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【異形化】人外への変身スレ第三話【蟲化】

1 :名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 00:13:20 ID:ZkxF6BnK
獣・蟲・妖怪など主に女性がに人外へと変貌していくスレです。
しだいに頭の中身までもその生物になって、本能にしたがって交尾や産卵してしまうシチュ萌え。

前スレ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1177949148/

初代スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1136653189/

maledict氏の過去ログ倉庫(外部のサイトです)
ttp://book.geocities.jp/maledictarum/

関連スレ
[獣化]人間が人外に変身しちゃうスレ9[異形]
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1205342770/
【獣人】亜人の少年少女の絡み6【獣化】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197755665/
おにゃのこ改造 BYアダルト11
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204453271/


2 :clown:2008/04/02(水) 01:41:58 ID:ZkxF6BnK
投下します。百合、TS注意。

3 :『エロティック・アニマル』:2008/04/02(水) 01:43:29 ID:ZkxF6BnK
「おはよう、シュウちゃん」
 私が何とかして重い瞼を開けると、すぐ目の前にミナの顔。嬉しそうにして、私の目を
覗き込んでる。
「……おはよう」
 と弱く返事をすると、ミナはにっ、と笑い返す。
 ミナは小学校からの付き合いで、しょっちゅう遊んでいる。家は小学校を挟んで正反対
で、もっぱら出かけたり、他の子の家に集まったりしていたから、長い付き合いの割には
家に訪れたのは数えるほどだけれど。結構大きな家で、訊けば祖父は昔、製薬研究所の所
長を務めていたらしく、その関係か父は医者を、母は看護婦をしているらしい。
 そのせいで仕事に出払っているのか、確かに彼女の両親を見た覚えはない。家政婦さん
を雇っているらしく、住み込みでこの大きな家と、一人娘のミナの世話をしているそうだ。
 この話を聞いたときに、
「私のじゃなくて、病人のご飯ばっかり作ってるんだから」
 と、拗ねた物言いをしたのを覚えている。小学校のときのことだ。
 ……どうやら、気付かないうちに寝てしまっていたらしい。
 緩んだ頭を駆使して思い出してみると、渡すものがある、と言われて久しぶりに家に呼
ばれたところ、ケーキと紅茶を出された。良くあるショートケーキなのだけれど、もらい
物の有名な洋菓子店のだそうで、確かに美味しかった。紅茶もいい匂いだったけれど、私
にはお茶の良し悪しが分からない。
 それを食べるところまでは覚えてる。で、食べてるうちに、ボーっとしてきて……、そ
のまま眠っちゃったのかもしれない。最近忙しかったから、気を抜いた拍子に意識まで抜
けたのだろうか。
「もう起きないかと思って、心配したんだよ」
 ミナは体を起こして、その顔が遠ざかる。
 そのせいで、「ごめん」と口に出掛かった言葉が、急遽引き戻される。
 ――え?服、着てない?
 垂れ下がって、私の顔に掛かっていたミナの長い黒髪は、今では彼女の鎖骨を通って、
その膨らんだ胸に掛かっている。見間違えではなくて、私が目を白黒させていると、えへ
へ、と笑いかける。
 私のお腹に跨っているけども、やっぱり何も穿いてないようで、意識をすれば肌ざわり
のやわらかさや、体温が分かる。あと、チクチクした感触も。
 ――って、私も、裸?
「えっ、え、何で?」
 ミナが乗っかっていて起き上がれないので、首を持ち上げて自分の身体を見ると、確か
に裸だ。ブラすらつけてなくて、発育の悪い乳房が、重力のせいでもっと平らになってい
る。
「痛っ!」
 ガシャ、という金属音と共に、右手首に痛みが走る、次いで左手も。両腕は開きがちに
上を向いていて、バンザイしているようになっている。無意識な動作で引っ張ったが、手
に何かがはめてあるらしく、動かないようだ。目が届かないから、どうなっているかはよ
く分からない。
「ごめんね、手錠したの」
 相変わらず私に乗っかっていて、見下ろすミナの顔は、謝罪していながらもやっぱり笑
っていた。
 私は何も言えなかった。混乱して、現状や彼女の言葉を受け止めるまでに若干の時間を
要した。きっと私が裸なのも、ミナがやったことなのだろう。でも何で?目的がまるで分
からない。悪戯にしては、重すぎる。
「シュウちゃんが悪いんだよ」
 そう言ってミナはもう顔の横に手を付いて、また彼女の黒い髪が私の頬を撫でる。陰が
掛かる。
 ゆっくりと、ミナは身を傾ける。接触面積が増すほどに体重が分散していく。同時に体
を下げていて、ミナのお腹が私のお腹に当たり、ミナのちょっと羨ましい胸は私の胸に押
し当てられる。肘で身を支えているようで、ミナの荒い息遣いが顔に掛かるほどに近いが、
接触には至らない。
 ミナが首を横に傾けたので、私は咄嗟に顔の向きを反らした。ミナは不満げに、
「そう、嫌なのね」
 と言って、そのまま全体重を掛ける。お互いの顔はすれ違っていたから、私の左側に、
ミナの頭があった。

4 :『エロティック・アニマル』:2008/04/02(水) 01:45:24 ID:ZkxF6BnK
「……何でこんなこと、するの?」
「シュウちゃん、アキラくんのこと、好きなんでしょ?」
 ミナは顔をこちらに向けて、耳元で囁くように喋る。
「だから、こうでもしないと、って」
「ミナちゃんも、アキラくんのこと――」
「違うよ!」
 私の言葉を遮っての、強い否定。
「ミナが好きなのは、シュウちゃん」
 ミナは愛しそうに喋りながら、両腕を私の背中に潜り込ませた。布団と背中の間でもぞ
もぞと動くのが、まるで得体の知れない生物に触られているようで、嫌だった。
「シュウちゃんが好きなの。でも、シュウちゃんはアキラくんのことが好きでしょ?……
だったら、私のものにしちゃえばいいや、って」
 すぐにその言葉の意味を飲み込むことは出来なかった。そしてやっとのことで非難めい
た言葉を吐こうとしても、それすら発せられずに押さえ込まれる。そうする前に、ゾッと
するような感覚が首筋に通り抜けたからだ。
 生温かくて、ぬるぬるしていて、やわらかい。乱れ湿った吐息と声に混じって、そんな
感覚が、私の首を撫でている。同時に、背中に回された腕がきつく締められて、ミナの豊
満なおっぱいが押し付けられる。それらの不快さに、私は目を固く閉じて、歯を食いしば
り、堪えることしか出来なかった。
 彼女の言葉は冗談にも聞こえたが、服を脱がされて、手錠を掛けられて、こんなことま
でされている今では、そんな楽観視はことごとく打ち消されている。私が眠ってしまった
のだって、きっと紅茶に睡眠薬でも盛っていたからに違いない。
 ――おかしい。こんなのおかしいよ。女の子が女の子を好きになるなんて、誰かを、自
分のものにしちゃうなんて。絶対に、どうかしてる……!
 舌が引き戻されると、はぁはぁ、という熱い吐息だけが残っていた。自分でも分かるく
らいに緊張していて、僅かな変化さえ見逃さないほどに張り巡らされた神経にはそれだけ
が強く残り、余計に静けさとその興奮が印象付けられる。
「私は、こんなに好きなのに……。やっぱりシュウちゃんは、普通の女の子、なんだね」
 ミナは手を引き抜いて、体を軽く起こした。蚊帳のように黒髪が周囲を覆って、目の前
には陰の落とされたミナの顔だけ。涙に滲んだ目に少しだけ同情を覚えたけれど、私は強
く睨み返した。好きだから、友達だからといって、許されることじゃない。
「でもいいの。そしたらシュウちゃんが、私のことを愛してくれるように、すればいいん
だから」
 悲しみが途端に失せたかのように、表情は満面の笑みへと変わる。言いようのない間が、
私とミナの間に横たわる。
 掌に鋭い痛みにハッとする。無意識に、爪を深く突き立てるほどに固く手を握り締めて
いたのだ。
 ミナは飛び起きて、その勢いでベッドから降りる。
 恥ずかしい格好のまま放置されて、ミナはベッドから離れて何処かへ行ってしまった。
目で追えないが、どうやらこの部屋にはいるようだ。
 ふと天井を眺めてみれば、打ち放ちのコンクリートに蛍光灯と、無機質な装い。どうや
らここは祖父が敷地内に私有していた研究所であるらしい。祖父が引退した今では、ほと
んど使われていないと聞いた覚えがある。
 更に観察を続けると、カメラのようなものが伺える。ガラスの面――奥にレンズらしき
照り返しが見えるそれは、確実にこちらの方へと向けてあるのだ。
 私は隠すところを隠そうとしたのだけれど、足にも手錠がつけられていて、それが食い
込むだけだった。
 段々と把握される状況に追い詰められて、目から涙が溢れる。ミナへの強い反感よりも、
とにかくこんな場所から早く抜け出したかった。痛みを忘れて、手足を強く揺する。無意
味なのは分かっていたが、そうでもしないとどうかしてしまいそうだった。
「暴れても無駄よ。プラスチックで出来てるような安物じゃないの」
「うるさい!外してよッ!」
 部屋の片隅から聞こえるミナの声に、私は怒鳴った。
「こんなことしていいはずがないじゃないッ!外してッ!外してよ!」
 カラカラ、と台車の押す音。ミナは返事をせずに、ゆっくりと近づいてきた。
 戻ってきたときには、裸の上に白衣を纏っていた。ボタンは締めていない。私を見下ろ
す目は粘つくようにじっとりと、そして酷く冷たかった。まるで今見ているものが、偽者
の私だ、と言わんばかりに。
「ダメよシュウちゃん。貴女は私のものなの。シュウちゃんだって、カナリアを飼ってた
じゃない?飛びたがって出たがっても、逃げちゃうから、って」

5 :『エロティック・アニマル』:2008/04/02(水) 01:46:54 ID:ZkxF6BnK
 私は再度恐怖に抑圧されて、収まらない呼吸をそのままに押し黙った。
 すっ、と持ち上げられた手には注射器があった。ミナはどこで覚えたのか、その注射器
でアンプルから手際よく薬品を吸い取り、ぴゅ、と僅かにその薬品を切った。
「ひっ!い、嫌――」
 鋭利な先端に金属の冷光。友のものとは思えない、狂気の眼光。
「暴れないでね。痛いのはシュウちゃんなんだからね。大丈夫、これでも私、下手な看護
婦さんよりは上手いのよ」
 ミナはゆっくりとベッドを回り込んで、私の左へと移動する。足音の一つ一つに、私の
心臓はノミで刻まれる。
「大丈夫。静かにしてれば痛いのはちょっとだけなんだから。ほら、あっち向いて」
 私は完全に縮み上がっていて、言われるがままに右の方へと顔をやった。命令に従って、
それがどうなるかは分からない。だが、従わずにいれば、より酷いことをされるんじゃな
いか――。ミナが視界から外れれば不安が増幅するのは分かっていたけれど、従う他はな
い。二の腕を掴まれ、短い悲鳴をこぼす。
「リラックスして。大丈夫だから……ね?」
 いつが発端か分からない痛覚が、左腕にジンとする。すぐに消毒用アルコールで拭かれ
たのだろう、冷たい感覚の後、パッチが張られる。確かに、インフルエンザの予防接種の
ような、手馴れた作業。注射されるや否や、激痛に苦しむわけではない。だけど――
「よく我慢出来ました。お疲れ様」
 だけど、一体私は、何を注射されたのだろう?
 頭に過ぎる連想は、不吉なものばかり。このまま死んでしまうんじゃないか、とか、茨
姫よろしく眠り続けてしまうんじゃないか、とか。服を脱がされて、両手両足を縛られて、
それでもミナに対して希望的な観測をするなんてことは、到底出来なかった。
 ミナは注射器やらを台車に戻しながら、小さく笑う。
「ふふ、気になるでしょ。この薬はね――」
 もったいぶって口を止め、再度ベッドに乗る。四つん這いで私の身体に跨り、じっとり
した目線で嘗め回す。お尻を突き上げた格好で、腹と胸を私の身体に沿わせて、ミナはそ
の顔を私の胸に当てる。生温かい。はだけている白衣は私の脇腹をくすぐり、輪郭を誤魔
化すだけ。
 ベッドに肘を突き、開いた両手で私の胸を弄る。揉むようにしたり、撫でるようにした
り、ちらちらと乳首を掠めたり。更に舌で嘗め回して、鼻息は肌の地表を通り抜けた。
 不快感に混じって、言いし難い感覚が神経を刺激する。私は歯を食いしばって、見える
もの全てを否定するように目を固く瞑り、ただそれに耐えた。私はとうに赤飯を炊いて祝
われているから、その感覚が性的なものだとは分かっていた。その認識は結局のところ不
愉快へと変換されて、しかしそれでも現状を受け入れざるを得ない、という事実によって、
重ねて増幅される。
 何より憎かったのは、それがミナである、ということ。
 仲の良い友達だった。多くの時間を幸せな雑談や些細なやり取りで満たして、時にケン
カや、食い違い、慰めあったりもしてきた、仲の良い友達だったのだ。修学旅行も、夏休
みも。一緒に映画を見に行くことだってたくさんあった。
 なのに、そんなミナが、こんなことをしている。
 いつの間にか、ミナが、こんなミナを受け入れない私を偽者のように見るのと同じくし
て、私は、こんな酷いことをするミナを、本来のミナとは別なのだ、と隔絶し、強い嫌悪
をその存在自体に、ギラギラと照り返していた。
 その嫌悪に気付いたのかは分からないが、ミナは顔を持ち上げて、言葉を繋げた。ぶれ
た虹彩の煌きが、私の与える熾烈な視線と衝突して、えもいわれぬ緊張感が生まれる。陽
炎のような笑顔は、まるで酩酊しているようで、出来るならば嘘と言って欲しい恐怖を再
確認させられる。


6 :『エロティック・アニマル』:2008/04/02(水) 01:48:21 ID:ZkxF6BnK
「あの薬はね、シュウちゃんを解放するものなの。偏見とか、常識とか、世間体とか。理
性の箍(たが)に囚われない、本当の、野性のシュウちゃんになるの。そうしたら、シュ
ウちゃんは私のペット。私なしじゃ生きられないの。私がシュウちゃんなしじゃ生きられ
ないのと同じにね」
 言い返すべき言葉はあった。
 その考えがどれほど歪なのか、普通に考えれば分かること。
 私はそれを指摘しようとした。しようとしたのだ。
 だが、私は恐怖に押され、食いしばった歯をより強くかみ締めることしか出来なかった。
 すぐにその意味を飲み込む。つまり、それこそがあの薬の効果であり、それが効き目を
示し始めたのだ。今私を取り巻いている恐怖は、連鎖する想像や思考を介すことなく、一
方的に増しつつあった。怖い、ミナに逆らってはいけない、という警告が何よりも強くて、
思考が滾る感情に反映されていない。
 ミナはそんな、きっと怯えて震えているであろう私の目を見てか、笑みを作ってみせる。
 ――嫌、やめて、これ以上酷いことをしないで!
 もう一度私の身体に顔をうずめて、愛撫しながら嘗め回す。指先と舌による愛おしみに、
湛えられた恐怖へ快楽の一滴が落とされて、翻すように染まりきる。瞬く間に解れ、理性
はより泥土へと沈む。今ではもう、全てを拒めやしない。それら全てを享受して、あるい
はミナ以上に、この時間を楽しんでいた。

 動作が静止して、二人の呼吸だけ。
 その都度に熱が放出されて、私の思考を圧迫する激情が衰え始める。理性がずっと放っ
たままの警笛が、自然と水面から現れる。
「ね。でも、これだけじゃないの」
 ミナはゆっくりと身体を起こすと、くすくすと笑う。感情すら掌握したことに愉悦を覚
えているのだろう。自分はそんなミナに怯えた目線しかやれないでいた。もう鋭く睨み返
すことなんて、出来やしない。
 ベッドから降りてすぐ横に立て膝になる。私の恥部を一瞥してから顔を見る。私はそれ
が無意味だと知りつつも出来る限りに股を閉じようとしたが、手錠が食い込み痛んで、反
射的にそれを開く。
「大丈夫。気持ちよくしてあげるからね」
 立て膝のままに私の下半身に覆いかぶさる。腕をまるで蔦のように、足と腹部に這わせ
る。温い吐息がそこを悩ましいほどに撫で付ける。その感覚だけで、私の精神は高揚感を
再起させていた。思考は同じところを行ったり来たりするばかりで、どうしようもなく無
力だった。
 舌先が陰核を刺激する。荒波に揉まれる板切れのように、私はその激動にただ揺られる
ばかり。嵐のような揺りかごに、意識はもう擦り切れて今にも消えてしまいそう。紛うこ
となく私の性欲はそれを望んでいて、叶うことならばずっとそうしていたがっている。
 ――気持ちいい、いいよ、ミナ、もっと、もっと――!
 しばらくして、ミナはその動作を止めた。
「ふふ、シュウちゃん、シュウちゃん。効いてきたよ」
 その楽しそうな声は、私の視線を誘っていた。首を持ち上げ目をやると、満面の笑みで
こちらを見るミナ。それに、私の陰核が恥丘の向こうから、顔を出して見える。
 ――え?
 ミナの中断と疑問符に、理性が召致される。
「ね。シュウちゃんのクリトリス、おっきくなってるでしょ?私は女の子だから、シュウ
ちゃん、よろしくね」
「な、何?女の子だから、どう……なの……?」
 ミナは私の疑問に、肥大した陰核を口に含み舌での愛撫を再開することで応えた。水っ
ぽい音。思考が熾そうとする不安は燻って、押し戻されて立ち込める。
 一度意識をすれば、頭に張り付いて離れない。自分の体に何が起こっているのかを冷静
に分析しようとする傍ら、不安がその形を成していく。具現化しつつある不安が思考を遮
ろうとしても、意識せずにはいられない。
 ――嫌よ、知りたくない!そんなのあり得ない!だって私は女の子なのよ?そんなこと
あるはずがないの!嫌、ミナ!やめてよ!私は女の子だし、友達でしょ!やめてッ!
 しかし拒絶は出力されずに、気持ちよさに酔いしれる傍ら、いっそのこと何も考えられ
なければいいのに、とさえ思えてくる。そんな諦めこそが、ミナの求める私だとは分かっ
ていたけれど、プライドで自らに刃を突き立てたままに出来るほど、私は強い人間じゃな
い。

7 :『エロティック・アニマル』:2008/04/02(水) 01:49:53 ID:ZkxF6BnK
 ――夢であって欲しい。そうだったら、嫌がる必要なんてなくて、悪夢ですらないのに。
だって気持ちいいもの。ダメ、飲まれちゃダメ!でも、こんなに気持ちいいんだよ?ミナ、
やめて、私は女の子なのに……。でも、ああ、でも、でも……。
「ああッ、あぁぁああ――!」
 興奮が高まって、何かが、私の陰核にほとばしる感覚。
 あり得ない、あってはいけない感覚だった。
 その初めての衝撃は何よりも気持ちよくて、意識は滲んでいる。陰核がびくびくと動い
て、熱い。知らずの内に喘ぎ声は叫び声へと移って、いっそう淫楽に狂っていた。それら
は止まらない。止まらずに、私は女の子なのに、ただそれが快感だった。

 長い時間が経過して、興奮が冷めていく。身体はまだ火照っている。ミナが陰核を吐き
出すと、べちょり、とそれが股の内側に触れた。ミナは口の周りを、白っぽい液体で汚し
ていて、私と目が合うと、それを舌で舐め取った。
「シュウちゃん。シュウちゃんはこれでね――」
「やめて!……言わないで」
 言葉を遮ると、ミナはベッドに乗り四つん這って、私と顔を向き合わせる。
 殺しても構わない、と言いたげな鋭利な目つきで一睨みし、
「動かないでね」
 と命ずる。体は途端に強張って、瞬く間に平伏していた。
 くすくすと笑い、首を傾け、その汚れた口のままに、接吻する。
 苦いようなしょっぱいような味が、生臭さを伴って広がる。舌の軟らかさや温かさより
もそれが強く印象に残って、酷い不快感がする。それを虚構だと信じたくて、あえてミナ
の舌による蹂躙も、ささいな抵抗さえせずに、されるがままにしていた。
「シュウちゃんはね、雄になったの」
 口付けを終えるや否や、ミナはそう告げる。その言葉は予想していたが、実際に言われ
てみると重く、処理しきれない感情に混乱した。今や自分の股に生えているものが、男性
のものだ、という認識、そして気持ちよくなって、射精してしまった、ということによる
羞恥心。友達だと信じていたのに、妙な薬を注射されて、そんな体にさせられてしまった
という怒りと恐怖。生えてしまって、これからどうすればいいのか、という不安。こんな
体じゃアキラくんに嫌われてしまう、という焦燥。非現実感や、絶望、エトセトラエトセ
トラ。
 頭が洪水にパンクすると、自然に涙と嗚咽になってあふれ出ていた。自然とぼやける視
界にミナの顔が失せて、安堵と清々した気持ちを感じる。それがあまりにもくだらないも
のだとは分かっていたけれど、そんな瑣末なものにしか、頼れなかった。
 それすらも歪ませてしまいたいのか、ミナの声が聞こえてくる。
「フェラされてイっちゃうなんて、もう女の子じゃないもんね、シュウちゃん。気持ちよ
かったでしょ。ね。もう雄なんだからね。でもシュウちゃん。まだ泣いちゃダメ。まだ、
まだまだなんだから」
 ミナはベッドから降りると、あろうことか、右手を束縛していた手錠を外した。他の手
錠も外してくれるのか、と期待したが、そういうわけでもないらしい。解放された右手に
は、手錠の痕が残っていて、見るだけでも痛ましい。
「あの薬はね、血流によって全身に浸透した後に、性的な興奮によってその効力を発揮す
るらしいの。どういうことか分かる?エッチなことをしてると、薬が効いてくるわけね。
言ったとおり、まだ終わっていないの。シュウちゃんが今のままじゃ、私がペットだ、っ
て言っても、私のお母さんが認めてくれないもんね」
 ミナは鍵をジャラジャラと鳴らしながら、ベッドから離れる。
 涙を拭う。右腕に遮られなくなった今、部屋がどういう状態かをより確認できた。やは
り研究室であるのは間違いないようで、薬品庫らしき棚が複数と、試験管やビーカのよう
なガラスの機具が見える他、大掛かりな装置もたくさんあって、ゴタゴタしている。照明
は部屋全体ではなく、このベッド辺りを照らしているだけであるから、それ以上に細かく
は調べられないが、一箇所、煌々と光を発している装置があって、恐らくそれは何かの画
面なのだろう、ミナはそれを操作していた。
 それを眺めていると、電子音の後、天井で何かが動く音が響く。重低音であるから、何
かしらの機械が動作しているのだろうと天井に目をやれば、ゆっくりと、天井にあった細
長い溝が開いていくのが分かる。

8 :『エロティック・アニマル』:2008/04/02(水) 01:52:24 ID:ZkxF6BnK
 溝が1メートル四方ぐらいの穴になると、そこからはなにやら、手術室にあるような
仰々しい照明装置が降りてくる。光は灯されておらず、ある程度せり出してくると、ガタ
ン、と音を立てて止まった。ふわり埃が落ちてきて、私は右手をかざしながらよく見てみ
れば、それに備えられたガラスの覆いらしきものにはヒビが入っていたり、断線したコー
ドが垂れ下がっていたりと、使えそうにない。
 もう一度電子音が響く。その壊れた照明装置の側面にあった板状のものがスライドして
降りてきたかと思うと、折り返して照明に覆いかぶさった。黒い板にしか見えないそれは、
三度目の電子音の後、そこに何かの映像を映し出した。どうやらそれはディスプレイであ
るらしい。
 初めは映像が何を写しているのかは分からなかったが、すぐ次にはそれから目を逸らし
て、それを見よう、と思うまでしばらくの時間を要した。その醜いものを見たくはなかっ
た。それでも結局、それを細部まで観察するに至ったのは、ひとえに現実逃避し切れない
生々しい感覚のせいだった。夢だ、と思いたい反面、その願望自体が、夢ではないのだと
いう否定に繋がっていた。
 画面に映っているのは私だった。パイプベッドに横たわって、左腕と両足は手錠が掛か
って、動かせない。視線をまっすぐにすると目の前の私は、私を蔑ろにするかのようにそ
っぽを向いていた。ぼんやりと口を開けっ放しにしているのに気付き、閉じて唾を飲んで
から、目を下の方へと滑らせる。ぺったんこな胸に、まあ不満のないウエスト。汗やら何
やらで濡れていて、てらてらとしていた。
 そして更に下、あるはずのない、女性の私には、本来あるはずのないもの。ついさっき
までそれは、女性の性器である陰核だったが、今は違う。それは太くて、長く伸びていた。
赤っぽい色をしていて、開かれた両足の間に垂れている。
 視界を閉ざして、しかし案の定逃げる手立ても見つからないと分かって、まるで考えあ
ぐねた。ただ待つことしか出来ず、簡単に諦めることも出来ず。それでも無常に時間は過
ぎて、いやだからこそ、その耐え難い空白をやり過ごす越すことが出来た。
 再度ミナがベッドの脇に現れる。手の届く距離だったが、今の私はまな板の上の魚、下
手に暴れれば何をされるか分からない、という恐怖があって、抵抗をするにも出来ない状
態にあった。仮に何かの拍子でミナが死んだら、こんな恥ずかしい姿を誰かに見られてし
まうか、最悪餓死してしまうだろう。
 であるから、手錠が一つ外れたところで、問題は何も変わらなかった。いやむしろ、ミ
ナが自ら外したということに、どこかしら危機感を覚えるべきだったのだ。
 ミナは私の両足の間に座り込んだ。私の足を踏まないようにか、彼女の両足は私の太も
もを跨らせてあり、かなり卑猥なポーズ、俗に言うM字開脚になっていた。
 その扇情的な格好に、強い性欲を抱いていた。精神が狂わされているんだ、薬のせいだ、
というフォローは、彼女の手が私の、……陰茎に掛かると、すぐさま覆されて藻屑となる。
態度とは裏腹に慈しみの感じられる手つきでそれを包むように掴むと、上下に手を動かし
た。
「いいでしょ?手コキって言うんだって、こういうの」
 体が仰け反って、視線が液晶画面に移る。その手コキとやらを受けて、恍惚とした表情
を浮かべている自分が映る。だらしなく開いた口から唾液が溢れている。こんなのは自分
じゃないと否定したくても、何一つそれを肯定する要素はない。気持ちよくて気持ちよく
て、それが許せなかった。
 それが自尊心ばかりではなく、自分の体すら蝕んでいることに気付いたのはしばらくの
こと。ミナの言葉は頭に強く残っていたが、それを目で確認するまで、その意味を正確に
理解していたわけではなかった。
 それでもそれに気が付いたのは、やはり感情と思考の間に、薬によって生じた僅かな溝
があるからに相違ない、と後に思う。そういう意味では、自分は完全に取り込まれたわけ
ではないのだ、と、一抹の安心感を抱けるだろう。気休めにも程があるのだけれど……。

9 :『エロティック・アニマル』:2008/04/02(水) 01:54:35 ID:ZkxF6BnK
 突然、ミナはその手を止める。不本意にも、私はそれを咎めるような視線をミナに浴び
せていた。何でやめちゃうの?と、思考すらも異口同音。ミナの返答は挑発的な目つきと、
たった一言だった。
「ほら、今度は自分でやってみてよ」
 解放されていた右腕は、自然と動いていた。それから分泌されたぬるぬるとした液体と、
自分の一部とは思えないほどの熱さに対してのレスポンスを待たずに、言われるがままに。
思考は遅れて、その気持ち悪さと、自分がもう女の子ではないのだ、という改めてのショ
ック、自分の行動に対する叱咤、そしてミナに対する反感をまとめて抱いた。
 もう止められようがなかった。乱暴に握り締めて、バカみたいに上下させていた。目の
前の画面には、それを強いられている自分の姿。淫欲に溺れている姿はあまりにも醜くて、
いっそ死んでしまいたかった。
 畳み掛けるように変化も訪れた。初めは錯覚だと思ったが、扱く度に揺れる視界はそれ
でも正常だった。
 初めは私の体が、薄っすらと黄色めいて行くように見えた。それはほとんど全身に起こ
っていて、錯覚ではないと知ると、次は画面の不調を疑った。しかし、そこに映る白い
シーツは相変わらず白く、次第に、それがつやのある金色の体毛であることに気が付いた。
 画面越しではなく、肉眼でそれを確認したとき、強烈に鳴り響く警笛、危機感。
 ミナの呪詛のような高笑い。性欲は止まらない。変化は止まらない。
 ――やめて!やめないと私、本当にペットになっちゃう!私は人間なのに、こんなの…
…。ミナも私のことを見てるのに、ああ、でも、でもっ!気持ちいい、気持ちいいよぉ…
…!
 皮肉にもその焦燥は、陰茎をしごく手を一層早めた。そして変化は全身を覆う毛皮だけ
ではなくて、骨格をも歪ませ始める。それさえくすぐったくて、性的興奮は一方的に高ま
るばかり。とっくに白濁液を垂れ流していたので、激しく動かすたびに周囲を散らかす。
生えたての毛に、そのすぐ傍に座るミナにシーツに、そしてあまりにも狂乱にしごくせい
で、私の顔にさえ付着していた。
 ――こんなに気持ちよかったら、私、わたし……、やめようがないじゃない。ああん、
なんて、なんて気持ちいいの?ずっとこうしてたい、違う、ダメ、ダメよ私!見なさい、
画面を見て!
 画面に映る私の姿形は、みるみる移ろいでいく。自制から大きくはみ出している原因は、
紛れもなく性感にあったのだけれど、感情の八割以上を占めるその快楽のお陰で、恐怖や
不安といった感情もかすんでいた。
 人間のように手を使えるようになってはいないその足と、全身を覆い尽くす毛皮を見れ
ば、自分自身にさえそれを人間だったものとは思えない。止め処もない欲求に狂う様を見
れば、それが理性ある存在とは信じられない。もしこれが自分、そう、普通の、人間の女
の子だった私自身の姿であったなら、きっとそれは夢に違いない――
 それが現実逃避で、思考さえ堕ち始めてしまっているのだと気付くのには、思いのほか
すぐのことだった。
 現実逃避に至ると共に、安堵を覚えた。その安堵は性欲程に甘く、浸るに容易いもので
あったが、強制的に与えられている性的な快感を除いた、負でしかない苦々しい感情には
あまりにも不釣合いだったのだ。不覚にも過敏で衝動的な本能の奴隷へと変えられたこと
が、惨めな迷妄を阻止していた。
 しかし、やはり現実を見据えるのは酷なことだった。毒入りのミルクを垂らす代わりに、
苦いコーヒーは煮詰められて、より口にしがたいものになる。先程抱いたばかりの、いっ
そのこと理性を失くしてしまえば楽なのに、という考えの通り、現実を吟味する味覚を失
ってしまうことは、確かに救済ではあったのだ。
 代償に再び強く印象付けられるのは、無力。
 骨格が変化したことにより、人間らしい手、足がなくなった。犬や猫のような肢に変化
したおかげで、両足と左腕を絆す手錠から解放された。同時に、手は陰茎を握れなくなっ
ていた。地を蹴るだけの手になって、自慰は中断された。どうにか淫楽を味わおうと、そ
の小さな手を試行錯誤するように陰茎を乱暴に押しつけている。

10 :『エロティック・アニマル』:2008/04/02(水) 01:56:06 ID:ZkxF6BnK
 今だけ、性的興奮が軽減され、身体を拘束するものから逃れた今だけが、ミナから逃れ
られる最後のチャンスなんだ、と私は頭の中で怒鳴り声。唾を散らかして叫んでいた。逃
げ出すんだ、と命令した。一刹那に限りなく、動け動けと反復する。まるで走馬灯のよう
に、なんだかんだ言って楽しかった今までの日々の回顧し、そんな日々へと戻るんだ、と
郷愁に近い思慕を松明に、ひたすらに扇動を繰り返す。
 ――お願い!言うこと聞いて!逃げないと、全部終わっちゃうの!
 強く印象付けられるのは、無力。呼びかけに応えるものはまるでなく、瞼一つ思い通り
には動かない。
 それを嘲笑するように、嬉々としたミナの声。
「んもう、シュウちゃんはエッチなんだから。……シュウちゃんの初めて、私にちょうだ
い」
 ミナは性欲に渇望している私の本能も、手錠が意味を成しておらず、逃げるんだと発破
をかけている私の理性も何も、見通していた。私の視界は怒張した陰茎ばかりを捉えてい
てミナの表情は伺えないが、確かに分かる。私の醜行を満足げに見ているのが、手に取る
ように分かる。
 ミナは後ろ手に開脚していた姿勢を改めて、ベッドに手を突いて四つん這いになると、
その向きを変えた。淫らに、その滴った秘部を私の面先に見せ付けるようにして、お尻を
突き出していた。
 私がより強く、やめて!と叫ぶよりも早く、欲望はその意味を理解していた。私の命令
ではなく、甘い香りに誘われて、ただ音を鳴らすだけになった手錠から手足を抜き、右手
は自慰を諦めている。
 跨っているミナの下から抜け出して、身体を起こす。誘う格好、汗ばんで滑らかな体に
興奮して、またもや理性は圧迫されていた。それでも私は叫び続ける。風の前の塵に等し
くとも、それだけが私の剣だった。
 ――ペットになるなんて嫌!そんなの嫌!
 無情にも剣が導くのは、ただ私が無力だということばかり。前肢をミナの腰に掛けて、
私は立ち上がっていた。あんなに嫌悪を抱いていたミナの身体に、今や欲情し、汗の臭い
にすら愛おしさを感じている。
 ――お願いやめて!ダメ、ダメぇええ――!
 そして体を突き抜ける快感に、私は崩れ落ちた。
 情欲に駆られた獣は、恐らく処女であろうミナの体を気遣うことなく、機械的にそれを
こす。その一つ一つに私は酔いしれて、行為をいっそう加速させる。理性は遂に止められ
なかった、とただ燻るばかりで、泣き寝入りに近いすすり泣きを交えて、途切れ途切れに
悲鳴を上げる。
 ――動物になんかなりたくないよぅ……。だから言うこと、聞いてよ……。なんで?こ
んなに気持ちいいのに?ほら、気持ちいいじゃない。ダメ!こんなのおかしい!おかしい
……けど、気持ちよくて、やめられない、やめられないよぉ……。
 確かにそれは、気が狂いそうなほどに甘美だった。日常、人間としての自分が犠牲にな
らないならば、既に思考がそれに歯止めを掛けることはしていないだろう。既成観念の防
波堤は粉々、嘆く思考でさえ、流れにたなびく水草でしかなかった。
 そんな頼りがいのない水草は、視界が涙でも錯視でもなく滲み始めて、あまつさえ色の
識別さえ失われていくと共に、それは流れを押しとどめようとする障壁へと形を変えてい
く。代わりに嗅覚が冴えて、ぐちゃぐちゃに混ぜ込まれ、コンデンスされた様々な臭いを
一つ一つ嗅ぎ分けるようになると、ほつれそうになる水草の網目は早急に強固に編みこま
れる。
 ――嫌だ、嫌、人間でいたい!助けて!誰でもいい、助けてよ!私は人間、人間の女の
子なの!こんなんじゃ、まるで動物じゃない!ああでも気持ちいい、キモチイイ……!や
めて、人間なんだから、考えてる通りに動くのが、人間なの!
 色盲の目に、自分の鼻っ面が目に入る。喘ぎ吐息を激しく漏らす口先は、篭る呻き声を
垂れ流し。金色の短毛に包まれて、湿った鼻を持っている口吻は、明らかに眼下、私のも
のだった。
 ――ホラ、こんな体、どこがニンゲンなの?ねェ、もうワタシは人間ジャナイの。だか
ら、モット、モッと、キモチヨクなれば良いじゃナイ?違う!人間!私は人間よ!……で
も確かに、こんな気持ちよくて、全部どうでもよくなっちゃうぐらい、気持ちよくて……。
ああっ、ダメっ!違うの、違うの!私は人間なんだから……!人間、なんだから……。
 奇跡が起きたと言っても過言ではなかった。性欲に満たされた感情の奥底にあった私の
抵抗は、涙になって溢れる。とどまることのない激しさに、両目に湛えた涙は宙に散って
いく。
 私の、本来の感情が出力されたのだ――しかし、それだけだった。

11 :『エロティック・アニマル』:2008/04/02(水) 01:56:40 ID:ZkxF6BnK
 長い射精を終えると、興奮は立ち退いていく。
 引き抜かれた後、ミナの恥部からは淫猥な臭いと血の臭いが強烈に香っていた。突然本
能から解放されて、主導権を移されても、こんな姿になってしまった以上、もう逃げるに
も逃げられないし、体力もなかった。ミナも激しい行為に疲弊しているらしく、下唇を強
く噛んでいたが、それでも微笑みを浮かべてみせる。
「シュウちゃんの、気持ちよかったよ」
 それが強がりなのは分かっていたが、ミナの目的は達成されていた。全てミナの思惑通
りに事が運ばれて、私はめでたくミナのペット。ミナの抱擁を甘んじて受け入れている自
分が、それが即ち敗北の証だった。
 ミナも自分も、体がべたべたと汁まみれになっていた。しかし抱かれる暖かさを快いと
捉えていて、一方で気持ち悪いと一蹴する思考もあったが、思考の反発はもうどうしよう
もなくなまくらだった。
 少しの間、そのままでいた。ミナは今、私にどんな感情を抱いているだろう。抱きしめ
られてはその表情さえ伺えないが、その顔を見たくはなかった。何より、僅かに動くこと
すら気怠いほどに消耗していて、浮かんだ疑問だって、眠いときに走らせる筆がもやを描
くようなもの。
 そんな状態であったから、気付かぬ内に眠りへと落ちていた。どちらが先に眠っていた
のかは分からないが、私はミナが動き出したことで目を覚ました。ミナに抱かれたままの
目覚めは先日のことを夢なのかと疑う余地もあたえず、また現状に落胆する間もなくして、
私の本能が抱いたのは空腹だった。
 新しい生活には、すぐに慣れることはなかった。いや、今でも慣れてはいない。慣れち
ゃおしまいなの、なんて思いながらも、確実に感覚が麻痺していくのが分かる。初めは人
間らしからぬ行為一つ一つに抵抗していたし、ただ人目に晒されるだけで恥ずかしくてた
まらなかったが、今ではそれらの行為だって、覚悟さえ決めれば自分の意思でやってのけ
るだろう。
 研究所を出て、母屋に向かう間、ミナも裸体であったのは抜きにして、裸のままでいる
ことにまず強い抵抗があった。豊富な被毛がその身を隠してはいるが、やっぱり裸は裸だ
った。後に家政婦さんに会った時にも、数ある感情の中に裸を見られているという恥ずか
しさが含まれていた。
 それだけでなく、四つん這いになって歩くことだってそうだ。そんな格好でいるなんて、
いなければならないなんて、それだけで人間であることを否定されていた。首輪を付けら
れて、引っ張られて町を散歩する。それを私がいくら拒んだところで、私の中の動物は、
それに目一杯尻尾を振ってみせるのだ。手を使わずに鼻っ面を器に当ててドッグフードを
食べるのだって本当に嫌なのに、餌の時間が近づくだけでそわそわが止まらない。
 人のように話すことだって出来ない。初めて自分の口から、ワン、という鳴き声を発し
た時に、自分が人間でなくなったのだ、と最も自覚し、落胆した。排泄行為を個室のトイ
レではなく、部屋に置かれたマットや野外でさせられることも許せなかったが、喋れなく
なったことによって逃走するという考えは、まったくもって逃走するという選択肢を潰え
させていた。
 私は社会的には失踪扱いになっているらしく、ミナは親しかった人間として何度か警察
官が訪れたし、私の親だって来たのだけれど、私がいくら吠えたところで、ミナが私をシ
ュウちゃんと呼んだところで、私が人間の、失踪者扱いされているシュウだなんて、気付
いてはもらえなかった。
 それどころか、新しく買い始めた犬にシュウ、と失踪した友達の名前を付けているミナ
に対して、誰もが同情の眼差しを向けていたのだ。私の気付いてよ、という声なんて、そ
んなセンチメンタルな雰囲気が分からない犬が、無邪気に吠えているぐらいにしか思われ
ていないのだろう。
 ――酷い、みんな酷いよ。私はここにいるのに、誰も気付いてくれない。本当は人間な
のに、みんな私のことをただの犬だと思ってる。お利口さんだね、なんて撫でられて、冗
談半分に、お手、なんて言われて……。みんな酷すぎるよ……。

12 :『エロティック・アニマル』:2008/04/02(水) 01:57:19 ID:ZkxF6BnK
「良かったねシュウちゃん。私たち、まだまだ一緒にいられるみたいね」
 ミナの言葉通り、私はミナなしでは生きていけないようになったし、私の思考を除いた
全てが、ミナのことを愛していた。自分が疲れるか飽きるかするまでミナにじゃれたし、
時には強い衝動が主従関係的な楔すら断ち切って、ミナの体を押し倒して――
 何より許せないのは、それらがあまりにも甘美だったこと。いくら人間なのに、と叫ん
でも、確かに自分は望んでいたし、あまつさえ残された理性ですら、その甘美さを肯定す
ることもあった。
「もう私は人間じゃないんじゃない?」
 野性的な囁きも理性的な諦めも一緒くたにして、私はそれを一方的に却下した。ある意
味では感情的な、非論理的な却下かもしれないが、そうすることこそが人間的だと、病的
に思い込もうとしていた。
 ミナの笑顔を見て、構ってくれていることに対して、一緒にいられることに対して、私
は喜びでいっぱいになる。愛スル飼イ主、優シイ飼イ主。そんな考えに日に日に埋没して
いく、自分が失われていく恐怖。逃げだそうと思っても、犬とは群れから離れることを良
しとしないし、そうしたところでどうするの?というもっともな疑問。
 今や眠るときだけ。眠っている間だけが私を休ませてくれる。眠ることだって、一時的
ながらも自分を失うことなんじゃない?と考えたところで、霞みながら浮遊感に包まれる
その一時には、死への一抹の予感に怯えと期待を覚え、落ちていくのだ。

13 :clown:2008/04/02(水) 02:01:08 ID:ZkxF6BnK
以上です。思い切ってスレを立てて投下してみました。

14 :名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 02:33:32 ID:tWqDxQ0F
早速の投下おつかれさまです。

15 :名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 10:56:55 ID:9Iq+lBc7
投下乙です
犬好きの私には最高の作品でした

16 :名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 12:43:11 ID:ngQTUkee
>>13
スレ立てと投下、お疲れさまです。今回も堪能させていただきました。

17 :名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 16:13:00 ID:bugcbw3Q
乙。
だが一つだけ言わせてくれ。

フタナリはTSじゃねぇ

18 :名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 22:45:55 ID:g1mdaEDz
読んでくれてありがとう。GJどうもです。

>>17
フタナリにも読めるけど女性器は消失してるつもりで書きました。
男性器一式があると一人称のシュウには確認できなくなるので描写してません。
あとおっぱいも腕の位置が変化して目立たず、乳頭も毛皮に隠れて分からないので無描写です。
フタナリが好きな方はフタナリで読んでくれればいいなと思います。

19 :名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 19:40:54 ID:Tp4S1gdz
保守しておきますね。

20 :名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 22:21:58 ID:RSwRmWM/
初代スレ主だけど立ててくれてトン
ここまで伸びるとは思ってなかった

21 :名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 13:09:41 ID:ah2GmEPv
某ブログのSSで蜘蛛に噛み付いた退魔師娘が異形化してくれないかなとワクテカ中

22 :名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 15:00:52 ID:dfmcCD72
娘が蜘蛛に噛み付いた?……既に人外じゃないかw

23 :名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 16:53:03 ID:YxuUvQFW
>>21
今夜に期待だ!

24 :名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 00:21:16 ID:2f5SXz47
某ブログなにでググったらいいかぐらいのヒントください

25 :名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 00:23:13 ID:NVFOrg0N
舞方雅人氏のブログだと思う

26 :名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 10:46:15 ID:7DyhYlno
つまらんやつだな

27 :名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 23:06:22 ID:NVFOrg0N
異形化キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
蜘蛛女萌え。

28 :名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 23:53:21 ID:PnGN8kRi
【獣人】亜人の少年少女の絡み7【獣化】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1207906401/


29 :名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 20:59:08 ID:t6ymhP2O
人魚とかみたいな上半身は人間(女性)下半身が異形化というのが好きなんだが、スレとか見てるとほとんど無いような気がする・・・

俺だけなのか・・・??

30 :名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 21:23:06 ID:s3vCS4CI
>>29
俺は、惜しいなあ、なんて思っちゃう。ただの人よりはよっぽど好きなんだけど。
初代スレの女王蟲とか、人間の比率多かったと思うけどね。

31 :名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 23:44:02 ID:4bXp4JUP
PSP版ヴァルキリープロファイルに今頃手を出したんだが
追加された新規ムービーで王女が化け物に変わるシーンが思いのほか良かった
体が徐々に肥大化して服が内側から弾け飛んだり、顔の変化が最後だったから
体が筋骨隆々の化け物で顔だけ王女というシーンがちゃんと描写されていたのもわかっているな、と
顔の変化がモーフィングじゃ無かったのは好き嫌いが分かれるところだが、個人的には大満足

にしても、なんでここにわざわざ追加ムービー入れたんだろうか。いや、最高だけど

32 :名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 12:52:35 ID:C2OwE6Q4
ヴァルの新作はDSか…
DS版に期待…できるか?

33 :名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 02:23:23 ID:Bx6PWoHj
>>32
正直、DSは味のないポリゴン3D…例を挙げるとFFリメイクの某映画の名前と一緒の会社が制作
したものみたいに(特にW)、新作もリメイクも無理やりポリゴンにしてしまうきらいがあるからやってられん。
もし新作が完全3Dだったら…とりあえず、保留にした方がいいだろうねぇ。

34 :名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 00:51:33 ID:nyJ9sYdJ
>>31
それ見ただけでPSPとプロファイルほしくなった

35 :名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 02:52:02 ID:dBKv2VFe
成瀬留美はごく普通の女子高生。
いつもと同じように身支度をして学校へ向かう。
しかしその日の朝は少し憂鬱だった。
たいしたことではないのだが、やたら口の中が粘ついて、異常に気持ち悪いのだ。
「ちゃんと歯磨きしてきたのになあ」
口臭は大丈夫かしらなどと不安を抱えながらも、留美の足は着実に学校へと向かっていった。

校門に着くあたりで後ろから足音が近づいてくる。
「るみたんおっはー」
後ろから声をかけてきたのは同じクラスの美佳。
「ああ美佳、おはよ」
留美がいつものように挨拶した瞬間、美佳の表情が曇る。
「美佳?どうしたの?」
「う、ううん、なんでもないよ。じゃ、あたし先行ってるね」
いったいどうしたんだろう。いつもならここで合流して一緒に教室まで行くのに。
美佳の挙動に不安を抱きつつ、留美は教室へと向かった。

36 :名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 02:54:59 ID:dBKv2VFe
教室につくと、親友の麻子がニコニコしながら声をかけてくれる。
「留美おはよー。今日はいいお天気だね」
麻子の笑顔を見るとホッとする。
「おはよう麻子。いやあ実は今日朝から少し憂鬱でさあ」
しかし留美がしゃべり始めた瞬間、麻子は眉間にしわを寄せ、露骨に怪訝な表情を浮かべる。
さすがに留美も腹が立った。なにこのリアクションは!
「なによ、私なにか悪いことでも言った?」
留美の問い詰めに対し、麻子は遠慮がちに答える。
「留美、あの、親友だから言うんだけど、今日、口すっごく臭いよ・・」
「えっ?」
「敬太君に気付かれる前に、はいこれ、ガムあげる」
麻子に指摘され、恥ずかしいやらありがたいやら
。なんだかよくわからない感情が込み上げて留美は泣きそうになった。
「麻子・・ごめん、ありがとう」
「ううん、早く気付いてよかったね」
始業のベルが鳴り、麻子がトタトタと自分の席に戻る。
留美は泣きたい気持ちを押さえて、ガムを口にほうり込んだ。

37 :名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 04:55:40 ID:dBKv2VFe
朝のホームルームが始まり、先生がいろいろと話しているが
留美の耳に先生の声は一切入らなかった。
親友とはいえ、あんなことを指摘されるなんて!
留美はこれでも学年の中ではかわいい方で、よく告白もされていた。
だからというわけではないが、身嗜みにも人一倍気をつけていたつもりだった。
それなのに・・。
麻子が気付いてくれたからまだ良かったものの、
男子と話していたら・・想像しただけで恐ろしい。
ああもう忘れよ忘れよ!無理矢理自分に言い聞かせ、
留美は麻子にもらったガムを紙に包んでポケットに入れた。

ホームルームのあとはすぐに現国の授業が始まった。
担任の藤川先生が担当の教科だから、休み時間をはさまないで引き続き始まってしまう。

留美がガムを食べたあとも、口の中のねばねばは治らなかった。
むしろ朝よりひどくなった気がする。
唾液を何度も飲み込んだが、すぐにねばねばした唾液が口の中を支配する。
舌にも唾液が絡み付くので、振りほどくようにしてせわしなく舌を動かし続ける。
口の中が気になって気になって、留美は舌で口の中を探り回すことに夢中になっていた。

38 :名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 05:14:08 ID:dBKv2VFe
「じゃあ今日から新しいとこに入ります。それじゃあ最初は成瀬さんに読んでもらおうかな。成瀬さん」
「は、はい!」
突然指されて留美は思わずびくっとした。やばい授業に集中しないと。
留美は教科書を持ってゆっくりと立ち上がる。
「103ページの頭からね」
こんな日に限って・・・。留美は渋々教科書を読み始めた。
「ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると」
読み始めたものの口の中がねちゃねちゃするため、声といっしょにぴちゃぴちゃという音が漏れてしまう。
それになんだかすごくしゃべりにくい・・・。
「ベ、ベッドの中で自分のひゅ、ひゅがたが、一匹のとてつもなく大きな毒虫に変わってひまっているのにひがついた」
「はい、そこまででいいですよ。この冒頭はね、非常に有名で・・・」
よかった、思った以上に短くて。留美はホッと肩を撫で下ろした。
しかし、なんだかすごく読みづらかった。まるで舌が長くなってしまったような、そんな感覚・・・。
「(まさかね・・・)」
留美は自分の馬鹿な考えを否定したくて、口の中で舌を動かしてみた。

39 :名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 22:32:52 ID:dBKv2VFe
しかしやはり舌が口の中を占める割合が大きくなっているような気がする。
「(まさか、ほんとに・・?)」
それは紛れも無く、自分の舌が伸びているとしか思えない感触だった。
今まで普通に収まっていた口の中が、少し狭く感じる。
「(やだ・・・やだ・・・やだ気持ち悪いいい)」
しかし気持ち悪いという感情とは裏腹に、まるで気持ち悪さを確認するように、
留美は口の中で舌を動かし続けた。
不安を取り除きたいという感情が留美の舌を激しく暴れさせる。
口の中をのたうち回る留美の舌は、動くことで次第に長くなっているようだった。
「(なんか・・・窮屈・・!)」
ついに収まりきれなくなった留美の舌が唇の間からにゅるりと顔を出す。
「(やだ!みんなにみられちゃう)」
しかしどんなに引っ込めようとしても、一旦外に出た開放感からか
舌は引っ込まない。むしろ口の外に出たことでかなり楽になった。
舌は外に出てからも少しずつ伸びてきて、じわじわと下に垂れ下がっていく。
舌の先からは粘性の高い唾液がボトンと落ち、机から数本の糸を引く。
「(ひいいい助けて!お願いだから見ないで!)」
留美はパニックになり涙を流しながらも、周りに気付かれないように教科書で顔を隠していた。

40 :名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 23:19:37 ID:cJh58Zvm
ちょ、投稿間隔長すぎwww
支援支援

41 :名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 23:34:19 ID:j6SyZsN2
つ、続きが気になるぅぅぅうううぅぅぅ!!
書きだめてくだしあ

42 :名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 23:50:38 ID:BSLL3kU0
カフカ!カフカ!

43 :名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 23:56:48 ID:9TOBDnzS
なんという焦らしプレイw

44 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 00:35:37 ID:l1OZcVEH
「留美?どうした?具合でも悪い?」
隣の席の美佳が小声で話しかけてきた。
「(ひっ)」
どうしよう。今の状態でまともにしゃべれるわけがない。
「なんなら保健室連れてってあげようか?私もさぼれるしぃ」
そんな呑気なことを言ってる場合ではない。とにかくこのままじゃ顔を見られてしまう。
おしゃべりな美佳なんかに知られたら一巻の終わりだ。
なんとかこの場から離れないと。
先生が何かしゃべっている途中だったが留美は教科書で顔を隠したまま勢いよく立ち上がった。
「な、成瀬さん?どうしたの?」
「・・・・・」
「気分でも悪いの?」
ここぞとばかりに首を縦に振る。
「わかったわ。じゃあ保健室に行きなさい。一人で行けるわね?」
コクコクと首を縦に振る。もちろん顔を隠したまま。
美佳が横で「ちぇっ」と言ったのが聞こえたがそんなの知ったことじゃない。
留美はすばやく教室の扉まで行き、無事教室を出ることに成功した。
教科書はすでに留美の唾液でぐしょぐしょに濡れていた。

45 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 00:43:01 ID:l1OZcVEH
「(とにかく鏡!鏡を見なきゃ)」
周りに誰もいないのを確認して女子トイレへ向かう。
留美は今自分がどんな姿になっているか、早く確認したくてしょうがなかった。
ひょっとしたらこれは勘違いで、鏡を見たら舌なんかのびてなくて
いつもの自分の姿が映るかもしれない。いや、そうに決まってる。
そしたらすぐに教室に戻って、麻子に笑ってこのことを話してやろう。
そんなことを思いながら、留美はいつも利用するトイレへ入り、鏡の前に立った。
しかし、目の前の鏡が映し出したのは
間違いなく口から長い舌を覗かせた留美の姿だった。
形のよい唇の間から伸びた舌はだらしなく留美の顎の先まで伸び、
舌の先からは透明のよだれが床に向かってだらだら落ちていた。
ちょっと力を入れると、留美の舌はまるで生きているように先端をもたげ、
留美の頬や眉間をぺちんぺちんと叩いた。
留美はしばらく鏡の中で舌をぎこちなく動かす自分の姿を呆然と見ていたが、
少しずつ頭が働いてきたようで、目からぽろぽろと涙が溢れてきた。

46 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 00:55:38 ID:l1OZcVEH
「ううううう、うえっ」
鳴咽まじりに泣くものの、鏡の中の留美の姿はなかなか滑稽であり、
なんだか自分の姿が情けなく見えて、同時に笑いも込み上げてきた。
「(うううう、もうやだあ・・・)」
泣きながらも引きつった笑顔を見せる鏡の中の自分。これからどうしよう。
とにかく家に帰ろう。とりあえず帰ってお母さんにだけ打ち明けよう。
こんな姿他人には見せられない。
留美は周りに見られないよう注意しながら学校を後にした。


すみません書きだめしてから書き込むべきでした。
今のところここまでしかないので書きためるまで中断します。

申し訳ないです。

47 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 00:59:59 ID:nSjpGNKd
超乙!
なまなましくて大好きですw

続き楽しみだぜ!

