00:42:33 ID:0Hny20+I
↓が突っ込みなら俺にヤンデレの友達が出来る

196 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 00:52:42 ID:ErT801K5
そんなこたぁない。

197 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 01:17:29 ID:uLnTxaht
ヤンデレ なのに 友達?
とんだ矛盾だな

198 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 01:20:28 ID:zn9wmRD9
>>195 ←友達→ ヤンデレ ―恋愛感情→ 男

…ということだろう、たぶん。

199 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 01:26:15 ID:uLnTxaht
ヤンデレは惚れた男以外にはただのヤンだぜ?

200 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 01:32:50 ID:h+i77S8x
病みもしないだろ、男以外は華麗にスルー

201 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 01:37:21 ID:GXthqWkR
195が男とは限らない

202 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 02:40:49 ID:jaLaL4jP
195「ヤンデレの友達が出来ますように( ´∀` )」

一年後
女「他の女見たら殺すからね・・・。」
195「なんでこんなことに(´・ω・)」


中途半端な覚悟でヤンデレに触れるのはやめましょう。

203 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 03:40:47 ID:aY4psw1F
ヤンデレって彼氏を教祖みたいに崇拝してるから
195を殺すのではなく、195と接触した女を殺すイメージがある


体中に血を浴びて刃物を持ちウフフと笑顔で195の前に現れるヤンデレ

204 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 04:38:17 ID:OZfefPEC
>>203
ヤンデレにもいろいろあってだな・・・

もう寝る

205 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 05:52:19 ID:uxaRjfwO
ヤンデレはよく凶器を使うイメージで語られることがあるが
実際には凶器など使わなかったり、デレを見せるシーンも多い

要はヤンデレは多種多様なんだよ病んでるとこばっかとか
凶器ばっかではなくもっとどうして病んだとか
どのくらい相手のことを好きなのかというとこに焦点を当てて欲しい自分がいる

206 :つながり:2008/05/06(火) 09:00:45 ID:a6pKX0TS
「もうやめよう・・・」
・・・なんで?
「俺たちの関係は・・・ホントは平行線じゃないといけないものだから・・・」
・・なんで?
「俺と夏輝は兄妹だから・・」
なんで?どうしてダメなの?
こんなに好きなのに!ずっとずっと昔から好き合っていたのに。
私たちは誰よりも深く深く繋がった存在なのに・・・なんで?
「だからダメなんだ・・・ここで終わらせないとダメなんだ・・・」
・・・
・・


思い出して涙。世界が歪んで見える。
空を見上げる。やっぱり歪んで見える。
なんで・・・?
「おーい、何泣いちゃってんのなつっちゃん。私が席はなれて一人になったのがそんなに寂しかった?」
・・・・・・
涙を拭うと見慣れた顔があった。
さわやかに整った顔立ちのスポーツ少女。工藤近衛だ。
「あー、コラコラ。洋服のすそで涙を拭くな。ほらハンカチ」
「・・・」
「ハア、いったい何があったのか知らないけど最近なつっちゃん元気なさすぎ」
無言でいる私の顔をハンカチで拭きながら近衛がそう言った。
でも私は・・・
「・・・」
「ハア・・」
また近衛にため息をつかせる。
「なんつーかさぁ、まるで失恋した乙女って感じだね。今のなつっちゃんは」
うつむいた顔を上げ、静かに近衛を見ると、彼女は手のひらを太陽に向かって掲げ、空をまぶしそうに見ていた。
「・・・・・・」
「もしかして正解・・だった?」
近衛を見つめていると彼女もまた静かに私を見つめた。
「ハア」
またため息。そして言葉を続ける。
「なんかショックだな・・・」
「・・・何が?」
間をおき尋ねる。
「ん〜・・・なつっちゃんに好きな人なんてもんがいたことが」
「・・・」
「相談してくれてもよかったのになーっと思って」
「・・・・・・・」
わたしがまた俯くと近衛が左手で頭をポリポリと掻いた気がする。近衛は困ったとき必ずそうする癖があるから。
「ごめんね。今度は相談するね・・・できるだけ」
だから私はそういった
「そっか。次の恋は・・・・叶うといいね・・・」
「・・・」
叶うといいね・・か。
少し違うな・・・
なぜ?私と「彼」の恋、いや愛は叶っていたんだから。
ずっとずっと昔。子供の頃から。もしかしたら母さんのお腹の中にいた時から・・・

207 :つながり2:2008/05/06(火) 09:18:38 ID:a6pKX0TS
「ねえ、今日さ・・・近衛の家に泊まっていっていい・・・?」
「いいよ」
私の突然の提案に親友は間髪いれずに承諾した。
「できればゴ」
「GWの終わりまでいいよ」
今度は先手を取られた。

5月4日。
近衛の家に厄介になってから3日目だ。
「彼」からの連絡はない。
3日前に「近衛の家に泊まる」と言ってから何の音沙汰も無い。

「でさ、明日はどうする?私も明日部活が無いからどっか遊びに行こうよやつっちゃん」
「そうね・・・」
空返事。そして近衛の表情が曇る。
「・・・もしかして例の彼の連絡待ってるの・・?」
「・・・」
沈黙。
「ハア」
そしてため息。
「ん〜・・・あのさ。「彼」って誰なの?私の知ってる人?」
「・・・」
見詰め合う瞳。近衛の眼は真剣そのものだ。
別に近衛には私たちのことなんて関係ないのに。
「・・・・ハア。まあいいや。とりあえず出かけよ」
またため息。そして立ち上がる近衛。
「どこに?」
質問する私。
「知らない。とりあえず出掛けるの!」
私は手を握られ、引かれるまま外へと出て行った・・・

208 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 09:30:58 ID:ciVI5/ov
ひょっとして書きながら投稿してないか?


209 :つながり1-B:2008/05/06(火) 09:45:19 ID:a6pKX0TS
もうやめよう・・・
「・・・なんで?」
俺たちの関係は・・・ホントは平行線じゃないといけないものだから・・・
「・・なんで?」
俺と夏輝は兄妹だから・・
「なんで?どうしてダメなの?こんなに好きなのに!ずっとずっと昔から好き合っていたのに。 私たちは誰よりも深く深く繋がった存在なのに・・・なんで?」
だからダメなんだ・・・ここで終わらせないとダメなんだ・・・
・・・
・・

「ハア」
思い出すとため息が出る。あの日・・・いや、あの日というには2週間はまだ短すぎるな。
「どうかしたの智行。ため息なんかしちゃって」
「いや、別に。大した事じゃないよ」
話しかけてきたのはロングヘアがよく似合う大和撫子(でいいのかな?)要幸江。
俺にはもったいないような彼女だ。
「ふーん・・・そう。大した事じゃないのにため息が出るんだ」
「いや・・まあ」
俺は右手で頭をポリポリと掻く。困ったときしてしまう俺の昔からの癖だ。
「困ってますね」
「はは・・・」
彼女はSッ気があるのかもしれない。

「でも・・まあ、なんでもないならいいか」
「そうそう。せっかくのデートなんだからいいだよ」
場所は街中にある2階建てのハンバーガーショップ。
俺たちは小腹がすいたため、窓際の席から外を見ながら残り少ないポテトをつつきながら談笑していた。
「でもさ、もし本当に困ったことがあったら迷わず私に相談してね」
幸江が言った。
「ああ」
そして俺はうなずいた。
やっぱり俺にはもったいないくらいの人だ幸江は。
でも、だからこそ今回の事・・・「彼女」のことは絶対に相談なんかできない。

「彼女」は・・・そう俺の妹だから。しかも双子の。
ずっとずっと子供の頃から愛し合ってきた。体も重ねた。そして、世界の基準が俺たちの基準と大きく違うと知って別れた。
そんなこと、絶対に知られてはいけないんだ・・・


智行が「彼」が窓の向こうの世界から幸江に眼を戻したと同時。
決して見られたくなかったその光景を。
「彼女」は見ていた。決して見たくなかったその光景を
「・・・やだ」
そして「彼女」の見る世界は涙で歪んだ。

210 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 11:01:19 ID:f133cosA
投下終了ならちゃんとそれを宣言したほうがいいと思うんだが
話自体は面白いので一番槍GJ

211 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 17:31:51 ID:C5nkjMuS
投下・終了宣言なしの上書きながら投下……これが黄金週間か

212 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 17:59:26 ID:tDbdzN6e
いちいち書き込むな

213 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 21:45:24 ID:mwEKgzc+
歪ミ回廊ってゲームやってみたが…

あれってヤンデレなのか?

214 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 22:49:02 ID:tUTeZzSZ
今更だがパッパラ隊のランコってヤンデレですか?

215 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 23:57:55 ID:ZyAKREZC
>>213
>>214
いちいち人に聞くもんじゃないぜ?
自分で判断できないなら違うんだろ。なんでもかんでもヤンデレ扱いはどうよ?
定義の話になったら荒れるからあんま言わないが、基本的には言葉様と楓が典型的なヤンデレだ
最初から病んでて凶器振り回してるのはヤンデレじゃなく基地外。わかってんだろ兄弟?

愛しすぎて徐々に病んでいくその過程がいい
好きな男の心が離れていく時の『病む』スイッチが入るとこれからが本番
思考が歪んで瞳から光が消える瞬間がたまらない

誰かとヤンデレについてアツく語りたい。俺もそう思いながら静かに投下を待ってるんだ…


216 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 00:18:41 ID:gqpIzkCv
>>215
全俺がヤンだ

217 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 00:37:18 ID:WBXihwDn
>>215
お前さんの熱い思い、文章にしてみないかい?

218 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/07(水) 00:45:34 ID:vSpxNIPX
投下します

219 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/07(水) 00:46:27 ID:vSpxNIPX
「……あなたは、逃げないの?」
違う。 逃げないんじゃない。 逃げられないんだ。腰が抜けちゃってるから。
「……あなたが初めて。 私をみて、逃げなかったの」
いや、だから違うって。本当は逃げ出したいよ。
「私ね、早希っていうの。 松崎早希」
誰も聞いてないのに、勝手に自己紹介を始めやがった。
「あなたの名前は?」
そいつは、ひどく嬉しそうな顔で僕に名前を聞いてきた。
「俺は……えっと、賢一。 大山賢一」
とっさに答えてしまった。
「そう。 よろしくね、賢一君」
これが、僕たちの出会いだった。

220 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/07(水) 00:51:32 ID:vSpxNIPX
最初は、そう、ほんとに気づかないくらい些細なことだった。この服たたんでたっけ? とか、この本この場所に置いてたっけ? とか。
事態が急変したのは1ヶ月ほど前だった。僕が大学から下宿先のアパートに帰ると、なにやら部屋からいい匂いがするではないか。
まさか妹が料理をつくりにきたのか!? と期待したが、よくよく考えてみると僕に妹はいないわけで。
なんだろ、とリビングに入った瞬間、目に入ったのは豪華な夕食だった。 僕がぽかんとしているといつの間にか彼女がでてきて。 後は前述の通りだ。
それ以来、彼女は夜になると、毎晩のように僕の前に姿を現すようになった。恐らく今晩も。

221 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/07(水) 00:52:34 ID:vSpxNIPX
――ああ、やっぱりきた。
神経が特殊な感覚を感知したと同時に、脳内に女性の声が響きわたった。
「あは。 こんばんは、賢一君」
僕がうっすらと目をあけると、もはや日常とかした彼女がいた。 日本人形を彷彿させる、腰のあたりまである長い艶やかな黒髪とぱっちりとした瞳。
そして雪のように白い肌に栄える着物。 その全てが美しかった。 だが彼女のもっとも大きな特徴は目を凝らすと、体が透けていることである。つまり、幽霊。
「賢一君。 今夜もずっと一緒だよ」
恨みや哀しみとはかけ離れた、まだ十代半ばくらいであろう可愛らしい声が脳内に反響する。
「今日も一緒に気持ちよくなろうね」
そう言うと、彼女はニコッと笑い僕に抱きつく。途端に、全身が優しく撫でられているような、むず痒い感覚に襲われる。
「服……脱がせてあげる」
早希は器用に僕のパジャマのボタンをはずしていく。手慣れたものだ。僕は瞬く間に裸に剥かれた。
「……んもう、賢一君のえっち」
僕がじっと早希を見つめていたからだろう。 しかし、早希は顔を真っ赤にしながらも手際よく着物を脱ぎ始める。 一糸纏わぬ姿になった彼女は、美しいとしかいいようがなかった。
「それじゃ、いれるね」
僕は彼女の体に触れられないので、前戯はない。僕が頷くと、早希がゆっくりと腰を沈めていく。同時に僕のあそこが、何
かに包まれているかのような感覚になる。早希いわく肉体には干渉できないので魂に干渉しているらしい。そこのとこの事情は分からないが。
「あぁ……気持ちいいよぉ……」
幽霊であっても快感は感じられるのか、僕の上で早希がいやらしく腰をふっている。
「すごいよぉ……だめ……あんっ……」
普段の和風の美少女の外観からは想像もできない、いやらしい声で喘ぐ早希。そんな早希を見ると、徐々に僕の射精感も高まっていく。
「早希……俺……」
開始して三分経っただろうか、僕は早くも射精しようとしていた。
「早希……」
「うん……いいよ……いつもの通りに……あっ……」
早希の腰を振る速度が速くなる。 頭が快感で真っ白になった瞬間、射精したのだとわかった。

222 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/07(水) 00:53:54 ID:vSpxNIPX
「私が人間だったらなぁ」
ことを終え布団で抱き合っていると、不意に早希がそんな言葉を漏らした。
「早希が幽霊じゃなかったら、俺たち出会えてなかったかもしれないよ」これは僕の本心だった。実際、早希が生きていたら僕みたいな男を好きになることなんてなかっただろうし。
「そっか。 そうだよね」早希は自分を納得させるように頷くと、僕の顔を覗きこんできた。

「賢一君……明日もきていい?」
早希が少し不安を滲ませた表情で表情で語りかけてくる。
いいよ、と返事をして、彼女の髪を撫でる。実際は触れてはいないのだが、早希はとても嬉しそうに笑う。
それから、彼女が消える時間帯まで、僕らはずっと抱き合っていた。例え体温は感じられずとも、お互いを感じていた。

223 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/07(水) 00:54:26 ID:vSpxNIPX
投下終わります
長編になるかもです

224 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/07(水) 01:16:48 ID:vSpxNIPX
勢いで書いた
後悔はしていない
反省はしてる

225 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 01:27:34 ID:dRmJhqi7
反省しなくてもいいから早く続きを書くんだトム

226 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 02:23:16 ID:2G5MUv6v
GJ!
最高だ…!

227 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 09:53:24 ID:GeCyd6dM
>>215
その言い分だと楓さまはヤンデレではなくなってしまうのだがな
発狂した後にデレたわけで、理由が途中から変わっただけ

228 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 10:06:53 ID:dlMQKqcO
楓は
事故で病み→事実を知ってデレ→稟の心が離れて病んだからな
         ↑アニメ版はスタートがここだからまぁデレて病んだともいえる

というか俺はヤンデレはデレとヤンの落差の激しさがいいとおもうんだよ
デレるから病む、デレた分病む
特に当たり前だと思ってた日常が当たり前じゃなくなったときに病むとかいうのが好きだな

229 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 11:15:46 ID:ESUeXczX
やっぱヤンデレって定義しづらいんだよなあ


230 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 12:09:53 ID:dlMQKqcO
ヤンデレで一番世間に知られてるのが言葉様的凶行だからな
だからこそレナがヤンデレだという説がでてきたりする

スレ住民それぞれにある程度のヤンデレイメージはあるだろうが
ヤンデレのヤンだけ説明したら別物になるからこそなかなか説明しづらい

231 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 12:23:01 ID:psKkDtYe
定義厨の言ってる事を全部真に受けてたら
ヤンデレだって言うキャラクター全部消えるからな

連中既存キャラの名前出さないし。

232 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 12:50:55 ID:K6SNxMk+
要するに楓は俺の嫁ってことか

233 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 12:57:02 ID:6Q0f/fHG
>>227
発狂→和解してデレのここまではあまりヤンデレと関係ない
これはあくまで好きになったまでの出来事として捉える(反対意見許可)

稟が選んでくれず彼女できて心が離れていき病んでいった→空鍋&首締め
これがヤンデレになる過程と結果
これで合ってるはずだと思うが間違ってたらスマソ
ごめんね。母ちゃんアニメしか見てないから…

ヤンデレは病むまでの過程、またそのシチュが重要だと思う
言葉様も楓様も徐々に病んでいったろ?あの病気が進行していく緊張感
がたまらんのですよ。みんなもそうだったろ?
凶行は結果的なもんでヤンデレだから凶行に及ぶとは限らないんではないか?
ヤンデレが起こす結果は様々。だがツンデレがだんだんデレていくように、過程を楽しむのが
ヤンデレの「味わいかた」だと私は思うんですよ
どうやって病んでいくんだろう?病んでどんな結果を起こすんだろう?
このワクワク感が良いんですよ
定義づけるのは難しい。いちいち細かく定義づける必要はないと思う。だがヤンデレとメンヘラの
区別くらいは最低限つくだろう。スレ住人は一応18歳以上の大人なんだしね
あくまでこれは俺個人の考え方で押しつけるつもりはない
だが「これがヤンデレだ」と押しつけたりメンヘラと区別がつかないのはどうかと思う

結論・ヤンデレ最高!

>>228
君と一晩中語り明かしたい。もっと語ってくれ

234 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 13:14:52 ID:zZA/TpRM
>>231
でもひぐらしのヤンデレは無い、譲歩して詩音だけ

235 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 14:25:01 ID:dlMQKqcO
>>233 あまり語るとスレの迷惑になるからここらでやめるわw
まぁ明確な形をもってヤンデレというものを見たのが楓が初めてだったからつい語ってしまったな

236 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 18:25:53 ID:eR07YxZT
今年の七夕は
「俺に監禁してもたまに外出許可してくれるヤンデレの彼女ができますように」
って書く。

237 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 19:20:11 ID:vM4UaeLD
その彼女はきっと朝青龍似だな

238 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 20:23:55 ID:WBXihwDn
>>237
人を呪わば穴二つなんだよ

239 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 20:25:22 ID:rrFRxI64
>>236
そんな半端な子は、決してヤンデレじゃない…
ただのイタイ子だ…

240 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 22:01:41 ID:cF6JKZ7/
そういえば質問
ヤンデレのエロゲもしくはSSがあるとして、誰視点の話が好き

1 もちろん主人公
2 もちろんヤンデレ3 あえて主人公の親友で、傍観者
4 視点がコロコロかわってくのがいい

241 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 22:34:15 ID:Jtiq2hku
1か4、ただしヤンデレ視点も必須

242 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 23:10:43 ID:WBXihwDn
どの視点でも、それぞれのよさがある
筆者の筆力次第

243 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 06:05:41 ID:ynZ/haII
>>237
死ね、マジで死ね。
お前に監禁しても絶対外出許可しない上に足切断して逃げれなくする怖いヤンデレの彼女ができるように願っておいてやったぜ。

244 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 06:48:12 ID:ElWSKfJc
>>243
お前、優しいな

245 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 07:04:04 ID:qQXD6t4k
気が付いたらヤンデレに添い寝されていたい

246 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 18:26:33 ID:Ki/BrmQN
>>243
叩いてるつもりが実は相手にはこれ以上にない嬉しい言葉に聞こえている。
初めてそういうの見た。

記念に243に女と目があっただけで激怒して毎日1000通メール送って来て、学校や職場でキス迫ったりする上断ると包丁差し出して私死んじゃうよ?って言って。
最終的に監禁して四脚切断目玉くりぬきするヤンデレ女ができるようにお願いしてやったぜ。
お前のご希望通り外出許可を入れておいたから安心しな^^

247 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 20:33:07 ID:7H8f7PBf
デレ&ヤンの続きがないかと思う今日この頃

248 :きゃの十三 ◆DT08VUwMk2 :2008/05/08(木) 21:33:34 ID:02Y5mFOI
投下します。

249 :お姉ちゃんは妹を愛してる ◆DT08VUwMk2 :2008/05/08(木) 21:35:02 ID:02Y5mFOI
最近、響子の様子がおかしい
普段なら私が起こさなきゃ寝坊する甘えん坊さんだったのに
近頃じゃ私より早く起きてお弁当をこしらえているのだ。しかも2つも。
私が誰の分だと聞くと頬を赤く染めてはぐらかす。
その時、わかった。私の響子は、どこぞの馬の骨に騙されてるんだってね
きっと、響子が音波財閥の社長令嬢だという事に目を付けて純粋無垢で清楚な響子を狙ったんだわ
あぁ、なんて忌々しい。身元がわかりしだい我が音波財閥の権力と財力と暴力で葬ってくれようぞ!!
「…さま、お姉さま」
馬野骨男(仮)の破滅の妄想に浸っていて、可愛い私の妹の声に気付かなかったようだ。
響子が私になんの用だろうか?
はっ!まさか、姉妹の禁断の愛の告白!!
きっとあの馬野骨男(仮)は、私を嫉妬させる為の捨て馬。それなら全ての辻褄が合う。
「なにかしら?響子」
私は、すました顔で妹に応対する。
「あ…あの、お姉さま」
もう恥ずかしがり屋さんなんだから、響子は。ほっぺたと両耳真っ赤にしちゃって。
林檎のようなほっぺたにキスをして、火照った両耳を舌で舐め舐めして愛を囁いてあげたい。
でも、響子が頑張って私に告白するのだから姉として我慢しなきゃね。我慢我慢。
さぁ、私に16年間、心に秘めていた私への愛を囁いておくれ。
そしたら私は、それを受け入れて、ご褒美に唇にキスをしてあげますわ。
「き・今日、お友達を我が家に招待してもよろしいですか?」
「私も………え?」

250 :お姉ちゃんは妹を愛してる ◆DT08VUwMk2 :2008/05/08(木) 21:35:36 ID:02Y5mFOI
一瞬、私の中で時間が止まった。
え?お友達ですって。
いままで人見知りだった響子は友達を家に連れてきた事はない(まぁ、私がそう仕向けたのだが)
だから家に帰るといつも私と一緒に遊んでいた響子が今になって友達を家に連れてくるなんて……
ど・どこのレズ猫だか知らないが私の響子を同性愛なんていう社会的にも倫理的にも禁じられている世界に
連れ込むなんて許せないわ。我が音波財閥の権力と財力と暴力で葬ってくれようぞ!!
「駄目……ですか?やっぱり」
響子のいたいけな瞳が私に何かを訴えかけてきた。
「駄目なわけないでしょ。いいですよ、響子のお友達なら大歓迎よ」
「あ・ありがとう、お姉さま」
私は、その瞳に勝つ事ができなかった。
まぁ、いいでしょう。
いつまでもお姉ちゃんにベッタリくっついてる歳でもなし…ベッタリ……うぅ、お姉ちゃんサビシイよ

その日の授業、私は、ずっとボケーっとしていた。
一体、響子は、どんな輩を呼んでくるのだろうか?という事で頭がいっぱいだったからだ。
そして、頭の中に「もしや男ではないか?」という最悪な状況が頭を過ぎった。
あぁ、だとしたら16年間、手塩にかけて育ててきたあの熟れた身体も
インターハイ級の清楚な心もすでに馬野骨男(仮)に……くぅ、羨ま…めしい!!
こんな事なら共学になんか行かせずに私と同じ女子学院に通わせればよかった。
今、思うと、あんなに共学に行きたがってたのもアイツの為なのでは……ぐ・や・じ・い!!
こうなったら先回りして……
「先生!今日、従姉妹の結婚式なので早退します」

251 :お姉ちゃんは妹を愛してる ◆DT08VUwMk2 :2008/05/08(木) 21:36:13 ID:02Y5mFOI
私が帰った6時間後、響子が見知らぬ男と一緒にやって来た。
「お・お邪魔します」
「ふふ、いらっしゃい」
えぇ〜い、響子に引っ付くな!この蛆虫野郎めが!!
あぁ〜、いますぐにでもこの頭を千切りとって、サッカーボールにして蹴り飛ばしてやりたいが
響子が悲しむのでやらない。響子が泣くのは一番嫌だから。
だから命拾いしたな、馬野骨男(仮)。
そういえばコイツの本名を聞いてなかった。
興味ないけど一応、聞いておこう。身元がわかったら関わりのある周囲の人間殺させて発狂させてやるつもりだ。
それには、まずきっかけを作らなくてはならない。
用意周到な私は、アイツと響子のいる部屋に紅茶を届けに向かった。
「紅茶、持ってきたけどお口に合うかしら?え〜っと……」
「友永…友永アキラです」
「そういい名前ね」
友永か…ふふふ、珍しい名前だからすぐに私のスーパーコンピューターが
貴様の身元を割り出し、身内はおろか恋人をも社会的、物質的に抹殺してくれるぞ。
「もうお姉ちゃん、あっち行ってよ」
え?今日この方を振り向くと頬を膨らまして睨んでいる、私に向けて。
な・なぜなのだ、すべてはお前の為なのに。
き・きっと、このアキラという男に洗脳されているに違いない。
…洗脳されているということはこの未成熟な胸も熟れたヒップも薄毛の生えたアソコも
あの男の手垢が……おのれ、友永アキラめぇ〜。
しかし、ここは引き下がってあろう。妹の嫌われるのはなによりも嫌だからな

252 :お姉ちゃんは妹を愛してる ◆DT08VUwMk2 :2008/05/08(木) 21:36:41 ID:02Y5mFOI
それから2時間、響子の部屋からキャッキャウフフと楽しそうな声が…
なんだか愛する妻を目の前で寝取られた夫の気分がわかった気がする。
響子も響子だ。私とキャッキャウフフすればいいのに何が不満なのかあんなのとキャッキャウフフしおってからに
そんな事を考えていると響子と雄猫が私のいる居間にやってきた。どうやら帰るようだ。
「では、お邪魔しました」
「また来てね。響子、友永さんを送り迎えして差し上げなさい」
「はい、お姉さま」
響子が屋敷の外までにアイツを送り迎えしている間に、
響子の部屋に向かい、そこに取り付けてある
響子のプライべー…何か万が一の時にと取り付けておいた盗聴機器を取りに向かった。
しかし、取り付けておいた盗聴機器は見事にすべて壊されていた。きっと、アイツが壊したんだ。
ふと、奴の使ったコップが目には入った。
こんな汚らわしい物、我が家の運気が悪くなる前に捨ててしまおうっとコップに手を伸ばそうとしたその時…
「待ってくださいまし、それは私が片付けますわ」
響子は私からアイツの使ったコップを奪い取ると私を追い出して、部屋に鍵を閉めた。
私は、ドアに耳を澄ませた。すると、クチャクチャと卑猥な音を奏でながら
「ああん、アキラくんの口付けしたコップが私のここに当たって…
アン、もっと、もっと、してぇーーーーー!!」といままで耳にした事がない
妹の卑猥な言葉に私は、愕然とした。

――その夜、私は、妹の写真で自慰をした後、静かに泣いた。

253 :お姉ちゃんは妹を愛してる ◆DT08VUwMk2 :2008/05/08(木) 21:37:08 ID:02Y5mFOI
★ ★ ★ ★ ★

誰もいないこの旧校舎がいつもの彼との待ち合わせ場所。
彼は、アキラくんは、私の言う事をちゃんと聞いてくれるいい子です。
「今日は、とっても熱いからショーツが蒸れますわ」と言えば、
このようにしゃがみこんで、私のショーツに向けてフゥ〜、フゥ〜っと息をかけてくれますの。
1ヶ月前までは、他のお友達と一緒にいて、私の事なんて見向きもしてくれませんでしたのに…
まぁ、男の子ですもの。未来の妻になるとはいえ、私のようなか弱き女子よりも
同じ男の子と遊んでいた方が楽しいでしょう。
でも、やっぱりかまって貰えないのは寂しいものでしたわ。
そんなある日、アキラくんのお父様、つまり私のお義父様が私の父が経営している社員だと知った私は、
悪いとは思いましたが彼と関係が欲しくって、お義父様のクビをネタに結婚届を書かせて、
少し強引ですが婚約を結びましたの。
それからこうして夫婦の契りを深めているのですが最近、不安になる事があります。
それは、他の女の事楽しそうの話している時や
昨日のお姉さまをいやらしそうに見ている(ように見える)アキラさんを見てると……
アキラくんは浮気をする人じゃないとわかっているのですが…でも怖いのです。
私のどうやらとっても焼きもち屋のようです。だから……
「アキラくん、今日からこれを付けて下さい」
私は、鋼鉄でできたパンツ――貞操帯を婚約者に付けさせました。
でも、それじゃお互いフェアじゃありませんね
「アキラくん、これを…」

私は、アキラくんに鍵を渡しました。私が穿いている貞操帯の鍵を―――

254 :きゃの十三 ◆DT08VUwMk2 :2008/05/08(木) 21:45:32 ID:02Y5mFOI
投下終了。
もうちょっとだけつづきます。

ところで前にガンダムのパロディネタがあったけど勇者ロボのヤンデレパロって投下OKですか?

255 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 22:02:39 ID:tnNZcpih
>>254 GJ!!投下については別にいいんじゃないかな。
それにしても、姉妹そろってヤンデレとは。しかも、ベクトルが

姉→妹→彼

だもんな。今までにこういうタイプの読んだことがないから、新鮮でおもしろかった。
続きを楽しみに待っているよ。

256 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 22:32:33 ID:RjO/9L7w
>>254
勇者ロボ大歓迎。

257 :コレの続きどこにあったっけ?:2008/05/09(金) 01:27:40 ID:zTIjudTZ
「ここはどこ?僕、どうして縛られてるの!?」
「ごめんなさい。でも○○さんが悪いんですよ、私以外の女に
私だけの精子を与えて・・・」
「そ・そんな、だって僕たち恋人じゃないのに、そんな事できないよ。」
「大丈夫。これから連日連夜の性愛で壊してあげますから。
お母様がお父様を壊して堕としたように。」
「ひいっ!まって、許して!!」
「うふふ・・・この日に備えて性技を磨いてきたんですよ。
どこまで持つか楽しみです、好きなだけ泣き叫んでくださいね・・・」

258 :名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 01:58:48 ID:jVFFzTAv
ヤンデレ娘にカカオ99%のチョコレートを口移し食べさせるとどうなるの?

259 :名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 02:45:51 ID:dvSuSQV0
爆発する(性的な意味で

260 :名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 04:20:37 ID:zMzQ70Y+
あれは食べ物じゃないなww
普通の人だとむせるとおもうぞw
ヤンデレならどうなるかはしらないがあれは苦すぎておいしくない

261 :名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 07:25:31 ID:iOJwAFhM
ヤンデレに『いいもんあげるから目ェ閉じてな』
って言って放置して帰りたい

262 :名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 07:43:05 ID:5OqvfEPS
おまえの口のなかがうんこの塊でいっぱいなりますように

263 :名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 08:50:38 ID:t4qpZEAu
むしろうんこになっちまいますように

264 :名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 08:54:04 ID:cZMr1Nsg
>>261
翌日気になって見に行ったらずっと目を閉じて待っていたなんてことがあったら可愛いと思うかも

265 :名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 09:23:25 ID:3GD+FFyy
>>264
「いらない王様」という話を思い出した
思えばあの道化師は尽くすヤンデレなのかもしれない

266 :名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 20:05:22 ID:zMzQ70Y+
そういえばミクシーのヤンデレコミュでヤンデレってことになっててなえたことがある

267 :名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 20:05:53 ID:zMzQ70Y+
レナがヤンデレってことになっててだ・・

268 :名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 20:07:05 ID:H5WbJjRs
ああ、ミクシィね・・・

269 :名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 22:21:55 ID:oCdVc6Js
招待された事もないこれからもその機会はないだろうしな……

270 :名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 23:50:28 ID:iBGnR8Db
個人の自由で

271 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 01:03:01 ID:UmellN+C
「後にも先にも、私の彼氏は君だけ」
「あなたの彼女は私でしょ?」

ヤンデレスレ的にこの違いはどう思う?

272 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 01:12:56 ID:zpKSwXd3
上は前提条件であって殊更に主張するようなことではないな。

273 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 01:55:36 ID:74ax6CvX
主人公、元彼に酷い扱いを受けていた女の子に親切心から優しくする

段々と立ち直り、主人公にも惹かれる様になる女の子
しかし主人公は女の子に恋愛感情を持っていない為に気持ちにすれ違いが発生する

嫉妬心やら空回りする好意のせいで女の子ヤンデレ化

みたいなパターンでも全然いけます

274 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 03:47:56 ID:kYZ5sEke
>>273
元彼は嫌だから両親の死にしてくれ

275 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 06:33:21 ID:+3OKEvlR
処女なんて飾りです
男を知らない女のほうが浮気しやすいんです

276 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 07:57:11 ID:1eBtP8Am
そもそも浮気するような女はヤンデレにはいないから大丈夫さ

277 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 11:38:25 ID:yP7SLz3K
浮気ではなく彼氏が死亡する度に次のターゲットに変わるんですね、わかります

278 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 13:06:59 ID:3L4JmFpY
>>276
俺がヤンデレ好きな理由のうちの一つだ。

279 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 16:27:22 ID:aH+v3moT
>>277
お前は何も分かっちゃいない

280 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 19:12:23 ID:lEW7KQJu
>>277はにわかヤンデレ好き

281 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 19:36:39 ID:2LuBwpOX
・彼氏が死亡する度に、次の転生先まで輪廻して追いかける
・彼氏が死ぬくらいなら、いっそ自分が死ぬ
・でも彼氏を盗られるくらいなら、一緒に死ぬ
・心中を拒まれたら、自分のことを一生忘れられないトラウマを彼氏に残して、一人で死ぬ
・幽霊になっても貴方だけ

282 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 20:14:40 ID:TeglBgOl
>>281
1か5で

283 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 20:31:21 ID:M3TYtOpW
>>281
4以外ならどれでも

284 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 20:45:48 ID:SqJx/WSw
4て言葉様じゃんw

285 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 20:51:57 ID:M3TYtOpW
別に言葉様は心中申し込んだりはしてないじゃないか

286 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 21:09:54 ID:TqfIKkX3
>>281
ヤンデレルーキーの俺は2,3,4,5以外ならどれでも

287 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 21:51:34 ID:AlpDd9x2
そういやヤンデレの浮気を疑って問いただしたらどういう反応を示すのかね
可能性的に

1 笑って絶対にありえないと軽く否定する
2 自分の気持ちを疑われたと思ってぶち切れる
3 勘違いされたと思って必死に弁解→勘違いされた男を愛の証明の為にぶち殺しに行く
4 自分が他の男と話していることに嫉妬してくれている→自分はそこまで愛されていると感動
  →もうお互い以外何も要らないと言わんばかりに監禁生活に(ry

こんな感じか?

288 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 22:07:20 ID:aH+v3moT
1か3だな、俺見解だと。

289 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 22:10:43 ID:Yk9s42RY
まず1から始まり4の前半から3の後半へと移行し
そしてよくよく考えて2になり監禁生活へ


290 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 22:11:55 ID:TUDCMSwX
まず1からスタートして、それでも誤解がとけなかったら
「どうして分かってもらえないんだろう……」とかどんどん病んでいってしましそうだな。

291 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/10(土) 22:55:33 ID:sGvQN3sL
すんません投下します

292 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/10(土) 22:57:21 ID:sGvQN3sL
「あー眠い……」
ついそんな言葉が漏れる。当然といえば当然である。毎晩のように早希と交わっているので、あまり寝ていないからだ。
しかし、単純に寝不足だけなのだろうか、この疲労は。
気づいたら幽霊に精気を吸い取られてました、なんてホラー映画や昔話でよくある話だ。
まあ、早希に限ってそんなことはないだろうが。

293 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/10(土) 22:57:50 ID:sGvQN3sL
「……弁当でも食べよ」
軽い自己嫌悪に陥りながら、バッグから早希が用意してくれた弁当を取り出す。肉体には触れないが物には触れられる、とは早希の談である。なんと都合のいい幽霊だろうか。
ふたを開けると、見事な和風弁当だった。鮭の塩焼きにだし巻き、きんぴらゴボウ。食欲をそそるには十分だ。
「いただきまーす」
未だに友達がいない僕は、独りで昼食を食べた。

294 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/10(土) 23:01:06 ID:sGvQN3sL
彼は、今日も一人で昼食をとっている。単に友達作りが苦手なだけなのか、それとも彼が孤独を好むからであろうか。
私としては後者の方がいい。男友達ならまだしも女友達を作られたら間違いが起こる可能性もある。
しかし、つくづく自分の臆病さを呪いたくなる。大学に入学して彼に一目惚れして、早くも一年が過ぎた。
彼の専攻している講義を全て調べ上げ、一緒の講義をとった。だから、四六時中彼と接触するチャンスはある。
なのに。ただ一言、お昼一緒に食べない?というだけでいいのに。私は、どうやら男の目からはなかなか美人な部類に入るらしい。
中学高校と何度も告白された。だから、本気で好きになったわけではないとしても、付き合った経験はある。
だから、ここまで行動できない自分が歯痒い。そんな経験じゃ、今の胸のときめきにはとるに足らないものなのだということなのだろう。

295 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/10(土) 23:02:01 ID:sGvQN3sL
……まぁいい。これも大事に思っているからこそ。チャンスはまだまだある。
……そういえば、お昼というと最近気になることがある。1ヶ月ほど前から、彼の昼食がお弁当に変わったのだ。
しかも手作りの、豪華な和のお弁当だ。昔はコンビニ弁当や、パンだったのに。彼女でもできたのか? と心配したが、家の者を使って調べた結果白だった。うーむ……
思案していると、いつの間にか隣に彼がいなくなっていた。
携帯で時間を確認すると、次の講義まであと五分という時間だった。ちらりとふりむくと、学食をでていく彼の背中が見えた。なんたる不覚!
お弁当箱をバッグにしまい、学食をでる。彼に小走りで彼に追いつき、二メートル後方をぴたりと歩く。
まるでストーカーみたいだなと、我ながらちょっと異常に思えてくるが、愛の前ではなんのそのだ。そして教室につき、今日も彼の後ろの席をキープ……したのはよかったが、安堵しかけた後、私は思わずこう呟いていた。
「なん……だと」

296 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/10(土) 23:04:27 ID:sGvQN3sL
あたしの名前は、神江優花。家は代々続く由緒正しき陰陽師の家系だ。
現代風にいうとシャーマンだとか霊能者とでも言うべきか。家がそんなだから、あたしは生まれながらに強い対霊能力を持っていた。
そんなあたしに祖父や父は期待したのか、あたしは幼少から修行の毎日だった。
皮肉にも才能があったらしく、あたしはめきめきと実力を伸ばしていった。
と同時に、同年代の子供には異端者として映ったらしく、だんだんと独りぼっちになっていった。
寂しくなかったといえば嘘になる。 だが、ここで父達に反抗してもお金がない自分はどうにもならないことを知っていた。 だから必死に耐え、修行の傍ら勉学に励んだ。

297 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/10(土) 23:05:50 ID:sGvQN3sL
すべてはこの実家からぬけだし、一人暮らしをするためだ。努力の結果私は国立大学に合格し、母の手助けもあり、現在の一人暮らしの生活を勝ち取った。
が、つくづくあたしは運がないらしい。あたしのレーダーが、ここ最近一人の男から霊威を感じるようになった。正確には彼に接触している霊からだ。男の名前は大山賢一というらしい。偶然にも専攻している講義も一緒だった。
邪悪な意志は今のところ感じないが、危険因子は取り除いておくべきだ。
早いうちに彼に接触せねばと思ったあたしは、今日の昼食後の講義で彼に接触を試みた。偶然を装い、彼の隣に座る。そしてテキストを忘れた振りをし、一緒に見せてもらったのだ。
単純な計画だが、お礼をするからという理由でアドレスも聞き出せたし、我ながらgoodな計画だった。
……それにしても先ほどの講義中、後ろから凄まじいプレッシャーを感じたが、あれはなんだったのだ?

298 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/10(土) 23:07:16 ID:sGvQN3sL
投下終わりです
そもそも第一話が勢いだったからあとが続かねえ……後悔も反省もしないがな!

299 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 23:27:16 ID:TqfIKkX3
お疲れさんです。

300 :幽霊だったらいけないの?:2008/05/10(土) 23:36:59 ID:sGvQN3sL
>>299
すんません反省はしてます
だ、だから怒らないで!

301 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 23:43:48 ID:Yk9s42RY
>>300
急にどうしたんだw
とりあえずGJ!

302 :名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 23:50:03 ID:vLFElmOF
うわ、すっげえ期待!!

ヤンデレにもやっぱりバリエーションはあるわけで……。
ねえねえ、ここだけの話、教えてよ!
3人ともそれぞれ別の形でヤンデレ化して主人公の精神を、肉体を、魂を無茶苦茶にしていくんでしょ?
違ってもいいけど、それぞれキャラ立ってるし、面白そうだ〜!!
作者には素直にエール送ります!!
頑張って下さい!!

303 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 13:03:41 ID:r5GUu/mr
>>298 GJであります。ところで、陰陽師さんもヤンでしまうのか?

304 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 13:31:11 ID:YwY5tuIB
先の展開を聞いたら面白さ半減だろw

>>298
GJ!

305 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 20:48:41 ID:c0Ho2I/w
>>281の1について。
修羅場系総合SSまとめサイトにある
「一万年と二千年前から愛してる」がそんな感じ

306 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 20:54:16 ID:ha1iGGZz
>>305
しむらー、「ことのはぐるま」忘れるなー!!
それに…いやなんで(ry

307 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 20:57:37 ID:c0Ho2I/w
なにがあったw

308 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 21:02:10 ID:F1W3cuDg
でも確かに「ことのはぐるま」読みたいな。あれ今1番きになっているし。ちなみに2番はほt(ry

309 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 21:43:06 ID:+t1nJR6W
恋人が死んだ場合の対応
男の家に上がりこみ、両親に頼み込んで直前に着ていた服を貰う。
家に持ち帰り、服に顔を埋めて匂いを堪能しつつ、呟く「ずっと一緒だよ、男さん」

これくらいでよくないか

310 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 22:31:10 ID:86diqvsw
>>308
俺は一番が時鳥だけどな

311 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 22:37:08 ID:Lk8/2p4v
俺は上書き

312 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 22:39:38 ID:Gf7XtO1B
よづりさんの続きが読みたいです…

313 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 23:19:24 ID:/fUKj3bl
待つしかないんだけどね!

314 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 00:16:49 ID:KGEvi2f1
そういやかちかち山の人はどうしたんだろうな
きっと新年度だから忙しかったりするから投下が遅れているだけなんだろう
もしくはヤンデレっ娘に……

315 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 00:37:01 ID:dqRLZ5Y6
ここの作者様方は常に危険と隣り合わせだからあんな良い文章が書けるんですね

羨ましいような恐ろしいような・・・

316 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 05:13:12 ID:6miEhdKP
ヤンデレ喫茶みたいに投下量が一定になると監禁されんじゃね?

317 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 16:31:27 ID:IciKp7al
マジでか!?
よし、俺も書くぞ、書くぞ!

318 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 19:17:29 ID:O1RDJEQx
>>317
お、さっそくお前に一人ほど釣られたらしいな。
今日電柱の後ろに隠れて恥ずかしそうにお前の名前を呼んでた。

319 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 20:52:06 ID:1ThXNyEM
ttp://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080512_bomb_for_lover/

これはヤンデレと言うべきか
それともただのDQNと言うべきか

320 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 20:56:00 ID:8mF5VZGn
他スレにもカキコしてるだろ
そろそろうざい

321 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 20:57:08 ID:o+hQEiz/
>>320
嫉妬スレに落としたがそれ以外はしらねぇぞw

322 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 20:59:12 ID:v3gFjTLF
あぁ、確かに嫉妬スレにもあったな。ギャング集団だったならただのDQNだな。

323 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 21:19:58 ID:ZjJEx20H
嫉妬スレここ半年くらい見てないんだが
まだ荒れてるの?