48 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 01:29:21 ID:g1JQrJ0R
GJ!ここまでの感想が大いにあるのだけれど、書きづらく思わせかねないので書かないでおきます。
続きが楽しみです。

49 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 14:03:03 ID:l1OZcVEH
北見麻子は留美を心配していた。小学校の頃からの付き合いだが、
留美がこんな風に保健室に行くことなんて今まで一度も無かった。
まさか朝自分が口が臭いと言ったのを気にしているのだろうか?
一時間目が終わっても、麻子はくよくよ悩んでいた。

「そうそう!留美さあ、今朝めっちゃ口が臭かったの!
納豆?そんなレベルじゃないって!」
女友達三人の前で大声でじゃべっているのは美佳だった。その声は
ふさぎ込んでた(?)麻子の耳にも届いた。
「あれは間違いなくどっか悪いって。私さあ、勘だけはいいんだー」
女友達もギャハハと笑い声を立てる。
普段はおとなしい麻子もこれには黙っていられなかった。

50 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 14:05:56 ID:l1OZcVEH
「美佳ちゃん、そういうことは言わないであげて。留美傷つくと思うから・・」
麻子に注意されたことがない美佳は少し面食らったが、すぐに立ち直った様子で、
「ごめん!麻子の気持ちも考えずに私余計なこと」
「いや、私は別に・・」
「麻子は留美のこと好きなんだもんね。それってやっぱり女同士の深い愛ってやつ・・」
「そんなんじゃないったら!」
麻子の声は震えていた。
「ちょ、ちょっと怒らなくてもいいじゃん。冗談なんだからさあ」
美佳にしてみればほんとに冗談のつもりだったが
麻子はスカートをぎゅっと握りしめ、目には涙をためている。
「わ、悪かったわよ、もー言わない。ね?これでいいんでしょ?」
「・・・・」
麻子はくるっと回れ右をして席についた。今の一件でクラス中が麻子に注目している。
机に突っ伏して麻子は思った。
あーあ、今日はほんとについてないや・・。

51 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 14:23:22 ID:l1OZcVEH
「はっはっはっはっ」
まるで犬がエサを欲しがるような息遣いで留美は家へと走った。
口が開いたままなので、いやでもこうなる。
舌が風になびいてまるで本当に犬みたいだ。
そんな風に考えるとまたしょっぱい涙が鼻をつんとさせる。
留美は早く家に帰って母の胸で思いっきり泣きたかった。

そこの角を曲がって坂を上がれば留美の家だ。
玄関の前で靴を脱ぐような安心感が留美の心に広がる。
が、次の瞬間思わぬ衝撃に見舞われた。
「あうっ!」
ちょうど死角になったとこで何かにぶつかり、留美は後ろに尻餅をついた。
「うううう?」
「すみません!大丈夫ですか?」
男の人の声。やばい!見られた!?
相手の男は留美に手を差し延べているようだ。しかし顔を見せるわけにはいかない。
「ひゅいやひぇん!ひゃいよぶへふはあ!」
自分でも無意識のうちに何かしゃべってしまったようだが
顔さえ見られなければ問題ない。
留美は男の手を借りずよたよたと立ち上がり、片手で口元を隠すようにし、そのまま走っていった。

男はさっきぶつかった女の子の走っていく後ろ姿に見覚えがあった。あれは多分・・。
「成瀬・・?」
多分、てか絶対そうだ、間違いない。
向井敬太は制服のほこりを掃いながら思った。
でもなんか口から変なものがぶら下がってたような・・。

52 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 14:38:20 ID:l1OZcVEH
坂を駆け上がり、ついに我が家の前までたどり着いた。ここまでくればもう安心だ。
留美は母にはこの顔を見せられると思っていたが、いざ家の前に立つと
少し躊躇した。いくら母とはいえびっくりするだろう。
しかしこんな問題を一人で抱え込むのはやっぱり無理だ。留美はドアの鍵を開けた。

「おああさん?おああさあん」
家の中に誰もいない。裏口にもキッチンにも。おかしいな。
泣く準備は出来てるのに肩透かしを食らい、留美は少し冷静になった。

食卓に行くと目立つように手紙が置いてあった。手紙にはこう書かれている。

留美へ さっき突然田舎のおじいちゃんが倒れたと連絡があったので
お母さんはしばらく手伝いに行ってきます。ご飯は適当に食べててください。
ごめんね。母より

嘘でしょ・・・留美は思わず笑ってしまった。いてほしいときにいないんだから。
留美は母親と二人暮しだった。
しかし祖父も一人暮らしであるため、何かあったとき
母はすぐに祖父を手伝いに行くのだった。
留美はどっと疲れてしまい、制服のまま自分の部屋のベッドにばたんと横になった。
舌は相変わらず自分の視界に入るくらい長い。口の中に入れると窮屈なので
やっぱり出しておく方が楽だ。
私はどうなってしまうのだろう。
ベッドの上でまどろんでいると、意識が薄れていく。気持ちいい。
留美はゆっくり目を閉じた。

53 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 17:35:50 ID:l1OZcVEH
昼休み、麻子は保健室を覗いた。理由はもちろん、
「失礼します。成瀬さんのお見舞いに来ました〜」
保険の先生が顔を出す。若い小柄な男の先生だ。
「成瀬さん?今日はここには来てないけど」
「え?でも一時間目からいないんですよ」
「おかしいな、君3年A組だよね。ちょっと藤川先生に確認するから待ってて」
スリッパの音を派手に立てながら保険の先生は職員室に向かっていった。
いったい留美はどこに行ったんだろう。まさか自殺?!どうしよう、
そんなことになったら私・・!
麻子はあんなこと言わなきゃよかったと心の底から後悔した。

54 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 17:39:56 ID:l1OZcVEH
麻子は午後の授業が全く手につかなかった。
考えれば考えるほど自分の愚かさが悔やまれる。
帰りのホームルームが始まり、藤川先生が教室に入ってくる。
藤川も少し青い顔をしていた。
「えー、成瀬さんが今日の一時間目に保健室に行くと言ったっきり
いなくなってしまいました。御自宅にも電話したんですが、連絡がとれません。
何か知ってる人はいない?」
教室中を沈黙が包み込む。
麻子も祈るように手を組んだ。
「俺、知ってますよ」
後ろの方で誰かが言った。敬太だった。
「本当に?成瀬さんはどこなの?」
「ああ、学校に来る途中すれ違ったんですよ。
俺、遅刻しちゃったから、ちょうどばったりね」
「成瀬さん何か言ってなかった?」
「そういえば、気分が悪いから早退したとか言ってたかなあ。
あと、このこと先生に伝えといてとか言ってたっけ」
「そんな大事なこと、なんで教えてくれなかったの?!」
「なんでかな。忘れてました」
教室中にどっと笑い声が上がる。
「もう!じゃあ家に帰ったのね。よかった!」
藤川は心から安心したようだった。
麻子は安心感からか机に突っ伏して泣いてしまった。
敬太は男友達と小突きあったりして一緒に笑っていた。

55 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 17:46:24 ID:l1OZcVEH
ピンポーン

やっぱり出ないよ・・。
敬太があんな風に言っていたものののやっぱり心配で、麻子は留美の家まで来てしまった。
今考えるとあんなことで自殺するわけないとわかってるのに
さっきはそう思い込んでた。
自分の頭の悪さに腹が立つ。
寝てるのかな。寝てたら悪いし、今日は帰ろう。
麻子はくるっと向きを変えると、向こうから歩いてくる人と目が合った。敬太だった。
「あ、向井君」
「おう、北見、成瀬のお見舞いか?」
「うん、でもなんだか寝てるみたいだから、これから帰るとこ」
「そっか、残念だったな」
「うん。でも留美、今朝北見君に会わなかったら
どうやって早退のこと伝えるつもりだったんだろうね。
北見君に会ってなかったらずっと行方不明のままだよ」
えへへ、と冗談っぽく笑いながら麻子は言った。
「ああ、あれ、嘘」
「へ?」
「会ったのは本当。でもなんかかばんも持ってないし様子が変でさ、
学校行ったら案の定行方不明だろ。
だから俺、ついあんな出まかせ言っちゃったんだ」

56 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 17:51:25 ID:l1OZcVEH
「え、じゃあその通りに言えばよかったんじゃ・・」
「まあそうなんだけど、俺だってなんの理由もなく学校ふけることあるし、
なんか言わない方がいい気がしたんだ。
ま、北見にだけは正直に言ったんだから許してくれよな」
敬太はおおげさに手を合わせて謝る恰好をした。
「うん、ありがとね、話してくれて・・」
じゃあ留美は何も言わず帰っちゃったってことか。いったい何があったんだろう。
「ところでさ、せっかくこんなとこで会ったんだし、どっかお茶でも飲みに行こうぜ」
「え、私と?」
「北見以外に誰がいんだよ」
「ええ?でも、わわ悪いけど、私寄るとこあるから、か帰らなきゃ」
「そっか、じゃあしょうがないな」
「うん!ごめん、また明日ね!」
麻子は手を振りながらすごい勢いで走っていってしまった。
はあ。敬太は一人ため息をついた。もっとうまい断り方なかったのかよ。
より一層大きなため息をつきながら敬太もその場を後にした。

57 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 17:54:54 ID:l1OZcVEH
>>55
麻子の台詞で苗字間違えたorz
北見は麻子で向井は敬太ですorz

58 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 18:01:32 ID:l1OZcVEH
「(ううん・・すっかり寝ちゃった)」
留美が目を覚ますとあたりは真っ暗だった。目覚ましに目をやるともう夜の9時だ。
そうだ、私授業の途中で家に帰ってきちゃってそれで・・・。
舌の感覚はあのままだ。寝起きで口が異常なほどねちゃねちゃしてる。
「(水・・・)」
留美はキッチンに行こうと体を起こすが、体が異様にだるく感じる。
それでもなんとかキッチンまでたどり着き、水で口をゆすぐ。
まだ頭はボーっとしている。
また部屋に戻ってもう少し休もう。
フラフラと歩きながら、部屋に向かう。しかしその途中、
大きな姿見が、留美の姿を一瞬だけ映した。
あれ、今何か光った?暗闇の中でよくわからないが、何かが光ったように見えた。
留美はゆっくりとその姿見の前に立ってみる。

59 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 18:04:21 ID:l1OZcVEH
「ナニ・・・コレ・・」
姿見に映る留美の目が金色の光を放っていた。
まるで野性の狼のようにギラギラと輝いている。
留美は鏡に近づいてコンタクトレンズでも入っているんじゃないかと思って
指で目を押し開けて見開いてみたが、やはり眼球自体が金色になっているようだった。
真ん中の瞳の部分は黒だが、それが一層際だって怖い。
留美は大きな黒目がちの目が自分のチャームポイントだと思っていたし
一番好きな部分だった。それがこんな不気味な色に変わってしまうなんて・・。
それにさっきからなんだかまた口元にに違和感を感じる。
さっきとは違う別の・・まさか。
留美は口を大きく開いてみた。すると犬歯が鋭く伸び、まるで牙のように白く光る。
「(なによこれ・・!牙まで生えかけてきてる・・)」
鏡の中の留美が目を輝かせ舌をべろりと舐めずる。まるで獲物を欲しがるように。
「きゃあああああ!」
とにかく早く部屋に戻って寝よう。寝れば全て忘れられるかもしれない。
留美は逃げるようにして自分の部屋にもどり、布団にもぐり込んだ。

布団の中で留美はガタガタ震えていた。怖い。自分の姿が。
これから自分がどうなってしまうのかが。

ドクン

留美の心臓が大きく鳴った。

ドクン

それは何かが始まる合図のように体全体に響き渡った。


続く

60 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 02:25:54 ID:eA4NYnes
ああ気持ち良かった!
お風呂から上がったばかりの麻子はバスタオルで髪を拭きながら
自分の部屋に戻る。今日はなんだかいろいろあったけど、お風呂に入れば
どうでもよくなってきちゃう。
でもさっきの帰り際、敬太君が私を誘ってくれたの、あれはどういう意味だろう。
まさかデ、デーt?いやいやいやまさか、ね。
留美みたいなかわいい子ならともかく、
私みたいなのを好きになってくれる男の子がいるはずないもん。
麻子は背が低く、クラスでも地味な存在だった。
小学校の頃からいじめに遭ってきたが、唯一優しくしてくれたのが留美だった。
留美がいなかったら今頃生きていなかったかもしれない。ときどき麻子はそう思う。
でも今日、敬太君が私を誘ってくれた。あれは夢じゃないよね?
あれから何度も思い出してニヤニヤしてしまう。
でも敬太君は留美の好きな男の子。私が好きになるわけにはいかない。
そう思い直して、結局解決してしまうのだった。

たーらららったらららった♪

メールだ。しかしこんな時間にメールが来るなんてめずらしい。誰からだろう。
時計の針は11時を指していた。

61 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 02:28:11 ID:eA4NYnes
「はぁ、はぁ、はぁ!」
夜の道を麻子は全力で走った。
メールは留美からだった。
「助けて、麻子、お願い」
それだけ書かれてあった。留美!今度は私が守る番!
留美の家の前まで来たが全然電気がついてない。やはり何かおかしい。
麻子は恐る恐る玄関のドアに手をかけた。開いてる。
「留美、いる?」
電気のついていない留美の家は予想以上に不気味で、今すぐ逃げ出したかった。
「る、留美ー!どこなの?」
ひょっとしたら留美はもういなくて、別の誰かが・・だとしたら
こんな風に声出したらバレバレじゃない・・!
麻子は怖くて一歩も進むことが出来なくなった。
「る、るみぃ・・・」
「ここよ」
突然後ろから声がして麻子は跳びあがった。びっくりしすぎて声もうまくでない。
「る、留美なの?」
「そうよ、麻子、来てくれてありがとう」
間違いなく留美の声だ。麻子はゆっくり振り返った。
暗くてよくわからないがそこには確かに留美のシルエットがあった。
「もうー怖かったんだからあ!」
麻子は留美に抱き着く。よかった、無事だ。
でもこの感触、留美まさか、
「裸?」
「そうよ」
「なんで?」
「なんでだと思う?」
「まさか、レイプされたとか」
「ううん」
「じゃあなんで・・・」

62 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 02:30:18 ID:eA4NYnes
「えっ?留美、なにこれ・・」
落ち着いて見てみると留美の体は何かの液体にコーティングされたように
ぬらぬらと光っている。暗闇だからよく見えないが、
すごく女性らしいしなやかなシルエットを映し出していた。
まるでいつもの留美じゃないみたい・・・。
「ねえ、なんでそんなに体がベタベタしてるの?」
「さあ、なんでだろう」
留美の喋り方はまるでうわの空。
「メールくれたのはなぜ?」
「どうしても会いたくなったから」
なんだかすごく怖くなって麻子は無意識のうちにあとずさりしていた。
「今日早退したのはなぜ?」
「さあ、なんでだったっけ」
「ちゃんと答えて!」
「・・・・」
あとずさりする麻子にずいずい迫ってくる留美。
「ねえ麻子、今日私朝から変だったの」
「えっ?」
「口はベタベタするし舌は伸びるし、目の色は変わるし牙は生えるし」
何のことを言ってるの?そもそもこれは留美なの?麻子はわけがかわらなくなった。

63 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 02:32:21 ID:eA4NYnes
「そのあとがねぇ、もっと大変だったんだよ。どうなったと思う?」
留美の腕が麻子の肩をつかむ。
「痛いよ!留美離して!」
いつもの優しい留美じゃない。どんなに振りほどこうとしてもびくともしない。
「まず体からすごく力が沸いて来るの。体つきも少し変わったみたい」
女性らしい体つきではあるが、よく見るとしなやかな筋肉が盛り上がり、
体全体に無数の細い血管が走っている。
「ひ・・・い・・やめ・・」
「それからねえ、見てこれ」
留美は片手を麻子の目の前に差し出した。
「手の形が変化したの。指が長くなってほら、爪もこんなに鋭く・・・きれいでしょ。
でも指の本数は減っちゃった」
「いやあ!見たくない!」
「足の指だってそうよ。それから、体全体を包むこの液体はね、
ふふっ全部私のよだれなの」
「いやっそんなの聞きたくない!」
「いいニオイでしょ?誰かさんはすっっごく臭いって言ってたけど」
顔は影になって見えないが、留美の目がにまあと笑ったのがわかった。

64 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 02:34:41 ID:eA4NYnes
「そして一番変わってしまったのはこの顔。見たいでしょう?」
「いや!もう離して!」
「ほら、よく見て。あさこぉ・・・」
近くに寄った留美の顔を麻子は無理矢理見せられた。
「・・・うそ・・!その顔・・・本当に留美なの?」
もはやその顔は留美ではなかった。
例えるなら・・悪魔・・。
眉間に深いしわを刻み、金色の目が奥の方でらんらんと光っている。
口からはグロテスクな舌が縦横無尽に動き回り、湯気と悪臭を放ち続ける。
形のよかった鼻はまるで魔女のような大きな鷲鼻になってしまっていた。
めくれ上がった唇から除く歯は真っ黒に変色し、
まるで牙のように鋭く形を変えている。
しかし声だけは紛れも無く留美のもので、姿と声のギャップがなんとも不気味だった。
「どう?これが私の新しい顔・・・美しいでしょう?」
留美の狂った声に麻子は戦慄を覚えた。

65 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 02:37:08 ID:eA4NYnes
「最初はねえ、うまく喋れなかったの。でも麻子が来るから練習したんだよぉ」
「そんな・・・留美、嘘でしょ・・」
「それにこの顔になったときはショックで死にたかった。
でもすぐに考え方も変わったの。こんな素敵な姿になれたんだから当然よね。
それにね、まだ変身は終わってないの。ほら、ここも変わろうとしてる!」
留美が長くなった人差し指で自分の乳首を指差した。
「あっあっあっふあああ!」
留美が大きく絶叫すると、人間のままだった乳首の先がプッと割れ、
中から白い液を吹き出しながら勢いよく突起のようなものが飛び出した。
「あっああっ!気持ちいい〜!」
変化が起きた後もしばらく留美は喘ぎ続けた。
目の前の惨状に麻子は呆然としていたが、しばらくして我に返った。
「(は、早く逃げなきゃ・・)」
留美がぐったりしているうちに麻子は四つん這いで玄関へとはっていった。
これは夢だ、ここを出れば夢も覚めるはず!
麻子は必死で玄関に向かった。しかし
「ドコイクノ?」
耳のすぐ後ろで留美のよく通る声がした。
「アサコハマダカエレナイヨ?」
サーッと血の気が引くのがわかる。
「いやあああああああ!!」
麻子は絶叫すると、その場で気を失ってしまった。

66 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 02:41:57 ID:eA4NYnes
「う、ううん?」
麻子が目覚めると、そこは留美の部屋のベッドだった。
そうだ!私留美と戦ってて(?)それで・・・。
「目が覚めた?」
後ろで留美の声がした。恐る恐る振り返ると、
やっぱり化け物バージョンの留美が立っていた。
「ひいいい助けて!」
「待って!怖がらないで!麻子、私の話を聞いて」
留美の声はさっきと違って優しい感じがした。
「怖い思いさせてごめんなさい。私ね、身体が変化すると共に
いろいろ考え方も変わっちゃったの。
きっと身体が人間じゃなくなったから、考えも人間じゃなくなったのね」
「留美・・・」
「最初は怖くて怖くて仕方なかった。でも時間が経つにつれて、
これは自然なことだって思うようになった。私ね、今麻子のこと、
すごく私のものにしたいって思ってる。
それが多分この生き物の素直な欲求なんだと思う。
オスとかメスとか関係なく、今の麻子が好きなの」
「留美・・・」
留美の話に、麻子は胸が痛くなった。

67 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 02:43:32 ID:eA4NYnes
「ううん、今の聞いてわかった。留美は留美のまま。そんな姿になっても、中身は全然変わってないね」
「麻子・・・」
「留美は私がいじめられてたとき助けてくれた。私あのときすごくうれしかった。
今の留美もそのときと同じで、すごく真っすぐで、全然変わってないよ」
「・・・・・」
留美は怖い顔のままぐずぐずと泣き始めた。
「泣くことないじゃない!そんな顔で泣いても怖いだけだよ」
「うん・・・」
留美はコクンとうなずいた。しばらく沈黙が続いたあと、麻子は静かに言った。
「私、留美のものにならなってあげてもいいよ」

終り

68 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 02:54:41 ID:eA4NYnes
とりあえず終わります。小学生のような文章で言葉遣いも変ですみません。
変身とは関係ないとこも多くイライラした方もいらっしゃるでしょう。
本当はこれから麻子が留美の影響で少しずつ妖艶な女性に変身し
敬太などを巻き込みドロドロな関係に・・・みたいなのを妄想してたのですが
自分の文章力ではとても表現できないと思ったので諦めます。
読んで下さった方本当にありがとうございました。

69 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 08:04:04 ID:Ilg4ZcNh
>>68
GJ!
ねばつく唾液や臭いといった不快感をあおる表現や、公衆の中で変身が継続される残酷さと焦燥が素敵。
悪堕ちしないで意識を再起させた展開も、自分は変身に変身者の感情を醍醐味として求めるんで楽しめた。
文書力も謙遜する以上にあると思う。自然に読めたし、板的にもあんまりごってりしてるより良い。

確かに展開としては無駄があったかもしれないね。
速筆で読者としては嬉しいのだけれど、一日おいてから文章を検討し直すと良いかも。

今後の作品も楽しみにしてます。

70 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 10:11:32 ID:uMpxT9+I
>>68
話自体は面白し、文体も読みやすいんだけど、留実が人外に変異するのが唐突に始まって、
その変異を自分で勝手に納得しているのに、オレは違和感を感じる

例えば、魔界で戦って破れた魔物(ケルベロス等)の身体の一部が人間界に落ちてきて、
拾う若しくは知らずに食べるとかする事で変異が始まって、力(魔力でも身体的な力でも良い)を
振るうことの快感、或いは性的な快楽によって「人外」への変異を望みそれを受け入るとか…


71 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 23:06:33 ID:/8AmpS2l
要約すると俺の好みの展開じゃなきゃ糞!
俺のリクエスト通りに書きやがれ!
ってことですね!?

72 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 01:20:33 ID:9kmULkfE
>>71
納得するかしないかは好みとは別でしょ。煽るにもスマートなやり方があるんじゃない?

少なくとも>>70の言ってることも一理あるように思える。俺は全然気にならなかったけど。

73 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 01:43:02 ID:0JGpLkbv
スマートじゃない指摘にスマートな煽りは必要ないよw

74 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 12:19:54 ID:Ib6xABQj
獣化スレの件といい、なんか自称評論家が居付いてないか?
SSは自分の思い通りでなきゃって妄想持ちが  

75 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 12:52:13 ID:GKXNQAY3
獣化スレのはシチュエーションではなく技術面に対するツッコミが多いのでまた違うと思うが

>>70は「例えば」で挙げてる例がやたら具体的かつ限定的なのでリクエストっぽく感じるんだと思うw

76 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 17:26:01 ID:9kmULkfE
書き手としては読んでもらったってわかる分、ただGJされるより嬉しい。
>>68じゃないし人それぞれだけど。

77 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 15:24:45 ID:LwldoL9d
>>68ですけど僕自信ほんとは精神的にも変身していく過程が大好きなんですけど
実際書こうとすると難しく、あんな形にしてしまいました

78 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 11:27:58 ID:X/C9VOFn
SSの投下が無いせいか、ずいぶんと引っ張っているね。
要は 起承転結 が在った方が良いよと言うことなんでしょ
きっと

79 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 19:12:03 ID:O8Lcxtbc
今頃なんですが、新スレ乙です!今SS二本まとめ読みしました

>>3-12 clown様
今回はエロエロですね!全開で揺れまくる乙女心が素敵でした。

>>35-68 >>68
>>69様の指摘通り、口臭とか鷲鼻とかかなりイヤなアイテムを効果的に使っているのが
新鮮でした。ここまでやるか、みたいな。女の子が可愛らしいので、うまくバランスが
とれてる感じですね。
>>70様の指摘、好みは別れますし、設定に凝る話はそれはそれで好きなんですが、
なんの理屈もなくいきなり異形化するというのは、かえって恐い上に世界観を狭めなくて、
自分はアリかなと思いました。
(ひょっとして>>38の小説はそれに対する作者の自己注釈かな、などと思ったり…)
何になるのかすら全然予想できない怖さがよかったです

続編または新作も是非読んでみたいと思いました

80 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 16:01:08 ID:Ea4msbU8
ほしゅ

81 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 05:30:49 ID:ohjZQPPc
ほしゅ蛇

82 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 20:54:01 ID:vu8RrZgr
ほしゅ豚化


83 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 15:36:08 ID:FkVuqhpW
ほしゅ山犬


84 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 15:38:05 ID:szwfP7DY
居着いた結果がこれだよ

85 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 21:28:26 ID:JVi4gi6D
作品が投下されない、って結果?

86 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 22:25:27 ID:hHxHM5WC
前スレが埋め中で?案外と盛況だったりする
あっちが埋まったらこっちに来るんじゃないかな

87 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 22:47:12 ID:FuJcdSIg
保守

88 :名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 15:24:10 ID:+PLiaUxv
ほしゅ

89 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 12:12:03 ID:AeJbhREd
保守代わりに雑談
前スレ602の
「宇宙人、ていうのもありですかね
グレイタイプ(ただし女性的なラインは維持)とか、
緑や青の皮膚になるとか 」
とかいうのはいいな、と思ったんですがもしかしてスレ違いでしょうか?
別にこういうのの投下を期待してるわけではないですけど・・・。

90 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 18:52:08 ID:XJj9IkpQ
>>89
>ただし女性的なラインは維持
多分、この辺がスレ違いというかウケ良くないんだと思う。
要は人間ぽい体つきって事でしょ?
このスレ的にはもっと容赦なくTFして欲しいんじゃないかなぁ。

91 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 19:35:33 ID:/4fPe80U
いやいや、女性的なボディラインは許容範囲ですが

俺は顔重視なので顔が変わってくれればそれで(ry

92 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 22:05:57 ID:fHheNur8
けどやっぱり
多脚の方が変身した!って気がするかも。

いやあくまでも私の意見ですが

93 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 01:31:52 ID:4EyigiQk
変身する物よりも変身していく過程、描写と
心の変化が分かる事が分かれば何でもおk

と個人的には思ってる

94 :名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 19:43:45 ID:9gfhzsIE
保守

95 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 07:43:51 ID:7RNnfCHO
ほしゅ

96 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:57:36 ID:0+khvQDF
ほしゅ


97 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 07:49:09 ID:i4kGnkAu
保守でのみ進行するスレ

98 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:43:54 ID:OV1BTzi+
新しいものを書きましたので、数日に分けて投下いたします。

タイトルは長すぎるということなので、ここに。
『アガレスは慈悲深く、なれど尊厳を破壊する』です。

99 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:44:34 ID:OV1BTzi+
第一章……一日目
 
 
「リネット王女、ご機嫌麗しゅう。我が名はアガレス。変化の公爵」
目の前にいる美しい女は、そう名乗ってわたしに笑いかけた。
異形の存在だった。
鰐の背に乗り、肩には鷹を止まらせている。緑の衣を身に纏い、片足を淫らにも
剥き出しにしている。王宮で魔道師に教わった通りの姿をしていた。
顔立ちには非の打ちどころなく、真っ当な装束で着飾れば、王室の舞踏会に現れても
不思議でない気品を備えている。年の頃は兄上と同じくらい。二人を並べれば、
似合いの美男美女と取り沙汰されてもおかしくなさそうである。
なのにそこには何か、人を怖気立たせる瘴気のようなものが漂っていた。
魔族の大立者アガレスともなれば、それも無理はない。戦いにおいては地震を起こす
ほどの強力な魔力を誇り、言葉を巧みに操っては人々の尊厳を破壊するという。
なぜか慈悲深いという言い伝えもあるそうだが、悪魔の慈悲などまやかしに過ぎまい。
恐怖に萎えそうになっている心を強いて奮い立たせ、常と変わらぬ態度を取ろうと
努めた。王女たるもの、気品を失うことなどあってはならない。
「これは夢、ですね」
わたしとアガレスを取り巻くのは無明の闇。踏みしめる大地も仰ぐべき天もない。今
わたしが着ているのは、今日の式典用に誂えていたドレスだが、その後の騒動で埃や
泥にまみれたはずのそれは、最初に袖を通した時と変わらない美しさを保っている。
「いかにも。いちいちそちらへ足を運ぶのは、ぶっちゃけ七面倒臭いので」
終わりの方は俗な言葉過ぎて何を言っているのか定かでないが、言いたいことはおおむね
理解した。
悪魔はそれぞれが各々の領域からあまり遠くへ出ようとしない。それはもちろん人を
警戒してのことではなく、悪魔同士の縄張り意識がひどく強いためであるという。
ゆえに労を惜しんで夢の中で人に働きかけるのはよくあることだと、これも魔道師に
教わったことがある。

100 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:45:15 ID:OV1BTzi+
夢であれば、悪魔の魔力であってもさしたる効果を発揮しないとも聞いた。もとより
王家の一員として無様に怯えるつもりはないが、なおのこと恐れる必要はない。
そこで、わたしは魔族に問いかけた。
「今日の出来事は、あなたの仕業ですか」
「半分正解でございます。貴女様を連れ去りしは、当人がこっ恥ずかしい名乗りを上げた
通りに、魔王ダークエンペラーことマールドラ町の三十四歳独身無職のトム・ブラウン
でありまして、わたくしは彼奴に少々力を与えた上でいささかそそのかしたまでのこと」
アガレスの語った内容は驚くべきことだった。
わたしが暮らすエルスバーグの城に今日突如襲来し、わたしをさらってこの洞窟に
監禁したあの魔王とやらは、実は単なる我が国の辺境の町の住民であり、この悪魔の
手引きを受けたというのか。
「なぜそのようなことを?」
悪魔は人の天敵であり、人を殺し傷つけ苦しめるのが生業のようなものである。しかし
悪魔は人間以上に知性の高い種族でもあり、その行動には合理性があるはず。
それが、わざわざ人間に魔力を与えて暴れさせるとはどういう了見なのか。破壊行為を
働きたいのであれば直接動けば済むものを。
「さて、長くなりますが、ご静聴いただくといたしましょう」

101 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:46:16 ID:OV1BTzi+
「ものには順序がございます。まず手始めにはエルスバーグより遠く離れし大国
ポートスパンの伯爵家ご令嬢オクタヴィア・アルビステギの話から」
「その名前は覚えています」
「左様。彼女はこのエルスバーグを昨年訪れたことがございます。とは言えポートスパン
王家ご息女来訪の折の随身ですから、むしろその名をご記憶なさっているリネット様の
記憶力が優れていると申すべきでしょう」
「つまらぬ世辞などいりません。少し愉快でない出来事があったから覚えていただけの
ことです」
エルスバーグを見下した、無礼な振る舞いの数々。それだけならば耐えもしたが、
世話を任せた女官たちに傷を負わせるに及んで我慢も限界に達し、衆人環視の元であの
思い上がった娘を面罵した。外交問題に発展してもやむなしと思っていたのだが、幸い
ポートスパンの姫君が冷静で賢明な方であったおかげで、ことは速やかに収まった。
結果、オクタヴィア一人が満天下に恥を晒す格好になったわけだ。
「これは失敬。いかにも、あれは不愉快極まりない事件でしたね。わたくしは
オクタヴィアの口から事情を聞きましたが、それでも非は明らかにあのお脳の足りない
小娘にあるとわかりました」
「あなたはオクタヴィアに会ったということですか?」
「はい。それがこの糞ったれな事態すべての発端でして」
アガレスは唇を歪めた。あまりわたしが見たことのない種類の笑み。
「ポートスパン帰国の後、憤懣やるかたないオクタヴィアは先祖伝来の宝物庫の中に
とある品物が入っていることを思い出しました。正確に使用すれば、ある代償と
引き換えに悪魔を呼び出して使役できる杖です」

102 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:47:20 ID:OV1BTzi+
息を詰めて話に聞き入るわたしに対し、アガレスは大袈裟なまでにため息をついて肩を
すくめてみせた。
「要するにこれ、わたくしが大昔にこしらえた罠なんですがね。使い方には一々面倒な
手順があり、呪文詠唱の一言、準備した魔力触媒の品質、召喚の際の手振り一つ、
果ては儀式の日時や場所まで、どれか一つでも指定の作法にのっとっていなけりゃ、
たちまち愚かな召喚術士気取りをとっ捕まえておいしくいただく寸法。それらすべてを
間違えないくらい賢い者なら、代償に差し出すものを惜しむに決まってるから、こんな
杖を使うわけがない。どっちにしろ、わたくしが実際に人間に仕えて労働に励む可能性
なんてこれっぽっちもないはずだったんですけど、ねえ」
「……オクタヴィアは成功したわけですか」
「話が早くて助かります。猿が紙にペンででたらめに書きつけたら抒情詩ができたって
くらい低い確率のはずだったんですが」
「それで、彼女の望みは?」
聞くまでもないことだが、確認せずにはいられない。
「貴女様の破滅。肉体的苦痛と精神的恥辱にまみれた生涯。当然、オクタヴィア本人は
こんな簡潔な物言いはしてないわけですが、長ったらしくてうんざりする恨み節を
要約するとそんなとこです」
アガレスの答えはあまりに予想通りだった。
「ま、こちらとしても代償を確実にいただける契約ですんで。仕事はきっちりやらせて
いただきます」
「……代償、とは?」
「あまり慰めにもならないでしょうが」
アガレスはこれも予想通りの答えを返した。

103 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:48:05 ID:OV1BTzi+
「それにしても落ち着き払っておられる。たとえ安全な夢の中とは言え、悪魔を前にして
こうも平然と話ができる人間はあまりいませんよ。しかもたった今ご自分の破滅を宣言
されたというのに」
「怯え震えて乞い願えば破滅から逃れられるというのなら、いくらでも浅ましい振る舞い
をしてみせますが」
「あいにくそういうわけにもいきません」
悪魔について学ぶ際、アガレスの名は極めて早い段階で教わることとなる。それほどの
存在が、獲物の嘆願や小芝居ごときで己の行動を変えるとは思えなかった。
「それに、心は今日の午後よりすでに、千々に乱れております。城壁や王宮が破壊され、
多くの人が傷つきました」
ロビン。
魔王を名乗る者に果敢にも斬りかかって、強烈な魔力で壁まで吹き飛ばされたロビンは、
どうなったことだろう。
近衛兵に取り立てられて日が浅い彼は、剣の腕前なら近衛の中でもすでに一、二を争う
のだが、城内での作法についてはまだ勉強不足なところがあり、家柄のおかげで素早く
出世したような者どもにたびたび嘲られていた。
なのに生真面目に穏やかに勤め上げるばかりの彼がいじましくて、今朝、わたしは思わず
彼らの只中で言ってしまったものだった。
――六代前のジェイコブ王は庶民の出ながら剣術に秀でて王女の危難を救い、近衛の職位
から王になったとか。皆の者も何よりまず職務に励まれるように。
普段ロビンをいじめている者たちの唖然とする顔を見たくて口にした言葉だったが……
あの言葉がロビンに余計な傷を負わせる原因になったのではないかと、わたしは不安に
おののいていた。
最悪の想像が口から飛び出してしまう。
「中には命を落とした方もおられることでしょう」
アガレスはわたしの問いに対して沈黙で回答した。

104 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:48:57 ID:OV1BTzi+
「繰り返しになりますが、なぜ力強き悪魔アガレスともあろう者が、あのような粗暴で
愚かな人間を手先としているのですか? 願いが単にわたしの破滅一つであるならば、
わたしだけを狙えばよかったものを!」
アガレスは、眉根を寄せる。まるで困った人間と同じように。
「そうしたいのは山々ながら、問題がいくつかございます。まず、このエルスバーグは
口うるさいアモンのテリトリーでして、そこへわたくしがのこのこ現れて一暴れした
暁にはしきたりがどうの礼儀がどうのといった揉め事になるのは必定なわけです。他にも
この近くにはベリアルとかグラシャラボラスとかどうにも面倒な輩が多いし」
何やら、わが一家の親戚づきあいにも似ている話。そういう問題では人も魔族も
変わらないということなのだろうか。
「さらに、わたくしが直接貴女様に危害を加えるてなことになると、エルスバーグおよび
周辺国が傾きます」
「……それはどういう意味ですか?」
「この近郷がなかなか微妙な力関係でバランスを取っていることはご存知でやんしょ?」
なぜか道化芝居の三下のような口調になる。妖艶な美女の姿にはふさわしくない。
「そのど真ん中に位置するエルスバーグが突然悪魔の襲来を受けて王女をさらわれた
なんてことを知ったら、周りの国が色々企み出すものでしてね。エルスバーグの国内も
動揺しまくればあっという間に西部大陸大戦争の始まり始まりってなもんでげす」
「……それは、魔族の望むところではないのですか? 死と破壊こそが悪魔の本懐と
いうものでは?」
わたしが口を挟むと、アガレスは悲しげに首を振った。
「人間の皆さんはどうにも誤解なさっておられる。もっとも、昔の我々の行為に原因が
あるのですからこれも自業自得というものですが」
台詞だけ抜き出すとなかなか悲痛だが、言い方が安っぽい役者めいていて、説得力は
微塵も感じられなかった。

105 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:49:46 ID:OV1BTzi+
「魔族は、生物の精神活動を喰らいます。人間が他の動物や植物を喰らうように」
「精神活動、ですか。喜怒哀楽などの?」
「はいその通り。生物ですから植物や他の動物からも摂取できないことはないのですが、
心穏やかな植物や知性に乏しい動物の精神という奴は、あまりコクや深みといったものが
ないわけですよ」
口調はふざけているが、わたしには初耳の話だった。
「喜怒哀楽を食べられた人間は死ぬのですか?」
「いえいえ、そんなことはござんせんよ。人が焚き火にあたって暖を取るのと似たような
もので、わたくしどもは横から皆様のおこぼれにあずかっているに過ぎません」
「ですが……」
それならどうして、魔族と死や破壊がこうも密接に結びついているのだろう?
「ただですね、とりわけ美味なのが死ぬ直前の感情の爆発でして」
「!」
「苦痛とか悲哀とか後悔とか激情とか絶望とか、そういうものは思い出すだけでも
よだれが垂れるくらいおいしくてですね、なのでわたくしどもは昔はそりゃあ乱獲
しまくったわけでございます」
「…………」
「ただ、人間たちが植物や動物を採取狩猟するよりも栽培や育成で安定した収穫を目指す
ほうが得だと気づいたように、我々も次第に変わっているところでして。今時の悪魔と
いう奴は、人の世の大規模な混乱など、頭の悪い下等な連中を除けばもはや誰も望んで
おりません。一瞬の快楽に身を委ねても、また人が増え始めるまでの長い期間は餓えに
喘ぐことになるわけですからねえ」

106 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:50:55 ID:OV1BTzi+
「…………」
アガレスの言い分は、それなりに筋が通っているようにも思われた。
「ですが――」
どの道、わたしがこうして囚われの身となった以上、戦乱は避けられないのでは
ないだろうか?
そう続けようとしたわたしをアガレスの言葉が遮った。
「この件は、ほとんどの人間が納得の行く形で収拾をつける運びになっております。
筋書きはすでに書き上げてありまして、後はその通りに役者が動いてくれればいいだけの
話」
貴女はその「ほとんど」には入っていないのですけれどね、とアガレスは付け加える
ように呟いた。その声音は妙にしんみりとしたものだった。
「様々な人の生き死にも、あなたたちにとっては芝居……あるいは駒遊びの一種という
わけですか」
「否定はいたしません」
アガレスはわたしの批判を軽く受け流す。
もっとも、わたし自身王家の人間として、いずれはそうした駒遊びにじかに関わったかも
しれないのだが。
「トム・ブラウン改めダークエンペラーは、駒としてはまさにうってつけなんですね、
これが」
はしゃぐように悪魔は話題を転じた。

107 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:51:53 ID:OV1BTzi+
「死んだ父親の遺産で悠々自適を気取っていたのが怪しい事業に手を出したのが災いして
今では食うや食わずの貧乏暮らし。そのくせ気位が高いせいで人に頭を下げて働くことに
踏み出せない。しかも最近では母親に、近衛兵に取り立てられた年下の従兄弟と
比べられて、鬱屈を抱えながら自堕落な生活を送っていたという典型的な穀潰しです。
リネット王女のような若くて魅力的な女性と出会えないものかと考えながら、しかし
外に出るでもなく妄想の中で日々遊んでいただけの屑です」
「でも、あなたがそそのかさなければ、こんな大それたことはしなかった」
「王女はお優しいですね。自分をさらった相手だというのに」
その声は、さっきと同じくどこかしみじみとした響きを伴っていた。
「王族たるもの、国民を気遣えなくなったらおしまいです。それが悪魔にたぶらかされた
愚か者というのなら、なおさら」
もちろん建前に過ぎない。怒りや憎しみや恐怖の念を、あの自称魔王に対しては
抱き続けている。しかしすべてを仕組んだ張本人の前でそんな感情を顕わにしても
空しいだけだということは理解していた。
 わたしが睨むように見つめると、アガレスは視線を逸らした。
「話を戻しますが、彼は多少の知識はあれど大した魔力を持ってはいなかった」
アガレスが語る言葉に思い出すのは、堅牢な城壁を難なく突き破り、ロビンをあっさりと
なぎ払った、魔王を名乗る男の絶大な魔力。
「いや、今も大した魔力じゃございません。あれを倒せる人間は、世界に二十人ぐらいは
いるでしょうね」
「に、二十人?」
人の身であれに対抗できる者が二十人もいることが、むしろ信じられない。
「ええ。その辺もうってつけと評した理由です。悪魔アガレスに挑んで姫を救わんとする
のは至難の業ですが、あのダークエンペラーに立ち向かうのはさほど困難な話でない」
「つまり彼は、征伐されるために力を与えられたわけですか」
「そういうことです。だからと言って貴女が憐れむ必要はないと、台本を書いた者と
しては助言しておきましょう」
「……あなたはさらに彼を操るわけですね」
「ええ。貴女を破滅に導くために。まあ、一つだけご安心を。貴女は彼に肉体的に
汚されることはありません。彼奴にはわたくしがきつく言い聞かせておきますので」
「それも、戦乱を避けるための布石ですか?」
「よくおわかりで」
仮面のような笑みを浮かべると、アガレスは優雅に一礼して消え失せた。

108 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:52:49 ID:OV1BTzi+
第二章……十日目
 
 
「リネット王女、ご機嫌麗しゅう」
夢の中へ姿を現したアガレスに、わたしは無言で飛びつこうとした。
しかしわたしの身体は奴の身体をすり抜けてしまう。魔族が人間に危害を与えられない
ように、人間も夢の中では無力である。
それでも、今日の怒りと悲しみは誰かにぶつけずにいられなかった。
今日、目の前でたくさんの人が命を落とした。
わたしを救うために編成された部隊。この洞窟へ突入し、わたしの目の前まで
迫りながら、彼らは壊滅した。わたしの牢番に配置されていたブラックドラゴンの
炎と角と爪と牙と尾によって。
自称魔王はすでにこの洞窟を離れ、わたしに三度の食事を運ぶとき以外は別の地に築いた
居城に引きこもっている。そこで配下にするモンスターの生産に取りかかっているらしい
が、そんな奴が最初に作り出した強力なモンスターが、このブラックドラゴンだった。
牛や馬の十倍はある巨大な全身を漆黒の鱗で覆われ、腐臭漂わす息を吐き散らし、周囲を
動き回る生き物を見境なく食い漁り、長すぎる尾を引きずりながら四つ足で無様に
這い回る、おぞましくて醜くて、知性のかけらも見当たらない魔物。
だがその鱗と角は鍛錬を積んだ兵士の剣を弾き返し、肺腑に秘めた炎は敵対するものを
簡単に焼き殺し、魔物の甲羅とて噛み砕く牙は鍛造した鎧など意に介さず、四肢と尾は
すべてが石柱のような威力で殺到する兵士を砕いた。しかも造物主の命令には極めて
忠実で、わたしのいる牢内には炎の一息すら吹き込まない。
そんな黒い竜は、王国軍の精鋭で構成された部隊を蹂躙した。最後に煙幕を張って
戦線離脱を図った者たちがいたので、何人かは逃げおおせたかもしれない。
でも。
「彼は……」
思いが唇からこぼれ出てしまう。

109 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:53:23 ID:OV1BTzi+
しかしわたしの怒りにも悲しみにも表情を乱さず、アガレスは微笑みかけてきた。
「ロビンのことですね」
「!」
「以前にお話ししました通り、トム・ブラウンには年若い従兄弟がいます。剣の腕により
近衛兵に取り立てられたその者の名はロビン。姫を救出する部隊に彼が含まれていれば、
トムが彼に対する恨みを晴らさんとブラックドラゴンを特別にけしかけたのも、これを
知っているなら驚くことではありません」
「お前は最初からそれを知っていたのか!」
ブラックドラゴンにとりわけ徹底的に嬲られたロビン。にも関わらず、何度も何度も
立ち上がり、鉄格子の向こうのわたしを見つめ、一途に突き進んできたロビン。
あれは、魔王によって事前に指示されていた黒竜が手加減した結果なのかもしれない。
しかし同時に、ロビンが誠実に務めを果たそうとしたからでもあるだろう。そうで
なければもっと早く後退して逃げることだってできたのに。
「トムとロビンの関係については。しかし王女のロビンへの恋心ばかりは
存じ上げませんでした」
「! こ、恋などではない!」
「そうですか。ではそういうことで」
わたしの言葉を否定もせず、アガレスは再度微笑んだ。
「今宵は心の準備をしていただこうと、敢えて来訪した次第。明日、貴女はこれまで
以上に悲惨な目に遭いますので」
「……今日以上に悲惨なことなど、あるものか」
「それはいささか想像力が欠如しておりますね。お忘れなきよう。わたくしは貴女を
破滅させるため、貴女の尊厳を破壊するために働いているのでございますから」
アガレスは優雅に一礼して消え失せた。

110 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:54:29 ID:OV1BTzi+
第三章……十一日目
 
 
「リネット王女、ご機嫌麗しゅう」
三度現れたアガレスと向かい合う自分の姿を見下ろして、これが夢の中の出来事だと
確認する。確認できてしまう。
なぜなら今、わたしは昨日までのように人間の姿をしているから。
「竜の身体には慣れましたか?」
「……慣れるものか」
昨日、わたしの目の前でロビンたちを惨たらしく傷つけたブラックドラゴン。
わたしの魂は今、その醜く罪深い竜の身体に封じ込められている。
 
 
今朝――洞窟の中ではあるが、魔法による灯りである程度の時刻はわかる――、
わたしの牢にあの自称魔王が朝食を携えて現れた。以前から自分の力や自分が
生み出した魔物の強さを自賛して止まないあの者は、あろうことかわたしに求婚した。
――エルスバーグはじきに僕に支配されるのだから、新国王の妻となるのが旧王家の
姫たる君にはふさわしいでしょう。
気取ったわりに品がなくまるで似合わないたわ言に対し、わたしは鉄格子の奥から
冷笑と短い侮蔑の言葉で応じた。
アガレスと交わした会話は覚えていた。わたしの破滅とは、すなわちここで殺される
ことかと推察もした。でもそれを恐れはしなかった。
前日にロビンの切り裂かれ焼け焦げ砕かれ一部が失われた姿を見た時から、わたしの中の
何かはすでに死んでいたのだから。
だが、彼奴はわたしを殺しはしなかった。

111 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 20:55:35 ID:OV1BTzi+
――予言通りの返答だな。魔神様は常に正鵠を射抜きなさる。
顔をしかめながらそう言うと、あの男はブラックドラゴンを呼び寄せて、なぜか呪文を
唱えると黒い竜の全身を魔力の鎖で縛り上げた。
そしてわたしに顔を向け、アガレスの操り人形であるあの男は歪んだ笑みを浮かべて
言ったのだ。
――僕が好きなのは君の肉体であって、魂には興味がない。むしろ従順な魂を入れ、
その肉体に相応しく育てるほうが好もしい。
直後に唱えられた呪文は、光の輪のようなものだった。それが直線に近い形に
引き伸ばされると、それぞれの端がわたしとブラックドラゴンの体内に吸い込まれる。
――お前は一体、何を
わたしが『わたし』の声でしゃべれたのは、そこまでだった。
輪の端が身体に入り込んだ結果、身体には二本の光の糸が生えているようになっている。
その一方が外へ引き出され、それにわたしは為す術もなく引きずられる。また、もう
一方はこちらへ引き込まれていく。
わたしの身体はまったく動いていない。しかし『わたし自身』は糸に雁字搦めにされた
ように感じていて、糸とともに凄まじい勢いで動き始めている。
すぐにわたしは『わたしの身体』の外に引きずり出され、『リネット』の姿を外から
見ることになった。魂を抜かれたような虚ろな表情をしていた。
わたしは自分が光る球体のような存在となって光の糸に絡みつかれていることを
理解した。そして、鉄格子を超えて糸の進む先にはブラックドラゴンの身体がある
ことも、竜の身体から飛び出した光る球体が糸に乗って『リネット』の身体へと
向かっていることも。
抗おうにも抗う方法もわからないうちに、わたしは邪悪な黒竜の身体の中に吸い込まれて
いき、その身体の新たな持ち主となった。
――この洞窟は君に差し上げよう。迷い込んで来たモンスターや動物、もちろんお好みと
あらば人間も、君の食料になるはずだ。その鎖はもうしばらくすれば消滅するように
設定してあるから心配はいらないよ。
魔王は牢の鍵を開けながら、もったいぶった口調で言う。そして、突如人間の少女に
なって呆然とその場にへたり込んでいるさっきまでのブラックドラゴンを優しく
抱き寄せると、跳躍の呪文を唱えて消えてしまった。
後に残されたのは、さっきまでエルスバーグ王国の王女であったはずの、
醜いブラックドラゴンが一匹。

112 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/24(土) 21:00:16 ID:OV1BTzi+
今夜はここまでです。
前スレ『ベルゼブブの娘』と共通する名前がちょっと出てきますが、
設定的にはあちらの数十年前の話という感じです。

113 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:07:52 ID:O0y9tNdH
>>112
GJ!
続きを全力で待たせてもらいます!

114 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:01:25 ID:mVYxXeho
GJ!俺にとってあんたなしじゃTFは語れない!

115 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 00:52:56 ID:WzqdZqYP
「ダークエンペラーは古い物語を読んでいて、白紙から自分好みの女性に仕立て上げる
お話に心惹かれるものがありましたので、彼好みのアドバイスをしておきました。
もっともブラックドラゴンは無知この上ないですから、実際に満足のいく成長を遂げる
には四、五年は待たないといけないわけですが」
「……その間に彼は滅ぼされ、『心を病んだ王女様』は数年後に回復を遂げるという
わけですか」
なぜかわたしは、再びアガレスに対して敬語を用いていた。悪魔に対する憎しみ以上に、
金属の軋みのごとき鳴き声とは違うまともな人間の言葉をしゃべれる喜びが大きかった
からかもしれない。
「さいでございます。これなら『王女』は損なわれず、しかし実際には王女は苦痛に
見舞われる。依頼主と周囲の皆様の矛盾する要求をうまいこと切り抜けたすんばらしい
発想と自負しておりますが?」
「そしてわたしは邪悪な竜として討伐されるというわけですね……」
もうわたしは夢の中でしか言葉をしゃべれない。不恰好な四つん這いでは字を書くことも
ままならない。何より今の醜い身体では、人と言葉や意思を疎通させること自体が
不可能だ。つまりは魔王の手先にして王女救出部隊の仇でもあるブラックドラゴンと
思われたまま、やがて現れる勇敢な冒険者の手でみじめに殺されて屍を晒すのみ。
嘆きの呟きに返答を期待したわけではなかったが、アガレスは道化た笑みを引っ込めると
神妙な顔をして言った。
「勘違いしないでいただきたいんですけどね、わたしは依頼主にとって最善の手を
打ち続けるつもりですが、別に貴女の未来が確定したわけではありませんよ?」

116 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 00:53:32 ID:WzqdZqYP
「……え?」
「悪魔が万能じゃないことくらい、おとぎ話でご存知でしょ? 運に恵まれれば、
どうにかなるかもしれませんよ。元の身体を取り戻せるかどうかはわかりませんが、
こちらの意図した破滅ぐらいは免れるかもしれません」
「しかし、この状況はすでに詰んでいます」
竜とて決して無敵ではない。すでに情報は伝わっているはずだから、洞窟の外に出れば
優秀な魔術師たちによる遠距離魔法の集中砲火を浴びて滅ぼされる。かと言ってここに
篭もっていても、魔力を秘めた武具で身を固めた腕利きの剣士や騎士に乗り込まれたら
それまで。人と戦うつもりなどないわたしはいいように嬲り殺されるだろう。
仮にそうした人材の手配が遅れるとしても、この巨体を維持する食料をどうするか。外に
出た場合、牧場などを襲って牛や羊を丸呑みでもしないことには胃袋が満たされそうに
ない。内に潜み続ける場合、辺りを蠢き回るおぞましいモンスターを捕食することに
なる。どちらも耐えがたく、だが空腹も今日一日ですでに忍耐の限度に達している。
「これくらいは妥協と開き直りで乗り越えられるでしょう」
わたしが陥っている窮境を理解しているだろうに、アガレスは一言で切り捨てた。
「ではまたいずれ。たぶん貴女とは次に会うのが最後になるでしょうね」
言い残すと、アガレスは優雅に一礼して消え失せた。

117 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 00:54:13 ID:WzqdZqYP
第四章……六十日目
 
 
「リネット王女、ご機嫌麗しゅう」
闇の中にアガレスが現れた。
反射的に身構えて、ここが夢の中であることを思い起こす。自分が本来は人間であった
ことも。
わたしの姿はたちまちブラックドラゴンから人間に戻った。今のわたしからは奪われて
久しい姿へ。周囲から褒めそやされ、自分でも内心誇らしく思っていた、それなりに
美しい少女の姿へ。
「機敏な反応でございましたね。さすがに五十日モンスターと戦い続けると、野生の
勘のようなものが鋭くなってくる」
「…………」
言いたいことが多すぎて、さらに久しく話というものをしてなかったせいで言葉をうまく
発せられなくて、また、アガレスがまず口にしたこの言葉に我知らず打ちのめされて、
わたしはしばらく黙りこくってしまった。

118 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 00:56:04 ID:WzqdZqYP
すでに日数を数えるのは止めていたが、確かにわたしはこの数十日間洞窟の中で
モンスターと戦い続けていた。それらを喰らうために。
外に出るのは、食料確保に関してと、わたしをモンスターと判断して問答無用で
襲撃するであろう兵士や冒険者に対してと、二つの不安によって断念した。
その点この洞窟には弱いモンスターがふんだんに生息し、しかも今のわたし――
ブラックドラゴンの戦闘能力を活用するには絶好の環境であり、さしたる困難もなく
生き延びることができるのだった。
アガレスと会った翌日、最初に喰らったモンスターは今でも忘れられない。甲羅で身を
守り無数の触手を蠢かせて這い回る、メバと呼ばれるモンスター。グロテスクな外観な
上、甲羅を剥いでも中の肉さえ人間には有毒で、しかも樽ほど大きく人間にとっては
凶暴な魔物ということもあり、人がこれを食した記録などどこにもない。
ただわたしは、人間の王女として囚われの身であった頃、今現在のこの身体である
ブラックドラゴンが、床や壁をのそのそ這い回るこのメバを見つけると嬉々として
捕食するのを何度となく目にしていたのだった。
もちろんいきなりそんなものを口にする勇気があったわけではない。しかしその時
わたしの近くにいた、食べるのにまだ抵抗の少ない他のモンスターは、素早く動き回る
種類のものばかり。ドラゴンになって丸一日も経っていなくて身体を使いこなせず、
飢えで衰弱もしているわたしには捕えられそうになかったのだ。
同じ生き物が、単に魂が変わっただけで、それまで食べていたものを突然毒に感じる
わけもない。そう自分に言い聞かせながら、わたしは前肢でメバの甲羅を押さえつけた。
メバは危険を感じたか、柔らかく粘つく触手を何十本とうねらせ、一部はわたしの
前肢に届く。その不快さに耐えられず、わたしは肢を離してしまった。

119 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 00:56:49 ID:WzqdZqYP
それでも、いつまでも何も食べないままではいられない。肢の先から力が抜け、ただ歩く
ことすら苦痛になり、蝙蝠や鼠が変じた素早いモンスターが不穏にもわたしの周囲を
ちょろちょろと徘徊し始める。生まれて初めて、わたしは餓死の危険を肌身に感じた。
思いついて、メバに炎を吐いてみる。だが火力の加減をまだできなかった当時の
わたしは、メバを完全な灰にしてしまった。
わたしは覚悟を決めた。
手近なメバを掴み取って口の中に放り込み、一心不乱に噛み砕く。ドラゴンの鋭い牙は
甲羅をも簡単に咀嚼できた。触手はしつこく口の中で蠢き続けたが、舌と唾液で牙に
絡みつくそれらをこそげ落とし、無理矢理喉の奥に送り込んだ。
人間の味覚では表現できないその味は、しかしドラゴンとなっているわたしにはさして
不快でもなかった。
一度開き直ってしまうとその後の心理的な抵抗は一気に減り、わたしは様々な
モンスターを食べ漁るようになった。
それらの中には、こちらの硬い鱗をも切り裂く刃のような角を備えた鷹や、稚拙ながら
魔法を使って眠らせようとする蛙など、ドラゴンの強大な力をもってしても一筋縄では
いかないモンスターが多くて、それらを狩るうち、戦闘などとはまるで無縁に王女と
して暮らしてきたわたしは、いつしかブラックドラゴンとしての能力を十二分に発揮
できるようになっていたのだった。

120 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 00:57:49 ID:WzqdZqYP
「まあ、それでもにわか仕込みの王女様が勝てるほど、甘い相手ばかりではないという
ことでございます」
アガレスは軽く笑う。わたしは返す言葉もない。
今、こうして夢を見ているわたしは、現実では頑丈な檻の中に閉じ込められている。
洞窟の近くにある村の一角に設置された檻の中に。
アガレスが以前語った存在。アガレスが力を貸し与えている自称魔王に立ち向かえる、
数少ない冒険者。今日、そのうちの一人が、わたしの寝ぐらであった洞窟を襲ったのだ。
 
 
今日、目を覚ましたわたしは、とりあえず目の前を這っていた五匹のメバを平らげて
朝食とした。
空腹を癒すと、毎朝毎夕の日課になった作業を始める。
『私はエルスバーグ王女のリネットです。魔王により竜と魂を入れ替えられましたが、
あなたがたと敵対する意思はありません』
と、前肢の爪を使って洞窟のあちこちの壁に彫りつけていくのだ。
洞窟全体には魔王による維持魔法がかかっており、朝と夕方になると洞窟のあらゆる
損傷が自動的に修復されてしまう。おかげで激しい戦闘が起きても洞窟はまず崩落しない
わけだが、そのたびにわたしの爪痕は空しく消し去られる。
それでもわたしは毎日二回、修復された直後の傷一つない壁に文字を刻む。無益で
恐ろしい戦闘を避け、自らが救われる可能性にすがって。同時に、自身が単に本能しか
持ち合わせない竜ではないことを確認するために。
作業の順番としては洞窟入り口近くから始めるのが基本だが、その日の気分で適当な
ところから始めることも珍しくない。今朝は起き抜けに、牢屋前の最も広々とした一角
――わたしと入れ替わる前からブラックドラゴンが寝起きしていた場所でもある――から
書き始めることとした。

121 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 00:59:03 ID:WzqdZqYP
と、書き終えた直後、洞窟入り口の方向から奇妙な物音を聞き取る。
ブラックドラゴンの聴覚は、モンスターの中では大したことはないが、それでも普通の
人間よりははるかに鋭敏だ。そんな今のわたしの耳は、金属の鎧をガシャガシャと
騒々しく鳴らしてこちらへ歩み来る何者かの足音を聞き分けていた。
最初わたしはいよいよ人間がやって来たかと思って緊張した。『リネット』の身柄は
魔王が押さえている。それを魔王が広く宣言していれば、ここにリネットはいないと
して問答無用に攻撃が始まるだろうが、そうでなければ人質を警戒して慎重な行動を
取るはず。わたしにも自分の事情を説明して理解してもらう余地はある。
だが足音を聞くうちに、疑念が生じ始めてきた。
わたしがドラゴンになってから、洞窟内に人間が入って来たことはない。それでも、
鎧を着た近衛兵や騎士の足音は昔から聞き慣れている。その記憶に照らし合わせると、
足音の主はあまりに無警戒なのだ。
よほど腕前に自信のある練達の武人ならば、敢えて示威行動の一環として聞こえよがしに
音を立てるようなこともあるかもしれない。しかしその足運びたるやどうにも不器用、
まるで床を出たばかりの病人のようによろめき、時に壁に手をつくのか一際盛大な
金属音を響かせている。だが足取り自体は一定に保たれていた。
――魔物?
鎧を着るのは人間ばかりではない。オークやゴブリン、コボルドなどの亜人が、襲った
人間から剥ぎ取った大きさの合わない鎧を着飾ることもあれば、妖術によって
生み出された骸骨剣士などの不死生物が武具で身を固めることもある。
――骸骨は食べられないけれど、亜人なら。
わたしは涎を垂らし、舌なめずりをした。亜人は弱くて仕留めやすい絶好の食料なのだ。
ことに豚と人を混ぜ合わせたような姿のオークは、肉が多くて美味である。
わたしは素早く洞窟の構造を頭に思い描き、待ち伏せにうってつけの地点まで忍び足で
移動した。四本肢の巨体を動かすことにもすでに熟達し、角や尻尾を壁にぶつける
ような無様な真似ももうしない。

122 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 01:01:10 ID:WzqdZqYP
相手の不意を突ける場所に陣取り、息を殺して待つ。
来た。
わたしは飛びかかり、前肢でなぎ払う。高熱の炎を吐けば一番強力な攻撃になるが、
その場合は炭化してしまって食べられないので、よほど危険と判断した時以外は
使わないようにしている。
壁に叩きつけられた敵は、だが、即座に体勢を立て直すと剣を構えてわたしに
斬りかかってきた。
その姿は、鎧の中に腐肉をまとい、時折ぼろぼろと床にこぼしさえする、亡者。
――ゾンビ?
だが普通の――わたしの知識は王宮で魔道師に教わっただけの、通り一遍のものに
過ぎないが――ゾンビであれば、こうも機敏な動きはできない。先刻までの、音でのみ
聞いていた遅々とした動きと、この姿とはぴたりと一致する。なのに今現在のこの
俊敏な動きは明白に異常であった。
とっさに身をかわしたわたしの前肢を、人型のものが持つには長大な剣が払う。一本の
爪を斬り落とし、届いた切っ先は鱗を斬り裂いて足首からもどす黒い血を流させた。
痛みはさほど感じない。竜の身体は繊細ではない。
しかしもちろん、わたしはただの低能な竜とは違い、それなりの知性を有している。
目の前の敵は剣呑な存在であると判断する。どこか別の遺跡や洞窟から這い出て来た
古代の魔物だろうか。それとも魔王が生み出して性能を試すためにわたしにけしかけた
新型のモンスターだろうか。いずれにせよ、倒すしかない。
だけど、炎を吐くのは躊躇してしまった。
一つには、わたしは炎を吐くと直後に大きな隙ができるため。生まれながらのドラゴン
ならこんなこともないのかもしれないが、わたしはそうなってしまう。もしこの
ゾンビが焼かれても動けるほど強力な呪力で動いているなら、骨だけの姿でも剣を
振るえるかもしれない。そうなったら隙の生じたわたしは格好の標的だ。

123 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 01:02:06 ID:WzqdZqYP
そしてもう一つは……説明もできない、ただのためらい。
相貌も腐れ果て、今のわたし以上におぞましい汚れたモンスター。なのに、何となく、
見覚えがあるような気がしてしまう。もしかしたら、かつてこの洞窟で命を落とした
者の成れの果てかもしれない。わたしを救うためにここへやって来て、わたしの
この身体によって命を奪われた兵士かもしれない。
――倒した後に身元の確認をし、わたし自身が元に戻った後で遺族へ報告をする。
実現可能かどうかは定かでないがそれを目標として、わたしは行動することにした。
戦いは熾烈を極めた。
ゾンビの特徴としては、痛覚の欠落が挙げられる。ゆえにこちらの打撃は相手の肉体を
破壊するほど強烈なものでなければ意味がなく、他のモンスターであれば簡単に気絶
させられるような衝撃を与えても、それだけではしかたがない。わたしは後の先を
取られて何度となく全身を斬り刻まれた。
そしてまた、最初からわたしを翻弄した高い反応速度。殴っても応えないわけだが、
そもそもなかなか当たらない。
さらにこのゾンビは、なぜかいくつかの魔法も使うのだ。ブラックドラゴンの身体は
魔法への耐性もそれなりにあり大きな傷を負うほどではないが、火球や氷の矢を
目の前で放たれると目くらましの効果まで発揮するからたちが悪い。
それでも元々の耐久力の違いが大きかったためだろう。わたしはどうにかゾンビ剣士の
両腕両脚を解体することに成功した。

124 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 01:03:49 ID:WzqdZqYP
立ち上がれず、それでもなおじたばたと動き回る、生ける屍。
その様子を見ているうちに、わたしはここしばらく考えないようにしていたことを
つい考えてしまった。
醜いドラゴンの巨体で洞窟を蠢き、モンスターを襲っては喰らう、今のわたし。
美しい靴を履き王宮の磨きこまれた床の上でダンスを踊る代わりに、裸足の四つん這いで
岩と泥と苔が混ざり合った上を歩く。
柔らかなフリルで飾られたドレスを身にまとう代わりに、鉱物のような鱗で全身を
覆われている。正確にはそれこそが今のわたしの皮膚。
毎朝侍女にくしけずってもらっていた長い蜂蜜色の髪の毛はどこにもなく、二本の鋭く
まっすぐな角が前に突き出ている頭。
歌を歌い詩を口ずさんだかつての口とはまるで形の違う、獣や爬虫類のごとく前に
突き出た口。その上顎と下顎には牙がびっしりと生え揃っていて、モンスターの
甲羅だろうが骨だろうがお構いなしに噛み砕く。
その口の中に収まるのは、料理人が丹念に調理した食べ物ではない。仕留めたばかりの、
あるいは生きたままの、味つけもされてないモンスターの肉。それだけ。
ただただ必死に、生き延びることだけを意識している今のわたしだが、そんなわたしは
果たしてまだ『リネット』を名乗るに値する存在なのだろうか? もうわたしは
ブラックドラゴンであることに馴染みすぎてしまっているのではなかろうか?
そんなことを考えてしまっていたせいだろう。ゾンビの着ていた鎧の端に彫り込まれて
いた文字を見て、わたしは完全に凍りついた。
『ロビン』
この腐りきった、腐汁を撒き散らす、眼窩から眼球の垂れ下がった動く死体が、ロビン。
わたしがうっすらと好意を抱いていた青年。
わたしは、自分が好きだったはずの相手を気づきもせずにバラバラに引き裂いていた。
ドラゴンの本能に衝き動かされるように。
慙愧の念など即座に湧くはずもなく、ただ瞬時の衝撃と混乱がわたしの動きを止める。
そして、敵にはそれで充分だった。

125 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 01:06:54 ID:WzqdZqYP
地面に倒れてもがいていたロビンの亡骸が、突如背中から羽を生やして宙に舞う。
――!
距離を取ろうとしたわたしだが、反応が間に合わない。
そしてロビンの死体は、今度は腹から無数の触手を、そして口からは紫色に濁りきった
ガスを、わたしに向かって吐き出した。
どちらか片方だけならば、それでもまだ対処できたかもしれない。しかし触手は
わたしの四肢を封じ、ガスはブラックドラゴンであるわたしの頑健な肉体さえも
一時麻痺させるほどの毒性を有していた。
――よし、よくやったぞ、ロビン。
そう言いながら、洞窟入り口の方向から新たな人影が歩み寄って来た。
わたしやロビンと同年代の、一見平凡な、しかし数多の修羅場を潜り抜けた風格を
漂わせる青年だった。
――炎を吐かなかったのはロビンがスケルトンとして動き続ける二段構えを警戒したから
なのか? ブラックドラゴンにしちゃ知恵が働く戦いぶりだったな。さすがは王女様の
番兵を任されるだけのことはある。殺すのは止めだ。
青年はそう言うと、ロープを取り出してわたしを縛り上げる。よほど強力な魔力が
込められているのか、わたしはかすかな身動きも声を上げることさえもできなくなった。
どうやら彼が、かつてロビンだったゾンビを操っていたらしい。と言うことは、彼こそは
魔王を倒す実力を持った冒険者なのだろうか。そう言えば冒険者には魔物使いを生業と
する者もいると聞いたことがあった。
それなら彼に、さっき洞窟奥に刻みつけた文を見てもらえれば。『リネット』の救出も
彼の任務のようなのだし、これから奥へ進んでもらえれば。
――ま、ロビンもぼろぼろだし、今日のところは一旦帰るか。明日朝一番で強化した後、
改めて奥に挑むとしよう。
冒険者はそう言うと、わたしをロビンと二人がかりで引きずりながら洞窟の外へ出て
行ってしまった。

126 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 01:10:58 ID:WzqdZqYP
「リネット様の破滅は、最終段階に達しました」
アガレスは、飄々とした声音でわたしに宣告する。
「肉体的な苦痛。精神的な恥辱。この五十日で王女はそれらを存分に体験し、しかも
今後もそこから抜け出す見込みは皆無に等しい」
たぶんアガレスが言うからには、そうなのだろう。
よしんば仮に『リネット』の身体と生活を取り戻せたとしても――
「もし万々が一、元に戻ることができたとしても、この苦痛と恥辱は魂にまで焼きつき、
王女は決してまっとうな幸福など得ることができない。そうお思いになりませんか、
オクタヴィア様?」
突如アガレスが背後に呼びかけると、闇の奥からポートスパンの伯爵令嬢が姿を見せた。
深い眠りにでも陥っていたところだったのか、夢の中でもネグリジェを着ていて、
だらしなく着崩している。
オクタヴィアは、急の出現に戸惑うわたしを一瞥して言った。高慢がすべての美点を
台無しにする、古い家柄の愚かな貴族にありがちの醜さには、一層磨きがかかっていた。
「まだこの女、夢の中では人間の姿じゃないの。実際はどんな浅ましい化け物になって
いるのか、はっきり見せて欲しいわね」
「かしこまりました」
オクタヴィアの要求に、アガレスは唯々諾々と従う。そしてわたしに指を向けた。
「アガレス、あなた、何を……」
「悪魔は夢の中では力が激減します。しかし何もできないわけじゃありません。
夢魔なんて連中もいるわけですしね」
そして変化の公爵は、わたしに一条の光を発射する。
それに射抜かれたわたしは、夢の中なのに激しい熱に襲われた。光の当たった部分から
身体全体へと、耐え難い熱さが広がっていく。
目眩を感じ、立っていられなくなって、わたしは両手を下に突いてしまう。
すると。
人間であった――夢の中では人間のままでいられた――わたしの身体が、次第に変化
し始めた。

127 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 01:12:35 ID:WzqdZqYP
長く伸ばした髪の毛が抜け落ちていく。
白く滑らかな腕が黒みを帯びた硬い皮膚へと変わりながら太く大きくなっていき、
五本ある小さな指は鉄をも両断する長く凶悪な爪を備えた四本の指へと形を変えていく。
顎の形が変わっていく。鼻を伴って前方へ長く伸びていく。その内側では歯が牙へと
変化していく。
全身が巨大化していき、最近の夢の中でわたしがずっと着ていたドレスは簡単に破れ、
虚空の中に散り散りになってしまった。
身体の中で内臓まで変わっていくようだ。ドラゴンには炎を生み出す器官があるようで、
呼吸器と入り混じるそれの影響により、吐く息は火山地帯のごとき腐臭を漂わせるように
なっていく。
髪のすべて抜け落ちた頭部には二本の角が、尻からは体長に匹敵する長さの尾が、
圧倒的な存在感とともに生え揃う。まるでわたしに、今の自分が人でないと常に
言い聞かせるためのように。
熱さが全身から引いていった時、わたしは完全なブラックドラゴンに成り果てていた。
「これにてリネット王女は夢の中でもドラゴンの姿で生きていくこととなりました。
いかがでしょう、オクタヴィア様?」
「この先一生? 本当に?」
喜色満面に、オクタヴィアが確認する。
「これまでアガレスが言を違えたことがありますか? 契約が続く限り、アガレスは
貴女様の忠実なしもべです」
アガレスの言葉は真実だとわたしにはわかった。
全身を――ここは夢なのだから、つまりはわたしの魂を――何かが縛りつけている。
これが解かれない限り、わたしは今後人の姿をとることができそうにないと肌身に
感じられてならなかった。

128 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 01:14:09 ID:WzqdZqYP
身悶えする。声を上げようにも、軋むような声しか出せない。
そんなわたしを見て、オクタヴィアはさらに笑みを深くした。
「あはははは! それが今の王女様? まあ怖い、何ておぞましいお姿かしら!」
そう言いながらも、弾むような足取りでわたしの足元に近寄って来る。夢の中で
ある限り自分がわたしに危害を加えられたりはしないとよく知っているのだろう。
「ご機嫌はいかが? 気位の高い高慢ちきで取り澄ましたお姫様! あの時はあたしに
恥をかかせてさぞよいご気分だったことでしょうけど、こうなっちゃみじめなもの
よね! ざまあみなさい、邪悪なドラゴン!」
幼い言葉を稚拙に連ねてわたしを罵る。どうやらあの一件は、本当に彼女にとって
屈辱的だったらしい。
言いたいことはあるが、口を開いても単にオクタヴィアを喜ばせるだけだ。そう認識
したわたしは、じっとその場に佇んだ。
「ねえアガレス、こいつが何を考えているかがわかんないとつまんないわ」
「では元に戻しましょうか?」
「なんでそんなことすんのよ! 姿も声もそのままで、ただ思っていることはこちらに
伝わるようにしなさいよ!」
「かしこまりました」
その瞬間、わたしの中で何かが外に開くような感覚があった。泳いだ後に耳に入っていた
水が抜けていく時のような雰囲気。
――……アガレス。
「聞こえておりますよ、リネット様」
「こんな奴に様をつける必要なんかないってば! ……でも、ほんとにアガレスは
何でもできるのね」
わたしはオクタヴィアを見下ろした。
――ポートスパンのオクタヴィア。
「な、何よ」

129 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 01:16:06 ID:WzqdZqYP
――わたしを逆恨みするのは構いません。このような姿に身をやつしたことも、わたし
一人の問題であれば、まだ耐えられます。
「はん、何殊勝なこと言っちゃってんのよ。どうせ建前のくせに」
いかにもその通り、建前だ。こんな目に遭わされて耐えられるわけがない。でも、
建前を押し通すべき場面というものはある。
――ですが、あなたの私怨がエルスバーグの罪なき民を多く死に至らしめた。そのことに
ついては、今、どのようにお考えか。
「そんなの、あたしのせいじゃないわよ。アガレスがまどろっこしいことしたのが
悪いんじゃない」
――今、と問うている。すでに事は起こり、結果が生じた。それに対してあなたは
いかように考えるのか。
重ねて訊ねると、オクタヴィアはそっぽを向いた。
「別に知らないわよ。よその国の兵隊なんかが何人死んだって、あたしにはこれっぽっち
も関係ない話だもの」
――……わたしは、あなたを許しません。決して。
「許さなければどうだっての? 何かできるものならしてみなさいよ!」
貴族の家に生まれた下賤な娘は、わたしを挑発するように手をひらひらと振った。
「ところでオクタヴィア様。明日の成り行きですが……」
アガレスが、娘に耳打ちした。
「あはははっ! それいいわね! こいつってば、今よりまだ酷いことになるんだ!」
手を打って、わたしを指差し、これ見よがしに笑う。
わたしはただそれを見つめる。その程度の言葉で動じたくないという気持ちが強かった
が、これ以上どう状況が悪くなるのか見当がつかないせいでもあった。

130 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 01:17:20 ID:WzqdZqYP
「気に入っていただけましたか?」
「そうね、大満足!」
かりそめの主従による会話が続く。
「わたくしからはこれ以上するべきことが思いつかないのですが、オクタヴィア様には
何か案がございますか?」
「何よそれ。考えて手を打つのがあんたの仕事でしょ」
「ですから、これまでわたくしは色々考えて様々に手を打ってきたわけです。リネット
王女をここからさらに虐げる方法は、当面思いつきません。オクタヴィア様には何か
考えつくことはございませんか?」
重ねてアガレスが問いかける。
「んー、別にないわ」
「そうですか。何か思いついていただければ、それの実現に向けて努力いたしますが?」
もう一度問われしばらくは考え込んでいたが、結局大したことを思いつかなかったのか、
首を横に振る。
「しつこいわねー、もういいわよこれで」
「はあ。もういい、ですか」
わたしと話す時と違ってそれまで無表情に振る舞っていたアガレスが、初めて
オクタヴィアに向けて笑みを浮かべた。
ひどく邪悪な笑みに見えた。
「それはすなわち契約の完了ということでよろしいですね?」
「さっきからうるさいわよ! そろそろこのつまんない場所から元のベッドに戻しなさい
ってば!」
幼児のように手足をばたつかせる娘を、アガレスは冷ややかに見つめた。
「契約完了。ゆえに今後、わたくしは貴女に従ういわれはございません。そして
わたくしは、貴女に代償を要求いたします」

131 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 01:18:40 ID:WzqdZqYP
「……代償?」
「貴女が作動させた杖には注意書きがついていたはずなんですがね。まあ、貴女バカ
ですし、ろくに読まずにでたらめに動かしたみたいですから、気づいてなかったとしても
不思議はないんですが」
「アガレス! 何よその失敬な口の利き方は!」
「言ったでやんしょ? 契約は終わったって。正直この六十日間、苦痛で苦痛で
たまりませんでしたよ、貴女みたいなバカ娘の醜い願いを叶えるために東奔西走する
のはね」
すっかりわたしの知るいつもの調子を取り戻したアガレスは、肩をすくめると
オクタヴィアを見下して言った。
「で、あなたが知らずに契約まで済ませた『代償』なんですがね。貴女の魂そのもの
ですよ。ちゃっちゃと渡していただきます」
「……え?」
「え、じゃないですよ。魂。心。悪魔がそれを要求するなんて、砂漠で喉の渇いた
人間が水を求めるのと同じくらいありふれた話だと思いますがねえ」
「あ、ちょ、ちょっと、待ちなさいよ」
「待ちません。貴女の願いは叶った。リネット王女はこれ以上はなかなかないってくらい
完全に破滅した。貴女自身が契約完了を否定しなかった。なら、こちらはこちらで最後の
清算を済ませても、何ら問題はないでしょう?」
「だ、だって、あたし、そんなの知らなくて――」
わたしもすでに知っていたし、たとえ聞かされていなくても推測は容易だった話なの
だが、オクタヴィアには本当に寝耳に水だったらしい。
「無知は罪ですよ。人生最後にいい教訓を得ましたね、お嬢さん」

132 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 01:19:31 ID:WzqdZqYP
アガレスは、掌をオクタヴィアに突き出す。
するとそこへ引かれるように、娘の身体から光る玉が飛び出して、掌の中に収まった。
――死んだのですか?
「正確にはまだですね。魂がしばらく抜けてても肉体は動いてるものです。リネット様の
魂をそちらに宛がってしまえばちょうどいいのかもしれませんが、わたくしの立場上
それはできないので悪しからず」
――それは、わたしからもごめんこうむります。
人間の、それも同年代でそれなりに身分の高い、少女の身体。今の身体に比べれば
もちろん魅力的だが、それでも我慢できることとできないことはある。
「まあ、そう言うだろうと思ってました。かと言って腐らせるのももったいないので、
適当に見繕っておくとしましょうかね」
――当人の魂はどうするのです?
平然と悪魔とそんな会話ができる自分が不思議だ。やはりわたしは魔物として生きる
うちに、すでに人の道を踏み外しているのかもしれない。
「そうですね。食べ応えがあるなら別の身体に移植したりしてじっくり感情をしゃぶり
尽くすところなんですが、あいにくこの娘は虫みたいなものですからちっとも美味じゃ
ない。まあ、相応しいところへ落ち着くんじゃないかと思いますよ」
光る玉を無造作に弄びながらアガレスは言った。
「ところで王女様」
――何ですか?
「明日、貴女様に何が起きるか教えて差し上げましょう」
そう切り出すと、アガレスはわたしに待ち受ける事態について話し始めた。
 
 
「では、さらばです」
わたしとの会話を終えると、アガレスは闇の中に消え失せた。

133 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/26(月) 01:27:32 ID:WzqdZqYP
今夜はここまでです。短い話ですので、次回の投下で完結となります。

134 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 01:28:41 ID:SCPd3vuH
GJ!目が離せないぜwktk

135 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 02:20:17 ID:CwRrMd4v
これは期待してしまうぜ。GJ!

136 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 06:37:41 ID:8bKGdplf
GJ!入れ替わり式のTFに加えて、肉体変化のTFもあるなんてかなり美味しいな。
登場人物一人一人のキャラ付けが決まってて面白い。

137 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 10:01:05 ID:oWA1jSj8
保守だけで進むだけだったスレにこんな大作が投下されるなんて!
次が気になるぜ!

138 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 22:47:41 ID:6xoh9xIw
続きが気になるのぉ〜

139 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 03:40:13 ID:mNzhcqXO
ちょっと前まで過疎ってたのにこんな良スレになるとは

140 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 21:25:41 ID:KJoiayoa
ベルゼブブの作者様ですよね
満を持してという感じでとてもうれしいです!

141 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/30(金) 00:45:29 ID:pmQNeIlZ
終章……六十一日目
 
 
「さあて、機嫌はどうだ? 楽にしてろよ」
冒険者は昨日と同じようにゾンビのロビンと二人がかりで、縛り上げられたわたしを
檻からずるずると引きずっていく。その行く手には、借りきったらしい村の倉庫。
広々とした床に描かれているのは魔法陣。
 
 
「あの冒険者は魔物使いです。それも、ちょっと外法に手を染めていましてね」
昨晩の夢の中でアガレスは言った。
――魔物使いの外法とは?
魔物を手なずけ使役する冒険者。そこにどのような禁忌があるというのか。
「あのゾンビ、不自然でしたでしょ? いえゾンビそのものが不自然と言えば不自然
なんですけど」
 
 
わたしは魔法陣の上に転がされた。少し離れたところにもう二つの魔法陣があり、
三つで正三角形を構成している。その片方に、ゾンビが足を踏み入れた。
 
 
――確かにそうでしたね。背中に翼を生やし、触手も備え、呪文を使った上に、戦闘と
なると異様に素早くなりました。
「つまりあれが、あの冒険者の研究の成果ですよ」
――魔法か何かで、魔物に特殊な能力を付加するということですか?
「惜しい。もう少し強引な手です」

142 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/30(金) 00:46:20 ID:pmQNeIlZ
わたしとロビンがそれぞれの魔法陣に完全に入っていることを確認すると、冒険者は
呪文を唱え出した。西部では耳慣れない、恐らくは東方の言葉。
それと同時に足元の魔法陣が光り輝く。床に描かれていたはずの紋様が回り始め、
わたしの身体を飲み込んでいく。
目を転じればゾンビのロビンも同様に、魔法陣の中に吸い込まれていくところだった。
 
 
「モンスター同士を合成させるんですよ」
アガレスの言葉にわたしの理解が追いつかない。
「呪法の一種で二体のモンスターを溶かし、粘土細工のようにぐちゃぐちゃにして
一体化し、それぞれの持つ長所や特性は生かしたまま新たなモンスターを作り出す。
無理矢理一つにされる当事者の意思を除けば、実に合理的で優れた手口ですな」
 
 
自分で料理をした経験はないが、料理しているのを眺めるのは好きで、しばしば城の
調理場へ足を運んだことがある。
今のわたしの身体は、たぶんその時に見た一塊のバターのようになっていることだろう。
熱せられた鍋に放り込まれ、あっという間に溶け出して、他の材料と混ざり合っていく。
熱こそ感じないものの、わたしは間違いなく身体が溶けていくのを、また他の存在と
混じり合っていくのを、感じていた。

143 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/30(金) 00:48:07 ID:pmQNeIlZ
昨晩そう聞かされて、わたしは直前にオクタヴィアが手を叩いて喜んでいたのを
思い出した。たぶんあの娘はわたしが何と合成させられるのかも聞いたのだろう。
一方わたしは自分で推測した。最も強い手駒とその次に強い手駒。より困難な局面に
挑む上では、この二つを足すのが最善の選択のはず。
つまりわたしは、ただの醜いドラゴンよりもなお無惨な存在になるわけだ。
――心は、どうなるのです?
身体に関しては諦めもつく。どの道、今の身体に未練などない。むしろ強化されれば
生き残る確率が高まるのだから、容貌などどうでもいい。
それでも、心が変わってしまうのは恐ろしかった。
アガレスは、おもむろに口を開いた。
 
 
魔法陣の中で肉体が混ぜ合わされているわたしのすぐ傍に、誰かがいる。
――姫様姫様リネット姫様
わたしを呼んでいるわけではない。その声は、ただひたすらに一途である。
死者は生前の妄執に支配されると聞く。ゾンビの中に宿っている魂のかけらは、死ぬ
間際に心を占めていた意志のかけらに衝き動かされて、骸となった後も動き続けようと
したのであろうか。
――食べ物食べ物
――食べる寝る交わる産む食べる寝る交わる産む
周囲には他の思念も屯していたが、いずれもより単純な衝動しか持ち合わせて
いなかった。色々足し合わされてはいても、あのゾンビの中心にはロビンがいたと
いうことか。
――ロビン。
わたしは、ロビンの思念に寄り添った。
 
 
「心も混ざり合う模様ですね。流されるがままにいれば」
――それはつまり、流されまいとすれば、わたしはわたしで在り続けられるということ
ですか?
「はい、おそらく」

144 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/30(金) 00:49:18 ID:pmQNeIlZ
モンスターを合成するのにかかる時間はほんの一瞬。つまりその間に触れ合った
わたしとロビンの心の逢瀬もほんの刹那。
しかしわたしにとっては、一生忘れられないほどの濃密な瞬間だった。
――姫様、ご無事でしたか!
――ええ。あなたたちが助けに来てくれたのですもの。
――よかった。本当によかった。
――ありがとう。あなたたちのような家臣を持てたことを誇りに思います。……いえ、
あなたという人に出会えたことを。
心が重なり溶け合っていくがごとき、恍惚の一瞬。
そのまま一つになってしまえれば、あるいは最も幸福だったのかもしれない。
でも。
――さようなら、ロビン。
わたしはロビンの心のかけらを己から引き剥がした。この精神世界で強力な意志を
発揮できるわたしは、他の魂を次から次へと押し潰し、粉々に砕き、無に帰していく。
――姫様
――あなたの魂に誓って、わたしは人間に戻ります。あなたが敬愛したリネットに戻り、
あなたの墓前に改めて伺います。だから、今はひとまずお別れです。
ああ、これもまた建前だ。
わたしは単に怖いのだ。ゾンビや触手と混じった結果、自分がリネットでなくなるのが
恐ろしいのだ。それをこんな言葉で飾り、自分の選択を美化しようとしている。
――姫様、どうかご無事で。
なのにロビンは、無垢な声音でわたしに言うと、おとなしく粉々に砕かれていった。
――ロビン。
わたしは、ひとしずくだけ涙をこぼした。

145 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/30(金) 00:49:48 ID:pmQNeIlZ
「今も述べたように、精神世界では心の力がものを言います。他者を強く拒絶し消し去る
くらいの意気込みで望めば、合成されても心まで変容させられることはないでしょう」
アガレスはわたしに明日の心得を説くと、座っている鰐の上で足を組み替えた。
「もっともその場合、魔物使いに不審がられる危険性はありますね。忠実な魔物と
足し合わせたはずなのに反抗的な態度を取ったりしたら、怪しまれること請け合い
でしょう」
――モンスターの身体に慣れた次は、猟犬としての生活に慣れる必要があるわけですね。
わたしがドラゴンの身体でため息をつくと、アガレスは慰めるように笑いかける。
「まあ、今は辛抱していれば、そのうち言葉をしゃべれるモンスターになれるかも
しれませんよ。その時にうまくやれば、『リネット王女』の身体を取り戻すことだって
ありえない話じゃありません」
妖しくもどこか人の良さそうなその笑顔を見ているうちに思い出した言葉を、ふと
話題に出した。
――あなたに関して『慈悲深い』とする評がありますね。
「そうですね。とんでもない勘違いだとは思いますが」
――けれど今回、わたしは何度かあなたの慈悲に助けられてきたように思います。
先ほどの助言もそうですが、この身体にされる直前直後の警告、や、励まし……
言いかけて、改めて意識した。
この出来事のほぼすべてを仕組んだのはアガレスであることを。発端であるオクタヴィア
と末端で直接わたしを虐げた自称魔王の間に位置してはいるが、オクタヴィアの漠とした
恨みに具体的な形を与え、ダークエンペラーに予言という形で詳細な示唆を与え続けた
のはこの悪魔であることを。
そして思い出す、初めて出会った時に聞かされた魔族の糧。
「おわかりになったようですね。わたくしの『慈悲』の意味が」
――ええ。

146 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/30(金) 00:51:05 ID:pmQNeIlZ
気がつくと、わたしはそれまで立っていたのとは別の魔法陣の上に立っていた。全身を
縛っていた鎖も存在しない。
自分の身体を見下ろし、覚悟していたにも関わらず、その新たなおぞましさにやはり
愕然としてしまう。
爛れ、腐れ、いくらかは骨まで剥き出しになったドラゴンの死体。それが妖力によって
動いている。
ドラゴンゾンビ。それが今度のわたしの身体だった。
「ちょっと身体を動かしてみな」
魔物使いは気軽に声をかけてきた。
腐汁を垂らし今にももげ落ちそうな前肢を、試しに持ち上げ振るってみる。と、それは
生きたブラックドラゴンだった時を大きく上回る速さと勢いを有していた。危うく床を
壊してしまいそうになる。炎も問題なく吐けた。
「後は、背中の翼の具合も見たいな」
言われて初めて翼の存在を意識する。ドラゴンの巨体を持ち上げるに足る大きな翼――
もちろんそれも腐りかけだけど――が生えていて、羽ばたかせるとふわりと宙に浮いた。
「それと、魔法」
生まれてから一度も習ったことがないにも関わらず、わたしは特段意識するまでもなく、
昨日ゾンビのロビンが用いたのと同じ魔法を一通り発動させることができた。この腐った
脳のどこに記憶されているのやら、つくづく不思議に思う。
「で、隠し武器の麻痺毒ガスと触手」
喉の奥に炎を生む器官とは別の存在を感じる。そちらへ意識を切り替えて吐き出すと、
紫色に濁り果てた煙が猛烈な勢いで発生した。
最後に腹に力を入れると、メバのそれによく似た触手が飛び出し、わたしの意思に従って
ぬらぬらと蠢いた。
エルスバーグ王女リネットが、つくづく化け物に成り果てたものである。

147 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/30(金) 00:51:55 ID:pmQNeIlZ
「さ、行くぜ。昨日の洞窟を隅から隅まで探索して、王女様を見つけ出す。それさえ
済めば後は魔王の居城に乗り込んで成敗するだけだ」
自分がすでに王女を見つけているとも知らない冒険者に連れられ、わたしは倉庫の外へ
歩み出た。
すると、倉庫の屋根からふらふらと飛んで来たものが、わたしの皮膚にたかる。今の
わたしにとっては小さな、でも人の掌くらいは大きな、蜂や虻を連想させる不気味な虫。
「へえ、デビルワスプか」
魔物使いはわたしにへばりついているそれを見て言った。
「なかなか珍しい魔物じゃないか。基本的に人間を強く警戒するはずなんだがなあ……」
そんなことを言ってる間にも、虫はわたしの身体を這いずり回る。
そして、首筋から顎を回り込んで鼻先に出たところで、わたしと目が合う。
それだけで、閃くものがあった。
「自分から寄って来るモンスターなんてそうそういないし、とりあえず連れて行くか。
何と合成すればいいかはよくわからんけど」
わたしが前肢で叩き潰すよりわずかに早く魔物使いが言い、今のところは『ご主人様』
に逆らうのもためらわれるわたしとしては、この虫を殺すわけにもいかなくなった。
矮小な虻は、わたしの身体を好き勝手に歩き回り、時折腐った皮膚をぺちゃぺちゃと
さも美味そうに舐め上げていく。
こんな姿になってまで、オクタヴィアはとことんわたしに嫌がらせをしたいようだ。
それでも極力こちらの前肢や尾や翼に打たれなさそうなところを選んで飛び回る辺りが
実に浅ましい。
もっとも、浅ましさではわたしも大差ないことに思い至り、内心で苦笑する。
ならば、浅ましかろうがとにかく生きると決めた以上、つまらぬ虫に煩わされるくらいは
甘受しよう。これしきのことも辛抱できないようでは、王女の姿を取り戻すなんて
夢のまた夢だ。
不快な感覚に耐えながら、わたしは昨夜アガレスと交わした最後の会話を思い出して
いた。

148 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/30(金) 00:53:25 ID:pmQNeIlZ
――あなたの『慈悲』の意味。それは、例えば今回なら、わたしを簡単に絶望させて
しまわないため。無気力で空虚な、感情に乏しい存在にしてしまわないため。
なぜなら魔族は、生物の感情を食するから。とりわけ激しい感情を好むから。
――明日起こることを今告げたのも、そのため。わたしが魂まで変わり果てることを
恐れると期待して。あのロビンみたいにわたしが薄ぼんやりした存在になっては、餌が
まずくなると考えたからでは?
「まったくもって仰せの通りです。アモンは今の貴女の心の有りようがずいぶん
お気に入りのようでしてね。わたくしとしてもあれに恩を売っておくのは得策という
わけで」
アガレスは、悪びれもせずおどけた一礼をよこした。
まさに、悪魔。
どれほど憎んでも憎みたりない悪魔。
そうした憎いという気持ちすらもこの者にとっては滋養となるのだろう。
だから嫌がらせに、というわけでもないが、わたしは敢えて首を垂れた。
――……ですが、それでもわたしはあなたの慈悲に感謝します、アガレス。
「え?」
戸惑った顔。もしかしたらこのぺらぺらとしゃべり無意味なまでによく笑う悪魔が
わたしに初めて見せたかもしれない種類の顔。
――あなたが教えてくれなければ、明日わたしはわけもわからずロビンと一つになり、
鈍重な魔物になっていたことでしょう。それを運良く免れたとしても、ロビンの心と
触れ合う機会を虚しく逸したことを悔やみ続けたことでしょう。いえ、それ以前、
王宮から洞窟にさらわれた時や、ロビンが人としての命を落とした時、あるいは
ブラックドラゴンと身体を入れ替えられた時、絶望に陥ってとうに狂い果てていた
かもしれません。だから、それらのことに関しては、感謝いたします、アガレス。
と、アガレスは明後日の方向を向いて、珍しくも激しい口調で言い返してきた。
「貴女をここまで破滅させた相手に向かって何を言っているのですか? そんなつまらぬ
言葉を吐くのは、おやめいただきたい!」

149 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/30(金) 00:54:22 ID:pmQNeIlZ
――?
なぜここでアガレスが怒りを顕わにするのかわからない。まさか好意に類する感情を
向けられたら害毒になるというわけでもないだろう。これまでわたしたちは、お互いに
表面的なものに過ぎないと承知した上ではあったが、穏やかな、一種の敬意に近いものを
示しながら、こうして夢の中で会話し続けてきたのだから。
……あるいは。
ひょっとしてアガレスは、自らの為した行為が感謝などに値しないと認識していれば
こそ、こうしてわたしの謝意を拒絶するのだろうか。
もちろん、これは人としての――少なくとも精神的にはまだ人としての――わたしが
勝手に想像した感傷に他ならないのだろう。しかし、己が振る舞いの罪深さを自覚し、
それがゆえに被害者から忌み嫌われることを望みこそすれ感謝などされたがらない、
されたら拒んでみせる。……そんな姿は、魔族としてはひどく露悪的な気がする。
それではまるで、むしろ潔癖すぎるがゆえに自らの悪行を誰より自らが許せないという
ような……。
――魔族は、
「何です?」
――人の喜怒哀楽を糧とするならば、そしてもはや死を無闇に撒き散らさないつもりで
あるならば……魔族は、人を喜ばせ楽しませることでも生きていけるのではありません
か?
「…………今さら、遅いですよ」
アガレスは、いつものへらへらとしながらも整った顔を醜く歪め、吐き捨てるように
言った。
「我々は貴女方を利用し、食い物にする。それが定められた関係です。今さらどの面
下げて、殺した者たちの子孫相手に愉快な道化を演じろと?」
アガレスのその言葉は、わたしの推測を否定するものではない。「今さら」。「殺した
者たち」。それらが、この悪魔の抱える罪の意識を物語っているように思えてならない
のだ。

150 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/30(金) 00:55:02 ID:pmQNeIlZ
もっとも、これはすべて今しがたわたしが思いついたことに過ぎない。確認しようにも、
嘘つきかもしれない人に「あなたは嘘つきじゃありませんよね」と訊ねるようなもの
だろう。
「そんなことはどうでもよろしい。どうせ貴女は人でなくなったのだから、余計なこと
など考えることもない。元に戻れれば別ですがね」
だからわたしは、それ以上真偽定かならぬ魔族の心情に分け入ることはせず、ただ
アガレスの言葉に乗ることにした。
――そうですね。わたしは元に戻ってみせます。
魔物使いの道具となり魔王に挑み倒れるか。その前に他のモンスターと合成されて
自我を失い愚かになるか。首尾よく魔王を倒せても、自分が『リネット』だと納得
させることができずに終わるか。はたまたそれをわからせたとしても、元に戻る手段が
得られないまま、おぞましい姿の元姫君として未来永劫王宮の地下牢にでも監禁される
か。
わたしが元に戻れる見込みなどどれほどあることだろう。それでも、諦めることだけは
したくなかった。
――要求を、一つ。その暁には、夢の中でのこの姿も元に戻していただけませんか?
「いいでしょう。その時にはもう一度貴女の夢を訪れると約束しましょう」
わたしに視線を戻し、完全に平静を取り戻したアガレスが言う。
――待っていますわ。
「これっきり二度と会うことはないでしょうがね」
アガレスが唇の端を吊り上げる。わたしはドラゴンの顔なので笑えなかったが、
心の中で笑みを返してみせた。
この悪魔ともう一度会いたい。言葉を交わしたい。そう強く願った。
「では、さらばです」
アガレスは一礼すると、闇の中に消え失せた。

151 : ◆eJPIfaQmes :2008/05/30(金) 00:58:27 ID:pmQNeIlZ
これにて『アガレスは慈悲深く、なれど尊厳を破壊する』は終了です。
読んでくださった方々に感謝いたします。
好意的なご感想の数々もありがとうございました。

152 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 01:40:22 ID:8cFbxhJ/
GJ!アガレスと王女の格好いいこと格好いいこと!
次の作品にも期待してます。

153 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 01:45:08 ID:Xp97NDDn
GJ!
あなたがいる限りこのスレは不滅だ!

154 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 17:05:05 ID:e7hJZUtN
すばらしい、姫様にほれました。
彼女にならやられてもいいw

155 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 07:47:51 ID:f3GYAFBL
保守

156 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 11:53:52 ID:dVyXBrU6
強制TFと上位者たる悪魔ってのは相性がいいよな。

157 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 08:49:28 ID:1dTUgv25
アガレスの解釈がおかしいな。ちゃんと文献読んで書いてる?
幾ら自分風にアレンジといってもそこらへんしっかりしてないとうすっぺらいぜ・・・

158 :拾った(アニメサロンで):2008/06/08(日) 13:29:48 ID:dTYL1SCO
479 名前: メロン名無しさん 投稿日: 2008/06/06(金) 22:20:38 ID:U12izmRZ0
少女の体のまま、体つきだけがボディビルの全国大会女性チャンピォン並みの筋肉質になる
482 名前: メロン名無しさん 投稿日: 2008/06/08(日) 10:44:19 ID:BBryzBs90
>>479

そして、全身の皮膚が真赤に変色して剛毛に覆われ、額から2本角を生やして、犬歯が全部牙に変わって、瞳の色が金色に染まり、更に虎の毛皮製の晒と褌を身にまとって、とどめに金棒を握り締めさせれば……


そりゃ、鬼じゃないか!

159 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 13:30:42 ID:dTYL1SCO
整理後



少女の体のまま、体つきだけがボディビルの全国大会女性チャンピォン並みの筋肉質になる
そして、全身の皮膚が真赤に変色して剛毛に覆われ、額から2本角を生やして、犬歯が全部牙に変わって、瞳の色が金色に染まり、更に虎の毛皮製の晒と褌を身にまとって、とどめに金棒を握り締めさせれば……


そりゃ、鬼じゃないか!

160 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 15:40:45 ID:ItR3adeu
>>157
設定なんてただのフレーバーじゃないの?
ただ文献にしたがってるだけのほうがよっぽど薄っぺらいだけだと思うけどな。

161 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 16:29:02 ID:lkq1Hp60
と言うか「アガレス」という名を持っているからって
こちらの神話のそれと同一であるなんて保証は何も無いわけだし。

「バハムート」という名のドラゴンに対して
「バハムートって形状的にはカバじゃね? それにベヒーモスと別扱いっておかしくね?」
と突っ込むのも逆に無粋だしな。

162 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 18:30:55 ID:lLlOCrgd
>>99-150 ◆eJPIfaQmes様
時間がとれずなかなか読めなかったのですが、ようやく読めました。
>>136様も書いてますがTFの見せ方が凝っていますね。
しかも、唯一人間のままでいられた場所でTFに追い込まれる、というかなり残酷なシチュで。
以前別の方の作品で話題になっていた話ですが、自分はTFの主体になる
ヒロインは気丈で聡明なタイプの方が萌えるので、姫はとても魅力的でした
>>148のアガレスのためらいも、心理の奥行きを感じさせてよかったです
美女の姿を借りた悪魔というだけで最高なのに、言動がいちいち素敵でした

163 :名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 19:28:35 ID:5jvFt8uK
ほしゅドラゴン

164 :名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 18:31:05 ID:FV/J2YgJ
前スレとうとう(やっと?)落ちた
終盤は埋めも兼ねて結構話し合いが盛んだったようだが
あの流れはこっちには持ってこれないものだろうか

165 :名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 20:00:47 ID:reIWUDMB
積極的にネタ振りしたんだけれど、殊更降りなおす話題もなく……

166 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 12:17:18 ID:vS9to7Rx
>>31
の追加ムービーがニコニコかyouTUBEに出ないかな…。

167 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 16:41:27 ID:HDHUJDDl
>>166
なかったっけ?
前に過去スレに貼られてて見た様な気がするが

168 :maledict ◆sOlCVh8kZw :2008/06/12(木) 17:18:20 ID:oZeSvxCr
前スレ、自サイトの倉庫に保管させて頂きました。

ところで、DAT2HTMLというソフトで変換してるんですが、
できあがったHTMLファイルは専ブラでは開けないみたいなんです
以前別のdatを手に入れたとき、それを自サイト(今のところではない)に
保存した上で何かやったら専ブラで見られるようになったのですが、
どうやったのかよく思い出せません。
パソコン詳しくないので、いい方法があったら教えて下さい。すみません

169 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 18:32:23 ID:asQM+/4z
保管してくれただけでも激しく乙

170 :名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 19:51:30 ID:E9O6mbLB
>>168
保管乙。

お世話になってるスレだから自分ももっと貢献したいが、筆は進まず…。

171 :名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 12:52:45 ID:0CNhAwuo
高校の頃1人で考えてたファンタジー系のラノべに竜に変身する竜神族の少女が
1人味方キャラとして登場してた。
【外見】普段は外見が10代後半の美少女、でも戦闘時に竜(ワイバーン)に化ける。
人間時の戦闘力は低いが、変身時は反則的な強さを誇る。変身後の姿はモンスター
ハンターのリオレイア亜種(ピンク)みたいな感じ。変身使うと戦力が上昇するが
その姿を(特に男性に)見られるのを嫌っている。

ファイヤーエムブレムのキャラをそのまんま使ったみたいな感じだけどね。
普段は可愛いくて、変身すると強くなるものの異形になるせいで変身を嫌ってる
キャラとか可愛くて萌える。BDZのザーボン見たいに変身後が極端に醜いのは嫌だけど。

172 :名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 21:57:40 ID:6PN/TGPa
よし、書いて投下するんだ。

モンハンのモンスターならフルフルが可愛くて好きだな。

173 :名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 22:36:37 ID:0CNhAwuo
 そのラノベは実を言うと設定を考えただけで自分に文才&根性が無い、のと話が長くなりそう
なのとで書くのを断念したまま放置してある。それに上の娘はメインヒロインでは無いし・・・
欲しければ物語全体の大まかな設定と、上の娘だけの細かい設定だけでも良ければ投稿するけど。
需要があるなら、この娘を主人公にした外伝的な短編でも作ってみようかな。

【名前】ティアマトー
【外見】人間年齢18,9歳位の美少女。ピンクの髪に青い眼を持つ。変身時は桜色の鱗と翼に、
澄んだ蒼い眼を持つワイバーン。
【家族構成】竜人族の父親(黒い鱗に赤い眼)と、人間の母親とのハーフ。両親は共に大きな戦で
命を落としている。彼女の姉が今でも生きているが、優しい性格の妹とは異なり、冷酷非常な性格で
物語の敵役の中の一人として登場する。姉(蒼い鱗に金の眼)とは物語終盤で壮大な決戦を繰り広げる。

【性格】明るく優しく前向きで普段大人しい。変身後は森一つを焼き尽くせるほどの強大な力を持って
はいるが、基本的に平和好きで極力戦いを避けようとする。竜人族を始め、ドワーフやエルフ等の多種族
(これも物語りに味方キャラとして登場する)が人間と共存できる社会を望んでいる。男性に少なからず
興味はあるが、不器用で想いを伝えるのは苦手。
【生活】竜人族は人間から差別されるため、産まれた時から両親と森の洞窟で隠れる様に暮らしていた。
生後わずか数年で両親が亡くなる。洞窟を訪れる人間は少ない為、友達は森の動物ぐらいしかいないが、
彼らの事を非常に可愛がっており、また動物側からも慕われている。人間里で暮らした経験は無いが、
幼い頃に母親から人間の生活について聞かされているため、少しは人間の生活に関する知識がある。
森が人間やモンスターに襲われると、動物を守るために戦う事がある。ヒロイン達と出会い、森を去る事に
戸惑いながらも、途中から人間の街に滞在する事になる。

長くてスマソ。

174 :名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 23:01:25 ID:0CNhAwuo
あと良ければ、物語の登場キャラ(上みたいなのを全員分書いてると10レス以上は使い
そうなのでここでは省略)

【味方側(初期はヒロインTUのみ、他の3人は後から加わる)】
ヒロインT(人間の剣士)
ヒロインU(人間の魔法使い)
ヒロインV(この娘が上のやつ)
ヒーローT(エルフの美形戦士)
ヒーローU(ドワーフの巨漢)

【敵側】
ヴィランT(敵軍リーダーでU〜Zを統率、最強の敵で物語のラスボス。大剣と魔法を
共に用いる人間の青年。)
ヴィランU(敵軍副将、ダークエルフの女性。弓に短剣と回復魔法を用いる。)
ヴィランV(頭の切れる錬金術師の男。火薬や毒等の化学兵器で戦う。機械に強い。)
ヴィランW(神職にも関わらず殺生を行う邪悪な武装修道士。鎖鎌で戦う。)
ヴィランX(長剣2本を手に持ち、1本を口に咥える3刀流の剣士。柄の悪い青年。)
ヴィランY(戦闘で無残に負傷した身体をVに改造して貰ったサイボーグ、主に銃器で戦う。)
ヴィランZ(デカいオーガの大男。力はあるが脳と素早さがない。鉄球や棍棒などで力任せに戦う。)

ヴィラン[(上に書いたティアマトーの姉。悪役集団であるT〜Zに協力し力を貸す。強さはU〜Z
よりは上で、Tよりは弱い。)

175 :名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 00:46:32 ID:xBpTc41i
設定を考えて後は脳内補完、よくあることです

176 :名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 01:07:53 ID:7V7f027T
ゲームなり小説なり漫画なり、設定を考えるのって面白いよな。
その娘を主人公にした外伝的な短編、読んでみたい。

177 :名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 20:53:50 ID:/6AurfoB
ほしゅワイバーン

178 :名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 03:14:13 ID:YFNXv8cf
ワイバーンといえば海原みなもちゃんが変身してましたね

179 :名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 00:12:37 ID:I3h+E6OJ
>>178
探そうとしたら多すぎて頭がパンクした

180 :待ち切れず俺が書いちゃったお(^ω^):2008/06/22(日) 01:23:07 ID:atu4Kb8G

 初夏の森に静かな夜が訪れた。獣も鳥も寝静まり、満月の綺麗なよく晴れた穏やかな夜だった。
その外れにある岩山にいる者達を除いて・・・。
 そのブナの原生林を見渡す荒涼とした岩山の上に巨大な一つの青黒い影が上空から舞い降りた。
岩山の上には既に先客と思わしき六つの影があったが、その風貌からして彼らが異様な一団である
事は誰の目にも明らかだった。
 「御救援の程、感謝致します。」
 その不気味な集団のうち、薄紫の長髪を左右に結び、鋭い眼に尖った耳を持った年の頃20代半ば
と思われる女性が影の舞い降りた場所に向かって丁寧に一礼をした。
 「そういう依頼だからさねぇ。」
 謎の影が降りた場所には、もう一人の女性の姿が現れた。こちらは蒼い眼に金色の長髪を靡かせた
年の頃20代前半と思われる長身の女性だった。彼女は先に来ていた六人の存在を確認するかの如く彼
らをゆっくりと見回していった。
 「総大将様は、どこへ。」
 「はっ、重大な仕事があるとの事で留守に。敵の討伐は我らのみに任されると。」
 尖った耳を持つ方の女性が主の留守を説明した。
 「ひゃーっひゃっひゃっ!小難しい理屈は構わねぇから、早くぶっ潰そうぜぇ。殺し屋として血が
うずうずしてしょうがねぇや!」
 六人の中で一番の巨躯を持つ大男が耐え兼ね、声を張り上げた。
 「そうは行きませんね。これは私共にとって厄介な敵となるであろう者の早期討伐という重要なる
任務。安易な感情で動かれては計画の遂行にも不備が生じましょう。折角強力な外部協力者を見つけ
たというのに・・・計画が失敗に終ってしまっては元も子もありません。」
 「ぶっ殺せる・・・俺も楽しみいい事。でも計画失敗・・・よくない。」
 六人の中で薬品の様な異様な匂いを放つ男と、鋼鉄の義手や武器を身体に仕込んだ異様な風貌の男
とが静かにその大男を制した。
 「ちっ、ああがったよぉ・・・黙ってりゃあいいんだろぉ?」
 「まあ待て、もう少ししたら嫌というほど殺れるぜ。クククッ・・・」
 口に長剣を咥えた明らかに柄の悪そうな青年がそれをなだめた。
 先の六人に新たな一人を加えたその一団は獲物を狙う猛獣のともつかない獰猛な笑みを浮かべ、
目下に広がるブナ林へと視線を降ろした。

181 :名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 15:36:59 ID:ggJ3xD1d
ええと、連載形式?だったらその旨を明示しておいた方が良心的かも。
メインディッシュが楽しみ。

182 :名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 01:39:19 ID:o2ovRTKB
俺の拙い文才でとりあえずここまで書いてみたorz
※以下の作品は連載物です。


 その少女は夢を見ていた、少女の幼い頃の記憶を映し出した夢。しかし、それは幼少時の微笑ましく
楽しい思い出などでは決して無かった。炎に包まれる街と身体に吹きつける熱風、死体の海に腐り焦げ
た匂い、叫び声を挙げながら逃げ惑う人々。全てが阿鼻叫喚の地獄の様相を呈していた。降り注ぐ炎や
砲弾に矢の嵐の中を、少女は父と共に飛んで逃げる。一頭の巨竜と、一頭の子竜となりながら・・・


「夢、か・・・」

 少女は定期的にこの夢を繰り返し見る。あれが少女から両親を、全てを奪い去った大戦だった。
忘れたいが、しかし少女の脳裏に刺青の様に掘り込まれ、決して忘れ得ぬ記憶。年端もゆかぬ少女が
背負い出すには余りにも残酷な記憶。この記憶が以来、少女を苦しめて止まなかった。

「引きずっても仕方無いよね。」

 洞窟の暗闇の中から少女は、日差しを求めて伸びる花の様に外へと這い出していった。外の陽射しが
それまで闇に隠されていた少女の全貌がゆっくりと照らし出されていく。年の端二十そこそこの若い娘
だった。白くきめ細やかな肌に、美しく整った桜色の髪、全てを透かしてしまいそうな碧眼に、果実の
様に柔らかな肉体、その優しく清楚な全貌は天使の様だった。深い森の中に独り佇むその少女は、どこか
神々しくさえあった。
 洞窟の外にはサヨナキドリの歌声が響き渡り、少女の大好きなスイカズラの香りが当たり一面にたち
こめていた。平和そのものの光景である。この森での暮らしこそが、辛い過去を背負い、孤独に苛まれる
少女を救ってくれる存在だった。

「水浴びでもして、少し冷やして来よっかな。」

 言いながら、少女は彼女のお気に入りの泉へと足を運んでいった。

183 :名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 00:48:38 ID:/bgJyDIC
保守わーうるふ

184 :名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 06:06:27 ID:W0nq8IPh
保守らいかんすろーぷ

185 :名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 15:28:39 ID:wtPa4OES
保守d e a r 

186 :名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 19:44:13 ID:S1O1TneS
つづきまだー?

187 :名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 19:06:28 ID:Cys6bH2A
>>186♀ワイバーンまだです。ごめんなさい・・・orz 忙しくて、中々時間が取れないもので。
ちなみに当初は、主要登場人物(5名)の何人かが敵軍(8名)との決戦のさなかに死亡するという
設定で、♀ワイバーンもその中の一人だったのですが。もう少し書いてみて、小説&ワイバーン娘
の人気が高そうであれば、「死亡する」から「重傷は負うも一命を取り止める」とかにあらすじを
少し変更してみようかとも考えてます。

188 :名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 23:59:07 ID:b9O8mraG
変身ネタでもないあらすじだけじゃリアクションのとりようがないよ。

種族の被差別と、変身後の容姿がコンプレックス、ってのは王道で良いよね。
楽しみにしてる。

189 :名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 08:29:11 ID:EBS3U4HK
ほっしゅ

190 :名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 08:48:22 ID:/Q9jDj8G
保守

191 :名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 00:11:08 ID:SgEw6ITp
保守蜘蛛女たんイートミー

192 :名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 02:05:52 ID:JOS/k89q
嘗て無い停滞に

俺の胸は爆発寸前!

193 :名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 02:59:07 ID:4b5OQ94c
>>192
正味な話、小説を書くこと自体が趣味じゃないと、胸が爆発寸前じゃなきゃ書けないよ
だからまあ、期待してる

194 :名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 11:30:28 ID:OtN386sr
もうこのスレオワタ

195 :名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 01:05:34 ID:8bexLpE6
近いうち何か投下します。だから保守

196 :名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 10:12:22 ID:tUwnHF0B
期待保守

197 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 17:27:33 ID:9NjRkB7D
「佐織〜、ご飯の時間だ」
研究室の一角、しかしそこは独房と呼ぶに相応しい場所だった。
佐織はいつものように暗闇から前足だけを覗かせる。
「今日は佐織の大好きな毒蜘蛛だよ。
なんとオーストラリア産〜!高かったんだぜ、コレ」
俺は手に持った皿を佐織に見えるように傾けてみせた。
皿の上では色鮮やかな巨大な蜘蛛が手足をもぞもぞ動かしている。
「入るよ・・・」
俺はごくりと生唾を飲んで、鉄の格子に手をかけた。
ギギギギギ・・と派手な音を立てながら、重い扉が横にすべる。
「ほーら、佐織、うまそうだろう?」
なるべくおどけてしゃべってみたが、やはり声は震えていた。
そう、今日はいつもと違う。
普段は食事を与えるとき中になんか入らない。今日は特例中の特例。
独房に足を踏み入れると、空気が一変したのがわかった。
そして同時に悟ってしまったんだ。

今日俺は佐織に殺されるんだって。

198 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 17:29:41 ID:9NjRkB7D
付き合うってほど大袈裟なもんじゃない。ただ彼女が俺に惚れてただけ。
仕方ないから一緒に遊びに行って一緒に住んでセックスして。
別に楽しくなんかなかった。
でも、彼女は、佐織はいつも心の底から楽しそうに笑っていた。
佐織には悪いけど、俺はそんときの佐織の顔をよく思い出せない。
だってあのときの俺は、どうかしてたんだ。

自己紹介が遅れたけど、俺はある研究室で助手をしている。
なんかわけのわからない大きな団体で、どんな活動をしてるかもよくわからない。
でも俺はそこで自分にわかることを自分のできる範囲でやってる。
仕事ってそういうもんだろ?
とにかく俺はわけわからないなりにもちゃんと仕事をして女とも遊んでたわけだ。

199 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 17:31:02 ID:9NjRkB7D
しかし運命は突然狂ってしまった。俺のついてる教授の一言で。
「今度の実験には被験者が必要だ」
ふーん。それで?
「来栖君(俺の名字ね)にお願いしたいのだが」
ちょ、待てよ。
「お、俺ですか?あの、実験てどんな・・」
「まあ今度のはちょっと大掛かりなものになりそうでね、
私の知り合いといえば、君ぐらいしかいないだろう?だから君にお願いしたまでだ」
「はあ、まあそれはわかりますが、実験って・・」
「内容は君に言っても到底わからんよ。イエスかノーかだけ聞かせてくれ」
まあこの業界ネジが一本や二本足りない人間は多いからな。珍しいことじゃない。
「まあ断るようであれば?私もクビ、当然君も」
「あ、ああ待って!います!一人、俺の知り合いに調度いいのが!そいつに頼んでみますよ」
頭の中にあいつの顔が真っ先に思い浮かんだ。
「本当か、よかった。じゃあうまいこと頼んでくれよ」
教授はまるでこうなることを予想してたみたいに軽い足どりで立ち去っていった。

200 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 17:41:36 ID:9NjRkB7D
「な?そんな怪しい実験じゃないんだ。ほんとだって!頼むよ」
佐織はなかなか首を縦に振らなかった。まあ当然だけど。
「シンちゃん(俺の名前ね)の言うことは聞いてあげたいけど、やっぱり怖いよ・・」
「わかる!佐織の不安は痛い程わかる!けど、俺は
一緒に経過を見届けなきゃならないからさ、頼むよ、俺には佐織しかいないんだ」
口からデマカセ、まったくヘドが出る。
「ほんとに?」
しかし佐織はというと顔を赤くして満更でもない様子。もう一押し。
「当たり前だろ、それに俺がそんな危険なこと、佐織にさせると思うか?」
「ううん?」
「じゃあ決まりな」
「うん!」
「サンキュ」
俺は佐織の唇にキスしてやった。
佐織は待ってましたといわんばかりにキスに夢中になる。
これだから女は嫌いだ。
こんな普通な女どうなったって構わない。
このとき俺は、快く実験を引き受けてくれたにも関わらず、沙織のことを内心嘲笑っていた。

201 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 17:42:16 ID:9NjRkB7D
実験はさっそく翌日から行われることになった。
「まさか女を連れてくるとは思わなかったよ」
教授もご満悦。そりゃ男よりはやりがいがあるだろう。
「じゃあさっそくだが来栖君、これをあの子に」
教授に渡されたのは注射器だった。中には青紫色の見たこともないような色の薬品。
さすがに俺も躊躇した。
「こ、こんなの射って佐織は大丈夫なんでしょうね」
「わからん。実は私も何も知らないのだよ。
噂ではどこかの国の政府が作った薬品で、極秘に日本に持ち込まれたとかなんとか」
噂かよ・・・。話は聞かれてないものの、佐織も不安そうにしている。
俺もどうしていいかわからずもたついていると、耳元で教授が囁いた。
「これはね、もうクビとかそういう次元の話じゃない。
君も関わった以上ここでやめるのは危険だ。もちろん彼女も。
もう後戻りはできないんだよ・・」
教授の声はまるで楽しんでいるように聞こえますけど・・。
まあたしかにここまで来たらやるしかない。俺は腹を決めて佐織に近づいた。

202 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 17:42:59 ID:9NjRkB7D
「シンちゃんひょっとしてこの注射、私に射すの?」
「そうだよ、なに、ビビっちゃってる?」
「当たり前じゃん!こんな気持ち悪いの!私帰る!」
佐織はクルッと向きを変え、カツカツと靴を響かせながら出口へ向かう。
こうなりゃ力づくでも!
「待てよ!」
俺は佐織の腕をぐっと掴んだ。
「いったあい!」
佐織が振り返ると同時に俺は素早く佐織の二の腕の付け根にプスッと注射を差し込んだ。
「あっ!」
注射の中の液体は少しずつ、確実に減っていき、
佐織の腕に注ぎ込まれていく。
まるで時間が止まったように数秒が過ぎ、注射の中は空っぽになった。
俺は注射針を抜き取る。
佐織は目に涙を一杯ためて、
「バカ!」
と言い残し実験室を出て行った。
放心状態の俺。教授が俺の肩をポンと叩いて言った。
「楽しみだな」

203 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 17:49:47 ID:9NjRkB7D
その後三日間、俺達は泊まり込みで佐織を観察した。
しかし様々な検査をしても、なにひとつ変化は見られなかった。
やっぱりあれはただの色水だったのだろうか。
教授もおもしろくないといった様子で、ついに実験は終了することになり、
俺と佐織は帰宅することを許された。
佐織は金一封をもらい、かなり浮かれていた。
ま、結果オーライか。これで俺も肩の荷が降りるってもんだ。
家に着くと佐織はすぐにキスしてきた。やることにしか興味がないのかこの女は。
しかし俺の頭の中にはあの液体の青紫色が鮮明にこびりついていて、
どうしても佐織とセックスする気にはなれなかった。
佐織ははぶててふて寝。俺が潔癖すぎるのかそれとも。

しかしその日の夜、俺の勘が間違っていなかったことが証明されることになる。

204 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 17:50:30 ID:9NjRkB7D
「ぐぎゅるるるる〜」
「ぐぎゅるるるる〜」
寝静まった夜の空間に異音が響く。
まったくなんの音だ。思わず目が覚めてしまった。
横を見ると佐織も寝返りをうってよく眠れないようだ。
不思議に思い佐織に聞いてみた。
「なあ、これ、なんの音だろう?」
すると佐織も起きているようでこっちを向いた。
しかし俺は佐織の顔を見て思わずのけぞった。
目が赤く血走って、ギラギラしている。
「おい、ちょっと、どうしたんだよ」
「お、お・・」
かすれた声を振り絞るように佐織は口を開く。
「お、お腹が、空いて、眠れないの・・」
「へ?」
俺は思わず間の抜けた返事をしてしまった。
「お腹が空いて眠れないのよぉ・・!」
暗闇なのでよく見えないが佐織は涙を流していた。
「じゃあ、なんか食えよ」
「食べたよ!実はさっき起きてカップ麺食べたの。でも全然満たされない・・」
ぐぎゅるるるるる!その音はむしろ腹の音だと思えないほど大きな音だ。
「それ、佐織の腹の音か」
「うん、恥ずかしいけど、止まらない・・」
今頃になって変化が現れたってことなのか。俺は起きて携帯を手にとった。

205 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 17:52:11 ID:9NjRkB7D
その後俺達は研究所に向かい、教授にいきさつを話した。話してる間も佐織の腹の音は鳴り続けてかなりうるさい。
「じゃあこういうことか。この三日間見えないところで佐織君の身体は変化していた。
そして今日になって初めて見えるところに変化が現れるようになったと」
「そうなんですかね」
「そうだとも!」
教授は目を輝かせた。
「そしてカップ麺を食べても腹がふくれない、つまり今の彼女の身体が欲しているのは
人間の食物ではないということだ。違うかね?」
「まあ、そういうことになりますかね・・」
「私に心あたりがある。ちょっと待っていてくれ」
そう言うと教授は研究所の奥へと駆けて行った。

206 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 17:53:19 ID:9NjRkB7D
「シンちゃん、もうお腹が空いて頭がおかしくなりそうだよ・・!」
佐織はもう半泣き状態だ。腹の音は更に大きくなっていく。
「大丈夫だ。今教授がなんとかしてくれるって」
「そんなの信じられないよ・・」
俺もだよ・・。早く帰って眠りたいよ、全く。
「おおい、すまんな遅くなって」
しばらくして教授が戻ってくる。手に何か持ってるが?
「佐織君、いま君が欲しがっているのはスバリこれだろう」
教授は手に持っていた容器を机の上にどんと置いた。
それは虫かごだった。中を覗いてみると、そこにいたのは見たこともないような大きな蜘蛛。
全身が茶色い毛で覆われていて見るからにグロテスクだ。
「きゃあ!なにこれ!」
佐織は一目見ただけで悲鳴をあげた。
教授はニヤニヤしながら佐織に言い放った。
「これが君の食料だよ」

207 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 17:54:06 ID:9NjRkB7D
「こんなの食べるわけないじゃない!あたし虫とかダメなんだから」
「そんなことはない、よく見てごらん」
教授は必死で目を逸らす佐織の目の前にかごを持って行き
しつこく佐織の顔に近づける。
「ちょっとやだ、やめてよ!」
「いいからちゃんと見て!」
教授はぐいっと佐織の顔を両手でつかみ、虫かごの方を向かせた。
「あ、あ、気持ち悪い・・」
佐織の声が震える。
「気持ち・・・悪いよぉ」
しかし少し様子がおかしい。佐織の目は真っすぐに蜘蛛を見つめていた。
やがて教授がゆっくり佐織の顔から手を離しても、
佐織の目は蜘蛛から離れない。むしろ凝視している。
ぐぎゅるるるるる!
佐織の腹がけたたましく鳴り響く。まるで蜘蛛に反応しているようだ。
やがて、じっと見つめていた佐織の口の端からてらてらと光るものが見えた。
佐織はだらしなくよだれを垂らしていたのだ。

208 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 17:54:51 ID:9NjRkB7D
「教授・・」
佐織が静かに口を開く。
「ちょっと、この蜘蛛触ってもいい?」
呂律の回らない喋り方。
「ああいいとも」
教授はゆっくりと蓋をあけ蜘蛛を取り出し、佐織の手に乗せた。
佐織は蜘蛛をとろんとした目で眺めている。数分前まで暴れていたのが嘘のようだ。
口からはとめどなくよだれがどぷどぷ溢れている。
しかし本人はまったく気付いていない様子だった。
なんだか異常なシチュエーションだが、俺は今まで見た佐織の中で一番綺麗だと思ってしまっていた。
しばらくして佐織は小さな声でこう言った。
「いただきます」
そう言うと佐織は大きく口を開け、ばくりと蜘蛛を一口で食べた。

209 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 17:55:49 ID:9NjRkB7D
ぼり・・・ぼり・・・ぼり・・
蜘蛛を租借する音。思わず鳥肌が立ってしまう。
しかし当の佐織はというと、うっとりとした表情を浮かべ、
味わうようにゆっくりと口を動かしている。
佐織の唇の端から蜘蛛の脚がぴょんと飛び出していて、
咀嚼する度に少しずつ中に入っていく。
佐織は本当に蜘蛛を食べたんだ。俺は改めて目の前で起きたことを実感した。
やがて蜘蛛をごくんと飲み込み、佐織はぷはあと息をついた。
しかし数秒後、自分が何をしたかに気付いたようで
サーッと血の気が引いたように顔が青くなった。
「いやああああああああ!」
研究室中に佐織の声が反響した。
「食べちゃったあああ私、虫たべちゃったよおお・・」
佐織が泣くのも当然だ。俺は佐織の肩を優しく抱き寄せた。
「ううう苦いぃ後味が苦いぃ・・」
うぇ。勘弁しろよ・・。
蜘蛛を食ってから佐織の腹の虫はすっかりおさまっていた。

210 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 18:13:56 ID:jifykBx7
連投支援

211 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 18:16:04 ID:9NjRkB7D
いまんとこここまでしか書けていません・・・

支援サンクスでした

212 :名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 18:27:07 ID:tV2qbfUH
GJ!蜘蛛を食べるシーンがすごい好き。本人の意志に反して、って最高だよね!

213 :名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 03:06:25 ID:qGqmANPm
GJです。すごくいいですね。
さて、佐織は何になりつつあるのか。続きが楽しみです。

214 :名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 12:52:08 ID:45/Obcyq
近いうちにワイバーン娘うpします。文才には期待しないで下さい。

215 :名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 03:44:28 ID:MMByZ5JL
まだー?

216 :195:2008/07/28(月) 16:13:54 ID:h7nUauJC
>>197-209様乙です!続き楽しみです!

実を言うと近いうち投下すると言いつつ、まだだったりします。
(流れからすると当然195=197に見えそうですが)
…すみません

217 :名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 21:04:01 ID:/tC3OS5S
分かった早く投下するんだ!いいか、絶対だぞ!!約束だからな。

218 :195:2008/07/30(水) 22:45:59 ID:Ua7xUukr
来週…来週には…

219 :名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 20:32:34 ID:s8z2RCGI
>>218
そういってどうせ書かないんだろ。書く書く詐欺Uzeeeeeeeee

220 :名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 20:37:45 ID:360Tb+Kr
     ____________
    ヾミ || || || || || || || ,l,,l,,l 川〃彡|
     V~~''-山┴''''""~   ヾニニ彡|       書く・・・・・・!
     / 二ー―''二      ヾニニ┤       書くが・・・
    <'-.,   ̄ ̄     _,,,..-‐、 〉ニニ|       今回 まだ その時と場所の
   /"''-ニ,‐l   l`__ニ-‐'''""` /ニ二|       指定まではしていない
   | ===、!  `=====、  l =lべ=|
.   | `ー゚‐'/   `ー‐゚―'   l.=lへ|~|       そのことを
    |`ー‐/    `ー――  H<,〉|=|       どうか諸君らも
    |  /    、          l|__ノー|       思い出していただきたい
.   | /`ー ~ ′   \   .|ヾ.ニ|ヽ
    |l 下王l王l王l王lヲ|   | ヾ_,| \     つまり・・・・
.     |    ≡         |   `l   \__   我々がその気になれば
    !、           _,,..-'′ /l     | ~'''  小説のうpは
‐''" ̄| `iー-..,,,_,,,,,....-‐'''"    /  |      |    10年後 20年後ということも
 -―|  |\          /    |      |   可能だろう・・・・・・・・・・ということ・・・・!
    |   |  \      /      |      |


221 :名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 21:02:43 ID:s8z2RCGI
>>220
Warota。

222 :名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 02:26:36 ID:D40/2hh8
>>182ワイバーン娘の続き。

 小鳥の囀りを聞き早朝の涼しく湿った風を麗しい身体に受けながら、少女は泉へと辿り
着いた。少女の向かいには、小高く聳えた黒い岩壁の上から、湧き出た水が小さな一筋の滝
となって流れ落ち、それが下に広がる岩盤に流れ落ちて作られた、浅く広い天然の浴場が有
った。壁面から生えるシダや年季を感じさせる苔、更にそれを包む万緑を讃えた周囲の木々
が無機質な岩にまで生命感を与えていた。

 少女は暫く泉の前に立つと、腕を頭上に伸ばし大きく深呼吸した。木々の香りやそれを
縫って降り注ぐ太陽の暖かさを少女は吸い込む、やがてそれは体の中に広がり、嫌な夢の
記憶を浄化していった。

 やがて少女は羽織っていた足首ほどまでもある薄茶色のケープを外すとそれを綺麗に畳み、
泉のほとりの平たい岩の上へと載せた。同じ様にして膝下まである波打った薄手の黒いスカート、
レースで飾られた白い長袖のブラウス、純白のスリップ、そして清楚なパンティーを順番に
ゆっくりと脱いで行く。一糸纏わぬ姿となった少女の胸がたわみ震えた。

223 :名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 05:49:41 ID:+qn6aV6Y
…1レス分だけ?