324 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 21:21:19 ID:8Dh2XAyG
聞く前に自分で見てくれば良かろうに

325 :名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 21:40:24 ID:8mF5VZGn
嫉妬スレエロゲ版にもあるぞ

326 :名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 00:28:29 ID:2u7dMEjz
だが爆弾魔のヤンデレというのは新しい

327 :名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 01:28:38 ID:at3sZuBy
ヤンデレいぢめたい…

328 :名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 16:32:44 ID:LwBPr/S/
>>323
俺もlそのくらい見てない。
てかそろそろ忘れかけてたw

329 :名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 18:16:47 ID:BN9/sXAo
他スレの話はよそでやれ

330 :名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 18:17:33 ID:8TzclnZj
>>323>>328の帰りを待ってます。ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと
ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと待ってます







帰ってこないと刺し

331 :名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 18:35:48 ID:ntar9x7B
わかったから嫉妬スレに(・∀・)カエレ!
いいかげんスレ違いだ

332 :名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 21:49:28 ID:mYSeNhKb
ストップ、だ


333 :名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 23:00:10 ID:pkvhp/xH
お茶会の人、期待してます。ゆっくり良い作品を作ってください。
私とあなた、2人のための……

334 :名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 00:13:01 ID:bGlTJQJq
>>333
何人に刺されると思ってんだ

335 :名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 19:38:46 ID:HWuisihh
刺された人数
原さんならきっと知ってる

336 :名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 01:46:18 ID:peTyRXqD
ドMなヤンデレってのも良いな

337 :名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 02:45:55 ID:VGW+GGZ4
>>336
かなり同意


338 :名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 15:01:45 ID:+w/gOZ5r
機械音痴のヤンデレが男にきた出会い系迷惑メールを見てしまうという電波がきた

339 :名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 16:12:04 ID:oihrs9AG
>>338
さあ早くその電波を文章に変換しなさい

340 :名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 18:54:36 ID:5WEEn1Fq
昨晩、軍事+ヤンデレ上官+一兵士な夢をみた。
内容はこんな感じだ。
上官の女性に(性的な意味で)しごかれる新任兵士。
女性事務官と会話しただけで、「業務を怠った罰」として懲戒房に放り込まれる男。
そこに同じ軍学校出の女性兵が現れ、男を口説く。
切れた女上官は、演習中に女を崖から突き落とそうとするが、女が拳銃で反撃。
結局相打ちになる。 

341 :名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 18:55:48 ID:2FrliDVC
>>340
さぁ、今日はもう寝て早くその夢の続きを見る作業に戻るんだ

342 :名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 19:35:01 ID:z9BKN5ti
ネタ出しにお使いください。
http://jbbs.livedoor.jp/music/22563


343 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 00:18:46 ID:VzA4GWBG
さてと今日もヤンデレっ娘の夢を見るために寝よう

344 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 00:44:51 ID:6aFaEB4a
実は俺も昨晩ヤンデレの夢を見た。
しかし夢といったら悪夢しか見れない俺の夢は、
ヤンデレが神隠しにあったように忽然と消え去る夢だった。
必死に探し回るがどこにも見つからない。
精神がどんどん絶望に染まっていく。
それでも必死に探す。

昨日まであんなに俺に惚れていたじゃないか!
一体、どこにいる!
どこにどこにどこにどこにどこにどこにどこにどこにどこにどこにどこにどこに────

自分がレイプ目になってしまった。
ヤンデレ好きとしては、これはつらい。

345 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 00:48:12 ID:1DTCQDol
男のヤンデレは醜いからな・・・

346 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 01:32:38 ID:ZlfACvEF
男のヤンデレと言ったらビスケット・オリバとか

347 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 01:57:17 ID:NN/ADZZd
男と男友、下校中

友「おや、最近おまえにべったりの女いないじゃん。ブチ切れて殺っちゃった?」
男「温厚さに定評のある俺がそんなことするわけがない」
友「そうか殺さない程度にry」
男「ちがうわ!後ろあそこ見てみろよ、隠れてるつもりらしいけどちらちら見えるだろ?」
友「あ、マジだ。おまえのことあきらめたわけじゃないみたいだな」
男「なに企んでんだか・・・さっさと消えてほしいぜ。気持ち悪い」
友「なぁ、あれなんじゃないか?押してダメなら引いてみるってヤツ」
男「今まであいつのおかげでスッゲー迷惑したからな。近寄らなくなるなら助かるぜ」
友「はは、まったくだな。この前は俺まで死にかけたからな」
男「このままほっといてくれたらどんなにいいことか・・・」




女「こんなに男君のこと愛してるのにちっとも振り向いてくれないなんて・・・
  泥棒猫どもは全員痛めつけてやったし、悪友からも守ってあげようっていうのに!
  あ!あの糞野郎!男君にあんなに近づいて!!私があそこに居なきゃいけないのに!
  なんで!なんで!・・・・・ッ!!
  ハァハァ・・・こらえるのよ女。今は男君に私の愛の重みを気づかせなくっちゃ・・・
  ここは(悔しいけど)我慢して私が日々どんなに重大なウェイトを男君の生活で占めてるか
  身をもって知らせなくちゃ!」

女、男を監視して1時間後・・・

女「ハァハァハァ・・・すっごい興奮しちゃう・・・
  見てるだけでこんなに想いが膨らんでくるなんて・・・もう耐えられないよ
  立ち姿だけでこんなに女の子を苦しめるなんて男君は残酷だよ・・・
  あ、ああ!あ・・・缶ジュース飲む姿かわいい!
  写真撮らなきゃ!
  いいえ、もっともっと完全に男君を保存しなきゃ!」


348 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 01:59:14 ID:NN/ADZZd
それから2ヶ月後・・・
男の自宅にて

男「女のやつ、ほんとさっぱり消えたな〜
  学校にも来なくなったし、俺にもやっとまともな高校生活が・・・」
ブチン!
男「ん?またブレーカー落ちたのか・・・
  かぁさーん!またエアコンかけながら電子レンジつかったでしょ!
  ・
  ・
  ・
  え?使ってない?
  おかしいな・・・でも最近なんでもないときにしょっちゅうブレーカー落ちるような・・・
  ・
  ・
  ・
  そういえば俺の部屋の天井に変なふくらみができたのって・・・
  まさかな・・・原因考えたくないや。
  糞して寝るか!」

その夜



女「見てるよ!男君!こんなに近くで!
  あ!男君がじいしてる!
  ああ!あああぁ〜どんどん男君が入ってくる〜
  カメラに!マイクに!機材に男君が満ちていく!
  フフ、あんなに出しちゃってる☆
  男君が寝たらすぐ回収してあげるからね!
  男君と私の愛の結晶、絶対作ってあげるからね!
  クスクスクスクス・・・・」




ノリで書いた反省は一切しない

349 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 02:33:31 ID:oQ8vqjYc
>>348
ぬぅ!曲者ッ!!何奴じゃッ!!!(槍でドスンと)

350 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 03:06:00 ID:ox47lMc3
VIPに帰れ

351 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/16(金) 05:58:13 ID:zqXtABnM
前略。

13話を投下します。

352 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/16(金) 06:00:10 ID:zqXtABnM
*****




 目を開ける。
 すぐに閉じる。
 寝起きの眼球に今目にした光景は刺激的すぎた。とても目を開けていられない。
 別に、風呂上がりで艶めかしさを三割増やした葉月さんがバスタオルで隠した胸をさらけ出しそうとか、
妹が俺の胸元に入り込んでシャツを弱い力で掴みながら幸せそうな顔をしているとか、
そういった俺の下半身に都合のいい刺激ではない。
 白かった。
 視界の中が白に染まっているせいで、爛々と輝く蛍光灯を直視してしまったみたいに目が痛い。
 眉を強くしかめてから、もう一度挑戦してみる。
 今度は高速で目を閉じたりはしなかったが、心の中が疑問符で一杯になってしまった。
 なんだコリャ、俺が寝起きで部屋が白で? 
 頬を摘んでみる。ふむ……痛いだけで部屋の様子は変わらない。
 足下が確かであるからして、現実もしくは恒例のリアリティあふれる夢だと見当をつける。
 では、主観的な状況把握に努めるとしよう。
 
 場所は日本ではよく見かける洋風を意識したつくりの部屋。家具を含むインテリアも同じく。
 特殊なのはそれらの配色が淡泊であるというところ。
 雪が降っている訳でもないのに窓の外が真っ白。家の周りが画用紙で覆われているよう。
 何かの上に上塗りした白ではない。どちらかというと、何もないから白くなっている、みたいな感じ。
 家の壁、家具、天井、フローリング、いずれも染み一つ無いピュアホワイトだ。
 白一色のフローリングはなんだか落ち着かない。踏み出すことさえ躊躇ってしまうから、せめて木目ぐらい欲しいところだ。
 そして、視界に映るものの九割が白の面と黒の線で構成されているくせに、
テレビ画面や鏡や写真立てなどの顔を確認できる物だけは、つや消しの黒スプレーを吹いたみたいになっていた。
 そのせいで部屋の光景が映り込まず、現実感のなさの演出に一役買っていた。
 せめてクリアーを吹いてから研ぎ出ししてくれればよかったものを。
 この手抜きっぷりは俺の夢らしくない。別に俺が望んで夢を創造したわけじゃないけどさ。

 気付いたことがひとつ。ここは、我が家のリビングルームだ。
 外の景色を臨める窓、廊下と部屋を繋ぐ入り口の扉、大きいとは言えないものの必要なものはほぼ揃っている台所。
 大規模リフォームしない限りは変わらない部屋の構造はそのままのはず。
 今朝俺が見た居間の光景と違う点は、配色が白黒になっているところ、もう一つが家具の配置と物の違い。
 何気なく我が家の情報収集と娯楽提供に一役買っているテレビは、二回りほど小さくなっていた。
 置かれている場所はソファーの近くではなく、テーブル近くの壁際。
 カラーボックスの上に置けるほどの大きさのテレビは、テーブルの面と同じ高さにある。
 窓際の中途半端なくつろぎ空間を作り出しているソファーは数を増やしており、二つ。
 ガラステーブルを挟む配置は、まるで高校の応接室のようである。
 住人の視点からすれば意図が理解できない。
 来客用に設えているつもりなのだろうか。リビングに入り込んだ来客など数年間いないというのに。
 それ以外に違うところはカーテン、観葉植物、カーペット、蛍光灯など多数。
 以上を踏まえて、これはおそらく過去か未来の光景だと予想される。
 
 扉が開いた。廊下とリビングが繋がった。
 そのはずなのだが、どういうわけだか廊下は見えない。扉を境にした向こう側が芸の無い白だった。
 そこから突然小柄な人間がリビングへと飛び込んできた。
 お召し物がワンピースであるところからして、女の子だと思われる。
 髪が黒、肌が白。女の子の地肌が白いわけではなさそうだ。
 根拠? 背景と同一の白だからそう判断したのさ。

 女の子の顔には見覚えがある。
 母親をデフォルメした妹を、またデフォルメした容姿。女の子には妹の面影がある。
 ここは俺の住む家、そこにいる妹そっくりの女の子。
 この光景が過去のものであるなら、女の子は妹本人。
 未来のものであるなら、妹の娘かな。
 面倒だから、ここでは暫定的にちび妹と呼ぶことにする。


353 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/16(金) 06:01:26 ID:zqXtABnM
 ちび妹は慌ただしかった。
 リビングに入ってくるなりテーブルにぶつかりそうになり、左右を見回してから一度キッチンの方向へ走り、
数秒のうちにまたキッチンから飛び出して今度はソファーの後ろに隠れた。
 この動きはかくれんぼでの追われ役に近い。
 どこかに一度隠れてはみたがやはりここではダメだと思い直して別の所に隠れる。
 でも、改めて隠れた場所もイマイチだったりして移動しようとしたところで鬼が現れたりする。
 それから捕まるか隠れおおせるかは運次第だ。
 ちび妹がかくれんぼをしているとなると鬼役がいるはずなのだが、未だ姿を見せない。
 鬼は誰だろう。もしちび妹が妹本人なら弟か花火が候補に挙がる。
 それとも俺か? これぐらい小さい頃だったら俺とも仲が良かったかもしれない。
 そうだったらいいなあなんて、妹から他人行儀な態度でお兄さんと呼ばれている自分は思った。

 スリッパの音が入り口方向から聞こえた。
 ちび妹から視線をそちらへ向けると、妙齢の女性が一人立っていた。
 はっきりした年齢はわからない。しかし母より若いのは間違いない。篤子女史と比較すると微妙。
 ちなみに篤子女史も母も若作りである。年齢相応の容姿をしていない。
 その二人と比べて若く見えるのだから、神秘の化粧術を使っていない限り、現れた女性は二十代であろう。
 女性はリビング全体を見回すように首を右へ左へ。キッチンの方を見ると動きを止め、歩いてゆく。
 その動きを見たちび妹はキッチンから見て死角になる位置へ移動する。
 なるほど、ちび妹を追う鬼役はこの女性か。
 近所に住む子供好きか、うちの家族の親戚のどちらかだろう。
 しかし、どうも気になる。ちび妹の様子が必死すぎる。
 目を強く瞑っているし、鼻と口まで両手でふさいでいる。
 怯えているのが一目瞭然だった。

「――ちゃん、出ていらっしゃい」
 妹の名前を、女性が呼んだ。
 呼び声のもたらした効果は、ちび妹の体の萎縮。肩を一度大きく震わせ、体を丸くさせた。
 それと、もう一つ。俺の足を痙攣させる効果まであった。
 嫌な汗が額をびっしりと覆う。足裏が床に糊でくっつけられているみたいに動きづらい。
 呼吸しづらい。女の声で空気が重くなっていた。
 わかる。知っている。聞いたことがある。

 ――俺はこの女を知っている。

 この光景は過去のもので、ちび妹は妹本人で間違いない。
 ただし、そこから先が不明だ。
 何で俺と妹は女をここまで恐れているんだ。
 今の俺自身が怯えている、すなわち過去の俺もこの女に怯えている。
 なぜ怯えているのだ? 原因は?
 もしかして、今からそれが分かるのか。俺と、昔の妹がこうなっている理由が。


354 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/16(金) 06:02:40 ID:zqXtABnM
 ちび妹、もとい妹が小柄な体を使って駆けだした。方向はリビングの入り口。
 けど、床を這うような体勢で走っている最中に鍋をぶつけられ、妹は入り口前で転倒した。
 鍋を投げたのはキッチンに立つ女。
 怒りのあまり怒鳴りそうになったが、声は出なかった。
 手を伸ばしてみると、俺の手が透明になって女の体をすり抜ける。
 くそ。こんなんじゃ、妹と女をただ見ているだけしかできない。

 女は妹の姿を見て嘲るように笑うと、歩き出す。右手にフライパンをぶら下げて。
 妹は丸くなったまま立ち上がらない。妹の枕元に女がたどりついた。
 女の足が上がる。下には妹の頭。
 足が下り、妹の頭にぶつかる――その寸前、闖入者が現れた。
 リビングに飛び込んできたのは子供だった。でたらめな叫び声をあげながら二人の間に割って入る。
 そのおかげで、妹は守られた。女は妹をかばった子供の背中を踏んでいた。
 突然のことに呆然とする女に向けて半袖短パンの子供が言う。
 
「――――――いで」

 呟きが鼓膜にぽつりと当たった。
 振動が波紋になって脳の隅々へ行き渡る。
 今、この子供――たぶん男の子――は、なんて言った?
 この声と台詞、聞いた覚えがある。それも間近で。何回も何回も。
 もしかして俺はこの現場を何度も目にしたことがあるのか?
 じゃあ、身を挺して妹をかばっている男の子は、弟か?
 背中を盾にして伏せているから顔が見えない。弟だとは断定できない。
 もしも弟だとしたら、過去の俺はどこにいる。隠れてないで出てこい。
 ていうか何で隠れてるんだよ。それでも長男か。

 女が弟と思しき男の子の脇腹をつま先で蹴った。むせかえる声も上げず男の子は耐え続ける。
 妹は涙を流し、首をいやいやと横に振る。
 震える口から出る言葉は聞き取ることさえできない。やめて、と言っているのだけはかろうじてわかる。
 女が妹の髪を掴む。男の子が必死に、無慈悲で乱暴な手を解こうとする。
 男の子の背中が踏みつけられる。下にいる妹ごと潰そうとしているよう。
 それでも男の子は呻いたり、弱気な声を吐き出したりしない。
 ただ、一言だけ呟く。

「妹を、――――で」
 
 女は嘲るように鼻で笑う。もし俺が現場にいるなら問答無用ではり倒している。それぐらい憎らしい仕草だった。
 無抵抗の男の子の足を、体格で勝る女の荒々しい両手が掴み上げる。
 そして引っこ抜くようにして床から剥がし、よく見もせずに背後へ放り投げる。
 男の子は椅子を巻き添えにし、棚にぶつかって止まった。
 うつぶせになった男の子の後頭部に、上から落ちてきた花瓶がぶつかる。
 花瓶は割れず、白い花と黒く描写された水をまき散らした。
 顔を上げた男の子は、顔中が黒い水に濡れていて、頭部から血を流しているように見える。
 男の子はそれだけの目にあっても、泣きじゃくる妹にフライパンが襲いかかる前に、女の腕に飛びかかる。
 顔を拳で殴られ、足を踵で踏まれ、髪を引きちぎられ、聞くに堪えない言葉で罵られる。
 ボロボロになりながらも男の子は泣かなかった。
 妹の身代わりに自分を犠牲にし、自分の代わりに妹に涙を流させる。

 ほどなくして、女の動きが止まる。荒い息を吐きながら肩を上下させる。
 男の子はもはや女の腕にすがりつくことも困難になり、床に横たわり片腕だけで己の意志を伝えていた。
 女の手首を掴む右腕は、頑として動かない。
 呟く声が聞こえてくる。今度はより鮮明に耳に入り込んでくる。

「……もうやめてよ。妹をいじめないで」

 自身ではなく、妹だけをかばうその言葉が、俺の意識をバラバラに攪拌し、すべてを暗転させた。


355 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/16(金) 06:04:10 ID:zqXtABnM
*****

 目を開くと同時に汗が入り込んで、痛いぐらいしみた。
 あおむけに寝ころんだままで首を上げる。髪の毛の間を縫い、汗が頭皮を伝って落ちていく。
 汗は全身を覆っていた。下着は言わずもがな、もしかしたら制服まで濡れているんじゃないか、と思えてくる。
 確認しようと腕を伸ばそうとするも、動かせない。
 変な体勢で寝ていたとかいう理由ではなく、後ろ手に縛り付けられていたから。
 手首をひねると関節に食い込んでくる。細さと伸縮性のなさからみて、鉄線か釣り糸か。
 左右それぞれの足首と膝にも同じものが巻かれている。血管を圧迫するほど強くはないが、かといって緩みそうもない。
 手足が不自由になっている他は特に問題ない。
 いや、あるか。

「……………………つめてえ」
 背にしている床も冷たいが、もっとひどいのは空気だ。
 二月中旬はまだまだ暖かくなるには早い。
 凍てつくという表現がぴったり似合う夜の外気が、体を満遍なくコーティングしている汗と協力し、俺の体を芯から冷やす。
 武者震いでなく、体ががたがた震え出す。止めようとしても止められない。というか止めたら駄目だと体が判断してる。
 要するに、俺はとても危険な状況でピンチ。意味が被っているが、とにかくやばいということで。
 こうして脳が活動していられるうちはいいが、このままではいずれ生命維持のために思考が止まってしまう。
 その前に状況把握、あと解決策を模索しなくては。
 今し方見た夢に関しては、この状況では考えないことにしよう。保留だ。
 過去よりも今。立ち向かうべきものは現実だ。

「……まず、状況は黒であるぅらあああぁぁぁ……」
 ちくしょうめ。口をちょっと開くだけで顎と喉が震えやがる。変な声が出た。
 状況は黒だった。グリーンでもイエローでも、ましてやレッドでもない。ピンクが混じれば状況戦隊が完成だ。
「だが、そんなことはどうでもい、いぃぃぃあぁああぁぁぁ、ああぁぁぁ……」
 余裕はがりがり削られつつあるのに、余計な思考だけは欠かさない俺の脳。
 燃費が相当悪いに違いない。錆びたタンクから漏れているんじゃなかろうか。

 現在俺がいる場所は不明である。
 気絶しているうちに他人によって連れてこられたのだから、分かるはずがない。
 連れてきた犯人は、共犯者がいない限りは澄子ちゃんであろう。
「しかし、あれにはびっくりした……」
 しみじみそう思う。
 夜の体育館で頭上を見上げたら愉悦の表情を浮かべる女の子がいた。これだけ聞くと学校の怪談みたいだ。
 もし俺がこの状況から抜け出せたら仕返しに学校の怪談として噂を流してやろう。
 なんてのは、冗談っていうより自分を励ますための方便だ。
 だって、今の状況は黒なのだから。
 場所がどこだかわからないうえ、淡い光さえどこにも発見できず、先の見通しが立たない状況、つまり黒。
 状況黒とは、赤以上の緊急事態のことを指す。黒が赤を塗りつぶしているからである。
 具体例として、奥深い山中に不法投棄された自動車のトランクに押し込められた状況が挙げられる…………考えなきゃ良かった。不安すぎる。
 
 だが、こんな状況でも生きるのを諦める気にならない。
 まだまだ俺にはやりたいことや、やり残したことが大量にある。
 自分の部屋の押し入れにしまってある大量の積みプラを片付けたりとか、弟がいなくなったことで元気をなくした妹を回復させたいとか。
「葉月さんに告白の返事をする、とか」
 なんで緊急時になるとやりたいことが浮かんでくるんだろ。
 目標を意識させ、絶望を忘れさせるためか? ホント、人間の機能ってよくできてるもんだよ。


356 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/16(金) 06:06:22 ID:zqXtABnM
 上体を起こしてみる。額や頭に何かがぶつかったりはしなかった。
 寝ころび、右に転がってみる。再度回る。もう一回回る。ワンモア。
 床の固い感触は木製のものではない。ざらざらしたさわり心地はコンクリートのようだ。
 俺の体が四回転しても障害物にぶつからない。縛られた両足で宙に蹴りを放っても空振りするだけ。
 どうやら、それなりに広い場所にいるらしい。
 乗り込んだ場所は体育館で、澄子ちゃんはそこに俺を閉じこめた。とすると、ここは体育館のどこかか。
 人目に付きやすい場所に隠す愚を犯すなんて、少し抜けたところのある澄子ちゃんでもやりはすまい。
 叫び声をあげられても生徒の耳に届かない場所を選定するはず。
 床の裏か、舞台の下、それ以外の俺が知らない空間。
 俺が好奇心旺盛な小学生なら体育館を隅から隅まで見て回ってたんだろうなあ。
 こうやって俺も感動を憶えづらくなっていくのかね。

「一体どこなんだ、ここは」
 悩みを吐き出してみる。すると、わずかな空気の乱れが生じた。
 今、誰かが笑った?
「だ、だだだだ、誰、だ!」
 不覚にもうわずってしまった声で、真上へ向かって怒鳴ってみる。
 返事は息を吹き出す音だった。しかも、驚くほど近くから聞こえた。
「ふふ……っふふ。あはははは、先輩ったら面白いの!」
「へ? え?」
「ちょっとは嘆いたりわめいたり取り乱すかと思ってたら、全然普段と変わらないんですもん!
 それなのに、さっきからすっごい近くにいるのに気付かないし! 恐怖に鈍くて勘も鈍いだなんてお得な性格してますね!」
 よし、とりあえず落ち着いてみろ、俺のブレイン。状況に置き去りにされてる場合じゃない。
 声から察するに、近くにいるのは女の子。だけどただの女の子のわけがない。
 俺と同じ真っ暗な空間にいるわけだから、つまり、えー…………っと。

「君、木之内さん?」
「先輩。手持ちは金メッキのボールペンと純銀じゃない銀色のボールペンだけしかないですけど、どっちがいいですか?」
「ごめん嘘。ただ敬語を使ってみたかっただけなんだ。……君、澄子ちゃんか?」
「はい、そうですよ。先輩の弟さん限定のアイドルです。
 あ。でもどうしてもっていうんなら、片手間に先輩のアイドルになってもいいですよ。
 全校集会しているときに放送室から「澄子ちゃん、弟をよろしく頼む!」って、大声で言ってくれたらですけど」
「いや、あの、……遠慮しておくよ」
「あれ、アタシへの告白の方がいいですか? でもごめんなさい。アタシにはもう心に決めた人がいるんです」
「そうだろうね。うん、知ってるよ、とっくに」
 澄子ちゃんのテンションについていけない。まともに合いの手を入れられない。
 澄子ちゃんがいつも通り過ぎる。不自然さを感じるほど、自然体だ。
 弟をさらいついでに俺をどこかに連れて行くということを成したのに、それについて負い目を感じていない。

「確認したいんだけど、いいかな」
「いいですよ。どうぞ、アタシのスリーサイズを言い当ててみてください」
「いや、そういうんじゃなくてね」
 こんな状況じゃなければ、目測で上から74、47、76って言うんだけど。
「君が俺をここに連れてきた。合ってる?」
「はい。ついでに白状しちゃいますと、弟さんをバレンタインデイにさらったのもアタシです。それが何か?」
「いいや、なんでもないよ。聞きたかっただけ」
 わかってはいたが、やはりそうか。
 この子、文化祭の時と何も変わってない。冗談めいた喋りも、何があっても弟を手に入れようとする決意も。
 澄子ちゃんは俺が初めて会った時から、弟をさらってしまうぐらい思い詰めていたのだ。
 でも、行動を起こさなかった。まだスイッチが入っていなかったから。
 じゃあ、行動を起こすスイッチを入れたのは一体誰だ?


357 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/16(金) 06:07:26 ID:zqXtABnM
「あのさ、澄子ちゃ」
「ばあ」
 カチリと音がして澄子ちゃんの顔が暗闇に浮かび上がった。枕元に座っているから顔が逆さに見える。
 何がしたいんだこの子。懐中電灯で下から自分の顔を照らして。
「むー……先輩、つまんないです。もっと驚いてくださいよ。
 弟さんはもっと大袈裟に、抱きしめたくなるほど可愛らしくリアクションしてくれましたよ?
 つい抱きしめてウフフなことしちゃいました」
 実行してるじゃないか。
 それに可愛いって、どんな反応だ――ああ、澄子ちゃんの目で弟の反応を見たらそういうことになるのか。
「あ、どんな反応をされても先輩にはやりませんから。アタシ一途なんです。期待させてごめんなさい」
「つっこまないからね、俺は」
「どこに突っ込みたくなっちゃったんですか?」
「それにもつっこ…………いや、なんでもない」
 つっこまないと言うツッコミもツッコミであると気づくほどには落ち着いてきた。
 そろそろ話題を切りだそう。逆上させないよう慎重に。

「教えてくれないか。どうしてこんなことをしたのか」
「こんなことっていうのは、どれのことですか?
 弟さんを家に帰れないようにしたこと? 先輩を捕まえて床に転がしていること?」
「……前者だけでいいよ」
 後者の理由はだいたいわかる。俺が邪魔だから。
 俺が弟の隠し場所である体育館に近づいたから、企みに気付かれたと思い、捕まえたってところだろう。
「一から説明しないとわからないですか? アタシがこうしている理由」
「動機はわかっているつもりだよ。俺が知りたいのは、澄子ちゃんが決行するきっかけになったものだ」
「そうですねえ……うん。せっかく男と女が暗闇の中にふたりっきりでいるわけですから、腹を割って話しましょうか」
 そう言うと、澄子ちゃんは懐中電灯のスイッチを切った。再び視界が暗黒に染まる。
 一人きりだと思っていた時より落ち着いているが、やはり澄子ちゃんといるのは安心しきれない。
 まさかいきなりペンを突き立てたりはしないだろうが、油断はできない。


358 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/16(金) 06:08:30 ID:zqXtABnM
 澄子ちゃんは一度咳払いをすると、ゆっくりしたペースで話し始めた。
「先輩もご存じの通り、アタシは彼――先輩の弟さんが大好きです。恋してます、愛してます。
 抱きついて額をぐりぐり彼の胸に押しつけて匂いを嗅いで悦に浸るっていうのを、休日を丸一日使ってやるのが夢です。
 それぐらい好きなんですけど、アタシは一度も告白したことがありません。理由は知ってますか?」
 不知である。知らない、と小声で言ってみた。
「葵紋花火の存在ですよ。前、言いましたよね。彼にはアタシ以外に好きな人が居るって。それがあの女です。
 同じクラスに居れば、彼がどこをよく見ているのかわかります。
 授業を受けている時はともかく、休み時間は教室から廊下を見てます。あの女が通りがかるか、気にしているんです。
 それ以外にも、葵紋がいる教室に色々理由をつけて顔を出したりしています。
 そんな様子を見せられたら告白する気だって削がれてしまいますよ。
 アタシ、こう見えてもナイーブですから。玉砕覚悟で突っ込むなんてできません」
 そうだろうね。無理もない。皆勇気と度胸があるわけじゃないんだ。
「でも、アタシは彼がどうしても欲しい。
 寿命が半分、いいえ、あと一年しか生きられなくなっても、彼が手にはいるならアタシは悪魔と契約します。
 アタシは彼を強引に手に入れることを決めました。それが去年の文化祭の頃。
 あの時は運悪く先輩と葉月さんに見つかってしまったから失敗してしまいました。
 けど、今回はそうはならなかった。先輩はたった一人で体育館にやってきた。そして抵抗する間もなくアタシに捕まった。
 残る邪魔者は葉月さんと、忌々しい葵紋花火だけ。未来は開かれているも同然です」
 うーむ、それはどうだろう。
 葉月さんはああ見えて武道を学んでいるし、花火は弟のことになると冗談も挟めないくらい真剣になるし。
「俺がいなくなったぐらいじゃ、あの二人は止まらないよ。きっと」
「そうですかね? 彼を捜すことに関して、一番優れているのはきっと先輩ですよ。
 先輩はお兄さんだから行動が読めるんでしょうけど、他の人にとってはそうもいかない。
 まぐれでもなんでも、先輩の能力はとってもおいしいんです。アタシだって欲しいですもん」
 俺だってくれてやりたいよ。弟を捜索する時ぐらいしか使い道がない能力だ。
 個人が持てる特殊能力の欄が限られているなら、邪魔だから真っ先に削除しているところだ。


359 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/16(金) 06:09:18 ID:zqXtABnM
 本題に入ります、と前置きをしてから話が再開される。
「力ずくで彼を手に入れることを決めて臨んだ昨日のバレンタイン。
 知恵熱が出るくらい悩んで書き上げた呼び出しの手紙を見た彼は、資料保管室に来てくれました。
 室内で待っていたアタシは、彼の前に立ち、チョコレートを渡しました。
 そして、まあ、バレンタインっぽく自分の想いを打ち明けたわけです。あなたのことが好きです、付き合ってくださいって。
 対して、どんな返事をされたかは…………鈍感な先輩でもわかりますよね」
「なんとなく」
 短く答える。そりゃあ当然だろ、とか下手に言ってしまったら刺されそうだ。
「そこまではよかったんです。アタシの気持ち的にはよくないですけど、
 上手くいかないのは予定調和みたいなものです。わかっていたことでしたから。
 問題はその後の、彼の言葉です。なんて言ったと思います? これ、当てられたらすごいですよ」
 はて、なんだろう。
「だらだらと言い訳を続けたとか」
「違います。たった一言ですよ」
「これからも友達のままでいてね、とか」
「ハズレ。もっと、もっとアタシの心に突き刺さる言葉でした」
「……ごめん、俺にはわからない」
 弟が澄子ちゃんの欠点を挙げてけなすわけがないし。
 他に好きな人がいるから、ってのは言い訳みたいなものだし。
「本当は好きじゃないんでしょ、です」
「好きじゃ……何?」
「ちゃんと聞いてください。あと一回しか言いません」
 息を吸う音が聞こえる。次に気怠そうなため息。明らかに口にするのも嫌そうな気配を感じる。
 ここまで澄子ちゃんを落ち込ませるとは、一体どんな失言をしでかしたんだ、弟。
 
「澄子ちゃんは僕のこと、本当は好きじゃないんでしょ……ですって。どうです、これ。ひどいと思いません?」


360 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/16(金) 06:10:17 ID:zqXtABnM
 言葉を反芻する。
 告白の返事の後に言った言葉が、好きじゃないんでしょ。それってつまり、告白が嘘だと思ったってことか?
「さすがにカチンときましたよ。アタシ、こう見えても平穏に暮らしてない時期があったから耐えるのは慣れてるんです。
 それがいきなりレッドゾーンを振り切りましたよ。メーターの針がぐにゃりって曲がっちゃいました。
 だって、真剣な告白をしたのに、気持ちを疑われたんですよ? 怒らない方がどうかしてますって」
 あいつ、馬鹿か?
 男だろうと女だろうと、告るのには勇気がいる。自分の気持ちを信じていなければできない。
 その気持ちを踏みにじるような台詞を吐くなんてどうかしてるぞ。
 いくら他に好きな女がいるにしても、断り方ってものがあるだろ。
 弟が澄子ちゃんに言った言葉は、中でも最悪のものだ。
 こりゃ、さらわれて当然だ。いや、澄子ちゃんが相手なら生きているだけでいい方だ。
「思わずフルスイングでビンタしちゃいました。でも気が済まなかったから、今度は反対側から張りました。
 彼は怒りも反省もせず、まばたきをいっぱいしてました。何で頬を張られたかわかってないみたいに。
 そこで気付いちゃったんです。彼、本当にアタシのことなんて眼中にないんだ、って」
「そんなこと……」
 そんなことはないはずだ。弟は家族だけじゃなく、知り合いに対しても分け隔て無く思いやれる優しい奴だ。……そのはず、だ。
「先輩。慰めの気持ちは有り難く思いますけど、要りません。
 事実は事実。彼にとって、アタシはただの友達。群れてきゃいきゃい言っている女たちと同列。
 彼を遠くに感じました。アタシの意識は崖から真っ暗な谷底へ落っこちて、彼は崖の上でアタシとは別の方向を見てて。
 もう、とっくの昔から葵紋花火だけしか女として見てなかったんです。
 他の女なんて、シャーペンの芯みたいにどこでも手に入るお手軽な女としか見てないんです。
 そのことを理解した時、入っちゃったんでしょうね。後先考えず、全てを敵に回す覚悟のスイッチが」
「そう、だったのか」
 同情はしない。けど、澄子ちゃんが決行した理由はわかる。
 自分だけを見てくれなくて悔しい。無理矢理にでも女として意識させたい。
 だから、弟をさらって二人きりの場所に連れて行けばうまくいくはずだ、と。
 単純明快すぎて自分が賢くなった錯覚までする。

「後はまあ、だいたいお察しの通り。力ずくで彼を気絶させて、隠せる身近な場所を見つけて、そこに連れ込みました。
 それがここ、体育館の舞台の下。ここって普段は南京錠で閉じられてるから人が来ないんです。
 文化祭とか体育大会ぐらいでしか使わない道具が収まってますから、先生も使いませんし。
 しかもどういうわけか中からも錠をかけられるんです。卒業式を控えたこの時期なら、まず見つかりません。
 あ、安心していいですよ。アタシと彼の理想郷に彼を連れて行ったら、扉は開けっ放しにしてあげます。
 拘束は解きませんけど、運が良ければ一日ぐらいで誰かが見つけてくれるはずです。
 無抵抗の先輩をどうにかしたところで、足が付く可能性が発生するだけでアタシの得にはなりませんから」
 ということは、俺が邪魔する気満々だったらここでくびるのも厭わなかったわけか。
 安心すべきか、自分の意志の弱さを嘆くべきか難しいところだ。


361 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/16(金) 06:12:53 ID:zqXtABnM
「ところで、こんな真っ暗な場所にいて疲れませんか? さっきから不満そうじゃないし。もしかして、夜行性?」
「……まあ、一番やる気に満ちあふれているのは夜になるかな」
 いつもならプラモデルを作りつつ母の妨害と戦うこの時間は、俺にとって癒しそのものだ。
 嗚呼。今のこの時ほど我が家に帰りたいと思った日はない。ハロゲンヒーターの付け焼き刃な暖房効果が恋しい。
「じゃあ外、見てみます? 今日は月が出ていて良い夜ですよ」
 澄子ちゃんは懐中電灯を付けると、暗闇の中を進んでいった。
 錠を解く音がした後、重い音と共に扉が開く。
 優しい月明かりが暗闇を照らす。目を凝らさなくても夜空に浮かぶ雲がはっきり見える。
 自分の置かれた状況を忘れて夜の明るさに感動していると、澄子ちゃんが入り口の階段に腰を下ろした。
「先輩、今お暇ですか?」
「両手両足を縛られて、何かに励めると思う?」
「あはは。ちょっとだけ声に元気が戻りましたね。
 それじゃ、耳かっぽじってぼんやりしつつ右から左へ聞き流すぐらいの心地で、でもやっぱり真剣に聞いてください」
「そうさせてもらうよ」
 どうせすることもないし。いやまあ、開放するよう説得するとかあるんだけど、思いとどまらせる一言なんかないからさ。
 会話の最中に理想郷とやらの場所をさりげなく聞き出すしかない。
 俺がこの世から居なくなったりしたら、両手足の指でようやく数えられるくらいの人が悲しむ…………なら嬉しいな。
 ともかく、俺が健在のまま弟を解放するという目的を結果的に果たすために、慎重にいこう。

 不自由な体を動かして床に体育座りし、澄子ちゃんと向かい合う。
 楽しそうな、澄子ちゃんの弾んだ笑い声。地下倉庫にそれは響かない。
 ふと、自分がいる異世界から人間界へ向かうためには澄子ちゃんの話を聞かなければならない、みたいな試練を受けている気分になった。
 まったくの外れでないところがファンタジーっぽい。
 ボスが目の前にいなくて、手足が自由だったらきっと楽しいんだけどな。

「ちょっと長くなりますけど、聞いてください。
 アタシの……そう、友達の話になるんですけどね」
 月明かりを背にした澄子ちゃんの顔は薄暗くてよく見えない。
 でも、それでいい気がした。
 声から、悲愴なものがにじみ出ているのを感じたから。

 話が終わる頃には何時になっているんだろう。
 時計がどこかにないかと辺りを見回したけど、暗い地下倉庫にも、わずかに見える校庭にも、やっぱり見あたらなかった。




今回はここまでです。
また次回、お会いしましょう。

362 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 06:21:00 ID:fLPe49VD
朝一でGJ!

363 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 07:21:45 ID:AyeCJ2e+
なんか色々始まったな。みんなが納得できる展開になってくれると嬉しい。
GJでした。

364 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 09:46:21 ID:9EJGHFrl
GJ!
見てる方向はともかく意外といいコンビだな兄貴と澄子w
皆が予想できない展開だからこそ面白いんだよ。

365 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 10:01:17 ID:W7qes4ne
いいねいいね。前回のお話に浮かんだ疑問に全て応える万全の構えだ。

366 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 13:10:00 ID:sq6ZUy4V
GJ!
すごく面白い・・・・が、あんまり話を広げすぎないでくれた方が・・・・

367 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 15:41:48 ID:a8pcRKJZ
死んだり辛い目に遭ったりするのは、兄貴だけにして欲しい!


368 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 16:37:44 ID:hjKH767o
>>367
お兄さんがかわいそうです

369 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 17:05:34 ID:igJ9dCeb
GJ!!  澄子の言っていた、理想郷がどういう所なのか気になる。

370 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 18:39:03 ID:8/eJ2pRE
ヤンデレもエロパロも抜きに続きが気になって仕方ないぜ。
弟も弟であんな態度取った理由は何なのやら。
無理せず続けて欲しい。最後にGJ!

371 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 19:59:21 ID:AyeCJ2e+
>>367
俺は嫌だな。澄子ちゃんも含めて死んだり辛い目には遭って欲しくない。
全員が幸せになるのは、まあ無理だとしても。
特に兄貴には幸せになって欲しい。葉月さんと一緒に。

372 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 20:19:07 ID:vZISdoMc
友人が朝倉やらレナやらをヤンデレだと断言しやがった
思わずヤンデレのなんたるかを1から叩きこんでしまったよ

373 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 21:08:58 ID:HCkvw41Q
>>372
よくやった
原作では単に武器持って攻撃するだけの女だしね

ただ二次創作だと本当にヤンデレになった作品も無くは無いが

374 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 21:21:33 ID:m+JwzIG9
372よ。お前にえ○い。二次製作だとしょうがないが、↑の通り朝倉はただ単に武器で襲ってくるだけだし、レナに至っては圭一の妄想だからな。

375 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 21:56:15 ID:3LUCLK0S
これが本当のヤンデレだ!って友人に教えるなら誰がお薦め?

376 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 21:58:48 ID:uM2IY3Lz
言葉様とか楓で基本をおさえてもらえ

377 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:02:45 ID:rydkLuIX
未来日記のアレ

378 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:06:11 ID:igJ9dCeb
斧、包丁、ハンマー、を武器とするあいつか。

379 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:13:19 ID:KAKyC0eE
銃も使ったような・・・
あとは必殺、携帯電話

380 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:21:03 ID:S8L557Iv
あと・・・…愛

381 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:36:34 ID:igJ9dCeb
あとは勘的な物
超感覚 …6th戦で斧を使わせる。
瞑想? …5th戦で…


この上の描写SSに取り込もうかな。

382 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:43:35 ID:KAKyC0eE
プチトマトの重さをグラム単位で気づくんだからたいしたやつだよ

383 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 23:26:39 ID:FBTPgdiN
我妻由乃スレはここですか?

384 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 00:12:01 ID:R5oLjIje
ゆのっちのすごいところは、普通(か、やや丈夫)の女の子程度の身体能力であれだけ暴れているところだと思う
まあ、メンタル弱いと言われてはいるけど。

5thで思い出したが病み女性科学者もいいね。マッドサイエンティストに分類されるのかもしれないが。

「『星殺し』の感染は実に上手くいったみたい。
最初に先進国の微生物研を同時に陥とせたのが良かったんだと思う。あのウィルスはそこらの機関じゃ対処できるレベルの代物じゃないから。

このペースならあと数日で地球全域に広がるはず。まあ、残った人類も1年あれば死に絶えているでしょう。
そしたら媒介も無くなって、ウィルスともさようなら。

ねぇ。そうなったらどうする?
正真正銘、世界に私たち二人だけ……。
そうなったらあなたの答えも変わるんじゃないかな。

なんだっけ。
『君を女性として愛するとしたら、君が人類最後の女性となった時だ』 か……

くふふ……だから私、がんばったんだよ。
ね、お兄ちゃん……」

385 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 00:17:34 ID:rXfWbTTk
自分の作った人工知能にヤンデレなのをしってる・・・終盤はカオスだった

386 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 04:22:04 ID:a3TG/TkA
「ちょろいっ!」と斧で頭を一撃と申したか

387 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 04:35:22 ID:JyKK5tSN
>>384
ラスト一行www
とりあえずキモ姉妹スレに逝け

388 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 13:44:59 ID:zc/nb+ni
最近最終巻が出たラノベ読み返してたら
なかなか素敵なヤンデレがいたwww
当時はヤンデレとか考えもしなかったけど

389 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 14:38:18 ID:npnMC/yb
今はヤンデレ以外考えられないということですね?

390 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 17:42:17 ID:dqo9+uE/
>>388
文学少女??

391 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 19:54:44 ID:F2wn+3dy
今月出た文学少女の本はまだ最終巻ではない。

しかし、>>388の言っているラノベがどれなのか気になる。

392 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 20:03:16 ID:5HrKPnS3
ななせか
心葉の触れた500円玉と10円玉とっていたり
1巻からずっと心葉をストーカーしてたし
遠子先輩に貸してたマフラーを
「井上の、マフラーが、欲しいの」
と言ったり

ヤンデレの卵だな

393 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 21:41:22 ID:ycs8zyFU
ヤンデレが出る作品って結構あるんだな

394 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 21:42:45 ID:tQnH7upY
ヤンデレは、日本人の心のふるさとですから

395 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 21:44:09 ID:IaH8N36u
ヤンデレって究極の愛の形だと思うんだ

396 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 21:45:42 ID:rXfWbTTk
末期患者の集うスレはここですか?

397 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 21:56:04 ID:cQ/EZr6h
未来日記(TVドラマ版)があったら絶対見るぞ俺。
由乃と雪輝が誰になるか楽しみだ。
後、みねね。椿さんは…どうでも良いや。

398 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 22:17:38 ID:eo9N2TBS
>>394
日本人がみんな大好きな夏目漱石曰く
「三角関係は社会の縮図だよ」
らしいからな。三角関係が好きだったらしい。
だから彼の作品は嫉妬でドロドロしたり恋敵が自殺したり…そんなのばっか。
つまり、俺たちの今いる場所は百年以上前に夏目漱石が通ってるのさw

399 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 22:28:07 ID:UhtTEKEF
未来日記の刷れがあるのにちっともあっちはうごいてないな
俺は文章書きじゃないから…言うだけなんだけど(´・ω・`)

400 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 22:51:39 ID:zc/nb+ni
ダブルブリッド5巻の佐々木さんだよ
ヤンデレってか狂っちゃっただけな気もしてきた

401 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 23:11:19 ID:vUiO/ib0
>>400
あーあれか。でもアレに寄生されるってことは、ヤンデレの素養が
あるってことじゃない?殺してでもあなたを手に入れるっていうやつ。

402 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 23:17:01 ID:DrZgnJNF
何の話だよ…

分かったよ…買うよ…

403 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 23:51:57 ID:VXOWGUwZ
>>398 そういや今年のセンター試験の奴も(野郎の)嫉妬話だったな。ああいうのも嫌いではないが、やっぱ百年前の人とは嗜好に多少の隔たりを感じるわw

404 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 23:53:26 ID:CYhYVmJf
センター試験?

405 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 23:56:56 ID:R5oLjIje
22歳にもなってセンターとは殊勝な

406 : ◆ZUUeTAYj76 :2008/05/18(日) 00:49:51 ID:guWKPB74
>>401
分かる人がいてうれしいぜw



407 :再見 ◆ZUUeTAYj76 :2008/05/18(日) 00:52:15 ID:guWKPB74
川の水が押し寄せる堤防を、僕は歩いていた
1週間前から降り続く雨のせいで河川敷は水没
堤防の下2メートルまで増水していた
そんな景色を眺めていると、あの時の事を思い出す
彼女と初めて出会ったあの時を

僕が中学に上がって一月たった頃
その日、僕の住んでいる町は水の中に沈んだ
東西二つある堤防の西側が決壊し川の水が流れ込んだからだ
降り続いた雨、台風、そして堤防の虚弱性
水害など過去に例がなく、まったくの想定外だったからだ
流れ込んでくる水から逃げるため、僕は家族と反対側東の堤防へ非難した
堤防へ駆け上がり気づく、弟がいない、どこかではぐれたようだ
僕は慌てて探し回った、両親は僕と逆方向を探しに行った
その時だ、彼女に出会ったのは
手を伸ばせばすくえるぐらいに増水した堤防の淵に彼女は立っていた
魂のない抜け殻のように呆然と水面を見つめ、雨に打たれずぶ濡れになった少女
年は僕と同じぐらい、見覚えがないのは多分別の学校だからか
弟を探すのを一旦止め、僕はそっと彼女に傘を差し出した
その時、今まで人形のようだった彼女の目に光が宿り、涙が溢れだす
顔をくしゃくしゃにして涙を流し、彼女は言った

408 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 00:54:10 ID:qwZeAs9V
支援?

409 :再見 ◆ZUUeTAYj76 :2008/05/18(日) 00:55:16 ID:guWKPB74
「お母……さん、が……お…父さん……が……っ」
最悪の場合も考えられる、でもそれは僕も同じだった
「大丈夫、きっと別の場所に非難してるよ、僕も弟とはぐれたんだ」
早く弟を探さなくては、でも彼女をこのままにしては行けない、だから
「よかったら、一緒に探そう、傘貸してあげるから、ね?」
彼女はコクリ、と頷いた
それから僕らは互いの家族を探しに歩き始める
他に非難してきた人が大勢いて、はぐれてしまわないようにと手を繋いで
30分もしないうちに彼女の両親は見つかった
弟を見つけないといけないから、と別れようとした時
なかなか手を離してくれなかったのを覚えている
今思えばあの時が人生で初の相合傘か、それも可愛い子と手を繋いで、だ
ちなみに弟は僕の両親が見つけた、意外とすぐ近くにいたようだった
それからずっと彼女のことが気になっていたが
水が引いてからの後片付けや、学校の再開で多忙を極め記憶の隅に追いやられていった

彼女と再会したのはその半年後だ

410 :再見 ◆ZUUeTAYj76 :2008/05/18(日) 00:57:02 ID:guWKPB74
続く

就職きまらねえ……orz

411 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 01:03:42 ID:TAR6xlUR
留年したあげく就職決まらないSS書きから一言。
とりあえず最低限、句読点だけは打ったほうがいいと思う。

これ→。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

412 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 01:57:55 ID:qwZeAs9V
期待GJ

413 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 05:51:36 ID:DjMtgkHW
泥棒猫上官 VSヤンデレ少女な夢を見たんで書いておく

主人公は18の陸自隊員。赴任した基地近くの少女に好意をもたれる。
ある日、基地に女性上官が赴任してきた。
彼女は男の直属の上司になる。
ある日を境に上官は男を誘惑し始める。塀の中と言う事を利用し、男と肉体関係を結ぶ。
それを知った少女は、硫化水素とボウガン、火炎瓶で基地に強襲を掛ける。
硫化水素で門衛を昏倒させ、奪った拳銃と火炎瓶で監視カメラ、邪魔者をブチ殺す。
対する上官も部下に射殺を命じる。
最後、一騎打ちに勝利するも少女は狙撃され終わる。
      

414 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 10:29:26 ID:2IDDOQ4V
「マツタケをしゃぶりたくなった」
って埋めネタを思い出した

415 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 11:24:32 ID:YRtikAmq
>>414
同じく

416 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 16:24:23 ID:S4qHkjin
実は俺も…なんだ、みんな同じか

417 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 16:38:22 ID:vPG1OAir
>>384
どう見ても貧弱君ではあるが、ユッキーよりも力が強いみたいだし
実はかなり体力ある方じゃないかと思ってる
6th戦なんか斧振り回してる時点で並の女子中学生の範疇から外れる
数`の武器を長時間振り回すのは簡単なことじゃないぜ

418 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 16:41:45 ID:C3XCukXF
刀クラスの武器でさえ実際は素人がぶんぶん振り回せるものじゃないって言うしな
そんな常識を超越するのが愛のパゥワー

419 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 17:12:29 ID:AYiZvRsx
マーダーライセンスでも取ってるんじゃねーのか

420 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 17:43:26 ID:fgOs9BH3
>>403
もっと昔ならどうよ
http://www.page.sannet.ne.jp/yagami/koten/rokuzyo.htm

421 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 21:38:01 ID:r5UyhQIF
界王神さまのところに行ってヤンデレの潜在能力を覚醒させたい

422 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 22:17:22 ID:vPG1OAir
>>418
大して体力が無くて剣道の心得もない人間が使うなら
刀よりも刃渡り30cm程度のナイフの方がよほど有効
刀だと重いから遅いし、すぐに疲れて動けなくなる

423 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 22:28:08 ID:cViXs0t8
>>422
 ・sage進行でお願いします。

424 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 22:47:42 ID:VR9UYnfw
まったく関係ないがこの流れで
「この女、この糞女だけは、私の拳で嬲る、武器なんか使うものか、この手で潰し尽くすわ」
という電波を受信した

425 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 22:48:07 ID:Xyvuzdlo
へっ、酸でもぶっかけるのが一番有効に決まってらあ

426 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 23:10:50 ID:mcM0QinJ
……ヤンデレ熱々餡かけデスマッチ

427 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 23:13:42 ID:yuHaCmJ1
縛熱エリミートフィンガー → バッドエンド
の流れが見えた

428 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 23:27:42 ID:yuHaCmJ1
楓:カッター
言葉さま:主に鋸
我妻由乃:その場にある物
霧乃:Gift能力
ねーちん:包丁

素手で戦える人ってあまりいないな
個人的には霧乃にがんばってもらいたいところ

429 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 03:53:01 ID:f4rWGujZ
ヤンデレ目の少女がアサルトライフルをぶっ放している絵ヅラが突如頭に浮かんだ。
セリフは「死んじゃえ」
硝煙の結末 的な感じ。  
 

430 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 09:23:55 ID:UoeFB30W
上下二連散弾銃構えたヤンデレメイドさんネタ思い付いてたんだが………

431 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 11:19:23 ID:2UQCGM1L
>>430
マジレスするとそんな物をぶっ放したら反動がすごいと思うぞっと。
映画やマンガ、アニメじゃあよくあるが銃身が長くても二連なんかだと大柄な欧米
男性が持つならともかく普通の女性が扱えるような代物じゃないし、元軍人でも
しんどいぞ。


432 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 12:56:38 ID:wE6mQIKC
愛の力でなんとかなります

433 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 12:59:17 ID:fjffTAnt
>>431
つまりタカさんなメイドさんですね?わかります

434 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 13:02:14 ID:+Ung4YeC
ぶっ放したあと「快感」と言うんですね分かります

435 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 13:39:05 ID:f4rWGujZ
俺の(勝手な)イメージ
歩道橋の上でフルオート射撃で「死んじゃえ」
五発以上食らって倒れる泥棒猫。
マフラーEND言葉様的笑顔で一言「快感」  

436 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 15:53:06 ID:9DeHX2c8
じゃあ俺もイメージ
歩道橋から2km離れたビルの最上階
ライフルを構える言葉様「死んじゃえ」ズキューンン
数時間後、捜査に踏み込む刑事たち。とぼける言葉様
「どうみてもこいつが犯人だが、あんなに遠くては……
 こんな狙撃、マシーンでなくては成功させられん」
無罪放免の言葉様

437 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 17:51:26 ID:zpCzCvuD
デューク桂?

438 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 17:54:15 ID:PALche8+
どこのRoomNO.909だ

439 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 18:00:16 ID:9DeHX2c8
言葉様「……もういいですか? 船の時間に遅れてしまいます」

440 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 19:20:15 ID:UpyaO9pu
まさにnice boat.オチな訳か

441 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 19:29:01 ID:Y8ENNVOn
この流れなら言える。
昔、弟の左手の薬指を噛みちぎるお姉ちゃんってのを考えたことがある

442 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 21:40:13 ID:f4rWGujZ
ヤンデレ爆弾魔の彼女とか、ヤンデレスナイパーの幼なじみが出て来る話が読んでみたい。
誰か形にしてくれると嬉しい。
俺には無理だ……"orz"  

443 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 21:56:42 ID:8O8Dbnvj
>>442
あきらめたらそこで試合終了ですよ?

444 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 22:21:37 ID:d+Rk2yqL
なんか家に帰ったら壁に見覚えの無いフックがあるんだが……
ちょうど、欲しいな、と思ってたんだがこれはまさか……

445 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 22:24:52 ID:O3EqrF7H
ちょっと整理しておきたいんだがこのスレで投下前に注意書きしておいたほうがいいのは

レイプ
NTR
百合

の他になにかあるかな
たとえばふたなりは本保管庫に一本あるけどこれも注意書き必要だろうか

446 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 22:26:37 ID:8O8Dbnvj
ふたなりは苦手な人も多いから必要だと思う

447 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 22:30:56 ID:iAJ2b7jb
ヤンデレの彼女に一日中横四方を掛けられたいよ

448 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 23:21:38 ID:zpCzCvuD
NTRってのは、描写がなくても「昔○○○されました」という告白みたいなのも含む?


449 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 23:39:56 ID:xuEhnMgm
カニバリズムがマジでダメなんだが……

450 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 00:26:04 ID:YA7l9ACQ
指とか舐めるようなのは大好きだ
だがカニバリズムでは興奮しない

451 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 00:31:33 ID:Cog2cNQm
お久しぶりです、新人賞の投稿という荒行から無事に生還してまいりました。
イラストの方も張りたかったのですが、主にSAI有料化に伴ってラフを仕上げられなかったので
またの機会に貼りに来ます。
それでは需要があるのかさっぱり解りませんが、長らくお待たせしたアルティメットマンの第二の
選択肢の方を貼り付けておきますね。

炸裂超人アルティメットマン 第四話 選ばれた結末、遙かなる記憶の果て

 「グアアアアア!!!」
 決戦当日、吊下市山間部でアルティメットマンを待ち受けていたのは、傷だらけの、それでいて
まるで西洋の騎士のような姿をした裏次元総帥だった。
アルティメットマンが来る前に暴走した巨獣によって傷つけられながらも手に持ったスピアを構える
総帥の前にアルティメットマンは降り立つと、両腕を交差させた、必殺技…アルティメットクロスファイヤーの構えだ。
 (これで…終わらせる!!)
そう思って炎を放とうとした瞬間、アルティメットマンの体は一瞬硬直し、そしていきなり総帥に向かって走り出した。
(な!コレは一体…)
体が動かない、しかもその体が一直線に向かっていったのは総帥の下だ。コレは一体何だ!?そう叫ぼうとした瞬間、アルティ
メットマンの抜き手が、総帥の体を貫いた。
ずしゅ!!…といやな音を立てて、次々に抜きで元帥の体を貫いていくアルティメットマン、その顔は明らかに苦痛に歪んでいた。
(な…何だよコレは!!やめてよ!!いくら君を殺すからって…僕はこんな事はしたくないんだよ!?巴ちゃん)
テレパスで話しかけるアルティメットマスクこと光一に対して…巴…こと、元帥は嬉しそうにこう答えた。
(だってこうすれば…こうやってたっぷり私のことを感じてくれれば…私のことは忘れられないでしょう?…ふふふ、あはははは
はは!!!だいすきですよ、だいすきですよ光一さん!だからもっと、もっと私のことを感じてくださいね!!感じてくださいね!?すき
すきすきすきすきすきすきすき!!!!だあーいすき!!)
「アアアアア!!!グアアアアアアア!!!」
アルティメットマスクが完全に総帥を、ただの肉片に変えた頃…彼の心は、完全に壊れていた。
光一は知る由も無かった、巨獣と化した巴は目視するだけで敵の行動を操る力があるということを…。

 数日後、光一は市内の精神病院に収容された、まるで植物のように何者にも反応できなくなった彼は、ただ
ひたすらに天井を見上げる生活を繰り返していた。
 彼の目には常に自分の殺した彼女の顔が見えた、そして手にはその感触が残っていた。
 だからこそ彼は今日もその意識を閉じていた。
 彼女を忘れるわけにはいかない、でも忘れなければいけないくらいに彼の心の傷は深かった。
 遙かなる記憶の果て、そこにある巴の顔は…常に笑顔で、光一の心を掴んで話さなかった。

FIN


以上で終わります


452 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 00:33:37 ID:Cog2cNQm
お久しぶりです、というわけで久々にあいも変わらず大好きな特撮パロネタなSSを
一本書かせていただきます、長編でなんだか少し微妙かもしれませんが取りあえず面白がって
いただければ嬉しいかぎりです


君の涙が乾くまで〜プロローグ

最近は強い女の子がか弱い男の子を引っ張っていくお話が、彼の大好きなアニメでもゲームでも
さらには文学の上でも流行っているらしい、などという話を小耳にはさんだことがある。
なら一体自分はどうするのか?僕は少し考えて結論を出した。
「そんなことは僕と、僕と彼の間では何も関係のないことだよ」
僕はそう呟くと、いつものように机の汚れを雑巾でふき取ってそのままキッチンに向う。
それと同時に夕暮れの校舎からは放課後を告げるチャイムが流れ始めた、冬のこの季節
夕暮れ時に響くその音はどこか物悲しく、そして切なく聞こえた。
僕の行動パターンは日々時計のように同じだった、朝5時におきて家事をはじめ、本を読み
勉強をこなし、そしてこの時間、紅茶を淹れると同時にこの部屋で彼を待つ、それが僕の
作った、彼と共に過ごすべき一日の時間の流れだった。
「こんにちは、今日も元気か!」
ガラガラという音と共に部屋の扉が開かれ、部屋にはさわやかな彼の声が響いた。
いつもの挨拶とともに彼はこの部屋に入ってくる。
「こんにちは義孝、今日も君にあえて嬉しいよ」
僕はいつものように言葉を返して彼を抱きしめる、身長の高い彼の体は温かくて心地が良い。
彼はどこか恥ずかしそうな顔で僕を見つめ、そして頭を撫でてくれる。
僕たちは恋人同士だ、そう、どこから見てもお似合いのカップルだ。
でもどうしてだろうか、たまにそのことが気にかかる時がある。
やっぱり僕は、どこかで彼を信用できずにいるのだろうか。
そしてまた、彼を、僕が心から信用できる人間にしてしまいたいと思っているのだろうか。
僕は、そんなことを考えられる僕自身が大嫌いだった。
でも、その感情を否定しきれない僕はもっと大嫌いだった。
僕は手にした薬を彼専用のティーカップに落とす。
ごめんね、でも僕は君を信じたいんだ。
だから、僕を許してくれ義孝、全ての責任は何があっても僕が受けいれる。


453 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 00:33:45 ID:lkluXv8w
sageてくれ~

454 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 00:35:21 ID:LWjZD4LB
NTR嫌いな人にはヒロインがNTRされるのは最悪のパターンだな。
逆手に取って非NTRルート用意して相手を徹底的に八つ裂きにするという手もあるがね。
まあようはNTR嫌いな人に向かないシナリオなら警告しておけってことだな。
ちなみに始まってからすぐなら、>>448みたいなことがあってもショックないから別にいいけどね。


455 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 00:35:36 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜西田 義孝@

「今お茶とケーキを持ってくるからね、もう少し待っていてね、義孝」
彼女、桃井さやかはひとしきり恒例となった僕に対する抱擁を行った後
そういって給湯室…本人曰くのキッチンに向かった、僕はそれに合わせて
近くにあった椅子に腰をかける。
僕の彼女である桃井さやかはかなりの変わり者だ、今僕がいる彼女の自宅
だって実際は旧校舎の図書室だったりする、学園の旧校舎の図書室を根城
にして、日々本を読み漁る学長の孫の天才児、彼女の世間での認識はそんな感じだった。
齢16歳にして海外ですでに大学の学士過程を卒業し、そのときに発明した機械の特許料で
旧校舎を買って改装し、悠々と生活をしている彼女と僕が出会ったのは、たまたま僕が
学校の授業をサボって旧校舎の図書室に忍び込んだ時だった。
埃にまみれた古臭い旧校舎の見物に来ていたらしい彼女は坂口安吾を読み漁る僕の前に
現れてこういったのだ。
「ずっとそれを読んでいるようだけど、そんなにその本は面白いのかい?」
「いや、笑えるかという意味では筒井康孝の方がまだマシだ」
後に聞いてみれば、僕は初めて彼女の16年の人生の中でもっともわけのわからない返答を
した人間で、それでいて同い年で気さくに話しかけてくれた人間だったそうだ。
このわけのわからない一言で何故か彼女は僕を気に入ったらしく、それからというもの
僕が授業をサボってここに来るたびに彼女は現れて、僕に話しかけてきた。
最初は座布団を二人分持ち込んでくれた彼女と一緒に本を読んでいるだけだったが
たまたまコミュニケーションをとって見たところ、意外にも彼女の話は面白く、僕たちは
すぐに仲良くなった。
そして他愛もない話をするうちに、僕らは惹かれあっている事を意識し始めて、気が付いたら
彼女は僕に告白して…そして今日の彼氏彼女の関係を築くに至った。
最近は彼女の要望もあってあまり授業をサボったりはしなくなったが、二人の関係は心地よくて
日々良好だ、不満だってない、僕らはとても幸せだった。
「待たせたね、お茶が入ったよ、今日は気合を入れて君の好きなレモンパウンドケーキを作った
んだ、君の大好きなケシの実もたっぷりいれたからね」
「ありがとう、それじゃあ早速いただくよ」
そう言ってぼくは彼女の作ったケーキをいただく事にした、海外仕込みのパウンドケーキは
彼女の得意料理だったりする。

456 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 00:39:05 ID:Cog2cNQm
すいません、久々に来たのでsage忘れてました、以後気をつけます。

君の涙が乾くまで〜西田 義孝@
「うん、美味いなこれ、やっぱりさやかの作ったケーキは最高だよ、特にこの
芥子の実のプチプチがたまらなく素敵だ、家で食う僕特選のゴマかけご飯より
もたまらなく美味い」
「有難う義孝、でも相変わらずそのプチプチ食感にこだわる君の心は僕は理解
できないよ」
さやかはいつもそんなことを言う、このプチプチが最高だというのに、まあさすが
の天才科学者でも理解できない事の一つや二つはあっても良いものだと思う。でないと
たまに、僕の心まで読まれてしまうんじゃないか、何て思わされることもしょっちゅう
あったりして、少し怖かったりする。
「それで今日は何を読んだんだ?三島あたりか」
「残念…昭和の猟奇事件ファイルという奴だった、すぐに終わったから田山と
芥川を読んでいたよ」
「なんだか食い合わせが悪そうだな」
「そんなことはないさ、どっちもとても楽しめたよ、それよりも僕は君がきちんと
授業を受けたかが心配で心配でね」
「大丈夫、あらかた寝るか小説を書いていたけどきちんと椅子には座ってたよ」
「そうかい、それはよかった、それじゃあ早くこれの続きが書きあがる事を楽しみに
しているよ」
僕がケーキを食べ終わるのを待って紅茶のカップを手にかけるのを見計らってか
彼女は一冊のノートを取り出した、ノートにはへたくそな六芒星とともに、マジックで
こう書かれている。
「魔怪騎士D−NIGHT RIDER」
僕が中学生の頃ずっと書いていた変身ヒーローものの小説だ、結局途中で書くのを飽きて
しまい、話は中盤の主人公のパワーアップシーンで途切れたままになっていたが、それを
何故か僕の家に遊びに来た彼女が、僕秘蔵のエロ本とともにしまってあったそれを手に入れて
しまい今日に至っている。
「だからそれの続きは無理だって、いい加減あきらめてくれよ」
「いや、あきらめないよ、僕はこの話が大好きだからね。ぜひとも続きを見てみたい、続きを
書いて話を完結させてくれた暁には君を僕の全頭脳をもって本物の変身ヒーローに改造して
あげるよ」
「おいおい、無理言うなよ」
「無理じゃないよ、僕には不可能はない、それに子供のころからの夢なんだろう?ならなおさら
僕がかなえてあげたくなるじゃないか」
本物の天才科学者の彼女が言うと、その言葉すらも全て本気に聞こえてきた。


457 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 00:44:04 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜西田 義孝@

そんな雑談を繰り返す中、ふと、彼女は視線を僕のバッグにうつした
バッグにくくりつけられたコンビ二袋が気になるらしい。
「ああこれか、昨日間違って芽衣歌の買ったケーキを食べちゃってな
それで怒った芽衣歌が、牛乳で作るココアと、ミルチーを買ってくれないと許さないって
だだこねて怒っちゃって…今回のバージョンは応募券を集めて贈ると抽選でチャンプのぬい
ぐるみが当たるって…そんなの当たるわけないってのに、こにくちゃんなんてあんなのなに
がいいんだか…」
芽衣歌…僕の妹の名前を出したとたん、彼女は顔を曇らせた。
「あ、ごめんさやか、気に障ること言ったかな?」
「いや、君にわがままが言える妹さんはいいなーと思って、僕もたまには…ってね」
「そうか、よし!!なら俺がいくらでもさやかのわがままを聞いてやるぞ!さあさあいま
すぐにでも言ってくれ!ただしもうこにくちゃん関連は勘弁してくれよ!僕犬が嫌いだから」
僕が勢い良くそう言うと、彼女は顔をきょとんとさせた。無理もない、でも普段彼女はわがまま
を言わないので、彼女のわがままを聞いてみるのもたまには面白いかなあと思った。
「本当?いつもの勢いだけの言葉じゃないだろうね?」
「ああ、本当に何でも聞くよ」
「それじゃあまずは…僕を差し置いて浮気とかしていない?他に好きな子…たとえばクラスの
マドンナなんかがいたりはしないのかい?僕は本気で答えを聞きたいんだ、どんな答えも受け入れる
から本当のことを答えてくれ」
今までの彼女の真剣な雰囲気に圧倒された、しかしマドンナとは古い言い方だ、漱石の坊ちゃんでも
読んだのだろうか?。
「どこの世の中にこんな本ばっかり読んでまともに授業も受けない協調性ゼロの、さらにオタクでどう

しょうもない馬鹿の僕に、わざわざ浮気なんてうつつを抜かしてくれると思う?それに気になる子なん
ていないさ、僕はさやかと一緒にいるのが一番だよ」
僕がそういったとたんに彼女は悲しそうな顔をする。
「そんな悲しい事を言わないでくれ、それに別に君を馬鹿にしているわけじゃない、僕は義孝が誰かに
取られてしまわないかと思うと本当に心配で仕方がないんだ…その、僕が一番って言ってくれたのは嬉
しいけど…」
僕としては軽い冗談を言ったつもりだったがどうやら通じなかったようだ。
ちなみに決して友達もいないわけではない、一応だが一人、学級委員長の上条晴子が上記した僕のよう
な最底辺に属する人間にわざわざ親しく接してくれていたりする、まあ気まぐれだろうが。
それに恋愛対象としてはとても見れない、第一あの娘はいちいち口がうるさすぎる、授業中にノートに
落書きしていただけでいちいち怒るし。
ある意味何事もぼくにうるさく言わない彼女、さやかとは対照的な存在だが、そんな子の名前を口に出
したら彼女は間違いなく何かの疑いをかけてきそうで怖い。
疑われるのはあまり良い気分ではないし、濡れ衣でこの関係は壊したくなかった。
「ごめんな、でも本当に大丈夫だよ、ほら、僕は友人だってまともにいないし、こうして一緒にいてく
れるのは君くらいだから、本当に安心してくれ、僕も君から離れたくないし、ずっと側にいたいんだ、
それに最後の言葉は冗談じゃない、本気だ」
「ありがとう、そう言ってくれて嬉しいよ、それじゃあ次は」
そういうと彼女は立ち上がって、僕の前に近づいてきた。


458 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 00:44:34 ID:1H1hEYdJ
ルミナスアーク2のファティマルートでのアルティが軽度のヤンデレ臭い発言してて萌えた

459 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 00:45:37 ID:Cog2cNQm
「…そうだね、僕とキスをしてもらえるかな…本当はずっとしてみたかったんだよ」
彼女はそういうなり僕の顔を手でつかんで、自分の唇を近づけてきた、僕はそれに抗わず
にそれを受け入れた。
重なり合う唇、彼女はそのまま僕の口の中に自分の舌を押し込んできた、僕はそれに抗わず
にそれを受け入れた。
くちゅくちゅと音を立てて、互いに舌を絡め合わせる、お互いの唾液をむさぼり、口腔内を味わう。
粘膜の快感と、彼女の臭いと唾液の味が混ざり合って、何かふわふわしたような気分になる。
彼女の体を求めたい、本能が僕にそう継げた。僕は彼女の細い体を抱き締めてその体温を直に感じた、
細い体と控えめな胸が僕の体にあたる。
「続きを、してくれるかい」
彼女は唇を離すと、唾液で糸を引きながらそういった。
ふとみた彼女のとろんとした目は、全てを受け入れる準備が出来たといっているようだった。
良く考えれば、ぼくたちはキスもまだしたことがなかった。
今日、この機会は僕たちにとってはちょうどいいことなのかもしれない、しかし僕は戸惑った。
「…ごめん!今ゴムとかもっていないんだ」
「大丈夫だよ、君の子供なら何があっても僕は生んで育てたいから」
「でも、ほら、僕はまだ学生だから、君ばっかりにリスクと迷惑はかけられないよ」
予想外の展開に僕は焦った、嬉しい誘いだし、日々望んでいた事では有るが、こういう日に限って避妊
具を準備できなかった自分が恨めしい。
そんな風にあわてふためく僕を見ると、彼女は真っ赤な顔で少し落ち込んだようにこういった。
「義孝…僕のこと嫌いになったのかい?それとも、やっぱり他に好きな人が出来たとか?僕は君が大好
きなんだよ、何ならただ体だけ目当てで抱いてくれるだけでも良いんだ、だから、お願いだから…」
彼女は懇願する…僕はやりきれない気分になる、体の奥底の本能は彼女を求めている、でも僕にはどう
しても踏ん切りがつかないままだった。
さっきまでの、どんなわがままも聞いてやるなどと勢いの良かった自分が恨めしい、今すぐにでも変わ
ってもらいたい。
そんなことを考えるうちに、世界が反転した。
視界が一気にふにゃふにゃと歪み始めた。
ふらりとゆれた僕の体はその場に崩れ落ちた、それと同時に一気に胸の鼓動が早まり始める。
「はぁ、はぁ、はぁぁ…」
次第に落ち着いて呼吸が出来なくなる、しかし全く体は苦しくない、むしろ気分はどんどん心地よくな
り、僕の体はそれと同時に睡眠を求め始めた。
「ゴメンね義孝、でも僕はこうでもしなければ君を信頼…いや、信用すらも出来なくなりそうなんだ」
そういうと彼女は僕の体を抱えて部屋のソファに僕をひきずり、ソファに僕を寝かせた。
「さ、や、かぁ…」
「責任は僕が全て取る、何がどうなっても、今回の結果がどう作用しても僕は君を永遠に愛する、だか
ら、だから僕は君に」
御伽噺を読んであげよう、そう、優しく呟いた彼女の声を聞くと同時に、僕は深い眠りに付いた。
そう、深い深い、恐ろしいくらいに深い眠りへと。

460 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 00:46:39 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜桃井 さやか @

僕は彼を寝かしつけると、手元においてあった一冊のノートを開いた。
ノートの間には、学園で授業を受けている彼と、それを黒板と一緒に楽しそうに
眺める少女…上条晴子の写真が挟まっていた。
彼の授業中に偶然、僕が旧校舎からスコープ付きカメラで撮ったものだ、消して
盗撮写真ではない。
こんなもの一枚で、彼の回りの人間から聞いた話くらいで彼を疑いたくはなかった。
でも、それでも僕は、彼の本心が知りたかった、たとえ天才であっても恋をした彼の
心なんて解りはしないという現実が、余計に僕の気持ちを、感情を加速させた。
だから僕はこのノートを手に取った。
ここには僕が頑張って書いた、彼の大好きな御伽噺が書いてある、僕はこれからそれを
読むことにしようと思う。
「さあ、義孝…劇を始めよう、悲しい悲しい演劇を」
「…うん…」
瞼を閉じた彼はそう答えた。
こうして穏やかに眠る彼はまるで天使のようだ、その可愛らしい寝顔をずっと僕のものに
してしまいたいという欲求が僕を突き動かす。
すべてはこれから、そう、こらからの結果次第なのだ。
「愛してるよ、義孝」
神様、どうか僕を、そして彼を幸せにしてください、お願いです。
僕は泣きながら、天に向かってそう呟いた。
どんな結果が出ても、僕は彼を愛して、そして側にいてもらいたかった。


461 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 00:49:30 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜西田義孝A

その後、僕が目を覚ましたのは夜の8時だった、彼女はしきりに謝っていた
何でも僕のお茶に媚薬を入れたらしいが、量を間違えて僕が昏倒してしまったらしい。
僕は必死に謝る彼女を抱きしめて、明日、土曜日に確実に外泊許可を取ってくるという
と、彼女とお別れのキスをして旧校舎を後にした。
愛車である僕のバイク…ホンダXR230を発信させて家に向かう間、自分のふがいなさ
を嘆いていた、本来なら彼女を押し倒してでもいいくらいなのに、まさか僕に媚薬を飲ま
せるまで彼女をじらしていたうえに、愛する人にあんな事を平然と言って、考えてしまった
自分の無神経さが改まって嫌になった。僕の人生はいつもこうだ、だからいつまでたっても
友人だっていないまま、延々小説を書いて、本を読んでいる日々を送っていたのだ。
こんな自分を変えたい、そして変わりたい…そう考えているうちに自宅の前にたどり着いた。
おかしなことに家の電気は着いていなかった、母さんと芽衣歌二人で買い物にでも行ったのか
それとも父さんに何かあったのか、そんなことを考えてながら鍵をはずそうと玄関のノブに手
をかけると、ドアは開いた…そこからは物音がする、明らかに人の気配だ、ドアの奥からは何人
もの人間の気配を感じた。
「…誰だああ!!」
僕はとっさに叫ぶと玄関においてあったほうきを手にして靴のまま家に上がった。
家の中にたくさんあった気配もそれと同時に動く、それらがさっと何か、手を上げるような音が
した瞬間。
ぽすっ!ぽすっ!ぽすっ!ぽすっ!。
という軽い音とともに、僕の全身に何か長い、たとえるなら矢のようなものが打ち込まれた、何故
かとても熱いそれは僕の体を刺し、痛みとともに僕に何かを注入した、麻酔銃か何かなのか、先刻
の媚薬による眩暈と同じように視界が曲がり、僕の体はそれとほぼ同時に自由を失い、フローリング
の床に崩れ落ちた。
「う…うう…」
何とか逃げようとうめき声を上げて、動かない四肢をくねらせて僕は床をはいずる…その先のソファ
には、大量の血を流し、腹部を切り裂かれた妹の姿が、いや、むざんに腹部を引き裂かれて、悶絶
した表情でのた打ち回り死んでいったのであろう、家族の、家族だった肉塊が床一面に転がっていた。
血溜まりには妹が大事にしていたこにくちゃんの携帯ストラップがばら撒かれていた。
「う…う…うわああああああああああ!!!」
出ない声を絞り出して僕は叫んだ、目の前にある悲惨な現実と凄惨な光景、その全てが信じられなかっ
た、この光景が全部夢であって欲しかった。
予想外の光景に僕が絶叫していると同時、家の中にあったいくつかの気配は僕に近づいてきた。
「披検体確保、M=ジェルを注入されても生存中、経過は良好のようです、はい、このままラボに護送
します」
「これでまた一人B級が増えるのか…S−00のように脱走しなければいいんだがな」
どうやら僕をどこかへ運ぶ算段をしているらしい、黒い対化学兵器スーツを着込んだ上に銃器を手にし
た、ガスマスクを装着した彼らは無線のようなものでどこかと連絡を取っていた。
「う…うう!ううう!!!」
声にならない声で僕は彼らを精一杯に威嚇する、家族を殺したであろう奴らに手も足も出せない事が悔
しかった。
その彼らの中央に一段と大きい影が見える。
その姿はまるでグロテスクな怪物のようだった、ライオンのような顔を頭部と胴体中央部に持ち、口か
ら血を垂れ流して僕の家族の肉を食らうそれは、手にした巨大な斧で僕の家族だった肉塊を食べやすい
サイズに刻んでいった。
「タニラス様、ここまで死体を無用に刻んだのですから、後始末は全てお願いします」
ぐうう…タニラスと呼ばれたそれはそううなると死体の一片を口に運び…口から血をだらだらとこぼし
てそれを食らった。
「まあそういうな、これが俺の食事なんだから仕方ないだろう、それに心配ない、何も残らないくらい
に食べつくしてやるさ」
そんなことを言っている化け物を見て僕は混乱した。
何が何なのかわからない、まるでわけのわからないホラー映画だ…そう思いながら僕の意識はそこで途
切れた。
全てが悪い夢であって欲しかった、それでもこれは現実なのだと、体中に打ち込まれた何かの痛みが僕
に告げていた。


462 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 00:51:51 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜西田義孝A

気が付くと僕は何かの研究施設らしいところにいた、らしいところというのは
実際に特定が難しいくらいに僕にはそこにいた記憶があいまいだったからだ。
あるときは手術台に乗せられ、何かを体に埋め込まれたり、体を刻まれたり、妙に大きな
注射を打たれたりした。
白い部屋で、いきなり襲い掛かってきた像やゴリラを素手で殴り殺したような気もする、車
のボディーを引きちぎり、キックでバズーカの弾頭を破壊したような気もした。
ガスマスクの男達は大喜びをして実験は成功だ、S−01シリーズが完成したと大喜びしていた
のを覚えている。
僕の記憶が完全に覚醒したのはその後、どこかの演習場のような荒地で、アリ怪人としか言い様
のない化け物の首を手刀で切り落としたところからだった。
ぴゅうぴゅうと音を立てて黄色い体液を飛ばすその体を見たとたん、全てを思い出した僕は絶叫
を上げ、近くにあったバイクにまたがってどことも無く走り出した。
逃げなくては、どこか遠くに逃げなくてはいけない、覚醒したての思考と本能がそう告げていた。
背後で追え、殺せ、S−01シリーズ製造の実験はやはり失敗だという声がした、しかしそんな
言葉をいちいち構う暇は無かった。
一気にギアを最高速までいれ、予想以上の速度で何日間も道なき道を走った僕は、気が付けば
どこかの廃村にいた。

「み…水…」
とにかく疲れたので水を飲もうと、廃屋に入り、つるべ式の井戸の蓋を開けて水をくみ上げ…
桶の水面を見て僕は驚いた。
僕の顔は人間ではなかった、黒い顔に赤い大きな眼、そして特徴的なあごを持つそれはまるで
どこかのヒーローのような見た目だった。
「う、うああああああああ!!!」
僕が叫ぶと同時に、僕の顔と体は元に戻った…しかし水鏡に映ったその顔は痩せこけ、僕の顔と
裸の体にはあちこちに大きな手術後のような傷が出来ていた。
「なんなんだよこれは…一体何なんだよ…」
僕はひとしきりそう呟いて、改めて井戸の水を飲み干した。落ち着いて見て考えられる答えは
一つだった。
僕、西田義孝は何らかの悪の秘密結社に捕まり、改造人間にされてしまった、つまりはそういう
ことなのだろう、あくまで推測であって肯定できる意見は無いが、否定できることは何一つとしてない。
「一体これからどうしよう…」
復讐、そんなことを考えても見たが、取りあえず今の状況ではどうしようもない、自分の無力さが悲し
かった、そして…。
「さやか…結局約束、守れなかったな」
家族を殺された事で僕の心はからっぽになったが、何よりもさやかとの約束を守ってあげられなかった
事が今の僕にはとても悲しく思えた。
僕はなぜか無性に彼女の顔がみたくなった。


463 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 00:54:07 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜西田義孝A

僕はその後バイクの座席部分にしまってあった強化服であろうライダースーツ
とヘルメット、それとマフラーを身につけて、バイクを一気に飛ばして廃村を降り
手近な町に向かった。
後でわかったことだが廃村は地元北部の鉱山地帯のもので、手近な町は僕の生まれ
育った町そのものだった。

調べてみれば僕があの施設にいたのは1ヵ月ほどだったようだが地元は僕の家の噂
でいっぱいだった、わずかな血痕だけを残して一家全員が、周りの家々の家族共々
物音も立てずに失踪したのだ…噂にならない方が無理だろう。
そんな噂をよそに、僕はバイクを駐車場に止めて一人公園のベンチで今後の事に
ついて考え事をしていた。
いく当ても無く、予算もあまり無い、幸いバイクは何故か延々動くので燃料経費
で困ることも無いがまともに眠る場所も無い、幸先はとても不安だった。
その時正午を知らせる鐘がなった、たぶん学校では昼休みが始まる頃だろう。
なんだかあの頃の怠惰な生活も、口うるさい上条のことも…そして家族と、僕の
彼女であるさやかの笑顔も、どこか遠い昔の記憶に思えてきたのが少し悲しかった。
「はあ…さやか、俺はどうすれば良いんだろう」
彼女の名前を読んでため息をつく、その時、僕の前を通り過ぎようとした白衣の
子供っぽい少女が、僕のほうを向いた。
「…」
ふと目が合った、よくよくみればそれは白衣のさやかだった。
「…」
僕は目をそらす、下手に話しかけて彼女を巻き込みたくなかったし…それに僕は
口元までマフラーで顔を覆っていた、彼女が僕だと気づくことはまず無い…と思っていた。
「…よ、よしたかああああああああああ!!!!」
計算を間違った、いきなり僕は彼女に思い切り抱きつかれた。
「会いたかった、会いたかったよおおおおお!!!ど、どごにいってたんだあああ!!!」
涙を流して抱きついてきた彼女の顔はぷくぷくしたほっぺたがすっかり痩せこけて、いつも
抱擁してくれるその力はだいぶ落ちたように感じられた。
体からは汗のにおいがする、だいぶ走り回って俺を探していたんだろうか。
「ごめんなさやか…本当にゴメン」
僕はさやかをやさしく抱きしめた、この地獄のような現実世界で、僕には彼女がまるで楽園
から現れた天使のように思えた。
鼻までたらして泣き出した彼女を抱きしめて数分後、僕は彼女に引っ張られる形で彼女の
自宅兼学園の旧校舎に案内された。
貰ったサングラスで覆い隠した視界から見る、いつも通っていたはずの学園は、まるで違う
自分のいる世界とはかけ離れた、アニメかゲームのような絵空事の世界のように思えた。


464 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 00:57:46 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜西田義孝A

僕はそれから彼女の家で久々のお茶とケーキをご馳走になり、それを
食べながらじっくり時間をかけて、彼女に今まで起こったことの全て説明した。
彼女は全てを黙って聞き、またその内容の全てを否定せずに受け入れてくれた。
「さっき君に触られた時に感じた君の手の体温…とても人のものではないくら
いに冷たかった、それにあの傷もそう、君の話はきっと本当だ。何らかの組織が
絡んでいるのも間違いない、でも安心してくれ、君の彼女はこの天才科学者の桃井
さやかだ、たとえどんな法律を破ってでも君を守ってみせる、僕に迷惑が掛かるとかは
気にしなくていい、ずっとここにいてくれれば僕はそれで良いんだ」
僕は、ただその言葉と好意が嬉しくて、その場で泣き崩れて、疲れてしまったのかそのまま
ソファで眠ってしまった。
数日前のあの時と同じソファで、もう元には戻れないくらいに変わってしまった体で。

気が付くと日はすっかり暮れて夜になっていた、彼女、さやかは僕の横に座って眠っていた。
彼女はなにやら箱のようなものを抱えてぶつぶつといっていた、いつもの夢遊病だろうか?
微笑ましくなって彼女に布団をかけてあげようとしたその時、校庭で大きな音が響いた、何台
ものバイクとトラックのような大型輸送車のエンジン音だ、数は10や20ではない。
「くそ…追っ手が来ちまったのか!?」
そう言って彼女を起こそうとした時、彼女は口に手を当てた。静かにしろ、のジェスチャーだ。
僕を見つめる彼女はにやりと笑った。



465 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 01:01:41 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜桃井さやかA

「どこだ、早く見つけろ!S−01はここのどこかに潜んでいるはずだ!
なんとしてでも見つけて始末するんだ」
ガスマスクの男達と、それを従えたライオン型の怪人…彼、義孝いわくの
タニラスというらしい、が大声で叫んだ。
ガスマスクの男達は旧校舎に入るなり手に持ったダートガンのようなものを
構えてあたりをうろつきまわる、しかしそのしぐさはどこかぎこちないうえに
誰かを探っているにしては未熟さがあまる、所詮は軍人などのプロではないと
いうところだろうか。
「よし…これならいける!」
そう考えた僕は手に持っていたリモコンのスイッチを入れた、ウイーンという
起動音とともに、彼らのちょうど背後に置かれていたみかん箱が動き始める。
もちろんその中身はみかんではない、僕の製造した自動操縦タイプの擬似メタル
ストーム重機関銃だ、日本で作るのには材料面で苦労したが、護身用にはもってこい
の武器だ。
起動音に気づいたガスマスクの男達がそちらに気づくより早く、発車音すら響く前に
秒速一万発で打ち出されたスチールコア入りの弾丸は彼らの全身を貫いた。
「行くよ義孝、こっちに逃げ道を用意しておいた」
「あ、ああ、しかし今のは!?」
「護身用アイテムだ、僕と君を守れるように日々頑張って作っていた」
うん、一言も嘘は言っていない、そういう発言ほど気持ちが良いものはない。
彼は何も言わずに驚いたような顔をしている、きっと嬉しくて言葉も出ないのだろう。
僕は義孝の手を引いて旧校舎を駆ける、この先に行けば秘密扉がある、そこから一気に
義孝とともに逃げられるようにバイクまで用意しておいたのだ、僕の作戦は完璧だ。
これで貴之は僕に絶大な信頼を置いてくれるかもしれない、どう見たって僕は彼好みの
強い女の子だ…この機会は彼にとってはとても不幸な事だったろうが、僕にとって彼と
密接に付き合えるチャンスなのかもしれない、神様有難う。
と、そう思った瞬間、僕は首根っこをいきなりつかまれ、宙に持ち上げられた。
「うわああああ!!!」
それと同時に僕の首筋に巨大な斧の刃先が当てられる、そう…それをあてたのは間違いなく
あの化け物、タニラスという奴だ。


466 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 01:03:21 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜桃井さやかA

「大人しくしろS−01号、そして桃井博士」
「くそ!はなせえ!!」
僕は怪人に向かって手に持っていた自作自動連射式リボルバーの引き金を引いた、乾いた爆裂音
とともに5発のスチールコア入り30口径弾が炸裂したはずだったが、その全ての弾丸は彼の体
を貫かずに、その厚い筋肉の鎧に飲み込まれた。
「この程度ではC級とはいえ、俺は倒せんよ」
「ば…化け物め!!」
「あまり騒ぐな桃井博士、お前は殺しはしない、我等LYSの科学者として思う存分その手腕を
振るってもらおう」
タニラスの言葉は真剣な口調だった、それゆえに余計に恐ろしい。
何なんだ、この化け物は。
「そしてSー01、お前もわれらの基地に来てもらう、戦闘員…ゾルダートどもはお前の始末に
躍起になっていたようだが、その戦闘力は惜しいものがある、最洗脳してもらえば全てを忘れて
また我等のようによろこんで人を殺せるはずさ」
タニラスと、それに押さえられた僕の視線の先には、拳を握り締めてうつむく義孝がいた。
「か、かまうな義孝!僕に構わず逃げるんだ!!」
彼は僕の言葉を無視してタニラスを見据えた。
「俺は…人を殺したのか?」
タニラスは笑顔のように口をゆがめて答えた。
「ああ、ついでにさらってきた、逃げ惑う隣人どもを容赦なく殺したよ、練習にゾルダート
を何人殺したかも解らん…最後の頃は戦力の実験に、山の寒村丸々一つを大虐殺で消滅させたな…」
「そうか…」
彼はそう呟くと同時に涙を流した、そしてこう言った。
「何かあったらゴメンな」
ひゅ!という音が聞こえた。
それと同時に僕はまた首をつかまれて後方に吹っ飛ばされた。
「うぎゅ!」
何とか受身を取って後方を見る。
背後には、彼の膝蹴りで弾き飛ばされたタニラスと、それを見つめる彼の背中があった。
「義孝!!」
「貴様…いくらB級とはいえ!Dレベルの怪人としか戦闘訓練していない分際で、この俺にC級の俺

に!!」
タニラスは膝蹴りをくらって激怒したのか、手に持った斧を構えると一気に彼に向かって走り出した。
彼はそれに動じずに、手を前に上げてポーズをとった。
「…変身!!」
まるで何かの特撮番組のように彼が大声で叫ぶ、それと同時に彼の体は赤い光に包まれた。
光と共に彼の体は黒い装甲に包まれ、その顔もバッタをモチーフにしたような赤い瞳を持つ仮面に包ま
れた。
話には聞いていたが、目の前でこんな光景が繰り広げる事が起こるとは全く思ってもいなかった。
そして僕は少し悔しかった。なぜなら彼は僕の手ではなくて人の手で、本当に改造人間系のヒーローと
なってしまったのだから。
悔しい、そしてうらやましい…なぜか彼を改造した者達に嫉妬の心から殺意が沸いた。


467 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 01:05:18 ID:lkluXv8w
sien

468 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 01:05:31 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜西田義孝B
S−01の性能は単体では万能かつ最強、そんなことをあの時僕の実験を
担当していた科学者の一人は言っていた。
きっとそれは本当のことなのだろ。
「…何ぃ!!」
タニラスは絶叫した、僕に振り下ろした斧が僕を斬ることも無くこなごなに
砕けたからだ。僕は呆然とするタニラスの斧のグリップを奪い取って握り
つぶす、力の差は歴然としていた。
「う、うおおおおお!!!」
タニラスはまだあきらめきれないのか手についていた鍵爪で僕を攻撃するが
突き刺そうとした爪の方が先に砕けてしまった。
こうなれば逃げるしかない、そう考えたのかタニラスは後ろを向いて走り出した。
僕は腰…ベルトのような部分に左手を当てる、するとそれにあわせてベルトが光り
その粒子が僕の左手首を包んだ、集まった光は一気に収束して形を作る、僕の左手首
にはペッパーボックスのようなピストルが握られていた。
ジャイロショット、これが僕…S−01の武器の一つだ、一回の変身で使える弾丸の数は
15発と少ないが、威力は凄まじい、そしてなにより使い勝手が良い武器だ…と、脳内に
あるデータが告げていた。
タニラスに向けて引き金を引く、3発のロケット式の弾丸は轟音を上げてその体に打ち込まれた。
「ぎゃああああああああ!!!!」
凄まじい悲鳴が響きタニラスは倒れこむ、非貫通タイプの弾丸は彼の全身の余すところ無くダメージを
与えたようだ、体を引きずって逃げようとするが骨が折れたのかそれらもうまく叶わないらしい。
「終わりだ…化け物め」
「こ、この同属殺しの化け物め!!」
同属殺しの化け物、そしてそして僕は立て続けに人を殺してきた殺人者だ…もう、後戻りは出来
ない、そんなことは解っていた。
でも、それでも背後にいる彼女、さやかを守るためなら戦わなくてはいけないという事も解っていた。
だから、僕はここで全ての罪を背負う事を決めた、これから彼らと戦うことになればいつか死ぬ日が来
るだろう、それでも構わない。
僕は…いや俺はさやかを愛してる、だから絶対に守ってみせる、他の人間達も、もうだれもこいつらの
犠牲なんかにはさせない。
「ピンファイアキック!!」
俺は一気に跳躍し、狙いを定めてタニラスの被弾箇所に蹴りを食らわせた。
脚部の電子スイッチの誘導により弾丸は爆発した、凄まじい音と火花を立ててタニラスはこなごなに砕
け散った。
それと同時に俺の変身が解ける、炎の中で背後を振り返ると立ち尽くしたさやかが俺の背中を見つめ続
けていた。
父さん、母さん、芽衣歌、仇はうったからね…俺はそう呟き、心の中で涙を流した。
「さやか…達者でな」
彼女をこれ以上巻き込んではいけない、俺はそう思って別れを告げた。頭の良い彼女の事、事情は理解
しただろう。
そう予測したが、彼女は何を思ったのか俺を背中から抱きしめた。
「嫌だ、今の君をほおってはおけない」
「さやか…わがままを言うなよ、俺はもうこんな体なんだぞ、それにあいつら敵だって…」
「そんなの関係ない!君は君のままだ、体が変わってしまって不安なら必ず僕が責任を持って君を治し
てあげる!戦いに行ってあいつらの組織を潰すって言うならなんでも協力する!だから…もう僕を一人
にしないでくれ、お願いだから!僕は君のそばで死ねるなら、もう何もいらないから!!」
哀願する彼女にはかなわない、俺は彼女を無言で抱きしめた、もう言葉は要らなかった。
「行こう、さやか」
「うん…義孝」
俺達二人は手をつないで旧校舎を後にした、これから何が起きるのかなんて考えもせずに。
弱い心は穴を埋めようとするとその穴に飲み込まれるという話も信じずに。

469 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 01:07:27 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜西田義孝C
それから数ヶ月が過ぎた、俺はさやかの手引きで敵に見つからないと覆われる住処を転々とし
敵である組織…巨大企業複合体、通称LYSの動向を探りながらその追っ手と戦い、人々を襲
おうとする怪人たちと日々戦いを繰り広げていった、もちろん戦いにおいてさやかの頭脳面での
活躍はすごいものだった。
敵の攻撃地点を巧みに予測し、物資を奪って資金に変え、代替兵器を作って敵の支部を攻撃、情報
を回収するなどの作業は俺一人では出来ないものだったので本当に助かった、いや助けられていた。
そして今晩も、襲撃をかけたLYSの港湾倉庫を爆破し、それによって現れた怪人との戦いを繰り広げ
ていた。

「くらええええええ!!!」
空中から現れた梟型の怪人が目からビームのようなものを発射する、コンクリートを溶かすようなそれ
を俺は右手に発生させたシールドで全て遮断した。
第二の武器、アイギスシールドは核熱兵器すら遮断する。ビームを防がれた事に慌てた敵は手に持った
剣を構えて一気に詰めよった。
その体が爆発音と共に歪んで落下する、後方からさやかが打ち込んだグレネード弾が敵の体に炸裂した
ようだ。
「今だ!義孝」
「リムファイヤアタック!」
叫ぶと同時にジャイロショットを敵に叩き込み、電子スイッチ入りのパンチを炸裂させる。実に一撃で
42トンもの衝撃を与えるそれは軽々と敵の体を砕いた。
「やった!うああ!?」
さやかが喜ぶと同時、その背後から鞭のような触手がその体を絡め取った、海から現れた馬型怪人の鬣
がまるでイソギンチャクの触手のように相手を絡みとってさやかの体を切り裂く…それが敵の狙いだろ
う。
しかしさやかは軽々とそれを引きちぎると、驚く怪人めがけて手に持っていたグレネードガンからグレ
ネード弾を発射した。
「ぐあああああ!!!」
叫ぶ敵、俺はそれに合わせて敵にアイギスシールドを投げつけた。
ブーメランのようなそれは敵の首を鮮やかにはねる。
首を失った敵の体は一気に燃え尽きた。
 
「怪我は無いか、さやか」
俺は彼女に近づく、しかしそういうと彼女は少しむすっとする。
「僕のパワードスーツの性能は完璧だから、余計な心配は要らないよ義孝」
彼女はこの戦いに参加してからというもの、作戦面の指示も欠かさなかったが、敵のデータを奪っては

ずっと怪人や怪人たちと戦うことが出来る兵器の研究も行い、さらには僕のトレーニングメニューまで
考えてくれていた、俺は戦うだけで殆どおんぶにだっこな状態だった。
彼女曰く、怪人の体を変身させるのはM=ジェルと呼ばれるナノマシンで、普段は腹部のベルトの辺り
に埋め込まれているそれが活性化して体を覆う事で俺達は変身できるということだった。
彼ら曰くの〜級というのはそれらの強度や性能の違いから来るものであるらしい。
そして彼女はMジェルを解析、そのシステムを利用して自分専用の代替パワードスーツを製作し、C〜
D級怪人となら倒す事は不可能でも、それなりに渡り合えるほどの力を擬似的とはいえ手に入れてしま
い、その力で使いこなせるように製作した対怪人用武器の運用も行っていた。
「僕は君に迷惑をかけたくないし…君の力になりたいからここにいるんだよ、それに好きなんだろう君
は…えっと、強くてひっぱってくれる女の子が」
苦笑してそういう彼女を見ると少し申し訳が立たなくなってくる。
「俺はお前しか興味が無いよ」
そういって彼女を抱きしめると、彼女は顔を赤らめてばか、といった。
敵は強大な悪の組織、そしてそれに二人で立ち向かうという現実は残酷で、かつ非情でしかなかった。
しかしこの彼女と敵に立ち向かう生活もだんだん悪くは無いと感じ始めていた。
愛するものが側にいる環境は、全てを失ってしまった俺にとってはとても癒されるものだった。



470 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 01:08:42 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜西田義孝C

朝、無断で住み込んでいた廃ビルで目を覚ますと
彼女が朝食を作っていた。
「おはようさやか、今朝も可愛いねえ」
「おはよう義孝、どうもありがとう」
そう言って彼女は僕の傷だらけのほっぺたにキスをする
彼女のほっぺたにキスをお返しすると、その顔を指で撫でた。
「隈が出来てる、また寝てないのか?迷惑かけっぱなしでこういうの
もあれだけど、もう少し寝たほうが良いんじゃないのか?」
「うん、ご飯食べたら少し寝るよ、敵も今日は大人しいみたいだし」
そう言って彼女はテーブルに乗せられたパソコンの画面を眺めた。
敵側のパソコン用連絡IDを奪い取り、下っ端のみとはいえその連絡網
を手に入れた彼女はそれを利用して敵側の行動を把握、先回りして敵を
返り討ちにする作戦を立てていた。
「なんだかここのところ敵の動きがあまり芳しくないみたいなんだ、もしかし
たら作戦を変えてるのかもしれない」
俺達が敵と戦う場合、その殆どは僕たちに行ったような被献体探しを邪魔する事が
多かった。
それにより戦力を減らし、新しい怪人を補充する時を狙って敵の支部を攻撃すると
いうのが作戦のセオリーだ、彼女曰くでかい組織と事を構える場合、敵の支部を強襲
した時に物資が手に入るような状況が無い限りはあまり大きく動くのはよくないということらしい。
「それじゃあ、さやかが起きたら久々にどこかに出かけるか?ウインドーショッピングとか?」
「ほ、本当に良いの?僕なんか戦闘以外で連れまわして嫌じゃない?義孝?」
「嫌なわけないだろう、第一お前は何度も言ってるように、俺の彼女なんだから」
「う、うれしいなあ!よし!それじゃあすぐに起きるから、そうしたら町のほうに出かけよう」
「おいおい、ゆっくりでいいからな、時間はいっぱい有るんだし」
彼女は涙を流して本当に嬉しそうに言った、久々のデートでそこまで喜んでもらえるなんて、僕はそれ
を微笑ましく思った。

471 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 01:11:42 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜桃井さやかC

それから数時間後、たっぷり寝た僕はそれを待ってくれた彼と
一緒に町に出かけ、さまざまな買い物を楽しんだ。
彼は重そうに荷物を抱え、僕はそれを心配しつつも他の買い物を続行する
僕たち二人はまるでどこかの漫画のカップルみたいだなあと思った、きっと
それを見ている周りの人たちもそう思っているんだろうなあと思った、それは
それは幸せな時間だった。
彼との買い物の後、オープンカフェテリアでパフェを食べている時、彼は少し暗い
表情で僕に質問してきた。
「なあさやか、前から疑問に思っていたんだけど、俺の体ってその、オルト現象は
出ないのか?」
「出ないね、それだけは間違いない、君たちS−…スペクトルシリーズはそれが出ない
仕様だからこそ特別で貴重なんだ」
僕はきっぱり言い切るとパフェのアイスクリーム部分を食べた、彼はその言葉にほっと
したのか肩の力を抜いて椅子に腰掛けた。
オルト現象…怪人たちの細胞は構造が不安定で、定期的に人間の血肉を捕食し、代替的に
でも新たな人の遺伝子を取り込まないと体が生きながら腐り始めたり、人を食う事しか脳が
なくなる化け物になってしまうという恐ろしい現象だ。
しかし洗脳した上で怪人たちをこれによって縛るのにはLYSにとってはちょうど良い現象
なのだろう、敵から奪ったデータの中ではある程度の不安材料が解消されるためだけにSシリ
ーズが作られるまで、この現象を止める研究はLYS化学班では一切されていなかったよう
だった。
「安心してくれよ、もしそうなった場合でも僕は絶対に君を治して見せるからさ、それに敵側
だってあれほど躍起になって探しているSー00号だってオルトを起こしながら逃げてる形跡
は無いんだから」
「S−00号か、同じSシリーズどうし、どこかでコンタクトを取れれば良いんだけどなあ」
彼はそう言って注文していた珈琲を飲み干した、確かに彼の判断は正しい、この戦いで人手が
増えるのは本当にありがたいことなのだろう。
でも僕は気持ちの上でそれが少し嫌だった、だって、もしこれ以上人数が増えたら彼と一緒にいられな
くなるじゃないか?第一相手は彼よりも強力な力を持ったSー00号だ。下手をすれば僕が一緒に戦う
事も必要なくなるかもしれない、僕にとっては何よりそれが一番怖かった。
「うん、そうだね…」
僕は力なく答えた、それと同時に後ろの席から悲鳴が上がった。
悲鳴の原因であるOL風の女性は、突如空中から現れたカブトムシ型の怪人の持った鎖鉄球によって頭
をぐしゃぐしゃに潰され、そしてその周りにいた全員はゾルダートたちのダートガンによって体を打ち
抜かれて死んでいった。
人々が悲鳴と共に逃げ惑う、そんなものをお構いなしといわんばかりに、彼と僕に向かって会員達は迫
ってきた。
「…っ!!変身!!」
彼は大声を上げて叫ぶ、それと同時に彼の体は赤い光に包まれて、いつもの黒い装甲の姿…S−01、
パスズへと変身した。


472 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 01:12:12 ID:Cog2cNQm
君の涙が乾くまで〜桃井さやかC

僕もそれに続いて鞄の中に仕込んだサブマシンガンを撃ち、僕たちを狙い撃ちにするために固まった陣
形のゾルダートたちを次々に撃ち殺していく。
「くそ…僕が甘かった」
人ごみの多いところでは敵たちは襲い掛かってくるわけは無い、僕の甘い考えは非情な敵たちによって
打ち砕かれた。
「貴様ああ!よくもおおお!!」
彼は頭に血が上っているのか、ジャイロショットも構えずに敵に特攻するが、カブトムシ型の敵は装甲
が固いらしく、彼のパンチもキックも全てはじき返してしまった。
「くそ!!」
たまらず彼はジャイロショットを放つが敵の装甲は厚く、豆鉄砲のように全ての弾丸をはじき返すと彼
の体を鎖鉄球で弾き飛ばした。
「うぐあああ!!」
彼は弾き飛ばされる、敵はそれに狙いを定めて鎖鉄球を振り下ろす
絶体絶命、僕はそう思っていた、しかし状況は違った。
「な…お前、上条」
彼の前に、彼をかばうように現れた一人の少女は素手でその鎖鉄球を軽々止めると、一気に敵に向かっ
てそれを投げ返した、豪速で飛ばされたそれは怪人を直撃、怪人は地面にもんどりうった。
「久々だね、西田くん…同級生として、S−00号として、君にあえて嬉しいよ」
彼女は綺麗なロングヘアをたなびかせてそう言うと、手を交差させて独自のポーズをとり叫んだ。
「変身!!」
青白い光が彼女の周りを包み、彼女はその姿を変えた。メタリックブルーと浅葱色を貴重としたクジャ
ク型の怪人…多目的広範囲襲撃用B級ゾルダート…S−00号、シナゴーグだ。
立ち上がった怪人はそれを見ても勇猛果敢に突撃するが、シナゴーグは自分から動かず、肩部に搭載さ
れた翼から羽を飛ばして応戦する、鋭い刃物のようなそれは敵の装甲を切り刻み動きをけん制、シナゴ
ーグは止めとばかりに腹部からビームのようなものを放つと怪人は爆散した。
唖然とする僕らの前でシナゴーグは変身をとき、その本体である姿…上条晴子の姿をさらした。
「おまたせ、今日こそは会おうと思っていたんだけど、だいぶ遅くなっちゃったね」
彼女はにっりと笑ってそう言うと、彼を抱きしめた。
「S−01とはいえあんな足手まといと一緒に戦うのは大変だったでしょう?今度は私が、いや、私達
が守ってあげるからね、義孝くん」
そういうと彼女、上条晴子は彼を抱きしめた、僕は動揺しきっていたため、その場から動く事が出来な
かった。
どうやら嫌な予感は、ものの見事に的中してしまったようだった。
あまりに突然の事からか、それとも緊張でか、何故か体が動かない事が歯がゆかった。


473 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/20(火) 01:12:43 ID:Cog2cNQm
今日はこれまでとします、続きはまた後ほど、それではまた



474 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 01:28:58 ID:2aVHIf0K
>>473
投稿お疲れ様でした


475 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 02:06:40 ID:6DqGP7lX
久しぶりGJ!