224 :名無しさん@ピンキー:2008/08/04(月) 08:01:01 ID:qzUKQH8m
みんなの不満が爆発寸前〜♪

225 :名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 10:34:36 ID:iepDNMO+
>>222の続きです。本当遅くて申し訳無い(´;ω;`)

 絹の様に柔らかく艶やかな白い肌を晒した少女は、泉の前に立つとゆっくりと一歩ずつ泉の中
へ足を踏み入れていった。水流で洗われた黒い玄武岩の感触を足の裏に受けながら、少女は一歩、
また一歩足を踏み入れていく。腰の深さまである場所に着くと少女はそこへしゃがみ込み、胸の
辺りまで身体を浸した。そこへ座り眼を瞑りながら少女は悪夢の穢れを落としていった。まだ両親
が生きていた頃からの習慣である。少女は母と来た事もあるこの泉が好きだった。何か嫌な事が
あった時もこの泉に浸って癒されると気分が良くなるものだった。

 髪の毛に何か柔らかく軽い物が落ちるのを感じて、少女はそっと眼を開け空を仰ぐ。岸壁の上
に生えた木蓮が、満開になった純白の花を無数に讃えていた。水面に落ちた花を拾うと少女はそれ
を髪に飾り、水面に映った自分の顔を見る。十数年前のちょうどこの時期、母と最初に泉を訪れた
時にも木蓮の花が咲いていたのを思い出す。水面に落ちた花を母は拾い上げ、まだ小さかった少女
の髪に飾ろうとしていた。まだ小さかった顔に花が大き過ぎて似合わないのを母は面白おかしく笑
いながら自分の髪に飾ったのだった。ただでさえ常人離れした美貌を持っていたその時の母は、
その時の少女にはまるでおとぎ話に出てくる女神の様にさえ見えた。その美しさに見惚れながらも、
花の似合う事を羨んだ少女は母に尋ねたのだった。


「ティアも・・・いつか花の似合う女になれる?」
幼い少女の無邪気そのものの質問を、母は笑いながらも優しく応えてくれた。
「ええ、なれるわ。そのうちすぐにね。きっとお母さんなんかよりももっと似合う素敵な女の子に
なってると思うわ。」
「本当!?」
「ええ本当よ。」
少女は悦びに胸を躍らせてさらに訪ねた。
「本当!!どれぐらい?どれくらいでなれるの?」
「そうね・・・あと十年もすればとっても綺麗な女性になってると思うわ。」
十年、当時の少女にとってそれは果てしなく長い年月の様に思えた。少女は堪えきれなくなって叫んだ。
「十年・・・?ティアそんなに待てない!ティアもっと早く大きくなるの!早くおっきくなってお花
の似合う顔、ママンにも見せてあげる!」
「うふふ、そうね。お母さんも見てみたいわ。」
そんな風に焦れる少女を母は優しく宥めてくれたのだった。
「うん絶対見せるの!待っててね!」
「ええ、楽しみだわ。」
「約束する!絶対見せるって!」
「じゃあ、お母さんも必ず見るって約束するわ。」
「本当?破ったらティア許さないの!おっきなドラゴンに変身しちゃうの!」
母は笑いながらも、そんな娘とのやり取りに真面目に応える。
「ええ、必ず守るわ。必ずね。」
遠く懐かしい記憶だった。

――そんな遠い母との会話の記憶――


226 :名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 00:26:44 ID:Cc7MkJ5e
待つのがじれったいんで全部書ききってから投稿しては貰えないだろうか

227 :名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 02:23:52 ID:Ks5CtJAb
>>225は忙しいんだよね
わかるよ

228 :maledict(195) ◆sOlCVh8kZw :2008/08/08(金) 00:30:45 ID:VK5x++qn
>>217様、>>219
お待たせしました。
2スレ目に投下した「猿神退治異聞」の続編です。↓自サイトに転載してあります
ttp://book.geocities.jp/maledictarum/sakuhin/sarugami.html

続編、というか、以下は実はもともと美少女が活躍し異形化するという続編の
導入部だったのですが、本編が長くなりそうなのとで、独立させました。
短いはずだからすぐ投下できると思っていたのですが、
書き始めると色々出てきて思ったより長くなり投下遅くなりました。
また、そういう経緯の作品なので、「おっさんの異形化」という
あまり美しくないシーンが中心になっています。ご容赦下さい
(一応女性の異形化も入れましたが)

229 :続猿神退治異聞・幕間(1/12):2008/08/08(金) 00:32:38 ID:VK5x++qn
 にたにた笑いながら山道を歩く男が一人。背にはとれたての山芋の束を
背負っている。
 結婚十年目にして、早くも男は精力の減退を感じ始めていた。ある日
思い立った男は、農作業を妻に任せ、精が付くと評判の自然薯を、
穴場で大量に収穫してきたのだ。
 やがて小川にさしかかった男は、喉を潤そうと川に向かう。渇きが
癒えると空腹を感じ、収穫した山芋を一本、川の水でざぶざぶと洗い、
しゃくしゃくとかぶりつく。濃厚な味と共に滋養が体に染みわたる。
 芋を洗う内、男は自分の体のひどい汚れに気が付き、水浴びをしようと
思い立ち、服を脱ぎ、川に入る。
 そのときだった。山側の林の生い茂った葉がかさこそと鳴る。熊でも
出たかと男は緊張し、川から出る。だが、葉陰から顔を出したのは熊では
なく、若い女だった。しかも、あろうことか、一糸まとわぬ全裸の女だ。
 男に襲われかけて逃げ出したといったような、取り乱した様子はない。
きりっとすました顔のまま、しっかりした足どりで林から歩み出てくる。
そのいでたちと釣り合わぬ超然とした様子が、男の心に妙に非現実的な
印象を与える。やがて男は女の顔に見覚えがあることに気付く。
「…お、おめえは、まさか…」
 女の方も男に気付いた様子で、妖艶としか言いようのない笑みを浮かべ、
男に声をかける。
「あら、おまえさん。久しぶりね。結婚したって聞いたけど、こんな
ところで何を?あら、山芋とり?そんなに精をつけて、何する気なの
かしら。うふふ…」
「…お、おめえ、生きていたのか?…そうか!猿神のやつが死んで、
それで逃げ出してきたんだな!」

230 :続猿神退治異聞・幕間(2/12):2008/08/08(金) 00:33:07 ID:VK5x++qn
 男の村では最近、長きにわたって村を支配してきた因習が幕を下ろした。
猿神信仰。年に一人、村の美しい生娘を獰猛な猿神に生け贄として捧げる
という野蛮な因習。その悪習が、しばらく前に村に住みついた勇敢な
若侍の手で終止符を打たれた。侍は「神」を騙っていた猿の化け物を
討ち果たしたのである。
 目の前にいる女は、十年前、他でもないこの男の許婚であった。だが
二人の結婚は果たされずに終わった。女の家に「白羽の矢」が立ち、
女は泣く泣く生け贄となり、村から姿を消したのである。男は美しい
許婚への未練を引きずりながらも、半年後、さほど別嬪ではないが、
傷心の男の面倒をかいがいしく見てくれた今の妻を娶ったのだった。
「それにしても、おめえ、どうしたわけだ?全然あの頃と…」
 男の顔や手には、安閑とは言えない野良仕事による、十年分の風雨の
跡がくっきりと刻まれている。それは妻も同じだ。だが目の前にいる
かつての許婚は、まるで生け贄として村を去ったあの日そのままの、
みずみずしい肌と若々しい肢体をとどめている。いつしか男の目は
本能的にその裸身をなめるように眺め回していた。
 女が男の肉体の一部に目を留めてぽつりと言った。
「…抱いて下さらない?」
 言いながら女は男の元に歩み寄ってくる。男は自分自身が水浴びした
まま衣類をまとっていなかったこと、そしていつの間にか下半身の一部が
固く屹立していたことに気が付く。口の中には山芋の粘つく濃厚な風味が
残っていて、それは村人の信じるところでは男の精の源そのものである。
その俗説は、滋養が肉体に与える活力以上に、男の脳に強力な暗示効果を
もたらしていたのであった。

231 :続猿神退治異聞・幕間(3/12):2008/08/08(金) 00:33:43 ID:VK5x++qn
 女はついに男にしがみつく。妻の骨張った肉体とはまるで違う、
柔らかな肉が男の体を覆う。男は、おう、とうつろなうめきを漏らす。
頭の芯が痺れ、全身に行き渡った精が下半身に集中するのを男は感じる。
十年前、一度も結ばれることなく去った女が自分にしがみついている。
男は若い頃何度なくその肉体の感触を夢想し、数限りなく精を独り
摺り掻いては空しく垂れ流していた。いや、結婚後、妻を抱いている
最中でさえ、男の脳裏からその夢想が完全に消えたことはなかったかも
しれない。そして今やそれが現実となり、あるいはかつての夢想をはるかに
超える強烈な性感的魅力を帯び、男を優しく包んでいるのである。
「…ねえ、早く」
 女が耳元で、熱い吐息と共にそうささやく。男は半ば夢心地のまま、
河原に女を押し倒し、その乳房にむしゃぶりつく。そしてすでに激しく
湿潤している女の秘部に、己のいきり立つものを貫き入れる。あやうく
その瞬間に洩れそうになる精を、男の脳髄に残ったわずかな理性が引き
戻し、濃厚な快楽のときを少しでも引き延ばそうと狡猾に腰の動きを調整
する。そうして、この十年で身につけた様々な手管を駆使し、快楽を
少しでも長く深く貪ろうと試みる。
 だが、ふと男は、腹や手に感じる女の肉体の感触の異質さに気付く。
抱き始めたときには柔らかで滑らかだった皮膚が、いつのまにかごつごつと
骨張り、さらに厚い毛皮に覆われているような手触りになっている。
女の肩と腰は急にその幅と厚みを増し、秘部の圧迫が急激に
弱まったような感覚も覚える。我に返った男は目を開き、自分の下に
横たわる女を目で確認し、叫び声をあげる。
「う、うわあああ!化け物!」

232 :続猿神退治異聞・幕間(4/12):2008/08/08(金) 00:34:26 ID:VK5x++qn
 男が抱いていたのはすでに柔肌の若い娘ではなかった。それは、
男よりもはるかに高い背丈の、毛むくじゃらの猿の化け物だった。
 男の一物は急激に萎え、男は慌てて身を引き離そうと試みる。だが、
男の腰の後ろには化け猿のたくましい腕が回され、男がいくら力を込めて
脱出しようとしてもびくともせず、萎縮を始めた男の魔羅をその秘部の
中にくわえ込み続けるのをやめない。
 猿の化け物の顔は、増えた毛と、鋭い犬歯と頑丈な顎以外は、おおむね
かつての美しい女の顔つきをとどめていた。だが、その目には禍々しい
狂気が宿っている。化け物はぞっとする口調で男に語りかける。
「人身御供の夜、あたしはあの忌々しい古猿の力で猿に生まれ変わった。
そしてこの十年、あの古猿に虐げられて生きてきた。我が子を愛でることも
許されず、そして、こうやって気ままに人間を襲うこともできない、
みじめな生活。…だけど、我らが新しい親方様が古猿を殺し、あたしたちを
解きはなってくれた。もう何の我慢も遠慮も要らない。あたしたちは
子を生み、人間を襲い、まずはこの村を、そしてやがてはこの国を、
さらには他国を征服する!」
 狂気に満ちたその言葉を男は完璧に理解したとは言い難い。だが、
自らに、いや自分の住む里にただならぬ危機が迫りつつあることだけは
直感的に悟った。男は抗い、自分の萎えたものを引き抜いて怪物から
身をもぎ放そうと渾身の力を込める。だが怪物の腕はびくともしない。
「そろそろ再開しましょう。あんたはもうじきあたしの放つ『勢液』の
力であたしの眷属に生まれ変わる。眷属となったあんたは奥さんや子供や
他の村人を襲って仲間を増やす。そうやって村全体をあたしたちのものに
していくの。それがあんたの使命。あたしの使命」

233 :続猿神退治異聞・幕間(5/12):2008/08/08(金) 00:35:02 ID:VK5x++qn
 そう言いながら女は腰を淫猥に動かし始めた。同時に、緩んでいた
膣圧が最初と同じほどに、いや、それ以上の弾力で男を締め付ける。
男のものは見る間にその硬度を取り戻す。怪物の潤んだ瞳が男の目を
射抜く。男は、美しい女の目と、獰猛な獣の顎を持つ怪物に奇怪な魅力を
感じ始めた自分に気付き、うろたえる。
「うふふ、あんたもだんだんよさが分かってくるはずよ」
再度その頑丈な腕に抱きしめられた男は、そのしなやかな筋肉の圧迫と
表皮をこする剛毛に、えもいわれぬ快感を感じつつある自分に気付く。
「うおう…おぉ…おぉ」
男の魔羅はこれ以上ない硬度に達し、強い弾力で己を囲む膣壁に、いまや
自らの意志で前後運動を開始している。
「ふふ。その調子。もうじきよ。達したとき、あんたの人間としての
生は終わりを告げる」
おぞましい宣告に、しかし男の本能はもはや抵抗できず、男の腰はさらに
速く、さらに大きく動くのをやめられない。やがて男の全身がびくんと
脈動し、結婚前激しく焦がれた場所へ、とうとう精がほとばしる。
「おほーーーーーーーーーーーっ」
射精の快楽と同時に、怪物の膣内から、男の性器を通じて男の体内に、
呪われた物質、人を人でないモノへと変じる「勢液」が注ぎ込まれる。

234 :続猿神退治異聞・幕間(6/12):2008/08/08(金) 00:35:50 ID:VK5x++qn
「あうは!うは!をうは!わうひはほはほははははは!」
男の脳に強烈な刺激が達し、男は意味不明のうめき声を発する。脳に
達した「勢気」は、このがさつな男の中にもかろうじて残っていた繊細な
情感や良心のカケラを跡形もなく消し去り、その空隙にどす黒い欲望と、
それに従属する、人間をはるかに凌ぐ怜悧な知性を植え付ける。同時に
股間から全身に熱い塊が広がり、男の全身を満たしていく。力尽き
ぐったりと怪物の腹の上に伏している男の肉体はぶるぶると震え出し、
やがてがくんと痙攣を起こす。痙攣は続けざまに男を襲い、そのたびに
その身の丈は増し、手足は太くなる。そしてざわざわと全身に濃い体毛が
伸び始め、顎は厚く大きく変形し、太い犬歯が生える。
 全身を貫く熱い「勢気」をもてあますように男は跳ね起き、痛がゆい
快感と共に変貌していく己の肉体をまじまじと見つめる。その目には
自分の下に横たわる怪物と同じ狂気が宿り、その口元からは、かつて
愛した女と同じ存在に変容しつつあることへの歪んだ歓喜がこぼれ
落ちている。
「むわはははは!わしは生まれ変わった!生まれ変わったぞ!」
 喜び勇む怪物の魔羅は、つい今しがた達したばかりであるにもかかわらず、
すでに猛々しく屹立している。その赤黒い器官は、先ほどまでとは
比べものにならない長さと硬度を呈している。
「もう一度ぉ!もう一度ぉ!!」
 いきり立つ一物をもてあましたオスの怪物は、そう狂おしい声で
言いながら、横たわるメスに覆い被さろうとする。だが、メスは冷めた
目でオスを見上げ、ぴしゃりと言い放つ。
「だめ」

235 :続猿神退治異聞・幕間(7/12):2008/08/08(金) 00:36:53 ID:VK5x++qn
 メスの声には有無を言わさぬ威圧感が込められており、オス猿は
困った顔で動作を停止するしかなくなる。その強制力は、かつて猿神と
呼ばれた老猿がメス猿たちを支配したのと同じ性質のものであった。
 メス猿は立ち上がり、再び人間の女への化身を始めながら、毅然とした
口調で男に宣告する。
「あんたの『勢液』には別の大事な使い道があるわ。村の女たちを
あたしたちの眷属に変えていってもらわないと。まずはあんたの可愛い
奥さんに、たっぷりとそれを注ぎ込んでもらうわ」
 その言葉は、オス猿の中に植え付けられた新たな本能に火をつけた。
人間の女どもに勢液を注ぎ込み、猿神の眷属へと造り変える!――解放
される勢液。怯える犠牲者の顔。変貌する肉体。やがて犠牲者は狂気と
どす黒い欲望に染め上げられてゆく…――その映像がありありと脳裏に
浮かび、オス猿は快楽の予感に身をよじる。
 …だが、オス猿の前には、再び完全に人間の女に化身し終えた女が
立っていた。オス猿は新たな本能に突き動かされる一方、かつて愛した、
否、現在ますます狂愛の募る女の裸身から目を逸らすことができなかった。
勢液の力もぬぐい去ることのなかった、男の心の深い傷跡に、その白い
裸身は突き刺さり、かき回し、情欲を掻き立てた。しかし、勢液の無駄
遣いはしてはならない!その禁令が男を縛り、束縛がますます女への
情欲を煽る。二つの欲望が怪物の心を引き裂く。

236 :続猿神退治異聞・幕間(8/13)〔←レス数訂正〕:2008/08/08(金) 00:38:03 ID:VK5x++qn
 そんなオス猿の様子をじっと観察していた女――否、女の外見を装った
メス猿――は、面白そうにオス猿を見上げて言う。
「ずっと将来、この星がすっかりあたしたちのものになったら、その
ときはあんたと子作りをしてあげるわ。でもそれまではおあずけ!
いいわね?…さあ、あんたも人間に化身なさい。そして種族のつとめを
果たすのよ」
「…『ほし』?」 
 猿神と呼ばれた老猿は、いにしえよりの知恵と自らの高度の知性に
よって自らの住まう世界の実相を驚くほど正確に把握していた。メス猿の
言葉はそれを受け継いだものであった。だが、発達した脳髄の使用法を
未だ十分に習得していないオス猿は、耳慣れぬ言い回しに首を傾げる
しかない。しかし、そんなオス猿も、女の語る「将来」というのが、
多分途方もなく先のことであろうことだけは直感する。その認識はこの
哀れなオスに絶望を与え、おあずけをくらった情けない顔のまま、
オス猿は人間への化身を始めた。
 人間に化身したオス猿の外見は以前の男とほぼ同じであったが、その
肌はかつてよりずっとつややかでみずみずしく、透明感があった。骨格や
肉付きに微妙な修正が加わり、それらが一介の百姓に過ぎないはずの
この男に、まるで高貴な生まれの者のような気品と性的魅力を与えている
のだった。そして太さと長さを増した魔羅は、人間に化身した後も天空を
指すのをやめなかった。
「いい感じよ。人間の女どもは誰しもその姿にいちころ。あんたのどこが
どう変わったのかよく分からないまま、気がつくとあんたの虜になって
いるはず」

237 :続猿神退治異聞・幕間(9/13):2008/08/08(金) 00:38:37 ID:VK5x++qn
 人間の男であれば大喜びしそうな状況に男はにこりともせず、もくもくと
脱ぎ捨ててあった野良着を着込み、山芋を背負う。股間のいきり立った
ものは、引き裂かれた男の心中の満たされぬ欲望の表れであった。
この先男はその器官を駆使し、本能の赴くまま、自分の妻を筆頭に、
村中の、否、この国中の女を化け猿の眷属へと引き入れていくことになる。
だがこの哀れな男のもう一つの欲望が満たされる日は、多分彼が生きて
いる内には決して来ないのだった。 

 山芋掘りを終え帰宅した夫を迎えた妻は、夫の姿を見るなり、ただならぬ
危険を直感した。今朝までの夫と、目の前の男は、どこがどうとは
言えないが、何かが違う。目の前の夫のようなモノは、何やら禍々しい
存在に変じてしまっている。妻の直観がそう告げていた。
 だが、その本能の警告に妻は従わなかった。目の前のモノがあまりに
魅力的であり、そして今夜、そのモノと自分は交わるのだという期待と
欲望が、健全な自然の警戒信号を抑止してしまったのである。――夫は
噂の強壮作用があるというあの芋を早くも食べたに違いない。夫から
発されるこの濃厚な色香、潤んだその瞳、長く伸びたまつげ、みずみずしく
透明でつるりとした皮膚などはその作用に違いない。何よりも、夫の
野良着を突き破らんばかりに盛り上がる股間がその証拠だ――妻は夫の
変化をそう解釈し、無理矢理に納得した。

238 :続猿神退治異聞・幕間(10/13):2008/08/08(金) 00:39:12 ID:VK5x++qn

 その晩、ごちそうにありついたその家の子供たちは、しかし両親の
異様な様子をひどくいぶかしんでいた。妙につやつやして気持ちの悪い
父が憮然とした顔で山芋を食べている。その股間は、何を入れているのか、
はち切れんばかりだ。そして母は父の一挙一動に見とれ、目を潤ませ
ながら、しなしな、くねくねと不気味な仕草を見せる。二人とも、
いつもなら何より気にかけるはずの子供たちには見向きもせず、末っ子の
赤子が泣き出したのも放置したままだ。幼い姉と弟は顔を見合わせる
しかなかった。

 子供たちが寝静まり、夫は妻を家の外へと誘う。狭いあばら屋の中で
巨大化すると家を壊す恐れがあったからだが、思いきり声を上げて快楽を
堪能できる期待に、妻は喜んで夫の誘いに応じる。

239 :続猿神退治異聞・幕間(11/13):2008/08/08(金) 00:39:53 ID:VK5x++qn
 満月に照らされた二つの裸身。永年の野良仕事の労苦が刻み込まれ
骨張った妻の裸身は、しかしそれでも青白い光に照らされることで、
幻想的な輝きを得ていた。横たわるその上に、月光に照らされ、この世の
ものとは思われぬ男性美を放つ男の裸身が覆い被さり、妻の中に入る。
昨日までとは比較にならない濃厚で強烈な快楽に貫かれ、歓喜の声を
あげる妻。だが、その声はたちまち悲鳴に変ずる。自分に覆い被さって
いる生きものがいつの間にか人に非ざる異形へと変じていたことに
気付いたのだ。冷ややかな笑いを浮かべ、相手の身心に間もなく生じる、
恐ろしい変容を宣告する怪物。恐怖に囚われ、身をもぎはなそうと必死に
なる妻。だがその秘部に穿たれた肉の杭を引き抜くことはどうあっても
できない。それは化け猿の怪力のためばかりではない。妻自身の内で
火のついた激しい情欲が、激しい恐怖に抗い、もっともっともっと
この快楽に浸りたい、とその腰をつなぎ止めているのである。――だめだ。
このまま媾わいを続けたら、自分も夫と同じ、猿の化け物になってしまう。
今すぐやめなければ!ああ、でも気持ちいい!やめたくない!だめ!
やめなきゃ!だめだ、やめなきゃと思えば思うほど気持ちよくなる。
猿になっちゃうのに!猿になっちゃうのに!やめないと!やめられない!
やめなきゃ!でも……
「あ゛あ゛あ゛!ぎもぢい!でも、猿になっちゃう!猿になっちゃう!」
 恐怖と興奮が相乗し合いながら頂点に向かい、女はいつしか自ら腰を
振っていた。
「あ゛ぁぁぁぁぁぁ!やめないと!でもやめられない!やめなきゃ!
やめられない!猿になっちゃう!猿になっちゃうぅぅぅ」

240 :続猿神退治異聞・幕間(12/13):2008/08/08(金) 00:40:29 ID:VK5x++qn
 女の腰の動きはオス猿の最後のタガを外し、オス猿は絶頂に達した。
その瞬間オス猿は自分の心が破けるのを感じた。そして破けた心の外側
から、この世のものとは思えないどす黒い塊が自分の内側に流れ込んで
くるのを確かに見た。それこそが「勢液」だった。この世の外側に位置
する、禍々しい欲望の塊。それが心の裂け目を通じてこの世に流れ込み、
性器を通じて外部へ放出される。それが勢液なのだと男は知った。世界の
外側の黒い粘液が男の気脈を流れ、激しい欲望と快楽が肉体を貫き、
やがて妻の胎内へと放出された。
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!あぐぅふぅぅぅぅん」
人類の誰もが聞いたことのない嬌声を上げ、女は狂乱に包まれる。真っ赤な
快楽が女の全身を満たす。その目はまん丸く開かれ、全身はありえない
カーブを描いてのけぞり、がくんがくんと何度も痙攣する。痙攣するたびに
その肉体は大きさを増し、筋肉と骨格は頑健になり、体毛は急激に密度を
増し始める。顎は厚く大きくなり、急激に犬歯が伸びる。
 女はそのすべての変化をはっきり自覚し、自分の身に生じつつある
ありえない変貌に怯え、恐怖し、絶望する。だがすぐに、「勢液」と共に
注ぎ込まれた狂気が急激に女の心を満たし、それら怯えや絶望を、さらに、
優しさや情愛のような人間らしい感情を、女の中から消し去っていく。
そして新たに生まれた優位種族としての自覚が、自らと、そして自分の
夫に生じた変貌に、嫌悪ではなく美と誇りの感覚を与える。怯えと絶望が
覆っていたメス猿の顔に、徐々に歓喜と驕慢な誇りの歪んだ笑みが
浮かび上がる。

241 :続猿神退治異聞・幕間(13/13):2008/08/08(金) 00:41:46 ID:VK5x++qn
「わほほほほほほほほほほ」
 狂気の歓声を発し、生まれ変わった喜びに満たされ、妻は夫を抱きしめる。
夫の心が本当には自分には向かっておらず、夫にとって自分は種族繁栄の
手段であり「獲物」の一つに過ぎなかった、という真実は今の妻には
知られていない――実は、彼らのこの感情の行き違いがはるか将来、
この優越種族全体をまっぷたつに分かつ陰惨な戦争の引き金になるのであるが、
今の彼らはそんな運命を知る由もない。

 二体の異形はしばし絡まり合い、快楽の余韻をひとしきり貪ってから、
どちらともなく立ち上がり、顔を見合わせ、うなずき合う。
「さて…」
「…仲間を増やさねば」
 二体の目は彼らが住まうあばら屋に注がれる。
「手始めはやはり…」
「…ええ。身近なところから始めましょう」
 鬼畜と化した夫婦はいそいそと家路を急ぐ。彼らの子供たちの幼い
性器にたっぷりと勢液を注ぎ込む、そのめくるめく快楽の予感に身を
焦がしながら。
<了>

242 :maledict(195) ◆sOlCVh8kZw :2008/08/08(金) 00:48:05 ID:VK5x++qn
…以上、お粗末でした。急いで書いたのと、もともとあっさり過ぎる話に
起伏をつけようとして、かえって変なことになったかもしれません

なんだか時間がとれないので本編の方はいつ投下できるか分かりません。
忘れた頃に投下することになりそうな気がします。
ついでに、前スレ末にアイデアだけ書いた異世界に行く話は
細部が固まっておらず、さらにいつになるかわかりません。

…投下予定の定まらない作品の話はしない方がいいですね。すみません。

243 :名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 02:00:32 ID:607NufFk
くっ、散々じらされた揚句にそのコテハンを見られるとは思わなかったぜ・・!
今日はもう寝るけど明日読ませてもらうね

244 :名無しさん@ピンキー:2008/08/10(日) 10:30:22 ID:3vgmxPrQ
久しぶりに覗いてみたら投下乙ですw
シチュエーション的にはドツボなんですが
如何せん猿って人間に毛が生えただけな気がしてならない……

245 :名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 13:54:30 ID:GQwqzYfV
GJ!悪堕ちは苦手だけど過程、文章として読ませるなあ。面白かったです。

246 :maledict(195) ◆sOlCVh8kZw :2008/08/11(月) 16:02:17 ID:HSjjZ6Us
>>243
なんか恐縮です(汗

>>244
たしかに猿って異形化ネタとして微妙なんですが、もともと「猿神退治」をモチーフに
妄想を広げた作品なので、そこは変えにくいのです。(猿ネタが多いとはいえ、
猿じゃなきゃだめ、というほどでもないのですが…)
  一応、別種としての猿(や類人猿)に変形するというより、ヒトという種が獣性と
技術的な知性のみを極度に肥大化させた、いびつな怪物、というイメージです。
  また、ある人から「猿」ではなくて「狒狒」の方が原典に忠実だしおどろおどろしくないか、
と言われました。「狒狒」となるとこれは架空の怪物の一種と言ってよくて
(ビールのラベルの「麒麟」がアフリカのキリンではないのと同じく、
「狒狒」もアフリカのマントヒヒならざる幻獣と考えていいでしょう)、
実在の猿やヒヒとはずっと異形じみたデザインであってもいいでしょう。
(皮膚に鱗が生えているとか、目が金色とか、そんな感じ)
改稿するかどうかは未定ですが、行間を補って読んで下さっても構いません。

>>245
悪堕ち苦手、という方からお褒め頂けるのはうれしいです。ありがとうございます。

以上、長レスすみません。

247 :名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 18:13:28 ID:7RH1453v
>>225の続きです。きりの良い変身シーンまでいったので取りあえずウプしますね。


その母はもうここにはいなかった。それから間も無く大戦が勃発して両親を失う事など、年端も
行かぬ幼い少女には分かる筈も無かった。両親を失い、姉まで失踪して天涯孤独の身になってから
の少女にとって、年月は早く流れるものへと変わった。いつの間にか十数年という歳月はあっと言う
間に過ぎ去り、一人の無邪気な一幼女でしかなかった少女は、十数年という歳月のうちに可憐さや
優しさの中にも強かさを備えた立派な女性へと成長を遂げていた。この歳になって少女はようやく
気づく。あの時の母の言葉、そこにはやがて訪れる大戦を娘の為に生き延びて見せるという意味が
込められていたのではないかと。嫌な記憶を紛らわしに来た筈だったが、思い出した所でまた胸が
苦しくなった。時に厳しく自分を叱りながらもいつも暖かく見守ってくれた母。その母が永久に還る
事が無い事実を感じて切なさがこみ上げ、また胸が疼き出す。もう母が戻らぬ事は分かっていたが、
亡き母がそこに居る様な気がして、少女は誰にとも無く呟いた。

「お母さん、約束・・・守れなくてごめんね。あたし・・・お母さんほどじゃないかもしれないけど・・・
昔お母さんが云ってたお花の似合う女の子に・・・なれました・・・。見せてあげる事が出来無いのは
残念だけど・・・でも毎日元気に過ごしてるし、動物達とも仲良く暮らせています。お父さんとの天国
での暮らしはどうですか。こっちの生活は相変わらず大変です。色々心配も掛けるかもしれないけど、
これからも天国であたしの事、見守っていて・・・ね・・・・・・」

言い終えた後、胸に溜まった切なさが一気にこみ上げて思わず涙ぐむ。しかし、それを堪えて精一杯の
優しい笑顔を作る。涙ながらも可愛く無理の無いその顔は天使の微笑みそのものだった。可憐さと同時
に強さも備えた少女は微笑んだ。天国で見守ってくれている両親、それを悲しませぬ為に、そして明日
への希望を見い出す為に。

最後に少女は大きく息を吸うと、顔まで水中に沈めた。冷たい水の流れが顔も含めた全身に広がり、
少女の涙を、辛い記憶を、一気に洗い流していった。少女は息が持つまで冷たい清流に全身を浸す。
緩やかな流れに洗われた少女の髪は水中で幾筋もの細く美しい束となって靡いた。汚れが浄化されて
いくのを肌で感じながら少女は少し、また少し息を吐いていく。それは空気の泡となって少女の頬を伝い
肌をくすぐりながら水面に昇っていった。やがて息が続かなくなった少女は水面から顔を出すと、そっと
立ち上がり、岸辺へと向かう。早朝だったが既に陽は高く昇り、泉の前の草を暖かく照らしていた。


248 :名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 19:22:05 ID:7RH1453v

 泉から出た少女は身体を振り、身体に付いた水滴を跳ばすと服を纏った。息を整えると少し離れた、
開けた地へ向かって静かに、と同時に力強く歩んで行く。目的の場所へ付くと、しばらくそこに立ち、
身体に陽射しを受けながら天を仰ぐ。直立したままの姿勢で二対大きく息を吸うと、少女は全身に
力を込めた。晴れた空には風が湧き起こり、周辺の木々が微かにざわめいた。次第にそれは強くなり、
穏やかに靡いていた少女の美しい桜色の髪は風に吹き上げられて逆立つ。少女は自分の中に眠ってい
る強大な“力”が全身へと解き放たれていくのを感じた。それは余りにも強力で、そして時に危険で
ある故、普段は少女の姿の中に封印してある力だった。それは非力でしかない少女に無限の強さを・・・
この森で生き抜く為の強さを、そして弱者を救うための強さを少女に付与してくれる力だった。

 やがて全身に熱いものが走り内なる力を覚醒を終えたの感じると、少女の服は透け始めて肌と一体
になり、身体は明るい桜色の光に包まれた。光の中で少女の姿は静かな、しかし大きな変貌を遂げて
いった。華奢で丸みを帯びていたか弱い少女の輪郭が次第に角ばり、身体の筋肉は急速な増大を始めた。
白く柔らかだった肌には鋼の様に硬く、少女の髪と同じ桜色の鱗が生え揃う。太くなった腕の後方に
膜が生じると、それは大きく広がり翼を作った。尻のあった場所には巨大な剣とも取れる長く鋭い尾
が現れそれは鞭の様にしなった。小さかった口は耳のあった辺りまで裂け、内側にナイフの様な牙が
無数に並んだ。

 変化が完了すると、少女を包んでいた光は消え、現れた巨体が地に両脚を付けた。可憐でか弱かった
少女の姿はそこにはなく、代わりに美しくも荘厳な森の女王と呼ぶに相応しい姿があった。大鍋ほどの
大きさになった眼の奥にある碧い瞳だけは少女の頃の面影をまだ残していた。巨大な異形へと変貌を遂
げて周囲を圧倒する存在感を放ちながらも、瞳にはどこか少女の頃の優しさや暖かさがあった。そこに
は力を得ても奢らず、弱者の為に使おうとする少女の真っ直ぐな心や正義感が現れている様でもあった。
再び静まり返る陽溜りの中、一呼吸置くと女王は一際大きな咆哮を揚げ、少女のか細い腕だった双翼を
羽ばたかせた。森の秩序を乱す者から今日も動物や樹々を救う為に・・・
 
 
 瞬間、巨竜と化した少女の身体は晴天の宙へと舞っていた。





酷い文才でつくづく申し訳無いorz

249 :名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 02:39:28 ID:gAbKXQ/H
>>247-248
変身完了乙です!か弱い少女とのギャップと、あと、特に「皮膜」がよかったです
…ピンポイントですみません(汗

250 :名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 18:09:50 ID:U1oZ4FcQ
変身GJ!自発変身も勿論そうなんだけれど、服が消失する変身ってここじゃ初で新鮮だ。

251 :名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 09:07:39 ID:JNVJo8zZ
>>247>>248様、御言葉どうも有り難うございます。ここまでお褒め頂くとは思って
いませんでした。喜んで貰えると書いた方としても本当に嬉しいです(>_<)

それと、一応この娘を主人公にした外伝編はまだ続く予定なのですが、かなり長い&
このスレで需要の高い肝心な変身シーンが全体と比べると短くなりそうなの
とでどうしようかと考えている所です。

252 :maledict(宣伝) ◆sOlCVh8kZw :2008/08/14(木) 02:22:06 ID:u9rQJcDk
>>251
宣伝で恐縮ですが、自分が借りてる下記したらばの掲示板に、スレを一つ立てて
投下し(一作家一スレ使えます)、リンクをここに貼る(直リンOK)、という手も
あるかと思います

ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/10463/

のびのび書ける代わり、ここみたいに多くの人が見てくれるわけではないのが
微妙です。あくまで選択肢の一つとしてご検討くださればいいです。
ここに投下できればそっちがいいでしょうし、ご自分のブログ等の用意があれば
そちらの方がやりやすいかと思います。
それでも、もしご関心あれば上記掲示板の下記スレにでもお返事下さい

ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10463/1197976811/

253 :名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 23:28:44 ID:meC0U3tO
>>252どうも有難うございます!!余り使い慣れては無いのですが考えてみます。(^-^)
>>182>>248まで連載した第1章に続く第2章が書きあがったのでとりあえず載せておきます。
書き忘れましたが、第1章には「記憶」という章名を付けてみました。以下第2章です(>_<)


―――第2章 「変容」―――

 少女が泉で水浴びをしていた頃、時を同じくして遥か離れた別の場所では商人の一団が長い馬車の
列を作って深い森の中を移動していた。年の端十過ぎの少女はその馬車の一つの荷台に乗り、長旅に
疲れた身体を馬車後方の荷台に横たえていた。普段父は出稼ぎ、村の店で母と暮らしていた少女に
とって遠へ旅をするのは実に久しぶりだった。始めのうちこそ始まる冒険に胸を躍らせわくわくしな
がら荷台に乗ったものだったが、やがてそれも長い時間の退屈や疲労の中で色あせて行った。いつの
間にか少女にとってこの旅は、長い苦痛へと変わった。次第には堪えかね、目的地までの到着を今か
と待ち望みながら、馬車を動かしている父に幾度と無く後どれくらいで到着するのかを訪ねる様に
なっていた。

 と突然、先頭の馬車を操縦していた長老が不審な顔をして馬車を停める。何か変わった面白いもの
でもあるのかな。興奮に飢えていた少女は間も無く訪れる惨劇に気づく筈も無く、微かな期待と好奇心
を胸に外を見やる。馬車の荷台から首を伸ばし、外を覗いた少女は自分が見たものに絶句した。小山一
つ分程の大きさはあるであろう、悪夢の住人とでも呼ぶべき姿の大男が隊列の先頭に向かって前方から
歩いて来たのだ。大木ほどもある太い腕には巨大な棍棒が握られており猪の顔が崩れた様な醜悪な顔、
腰には何匹分もの大熊の毛皮と太い鎖が巻かれている。女達は悲鳴を上げて取り乱し、中には失神した
者もいた。そうでない女達は、外の様子が気になってその姿を見ようとした子供達を辛うじて止める。

254 :名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 23:38:57 ID:meC0U3tO

 先頭の馬車を動かしていた一団の長老は固唾を呑んだ。眼前に現れた異形、それは紛れも無いオーガ
であった。知能こそ低いものの、強靭な肉体と怪力を誇り、無差別に人畜を襲って喰らうという非常に
獰猛かつ危険な種族である。長老も若い青年の頃に何度か見た事はあった。40年以上も前に、当事「山
の主」と呼ばれて畏れられ、多額の賞金が賭けられていた個体を友人達が倒し、彼らにその死体を見せて
貰ったのを思い出す。並のオーガよりも遥かに巨大で家屋ほどはある醜悪なその巨体は、死体になりな
がら尚も見た者を恐怖させる何かがあった。しかし今目の前にいる者は、それよりも更に一二周りは巨
大であった。そして40年以上も前に見た個体よりも遥かに凶悪で危険な何かを醸し出していた。こんな
大きなオーガは長い事生きていた老人でも見た事が無かった。

 老人の長年に渡る経験が彼に告げていた、「何かがおかしい」と。若い頃から旅の経験豊富な長老は
その度に細かい下見を欠かした事は無かったのだ。今回の旅の経路も彼が以前に何度か旅した事のある
道筋だったにも関わらず、旅の直前に現地の木こりや狩人等に新しい情報を聞いて行く事は決して欠か
さなかった。彼らの話によれば森のこの部分はオーガの生息域ではないので安心して旅が出来る筈だっ
たのだ。入念な下見は充分にした筈である。とは言え、現地に住む人々だって間違える事はある筈だ。
運の悪い事も時にはあるだろうと考え直し、なんとかこの場の打開策を練る。いざという状況に備えて
戦える準備はしたあるが、急な攻撃を仕掛けるのはとても賢い行動とは言え無いのでまずは黙って大男
の脇を通り抜けようと試みる。しかし大男は棍棒を勢いよく振り降ろしそれを阻んだ。二頭の馬車馬が
驚いて立ち上がり、狂った様に鳴き声を揚げたのを老人は鞭で叩いて鎮める。やはりただでは通してく
れないようだった。止むを得ないので長老は異形の大男を相手に交渉を求める。さすがにこれだけの数
の武芸に秀でた男達が集まればオーガの一頭位であればまだ倒せる様な気もしたが、そうだとしても仲
間内に無駄な犠牲者を出したくは無かった。戦わずに澄む方法があればそれに越した道は無いのだ。
通るので道を空けて欲しいと要求する。ただで空けないと言うのなら、代わりに家畜や食糧など望むもの
は分け与えるので、人や馬を襲わずに通して欲しいとも申し出る。がやはり返事は無い。

「オーガ相手に交渉してもなぁ。あの知能だと、何言ってのかも分からなんかもしれないぜ。」

 と仲間の男達が後の方で小声でひそひそ話をするのが、遠い老人の耳にも聞こえた。しかし老人には
どうも返事をしない理由が少し違っている様な気がした。知識と経験が豊富なこの老人にもそれが何か
は説明出来なかったが、先程から目の前のオーガの放っている異様な雰囲気といい、ここにある不自然
さといい、何かが明らかにおかしかった。このオーガが返事をしない理由は知能とはもっと別の所にある
様に思え、そして何かもっと凶悪なものを醸し出していた。


255 :名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 23:45:36 ID:I3Rm6axi


 母は恐怖に震え泣きじゃくる少女を宥める。大丈夫よ。ここには若い頃から武芸に秀でたお父さんも、
大型シェパードのムンムも、それに他にも百人近い男達とそれを率いる賢人として名高きアプス長老も
いるんですもの、と。そうよね、きっと大丈夫。お母さんの言うとおりだわ、と少女は自分に言い聞か
せる。しかし内心の不安はどうしても抜けきらなかった。


 後ろの方で男が今度は叫ぶ。

「おい!?荷台に何かいるぞ!?」

 男の声を聞いた老人は素早く後ろを振り向いた。そこで自分が見たものに驚愕した。声を発した男が
指し示した方向に別の何者かがいたのだ。法衣を着た神父とも取れる痩身の男が顔に薄気味悪い笑みを
張り付けて老人の真後、彼の乗っていた馬車の荷台の上に直立していたのだ。神父は不気味な笑みを讃
えたまま、口を開いた。

「怖いお顔などなさって、どう致しましたか。」

 何故こんな場所に神父がいるのかという疑問以前に、老人は感じた。明らかに何かが異常だと、こいつ
は老人の知っている神父等では無いのだと。それが何故なのか老人には全く説明出来なかったが、この
不気味な神父が放つ危険な雰囲気は前方の大男のものと同じものだった。他の男達も老人がようやく感じ
ていたものに気づき、口々に声を漏らす。

「おい!?何なんだ、こいつらは!?」

「こりゃあ神父なんかじゃないぜ!?」

 老人は恐ろしく不吉なものを感じながら、神父にも彼の要求を訪ねる。謎の男は唇の端をきれ上がら
せながら、一層不気味な笑みを作って言った。

「あなた達を主へ捧げようかと思いましてねぇ。きっと主も喜びになられる事でしょう。」

その言葉を瞬時に理解して、老人の内には一瞬で恐怖が走った。次の瞬間、男の法衣の袖から何か長い
物体が稲妻の様な速さで走ると、老人のすぐ後ろで何かを切り刻む様な音がした。あまりの速さに一瞬
何が起こったのか分からなかったが、振り向いた老人は見たものに戦慄を覚えた。一つ後ろの馬車が中
の乗員や馬と共に切り刻まれていたのだ。

「ひっ・・・ひぃぃっ・・・!!」

男の一人が恐怖に引き攣った顔で搾り出す様に呻いた。


256 :名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 23:54:57 ID:meC0U3tO

 老人は直ちに一団の男達にこの男と前方の怪物を射るよう指図した。争いは避けたかったが、仲間を
殺された今老人は悟った。殺らなければ自分達が殺られる相手だという事を。矢をつがえた男達が神父
と大男に向けて一斉に無数の矢を放った。大男の身体に当った矢もその分厚い筋肉で止められて殆んど
が深く刺さらずに空しく地面に落ちていった。神父は身体に矢を受けたまましばらく直立したまま動か
なくなった。立ったまま死んだのか、と老人は微かに安心が訪れることを期待するが、それは俯いた
神父の不気味な笑い声と共に裏切られた。身体を震わせて笑いながら顔を上げると、刺さったかの様に
見えた矢が次々に足元の荷台へと落下していった。老人も遂に堪え切れなくなる。

「この化け物が!!」

 いつしか老人も冷静さを失い、剣を抜いて後方の神父の頭上にそれを振り下ろす。しかし、剣は持
ち上がったまま下に降りない。老人は戦慄を覚えた。老人が渾身の力を込めて振り下ろした剣の刃を
神父は片手で掴み受け止めていたのだ。空いていたもう一方の腕を剣の刃に叩き付けると、金属が割
れる大きな音を立てながら、剣は途中から真っ二つに割れたのだった。老人にはそれがどういうから
くりなのかは分からなかったが、この男には刃物による一切の斬撃が通用しないのだった。

「主をも恐れぬ愚か者には罰を与えねば、なりませんね。」

 割れた剣の先を真後へ放り投げると、また一つ後ろの馬車にいた男の腹部に命中して貫通した。
後で男が悲痛な叫びを挙げて倒れる。剣先を握っていた方の手で小柄な老人の首を掴みながら老人
を持ち上げると片手で締めあげた。あまりの怪力に息が止められ激痛が走る。老人の首を離した
神父の袖から再び長い物体が走るとそれは老人の身体を縛りつけ動きを封じた。まるで意思を持つ
かの様に伸び上がるその物体は神父によって巧みに操られている鎖だった。鎖の先端に取り付けら
れた錘で更にきつく絞まっていく。

「ぐっ、貴様・・・」

 まるで大蛇の様な鎖は更に強く老人を締め上げる。神父のもう一方のそでから剣の様な長く鋭利
な刃物が現れる。一瞬刃物をぎらつかせると、その神父は老人のわき腹にそれを叩き込んだ。

「うぶぉ・・・!?」

 わき腹に刃が沈むのを感じると、次の瞬間に老人の視界は宙を舞いながらあらぬ方向へと動き、
背中は湿った地に打ち付けられた。斬られた老人の上半身が斬り跡から血を噴射しながら空中で
見事な放物線を描き馬車の横に落下したのだった。女性達は悲鳴を上げ、取り乱して泣き叫ぶ。
長老を殺られた怒りから男達は立ち上がり一斉に剣や槍を構え、矢をつがえ、平和だった森の道は
一瞬のうちに戦場と化した。少女は恐怖で自我を失いながら、荷台の隅に隠れて身を萎縮させ、
声も挙げずに泣いていた。

―――2章終―――


変身シーンの無い章でごめんなさい(´;ω;`)次章にはちゃんとあります。

257 :名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 20:21:47 ID:YMQToTXy
楽しみにしてますよ

258 :maledict(宣伝) ◆sOlCVh8kZw :2008/08/19(火) 02:16:45 ID:T6exQYiG
>>253-255様第二章乙です!

流れぶったぎってすみませんが、自サイトで2スレ目までのSSを抽出してみました。
ttp://book.geocities.jp/maledictarum/otherslist.html
ただし、ベルゼブブの娘他の一連の作品と、「蟲」シリーズについては
著者の方自身のサイトにアップされているのを確認したので(当方のサイトの
リンク集から跳べます)、割愛させて頂きました。
お気づきの点等あったらご指摘下さい。

259 :名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 14:19:51 ID:TEgs3DgG
>>257-258どうも有難うございます!もうじき第V章ウプしますので、待ってて下さいね。

>>187にも書いたのですが、このワイバーン娘は当初のシナリオだと本編の終盤で敵組織
(8名からなり、うち2名が第2章に登場済)との交戦中に死亡する予定です。ただ、もし
このキャラの人気が高そうであれば死亡しない様にシナリオを少し変更してみようかとも
考えています。まだ全部書き終わっては無いのですが、現在までの読書の意見を頂けたら
幸いですm(_ _)m

260 :名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 23:37:38 ID:10eEHcTg
とりあえず、sageた方がいいと思うんだ。
作品は非常にGJ

261 :名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 12:17:32 ID:KiYebg8g
保守蛇

262 :名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 13:01:13 ID:+2yZV2g4
死亡する物語でもいいんじゃないかな?

263 :名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 01:15:37 ID:Cc2bEkVs
―――第V章「出遭い」―――

 初夏の暖かな陽射しを背に受けて巨竜と化した少女は双翼で風を切りながら晴天の上空を駆けていた。
心地良い風が壮大な身体を擽っていく。少女のもう一つの姿がそこにはあった。これこそが少女に強さを、
勇気を、力を与えてくれる掛け替えの無い力なのだ。少女は自分がまだ幼かった時の事を思い出す。当時
自分は人間社会に混じって暮らすには不要なものでしかないこの力が嫌いだった。変身して自分の姿が人
外の異形へと変貌する事にもとてつもない不快感を覚えていたが、のみならずこの力は彼女が人間から差別
され、疎外される原因でもあったのだ。

 よく父は言っていた。人間程血統に拘泥する種族は他にいないのだ、と。血統主義の人間は自分達に直接
の危害を加えるオーガやオークは愚か、こちらから危害を加えなければ全くの無害であろう筈のエルフやド
ワーフ等も含めた多種族との共存を酷く疎むのだった。そして彼女ら竜人族達もその例外では無かった。父
が何よりも理解出来なかったのは、時として同じ種族同士である人間内でも身分や人種の違いというだけの
理由から差別や迫害を起こす事だった。亡き母の様に、人間の中にも一部血統主義に疑問を持つ者もいたが、
そういった者達は変人として悉く敬遠されたのだった。人間を嫌っていた父は家族にこう言ったものだった。

 「私は人間を愛したのではない。ただセイレを愛しただけなのだ。」

 と。彼が生涯愛したたった一人の女性は皮肉にも人間だった。しかし父には人間だという嫌悪よりも母の
持つ魅力の方が最期まで勝っていた。死際にも父は溜息とも、感嘆とも、あるいは恍惚とも取れる声で母の
名を口にしていたのを思い出す。妻が人間である事などから人間達に危害を加える事こそ無かったが、同時
に救う事もしない。今のティアマトーとは違い、目の前で人間が死に喘いでいても、父にとってはどうでも
良かった。父は最期まで種族としての人間を愛してなどいなかった。

 少女は母と同様に、父の事も今なお愛して止まない。しかし昔から疑問を持たずにはいられない点もある。
昔から少女は信じ続けていたのだ。人間の中にもきっと彼女たち多種族を受け入れてくれる者がいる。それ
は母以外の人間でも同じであり、いつかその理解が人間内に広まった時、彼女らが人間と共存する事もきっ
と実現し得るのだと。それは今も変わらなかった。

 今自分はこの力を愛していた。それは通常無力でしかない自分に想像を超えた力を与えてくれる力だった。
彼女はその力をむやみな殺生や悪事、私利私欲に使うことは決して無い。そんな少女は自分が持つ力で種族
の違いは関係無く、困っている者達を救う生き方を選ぶ。今はこの力で故郷の森を、動物達を、苦難に喘ぐ
者達を救う事、それこそ力を与えられた自分への使命、彼女自身の存在意義である、と考えていた。そこに
は人間という一種族も含まれている。父以上に人間を嫌っていた姉はその生き方を理解できず、遂に妹は気
が痴れたのだと嘆き窟を飛び出して行った。必死で説明し止めようとしたが耳は貸さず、姉妹の縁を切ると
だけ言い残し去って行って以来、会っていない。他にも意見が合わない事の多い姉だったが、両親の死と
同程度かそれ以上に辛い出来事だった。しかしそれでも少女にはどうしても自分の信念が間違っているとは
思えなかった。姉にも同じ行動を取る事は決して要求しなかったが、せめて理解はして欲しかった。確かに
救ってあげたにも関わらず、大部分の人間は依然として彼女を敬遠し続けていた。救ってあげた当の人間か
ら怖がられる事も幾度あっただろう。しかし少女にとってそんな事はどうでも良かった。人に愛され、平和
な時間が訪れれば喜ぶ。他者から疎外され、脅威に晒され、家族を失えば悲しむ。そういった感情に種族間
の違いは存在しない。竜人族であれ人間であれ望むものは皆一緒。自分が味わった苦痛は絶対他者に受けて
貰いたくはない。苦しむ者がいれば救いの手を差し出せずにはいられなかった。他者の痛み、それは誰より
も苦節を味わった彼女が誰よりもよく知っていた。そして困っている人々が苦難から解放され、再び平穏な
時を生きる。それだけで充分嬉しかった。平穏な時間、それは大戦に運命を翻弄された彼女が何よりも尊び
愛するものだった・・・

264 :clown:2008/08/29(金) 01:47:00 ID:sM9VoMMf
お久しぶりです、作品を投下します。

265 :『震える血』:2008/08/29(金) 01:47:54 ID:sM9VoMMf
寒い。
ここはどこだろう。
暗くて、視界のほとんどは黒。
全身の倦怠感、寒気。
頭が痛い。
手足は痺れている。しばらくすれば動かせるかもしれないが、今は無理だ。
服が濡れているようだ。
よく目をこらすと、赤い波状の線が壁の輪郭をなぞっている。
火が焚かれていて、それが濡れた壁面に照っているらしい。
ふぅ、とため息。
そして目を閉じる。眠ったら死んでしまいそうだけれど、頭痛が酷い。

ひたひた、と足音が聞こえても、私は目を開けなかった。
残された体力では、いかなる危機にも対処出来そうになさそうだ。
気力だって、既に生に縋り付くことを忘れてる。
畜生本能め、何してるんだ。

「起きているのか、人間」
聞き覚えのない女性の声。
思ってもいない幸運を予期して、少しは体が起動した。
私は指先を軽く、ほんの軽く動かして、それを合図とした。
「そうか」
足跡は、薄く濡れた地面を蹴る。
「だが、死にそうだ。それでは困る」
そう言って彼女は、私の腰に手を回したかと思うと、一気に担ぎ上げた。
がくん、と頭に響いて――

体に温度を取り戻すと、体は健全な眠気を携えて目を開ける。
寒いと布団から出たくなくなる。いつの間にか手に持つ毛布を、ぎゅっと締めた。
目を開ける――しかし、視界は開かれない。
頭まで毛布を被っているつもりはなかったが、依然として暗いまま。
たき火に薪が爆ぜる音がパチパチ聞こえているのに、明るくすらならない。
私は毛布から手を離して、目元に手をやった。
「待て」
その手がそっと押さえられる。
「訳があって、お前には目隠しをしている」
彼女の声だ。淡々としているが、敵意は感じられない。とりあえず、手を引っ込めた。
「悪いな」
そのまま彼女は黙って、しばらく経った。
質問したいことは沢山あったが、頭が呆けてその気になれない。

「スープがある。飲むか?」
彼女の声に、ほとんど沈みかけた思考は再浮上。
確かに、良い匂いがする。お腹もすいている。
「飲むつもりなら、まず体を起こせ。毛布にこぼさないで欲しい」
言われたとおりにする。肩に掛かった毛布がずり落ちて、それを盲目のままに手探りで探すも、要領は得ない。すると、それを肩に掛けてくれた。
「あ、ありがとう……ございます」
「ほら、スープだ。手をそのままにしておけよ」
そう言って、大振りのカップを持たせてくれた。
「いただきます」
口に運ぶと、よく煮込まれたオニオン。美味しかった。

266 :『震える血』:2008/08/29(金) 01:50:56 ID:sM9VoMMf
目隠しは外されないままに、時間は経つ。
そろそろ目は冴えてきて、再度身を起こした。
私は覚悟して、口を開こうとするが、それに覆い被すように彼女の声。鍋に蓋でもするよ
うな、さも冷静な手順で。そこに彼女の思惑を、想像するのは難しい。
「悪いが、何故お前が目隠ししなくちゃならないかは、教えられない」
発しようとした言葉を飲み込んだ。必然的に、耳に入るのは息づかい。
「そもそも、お前は何でここにいるか、分かっているのか?」
そう言われて、しばし逡巡する。目を隠されていても、彼女の視線を感じた。

私は冒険者だ。そこそこの魔法の才能があったから、それを駆使してその日暮しの身銭を
稼いでいる。最近は貯金も出来るくらいで、始めてから数年、ようやく板についてきたと
ころだった。
基点としている街から、依頼で遠くの村に出て、少し大きめの仕事の帰りに森を抜けてい
た所だった。街道の一部で、危険は少ないとされている森であるのに、あろう事かリザー
ドマンの群れに遭遇した。
一人でリザードマン一体を討つことさえ困難であり、群れている奴らを打ちのめすことな
ど到底出来るはずもなく、私は逃げに逃げた。発見は向こうの方が早かったが、幸いこち
らからは離れていた為、すぐに囲まれることはなく、闇雲に森を駆けた。
さながら狩りのような事態に私は焦燥しきって視界が狭窄していたし、よく知った森でも
なかった。しまった、と思ったときには、既に崖から身を投げ出していた。
そこから、細かい記憶はない。崖の下に川は見えたが、果たして川に落ちたのかも分から
ない。落下の途中に酷く頭をぶつけて、それで事切れた気がする。
ここはどこだろう。音が籠もって聞こえるから、きっと洞窟の中だ。とすると、近くの村
の人間に拾われたわけではないらしい。隠者にでも拾われたのだろうか、もしくは、盗賊
だろうか。
「崖から落ちたおまえを、私の仲間が拾ってきた。幸い大した怪我じゃなかったが、うち
のバカがお前を洞窟の冷えたところに放り込んでな、危ないところだった」
「そう……なんですか」
現状は把握しきれない。何故目隠ししているのか、そして――
「あなたたちは、どなたですか」
その言葉に、すべての震えは止まる。
震えはそのまま冷めたまま、ゆるやかに醒めて、言葉を伝える。しめやかに。
「それには、まだ答えられない。ただ、お前に悪意があるわけではない、それだけだ」
空に放たれた一本の矢のように、何事もなく消滅した。

体はとうに温まって、先ほどの話が本当ならば、私がここにいる理由はなくなった。
実際に倦怠感や頭痛といった不調は解消されて、むしろ村を出たときよりも精力的ですら
ある。今なら魔法の一つや二つなら、咄嗟にでも使えるだろう。
「私はここから出ることは出来ないのですか」
と、その呼び戻された活力を依り代に、いちいち静まりかえる空気を攪拌する。
「しばらくな。お前が目隠ししないといけない理由と、同じだ」
「もう動けるほど元気なんです。これ以上、ここで迷惑を掛けるわけにはいきません!」
つい大きくなる声。対照的に、私の言葉に返答する彼女の声は押し込められたように小さ
くて、聞き取りづらかった。姿形などまるで分からないが、彼女が目を伏しているのは容
易に察することが出来た。
「……すまない。迷惑を掛けているのは、私なんだ」
「何を言っているのか、よく分かりません!」
無性に体が熱くて、言葉が自然と吐かれる。私は立ち上がって毛布を払い、目隠しを取ろ
うと手を掛けた。今ならどんな相手でも勝てる気がして、自分でも気が立っているのが分
かる。
「今までありがとうございました、でも、もう出て行きます!」
そして思いっきり、その目隠しを取り払う――
「……許してくれ」
目に光が飛び込むか否かに、足下は不明瞭、視界はぐらついて消失した。
彼女が何かしらの魔法を唱えたのだ、と気付くのは、地に伏せて今にも落ちる寸前だった。

267 :『震える血』:2008/08/29(金) 01:51:33 ID:sM9VoMMf
寒い。
何も見えない。
目隠しはされていないが、明かりがないようだ。
体を動かす気にはなれなくて、俯せになっている。
先ほどの洞窟に、戻されているようだ。
きっと私が暴れたからだろう。
大変なことをしてしまったな、と思ったが、それを反省に繋げるほど、思考の余地もなく。
眠い。
このまま目を閉じてしまいたい。
お腹が空いているけど、何も食べたくない。
また振り出し。
こんな状態じゃ、魔法も使えないのは相変わらずで。
這ってでも出る気力を出そうと、しばらくそれだけに集中する。
右手を、少し前に出す。
きっと立ち上がったら危ないだろう。
左足を前に。
力が入らなくて、少し休憩してから。
岩肌に擦れる体。
冷めていて、冷たいし、全身が擦り切れて痛い。
あれ、裸?
いやだ、なんで?
ひた、という足音。
雷光のように、危機感だけが錯綜する。
やめて、助けて……!
誰かが私の肩に手を触れる。
私の口は悲鳴を上げようとしたが、小さな音がしょうもなくひねり出されるだけ。
手は滑らかで、温かかった。
私のすぐ近くにしゃがんでるみたい。
手が離されると、今度は目に何かを宛がわれる。包帯みたいな。
また目隠しされるんだ、という恐怖に、体は咄嗟に動こうとするけれど、巻かれる包帯に
翻弄されたかのように首が軽く揺れるだけ。
自分の体はもう寝てしまったかのように怠惰だし、頭もこぼれた刃物みたいに鈍くて、何
も切れやしない。
ただ何となく、その目隠しをする手は優しくて、温かくて。
あれ、何か良い匂いがする、と思ったら、
「温かいスープがある。飲むか?」
と彼女の声。
私は小さく頷いた。
わあ、と湯気の雲が、顔をくるむように撫でて、今目と鼻の先に器が突き出されてるのに
気付く。
両手を掴まれて、器とスプーンか何かに手を移されたから、そのまま寝そべって食べ始め
る。
煮込まれたオニオンと、何か肉が入っている。
少し固かったが、温かいし美味しいしで、スープを度々啜りながら咀嚼した。
きっと床を汚してしまっている。首をこぼれたスープがなぞっているのに気付いていたし、
平らでない床に上手く器を置くことは出来なかった。毛布が無いのを幸いとして、私は不
作法な食事を続ける。
気力が戻ってきて、彼女が私を見て吐いたであろうため息は、安堵と、例の申し訳なさそ
うにしている理由が入り交じっていることを、察した。
器を空にすると、彼女は
「元気になったか?」
と私に尋ねた。
「はい」
小さい声しか出せなかったが、ちゃんと喋れたし、頷けた。

268 :『震える血』:2008/08/29(金) 01:52:38 ID:sM9VoMMf
彼女に起こされて手を引かれ、再度たき火の部屋に。
暖かい、体はそれに火を灯されたかのように巡り初めて、一気に活動状態へと移ろう。
「……暖かい」
体が再起しようとも、反抗の意志はもうなかった。何を言っていいかも、何をすべきなの
かも分からないままに、ただ彼女に従ってたき火に当たっていた。懲罰的に凍てつく部屋
に放り込まれたことが原因ではない。彼女の振るまいに対して、乱暴に振る舞えないだけ、
それだけ。
聞こえる音は少ない。会話はないし、体が元気になっても、目隠しをされては動き回れな
い。かといって彼女の存在感は決して希薄ではなく、常に見守るような目線を感じる。突
然彼女が口を開くと、意識はまるっきり、それへと向けられる。
「……なあ、名前を教えてもらないか」
「ターチカ=マトラス。あなたは?」
少し間を置いて、
「グラムベルタ」
と答えると、もう一度口を閉ざしたが、しかし何か言いたげな空気は、腰を持ち上げたま
ま待機していた。
「ターチカ。一つ聞いていいか」
彼女は深く空気を飲み込んだ。
「もし私が人間でない、としたら、どうする?」
杞憂だったらいいなと、頭のどこかに中途半端な形で放っておかれたままの連想が、不意
に発熱していた。私は一呼吸を置き忘れて、彼女に習うかにしてそれを深く取り込み直す。
無駄なことだと分かっていた。そんな風に尋ねられたら、正直に真意を突きつけているも
同然だと、知っている。
「でも、あなたは喋っているし、私を食べてたりしない」
「そんなことは些末なことだ。お前は――」
「いや、あなたは人間ですよ」
私の言葉が、空気の振動を止める。
何度目の沈黙だろう。夕立のように降ったり止んだりという会話は、しかし確実に形とな
っていく。
雷光のように、強烈なストローク。
「私は、リザードマンだ」
遅れて轟くのは、雷鳴。
「――そして、お前もだ」

「まあ、落ち着いてくれ」
言葉を理解しきれない私に、グラムベルタはスープを手渡した。
例の、よく分からない肉とオニオンのスープだ。良い匂いがする。とりあえず一口啜る。
「私が喋れる理由。お前をここから出さない理由。それは後に教える」
彼女はそう言ってから、「だが」と付け加えた。
「だが、私の言葉を覚えていて欲しい。それだけでいい」
それを最後に、会話は潰えた。
彼女もスープを注いで、それを食べ始めた。
私は固い肉を咀嚼しながら、言葉の意味を分解していく。
彼女がリザードマンであるのは、もしや、と思っていた。ここが洞窟であり、どこかの村
でないこと。目隠しをさせて、姿を隠していること。私が崖から落ちたのを知っているの
は彼らだし、それを回収されたと考えるのは容易だ。
ただ、彼女が私と会話し、そしてこんな待遇を受けていることは、まるで理解が出来なか
った。肝心なところが一つ二つ抜けて、考えがバラバラになっている。
適当な仮説でその穴を埋めるならば、彼女はリザードマンの変種で、高い知能を有する個
体であり、人の言葉を話せるようになる魔法を使える、といったところで、私を生かして
おくにも何か利用価値を見いだしているから、と考えるのが普通だ。
私の利用価値、と思考を巡らすと、私がリザードマンだという話に行き当たる。それがど
ういう意味なのかは、まるで分かりやしない。私がリザードマン?人として生を受けて、
長いことそのつもりでやってきた。冗談だ、と笑い飛ばしたいけれど、しかし彼女が一つ
でも冗談をいったのだろうか?
勿論、言葉の通りに受け止めることなんて出来ない。でも、その言葉を確かめたかった。
今一度、この目隠しを解いて、自分がそうでないと確かめたかった。自分が人間だと、人
の姿を留めていることを。
途端にこみ上げる恐怖に、何となく口へと運んでいた器を止める。あと一口分だけのスー
プは、飲まれることなく、ただ揺れている。

269 :『震える血』:2008/08/29(金) 01:53:44 ID:sM9VoMMf
「ターチカ。お前は冒険者だったのか?」
不意打ちの切り出し。グラムベルタも相変わらず緊張しているようで、声は固い。
「そうです」
それ以外に加える言葉は見あたらないが、彼女が続けた。
「そうか。あの森を抜けようとしていたのも、依頼か何かなのか?」
「いや、依頼が済んでの帰り道でした」
少し間を置いて、
「冒険者なら、リザードマンの一人や二人、殺したことがあるだろう?」
「……そうだけれど。でも、あなただって、人間を?」
「まあ、な」
飲み残して、既に冷めたスープをグッと飲む。
「体調はどうだ?」
「元気です。許してくれるなら、すぐにでもここを発てるくらいに」
彼女は私の返答に、意味深なため息を返してから、言葉を繋げた。
「お前がもっとむかつく奴だと良かったよ」
その言葉に返事をする前に、彼女は立ち上がってどこかへと行ってしまった。

一人取り残された。
今なら目隠しを取るチャンスだということに気付く。
空いた器を地面に置いて、一呼吸して目隠しに手を当てる。一端の結び目を見つけ出すと、
それが引っ張るだけで取れるものだと知る。
しかし、無様な覚悟がその結び目を固くしていた。彼女に信用を覚えるにつれて、彼女の
言葉を拒みたくなる。拒みたい言葉が現実ならば、現実を拒まなければならない。下唇を
噛む。
足音が聞こえてきて、焦って勢いに任せて引っ張ったが、結び目は中途半端に解けただけ
で、まだ目を覆ったままにぶら下がっていた。
「ターチカ。立て」
彼女は目隠しの結び目を見て、どう思うだろう、そんな思考などあまりに些細であるのを
知るのは、すぐのことだった。

270 :『震える血』:2008/08/29(金) 01:54:29 ID:sM9VoMMf
彼女に手を――彼女の確かに異形の手に引かれて連れられた部屋は、熱に滾る部屋だった。
轟々と火が燃え盛り、芯から私を焚きつける。
そして微かに聞こえるのは、シュー、シュー、という空気の擦れる音。
「ターチカ。私を恨んでいい。好きなだけ恨んでくれ……」
グラムベルタの声。
そうして私に触れるのは、彼女でもない、別の誰か。
私の一糸纏わぬ体。その肩口に柔らかく手を、撫でるように載せるのは、誰か。
「いやっ、グラムベルタ……?」
恐怖に捕らわれて、私は咄嗟に身を逸らし、悲鳴を上げていた。
「グラムベルタ!」
声はない。
その代わりに、ゆっくりと、しかし力強く私を押す。
得体の知れない何かが。
私はよろめいて、壁面に手をつく。もう一方の手でその何かの腕を掴んだ。
滑らか、そしてその表面を複雑に走る溝。鱗に覆われたそれは、人間の腕ではない。
腕は折り曲げられて、その異形の存在が感じられるほどに近づいているのが分かる。魔法
を唱えようと思っても、もう遅い。こいつが私を殺そうとしたら、呪文を紡ぎ終える前に、
首から涙を流してるだろう。
肩口に宛がわれた手は、肌の上を這って背中へと。まるで蛇のように。
もう一方の手はあろうことか、私の胸に。
恐ろしくて、気持ち悪くて、私は悲鳴さえ上げられない。痙攣を起こしたかのように短く
刻まれた呼吸を繰り返していた。
心臓が、胸を突き破ってでもその手を払いのけたいかのように暴れている。体は、燃えて
しまいそうなくらいに熱くて、それは戦闘を予期させる、破壊的な熱さ――いや、違う。
違う、けれど、それを認めたくはなかった。
心臓が、その手に直接撫でられて歓喜しているかのように跳ね回っていて、体は、とろけ
てしまいそうなくらいに熱くて、これからされることを迎合するような、過激な熱さだと
いうことを。
私の、熱でどうかしてしまったであろう体は、その愛撫により熱くなろうとしていた。こ
んなにおぞましく、不快なのに。
乱れた呼吸は正せない。あまりにも脳が熱を帯びすぎて、触れる水の全てが蒸発していく
せいで、頭と体がしっかりと繋がっていないみたい。シューシュー、という音は、きっと
その蒸発する音だろう。
不本意な脱力は、体が遂に融解し始めるのを模して、私をゆるやかに座らせた。
胸から離れた手は、それを妨げるように山となって折られている足を伸ばしてから背へと
回り込み、もう一方の手は肩に添えるように小さく抱いた。
呼気が、私の乳房をひと撫でした後に、分厚い舌が、不器用に舐め回す。
沸騰して鍋の蓋がぐらつくように、視界思考は不安定になる。おぼつかないのに、私の血
潮は巡る、巡る。私は拒む手立てさえなくて、されるがままになっていた。いかなる言葉、
呪文さえ、口にしようとすれば喘ぎ声に変わってしまう。
舌が離れたかと思うと、相変わらず舐るような手つきで私の体を通過して、今度は私の両
腿に手が掛かる。緩慢だが強引に引っ張られ、両足を開く。股を無理矢理晒されて、され
ることなどたかが知れている。
私が汚される、汚されていく。その目、その手、その行為に……その血に。
グラムベルタ――!
卑猥な感覚に、私は嬌声を上げる。心に楔が打ち込まれる。
火照る体は単純な前後運動によがり、心はその度に擦り切れる。
耐え難い快感と、迸る嘆きに、私は声にならない声を上げていた。
目隠しが濡れている。
揺さぶられるがままに。
性的な興奮が高まるにつれて、意識は高すぎて空気が薄いところにあるみたい。
頭を苛むように、私にくい込んでくる。
空の雲がいっぺんに吹き飛ぶような、痛烈な性の衝撃。
一気に地へと落下する。
混濁した思考から這い出るさなかに、私の中に得体の知れない何かの、体液が注がれてい
く――