476 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 02:40:41 ID:i9GoVa+p
三点リーダすらまともに扱えないのに作家気取るな

477 :445:2008/05/20(火) 03:05:42 ID:5hSd+0hi
すみません>>445は誤爆です
キモウトのほうで投下する予定でSSを書いていたのでホントはあちらで質問すべきところを間違えてしまいました
お騒がせして申し訳ありません
以後気をつけます

478 :再見2話 ◆ZUUeTAYj76 :2008/05/20(火) 20:35:15 ID:6DqGP7lX
弟が盲腸で入院した。
入院した病院が隣町の隣町にある大きな病院で、車で30分は掛かる。
そのせいでお見舞いに行くのが酷く面倒だったのを覚えている。
でもそれもすぐに面倒だとは感じなくなった。
なぜなら彼女に会えたからだ。
ある日弟の見舞いに行った時、受付でばったり出くわしたのだ。
その時は神の奇跡に感謝した、兎に角うれしかった。
彼女も僕に会いたかった、と聞いた時は死んでもいいと思えるほどに。
あの洪水のとき、彼女は祖母の家を訪ねていて被災したらしい。
そして今はその祖母が入院しており、その見舞いに訪れたと言った。
その後はお互いの見舞いもそこそこに病院のロビーや屋上でいろんな話をした。
初めて会った時とは違い、明るく健やかな彼女とすぐに打ち解けることが出来た。
しかし、弟もいつまでも入院している訳にも行かず、退院の日はすぐにやってきた。
今なら携帯電話の番号を交換できるけれど、当時中学1年の僕はそんなもの持たせてもらえない。
彼女とは自由に連絡できなくなる、おまけに学校も家も全然違うトコロだ、会える回数は激減なんてもんじゃない。
共働きの両親の代わりに弟を迎えに行った日の、彼女の目を今でも忘れられない。
「捨てないで」と言っているような、寂しげな瞳。
そういえばあの雨の日、両親を見つけて別れようとした時もあの目だったっけ。
そんな悲しい目で見つめられ、僕はさよならを言うこともできず病院を後にした。


退院した調度一週間後、弟は通り魔に襲われ再び入院した。

479 :再見2話 ◆ZUUeTAYj76 :2008/05/20(火) 20:40:50 ID:6DqGP7lX
昼過ぎ学校へ連絡が入り、僕は急いで病院へ向かった。
当時まだ土曜日は半日授業があり、中学生の僕は午後の部活の準備をしていた時だった。
小学生の弟は午前までの授業が終わりそのまま帰宅。
その途中ですれ違い様に腹をナイフのようなもので刺されたのだ。
息を切らし病院入るとはすでに両親がいて、待合室には重苦しい空気が満ちていた。
しばらくして手術は無事終了。意外に早く終わった。
通り魔が腹部をナイフで刺した時、奇跡的に内臓を傷つけずに刺さったため大事には至らなかったらしい。
その後弟が病室に移された時、日は地平線ぎりぎりまで下がって世界を真っ赤に染めていた。
母は病院に残り入院の手続き、父は僕を家へ送ること。
夕日に赤く照らされた1階の玄関、父は「車を取ってくるからまってなさい」と先に出て行った
父の出て行った玄関、そこに誰か立っていた。逆光で顔がよく分からない。
一歩一歩近づくにつれ、少しずつ見えてきて、僕は足を止めた。
彼女がそこの居た。
彼女との距離は3メートル、きつい西日を背に影で隠れた顔。
その顔が僕には笑っているように、微笑んでいるように見えた。
まるで願いが叶ったような、欲しかったものが手に入ったような笑顔。
少し、ほんの少し、背筋がぞくりとした。
影でよく分からないけど、きっと彼女の目は僕の目を見つめていたんだと思う。
近づくことも離れることもせず、僕をまっすぐに見つめていた。
彼女は動かない、僕は動けない。先に動いたのは僕のほうだった。
玄関の向こう、父が車の運転席から手を振っている、行かなければ。
早足で彼女とすれ違い、て玄関をくぐり外を出ようとしたその時。
すれ違い様、彼女は振り返ることもせず、一言だけ、僕にだけ聞こえる小さな声で言った。


「……また、会えたね」


続く

480 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 21:09:55 ID:lkluXv8w
もうちょっと書きためてから投下してくれたほうが読み手としては嬉しい。
GJ!

481 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 23:25:29 ID:3FjrHPZE
>>479
GJ!
弟不憫すぎるwww

482 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 23:45:59 ID:YA7l9ACQ
もうちょっと書いてから投下して欲しいのだけど…
テンプレにはぶつ切り投下OKって書いてあるからなぁ…

483 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 23:50:12 ID:XU500rL4
書き手は
来る者拒まず
去る者離さないのがこのスレだろ


484 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 00:42:23 ID:abuiwuzk
なんと!スレ自体がヤンデレとは…

485 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/21(水) 00:43:27 ID:GTPgy4sN
こんばんは、続きを貼りに来ました、三点リーダー云々使いこなせませんが
途中で放置するのも気分悪いので残りも貼ります。

君の涙が乾くまで〜西田義孝D

上条との痛烈な出会いの後、あまりのことからか錯乱して僕たちにサブマシンガンを乱射する
さやかを落ち着かせた後、俺は上条を廃ビルに誘い、三人で廃ビルに戻った。
上条は僕が落ち着かないさやかを寝かしつけた後に、ゆっくりと落ち着いた口調で今まであった
こと、そして彼女の身に起こった事を語ってくれた。
僕と同様に家族を殺され、S−00号として改造されたこと、そしてなんとか脱出して逃げ回り
LYSと敵対する組織の力添えで敵支部のあった学園に潜入していた事などを、彼女は淡々と語っ
てくれた。ひとしきりに話した後、彼女は俺をその組織に入るように進めた、改造人間ではない
一般人を抱えてゲリラのみではいい加減勝ち目も薄いだろうし、今後は大きな作戦の予定もある
らしく、最悪連帯を取ろうという話だった。
「義孝の身に何かあったら大変だし、彼女さんを巻き込むのもよくないわ」
「うん…でも彼女は彼女で役に立ってるし…」
煮え切らない僕に対して上条は業を煮やしたのかこういった。
「あの子、大体今日だって錯乱してあんな感じだったし、それにあなただって同じBクラスの改造
人間に攻撃が聞かないくらいでだいぶ遅れを取っていたじゃない、あの子のことが心配なら組織の
ほうで保護するから、私と一緒に…そうね、ここに私も住むって言うのはどう?そうね、それが
いいわ!そうしなさい!!家事全般と君のサポートはやっておくから」
押しの弱い俺は一気に彼女にはいと言わされてしまい、翌朝さやかもせっとくされてうまいこと俺達は
上条を抱え込む事になってしまった。

それから一ヶ月ほど日々が過ぎた。
俺達はまた住処を移り、採石場跡地の宿場で生活を行い、昼は上条の考えた新技の特訓トレーニングに
精を出し、夜は街で怪人たちとの死闘を繰り広げていた。
「はい、できたよ、今日は鳥の水炊きね」
そういって上条は鍋を用意してご飯を盛り付ける、彼女もまた家事は全般的に得意で僕たちの食事を
用意してくれたりした。
「うん、まあ上条さんにしては良く出来た方だね」
さやかは苦々しい顔で水炊きを食べてはそう評価する、上条は上条でさらりとそれを流し、僕と特訓
について会話をはじめた。
さやかと上条はとことんに相性が悪く、ことここ最近の日々は最悪といって良いほどにうまくいって
いなかった。
さやかはあれやこれやと上条のやる事に口を挟むが、上条はそれをのらりくらりとかわして逆にさやかの
盲点を突くという日々の攻防は、余計に二人の間の雰囲気を険悪にしていた。
上条が特訓のメニューを立てたときなど、反対したさやかは2日も口を利いてくれなかったくらいだ。
「それはそうと義孝、今日の午後は少し出かけないか?」
さやかはふいに僕に声をかけた。
「うん、いいよ」
俺はそう返した、それに対して上条は反応する。
「また町に出て民間人を巻き込む気?」
それにかっとなったのか、さやかは食器を音を立ててテーブルに置く。
そして俺の手を引いて外に飛び出した。
「夜の倉庫襲撃までには帰ってくるんですよ?」
上条は笑顔でそう告げる、その顔はどこと無く笑っていた。


486 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/21(水) 00:46:34 ID:GTPgy4sN
君の涙が乾くまで〜西田義孝D

「何なんだあの子は?何で僕たちの間を邪魔しようとするんだ!なあ義孝?
君はやっぱり彼女の方が僕よりも良いのかい?本当は僕のほうが邪魔になって
きたのかい?」
バイクでふもとの喫茶店まで降りた後、さやかは僕に涙声でそういった。
「心配しすぎだよさやか、第一彼女は僕たちと一緒に戦ってくれて戦積もきっちり
あげてるじゃないか?それに元々彼女はあんな性格なんだから悩む事は無いよ」
「嘘だ!!あの子は絶対に君が目的なんだ!昨日だって僕に言ってきたんだ、君と僕
はつりあわないからどこかに行ってしまえって」
言い終わるなりめそめそする彼女だが、俺にはその発言はにわかには信じられなかった。
「上条が?嘘だろう」
そういう僕に対してさやかは涙混じりに言った。
「信じてくれないのかい?僕の事を、僕は君を信じてるのに!」
「ご、ごめん…許してくれ、さやか」
「嫌だ、僕を抱いてくれるまで許さない!!」
彼女はそう言っていつもの天才ぶりはどこへやらで大仰に駄々をこねた、そこまでに上条
の存在には相当我慢がならなかったらしい。
しかし彼女を性的な意味で抱くという事は俺にとっては無理な話だった、改造されたあの日
以来俺の性欲は薄れ、彼女を見ても今までのように性的に興奮する事はまるで無くなくなって
しまっている。
仕方ないので僕は彼女が満足するまで抱きしめてあげる事にした。
彼女を抱きしめると同時、彼女の体がびくんと反応した。
「ゴメン…冷たかったか?」
「ううん…あったかいよ、とても」
「もしお前が嫌なら…俺がきちんと頼んで、上条には明日にでも
出て行ってもらうから」
「…こんな彼女でごめんね、義孝」
「馬鹿、たまに文句ぐらい言って当たり前だよ」
俺は彼女にそう言って笑った、そうすることが彼女と僕との関係にとって一番良いことだと思った。


487 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/21(水) 00:48:01 ID:GTPgy4sN
君の涙が乾くまで〜上条晴子D

「大体あの女、天才だかなんだか知らないけど生意気なんですよ…」
私はそういいながら手早にあの女…桃井さやかのパソコンをいじって
いた、日ごろ見て覚えたパスコードを元に、敵側の連絡網にハッキング
してすばやく情報を書き込んでいく。
「一般人の癖に、私の義孝に手出しして…」
つい愚痴が口からこぼれる、それぐらいにあの女のことが私は気に
入らなかった。
わたしのよしたかをとるなんて、ぜったいにゆるさない…わるいこにはばつを
あたえなくてはぜったいにいけない。
全てを書き込み終わった後、私はスカートのポケットから義孝の下着を取り出した
改造人間とはいえ彼の体臭がたっぷりしみ込んだトランクスだ、二人のいない間に
使わない手は無い。
「んはあ…よしたかあ…だいすきい…」
その臭いをかぎながら、私はショーツの上から自分の秘部をいじり始めた、力強く彼
義孝に押し倒されて、そのままに犯されることを想像しながら。
いや、これは想像ではない、そう、今晩にでも本当になることなのだ。
あの女が、これで消えてくれれば。
「…はあ、はあ…だーいすきだよ、よしたか…」
そういう私の顔は、きっと笑っていただろう、だって彼と一緒に入れること
ほど嬉しい事は無いのだから。
たとえあのおんながしんで、かれがかなしみにうちひしがれるとしても


488 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/21(水) 00:50:16 ID:GTPgy4sN
君の涙が乾くまで〜西田義孝E

「はああ!!」
俺が叫ぶと同時に投擲されたアイギスシールドは次々に僕を取り囲んだ
D級怪人の首をはねていった、敵たちの一瞬の隙を突いて倉庫の内部に
さやかと晴子が乗り込んでいく。
今晩襲撃した敵支部の倉庫は基地も兼用しており、資料を手に入れれば
敵側の今後の作戦もわかるという、僕たちチームの今後の戦略において最も重要な拠点だった。
内部に乗り込むと同時にさやかは言った。
「この奥に敵の資料室がある、僕はそこに向かうから、義孝たちは警備場所からやってきた
怪人達を倒してくれ」
「一人で大丈夫なのか?さやか」
「大丈夫、事前情報ではゾルダートしかいないはずだ!」
そう言って走り出した刹那、さやかの左腕が強化スーツごと吹き飛んだ。
「へ?」
根元から吹き飛んだ自分の腕を見て驚愕するさやか、その先にあったのはトラップと
思われる、きらきらと光を放つ単分子ワイヤーだった。
「う、うわあああああああああああ!!!!!」
突然勝つあまりの事に絶叫するさやか、さやかがへたり込むと同時に現れたゾルダート
たちはいっせいにダートガンを構えた、僕はそれを見越していっせいにジャイロショット
でそれを狙い打つ。
「ぐああああああ!!」
前段が命中し、ゾルダートたちは悲鳴を上げて爆散した。
それと同時に背後からバッファロー型の怪人がせまったが、あえなくシナゴーグになった
上条のビーム砲でその姿は消滅した。
「…おしかったなあ、もう少しでばらばらになったはずなのに」
爆音が響く中で上条が、かすかにそう呟いた気がした。


489 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/21(水) 00:52:41 ID:GTPgy4sN
君の涙が乾くまで〜上条晴子E

おしかったなあ、単分子ワイヤー、あの女
の体をばらばらに出来ると思ったのに、せっかく
地図を書き換えて、わなの存在を知らせなかったのに。
まあでもいいや、彼は優しいもの。
私のこと、見てくれるのも時間の問題だもの。

君の涙が乾くまで〜桃井さやかE

ダメだ、僕は、彼の前で傷ついてしまった、もう、彼は僕
を絶対に必要としなくなってしまう、いや、優しい彼故に
間違いなく僕を戦いから遠ざけてしまう…どうすれば良いんだろう?
と、腕を落として彼のバイクで運ばれながら僕はずっとそんなことを考えていた。
僕の腕などどうでも良かった、たとえワイヤーは電熱カッターのような構造で、組織を
焼ききられたため腕が戻らない事もどうでも良かった、それより何より僕にとっては彼
の前で怪我をしてしまった事がとにかく悲しかった…そして彼から離れるのが怖かった。

そして案の定、アジトで止血をしている僕の前で、彼は辛そうな表情で僕にこういった。
「さやか、ここは…ひとまず退いて、上条の言う組織で養生しないか?」
「嫌だね、それに僕なら大丈夫、明日にでもフル武装の義手を作って君とまた一緒に」
「無理ね、もう敵側もそんなレベルで済む話じゃないみたいよ」
僕らの会話をとぎらせて、あの女はそういった。
「さっきの資料、敵側の作戦の方向性が決まったみたい…LYSの奴ら、B級はおろか
A級の各支部の幹部怪人を全て集めて四国と淡路島の占領作戦を行うみたい…スーツ着て
武装してもせいぜいD級の上に手負いのアンタじゃ戦いには付いてこれないのは明白なのよ」
「そ、そんな、君はわかってないよ!そもそも僕は彼のためならーっつ!!」
上条にそう反論しようとした僕を、彼は手で制した。
「僕からも頼む、もうこれ以上君に傷を付けたくないんだ…お願いだから、ここは引いてくれ
さやか…俺は君が死ぬところは見たくないんだ、きっと戻ってきて、の頃の人生全てを君を愛
する事に使うから…だからお願いだ、さやか」
彼はそういって今にも泣きそうな悲しそうな顔をする、それ以上僕は何も言えなくなる、そんな
ふたりの間を一発の銃声が引き裂いた。
「許さないんだから、私の前でそんなのを見せ付けるなんて…」
その言葉と共に僕の胸の部分が暑くなる、上条は何か、麻酔薬のようなもので僕の胸を打ち抜いたらしい。
何かを言おうとしたがそれもむなしく、だんだんと僕の意識が遠くなる。
あまりの事に唖然としながらも、僕の意識は一瞬で闇に飲まれていった。

気が付くと、僕はベッドの上に縛り付けられていた、その横では、体を単分子ワイヤーで縛り付けられた彼が
騎乗位であの女を貫いていた。
「よ…義孝ぁぁ…」
「こ、これは違うんださやか、上条が、麻酔銃で…うう!」
僕の視線に気づいた彼は、気持ちよさそうに声をあげる。
「ん…はあ…残念ね桃井さん、彼の始めては私がもらちゃった…あん…とーっても
気持ち良いけど、あなたには分けてあげない…ああん!」
「そんな、そんなああ!!」
体が動かない僕が叫び声を揚げる、それを聞いて神上は嬉しそうに声を上げた。
「すごおい…義孝の、他の人に見られて興奮してますます大きくなってるぅ…でも馬鹿な
彼女さんよねぇ…改造人間は改造人間でしかセックスも、繁殖できないって言うのに、それも
知らずにのうのうと彼女なんて…でも安心してね義孝。わたしがこれからたーっぷり貴女のを絞って
子供も作ってあげる、そうすればあんな、魅力も無い馬鹿な女簡単に捨てられるでしょう…あ!ああ!!」
「ん…あああああ!!!!」
そういい残して二人が絶頂に達した、僕が見ている前で、僕には何もかもが信じられなかった。
こんなのは現実じゃない、僕が望んだのは…二人だけの幸せだったのに。
僕の心が音を立てて崩れた気がした、もし本当に子供が出来たら、責任感の強い彼が戻ってこないのも解って
いた、それを攻めれば彼が腹を切って詫びを入れかねないことも。
悲しかった、僕はただ、彼を愛したかっただけだって言うのに。
気が付けば僕は涙を流して泣いていた、それと同時に上条への殺意が沸いていた。
ぼくはそれでもただ、今は現実を受け入れるしかなかった。

490 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/21(水) 00:54:54 ID:GTPgy4sN
君の涙が乾くまで〜西田義孝F

あの日から数日が経った、あの後すぐに俺は上条に詰め寄ったが
彼女は俺を愛していたからやったと泣き落としを使った、そこで
彼女を殴って、すぐにでもさやかの元に駆け寄りたかったが、最早
そんなことを言ってはいられない事態だった、下手をすれば僕は力余
って彼女を殴り殺し、LYSと彼女の所属する組織から追われて殺される
そうなる事を上条は一番理解して、今回の凶行に走ったのだろう。
上条はすぐに自分の所属する組織に連絡をして組織の施設にさやかを
保護させ、やすやすと僕らの仲を引き裂き、僕のサポート役に納まった。
僕は怒りのあまりに彼女の肩をつかみ、お前を殺すと彼女を脅した、そう
脅しても上条は笑顔でいいよと答えた。
「だって私、義孝の事が大好きだから」
何の悪びれもするでなく、そう言える上条が僕は心の底から憎かったが、それでも
僕は上条を殺す事が出来なかった、そうこうする内にLYSの四国占領迎撃作戦が
決行し、俺達はバイクで四国に向かうことになった。
その間中も何度も彼女は絶えず僕にまとわりつき、隙を見つけては僕の体に麻酔を
打ち込んでは僕と交わった、僕は日に日に本当に彼女に対して殺意が沸いてきたが
結局そんな抵抗は何の意味も持たず、作戦決行の日になった。
僕たち上条を含めた10人の改造人間、通称ライダー部隊は鳴門海峡大橋から現れた
怪人軍団を相手に大乱闘を繰り広げる事になった。
始めは俺達のほうが、C、D級再生怪人軍団を相手にしたためかほぼ楽勝といった感じ
で攻めていったが、しだいにそれは敵側の罠だという事に気づかされ始めた。
そもそも手駒の数では勝てるわけも無いLYSは、はじめから僕たちをおびき寄せて
一網打尽にするためにわざと情報を流して場所の指定などをしたのだろう。
そんなことを最初に感じ始めたとき、防御担当のアルマジロタイプのライダーが、手に
持ったソードシールドごと攻撃を打ち抜かれて死んだ。
アルマジロこと、アイギスの体が爆発し、その爆音と共にバイクで現れた敵は、俺と同じ
バッタ型の怪人8体と、クワガタ型の巨大なグレイブを構えた怪人だった。
あわてて全体攻撃型のフグタイプライダーが火炎放射を使い、サボテンタイプライダーが
針を飛ばし、アリジゴクタイプのライダーにいたっては大橋自体を破壊し、敵の攻撃を寸断
しようとしたがそれでも敵の凄まじい猛攻は止まる事が無かった。
ライダー達はそれぞれにバッタ型…いや、僕の偽者たちにバイクで弾き飛ばされ、動けなくな
ったところでジャイロショットを打ち込まれ、それに続いて放たれたピンファイアキックやリム
ファイヤアタックで次々に殺されていった。
それまで無敵と思われた軍団の陣形は一瞬にして破壊された。
「くそお!!死ねえええ!!!」
上条ことシナゴーグは叫び、上空から何発ものビームを放ち、必殺の鏡のような羽をばら撒いて
乱反射させたビームを四方八方に打ちまくるという必殺技も使ったが、偽者の俺の装甲には手も足も
出ず、へとへとに疲れきったところで両方の翼を撃ち抜かれ、そのまま地面に落下した。
さすがにこのまま見殺しには出来ない、そう考えた俺は敵側のジャイロショットでぼろぼろになった
アイギスシールドで敵の弾丸を何とか避けながら駆け寄ったが、背後からいきなり迫った俺の偽者の
バイクの一撃には勝てず、俺はその場に倒れこんだ、長い時間の戦いで疲れきった意識は一気にブラックアウトした。
心の中はただ無念さと自分の愚かさ、そして悔しさと、最後に一目さやかに会いたいという気持ちで埋め尽くされていた。


491 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/21(水) 00:55:44 ID:GTPgy4sN
君の涙が乾くまで〜???F

「敵ライダー、パスズとシナゴーグを覗いて全体破壊、完了しました」
パスズが倒れこむと同時、クワガタ型の怪人、ルキフグスは変身を解除
して携帯電話で組織に連絡を取った。
「はい、量産型パスズの性能もさすがです、これも全てプロフェッサーの
…はい、パスズは再度強化手術を受けさせた後洗脳を…はい、シナゴーグは
そのままプロフェッサーのラボに運べば良いのですね・・・つくづく恐ろしい人だ
プロフェッサー桃井は…はい、それではまた」
ルキフグスは携帯の電源を切ると、ゾルダートたちに指示を下しはじめた。


492 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/21(水) 00:57:19 ID:GTPgy4sN
君の涙が乾くまで〜桃井さやかF

あの女によって組織の施設に保護された僕は、その日のうちに施設を抜け出して
唯一の情報である四国に向かうべく、不便な片手を使って電車の切符を買おうと
していたところ、背後からスーツ姿の男に声をかけられた。
「プロフェッサー桃井、あなたにお話があります」
「何だい?LYSの勧誘かい?」
眼鏡をかけた品のよさそうな男は驚いたような顔をする、馬鹿かコイツは、いまどき僕を
プロフェッサー呼ばわりするなんて悪の組織の幹部くらいだと何故思えないんだか。
「あいにくだけどお断りだ、それに僕は君らのことなんてどうでも良い、今の僕は…」
「あの男、パスズをシナゴーグから取り戻して、ずっと自分の手元に置いておきたいので
しょう?ならいくらでも我々が力を貸しますよ、それにシナゴーグはずいぶんと我々の同胞
を殺してきて迷惑をこうむったが、あなた方パスズコンビの行動は我々にとっては実に評価
出来るものなのですよ」
「何が何だかわからないねえ?何だ君たちは、もしかしてLYSの過激派とか、それともLYS
の内部で分裂した勢力とかなのかい?」
男は嬉しそうな顔をして眼鏡を持ち上げる。
「はい、勿論その通りです…そして、あなた方はその内部勢力で、僕たちの障害になる勢力を残らず
殺してくれた、いわば恩人にあたるというわけです、おかげでずいぶんと楽に関東圏に進出する事も出来ました」
「そうかい、それはよかった。それで君に僕が力を貸した場合、一体どのくらいの権限が手に入る?」
「日本支部の支部長、いえ、あなたの頭脳を持ってすれば世界支部大総統の椅子は確実かと」
「それで君は何の見返りを望むんだ?」
「あなたのような、ただ純粋に愛に生きる人間の支配した世界を死ぬまで見させてくれるのなら、僕は
何も要りません」
僕はその言葉を聴いて少し悩んだ、多分この男の言葉に嘘は無い、そして信用とは行かなくても、こちらの
事情を知った上でそう言ってくれるのは非常にありがたいことだった、そしてなによりただ純粋に愛に生き
る人間、そう言ってくれたその言葉は僕の心を完全に支配した。
僕はしっかりと男の顔を見つめて、声をかけた。
「ねえ…ええと」
「シャックスとお呼びください、プロフェッサー…いえ、総統代行」
「シャックス、僕はもう、彼のつらくて悲しいヒーロー劇を終わらせてあげようと、そう思うんだ、もう復讐
なんかしなくてもいい、僕と二人で幸せになれる世界を作ってあげたいんだ」
「…そして、二人を引き裂いたあの女にも制裁を加えたいと…そう言うわけですか?」
「解ってるねえ君は、そのために、僕の考えた作戦に乗ってくれるかい」
「はい、貴女のためならどこまでも」
僕は笑顔で彼の言葉を受け入れた、そして彼を取り戻すための作戦を決行する事にした。
そう、僕にははじめから世界なんて要らなかったんだ、僕が欲しかったのは彼だけだったんだ。
だたらもう、やる事は決まってるじゃないか。
ぼくはこのたたかいをおわらせて、かれとしあわせにずっとくらすんだ。

493 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/21(水) 00:58:07 ID:GTPgy4sN
今日の分の投稿はこれで終わります、すこしじらしてみます。
それではまた後ほど。

494 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 01:40:01 ID:Fst0Q+za
誤字が多いけど大丈夫?
もっと、ゆっくりでも良いと思うよ


495 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 16:01:16 ID:yZXubcbv
>>493
三点リーダーは基本2個、それ以上使用する場合は2の倍数個。
疑問符や感嘆符の後は一字あける。
できた文章はすぐには公表せずに、修正すべき箇所はないか等の確認・推敲をする。
他にも色々あるけど割愛します。

まず基本的な小説を書く上での規則から、覚えていったほうがいいんじゃないかな?
「小説の書き方」で検索すれば、そのようなことを学べるサイトが沢山でてきますよ。

496 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 20:43:02 ID:ZDSJO6WR
小説家志望(笑)に限って三点リーダーにうるさいってのはホントみたいだなw

497 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 20:47:26 ID:kqdlu7JV
そりゃ、ワナビだもんw

498 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:04:20 ID:uhOiKM/I
三点リーダーってそんなに気になるもんなの?


499 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:27:13 ID:Umgb9ibK
>>498
小説の書き方を紹介しているサイトを見て間もない時期、一番気になってしまう。
その後、書き手の控え室スレを見たり、作法に則っていなくても面白いSSを読んで、
紙媒体じゃないのに作法にこだわる意味ってあまりないよなあ、と思ったりするかは人それぞれ。

俺の例だけどね。


誤字脱字があったり、明らかに用法が変だったりしたら指摘するぐらいがいいと思うよ。平和で。

500 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:31:52 ID:sZkQWimJ
ある程度読みやすくて
面白ければどうでもいいよ

501 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:32:23 ID:6V+4AHps
…でも……でもあんまり変わらないような気がする

502 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:38:27 ID:kqdlu7JV
そもそも、エロパロスレで投稿しただけだから小説家じゃないのに


503 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:38:29 ID:gFQq2d4k
面白けりゃそれでいいじゃん
中身が大事、体裁はどうでもいいよ

504 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:40:31 ID:jVfpIRJa
しかし、これは全くの偏見だが、
慣例に通じているか、と文章の巧拙・荒れるか否かは関連性がある。

505 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:46:30 ID:j6eSs0km
俺は気になる方だけど、創作文芸板でもないのにうるさく言う気はないな
むしろ誤字脱字とか改行位置が変だったりするほうが余程気になる

506 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:47:53 ID:+NPXp34b
荒れるからやめれ

507 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:22:58 ID:0jKdHDZy
そうそう、電柱の陰から見守るあの子が乗り込んでくる恐れがあるからね

508 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:38:09 ID:T1QZSm2j
三点リーダの使い方を守れないとか特殊記号の後に一文字空けないとかを見るとやっぱりそれだけで文章が稚拙な先入観を持つ
ただそれだけ

そんなのない方がいいんだから意地を張ることはないよ

それに俺からすれば三点リーダは二個重ねてある方が遥かに読みやすいし勉強してるんだなって好印象すら持てる
それに文章のリズム的に感情移入しやすい

そんなに強く言うことではないと思うけど大々的に守らなくてもいいなんて言うものでもないと思うよ

509 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:50:25 ID:f59qeXgk
やんデレ! のせいか背後から見守るあの子とか言われるとチェーンソーの音が聞こえてくるぜ
唯一ちゃんとヤンデレしてるヒロインだったし

510 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:54:53 ID:jRz2WrSP
あれか!
あれは微妙だったな・・・

511 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 23:20:09 ID:kqdlu7JV
>>508
個人的価値観の押し付け乙
客観性を身に付けてから書き込んで来い

512 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 23:25:19 ID:hja+0ZrR
ええい! 誰か鋸持ったヤンデレ娘を持てい!

513 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 23:54:56 ID:vkUbF0Xq
ヤンデレに愛されたい
どっかに可愛いヤンデレ売ってないかな

514 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 23:59:14 ID:HEqJjsxj
お花や小鳥と会話ができるヤンデレ娘が欲しい!

515 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:26:37 ID:RyzSRi1W
>>514
それはヤンデレというより、ただの電波ちゃんかと・ω・`

516 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:59:34 ID:PdaeuGQt
>>511
おいおい、俺としての意見を言っただけで押し付けとは酷いな
そんなんじゃヤンデレっ娘の愛なんて受け入れられないぞ?

517 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 01:06:05 ID:vaNd2Zno
>>516
荒れるからもうやめとけ

ヤンデレに囲まれて死にたい

518 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 01:09:15 ID:oLKxJOa4
>>516
思ってるだけでわざわざ書かなくていいよ。

またわけわからん議論が始まって荒れるし。

あなたがそれが気になって不快なら読まなければいい話。
気になるけど読みたいなら我慢すればいい話。


519 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/22(木) 01:27:09 ID:PgPjpBDj
こんばんは、続きを貼りに来ました、誤字脱字は二回くらい読んで修正したので多分大丈夫です。
いろいろ言ってもらえるのはありがたいですが、いきなり何やかんや言われても対応も手直しもし
きれませんし。そこまで高いレベルを自分に求められても困りますので勘弁してください。
別に趣味でやっておりますので自分の文章やSS自体が気に入らなければスルーしてくれて構いません
ので。

君の涙が乾くまで〜西田義孝G

あれから俺はずっと夢を見ていた、まだ遠い、いや、ほんの数ヶ月前、学園に通って実家で家族四人で
幸せに暮らしていた頃の夢だ。そして当然のように俺とさやかは恋人同士で、いつでもずっと一緒の
カップルで…やがて結婚してさやかが子供を生み、家族で仲良く暮らす夢、そう、もう戻れない、それでいて
もっとも俺が叶えたかった夢だ。
「さやか…」
俺はそう呟くと同時に覚醒し、ゆっくりと目を覚ます、そこは真っ白な部屋だった。
「まずい!S−01号がまた覚醒したぞ!!」
「逃げろ!後一歩という時にこうなるなんて、あと少しで洗脳が完了したって言うのに!!」
多分ここは手術室か何かなのだろう、そんなことを言いながら逃げ惑う研究者達を尻目に
俺はここから脱出を図るために力を入れて両手に巻かれた鎖を破壊し、部屋の壁をぶち破って
脱出を図った。
パンチで発砲スチロールのように軽々と破壊された壁がもうもうと白煙をあげる先には大量の
ゾルダートたちがダートガンを構えていた。
「変身!!」
俺はゾルダートのすさまじい銃撃にひるむことなく変身する、きっと彼らに研究室で何かしらの
手を加えられてのだろう、赤い光に包まれていつものとおりに変身した体は、黒い装甲にまるで
血管のような赤い線が引かれ、全身の装甲は普段から見比べると中世の豪奢な鎧のように金色の
入り混じった鋭敏なものになっていた。
「ひるむな、うてぇ!!」
次々にゾルダートが弾丸を放つが、俺の体に触れた弾丸は全て兆段し、ゾルダートたちに跳ね返る
始末だった。
「こうなれば…ルキフグス様!!」
隊長格のゾルダートの声と共にグレイブを持ったルキフグスが俺に向かって突進してくる、俺はひるまず
に左手に装着されたガトリングガンのような三連砲の引き金を絞った。
鼓膜を引き裂くような凄まじい爆音と共に弾丸が銃口から飛び出していく、固い装甲で覆われているはずの
ルキフグスの体は一瞬で消し飛んだ、改造S−01の新型兵器、ガトリングショットは凄まじい効果を発揮した。
「うわああああああああ!!!」
恐れをなしたゾルダート達がちりじりに逃げるが場所は広いとはいえ施設の通路内部、狙い撃てないほうが
おかしい状況だ。俺はそれを容赦なく狙い撃ちにした。
ガトリングショットの装填数は1万発、そしてその発射速度は分速100万発、存在自体がチートといわざるを
得ない怪物兵器だ。弾丸が切れるまで俺の攻撃は続き、気が付けば俺はゾルダート達が呼び出したのであろう例の
偽パスズ部隊に取り囲まれていたが、それすらも圧倒的な戦闘力で次々に撃破していった。
「ジャイロジェットシュート!!」
叫ぶと同時にガトリングショットの中央部から生えたニードルで1体を貫き、返す刃で1体を貫き、バイクで特攻
をかける3体をガトリングショットで吹き飛ばし、さらに強化されたアイギスシールドで1体の首を切り落とし、両肩
に装着された新兵器のヤヌスシールドで、もう1体の首をはねた。
気が付けば残っているのは右足を切り落とされて、それでもジャイロショットの引き金を引く偽パスズ一人となっていた。
「楽に殺してやる、だからシナゴーグの居場所を言え」
「あ…あの地下室に」
それを聞いた俺は、パスズの首を強力な回し蹴りで弾き飛ばした。もう無抵抗な敵を殺すのに全く抵抗を感じない、そんな自分
が恐ろしくなった。今ならきっと上条のことも軽く殺せるだろう、俺はそう思った。
でも、だからこそ一度上条を助け出して、それからきちんと片をつける必要があった。
そう思って地下室の扉を開ける、そこには予想外の光景が広がっていた。

520 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/22(木) 01:29:55 ID:PgPjpBDj

君の涙が乾くまで〜西田義孝G

「…うげえ…」
俺は思わず吐きそうになった。
椅子に縛り付けられたであろう上条の体は多分生きながらに、指の関節から
爪の一枚に至るまで綺麗に腑分けされ、保存液に付けられていたのだ。そして
壁には何故かずたずたに引き裂かれた子宮と思われる肉塊が鉄杭で打ち付けられていた。
視線を次々に保存液の入った容器に移していく、最後の最後に残ったのは体はおろか、目や
鼻、舌や歯等を取り除かれて、それでも延命装置を付けられて生かされている上条の頭部だった。
「…酷いな」
いくらいつか殺してやろうと考えていた僕でも、この光景は見るに耐えられなかった。
「…今、楽にしてやるぞ」
そういってガトリングショットを上条の頭部に向けたとき、背後に気配を感じた。
「もったいないですね、そのまま生かしておいた方が彼女をもっと苦しめられますよ?ミスター西田」
そう言って背後で軽く笑ったのは、品のよさそうなスーツ姿の眼鏡の男だった。
「お前、LYSの改造人間か?」
「ええ、しかしその言い方はもう古いですね…LYSは先日、本部基地の全滅を持って滅んでしまった
ので、正確には元LYSの改造人間、とした方が正しくなるはずです」
俺は彼の言葉に耳を疑う。
「LYSが…滅んだ?」
「はい、あなたが一ヶ月ほど寝ている間に世界の情勢は変わったんですよ。LYSは我等LYSの内部派閥
…QOSの勢力によって世界支部ごと破壊され、世界中の兵器全般を握っていたLYS崩壊の混乱に乗じて戦争
を起こした世界各国は我等改造人間と、総統率いるQOSの勢力によって完全に支配された、長くなりましたが貴方
、ヒーローの完全敗北、と言ったところですかね」
俺はそれを聞くなりにガトリングショットを男に向ける。
「たとえ…俺一人になってでも!!正義は!!」
男はまるで俺をいたわるように告げる。
「もう力を抜いて良いんですよ、貴方の体は我々の技術でいつでも人間のものに戻りますし
それに世界中の人々は戦争で荒廃していた生活から、我々のもたらした素晴らしい技術で幸せ
な生活を送っている…知っていますか?人間は闘争本能さえ取り除けばりっぱに共産主義で生活
できるんですよ?もうこれで争いは起こらず、人々は全てを分かち合える素晴らしい世界が完成したんです」
「嘘だ!!嘘だ!!嘘だ!!」
俺は混乱した。もしこの男の言っていることが真実なら俺は最早戦う意味を失ったに等しいのだろう、しかし…
もし、それが事実ならば俺は…。
「それに総統、さやかさんも貴方の事をお待ちになられていますよ。早く彼女の元へ行ってあげられてはどうです?」
さやかが、総統?・・・何を言っているんだこいつは?混乱する僕を見て楽しそうに、男はふふふと笑った。
「さやかさんは貴方と別れた直後、貴方をそこの汚らしい肉塊に奪われたショックから憔悴していましてねえ…
簡単でしたよ、我々の組織に誘い込むのは。でもこうして今日、貴方と愛し合える、誠に素晴らしい世界を作り上げた
わけです、いやあ、愛は偉大ですねえ、その肉塊を毎日少しずつ分解しながら世界を支配し、さらに貴方の存命と、どんな
敵でも殺せる総統の花婿にふさわしい体に手術するというそんな芸当が出来るなんて、まさしく彼女は天才だ」
「貴様あああああ!!!!」
俺はそれ以上の言葉を聴くまでも無く、男ののど笛にニードルを突き立てる、男はそれを素手でつかみ、その姿をコウノトリタイプ
の怪人に変貌させた。
「私を殺しても意味は全く有りませんよ?」
「そんなことは関係ない!さやかに!そんな!こんな事をさせたお前が!俺は!お前が憎い!!」
「それは逆恨みというものです、第一貴方が強気に出ずにその肉塊を引き入れたのがそもそもの原因なのでしょう?そんなことをする
暇があったらとっとと総統に謝って、二人で幸せな生活でも送ったらどうです?」
よくしゃべる男の口に弾丸を撃ち込み、僕はその体制から一気に飛び上がって必殺のキックを男の頭部にくらわせた。
100トン以上あるそれは、男の頭部を、いや、その全身をやすやすと粉砕した。

それからずいぶん時間が経ったが、俺は上条の頭部を最後の情けにとガトリングショットで一気に撃ち砕くと、そのまま
徒歩である場所に向かった。
そう、彼女と始めてあったあの場所、学園の旧校舎の図書館だ。

俺は、彼女にどうしても会わなくてはいけない、そして…けじめをつけなければいけない。

地下室を出て、研究所の扉を開けた時ふと見上げた空は、明け方の日差しを放っていた。


521 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/22(木) 01:30:57 ID:PgPjpBDj
君の涙が乾くまで〜始発〜桃井さやか

その日の夕方、町での買い物の帰り道、僕はある人物に会うために住宅街の外れのバス停に向かった。
そこにいる男は、ネットなどで恋の救導師と呼ばれている存在だった。
曰く、恋に焦がれるあまり、悩んで恐慌に走る少女に確実なアドバイスを与え、協力を惜しまないのだという。
「あの、救導師さんは居ますか…?」
そう言ってぼろぼろのうえにどこか薄暗いバス停に入る、その中は血の臭いで充満していた。
「ああ…こんにちは…貴方も、バスを待っているわけではないですよね?」
その中央には、腹部から血を流して倒れこんでいる男…通称、救導師の姿があった。
「あ!!その、救急車!!」
そう言って携帯電話を取り出す僕を、男は制した。
「いいんです、これは僕が悪いんですし…それにこれで僕の人生が終わるなら僕は本望だ…だって、初めて女性に、
生まれて初めて本気で愛されて、それで、いつもの観測をしていたら勘違いで刺されたんですよ、もうこれ以上に
うれしいことは無い…」
男は酷く幸せそうだった、その幸せそうな笑顔を僕に向けると、ゆっくりとこう告げた。
「さあ、いったいあなたはどんな恋をしているのか、教えてくれませんか…どうやらこれが最後に聞ける話のようですし
…ふふふ、楽しみだなあ」
それにせかされるかのように、僕は男の横に座ると、彼への思いを男に洗いざらい放してみる事にしてみた…。

522 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/22(木) 01:32:04 ID:PgPjpBDj
今日もこれで終わります、私も死ぬほどヤンデレに愛されたいです。
それではまた、最終回は後ほどに

523 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 01:59:50 ID:PdaeuGQt
>>518
もう一度>>508を読んでから思うだけでいいから考えるだけ考えてみてくれ



お前が言っているのは煙草を吸うにあたって健康に気になるから吸うか吸わないかみたいなもんだ

ちなみに俺は禁煙か分煙かと言ったら分煙派だ

524 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 02:00:09 ID:vaNd2Zno
GJ



525 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 02:03:01 ID:PdaeuGQt
>>522
うぉう、長文考えてたら投下がw

GJ!
今から読ませてもらうぜ

526 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 02:06:26 ID:UzvzNNTW
ヤンデレな女の子が殺しにきてくれないから生きていけない

527 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 02:15:32 ID:DE44JmP/
なんか良くわからんけど一ついえるのは、SSを書きもしないのに余計なことは言わない方が良いって事か

528 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 08:23:13 ID:d2N9s9W0
鎮静剤鎮静剤

529 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 08:29:46 ID:Zt1k8ZcQ
むしろ筋弛緩剤でおk

530 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 18:40:34 ID:0aNMmcNx
>>526
じゃあ美人のヒットマンでも雇うから、ヤンデレだと思っておとなしくスナイプされてくれ。

531 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/22(木) 19:39:26 ID:PgPjpBDj
こんばんはです、最終回分を貼りに来ました。
とりあえず頑張って推敲しました。

君の涙が乾くまで〜西田義孝H

それから数時間が経った、俺の頭部に埋め込まれたナビシステムによって
自分の位置を把握した俺は、隣県のQOS基地から徒歩で学園の旧校舎に向かった。
そして久々に、旧校舎の扉を開けた。
埃っぽかったはずの空気はまるで新築住宅に入ったかのように全く感じられず、床は
綺麗に舗装され、内部はワックスでぴかぴかに輝いていた。
そう、まるで新築の住宅のように。
俺はおそるおそる彼女の部屋の扉を開ける、その先にはいつもの見慣れた教室を改装した
部屋は無く、綺麗なキッチンがあり、きちんと両手を生やした彼女はエプロンをつけて、鼻歌
を歌いながらおたまを持ち、おいしそうな料理を作っていた。
「ただいま義孝、ご飯にする、それともお風呂にする?…それとも、もしかして僕が良いのかい?
もう、義孝はエッチだなあ」
俺のほうを振り向くと嬉々とした声で、さやかは僕に告げた。
「さやか…」
俺は彼女を見てそう呟くと、その体を思い切り抱きしめた。
「ごめんな、ごめんなさやか、お前にあんな事をさせるまで追い詰めて
本当にゴメンな!!」
「ううん、いいんだ義孝…僕は君がいてくれれば…そう、僕の望みは最初
から、君とずっと一緒にいることだったんだから…もう、ずーっと放さないで
よ、僕らはずっといっしょだよ」
「ああ…でもその前に一つだけやっておかなきゃいけないことがあるんだ」
俺はそう告げるとさやかを抱いた両手を離し、その体を一瞬にして変身させた。
「上条のことは許せても、お前が悪の総統として世界を巻き込んで、多くの人々を殺して
その血を流させた事を俺は許せない。全ての罪は俺が背負う、だから…さやか、俺はお前
を倒す!!」
彼女はそれを見越していた、といわんばかりに俺に笑顔を見せた。
「やっぱり君はそっちを選んだのかい、うん、まあ仕方の無いことだけど、僕はとっても
悲しいなあ」
さやかはそう言うと、俺と同じように手を交差させて変身ポーズをとった。
彼女の体は一瞬で白い光に包まれ、俺と同系統と思われるバッタ型の怪人に変化した。
「すごいだろ?僕だって変身出来る様になったんだよ?」
彼女は笑顔でそう言うが、その姿から受ける威圧感は半端なものではなかった。
「お仕置きが必要だね、義孝。僕は君と愛し合いたいから一緒に戦ったし、それに世界を
取って、LYSも乗っ取って、君を人間の体に戻す方法も、僕の腕を再生させる技術も発明した
って言うのに…僕の気持ちをわかってくれないなんて…そう、彼氏彼女はたまに喧嘩をするらしい
からね、これはきっと愛情表現なんだよ」
わけのわからないことを言う彼女にガトリングショットを向ける、そして引き金を引いた。
それと同時にすぱり!と小気味良い音がした、よくみれば俺の腕は彼女の握った剣によって
ガトリングショットごと切り落とされていた。
「義孝の…ばかああ!!!このわからず屋あ!!」
駄々っ子のように子供っぽく言う彼女は一気に俺の間合いに入り込み、顎を付かんで俺を
持ち上げると、凄まじい怪力で俺の腕を引きちぎり、その両足を剣で切り落とした。
「ぎぃやあああああああああああ!!!!!」
のどの奥から上げるだけの悲鳴を上げた、体中の穴という穴から体液が噴出した気がした。
そんな俺を見た彼女は変身を解いた、その瞳は涙に濡れていた。
「ごめんね義孝…本当は僕もこんな事をするのは嫌なんだ、でも、すぐに治してあげるからね。
そうしたら、もうずーっとはなれないように僕と一緒にいようね…うふふ、ずーっと、ずーっと
ね…」
彼女は俺の首根っこをつかんでずるずると引きずった。
俺は…いや、僕は恐怖した、その彼女の笑顔は完全に狂った人間の顔だった。
愛ゆえに狂ってしまった彼女は完全に壊れてしまったのだろう。そして、先ほどのことで
完全に僕に心を壊されたのだろう。
もう逃げられない、これが僕が受けるべき罰の始まりだった。


532 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/22(木) 19:40:28 ID:PgPjpBDj
君の涙が乾くまで〜西田義孝H

もう、日数なんてとうの昔に忘れていた。
僕は彼女に捕まり、それから彼女の発明した、僕自身を人間の体に戻す手術を受けさせられ、手足を再

生させないまま、僕はただの人間の体に戻された。
彼女もまた手術を受けて人間の体に戻り、そしてそれから僕は生活の全て、食事から排泄にいたるまで

の全てを、まるで動物のように彼女に支配された。
抵抗すれば脳に直接体を刻み込む痛みの電気信号を送られ、従えば褒章として彼女の性欲処理に付き合

わされた。
彼女はまるで僕の母親のように、慈愛にみちた愛を注いだ、そしてその表情で逆らう僕に容赦なく拷問

を加えた。
もう僕は、彼女に従い服従するしか生きる道が残されていなかった、いや、たとえ舌をかんで死んだと

しても彼女はまた僕を生き返らせて、その体を延々とむさぼるのだろう。
もう二回、僕は舌をかんだが、そのたびに僕は蘇生された。
ある日、彼女は言った。
「義孝、喜んでくれ。ついに君の子を妊娠したんだ、もう僕と君は一心同体、本物の夫婦になれたんだ

…手足も戻してあげるからね、もう、離れちゃダメだよ」
彼女は僕の頭を撫でる、僕は頷いた。
そう、もう僕たちは永遠に離れられないのだ…。
「そう、もう永遠に、ね…」


533 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/22(木) 19:42:05 ID:PgPjpBDj
君の涙が乾くまで〜ラストエピソード

桃井さやかが呟くと同時に、西田義孝は寝かされていたソファの上から飛び起きた。
「…うわあああ!!!…ここは」
彼は自分の手と足を確認した、そこにそれは存在していた。ついで辺りを見回すが
そこは自分が改造される前…足繁く通った、何の変哲も無いさやかの住まいである元教室だった。
時間が気になった彼は壁に打ち付けられた時計に目を通す、時計の針は夜の八時を刺していた。
「おはよう、義孝…良い夢は、見れたはず無いよねえ」
彼の体がびくんと震える、視線の先にノートを持ったさやかが立っていたからだ。
「僕の物語はどうだった…少し怖かっただろうけど、良い夢だっただろう?」
「ゆ…め…?」
たった今まで恐怖の対象だったはずである彼女のその言葉に、彼は歯をがちがちと鳴らし
ながら何とか声を絞り出した。
冷や汗が止まらない、体の全身がさやかを拒絶、いや、恐怖している。
「最近僕が研究した催眠誘導薬を使わせてもらったんだ…君で実験したのは悪かったと
思ったけど、僕が読み上げた通りに進行した僕特製のヒーローショーはどうだった?」
「ひ、ひいい!!!」
さやかが彼に近づくと同時、彼は体を丸めて祖父赤ら転げ落ち、床にうずくまった。
「でも実際に物語を進めてみて驚いたよ…僕はシナゴーグの正体を設定してはいなかった
のに、君は上条さんに配役を決めて…最後のほうなんて、僕に倒されて勝手に僕の奴隷に
なっちゃうんだから、意外にマゾなんだね、今度はそっちのプレイも楽しんでみようか?」
にやりと笑った彼女が、彼に近づいていく。
「いやだあ!怖いい!こないでえ!!」
今までの物語が全て書かれた大学ノートを投げ捨てると、彼女は楽しそうに歩を進める、彼は
うずくまって懇願した。
「大丈夫…あれは夢の世界での出来事だ、そして結果的に僕を殺そうとしたのは少し悲しかった
けど、君は僕への愛を貫いた最後を選んでくれた…だから僕は君を殺したりはしないよ、怒りもし
ない、安心して、安心して僕に笑顔を見せてくれて良いんだ」
彼は何が何なのか全くわからなかったが、恐怖の対象が自分の側に迫ってくる事に
本能的に生命の危機を感じておびえた。
「うわあああ!!!うわあ!!!うわあああああ!!!こないで、ゆるしてえぇぇ!!!」
一歩一歩彼に近づいた彼女は、絶叫して許しを請う彼を優しく抱きしめた。
「大丈夫、僕は君を愛しているだけなんだ…だから、もう誰にも君を渡したくないんだ…」
その言葉と同時に、ぷちんと音を立てて彼の理性が消し飛んだ。
「あ…あははははは…うれしいや、ぼく、うれしいや…こくはく、されちゃった…」
そういうと彼は失禁しながら、壊れた笑顔を浮かべた。
彼女はそれでもなおいとおしそうに彼を抱きしめる。
「うん、君はやっぱり笑っているのが一番可愛いね、愛してるよ義孝…もう、ずっと
ここで暮らそう」
「うん…ぼくもさやかのことが、だーいすきだよ…」
壊れた笑顔を浮かべた彼の頭を抱きしめると、彼女は彼にキスをした。
くちゆくちゅと音を立てて無抵抗の彼の口腔をむさぼりながら、彼女は神様に感謝した。
有難う神様、僕のお願いをかなえてくれて、これでもう彼は僕しか見えないはずです
僕はこれからずっと彼の側にいて、彼と一緒に生きていきます。
「ぷは…もう、離れないからね、義孝…君の涙が乾くまで、ずーっと」
抱き合った二人は幸せそうだった、その姿はまるで最高の恋人同士のように見えた。

END





534 :リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/05/22(木) 19:42:28 ID:PgPjpBDj
終わります、それではまた。

535 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 19:56:44 ID:87IC2SqK
やっと夢が覚めたか
お疲れ

536 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 19:58:23 ID:lM1ZkWOZ
ソファーな、長文乙。
GJ!