271 :『震える血』:2008/08/29(金) 01:55:01 ID:sM9VoMMf
目が覚めて、体が冷めて。
私は横たわっていた。
「ターチカ」
グラムベルタの呼ぶ声は、今更私に届く。
「ターチカ、起きているか?」
彼女は全て知っていて、私をあそこに置いてけぼりにしたのだ。
慰み者にされるのを、彼女は知っていたのだ。
「……起きています」
だから彼女は「私を恨め」と言った。その上で、私の求める助けを無視した。
私の絶望を知っていて、あえて私を救わなかったのだ。
「そうか」
「はい」
……恨めっこなかった。私には、グラムベルタを恨めやしない。
「何だ……その……」
こうやって、吐く言葉一つにさえ躊躇う彼女を、恨む事なんて出来ない。
「別に、恨んでなんかいませんよ」
その後は、スープを飲んで、二、三の言葉を交わして、緩やかな眠りについた。
何事もなかったかのように。自らガラス片を反芻するなんて、そんな真似は出来なかった。

起きがけに、腹部に違和感を覚えた。圧迫感がある。
食事を初めとした世話は、全てグラムベルタがやってくれていたから、その事を話すべき
か話さないでおくべきかは悩んだ。下手に心配させても、付きっきりで私の世話をしてく
れる彼女の負担になるだけだと思った。
実のところ、私は彼女に憚る必要などないのだ。きっと私は、彼女の都合でここにいるし、
ただ生死を握っているのが彼女、というだけなのだ。だけれども、私は彼女の厚意を無下
にするなんて出来ない。良いように利用されているだけかも知れないのに……。
どうすればいいのだろう。ここにいることが私にとって危険なのは熟知している。きっと、
このままここにいては取り返しのつかないことになる。いや、既に遅いかもしれない。私
の冒険者としての警戒心は、初めっからずっと、警笛を鳴らし続けていた。
「どうかしたのか?」
私は首を振る。
そうすれば頭について回る何かが振り払えると思った。
「具合でも悪いなら、言ってくれ」
「……お腹の調子が悪いんです」
「そうか。後で薬でも取らそう。我慢できるか?」
「そんなに気遣わないで下さい。大した不調じゃありません」
彼女が何を考えていているのか、私には分からなかった。目隠しを外して、問いただして、
全てを明らかにすれば、私はどうすれば良いか分かるのだろうか?
「無理するなよ」

時間は過ぎていく。
腹部に感じた異変は、日に日に強くなっていったし、私の中での彼女に対する親しみと、
それに反目するものは葛藤を強めていった。心が震えている。
「お腹が苦しい……」
鎮痛剤として、薬草を噛まされていた。効果はあったが、それで全てがどうにかなるわけ
じゃない。
「ああ……」
腹部に触れると、そこが膨らんでいる。中に何か詰められているみたいに。それに気付い
たのは大分前だった。膨らんでいくそれは、私に恐怖と閉鎖をもたらした。何も考えたく
ない、何も知りたくないと、睡眠かグラムベルタとの雑談に逃避した。
彼女は何も教えてくれなかったが、私の冒険譚を楽しそうに聞いてくれた。まるで母みた
いに。
でも、この痛みの度に、私は現実へと引き戻される。この痛みに訳があり、それはグラム
ベルタも知っているし、むしろ彼女が仕組んだことだと。いや、私だって、その原因や、
痛みの正体だって知っている。ただそれを、食わず嫌いするみたいに、フォークで端っこ
に集めるみたいに、直視せずにいるだけ。事実を隠そうとする彼女の優しさにあやかって、
そして優しさを否定したくないから、心地良いから、私は束の間の安息に浸ることしか出
来なかった。
安息を引き裂くように、痛みは度々訪れる。この腫れ上がったお腹は、破裂せんばかりに、
終局が近いことを示すかのように。

272 :『震える血』:2008/08/29(金) 01:57:02 ID:sM9VoMMf
あまりの痛みに、器を落とした。
食いしばった口から漏れる苦痛の音、膨れた腹を抱えてうずくまると、すぐにグラムベル
タの声が飛ぶ。
「ターチカ!」
返事する余裕はない。彼女は私を抱いて、何度も私の名前を呼んだ。
「待ってろ、すぐ楽にしてやる」
彼女は呪文を詠唱する。それを子守歌に、私は不意に眠りの淵へと突き落とされる――
自我を取り戻すと、まるで時間を切り取られたかのように空白を感じる間もなく、私はベ
ッドに横たわっていた。
「痛みは和らげてある」
グラムベルタの呼気は乱れて、シューシューと音が聞こえる。力量以上の術で私の痛みを
制御しているようだ。あの鋭い痛みは、今や鈍く横たわっていた。
「後は――分かるな?」
押さえられた痛みは、しかし確かに残っていた。私を現実に取り留めんとするかの如く。
分かってる。私がどうしなきゃいけないなんて。そうしなければ、この現実も何もかも、
ずっとこの場に付きまとうというなら、やるしかなかった。
鉄片が未来永劫私の体にくい込んだままでいるくらいなら、一度だけ果物ナイフを突き立
てる方がマシってこと。
要は、最悪な妥協。
私は頷いて、そして然るべき行為で答える。グラムベルタの固い声援が、気休めに私を解
した。
乱れがちの呼吸を一緒くたにするようしてに、思いっきり息を吸って、腹に力をいれる。
何度も。
身体をこじ開けるようなリアルな感覚を、吐き気に似た拒絶で応える。
ズル、と身体から抜け出る。それでも、腹部にはまだ圧迫感がある。
終わらない、終わってくれない。
ふやけて、輪郭の曖昧な逃避は、目隠し一つの暗闇の中にあったが、今や痛覚でズタズタ
だ。自ずと目隠しが引き裂かれて、その向こうの真実が目に飛び込んできそうで、私は目
をつぶっていた。妥協をとっても、開き直ることは出来なかった。
現実を噛み締めつつも、その身全てを現実の中に投じることなんて出来やしない。
矛盾の中に身を置き、拒絶と悟りの間を、震えるように行ったり来たりしていた。終わり
をただ、堪え忍びながら。

事後、私は再度眠りへと落ちた。再度目を開いたときには暗闇の中、まだベッドの中で横
になっていた。火は焚かれていないようだったが、十分に暖められている部屋の中、私の
活力は徐々に高まっていく。疲弊しきった身体だから、それでも身を起こすことさえ出来
なかったけれど。
下半身は痛むが、身体の中に異物を詰められたという違和感は失せていた。口の中に突っ
込まれた薬草に気付いて、私はそれを噛んだ。
しばらく、何もない世界に浸っていた。自分の手さえ見えない暗闇は、自然と私を安心さ
せた。グラムベルタさえこの場にいなくて、もしかしたら、私すらいないのかもしれない。
目隠しはされていない。
ひたひた、と湿った足音。
「ターチカ。大丈夫か?」
暗闇の奥から声が近づいてくる。遠い。
「大丈夫です」
私が吐いた声は弱く、小さい。
遠く、蝋燭の小さな光が灯る。ずっと闇の底にいた私にはそれですら暴力的な光で、しば
らくはそれを直視出来なかった。
二つ目の炎。より刺激的な光だが、しかし一つ目のそれよりはすんなりと受け入れられる。
この程度の明かりでは、まだグラムベルタの輪郭を映すことさえままならない。
三つ目にして、彼女がそこにいることを明らかにした。暗闇に目の感度は高まるが、長い
時間目を使わなかったせいで、大分視力が鈍っているようだ。しばらくすれば元に戻るだ
ろうか。
次の光、彼女の姿は顕わになる。赤い光に照らされた表皮は、鱗に覆われていたし、太い
尻尾は床へ優雅に降りていた。肉を食いちぎるのに適した口吻は、それが私に言葉を吐い
ていたとは思えないほどに、凶悪に見えた。もしかしたらグラムベルタは別人で、闇に隠
れて話しているかも、と思わせる。服を纏っていて、女性めいた装飾品だけが、それに反
して彼女はグラムベルタなのだと肯定していた。

273 :『震える血』:2008/08/29(金) 01:57:35 ID:sM9VoMMf
「ターチカ。私の姿は受け入れられるか?」
リザードマン。彼女の言葉に嘘はなかった。目の前のリザードマンが、確かに喋っていた。
いつもの、強ばったしゃべり方で、私を暖めようとしていた。
「あなたが嘘つきだなんて、思ったことはありません」
「そうか」
もう一つ明かりが点く。幻影を晴らすかのように、現実が広がっていく。霞の向こうから
私を撫でていた逃避の使者は、今や現実の使者として、事実を携えてやってきた。
しかし今一度、彼女はその役割を捨て置く。蝋燭の明かりをそのままにして、彼女は私へ
と歩み寄った。艶めかしい姿。光を背から浴びて、まるで夕日から降り立った天使のよう
に、不思議な静けさを帯びている。
グラムベルタはベッドのすぐそばに佇み、私の額に掛かった髪を払うようにして撫でた。
異形の手。しかし、そこには慈しみを感じられた。
「本当に、申し訳ないと思っている。もう一度言うが、恨むなら、私を恨んでくれ。殺し
てしまったって、構わないんだ」
私には、彼女を恨むことは出来ない。今や、非現実の被膜と、私の心を引き裂く剣を手に
していても。
蝋燭の炎はふっ、と消えて、再度暗闇の中。
「あのとき言ったろう?私はリザードマンだって。そして、お前もそうだと」
分かってる、気付いていた。それを直視したくないから、私は目を反らしていた。ちょう
ど良く目隠しをしていたから、その過保護な隠蔽に甘えて、私は見て見ぬ振りをしていた。
蝋燭の炎が、一つ、二つ。
再度グラムベルタを取り囲むように明かりが灯り、そしてそれらは、私の姿を照らしてい
た。
三つ、四つ。
身体の表面には鱗が走り、柔らかだった人の面影はない。
五つ、六つ。
鱗は大小で複雑に構成されていて、関節付近の鱗は小さく、それ以外は刺々しく私を覆っ
ている。
七つ、八つ。
肉を引き裂く為に、爪は鋭利に尖っている。
九つ、十。
そこには、人間の私なんていなかった。
堰を切ったように流れ落ちる涙。
分かってはいた。だけれど、全ては優しい被膜に覆われて、私を傷付けはしなかったのだ。
涙となって逃避は流れ落ちて、事実はぎらついた刃となって、私の目へと入っていく。
こんな醜い姿にされてしまったら、ここから抜け出したって、私には居場所なんてない。
こんな恥ずかしい姿で人前になんて出られないし、どうせ人間としては扱って貰えない。
知っている。私がグラムベルタに与えられていた肉は、人間の肉だということに。人間に
とっては食べられたものじゃない、って聞いたことがあるけれど、私はそれが人だと気付
くまで、美味しい美味しいと食べていた。それが意味することは、再認識するまでもない。
声を上げて泣いた。グラムベルタはずっとそこで見守ってくれていたが、今ではもう私を
甘い闇に覆ってはくれない。
知っている。私が寒い部屋に押し込められれば身体は虚脱し、熱い部屋に入れられれば身
体は活動状態になるのは、変温動物としてのリザードマンの性質だ。今や私には、人間の
ような温かい血は流れていない。そう、だから、同士だった人間の肉だって、平気で食べ
れたんだ。
「だが、まだお前は、『完全には』リザードマンじゃないんだ」
知っている。私の歯はもう牙みたいになってしまっているけれど、まだ言葉は喋れるし口
は迫り出していない。尻尾もない。鱗だって、まだ私の全てを覆ってしまったわけではな
い。
だけれど、ターチカ=マトラスという魔法使いの冒険者は、もういない。
術か薬かは分からないけれど、私の身体は勝手にこんな化け物に作り換えられて、リザー
ドマンの雄に犯されて、挙げ句の果てに卵まで産まされた。攻撃、警戒の対象だった、モ
ンスターとしてのリザードマン。それがここに二匹、いるだけ。

274 :『震える血』:2008/08/29(金) 01:58:22 ID:sM9VoMMf
「……殺して、ください」
泣き声は嗚咽に変わって、下唇の浅いところを深く噛み、毛布をうちにして身を抱えた。
こんな変わってしまった身体なのに、忌み嫌っている姿なのに、さもそれを大事そうにし
ていた。
「それは出来ない。ターチカがそうしようとしたら、私は死んでも止める」
人の子を産んだこともないのに、私は化け物の子を孕まされて。
そんな化け物に生きている価値なんてないんだ。
「思い詰めるな。言ったろう、お前はリザードマンだと」
「うるさい!勝手にこんなにして、偉そうなことを言わないで下さい!」
リザードマンだから、リザードマンとしての考えを持てと。そう言いたいのだろう。むし
ろ中途半端に人間であることを忌み、同胞の子を産み落としたことに歓喜せよと、そう言
いたいのだろう。
「私は人間でいたかった!リザードマンになんてなりたくはなかった!」
グラムベルタは言葉を返さない。
ただ黙って、私のことを抱きしめた。
私が暴れても、それさえ愛おしむかのように。
「どうしても死にたいのなら、私を殺してから死ね。隣の部屋にいるからな」
そう言って、この部屋から出て行った。
しばらく、私はうずくまったまま。
ずっと逃避していた現実は、私を埋めて逃さない。

現実を側に携えてからも、時間は過ぎていく。
憂鬱に振舞っても、私の身体は元に戻らないし、それどころか変化を続けていた。鱗が私
を覆う面積は広がっていったし、最近では尾骨の成長が著しくて、仰向けでは寝られない。
気持ちの悪い自分の身体を見たくなくて、毛布を羽織るようにしていた。
ますます人外染みていく自分の身体に、私は鱗を剥がして自傷することが何度もあった。
その度にグラムベルタに叱責され、しまいには私が鱗を剥ぐと、グラムベルタも同じだけ
自身の鱗を剥いで見せた。
衣食住の世話は相変わらず彼女がやってくれていた。私の為にと服を新調してくれたり、
また今でも良き話し相手になってくれた。目隠しのない今、私の視界にはリザードマンと
しての彼女しか映らない。それでも気休めには、十分だった。
私の生活範囲には、グラムベルタ以外立ち入らないようにしているみたいだったが、何度
か他のリザードマンも見かけた。かなり大きな集落であるらしく、こんな寒い洞窟によく
暮らせるものだと思ったが、暖房設備がしっかりと整っているらしかった。
「ターチカ」
振り返ると、グラムベルタ。何時にも増して真剣そうで、威圧感さえ覚えた。
「お前には、本当に感謝している」
「いきなり、どうしたんですか」
分かっている。本当は耳を塞ぎたかったが、心に覚悟を決めていた。
どうせまた、私を苛む物だと、分かっている。
「お前の子供が、無事孵化した」
「……そうですか」
トカゲの子。その母親は人間?トカゲ?
「私の母も昔、人間だった」
「え?」

275 :『震える血』:2008/08/29(金) 01:59:49 ID:sM9VoMMf
グラムベルタは私の横に座り、目を細めて焚火を見つめ、喋り始めた。
「街道も通っている人の出入りの多い、小さな森であるのに、ここの集落はそこらの人間
の村くらいに発展している。その理由は分かるか?」
「その存在を人に知られてないからですか?」
私が通ったときだって、リザードマンなんて出るとは思わなかった。だからさほど警戒せ
ずに気を抜いて帰路についていたのだし、それが当たり前だった。
「それも理由の一つだな。……ここの集落を治める者は、私を初めとして、通常のリザー
ドマン以上の知能があるんだ」
「それは……あなたのお母さんが、私と同じだからですか?」
ようやく分かってきた。私がここにいる理由。こんな目に遭っている理由。そして、グラ
ムベルタが人の言葉を喋れる理由。
「そうだ。元人間だったリザードマンの子は、人としての知能を有する。それにより統治
にも、魔術にも長けた個体が生まれるんだ。それによって、こんな寒い洞窟にも暖房設備
を取り入れられるし、隠蔽魔法で入り口を隠すことだって出来る」
「私は、この集落の次の世代の長を生むために、こんな目に遭ってるんですか?私には、
そんな義理なんてないのに?」
その為に、ターチカ=マトラスは人の道からはみ出て、モンスターとして惨めに生きなけ
ればならないの?
「……私の母も、そう言って最後は絶食し、死んでいった。私を娘だとは認めてはくれな
かったし、私の妹は、母の手によって殺された」
「そんな……私に同情を求めないで下さい」
グラムベルタの、火の中に何かを見いだす表情に、心が揺すぶられるのは確かだった。
「別にそんなつもりはない。ただ、考えてみろ。ここの統治が取れなくなったとしたら、
ここの奴らはどうやって食っていくんだ?近隣の、人間の村々に、攻め込まないはずがな
いだろう」
「だから、私は彼らを助けるつもりで、諦めろと言うんですか?私はもう、産みたくもな
いのに、卵を……人間なのに卵を産まされました。人の姿に戻して、元の世界に戻しては
くれないんですか?」
グラムベルタのため息は、シュー、と細く長く、掠れて聞こえた。
「お前を人に戻してやりたいとは思っている。私だって必死に書庫を探った。だがなかっ
た。伝えられてきた人を変身させる呪法だけ、体系だった知識から独立して残っているん
だ」
「そんな、酷いです……。私は人間でいたかったのに、こんな……こんな……」
途端に悲しみが押さえられなくなって、涙が溢れる。グラムベルタは、他に方法が知らな
いみたいに、私をあやすように抱きしめた。
彼女にはもしかして、温かい血が流れているのかもしれないと、混乱の片隅に思った。

その日から、私の日課に魔法の勉強が組み込まれた。
彼女が言うに、頸部まで皮膚が鱗を覆い始める頃になると、会話に支障を来すため、それ
を補うための魔法が必要らしい。怪我や、生まれ持って喋れない人間の為に開発された、
口にせずに言葉を発する魔法の存在は確かに知っていたが、自由に繰るには難しいと聞い
ていた。
習得に苦しむ傍ら、変化は私を蝕んでいく。今や太い尻尾が私のお尻に生えている。鱗だ
って、もう首のほとんどを覆っている。幸いリザードマンは雑食だが、一度グラムベルタ
が生肉を食しているのを見て、それ以来血の臭いが頭にこびり付いて離れない。
無情に時は過ぎていく。ある日を境に、発声するにも声が上手く出なくなっていく。
「グラ……グラム、ベルタ……」
掠れ声を絞り出し、彼女の名前を呼ぶ。私を心配そうに見つめる目。
「無理して話さない方が良い。術が完成すれば、また話せるんだ」
彼女はそう言い聞かすも、一向に使えるようにはならないし、喋れなくなる一方。
いくら話そうとしても、シュー、シューと、空気が擦れる音しか出ず、時折音が出るくら
いにまでになったときには、もう顎の骨は変形して、頭部に鱗が生えると共に、髪の毛が
抜け落ち始めていた。
とっくに戻れないところまで来てしまった。人としての痕跡さえ、もう跡形もなくなって
いく。声を取り戻した時に、私は言葉を覚えているか不安になる。グラムベルタは私が喋
れなくなってから、より積極的に会話をしようと努めているのがよく分かった。

276 :『震える血』:2008/08/29(金) 02:01:34 ID:sM9VoMMf
それでも、私はこの身体を受け入れることなんて、到底出来やしなかったし、常に突きつ
けられている現実からは、逃げ切れる筈もなかった。
「もう、嫌だ」
筆談用の木炭で、木の板に文字を殴り書く。
ギチギチ、と締め付けるような音が聞こえる。それが自分の歯ぎしりの音だと気付く。
鋭い爪の手を強く握りしめると、掌に突き刺さって血が溢れる。
「ターチカ、落ち着け!」
シュー、シュー。
無慈悲に、私の叫びは解けていく。
頭を抱える。鱗質の硬い肌。もう、微塵も人間らしさなんてない。
鱗と鱗の隙間に爪を立てて、思いっきり引きはがす。その下に私の本当の顔があって、そ
れが出てきやしないかと思った。けれど、それは鋭い痛みを私にもたらす。おかしいよね、
あれだけそのリアリティを嫌ったのに、今度はそこに逃避を見いだしてる。
「ターチカ!そんなに、自分の身体を嫌わないでくれ!恨むなら、その身体ではなく、私
を――!」

もう、どれくらい経ったろう。
私はもう、自分が人間だったことを記憶でしか確かめられなくなった。
私には適正が無いことを思い知って、魔法による発声は諦めた。
生の肉を喰らうようになった。初めて口にした時は、身体の欲求と精神が相反して、何度
も戻そうとしたが吐けなかった。消化した後、何度も嘔吐いて、胃酸ばかりを嘔吐した。
グラムベルタ以外のリザードマンとも会った。私を犯したリザードマンとも、子供にも会
った。五人の子供らは、純血のリザードマンと、一見何ら変わらなかったが、確かに知性
の光をその相貌に見た。まだ発声魔法を覚えてはいなかったが、驚くほど早く言葉を覚え
て、
「こんにちは、お母様」
と書いてみせた。乳母と、他に元人間の母を持つリザードマンらが、彼らを躾けているら
しい。
私は彼らを拒めなかった。グラムベルタが自分の母を語るとき、時折涙を滲ませているの
に気付いて、同じ思いをさせたくなかったし、きっとそうしたなら、グラムベルタが悲し
むだろうと思い、やめた。
そして、もう一度子供を産んだ。
私に発情期という名の春が訪れて、身体が酷く疼くようになった。すれ違う、リザードマ
ンの雄に心を惹かれている自分が嫌になって、女性器に尖った爪を突き立てようとしたと
ころ、グラムベルタに無理やり止められ、そして裸にされた後、男と同じ部屋に投じられ
た。初めて私の相手になった男と同じで、また火が轟々と焚かれた部屋の中、卑しい自分
に逆らえなくて、交わった。
そうして生み出された自分の卵は、私の望んだ結果だ、という冷たい事実をありのままに
見せ付けた。もう、どこが人間なのだろうと、人であった過去さえ疑わしくて、目の前の
卵さえなければ、そんな疑問や恐怖から逃れられるだろう、そんな思い込みが私を突き動
かしたが、疲弊した体、グラムベルタの目線、そしてまたそれらとは別の何かが私を絆し
て、それらは割られることなく、しばらく日を経て孵った。私の目の前で。
「ターチカ。お前はもう、人間じゃないんだ。こいつらの、母親だよ」
「私がその言葉に頷いたなら、あなたは幸せですか?」
赤子の泣き声だけが、私と彼女を埋めていた。
「その言葉だけで、私は幸せだ」
暑くとも、寒くともない。ただ、私は震えていた。

277 :clown:2008/08/29(金) 02:04:06 ID:sM9VoMMf
以上、お粗末様でした。

宣伝になりますが、過去作品の修正保管を行うサイトを開きましたので、アドレスを付記しておきます。
http://n-ap.com/tf/

278 :名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 23:51:37 ID:OYsKfFAT
リザードマンGJ!

279 :名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 04:46:23 ID:YGNZB61h
リザードマンGJ!
最後まさかの鬱ENDw
でも理性を取り戻して人間らしい終わりになるよりずっとイイ!

280 :名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 09:57:52 ID:29qB9VVh
孕みGJ

はらむ時期が短い気がするけど
やっぱり王道エロチックはいいね

281 :名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 12:15:28 ID:b6oQ/oFl


282 :名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 23:48:32 ID:MzXtV1M0
そろそろワイバーン娘第V章の続きウプします。遅くて何度もすみません。

283 :名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 00:44:02 ID:XtQQqn5t
>>282
メール欄に「sage」って入れようぜ

284 :名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 01:13:20 ID:zDMl8wXB
上げてくれるのは嬉しいんだが
出来ればメモ帳とかに下書きしていっぺんに上げてくれると助かる

285 :名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 11:31:23 ID:yqDNwdo9
いったん死亡シナリオで完結させて
ifシナリオで続編かくとかね

286 :名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 08:48:53 ID:A1ZWjlH3
>>285いいですね、考えて見ます。スミマセンsageました・・・orz

外伝の2作目を考えてます。非常にぶっ飛んだ内容なのと、変身シーンが出せそうかどうかが微妙
なのでまだ書くかは未定ですが、大まかなストーリーは以下の様な感じです。

 物語の時間軸で夏頃、ファンタジーの世界に次元の穴(違う時代の違う場所にワープする)が開き、
主人公達が吸い込まれる。移動した先は現代の日本(メンバーに魔法使いがいるので、言語の障壁は
魔法で解消)。子供が不良集団に絡まれてるのを目撃し、主人公達はこれを撃退して、子供を救う。
子供は不登校になってる高校生で、主人公をしばらく自分の家に泊める(こっちでは偶然夏休みなので、
親には志望大学の先輩などといってごまかす)。高校生に街を案内してもらい、何もかもが違う世界
に戸惑いながらも、現代世界に満喫する。カラオケで歌う、ゲーセンで遊ぶ、ファストフード店での飲食
シーンなどがある。現代での生活に慣れ始めた頃、敵集団も主人公を追って現代の日本に来てしまう。
主人公達によって被害は最小限に留められるも、ビルを倒壊させたり、駆けつけたパトカーを蹴散らす
などの騒ぎを起こし、自衛隊が出動する事態に。主人公と異様な敵集団の話はニュースで取り上げられ、
こうなるともはや滞在できなくなる、と高校生から説明を受ける。
 狙いは自分達なので、自分たちがファンタジー世界に帰れば敵達も帰り、現代人は安心して暮らせる
と決意し、別れを惜しみながらも主人公達は帰る事を決める。帰る間際に再び敵達が襲来するが、逃れ
主人公に別れを告げながら時空の穴へ、高校生は楽しかった事を告げる。後を追うようにして敵達も
時空の穴へ。夏休みが終わる頃、心開いた高校生は再び登校を決める。

287 :名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 10:20:58 ID:CVA5ceen
・・・大まかなストーリーって言うか、全部だよねコレ・・・

・・・経験上だが、フルあらすじなんてものを先に表に出した人は実際には完結まで書き上げないことが多いんだよな。
気が抜けると言うか言霊が漏れると言うかそれだけでなんか書いた気になっちゃったりするのか。

つーか読む側としても、実際の作品を見せてもらう前に割と細かくネタバレされてしまってどうしろと。

288 :名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 20:02:12 ID:A1ZWjlH3
良く見たらおおまかじゃ無かったですね(´;ω;`)本当に色々と申し訳ありません;
自粛します・・・orz 今度からマジで気をつけます;;

289 :名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 13:39:28 ID:NxVAkvga
空回りしちゃう熱意はわかるよ〜俺なんてシチュだけしかできないから文章力ないの承知で
SS一生懸命書いたらシチュはいいが文章が駄目とか何度も言われてやめちゃったぜ   

290 :名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 18:57:41 ID:pF58wZom
>>289
正直文章書きは慣れですからね……。気持ちはよく分かります。
私もよく下手と言われます。あとは『ラノベっぽい』とか。
あとはこのスレ目的で書き始めた筈の作品が、いつの間にかこのスレの対象外となってしまったりとか。

291 :名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 21:07:54 ID:8yovKmpG
文章力の辛いところは絵と違って、ただ書けば上手くなる訳じゃないってところだろうね。
書きまくってても伸びない人は伸びない。でも伸びる人はすごく伸びる。なぜだろう?
しかし、下手と言われるのは理解できるが『ラノベっぽい』のはなぜいけないのかが分からん。
みんながみんな芥川龍之介みたいなおどろおどろしい【純文学】を求めているとは思えんのだが。

292 :名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 18:27:13 ID:3pkWeW8C
むしろ文章が硬くなりがちで、『ラノベっぽく』書きたいくらいなんだけれど。
板的には読みやすい文章の方が軍配があがると思うよ。

293 :名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 01:26:30 ID:4znBVHq/
文章が幼かろうが、その文章の中に熱意と変身要素が有れば私は満足じゃ

294 :名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 18:27:53 ID:3tzbRmPm
でもスイーツ(笑)は勘弁な


…まあ、熱意とキャラへの愛情が有るなら、
普通あんな文章にはならないけどな。いくら下手でも

295 :名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 18:41:29 ID:Z6SEH2iW
>>294
どうするんだモテカワスリムで恋愛体質の愛されガールが
男にスピリチュアルな感覚を感じていたら連れていかれて
薬打たれて「ガッシ!ボカッ!」という音と共に
変身する小説が投下されたら。

296 :名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 12:25:54 ID:wbZ53HPg
ここで聞くのもアレだけど、冬風さんところ閉鎖したの?
久々に見たらページ削除されてたんだけど。

297 :名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 14:09:23 ID:GL0Qm/vl
>>296
閉鎖してないぞ。どうやら移転しただけの模様

298 :名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 00:20:18 ID:83F/6KJP
>>296
ttp://fuyukaze.sakura.ne.jp/index.html

299 :名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 01:11:19 ID:DUEB+qv8
冬風さんとこ 最近ブログしか更新しないねぇ
流石に人間あれだけの量書いたらネタ切れになると思うけどさ 未完結の作品を完結して貰いたかったり

300 :296:2008/09/15(月) 10:00:31 ID:HiGQnQvF
>>297-268
ありがd。移転だったのか。

301 :名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 17:19:26 ID:g5K2VYtt
可愛くて優しい女の子が、人外に変身して戦うのがぃぃよね。ワイバーンの続きが早く読みたいお。

302 :名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 17:58:27 ID:at1ep/tp
過疎ってるな、このスレもオワタ\(^o^)/

303 :名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 19:03:46 ID:8UXr5ElH
????? ?? ??? ???????? ??? ??
???? ??????? ???????:????? ??

304 :名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 19:39:32 ID:E/WlBcvX
作品が中々仕上がらない作家さんもいるわけで、オワタ発言はまだ早いかと。
ま、気長に待ちましょうよ。

と言うわけで保守。

305 :名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 15:14:52 ID:tACT2CmZ
ただ待ってるだけじゃなくてネタ出ししようぜ

306 :名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 16:14:24 ID:fOBMcWAa
>>305
ネタ出しはなぜか半虹のスレで活発
こっち向きのネタなんだがなぁ

307 :名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 01:34:09 ID:qCQRdj4i
まだ続きが未完成な作品について今後の展開をみんなで予測し合うのはどうかな。
ただ飽くまで予測の範囲に留める事にして、「こうゆう展開にして欲しい」と作者
にお願い・強制するのは無しって事でさ。ほんの一例だけど、例えばワイバーン
がどんな風にして死ぬのかとかさ。

308 :名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 02:53:39 ID:LiNzOhTy
いや、それでガツンと大当たりだったら出しづらくなるだろ

309 :名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 08:53:09 ID:f477662I
産卵萌え保守

310 :名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 11:20:36 ID:NsixNOcR
女王蜂ってエロいよな

元々はただの働き蜂だけど、特別な食べ物を食べると女王蜂になるんだって

311 :名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 15:10:48 ID:bBZuH68A
何かを食べることで変化するっていうシチュエーションは萌えますね

312 :名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 23:40:57 ID:YRdGtBlf
ピンクのアイツですね、わかりますwww

313 :名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 00:11:46 ID:SD0u5CIv
レイ・ブラッドベリの短編だったと思うけど、養蜂家が生まれてきた娘にローヤルゼリーを与え続けるというのがあった。
栄養豊富なローヤルゼリーで太って行く娘を、まるでハチの子のようだと感じ、
娘にかいがいしくローヤルゼリーを与える黄色っぽい茶色のひげの夫が、まるで働き蜂のようだと奥さんは感じるようになっていた。
最後のページの夫の言葉が、「おお、かわいそうに。われらのちっちゃな女王様が風邪を引いてしまうよ」だった。
いろいろと妄想したものだ。

314 :名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 08:24:54 ID:o17kIM+g
>>313
それは確かに妄想の余地はありますねwww

蜂変身の話と言うと、どうしても風祭文庫が浮かんでしまう件。

315 :名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 09:55:51 ID:SD0u5CIv
あそこにはずいぶんお世話になっていますよ。

316 :名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 12:09:34 ID:wa/WXRiE
マサイ変身とか斬新だったw

317 :名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 00:48:34 ID:uAHDBbwK
マサイ族に変身するの?

318 :名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 14:52:55 ID:QBSls7lq
あそこは最近獣変身と蟲変身が更新されなくて寂しいですよ

319 :名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 22:20:57 ID:k++1bLHk
>>317
するよ。でも男体化がセットなのが個人的には・・・
あと挿絵がちょっと苦手だ
ナメクジ妻の挿絵はちょっと気持ち悪くなった

320 :名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 23:09:19 ID:ShvuIrr7
おっとこれ以上は

321 :名無しさん@ピンキー:2008/10/02(木) 01:06:29 ID:uclqroTV
ここは某天気予報のOPのあれについて語るんだ

322 :名無しさん@ピンキー:2008/10/02(木) 12:38:18 ID:qWDGiF7E
二十世紀少年の敵か?

323 :名無しさん@ピンキー:2008/10/02(木) 15:48:50 ID:KzaTtlHO
>>321
別のと勘違いしてたらスマンが、あれは関東や関西じゃやってないらしい。

324 :牧島みにむ改め初ヶ瀬マキナ:2008/10/03(金) 00:13:27 ID:jY7I4Sip
いきなりすいません。
流れをぶったぎらせて一作置かせていただきます。
短いですが、どうぞご容赦を。

325 :『無題』:2008/10/03(金) 00:15:19 ID:jY7I4Sip
「う……く……っ」
背中が……痛む。脚に……力が入らない……。
「く……あぁ……っ」
城塞都市近くの森を根城とする人型の魔物、魔蜂。その駆除を申し付けられたのが数日前の事。兵数名を具して討伐に向かったのが数時間前。
「うぅぅ……ぅぁっ」
兵士数名の負傷というアクシデントがあったものの、何とか顔が全て瓜二つの兵隊蜂を薙ぎ倒しながら女王蜂の元へ辿り着き、
空気が黄金色に染まるほど過剰なフェロモンを撒き散らされる劣悪な環境の中で気が遠くなりそうになりながらも、何とか女王蜂を仕留めたのが数分前。
だが――!
「あぁ……がぁっ!」
女王の体を、私の剣が貫いた瞬間、女王の針もまた、私の背中を貫いていたのだ。激痛が体力と命を根こそぎ奪い切る前に、残りの兵士を先に城へと帰るように命令した。
あと、私は女王蜂と痛み分けだ、私の死体は回収するな、とも。
兵士が私以外の負傷者を抱えて退却するのを見届けながら、私も安全な場所へと移動しようとした。
しかし、針を刺された背中からは止めどなく血が流れ、熱と共に体力までもを奪い取っていく。女王に何か毒でも注入されたのだろう……血が止まる気配もなく、傷口が塞がる気配もない。
そしてついに……私の足は地面に囚われてしまった……。
「ぐぅぅ……っ」
兵士にああ伝えたのは、私を探すことにより、森の他の魔物たちに兵達が無駄な犠牲を強いられることがないようにするための、私なりの心遣いだった。
だが……いざ地面に倒れ、体温が薄れていく私の中を巡ったのは――孤独なる死への恐怖だった。
「……く……あぅぁ……っ」
あれだけ散々覚悟して、女神像に幾度となく誓いを立て、いつ死んでも悔いはないと自分に言い聞かせ――そのくせにこれだ。
私は心の片隅で、自分に対して呆れ返っていた。所詮、部下にあぁ告げたのも自らを悲劇のヒロインのように考えて酔っていただけに過ぎない。
その事を今、襲い来る大量の恐怖によって思い知らされた。
「ぅぅ……ぅぁぅ……っ」
目尻から放たれた涙が、頬を伝い地面へと染み込んでいく。同時に、涙を放つ眼の瞳から光が薄れ、地面を掴もうと伸ばした腕が、手が、力を地面へと明け渡している……。
「ぅぁ……」
やがて、舌や喉からも力が薄れていき……意識すら、闇へと堕ちていった……。

326 :『無題』:2008/10/03(金) 00:17:14 ID:jY7I4Sip
―――――――――――――

(………ん?)
次に意識を取り戻したとき、私は自分の体が、不可解な状況に置かれていることを朧気ながら感じていた。
どうやら私は、膝を抱えたまま丸くなって眠っているらしい。
体のあちこちに何かの管が繋がって、そこから私の肌に暖かい液体がゆっくりと流し込まれているようだ。
踞った体の回りは、柔らかくて弾力性のある物質で取り囲まれ、管はそこから発生しているらしく、私が身じろぎする度に連動してうねうねと蠢いていた。
(………)
意識が覚醒と睡眠の狭間で固定され、ぼんやりとしか物事を考えられないようになっている。
一体ここは何処なのか、どうして私は踞っているのか、繋がれているのか――抱いてもいい筈の疑問すら容易には浮かばなかった。
暫しの時の経過を経て、最初に浮かんだ疑問。それは……。
(……あれ?わたしって……)
……自分が何であるか、と言うことだった。自分という存在、名前、アイデンティティ、鏡で見ていたであろうその姿すら、全く思い出せなかったのだ。
すっぽり記憶から抜け落ちてしまったかのように……。
(……んと……えぇと……)
霞の中にある像を、必死で探ろうとするわたし。
平泳ぎをするように意識の中で霞を掻き分けて、霧の向こうに幽かに光るもの――私の存在をこの目に見ようとしていた。
と――。
(はれ……?)
背中から、わたしのすぐ後ろから風が吹いた。音が耳に届くほどに強烈な風は、光とわたしの間に横たわる大量の霞を一気に吹き飛ばすほどに強烈なものだった。
――視界の端に、葉脈のような模様が走った、昆虫の羽根らしきものを捉えるほどに。そう言えば、背中が少し引っ張られているような。
ひょっとして……と、意識の中で背中に手を伸ばす。果たして、件の羽根はわたしの背中から生えているようだ。
どうしてだろう……と片隅で思いつつ視界を前に開くと――。
私は、その理由はおろか、自分の存在まで、はっきりと理解した。

蜜で織られたヴェールの向こう、女王様の謁見の間で、一匹の魔蜂が女王様に頭を垂れていた。女王様は頭を垂れている蜂をそのまま抱き寄せて、自らの胸にその顔を当て、乳首を唇に差し込んだ。

327 :『無題』:2008/10/03(金) 00:20:42 ID:jY7I4Sip
まるで別の生き物のように蠕動する女王様の胸からは、仄かに苦く、そして甘い蜜がゆっくりと溢れ出していく。
蜂はその一滴すら逃さないように、顔を一生懸命女王の胸に押し付け、口を動かして粘度の高い液体を飲み干していく。
ちゅぶちゅばと、舌で女王様の乳を舐めているらしく、女王様は頬を微かに熱らせ、ピクピクと震えていた。
女王様は夢中で蜜を飲む蜂の頭を優しく撫でながら、ゆっくりと羽を震わせた。その風に乗せて、刷り込むように蜂に向けて言葉を放つ。

『貴女は、次の女王になるの。私がもし亡くなったら、その時は――よろしくね』

――気付けば、わたしの手や腕は、蜜を飲んでいた魔蜂と同じように固い甲殻のようなもので覆われ、胸は張り出して谷間が作られるほどになっていた。
胸元から黄金色の香りが沸き立ち、私の体を包み込むように辺りを満たしていく。
下半身や背中は見えない。背中の羽根は先程目で見たし、尾てい骨から先に神経が通っているのを感じる事から蜂の腹部も有るのだろう。
とくん、とくん、とくん……。
わたしの心臓の鼓動とは違う、もっと暖かくて、聞くだけで心が安らかになる、そんな音が、私のお腹の中から響いてくる……。
その音を耳にしているだけで、わたしは心からの喜びを感じる。だって……子供の存在を喜ばない母親が何処にいるのか。
(この子達を無事に生むために、まずは栄養を摂らなきゃ……それも新鮮な栄養を……)
両手でお腹を擦りながら、わたしははっきりと、これからの行動について考えていた。

328 :『無題』:2008/10/03(金) 00:24:22 ID:jY7I4Sip
――――――――――――――

「……ん……」
わたしがぼんやりと目を開くと、そこは真っ暗闇だった。ただ、わたしの背中からは、月明かりのようにぼんやりとした光が降り注いでいたけど。
「……ん……く……」
窮屈な場所に、私は押し込められているようだった。スポンジのように柔らかい何かが、まるでわたしを庇うように包み込んでいるようだった。
(……食べなさい)
「………ん?」
ふと、頭の中で声が響いた。わたしが……聞いたことある声。それが何なんだろうと考えながら前を向くと――!

「……わぁ……♪」

わたしを包むその物体が、何故だろう、非常に美味しそうに見えた。
微かな光に照らされた場所は仄かに紅く光り、黄色くぶよぶよしたものが張り付いている場所は、ミートソーススパゲティにトッピングされたパルメザンチーズのように食欲をそそる彩りを持たせていた。
お腹の中にいる子供達が、早く、早くと叫んでいる。わたしも……知らず我慢の限界を迎えていた。
顔を突き出し、それに食らいつくわたし。ぶちん、と鈍い音がして切り取られたそれを、咀嚼して舌に乗せる。
「!!!!!!」
味蕾に雷が落ちたような衝撃が走った。
最高級の霜降肉か、あるいはそれ以上の良質な肉を、最大限旨味を引き立たせる調理法をして食したとしても、ここまで美味なものは無かっただろう。
ほんのりと沸き立つ獣臭さ、噛めば溢れる肉汁、生特有の弾力――全てが美味に感じた。

早く――はやく――ハヤクタベタイ。
本能が身体を動かした。

「んむぉんっ!」
ぶしゅっ、と両方の脇の下か腰の上辺りで音がした。
まるで閉じ込められていたものが勢いよく溢れだしたような感覚に、わたしは思わず口内の肉を気管支に詰まらせそうになった。
軽く咳き込んだ後、ありったけの解放感が巡る。皮膚を突き破って現れたものに、神経が少しずつ走っていく。
徐々に、纏っている粘液の感触が肌に伝わってくる……。やがて完全に繋がると、それはわたしの思い通りに動く――両腕両手になった。ただし、両手は完全に甲殻そのもので、敵に対して使う武器用のそれだったけど。
「んむむっ……」
私はそれを伸ばして――背中を包む肉を斬りつけた。

ぶしゅうんっ……

「―――――!!!!」
それはまるで誕生を祝福するかのような光だった。

329 :『無題』:2008/10/03(金) 00:26:44 ID:jY7I4Sip
微かに緑がかかった、木々の隙間から漏れる太陽の光。まるで星屑とオーロラを交えたような輝きは、全身を粘液で彩られた私に虹色のアクセサリを身に付けさせていく。
眩しさに目を瞑ったのも一瞬。すぐに辺りの風景を目にすることが出来るようになった。前の女王が治めていた――この森を。
とくん、とくん。
お腹が跳ねる。貪欲な子供達だと思わず微笑んでしまう。かく言うわたしも、口の端から涎が出ちゃっているんだけどね。
(タベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイ)
頭の中を何度も何度も駆け巡るわたしの声に、体は素直に従った。切り裂くことに特化した二本の手を抜け出してきた物体に向けて構え、目を細めて呟く。

「――いただきます♪」

それからしばらくの時間、わたしは我を忘れて抜け出してきた物体を口に入れ続けた。
皮を切り、肉を裂いて団子にして、口の中で思うままに味わってから飲み込んでいた。
あまりの美味しさにわたしの頬は綻び、羽根はぴくぴくと震え心地よい風を起こし、粘液まみれの胸からは黄金色の香りが辺りに撒き散らされていた。
纏っていた粘液は、赤色と黄金色が混ざり合うことなく存在していて、一緒に飲み込むと甘さと苦味が絶妙なバランスでブレンドされて美味しかった。
それだけでなく、飲めば飲む程に少しずつ、胸とハチの腹部がぐむぐむと大きくなっていく……。
呼吸も知らず貪っていたわたしだけれど、不思議と息苦しいなんて事は起こらなかった。どうも、腰の辺りから空気が取り入れられているらしい。
森の香りは、まるで清流のようにわたしの体から――心から不純なものを洗い流してくれる……。

「……ごちそうさま♪」

自我を取り戻したとき、わたしの目の前にあったのは、固くてとても食べれそうにないプレートだけであった。
そのプレートに、わたしはどこか見覚えがあった気がした。けれど――。
とくん、とくん。お腹がまた震えた。子供達がまだ欲しがっているみたい。腹が一回り膨らんだとはいえ、わたしもまだ、満足とは言えない段階だ。
『栄養』が……まだ『栄養』が足りなかった。
(エモノホシイエモノホシイタベタイタベタイタベタイ)
心の声に突き動かされながら、わたしは辺りを見回した。既に、わたしが発するフェロモンで周囲は黄金色に染まっている。そして当然――。
「――あ♪」

330 :『無題』:2008/10/03(金) 00:31:34 ID:jY7I4Sip
体長7mを遥か超える大きさの熊――キンググリズリーが、生まれたてのわたしの体へとのそり、のそりと近付いてくる。既に目は血走り、その息は荒い。
(――オイシソウ)
恐怖心など、全くありはしなかった。
ただ、目の前の熊のそのがっちりした腕が、引き締まっていそうな胴体が、太い脚が、たまらなく美味しそうな、『栄養』たっぷりの肉に見えたのだ。
羽根が、自然と震える。同時に、お尻の辺りで、何かむずむずするような感覚が走った。正確には、お尻の上に生えた、巨大な蜂の腹部の、その先端から――!
ぶしゅうっ、と湿った音が響くと同時に、先端から現れたもの、それは巨大な――針。
先端には穴が開いているらしく、粘液に混じって何か透明な液体が地面に漏れだしている。
「あ……あは……あは♪」
(タベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイ)
口からはだらしなく涎を垂らし、食欲に支配された本能に主導権を奪われているわたしは――次の瞬間には、相手の心臓と思われる場所を、針の一撃でうち貫いていた……。

――――――――――――――

前の女王様の巣は、そこまで時間が経っていないせいか、また襲いかかってきた人間の兵士がここまで辿り着かなかったからか傷みは少なかった。
わたしがそのまま使っても何ら問題の無い様子だったので、そのまま使うことにした。
その中でも一際大きな空間を誇る女王様の部屋だった場所で……。
「んっ……あぐ……むむ」
わたしは仕留めた獲物を食らっていた。先程の熊の他にも、大蜥蜴、大蛇、など大型の生物を、他に三つほど。骨まで含め全て噛み砕いて飲み込んでいった。
全ての獲物を平らげたわたしのお腹は二回りも三回りも膨らんでいて、蜂の腹部に至っては、下手をしたらわたしの体よりも大きくなっているんじゃ無いかとすら思えた。
中にいるわたしの子供達は、今は眠っているらしい。春の日溜まりにいるような、心地よい波動がわたしに伝わってくる。
このまま微睡んでしまいそうな空気に身を委ね、素直に夢の住人になろうと、素直に目を瞑った。
そのまま、巨大化した蜂の腹部に身を任せて、眠り始めた……。

とくん……とくん……。
子供達の音に誘われるように、夢の世界へ誘われて――暫く経ったときだった。

どくんっ!

「!?」
突然、全身を揺らすような衝撃がわたしを襲った。夢を見ていた私を完全に叩き起こすほどのそれは――!?

どくんっ!
「!?あはぁっ!」


331 :『無題』:2008/10/03(金) 00:32:40 ID:jY7I4Sip
わたしのお腹の中から蜂の腹部全体にかけて、子供達が一気に蠢き始めた。
方向も勢いも全く定まることの無いその動きは、わたしの敏感な場所を頻繁に刺激することになり、処理できなくなった脳がオーバーヒートを起こしそうな膨大な快感が全身を痙攣させた!
そんな中、蜂の腹部の先端がくぱくぱと開き始め、何やら管状のものがむくむくと盛り上がり伸び始めている。
それに気付いたのか、子供達は我先にとその穴に群がろうとしているようだった。
「あ、あ、あ、ああ、あっ、あ!あぁっ、あん、あぁっ!」
今やわたしの体が二体くらい入ってもおかしくないほどに巨大化した蜂の腹部は風船のように膨れ、管は女王様の部屋の奥――卵の部屋へと一直線に向かっていった。
その間にも子供達はどんどん出口の方に向かっていく。はち切れそうな痛みを感じてはいたが、それと同時に、母性愛に満ちた喜びも感じていた。
そして、管の先端が卵の部屋の最奥へと行き着いた刹那――!?

にゅるぽぽぽぽぼぽぽぼぽぽぼぼぼ………!
「あぁいあああああぁあいいああああああああんっ♪♪」

濁流もかくもやらという勢いで、膨れた腹に集った子供達が出口を押し広げて、まるでウォータースライダーのように管の中を一気に滑り降り、そして卵部屋に産み出されていく。
管の中もまるで内臓のように神経が全体に通っており、擦れると気持ちいい。それが子供達が通り過ぎる間にずっと続くので――!
「あはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………♪」
わたしは蕩けきった笑みを浮かべ、体をがくがくと震わせながら、ただ両胸と秘部から蜜を垂れ流していた……。

全て産み終え、蜂の腹部が元に戻る頃には、わたしは正気に戻っていた。
生まれてきた子供達が孵化するまでには時間があまりない。その間に、沢山の餌を作らないといけなかった。
そう、子供達もまた、お腹の中に居るときと変わらず貪欲なのだ。だから――。

「――ふふふっ♪」

わたしはフェロモンを全身から撒き散らしながら、すっかり日の暮れた森の中を縦横無尽に飛び回るのだった……。

――――――――――――――

数ヵ月後、城塞都市は再び魔蜂討伐の命を下した。だが、新たな女王蜂の前に部隊は全滅。
その勢いに乗って、大量の魔蜂が都市に攻め込んだ。結果として――都市は滅んだ。
だが、不思議なことに死者は一人として見られなかったという……。


fin.

332 :初ヶ瀬マキナ:2008/10/03(金) 00:35:28 ID:jY7I4Sip
以上です。
スレ違いだったら済みません。
では。

333 :名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 00:42:59 ID:kSQfCMLl
GJ!
蜂はなかなか外れのない題材だよな

334 :名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 00:43:42 ID:kSQfCMLl
sage忘れOTL
ちょっと近所の森行ってくる

335 :名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 00:56:24 ID:TVaAt8AN
マキナさんキター!!
いつも貴方のSSは大変楽しませていただいています

336 :名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 22:36:25 ID:ikV6ik9r
GJイイ!(・∀・)


ところでワイバーン娘って「絹の様な肌」とか「天使の微笑み」とかの表現から可愛い感じは
伝わってくるけど、ここまでだと優しい性格って感じは余りしないよね。

337 :名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 01:02:12 ID:RmnPznh0
蜂化ってエロいね、ってか〜化って全部エロいんじゃねとか思ってしまうオレ

338 :名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 23:56:26 ID:Xrorn822
よくある話ね

339 :名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 01:41:13 ID:qdeh4Yfy
普通のエロでも全然ならないけど、他のものに変身するのはエロでなくてもすぐたってしまう...

340 :名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 10:18:23 ID:XG+AK//e
俺も変身描写さえあればエロはいらん

341 :名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 13:01:15 ID:2crrNzAY
変身だけで十分だと板違いじゃね?

342 :名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 17:51:47 ID:o2Ni87zw
非エロの変身ものって該当スレあったっけ?まぁエロパロでも時たま非エロの物が混じったりはするけど。
もし無かったとしてここでの非エロ投下は、一言断りを入れたときの住人の反応次第だろうね。

343 :名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 09:06:06 ID:VljBNi6m
エロ無しでも充分エロかったしね

確かに変身だけでエロく感じる私は末期

344 :名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 16:35:33 ID:3gFvSsjs
変身という部分があるからこそこのスレが存在するんだけどな
人によってエロ要素を感じるとこは違うけど確かにここは飛びぬけて異端だ

345 :名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 05:05:07 ID:qnd5Vd6A
ここは人型からかけ離れた変身のほうがいいのかな

346 :名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 07:01:43 ID:DiTSYphx
人型でも問題ないと思う。いくつかそういう作品あるし。

347 :名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 07:02:54 ID:DiTSYphx
……悪い、あげちまった。

348 :名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 11:51:36 ID:qnd5Vd6A
レスありがとん
申し訳ないけど、他のスレに落としてしまったのです。
見かけたら、鼻で笑ってやってください

349 :名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 16:51:02 ID:MoCV2fR3
どこどこ?

350 :名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 21:17:24 ID:tWWVMDpd
成長スレかな
でもあれならこっちでもいいんじゃね?

351 :名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 22:37:23 ID:FgnmMwSY
どなたかよかったらここと似た嗜好のスレをいくつか貼って欲しいです
ここのスレは楽しいけどこの手のスレッドで他にどんなのがあるのか知りたいです

352 :名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 00:01:47 ID:tWWVMDpd
成長、改造、獣化スレくらいか。
二次創作はわかんね

353 :名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 00:41:34 ID:r9HI8Hyv
擬物化も入るね

354 :名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 10:08:24 ID:ZRrZoHOQ
寄生スレにもたまに体が変化するのが載るな

355 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 01:23:19 ID:3bl8wq8x
人から獣化するのは需要有りそうだけど、人間形態から別の人間形態に変身するのは需要低いのかな。
 魔界の女王ルシファーから人間界を乗っ取るべく魔界から派遣された7人の妖怪娘 (そろぞれ
ヴァンパイア、魔女、ウェアウルフ、雪女、サキュバス、デュラハン、 フランケン)が最初は
使命に従い人間界の乗っ取りを企てるんだけど、ひょんな事から人間の家に泊まりこむ事に。
人間と交流するうちに自分達のやる事が間違い だと言う事に気づき、そろぞれの能力を使い人間
を救ったりして共存する。背いた少女達を始末するべくルシファーは『七つの大罪』と呼ばれる
自身も含んだ7体の強力な悪魔達を従えて娘達の討伐と人間界の支配に乗り出し、双方の世界を
巻き込んで壮絶な戦いが展開される事に・・・

っていう小説考えたけど、どうやろ。妖怪娘達は普段は普通の人間なんだけど戦闘になると正体を
現わし、その際人間から人間(ウェアウルフだけ人間から獣人)に変化し、変化する事で戦闘能力
が上昇する。7体の悪魔達も、そのうちのベルゼブブ(人間→昆虫)ってやつとリヴァイアサン
(人間→海竜)ってやつら以外は基本的に同じ。こんな小説考えたけどやっぱ要らないか・・・

356 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 01:30:15 ID:xCX9AdEA
設定だけ見せられても判らないから


SS投下して下さいなw

357 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 02:18:16 ID:ziGm+Nj/
>>355
ストーリーはすごく面白い!コメディーっぽくても成立しそうだ
でもフェチ的な観点からだとイマイチだ
なぜならその娘達は正体が妖怪なんだから変身とはいえないのでは
その娘達が暗躍して普通の人間の子を妖怪に変えるのなら話は別だが

358 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 05:35:42 ID:qW2OLFo6
いいんじゃね?
ただどうしてもっていうならその娘たちは元は人間で、魔王に力を植え付けられて軍門に下るも、心までは失ってなかったとか

359 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 07:53:02 ID:0Nw+QKUL
デビルマン(アニメ版)設定ならどうか。

360 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 12:36:24 ID:EWuStmW1
変身といえば風祭文庫
http://www2u.biglobe.ne.jp/~bell-m/bunko/


361 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 13:02:29 ID:brBgkxrA
個人のサイト晒すとかマジキチ

362 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 13:29:25 ID:/AaJeELd
>>360 馬鹿なの?


363 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 15:19:59 ID:FDMcLjlw
懐かしいところだ
そういえばココだったか忘れたけど若者の間で変なドラッグが流行って
それをやると蜂になってしまう話が面白かったな

364 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 16:02:53 ID:KLKIxEQN
>>357もともとの正体が妖怪だから、人間から妖怪になるのは変身って呼べないのでは

変身前も変身後も同じ妖怪なんだけど、変身する事で服装や身体の一部が変化して、
能力が強力な形態になるとかにするのはどう。「本気モード発揮」みたいな。
概念としてはちょうど戦隊物のヒーローが変身するような感じ。どうかな?

普通の人間の子を妖怪に変えるのは悪役がやろうとしてる「人間界の乗っ取り」
みたいだから微妙。

365 :名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 18:30:49 ID:5rRSi/j8


366 :名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:31:13 ID:BAwaJIrs
他人に趣味の押し付けマジでキモイ

367 :名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 02:03:02 ID:Xvbq1m7B
>>355
そういうネタ(擬態/普段は普通の人間なんだけど〜)は好きだけど、
スレの趣旨にあっているかはわからんなぁ

むしろ戦隊モノっぽいような

368 :名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 02:46:06 ID:1pXGxT7K
>>364
あなたの書こうとしてるものは確実にスレ違いです
迷える子羊をどなたか誘導して差し上げて

369 :名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 05:14:56 ID:W6hI1VcD
どうしよう書いちゃった・・・(´;ω;`)スレ違なら投稿しないでおきます。
ちなみに>>364は僕じゃないよ。

370 :名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 06:10:01 ID:vtzzKjnS
落としてみるがよろし


371 :名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 11:08:11 ID:jdSNPzs6
んだんだ

372 :名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 12:34:31 ID:koCvs78W
ライブオン、ゲーム外でもカード使えば変身できるのがいいな

373 :名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 15:58:07 ID:ZZ791Zru
>>369 マダー?

374 :名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 00:10:41 ID:Rsk3uk6N
とりあえず落としてみてから判断したら?


375 :名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 03:18:51 ID:n2L5bnZU
ここは投下してから判断するインターネッツですよ

376 :名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 08:47:04 ID:hGNfYwtF
餌をみた鯉のような住人ですね

無論私もw

377 :名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 11:27:19 ID:WvRGpzN9
性転換要素はやっぱりスレチガイだろうか
ショタ男→人外の人型女戦士というのを今書いてるんだけども

378 :名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 13:02:26 ID:MGds5KI1
スレ違いかどうかは判らないが、その内容には興味ある

379 :名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 19:45:10 ID:bByxGyrJ
かまわん、やれ!

380 :名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 21:41:10 ID:iINo32iX
おまいらなんでもいいんだな

381 :名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 23:42:33 ID:4URUacNm
>>377
TS(性転換)自体は含まれててもOKだと思う、注意書きありなら尚更。
そういう要素のある作品数本上がってるし。

382 :名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 09:21:48 ID:Cb4t/Atl
悪堕ちスレにいったか?

383 :名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 17:34:29 ID:b37atFn/
いえ、まだどこにも落としてないです。今手直し中ですので。
しかし変身後の人外要素が薄いので、別スレ向きかなと思案中です

384 :名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 17:50:12 ID:Cb4t/Atl
もし別スレいきなら告知ヨロ。

385 :名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 20:11:01 ID:b37atFn/
一応こちらに落としてみます。性転換注意です(少年→天使というか戦乙女?)
NGは「湖畔の守護者」でお願いします

386 :名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 20:12:23 ID:b37atFn/

 その街は、湖の畔にあった。
 規模こそあまり大きくないものの、肥沃な土地のおかげで作物は実りやすく、
また王の都へ向かう街道の宿場としても良い位置にあり、国すべてを見渡しても
なかなかに豊かな街であった。
 しかし、その街は同時に、人ならざる魔性の者たちが引き寄せられる街でもあった。
 湖が魔の力を帯びており、それに惹かれるのではと噂されていたが、真偽のほどは分からなかった。
 歴代の領主は騎士団を増強し、民衆からも兵を募るなどするものの、度重なる魔物の襲撃に頭を痛めていた。

 そんな時、北からやってきたという一人の旅人が領主にこう言ったのだ。
 ここに住まう事を許していただければ、魔物から街を守りましょうと。
 領主と旅人は契約し、それ以来、魔物は姿をみせなくなった。


 「ボルスト湖の旅人の伝説」より

387 :湖畔の守護者:2008/10/18(土) 20:14:29 ID:b37atFn/

 少年はいつものように、書物に囲まれながら、一冊の本を開いていた。
 年季の入った本棚が壁を覆い、革表紙の厚い書物がぎっしりと並べられている。
 天井から吊り下げられた、電球タイプのシャンデリアが、部屋全体を黄白色に
染めていた。

 ぺら、とページをめくる音が、書斎の空気に溶けていった。シャンデリアの
明かりだけでは文字を追うには少々足りないが、机の上の読書灯がしっかりと
照らしてくれるので、さほど問題はなかった。
 
 突然響く、ノックの音。少年は本から顔をあげ、どうぞ、と声を上げた。

 「やはり、こちらでしたか」

 これまたアンティークな雰囲気の扉を開けて、純白のドレスを纏った一人の少女が姿を見せた。
 色白の肌に、美しい金糸の長髪。十代半ばといった雰囲気には少々不釣合いな、しっかりと存在を
主張する胸。そして──背中から生えた、純白の一対の羽。人のものとは思えないような美しい造詣の
顔立ちと相まって、伝説にある天使のようだった。

 「どうしたの?」

 問いかける少年は、机の前に立つ天使の少女よりさらに若い。ようやく二桁に届いたかのような
幼い顔立ちに、少女ほどではないがやはり白い肌。対照的な真っ黒いローブを纏い、魔法使いという
言葉が似合うような雰囲気だった。

 「…現れました」
 
 はあ、と少年はため息をつく。

 「今夜は、ゆっくり過ごせるかと思ったんだけど」

 ぱたりと本を閉じて、席を立つ。

 「今日は、シーナだったね」
 「はい、私です。<融合>を済ませてから行きますか?」
 「その方がいいかな。人に見せるものでもないしね」
 「エリウス様の仰せのままに」

 少女──シーナが一礼する。少年──エリウスは彼女の前に立つと、二人は向かい合う。

 すると突然、二人を中心に風が吹き始めた。

388 :湖畔の守護者:2008/10/18(土) 20:16:35 ID:b37atFn/

 閉じた本の表紙が開き、ぱらぱらとページがめくれる。エリウスのローブとシーナのドレスがばさばさとはためく。
 二人は気にもせず、軽く目をつぶったまま、エリウスが口を開いた。

 「盟約を基に乞う、魂ひとつになりて、我に力を貸さん」

 歌うような、独特の符丁。最早使うものも無くて久しい、古の言葉。

 シーナが右手を、彼に差し出す。エリウスはその手を取ると、甲に軽く口付けを落とした。

 迸る閃光。

 直視も難しい、眩い光にシーナが包まれて。そのまま一歩、また一歩とエリウスに近づく。そして未だに目を開かない彼を、
ぎゅっと抱きしめる。
 先ほどとは比較にならない光が溢れ、爆発する。次の瞬間には風がやみ、書斎は元の薄暗さを取り戻した。

 そして、あの風の中心にいた二人は、エリウス一人になっていた。着ていたローブは光に溶けてしまったのか、肉付きの
薄い裸身を露にして、肩で息をしながら立ち尽くしていた。
 思春期直前の、ほっそりとした体つき。体毛もほとんど生えておらず、肌は男女の性差をそれほど意識させない。
しかし下腹部の彼自身は、歳相応とはとても呼べないほどに大きくいきり立ち、顔つきとのギャップを感じさせた。

 「う、うああ…」

 顔を歪めて、肩を握り潰さんばかりで抱くエリウス。体の中で何かが燃えているような熱さが、全身に広がっていく。
彼はこれが自身の魂がシーナのそれとひとつになり、作り変えられていく熱さだと知っている。

 「かはああっ、くう」

 怒張した男根がわずかに震えると、白濁液を放出しはじめた。数度の放出でも収まることはなく、びくびくと蠢きながら、
尽きることなく湧き出していく。それは自身から睾丸を伝い、真紅のカーペットに落ちてゆく。

 「あがああああっ!」

 突如襲った甘い痺れ。ついに耐え切れなくなった彼は、床に膝をつくと、体を弓なりに反らして震えさせた。本格的な
変身、いや<融合>が始まったことを知る。

389 :湖畔の守護者:2008/10/18(土) 20:18:50 ID:b37atFn/
 ぶら下がる睾丸の付け根がざわざわと波打つと、周囲の皮膚が、その下の肉が蠢いて形を変えていく。うっすらと窪みが
出来上がると、それは深くなり、隙間へと変化していく。

 「はあっ!んああああっ!」

 低めのエリウスの嬌声は、少し高くなる。色素の薄いプラチナ・ブロンドの髪がざわめくと、僅かにボリュームを増していく。
歪んだ表情はすでに、苦痛以外の色で染まっていた。

 「ひぁ、あ、ああ、あああ…」

 目じりに浮かんだ歓喜の涙が、頬を滑り落ちていく。すっかり成長した股間の「隙間」は妖しく震えると、睾丸の片方を
吸い込むようにして飲み込み始めた。性器を歪にゆがめられていく痛みと、それを上回る快楽に、エリウスはさらに
高くなった声を上げた。

 「あつ、い、いい!くはあっ!」

 片方は完全に飲み込まれ、もう片方も半分以上が埋没している。やがてそれも完全に埋まってしまうと同時に、男根がまるで
それを祝うかのように盛大に精を吐き出した。
 睾丸を飲み込んだ「隙間」はひくひくと震え、白に薄く色づいた液を滴らせる。体の中に飲み込まれた睾丸が、左右に分かれて
移動しながら、少年、いや男性にはありえない器官へと形を変えていくのをエリウスは感じた。

 「ひき、かあ、ひゃ、あっ」

 すっかり、少女のものと化した喘ぎ。肩幅が少し広がって、腰周りが質量を増していく。髪はすでに肩までになり、色が明るさを
増していった。
 
 肉棒が急速に縮み始めると、両脚の変化が始まった。凶悪さを失いながら、歳相応のものへ、さらにその下になっていくのと対照的に、
肉付きの薄かった太腿が太りはじめ、成長していく。足がすらりと伸びていき、それに合わせるように、上体も伸び始めた。

 「うあ、はあ、ああん!」

 男根はもう小指の先程にまでになり、精を吐き出すこともできなくなっていた。そのまま隙間へ飲み込まれると、陰核に成り果てる。

 その周囲が再び蠢いて──

 少女の秘裂が、完成した。

390 :湖畔の守護者:2008/10/18(土) 20:20:18 ID:b37atFn/
 少年から少女へ。思考、理性、記憶、魂そのものが混ざり合い、溶け合う。そして、エリウスでもシーナでもない、全く新しい人格が形作られる。
 二人の中に内包されていた魔力が漏れ、再び旋風が生まれた。彼、いや、彼女を中心に渦巻くそれは先程よりも威力を増し、書斎を倒壊させるほどに
なっていたが、どういう原理なのか、それは彼女の周囲にのみ限定され、机の上の手紙などが吹き飛ばされることはなかった。

 強大なその力は、それを行使しやすいように、彼女の体をさらに適した形へと作り変えていく。

 「んぁ!ひう、ひゃあああっ!」

 薄い胸板が少しづつ盛り上がり、膨らみを形作りはじめた。その先端も少年のものから少女のものへ、そして大人の女性のものへと膨らんでいく。
頭髪はゆるやかなウェーブを描き、腰に届く直前で止まる。色が明るさを増し、シーナのような美しいブロンドに染まる。
 腰が引き締まり、くびれとなって現れると、臀部の肉付きが増し始めた。繊手の指も伸び、女性的な細さを匂わせる。幼い顔つきは、その中性な印象を
上塗りしながら、整った女の顔に変わっていく。見開かれた濃緑の瞳は、わずかな間に底の見えない澄んだ青に変わった。

 少し前まで、思春期前の男の子だったと誰が信じられるだろう。彼の外見はすっかり、10代後半の女性へと変わり果てていた。
 それでもなお、変化は止まらない。

 「ひぃ、ひぁ、はぅ、んひ、くは」

 両足はすっかり伸びて、細くも力強い、相反する雰囲気を纏っていた。太腿は魅惑的な柔らかさを持ち、ようやく変化が止まる。未だ尻の柔肉は成長を
止めず、さらに豊かになっていく。それは胸も変わらず、すでに彼女の両手では納まりきらないほどに溢れながらも、垂れ下がることはなく、ますます
瑞々しく成長していく。男の象徴はすっかり女の象徴に成り代わっていたが、花開くことはなく幼く閉じられたまま、彼女が変身の快感に喘ぐたび、
秘蜜を吐き出していた。

 腰周りは美しい凹のラインを描き、神が手がけた彫刻のような神々しささえ漂う。両耳は先端がわずかに尖り、人ならざるものへ変わり果てつつある
ことを物語る。

391 :名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 20:24:22 ID:b37atFn/
 「はぁ、ああ、ぼ、ぼく、は…」

 突如声が、エリウスのものに戻った。麗しい大人の女になったその顔は、体が変容する、常人ではとっくに
崩壊しているほどの凄まじい快楽に悦び、溶けきっていた。

 「わ、わたぁ、しぃ、は、ぁ…」

 次に口から漏れたのは、熱に浮かされたようなシーナの声。溶け残った二人の人格が入れ替わりながら、
完全に境目を無くして行く。

 背中の一部、腕の付け根あたりの白い肌の下で何かが生まれた。それはもぞもぞと蠢きながら、背中を
破らん勢いで盛り上がっていく。耐え切れなくなりつつある肌が異様なほどに張り詰め、すこし裂けた。

 しかし鮮血が溢れ出ることはなく、代わりに姿を覗かせたのは、純白の羽根。体の内側から出てきたにも
関わらず、一片も赤に染まっていない、シーナのもののような羽根。

 「「あああああああああああああ!」

 両の二の腕をきつく抱いて、背中を弓そらせる。二人の声が同時に吐き出されながら混じり合い、ハスキーな
印象の女性の叫びとなる。二人が完全に融合を終えた瞬間だった。背中の裂け目は広がっていき、大きな羽が
一対、ばさりと勢いをつけて広がった。

 そこで魔力の風はやみ、書斎に再び静けさが戻った。風の中心には、エリウスでもシーナでもない、別の存在が
膝をつき、深く息を吐いていた。

 緩やかに流れる髪は、人のものとは思えないほどに綺麗な金色で。女性的な曲線を豊かに描くその裸身は
成熟した若さと神聖さに溢れ。

 人間味を感じられない、恐ろしい程に整った顔は上気し、背中を破った白翼の幅は、長身な彼女の身長をも
超えるほどに大きい。

 「ふぅ…」

 息を吐いて立ち上がった彼女は、軽く背伸びをしたあとに、何事かを呟いた。それは人間には理解できない、
天に住まう者たちのものだった。

392 :湖畔の守護者:2008/10/18(土) 20:26:59 ID:b37atFn/
 「くぁぁ…」

 力の奔流が、彼女を包む。強大な力を帯びて性質が変わり、絨毯に染み込まないまま足元に広がっていた、
粘ついた白濁の水溜り──彼と彼女が散々放出したものだ──が震えると、まるで意思をもったかのように
白い素足に纏わりつき、登っていく。指先から膝へ、無毛の秘所へ、ふくよかな尻へ、腰へ、胸へ、腕へ。要所を
覆いながら取り付くと、姿を変えていく。

 「完了、か」

 わずかな時間で、彼女の言葉通り、全ては終わった。
足先と脛は鎧のようなもので覆われ、脛の半ばまである長めのスカートがはためいた。臍から胸はプレートに守られ、
豊かな双丘を覆い隠す。手袋の上に篭手のようなものをつけている。その手にはいつの間にか、彼女の身長と
同じくらいの大剣が握られていた。そのすべてが純白と純銀を基調に彩られ、それはまるで天より舞い降りた天使、
いや──

 「行くか。封印されし戦乙女の力、たっぷり刻み付けてやる」

 机の後ろ、両開きの窓が、見えない力で押し開けられた。背中の羽を羽ばたかせると、彼女──戦乙女はふわりと宙に浮く。

 「赤い月か。奴らにうってつけだな」

 呟きを残して、夜の闇を白銀の一閃が飛び去った。ふわりと舞う一枚の羽根。
 それは不気味に紅い月に照らされてなお、白く輝いていた。








 遥か昔、この地を訪れた旅人は、3人の僕を従えて、安住の地とする代わりに、人に仇なす魔性のものを切り捨てる。

 領主は市長に、共に戦う騎士は警察や州兵に変わった現代でも、契約に基づき、街を守っているという。



393 :名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 20:30:25 ID:b37atFn/
終わりました。いろいろな意味で\(^o^)/オワタ
中二病丸出しで、いろいろ切り捨て過ぎて分かりづらくてすいません。
しかもぜんぜん異形じゃないですし…時々題名入れ忘れましたし。
スレ違いのようでしたら謝罪します。すみません。

394 :名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 20:59:31 ID:96+46Fhd
TS、若返り成長スレの住人でもある俺には何の問題ない。

GJ!

次はNTRもまぜてください。

395 :名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 21:01:35 ID:Cb4t/Atl
続きが気になるぞい!

396 :名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 10:53:32 ID:/fudhpVP
ふぅ・・・

397 :名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 18:54:40 ID:sd5xV8MZ
まぁ・・・

398 :名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 12:59:33 ID:7YqAmnQH
はん………♪

399 :名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 20:05:33 ID:+y0iodXh
アッー!!

400 :名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 12:12:44 ID:uhc/Gtar
>>393
GJ!丁寧な視覚的描写でかなりイメージしやすかった。あんまり濃すぎなくて読みやすいし。
神格化も確かに人外化だなぁ。面白かった。

401 :名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 20:19:32 ID:VUW9WkF2
保守

402 :名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 20:38:23 ID:7/Dc40aH
>>393
面白かったのでそれでいい

403 :名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 16:36:32 ID:uY/OqW38
過疎

404 :名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:40:39 ID:TW4xarnh
いつものことさ〜♪

405 :名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 22:15:10 ID:glDYAJkV
過疎〜 ライバルの連載してるきつねの嫁入りってマンガが設定気に入ってたり

406 :名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 23:34:27 ID:csqE0MC3
ここって変化のみはNGなのかね

407 :名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 23:35:50 ID:XcF+qGFG
H抜きってことか?全然おkじゃね?

408 :名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 12:26:50 ID:3WH+jn2F
ただ、ネタが秀逸・ツボであるほど
変身後のストーリーを聞きたくなる罠。
つまり
ツヅキマダー?
である。

409 :名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 07:26:14 ID:lrd2Lvyk
保守

410 :名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 01:32:52 ID:Me89SItE
マリベルがくさったしたいに転職して3日が経った。
まるで資格ゲッターのごとくモンスター職を極める彼女にとっては
モンスター職の職歴はコレクションのようなものだった。
しかしくさったしたいだけは別だったようだ。
まず転職したその日の夜に身体から今まで嗅いだことのないような
異臭がするようになった。
風呂に入ってもすぐに臭いは復活してしまう。
これは問題だと次の日ダーマ神殿に行きすぐに転職したいと申し出たが、
どうやら今回使ったくさったしたいの心は呪われており、
すぐには転職できないらしい。しかも呪われている心は非常に私怨が強く、
使用者の身体にも影響を与えるとのこと。マリベルは怒り狂ったが、
どうにもできない事実を知らされ、その場で泣き崩れた。
マリベルの身体は徐々に変色し始め、白い健康的な肌は少しずつ灰色がかってきた。
身体の腐敗を止めるすべはなく、ただその変化に身を任せるしかない。
3日目を迎え、マリベルの腐敗はさらにひどくなった。
身体から発する異臭はもはや激臭であり、
他のメンバーも近くに来てくれなくなってしまった。
皮膚は灰色に変色し、紫色の血管が身体中に浮き出ている。
顔の筋肉も弛緩しているため、表情を作ることができず、
口を閉じることができない。口の端からは絶えず唾液を垂れ流してしまう。
頭の周りにはつねに蝿が飛び回り、最初は気にしていたが、
今となってはまったく気にならなくなってしまった。
このまま私はどうなってしまうのかしらなどと考えながら、
マリベルははるか先を行くパーティーの背中を見つめていた。

411 :名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 02:17:59 ID:EhNSI45I
ワンレスで終わりかな?変身後の悲惨さがいいね、GJ!!

ドラクエかぁ。魔物の心のドロップ率がもう少し高ければもっと良かったと思うんだ。
確かマスターするとグラフィックがそのモンスターになるんだよね。
モンスター職かつ転職出来ない、という要素で、
戦わないといけないのだけれど、戦えば戦うことに職を極め、人間らしさを失っていく、
なんていう設定が思いついた。

412 :名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 02:46:21 ID:GxSL+ln0
マリベル「かゆ・・・うま・・・。」

413 :名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 05:18:56 ID:Me89SItE
「マリベル、あのさ、言いづらいんだけど、このままじゃ、その、なんていうか・・」
パーティーを代表して主人公がマリベルに戦力外通告を告げようとしている。
もう今となっては怒る気力もない。
「い、イイわ、、こっチかラぬ、ぬけて、アげル・・」
わざと意気がって言った台詞だったが前のようにうまくしゃべれず、
パーティーは憐れむような目でマリベルを見た。
「ごめん・・」
そう言い残して主人公達は去って行った。いいわ。許してあげる。
私だってあんたの立場だったら、迷わずその場に置いて行くし。
それにこれ以上こんな姿、見られたくないしね・・。
マリベルは涙が出そうになるのを必死にこらえたが、
一粒の涙が感情を決壊させてしまった。
でも、これってひどいよ。私の辛さもわかってよ!好きでなったわけじゃないのに。
みんなと楽しく旅したかっただけなのに・・。
このままじゃ家にだって帰れないじゃん・・!
もう、人間には戻れない・・。もう・・このまま・・。
マリベルは道の真ん中でむせび泣いた。
この・・まま・・。
泣き疲れ、マリベルはその場で眠ってしまった。



ぐぎゅるぎゅる。

お腹空いた。そういえば私、何も食べてない。死んでもお腹空くなんて、変ね。
あれ、なんかおいしそうな匂い、こノにおイ、おいしソう・・。
ふいに鼻をついた匂いが、マリベルの頭を支配した。
コッちカらすル・・たべたイ、こレ、タべたイ!
マリベルは無意識のうちに音を立てないよう匂いのする方に
四つん這いで駆け寄っていた。
森を抜け、100メートル程先の泉に、一人の女性がいた。
あれダ!アのニンゲン!
マリベルの口から生温かいよだれがだらだらと滝のように流れ出す。
目がギラギラと輝き、身体は獲物を見つけた喜びで力が満ち溢れてくるようだ。
音を立てないよう、女性の背後に少しずつ回り込む。ゆっくり、ゆっくり・・。
いまダ
マリベルは一瞬のうちにじょせいの背中に飛び付いた。

414 :名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 05:35:15 ID:Me89SItE
続き書こうと思ったけどもう無理だ・・。ごめんなさい

415 :名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 08:17:29 ID:SYznt1RU
いやいや、短いながらも中々の冴えでした。GJ.

416 :名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 22:31:37 ID:JSpzAI1N
堕ちっぷりがなかなか……
ギガミュータントとか魔人ぶどぅとかぶよぶよ醜いモンスターでもありだな

417 :名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 23:50:56 ID:qkyqp4mD
>>414
たつんだ、ジョー!
凄絶なオチをどうか頼む!

418 :名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 03:32:53 ID:1hqYXOcq
>>355の自分が帰ってきました。プロローグだけ書けたのでウプします。このスレの需要に
合わせて変身シーンを入れてみましたが、この後しばらくは無いかもですm(_ _)m

――「序章」――

 人間達が平和に暮らす世界の裏。誰もが気付かなぬ場所で、彼らが記憶し得るよりも遥か以前の
昔から、別の世界が動いていた。陽の光が決して届く事の無い闇の世界。辺り一面が闇に包まれた
漆黒の世界。この地に陽が登ることは無い。それはこの地に棲まう者誰もが記憶に留めている限り
の大昔からそうだった。一説にそれは、背いた魔軍達を追放した神が彼らに与えた罰の一つである
とも言われていたが、異世界の住人にとってそんな事はどうでも良かった。この地に人間なる者は
いない。人ならざる者―――魑魅魍魎達の跋扈する世界。人間がこの地へ出向く事は無くとも、そ
の逆は昔から行われていた。彼らは時に、出現した地域と時代に拠って時に悪魔として恐れ、時に
幻獣として、時に妖怪として―――世界の各地で語り継がれてきた。

 ある者は彼らを仇なす存在として恐れ、陰陽道や魔女狩り等の手段を用い、古来より東西各地で
駆除を行った。また、ある者はそれを戯言だと笑い一笑に吹かした。そしてまたある者は彼らを神
格化し、崇拝の対象としたりもした。しかし人類の歴史で「産業革命」と呼ばれる時期を境に彼ら
の実在を信じる者は次第に減っていった。しかし人間の崇拝対象が、霊物から科学へと移行した今
もなお、「人ならざる彼ら」は時に人の形を取り、人間の日常へと紛れながら、昔と変わる事無く
この世へと渡り歩いていた。そんな中、未知なる異界と人間界との交わりが、双方の世界に棲まう
誰もが予想だにしない場所で、密かに起きようとしていた。

――そんな二つの世界の交わりを描いた物語――

 どこまでも広がる闇夜という余りにも漠然とした世界に、見渡す限りの広大な大地が広がる。どこ
までも広がるブナやオークの原生林を進んでいくと、ようやく開けた地が現れる。その地には剣や盾
を持った無数の骸骨達が散らばっていた。どれも頭蓋や肋骨を粉々に砕かれており、その中で完全な
姿を留めている者は無かった。その様子は禿鷹が兵士達の死肉を啄ばんだ後の戦場跡とでも言うに相
応しかった。その遥か上空には、まるで中世の城塞都市を髣髴とさせる建造物が、それが立つ周りの
土地ごと地面から切り離された様な形で空中に浮遊していた。その中で、一つの重大な儀式が行われ
ようとしていた。


419 :名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 03:44:32 ID:1hqYXOcq
 
 神殿の外側へとせり出した縁からは、暗くも晴れ渡った闇夜と下界を一望できた。頭上に広がる漆黒の
闇には満天の星が散りばめられていたが、これは夜でも無ければ昼でも無い。常に陽の昇らぬこの地に昼
と夜の概念は無かった。とそこへ、空気の振動と共に鳴り響く、重く低い振動音が静寂を壊した。不気味
な羽音を立てながら舞い降りたのは、象ほどの大きさはある巨大な蝿だった。
 翡翠を灯す複眼、細長く毛の生えた三対の脚は腕の様に組まれ、黒光りする甲殻に包まれ、空中で煽動
する一対の羽には髑髏が浮かび上がっていた。見る者に怖気を誘うその異形は神殿の縁へと静かに足をつ
けた。降り立った大重量に反して小さな振動が沸き起こると、その巨大な蟲の輪郭が崩れ無数の小さな蝿
の大群となった。蝿の大群は神殿の迫り出した空間に群がり黒い柱を作る。それは見る間に人の輪郭を形
作り、一瞬にして女性の形を作ると残った蝿達は風に吹かれた砂塵の様にしていなくなった。蝿の降り立
ったその場所にはスーツとスカートに身を包み、首には蝿の群と同じ漆黒のスカーフを巻き、プラチナの
混じった淡い金髪、透き通るような翠眼を持った、妙齢の美女が現れた。前の異形とは対照的な、抜群の
容姿と美貌を持つその美女の白く細長い左脚の太腿には奇怪な黒い紋様が入れられていた。蝿の群が去っ
ていった後で女は待っていた先客へ口を開いた。

「不在がちなあなたが自ら魔王宮に出向くとは・・・奇妙な事もあるものだねぇ。」

 妙な抑揚の効いた女の声が静寂を破った。女性が声をかけた方角にはダークスーツに身を包み、プラチナ
ブロンドの髪をした長身の男が、闇夜を見渡す神殿の縁に屹立していた。着崩した群青のシャツの肌蹴た胸
元の右側にはやはり、刺青された黒い紋様が浮かび上がった。口元に浮かべた凄みの効いた笑みや、鋭過ぎ
る視線はこの男に只者ならぬ風格を与えていた。何よりも不思議な事に、皺一つ無いこの男のスーツは綺麗
なまでに乾いていたが、まるで今まで海に潜っていたかの様に全身から強い海水の匂いが漂っていた。皮肉
が入り混じった女の声に、グラサンの男はふんと鼻を鳴らし、どこからかタバコを取り出すと、低く太い声
で苦笑しながら女の声に答えた。

「久々に、我らが盟主様直々のご命令が下った。たまには我らが盟主にごまをすらねば、『七つの大罪
(セヴン・デッドリー・スィンズ)』としての地位も危うくなるからもしれんからな。会合が近いという
のに、貴様こそ何をしていた。」

 言い終えると男は持っていたタバコを口に咥える。それと同時に、ライターも使わずそれは不気味な
深い蒼色の火を灯した。闇夜に揺らめく炎は深い蒼色をしている。その不気味な色は暗く冷たい深海か
何かを彷彿とさせた。一息吸うと、男は吐いた。潮の香りと混じった煙の匂いが漂う。

420 :名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 03:50:11 ID:1hqYXOcq
「他の連中を呼びにやったのだけれど。他の任務に精を出してる熱心な仕事馬鹿と、相も変わらず
実験室に籠もってばかりの研究に命かけてる奴との二人は来ないみたいだねぇ。」

男の問いに女は応えた。

「ふん。お堅い生真面目主義者と、頭がいいだけの変わり者とがか。まあ良い、いずれにしても
七柱全員が揃っての活動などここ数百年無い事だからな。七大魔王が揃わぬとて、会議に不備が
生じるという訳でもあるまい。とにかく、揃ってる連中だけで事を片付けるとするか・・・」

 男は誰にともなく呟く。傍らに佇む美女は、それまで指を伸ばしたまま組んでいた腕を解くと、
左手で金髪を掻きあげた。しなやかな細い指が女性の金髪の髪に沈むと、それは幾筋もの細い流
れを作った。

「そうね、始めましょう。」

 星の散りばめられた静粛な夜空を一瞥すると女は闇夜に背を向け、神殿の内部へと踵を返すと、
緩慢な、しかし屹然とした足取りで神殿の奥に向かう通路へと消えていった。苦笑する様に銀髪
の男は肩をすくめると、咥えていたタバコを指で挟み、下へと放り投げた。それは燃え尽きた花
火の様に、幾つもの蒼い火粉となりながら、吸い込まれる様にして闇へと消えていった。男はそ
の方向に視線を落ろし、闇の奥底に散らばる白骨群を一瞬満足げに鑑賞すると、女が消えていっ
た神殿の内部へと続いた。


静かな神殿の内部に二人の足取りだけが響く。漆黒の水晶の様な床にその姿を正反対に写し出さ
れながら、異様な雰囲気を放つ二人は、神殿深部の一室へと向かっていった。

静かな夜―――ならざる、魔界の一時であった。



To be continued...?

421 :名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 03:55:33 ID:1hqYXOcq
プロローグ以上です。良く見たら誤字脱字や文法的におかしい所がありますね。
恐縮ですがそこは脳内変換して読んで下さい。

酷い文章で恥ずかしいですが、試験的にここまで書きました。今のところ世界各地
の神話・伝説に出てくる悪魔や精霊、妖怪、幻獣やUMAなどのモンスターを登場させ
る予定。『七つの大罪』以外のモンスターでは他に死神、メドゥーサ、ミイラ女、
ヒドラ、ケルベロス、ドッペルゲンガーなどが・・・登場予定だったけど続けていく
自信がないorz もし書き続けるとしたら、世界観がシャナでキャラがロザバンみた
いな感じのお話になると思います。シャナ読んだ事ある人は見覚えある表現とかあるかも;

422 :名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 04:23:33 ID:KrIeSDH9
>>413の続き
やめるとか言ってこうして続けたりするのよくないと思うけど、
すみません書けるとこまで書いてしまいました


マリベルと別れて一ヶ月が経った。
旅を続けていた主人公一行であったが、
やはり完全にマリベルのことを忘れることはできなかった。
仕方なくマリベルと別れた場所の最寄りの町までルーラで戻ってみると、
そこはまるでひと気の無い廃墟の町と化していた。
村には魔物が溢れかえり、旅で鍛えた主人公達も苦戦するほどの強力な魔物ばかり。
町の中央には以前無かったはずの穴が開いており、中は深い洞窟になっていた。
暗闇を進むにつれ、闇の気配が強くなっていく。
それと共に、思わず鼻を覆いたくなる程の、強力な異臭が強くなっていく。
辿りついた最奥部は広い空間になっており、中央に玉座のようなものが。
そしてその玉座に座る者こそ・・。

「遅かったじゃないの」
よく通る声。昔よく聞いた声。懐かしい声。でも、全く違う声・・。
主人公は目の前にバッとたいまつをかざした。そこにいたのは、
「マリベル・・」
「おかえり」

423 :名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 04:25:48 ID:KrIeSDH9
ゾンビになったはずのマリベルは、人間に戻っていた。
しかし以前とは違う。「女の子」だったマリベルは、
成熟した「女性」に生まれ変わっていたのだ。
黒いローブを纏った体つきはしなやかな曲線を描き、
長く伸びた足がスリットから覗く。
しなやかな指先には黒いマニキュアと装飾が施され、
化粧もそれに合わせたようにローズレッドの口紅と
濃いグレーのアイシャドウで彩られている。
以前の子供っぽさを残した顔立ちは、すっかり面影を無くし、
シャープな輪郭に高く整った鼻筋に。
ウエーブがかったオレンジ色の髪は腰のあたりまで伸びて、より魅力的に見える。
怪しく潤んだエメラルドグリーンの瞳が、主人公達を真っすぐ見つめていた。
「待ってたの。この日が来るのを」
マリベルは主人公の顎を指でそっとなぞる。
主人公はマリベルの手を振り払い、
「お前は、マリベルじゃない!」
「ふふっ、そうね。私はすっかり生まれ変わってしまった。
アルス(主人公の名前ってことで)が私を取り残してから」
「・・それは・・」
「苦労したわぁー。ゾンビになっちゃって。あのあとどうしたと思う?」
「・・まさか・・」
「そう!食べたの。この町の人ぜーんぶ!女も老人も、犬も、子供もね。
特に子供はとってもおいしいの!柔らかくて、甘くて・・」
「やめろ!」
「あら怒った?でも私、そのお陰でこうやって人間に戻れたのよ?
町の人を食べるとどんどん生き返るの。そして魔物達も私を怖れるようになって、
気がついたら、ほら、こんなこともできるようになっちゃった。ん!ああああ!」
マリベルの背中から黒くグロテスクな塊がグチャグチャと音を立てて隆起し始めた。

424 :名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 04:27:53 ID:KrIeSDH9
「くっ!・・ああ・・ん!あはあああん!」
いやらしく嬌声を上げ、大きく身体を震わせると共に、
マリベルの背中に巨大な黒い羽が姿を現す。
「はぁはぁ・・ほらね!すごいでしょ?私もう人間の存在すら越えちゃったのよ!
あっあっあ・・・ちかラがあふレてくル・・!
もうがマンできなイ!アルス!アルスがほしィ!アルス!」

マリベルは両手でアルスを引き寄せ思いっきり口づけした。

「うっ!くっ!」
アルスは突然のことですくみがってしまい動けない。
マリベルの柔らかい唇からぬるりと舌が入り込んでくる。
美しい外見とは裏腹に、マリベルの口からはとんでもない腐臭が漂い、
アルスの口内を満たした。
マリベルの舌はまるで別の生物のようにアルスの口の中をビチビチと跳ね回り、
一瞬にして全てを犯し尽くした。
「うっ・・ぉえぇ!」
「あるふぅ・・ずちゅ・・ぬちゅ・・あふん・・」
マリベルの舌は人間の三倍ほど長くなり、表面に凹凸がついたものに変化していた。
アルスは鳴咽を漏らしながら必死に堪える。
「アルス殿!おのれ化け物!」
「やめろ!アルスを離せ!」
今まで空気だった仲間二人も我に返り攻撃しようとするが、
マリベルの目が怪しく光り、二人は深い眠りに落ちてしまった。
「これで邪魔モノはいなくなったわ」

425 :名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 09:52:03 ID:mfTwR6HL
キター!

426 :名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 00:22:55 ID:B867h4Ri
アラクネって何かエロいよね

427 :名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 00:56:14 ID:RiOtxdGu
>>421
いいよ、いいよ

428 :名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 07:54:19 ID:tAvRI+Pc
>>424
そのまま最後まで書いてくれ!

429 :名無しさん@ピンキー:2008/11/19(水) 19:42:31 ID:ylzx4PM2
>>426
まず名前がエロいよな

430 :名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 01:39:33 ID:1R4gkK3/
そしてあの下半身の安定感

431 :名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 15:33:29 ID:kl4bOfBm
>>今まで空気だった
この一文で笑った俺は何かに毒されてるなorz

432 :名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 00:59:22 ID:Su3Zpw+K
>>355ですが、>>418>>421に登場したベルゼブブ(美女→蝿)とリヴァイアサン(銀髪男→海龍)
以外の残りの七魔王もこのスレの需要に合わせて人間から別の人間態に化けるのではなく、人間態
から人外の異形に化けるタイプへと変更しました。ただ、いじり過ぎると訳が分からなくなる為、
出来るだけ異形態はキリスト教伝承で伝えられる形と近いものにするつもりです。
 それと七つの大罪の悪魔は基本的に男性なので、もしかしたら既に登場済みのベルゼブブ以外は
男性キャラになってしまうかも(´;ω;`) それだとスレの需要を満たせないという様な場合
には他の登場モンスター(スキュラ、ケルベロスなど)を女性キャラとして登場させる予定です。

433 :名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 12:24:13 ID:Lgpd7lyw
うん楽しみにしてるよ

434 :名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 16:54:01 ID:53nPD7kw
>>431
実は空気にTFw

435 :名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 07:55:30 ID:jdbYt+dr
>>432
楽しみにしています。ついでに富士見ファンタジアだったかで美少女が七魔王に変身するラノベが刊行されていた筈です(余談ですけど)。

436 :名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 23:15:02 ID:THy+yOta
幼馴染の可愛い彼女を連れて出かけてた男がいたんだけど、ある日出かけた先で現れた魔道師が彼女に
呪いをかけて彼女は白馬にされちゃう。魔道師を倒し、彼女を元の姿に戻すために男は白馬と化した
彼女にまたがり、魔道師討滅の旅に出るお話も考えたけど、書くの止めた。

437 :名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 23:57:31 ID:gnL/cta2
空と大地と

438 :名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 00:16:00 ID:XXyQtfSa
>>436
ちょww
そこまで書いといて…。

439 :名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 13:19:09 ID:E07rODgX
通りすがりの獣医に腕をアナルに突っ込まれたり、
通りすがりの歌舞伎者に乗りこなされそうになって暴れたり、
抵抗虚しく乗りこなされて寝取られ気分になったりしそうですな。

440 :名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 22:34:46 ID:XhCGfWnE
昔の何かの少年誌の読み切りで
結婚式前に暴れ牛を退治したら嫁さんが呪われて牛になっちゃって
元に戻すために旅をする、って作品があったような

なんか凄くムラムラしたんだが結局買い損ねてしまった
あと嫁のミルクを搾るって考えると凄くエロい気が

441 :名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 23:04:25 ID:/4YiTbPJ
このスレだったか?
妻をクマから助けるために妻をクマ化させたが
クマにネトラレるという作品を紹介されたのは?
あの本みつからないんで
誰かリメイク?してSS書いてくれないかのう?

442 :名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 23:42:51 ID:R3RrVcOu
kwsk

443 :名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 07:29:42 ID:M6F+sa6p
フレドリック・ブラウンの未来世界から来た男に収録されてる
熊の可能性 だったかな

だと思う

444 :名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 18:34:49 ID:yYtPlqTS
つうかおいしい設定の本って犬くらいしか知らん…

445 :名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 21:19:02 ID:BvukwkaR
>>441
欲しかったら錦糸町の駅ビルの中にある本屋に売ってたぜ〜

446 :名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 23:01:21 ID:s7abqHF7
>>443
読んでみたが
いかに話を広げるかが問題すぎる
描写も皆無に近いし…

447 :名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 13:28:08 ID:Vc7CTz5V
読んでないから分からんが、リメイクするなら描写は少ないほうが膨らましやすいだろうね。

448 :名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 22:10:07 ID:tDSqUH9i
>>447
変身が瞬間的で時間軸も伸ばしにくい設定なんだ
動物園の熊のオリに妻が落ちた!→得意の呪文でノータイム変身→ズコバコ→すぐ戻して引き上げる
変身シーンもセクロスシーンもどう入れればいいんだ

449 :名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 10:01:05 ID:gk15YRNX
急に戻したら抜けなくなったとかそのまま続行
影響で熊人をみごもるっての

450 :名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 14:00:33 ID:znMlUCQt
変更点としては

変身したら、妻は熊的センスになり
雄熊がかっこよく感じるようになる。

ズコバコシーンをネッチリと。
荒々しい熊セクスに大感動な妻。
それを見る夫の心情も詳しく。

エピローグも詳しく。


などと文才のない者からの提案です。

451 :名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 14:46:51 ID:D9sUDNcS
そこまでいったら獣人スレの方がよくね?

452 :名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 15:35:16 ID:+Umw1/qH
変身シーンがねちっこく書けないと個人的には…

453 :名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 21:53:20 ID:9T4s0e5j
けど、外国の人はこんなもん商業本に収録するから良いよな

454 :名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 23:16:21 ID:IJFaPc9K
ネタや需要はあっても書き手がいない…

新人バーゲンセールでも来ないかね

455 :名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 13:26:10 ID:dBLVxHG7
強い異形態に変身して敵をやっつけちゃう美少女が、ある時変身できなくなっちゃって
敵に襲われながら「助けて!助けて!」って泣き叫ぶシーンがある小説とかもいい^^

456 :名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 16:25:19 ID:FgeDzSD4
???

457 :名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 16:53:55 ID:0IftxQIT
???

458 :名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 08:57:10 ID:UFOWyWSl
んんん?
変身出来なくなった変身ヒーローに糞以上も価値はないよ

459 :名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 09:18:57 ID:BFyekN7W
逆に変身したまま元に戻れなくなって必死になってるのがいいな

460 :名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 09:54:09 ID:93NEcKOv
その昔、宇宙鉄人キョーダインという特撮番組があってのう。
ヒーローは戦闘形態に変身する時と人間の姿になるとき(戦闘形態が本来の姿)に
キョーダイアという鉱物が必要だった。
ある時とてつもなく装甲の固い敵が登場。その装甲より固い物質は地上に
キョーダイアしかない。ヒーローは変身アイテムを鋳つぶして武器を作り…、
人の姿を捨てた。

461 :名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 10:34:35 ID:UFOWyWSl
元が人外なら別にいいんじゃネ? とか思った

462 :名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 11:55:34 ID:k6X6vkxU
えー…

463 :名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 15:34:05 ID:ajKkHpxP
元が人で人外のまま戻れないならアリ

464 :名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 16:07:16 ID:ZEdSl8/9
獣化シーンって書いてみると相当難しいな…
文章ならどうにかなるって思ってたがどうにもならん…

465 :名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 21:53:21 ID:Ef13oN1M
文章ならどうにかなるって言えるくらいのスキルが欲しいぜ

466 :名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 03:55:30 ID:vSD6GFms
>>464
でも獣化シーン自体は、頭の中で映像化出来れば、ある程度パターン化されてる分すぐ慣れるよ。
むしろ大事なのは、変身前後の展開だと思う。如何に変身を生かすか。それが出来たら、きっとすぐ書ける。

467 :名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 17:23:03 ID:uC7Uj440
一つ願いが叶うなら

動物と会話したいと思ってしまう私はこの界隈ではまだまだだなぁ〜

468 :名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 20:45:13 ID:7CVT/e5q
そして願いは叶い、
>>467は動物になって森の中に消えていき
二度とヒトに戻ることはなかった。

469 :名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 20:51:31 ID:nhnQQwqt
なんというハッピーエンド

470 :名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 23:18:08 ID:FT2k13d6
ブラックサイクの特典って蟲化エロ含んでるね

清楚なお嬢様が下劣な化け物になるってやっぱ王道です
けど舌が割れたりとかの化け物化ってエロゲで初めて見た

471 :名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 01:20:23 ID:bNJYPSVG
伸びるときはいきなり伸びるスレだな

472 :名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 01:30:06 ID:epeEfmqL
>>470
kwsk

473 :名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 18:59:32 ID:0s42+y01
お嬢が胸をでかくされて巨根も生やされて淫乱変態女にエロ特化大改造。
「で終わるかな?」ってところで舌が蛇の舌みたいに先われして、
自分のものをしゃぶりまわすみたいな感じで、
テキストでも「人間でなくなりつつある」みたいなことを書かれている。
この一言は良かったけどBOXの特典で20000円します。。。

できればその手前からのエロ改造過程が見たかったな。

474 :名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 22:53:55 ID:bNJYPSVG
>>473
それが特典かよ
本編にしろよ・・・

475 :名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 23:50:58 ID:aBtpUiRn
ttp://www.cyc-soft.com/b-cyc-pro/full_metal_box/box_page02b.htm

これの後の話?

476 :名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 00:23:49 ID:n19YPafJ
テンプレにある産卵はないけど産蟲シーンもある。
最終的にはそのお嬢さま杭打たれて胸が変形して半分腐ったようなクリーチャーになるよ。

477 :名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 14:39:11 ID:d2Xe3xtC
最近やってるガンダムは、GN粒子という不思議エネルギーを扱うガンダムが
紛争の根絶を目標に各国の軍と戦う、というものなのだが、それを見ててふと

謎技術なTF粒子を紛争地帯に撒く>各戦力TF・強制発情
>両陣営が仲良くなる(性的な意味で)
>紛争☆根絶

などというネタを思い付いた俺アホス

478 :名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 16:36:42 ID:qBcvBF6L
ついでに種としての人類も根絶してる気が微妙に…

479 :名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 01:13:03 ID:OIsIUtAg
>>478
そんな世界でもイオリア・シュヘンベルグの理念にそぐわないと思ってしまった
俺は逝って良し。

480 :名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 01:14:08 ID:OIsIUtAg
>>479
sage忘れてた…ごめんなさい。

481 :名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 17:16:41 ID:a6QqMHrn
>>480絶対に許さない。

482 :名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 22:34:38 ID:CuujMnDO
「ぜ……ぜぜ……ぜった絶対に、ぃゆるる許さ許さなウィイイイイイイイ!!!!!」

くぐもった絶叫をする>>481の背中が、バリバリと音を立てて裂けていく。
ボゴンと音を立てて異常な膨張を見せた背中が、シャツとセーターを内側から裂いた。
黒々と隆起した背中。その皮膚は爆ぜたように裂け、ぶりゅりと白い肉器官を露出させる。
巨大な楕円形のそれは、女王蟻の腹に似て、呼吸に合わせて収縮と膨張を繰り返していた。
さらに呼気に合わせて膨れた瞬間に内側が輝くように光り、波打つゼリー状の中身が見える。

>>481の身体の中で折り畳まれていたのだろうそれは、最初こそ天を衝いていたが、
やがて左右に揺れ、倒立をやめたように重力に引かれて地面へ落ちていった。
どちゃりと斜めを向いて倒れた体躯は、無数の小さな足をジタバタさせてねじれを直していた。
羽化直後の粘液が水溜りのように広がる中、ズルズルともがく無数の小さな人間のそれに似た足。
そのおぞましく見苦しい光景は、硬直していた>>480を嘔吐させるに充分だった。

背中に続けて>>481の腹が割け、昆虫のそれに似た長い甲殻の脚がジキジキと生えてくる。
それが地面に突き立つと、膝立ちで斜めに傾いだ人の背中から蟻の腹が生えた異形が出来上がった。
全長は四メートルはあるだろうか。いまや蟻の抜け殻のようになった人間の身体はだらしなく揺れている。
しかしその目はギョロギョロと輝き、思考の中枢がまだそこにあることを物語っていた。

「ぎしゃ……ゆる……ざ……な……ヴィイイイ」

まだ人間の姿を保っていた顔の下半分が六方向に裂け、蟻のそれに似た巨大な歯と口が現れる。
巨大な動物が流すような大量の涎が垂れ、歯がギシュギシュと音を立てて鳴り合わさる。
そして獲物に向かってズルリと体躯を揺らして全身を動かした瞬間、>>480の硬直が解けた。

白く巨大な肉腹を左右に振りたくるようにしてドシンドシンと肉薄する>>481
わけもわからずこの世のものとは思えない悲鳴をあげて逃げ惑う>>480
真夜中の鬼ごっこがはじまった。

おしまいっていう保守。頑張れば勝てるよ!!

483 :名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 00:25:29 ID:+Obw3T2h
余計なところで才能を発揮しやがって・・・GJ

484 :名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 21:59:22 ID:cuTL3qlS
自分がネタにされるとはw
台詞を音読してしまったじゃねぇかww
ウィィィ(ry

485 :名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 01:37:09 ID:MVns5vhN
ほしゆ

486 :名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 23:57:32 ID:uMwKQACh
そういえば
闘神都市Vの元カラーは
異形化でいいのか?

487 :名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 16:48:10 ID:6cm6d/y1
>>480-484
この流れで

\ ア リ だ ー ! /

が出ないことを意外に思う俺は古い人間なのだろうか
いや「蟻のような〜」ってだけで厳密には蟻じゃないからかも知れないが
というかそもそもあれは異形化じゃなくて食われてるだけか

488 :名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 23:53:14 ID:XMf8w/Yo
>>487
最終皇帝登場直後の展開はまさに異形化かと

489 :名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 18:58:54 ID:q3QfFlVV
ロマサガ2は詳しくは知らないんだが
皇帝は代替わりの度に記憶や技術の一部を継承できるんだっけ

継承法の失敗で、人格丸ごと残したまま動物とか人外に入ってしまうとかいいかもな
ロマサガやファンタジーに限らずSFでもよさそう
ただシークエンスがなさそうなのが欠点

3の象の村も、呪われてるだけで元々は人間なんだっけ?
呪われた時の話とか見たいよな

490 :名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 23:34:01 ID:tybi+PYz
>>489
人形が皇帝になったりもするんだよなぁ

491 :名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 00:40:07 ID:2Rj2dWX8
>>418->>421を書いた>>355です。敵役として登場する娘にどんな妖怪を選ぼうかで悩んでて作品が進展
してません、ごめんなさい。何か登場させて欲しい、又は女の子に変身して貰いたい妖怪などはあります
でしょうか。敵役がどんな種類の妖怪に変身するかでスレ内でのウケが違ってくる様な気もしますし・・・(´・ω・`)
また戦力補正の都合から、ヒロイン7人の他にも味方キャラを加えていくつもりでもあるので、味方キャラ
に加えて欲しい妖怪のアイデアも募集してます。今の所登場候補にあがってる妖怪は以下の様になってます。

リリス、アスタロトなど(『七つの大罪』を補佐する上位の悪魔)

死神、メドゥーサ、リザードウーマン、ミイラ女、ミノタウロス、ドライアド、絡新婦、烏天狗、鬼
ハーピー、セイレーン、人魚、半魚人、イエティ、ケルベロス、ドッペルゲンガー、ヒドラ、スキュラ
クラーケン、ロック鳥、ラミア、中国四凶、ゴーレム...etc.
(悪魔配下の魔軍戦闘員で、ヒロイン達とは同格)

スケルトンやゾンビ等(最下級の雑魚で量産兵、群れなして登場)

492 :名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 00:42:57 ID:2Rj2dWX8
酷いネタバレでした・・・すみませんorz

493 :名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 20:24:49 ID:SjKtWmpB
他人に聞く前に一度なんでもいいから話を作って投下したほうがいいよ
叩かれるの恐れすぎ

494 :名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 15:48:06 ID:WvoYc9B+
作者さんは臆病な兎にTFしてしまったんだよ

495 :名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 16:52:49 ID:94e2wLnv
それでエロエロな妄想をもてあますんですね兎だけに

とりあえず書いて投下してほしい。大抵食えるんだぜ!

496 :名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 14:09:31 ID:3lJVkwi9
「ほ……しゅ……」

497 :名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 13:04:22 ID:IPjNk+CP
妖怪をお菓子に例えると

ヴァンパイア→ラズベリーや苺のタルト(ベリー=赤い血をイメージ)
ワーウルフ→チーズケーキ(白く丸い月をイメージ)
サキュバス→チョコガナッシュ(「甘い」ので「誘惑」のイメージ)
雪女→シャーベット
ドライアド→バームクーヘン

・・・なんちてスンマセン^^;

498 :名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 17:57:47 ID:XNbNxtxo
ん、何だ?菓子になってしまうという擬物化スレ向けネタ?
それとも食べると対応した魔物になるという魔法菓子とかそういうネタか?

ただ一般的にはワーウルフやドライアド以外は人外度低めだったりするよな
…下手するとその2種ですら耳尻尾止まりだったり
髪に蔦が絡まってる程度だったりするが

499 :名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 00:59:11 ID:628vhLgd
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm410970

このゲーム探せばこういうシーンたくさんあるのかな

500 :名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 07:29:22 ID:ZUAlHUDX
まぁ リンダキューブは有名だったよ…
ちなみに、モンスターに変身できます

501 :名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 01:23:00 ID:sX09Ao4F
下水道で暮らしてるうちに化け物みたいになっちゃった女の子の
話を何となく思いついたんだがどうだろう?
変身シーンが無いからスレ違いかな。

502 :名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 01:43:36 ID:A0glih6t
十分ありだと思うぞ

503 :名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 01:48:32 ID:Hx/2shCl
堀骨砕三っぽいネタだな


504 :名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 01:48:39 ID:NVTB7CXX
ほりほねさいぞうっぽいネタだな

505 :名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 03:09:31 ID:IiaXSJJj
下水街?ですねわかります

506 :名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 12:01:52 ID:y8jlz078
アリアリアリアリ!

507 :名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 01:19:25 ID:8ub3kyPA
下水街だよね

夜に虚就くは良かった、ある意味全編シークエンスだもんなあ

508 :名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 01:37:04 ID:a0Rk1Q1h
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1531613
スレ的にこれってどうなん?

509 :501:2009/01/11(日) 01:41:55 ID:krua5U4F
意見サンクス。書くのは遅いし、技術も低いけど頑張ってみます。

510 :名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 02:29:48 ID:XqjxPVF7
>>508
変身関係のどっかのスレで見たなぁ。俺は食べれる

>>509
期待してる

511 :名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 15:59:55 ID:Yk8r3VQe
>>501さんの作品を静かに期待しながら、>>497さんので何やら思い付いたので投下します。

――――――――――――――

「ねぇねぇ知ってる!?最近この近辺に美味しいケーキショップが出来たんだよっ!」
どうしていつもこんなハイテンションが維持できるのか、心理学者にでも尋ねたくなる私の友人の話を、私は右から左へ流しながら聞いていた。
「特にチョコガナッシュなんか最高でさぁ、私なんか食べた瞬間感激のあまり蕩けちゃったんだから!」
「ていうか、アンタその店でそれしか食ってないでしょ?」
私のため息と共に発した突っ込みに、彼女はにひひと笑顔で返した。つまり正解、と。
「ねぇもりりんも行こうよぉ〜」
「佐久間、誰がもりりんよ。アンタと違って私は忙しいんだから」
忙しい、と言うより単純にこれ以上気疲れしたくないだけだけどそれは黙っておく。
「え〜?あるかちゃんも言ってたよ〜、普段書店で雑誌片手に溜め息ついてるって」
「それは学術誌……じゃなくて……」
……こうなる展開は既に予測はしていた。このテの人間は、言い出したら聞かないで押し切るだろう事は。
「……分かったわ。一緒に行きましょう」
諦め半分に、私は溜め息と一緒に呟いた。

――――――――――――――

結論から言えば、行って正解と思えるような味をしていた。佐久間のようにチョコガナッシュを店の中で何個も注文して食べるなんて暴挙はしないにしても、
不二家のショートくらいのサイズのものを四個くらい平然と平らげてしまいそうな、いくら食べても飽きない味をしていた。
私が頼んだ、この店で一番安いバームクーヘンでさえ、私が思わず二個目を頼んでしまうほどに。
平均的に価格はそこそこ安いので、学生さんの懐もさして痛まない。
まだあまり宣伝はしていないらしく、店内での人影はまばらだが、人が集まるのも時間の問題だろう。そう感じられた。
近いうちにまた行こうかな……その時は一人で。
絶対に一人で。

――――――――――――――

佐久間と別れ、本屋でニュートンを立ち読みした帰り道。
「………」
何となく、夕日が気持ち良かった。このままずっと浴びているだけで……何となく幸せになれそうな気がした……ん?
どうしてだろう……どうして気持ち良いなんて……?夕日なんて普通、憂鬱になるものでしかないのに……。
けれど私はこれ以上の疑問を特に抱かずに、そのまま伸びた影を追いかけて帰路についた……。

512 :名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 16:01:32 ID:Yk8r3VQe
――――――――――――――

佐久間と別れ、本屋でニュートンを立ち読みした帰り道。
「………」
何となく、夕日が気持ち良かった。このままずっと浴びているだけで……何となく幸せになれそうな気がした……ん?
どうしてだろう……どうして気持ち良いなんて……?夕日なんて普通、憂鬱になるものでしかないのに……。
けれど私はこれ以上の疑問を特に抱かずに、そのまま伸びた影を追いかけて帰路についた……。

――――――――――――――

晩御飯は、コンソメスープに味噌汁、それにジャスミンティー……カオス以前に、何故に汁物ばかり……。
気楽な一人暮らしとはいえ、料理は自分で考えなければならないわけで。しかも自分で作らなければいけないわけで……。
でも何でよりによってこんな組み合わせなんだろう……。肉も魚も使わず、野菜と水だけの料理……。
不思議だったけど、考えていても解決できそうもないので、シャワーを浴びてとっとと寝ることにした。
特にこの後やる事も……無いしね。

――――――――――――――

'来て……'
……ん?
'来て……'
誰だろう……こんな時間に……。
私は布団からむくり、と起き上がると、まずは辺りを見回した。少なくとも……部屋には誰もいない。それはそうだろう。居たら居たで大問題だ。
一人暮らしに来客、しかもこんな真夜中にこの家を訪れるとしたら、さして貯まってもいない通帳を狙いに来た泥棒くらいのものだろう。
「……?」
何か釈然としないながらも気のせいだと思う事にして、私は再び布団の中に潜り込もうと――ドアノブに手を掛けていた。
「……え!?」
わ……私の体が勝手に……!?明らかに自分の思考とは真逆の行為に驚いている間にも、私の手はドアノブのチェーンを外し、鍵を開けようとしていた。
かちゃり、と音をたてて開かれるドア。ふらりふらりと動き出す足。
'来て……'
相変わらず頭の中では声が響く。
「(ちょ……ちょっと……え!?)」
いつの間にか、声すら出せなくなっていた。自分が声を出そうとしていても、それが神経に伝わっていないかのように……。
「(え!ちょっと!何で!?何がどうなってるのぉっ!)」
自分の体から、心が剥ぎ取られてしまったかのようだった。五体は全て私の支配を離れて、ただ一点を目指して足を進めている。この先にあるのは――。
「(……森?それも確か……)」
最近、一番古くて大きな木が落雷によって倒れた……。

513 :名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 16:07:25 ID:Yk8r3VQe
でもどうしてそんな場所に……。
'来て……'
いくら考えたところで、私の体が止まるわけでも、頭の声が収まるわけでも、疑問が解決するわけでもなく、私の体は依然として歩きを続けて――。

「(――わぁ……)」

足を止めたのは、落雷によって中心から大きく裂けた木の、その目の前に立ったときだった。
'来た……'
'来てくれた……'
頭の中の声は、この場所に私が来たことを喜んでいるみたいだった。辺りを見回そうにも、この場から立ち去ろうにも、小指一つ動かすことの出来ない私はそのまま
そのまま私の体は、膝から屈んで、やや焼け焦げた木の内部に、まるで騎士が忠誠を誓うかのようにキスをした。
木が発する独特の、湿った土の臭いを、確かにこの体で感じたとき――?

'……ありがとう'
'……ありがとう'

「……え?」
頭の中の声が、ありがとうと何度も繰り返している。その声は段々と大きくなっていって――声?
「あ……」
いつの間にか、私は再び声を出せるようになっていた。と言うことは――体が動かせる!?
首を動かす。左右、上下、前後に自由自在に動かせた。顔の表情も自由!つまりこれは――帰れる!体を動かして帰れる!
不思議な体験を、妙な思い出として処理したいと願っていた私は、しかし腕を見た瞬間、表情をひきつらせる事になった。
「――ひっ!」
本来それなりに滑らかだったはずの肌色の表面は、血管が複雑に隆起したようにごつごつとして、茶色く硬化していた。
さらに私の指はどんどん伸びて枝分かれしていった。所々玉のようなものが見える……もしかしてあれは――!?
「あぁっ!」
そこで私は、両足が既に動かなくなっていることに気付いた。視線を向けると、膝小僧辺りから既に両脚が一体化していて、地面では既に木の根っこのように、伸びた指が地面を深く掘り進んでいた。
その何れも――まるで木の表面のようにごつごつと変化してしまっていた。

「あ……そ……そんな……」
根っこや腕が変化している時点で、もう手遅れなのかもしれない。それでも――私は叫んでいた。足掻こうとしていた。脚に、腕に力を込めて動こうと……。
けれど、そんな努力すら無意味だと感じられるほどに、肌の――体の変化は進んでいった。既に脚は太股まで硬化は進んでおり、腕は肘を越えた辺りまでまるで木のようになっていた……。
'……ありがとう'
'……ありがとう'

514 :名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 16:08:16 ID:Yk8r3VQe
声は相変わらずぐわんぐわんと頭に響いている――まるで私の頭に嬉しさを染み込ませるように、何度も、何度も――!
「……やだ……やだ……やだぁっ!木になんかなりたくないよぉっ!誰かぁっ!誰かぁぁっ!」
錯乱したように泣き叫んだところで、聞く対象も居る筈もなく、既に胴体まで木は体を侵食していた。
すっかり枝の一つになった腕が天を目指すように自然と持ち上がり、万歳の格好になったところで肩の木化が始まった。
「誰かぁっ!誰かぁぁっ!誰――!」
両肩まで侵されれば後は速かった。胸が木に変わった次の瞬間、私の首から上も、一気に変化したのだ。
髪の一本一本は変化に至らなかったのか、はらり、はらりとまるで枯れ葉のように私の頭から落ちていく……。

「(……うっ……うぅっ……)」
完全に自分の体が一本の木になってしまった事に、私は泣いていた。どうして……どうしてこんな事になったのか、全く理解できなかった。
'……ありがとう'
'……ありがとう'
頭の中に響く声が、非常に憎らしかった。
この声さえなければ、ここに来ることはなかったのに……こんな事になる筈もなかったのに……。
考えれば考えるほどだんだん悲しさと怒りが募っていって、私はもう涙を流せない体の中で、ずっと泣いていた……。
やがて……泣き疲れと、深夜に目を醒ましたせいでさほど取れていなかった疲れの相乗効果で、私の意識は急速に遠ざかっていって――。

――――――――――――――

――夢を見ていた。
宇宙の中で、私が星々と一緒に太陽の回りを巡っている夢を。
夢の中で私は、目の前に来た何もない星に、何か光の粉を蒔いていた。
キラキラと太陽の光を反射して輝くそれは、星の中に入るとその表面を緑で満たしていった。
光の一部は水になって、草と草の間を川になって流れていく。
耳を澄ますと、虫達が自由に羽根を鳴らす音が聞こえる。その音達が、私の心を落ち着かせてくれる。
「(これは……)」
ちょっとファンタジックだけど……私が夢見ていること。
他の星に、緑を増やすこと。あるいはその研究の一端を担うこと。そのためには何をしたらいいか、何が出来るか。
それが知りたくてニュートンを見ていたし、親の反対を押し切って農学部にも行ったっけ……。

515 :名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 16:10:32 ID:Yk8r3VQe
でも、私の体は木になってしまって……夢を叶えることなんて、もう出来ない。そう思うと、どこか悲しくなって――。

'――大丈夫だよ'

「……え?」
突然響いた声にややびっくりしながら振り向くと、そこには私そっくりな顔と体型をした――、
木の根っこのようになった脚と、どこか枝が絡まって出来たような腕と、緑色の葉っぱが幾つも折り重なった髪を持つ、存在だった。
「貴女は……?」
思わず敬語になった私に、彼女は微笑むと、そのまま腕を伸ばして抱き締めてきた!
「!んんむむむっ!」
突然の事に思わず驚きの叫びをあげようとする私の口を、彼女は柔らかな唇で塞いで、そのまま舌を突き入れてきた。
入れられた舌は、そのまま私の舌に巻き付いて絡まって、ぐねぐねと優しく締め付けていく。
キスどころかハグすらされたことのない私の体は、本能的に対処しようとしていたけれど、
彼女から与えられている未知かつ大量の情報の処理が出来ていない頭は、その本能すら思い出すことが出来ず――。
――結果、私はただ為すがままにされるだけだった。
時おり彼女の唾液が流し込まれる……どうしてか、仄かに甘い……。
何もかもが初めての刺激に、私の脳はオーバーヒート気味になって……。
「……あ……」
彼女が唇を離す時、私は体の底、心の芯まで脱力しきっていた。抱き締めている彼女に、全体重をかけているような状態で、私はだらしない顔を向けているだけだった。
そんな私の頭に、少しずつ何かが入っていく。体の動かし方、鳥や虫の受け入れ方、風の呼び方、この森の植物達の名前……。
「……え……あ……」
それと同時に、何かが私の中から抜けていく……思い出そうとしても、思い出そうとしたこと自体を忘れてしまう……。
「……あ……ああ……」
怖い……怖いよ……自分が消えていくのが……自分じゃなくなっちゃうのが……。
自然と私の瞳は、涙をぽたりと流していた。表情は変わらない。いや、変えられない。変える力が――もう無い……。
自然と私の腕は、目の前にいる誰かに伸びていた。何かにしがみついてなきゃ、じぶんがきえちゃいそうだったから……。
'――大丈夫だよ'
そんなわたしを、だれかはやさしくだいてくれた。しっかりと、あったかいんだっておもうくらいに……。
'――大丈夫だよ'
きれいなこえ……。
だんだんと……くらくなってきた……あれ……おかしいな……わたし……。

――――――――――――――

516 :名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 16:13:14 ID:Yk8r3VQe
地面から、水が吸い上げられている感覚。それが体を巡るのが、堪らなく心地好い。同時に、土の中の栄養が、根っこから体全体に行き渡っていく。
このまま体を外に出して身震いして喜びたいな……なんて考えたけど、目の前を眺めるとマスメディアの皆様が、
『落雷現場に新たに生えた大木!深夜の神秘!』とかキャプションを付けた番組撮影のため陣取っているから我慢我慢。
『ママーママー、カメラマンがいるよ〜!』
『あら大変!隠れなくちゃ!魂を抜かれちゃうわ!』
『ねぇおにいちゃん、たましいをぬかれるってきもちいい?』
『そんなわけ無いだろ!隠れろ!』
木のうろの中では、前のドリアードさんのお世話になっていたリス一家があたふた忙しなく慌てているようだった。まぁすぐに収まるでしょうし、私は関知しないでおこう。
耳を澄ませば、あちこちで動物達の不満げな声が聞こえる。出来れば私としても今すぐに出ていって欲しいとは思うけど……流石に手は下せないし……。
そうこう迷っているうちに、取材が終わったらしく、カメラマンやらレポーターやら世間的に『暇だな〜こいつら』とか思われそうな人達はぞろぞろとこの場所から立ち去っていった。
……残ったのは恒例、大量のゴミ。
『わぁ見てお母さん!美味しそうなものだよ!』
『お止めなさい!毒かもしれませんよ!』
『ねえおにいちゃん、どくっておいしい?』
『そんなわけ無いだろ!』
リス親子が繰り広げる漫談をBGMにして、私は上半身だけを木の表面から枝のように出して、ゴミ拾いをすることにした。
……どうせ今日の夜も、淫魔サクマが「もりりんのあまぁい蜜ちょうだい♪」とか言って樹液をたかりに来るだろうし。アンタはここにいる虫か。

いつか……私がもっと成長したら、そのときは私の種が宇宙まで飛ばせるらしい。もしそれが他の星に落ちたら……その星で、私の種は育つ。環境を変えていく。
そうしたら、私の夢が叶う。

そんな日を待ち望みながら、私は今日も、この森の中でそこそこ騒がしい隣人に囲まれながらも、静かに暮らすのだった。


fin.

――――――――――――――

以上、乱筆乱文、失礼いたしました。

517 :名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 00:00:52 ID:O/eGpX15
乙!!!
サキュバス化のほうも見てみたいw

518 :名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 00:26:46 ID:hW6GVGXN
>>516
GJ!
すごい好みの文章だった!

519 :名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 01:02:02 ID:nsLeRuw9
>>516
乙でした
サクマさん淫魔になっても変わってないw

520 :名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 01:13:25 ID:9Xq96C5D
あああ他ので賢者になったばっかだから溜まったら来るわw

521 :名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 23:25:20 ID:7F3PYpB2
>>516GJ!!イイ!(・∀・) 今気付いたけど二人の名前って

もりりん→森→ドライアド
佐久間→サキュバス

と名前が変身するモンスターに近くなってるのね。

522 :名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 02:50:47 ID:fYW2OUgk
みんな海原みなもって知ってる?

523 :名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 03:04:01 ID:KuUKQhtB
>>522
執筆する人によっていろいろあるけど、
人形化あったり、特殊メイクとで動物化されたり、いいよねあれ・・・。


524 :名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 13:35:47 ID:DKg31hcY
また懲りずに融合変身ネタを投下します。
兄+妹=?な話です。
読みづらいかもしれません。すいません。近親相姦な感じなので、
苦手な方は「おめざめのじかん」でNGしてくださいね。

525 :おめざめのじかん はじまり:2009/01/13(火) 13:38:56 ID:DKg31hcY
 裸電球のぼんやりとした暖色の明かりにつつまれた六畳間に、嬌声と淫らな水音が微かに響いていた。

 「あっ、はあ、んあ、あ、あ、あんっ」

 絨毯の敷かれた床には脱ぎ捨てられた学生服とブレザー、スカート、下着が散乱し。
 壁に寄せて置かれたパイプベッドが、ぎしぎしと音を立てる。
 シーツも掛け布団も乱れたその上で、生まれたままの姿になった、二つの人影が重なっていた。

 「ふあ、ひあ、お、にいちゃ、き、すぅ、し、てえぇ」
 「く、ああ…」

 まだ幼さが色濃く残るソプラノに答えて、彼の唇が、彼女の幼い喘ぎを漏らすそれに重ねられる。

 んく、くち、ぬちゅ、ねちょっ…

 唇同士が触れた瞬間、彼女の舌が彼の口内に素早く入り込み、相手の舌に絡まりながら口腔を嬲った。
口の端から粘っこい音が漏れ、シーツを握っていた彼女の両手は彼の背中に廻され、ぎゅっと抱きつく
格好になった。

 「ゆ、由希、お、俺」
 「わたし、もっ、また、き、ちゃうよっ!」

 覆いかぶさる青年の腰が、さらに往復運動を速め、組み敷かれた少女の全身を、とてつもない快楽が
一気に駆け巡った。

 「おにい、ちゃあああああああっ!」
 「くはあっ!」

 何度も突かれ、最早自分の熱なのか愛しい男の熱なのかも分からなくなってもなお感じ取れる熱い滾りが
膣内を満たす。

526 :おめざめのじかん はじまり:2009/01/13(火) 13:41:44 ID:DKg31hcY
「あはぁっ、お兄ちゃんが一杯、出てるよぉ…」

二度、三度吐き出してもなお止まらない射精に、彼女は心の底から溶け切った笑みを浮かべた。

 「く、はあ…はあ…」

 ようやく止まったのか、青年は自身を少女の中から引き抜くと、彼女の隣へごろりと横になり、仰向けになった。
胸は激しく上下しており、行為の激しさを物語る。
 
 並んで横になる、一組の男女。

 男の方は青年、というよりは少年と青年の中間といった微妙な年頃であったが、体は引き締まっており、腹筋などは綺麗に割れていた。
 
 一方の彼女のほうは、彼よりも背が低く明らかに年下といった雰囲気で、完全に少女といえる年齢であった。
美人というより可愛さが目立つ顔立ちで、肩を少し越える程度の僅かに色素の薄い髪と相まって、少し幼く見えた。
 だがその体つきは同年代の女の子がうらやむほどに均衡が取れ、青年と同じように上下する膨らみは平均と比べても大きめで、
ティーングラビアモデルといっても通じるようなプロポーションであった。

 「いっぱいでたね、カズお兄ちゃん。今までで最高記録じゃないかなあ?」
 「かもなあ。ま、こんな可愛い妹と結ばれたんだから、しょうがないさ」
 「もう、お兄ちゃんってば…」

 満更でもない笑顔の妹に、兄は笑って軽くキスをし、頭を撫でてさらりとした感触を楽しんでいた。

 再び頭をもたげてきた自分の異常な性欲に、戸惑いを感じながら。

527 :おめざめのじかん はじまり:2009/01/13(火) 13:45:19 ID:DKg31hcY
   ==================================

 天竜 和義と天竜 由希は、それぞれ高校生と中学生の、一見どこにでもいる兄妹であった。
 他所より少し仲が良いだけの兄妹。両親や友人達の一般的な評価である。由希のほうは学校でもちょっとした有名人で、
男子の絶大な人気を誇っていた。スタイルと顔立ちの良さに、驕らない気さくな性格のおかげで同姓からも慕われていた。
 ちなみに兄は目立った特徴のない、普通の男子である。
 
 そんな二人であったが、両親にさえも打ち明けられない秘密があった。

 幼い頃から、二人は愛し合っていたのである。
 
 その関係は、由希が小学校に上がって間もない頃まで遡る。まるで自分ではない誰かがそうさせているように、激しい熱に浮かされた二人は、ある夜体を重ねた。
 本当は自分達が一つだったのではないかと思えるほどの充足感、性の知識もほとんどない脳裏に刻み付けられた自らを失う程の快楽は、二人を溺れさせるのに充分であり。

 それから、二人は毎晩のように求めあった。両親が共働きを始め、家を空けがちになったのが、それを加速させた。
 同じ小学校や中学校に通っていた頃は、昼休みに校内で互いを貪っていたことさえあった。

 自分達がおかしいことを、年齢が上がるにつれて少しづつ理解はしていったものの、感情、その奥底に眠るなにかがそれを頑なに拒否していた。
拒否していた。
 それどころか最近は「もっともっと繋がりたい」という半ば義務感のような性欲に苛まれ、先日の休日などは午前中から両親の帰宅した夕方まで、ひたすら行為を続けていた、そんなこともあった。

 それは何者かが、本当に二人を一つにさせるようで。

   ==================================

528 :おめざめのじかん はじまり:2009/01/13(火) 13:48:09 ID:DKg31hcY
 「お兄ちゃん、また、したくなった?」

 最愛の人の手の感触が心地よく、目を細めて微笑んでいた由希が、再び起立した兄の男根に気づいた。年齢相応とはとても
呼べないほどに成長したそれを見る彼女の瞳に、再び獣欲の光が灯る。

 「ごめん…何か最近、おかしいんだよ。急に体に筋肉ついて、どれだけ由希と繋がっても、足りないんだ。ぜんぜん、枯れないし」

 「──私も、なの」

 不意に左腕に、柔らかい感触。和義が視線を向けると、左手に抱きついた由希が、泣きそうな顔で彼を見ていた。

 「足りないの。ぜんぜん。胸も、お尻も急におっきくなって。でも、お兄ちゃんが欲しくて、繋がりたくて…っ」

 ようやく茂みが形成されはじめた由希のまだ未熟な秘裂が、暖かい液をとろりと吐き出す。それは何度も吐き出された精液では
なく、再び彼女が火照り始めた証。それは薄い青色のシーツに、またひとつ染みを作っていく。

 「こわい、の……自分が、消えちゃいそうで、でも、で、も、お兄ちゃんが、足りなく…て…っ」

 震えた妹の独白を全て聞かない間に、和義は起き上がり、彼女の足元で、膝立ちになっていた。上を向いた怒張の先端から、
先走りがポタポタと垂れている。その両目には彼女と同じ類の光が宿り、それから理性や意思をうかがうことはできなかった。

 「うしろ、む、いて、…」

 はたしてそれは本当に、愛しい兄の声であっただろうか?
 しかし由希はそれを考えることはできなかった。彼女もまた、奥底から激しく吹き出した欲情と衝動に、理性を塗りつぶされていた。

 うつぶせになり、震える膝に力を入れ、腰を、臀部を浮かし、両の腕で上体を支える。四つんばいの扇情的な体勢を、兄のような、
別の生き物のような声に答えて、とる。

 濡れる、という生易しいものではなく、愛液が溢れている秘所はひくひくと再び兄を迎えられる悦びに震え、そして──

 生まれ変わる喜びに、震えていた。

529 :おめざめのじかん はじまり:2009/01/13(火) 13:50:18 ID:DKg31hcY
 「んあああ──っ!」

 予告もなく、突然突き入れられた熱が、由希を快楽に痺れさせる。
 
 それと和義に起きた異変は、ほぼ同時であった。

 「があああああ゛あ゛あ゛あ゛!」

 人のものではない叫びを上げ、腰を打ちつけたまま上体を反らし、彼の体は震え始め、いや、彼の中のなにかが蠢き始めた。
ピストン運動もせず、ただ突き入れたままで、自分の意思、記憶、そういったものを全て押し流す快感に成すすべもない。
 歯止めの利かない欲望のまま放出される精液は、人間ではありえないほどの量と勢いで由希の中を満たすが、繋ぎ目から
溢れることはなく、すべて彼女が吸収していた。子供を生み育てる器官ではなく、すでに兄の精を取り込むための器官と
成り果てた胎内によって。

 「かあっ、んはあ、ああ、あああ…」

 彼と、そして自身に起こり始めた変化にも関わらず、彼女は淫らに震え、喘ぎ、嗤っていた。理知も記憶もすべて、飲み込まれてしまったかのように。

 (やっと、やっとひとつになれる──)

 快楽に薄れていく思考の中で、由希が最後に聞いた声は、自分の中から聞こえるような、そんな声だった。

530 :名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 13:56:24 ID:DKg31hcY
とりあえずはここまでです。もしかしてスレチガイ?だったらごめんなさい|ω・`)
後半では二人がくんづほぐれずアクロバティックなチェンジで一匹の生物に成り果てます。
何になるかは、二人の苗字を見れば分かるかと。

後半は近いうちに。ノシ

531 :名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 18:10:46 ID:azv2KWPL
なんという・・・・生殺し
公判待ってます。GJ!