537 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 20:40:41 ID:3hVpTrAY
>>534 GJ!!

なんかさやかが君が望む永遠のマナマナみたいだった。
すごく……怖かったです……。

538 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 21:46:03 ID:dEc4OQMA
乙かれ様。

539 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 23:00:41 ID:kkED8J9s
おつかれさまでした

少し前に仲の良い女友達にヤンデレって良いよなって言ったらヤンデレ大全を買って読んでた
まさかな…

540 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 23:41:14 ID:UzvzNNTW
>>539
おめでとう!
と言いたいが、ヤンデレ大全じゃあ間違った知識で間違ったヤンデレになりそうだな……

541 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 00:08:29 ID:lqL7+19i
>>534
お疲れ様でした。
途中のバス停の救導師って、前にかかれた恋人である主の仇をとろうとするヤンデレメイドの話の観測者か。

542 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:21:01 ID:Kt5DmstC
今朝、技術家庭の授業中に鋸を振り回す子や、家庭科室で包丁振り回す子 ってシチュの夢を見てしまった。

543 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:32:15 ID:HMJ/z6MI
技術家庭ってことは中学か高校か?
まだ早いぞ

544 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:40:10 ID:oRzKG2BQ
今は技術家庭っていうのか
俺の頃はまだ男子が技術女子が家庭科って時代だったからなぁ

545 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:41:52 ID:ulHxD2bH
いいなぁ今の子は、俺が中坊の頃なんてエロいもんなんてなっかた。

546 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:44:32 ID:nfN9aGEa
あとあれだろ美術は外せないだろ
カッターとかはさみとか彫刻刀とかあるしな
たとえば2人ペアで互いの顔を描くことになって
好きな男の子が泥棒猫とペアを組んで和気藹々としていたら
ぶちきれてその場にあったはさみでとかやりそうだぜ

後は数学ならコンパスもあるしなw

547 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:48:39 ID:ZXaIV3Ce
国語や英語の辞書も強力だな

548 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:50:45 ID:lqlRuWXu
今時の学校にはさすまただって配備されてるぜ

549 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:56:52 ID:nfN9aGEa
体育の時間に縄跳びの縄で首締めとかもありだけど
給食の時間に好きな子の食事にいろいろと混ぜ込むとかもありそうだ



550 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 03:30:15 ID:dAyZoogW
HJ文庫の新刊で殺人癖のあるヤンデレ少女の恋愛物が出るらしいぞ

551 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 04:20:38 ID:Kt5DmstC
俺の妄想〜ヤンデレの居た日常。
登下校、誘ってきた女子翌日事故死。
下足室、横のごみ箱何故か満タン。
技術家庭、あの子の手料理しか食べられない。つまみ食いした友人刺されかけ。
公民、こちらを見ながら民法婚姻。
体育、見ていた子が溺れ出す。
修学旅行、部屋に夜這いされおそわれる。同室全員女子部屋へ。
学園祭、あの子とずっと一緒。暗幕の裏へと押し込まれ。
卒業式、俺のアルバムあの子以外は黒塗り顔。
謝恩会、俺の隣はやっぱりあの子。

552 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 04:27:48 ID:nfN9aGEa
ついでに席替えとクラス替えもいれてくれ
なぜか必ず同じクラスの隣の席になるあの子

553 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 04:57:11 ID:Kt5DmstC
大学〜社会人編
入学式、気づいたらあの子も工学部
講義、いつも真横で笑ってる
ロボット部、先輩に目をつけられるも、スパナ対レンチの戦いに。先輩行方不明に。
合コン、絶対不参加お願いと手首を切ろうとし。
アルバイト、同僚の女の子早々に辞めていき。
マンション、帰宅したら暖かいご飯と裸エプロンのあの子
お裾分け、絶対食うなと念押され。
就職活動、あの子の実家に決まり。
卒業式、俺の後ろにあの子あり。
社内恋愛、相手の女性何故か死に。
結婚、刃物と自殺未遂の婚姻届、我が妻へ。
 

554 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 05:45:29 ID:V2jWNgfd
そろそろ朝歌さんの登場を願いたい

555 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 22:13:27 ID:w+W/b5Hf
>就職活動、あの子の実家に決まり。
>社内恋愛、相手の女性何故か死に。

彼女の実家が勤め先なのになんで社内恋愛があるのだ?

556 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 22:59:59 ID:eFFDqyDj
内定先は彼女の父がオーナー社長の大手企業の孫会社。
孫悟空が筋斗雲を思い切り飛ばしてもお釈迦様の手のひらから出られないのと一緒。

557 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:05:57 ID:3phfYTHG
ヤンデレが好きです

でも、フラグクラッシャーがも〜と好きです!!!

でもヤンデレにフラグクラッシャーは相応しくないです。

558 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:24:01 ID:/bE3bw6P
自分が寝てる間にヤンデレにされたい事って何?




559 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:30:09 ID:ZIsj9FcP
添い寝と朝食作り

560 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:33:42 ID:2rrYa8hO
勝手に作った合鍵で寝てる間に侵入して>>559

561 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:36:06 ID:/h0Z7ch8
勝手に作った合鍵で寝てる間に侵入して家捜しと>>559

562 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:47:17 ID:aIFlqqHt
むしろ寝ている主人公の顔を見て欲情。逆レイプかと<<559

563 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 01:14:38 ID:ZIsj9FcP
>>562
それは寝てる間じゃなくて気絶させられている間辺りだ

564 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 02:36:21 ID:Fx9kTo83
取り合えず、背中を任せてみる。
コイツと組んだら負けはしない!て感じで。

565 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 02:58:20 ID:3y5usieU
他の奴に負けはしないが任せた相手にボロ負けしそう

566 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 04:57:10 ID:eVjbCUj7
>>564
うっかり敵の女の子に見とれてグサっと……

567 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 05:58:05 ID:9WAK0tzX
キスと559

568 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 06:08:32 ID:Fx9kTo83
娘がヤンデレてしまいました。
昨日家に来た少年はどうやらその被害?者だと思われます。
あなたはどうしますか?
俺個人としては逃げたい。

569 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 06:25:17 ID:eVjbCUj7
謝って諦めてもらうしかないな……
どこで育て方を間違えたんだ

570 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 06:26:22 ID:L7VX1fIu
よろしい
私が引き取ろう

571 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 08:08:05 ID:9WAK0tzX
だがことわる!

572 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 11:15:45 ID:Fx9kTo83
568想定される事象
下手に娘に干渉→始末される。
夜な夜な出ていく娘の後をつける→気づいたら殺人容疑かかってた。
少年が逃げるのを手助け→殺害される
娘と少女の間に入り仲裁→殺害される。
海外出張で逃げる→帰国した時、家は無く、娘は逮捕。 

573 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 12:59:41 ID:Hof3XTtB
確か、ほととぎす辺りがそんな感じの展開になってたような……?>>568

574 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 13:19:55 ID:Y5zujEtA
あの親父は逃げてないぞ。
生死不明だけど。

575 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 17:48:44 ID:9WAK0tzX
ことのはぐるまとほトトギすの続きが読みたい今日この頃

576 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 18:04:01 ID:0gBXOLkT
俺はかちかち山を読みたいぜ

577 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 20:13:04 ID:QiSfF88j
かちかち山はオレも読みたいな
ヤンデレ家族の続き気になる

578 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:43:11 ID:3mPgpwFb
>>575->>577と同じく期待して待っています。
ヒマ潰しになればと投下します

579 :ヒマ潰しネタ:2008/05/24(土) 21:44:30 ID:3mPgpwFb
 彼女の監禁から命からがら逃げ帰ってくると、妹が物騒な本を読んでいた。
 テーブルの上には濃い化粧できわどい衣装を着た女性が笑っている表紙の雑誌が置いてある。
 雑誌名は『エロビッチ』。最近巷で話題の女性向け雑誌だ。
 もう一冊は両手に包丁と鋸(血液付着)を持ち、口にナイフをくわえた暗い表情の女子高生が表紙の雑誌。
雑誌名は「ヤンデレ百選」
 女性向け雑誌らしいが、どうにも怪しい匂いがプンプンする。
 妹が読んでいるページは怪しげな凶器が所狭しと載っている。年頃の女の子が読む内容ではないだろう。

「栞よ、その雑誌はなんだね?」

「あっ、おかえりお兄ぃ。祐美さんから無事に逃げれたんだ」

 栞はソファーにうつ伏せに寝転がりながら煎餅をくわえ、振り返らずに返事をした。
 両足をパタパタと動かしながら本を読んでいるからか、スカートがめくれてパンツ見えている。
 はしたないにも程がある。おまけになんだ、そのパンツは。黒のレースなんてけしからん!
 年頃の女の子が大人になりたがるのは分かるが、栞に黒のレースはまだ早い!
 説教するべきなのだろうが、その前に聞いておかねばならないことがあるから一時保留しておこう。
「――……妹よ。どうしてお前が祐美のことを知ってるんだ? というか、『無事に逃げれたんだ』
とはどういう意味だ? お兄ちゃん、ちょっと分からないなぁ」
 できるだけ優しく、雨に濡れた捨て猫に話しかけるように妹に問う。
 常識のある優しい妹なら俺の質問に答えてくれるはずだ。お兄ちゃん思いの妹だもんな。
 嗚呼…目を閉じれば思い出す。昔からお前は俺に懐いていたもんな。
「あたし大きくなったらお兄ちゃんと結婚する」なんて言ってくれちゃったりなんかして……。
「だって、祐美さんから聞いたもん。「お兄ぃを監禁するから」って」
 ……そっかー。ああ、うん、なるほどねー。
「…いつから、知り合ってたんだ?」
「え〜っと、お兄ぃが祐美さんに告白された翌日かな?」
 ほうほう、そんなに速かったのか。いや〜、お兄ちゃん知らなかったなー。付き合って二ヶ月経つんだけどなー。
 紹介したのは先月なんだけどなー。ちょっとクセのある彼女だから紹介したくなかったんだけどなー。


580 :ヒマ潰しネタ:2008/05/24(土) 21:45:48 ID:3mPgpwFb
「そうか。で、俺が監禁されていたことを父さんと母さんには話したか?」

 まあ話せる内容じゃないんだがな。

「ああ、部活の合宿に行くってあたしが言っておいたよ」

 えー。

「帰ってこなかったら…どうしてたんだ?」

 妹が本を読むのを止め、上半身だけひねって振り返る。随分と体が柔らかいもんだ。
 
「帰ってこなかったら? そりゃ助けに行くよ。だってお兄ぃはあたしのお兄ぃだもん」

 嗚呼……嗚呼妹よ。そんなにキラキラと眩しい笑顔でそんなことを言ってくれるなんて俺は嬉しい。
なんか殴りたいけど嬉しいぞ!

「そうか。栞は本当に良い子だな。で、お兄ちゃん、もう一つ、いや二つ聞きたいんだけど良いかな?」

「ん? なに?」

 首をかしげながら妹が微笑む。スカートがめくれている事に気付いているはずなんだが、
それを直そうともしないのはちょっといただけないなー。もうちょっとこう、恥じらいってもんがなー。

「なんで祐美を止めてくれなかったのかな? お兄ちゃん、丸二日ベッドの上で手錠掛けられてたんだけどなー」

 そう言って右手からぶら下がっている手錠をぷらぷらと見せる。
 両手の手首には紫色の痣ができているし、首にも痣がくっきりとついている。まさか
首を絞められるとは思わなかった。
 
「うわー、痛そう。どうやって逃げられたの?」

「それは企業秘密ってことで。大変だったんだぞ、本当に」

「あちゃー、ツメが甘かったんだね、祐美さん」

 さらっととんでもない事を言ってくれた気がするが、今の俺は動じない。なんというか、
今の俺は賢者に近いものになっている。一発抜いた後のスッキリした感じだ。悟りを開き
つつあるのかもしれない。
 そりゃあ、刃物を首に突きつけられたりペンチをあんな使い方された後だからなぁ…。

「で、祐美を止めなかった理由はどうしてかな? お兄ちゃん、そこんところ知りたいなー」

「あのね、祐美さんと勝負したの。祐美さんが勝てばお兄ぃは祐美さんのもの。
 あたしが勝てば、お兄ぃはあたしのものってことで。
 止めなかったのは、お兄ぃなら自力で逃げられると思ったから」



581 :ヒマ潰しネタ:2008/05/24(土) 21:47:49 ID:3mPgpwFb
 んん? ちょっと意味が分からないなあ。なんの勝負なんだ? どうして監禁になるのだ?
 それにどっちが勝っても俺の意思はどうなるんだろう? あ、スルーってことか。
 それでも、祐美は俺の彼女だし、栞は妹だろ。勝負する意味も理由もないじゃないか。

「……う〜ん、なるほど。まあ全く理解できないけど分かった事にしよう。
 で、もう一つ質問なんだが、何の雑誌を読んでるんだ?」

 妹の胸元に置いてある雑誌を指差し、最初に聞いた質問をする。
 普段妹が好んで読む雑誌とは毛色の違う二冊の雑誌。一体どういう心境の変化があったのか。
 もしかしたら好きな男子がいるのかもしれない。もしかしたら見知らぬ男と付き合ってるのかもしれない。
 確か『エロビッチ』は恋愛のことについても書いてあったはずだ。
 祐美の部屋にも置いてあったから軽く読んだことが> 『ビッチあんよで男を悩殺』とか
『愛されボディの作り方』とか『今からできるフェラ48手』とか、
とにかくどうしようもない内容だったのを覚えている。
 いかん。いかんぞ妹よ。16歳にもなってないのにそんなハレンチ極まりない雑誌を読むなんて
お兄ちゃん許さないぞ。
 まさか……そんな雑誌を読んであんなことやそんなことを覚えて好きな男にそんな、そんな
エロティカなことを――。
「そっちがエロビッチで、今読んでるのが『YanYam』って雑誌だよ。祐美さんに借りたんだ」

 なん…だと…。

「エロビッチは分かるが、YanYamって何だ? 普通の女性向け雑誌かなにか?」

「知らないの? 最近話題になってる有名な雑誌だよ?」

 知らないぞ。そんな禍々しい凶器を持った女の子が載っている女性向け雑誌なんか、お兄ちゃん
が知っているわけないじゃないか。
 祐美め……こんな本を我が愛しい妹に見せるなんてどういうつもりだ?
 まさか妹を犯罪者に仕立て上げようという魂胆なんじゃ――いかんぞ妹よ。
 年頃の女の子はいろんなものから影響を受けやすいんだ。テレビや漫画の影響で妹が駄目になったら
どうするんだ!? 邪気眼がどうとか言いながら右手を抑えてうずくまったり、前世がどうとか
言い出したりしたらもう本当にアレな子になってしまう。


582 :ヒマ潰しネタ:2008/05/24(土) 21:49:09 ID:3mPgpwFb
「栞、ちょっとい…」

「お兄ぃ、お茶淹れるけど飲むでしょ? それとも珈琲がいい? 紅茶?」

「……ああ、それじゃ、お茶をもらおうかな」

 説教をしようとしたところで上手くはぐらかされてしまった気がする。栞はササッとキッチンに行ってしまった。
 まあいい。キッチンでお湯を沸かしているしばらくの間は帰ってこないだろう。
 今のうちに、妹が読んでいるYanYamとやらの内容をチェックしておこう。
 もし内容がとんでもないものだったら没収して叱ってやらねばならん。それが保護者として、兄としての務めだ。
 妹の今後の成長を悪くする有害雑誌ならば放っておくわけにはいかない。
 どれどれ――。

“隠れ家的監禁! 愛され上手な監禁グッズ!” “睡眠薬十選” “今月の監禁ベストアイテム”
“邪魔な泥棒ネコはこれで成敗! 熊でも一撃スタンガン!”
“ラブリー包丁” “先取り! 最新の凶器ベスト10”
“思いきって心中! 彼の心臓を独り占め!” “首狩り族から学ぶ正しい鉈の使い方!”



 ……ふぅ。

「お待たせ〜。はい、どうぞ」

 栞が笑顔で戻ってきた。まるで無垢な天使のような笑顔だ。花の蕾が開きかけてきた時の美しさ
と言ったらキザなのだろうか。
 白い珈琲カップと茶色の湯呑みを乗せたトレイをテーブルに置いて、栞が俺の隣にちょこんと座る。
 詰めれば4人は座れるだろうゆったりとしたソファなのに、俺の真横にくっつくように座ったのは
どうしてなのだろうか。昔から甘えん坊だったが、最近は兄離れしてきたと思っていたのだが。
 ふむ…なにやら嫌な予感がする。嫌な予感ほど外れたことはない。
 そう、祐美の家に行った時も確か飲み物を飲んだら急に眠くなったんだよな。
 あの時も確かお茶を淹れてもらったんだっけ。なんか限りなく状況が似ている気がする。
 しかし、栞が俺に祐美のようなことをするはずがない。状況が似ているからって考えすぎだ。
 栞は湯呑みを俺の前に置いてニコニコと俺を見ている。というか顔が近い。どうして腕を組むんだ。
 嗚呼…妹がいつの間にか化粧をしているなんて……香水はまだ早いぞ、栞よ。
「……栞よ。まさか、お茶に睡眠薬なんて入れてないよな?」
「あっはは〜、なに言ってんのよ、お兄ぃってば。そん

583 :ヒマ潰しネタ:2008/05/24(土) 21:50:44 ID:3mPgpwFb
なもの入れるはずないでしょ」

 妹よ、目が泳いでるぞ。なんでそわそわしてるんだ?

「そうだよな。可愛い優しい妹がそんなもの入れるはずがないよな」

「そうだよ〜。さ、早く飲んで。お茶は熱いうちに飲むのが一番美味しいんだよ」

「……あ〜、やっぱり珈琲が飲みたくなった。栞のやつをもらっていいか?」

「え…? べ、別に良いけど?」

 どうした妹よ。なぜに動揺する。

「いや〜、久しぶりに妹が淹れてくれた珈琲が飲みたくなってな。いいだろ?」

「う、うん……」

 すまない妹よ。どうしても信用できない兄を許してくれ。
 だって、こんな雑誌を読んだ後だもん。彼女に監禁された直後だもん。
 お前がそんな挙動不審な態度をしなかったら俺だって安心して熱いお茶を飲んだんだぞ。
 冷めないうちにチビチビと熱い珈琲を飲む。うん、良いお手前で。やはりブラックが一番ですよ。
 栞の前にあるお茶には手がつけられていない。俺が珈琲を飲んでいるのを黙って見ている。
 うんうん、監禁された後の珈琲はまた格別な味だ。ベッドに縛られているときは全て口移しだったからなー。

「どう? 美味しい?」

「うん、美味しいぞ。これでスイーツ的なものがあればもっと嬉しいんだけどな」

「あはは、煎餅ならあるよ? ……そういえば、祐美さんどうしたの?」

「ああ、祐美ならベッドに縛っておいた。二、三日したら反省するだろうからそれくらいには解きに行くよ」

 祐美なら大丈夫だろう。書き置き残してきたし、新手のSMプレイだと言っておいたしな。
 ……あ、食事はどうするんだろ? まあ、三日くらい食べなくても死にはしないだろ。

「そっかー。じゃあ、勝負はあたしの勝ちだね」

 うん? どういう意味だ? さっきの勝負の話なら――あれ? 
 急に眠気が襲ってきた。頭が重くなって体から力が抜けていく。
 おかしいな。お茶じゃなく珈琲を飲んだのに。珈琲にはカフェインが含まれていてだな――。



584 :ヒマ潰しネタ:2008/05/24(土) 21:51:55 ID:3mPgpwFb
「お兄ぃってば単純。ちゃんと二つとも入れといたんだよ。危険だと思ったら飲んじゃダメだよ」

 そう言ってポケットから粉末の入った透明のビニール袋を取り出してぴらぴらと俺に見せる妹。
 満面の笑みが可愛らしい。母親譲りの整った顔立ちだ。さすが元美人モデル。ちなみに俺は父譲りだ。
 栞が成長と共にだんだん綺麗になっていくのは嬉しいことだ。これからもっと可愛くなっていくのだろうな。

「まあ、飲まなかったら寝込みを襲うなりスタンガンなり、いくらでも方法はあったんだけどね」

「…栞よ、どうして俺に薬を……?」

 嗚呼、いかん。意識がだんだんと薄れていく。そういえば祐美の時も気がついたら縛られていたんだっけ。

「お兄ぃ、まだ分かってなかったの? さっき言ったじゃん。祐美さんが勝てばお兄ぃは祐美さんのもの。
 あたしが勝てばお兄ぃはあたしのものって。祐美さんが勝っても奪い返しに行くつもりだったけどね。
 お兄ぃが祐美さんを縛り付けておいたって聞いて安心したよ。これで邪魔者は入らないからね。
 これからは毎日あたしがお兄ぃの世話をしてあげるからね。
 これからはあたしだけを見て、あたしだけを愛してね。
 あっ、お父さんとお母さんは昨日から入院しているから。これで二人っきりだね、お兄ぃ」

 うーん、随分と嬉しそうに喋るな。妹よ、内容がちょっと怖いぞ。
 いかん…だんだんと意識が――――。



「これからはあたしだけのお兄ぃだよ。あたしだけを見て、あたしだけを愛してね。ふふふ――」





585 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:54:05 ID:3mPgpwFb
投下終了です

586 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:58:07 ID:sl2ktDWc
>>585
乙乙
暇つぶしどころか、充分萌えた

587 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:04:33 ID:IcwyY9oL
うむ、いい病みっぷりだ。
楽しませてもらったぜ。

588 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:07:25 ID:Paf6smHv
>>585
GJ!
ところどころ笑えて面白かった。

589 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:08:28 ID:ONDFwAGz
GJ

590 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:46:15 ID:MkkYSACi
GJ
これはいいなwww
続編希望ww


591 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:51:46 ID:9WAK0tzX
575です。ひまつぶし何てもんじゃないです。GJです。自分はキモウトスキーだったので、すごく楽しませてもらいました。あと、直前にデスノートを読んでいたせいか、登場人物が夜神兄妹で脳内構成されていましたw

592 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:54:34 ID:g0i+cEaA
ヒマ潰し=良作

593 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:04:00 ID:ONDFwAGz
ひつまぶし=おいしい

594 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:16:19 ID:epWq6p9a
暇つぶしと聞いて
ひぐらしの梨花が赤坂を監禁するシーンが浮かんできたぞw

595 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 00:00:07 ID:u2StUsk2
俺ひぐらし好きだか、さすがにそれはない

596 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 00:28:06 ID:lf7GcArM
ひぐらしキャラはヤンデレじゃないだろJK

597 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 00:41:27 ID:u65FiKmz
常識なんぞ人それぞれだ

598 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 00:48:47 ID:aNiNzOBR
>>597
君は砂糖ってしょっぱいよねと言われて
何言ってるんだコイツと思わないのかね

599 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 00:51:35 ID:WJAsR4J0
>>585なんですが、改行ミスと誤字脱字が酷くて悔しいからもう一本投下しても良いですか?
投下していいなら一時間後くらいにしたいんですが

600 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:00:09 ID:u65FiKmz
>>598
価値観を押し付けるな

601 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:10:28 ID:C4C0s5QV
>>599
頼む。是非頼みます

602 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:14:16 ID:6wPXJHrm
定義系は全力でスルー
さもなければしまわれる、っておじさんが言ってた。

>>599
超期待しています

603 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:20:16 ID:qzSnjebq
ヤンデレ初心者な上に
携帯サイトに投下したものなので見づらいかもしれませんが
短編をいくつか書いたので貼らせて頂きます。
スレ汚しになってしまったらすみません。
エロを書くのが苦手で、あまりエロくもないです。
すみません。本当にすみません。

『一生一緒だよ、私が守るもの。』

「お帰り○○くん♪」
「ただいま。ホント、課題が多くて疲れるよ…」
「何の課題だったの?」
「演習の課題だよ、もう数式が複雑すぎて嫌になるよ…」
「じゃあ、課題があってこんなに遅くなったんだね。」
「ああ…疲れたよ。ご飯はいいや…ちょっと横になってもいいかな?」
「○○くん。」
「ん?」
「嘘だよね?」
「え…」
「う・そ・だ・よ・ね?」
「え…いや、課題だ、だったよ…」
「…見てたんだよ?」
「あ、いや、それは…その…」
「いいの、もう…ただ、せっかく作ったんだし私の料理もちゃんと食べてね?」
「え?ああ、うん、もちろん…」

「ごめんなさい、ごめ、ごめんなさい、ごめんなさい、許して…ごめ…むぐっ…」
「約束したんだからちゃんとお口開けて食べて…?特製のシチュー…いっぱい私のものが入ってるんだから…」
「おぇっ…げぼっ…げぇっ…」
「ふふふ…ちゃんと全部出してね…私がお腹の中から○○くんを綺麗にしてあげる、雌豚の料理に汚された○○くんを綺麗にしてあげる…」
「えうっ…げぇっ…無理…ごめんなさい、ごめんなさい、許して、もう食べれませ…むぐっ…ごぼっ…」
「大丈夫わかってるよ○○くんは雌豚の料理なんか食べたくなかったよね、汚いしきっと臭いし気持ち悪いもんねわかってるよ食べたくなかったよね、今私が綺麗にしてあげてるんだから全部出しきって楽になろうね…」
「ごべんなざい…ごべ…」
「泣かないで…暴れないで…もうすぐ楽になるから…安心して…だって」

「もう雌豚はこの世にはいないし、もう心配ないからね…」
「一生私が守ってあげるからね…♪」

604 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:23:01 ID:qzSnjebq
『そうだ僕も病もう』

女「○○くん…危なかった…」
男「いや…な、縄が食い込んで痛いからはずしてほしいんだけど…」
女「だ、だだだダメだよっ!今ほどいたら○○くん外に出ちゃうもん!外に出ちゃったらあの雌豚に殺されちゃうんだよ!?だめっ!」
男「雌豚って…○○先輩のこと…っ…!か…は…」
女「○○くん、あんな女の事を名前で呼んじゃ…嫌。」
男「が…あ……げほげほっ…げほっ…がっ…ごほっ…」
女「○○くんの首って細くて白くて綺麗だよね、力を入れて捻ったら折れちゃいそう…」
男「げほっ…」
女「…ごめんね、○○くんの首が綺麗だからつい…締めすぎちゃった…♪」
男「…」
女「ねぇ、私の事好きだよね?」
男「…」
女「ねぇってば…」
男「…」
女「疲れちゃったのかな、ごめんね、今ご飯にするからね」
男「…いらない」
女「一生懸命作ったんだから食べてよ、口移しであげるから…」
男「く、口移しって…もが!?んー!ん、んんんn!?」
女「口が閉じられないようにする器具。食べないと体に良くないんだから…
  無理矢理でも食べてもらうからね…?」


〜一週間後〜
女「○○くん、おはようのちゅー!」
女「○○くん…私の事、好きだよねっ?」
男「大好きです。」
女「どんなとこが好き?」
男「全部、○○の全てが好きです。」
女「そうだよね、私も○○くんの全てが大好きだよ…」
女「今日もずーっと一緒にいようね、○○くん…♪」
男「大好き…○○大好き…愛してる…」


彼の首には生々しい跡が
互いの身体にはおびただしい傷が
床や互いの身体には綺麗な血の痕が

お互いの目には、ただ闇が…

605 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:24:10 ID:qzSnjebq
『マジでBD3日前』

ヤ「あ、今お茶入れてくるから待っててね。」
男「お、ありがとう。手伝おうか?」
ヤ「い、いいよ。○○くんは座ってて。」
男「そう?」
ヤ「うん、せっかくうちに来たんだしゆっくりしてて♪」
ヤ「あ、そうそう。今日怪我したところはもう大丈夫?」
男「絆創膏貼ってるし大丈夫、もう血も止まったみたいだし…」
ヤ「そっか、じゃあ、絆創膏も血がついちゃってるだろうし新しいのあげるから交換しなよ。」

〜男帰宅後〜
「○○くんの髪の毛みっけ…♪」
「座布団も○○くんの匂いがする…♪」
「絆創膏…○○くんの血がついた絆創膏…○○くんの血…綺麗な赤色…♪」
「一回私が口に含んだ紅茶も、暖めなおしたら何の違和感も持たずに飲んでくれたし…成功♪」
「まだ恋人同士じゃないけど…未来の結婚相手だもん…♪」
「もうすぐバレンタイン…それからはずっと一緒いられるもんね…えへへ♪」

彼女「おそいよー!10分も遅刻!○○どこいってたのー!」
男「ごめんごめん、ちょっと知り合いの家でCD借りてきたんだけど、お茶出されちゃって中々抜けられなくてさ。」
彼女「もー、もうすぐバレンタインだし、一緒におっきいハートチョコ作る約束じゃん!今日材料買いにいくはずでしょー?」
男「ま、まあまあ、まだ時間はあるし、ちょっと遅れたけど今からいこうよ。」
彼女「まあ、10分だしそこまで気にしてないけど…ちゃんと今度からは先に言ってよね。」
男「もちろん言うよ、今回は…なんていうかあんまり親しくない人の家だったから帰るの言い出しにくかっただけで…」

ヤ「えへへ…バレンタインが楽しみ…プレゼントも○○くんが喜んでくれそうなもの調べないとね…♪」

606 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:27:24 ID:qzSnjebq
『そうだね、ヤンデレ姉だね。』

ゆっちーとは、幼いころからずっと一緒にいた。
私は姉で、ゆっちー…ユウヤは私の弟だったから。
ゆっちーと私は、生まれた時からずっと一緒。

姉「それで、ゆっちー、今日の夕飯だけど…」
ユウヤ「なんでもいいよ…別に…」
姉「…グラタンとかどう?」
ユウヤ「グラタン…?別にいいんじゃない。姉ちゃんが食べたいもん作れば。」
姉「…そっか、で、でもゆっちーのために一生懸命、作るからね!」

と、一拍おいた次の瞬間、弟の身体が私の胸に飛び込んできた、あわてて私はミトンをはめた手で弟を支える。
高校生とは言っても、文化部に入ってるゆっちーの身体はまだまだ小柄で、華奢だった。

ユウヤ「ごめん…お姉ちゃん。今日さ、告白したんだ。でもフラれちゃって…イライラしてて…姉ちゃんに対しての態度が…あんなんなっちゃって…んっ…」

”オトウト”を強く抱きしめる。上半身をゆだねてくるゆっちーの頭に、ちょうど私の胸が押し付けられたのだろう。
…下半身も預けられたのを感じる。
少し身体を離して、恥ずかしがっているゆっちーに向かって微笑みかける。

姉「いいよ、気にしないで。失恋したら誰かに当たりたくなる気持ち…わかるからさ。」

両親とも、仕事が忙しくて帰宅が遅いことが多い。そんな私たちの家での、秘密の約束。
姉弟二人だけでご飯を食べるときは、私が口移しでゆっちーに食べさせてあげる。

猫舌なゆっちーがまだ小学生の頃にはじめたものだった。
しっかり食べさせるためにふざけ半分ではじめたものだったけど…
今も続ける理由は…

ユウヤ「やっぱりさ…俺には姉ちゃんしかいないのかも。」

照れくさそうに笑うゆっちーを強く抱きしめてあげる。
そんなこと言ってくれるなんて、すごくうれしい。
それでこそ、女の子とゆっちーを近づけないように手を回している甲斐があったというもの。だね。

ゆっちーと私は、生まれた時からずっと一緒。
そう

死ぬときまで…

607 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:38:03 ID:9Lu1g3Eq
半年ROMれ。マジで

608 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:51:36 ID:5wDW2Oup
プロットだろ…? これ…?

609 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:54:16 ID:PjemUyCL
努力は認める
だがもう少しがんばっていただきたかった

610 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 02:01:30 ID:WJAsR4J0
投下します

611 :ヒマ潰しネタ2―儀式観察―:2008/05/25(日) 02:04:14 ID:WJAsR4J0
 彼女の『それ』を見たのは、些細な偶然からだ。
 その日、自分は日頃の夜更かしのせいかうっかり部室で眠り込んでしまい、目が覚めた時はすでに真っ暗闇だった。
 暗い部室の中、ポケットを探り携帯電話を取り出すと、時刻はすでに下校時刻をはるかに回っていた。
 部室から廊下に出ると、月明かりが校内を照らしている。窓枠の細長い影線が一定の間隔で廊下を区切り、
自分の影もそれに添って長く伸びている。
 日常の裏側――本来なら決して居合わせない空間。校舎内の静けさが不気味に感じ、それと
同時に神秘的な空間にも思えた。

 いつまでも学校に残っていてもしょうがないので、急いで帰ることにした。
 急ぎ足で廊下を歩き階段を降りて下足箱まで辿り着き、靴を履き替えようとしたところで、
教室に忘れ物があることを思い出した。
 どこまで間抜けなのだと自分を呪った。再び校舎内に戻るのには抵抗があった。
 薄暗い校舎内を明りも無しに戻るのは肝試しに近い。それに教室までが遠いから面倒なのだ。
 どうして思い出してしまったのだろう。外に出てから、いや、家に帰ってから思い出したのなら
取りに戻ろうかどうしようかなんて悩まなくて済んだのに。
 教室に行かないための言い訳を探すが、明日のことを考え、ほんの少しの我慢だと自分に
言い聞かせ、結局諦めて戻ることにした。

 薄暗い階段を上り、二階の廊下を急いで歩いて自分の教室に向かう。
 二つ隣の教室を通り過ぎ、あと少しで辿り着くというところで、廊下の先の方から渇いた音が
聞こえてきた。
 聞きなれた音――黒板にチョークで書く時の音が自分の教室の方から聞こえた。
 誰か残っているのだろうか? それでも教室は明りがついていない。
 誰も居ない時間に暗い教室の中で黒板に何かを書いている――疑問と恐怖が足を地面に縫い付けた。
 恐怖と好奇心――僅差で好奇心が勝った。何も見ないで逃げ帰れるはずがない。
 足音を立てずにゆっくりと静かに教室の扉に近づき、扉の窓からこっそりと中を覗きこんだ。
 暗い教室の中に人影が一つ。黒板の前で細いシルエットが立っている。心音が跳ね上がった。
 黒板に向かって右手を動かしている人物。目が暗闇に慣れて、それが誰であるかわかった。

 椿姫 玲(つばき あきら)先生。クラスの担任の先生だ。



612 :ヒマ潰しネタ2―儀式観察―:2008/05/25(日) 02:05:46 ID:WJAsR4J0
 相手が誰であるか分かり、ほっと安堵した。
 教室の中に入り、何をしているのか尋ねようと扉に手をかけ――ある疑問が自分の手を止めた。

 こんな時間に教室の明りも付けずに、先生は黒板に何を書いているのだろう?

 そんなのは中に入って直接先生に聞けばいい。聞かなくても、黒板を消すより先に見てしまえばいいのだ。
 見られてはまずいものでも書いているのなら隠すだろうし、そうでなければ見せてくれるだろう。

 だが――直感的な何かが教室に入ることを躊躇わせた。
 少し悩んだ後、教室に入らずにしばらく様子を窺うことにした。
 椿姫先生は黙々と黒板に何かを書いている。手の動きはひたすら同じ動作の繰り返し。
 黒板は手が届かない上のスペースを残して、びっしりと隅から隅まで一つの漢字が書かれている。
 自分は視力が良いから、ある程度の字の大きさでもそれがなんという漢字かがすぐにわかった。

 晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃
晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃晃
晃晃晃晃晃晃――――。

 ――『晃』。それが誰の名前かはすぐにはわからなかった。
 しばらく先生の後ろ姿を眺めていて、先生の手が黒板の右端から左端に折り返したとき、ようやく思い当たる人物が頭に浮かんだ。

 久我 晃(くが あきら)。クラスメイトの名前だ。

 椿姫先生は久我晃の名前をひたすら書いている。それに気付いたとき、全身の肌が一瞬で粟立った。
 心臓が全力で走った後のように激しく脈打ち、喉が渇き、手足が細かく震えた。
 恐怖――見てはいけないものを見てしまった。知ってはいけないものを知ってしまった。
 不思議なことに、頭の中だけは落ち着いていた。
 どうして先生がこんな事をしているのか、理由は分からない。
 だが、先生の行動が異常であることだけははっきりしている。





613 :ヒマ潰しネタ2―儀式観察―:2008/05/25(日) 02:07:38 ID:WJAsR4J0
 翌日、先生は昨日の事が嘘であるかのように教壇の前に立っていた。
 いつもと変わらない表情。いつもと変わらない授業風景――昨夜の異常な行動は夢だったのでは
ないかと思うほど、普段通りの先生がそこに居た。
 もしかしたら、あれは夢だったのだはないか、あれは先生ではなかったのだはないか、と思ってしまったが、
昨日見た後ろ姿は椿姫先生であることに間違いはない。
 長い髪を束ねる銀色の髪留め――昨日と変わらず身に付けているそれが、昨日の事が夢ではなく、先生であった
ことを証明している。

 それからしばらくの間、先生のことばかりを考える日々が続いた。
 先生を穴が開くほど見続け、網膜に焼きつくほど見続けた。目を瞑れば先生の顔が浮かぶほどだった。
 居眠りしている久我を注意する椿姫先生。久我に黒板に数式を書かせる椿姫先生。久我を見つめる椿姫先生。
 観察をすればするほど、椿姫先生が久我に好意を寄せていることがはっきりと分かった。
 そして、ある考えが頭に浮かぶ。

 もしかしたら、あの日の事は一回きりではないのかもしれない。
 あの日だけではなく、繰り返し行っているのかもしれない。
 ――見たい。もう一度見たい。

 妄想と願望。風船のように膨張し続けるそれは、あっという間に限界まで膨れ上がり、自分では
制御することができないまでになった。
 気がついたら、部室で夜になるのを待っている自分がいた。
 もう一度、もう一度――もしかしたらまた見れるかもしれない。
 どうしてそれほど見たくなったのか、理由は分からない。だが、興味を持ったことに対していちいち理由は必要ない。

 宵闇が過ぎ、生徒達の声が聞こえなくなる。教室の明りが次々と消えていき、見回りの教師も
帰っていった。
 時刻はあの日と同じ。暗闇の中、心臓の鼓動だけが大きくなっていく。
 先生が居ることを祈りながら教室に向かう。雲が月を隠し、月明かりのない廊下を静かに歩く。
 廊下を歩き、階段を上り、教室に近づくにつれて緊張が高まる。
 教室の手前まで行くが、物音は聞こえてこない。
 半分諦めながら、それでも祈るように教室を覗き込む。



614 :ヒマ潰しネタ2―儀式観察―:2008/05/25(日) 02:09:17 ID:WJAsR4J0
 黒板の前には誰も居ない。何も書いてあるものもない。落胆してため息がこぼれる。
 ふと、窓際の席に動く影が見えた。慌てて扉の窓枠に隠れて、視線を移す。
 そこには、下半身だけ裸で久我の席に座り、机の上を舐めながら自慰に耽っている椿姫先生がいた。
 ストッキングは履いていない。多分下着と一緒に床に置いてあるのだろう。
 色白の艶かしい足をくねらせ、右手で股間を弄っている。
 愛おしそうに机に頬ずりをし、キスをして、舐めている。
 扇情的な光景に思わず息を呑んだ。全身が熱くなり、血液が沸騰しそうになる。
 小さな喘ぎ声が教室の中から聞こえてくる。手の動きが早くなり、喘ぎ声の間隔が狭まり、大きくなる。

 悲鳴とも嬌声ともとれる小さな悲鳴をあげ、先生が大きく痙攣する。絶頂したのだろう。
 全身を何度も痙攣させ、長い間細かく震えていた。
 余韻に浸っているのか、荒い息づかいのまま、机に頭を預けて座ったまま動かない。
 目を瞑り、幸せそうに余韻に浸っている先生を見て、目を開いたときに自分が見ていることを
気付かれてはいけないと気付き、慌てて扉の窓から離れた。
 名残惜しいが、いつまでも見ているわけにはいけない。気付かれてはいけない。
 それに―――多分これから何度でも見れる。
 椿姫先生に気付かれないように、静かに教室から離れる。
 いつの間にか、廊下を月明かりが照らしていた。





615 :ヒマ潰しネタ2―儀式観察―:2008/05/25(日) 02:10:47 ID:WJAsR4J0
 その日から、自分に日課ができた。
 宵闇が過ぎて人が居なくなった時間、教室で先生が行う『事』を静かに観察し続けるだけの
秘密の日課。先生と自分だけの秘密。
 先生が行う事を『儀式』と名付けた。自分はそれをただ観察するだけの傍観者だ。

 儀式を行う日は決まっていない。週に二回、三回のときもあれば、週に一度のときもある。
 先生の儀式は日によってその内容が違った。
 黒板に名前を書いたり、久我の席で自慰をしたり、久我の荷物を漁ったりなど。
 体操着が無くなったと久我が言っていたことがあったが、先生がそれを着て自慰をしていることで
謎が解けたこともある。
 儀式は最終的に先生が自慰をして満足すれば終了する。先生が帰るのを見届けて、気付かれないように帰る。

 時に先生は、日によってその痕跡を残した。それは久我に自分の想いを気付いてほしいからなのかもしれない。
 だが、それは翌日に残ることはない。先生が帰った後の後片付けを自分がするからだ。
 儀式の残滓――それは黒板に書いたものだったり、先生の涎や愛液だったり様々だ。
 先生が帰った後、自分がそれを丁寧に処理する。それが終わってやっと儀式は終了するのだ。
 先生が行い、自分が後始末をする。観客なりのサービス。先生は気付いていないだろう。
 この儀式をいつから続けていたのか、そして、いつ終わるのかは分からない。
 ただ、私は儀式を静かに観察し続けるだけだ。いつか先生がしなくなる日まで。





616 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 02:13:20 ID:WJAsR4J0
投下終了です
一応続編はあります。前編・中編・後編で書いてるネタです
クールな美人教師が病んで壊れていくとか素敵じゃないですか!

617 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 03:20:16 ID:WKKXpJO/
        .∧_∧
        ( ´・ω・`)   乙である
    _, ‐'´  \  / `ー、_
   / ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ
   { 、  ノ、    |  _,,ム,_ ノl
  /\ ̄ ̄ ̄ (;;゚;;) ̄ ̄旦 ̄\
/◇◆\_________\
\\◇/◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆\
  \(ニニニニニニニニニニニニニ)

618 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 06:32:46 ID:yxTsl9DX
>>616
GJ!っす
次回をwktkしながら裸待機してます

[クールな美人教師が病んで壊れていくとか素敵じゃないですか!]には禿同
ク−ルだった人間が見せる、激しい感情はゾクゾクするモノがあるぜ!



619 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 10:02:35 ID:IOZZopMK
GJ!
主人公の立ち位置がどうなっていくのか楽しみです。
病んで行く様を見詰める第三者視点ってのも良いな。

620 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/25(日) 10:25:04 ID:RXIiPa7U
こんにちは。
十四話を投下します。

621 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/25(日) 10:26:45 ID:RXIiPa7U
注意:NTR的表現あり。ただし描写はありません。

622 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/25(日) 10:27:26 ID:RXIiPa7U
***

 昔話をしながら、思う。
 本当に、アタシは何をやっているんだろう。
 自分でもよくわからない。
 昔の話を先輩にしたところで、何か特別なことが起こるわけじゃない。
 あんなに痛くて、惨めで、気持ち悪くて、涙も枯れて、まるごとまとめて最悪な過去を話して、先輩が慰めてくれるとでも?
 そんなわけない。アタシの昔話を先輩が聞いたところで、傷を癒せるはずがない。

 ――あ、そっか。だからか。
 アタシは自分でも気付かないうちに、そのことを理解していたんだ。
 何を話したところで、先輩は何も変えてなんかくれない。何も言ってくれない。
 それが良かった。話し相手として最適だった。
 彼にも話せない、彼と出会う前のアタシの有様。
 もし彼が知ってしまったら、一体どんな気持ちになるのか。
 もともと彼はアタシのことなんか知り合いの一人ぐらいにしか思っていないだろうけど、それを計算に入れてもあの話は重すぎる。
 彼は、きっとアタシを嫌ってしまう。
 嫌われるのが怖い。
 嫌わないで。アタシは何も悪くない。
 悪いところがあるというなら、誰かに話す勇気を奮わなかったこと。
 でも、仕方ないじゃない。
 思い返すのだって嫌なのに、それを言葉にして誰かに話すなんて、絶対に無理だよ。
 今ならともかく、昔の――中学の頃のアタシには、難しすぎた。
 それに、知られたくもなかった。
 誰かに知られたら、そこから周りに伝播していって、もっとひどい目に遭わされそうな気がした。
 あの男以外だけじゃなくて、他の見ず知らずの男に好きなようにされるのを想像したら、死んでしまいたくなる。
 あの頃に死なず、よく今も生きているな、なんてよく思うのに。
 嫌われてしまうかもしれないなら、いっそのこと内緒にして、一切気付かれないよう封印した方がいい。

 そのガードを先輩の前で解いてしまったのは――見下していたから、かな。
 これじゃちょっと失礼だし、語弊があるか。
 もう少し正確に言うと、アタシは先輩をゴールデンレトリバーみたいな感じで見ている、って感じ。
 うーん、これもちょっと違う? …………柴犬が一番近いかも。
 レトリバーと日本犬じゃ全然違うじゃないか、とか先輩なら突っ込みそう。
 でも日本人だから、やっぱり柴犬の方が似合うとアタシは思う。
 ぱっと見た感じでは大人しそうで人畜無害。
 でも、いざというときには頼りになりそう。
 ……なんだけど、いざという時以外には使えそうにない、分度器みたいな存在。
 実際、アタシが彼をさらおうとした去年の文化祭の時、誰にも見られずに体育館に彼を連れ込んだ今回のケース、
両方とも先輩は自分の弟を捜して、かなり近くまで接近した。
 本当に犬みたい。先輩には特殊な嗅覚が備わっているんだろうか。

 さて、先輩の話はこれぐらいにして。
 そして、先輩とのお話もこれぐらいにしておきましょうか。
 明日アタシは、先輩に限らず、これまでに築いてきた人間関係を全て清算する。
 だから、こう見えても実はアタシは忙しいんです。
 この辺で話を切り上げたいから、どうか先輩、そんな呆気にとられた顔をしないでくださいよ。
 友達の話だって、最初に言ったじゃないですか。
 変な勘違いしてアタシに同情なんかしたら、とても表現できない効果音を立てつつ、先輩の額に穴を空けちゃいますよ?
 そうなったら、先輩は彼のお兄さんという重要なポジションにいるのに、アニメ化されてもビジュアルの問題で登場させてもらえませんよ?

 思いやりの心なんて、アタシは欲しくありません。
 彼の、それ以外は。


623 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/25(日) 10:29:24 ID:RXIiPa7U
***

 澄子ちゃんが去り、またしても一人きりで閉じこめられた暗闇の中で、思考を巡らせる。
 澄子ちゃんの友達の話について。
 初めて聞かされる、彼女の友達のこと。
 かいつまんで言うならば、その子は過去に暴行を受けていたという。
 それも、性的な。
 俺が考えていたのは、その話の真偽についてではない。
 澄子ちゃんがそんな話をどうして俺に聞かせたのか、そして、俺は話が終わった後になんと言うべきだったのか。
 澄子ちゃんは友達の話だと言っていたが、嘘だろう。聞かせやすくするための方便だ。
 では誰の話なのか、というと、それは。
「…………信じたくないけど」
 澄子ちゃん本人のことだろう。
 もちろん確認をとったわけじゃないから俺の誤解かもしれないけど。でも、俺の勘はそう判断した。

 中学時代――少なく見ても一年以上前に、ストーカーされ、ある日の帰宅途中に自分の家まで追いかけられ、
そして、未成熟な体と、穢れを知らぬ心に取り返しのつかない傷を負った。
 なお悪いことに、同じ目に遭ったのはその時だけでなかったという。
 相手は男。逮捕後に分かったらしいが、同じような犯罪を同じ時期に、数件も重ねて犯していたらしい。
 そんな外道は死んだ方がいいと思う(澄子ちゃんも同じ事を言っていた)のだが、裁判で男は懲役十余年の刑に処され、今でも服役しているそうだ。
 被害者の中には、男と遭遇してから人生を狂わされた人間が多く居た。
 世の中の男の全てが恐ろしくなり引きこもった人間。
 二度とその男に見つかるまいと自分の顔を跡形も残さず整形した人間。
 この世に救いなどないと言い、遺書を残して自ら命を絶った人間。
 ほとんどの被害者は女性。中には小学生ぐらいの男の子も含まれていたという。
 その中で今でも社会生活を営んでいるのは、親友や恋人や家庭、人でなくても自分を支えてくれる何かを持っていた人。
 あと、事件に巻き込まれてしまったせいで希望を失い、悪い意味で諦観してしまった人だった。
 誰も信じられないなら、生きていても仕方がない。意味がない。
 でも、死んでしまいたくても、死に方が分からない。
 自分の家にトラックが突っ込んできて、あっという間に死んでしまえば楽なのに。
 そんなことばかり考えて過ごしていたと、澄子ちゃんの友達は言っていたそうだ。
 いったいどれほどの絶望感だったのか、想像できない。
 こうして一人地下倉庫に閉じこめられ暗闇を見つめていても、だ。
「……いや」
 そもそも比べるべくもない。
 俺のこの状況はまだ救いがある。校内であれば大声を聞いて不審に思った人がやってきて、地下室から抜け出せる可能性がある。
 けれど、話に出てきた男に対して被害者が覚えた恐怖はどんな時でも消えはしない。
 手足が自由であっても、どこかで男に遭ってしまえば、また恐ろしい目に遭わされる。
 それか、男の方から近づいてくるかも知れない。そして、欲望を満たすためだけの玩具にされる。
 そんなのは、覚めない悪夢そのものだ。

 あんな傷ましい話を、どうして俺に聞かせたんだろう。
 澄子ちゃんが言うには、今の俺を見ていたらその子を思いだした、とのことだったが、はたして本当だったのか。
 聞きたかったけど、深く詮索するのも気が引けてしまい、結局はろくなことを言えなかった。
 聞きたいことを除いて、思いついた疑問を慎重に選び、おそるおそる聞くだけだった。
 友達は今どうしているのか?
 事件が終わってから自殺してしまった、止めることも出来なかった、という答えが返ってきた。
 警察は動かなかったのか?
 友達は怖くて相談していない、自分が事実を知った時には手遅れで、翌日に友達はもう……、という答えが返ってきた。
 話に出てきた友達が澄子ちゃん本人なのかどうかは聞いていない。
 聞いても応えないだろうし、聞いたら傷つけてしまうだろうし。

 澄子ちゃんが去る時、俺は何か言うべきだったのかもしれない。黙っていることはなかったと、なんとなく思う。
 本当のところ、俺は話につられて暗い気分になっただけで、かけるにふさわしい言葉なんか何一つとしてなかった。
 それでも何か言うべきだと、からっぽの頭の中を探ってはみた。
 探してもひと欠片の言葉さえ浮かばず、澄子ちゃんが地下倉庫と校庭を遮るドアを閉めるところを見ているしかできなかったのだけど。


624 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/25(日) 10:32:27 ID:RXIiPa7U
 嘆息し、一旦思考を止める。
 すでに澄子ちゃんはいない。だからさっきの話について考え込んでも詮無いことだ。
 一応頭の中に疑問のひとつとしてストックしておく。
 澄子ちゃんがどうして俺にあんな話をしたのか。また顔を合わせることがあったらタイミングを見て聞き出そう。
 ――と、思ったのも束の間。
 あることに気付いた。遅いぐらいだけど。

「放置かよ、俺……」
 澄子ちゃんを引き留めていればよかった。せっかくの開放されるチャンスだったんだから。
 弟を二人きりの理想郷とやらに連れて行ったら解放すると言っていたが、逆に言えばそれまではこのまま、ということになる。
 理想郷って、外国とか南の島とかじゃないだろうな。
 もしそうだとしたら、二人分のチケットを手配して、いやその前にパスポートを取って……ふうむ、弟を強引に連れて行くのだろうから、
でかい入れ物に梱包して、一人は貨物室、一人は座り心地の良いシートに乗って空の旅を満喫するのか?
 というより、澄子ちゃんなら弟と二人で木箱の中に梱包されても文句言わなさそう。
 いやいや、移動手段はどうでもいいのだ。
 問題は、俺がいつ解放されるのかということだ。あまり時間がかかりすぎるとまずい。
 まだ腹は減っていない。トイレに行きたい欲求もない。少しだけ眠くはある。
 しかし、いつまでもこのままでは必ず破綻する。
 具体的にどうなるか脳内でイメージできるが、あえて表現して形にしたくない、そんな有様になるであろう。
 自分で突っ込むのもなんだが、ちっとも具体的じゃない。
 しかし、何かの光景に喩えたら最初に浮かぶのが動物園の檻の中なんだから、思い浮かべたくもなくなるってものだ。


625 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/25(日) 10:35:14 ID:RXIiPa7U
 自分が置かれている状況を作った原因は、俺にはない。
 悪いのは澄子ちゃんである。そして同じくらいに、デリカシーに欠けることをほざいた弟が悪い。
 弟がもう少し配慮をしていれば、こうしていることはなかったかもしれない。
 最初から澄子ちゃんは弟をさらうつもりでいたらしいから、弟が変なことを言わなくてもこうなった、とも考えられるが。

 しかし、弟があんなことを言うとは。
 本当は好きじゃないんでしょ、か。……これ、弟に先んじて俺が口にしていたかも知れない台詞だな。
 去年、まだ数回話を交わしただけの関係だった葉月さんに告白された時に。
 葉月さんが俺に弟のことしか聞いてこないから、てっきり葉月さんは弟が好きなんだろうと思っていた。
 あの時に変なことを言わなかったのは――言いたくなかったのは、告白に関する過去のトラウマをほじくり返したくなくて、
早く葉月さんの前から立ち去ることしか考えてなかったからだ。
 だから、俺は黙って葉月さんの前から立ち去った。
 もしも強引に引き留められ、理由を話すまで返さないと言われていたら。
 おそらく、俺はここで二つの選択を迫られたはず。
 一つ、振った理由を言える範囲で説明する。二つ、きついことを言って突き放す。
 俺は一つ目の選択をするだろうが、澄子ちゃんに迫られた弟が選択したのは、二つ目の選択だった。
 わざと傷つけて、自分への興味を失わせようとした、というところだろう。
 だけどそれは誤りだった。澄子ちゃんに対しては、最悪の選択肢だった。
 もっとも、一つ目の選択をしていたところで無事に済んだとは言えない。
 むしろ、相手が悪かったということこそが、さらわれた原因なのかもしれない。
 失礼かもしれないが、こう思う。
 弟の奴も、タチの悪い女に惚れられたものだ。

「ま、そこに関しては弟は悪くぁ……にゃい、か」
 独り言にあくびが混じった。
 我ながらなんとも緊張感のないことだが、眠いものは眠いのだ。
 暗闇の中は静かだ。やりすぎなくらいに。周囲を囲む壁や天井が外部からの音を全て吸収してしまう。
 この分だと俺が叫んでも外にいる誰にも聞こえやしないんじゃないかとも考えられる。
 時計がないから現在時刻はわからないが、やはりそれなりに夜は更けているのだろう。
 寝よう。起きてても退屈なだけだ。
 まだここにぶち込まれて数時間しか経っていないから、脱出不可能な状況を嘆いて舌を噛むには早すぎる。

 誰かが見つけてくれないかななんて、他人の手を借りて脱出するしかないこの状況で抱く希望。
 叶えてくれる人がいるとして、それは誰になるのだろう。
 俺は、誰に助けて欲しいと思っているんだろう。
 一番最初に浮かんだのは警察だった。警察にはお礼を言いやすい、という理由で。
 では他にはいないのか、と自分の頭に検索をかけてみたものの、これといった相手が決まらない。
 誰の顔を浮かべても、この人は巻き込みたくないと除外してしまう。
 それ以外に、こいつには助けられたくないということも選別の基準に入れていた。だから誰か決まらないのだ。
 我ながら贅沢なことだ。


626 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/25(日) 10:37:19 ID:RXIiPa7U
*****




「ねー、三人とも、好きな人、いる?」
 突然聞こえてきた声に総毛立つほどびっくりした。
 次に、同じ空間内に人間が居ると思い至り、瞬間だけ安心したのも束の間、幽霊か何かかと思い直して今度は鳥肌が立った。
 しかし状況把握に努めると、ただ声が聞こえてきただけであって恐ろしいものが見えていた訳ではなかった。
 不気味ではあるが直接的な恐怖はないという、ホラー映画のDVDのあらすじを読んだ後のような気分になった。

 聞こえたのは子供の声だった。
 高校生が子供だとするなら俺もまだ子供であるが、その前提があったとしてももっと子供っぽいと言える声だった。
 声変わりするにはまだまだ遠い、数年はかかりそうな高い声。
 推考。――――ふむ、どうやら俺は夢を見ているらしい。
 小学生が高校の敷地内に入るわけがない。しかも人の立ち寄らない体育館の地下倉庫に入り込むなどあり得ない。
 俺が小学校の頃は高校生なんて、得体の知れない分両親やその他の大人たちより怖かったものだ。
 いや、中学生と高校生の区別すらついていなかったかも。
 ともかく、俺が聞いた声は小学生のそれであった。そして俺は夢を見ているのだ。

「好きな人?」
「うん、そう。おんなじクラスに居るんじゃないの?」
「えっと……それは……うーん」
 また違う子供の声。こちらも高い声だったが、響きが男の子を思わせる。
 今のと比較すると、最初の声の主は女の子のような感じがする。
 仲の良い友達同士なのだろう。なにせ暗闇の中で会話を交わしているのだから。

 ――待て。
 何か変だぞ。どうして暗くて一寸先の見えない状況でこの子達は会話をしているのだ?
 それに、俺の体の上に柔らかな感触がある。適度な重さに、好ましいこの暖かさ。
 布団だ。布団が俺の体の上に乗っている。そして俺は敷き布団の上で横になっている。
 体が軽く感じられる。溜まっていたものがなくなった感覚と、ちょっとした喪失感。
 足を伸ばすと、膝や踵がコンパクトになっているのがわかる。体が相当縮んでいる。おそらく小学生サイズまで。
 ということは、今回は夢の中の人物にとけ込んでいるわけか。精神年齢が十七の小学生が誕生だ。
 布団に、暗闇に、女の子と男の子と俺。
 ――あ、三人が同じ部屋の中で床についているのか。暗いということは夜だから、就寝前だ。
 仲の良い三人が集まって、お泊まりをしているわけだな。
 これが荒唐無稽な夢じゃなく、過去を体験しているなら嬉しい。
 俺にもこんな昔があったわけだ。ちょっとだけ嬉しくなる。

 さて、女の子と男の子が誰なのか、であるが。
「はっきり言いなよ。さとみちゃん? みうちゃん?」
「ううん、ちがうよ」
「じゃあ、だれ?」
「えっと…………も、もくひけんを」
「そのけんりはみとめられておりません」
「うー…………ね、ね。兄ちゃん起きて。なんとかしてよ。花火がへんなこと言うよお」
 ……女の子は花火で、男の子は弟である、と。
 弟は俺に頼ろうと、俺の肩を掴んでいた。弟の手が小さいのも、俺の肩が細いのも変な感じだ。
 まあ、なんだ。小学生の俺がどう思っていたかは知らんが、今の俺からすれば、弟にこんな風に甘えられても嬉しくない。
 気色悪いと言ってもいいな。
 しかしながら、今の俺は小学生。間違っても変なことを言ってはならない。
 試しに、高校生になった弟が好きになる相手が誰であるか言ってみたかったが、
この夢がこれからどんな展開を見せるのか気になったので、水を差さないことにした。


627 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/25(日) 10:39:07 ID:RXIiPa7U
「アニキにたよろうなんて男らしくない。いいから、はくじょうしなって」
「じゃ、じゃあ、言い出しっぺの花火から言ってよ。そうしたらぼくも言うよ」
 小学生だから許容できるヘタレぶりである。逃げる気満々だ。
 まあ、これぐらいの手なら俺も取るからお互い様か。
 あれ、今自分で自分が小学生並のヘタレだって言ったか? そうなのか?
 自覚してたのかよ、俺。
「私は、三人」
「三人?」
 三人? とちび弟と心の中で台詞をシンクロさせた。
「お前と、アニキと、ちっさい妹。三人とも同じくらい好き」
「ず、ずるいよそれ!」
 そうだそうだ、とつい口走ってしまいそうになった。いかんいかん、黙っとけ。
「そういうんじゃなくって、その、もっと、もうちょっとちがう……」
「けっこんしたい相手、とか?」
「……そういう話じゃ、ないの?」
「どうかな? でも私はそういう意味でも好きだよ。三人とも」
 えらいませたお子様だな。ちび花火。
 仲の良い相手だからこそ言えるんだろうが、まさか小学生の時分で言うとは。超小学生級だ。

「さて、私は言ったから答えてよ。誰が好き?」
「ぼ、ぼくは……」
「んー? ん、ん、んー?」
 花火の意地悪な声が聞こえる。明かりを点けたらにやにや笑いの顔が見られるであろう。
「ぼくもは、花、はなはな、花火が、す、す……すき……で…………」
「へー、私のこと好きなんだあ。……じゃあ、けっこんする?」
「え。え、え?」
「う、そ、だ、よ。…………っぷ。あはははっ、おもしろい!」
 こやつめ、ハハハ! ハハハ!
 いやはや、ちび花火は上手だな。弟が手玉に取られているじゃないか。
 小学生男子らしい純情な心を持っている弟からすれば、花火の台詞にはどぎまぎさせられっぱなしだろう。
 しかし、それは俺にも言えるわけで。遊ばれているのがちび弟じゃなく小さい俺であっても同じ目にあっているはずだ。


628 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/25(日) 10:40:43 ID:RXIiPa7U
「じゃあ、次。ちっさい妹は? 誰が好き?」
 妹? 妹もこの場に居たのか? 全然気付かなかった。
 それに、今――夢の時間軸から数年経った頃にはとてつもないブラコンになっている妹が、今のやりとりに入ってこないのもおかしい。
 昔と今は違う、ということか。
 幼い頃ならば、一年あれば性格が変わるには十分だものな。
 妹は物心ついた時からブラコンだった訳ではなく、なんらかのきっかけでああなったのだろう。
 それは、この夢の一つ前に見た夢で妹が虐待される光景も関係していたりするのか。
 しかし、二つ夢にあまり共通する部分がないからわからない。俺と妹が登場するところしか重なっていない。
「ほら、早く言いなって。……それとも、ねちゃった?」
「……ううん、きいてた」
「じゃあ答えられるよね。ちっさい妹の好きな男の子はだれ?」
「ちょっとまってて。すぐに、いうから……」
 ちび妹の声は小さくて、人や草木の眠る時間でなければ聞き逃してしまいそうだった。
 中学三年生の妹の声とはまるっきり違う。喋るのを躊躇っている節さえある。
 そのせいでどこにちび妹がいるのかわからない。
 左を向きながら寝そべっている俺の前には、花火と弟がいる。
 その二人の声は聞き取りやすいから位置もわかりやすいが、妹の位置はつかめない。
 肩を掴んできたのだから、弟は俺の前にいる。すると、俺から見れば弟、妹、花火の順。もしくは弟、花火、妹の順か。

 ふと、息を吸う音が聞こえた。背後から。
 え、と? 左を向いている俺の前に弟と花火がいるわけだから、その二人以外、つまり――妹?
 なんで俺の後ろにいるんだ。妹は俺より、弟のことがずっと、ずっと好きなはず。
 だったら、弟のすぐそばで眠りたがるはずなのに。
 どうして?
「あたし、おにいちゃんのことが好き。いつも、まもってくれるから」
 パジャマの背中の部分を引かれる感触。妹が、俺のパジャマを引っ張ったのだ。
 おにいちゃん。妹にとってのそれは、弟のことであるはず。
 でも、それは中学生になった妹の話で、もっと幼い頃の妹の事実とは限らない。
 じゃあ、もしかして、弟じゃなくて、もう一人のおにいちゃん。
 それは――――――――


629 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/25(日) 10:43:49 ID:RXIiPa7U
「それじゃあ最後。アニキの番。アニキは、だれが好き? 
 ごまかしはダメだよ。好きな女の子のこと、ちゃあんと教えてね」
 話を振られ、思考を止められた。
 いいや、頭の中で整理のつかないこの不愉快な感じは止められただけじゃない。
 流れを変えられていた。話の流れに遅れないよう、頭が勝手に思考を開始していた。
 ちび妹にとってのお兄ちゃんより、花火の問いかけが気になる。どうしようもなく。
 かつての自分、小学生の頃の俺が好きだった女の子。今では欠片も思い出せないけど、夢の中とはいえ小学生になっているならわかるはず。
 口が勝手に開いた。誰かに操られているように、ぱくぱくと動き出す。
「……同じクラスの、藤原」
 と、素っ気ない感じで俺は言った。吐き捨てるようでもあった。
 今の答えが、本心からのものではなかったから。夢の中の自分と心がシンクロしているから、そのことがわかる。

 俺は誰も好きじゃなかった。

 それが真実。同じクラスの藤原という女の子も好きじゃなかった。
 嘘でも、無難に妹とか言っておけば良かったのに。
 だって、小さい俺は妹を第一に思っていたんだから。
 今こうして妹を背にしているのは、守るためだったんだから。
 でも、守りたいとは思っていたのは好きだったからじゃない。
 妹が傷つくのが、自分のことのように痛くて、悲しくて、辛かったからだ。

 妹をいじめるあいつが憎かった。
 お父さんとお母さんに挨拶して当たり前のように家に入ってきて、二人の味方でいる振りをして、二人が居なくなった途端に本性を現わす。
 力じゃ敵わないことを知ってて、大人のくせに大人げなく、憎たらしそうに弟と妹を見て、殴って、蹴って、わめき散らした。
 あいつは言ってた。あなたたちのお父さんとお母さんに似ている、あなたの弟と妹が憎いって。お父さんとお母さんのことも憎いって。
 私の気持ちに応えなかった、裏切った。だから憎いんだって。
 たったそれだけの理由で、あいつは妹を泣かせていたんだ。

 この時に本当に言いたかったのは、俺には大嫌いな人間がいるということ。
 だけど言えなかった。だって、お父さんにもお母さんにも、弟にも花火にも、もちろん妹にも言ったことはないんだ。
 一度口にしてしまったら、全てを吐き出してしまいそうだった。
 バットでめった打ちにして、骨ごとちぎれるまで手を噛んで、動けなくなるまで殴りたいなんて、絶対に言えない。
 殺してしまいたいなんて、そんな怖がらせるようなこと、口が裂けても言いたくなかった。

「ねえ」
 背中をつつかれた。続けてパジャマをくいくいと引っ張られる。
 妹が俺を呼んでいたのはわかっていたけど、今振り向いたら怖がらせてしまいそうだったので、返事の代わりに小さく身動ぎした。
 布団の中を移動する音。俺の布団の中に妹が入り込んでいた。
 肩に手の感触があらわれた。うなじの辺りに妹の息がかかる。
 無反応でいると、やがて妹が小さく呟いた。
「ふじわらって、だあれ?」
 聞こえていたが、俺は返事しなかった。何度か肩を揺すぶられたけど、無視した。
 この話が早く終わりますようにと願いながら、ただ目を瞑って呼吸を繰り返した。


630 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/25(日) 10:45:43 ID:RXIiPa7U
*****

「――――て」
 ん?
「起きて。起きて」
 おや珍しい。寝ている俺を起こしに来る人間が弟以外にいるなんて。
 声からして、俺の肩を揺すぶっているのは女の子らしい。
 貴重だ。あまりに貴重すぎる。嬉しすぎる。もう少し幸福感を噛みしめていたいので狸寝入りしよう。
「お願い、起きて。……お願いだから、起きてよおっ!」
 なんだなんだ。やけに逼迫した感じだな。俺が起きないのがそんなに珍しいのか? 
 ――ふうむ。必死になって俺を起こそうとする女の子。可愛いじゃないか。
 これは意地でも起きはすまい。この先二度と経験できないかもしれないから。

 首をがくがくと上下させられても、まぶたを閉じ続ける。
 すると、女の子の声が震えだした。
「いやあ……いや。嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ! 絶対に、やだよ、そんなの! 
 まだ、まだ私、返事してもらってないんだから! 認めないんだから!」
 胸の中心部分に手を乗せられた。仰向けに寝そべっていたから、胸は天井を向いている。
「あなたは、死なせない。助けてみせる。絶対に!」
 ここまで俺のために必死になってくれる女の子がいることに感動した。そして同時に罪悪感が芽生える。
 ちょっとやりすぎたか。そろそろ起きた方が良さそう。
 紙一重ぐらいにまぶたを開く。差し込んでくる光に目を慣れさせる。
 あれ、光? ってことはひょっとして、地下倉庫から脱出できたんじゃ――――――

「ふっ!」
 ぼっ!? 
「ふっ! ふっ! ふっ!」
 ぢょ! ごべ! ぶが!
 胸が、胸が沈んでる! 死ぬ! 肋骨折れる! 心臓破裂! 声が出ねえ!
「死なせ、ないから! ずっと一緒に、いるんだから! お願い、起きて!」
 死んでません意識はありますちゃんと呼吸も出来ます、お友達になりましょう!
 だから、胸を、押さないで。やめ、て…………。
 ――あ、思い出した。
 昔、学校に救急隊員の人が講習に来て、心臓マッサージのやり方を実践してくれた時に言ってた。
 心臓マッサージは意識のある人には絶対にしないでくださいね、って。とっても危険ですから、って。
 そっかあ。こういうことだったんだ。
 危険すぎる。ここではないどこかにとんでしまいそうだ。たとえば、三途の川のほとりとか。

 ほどなくして、祈りが通じたのか、胸への圧迫が止まった。止めてくれたのだ。
 だけど、脳とか内臓とかが穴からはみ出しそうだ。はみ出すというより、皮膚を突き破って飛び出しそう。
 今のはきっと、欲望に忠実になって狸寝入りした罰なんだろう。むべなるかな、むべなるかな。俺が馬鹿だったようだ。


631 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/05/25(日) 10:49:35 ID:RXIiPa7U
 混濁する意識の中、女の子の独り言を耳にした。
「マッサージの次は、たしかこう……首を上に持ち上げて……い、息を…………」
 額に手を添えられ、顎を指先で押された。額から手が離れ、鼻をつままれる。いわゆる気道確保。
 その次は……………………人工呼吸?
「し、仕方ないよね。時間は大事だから、それにこれは救助なんだから。しっかり、やらなくちゃ」
 だめだダメだ駄目だ! 絶対駄目! やっちゃ駄目!
 人工呼吸だから、この子から息をもらう。マウストゥマウス、いわゆる口と口が繋げるかたちで。
 たしかに、嬉しいよ!? 嬉しいけど、俺の心に邪な気持ちがあったら、またさっきみたいになってしまう。
 これまでの経験からして、予想を裏切らない結果になることはわかりきっている。
 今度こそ昇天してしまう。嫌だ、まだ俺は死にたくない!
 お願いだ。心音と呼吸の確認を! 返事できないだけで意識はありますから!
「い、いくよ。いくからね。初めてなんだから、なんだから……責任、よろしく!」
 ちくしょう、冗談じゃなく体が動かない。頭をがっちり掴まれてる。

 ――もう、俺は駄目だ。
 手遅れになってしまった。
 ごめん、皆。
 父、それと母。先立つ不幸を許してくれ。
 高橋、篤子女史とお幸せに。
 澄子ちゃん、君がいつか自分の過ちに気付くことを願うよ。
 花火、傷つけてしまって、済まなかった。もう一度、ちゃんと謝りたかった。
 妹、頼りないお兄さんで済まない。結局弟を連れ帰れなかった。
 葉月さん、返事できなくって、ごめん。君のこと、俺は大事な人だと思ってた。
 最後に、弟。死ぬんじゃねえぞ。
 
 唇を極上の感触で包み込まれた。予期せぬ形で入り込んでくる息に合わせ、吸気する。
 長く長く長く――――――嘘みたいに長く、息を吹き込まれる。
 いつまで待っても唇が離れない。入り込んでくる息が強すぎて、吐き出せない。


 女の子との初めての接吻は、空気の味がとっても濃厚で。
 あっという間に俺の意識は霞み、重さを無くし、たいして強くもない風に吹かれて飛んでいった。


632 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 10:52:35 ID:RXIiPa7U
次回に続きます。

ちなみに、この兄貴はしぶとく生きていますので、ご心配は無用です。

633 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 10:53:17 ID:Rmw34sXC
リアルタイムGJじゃ

634 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 10:54:55 ID:Rmw34sXC
ファンブックまだ読んでないんだがそんなに強いんか…
最初のころの説明では拳で岩砕き下駄はいてフルマラソンするとかだっけ?

635 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 10:55:25 ID:Rmw34sXC
誤爆スマソ

636 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 10:55:55 ID:lXyiXplG
リアルタイムGJ!

637 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 11:10:18 ID:5LMpwYoo
GJ! すばらしいGJ!
過去がっ!!

か・・・片やm(ry
いえなんでもないです。

638 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 11:20:35 ID:mrqmnujh
GJ!
冷静に考えたら、この化け物集団で一番の化け物は兄なんじゃないかと思えてきたw

639 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 11:21:25 ID:mrqmnujh
sage忘れた。スマソ

640 :saga:2008/05/25(日) 12:03:11 ID:8nVVXk3y
GJ 兄貴のしぶとさに期待します!

641 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 12:24:31 ID:u2StUsk2
GJ おや?、妹にもデレ期があったようですね?

642 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 14:25:24 ID:o1l/+qNz
GJ!!
過去が気になるなぁ

643 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 15:46:58 ID:qDiVDmtO
前の回想で兄貴が殺したのが児童虐待犯?
じゃあ花火にも傷が残ってるのは何で?
マジで気になる。
話も盛り上がってきたし、いい感じだなあGJ。

644 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 16:51:48 ID:MQqtxrOv
花火の親が虐待犯とか

645 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 18:55:30 ID:mhpgGQYj
GJ!
兄貴のしぶとさに感動しました!

646 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 18:56:03 ID:E4i7eVDc
明らかに勘違い
そして、それを利用する人間が一人?

面白かったぜ、GJ!
定期的に投下してくれるから嬉しいな


647 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 00:48:07 ID:LrgQZvdy
病んでる妹はこっちかキモウトスレか

648 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 00:49:26 ID:Dvyx4VZ1
妹メインならあっちじゃない?

649 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 00:51:35 ID:kVKQfjwj
妹に愛される主人公が兄ならキモウトスレ、ってのは聞いたことないからキモ姉&キモウトを書こう!スレか?
兄以外の男を愛してヤンデルならここだな

650 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 01:02:39 ID:LrgQZvdy
把握した。つまりは近親相姦の有無かどうかか。
別に何か書き終わってるわけじゃないが逝ってくるノシ

651 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 01:06:55 ID:kVKQfjwj
ここじゃあないんだな・・・・・・

652 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 04:20:47 ID:a3cr66et
ヤンデレなら別にここでかまわんよ。
そもそもあっちが立った経緯は……って書くとまた荒れるからやめとくが。
明確に区分けされてるわけじゃないんだ。

653 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 05:52:28 ID:TZL1pd9N
>>650兄さんのSSはいもうとの物なんだから!
絶対他人になんて渡さないんだから!!

654 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 08:20:07 ID:0eqScccJ
>>653
それはキモ姉妹スレで言うべき発言ではなかろうか……?

655 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 10:37:24 ID:tNGhjqop
敏感すぎだ
自治厨呼ばわりされるぞ

656 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 11:14:54 ID:aZojNhzS
キモ姉&キモウトできた経緯は荒らしを島流しするためと
立てた俺が言ってみる

657 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 11:58:20 ID:OskDL870
知ってる
だから必要があってスレが分離した訳じゃないから、
内容は重複してるし分けようとする方が無理なんだよ。
あまり細かく考えても仕方ない

658 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 12:52:29 ID:Dvyx4VZ1
まぁいまのとこ特に問題もないわけだし現状維持でいいんじゃない

659 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 17:43:36 ID:Fehm/06Y
>>656
それガセって聞いた。どちらにせよ既に完全に分離した感じだけどな

まあ現状維持でいい。嵐も分散して薄れるし、あっちはあっちで楽しく殺ってる

660 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 18:47:14 ID:KN/hC0zf
どちらも好きな俺的にはまぁ別に良いんだけどな。

661 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 19:07:57 ID:e/TEH+FR
荒らしが建てたスレっていう認識だったんだが

662 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 21:01:28 ID:zW0IZdqP
今はあのスレ結構な良スレになっちゃたけどねー

663 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 21:34:57 ID:OskDL870
いやあ…上で書き込んだ俺が言うのもなんだが、この流れ止めない?
そろそろスレ違いって怒られそうだ

664 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 22:27:58 ID:5WfteFni
>>663
いいか、俺たちは、そろそろスレ違いって怒られそうだ、なんて言葉は使う必要がねぇんだ
なぜなら怒られそうだって思ったときにはもう既にッ
怒られちまってるあとだからだ








ごめんなさい

665 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 22:44:42 ID:0lRUa3zO
キモ姉とキモウトとキモ馴染みに囲まれて代わる代わる逆レイプされたい

666 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 22:58:17 ID:uhLV2ZPy
それ以前に奪い合いにならないか?

667 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 23:06:18 ID:xqMuKKWf
問1 以下の事態が起った場合を想定せよ。

主人公が記憶喪失に陥った場合、
ヤンデレヒロイン達はどのような行動を執るか?

668 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 23:24:20 ID:zW0IZdqP
答 あること無い事吹き込む。
模範解答 「赤ちゃん出来たの。責任とってね(はあと)」

669 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 23:50:22 ID:HvvIb7d1
>>668
ちょっと待て。
ヤンデレヒロイン”達”
つまり複数形になってないか?

670 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 23:50:50 ID:sBwZj5bB
A、原因にもよるが、共通する点としては、自分が主人公の彼女、もしくはそれ以上の存在だとして、ヒロインの妄想を事実として吹き込む

671 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 23:57:57 ID:Vs+Ercse
答2
入院中であるのをいいことに、純粋培養状態でシナリオどおりに手なずけて行く。
「男くん、私たち恋人同士だったんだよ。忘れちゃったの?」

もちろん、主人公に目を付けた看護士や若い女性患者たちは密かに抹殺する。
並行して既成事実を重ね、ゴールインへ。

672 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:02:09 ID:MlKmuWHo
ヤンデレになるには戦闘力と頭脳と金がいるよな






もちろん愛もだが

673 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:22:23 ID:weRoSdgz
たわけ! 愛さえあれば十分だ

674 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:44:51 ID:JWnvoiUQ
ヤンデレとは1%の行動力と99%の愛である。

675 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:51:09 ID:bcNrjOmO
ヤンデレって、純粋な愛だよな

676 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 01:05:32 ID:MlKmuWHo
>>674
全エジソンが泣いた

677 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 01:20:28 ID:nsnUYumR
ヤンデレってあれでしょ
ちょっと幼馴染の女の子と喧嘩して、主人公が1週間無視すると
幼馴染がどんどんと病んでゆくんでしょ

まあ、大好きな主人公に嫌われたかもしれないと思っただけで本当に病むからな
幼馴染という人種はw

678 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 01:27:25 ID:nsnUYumR
しかし、ボタンを掛け違えた幼馴染がどんどんとヤンデレになる姿はスレ住人としては生唾もんでしょうね
気軽に会話していた主人公に無視されるというのは幼馴染的にどれだけの精神的なダメージが……


679 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 01:48:49 ID:1E6J3+RT
金以外は愛の結果だろ。誰だって自分の好きなものに対しては平時以上の能力を発揮できる
愛ゆえに肉体のリミッター解除
愛ゆえに脳の超高速回転

680 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 01:58:33 ID:AWWcYhsK
女性でも痛覚取り除けば五百円玉を指で挟んで曲げられると言うからな
ましてやヤンデレ娘の愛ならば筋力の完全使用なんざ朝飯前だろう

681 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 02:32:28 ID:zi+eiYjm
最近ほのぼの純愛の女さんはもはや化け物だからなぁ
そこまでいくとなんか、あれだな、ほどほどが一番だな

682 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 02:46:45 ID:WI1jFD4O
男「今日こそ女さんに見つかる前に逃げるぞ!」
女「くすん、逃げ出すなんて酷いです男くん…」
男「お、女さん、ちょ、なにも泣かなくても…そこのギャラリー!俺は無実だ、なにもしてない!
  認知してやれとかゴムつけろとか大きな誤解だ!女さんも泣き止んでくれよ」
女「…泣くのやめたら手をつないでくれますか?」
男「結婚とか監禁とか駆け落ちとかでないのなら、俺に張られつつある外道男という
  レッテルを剥がすためにそのくらいは妥協しよう」
女「それじゃあ失礼して…ぽっ、男くんの手暖かいです」


>>681ほどほど純愛?

683 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 04:31:06 ID:OpNXv5nD
財力で思い出した
ナデシコのアクアマリンってヤンデレにカウントできない?

684 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 05:09:49 ID:OpNXv5nD
>>667
病み子からすりゃピンチでありチャンスだろうね
とりあえず、面白そうなので「他に主人公の面倒を看てくれる(まともな)幼なじみがいた場合」。

初手を取られてるので、刷り込みじみた洗脳は不可能。正攻法では二人きりになるチャンスもなかなかこない。
下手に動けば幼なじみが主に警告しちゃうだろうし。かといって時間が経ちすぎるとHAPPY ENDフラグ(幼なじみ視点)が成立しそう。
要は水月における雪さんと犬耳を、同時に敵に回さなきゃならんわけだ。やばい。難しいってレベルじゃない。

やっぱりここは二人の信頼関係を破壊するところから始めなきゃならない。
幼なじみ(や恋人同士)でもナイーブな問題はあるだろうし、偽善者スマイルでその話題を出せば短時間なら二人の仲を裂けるはず。
そこから二人きりの時間を作りだし、「誰にも言えない二人だけの秘密」の過去をでっちあげる。
「主人公が相談出来ないことがある」ってのは幼なじみのアドバンテージを奪うことに繋げられる。
とりあえず続きは次回

685 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 07:16:17 ID:OxDMXy3J
記憶喪失を良い事に色々吹き込み、体の関係へ。
「●●君、いつも私をこんな風に突いてたんだよ。」
「いつも激しく私を求めて来て…」
みたいな感じ。

686 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 09:03:02 ID:UpIK35r2
>>682
今のほの純スレはそんな感じだよ

687 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 10:23:09 ID:mwnjwBtM
計画的純愛
……純愛?

688 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 12:43:07 ID:1E6J3+RT
>>686
URLくれ

689 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 14:32:37 ID:WI1jFD4O
>>688
板検しようよ

690 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 14:34:17 ID:CFCqsWms
>>688
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1195144091/
はい。

691 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 17:33:59 ID:xVWLrCaw
>>685
ひでえwww

692 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 18:30:34 ID:1E6J3+RT
>>690
thx
これはいい純愛

693 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 19:35:27 ID:Y2PT3eJU
>>690
こんな良スレがあったなんて…

694 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 19:47:03 ID:pVmKBoPx
宣伝すんなVIPPER
死ね

695 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 20:35:07 ID:OxDMXy3J
ヤンデレの子と結婚しました。
その結婚生活は一体…?
妄想・想像してみてくれ。

696 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 20:36:40 ID:WNjtBfdW
男がしっかりしてたらただの仲の良い夫婦だろうな

697 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 21:13:06 ID:W5utGCcg
だめ夫だと臨時保管庫の病み妻みたいになるのか

698 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 22:50:23 ID:/nPTySul
>>696
しかっりしてる→夫に惹かれた雌猫が擦り寄ってくる→妻発狂
つまりどう足掻いても波乱は起きると

699 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 22:50:44 ID:/nPTySul
しっかりだ、すまねぇ

700 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 23:01:43 ID:mV7VhGDd
だめ夫がやる夫の一種かと一瞬でも思ってしまった。

701 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 23:08:45 ID:N2BRC4he
>だめ夫がやる夫の一種
素晴らしくうざそうな奴だな、もしかしたら誠に勝つかも試練

702 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 23:39:55 ID:lVT66CFL
ちょっと待ってほしい、ヤンデレの夫ということは何年もヤンデレの熱烈な求愛行動から生き残り続けた
対ヤンデレのエキスパートといえないだろうか

ヤンデレな現妻の危険性を認知して、生命の危機を巧みにかわし、すかしつつ
刺激を与えず、絶妙なタイミングで飴を与えるような綱渡り的な技能を持ち
その人生のほとんどをヤンデレに対する対処に費やすような人物でなければ

って、あれ… これヤンデレじゃね

703 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 23:46:03 ID:8KHBX789
奥さん一筋なら幸せな生活送れるな>ヤンデレの夫


夫に手を出そうとする泥棒猫を牽制するヤンデレ
そんな事に全く気付かずのほほんと暮らす夫


理想的だ…

704 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:46:45 ID:XQB+Owqs
娘の存在はどうした…?

705 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 01:32:59 ID:G0zvWEK6
娘 「おおきくなったら、おとーさんのおよめさんになるの」
父 「ははは、待っているよ」
娘 「……ええ、アノ女を始末するまで、もう暫くお待ちくださいね」

706 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 01:56:06 ID:TMB5fGxl
漢字増えすぎワロタ

707 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 17:05:36 ID:uzq9Fd+u
>娘 「おおきくなったら、おとーさんのおよめさんになるの」
可愛いな〜(*´∀`)和む
>娘 「……ええ、アノ女を始末するまで、もう暫くお待ちくださいね」
ゾクッ(lil´Д`li)

708 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 18:44:27 ID:o5Lh2cQG
「こんばんは●●さんの旦那さん、この間のお礼に今度ウチに遊びに来ない?」
「いやいや▲さん、町内会長としての勤めを果たしただけですよハハハ…」
数日後…
「ニュースです、▲芳恵さん(32)の遺体が■港で発見されました。警察では自殺と事件の両面…」
「最近、事件多いわね〜」
「お前も気を付けろよ〜最近変質者多いし。」
(そんなのが来ても逆にバラしてやるわ)
「うん、気を付けるわ。あなたこそ襲われないようにね。」

709 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 07:49:20 ID:eLHn8LZ9
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080529-00000017-nnp-l40
ババアという点が非常に残念

710 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 14:25:54 ID:DuzjBxtI
想像力が貧困だな
58歳の幼女に決まってるだろう
異論は認めない

711 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 17:28:40 ID:MwPkgDsq
さくらさんなんか70近いしな。
ババァ可愛い

712 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 18:30:37 ID:UqDM1zrA
>>710
58歳の幼女って二通りあるよな、幼女にしか見えない58歳、58歳にしか見えない幼女。
どっち?

713 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 18:45:17 ID:MwPkgDsq
屋久島の千年杉からしたら58など幼女も幼女、赤ん坊だわな

714 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 19:17:48 ID:wuzCme46
お前らせめてデモンべインのアル位は言ってやれよ

715 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 20:23:25 ID:zndQ21Nn
人間だったのか、人間に扮装した人外の存在だったのか。それが問題だ。

716 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 22:02:39 ID:MRACkAXA
雑談なら他でやれやクソ共が!!

717 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 22:09:19 ID:LmZp+KXG
と、ヤンデレが申しております

718 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 22:10:21 ID:C5/WS/V2
いやいやこういう雑談から
インスパイヤされることだってあるんだから

保守代わりにもなるし

719 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 00:04:53 ID:Eku9+eSo
>>716
まあまあ、ヤンデレのお友達を探してみたが見つからなかったからってここで爆発させることはない。

720 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 01:31:00 ID:F3e64BP7
問2 以下の事態が起った場合を想定せよ。

主人公に飲ませようと用意した惚れ薬を
誤ってヤンデレヒロインの方が飲んでしまった場合、
どのような反応が起こる?

721 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 02:44:10 ID:vGBcozYQ
>>720
そういえばそういうSSあったような希ガス

と、言うか一昨日俺のPC(4代目・愛称弐号機)がお亡くなりになった。
それと共に、書き溜めていたSSもお亡くなりになった。
スレのみんな!オラにヤンデレ分をわけてくれ!

722 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 02:46:01 ID:u+njfJQa
>>721
おまえ前日にPCショップかショップのHPに行かなかったか?
もし行ったのなら、そういうことだ。

723 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 07:04:33 ID:15NZbi1E
>>720
映画の1941年版「奥様は魔女」
(魔女っ娘がヴェロニカ・レイクで、監督がハリウッドへ亡命中だった巨匠ルネ・クレール)
では、お間抜けな魔女っ娘が
ターゲットのフレドリック・マーチに飲ませようとした惚れ薬を、間違えて自分で飲んじゃって、
散々騒動を起こした末、マーチの婚約者をドタバタで排除して自分が妻に納まってしまうんだよな……

これはかなり古い例だが

724 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 07:41:55 ID:betx3oFo
ごく普通に泥棒猫を排除しちゃったのか

725 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 08:34:58 ID:ABI1Tq06
もともと愛で動く人だしねぇ。

ヤンデレヒロインが、ターゲットとは別の男も好きになってしまったらどうなるんだろう。
全くあり得ない話ではないと思う。

726 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 09:00:45 ID:m5ll++w0
>>725
それは惚れ薬を飲んだときの話だよな?
それならば確かにありえない話でもない。まったく想像もつかないな

727 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 10:16:16 ID:ABI1Tq06
よく考えてみたら素ではほとんどあり得ないな……。
穏やかな病みを持ちながら衝動的な愛情を覚えたタイプならあるかな、とは思ったんだ。
揺れ動く心の間で病みの素質を開花させた、とか。……例がないな。

もちろん我妻由乃あたりだと全くあり得ないな。惚れ薬ですら無意味になるかも

728 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 10:30:46 ID:m5ll++w0
>>727
素で心移りするってのはヤンデレってより狂デレだな
ヤンデレとは異なる

729 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 11:55:05 ID:jiC4OdD6
ふと思ったんだが、ヤンデレを止めたり正気に戻すことは出来るのだろうか?
一度発症したら治らないってイメージあるが「病む」ってことは不治でない限り治るのではないか?

730 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 12:38:17 ID:m5ll++w0
>>729
軽度ならば満たされてる間は正気だろうよ
ただ、不治の病もあるわけで

731 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 12:42:50 ID:+D2jD5vF
恋は不治の病とか言うが。・・・まあどうでもいいや。
確か前に彼が治して元に戻った作品もあった。
どっちにしても二人はハッピーエンドになるというのも
ヤンデレ話の特徴。

732 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 14:23:01 ID:yKgaZX2g
>>703のネタに萌えて書いた。今は反省はしている。
エロ無し小ネタでごめん。


12月某日 晴れ

夜、仕事を終えアパートに着くと、家の戸の前で音もなくうずくまっている妻を発見。
声をかけるとパッと顔を上げて抱きついてきた。恥ずかしいが思わずにやける。
この寒い中健気に外で待っていてくれていたらしい妻を連れて帰宅。
戸を開けると、とたんに妻お手製の手料理の匂いが鼻腔をくすぐって思わず腹が鳴りそうになる。
着替えを手早く済ませてさっそく食事。酒のつまみ程度のものから豪華なディナーまで、種類を問わず妻の作る料理は何でも美味い。
確か初めて食べた時は美味いと感じるだけだったのに、何度も食べているうちに妻の料理を食べると妙に気力が湧いてくるようになって、
今ではすっかり舌が肥えて妻以外の作った料理が美味しく感じられなくなってしまったんだっけ。美味すぎる料理というのも考えものだ。
中毒症状ってこんな感じなのかもしれない。冗談交じりに薬でも入ってるのかと訊いてみる。
「あなたはとってもじょうぶですし、わたしの愛情とまぜればどんなおくすりだってへいきですよ」なんて返す妻。
勿論怪しげな薬なんかが入っている訳はないけれど、こうして毎日妻の手料理を食べられる俺は本当に幸せだと思う。

料理を食べ、しばらくのんびりとテレビ鑑賞。人気アイドルが精神衰弱で入院、というニュースが流れていた。
そのアイドルはつい昨日見たバラエティ番組で笑顔を振りまいていて、
やっぱり可愛いな、人気あるのもわかるななどと妻と話したばかりだったので驚いた。
ほんとうですね、と洗い物を終えていつの間にか背後に立っていた妻が言う。
「でも、あのくらいのおしおきでまいってしまうようではあなたの目にうつる資格なんてありませんよ。
 5分もたたずに泣きだしちゃったんですから、あのひと」そう言ってぶちりとテレビの電源を消す。
…どうやら妻は俺よりもずっと詳しい事情を知っているようだ。
野次馬根性で訊いてみようかとも思ったけど、微笑む妻を見つめているうちにそんなアイドルのことはどうでもいいような気がしてきた。
それに何故だかひどく眠い。満腹なせいかな…
どうかしたんですか?と不思議そうに小首をかしげる妻に眠気を訴える。
「ここのところあなたは残業ばっかりでしたから、おつかれなんですよ。いちどぐっすりねむったほうがいいです」
妻に支えられながら寝室へ。上手く足が動かず、ふらふらしながらベッドに倒れ込む。
こんなに急に眠くなるなんて…自分では気付かなかったけど、妻の言うとおり俺は相当疲れていたようだ。
明日は会社も休みだし、今夜は二人で存分にいちゃついてやろうと思っていたのに…無念。
どうやら添い寝をしてくれるらしい妻を抱きしめて悔しさを紛らわせる。
妻はさきほどからずっと俺の顔ばかり見つめている。無言で。
照れくささを覚えつつ気絶するように就寝。明日は二人で買い物にでも行こう。



733 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 16:27:31 ID:l9Rv08uo
>>732
まさか何気なく書いた妄想を形にしてくれるとは…
GJ!!と言う言葉を贈りたい


734 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 18:36:14 ID:CD0hglGv
>>732は天才

735 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 18:47:01 ID:068ruAIx
1月某日まだー!!!!