532 :名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 17:05:38 ID:tIF23K5o
>公判待ってます
「被告に対し無期獣化懲役刑を求刑します!」

…ジョークはともかく描写が良さそうなので俺も後半に期待

533 :名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 22:40:01 ID:iRrkWV6o
近親で融合で怪物化…いかんツボ過ぎる。待つのが辛いぜ。

534 :名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 09:45:14 ID:synCqdWw
>>523
誰のがオススメ?

535 :名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 05:52:03 ID:mBtwOrTR
>>534
自分が好きなのは佐野麻雪さんかな。
特殊メイクを学んでいる専門学校にモデルのバイトに行っていろいろいじられる話が多い。
全身にかけて手を加えられるので犬にされて声も鳴き声しか出せなくされて色々と・・・読んでみてください。

あとは伊吹護さんの人形にまつわる話も好きかな。

536 :名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 20:50:23 ID:R/1yUzJl
佐野麻雪さんは同じ趣味を持った人間のような気がするw

537 :名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 03:22:54 ID:weV+cZ0m
紅の豚→おじさんが豚に
もののけ姫→青年の腕が変化、猪が怪物に、獅子神が別形態に
千と千尋→両親がブタに、少年が龍に
ハウル→少女が老婆に、青年が鳥の怪物に
ゲド戦記→少女が龍に
ポニョ→幼女が魚に

変身ネタが多いのになぜかジブリシリーズにハァハァした事は無いな・・・

538 :名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 08:19:09 ID:raa6EczU
>>537
魚が幼女だろ

539 :名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 10:17:12 ID:pmxrubTK
>>535
レスありがと
さっそく読んでみる!

540 :名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 18:27:04 ID:Q82D+ODS
>>537
猫の恩返しを忘れてる。

ちなみにうっかりバニパルウィットと混同して猫の国と書き込みかけたのは秘密だ

541 :名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 19:22:49 ID:l3prtvp4
>>537
豚化好きなんだけどなあ
紅の豚は自主的な変身なのがちょっと微妙だけど千は良かった

542 :名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 19:40:04 ID:wchvmSHE
タートルズでエイプリルが猫になる回があるよね
幼な心に不思議な感覚を覚えたのを覚えてる

543 :名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 00:45:06 ID:qutcDMI1
>>418->>421を書いた>>355です。続きが書けたので投稿します。


 午前3時、東京都新宿区。人がとっくに去った後の深夜のデパートの屋上で二つの影が街を見下ろ
していた。いずれも外見は大人の魅力を漂わせながらも可憐さの残る、20代前半と思われる美麗な
容貌の若い娘だった。
 もう冬だと云うのに一人は袖無しで、光が意味を失う様な黒に近い暗灰色のタイトドレスに身を
包み、様々なアクセサリで腕や首元を飾った欧州系の美女だった。桃色の混じった長い栗色の髪を
金の髪飾りでとめており、右手には捩れた流木の様な妖しくも美しい曲線を描いた杖を携えている。
 傍らに佇むもう一人は漆黒の闇に何故か染まらぬ純白地の和服に白足袋の上から漆塗りの黒い
下駄を履き、藤色の帯を巻いた淑やかな印象の日本女性だった。降ろされた美しい長髪と瞳は透き
通る様な水色を灯し、白い着物の裾と袖にも同じく水色の細かな雪の結晶模様が散りばめられている。
その幻想的な全貌は暗夜の海に浮上する氷塊の様であった。
 美しくも得体の知れぬ二人の前には掌大の水晶珠が宙に浮かんでいた。静まり返る闇の不気味さと、
その有り得ない者達が起こす有り得ない現象の横で、昼間は子連れの買い物客で賑わう遊具の影さえ
もが魔物の群れの様に見えた。覗き込む様にして水晶球を見つめていた黒いドレスの女性が、ふと視
線を横に移す。ステンレス製の手すり越しに、深夜でも車の通行が絶える事の無い忙しげな道路を、
まるで何かを探る様にして見つめる。先程、付近の銀行に3人組の強盗が押し入ったのだという。水晶
珠に映し出された像に拠れば白いミニバス車に乗って依然として逃走中で、この付近の国道沿いを走
行しているものと思われた。
 ここ200年程の間で社会規則の整備や文明の進歩が急速に進み、人間の社会が随分と複雑化してくれ
たおかげで彼女達妖怪が人間社会に紛れ込むのも昔よりは面倒になった。彼らの生活に紛れるにしても、
いくらか準備せねばならないものもできてきた。その中で資金は最も基本的なものといえた。もちろん、
善良な一般市民や、あるいは彼らの世界で「銀行」と呼ばれる施設から財産を収奪する方法も無い訳で
はなかった。しかしその場合には彼らのいる世界で「警察」と呼ばれる所謂治安部隊から、約10年から
20年程の間――その期間は地域によって異っていたが、今彼女達がいる国では――狙われ続ける事になる
のだった。もっとも、超人的な力を持つ彼女達に取って警察の武力それ自体はよほどの低級妖怪でもない
限りはまず殆んど脅威とはなり得ない。しかしある人間――特に集団、から長期的に目を付けられると
いうのは、彼女達が人間社会に紛れて生活する上でも厄介となるのだ。任務を余計に複雑化させない為
にも、警察に狙われるという事態はなるべく避けたかった。それ故、強盗やマフィアといった犯罪者から
資金を奪うという手法が一般的であった。狙えそうな「獲物」が見つけ易いという点において、犯罪の多
い地域というのは彼女達にとって都合が良かった。比較的犯罪が多発すると聞きつけてこの地に足を運
んだのもそういった理由からだった。

544 :名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 00:52:08 ID:qutcDMI1
スペースが無くて読みにくそう&誤字脱字があるので直します。スミマセン;

 午前3時、東京都新宿区。人がとっくに去った後の深夜のデパートの屋上で二つの影が街を見下ろ
していた。いずれも外見は大人の魅力を漂わせながらも可憐さの残る、20代前半と思われる美麗な
容貌の若い娘だった。

 もう冬だと云うのに一人は袖無しで、光が意味を失う様な黒に近い暗灰色のタイトドレスに身を
包み、様々なアクセサリで腕や首元を飾った欧州系の美女だった。桃色の混じった長い栗色の髪を
金の髪飾りでとめており、右手には捩れた流木の様な妖しくも美しい曲線を描いた杖を携えている。

 傍らに佇むもう一人は漆黒の闇に何故か染まらぬ純白地の和服に白足袋の上から漆塗りの黒い
下駄を履き、藤色の帯を巻いた淑やかな印象の日本女性だった。降ろされた美しい長髪と瞳は透き
通る様な水色を灯し、白い着物の裾と袖にも同じく水色の細かな雪の結晶模様が散りばめられている。
その幻想的な全貌は暗夜の海に浮上する氷塊の様であった。

 美しくも得体の知れぬ二人の前には掌大の水晶珠が宙に浮かんでいた。静まり返る闇の不気味さと、
その有り得ない者達が起こす有り得ない現象の横で、昼間は子連れの買い物客で賑わう遊具の影さえ
もが魔物の群れの様に見えた。覗き込む様にして水晶球を見つめていた黒いドレスの女性が、ふと視
線を横に移す。ステンレス製の手すり越しに、深夜でも車の通行が絶える事の無い忙しげな道路を、
まるで何かを探る様にして見つめる。先程、付近の銀行に3人組の強盗が押し入ったのだという。水晶
珠に映し出された像に拠れば白いミニバス車に乗って依然として逃走中で、この付近の国道沿いを走
行しているものと思われた。

 ここ200年程の間で社会規則の整備や文明の進歩が急速に進み、人間の社会が随分と複雑化してくれ
たおかげで彼女達妖怪が人間社会に紛れ込むのも昔よりは面倒になった。彼らの生活に紛れるにしても、
いくらか準備せねばならないものもできてきた。その中で資金は最も基本的なものといえた。もちろん、
善良な一般市民や、あるいは彼らの世界で「銀行」と呼ばれる施設から財産を収奪する方法も無い訳で
はなかった。しかしその場合には彼らのいる世界で「警察」と呼ばれる所謂治安部隊から、約10年から
20年程の間――その期間は地域によって異っていたが、今彼女達がいる国では――狙われ続ける事になる
のだった。もっとも、超人的な力を持つ彼女達にとって警察の武力それ自体はよほどの低級妖怪でもない
限りまず殆んど脅威となり得ない。しかしある人間――特に集団、から長期的に目を付けられるというの
は、彼女達が人間社会に紛れて生活する上でも厄介となるのだ。任務を余計に複雑化させない為にも、警
察に狙われるという事態はなるべく避けたかった。それ故、強盗やマフィアといった犯罪者から資金を奪
うという手法が一般的であった。狙えそうな「獲物」が見つけ易いという点において、犯罪の多い地域と
いうのは彼女達にとって都合が良かった。比較的犯罪が多発すると聞きつけてこの地に足を運んだのもそ
ういった理由からだった。




545 :名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 00:54:19 ID:qutcDMI1

 水晶球を見つめながら2人は冷戦期にウラジオストクの倉庫で武器の密輸を行っていたマフィア
から巨額の資産を強奪したり、10年程昔に香港の港で麻薬取引場を襲撃したりした事を思い出して
いた。すると突然、白いミニバスとは反対方向に走る黒塗りのメルセデスを確認する様に、ドレス
の女は着物の女に何やら物騒な問いかけをするべく、口を開いた。

「あたしはあっちを襲ってくるわ。強盗の方はあなたに任せてもいい?」

 完璧な発音の流暢な仏語として発せられたドレスの女性の言葉は、和服女性の中で瞬時に翻訳
され、完璧なまでに美しい日本語となって和服の女の耳に届く。

「ええ、いいですよ。あちらは私が仕留めて参りますので、ご心配なさらないで下さい。」

 ドレスの女性を安心させる様に和服の女性は返した。和服の女性が発した日本語もまたドレス
の女性の中で考える間も無く約される。異なる言語同士による何の停滞も無い実に速やかなやり
とりだった。それはまるで同一の言語によるやりとりであるかの様だった。和服女性の追認を得
るとドレスの女は満足したかの様に軽く頷いた。

「オーケー。じゃあ、それで決まりね。」


546 :名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 21:53:50 ID:1AH+MGKe
…いくらなんでも細切れすぎやしないか?

547 :名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 01:00:54 ID:jXjB9aul
>>525
融合!融合!
続き待ってます凄く待ってます!

548 :名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 17:19:30 ID:/L+J23CH
俺も待ってるぜ!

549 :名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 01:12:46 ID:JKUhBtJv
>>544->>545ですが、続きが書け次第投稿します。ほんの少しだけですが上の
ヒロインのうち上の2人(魔女&雪女)の変化シーンが出る予定です。どんな
風に変化するのかは見てのお楽しみという事で。極力ネタバレにならない程度
にストーリーを理解する上での設定を載せておきますね^^

【殆ど全ての悪魔・妖怪に共通する特徴】
T.人間の数10〜数100倍の強靭性・身体能力を有し、怪力や俊足を誇る。
自動車を軽々と投げ飛ばしたり、ジャンプで建物の屋上に飛び乗れたりできる。
また少々刺されたり、撥ねられたりした位では何の問題も無い。

U.寿命も人間の数十倍長く、数100年や数1000年単位の長命。
V.あらゆる国の言語を理解できる。
W.気配を抑えたり隠蔽したりする事が可能で、普段は気配遮断をしている。
その状態では普通の人間の目前で活動しても、霊や妖怪を信じない者は何も
気づかず風などの自然現象としか映らない。ただし他の妖怪をはじめ、僧侶
や神官、牧師、霊媒師などには見える。また普通の人間でも霊感の強い者だと
微かな気配や違和感程度のものは感じる。遮断は自由に解く事が可能、解除
している間は普通の人間にも姿が見える。

X.魔方陣を描く事が可能で、それを使って世界各地や魔界など好きな場所へ
瞬時に移動可。移動直後に魔方陣は消えるが、何度でも描ける。
Y.世界各地に活動拠点を持っており、その中には人間界にあるものもある。
人間界にある拠点は表向きは企業や非営利団体として存在し、妖怪達が運営
を行っている。拠点の目的は情報の収集や交換、資金確保など様々。

Z.気配を抑えて人間に成り済まし、人間社会に紛れている者が多い。
人間に成り済ますため、PCや携帯、自動車、バイクなど人間の道具の使い方
を習得している者が多い。ただし道具を用いる妖怪の目的は利便性ではなく
人間に成り済ますこと。特殊能力や魔法、魔道具を使う彼らにとって、機能
自体は便利どころかむしろ不便な事の方が多い。

550 :名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 10:48:22 ID:Wb8UF4Q1
……

551 :名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 12:58:40 ID:CtzIVI63


552 :名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 14:58:21 ID:uweJUBmf
余計な情報でしたね・・・スイマセン自重します(´;ω;`)

553 :名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 20:20:17 ID:cjfVgFDE
>>552
お前同じこともう何回もやってないか?
いい加減学習しろ。

554 :名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 21:01:55 ID:unYawSPL
そろそろ譲歩の仕様がなくなってくるぞ

555 :名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 21:57:08 ID:TXAChUrC
無言の重圧こえぇw

556 :名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 22:14:33 ID:3e3/B61B
話に入り込むのにあまりに難解な設定は逆にとっつきづらいし
普通は文章の中に最低限必要な部分だけ織り交ぜるべきかと思う
商業でも自分で考えた設定の10分の1も物語に出ないのはザラだしな

557 :名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 23:31:57 ID:gdemcAqq
設定を練るのは大事なことだけど、
まずは話の展開があってこそ生きてくるのが設定だから

558 :名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 01:15:48 ID:ghOTbXrZ
設定考えるときが1番楽しいから気持ちはわかるよ
SS書くの前提じゃなかったら話題のひとつにでもなるだろうけど
>>549の場合SS書く前提だから
「設定書くくらいなら早く本編書けよ」ってなっちゃうわけよ

559 :名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 01:50:50 ID:jMxvDuG6
加えてあげちゃってるからねぇ・・・
とりあえずこれ見てたら書き込まないで
半年間ぐらいスレを見るだけにしたらいと思うよ

560 :名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 22:56:13 ID:Av/GA9VY
まずは話を完結させる。
評価はそれからだ。

561 :名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:15:38 ID:/9vnWzSe
嫌な言い方するけど、読む側は設定だけなんか興味はない。
そんなものは作品の中で物語のついでに読み取ってもらえばいいもの。
その物語も(このスレの場合)、女性が人外に変身させられる(する)という題材を
なるべくエロく(エロパロスレなんで)読んでもらうためのもの。
(エロくっつっても直接・肉体的な描写じゃなくて、間接・精神的なものでも全然OKなんだけど)

ぶっちゃけ物語が面白くて、人外化がエロければ、設定なんて適当でいい。
今のところ貴方の一連のレスは、設定が一番大切という、順序が逆な状態。
物語を書きたいなら、設定っていう誘惑をある程度振り切らないといけない。

レスはいいので、上の方の皆さんのレスと併せて受け止めて
その辺についてじっくり考えてもらえればありがたい。偉そうレスですまん。

562 :名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 22:50:05 ID:D9ohqUgg
大事なのは、長文のごたくよりただ数行の萌えるエロだよな。

自分も他所でSS書いてるんで、自戒自戒。

563 :名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 21:34:45 ID:048QlXOi
設定をほんの少ししか考えないで勢いよく書くのも一つの手だよ。逆に設定が足枷になったり、プロットが手枷になったりもするし(経験済み)。

……な〜んて、人様のプロットなり設定なり台詞なりを拝借して書く作品がそれなりにある自分も、気を付けなきゃね……。

564 :名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 22:56:14 ID:4uQkLxJ7
なんか過疎スレのわりに職人がけっこうゴロゴロいることに感動w

565 :名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 12:36:49 ID:/xja1+Jk
まあ、一読み手としては
設定をみせられると
犯人のわかってる推理小説とか
真のラスボスがわかってるロープレとか
そんな感じがするんで
ほどほどにしていただいたほうがいいです。

566 :名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 08:56:35 ID:6qIDBg1g
ほしゅ

567 :名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 11:14:58 ID:R1H3cJgk
毎回何かしら現れて燃焼
鎮火を繰り返すなぁ


弱火でいいからとぎれないようにしたいぜ

568 :名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 14:03:20 ID:1JIkkt2I
「きゃあああああーーーーー!!!」

静寂に包まれた星空の下に、絹を引き裂く女の悲鳴が響き渡る!
悪の組織ダクミィンの存在を感じた男は、急いで現場に駆けつけた。

「あーっはっはっは! 泣け! 喚け! 我らダクミィンの構成員に改造してくれるわ!」

高らかに笑うのはダクミィンの女幹部、秀麗のミレディ。
ハイレグで胸元が開いた黒いボンテージに長いブーツと帽子を被った姿。
エナメルに包まれた美麗な女は、鞭を片手に妖艶に微笑む――そこに!

「そこまでだッ! 悪の組織ダクミィンめ! 退治してくれるッ!!」
「ふん、またぞろどこかの正義の味方か。今度は楽しませてくれるんだろうねぇ?」

正義の味方撃破数二桁を誇るミレディが嘲るように笑う。
ブーツに飾られた星は、正義の味方を倒すたび手に入れた勲章だった。

「お、お願いしますっ! 助けてくださいっ!」

服を乱された、仕事帰りのOLと思しき女性が涙ながらに男に縋りつく。
男は力強くうなずくと、裂帛の気合をこめて正義の戦士への変身を発動させた。

「任せろッ! とう! 変身ッ!!」

腰のベルトがキュアッ! と輝きを増し、その場にいた全員の目が眩む。
次の瞬間!

「ぶぎゃああああッッッ! ぼぎゃああッ! おぎゃあああああああ!!!!!」

ぼこぼこと醜く身体を膨張させた男がこの世のものとは思えない絶叫を上げた!
僅かに透明感のある白い肉の塊が、男の体内から逃げたがるように暴れている。
やがてそれは男の身体を粉砕するようにしてぶりゅりと体外に押し出された!

ボギッ、ゴキゴキッ、ゴリンッ、ぐちゅぅぅっ、ブシャアアアアアアアーーーー!!!

「んぎゃあああああっ!! あぎゃあああ! ごぐぎゃああはああああ!!!」

無数の瘤に覆われて原形を留めない頭を左右に振り乱し、男が絶叫する。
縋りついていた女は凄絶な光景に、ガタガタ震えながらへたりこんで失禁していた。
ついに体長3メートルほどに膨張した肉の塊は、辛うじて四肢の名残を感じさせる醜悪なものだった。
それがどちゃりと地面に倒れこみ、四つん這いになってカサカサグチュグチュと女幹部に殺到する!

「ひっ……!? ひいいいいっ!! 来るんじゃないっ! 来るなっ! 来るなぁぁっ!!」

歪な瘤だらけの白い肉。そのあちこちから黒い体毛を伸ばしたモノが接近する様はおぞましかった。
女幹部――ミレディは半狂乱になりながら鞭を振るうが、おぞましさに総毛立って精彩を欠いてしまう。

「いやあああっ! やだっ、やだっ! 来るんじゃないよ! やめてっ、ひいっ、こないでええええ!!!」

ガタガタ震えるミレディは倍以上ある質量の肉の獣に組み伏せられ、四つん這いになったその下に囚われる。
ミレディは外から完全に見えなくなってしまい、その代わりのように肉の壁からくぐもった音が響いてくる。

『んぎゃっ! ひぎいい! あぎゃああああっ!! ぶぎいいいい!! ぎゅげええええええ!!!』

ぐちゅうう、ぶち、ゴキ、ゴリンッ、バギュッ、ずぢゅるうう、ゾリッ、ゴリンッゴリンッ

やがて肉の塊が這った後に見るも無残な遺体――ハイエナに食い荒らされたような――が残る。
白い肉塊は再びまばゆい光を発し、男の姿に戻った。額の汗を拭い、勝利のポーズを決めた。

「さすがは女幹部。厳しい戦いだった……ッ! 成敗ッ! ハッ! トウッ!」     おわり。

569 :名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 14:35:19 ID:f7zS/Gms
醜い変身ヒーローってのはありがちだがこれはハンパ無いなw

570 :うんこ:2009/02/03(火) 21:58:02 ID:sEF/XhuR
真弓は朝起きた。
「おはよう!」
ペットのカマドウマに声をかける。
カマドウマは聞こえていないのか同じ虫かごの中にいる
カブトムシとひたすら性行為を続けていた。
「はぁ…今日はテストかぁ…憂鬱だなあ」
真弓はこう見えてもテストは毎回100点の秀才だった。
「よし、学校なんてサボッちゃえばいいんだ!ゲームセンターに行こう!」
真弓はゲームセンターに向かった。2、3人のチンピラにからまれた。
「お姉さん、今日は平日ですよ、学校に行かなくていいのですか?」
リーダーと思われるスーツ姿の初老のチンピラに諭されてしまった。
「はーい、もう、仕方ないわねえ」
学校へ向かう途中オオカミに出会った。噛まれた。
「いてえっ!!何すんだこのクソ犬!!」
真弓は無我夢中でオオカミを持っていた大ナタで追い払い
家に帰った。

「はぁ…はァッ…なんなのこれッ…!!」
真弓の体毛はいつの間にか毛深さを増していた。
それだけではない。
手足の爪は鋭利な刃物のように尖り
両耳もまた頭上に引っ張られるような形で伸びていた。
「こんな…こんな事って…あがゥッ…!」
尾てい骨の辺りから尻尾のようなもの、いやそれは
紛れもない尻尾が伸び始め、それと同時に踵のあたりが
地面から浮き上がるような感覚。
もはや真弓の体は「人間」という言葉で表されるものでは
なくなりつつあった。
変化はまだ終わらない。
体全体が筋肉質になり着ていたブラウス、スカート、その他
諸々の下着が悲鳴をあげやがて布切れとなって床に横たわる。
一糸纏わぬ姿になったかと思いきやそこに広がるのは銀色の獣毛。
耳は頭頂部に移動し歪んだ口からは牙が窮屈そうに顔を覗かせ
毎朝丁寧に剃っていた陰毛も深いジャングルの茂みとなって蘇る。
「ガァッ…!!グゥアッ!!アグゥァッ!!」
真弓の口から漏れるそれは既に獣の咆哮。
身近に在る脅威にカマドウマとカブトムシも性行為を中断する。
「ウァ…ウガアアアアアアッッ!!」
一際大きな叫び声を上げたかと思うと
鼻と口が前にゆっくりとせり出していき、やがてマズルを形造る。
「ハァ…ハァ…」
そこにいたのは銀色の体毛に長い尻尾をなびかせる1匹の狼。
いや、正確には狼と人の間、狼女とも呼べる代物だった。

「こ、こんなのになっちゃうなんて…私…私…!!
真弓は普通の女の子に戻ります。」
人間に戻った。

571 :名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 22:15:56 ID:uGv5AfoF
こういう小粒な作品でいいからちょこちょこ投下されてほしいもんだ

572 :名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 22:39:28 ID:g4OzRTKI
いくら何でもぶっ飛びすぎ

573 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 00:07:19 ID:LLUHD6zx
問題ない。
俺の脳内補完はカンペキだ。

574 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:16:24 ID:4tVIGsBM
すげーww乙!

575 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:18:03 ID:yVWLXh67
つ精神分析〜♪

576 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 02:39:08 ID:KTnJxJMm
異形化とはなんか違うかもしれないが融合ネタがとんでもなく好きだ
触れ合ってるうちに皮膚が境界をなくして細胞同士が接着して血管と神経が絡まって、
個の中に納まっているべき情報が互いの中を錯綜して自他の境界が破壊されて、
そのうちひとつの個体へとずるずると纏まっていくのがそりゃあもう凄い好きだ。

577 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 08:02:25 ID:Guv9RuyM
>>570
簡潔で分かりやすいGJ

578 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 10:33:39 ID:ykYDBdM7
昔、光GENJIがドラマやってたね、狼男の
あれ思い出した……好きだったなぁ

579 :うんこ:2009/02/04(水) 17:00:35 ID:C7sV0B+U
「セックスしてくれないか?」

私の脳は思考停止した。普通夜中仕事帰りに人気のない通りで
知らない男性からこんな言葉をかけられれば叫び声をあげて交番に
駆け込むだろうし、合気道や空手などの格闘技マニアである私の場合は
相手の股間を蹴り上げるなり何なりして、この場を凌いだはずだ。
だが目の前にいたのは

狼男

である。

田中美緒22歳職業OLスリーサイズは上から84・50・78
中学時代沖縄での修学旅行中になまこを生で食べようとして吐いた事
以外はごく普通の平凡な人生を送ってきた彼女であるから
突然目の前に現れた非現実への対応に困るのは致し方のない事
かと思われた。しかしおよそ30秒経過後、彼女が口から漏らした
言葉は実に意外なものだった。

「いいよ。」

私は悩んでいた。それも普通の悩みではない。
人間の男を愛する事が出来ないのだ。
アイドル番組に出てくるような一般的に格好いいとされる
男の子を見ても全くときめいたりしないし、周りの友達が
そういったモノを見て騒いでいるのも全く理解出来なかった。
何度か男性から告白された事もあったが、それもすべて
断った。

かといって私には好意を抱く対象が無かったわけではない。
それは狼男である。
映画やアニメに出てくる狼男を見ると何故か異常に興奮し
体の疼きが止まらなくなる。狼男が出てくるシーンは何度も
巻き戻して再生し、PCの映像編集ソフトを使いそういった
シーンを寄せ集めたムービーを作ったりもした。
「狼男がもしこの世にいるなら全てを捧げても構わない」
本気でそう思っていたものだから目の前に突然狼男が
現れた時は歓喜、好意、欲望といった感情が混ざり合い
爆発しそうになった。それを理性で押さえつける
ために脳が一瞬の思考停止を促したのだ。
そう、今まで私が感情の裏で溜め込んできたものを
目の前の非現実がすべて解放してくれる。

580 :うんこ:2009/02/04(水) 17:01:07 ID:C7sV0B+U
私は人目につかないように気をつけながら狼男の彼をアパートの一室へと
招き入れた。この場合は「幸い」と言うべきだろう、私は親元を
離れ一人暮らしであるからその行為にもこれからする行為にも
何の問題も無かった。私は服を脱ぎ捨て一糸纏わぬ姿となる。
「一応聞いておくけど、本当にいいのか?そりゃ俺も嬉しいけどさ。
こんなに簡単にいくとは思ってなかったな。」
「ふふ、あなたは私の運命の人なのよ。」
見知らぬ男、しかも非現実的な対象にこんなセリフを吐くなんて
どう考えてもイタい女だなあと心の中では思いつつも
私の欲望は収まる気配を見せなかった。
狼男のカレにグチャグチャにされたい。
「んーまあ半分OKもらえるって確信はあったんだけど…
なんてったって俺とアンタは一緒のモンだし。」
「えっ?それってどういう…」
「まあこれからわかる、かも。」
彼も着ていた服を脱ぎ始める。黒みがかった灰色の体毛の上からでも
はっきりとわかる逞しい筋肉があらわになる。その美しさに
私は卒倒しそうになってしまった。いけない。これからもっと
美しい快楽の瞬間を味わえるのにここで気を失ってしまうのは
もったいない。何か気になる事を言った気がするがそんな事は
もう彼の美しい肉体の前ではどうでもよくなりつつあった。
「さて、じゃあ始めますか。R指定『美女と野獣』の開演です。」
彼はそう言うと私の胸と秘部を両手で愛撫し始めた。
「あ…はァッ…」
肉球のやわらかい感触が胸を通して伝わってくる。
その気持ち良さだけでイッてしまいそうになったがなんとかこらえた。
彼はしばらくその行為を続けていたがやがてあちらも
快楽を得るという欲望を我慢する事が出来なくなったのか
犬科の動物のような赤黒いペニスを私の秘部に宛がった。
私の秘部は既に大量の愛液で溢れていたため
挿入はスムーズに行われるはずだったのだが彼のモノが少々、
いやかなり大きいサイズだった為、中々前に進まない。
「これはやっぱ変身してもらわないと駄目かなあ。」
「?」
何を言っているのだろう。
「君も狼女になるのさ。いや、まあ元々狼女なんだけどね。」
私の脳が再び思考停止した。

581 :うんこ:2009/02/04(水) 17:01:49 ID:C7sV0B+U
「君は俺と同じ人狼なのさ…人間の男に興味無かったろ?」
「でも…なんであたし…そんな…信じられない」
「匂いでわかったんだ。この姿の時はハナがきくんだ。
 俺も君と同じように人間の女に興味が無かった。なんでだろう、とそりゃ悩んださ。
 もしかしたらホモなんじゃないかとも思ったけど男にも興味が持てなかった。
 唯一興味が持てたのは映画の狼男への変身シーンだったんだ。ああいうのを見ると
 異常に興奮する。最初はなんて異常な趣味だろう、と思った。
 でもある日気付いたんだ、俺は本当の狼男だったんだってね。」
頭の情報整理が追いつかない。だが彼は構わず喋り続ける。
「狼男は満月を見ると変身するってあるだろ?あれ嘘じゃないんだよ。
 でもただ見るだけじゃない。心の底から人狼になりたい、って
 思いながら見るんだよ。少しでも疑っちゃ駄目だ。」
「じゃあ私も…人狼になりたいって思いながら満月を見れば…変身しちゃうの?」
「そうさ、やってごらんよ。今日は丁度満月さ。」
私は立ち上がりカーテンを開ける。上空には真円の月が深い黄色の光を放ちながら
佇んでいた。
「息を整えて…人狼の姿を思い浮かべるんだ…。そしてそれと自分の姿を重ね合わせる。」
彼に促されるまま私は満月を見上げ人狼と自分の姿のイメージを強く思い描いた。
やがてそれは大きく熱い血液の奔流へと変わり全身から汗が噴き出始める
「そうそのまま…もうすぐ変化が訪れる。」
体が熱い。激しい痛みを伴いながら私の体がミシミシと音をたてて変わっていく。
全身に灰色の毛が生え始め、同じように髪の毛の色も黒から灰色へと変わっていく。
手足の爪は月明かりを反射し鈍色の光を放ちながら尖り、手のひらには肉球、
尾てい骨のあたりからは肉と骨が同時に伸びていきやがて灰色の
毛に深く覆われフサフサと揺れる尻尾となる。
「あ…ああっ」
痛みはやがて快楽となり全身を駆けめぐる。
そして変化は続く。
瞳の色は金色へと変わり妖しい光を放つ。
全身が筋肉質になり胸もその大きさを増してゆく。
すっかり全身を灰色の毛で覆われたその姿もはや顔以外は人狼そのものといった感じだ。
やがてその顔にも大きな変化が現れる。
歯は鋭い牙へと変貌し、耳は頭上へと移動していき三角形を形作る。
鼻は黒く湿りだし、口と顎まわりの肉と骨を巻き込みながら前に突き出していきやがて
しっかりとしたマズルを形作る。
「ウォ…ウォォォーーーーーーン!!」
思わずあげた叫び声はすでに狼の咆哮そのものだった。

582 :うんこ:2009/02/04(水) 17:04:25 ID:C7sV0B+U
「これが私…?」
私の姿は灰色の獣毛、豊満な乳房、長くてフサフサの尻尾を持つ狼女へと変貌した。
「綺麗だ…」
彼が呟く。私も全く同じ感想だった。
「さあ、続きをしようか。その姿なら大丈夫なはずだ。俺ももう我慢できない…!」
彼のモノはビクンビクンと波打ちその先からは先走り液が滴り落ちている。
私はその欲望の塊をくわえ込もうと股を広げた。
ズチュ…ヌチュ…
いやらしい音をたてながら彼の巨大なペニスが私の中に入って行く。
先程のように窮屈な事は無く、熱い肉棒の感触が私の中に感じられる。
しかし根本までくわえ込む前にその進行は阻まれた。
「大丈夫…行って…」
彼は一呼吸置いた後、腰を深く沈めた。処女膜を突き破り熱い肉の塊が
私の一番奥へと達する。
「ハァッ…アアアアアアアゥッ」
私の中で快楽が爆発した。
「ハァ…ッ…ハァッ…」
「動いても…いいかい?」
私は無言で頷く。
彼はそのままゆっくりと腰を前後に動かす。
ズチュズチュヌチュヌチュと音が漏れやがて
その動きも激しくなっていき私の感情も再び上り詰めていく。
「もう…そろそろ…限界だッ!」
「いい…よ!大丈夫…ッ!」
「ウ、ウアアアアアッッ!!!」
ドプッ ドピュゥッ ドピュルルルドプッ
私の中に大量の熱い迸りが放たれたのを感じる。
「ヒィアアアアアアアアアゥゥッ!!」
私も同時に叫び声を上げながら絶頂に達した。

「ハァッハァッ…」
しばらくして彼がペニスを引き抜くと
ゴプッ ゴポッ
と音を立てながら私の中から大量の白濁した
液体が漏れて出る。凄い量だ。
「良かった…あなたに出会えて…」
「俺もだよ…」

その日から私の人生は大きく変わった。
昼の仕事は以前よりうまくいくようになり周りからも
急に明るくなってどうしたの?と聞かれる事が多くなった。
そして満月の夜は獣となり彼との愛を確かめ合う。
私は今充実している。

583 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 17:15:00 ID:ZuhF2DGN
GJだぜ
狼女の香りがするようだ

584 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:00:08 ID:jMuKIdwH
GJだがハンネそれでいいのかw

585 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:12:59 ID:xotazjnW
続きが出来たので投下します。
融合もの、>>525->>529の続きです。苦手な人は「おめざめのじかん・つづき」でNGよろすく。

586 :おめざめのじかん・つづき:2009/02/04(水) 22:15:30 ID:xotazjnW

 後背位で繋がったままの二人。まず変化を始めたのは、兄の和義であった。

 膝立ちの両足、その体毛が一気に抜け落ちると、ぐにゅりと足先が歪んだ。足の指は瞬く間に癒着し、溶け合い、なくなっていく。
 右足と左足、全ての指がなくなると、今度は互いの足が絡み合い、ねじられながら徐々に後へ伸びていき、少しずつその長さを増していった。

 「あが、ぐが、ぎゃ」

 のけぞったままで大きく開けながら、意味のない音の羅列を発し続ける彼の口。その端から顎を経て、由希の肌白い背中へぽとりと落ちる涎の雫。
 
 右の瞳からまるで色を失うように、虹彩が消えていく。足の先端がねじられながら癒着し、そのの変化は膝まで進み、開くことは不可能だ。さらに伸びて一つになった
足先の皮膚に少しひびが走り、肌色は色を濃くし、緑がかった青色へと変色を始めた。同時に、由希も変化を始めた。

 「ああ、くは、ああんっ!」

 和義の肉棒をくわえ込んだ由希の淫唇は、悦びに二、三度うち震えるとピッタリと閉じていく。その内側では、彼を離すまいと蠢いていた襞がぼこぼこと暴れ、
亀頭を、陰茎を取り込んでいた。それが完全に溶け合うと、秘裂と怒張の根元も融合し、二人は完全に繋がった。
 
 「はあ、んふう、ひき、くがっ!」
 
 彼女の太腿がそれぞれ、内側から膨らみながら太さを増し、長さを増す。それに耐え切れなくなったのか、由希は重心を後ろに下げ、前かがみの正座のような格好になる。
本来ならば後の兄が支えになるはずだったが、彼の足は骨格までもが癒着して再構成されて、支えることはできなかった。
 
 異様に膨らんだ腿が脹脛に触れると、皮膚の下の肉がうごめくようにして飲み込み始めた。踵は同じように膨張を始めた尻肉に埋没し、皮膚の境を無くしていく。
 
 「はあ、んふう、ひき、くがっ!」

 膝から先は完全に太腿に飲み込まれ、臀部の柔肉に埋まっていく両足も、もうそれぞれの指を残すだけになった。それが完全に無くなるのも時間の問題だろう。
 さらに、無くなった足を補うように、新しい足が膝に形作られていく。大腿骨の先端が変化を始め、正真正銘「膝立ち」している由希を支えるべく、
膝頭を突き破り、鋭利な突起が三つシーツに食い込んだ。

587 :おめざめのじかん・つづき:2009/02/04(水) 22:17:23 ID:xotazjnW
 
 「おう、うお、おおおっ!」
 「はう、ひあ、ひあ、ひくうっ!」

 肥大化した由希の尻肉。和義の睾丸が、その谷間に吸い込まれるように融解し、二人の性器は完全に一つになった。それでも変化は留まらず、密着している彼の腰も、
膨らみ続ける彼女の臀部との区別をなくし、癒着を始めた。

 「かはぁーっ、はぁーっ」

 和義の両足は、原型を留めていなかった。
 融合と皮膚の硬化、変色は、太腿の付け根まで及び、巨大な一本の尾、としか形容できなくなっていた。
 いや、それは尾そのものだろう。快楽に震えているのか、左右に空を切りながらベッドの上でのたうっている。

 「ふあぁぁ、あはぁぁぁ」

 快楽に染まりきった由希の表情。左目は意思の光を失って久しく、右目の虹彩が、爬虫類を思わせる縦に伸びた切れ長のものへと、その色も紅くなりながら変化していく。

 「あ、ああ…」

 そうして、下半身は一つになった。由希の膝だった部位には三つの鍵爪が生えた大きな足が出来、尻尾と化した彼の両足と同じく、皮膚の硬質化、いや鱗化が始まっていた。

 程なくして、腰から上の融合が始まる。

 「ぐげ、げぐえうきえいかがああぐっ!」

 呻きともつかない不気味な声が開けっ放しの彼の口から漏れ、何とか残った上半身を、彼女の背中に重ねるようにして、融合した根元から少しづつ重ねていく。アイスクリームが
溶けていくかのように、肌が重なった部分から張り付き、癒着していく。
 
 時を同じくして、ぼきぼきと何かが折れるような音を響かせながら、和義の両腕が肘から手首からそうでない部分から折れ曲がり、左右に伸び始めた。両手の指も音を鳴らしながら
異様に伸びていった。その間には皮膚が張られ、また同じように腋と二の腕に張られた皮膚が、少しづつ広がっていく。
 
 人間とは呼べないような、異様な姿になりながらも、二人はその全てが快楽に変換されていた。
 
 細胞が核レベルで結びつく。筋肉の繊維一本一本が交互に編み上げられ、骨は互いに癒着する。血管と神経が絡み合いながら再構成され、脂肪は溶け合って肥大化し、筋肉の一部へと
変換される。内臓までもが融合を始め、人間ではない何かへと適した形へ変化していく。
 
 そのすべてが、一つとなりかけている二人を、絶頂の瞬間のあの気持ちよさ、それを遥かに上回る性感になって二人の意識を揺さぶっていた。
 
 上体を支えていた彼女の両手は爪が黒く、長くなり、緑の鱗に覆われ始めていた。上半身の融合はかなり進行し、和義の肩から下は由希と一つになっていた。融合箇所は肥大化し、
すぐに鱗が包んでいく。伸びきった両腕もそれに覆われ、広がっていた皮膚も変質し、一対の翼を形作った。
 
 ついに肩が触れあい、融合が始まる。これが二人の少年少女であったという名残は、首から上にしか残されていなかった。由希の腹部は白色の強い、柔らかそうな蛇腹になり、
大きめな双丘は他の部分同様、緑青色に染まる。その頂は溶けるようにして、さらに成長を始めた双丘に飲み込まれた。
 
 その姿は、まさに異形。
 
 肩から下は二人より二周りも大きい、鱗に覆われた爬虫類のような何か。成長しきった巨大な乳房が唯一、人間の名残を匂わせる。
 肩から上は、高校生の少年と中学生の少女、二人の頭が並んでいた。二人とも理性の欠片も無い、淫らに嗤った貌で、涎や涙を垂れ流していた。

 そして、それぞれを個たらしめる自我の融解が始まる。

588 :おめざめのじかん・つづき:2009/02/04(水) 22:18:52 ID:xotazjnW
 
 (お、お、れ、……ゆ、き……)

 自我を掻き消すような激しい快楽に混じり、明らかに他人の思考、記憶が風前の灯と化した和義の理性に入り込み、意思の境界さえもが曖昧にぼやけ始めた。

 (お、れ、は、ゆ、き…?ゆき、は、おれ…?)

 入り込んだ他人の思考、それは由希のもので。

 (そう。君は由希)

 それを自覚した瞬間に、別の誰かの声がした。それは自分のものの様で、最愛の妹のものの様な、それでいて遥か昔から知っているような優しい声。

 (そして、君は和義)

 最早自分なのか、妹なのかさえ分からなくなった。

 (そして、君は僕)

 (う、うわあ、ゆ、ゆき、が、お、にい、ちゃ、んが、まざ、るぅ……まざっちゃ、うぅ……)

 (そう。君たちは混ざって、一つになって、僕になるんだ)

 二人の精神は完全に境界を失い、融合を果たした。そして声の主そのものへと変化していく。それに合わせるように二人の肉体は、加速度的に最後の変容を進めていった。

589 :おめざめのじかん・つづき:2009/02/04(水) 22:21:53 ID:xotazjnW
 
 「「ああああああああああ!」」

 並んだ口から叫び声を吐き出して、二人の首がぐぐりと伸び始めた。伸びながら和義の首は、由希のそれに根元から巻きついていく。そこから皮膚の境界が無くなり、太くなり、鱗が覆う。
 首の成長が止まると、二人の頭が、勢い良く左右からぶつかり合った。
 ぐしゃりといういやな音が、部屋に広がる。しかし二人の顔は、嗤ったままだった。
 右半分が、由希の顔。
 左半分は、和義の顔。
 互いの顔の半分がめり込みながら、二人は口の端を吊り上げ、嗤っていた。

 「あが、げがあっ」

 鼻先が、上顎ごとめきめきと、前に伸びていく。下顎もあわせて伸び始める。
 
 「けは、ごげ、ごぼっ」

 髪の毛が抜け落ち始め、耳が引っ張られるように尖り、広がる。

 「ぐぼ、ぐおお…」

 ぽろぽろと抜けていく歯。しかし抜けた先から、尖った新たな歯が生えそろう。

 「ぐおおおお……」

 声帯までも融合し、人間とは思えない唸りが、喉の奥から響き始めた。髪の毛が完全に抜け落ち、変形した頭から、一対の角が伸びる。

 「おおおおおおおっ!」

 首を覆いつくした鱗は瞬く間に頭を覆い、伸びきった鼻先と顎を包んで。

 「ぐるおおおおおおおおおおおおっっ!!」

 右目を紅く、左目を蒼く輝かせて、生まれ変わった喜びを思い切り、咆哮へと乗せた。

590 :おめざめのじかん・つづき:2009/02/04(水) 22:23:08 ID:xotazjnW

 それは、まさしく一匹の竜。
 二人が自他の境を失い、ずるずると融合し、全く別の生物、一つの個へと纏まった姿。

 (やっと、やっと果たしたよ。千年以上の時を経て、ようやく)

 自分の体をあちこち見回しながら、人間には決して聞き取れない「声」で、満足げに呟く蒼き竜。
 何度も何度も様々な生物に転生を繰り返しながら、力を溜め、再び空に羽ばたく為に。

 (二人の人間に別れちゃったのは誤算だったな……)

 別れた魂の欠片は、強く呼び合い、それは分離した二人が愛し合うという結果になって。
 魂や力を精液や愛液に乗せて注ぎあい、ようやく今、長年の願いは果たされた。

 (二人には悪いけど、ほんのちょっとだけ、休んでてね)

 カーテンの端を銜えて、破かないようにそっと首を動かすと、寝静まった住宅地の僅かな明かりと、真っ白い月が佇んでいた。

 (静かで、いい夜だ)

 ベランダと部屋を隔てる大きなガラス戸も、首と口で器用に開け放つ。夜風が蒼い鱗を撫でる感触が、何よりも気持ちいい。

 (久しぶりに飛ぶんだ。落ちないように気をつけなきゃね)

 二人の人間が成り果てた、一匹の竜は、ベランダからふわりと飛び立つと、月明かりの差すほうへ、静かに、静かに舞い上がった。









 が、そうは問屋が卸さないのであった。
 彼はしっかりと航空自衛隊のレーダーサイトに捉えられ、ガ○ラやギ○オスとの交戦経験もある百戦錬磨の百里基地所属F−15Jと日が昇るまで
必死の鬼ごっこを繰り広げることになり。
 へとへとになって逃げ帰ると、竜の体を保つだけの力さえも残っておらず、余韻も味わう間もなく和義と由希に戻った。

 その日二人は一日中、謎の全身筋肉痛に悩まされていたそうな。

591 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:30:06 ID:xotazjnW
終わりました。
溜まった食玩を組み立てながら書いていたら、こんなオチに。すいませんほんとすいません。
あと気に入った表現がありましたので、>>576さんのレスを一部お借りしています。

>>581さんGJです。挿入して獣化、いいですねえ。



592 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:35:25 ID:WzwShpce
ちょ、オチwww
だがGJ

593 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:37:40 ID:U8yBHDDZ
まさかのオチに吹いたw
しかしGJ!

594 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:53:51 ID:4tVIGsBM
待ってました!なんという脱力オチwwww
でもそれまですごく興奮したー。融合変身って素晴らしい。ありがとう。
なんとなく元の二人に戻るシーンも見たかった(スレ違いだけど)

595 :名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:16:28 ID:lkt+cri+
GJだ!!
筋肉痛www

596 :名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 00:40:51 ID:Mc1JwkNS
そりゃ自衛隊も追いかけるだろうさww
ともかくGJ!!
スレチだけど俺も元に戻るシーン見たいな

597 :名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 00:36:56 ID:5gVd+pDR
誰かサキュバス化書いてくらはい…

598 :ドリアード書いた人:2009/02/07(土) 09:36:06 ID:GxzEvt/t
>>597
変身菓子の短編として考えてはいるのですが……このスレだとスレ違い(変身度合い的に)になるのではないかと思ってますが、どうでしょう?

599 :名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 09:46:35 ID:TFL5AzK1
特に問題ないかと思います。

600 :名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 10:00:55 ID:44ZCL0zu
むしろ大歓迎です

601 :名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:03:13 ID:5gVd+pDR
>>598 上にヴァルキリー化もありますので問題ないかと
     というか是非


602 :おにゃのこが悪魔になっちゃう話 第一章:2009/02/09(月) 02:34:17 ID:voeJnhm9
私は悪魔神官。今日も馬鹿な人間を下僕にする仕事が始まるお・・。

「ここは・・どこ?」
「クク、ようやくお目覚めかい子猫ちゃん・・」
「あ、そうか私、酔っ払ってて、あの、ありがとうございます。
私もう一人で帰れますんで・・ってあれ?手足が、繋がれてる?!」
「ふふっまだ帰すわけにはいかない。君はひどく傷ついていた。
長く付き合っていた恋人に裏切られ、このままでは命も捨て兼ねない状態だった。
そんな君をひとりで帰すことはできない」
「うう、私見ず知らずの人にそんなことまでしゃべっちゃったの?
確かに、昨日彼に捨てられて、もうこの先どうなってもいいやって思ってた。
でもあなたにこれ以上構って欲しくないの。
だからお願い。とにかくこの鎖をはずして?ね?」
「ダメだ。君はもっと彼を恨まなければならない。心の底から」
「何を言ってるの?私はもう・・」
「忘れてなどいないはずだ。お前は何も悪いことはしていない。
一途に恋人のことを愛していただけ。それなのに」
「それなのに・・」
「やつはお前を」
「ううっ・・ひどいよ・・信じてたのに・・」

人間という種族ほど感情を操るのが簡単な生き物はいない。
憎しみの火種を引っ張り出すのに成功すればあとは燃え上がらせるだけ・・。
女の胸に手をかざし、どす黒い波動を送り込む。
女の胸に灯った憎しみの火種が徐々に膨れ上がっていく・・。

603 :ちなみに598の人ではありません・・:2009/02/09(月) 02:38:05 ID:voeJnhm9
「ああムカつく・・ムカつき過ぎて気持ち悪いよ・・あああ」
女の顔が次第に険悪になっていく。悪夢にでもうなされているような表情だ。
構わず波動を送り続ける。
次第に女のうなり声は大きくなる。
「ああ!苦しい!憎い!憎いぃ!!あああ誰かあ!誰か助けて!」
火種が悲鳴を吸収しているかのようにボウボウと音を立てて燃え始める。
女は胸を掻きむしるような仕種で縛られた手足をじたばたと動かし始める。
やがて悲鳴は絶叫へと変わる。
「あああああああ!!アイツ!!あの野郎!!よくも!!よくも!!
ああっ!!はあああ苦しいよおぉぉぉ!!」
女の形相は怒りに歪み、まるで犬のように唾と罵声を盛大に吐き出す。
ここまでくれば私が波動を送るまでもなく、炎は自然と燃え上がっていく。
「ぅっがああああ!!コロス!コロス!殺してやる!ぶっ殺してやる!!!
あのイ○ポ野郎!!ぶっ殺してやるあああああ!!」
怒りに取り付かれるとこうも醜く成り果ててしまうのだろうか。
人間とは脆い生き物だ。そろそろ人間の肉体では
憎しみを制御出来なくなってくる。女の身体も次第に作り替えられていくはずだ。
血圧が人体の限界値を越え、女の鼻から勢いよく鼻血がブッと飛び出す。
「きゃあああああ熱いぃ!!身体が焼けるうぅ!!!」
綺麗に装飾を施されていた爪は既に5センチ程まで伸び、硬く鋭いものに成り代わってしまった。
女が暴れる度に自らの服を切り裂き、白い肌を傷つけている。
大きく見開かれた眼球は、瞳の部分を残し、
白眼の部分が鮮やかな黄金色に染まって行く。
犬歯は徐々に鋭さを増し、唇の中に収まらなくなる。
「くああぁ!!!熱い!!あっ?アタマいったああああい!!!」
悲鳴を上げる女の頭上に悪魔の象徴である二本の角が姿を現し始めた。
ゆっくりと髪を掻き分けながら、メリメリと何かが軋むような音を立てて伸びてゆく。

604 :おにゃのこが悪魔になっちゃう話 第一章:2009/02/09(月) 02:51:25 ID:voeJnhm9
角が完全に生え終わる頃、女の全身の筋肉は悪魔特有のものへと姿を変える。
身体中がピクピクと震え出し、色白の肌は次第にくすんでいく・・。
その色はやがて鮮やかな紫色を発色し始め、女の手足から顔、局部に至る全身が美しい紫色に変化した。
「はあ・・・くっ・・はあっ!・・」
紫色に染まった女の全身は依然痙攣を繰り返しており、
身体全体を酷使するあまり全身に太い血管が浮かび上がる。
その血管は人間のものとは違いグロテスクにうねうねと女の身体中を波打つ。
痙攣していた筋肉は次第に膨張し、脂肪に包まれた女性特有の柔らかいシルエットは
少しずつ筋肉質なものへと変化する。
緩やかな曲線を描く紫色の肌に次々と影が刻まれてゆく。
「くうぅぅ!ああああ!」
腹筋は八つに割れ、二の腕やふくらはぎも大きく盛り上がる。
頭を支える首も一回り太くなり、更に強靭さを増す。
女性のシンボルである胸部は更に巨大化し、
小ぶりだった女の胸ははちきれんばかりに膨れ上がってしまった。
身体の変化に引き続き顔の痙攣が起き、女の顔も変わってゆく。
眉間に深く刻まれたシワは筋肉の膨脹によりさらに盛り上がり、
眉は全て抜け落ち、まるで仁王のような目つきとなった。
鼻っ柱がゴキ

605 :変なとこで切れてしまっ:2009/02/09(月) 02:55:18 ID:voeJnhm9
鼻っ柱がゴキゴキと音を立て、依然よりごつくなり、小鼻の筋肉も大きくなった。
髪の毛はこの人間の場合抜けることはなく、依然チャラチャラした髪型のままだ。
「悪魔らしい顔つきになったもんだ」
「ぐおおぉぉ!!なにこれぇ!!力が溢れるみたい!!うがああああ!!」
ガチャンと音を立て繋がれた鎖が引きちぎられた。
これで変身終了だ。
「キアアアアアアア!!ぐおおおおああああ!!」
女は悪魔になった喜びにうち奮え、歓喜の雄叫びを上げた。


とりあえずここで終わりです。
気が向いたら第二章も書くかもしれないです。
読んで下さってありがとうございました。

606 :名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 17:09:33 ID:RS80kDGg
GJ
最初ふたなりか男体化したと思ったぜ
鼻血表現が新鮮だな

607 :名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 13:10:17 ID:5r1HEFTt
第二章wktk

608 :名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 21:50:43 ID:NsnfHihJ
いつの間にかすごいのがきてた
第二章にwktk

>>605
GJ!

609 :名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 18:24:13 ID:dIFOnEAQ
続きです。二章では女主観の文章になります。

「はぁ・・くっ・・はぁ・・はぁ・・」
「お疲れ様。気分はどうだね?」
「はぁ、はぁ、なんだか、身体中から力が湧き出てるみたいで、すごく気持ちいい・・。
今ならなんだってできるような・・。あなた、私に覚せい剤でも打ったの?」
「ははは!そうだな。覚せい剤みたいなもんだ。しばらくその快感に酔いしれるがいい」

この男に縛られて、さっきまですごい苦しみを与えられてたはずなのに、
そんなのもうどうでもよくなるほど、身体中に溢れるこの力は心地いいものだった。
今までぼやけていた視界に一気に鮮やかな色が着色され、
素晴らしい世界を手に入れたような、そんな気分。
「んんんあああ!この力、一体なんなの・・ああんもう抑え切れない!」
私は腕を振り上げ、近くにある机に思いっきり両手を振り下ろした。
するとずがーんとすごい音を立て、机は真っ二つに折れてしまった。
それはまるで発泡スチロールのように脆い感触だった。
「ぇ・・嘘・・やだ、これ、私がやったの・・?え、これって夢?」
「夢ではない。これは現実だ。それがお前の新しい力だ」
「え、でも今、すごい簡単にこんな・・え?なに、これ?」
「混乱しているな、いいかよく聞け!お前は悪魔に生まれ変わった!
もう人間ではないのだ!先程お前が受けた苦痛は全て
人間から悪魔に変わる儀式のようなものだ」
この人一体何を言っているの?私が悪魔?悪魔ってほんとにいるの?
「てことはあなたも悪魔なの?」
「当然だ。今はお前を警戒させないために人間に擬態しているが、
本来の姿は違う。しかしお前の姿は悪魔そのものだがな」

610 :名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 18:25:23 ID:dIFOnEAQ
私の姿が悪魔?何を言ってるのだろう?そんなはずがない。
私は人間だし、人間の女の子・・・でも、この紫の肌は何??
この黒くて尖った爪は??ボディービルダーのような腹筋・・メロンみたいな・・・・。
いやだ、これ、私の身体じゃないよね・・・?
「ククク、まだ信じられぬか。鏡でも見てくるんだな」
私は洗面台に向かい、そっと鏡を覗いた。
「・・・・きゃあ」
そこにいたのは悪魔。そう呼ぶことしかできないような姿。
その悪魔が両手で口を隠すような女の子っぽい仕草をした。
それはまさしく私のリアクションだった。
私が右手を動かすと右手が動き、左手を動かすと左手が動く。
「やっぱりこれ・・私なんだ・・」
私は結構かわいい方だと思ってた。男の子にもちやほやされてたし、
雑誌モデルなんかもやってた。でも目の前の・・・私は・・。
「・・嘘でしょ・・こんなのやだぁ・・・ねぇ、人間に戻してぇ!戻してよ!!」
「もう無理だ。一度なってしまったもんは元に戻すことはできん。諦めろ」
「そんな・・・こんなの・・」

611 :名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 18:27:01 ID:dIFOnEAQ
「じっくり自分の姿を見ろ。そして慣れろ。悪魔としてはなかなか悪くない」
「誉めことばになってないよぉ・・」
身体つきはまるで男。それも格闘技でもやってるような。
でもおっぱいだけは前より女・・・身体を触ると、カチカチなのに
オッパイだけすごく柔らくて、ふにふに気持ちいい。
オッパイを触る手は血管だらけのおっきな手。
毎日クリームでお手入れしてたのが馬鹿みたい。
顔は・・・怖い。怒ってないのに常に怒ったような顔。
でも私の顔の面影がちゃんとあって、それがまたすごく嫌!
外国人のように眉の部分がぼこっと盛り上がり、そのせいで目が奥にある感じ。
その目は真ん中の小さな瞳の部分以外は金色になってて、
まるで獣のようにギラギラ光りを放ってる。
睫毛はエクステをつけていたので、いまだに濃くて長くて逆に気持ち悪い。
こんなのに睨まれたら動けなくなっちゃうほど怖い。
前は小さくて低くもない大好きだった鼻が、今じゃ見る影もない程変形している。
鼻の筋肉が発達したせいか、ちょっと力を入れただけで
小鼻をヒクヒク動かすことができる。
唇はどす黒い色に染まり、犬歯が上唇を少しめくれ上がらせ、下に伸びてる。
頭の上にはご丁寧に角まで生えちゃって。


612 :また変なとこで(ry:2009/02/12(木) 18:28:39 ID:dIFOnEAQ
でもそんな悪魔が女の子らしい髪型をしてるんだから笑っちゃう。
まるでカツラを被ってるみたいだけど、これは紛れも無く私の髪。
両側から紫色の耳が長く伸び、耳たぶにピアスが光る。
笑ったり怒ったりしてみた。眉間のシワのせいでどんな顔をしても不気味だ。
でもやはりよく見ると私の顔がベースなってるのがわかるため、
自分の顔がこんなに変わってしまったんだということをすごく実感してしまう。

613 :名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 18:32:53 ID:dIFOnEAQ
「はは・・・どうすんのよ、これ、完全に悪魔じゃん・・・。
さっきの力も、この身体も、全部本物だったんだ・・」
「人間の美的感覚などすぐに忘れる。とにかく慣れろ」
「うぅ、私これからどうやって生きていけばいいのよ?」
「さっきの力を忘れたか。その力を利用すれば不可能なことなどないはずだ。
人間の感覚でいえば一夜にして大金を手に入れたのと同じこと。
それとまだ自覚はないだろうが、お前は悪魔だ。
外見だけではなく心もすでに悪魔。
今はまだくだらん人間の名残を捨てきれずにいるようだが、
心も悪に染まり完全な悪魔となれば
羽も形成され自由に空を舞うこともできるだろう」
「ええ、羽とかも生えちゃうんだ。きもちわるっ!」
「さて、私はまだまだこの仕事を続けねばならんからな。
そろそろここを去らねばならないんだが、他に何か聞きたいことはあるか?」
「あっ、えっ?いきなり言われると・・てゆうかまた
私みたいな女の子を悪魔にしちゃうんですか?」
「女だろうが男だろうが関係ない。しかし女の方が嫉妬深く単純だから作業が楽かな。
質問がないなら私は行くぞ」
「あああ待って!あなたがいなくなったら私どうすれば」
「別れた男にも同じような台詞を言ったのか?」
「えっ・・・」

ドクン・・・・・

「ではさらばだ。お前の成長を楽しみにしているぞ!」
そう言い残すと、悪魔は背中から巨大な羽を広げ、
バサバサと音を立てて飛んでいった。
別れた男・・その言葉を聞いたとき、全身に奇妙な感覚が走った。

614 :名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 18:34:27 ID:dIFOnEAQ
別れた、男・・・。
そうだった・・・。
忘れかけた感覚を必死にたぐりよせるように、私は鏡の前に立ち尽くしていた。
蘇る。静かに。ドクン。また。ふつふつと燃え上がるようなこの感じ。
燃え上がると同時にスーッと気分が楽になるような不思議な感覚。
憎しみ、恨み、悲しみ、怒り、そういうのを越えてしまったような、素敵な快楽。
「そうだ、思い出した。私、あいつを、殺さなきゃ・・」
そう口にした瞬間、自分でも信じられないほどの力が全身を駆け巡った。
「ひっ!殺す?殺すって、犯罪だよ?それでもやるっていうの?
あひっ!力が!やばい!また!」
彼を殺すことをイメージしただけで、身体が跳びはねる。
鏡を見た。目の前の悪魔は、私は笑っていた。
でも少し見慣れたせいか、あまり違和感はない。これが私の顔。新しい顔。
口からよだれを垂らしてる。ああ、そうなんだ。私お腹空いたんだ。
今日はお肉が食べたいなあ。とりあえず「お買い物」に行かなきゃ。
私はいてもたってもいられなくなって、部屋の扉を開けた。

615 :名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 18:39:08 ID:dIFOnEAQ
とりあえず終わりです。続きは構想はあるんですが、
もともと文章書くのが苦手なので
結構しんどくてちょっとどうなるかわかんないです。
読んで下さった方ありがとうございました。

616 :名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 19:20:36 ID:UfbZpMm1
wktk・・・・GJ!