736 :732:2008/05/30(金) 23:19:47 ID:vwlxpr91
>>733-735
ありがとう
でもこういうの書いたの初めてだから全体的に日本語でおkな文章で読みづらくて申し訳ない
あとタイトル付け忘れてた
「ヤンデレ妻と私の姿(平凡な日常編)」です

737 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 23:53:40 ID:xUJUDCxO
>>736
あんた最高だぜ

738 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 00:13:24 ID:XkZBFsYE
>>736
出来ることなら続き書いてください。ヤン妻好きなんですハァハァ

739 :732:2008/05/31(土) 00:18:57 ID:NYFrnUgn
>>737
ありがとうあんたも最高だぜ

そしてタイトルが保管庫の作品とちょっと被ってしまって恥ずかしくてうわあああ(ry
なので「ヤンデレ妻と平凡な日常」にかえますそうします

740 :732:2008/05/31(土) 00:22:57 ID:NYFrnUgn
もたもたしてる間にありがたいレスが…何度も書き込んでごめんね
>>738
妄想だけはひろがりんぐなので、形に出来たらまた投下します

741 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 01:08:06 ID:zugEAURX
>>739-740
これからも書くことになるかも知れないから言っとくけど
そういった書き手のレス返しは、叩きの原因になるから以降自重した方がいいよ
俺にも分かったとかレスは返さなくていい、おせっかいかも試練が理解してくれ

742 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 02:59:17 ID:rRCLXnef
>>736
初めて書き手になったヤツの宿命よな
まあ落ち着け。そしてGJだ。

しかし人妻のヤンデレとか良いな。夫に尽くすヤンデレとか超興奮しますよ


743 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 08:16:57 ID:SVJ9SO3y
そして伝説へ……

744 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 12:49:41 ID:6uLbWqOH
問3 以下の事態が起った場合を想定せよ。

DV男にヤンデレヒロインが惚れてしまった場合、
どのような展開になる?

745 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 13:11:15 ID:EXG6Rie0
壮絶なマゾになって環境に適応する。

746 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 14:30:15 ID:tujUXeFJ
‘お仕置き’と言う名目で壮絶に痛め付けた後、濃厚に愛する。
強烈な飴と鞭で男を調教。
三週間の監禁生活が終わった時、男の威勢(虚勢)は消え従順な雄がそこにいた。         

747 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 14:32:29 ID:3Ex/kr1V
参考までに
カルタグラの由良様は主人公に拳銃で撃たれたときに
「彼の男根で貫かれてるみたいで興奮する」って考えてたらしいです

748 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 18:39:28 ID:igstcr0M
とある女は男に斬りつけられながら絶頂に至ったらしいぞ

749 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 21:00:20 ID:tujUXeFJ
ネタ ヤンデレブートキャンプ。
初日。 「私は、先任軍曹の闇輝音那だ。貴様等は厳しい私を嫌う!」大部屋にズラリと並んだ訓練生の前を練り歩く闇輝。
「あの人、二十歳前かしら?」一人の少女が呟く。
「誰だ!喋ったバカモノは!…答え無し?魔女のババアか!」声のした方に歩いてくる闇輝。
「貴様か?そんなにイヤなら帰れ。」適当に当たりを付け冷酷に言い放つ闇輝。
「私です!」横の少女が名乗りを上げた。
「名前は?」「三沢志那乃です。」
「気に入った、家に来て弟をファックしても良いぞ。」言いつつ志那乃の腹を一発殴る闇輝。
「泣いたり笑ったりできなくなるまでタップリ可愛がってやる!」
「いい話だ、よく聞け。ウチの食堂では巨乳定食はださん。」
胸が大きめの娘の前で止まる闇輝。
「お前の名前はビックバスト二等兵だ。良い名だろ?」
「ちょ…はい。」抗議しようとしたが眼光に負けた。
「口からクソ垂れる前と後にsirと付けろ!」


750 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 21:17:41 ID:lNWX82AQ
主人公を誘惑したニコ目の先輩を微笑みデブ呼ばわりするんですね。わかります

751 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 21:27:22 ID:PwJe5d+/
傍観者まだ?

752 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 21:32:30 ID:0W/Q+DsD
ヤンデレ広まってきてるけど確実にメンヘラと混同されつつあるね

753 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 22:03:43 ID:SVJ9SO3y
やっぱり、スクールデイズの鮮血エンドの影響かね。
刃物持って、輝きのない目をして、高笑いすればヤンデレと思われるのは。
スクールデイズは悪くないけどね。
イメージが先行しているのかも。
そう考えると、ひぐらしのレナも誤解されているわけだから、ある意味被害者ではある。

754 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 22:18:39 ID:ylhKRMSg
>>752>>753
もうその手の話は…

755 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 22:23:23 ID:P3YavxTL
俺は説明するとき、ヤンデレのヤンはすなわちデレと説明することにしている

756 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 22:56:55 ID:duUdBFhS
>>752.753.755
その話はもうお腹いっぱいなんだぜ

757 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 23:10:29 ID:BZU0geLa
>>751
まだっていうほど期間開いてないだろ
楽しみなのは分かるが、作者のことも考えようぜ

758 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 23:16:39 ID:vVp89UsD
やんぱんまん

759 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 23:23:52 ID:BZU0geLa
愛と狂気だけが友達なのか

760 :名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 23:42:13 ID:Ts6tlCE6
今現在、臨時保管庫のスポンサードリンク
「ヤンデレ大全」「ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD」「ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCDぎゃーーーっ!」
こればっかり出て来る、完璧だがちょっと怖い

761 :名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 00:26:36 ID:HivnVanM
何となく続き。ヤンデレブートキャンプ一週間目。
ここは某県山中、病み女とキモ姉妹気取りが通う十二週制海兵隊式訓練所だ。
「アイツに届けよこの想い!」
「「アイツに届けよこの想い!」」まずは基礎体力を付ける訓練から始まった。
闇輝の後に続いて歌う訓練生達。軍曹ソングに乗せて今日も走り続ける。
その後、障害突破訓練に移行する。
「何やってる!上で彼が泥棒猫に襲われてたら登るだろ!」一段目の障害に跳び付けない少女に向かって叫ぶ闇輝。
四週間目、格闘訓練が始まり、銃剣道の訓練開始と共に銃の訓練も始まった。
「諸君、加藤鷹を昇天させた、ピンクパンティー越しの冒険はもう終わりだ。」
就寝前に訓示を行う闇輝。
「今日から貴様等が使えるオモチャはM14だけだ。」
こうして訓練生達は眠りに付く。  

762 :注意書き ◆AO.z.DwhC. :2008/06/01(日) 01:07:18 ID:IVExRprK
男視点とヤンデレ視点の日常話です。
エロは仄めかす程度にあります。
よろしければお付き合いください。


763 :日常:2008/06/01(日) 01:08:34 ID:IVExRprK

夕日が空を真っ赤に染めて、遠い地平へとすべり落ちていく。
教室はその光を受けて濃いオレンジ色に包まれていて、まるで見知らぬ場所のようだ。
ぼんやりと机に肘をついて見るとも無しに運動部連中が忙しなく動き回るグランドを見下
ろす。

ふと、昨日やっていたロードショーの悪役を真似して呟きたくなったので、こっそりと口
に出してみる。
「みろ! 人がゴミのようだァー! ははははは!」
勘でやってみたら、似ても似つかないものになったので、誤魔化すように口笛を吹いてい
ると、教室の引き戸がガラリと開いた。
「涼ちゃん、帰ろ! 待っててくれたなんて嬉しいな。今日おばさんいないんだってね、
料理作ってあげてって頼まれちゃった」
引き戸を開けてから、一息に言い切った少女は嬉しげに俺に近づいてくる。
セーラー服のスカーフを靡かせながら小走りにこちらに向かってくる様子は、まるでどこ
かのアイドルのグラビアめいて可愛らしい。

少女――小山内恵美(おさないめぐみ)は俺の幼馴染にして、校内一の栄誉をほしいままにす
る美少女である。
栗色の長い髪はあくまですべらかに美しく、ミルク色の透明感に溢れる肌にはしみ一つな
い。
顔の造形は可愛らしさと美しさを絶妙に兼ね備えていて、完璧な造りの二重瞼はすっきり
と美しく、しかし肉厚の唇はふっくらと可愛らしかった。
すらりと伸びた手足は、一見して華奢に見えるが、つくべきところにはきっちりと肉がつ
いた、素晴らしいプロポーションであることを、恵美は水泳の授業で証明してみせた。
その所為で、途中から選択水泳ではなく必須に取り入れてくれと男子生徒が血涙を流した
らしいが。

ともかくも、実に麗しい幼馴染どのは、今日も今日とて、俺の腕を取ると無理やり机から
立ち上がらせた。
「涼ちゃん、なに食べたい? やっぱりハンバーグが好き? グラタンにする?」
「あー……なんでもいいや。恵美のはなんでも美味いしな」
立ち上がらされたまま、鞄に適当に荷物を詰め込みながらそう答えると、恵美きもじもじ
と身体を揺らす。
「りょ、涼ちゃんてばー、もう!」
「痛っ! おま、叩くなよ。痛いよ」
バシバシと背中を叩く恵美に抗議すると、彼女はえへへ、と笑ってそれを誤魔化した。
なにやら照れているらしい。褒め言葉なんか聞きなれているはずの恵美が、どうしてまた。
不思議に思ってマジマジと顔を眺めると、どう考えても人種が違うとしか思えないような
美しい顔立ちが仄かに赤く染まっている。


764 :日常:2008/06/01(日) 01:09:03 ID:IVExRprK

「恵美、顔赤いぞ? 熱でもあんのか?」
「う、ううん……大丈夫。それより涼ちゃん、また絡まれたんだって? お昼休みいない
と思ったら、なんか怖い人たちに連れてかれてたって佐々木くんから聞いたよ!」
ぶんぶんと首をふった後、恵美は一転して心配そうに眉を寄せる。
「また絡まれた」というのは、言わずもがな、恵美という美少女の隣にどう見ても釣り合
わない俺みたいな男がいる所為だ。
所謂やっかみなのだが、どうにも俺への風当たりは強い。
蹴りつけられて痛む腹を抱えながら、頭に手を乗せると、恵美はぴくりと頭を振るわせる。
「あれなあ……恵美、俺たちそろそろ一緒に帰ったりすんのやめないか? そもそも……」
ため息まじりにそう言うと、食って掛かりそうな恵美の顔に二の句が告げなくなる。
美人が怒ると怖いと聞くが、美少女の怒りはものすさまじい。
般若のように顔を歪める恵美は、白い頬を朱に染めてこちらをにらみつけた。
「お、落ち着けよ……。べつに、俺だってお前といたくないわけじゃないよ。恵美は大事
な幼馴染だし」
「…………誰?」
「へっ?」
「涼ちゃんに、そういうくだらないこと吹き込んだの、誰? 涼ちゃんが私とのことそう
言う風に考えるのって、昔から絶対誰かに言われてからだもん! 誰?」
宥めるように肩を抱くと、恵美は低い声で俺を問い詰め始める。
しどろもどろになって弁解を試みるが、実際に恵美の推理どおりであるからして、なかな
か難しい。
なんとか名前を出さずに誤魔化そうとするが、恵美は追及の手を緩めない。
思えば、昔からこうなった恵美には逆らいきれた試しがなかったなあ、とため息をつきな
がら、俺は遠い夕日を見つめた。


***


まだずっと幼い頃だ。
まがりなりにも高校生になった俺が、今の半分も身長がなく、恵美よりも低かったときの
こと。
小学生だった俺らはその頃から変わらず仲がよく、いつも一緒に遊んでいた。
俺はその頃から恵美との関係に対する認識を、お隣さんというだけの繋がりから、大事な
幼馴染だという認識に変えていったように思う。
恵美は昔から綺麗で可愛かったが、その頃はずっとお転婆で勇敢で、一緒にいて飽きるこ


765 :日常:2008/06/01(日) 01:10:11 ID:IVExRprK
とが無かった。
「涼ちゃん! 今日は探検だよ!」
可愛らしい声で誘いにくる恵美を、ランドセルを放り出して追いかけるのが楽しかった。
一緒に泥だらけになって叱られたこともあった。

小学校も高学年になると、それまでのように全く男女の隔てのない付き合いというのは難
しくなる。
なにしろ恵美は美少女だったので、クラスの色気づいた男子は彼女にちょっかいをかけて
はあっさりと玉砕し、その八つ当たりに俺を怒鳴りつけた。
「なんでいつまでも女なんかとつるんでるんだよ! お前も女なんじゃねーの?」
その言葉に反論しつつも、俺は心のどこかに棘が刺さったような気分になった。
それは恵美との純粋で楽しい関係が崩れてしまったことへの悲しみかもしれないし、ただ
単に侮辱されたのが悔しかっただけかもしれない。
ともかくも、俺はその時初めて恵美との関係に疑問を差し挟むことになった。

幼い俺は幼いなりに必死に考えて、泣きそうになるのを堪えて恵美に言った。
「俺、もう恵美ちゃんと遊ばない」
「…………なんで?」
俺が一大決心をして望んだ、絶交宣言に恵みは茶色い目を見開いてそう答えた。
その透明な眼差しに怯みながら、俺は聞きかじった知識で恵美に畳み掛ける。
「男と女が2人だけで一緒に遊ぶのは、いやらしいんだってさ。俺は恵美ちゃんに迷惑か
けんのやだから、もう一緒に学校行くのもやめるし、遊んだりしない」
「涼ちゃん、それ誰が言ったの? 恵美は迷惑だなんて思ったことないし、涼ちゃんと一
緒にいると楽しいから一緒にいるんだよ? 
恵美は涼ちゃんと一緒にいたいの。涼ちゃんはもう恵美と一緒にいるのヤになった?」
「……………そんなこと、ないよ」
必死に言い募る恵美の目に、みるみる透明な膜が張っていくのに気づいて、俺は恵美の肩
を叩いて囁いた。
「俺、恵美ちゃんと居るの楽しいよ。ずっと一緒にいたいくらい」
「…………うれしい。恵美も涼ちゃんとずっと一緒がいいな」
一転してにこにこと笑い出した恵美に、ちょっと騙されたような気分になったが、その笑
顔が非常に可愛らしかったので俺はなにも言わないことにした。
ずっと一緒、と指きりをした、恵美の小指がびっくりするほど小さくてすべすべで、なん
だかドキマギしたことを今でも覚えている。

その後、恵美曰く「俺に間違った知識を吹き込んだ」クラスのリーダー格だった男子は見
るも無残にクラスの頂点から転落し、いつのまにか転校していった。


766 :日常:2008/06/01(日) 01:10:52 ID:IVExRprK

恵美は終始ソイツを、まるでゴミを見るような目で見つめていたが、その度にどこか切な
げに目を伏せる彼の姿は妙に印象に残っている。
彼なりの初恋だったんだろうなあ、と同情が沸いたが、俺も少しは例のことを根に持って
いるのでなにも言わなかった。
恵美とは結局、小学校を卒業して中学に入学し、同じ高校に通う今日に至るまで、ずっと
学校への行き来をともにしている。


***


「で……涼ちゃんは一体誰にそんな馬鹿なこと吹き込まれたの?」
「落ち着けよ、恵美。いいからそろそろ帰ろうぜ」
「……ふぅん。ま、いいけど」
食い下がる恵美をなんとか宥め、後ろから肩を抱いて教室の出口へと押し出すと、恵美は
少しだけ楽しそうに笑った。
くすくすという鈴を鳴らすような声は無人の廊下に響き渡り、どことなく不気味だ。
「それで涼ちゃん、今日はなにがいいの?」
「なんでもいいよ。恵美が作るってくれんなら。でも洋食がいいな。ここんとこ和食ばっ
かだったし」
「いいよー」
先ほどまでの烈火のような怒りを綺麗に消し去り、恵美は口元に手を当てて楽しそうに笑
った。
並んで歩くとよく分かるが、俺は恵美より頭一つ分以上に高くなっている。
恵美の頭に手を乗せると、彼女はどことなく悔しそうに(多分身長を抜かされたのが悔しい
んだ)、しかし嬉しげに頬を染めた。
「なんか腹減ってきた。早く家帰ろうぜ、恵美」
「ちょっと! 廊下は走っちゃ駄目なんだからね!」
「おいてくぞー?」
走り出した俺の背中に、風紀委員らしい注意が降りかかるが、無視して走り続けると、後
ろからパタパタと駆け出す足音が近づいてくる。
いくらスタートの差があるとはいえ、相手は市の陸上記録持ち(中学生の部)だ。
昇降口までにはかなりその差を詰められ、デッドヒートが繰り広げられた。




767 :日常:2008/06/01(日) 01:12:03 ID:IVExRprK

***


涼ちゃんの家は、なかなかご両親が帰ってこない。
小さいときからそうだったらしくて、私もよく夜遅くまになるまで涼ちゃんの家で遊んで
いた。そんな家庭環境にもかかわらず、涼ちゃんはしごく真っ当に育って、変に捻くれた
りもしなかった。

私は私自身がちょっとばかり捻くれているところもあって、そんな涼ちゃんが眩しくて大
好きで仕方ない。涼ちゃんも、最近は照れて言ってくれないけれど、昔はよく私のことを
好きだといってくれた。

ずっと一緒にいようと約束した日のことは忘れた事がない。
涼ちゃんの真剣な眼差しがまるでプロポーズのようで、今でも夢に見て頬を染めているくらいだ。
「ん〜〜んん〜〜ん〜〜ん〜〜」
幸せな空想に浸りながら、鍋をかき回していると、涼ちゃんがリビングでテレビのチャン
ネルを変えながらこちらを見つめた。
多分、シチューの煮える匂いが気になっただけだろうけど、なんだか自分の考えを読まれ
たような気分になって、私は思わず顔が赤らむ。
「おーい、大丈夫か?」
そんな私の様子を不信に思ったのか、涼ちゃんはテレビから離れてキッチンまでやってきた。
こんな風にやさしい所は昔から変わらない。
嬉しくてドキドキして、更に顔を赤くした私の額に手を当てた涼ちゃんは難しい顔をする。
「熱はないみたいだな……俺がかわろうか?」
「だ、だいじょーぶ! 涼ちゃんはゆっくりしてて!」
心配そうに覗き込んでくる顔の近さに、胸が高鳴るのが分る。
心臓の鼓動がうるさいくらいに鳴り響いて、自分の声を聞き取るのにも一苦労なほどだ。
至福だけど辛い試練のような時間は、永遠のようにじりじりと過ぎていくように思えたけ
ど、次の瞬間にそれは一気に霧散した。
「分った。辛かったらちゃんと言えよ?」
「うん! ありがとね、涼ちゃん」
涼ちゃんの眉がほんのりと下がり、口元は小さく歪められていて、私を気遣っていることが分る。
嬉しくて嬉しくて、弾んだ声でそう応えると、涼ちゃんは頷いてリビングに戻っていった。



768 :日常:2008/06/01(日) 01:13:12 ID:IVExRprK

***


涼ちゃんと私が出会ったのは、お隣さんなだけに物心つく前だった。
ほとんど生まれたときからずっと一緒にいた涼ちゃんは、そのときからずっと私の特別だった。
小さく光る星みたいに、強くはないけど確かにきらきらとした光を纏った涼ちゃんは、あ
まり何かに興味をもてない性質だった私の、色々な感情を掘り起こしてくれた。
両親にすら特別な思い入れがなかった私が、唯一執着を覚える涼ちゃんは、けれど私のこ
となんかてんで気にしていないようで、平気で私以外の子とも仲良くしていた。
それが面白くなくて、何かにつけて涼ちゃんの好きそうな遊びに誘い、連れ回して、よう
やく本当の涼ちゃんの隣という位置を手に入れることができたのだ。

だから、私が涼ちゃんの隣にいることと、涼ちゃんが私の隣にいることは、その時から当たり前のことなのだ。
何しろ、滅多に努力しない私が珍しく努力に努力を重ねて手に入れた場所なのだから。


ある日のこと、小学校の高学年になった涼ちゃんは、背負ったランドセルをカタカタと揺らして私に言った。
「もう、恵美ちゃんと一緒にいるのやめる」
頭が真っ白になるかと思った。
ようやく手に入れた、涼ちゃんの隣というスペースにすら不満を抱きはじめていた私にと
って、それは死刑宣告にも等しいものだったのだ。
真っ黒い目で真っ直ぐにこっちを見つめる涼ちゃんは、なんだか見知らぬ男の子のように
見えて、無意味に胸がドキドキしたのを覚えている。
「なんで?」と聞いた私に、涼ちゃんはいっぱいいっぱいな顔で「男と女がふたりきりで
一緒にいるのはいやらしい」と力説してくれた。
それを聞いた私は、なんだかちょっとだけ嬉しくて、それ以上に涼ちゃんにいらない事を
吹き込んだ馬鹿が許せなくて彼に詰め寄った。

本当のところ、早熟だった私は涼ちゃんと「いやらしい」ことをしたかったのだが、どうにも身体が
ついていかなそうだったし、涼ちゃんに嫌がられたら立ち直れないのでそれを誤魔化した。
代わりのように涼ちゃんに馬鹿なことを吹き込んだ男に殺意を燃やしつつ、涼ちゃんと指きりをした。

触れ合った小指の先に感じる涼ちゃんの熱い体温に無性に興奮して、家に帰ってから疼く
下半身をその指で慰めたものだ。
その日の夜は布団の中で涼ちゃんを思い出しながら一人の行為に耽った後、いらないこと
を吹き込んだらしいクラスメイトの猿をどうしてやるか、悶々と思い悩んだ。
結局転校していった、根性ナシの馬鹿の顔は未だに思い出せないが、涼ちゃんと私の愛の
確認のために多少は役立ったことを認めてやってもいい。


769 :日常:2008/06/01(日) 01:14:03 ID:IVExRprK
***


ついつい零れ落ちる意地の悪い笑みを抑えて、沸き立つ鍋の火を落とす。
もうもうと立ち込める湯気が視界を覆って、柔らかなクリームの匂いが鼻腔をくすぐった。
「涼ちゃーん、できたよー」
「おお、お疲れ。皿出すわ。盛り付け俺がやるから先休んどけ」
「ありがとー」
リビングに向かって声を掛けると、涼ちゃんは私をいたわるようにそう言って、食器棚か
らシチュー皿を取り出した。
まるで夫婦のやりとりみたいだ、と口元を緩めながら、涼ちゃんの後姿を見つめる。
にまにまと笑いながら、細々しく働く大きな背中をリビングから眺めていると、本当に涼
ちゃんと結婚したみたいで、嬉しい。
「ほら、恵美のぶんな。あと水と……サラダ作ってくれたんだな。ありがと」
「気にしないで! パンもってくるね」
「いいから座っておけ」
マメに動く涼ちゃんは、まさしく理想の旦那さまってかんじだ。
ますますにやにや笑いが止まらない。背が高くて、顔もカッコイイってほどじゃないけど
それなりの涼ちゃんは、普通だったらそれなりにモテる。
けど、どうにも涼ちゃんは普通以上にモテる性質みたいで、どの女も涼ちゃんを狙いまく
っている。
今日の体育の授業の時に涼ちゃん話しかけていたあの女だって、涼ちゃんを狙う女狐に決
まっているのだ。
はしたなく涼ちゃんにすりよりやがって、あの売女、どうしてくれよう。
……いやいや、それよりも、涼ちゃんにいらないことを刷り込んだ阿呆のほうが先だ。
昼休みに涼ちゃんを呼び出して私たちの仲を裂こうとした、どうしようもない馬鹿をはや
く特定して、相応の罰を与えないと。
目まぐるしくそんな事を考えている間にも、涼ちゃんは手際よく食卓を整えていった。
飴色のテーブルの上には私が作ったサラダとシチュー、それに涼ちゃんが切ったフランス
パンが並んでいく。


770 :日常:2008/06/01(日) 01:15:28 ID:IVExRprK

座ったままぼんやりとしていた私に、涼ちゃんはにこりと微笑んで言った。
「ほら、準備できたぞ。本当にだいじょぶか?」
「うん平気―。ありがとね」
「おうよ」
にこにこと笑いあってスプーンをとり、頂きますの言葉ともに夕食は開始された。
ちょっぴり考え込んでいた私を、具合が悪いと勘違いしている涼ちゃんは、いつもより優
しくて、私はときめいてしまう。
凄まじい勢いで皿を空にしていく涼ちゃんの食べっぷりを見ていると、こちらがお腹一杯
になってしまいそうだ。
ため息交じりにその様子を眺めていると、なかなか進まない私の食事に涼ちゃんは不信そ
うに眉を顰めた。
いけないいけない。慌ててスプーンを動かすと、涼ちゃんは納得したように一つ頷いてグ
ラスを煽り、お替りをよそう為に席を立つ。
「………………」
それを見守りながら、私は無性に腹が立ってフランスパンをむしった。
こんなに仲が良くて理想形ともいえる私たちの仲を裂こうとする全てのものが厭しい。
私たちは私たちだけで完結していて、それが自然なのに、どうしてみんなそこに割り込も
うとするのだろう。
おかしいと思わないのだろうか。恥ずかしいとは思わないのだろうか。
つらつらと考えている間に、むしったパンくずが皿から零れ落ちているのに気付いて、私
はそれをあわててシチューに沈める。
シチューの汁気を吸って膨張したパンをスプーンで掬って口に運びながら、胸に蟠る殺意
をなんとか宥めた。
別に人を殺すのが嫌なのではない。涼ちゃんと一緒にいられなくなるのが嫌なのだ。
もし殺人が罪でなかったら、私は私たちの為にとっくに何人かは殺しているだろう。
「パンにシチュー浸すのって美味そうだな。俺もやろ」
「美味しいよー。涼ちゃんもやってみなよ」
私がシチューからパンを掬い上げているのを見て、いつのまにか席に戻ってきていた涼ち
ゃんは楽しげに笑った。
それに微笑みを返しながら、私はスプーンでシチューの中のパン屑を追い掛け回し、掬い
上げて口に運び、それをかみ締めた。



771 :終わり ◆AO.z.DwhC. :2008/06/01(日) 01:17:19 ID:IVExRprK
以上、お付き合いありがとうございました。
途中で文が切れて次レスに繋がっているところは仕様だと目をつぶってやってください。

772 :名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 01:21:35 ID:RsJVMurO
GJ!!
続編期待!!

773 :名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 03:25:15 ID:GJt2JfuV
何とも正統派で安心してヤンデレに浸れる作品ですな
続き期待してます!

774 :名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 04:39:19 ID:4WOduGyi
すんなり読めて面白かった、GJ!

最近、狙いすぎた文章を見ると駄目だ
それは良くない傾向だよな……


775 :名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 09:42:30 ID:b4CT+weV
>>771
王道だな。いい感じです。転向した男の子にいったい何をしたんだ

776 :名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 13:05:58 ID:9vPPiWmh
>>771
神作品の予感!

777 :名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 13:14:25 ID:LnH+vpt0
>>759
ワロタww

>>771
GJ!!

778 :名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 14:25:10 ID:czdUIMgZ
>>774
ヤン、というより狂を前面に押し出された作品のことか?
大丈夫だろう。ヤンと狂は別物だし

>>771
GJ! ぞくぞくするw

779 :名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 21:13:18 ID:mS5B6/wL
>>771
王道ktkr GJだぜ!

780 :赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg :2008/06/01(日) 21:20:00 ID:9IbQiTfu
投下します。真夜中のよづりの続きです。

781 :赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg :2008/06/01(日) 21:20:49 ID:9IbQiTfu
 さっすがにこの季節は日が落ちるのが早いこと早いこと。
 ナイター施設のないグラウンドで練習していた織姫高校野球部(夏の県大会にて初戦敗退)は早々に解散したようで、校門からはブレザー下ジャージ姿の男子生徒がわいわい叫びながら排出されている。
 遅くまで残っていた図書委員と図書室の住人のような、メガネの文学少女(一部腐文学)たちも黙って校門から抜けていく。
 後は冬でも夜8時まで練習という俺には考えられないほどハードスケジュールを組まされている吹奏楽部と毎日残業ご苦労さんな先生らがだけが校舎内に残る。
 チューバの音が音楽室から廊下まで響き渡る。そんな闇の帳がかかった教室で、俺は頭を抱えていた。
「さってと、どうするかなぁ……」
「えへへへへ、へへへ、えへへ」
 俺が自分の机に腰かけ、よづりは俺の椅子に座っている。二十八歳とは思えないほど無邪気に俺を見つめるよづり。何が楽しいのだろうか、俺の手に自分の手を重ね合わせ、肌のぬくもりと手触りを感じ取るようになでなでしている。

「かずくん……。かずくんのおてて、おっきくて素敵……、ざらざらで元気な男の子みたいで素敵……、爪の形がとてもワイルドで素敵……。こんな素敵な手を持ってるかずくんがとっても素敵……」
 俺の目を見ながらうっとりした表情を浮かべ、俺の手の甲から手首周りまで撫で回すよづりの細い指。
 普段ならこんな美人に恍惚とした表情で肌を撫で回されば、モテない系思春期まっさかりである俺の心臓はどっくんどっくん血液を流動させはち切れんばかりに動悸が酷くなるんだろうが、
さすがに何時間もこんな行為をされたらハートも落ち着いてくる。
 あー、うん。つまりだ。
 俺が逃げたよづりを追いかけ見つけて、なんだかんだで慰めてから。よづりはずっとこの調子だった。
 よづりの手を引いて、教室に戻った俺たちは先生に一応の事情を話し、ようやくよづりはうちのクラスメイトの一員となった。
「今日からまたみんなと一緒に勉強することになった榛原さんです。みんな、仲良くしてね」
 担任の高倉先生は自分よりも年上の生徒に少し戸惑っているようだったけど、それをうまく隠してごくごく普通に紹介していた。童顔で背の低いスーツ姿の高倉先生と制服姿で血色の悪い大人びた顔立ちのよづりが並んだ風景は結構シュールだった。
「……榛原よづりです。……よろしくおねがいします」
 俺の前ではふにゃふにゃの甘えたがりになるくせに、こういうときは大人しい。ぎょろりと動く目で教室内を見渡し、一言だけ簡潔に自己紹介を述べると、あとは黙る。
 教室には委員長が居たため、俺はよづりが反応して暴れださないか心配だったが、よづりは委員長のことなど綺麗さっぱり忘れているようだった。
 身構えた委員長のすぐ横をおぼつかない足取りで通り過ぎる、俺の横を通るとき、一瞬だけ俺ににたぁとした背徳的な笑顔を浮かべ、よづりは俺の列の最後尾の席に座った。
 そのあとは、何事もなかったのように授業は続けられた。
 授業中、俺は背中でよづりの視線を感じていた。背後から明らかに依存しきった瞳が2つ俺に向けて注がれていることがわかる。俺がちらりと振り返り様子を見ると、案の定よづりが俺のほうを見つめていた。
 俺と視線が合ったことが嬉しかったらしい。ぽわぽわっと頬を赤らめて笑う。しかし、目の奥の光はぎらぎらと怪しく、その笑顔になにか寒気みたいなものを感じ慌てて視線を黒板へ戻した。
 授業が終わると、よづりは真っ先に俺のところまでやってきた。
「えへへ、かずくん。ようやく授業終わったね。えへへ。これで一緒に居られるね」
 そして、抱きつかれる俺。よづりはすりすりと俺の頭に自分の顔を押し付ける。
 これにより、見事にクラスメイトたちは関わりづらい状況になる。俺とよづり、クラスから隔絶。
「「「………」」」

782 :赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg :2008/06/01(日) 21:25:40 ID:9IbQiTfu
ああああああ! すみません。 書いていた中盤部分が何故か消えていました。
申し訳ありません。日を改めて投下させてください。


783 :赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg :2008/06/01(日) 21:28:50 ID:9IbQiTfu
すみません。以下何事も無かったかのように続き↓。

784 :真夜中のよづり ◆oEsZ2QR/bg :2008/06/01(日) 21:29:35 ID:9IbQiTfu
 「よづり、そろそろ帰るか」
「………」
「よづりっ?」
「んっ、なあに、かずくん?」
 俺の手の甲にまだ夢中なのかよ。
「いやな。そろそろ帰ったほうがいいんじゃないかな…って」
「帰る? おうち。帰るの?」
「おう」
「うんっ。かーえろっ!」
 無邪気すぎる笑顔でよづりはにっこりと頷いた。

 よづりの家に入った瞬間、俺は何かの違和感を感じた。玄関をとおり、靴を脱いでリビングへ案内される。
 リビングは相変わらずのソファと小さな木製テーブルのみの殺風景な部屋だ。よづりは俺をソファまで連れて行くと、腰かけるように薦めた。
 ふかふかのソファに座る。ようやくよづりは腕を離してくれた。
「待ってて、飲み物。持ってくるから」
「あ、ああ」
 ふらりふらりとよづりはおぼつかない足取りでリビングから出て行く。出る瞬間にくるりと俺のほうを振り向いて、きちんと俺が居ることを確認するように微笑むと、そのまま台所へ消えた。
 うーん、昨日の初訪問と似た感じなってるな。ちょっと違うのは昨日は俺が自己紹介するまでベタベタしてこなかったことか?
 ……しかし、なんだろう。この違和感は。部屋全体に何か違和感がある。
「あれ……?」
 そうだ。わかった。違和感の正体は。つーか、すぐに思い浮かべよ自分!
「おかしいぞ……、たしかこの家は……、よづりが暴れてメチャクチャになっていたハズだ……」
 そうだよ。なんで、わからなかったんだ。今日の出来事だろ!? あまりに完璧に元に戻りすぎて気付かなかった。
 今日、俺が朝委員長を助けにここへ来たとき。俺は家の中の惨状に唖然としたんだ。壊され床にぶちまけられた装飾品の数々、コードごと引きちぎられた電化製品、床中に散乱する調味料類。
 それが玄関からリビング、台所にいたるまで散らかってたんだぞ。それなのに、それなのに!
 なんで、全て元通りになってんだよ!?
 俺は台所に眼をやる。えへへ、えへへと笑うよづりの姿が見える。
「落ち着け、落ち着け俺……」
 よづりは今日ずっと俺と一緒だったのだから、よづりが自分の惨状を全て元通りにした可能性は限りなくゼロ。
 じゃあ普通に考えれば、俺ら以外の奇特な誰かさんがサニクリーンも顔負けのこの片付け&掃除をやったことになる。
 え、誰!?
 ……って待て待て。俺は初めてきた時と今日の朝来た時、よづりだけしか居なかったから勘違いしてたが、よづりが一人暮らしということは聞いていない。
 つまり、よづり以外の誰かがこの家に住んでいて、この惨状を綺麗にしてくれたってことだよな。お手伝いさんでもいるのか? そのわりには掃除の仕方が綺麗過ぎる。だいいち装飾品まで戻すってのもオカシイしなぁ。
 もしくは、この家に住むポルターガイストとかバンシーとかが勝手に超常現象みたいなので直しているとか。だから、RPGじゃないっての。
 うーん、しかしこんな家によづり以外の誰が住むってんだ?
 一番考えられるのはのは、よづりの身内だよな。たしか一人っ子って言ってたから、姉妹とかじゃない……母親とか父親とか……。
 そういえば、ウチの母親も勝手に部屋に入って、掃除してくれたよなぁ。ベッドの下の金具に挟んでいたエロ本の配置が変わってて焦ったことあったっけ。
 あの惨状をなんとかしてくれる母親もすげぇな。俺の母親だったらあんなに散らかしてたらぶん殴ってくるぞ。
「かずくん」
「うぉっ」
 いつのまにかよづりが俺の近くまで来ていた。気配が薄いからいきなり目の前に来たような気がしてびっくりした。
 金色で縁どられた和風のお盆の上には、白いコーヒーカップが乗っかっていた。
「はい。どうぞ……」
 そう言うと、テーブルにカップを音もなく置く。カップにはシナモン色の液体が張っている。コーヒーだよな? うん、匂いからしてコーヒーだ。
 一口口をつける。香り豊かな甘みが口の中に広がる。うげぇ、砂糖何個いれてんだ。全国発売されたマックスコーヒー並みに甘いぞ。


785 :真夜中のよづり ◆oEsZ2QR/bg :2008/06/01(日) 21:30:38 ID:9IbQiTfu
「おいしい……?」
「甘い」
「うん。わたし、甘いの好きだから……」
「そ、そうか」
 こいつ見た目からして甘党っぽいからな。まぁ、いいや。これを飲み干して帰ろう。
「ねぇ……かずくん」
「なんだよ」
「今日、なに食べたい?」
「はぁ?」
 何言ってんだ。飲んだら俺は帰るつもりなんだよ。
「晩御飯、かずくんの好きなもの作ってあげるから……えへっ」

 ……恥ずかしながら、この一言で俺の心が揺れた。

 メシ、メシ、メシだと!?
 親からの仕送りのみで一人暮らししている俺にとって、毎日の食事ほど面倒かつ苦手なものはなかった。
 、夕時なれば親が食事を用意してくれていた優良家庭に育った俺は、一人暮らしをするまでメシなぞ作ったことがなかった。
 一人暮らし初日に、味噌汁の作り方を間違えて、ただの味噌湯を作って思いっきり挫折して以来(ダシ? なにそれ)、俺の自炊生活はご飯を炊くのみで後は近所のスーパーの惣菜で誤魔化しているのが現状だった。
 ときどきとなりの鈴森さんがお裾分けしてくれたこともあったが、鈴森さんは洋食しか作ってくれないので(しかも、フランスパンで食えといわれる。かてぇよ)ここ何年かは温かみのある家庭料理とやらはほぼ口にしていない。
 俺は、今朝台所に転がっていたあのぐちゃぐちゃになった料理を思い出す。
 和・洋・中、肉から野菜までふんだんに使ったあの美味しそうな料理たち。ぐちゃぐちゃになっていてもあの時鼻孔をくすぐった匂いはしっかりと覚えてしまっていた。
 ………やっべぇ。めっちゃ食べたい。思い出しただけで涎が口に溜まってくる。しかもちょうどいいぐらいに俺の腹の虫がぐぅぅ〜っと鳴った。タイミングよすぎな自分の身体に俺は情けなくなった。
「えへへへへへ……」
 よづりは俺の腹の音に、ニヤけた笑顔を向けて笑った。

(続く)


786 :赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg :2008/06/01(日) 21:31:35 ID:9IbQiTfu
久しぶりの投下な上に短い上さらにヤンデレ分少な目で申し訳ありません。
もう少しで、次のステップに進ませます。

787 :名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 21:44:59 ID:XUripLix
>>786
ちょw
懐かしい、でもよづり可愛いよよづり

788 :名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 23:23:39 ID:soYm1eq1
>>786
おお! よづりだ。
お久しぶりです。
相変わらず可愛いよ、よずり。

789 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 00:09:10 ID:+hzIGdaV
続きが気になる!
GJ!

790 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/02(月) 00:49:15 ID:LzUN6Ghd
こんばんは。
ヤンデレ家族です。今回で十五回目になります。

791 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/02(月) 00:49:55 ID:LzUN6Ghd
*****

「あなた、起きてくださいな」
 いまだかつてない起こし文句をささやかれ、目が覚めた。
 あなた、とな?
 その呼び方をする人間は俺の身の回りでは葉月さんしか居ない。
 しかし、『あなた』に含まれているニュアンスが少し異なる。
 普段葉月さんが口にするのは、は『君』とか『お前』とかいう、聞き手を指す二人称的なものだ。
 いわば、代名詞である。俺の名前を呼んでいるのと変わりない。
「あなた、いくら休日だからって寝坊はいけませんよ。ほら、早く起きてください」
 だが、今の呼び方はどうだ。
 まるで俺の名前が『あなた』に事実上なってしまったようなふうではないか。
 それ以外の呼び方などありえない、とでもいうのか。

 女性の声はやけに落ち着いている。
 穏やかだ。上がったり下がったりしているところがない。波打っていない。
 葉月さんの声はここまで大人びていなかったはずだ。
「今日は一緒にお出かけをする約束でしょう?
 私、あまりに楽しみだったものだから、早起きしてしまって。もうお弁当まで作ってしまいました。
 朝ご飯もできてますから、いつもご一緒できない分、今日は……ね?」
 二人でご飯を食べましょう、ってか。
 ふうむ、なんというか。いいな、こういうのも。
 けど……これ、夢だろ。幸せすぎるもん。
 朝から幸せがたっぷり入ったふりかけをたっぷりかけられた気分になるなんて、俺の生活じゃありえない。
 女の人が俺を起こすシチュエーションからして嘘だ。リアリティがなさ過ぎる。
 声をかけてきたのが妹で、無理矢理布団を引っぺがされたとかならまだ納得はできるが、残念ながら妹は優しくない。
 母も同様。母は父にしかデレないのだ。
 だから、この声は俺の想像力が作り出した嘘なんだ。

 しかし、俺はこの嘘をありがたく思う。
 いいじゃないか。夢の中ぐらい、俺の好きなように変えてしまっても。
 女性がみんな俺に優しくする夢を見て何が悪い。
 俺だって男だから、ハーレムに憧れがないわけじゃない。
 しかもこれは夢。面倒なこともない、後腐れもない。最高だ。
 だから、俺は夢を満喫する。

「……昨日は徹夜だったんだ。だから眠らせてくれ……」
「ああ、そうでしたわ。ごめんなさい。昨夜は一緒に寝てくれると言うから、
 つい嬉しくてあなたにおねだりを一杯してしまったんでした。
 あなたも私も、眠る暇ななんか、なかったですものね」
 …………なにそれ?
 昨夜はプラモデルを作ってたから徹夜した、っていう設定を構築してたんだけど。
「ですけど、おかげで……私、今日はとても調子がいいんです。
 ごめんなさい。こんなことを言ってしまったら、まるではしたない女のようですね」
 へえ、そうなんだ。俺の体はとても重いんだけど。
 体がだるさを訴えて布団から出ようとしない。頭まで布団に潜ってる。
 ううん? 自分の体を触ってみたら、変なことに気付いた。
 俺、下着しか身につけてない。
 バカな。俺は春夏秋冬寝る際は下着の上にもう一枚着込んで寝ているはず。
 暑さで寝苦しくなりだした頃にはシャツとジャージ、布団だけじゃ寒くて眠れない頃は長袖のニットとジャージ。
 つまり年中ジャージを着ている。ジャージ愛好家ではないけども、とにかくジャージを愛用する。
 これは、一体…………?


792 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/02(月) 00:50:45 ID:LzUN6Ghd
「ですけど、あんなに激しく、あなたが求めてくれるものですから、ついつい私も……。
 もう、あなたのせいですよ。普段はあんなに冷たいのに、昨晩はあんなことまで…………」
「なあ、いや、あのさ」
「はい、なんです?」
「もしかして俺、昨日すごいことした?」
「ええ」
「具体的には?」
「…………………………それはもう、朝の時間には口にできないような、激しいものでした」
 うん。……ええ?
 あ、あ!
 ああ――――――そういうこと。

 いわゆる、夫婦の営み、というやつのことか。
 性に開放的な傾向のある現代の若者ならば十代半ばでも経験済みというアレね。
 つまり、性行為ですか。英語に変換してカタカナで書くと、セックスだね。
 うわあすごい。
 いつの間に初体験を済ませたことになっているんだろう。夢の中の話だけどさ。
 なんだかショックだ。お前はもう経験している、と言われても何の感慨も湧かない。
 どうせ夢を見るなら昨晩のシーンからにしろよ。
 今からでも遅くないから、巻き戻し。
 はい、スタート!

「も、もうあなたったら! 恥ずかしいことを言わせないでくださいな」
 布団の上から軽く叩かれた。夢の中の時間軸は巻き戻っていない。
 いくら自分にとって都合の良い夢でもできることとできないことがあるってことか。
 なんだか、ものすごく損した気分だ。
「あなた、いい加減に起きないと、私も強硬手段に出てしまいますよ」
 と言いつつ、俺と大人の関係を結んだ女性は、布団を剥がそうとしてくる。
 この場で簡単に布団を奪われないよう抵抗するのは、慣例、もしくは通例と言えよう。
 しかし今の俺は演技ではなく、本気で抵抗をしている。今、絶対に顔を出したくない。
 だって、怖い。
 間近にいる女性の正体がわかってしまうのがとても恐ろしい。
 相手が葉月さんでない可能性はとても高い。ならば、当然他の誰かということになる。
 夢の中にまで出てくるということは、俺にとってそういう目で見ている相手ということだ。
 誰だよ。こんな馬鹿丁寧な言葉遣いで話しかけてくる知り合いは。
 …………待て。もしかしたら見たことはあっても話したことはない、テレビに出てくる女性タレントかもしれないぞ。
 好きなタレントがいないから希望はないが、それは誰であっても構わないということでもある。
 もしそうだったら、別に顔を拝んでもいいかな?

 とか考えた途端、布団の中に女性の手が入り込んできた。
 俺の腕は布団で顔を覆うようにしていたから、下からの侵入には無防備だ。
 女性の腕が俺の腹に回り込み、左右から包み込んでくる。
 そして、抱きつかれた。
「あなたが悪いんですよ。いつまで経っても起きないから。
 だから、私はこうやって眠りの邪魔をしてしまうんです」
 女性の頬がシャツの上から腹を擦り、触覚を甘噛みする。
 なんだなんだなんだ。この体の芯からゾクゾクさせる幸せな津波。
 こんな幸せがあっていいのか。
 世の恋人達って、皆こういうことしてるのか?
 ――いや、皆はしてないか。でもうちの両親はしてるだろうな。たぶんこれ以上のことも。


793 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/02(月) 00:51:25 ID:LzUN6Ghd
「うう……ん、暖かい。それに、とても安らぎます。私この匂いが好きです。
 どうしましょう。なんだか、むずむずしてきました」
「……くしゃみ?」
「いいえ。あなたに、あなたに……………………優しくして欲しく、なっちゃいました」
 かつてここまでストレートなデレに巡り会ったことがあっただろうか? いや無い。
 いいのかな、優しくして。というか、女性の要求通りにして。
 しかし、優しくするとはなんぞや?
 頭を撫でればいいのか? 思いやる言葉をかければいいのか?
 それとも。
「わがままを言って悪いとは思いますけど、でも、私は今、あなたが欲しいんです。
 お願いです、あなた。私に……………………」
 首に手を回された。
 おもむろに女性の体が近寄ってくる。
 布団の中の薄い闇の中に、女性の顔があらわれた。とっても近い。
「どうか、お願いします……………………」
 何をお願いされているんだ、なんてわかりきっている質問を浮かべて飲み込んだ。
 経験無くてもわかるよ。十七年の間に見てきたもののおかげで、こういう空気になったらどうするか知ってるよ。
 キスするのが、正しい選択。
 目をつぶった方がいい。最中に目を開けてはいけない。舌をどう使えばいいのかは知らない。
 どうせ夢なのだから、失敗しても誰にも迷惑はかからない。
 女性は夢の産物なのだから、嫌われたところで構わない。
 これはシミュレーションだ。実践ではない。繰り返す、これは実践ではない。
 意を決し、いざ。

「いく、ぞ」
「…………はい」
 自分の動きがスローになる。鼓動が早まっているせいだ。
 耳に届く音が鼓動だけになると、一拍が大きくなる。ドクンドクン、じゃなくて、ドックンドックン。
 動きまでがそれに合わせてコマ送りになる。
 鼻息が荒くなっているんじゃないだろうか。もはやそれすらわからない。

 唇まであと三センチ。
 というところで、布団の端から光が差し込んだ。
 女性の顔の輪郭、目を閉ざした表情、髪の色、全てが明らかになる。
 飾りっ気が無く、清潔な印象のあるこの人、どこかで見た気がする。

 唇まであと二センチ。
 なんとなく目を閉じる。女性の表情が映像となって脳裏に浮かぶ。
 うん、この人と直接会ったことある。はっきり思い出せないけど見覚えがある。
 確か学校の、教室に居て、地味な格好をしてて、年齢にふさわしくない整った顔で、だいたいいつも無表情。
 チャイムが鳴ったら教壇へ上がり、……ってこれ、教師? そして傍らに……本?
 そうか、わかった。

 おそらく唇まであと一センチ。
 この人、篤子女史だわ。
 どうりで見たことがあるわけだよ。
 近くで見ても美人は美人なことに変わりないんだ。
 新たな発見を――してる場合じゃないね、この状況。ハハハハハ。

 多分唇まであと一センチもない。
 触れてもいないのに、篤子女史の熱が感じられる。主に唇で。
 あまり嫌じゃないのは、きっと寝起きのせいだ。そうに違いない。

 唇がくっついた。
 そして、俺は唇の感触を味わ――――うことなく、脳内で悲鳴を上げた。




794 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/02(月) 00:53:11 ID:LzUN6Ghd
*****

 飛び起きた。口を開いたままで。喉の奥から酷使された痛みが伝わってくる。
 何気なく喉に手を当ててみる。異常があるのは外側ではなく、内側だった。
 気道の壁の喉付近をひりひりさせるこの痛みは、体育の授業で野球をして、その際に声を張り上げたせいで、
授業が終わった頃に襲いかかってくるものに酷似している。
 つまり俺は何かを叫んだ。しかし、一体何を叫んだんだか、わからない。
 寝ている場所は保健室らしかった。白いベッドと掛け布団が常備されていて、馴染みのない薬の匂いがする場所は校内で保健室だけ。
 誰かが室内にいる可能性は十分にある。
 先生とか、他には本当に具合の悪い生徒が別のベッドで寝ているかも。
 右には中庭を望める窓。まだ昼のようだったが、校舎の影のおかげで室内に日光は差し込んでこない。
 反対側に首を向けると、空のベッドと――その上に足を組んで座っている女性が目に映った。
 濃いめの色合をしたジーンズの上には文庫本が乗っていた。距離があるせいでタイトルはわからないが、文字だらけの本であることはわかった。
 だから、聞いてみた。

「その本、なんてタイトルですか?」
「武者小路実篤、友情。古い言葉や漢字の使い方は、近頃は見られないものもあります。
 お話は長く、じっくりと人物を掘り下げていくものもよいのですが、
 そうすると小説と馴染みのない方には手に取りにくいものになりがちです。
 その点、この本であれば心配ありません。そのくせ、中身も詰まっている。おすすめですよ」
「どの辺が面白かったですか?」
「……わかりませんね、いえ、面白くないという意味ではないです。
 読む度に誰かに共感し、誰かに反感を覚える。対象がころころと変わっていってしまうんですよ。
 でもそれは、おそらく私だけのことでしょう」
 そこまで言うと、二年D組の担任である篤子女史は立ち上がり、俺のいるベッドの傍らに立った。
 しおりを先頭のページに挟み、差し出してくる。反射的に受け取る。
「ですが、作家という職業に人並みの興味を覚える人なら楽しめます。
 貸しますから、読んでみてください。返しに来たときに感想を伺いますから、そのつもりで」
「あの、別に読みたい訳じゃないんですけど」
「これは宿題です、と言えばやる気になるのではないですか?」
「まさか、クラスの皆にも同じ宿題を?」
「まさか。あなただけですよ」
 篤子女史の一言にときめいたりすることはなかったが、高橋あたりなら都合の良いように解釈するんだろうと考えた。
 安心した。俺を呼ぶ、『あなた』という単語に親しみが籠もっていない。
 起きた瞬間にとっさに距離をとらなかったのは、本とセットになっている担任の姿が普段通りだったからなのだ。
 やはり篤子女史には本が似合う。高橋よりも。
 一種の記号だ。コーラと缶のパッケージの赤が切り離せないものであるのと同じ。
 俺と大人の関係になっているなんて、あり得ないし、夢だとしても篤子女史に失礼というものだ。


795 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/02(月) 00:53:55 ID:LzUN6Ghd
「宿題ならやりますけど、どうして俺だけ読書感想なんです?」
「今日の一時間目の授業は何か、知っているでしょう」
「国語、ですね」
「そういうことです」
 結構容赦がないのな、この国語教師。
 俺は体育館の地下に閉じこめられていたんだから、授業に出られなかったのだ。サボったわけではない。
 たしかに無断欠席ではあったが、あの状況では連絡しようがないのだから見逃して欲しい。
「不満そうな顔ですね」
「……別に、そんなことはないです」
「事情は知っていますよ。体育館の地下倉庫で、手足を縛られてぐったりしていた、とか」
「誰にそんなこと聞いたんです?」
 というより、ぐったりさせられたというのが事実。
 助けてくれた感謝と誤った処置をした叱責、どちらを先にすべきかわからないから、ぜひとも相手が知りたかった。
「葉月さんですよ。
 朝のホームルームが終わって、すぐに飛び出して行って、授業が終わってからようやく戻ってきました。
 理由を聞いたら、あなたを発見して保健室に運び込んだから、と。
 ですから、この宿題は葉月さんのためにやるものだと思ってくれて構いません。
 それで二人分のマイナス点はチャラにします」
「ありがとう、ございます。それで、葉月さんは?」
「今はタオルを水に浸しに行っていて……結構時間が経ちますけど、遅いですね。
 まあ、程なくして戻ってくるでしょう。
 昨日何があったのかは、後日聞くことにします。それと、ちゃんとお礼を言っておくように」
「うぃっす」
 片手をチョップの形にして持ち上げて、返事した。


796 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/02(月) 00:55:18 ID:LzUN6Ghd
 担任が去った後、葉月さんを待つために俺はベッドに腰掛けていた。
 とりあえず体に異常はない。手首に巻かれていた拘束具の跡ももう消えている。
 昨晩着ていたはずの制服は、いつのまにか学校指定のジャージへと変化していた。
 ハンガーに掛けられて、ベッドから離れた位置にある開いた窓のそばで、吹き込んでくる風にその身をゆだねていた。
 ジャージの裾をめくってみる。裏面に縫いつけられた小さな白い布に高橋、と書かれていた。
 後で高橋にもお礼を言っておくとしよう。

 葉月さんが来たらまず――助けてくれて、いや、見つけてくれてありがとう、と言おう。
 地下倉庫を発見して来てくれたことには感謝しているが、その後についてはなんとも言えん。
 そりゃ、まずいと思ってやってくれたのだろうが、さすがに心臓マッサージはきつい。
 昨晩体育館で澄子ちゃんに会ったときと比べても、段違いに死の危険を感じた。
 加えて、その後の人工呼吸には、もう。
「あれ、絶対にくっついてた、よな。……唇」
 まあ、そうじゃなきゃ空気が漏れてしまうから、やっぱり隙間無くくっついたのだろう。
 唇と、唇がくっついちゃったんですか。
 そっか、そうか、そうなのか。
 あれは…………キスとしてカウントしていいのか?
 あまり思い出したくないけど、さっき見た夢の中のラストシーンみたいな流れでやったなら、キスとして成立するんだろうな。
 片方が迫って、もう片方がそれを拒まない。
 葉月さんは、果たしてキスのこととか、考えていたのか?
 よしんばそうであったとして、俺が自律動作できない状態は拒んでいないと言えるか?

 …………不謹慎だな。助けようとしてくれただけなのに、いかがわしいことと結びつけようだなんて。
 俺のことを好きだったから人工呼吸しただなんてことはないはずだ。
 きっと、葉月さんは助けたい人がいたら同じ事をする。そういうことにしておく。
 唇の感触がどんなものだったのか堪能する暇も余裕もなかったが、一応、自分の唇と合わさったという事実は覚えておこう。
 やっぱり、嬉しいものは嬉しいし。


797 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/02(月) 00:56:04 ID:LzUN6Ghd
 手持ち無沙汰だ。
 読書感想の宿題の名目で渡された本に目を通してみたが、いつ葉月さんが来るかわからない状況ではいまいち頭に入らず、
結局は膝の上に留まる形になってしまった。
 ここから出て探しに行こうにも、はたしてどこへ葉月さんを探しに行けばいいものか。
 ついさっき鳴ったチャイムは、今日の最後の授業が終了した合図。今日は土曜日だから、三時限目でラスト。
 帰りのホームルームは、担任のことだから手短に終える。もう終わっている頃だ。
 それでもやって来ないということは、もう葉月さんは帰ってしまったのか?
 …………するかなあ、そんなこと。
 でも、タオルを濡らしに水場へ行って、戻ってきてないのは事実だし。

 とりあえず様子見に、廊下へ出てみることにした。
 本を反対側のベッドに投げ出して、ベッドから腰を浮かす。
 その瞬間、保健室のドアが開く、ガラリという音がした。
 まるで立ち上がることで自動的にドアが開く仕組みみたいだった。
 しかし座り直して今度はドアが閉まるかどうか試してみる気にはならない。
 シューズを脱ぐ音、続けてスリッパと床のぶつかるパタパタという音。
 金具に掛けられたシーツが壁代わりになって入り口方向が見えないので、このへんは想像である。
 音はだんだん大きくなる。保健室にやってきた人物は、すぐにベッドへと向かってきた。
 対面。
「あ、あ…………」
 やって来たのは両手で洗面器を持った葉月さん。
 口から小さな声を断続的に出し続ける葉月さんは、じっと俺の目を見つめている。
 洗面器が震えて水が縁から零れている。
 近づき、洗面器をなかば奪うつもりで抜き取る。
 透明な水には白いタオルが浸されていた。風邪を引いた時みたいに額に当てるつもりだったのかもしれない。
 葉月さんは両手を胴の前に固定し、透明な洗面器を持つようにして固まっていた。
 これがフリーズという状態なのであろうか。俺は何も言っていないのだけど。

 凍結状態を解くため、声をかける。まずは助けてくれたお礼から。
「葉月さん、心配させてごめん。見つけてくれてありがと――――」
 あと一文字というところでタックルされた。
 ベッドに背中から着地する。ほぼ同時に洗面器の水が俺の体目掛けてダイブを敢行。
 数秒空けて染み込んでくる水が冷たい。だけど、すぐに別の熱が肌を覆う。
「よかった、良かった。良かったよお…………死んでなく、生き、ててくれた。
 う……ううう………………」
 より強く抱きつかれる。嗚咽を殺そうとしているみたいに。
 ジャージ越しでも、ダイレクトに震えが伝わってくる。
 背中をきつく握られた。
 存在を確かめるような動きが、より一層、彼女の受けた切なさを伝えてくる。
「ごめんね、本当に、悪かったよ」
「ううん、そんな、こと、ないから。無事だったら、いいの。私は、それだけでいいの。
 こうして居られるなら、もう、何にも…………いら、ないよ」
 俺はそれ以上は何も言わず、心の中で謝罪を続ける。
 空の洗面器は頭上で俺の両手に掴まれていた。
 葉月さんの頭を撫でるとか背中に手を回すとか、そういったことに頭が回らないのはきっとこいつのせいだ。
 でも、有り難くもあった。
 結論として葉月さんの気持ちに応えられない俺には、抱きつかれている今の状態が後ろめたかったから。


798 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/02(月) 00:57:23 ID:LzUN6Ghd
 葉月さんが落ち着くのを待って、水に濡れていないベッドに座って話を伺う。
 本当は俺が濡れたベッドに、葉月さんが反対側に座る形で話したかったのだけど、
葉月さんの無言にして断固たる意志により一つのベッドに収まる形になった。
 左手を両手でがっちり掴まれ、抵抗しても見事に体勢を崩され続ければ抗議する気も失せる。
 座ったら座ったでお互いの膝がぴったりくっつく。
 このまま距離をとれば、いずれ追い詰められベッドから落ちてしまうので、あえて維持する方向で固めた。
 こんな時しっかりした男なら上手いことを言って距離をあけたりするのだろうか。
 しかし、今の葉月さんの前では健常な性的嗜好を持つ男なら誰でも意志を曲げる絵が浮かぶ。
 結論。男は所詮美少女の要求に弱いものなのだ。

「電話しても出なかったのは、やっぱりあそこに連れて行かれてたから?」
「……ああ、あれ。丁度捕まる一歩手前ってところだった。まだその時は体育館の中。
 でも、そっか。あの時の電話はやっぱり葉月さんだったんだ」
「うん。何回コールしても、掛け直しても出ないから、あの時はもう帰っちゃったのかなと思ってたんだ。
 居なくなったのに気付いたのは、今日の朝。
 あなたの家に行ってもあなたは待ってなくて、ようやく出てきた妹さんに聞いたらあなたも帰ってないって言われて。
 だから、授業をサボって探しに出かけたの」
「そう、だったんだ」
「電話を掛けながら歩き回ってたら、あなたの携帯電話の着メロが聞こえたの。体育館の近くで。
 見に行ったら、地下倉庫の前に携帯電話が置かれてて。もしかしたらと思って扉を開けたらあなたが居た。
 手足を縛られて、目が開いてなくて、返事しても起きなくて。
 本当、手遅れにならなくて良かった」
「……感謝してるよ、ありがとう」
 含みのない言い方を出来たか、自分でも心配になった。

 携帯電話が地下倉庫の前にぽつんと置かれていた。
 俺の携帯電話を持っていて、そんなことができるのは澄子ちゃんだけだ。
 解放するという言葉は嘘じゃなかったのか。
 でも、そうすると弟はすでに理想郷とやらに連れて行かれているはず。
 手遅れの心配をしなければいけないのは、弟の方だ。
 葉月さんと俺はそっちに関しては何も出来ていないから、花火の動きに期待するしかない。
 花火のことだから俺みたいに捕まるような失敗をやらかしはしないだろうが、どうなったことやら。


799 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/02(月) 00:58:15 ID:LzUN6Ghd
「あのさ、花火の姿を見なかった?」
「花火って、あの金髪の子?
 そういえば見てないな。弟君を捜しに行ってるんだろうけど」
「ふうん…………」
「あの子まであなたみたいな目に遭っていないか、心配?」
「してない、って言えば嘘になる。でもその必要がないからさ、あいつには」
「信用してるんだね」
「信用してるのと心配しないのは別だと思うけど」
「ううん。一緒だよ。
 誰かのことを心配しないのは、どうでもいいからか、もしくは、評価してるから。
 あの子の名前を知ってて、どんな子か知っていて、それでも心配ないって言えるのは、信用してる証拠だよ。
 よく知らない人間なら、どうなったところで知ったことはない、なんて言えるもの。
 それに、どうでもいいならあの子がどうしているかなんて考えないでしょう?」
「嫌っている相手でも?」
「嫌っているなら、まず口にすることを躊躇うはずだよ」
 ふう――む、たしかに。
 言われて気付いたが、俺は花火のことを嫌っていない。妹にも日頃から色々と言われちゃいるが、嫌いだなんて思わない。
 そもそも、二人とも嫌えない。
 花火を傷つけた俺が、あいつを嫌いになるなんて許されない。妹は家族の一員として大切に思ってる。
 そういえば、最近は心から人を嫌いになった覚えがない。
 テレビに映る人間なら嫌いなのもいるが、周囲の人間となるとさっぱりだ。

「なんか一つ賢くなった気がするよ」
「あ、あはは。…………実は今の、お父さんの受け売りなんだ。
 小さい頃、小学四年生ぐらいかな。
 よその道場の子供と組み手をして、負けちゃって、もう武道を習うのやめちゃおうかと思ったことがあったの。
 そのことをお父さんに言ったら、一週間後にもう一度言いに来なさいって。
 引き止めないのがなんだか悔しかったけど、一応、一週間考えることにしたの」
「でも、やめなかったんだね」
「うん、やっぱり負けたままは悔しかったし。それに――稽古は楽しかったから。
 で、お父さんに続けるってを言ったら、最初から心配していなかったぞ、って笑いながら言われたの。
 その時に聞いたんだ、さっきの考え方」
「かっこいいね、お父さん」
 同性でありながら、不覚にもそう思う。
「んー……真剣な顔して教えてくれる時はかっこいいな、なんて思うけど、それ以外はどうかな。
 …………お母さんのことだって、おかしいもん。絶対に」
「お母さん?」
「あ! ううん、なんでもないない! 気にしないで。私のお母さんすごく元気だもん」
「なら、いいんだけど」
 しかし、葉月さんの口調には陰りがあった。
 父親とは違い、母親について葉月さんはあまり語らない。
 仲、悪いのかな。
 なんだか笑顔の葉月さんが無理して笑っているみたいに見えてきた。
 この話題は置いて、別の話を振ってみるか。


800 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/02(月) 00:59:56 ID:LzUN6Ghd
「ねえ、葉月さん」
「なあに?」
「弟の知り合いなんだけど、知ってるかな。木之内澄子っていう名前の女の子」
「木之内……………………ですって?」
 ですって?
 何、今の。今の台詞は葉月さんが言ったか?
 普段こんな喋り方なんてしないのに。それこそ、怒ったときぐらいしか。
 もしかして俺、地雷踏んだ?
「その子が、どうかしたのかしら?」
 怖い。葉月さんに怒りを向けられた人間って、皆こんなプレッシャーを感じているのか。
 これは、以前俺の家で暴れた時の比じゃないぞ。
「う、うん。怒らないで聞いて欲しいんだけど」
「怒ってないわよ。いつ私が怒ったっていうの?」
「そ、そうだね。葉月さんは怒ってないよね」
 葉月さんの言葉を信じるんだ! 
「今日、姿を見かけなかったかなー……って」
「見てないわよ」
「そうなんだ、それならいいんだ。忘れて」
「お断りするわ」
 うあ、忘れてくださらない。
「もし、見たとしたらどうだっていうの? どうするつもりだった?
 居場所を聞いて、会いに行くつもりなのかしら。私を放って置いて」
「いいえ、そんなつもりはございません。断じて」
「敬語はやめて。嫌いだから」
 ご、ご無体な!
 なぜそんな私の神経をグラインダーですり減らすような要求をなさるのです?
 敬語を使えないのがこんなに苦しいなんて知らなかった。
 ……敬語って、目上の人の威圧から自分を守るために必要なんだ。今度、真面目に勉強しよ。
「会いに行くとか、そんなつもりはござ――なくて、ただちょっと気になったんだよ。
 弟がいなくなったと同時に、その子まで居なくなったから。だから――」
「会いたくて仕方ないのかしら?」
「違う!」
「弟君が居なくなってもあまり心配していなかったのに。へえ、そう。
 可愛い可愛い、後輩の女の子が居なくなったら心乱すのね。
 知っているわよ。黒のショートヘアーで、身長が私の顎ぐらいで、ちょっと普通じゃないところがある子、でしょ?」
 へけっ、という音が口から漏れた。
 俺の顔、おかしくないよな? 動揺をこれ以上ない形で表現してないよな?
 間違いなく、葉月さんは澄子ちゃんを知っている。
 それどころじゃなく、すでに会っている。
 去年の文化祭で遭遇してはいたが、あの時は澄子ちゃんが覆面を被っていたからバレていないはず。
 とすると、それ以外のどこかで。
 いつだ。澄子ちゃんがペンを投げて大暴れしたのは最近じゃいつだ?
 ――もしや、クリスマスイブか?! というか俺の記憶が正しければ、あれしかない。
 じゃあ、葉月さんが十二月二十四日に、俺を呼び出したコンビニで澄子ちゃんとミニスカサンタが戦っているところを
見物しに来たギャラリーに葉月さんも混じっていたのか。
 とんだ失態だ。その可能性を考えていなかった。
 だからあの日、いつまで待っても葉月さんが来なかったんだ。
 ギャラリーが解散すると同時に、葉月さんまで帰ってしまっていたのか。


801 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/02(月) 01:02:00 ID:LzUN6Ghd
「私、知っているのよ。一昨日のこと」
 一昨日というと、えっと、昨日が十五日だから十四日。バレンタインデイだ。
「あなた、チョコレートを貰っていたでしょう?」
「……なんで知ってんの?」
「すり替えたから。私のオレンジのと、入ってたワイン色の箱」
「なぜ?」
「なぜって、そんなの…………許せないからに決まってるでしょ!」
 超至近距離からの音波が聴覚をかき乱す。
 いかれたのは左耳。しかし耳に手を当てようにも左手はすでに葉月さんに掴まれている。
 左手を引かれ、振り回される。落ち着いた場所はベッドの上。
 葉月さんは、右手で俺の左手を、左手で俺の肩を押さえ込み、上から被さっている。
 要約すると、俺は押し倒されていた。

「いつのまに受け取ったの? 私はあの日、教室に飛び込んできたあなたから一目も離さなかったのに」
「あの、信じてもらえないかもしれないけど、あれは弟がギャグでよこした代物で」
「見え透いた嘘を吐かないで! 弟君がそんなわけわからないことするはずないでしょ!」
 葉月さんの中にある弟の像がそうでも、リアルの弟が阿呆なことをしたのだから、俺に文句を言われても困る。
 しかし、思ったことを口にできない俺がいる。ほんと、弱いね。
「きっとあの子よ。木之内澄子よ。あの子に受けとったんだ」
「違う。澄子ちゃんは弟のことが好きなんだ!」
 葉月さんが息を呑んだ。
 ただそれだけなのに、より気配が不穏になる。
「なに…………それ。ちゃん付け? 私には、名字にさん付けなのに。
 あなたと木之内澄子は、そこまで仲良くしていたの?」
 最悪だ。てめえで悪化させてりゃ世話ねえ。
 特別に仲が良いわけじゃないけど、ある程度の関係があると知られてしまった。
 一般的にはちゃん付けなんて、かなり親しくないとできないものだと認識されている。事実、俺だってそう思う。
 こうなると、もはや手を付けられない。
 澄子ちゃんは弟を好きなんだと主張しても、そんなものではちゃん付けのインパクトを消せない。

 反転した状態からさらに半回転したのか逆に回ったのか、ともかく普段通りになった葉月さんの声が耳に届く。
「呼んでよ。私の名前、呼んで。
 葉月さん、じゃだめ。葉月、もだめ。
 他の誰でもない、私のためだけにある、特別な名前。
 呼び捨てにして。いっぱいいっぱい、どんな言葉よりも多く口にして。
 家族に呼ばれるのと、あなたに呼ばれるのとじゃ全く違うの。
 ずっとずっと、好きな人から呼ばれていないから、乾いてるの。飢えてるの。
 満たしてくれたら、許してあげる。心から、あなたの全てを、私は受け入れる」
 甘い誘惑。口に含んだら抵抗なく溶けてしまいそう。
 受け入れずに拒むのが惜しい。
 ――そもそも、拒んでどうする? 意味があるのか?
 名前を呼んでいいのなら、それでいいじゃないか。
 友達同士で呼び合うのは普通のことだ。それ以外の、例えば友達ですらない花火を俺は呼び捨てにしている。
 葉月さんの名前を呼び捨てにするのは構わない。
 構わないなら、そうしてもいいはずなのに、どうして俺はそうしていないんだ。
「やっぱり恥ずかしい? なら、こうしよう。
 私もあなたの名前、呼び捨てにする。二人で一緒なら、問題ないでしょ。
 ずっとずっと、ずーっと二人きり、いつまでも何も変わらなければいいんだよ。
 ここで決めちゃえば、困る事なんて無くなる。
 私が、ずっとあなたを助けるから」
 俺は助けられたいんじゃない。守りたい。
 学校で会う友達、毎日の生活、そして家族。
 葉月さん。あなたは俺以外にも、俺が守りたいものも守ってくれるのか?
 ――――違うどころか、もし俺と俺の大事なものを引き離すなら、あなたの願いを俺は叶えない。


802 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/02(月) 01:03:09 ID:LzUN6Ghd
 着メロが鳴った。
 聞き覚えのある音色。数年前に放映された戦隊モノのオープニングテーマ。
 俺が、自分の手で自分の携帯電話に設定した音だった。
「携帯電話、たぶん俺のだ」
「どうでもいいじゃない。それより、早く答えて欲しいな」
「どうでもよくはないよ。もしかしたら弟からかもしれない」
 可能性はゼロに限りなく近いが、嘘ではない。
「まあ、いいよ。でも見終わったらすぐに返事してもらうから」
 葉月さんが取り出した携帯電話を受け取り、開く。
 すでに音は鳴りやんでいる。届いていたのはメールだった。
 送り主は――誰だ? メールアドレスが表示されているけど、これは一体誰のだ?
 それにタイトルもない。無題だから、迷惑メールの類ではなさそうだが……。
「早く見て。あんまり待たせて欲しくない」
 頷いて、メールを開く。

 中身を読み、すぐに送信者と、送信者がどんなつもりで送ったものかわかった。
 世界中にただ一人、俺のことをこう呼ぶ人間がいる。
 おにいさん、と。
 ちょっとだけ他人行儀だけど、たまに呼ばれると無視はされていないのだと安心させてくれる呼び方。
 そう呼ぶ人間からメールを受け取ったのは今が初めてだ。だからメール送信者が不明だった。
 頭を下げてでも聞いておくべきだった。
 あいつが――――二つ年下の妹が、俺にメールを送ってくる。
 そんなことが起きるのはたった一つ、緊急事態が発生したときだけなのだから。

 タガが外れた。目的と目的地だけしか頭に浮かばない。
 体の上に乗った葉月さんも、ちょっと動かしてしまえばすぐにどけることができる。
 葉月さんの背中に手を回す。すると拘束する力が一瞬緩み、油断が生まれる。
 左側へ押しやり、ベッドに押し倒す。
 葉月さんの顔が紅くなった。だが、そんなことはどうでもいい。
 ベッドから飛び降り、保健室のドアを力ずくで開き、下駄箱へ向かって突っ走る。
 背後から呼び止められようと、追いかける足音が聞こえようと構わない。
 靴を履いている時間がもったいない。一刻も早く、向かわなければ。

 妹、変なメールを送ってくるんじゃないよ。
 おにいさん助けて――――なんて、普段は絶対に言いやしないくせに。


803 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 01:05:11 ID:LzUN6Ghd
今回はここまでです。
冒頭の部分はノリで書きました。あまり深読みなさらないように。

804 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 01:13:37 ID:Wr7YWjJB
どうしよう…なんだか葉月さんのデレにキュンキュンきてる……
GOD JOB

805 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 01:27:22 ID:Abj9im7l
妹が心配で眠れない。

806 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 02:26:18 ID:fxUq7nQY
GJ!
しかし、お兄ちゃん。唇を奪われてしまった以上はちゃんと責任をとらないとダメだ。
それなのに逃げるなんて……。

807 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 02:48:32 ID:cMCvg7c4
GJ!
お兄ちゃん、兄としてカッコイイが墓穴掘ってるぞw

808 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 02:51:30 ID:8AgYHon3
GJッス!

ちゃん呼びの所からの展開がマジツボでしたwwww
つーか兄貴カッケェよー


809 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 05:10:01 ID:QW9b70Y9
GJ!
また葉月さん可愛すぎる
けど報われないなw

810 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 10:22:26 ID:WPrbWoGX
GJ!
放置された葉月さんはどう動くのかも気になる。
そして妹に何があった!?

811 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 16:26:14 ID:KNux1fxl
GJ!
兄は兄としては合格だけど男としては失格だな

812 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 17:49:26 ID:o7292MkC
>>786
ずっとまっていました!
GJ!
かわいいよ、かわいいよよづり

813 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 20:18:06 ID:VBF9iMnm
GJ!!!! 兄貴、最高だ。 
妹に何があったのか。そして葉月さんが何やらかすか、楽しみだ。 

814 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 22:02:17 ID:C4Ud7Gyk
よづりも傍観者も来てたのか。両方GJ!
よづりかわいいよよづり

さて今回も兄レーダーが働くのか?

815 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 22:59:08 ID:9fMee8Rr
葉月さんお願いだからここは耐えてくれ・・・・。
妹の命がかかってるんだ。

816 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 02:47:30 ID:Kr5Qq8x5
問4 以下の事態が起った場合を想定せよ。

(例)
最近、主人公が泥棒ネコと仲が良いのでその泥棒ネコを退治したいヤンデレヒロインがいます。
けれど、その泥棒ネコは実は不死身の怪物で、とても殺せそうにありません。
仕方がないので主人公を自分だけのものにしようとしますが、
泥棒ネコの差し金か、主人公もまた死なない存在になっていました。

ヒロインは殺せない。主人公も殺せない。
そんな状況に陥った場合、ヤンデレヒロインはどんな行動を執るか?

817 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 07:15:24 ID:vWXUZ86s
主人公の手足をもぎ取って、飼い殺し
または泥棒ネコの手足をもぎ取って、売り飛ばす
もしくはヤンデレヒロインが不死身の怪物をも殺す異能者


818 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 07:57:22 ID:uZYUB6tn
最近起こったそれに近い例で考えれば…
A.泥棒猫との戦いを放棄し全力で彼と引きこもる

819 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 08:16:45 ID:OULmyzZU
>>817 両儀式はヤンデレですねわかります
あーなんか変な記事思い出したぜ

820 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 09:42:59 ID:zHjzU52F
>>816
「あの女本当に不死身だったんだね、刺しても潰しても切り落としても生き返るからびっくりしちゃった」
「でもいくら不死身でも力がそのままじゃ私の○○くんに対する愛に勝てるわけないよね」
「え?あの女は今どうしてるかって?さあ…」
「確か崖に吊るして禿鷹につつかせたか、1dの重り付けて海に沈めたか、どっちかだったよ」
「そんなことより…○○くんも不死身、なんだよね」
「ずっと私が好きになった時の姿の○○くんでいてくれるんだよね」
「死ぬまで…ううん、死んでも離さないからね、○○くん♪」

こうですかわかりませ(ry

821 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 11:05:35 ID:OpitbDKy
式はツンギレだと公式発言が(ry

822 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 13:18:31 ID:Sp9ZqmUr
流れぶった斬って悪いんだが…とうとうヤンデレの夢をみた
知らない女に監禁される夢をみた。多分あれがヤンデレなんだなってわかった
なんかスタンガンで気絶させられて連れ去られて監禁されたらしい
そんで「心配しないで。○○は私が一生世話してあげるから」とか笑顔で言ってくんの…
ヤベーぞマジで…アレはヤバイ…。知らない部屋で目が覚めて知らない女がなんかもうあんな……

俺ずっとこのスレ見てきたけどさ、しばらくこのスレ見るの止めるわ。ヤンデレマジ怖ぇ…
仮に知ってる女がヤンデレになっても怖いわ。お前らマジで気をつ

823 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 14:13:09 ID:WSYGH40K
無茶しやがって・・・

824 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 14:23:06 ID:hx5RGoIg
俺なんて血の海で微笑む彼女の夢を見た。
手には俺が愛用していた文化包丁が… 
足元には友人と事務の女の子達が… な夢だった。

825 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 15:13:07 ID:bKvB5Ed4
お前らそれを絵か文にするんだ。そうすれば神が現れるはずだ

826 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 15:25:53 ID:Sp9ZqmUr
>>822だがなんで最後の二文字が消えてんだ…?
とにかくお前らヤンデレには気をつけろ。ヤンデレになりそうな女にもマジで気をつけろよ
リアルな夢だったせいか二つの意味で目が覚めたわ

827 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 15:44:08 ID:mGqGZrk3
>>826
俺は夢の中のヤンデレとはバカップルになったが愛が足りないんじゃないか?

828 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 19:07:29 ID:8VlfHGxk
俺も監禁される夢を見たけどやっぱ良かったよ
2人だけの世界。誰にも邪魔されることなく2人の愛を育むんだぜ
やっぱ愛の究極体だと再認識した

829 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 19:20:03 ID:PHJo/ds8
夢の中へ 夢の中へ 行ってみたいと思いませんか

830 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 19:51:25 ID:Iwe3MX0J
多分、俺には彼女がいるからヤンデレの夢が見れないんだな・・・・

よし、彼女とちょっくら別れてくるわ。

831 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 20:01:46 ID:1pmV62+0
この間書いたけど、ヤンデレが行方不明になり自分がヤンデレ化した悪夢を見た俺にとっては羨ましい限りだな。
ところで話は変わるが、日本の音楽ってほとんどの曲が恋愛が絡む曲だよな。
で、その内のかなりの曲はヤンデレ化するぐらいの想いって解釈できる歌詞である気がするんだが、気のせいか?
実際、聞いている連中にはヤンデレ化なんざ絶対しないスイーツ(笑)だらけだと思うけど。

832 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 20:02:45 ID:L3zIrt2D
>>830
あばよノシ

833 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 20:07:52 ID:hZBelY/p
>>830
来世で会おうな

834 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 20:19:45 ID:2pgfSEJ5
監禁されるシチュでふと思ったんだけど
いずれは俺も歳をとるわけだしおまえは爺さんになっても愛してくれるのかと詰問したい
途中でやっぱり解放してあげるとか言われても何年も監禁された後だったらどうやって一般社会に復帰すればいいのかと

まぁでもこんなのは杞憂でしかないかもな
ヤンデレに監禁されて何年も生きていられるものかと(ry

835 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 20:24:14 ID:/8kx1Uub
ヤンデレの愛は永久不滅だと信じてる

836 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 20:40:29 ID:bKvB5Ed4
その前に一緒にあの世行きだろ

837 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:00:56 ID:5wIRqtHn
>>828
わがままな俺は外出許可を付け加えた監禁生活を夢の中でおくったw
なんでも現実的にとらえてしまうからな・・・。
「食費はどうしよう」とか、夢がなくていやだね。
>>830
待て!よすんだ!!!
「すまない、俺と別れてくれ・・・・・・・・うわお前なにをすrgl;skhzsh!!!!」
・・・遅かったか(´・ω・)

838 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:07:37 ID:YUSBdCkw
夢の中で育てた脳内彼女
最初はもてない自分をせめて夢の世界だけでも慰めるための道具がいつしか現実へも影響を・・・

839 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:35:00 ID:/ox9h0K9
それはヤンデルのがお前だw

840 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:40:03 ID:hx5RGoIg
最近このスレ見すぎてヤンデレの夢しか見れなくなった。
ある日女の子に地下に監禁されて、長い時間が経ち、気づいたらその彼女と陽の当たる生活に戻っていた。
だが、彼女に似た子供が三人もいた。
…そんな夢を昨晩は見た。
今晩も別のシチュ楽しんでくるわ。
       

841 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:53:34 ID:///IRyiF
「その女の子をよく見ると実はおまえのオカンだった」ていう呪いをかけた。
呪いを解くにその夢の詳細語るがよろし
さすればNA☆N☆ZIの呪いを解いてあげるにゃ〜

842 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 23:13:11 ID:qhKzKw8H
Giftのきりのんはマジでその呪い使ってたな
恐ろしすぎるw

843 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 00:41:15 ID:/87ejD5N
>>841
ママン属性のある俺にだったら呪いでもなんでもないぜ
リアルママンは勘弁だけどな

844 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 13:27:27 ID:VeqZuhpd
てか気付いたら477 KBじゃないか。
次スレ立ててくる

845 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 13:32:12 ID:VeqZuhpd
立ててきました
ヤンデレの小説を書こう!Part16
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212553842/

846 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 16:46:10 ID:Uy46LI9k
>>845
よくやった、うちに来て妹とファックしていいぞ

847 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 18:01:04 ID:mbzFOIlZ
>>846
さっきお前の妹がお兄ちゃん殺すとか私が他の男にとられてもなんともないのねとか、まあそんなことをブツブツ言ってたよ。
大丈夫?

848 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 18:01:24 ID:mbzFOIlZ
ってことで>>845、うちに来て弟とファックしていいぞ

849 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 18:07:30 ID:pMEAyevw
今「○○君、悪のお兄さんを倒してあなたを取り戻しにいくから!」って
近所のお姉さんが果物ナイフを手に走っていった

850 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 19:03:01 ID:LXSyLgA2
>>845
よくやった、うちに来て俺とファックしようぜ

851 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 19:25:05 ID:+K8JEFvF
「男の癖にお兄ちゃんと……許せない。あの泥棒ネコ!」

852 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 20:41:47 ID:4nQ+dUVr
>>845
冴えない俺の親父をくれてやるよ

853 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 20:54:46 ID:IQBXz1if
>>845
それじゃあ俺は俺のケツ毛タップリのケツを差し出すよ。クソ以外未使用の新品だぜ!!








アッ−!!

854 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 21:43:58 ID:WJt629y0
こんな流れじゃ次スレに寝取られちまうぞw

855 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 22:17:38 ID:IQBXz1if
俺のせいでか…orz

856 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 23:21:38 ID:xQPlCaxQ
>>855
抱いてやるから泣くなよ

857 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 23:49:08 ID:K5VTB6ZJ
黙って見てたい俺だが、敢えて言わせて貰う。

この中にヤンデレ女がいるはずだ。多分…

858 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 00:47:31 ID:rO2B0yGr
ヤンデレ女と一緒にいられるか!俺は自分の部屋に戻る!

859 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 01:00:38 ID:AwCX94OM
そして部屋で待ちかまえてる妹
「そうだよね。あんな女といっしょにいられないよね。
お兄ちゃん、やっとわかってくれたんだ。
手錠の鍵は捨てちゃったから、もうこれからはずっとわたしといようね」

860 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 01:27:59 ID:CYnUDJa/
>>859
しかしお兄ちゃんがアンチェインな件

861 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 01:32:45 ID:8gem6Dvc
>>890
妹は史上最強な件

862 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 01:55:48 ID:/h5+wShI
お似合いじゃないか

863 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 21:02:08 ID:mpULLbbf
こういうのは邪道かもしれないが、最初は嫁に愛され年齢と共に娘に愛され
更に過ぎて孫に愛され、最後には曾孫に愛されながら死ぬのが理想だよな









もちろん性的な意味でな

864 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 21:14:49 ID:OpvA6YDa
お前の嫁(志望)が包丁を研いでいた、とだけ言っとく

865 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 21:31:09 ID:y1eBWgBv
曾孫が泥棒猫化するもんだから長年連れ添った婆さんに今更無理心中させられるんですね

866 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 22:27:16 ID:mA5cRH/E
あぁ、もし違っていたらごめんなさい。
ここはヤン・ウェンリーとフレデリカの小説を書こうスレでよかったんですよね?

867 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 22:47:28 ID:HqLQi5da
だとしたらこのスレのスレタイはヤンレデのはずだな

868 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 23:00:33 ID:mA5cRH/E
じゃあ、ヤン・ウェンリーがデレデレするスレでいいんですね?

869 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 23:02:39 ID:HeK9cz40
つまらん

870 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 23:26:34 ID:KVdcLESn
まぁたしかにフレデリカはヤンデレの素質はあるとおもうぞ
たった一杯のコーヒーからよくもまぁあそこまで

871 :名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 00:48:12 ID:OS6pBQPi
447 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ[sage] 投稿日:2008/05/27(火) 01:33:55 ID:a6RHAiAi
フレデリカ「ヤン提督、監禁したいなぁ…」




フレデリカは14歳のときヤン注意に一目惚れし、以来ヤンを追って軍人になるわ
父親のコネを使ってヤンの副官になるわ、生活無能力者のヤンを公私で世話を焼くわ
最後には結婚までこぎつける"ヤン"デレです。

872 :名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 13:52:51 ID:r8G+1LF1
ロシアン・ティーを一杯。ジャムではなくママレードでもなく愛液で


873 :名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 22:21:17 ID:1cGAP53x
青い液ならばございますお客様

874 :名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 22:50:37 ID:+StkkcT6
愛液でも青い液でもロシアン・ティーじゃないから

それに、入力したのはフレデリカじゃなくユリアン

875 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 03:23:24 ID:ylTgfrSo
きみきみ何を言ってるのかわからんぞ

876 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 14:33:48 ID:OaF49gUe
今日はいい感じの天気だから、ストーカーするほうもされるほうもほのぼのするでしょうね。

877 :名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 07:04:10 ID:Rivw5zkW
埋めネタ待ち、保守

878 :名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 00:08:48 ID:uiXYhhC2
てす

879 :名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 16:56:18 ID:J8eccUW0
そうか、すでに次スレがたっていたのか。気づかなかった。

880 :名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 17:09:39 ID:nTOThXgv
グルーピーとヤンデレの違いは何かあるかいな?

881 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 00:10:01 ID:hgEnhONI
グルーピー:ただステータスに反応しているだけのバカ。また、一時的
ヤンデレ:究極の純愛。また、その想いは死ぬまで、場合によっては死んでも続く

882 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 08:16:04 ID:tQt/gO0Y
俺としては病むまでの過程、病んでいく過程、病んでから起こす行動について注目している
病んでいくところが良いんじゃないか?ホラー映画の緊張感にも似たあの感じがたまらんのだ
じわじわ病んでいき、そしてどんな行動を起こすか分からないワクワク感
病的なまでに愛される主人公を羨ましくも感じ、不憫にも思ういたたまれないこの感覚
すべてはヤンデレだからこそ味わえるんですよ
グルーピー?なにそれ?腹壊した時の腹の音ですか?違いとか比べる以前の問題ですよ
分かったら>>880は近所の本屋にヤンデレ大全と未来日記でも買いに行きなさいってこった

883 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 08:28:30 ID:bMn2oDm9
ヤンデレは恋だけにその身を捧げるって感じかなぁ

グルーピーは病んでるっていえば病んでるけど、なんともな
まぁ、物語次第だとは思うけれど

884 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 11:57:34 ID:hgEnhONI
>>882
ヤンデレ大全も未来日記も、模範的なヤンデレからは外れてるような……

885 :ヤンデレ妻と初詣:2008/06/12(木) 12:08:11 ID:qqyAx98Q
埋め代わりにヤン妻小ネタを投下だよ
エロ?無いよ

1月某日 晴れ

「あなた、そろそろでかけないと…せっかくの初詣なのに、人混みでおまいりできなくなっちゃいますよ」
もたもたと出かける準備をしていると、むくれた様子の妻に抱きつかれた。
あまり初詣に気が乗らない俺とは違い、妻はいつの間にか着物まで着て準備万端なようだ。

そういえば、妻の着物姿を見るのは結婚式の白無垢以来か。
今しがたのんびりするなと怒られたばかりだというのに、普段とは違う雰囲気の妻に思わず見とれてしまう。
…それにしても珍しい色の晴れ着だ。緋色…血色?
俺が不思議そうに晴れ着を見ているのに気付いたのか、
「これ、おかあさまからおくられてきたんです。いい染料がてにはいったからって」とはにかみながら答えてくれた。
よりによって俺の実家から…着物のことは詳しくないからよくわからないが、
染料というのは一般家庭でも簡単に入手可能なのだろうか。
「そうですね…素材ならそこらじゅうにいるんですけれど、やっぱり連続で狩るとさわぎになってしまいますから…
けつえk…染料を一滴のこさずしぼりとるのもたいへんですし。
おかあさま、必要なだけあつめるのに何ヵ月もかかったらしいですよ」
松茸並に貴重な染料だ。
「あ、でも後始末はすっごくたのしかったっておっしゃってました!」
わたしもおてつだいしたかったです、と何故か目をきらきらさせている妻に、
それならそのうち休みをとって一緒に里帰りしようかと提案する。
「えっ!ほんとうですか?」
この上なく嬉しそうな笑顔。言ってみて良かった。

そうこうしているうちに妻に手早くコートを着せられ、ぐいぐいと外に連れ出される。寒い…
神社に到着するまでの間、妻はずっと「トランクをひっぱりださなくちゃ」だの、
「お着物のつくりかた、おしえてくださるかしら」だのとはしゃいでいた。
早速里帰りする気満々になっている妻には悪いが、
正月明けでまとまった休みをくれるほどうちの部長は甘くない、と言い訳しておく。
「とれますよ、おやすみ」にこにこと微笑む妻。
「部長さんも……きっと、あなたにおやすみあげなきゃって、おもってますよ、うふふ」
もうすぐ仕事に追われる予定の俺を慰めてくれるのだろうか。
妻の優しさに感謝しながら、それなら神様には「休みが欲しい」と頼もうかなどと軽口を言い合う。

程なく神社に到着。
早めに来たせいか思ったよりも混んではいない。少し並べば境内まで辿り着けそうだった。
妻と参拝客の列に並びながら、今年の願いは何にしようかと思案する。
「休みが欲しい」も叶えてほしくはあるが、やはり新年最初の願い事なのだから
もっと優先度の高いものにすべきだろう。
あれこれと考えていると、突然「あなたあぁ」と助けを求める妻の声に我に還った。
何事かと妻の方を見ると、妻は何故か帰りの参拝客の列に巻き込まれそうになっていた。
慌てて妻を引っ張り出す。どうやら俺と同じように考え事をしているうちに列に紛れ込んでしまったらしい。
……正月早々うっかりしているものだが、おかげで今年の願い事を決めることが出来た。

『妻とずっと一緒にいられますように』…恋愛ドラマのようで照れ臭いが、これが一番の願いなのだからしょうがない。
たぶん、妻も同じことを願ってくれるだろう……もうはぐれないようにと差し出した手を、
恥じらいながらもしっかりと握り返してくれる妻を見る限り、
それは自惚れではないと期待しても良いのかもしれない。

おわり

886 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 12:55:20 ID:HON6d3AO
なんといういい嫁

887 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 18:56:08 ID:i3O3xPD3
>>884
また定義ですか…確かに大全はひぐらしのメンヘラ達まで一緒にしてる感はあるが…未来日記はそんな外れてないだろ

888 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 19:08:50 ID:MVeB4yc1
なんという猟妻賢母。
ご馳走様でした。

889 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 19:48:51 ID:nh0hWvET
>>888
誰が上手い事を言えと

890 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 14:06:37 ID:SzR3tARl
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891 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 14:28:06 ID:gtLM6YAs
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892 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 14:43:55 ID:ps8TDVn8
美月さん何やってんすか

893 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 15:03:18 ID:2KCyxknW
そういやダブルキャストの美月はヤンデレではないが
それに近い恐ろしさがあったな
デッドエンドで惨殺しまくりとか包丁ギラリとか返り血ベッタリとか
主題歌も素晴らしい良い曲だった
ヤンデレでないのが今思えば残念だが
「病んでいた」という部分ではひぐらしのごとくヤンデレに扱われてもおかしくない
いや、やっぱヤンデレじゃなかったな
このスレで「ダブルキャスト」を知ってる者はどれほどいるのだろうか



894 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 16:27:19 ID:ntZ3+9nL
聞いたことはあるような無いような。

895 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 17:58:27 ID:YRtmc0Fq
>>893
買おうか迷った
あの時はギャルゲーには興味があったけどかえなかったな

896 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 19:15:16 ID:pKFaG90O
>>894
>>895
是非とも買うべし!
元値が安いくせにクオリティが異常というひぐらしの選択肢ありバージョンだ
ゲームは単純で選択肢によってストーリーの展開が変わっていくマルチエンディングってやつ
ダブルキャストはノベルゲームではなく、それが全部アニメーションってのが特徴
ちなみにこのダブルキャストは「やるドラシリーズ」ってので、他に季節に合わせた三作品がある

サスペンスホラー+恋愛でバッドエンドの数の多さはスクールデイズとFate並みにある
買って損はしない。10年ほど前の作品だが今でも楽しめるはず。マジでおすすめする
ヒロインが1人だけなんだがマジ可愛いぞ。そんで怖い。ヤンデレ半分メンヘラ半分って感じだ
(ネタバレになるからこれ以上言わないが)

俺はギャルゲーと気付かず買ったがやってみるとギャルゲーとは思わないと思う
とにかく安いし面白いし俺が唯一100%達成したゲームだからおすすめする
一昔前の「コレもヤンデレと言えるのではないか?」と考えさせられる作品だ
確かプレステで2500円くらいだった。今なら中古でどんくらい安いか知らないが絶対損はしないぜ

ちなみにフルコンプするには鬼の忍耐力が必要。この意味はやってみれば(やった人には)分かること

ヤンデレ好きには是非一度やってみてほしい。夏にピッタリなゲームだ。主題歌もマジおすすめ

897 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 19:26:18 ID:JFhrwf0n
宣伝乙

898 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 19:28:37 ID:KdrY9QLj
>>896
うるせえ、鎮静剤打つぞ。

その前にちょっと買ってくる

899 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 19:33:07 ID:ntZ3+9nL
>>896
アマゾンで見てみたら結構安いし買ってみるわ。
最近はやりたい物とか読みたい物が多いから買うのはちょっと先になりそうだけど。

900 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 19:36:22 ID:DzslZQO8
『季節を抱きしめて』もお薦め
女友達が一人しかいない、非モテ鈍感主人公が記憶喪失の女子高生を拾って、
そしたら女友達に凄い勢いでなじられるゲーム。
「ただの友達でセックスどころかキスもしてない相手になんでそこまで言われにゃならんのだお前頭おかしいのか」と思うぐらいなじられる。

901 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 20:25:33 ID:ZsLHhhoS
>>900
ほう。
それはつまり、そのたった一人の女友達は主人公のことが好きということだな。
そして、主人公を独占したいから周りにいた女友達を排除して、自分がオンリーワンになった、と。

902 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 21:16:11 ID:nvJ9ILRk
ダブルキャストは本気で主人公死亡率高くて泣いたw

903 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 21:40:42 ID:Jo7R3qnC
ヤンデレ出演ゲームやらアニメやらって全然見たことないなあ…
いつもこのスレで萌えるか脳内妄想だ
ダブルキャストは入門には良い方?いきなりスクイズあたりだと強烈だろうとは思うけど


904 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 21:45:30 ID:afDzE8xj
入門ならSHUFFLE!見とけ

905 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 22:05:25 ID:8dC7soxp
ここを見れば、ダブルキャストがどんなゲームかわかるぞw
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm218037

906 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 23:35:04 ID:Jo7R3qnC
>>904
SHUFFLEか、タイトルだけ知ってるわ。TSUTAYAにあるかな。今度借りてみる
>>905
中身見なくてもサムネで病んでるってわかるとか凄いw
調べたらダブルキャストってPSPでも出てるんだね。
深夜布団の中で一人ヤンデレと対峙ってのも良いな…寝オチしたら二度と目が覚めなそうだけど

907 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 23:57:47 ID:pKFaG90O
>>898
>>899
お買い上げありがとうございまーす!大人気ですからお早めにどうぞ〜

>>903
ダブルキャストのヒロインをヤンデレと言っていいかどうかは難しい。定義が確立していないからな
入門なら>>904の言った作品がおすすめ。しかしダブルキャストも侮り難し
安いから試しに買ってみることをマジおすすめします


908 :名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 01:25:41 ID:blJKgIWB
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     レ-'  _,...-=-.., i,  ,r'  ,-、_  ,ヘ, i  ,.ー-、  l   ..::::..l  i::   \´ ,.r' ...:::..  ::::::::::::::: ゝ      y'
     l ,r'      i Y _,y' i ; i  -、_T´ r',っ  .ヽ、i、  ::::: l  `ー-= '" ...:::::::::::::::: _r-'"~ヽ,    ..:_,r'
    ,r='        ヾ,_く..,_ i,`   └イ   Y__,..,r' ヽヾ ''  .i      :::ヾ :::::_,.-vニ.., 、ヽ` ri :::. ,.-'"
    i "      ,.'.   ~`-..,y_  ,、_ r'」      `i、   ヾ、   ヽ、   ..::::::_,.トv'ヽ, ヾ_ `i y_r'_,. -'"l
   r'                `ー-'~          i   ヽy ,. ' ヽ、 _,r'~  r' ` ,  ヽ,-'     i,
  .i    ....:: '"       ~`  ,r-;ゝ-;、      ,i    l ヽ、  ,.~    ヾ,._,.r,.- '"     ,. ' `l
  l ...:::::::::  ,.         ,y'  _,.-__ヽ、     l     l  ヽ 、 `     / ー - ...,_   '    l
  ! :::::::   ::.         /  ,' r'   ~フ~=- ..,_t,     !    丶t-=..,_'"_ :::..          _,.l
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