617 :名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 01:59:16 ID:HhHoNQqB
gj 続き待っててもいいんだよね……

618 :名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 21:52:05 ID:INgmGf7j
>>615
GJです。
正直、ここまで相手を憎むなり性格変わるなりといった描写は書けないので、羨ましいです。
そっか……悪魔変化ってこんな風にも書けるんだ……。

619 :ドリアード書いた人:2009/02/14(土) 23:22:19 ID:INgmGf7j
お待たせしました!
不出来ながら『変身菓子2』をお届けいたします。
どうぞ、ごゆるりと。

620 :『変身菓子2』:2009/02/14(土) 23:23:11 ID:INgmGf7j
「さくまん、ちぇ〜っく!」
説明しよう!さくまんちぇっくとは、町に溢れる目新しいものを、クラスにいるマイフレンドにごきょ〜じゅするというすンばらすぃ〜行為なのですっ♪
「……」
隣の席にいるマイソウルフレンド、もりりんは相変わらず冷ややかな目だけどね。
「もう、ノリが悪いな〜。booマーク進呈しちゃうよ?」
「booマークって何よ。それよりアンタは勉強しなくていいの?」
「勉強?」
はて、何か勉強しなきゃならないイベントってあったっけっな?テスト週間は来週からだし、小テストは今日の授業ぢゃないし……体育のテスト?
キョトンとしてるわたしに、もりりんはどこか呆れたような声で返してきた。
「アンタねぇ……テスト週間一週間前でよくそんな余裕があるわねぇ……地域経済論の雲田教授、レジュメ52枚あるのよ?」
「……あ」
そうだった♪確かに52枚もあったら今から勉強しないと間に合わなくなるよね〜。うんうん。持つべきものはやっぱり友達だよ〜♪
「もりりんありがと〜♪」
「うわっ!やめ、ちょくっつかないの佐久間!」
ん〜、もりりんの肌触りいい感じだよぉ〜♪ほんと、いつもありがと〜♪

――――――――――――――

さてさて♪
やっぱり勉強と言えば甘いものは欠かせないよね?で、も……同じものばっかり食べるのは私的にイヤ〜。新鮮なものが欲しいのは当たり前だよね?ね?
そんなわけでわたしは、町の中を新鮮なスイーツを求めてフラフラしてたのでした。バッグにはレジュメ52P入れてるから、店内で出来るしね〜♪にっひひ〜♪
鼻の赴くまま目の指図のままあちこちに歩き回るわたし。ん〜、流石に町内全制覇しちゃったかな?チョコ系の美味しい店とか〜チェックノート一杯にあるしね〜。
「ん〜ど〜しよっかな〜?」
流石にウンディーネ印のコーヒーショップで一息はしたくないしな〜。『トミタクロス』のチョコケーキはなぁ……。
な〜んてとりとめもないことを考えて歩いていると……?
「……んあ……んお?」
あれ?あんな店あったっけ?ノートチェック……無いや。最近出来たのかな?でも工事の人が来た気配はないし、ドリルや石割機の音もした覚えはないし……?
あ、甘い香り♪何屋さんなんだろ〜……?
「んふふ〜♪行ってみよ〜♪」
バックを掴んで早速れっつごぉ♪

621 :『変身菓子2』:2009/02/14(土) 23:25:05 ID:INgmGf7j
――――――――――――――

「わ〜お客さんだ〜!いらっしゃいませ〜!」
わりと可愛らしい、小学生くらいの女の子が出迎えてくれたこのお店――洋菓子屋さん!あぁなんてわたしはついてるんだろうっ!神様がいるならグッジョブ!
「座席はこちらで〜す♪」
「はいは〜い♪」
内装が新しいし、あまり人もいないから、まだ知られてないのかな?品揃えも……まだ少ないか〜。さてと〜♪
「チョコガナッシュひとつ、ココアをホットでお願いします♪」
「は〜い♪」
明るくとてとてと店の奥に走っていく女の子。うぅ……まるで人形みたい……可愛いよぉ……お持ち帰りぃ……はマズイや。誘拐だし。
取り出したレジュメの要点部分に黄色の蛍光マーカーを色塗りしていると、さっきの女の子がととととと歩いて、チョコガナッシュケーキとココアの乗ったお盆を運んできた。
「お待たせいたしました〜♪チョコガナッシュとココアでございま〜す♪」
そのまま注文した品物が書かれた紙をプラスチックの容器に入れて、「ごゆっくりどうぞ〜♪」と、ぺこりと頭を下げた。あ〜う〜可愛いよぉ!
よし決めた。あの子のためにまた通おう!
さてさて……ってあれ?レジュメこれだけ?何だ要点沢山無いじゃ〜ん。はいマークしゅーりょー。さぁてチョコガナッシュガナッシュ〜♪
わたしはフォークを手にとって、ガナッシュを切り分け、口に運ぶと……!?

――あ〜、わたし、わかっちゃった。
ミスター〇っ子の審査員の気分。
叫ぶわけにはいかないけどね〜これが防音加工された部屋なら多分わたしは叫んでいただろうな。

「(ん〜〜〜〜〜〜〜ま〜〜〜〜〜〜〜〜い〜〜〜〜〜〜〜〜ぞ〜〜〜〜〜〜〜っ♪)」

何これ何の原料使ってるの!?寧ろ今まで食べたチョコは何を使ってるの!?こんなにも違いすぎでしょお!?
くっそーこんな店を今まで知らなかったなんてさくまん一生の不覚ッ!
あぁ……フォークがとまらないよぉ……幸せがとまらないよぉ……誰かとめて……ううん……止めないでぇ……!
「――あ……」
気付けば、わたしのお皿にあるのは、チョコガナッシュに乗っていた粉ココアだけだった。
口の中には、まだあの甘い舌触りと、絡み付くようなリキュールの香りが残っている。
わたしは、無意識のうちに財布を取り出し、残りの小銭の数を確かめていた。
――まだ食べられる!
「済みません!あと二個お願いします!」
「は〜い♪お待ちください〜♪」

622 :『変身菓子2』:2009/02/14(土) 23:29:08 ID:INgmGf7j
女の子の声が遠くで響いてから、わたしはずっと、本来の目的なんて忘れてチョコガナッシュをうずうずと待っていたのでした♪

――――――――――――――

「ふぁ……しあわせだよぉ……」
結局、合計四つもチョコガナッシュを食べちゃったわたしは、味の余韻に浸りながらふらふらと家に戻っていった。
もしかしたらケーキの中のリキュールに酔っちゃったのかもしれない。足取りは他の人から見たら酔っ払いのそれなのだ。
酔拳スキルがあれば、演舞なんか始めちゃったりして楽しいことになるだろうな〜あはは〜♪
ああ……体もなんかポカポカするよぉ……。

「たらいま〜」
完全に呂律も回っていないわたしは、帰ってくるなりそのまま自室にゴー♪バッグとコートをポイ投げすると、さらに体が火照ってくるの。
「あは……熱いよぉ……」
えい、脱いじゃえ♪
セーターもシャツも、スカートも下着も靴下も、何もかも脱ぎ捨て、わたしは布団に倒れ込んだ。人肌より冷たい布団の感触が、たまらなく気持ち良くて……。
「んふふ……みゅう……」
ふぁ……なんか……ねむくなってきちゃった……。
……ねちゃお……。

――――――――――――――

とくん……
とくん……

……ぅぅぅ……

……とくん……
…………とくん

ぅぅぅぅ………ん。

「……んんんっ……」
……なんだろ……からだが……ぽかぽか……なのに……きゅんとして……?
どこか……むずむずする……。
なんだろ……このきもち……。

「……あ……」

あまい……かおり……。
まるで、チョコガナッシュのような……どこまでもあまくて……しあわせなかおりが……いっぱい……。

……とくん……

あ……からだが……あつい?
なんだろ……このかおり……わたしが……っ!

「〜〜〜〜っ!」

ぼおっとしたまま起き上がろうとしたわたしの手が、すっとお〇んこに触れた瞬間、わたしの体にスパークが走った!
突然の事で心の準備も出来ていなかったわたしは、くたりと力が抜けて倒れてしまう!その拍子に――!
「ふゃああああああっ!」
さっきまで当たっていた筈の布団。それは何かで濡れていて、わたしのお〇んこにぴっしりくっついた!それがわたしの中にまた電気を打ち込む!
「(なっ……何!?今の感じぃ……)」
痛い、とはまた違う、寧ろ、やられればやられるほどに疼いていく……またやって欲しくなる……やられないと物足りなくなっていく……。

623 :『変身菓子2』:2009/02/14(土) 23:30:16 ID:INgmGf7j
「……ぇえっと……ここ……だよね?」
今まで、そこまで弄ったことの無い場所だった。どうしても気持ち悪いとき以外、触れたこともなかった。
その程度も、今よりもっとおとなしかった。それが――。
「(……んあぁあっ……お〇んこ……じくじくするよぉ……)」
疼く。物足りないって、何度もわたしに語りかけているよぉ……。
とくん、とくんって、まるで心臓のように音を鳴らす大事な場所に、わたしは……恐る恐る手を近付けてみた。
くちゃぁ……
「(……わぁ……)」
まるで自動ドアのように、近付く手に合わせて自然と口を開いた秘部。同時に、私を取り囲む甘い香りも濃厚になった。
「(ぁぁ……いれちゃうよ……お〇んこにいれちゃうよぉ……!)」
もうわたしの頭には、自分の手をお〇んこにいれる事しか考えられなくなっていた。まるで鍵穴に差し込むように、ゆっくりと指を近付けていく。
以前やっていた時のように、人差し指と中指をくっつけて、ゆっくりと突っ込んだ――瞬間!
ぐにゅっ

「――っひゃああああああああああああ!?」

わたしのお〇んこが指に絡み付くようにその唇を閉じたのだ!
とろとろの愛液ですっかり解れているわたしの膣の中では、異様に柔らかくなった襞がまるで無数の舌のようにうにうにと指に絡んで密着してくる!
その上指の感覚が形を想像できるほど生々しく伝わってきて、全てピリピリとした感覚に変化してわたしの中を巡っていくのだ!
「(わ、わぁぁ)ひぁぁぁぁぁぁっ!」
ずぽっ……と深い音を立てて、指を抜いてしまうわたしだったけど、抜ける最後の瞬間まで膣はわたしの指に絡み付いていた。
そして抜ける瞬間、指の爪が膣肉をこりっ、と掻いてしまい、その刺激がわたしの全身にサンダーボルトを打ち込んだ!
ぷしゅっ、と軽く愛液を吐き出してしまうわたしの息は、既にはぁはぁと荒くなっており、全身を包む熱はいよいよ高くなっている。
「……っはぁ……はぁ……ぁ……」
わたしの愛液は、徐々に気化していくと、この部屋を満たす甘い気体に変化する。
それがわたしの皮膚からもどんどん入っていって、それがわたしの脈を、どんどん上げていく……どんどん、体が物足りなくなっていく……!
「……ぁぁ……ぁ……ぅ……」
段々と、わたしの頭から理性の箍が消えていく……。消えて、気持ちいい事を求める心が――!

「――あああああああああああああああっ!」

624 :『変身菓子2』:2009/02/14(土) 23:35:01 ID:INgmGf7j
先程まで二本入れていたところを、今度は三本、四本と突っ込んでは抜く、突っ込んでは抜くように腕を動かし始めていた。
まるで男のそれを受け入れているようにストロークを繰り返す腕に合わせるように、膣肉は膨張と収縮を繰り返し、指を優しく包み、体を擦り寄せていく!
いれる瞬間の勢いで大量の襞を撫で、抜く際にもそのまま膣自体がずるりと外に出ちゃうんじゃないかってくらいに肉の壁を押し付けて来る!
「あぅあんっ!あはぁっ!あはぁあんっ!あはぁぁあんっ!」
いつの間にか、わたしは手首は愚か、腕までを体に突っ込んでいた。膣肉は愚か子宮まで届くストロークに、腕と淫唇の隙間からは甘い愛液が盛れ出していく!
出し入れが激しくなる度に、わたしの中で何か熱いものが暴れ、外に溢れ出そうとする。
背中が、お尻の辺りが、頭が、特に焼ききれそうなほどに熱い。しかも、どこかもぞもぞしているような感覚があった。
それがもどかしい……もどかしい……モドカシイ!
「(あはんっ!あぁんっ!きっ、きもっ、きもち……キモチイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!)」
既に頭は歓喜の声をあげていて、後はちょっとした切っ掛けだけだった。それは――!?

こりぷにゅん!

「――?」

……あれれ?何だろ。今、わたし、何を掴んでいるのかな?あれれ?何でだろ、からだが、ふ、る、え――!

「――!!!!!!!!!!!」

イ、イキ、イ、イカ――イックゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥっ!
ぶじゅしゃああああああああああああああああああああっ!

ストロークの最中、偶然わたしが握ったものは、感度が上昇して膨れ上がっていた陰核――つまりク〇トリスだった。
性感帯の集合体であるそれを、潰しそうになるほどの力で握ったことによって、心臓付近を杭で打たれるような、下手したら死にそうになるほど強烈な快感が脳に直撃して――

――盛大にイってしまったのだ。

「はぅ……はは……んぁっ……」
あぁぅ……きもち……いい……!

ぶじゅん!
ぶじゅばさぁっ!
ぐりゅうんっ!
「あぅんっ!あぁあんっ!んああああああっ!」

絶頂の余韻に浸るわたしをさらに襲うように、背中とお尻、頭から何かがずり出てきた。神経がもう通ってるらしく、すぐに動かすことが出来た。でも……。

「(あふ……んあ……きもちいいよぉ……)」

出来立ての神経って、動かしたりするとびくびくってなって、気持ち良くなっちゃうんだよねぇ……。

625 :『変身菓子2』:2009/02/14(土) 23:36:14 ID:INgmGf7j
「……ふぁぁ……んぁぁ……ひぁぁ……ん」
でも、しばらくゆっくり動かしていたら、段々となれてきたみたい♪でも、いったい何を動かしてるんだろうって、鏡を見てみたら……?

「……わぁ……」

それは、わたしで間違いなかったけど、同時にわたしじゃなかった。
顔や腕、胴体や脚の形は基本的に変わってないし、顔にもわたしの面影はあった。でも――わたしの肌はこんなに白くないし、顔つきもこんなに綺麗じゃない。
髪の色もこんな、チョコレート色するわけ無いし、腕も、脚も、もうちょっとすらっとして無かった。
胴体なんか、全体的にむっちりして、特に胸は、アルファベットが一つくらい後ろになってるんじゃないかな?お尻も肉付きがよくなってるし……。
そして何よりの問題が、尾てい骨からは紫色の尻尾が、背中からは二対のコウモリみたいな羽が、そして頭からは山羊のようなツノが、可愛らしいサイズで生えていたことで……。
「……ん、んっ、んしょ、これ?ん?あん」
鏡の前でいろんなポーズをとるわたし。鏡の中の悪魔も、それに合わせて同じポーズをとる。

間違いなく、目の前の悪魔――サキュバスは、わたしでした♪

「…………」
さっきまでの快楽の余波で、ろくに考えることの出来ないわたしの頭に、何かがわたしの声で響くのだった。
――オトコ……モット……キモチイイ――
「……男……もっと……気持ちいい……」
その声を復唱するにつれて、わたしの子宮からは愛液がこぼれ落ち、布団をさらに甘く染める。
体の中からも発情臭が沸き立ち、部屋が霞んで見えるほどの濃度になる。もしこの部屋に男の子が入ったら……♪
「……にひひっ♪」
その事を考えるだけで、なんか楽しくなってきた。きっときっと、気持ちよいことになるんだろうね……♪

まてよ?もし今この部屋を開けたら……!?

「……そりゃさすがに不味いね」
あまりにも大規模すぎるし〜、みんな来られてもわたし一人じゃ相手できないし〜。
………はぁ〜あ。流石に一人ずつか〜。できればみんなで楽しみたいんだけどなぁ♪にひひ……。

意地の悪い笑みを浮かべながら、わたしは部屋の窓を開けて外に出て、すぐに閉めた。鍵はしてないよ。もし泥棒さんが入っても、逝き狂いになるだけだしね♪
「ひははっ♪夜は初めてのさくまんちぇ〜っく!」
さぁ!目指す先は繁華街!カップルを避けて独り身の人を狙うのだ!そうしてあの甘い部屋で……二人して……にひひはははっ♪

626 :『変身菓子2』:2009/02/14(土) 23:37:31 ID:INgmGf7j
「じゃあ、いってきま〜す♪」

誰もいない甘い空間に挨拶をしたわたしは、翼を大きく広げ、月の夜に一人舞ったのでした♪

fin?






プチおまけ

「もりりん、甘い蜜ちょうだ〜い♪」
「あのねぇ佐久間、アンタ三日前にも飲んだばっか――ひゃっ!」
「ぺろぺろぺろ〜♪――うん!やっぱりここの蜜が一番美味しいよっ!」
「きゃっ!ひゃうっ!んはぁっ!こら佐久間!やめてっ!やめなさいって!」

こちらはfin.

627 :ドリアード書いた人:2009/02/14(土) 23:39:22 ID:INgmGf7j
以上です。
変身シーンが……失敗したorz

まぁ、バレンタインのチョコ話と言うことで一つお許しを。

――では、失礼いたしました。

628 :名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 02:08:16 ID:N+Vfl0KX
>>627
GJ!エロさとかわいさを持ったサキュバスにハァハァしっぱなしでした!
ふわふわした世界感がかわいかったです!

629 :名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 23:13:58 ID:N+Vfl0KX
空気読まず>>614の続き投下しますすみません

扉を開けた先に広がってたのは、闇。今は、夜?
澄んだ空気が心地よく頬を掠める。
私はただ、衣をはおることも靴を履くこともなく、全裸のまま足を踏み出す。
むしろ、これが当たり前のような気がした。なぜだかわからないけど。
裸で外に出るってなんて気持ちいいんだろう。
木々がざわざわと音を立てる。
人の気配はまるでない。どうやらここは人里離れた林の中のようだ。
あてもなく少し歩くと、さっきの建物の明かりも届かなくなり、
完全な闇へと辿り着く。
でも闇が深くなればなるほど、私の目は周りの景色をはっきりと写し出した。
木の位置や足元の石ころは勿論、地を這う虫の動きや
風に舞う木の葉の起動まで、まるで手に取るようにわかる。
「うふふ〜ふふ〜♪」
思わず鼻歌まで飛び出す。以前の私なら、こんな暗闇のど真ん中で
ひとりきりにされたら泣きわめいてたところだ。それがどう?
信じられる?こんな怖い場所が最高に気持ちいいなんて!
裸足で歩き回っているというのに足の裏は全く痛くない。
寒空の下裸でいても全然寒くない。なんて強靭な身体なんだろう!
もう怖いものなんてない!私、すごい身体になったんだ!

630 :名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 23:14:42 ID:N+Vfl0KX
ガサ・・・ふいに後ろで何かが動いた。これって、コレって!!
何故か本能的にわかる。生き物、動物の気配だ!
私は全力で気配のする方へ走っていく。走っても走っても全然疲れない。
でも息が苦しくなるほどドキドキしてる。期待と喜びが入り交じった興奮からだ。
少しずつ臭いがしてくる。いい匂い、欲しい、食べたい!
ついに視界に黒い塊のような影を捕らえた。
「みつけたぁ・・・」
無防備に後ろを向いている、あれは子熊?
キョロキョロしているのは親とはぐれたから?そんなことはどうでもいい。
身体の中にあるタービンがゴウンゴウンと音を立てて回り始め、
体中の血が、筋肉が喜びにうち震えてる・・!
その快感に背筋がゾクゾクして、思わず目頭がじんわり熱くなる。
膝もガクガクと震える。これって武者震い?
ああ、わかるわ、もう我慢できないのね?じゃあせーのでいくよ?せーのっ!!
「うわあああああああああああああああ!!!!」

631 :名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 23:18:29 ID:N+Vfl0KX
私は目標から一ミリも目を逸らさず、電光石火のごとく獲物に飛び掛かった。
小熊が振り返ろうとしたとき、すでに私の鋭い爪は獲物の喉をかっ切っていた。
声を上げる間もなく獲物はその場にどしんと倒れた。
血のシャワーが闇に降り注ぐ。
私はそのシャワーを浴びながら呆然と立ち尽くす。
やった・・・やった・・!やったんだ!私が!私が自分で殺ったんだ!
肉を裂く感覚がまだ手の中に残ってる。感覚が蘇るたび背筋がゾクゾクする。
目から温かい涙が次々溢れる。胸いっぱいに感動が広がる。
これだ!これが私の求めてた・・・!こんなの、今まで味わったことない!
これだ、これだったんだ・・。

あははは・・


「あはははははははははははは!!あーっははははははははは!!
やばい!やばいよコレ!気付いちゃった!!全部わかっちゃった!!
いいっひひひひひひひ!悪魔ってこういうことなんだ!!これだったんだ!!」
まるで頭の中でパズルが組み上がって、完成した絵は気持ちのいい
青空の絵だったような、そんな気分だった。
私はしばらくその場で馬鹿みたいに笑い続け、
落ち着いたらお腹が空いてたことを思い出したので、
地面に転がってた肉を食べた。

632 :名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 23:19:06 ID:N+Vfl0KX
食事を終えたあと、とりあえずさっきの小屋に戻ることにした。
小屋の臭いは覚えていたので、さっきの小屋には簡単に戻れた。
扉を開けて鏡を見る。鏡に映る私は、自信に満ち溢れていた。
初めて獲物を狩った誇らしさに胸を張り、鼻を膨らませ、
満足感に目をほころばせ、口からため息を吐く。
そしてこの悪魔になった自分の姿を、正直悪くないと思った。
むしろ少しイケてるような気さえする。この筋肉、素敵。
肌の色、綺麗かも・・。
爪も。牙も。角も。生を支えるために必要なもの。
ピアスも指輪も、似合ってるわ。
顔もなかなか。もう人間だった頃の顔がよく思い出せないけど、
今の顔は嫌いじゃない。牙も綺麗に生えそろってる。

633 :名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 23:25:16 ID:N+Vfl0KX
ただこの髪の毛は正直頂けない。さっき走るときも邪魔だった。
これをセットするのに何時間も費やしていたなんて信じられない。
人間ってこうやって考えると馬鹿なことばかりしてるのね。
コテで巻いてたふわふわの茶色い髪。醜い。この悪魔になった私には余りに醜い。
あつらえたようにバリカンが置いてある。あの悪魔が用意したのかしら。
なかなか気が利くじゃない?
私は忌ま忌ましい髪を一気にバリカンで剃りあげた。
バリバリと音を立て、髪がどんどん床に落ちてゆく。
髪の毛が落ちるとともに、自分の人間への未練や思いも
同時に落ちて消えてゆくような気がする。
お坊さんが雑念を捨てるときってこんな感じなんだろうか。
あっという間に私の頭はスキンヘッドになった。
紫の頭皮が剥き出しになり、所々太い血管が浮き出ている。
やはり今の私には間違いなくこっちの方が似合う。顔も凛々しく見える。
スキンになった私の顔つきは更に邪悪さが強調され、
人間らしさが無くなったように思えて誇らしかった。
卑屈になることはない。今の姿を誰に見られても恥ずかしくなんかない。
私は、正真正銘の悪魔なんだから。

634 :名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 23:28:04 ID:N+Vfl0KX
ふとお尻の方に違和感を覚え、手を当ててみた。小さな突起が手に当たる。
「生えてきた♪」
すぐにわかった。これは尻尾だ。早く立派な尾を生やしたい。。
早く完全な悪魔になりたい。人間であったことなど、一刻も早く忘れ去りたい・・・。


完結です!もう続きはありません!
読んでくださってありがとうございました!

635 :名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 15:55:04 ID:2C6EPC0A
お疲れ様です

636 :名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 19:25:44 ID:NqArs2/8
GJだ。安らかに眠れ……

637 :名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 13:21:56 ID:BTuYOey+
人やん…めっちゃ人やん…

638 :名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 11:36:38 ID:utl71YYk
ワーウルフなら、やっぱりガロンみたいな感じで顔も狼にするべきなのかな?このスレでは。

639 :名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 18:43:48 ID:ec3fEgdg
???

640 :名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 23:50:35 ID:YcO/x5IX
・・・人面犬・・・というわけではないよな
世間の萌えキャラであるような耳尻尾だけの奴はこのスレではあまり受けは良くないと思うよ
内面描写に力を入れる等して異形化っぷりをよっぽど濃く描かない限りは

過去ログ、過去作品読んで方向性を掴むといい

641 :名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 08:51:57 ID:2yya0GT5
なんかすごいんだけど、コレってなにかの作品かな?
http://www.youtube.com/watch?v=ENa6DmokfDc&feature=PlayList&p=C2F76EA2D7B98917&playnext=1&index=31

642 :名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 09:53:46 ID:ahCa5EcU
今は亡き大御所じゃん

643 :名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 11:51:24 ID:GVS7HLog
くそぅ そろそろ獣化SS読みたいな


最近 大型SSサイトはブログしか更新しないし……

644 :名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 12:47:25 ID:KjVmLVlH
二強SSサイトは最近獣化少ないよね
片方はブログ片方は需要の違うSS
他のところも休止が大半で外国に頼るしかない

645 :名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 21:41:20 ID:ZhIsbV1M
新参の俺のためにリンク集貼ってくれないか(´・ω・`)

646 :名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 23:22:30 ID:wdGWaNCg
>645
ttp://www.kantei.go.jp/jp/link/server_j.html

647 :名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 00:06:12 ID:pJxzmE5c
確かにリンク集だな

648 :名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 01:44:24 ID:GFKNMktD
ひどいよー。・゚・(ノД`)・゚・。

649 :名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 07:26:10 ID:YfM4gvBi
新参が免罪符になると思ったら大間違いだぞ

650 :名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 09:21:54 ID:iawM8BTe
正直探そうと思えばその手のリンクからすぐに飛べるし……

片やマイナー所を刺激する?SSだったり

片や未完な作品が多かったりするがね

651 :名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 19:27:13 ID:1pE3U5xX
でもリンク集のテンプレを作ればスレの活性化にもつながると思う

652 :名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 23:46:12 ID:sX3Eaxi8
個人サイトを晒すなんて鬼畜の所業

653 :名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 16:24:52 ID:NtyfioV8
俺だったらそっとサイト休止するレベル

654 :名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 00:34:00 ID:YHjun1vy
風祭でググれ

655 :名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 03:07:51 ID:M8o5ACmb
保守

656 :名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 19:04:05 ID:A3VWOM68
「……保守、か」
そう呟きながら私は空を眺める。素敵な満月が広がっている……と言いたいところだけど、満月はあまり好きじゃない。月の表面が……ギーグのように見えて。

窓際に置いた机の上にあるのは、まんまるなチーズケーキ。しかもレモンの酸味が効いたレアチーズケーキだ。
『受験を終えた妹への労い兼ホワイトデー』
として兄が買ってきたものだ。兄は店で食べたらしく、「これは旨いぜ!」と妙な墨を私に与えてきた。専門家でもないくせに。
まぁいい。確かに美味しい。今まで食べたどの洋菓子よりも美味しい。あっさりペロリと一個平らげてしまった。

「……ん〜」

その後、今日の日記をつけ終わった後、私は軽く伸びをして――外の満月が目に入った。
――瞬間、体の中に大量の熱が生まれた!

その熱は私を内側から焼き尽くすのではないかと言うほどに熱く、そして激しい。どっ、と汗が出る。脱がなくちゃ、脱がなくちゃ。
すべて服を脱ぎ終わった私は、あまりの熱さに立つことすら出来ず、そのまま床に四つん這いになる。
――その手が、腕が、狼のそれへと変じていく。銀の毛が全体を覆うように生え、指がスパイク状のそれに変化する。脚も同等の変化を遂げていた。
体全体がぞわぞわとすると同時に、首回りを含めた全身から銀色の毛が生え揃う。尾てい骨からは皮膚が延び、尻尾が形成されていく。
変化の度に、私は熱から解放されていく感覚を味わっていた。やがてそれは、理性までもを侵食にしていく。
鼻先や口が前に突き出て、歯が牙に変化する。まるで狼のようになった私の顔にも毛は生え揃っていく。
やがて、頭から尖った耳が二本突き出て――!

「――ウォォォォォォォォォォォォォォォンッ!」

私は、巨大な狼に変化していた。

657 :名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 19:37:39 ID:CD02WGvG
保守関係ねえwww

658 :名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 00:07:20 ID:oX/5B+AH
三回くらい読み直してどこがどう繋がってるのか考えてみたが結局何がどうなっているのかわからなかった

659 :名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 00:16:14 ID:wMBCNert
>>656
ワラタ
ここの住人の方は何でも異形化ネタにしてしまえるのが素敵ですね

660 :名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 00:48:34 ID:Yh8HETG9
なるほど 縦読みすると保守が浮き出てくる仕組みか 凝ってるね!

661 :656:2009/03/16(月) 07:40:46 ID:SRzDhG5W
保守ネタを書くつもりが、普通にプチ変身菓子になってしまったのは秘密orz.

このくらいの人外度がこのスレでは恐らく良いのでしょうが、どうでしょう?

662 :名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 23:31:16 ID:9Fcf12U8
俺はもっと激しいのがいいな

663 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 00:52:17 ID:lURS+X5I
>>355です。以前はどうも失礼致しました。>>545の続きです。

 すると黒ドレスの女性は幾重もの螺旋状に湾曲した杖を持ち上げ、月照らす闇夜にかざした。
杖の先端に嵌められた卵大の宝石が幾色もの光を灯し、微かな夜風が吹く。杖を戻し光が治まる
と、彼女の身体に異変が起きる。ドレスの下から背中が静かに隆起すると、皮膚の下からドレス
を貫通して漆黒の光沢を放つ一対の突起物が現れた。現れた突起物は中程で下向きに折れ曲がると、
いずれも彼女の身長を優に超すまでに伸びていく。やがてそれは羽毛に覆われた巨大な烏の翼と
なった。蛹から蝶が孵る様という表現の合う、激しくも静かな変化が完了する。月明かりを反射した
彼女の翼が妖しくも神秘的な様相を呈していた。翼を生やした女性は一呼吸置くと2度、3度それを
羽ばたかせた。周囲に静かな旋風を起こしながら、彼女の身体は宙に浮かんだ。まるで滑空する
鷹が野兎を仕留めんとするかの如く、彼女の狙う「獲物」が走る道路目掛けて降下して行った。
同輩が闇夜の彼方へ舞い行くのを見届けると、和服の女性は向きを変えると誰にとも無く呟いた。

「祖国も変わったのですね・・・」

 変わり果てた祖国の風景を見回して和服の女性は、溜息とも感嘆とも、あるいは恍惚とも取れる
声で漏らす。彼女は悠久の昔に想いを馳せる。かつてこの地で強大なる二つの武家勢力が、全国で
抗争を繰り広げていた時代を思い出す。強く焼き付いたその記憶は彼女の脳裏に走馬灯の如く蘇った。
かつて鎌倉武士の青年と恋に落ちた事を、その彼はクーデターを起こした朝廷軍との戦で命を落と
した。その怒りから、気付いた時には朝廷軍の侍勢を吹雪で襲い全滅させていたのだった。深い悲
しみと犯した行為に対する自責の念から、茫然自失とした彼女は飛騨国の白山に身を隠そうとした。
深い絶望感から、生き甲斐を失った彼女はいつしか山頂へと向かっていた。頂にある火口へと身を
投げ、そこで消滅するつもりだった。ふもとに辿り着いた時、山頂から強大な妖気を感じたのを想
い出す。ふもとからも感じられるほどの異様な妖気の持ち主は何者なのか、恐怖と好奇心の入り混
じった自然と彼女の足は向かっていた。想い返せばそれが全ての始まりだった。山頂で東洋へと赴
いていた強大なる蝿の魔神との、運命的な出会いが脳裏に蘇る。見た事も無い衣類に身を包み、この
国の者とは明らかに異なる髪や肌の色をしていた、何よりもそれは彼女がそれまで感じた事も無い
ほどの強大な妖力を放っていた。戦わずとも知れていたその力は、彼女を畏怖させるに十分だった。
敗北感や劣等感といった陰湿なものは微塵も無かった。心に極限の驚嘆と感動が満ち溢れる中、
それの存在そのものに対して歓喜し敬服していた。気付いた時にはまるで魅かれるかの様に彼女は平伏し、その組織の軍門へと下っていたのだ。

――あれから凡そ800年もの月日が流れた。


664 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 00:57:27 ID:lURS+X5I

 魔王の軍門へと下りし後も、組織の任務で祖国へは幾度と無く赴いていた。しかし今彼女は
その変容ぶりを改めて感じていた。彼ら人間は僅か1000年足らずで祖国を、世界を、これほど
までに進展――否、変質させたのだ。妖力を持たぬとはいえ、彼らの力は決して侮ったものでは
なかった。その高度な文明によって自然を搾取し、民を洗脳し、他国家及び他民族を攻撃し、
富を奪い合い、そして何よりも世界中をその手中に収めんとする彼らの支配欲はもはや脅威の域
にすら達している――魔界の海軍提督にして軍部大臣を兼任しているリヴァイアサン御将軍の
お言葉を思い出す。彼が言う様に、人間と妖怪はもはや、本当に共存できないのだろうか。
すると急に、思考がそれていた事にはっとする。もう一つの獲物が走り去っていった方向に視線を
やる。人間をむやみに傷つける事は好まなかったが、今は一つの任務を遂行するのみだった。
女性の輪郭が崩れると彼女の爪先が、脛が、腰が、指先が、腕が、儚く散っていくと無数の白い
雪片となりながら夜風に舞っていった。


 夜風に身体を漂わせていく女性は冷たい冬の風に身を舞いながら思いを巡らせていた。アスファ
ルトで舗装された道路を走るワゴン車へと照準を合わせながら、無数の雪片と化した彼女はその文明
の進歩の速さに感嘆する。雪片を飛ばす白い霧は溜息の様にも見える。やがて、彼女は車上に降り立
った。降り立った者の重量によってではなく、その異様な冷気によって凄まじい音と共にワゴン車の
天井は軽く収縮した。


665 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 01:01:18 ID:lURS+X5I

 ワゴン車に乗っていた男達は異変に気づき上を見上げた。たった今、彼らの頭上で鉄板が軋む様な
激しい音がしたのだ。強盗3人はいずれも黒い覆面で顔を覆い、黒いジャージにチョッキ、手には厚手
の手袋を嵌めている。車の運転席に座っていた男一人と、後部座席に座っていた男二人は不審に思い、
バックミラー越しに顔を見合わせる。何かが勢いよく車上に落下したのだろうか。後部座席の1人が様子
を確認すべきか、運転席の男に訊ねた。

「なあに、大した事はない。」

 運転していた男は首を横に振る。周辺には高いビルが沢山建てられている。恐らく、どこかで工事を
行っていたビルかどっかから工事具材か何かでも落下したのだろう。頭上に落ちなくて良かったな、と。
仲間達は納得した様だったが、どこか怪訝な表情だった。言ってる本人である彼にもどこか引っかかる
ものがあった。そういえば何故だか急に冷え込んだ――と思って角を曲がろうとした瞬間、路上に移し
出された車の影を見て男は息を呑む。街灯の蛍光によってワゴン車の影がゆっくりとアスファルトの路面
に映し出される――そこで信じられない現象が起きていた。ちょうど今彼らが座っている場所の真上に、
得体の知れぬ物体が形成されていく。それは次第に一本の柱の様な形を取り、まるで粘土の様に一つの姿
を形作った。車の影の上に不気味な1本の柱の様な物体が映し出されていた。始めは樹氷の様にも見えたが、
街灯に近付くに連れ、次第に輪郭をはっきりさせた。それを見て男は目を剥いた。それは一体の人影だった。
得体の知れない何者かが車上に乗っている。こんなことは有り得ない―!!


 運転席の男は後部座席の男2人にシートベルトを装着するよう指示を出すと、車体を乱暴に振り回す様に
して急カーブを切った。2つの内輪が路上と擦れ、外輪2つが軽く路上から持ち上がるのが分かった。シート
ベルトはしていたが、まるでカーブする方角に吸引される様に三人の身体は大きく傾いていた。路上を見降
ろすと、得体の知れぬ人影は消えていた。バランスを崩して路上に転落でもしたのだろうか、安堵の息を漏
らそうとしたその時――瞬間、瞬く様に何かがガラス越しに映る。女の白く長い脚の様にも見えたそれが一瞬
だけ視界に入る。刹那、凄まじい衝撃と共にフロントガラスが突き破られた。


666 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 01:08:38 ID:lURS+X5I


「――!!?」

 車内には無数のガラス片が飛散し、運転席の男も含めた3人は身を屈めた。鋭利なガラス片が、合成繊維の
手袋の上から素手を切る痛みも忘れ男はハンドルから手を離すまいと必死で堅く握る。危うく視線を逸らし
ハンドルを切り損ねそうになる。状況が掴めぬままどうにかハンドルを切り、電柱への正面衝突を回避した
所で、後部座席の男2人の叫びと共にバックミラーに映った姿を見て男は息を失った。冷気で結露したミラー
にその姿が朧げながら映し出されて行く。雪の様な純白の地に淡い水色の結晶模様が散りばめられた和服姿、
透き通る様に美しい水色の瞳と長髪、幻想世界の住人とも思える幻想的な風貌だった。こいつが今しがた
フロントガラスを蹴破って侵入してきた何者かに違いなかった。戦慄を覚えながら運転席の男は後部座席の
2人に指示を送る。戦慄に震えている運転席の男の指示で、後部座席の男2人は女目掛けて一斉射撃をする。
無数の弾丸がまるで殺到するかの如く、次口に女の頭部へと命中する。弾丸は女の顔を削り、吹き飛ばした。
崩れゆく女の頭部は無数の肉片となって車内に散乱する。一体どれだけ撃っただろうか、気付いた時には
彼女の首から上は無残にも破壊され、すでにそれは人の頭部としての原型を留めてはいなかった。首から上
が吹き飛ばされた女性はまるで頭部だけ破壊された彫像の様に、直立したまま動かない。取り乱し冷静な
判断力が鈍っていたとは云え、今更の様に男は自分が支持した行為の残虐性に動揺していた。極度の興奮状態
の中、3人とも身体の震えが止まらなかった。身体が標的を外した弾丸は助手席の背もたれに幾つもの醜い穴
を空けていた。死んだのだろうか、生きている筈がない。が、しかし何かがおかしい。そういえばあれだけ
狙撃したにも関わらず、返り血を全く浴びていない。どころか出血がまるで見られない。ふと視線を落とすと、
床に落下していった肉片がは無数の雪の欠片となって崩れて行った。その光景に驚愕する。車内の空気が急速
に乾燥していくと、空気中の水滴がダイヤモンドダストとなって宙に舞い上がる。車の中と外から大気中の水分
が凍りつき、無数の結晶となっていく。それら無数の結晶は宙を漂い、吹き飛ばされた首の断面へと集結して
いった。


667 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 01:11:56 ID:lURS+X5I
↑ミス
9行目 ×次口→次々○
14行目 ×身体を標的を→標的を○

668 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 01:21:24 ID:lURS+X5I


「―――なっ!?」

 何が、起こっている!?状況を理解できぬ男達はただ黙ってその光景を見つめる他無かった。早急には
事態を理解できなかった男達はその光景に息を呑む。凍った水滴は雪となって女の頭部を形作る。それは
まるで木材から木彫りの人形が浮かび上がる様に、顔の細部が復元されて行く。目が、鼻が、唇が、頬が、
次々と形を顕にし、修復されて行く様相は不気味さを通り越していた。幻想の造形という有り得ない不思議
は、不気味であると同時に美しく、神秘的ですらあった。3人は暫しの間、置かれていた状況と恐怖を忘れ、
その奇観に見惚れる。雪の造形だったには生気が注し、やがて人肌の様な生気が注す。澄んだ瞳は青を灯し、
肩から腰にかけて流れ落ちる様に長髪がなびく。やがて全体が修復された彼女は静かに手を口に当てると、
何かを取り出す様な仕草を見せる。か細い指を静かに開くと、掌からばらばらと落ちたのは凍った銃弾だった。
その乾いた音が、夢から覚ます様に状況を思い出させる。忘れていた現状を思い出し、恐怖に震え、取り乱す。
再び女目掛けて発砲―――しようとするが、弾が出ない。弾は切れているにしては変だった。筈だが、弾丸が
発射されない事態に焦りを抱き、手元に視線を降ろすよりも先に男は手に凄まじい寒気を覚える。ようやく
視線を降ろすと、銃口に、引き金に、銃身全体に、白い霜が降りて凍結していた。かじかんで自由の利かない
両手は内なる焦りに対して、余りにも緩慢でもどかしい動きをするだけだった。味わった事の無い恐怖と、
異様な冷気から発狂しそうになる。叫び、暴れ様とするが恐怖と寒気で声を出す事も、身体を動かすことも
ままならなかった。そこで男達はさらなる不思議を目にした。女の手首から先を冷気の湯気が取り巻くと、
それは瞬時に形状を変化させた。霧が、冷気の湯気が晴れる、そこには鉤爪状に変形した女の右手が姿を顕わ
にした。白く透き通った爪の一本一本が長く鋭利な刃物と化し、5本の刃は刀身をぎらつかせていた。女は
右手を氷でできた巨大な鉤爪へと変形させていた。めきめきとまるで氷に亀裂が入る様な音をたてながら、
小さかった女の口は倍ほどの幅に裂けると、左右の口端からは頬の肉を内側から突き破る様にして、2本の
短刀状の牙が上顎から下へと伸びる。つららと呼ぶには余りにも鋭利で美しく、凶悪に過ぎる氷の牙が生え揃う。
寒気と恐怖から男達3人は股間に何やら生暖かいものが溢れ出るのを感じた。しかしそれも束の間、刀剣の様な
指で女は後部座席の男2人の胸部を一閃した。純白の生地に返り血が撥ねるよりも前に、凍った血飛沫は真紅
の花弁となって彼女の足元に散る。斬られた男達からは生気が失せると、重なる様にして女の足元に力無く
倒れた。運転席から身を起こした男は戦慄に打ち震えた。思考よりも先に男の身体が動いていた。


「死ねぇ!!」

 我が身の危険を感じた男は本能的にサイバルナイフを抜くと、全体重をかけて女に飛び掛っていた。
が、身体が前に進まない。目に映る像に再び驚愕する。

「なっ―!?」

 刃物の尖端を、棒を握る様に横からではなく、前に在るものを掴み取る様に正面から、今度は左の掌が
受け止めていた。まだ人の掌としての形状を保っている柔らかな女性の手が、先鋭な刃物を押さえ込む。
その場から毛ほども動かない女性は指先を微かに動かし、ナイフの重心をそっとずらした。力をいれた様
には見えなかったが、合金製の鋭利な刃物があたかも麦わらの様に、根元からぽきりと折れた。女性の持
っていたナイフの先端と男の持っていた取っ手が同時に床に落ち、喧しい金属音を立てる。その音に平静
を掻き回された男は、まるで教会の鐘の音に悶え苦しむ悪魔の様だった。擾乱した軍隊の様にまとまりを
失う意識の内から、膨大な恐怖が溢れ出す。


669 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 01:25:02 ID:lURS+X5I

「あぁぁあ、ああっ・・・!!」

 意味をなさない奇声をあげようとするが、声が出なくなる。無意識のうちに男はよろめきながら立ち上がり、
再び崩れ落ちる。歩きを覚える赤ん坊の如くそれを繰り返しながら、よたよたと後ずさる。そんな彼を彼女は
何も言わずに一歩、また一歩と踏み出し、距離を詰めていく。彼女の仕草や表情は――まるで太古の猛獣の様
に上顎から下に伸びる一対の氷の剣歯を除けば――穏やかそのものだったが、彼にとってこれ以上の恐怖は無い。
先程から起きている有り得ない現象に、次は確実に自分が標的という恐怖が男を追い詰める。一歩、また一歩と
後ずさる彼を嘲笑するかの様に、今は城壁の様にも見える後部座席が彼の逃げ道を阻む。今や男にとって刑務所
に行く事はもはや極楽の様にさえ思えた。死刑宣告を言い渡される囚人の持ちがした。ゆっくりと、しかし確実
な破滅が迫る。そんな彼を余所に、女は静かに男の頭部を撫でるかの様に軽く触れた。同時に顔には激痛が走り、
屈強な男はまるで赤ん坊みたいな悲鳴を挙げる。それは華奢で可憐な女性ものではなく、明らかに人間のもの
ではない――もはや彼女が人外の怪物だという事は彼にも分かっていたが――凄まじい怪力と冷気だった。頭部を
巨大な万力で押し潰されるかの様な感覚だった。眼球が飛び出し頭蓋が割れてしまうのではないか、というほど
の激痛を感じたが恐怖と疲労の為からなのか、それも直ちに引いていく。覆面越しに遠のく意識の中、男は掴ま
れた箇所の感覚が無くなっていくのを感じた。


「うっ・・・ぐああ、あ・・・っ!?」

 身体中の感覚が無くなっていく男はおぼろげながら見た、様な気がした。彼に対する同情とも、憐れみとも取れる
女性の悲しげな表情が曇り行く視界の中に映った。それが疲労と恐怖による幻覚なのか、現実のものなのか、状況も
理解できぬまま――彼の視界は真っ暗になり、意識は深い深い闇の底へと、落ちて行った。


670 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 01:36:10 ID:lURS+X5I

 床に崩れかかる寸前で彼女は彼を左手で抱きかかえた。母親が子供をさとす様に、そっと優しく席に
寝かせてやる。強盗達を片付けると、車の前に向き直り、運転席へと進む。変形していた左手の輪郭が
崩れると、それはまた元の形状を取り戻した。唇の幅は元の大きさに戻り、両端から伸びた牙は小さな
口の内側に収まる。運転席に腰を降ろすと、妙に慣れた手つきアクセルを踏み車のハンドルを操作する。
少ししてから車は疲れた様に走り出した。魔力や呪術も使わずに鉄の塊が動くというのは何度やっても
不思議な心地がした。バックミラーに目を移し、まるで死体の様に青ざめて意識を失い、横たわっている
三人の哀れな男達を一瞥した。恐怖で気を失っており、すっかり衰弱していたが、見た目ほど酷くはない。
いずれも凍傷を負ってはいたが脈はある。見た限り命に別状が無い事は見て取れた。しかしながら明らか
に手加減が不十分だった。任務遂行の為とは云え、無暗に人を脅かし傷つけるのはとても気持ちの良いもの
ではなかった。か弱き人間共を相手にする時、彼女がいつも、いかに殺してしまわない様に倒すかという点
にいつも苦心していた。長らく人間の相手をしていなかった為か、加減が感覚的に鈍っていた。彼女たち
妖怪の中には戦闘や殺戮を好き好んで行う者も少なくはなかったが、かつて人間と交流した事もある彼女
には人間に共感する部分も無い訳ではなかった。何よりそうした彼女の配慮は、過去に感情的な理由から
大殺戮を犯してしてしまった彼女自身による反省の表れである。




671 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 01:49:25 ID:lURS+X5I

 彼女が事前に計算した事とは云え、先の運転手が車両を目立たぬ位置に停車してくれていたのは幸い
だった。ただでさえ目立たない位置に停車してくれた上、彼女が冷気で窓を結露させた為に外部からの
視界は殆んど遮られている筈だ。ただ、ガラスが割れて半ば損壊した車はいくら何でも不自然過ぎる。
なるべく人目に着き難い場所に、なるだけ「自然」な形に、車を停車させて、使えそうな金品を持ち去
らねばならない。先程から彼女達がいる通りは幸いにも人通りが少なかった。銃声はした筈だったが、
他の建物は以前として静まり返っている。所狭しと立ち並ぶ安アパートには人が住んでいるとは思えない
ほどに閑散としていた。深夜にも営業する居酒屋やラーメン屋から微かな人気が感じられる程度だ。
狭い路地裏の電柱横にワゴン車を駐車する。エンジンを切り、運転席から這い出す様に後部座席へと移動
する。荷台に無造作に積まれたボストンバッグの南京錠を叩くと、豆腐の様に簡単に捻じ曲げられ、壊れた。
すぐさま中身を確認する。ゆっくり数えている余裕はなかったが、大目に見積もってもせいぜい1000万円
程度と思われた。かつてロシアのマフィアから一度に5億ルブール近い巨額の資金を奪った事もある彼女
にしてみればこれでも雀の涙だったが、収穫があるだけでも充分だった。多少の不便を我慢すればしばらく
はこれで生活できる筈だ。仲間の「収入」も合わせれば何とか食い繋げそうだった。出ようとした所で、
余りにも不自然に荒らされた車内を見渡す。操作技術が年々向上しつつあるとは云え、さすがに彼らの証言
を現代の警察が信用するとも思えなかった。この3者以外の介入には気付くだろうが、まさかそれが妖怪の
仕業だなどと誰が思うだろう。万が一にも特定されたとして、彼女達にしてみれば少々面倒な程度で別に怖く
はない。彼女の同僚である先程の魔女や上位の悪魔ともなればCIAの捜査でさえも煙に巻けるのだという。
思慮ある大人が、馬鹿馬鹿しい子供騙しの遊びに付き合おうとする様な表情になると、想い出した様に彼女
は運転席に座った。数メートルほど車を交代させると車体をずらし、先ほど彼女が停めた脇の電柱に勢いよく
衝突させた。車全体に大きな衝撃が走り、潰れた。エアバッグが飛び出すよりも前に彼女は身を翻し、後部座席
へと飛びのいた。気絶して横たわっている男の一人を両手で抱えあげると、エアバッグと座席との間に押し
込むようにして、彼を窒息死させない様に運転席へと座らせる。やっているのが実に馬鹿馬鹿しかった。
一時しのぎの稚拙な演出だという事は分かっていた。さすがにこの程度の罠に警察が騙されるとも思えないが、
わざわざ不自然なまま放置しておく必要もない。ある事故を演出して彼女は車を後にする。現金の入った鞄を
片手に持つと女性は静かに運転席のドアを閉めて出て行った。


672 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 01:54:48 ID:MP/Vgbu2
とりあえずGJついでに言っておく
いい加減sageと改行をおぼえてくれorz

673 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 01:59:31 ID:lURS+X5I


 ドアの閉まる音を背後に女性は車から数歩動いた所で、立ち止まる。まるで舞う様な美しい身のこなしで、
身体を宙で反転させると。何かを背後に投げつけた。女性の背後に立つ2階建ての屋上向けて、鎌状の氷の刃
が勢いよく横回転しながら飛んでいく。腹部に氷の刃物が刺さった男が、背後で悲痛な呻き声を挙げながら屋根
の上で倒れた。彼の腕から離れたガラス瓶は空中で見事な放物線を描き、彼女の横に落下する。その横で乾いた
音を立ててアスファルトの路上に落ちて割れる。入っていた中の液体は幾つもの水滴となって傍らに零れる――
――途中で、凍りついて八方に散らばる。幾つもの氷片となった瓶の内容物は彼女の足元にぱらぱらと落ちる。
そこでガソリンの様な不快な臭気が鼻を突く。車内の誰かが援助を呼んだのだろう、彼らの仲間がまだ潜んでいた
のだった。全く油断も隙も無い。偶然かもしれないが、今の男が投擲してきた物体は彼女に唯一ダメージを与える
事のできる武器だった。ふと耳を澄ますと遠くからサイレンの音が聞こえてくる。もはや時間は残されていない。
先の3人と今の1人、いずれも急所は外してあり、早急な医療処置を受ければ十分に助かる事を最後にもう一度だけ
確認すると、逃げる様にして彼女は現場を去っていった。



やがて狭く静かだった路地裏は湧いた様に少し、また少しと人気が射す。やがてそこは人で溢れかえり、嘘の様な
ざわめきが沈黙を破る。死んだ様な夜の街が束の間の活気に満ち溢れた。


「マジで、超すごぉ〜い!ねぇ兼ちゃーん♪写メ取ろうよ!!写メ!」
「事件発生時の状況とかどうでした。」
「ごめんなさい。通りかかっただけなので・・・」
「おい、何がどうなっている?見えねーよ。」
「これは大したスクープ映像だ。」
「どいてくれ!通行の邪魔なんだよ。」
「はい、捜査の邪魔になりますので見物はどうかご遠慮下さい。」


 居酒屋から見物しようと身を乗り出す酔っ払い、携帯のカメラで現場を撮影する若者、興味深げに殺到する
野次馬、現場に殺到するカメラマン、通りがかりの学生、情報を聞きつけて来たカメラマン、事件の聞き込み
調査を行うリポーター、押し寄せる人だかりを阻止する警官隊――それらがひしめき合い一つの祭りが生まれる。
その中の誰一人として、旅行鞄を提げた和服の女性が冷たい雪風となって散らばり、ビルの屋上へと舞っていく
異観に気付く者はいなかった。


 現場から少し離れた地点で黒塗りのメルセデスが無残にも転覆し炎上している。その横では柄の悪い男達が車から
投げ出され、生気を失った様に倒れている。彼らは体中に刺青をしているが、それらも火傷のせいで何か分からない
ものになっていた。もはや生きているのか死んでいるのかも怪しい様にみえた。そんな彼らに構うそぶりも見せず、
黒灰色のドレスを着た女が宙に浮かべた水晶珠を確認していた。彼女の左手には杖が握られている、そして反対側の
手には何やら意味有りげなジュラルミンケースを提げられていた。車の横でいずれも体中に酷い火傷を負ったやくざ
と思わしき男達を尻目に彼女は同輩と合流するべく、再び翼を生やすと闇夜の彼方に飛翔した。その現場へかけつけた
一人のカメラマン風の男が、頭上に気配を感じて闇夜を見上げる。先とは対照的に静まり返る闇には、空高く満月が
昇っているだけだった。不気味だが、同時に美しい冬の夜空だ。

電線に止まった数羽の烏が嘲る様に彼を見下した。



674 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 02:02:21 ID:lURS+X5I
>>672気付かずに書き込んでしまった。すみません。まだ1章はもう少しだけ続く予定ですが、
今日は遅いのでこの辺で、明日にでも1章完結させます。

675 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 05:42:24 ID:MiUn/QzO
>>197->>209ってどうなったの?

676 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 10:54:14 ID:tlE+OSNT
>>674

「sageとは」 でググレ
これ以上無視して投下し続けると、さすがに荒らしor春の人認定されそうだぞ

677 :名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 17:39:01 ID:KIuzlN4g
>>661
俺はストライクだな
外面好みが多い(と思う)が一応内面の変化が強ければ好まれる事もあるぞ

678 :名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 00:55:37 ID:o7Eih+OU
いつになれば異形化するんだ?

679 :名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 09:54:11 ID:4YDtJQDM
そういや 天使とかに変身するスレあったよな
まぁどうでもいいか


680 :変身!ホッケー仮面少女☆じぇいさん:2009/03/18(水) 18:15:43 ID:bvflphhd
性転換要素ありの小ネタ。
駄目な人は名前欄でNGしてね。

681 :変身!ホッケー仮面少女☆じぇいさん:2009/03/18(水) 18:16:17 ID:bvflphhd
 西日の差し込む放課後の静かな教室に、彼女の姿はあった。
 両サイドでまとめられた、いわゆるツインテール。
 くりっとした瞳は、美しさより可愛さを印象付ける。
 同じ年頃の女の子に比べて、やや発育が遅れた体。
 彼女──壱尾あやめは、藍色のブレザーとプリーツスカートという、つまりこの学校の制服姿で、何かを決意したような表情で、自身の手に握られていたものを見つめていた。
 
 「今日も、頑張らなきゃ…」

 己を奮い立たせるようにこわばったその手には、お面。
 あの有名なホラー映画の殺人鬼が被っていたものを髣髴とさせる、ホッケーマスク。
 色こそ可愛らしいピンク色だが、形はそのものだ。

 「悪い人達をやっつけちゃう!クリスタルレイクパワー!ビルドアップ!」

 謎の呪文を叫びながら、あやめはそのマスクを顔に近づけていく。

 「きゃっ」

 すると、ある程度その童顔に近づいたところで、仮面は彼女の手を離れ、吸い寄せられた磁石の如く、顔にぴたりとくっついた。

 「はあっ」

 その瞬間、どくりと心臓が跳ねた。

 「はあ、はあ、はああ…っ」

 自身でも分かるくらい、顔が火照っている。それは顔だけでなく、瞬時に全身へ広がっていく。

 「は、くはあっ!」

 乱れた息の合間から、艶かしい色を帯びた少女の喘ぎが漏れる。全身を作り変えていく未知の力に苦痛とそれを上回る快楽に、あやめは頭を抱えて全身を震わせた。

 「ひぃ、ふああっ!」

 変化が始まる。
 頭を抱える両手の指先が、太く醜くなっていく。その指が押さえつける栗色の髪が、はらりと抜け落ちていった。

 「きひぃ、むうぅぅっ!」
 
 肥大化は指だけに留まらず、手全体を侵食していく。同時に、細い腕を包むブレザーの内側が、ぼこぼこ蠢きながら膨らんでいく。同時に足も大きくなり始め、ローファーがはちきれそうになった。
髪の毛は抜け落ちると同時に、栗色を濃くした色のものが新たに生えるも、その長さは足りず、ツインテールをまとめていた髪留めのゴムバンドが床に落ちた。
 やがて耐え切れず、履いていた革靴はソックスごとはじけた。

 「ひやあっ」

 外気に晒された足も足首も、少女のものとは思えないほど大きく、太く、逞しい。白い素肌は肥大化したことろから色を濃くし、黒ずんでいた。

 「う、うあああああっ……」

 足首までの変化がついに脹脛にまで広がったところで、あやめは呻きに似た嬌声を上げながら、不釣合いなほどに大きくなった両腕で、ブレザーとブラウスを掴み、びりびりと引き裂いた。
同時に耐え切れなくなったブレザーとブラウスの腕部分も、引きちぎられた生地が足元へはらはらと広がった。

682 :名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 18:17:28 ID:aJSAhla1
先に言っておこう
GJ!

683 :変身!ホッケー仮面少女☆じぇいさん:2009/03/18(水) 18:17:31 ID:bvflphhd
その姿は、いびつだった。
 
 肥大化、筋肉質になった足の変化はすでに太腿の付け根にまで及び、それに押し上げられた身長はすでに170センチを越え、同じように二周りかそれ以上に大きくなった両腕が、袖が破けてノースリーブの格好となった肩口から伸びている。
しかし体はか細い少女のままで、破かれたブラウスの合間から見えるお腹や、水色のスポーツブラに包まれた慎ましい膨らみも、素肌の色もあやめのままだ。
 だが、すこしづつ腰周りが成長し、悲鳴を上げ始めたスカートの下、ブラと同色のショーツのさらにその下では、この中学2年生の少女を完膚なきまでに変質させる大きな変貌が始まっていた。

 「ああ、あんっ!」
 ボディビルダー真っ青なムキムキの太腿をもじもじとすり合わせながら、来たるべき性感に喘ぐあやめ。

 「はえ、ちゃうっ!はえ、ちゃう、よおぉぉ…」
それは幼い、薄い茂りの秘裂を割って、大量の愛液に塗れながらその顔を覗かせ、次の瞬間、その身を一気に露出させた。

 「あああああああああああああっ」

 視界が白く塗りつぶされるほどの快楽が甘い痺れを伴って全身を駆け巡り、絶叫をあげる彼女。ぐしょぐしょのショーツからはみ出し、スカートを盛り上げるそれは、平均サイズを軽く上回る男根だった。
子宮の中で肉付き、変質させ、膣や周囲の細胞を取り込んでその身をさらした起立は、赤黒くあやめ自身の分泌でぬめっていた。

 「うああ、うはあ、ひぎいっ」
 少女から、男へ転換を遂げた際の絶頂で、手放してしまった意識や思考が急速に、体に適した形へ組みかえられていく。その変化は肉体にも返され、残ったあやめとしての体が飲み込まれ、作り変えられていく。

 「あう、ああ、あお、おう、うおっ…」
 声が太く、低くなっていく。腰周りも大きくなり、尻肉は筋肉質に引き締まる。腹筋が割れながら広がって、彼女、いや、彼の体が膨らんでいく。

 「ぬおお、おおおっ」
 熊のような唸りを上げて、変化の気持ちよさに酔いしれる元・少女。控えめな双丘は瞬く間に固くなって広がり、大胸筋と化した。ブラジャーも耐え切れず千切れる。
 肉棒を吐き出した恥丘が急速に膨らんで、睾丸に成り代わる。首周りも急速に肉付いて、変身が完了した。

 「おおおおおおおおっ!魔法少女ジェイさん、爆☆誕っっ!」

 小柄な少女あやめの面影は完膚なきまでに無かった。どこを見ても筋肉、筋肉、筋肉!小さな女子中学生は、制服の残滓を素肌に纏った大男に生まれ変わった。
その顔はホッケーマスクに隠されたままで、うかがい知ることはできない。パッと見変態である。
 しかし男──魔法少女☆ジェイさんは気にした様子も無く、汗を撒き散らしながらタックルの構えを取った。

 「街に蔓延る悪を!己のそそり立つ鉈で突きまくる!ジェイさん、行っきまあああああああすううううううう!!」
 鉈は突くものではなく叩き切るものだが、本人は一向に気にしていなかった。そのまま窓ガラスをやぶり、彼は夜の街へ駆けて行った。


 〜面倒になったので以下戦闘をダイジェストでお送りします〜

 「き、貴様、何者だ!」
 「キノコ堀りの男、ジェイさんっ!」
 「布団敷こう、な!?」
 「オンドォルルラギッタンディスカァ!」
 「小早川大尉殿……愛しておりました……」
 「そこまで情けないなんて、男として自殺するべきじゃない?さっさとこれ脱いで、目の前で死になさいよ、ほら」
 「こいつをどう思う?」
 「すごく……大きいです」
 「へ ヴ ン 状 態 !」
 「ひぎいぃぃっ!にんっ!しんっ!しちゃうぅっ!らめええええええええっ!!!」


 こうして、街の悪はまた一つ潰えた。
 しかし、この世に、呪いと憎悪がある限り、世にも不思議な出来事は途絶えることは無い。
 ジェイさんは一人静かに、幸せが来る日の事を、思っていた──。

684 :名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 18:20:15 ID:bvflphhd
終わりました。ジェイ○ン全く関係ないですね、すいません。
融合ものを性懲りも無く書いていたのですが詰まったので、息抜きに書きなぐったものです。すいません。
すいませんほんとすいません

685 :名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 19:49:37 ID:97rb4Mri
スレチじゃね?

686 :名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 20:12:15 ID:M/qrq6TM
どちらかと言えばすれ違いだがGJ
ただあっちは変身そのものよりも変身後の葛藤とか戸惑いをメインにしてるしなあ

687 :名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 20:14:43 ID:bvflphhd
スレチでしたか、申し訳ない

688 :名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 23:50:34 ID:oxoDWtUv
なあに、いいってことよ

689 :名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 13:07:57 ID:ObJh3btT
TSもOKだ!

690 :名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 17:40:32 ID:K+XDZU+Y
>>687
ジェイ○ンは、ハルクみたいな物だと思えば一応人外なのかな。
外見的に人間だから獣化とか好きな人には物足りなかったんだと思うが、
ギリギリスレ違いじゃないと思うよ。
GJ!

逆に、TSは性別変わった所で人間には違いないから微妙な所だな…
一応ここは人外への変身スレだし。
次スレはTSや固体化とかも含めて、変身全体を楽しめるスレにするか?
勿論、本家TSスレとかとは被らない様に、あくまでも変身そのもので。

691 :名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 22:15:21 ID:U6dbgo0g
>>656
こことは兄弟スレである獣化スレにも投稿してあげてください(っていうか、こっちの住民だけでいただくのはもったい無さすぎです)。向こうの方々も喜ぶと思いますよ。
【獣人】亜人の少年少女の絡み8【獣化】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1225275835

>>690
そう言えば、アメリカには「シーハルク」というのもあるそうですよ。
おとなしい弁護士の女性が命を狙われて重症を負って、従兄弟であるハルクの中の人の輸血で助かるんだけど代償として女性版ハルクになってしまうとか。
ttp://en.wikipedia.org/wiki/She-Hulk


692 :名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 01:20:55 ID:0auNW/GD
>>691
シーハルクかこいい!

693 :名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 03:36:58 ID:AQdEunue
ほしゅはーぴー

694 :名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 15:41:44 ID:hTseQRO3
今更なんだが

読み方っていけいか?いぎょうか?

695 :名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 18:31:22 ID:L2Hu/ss+
いけいでもいぎょうでも変換できるからどっちでもいいんじゃない?

696 :名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 01:37:59 ID:ACWS4Qg9
『型』じゃなくて、あえて『形』のほうを使うなら『いぎょう』じゃないか?
ネット辞書にも人外への変化は『異形(いぎょう)となる』とあるし。
あと個人的には『いけい』は文学よりも科学で見るほうが多い読みじゃないかな。
異型上皮とか。
『形』は姿とかの表面的なものを指し、『型』は性質とか内面を表すんじゃないかと。
『異形』が細胞を鉄に変えること、『異型』が細胞を癌化させることというか、
ようは人外化と洗脳の違いみたいなもんだと思う。

まぁ、どっちでもいいとも思うけど。

697 :名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 10:11:01 ID:Irjla9rV
typeとshapeじゃね。

698 :名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 13:43:34 ID:UNV5RN8I
書いて読み返したらどうもこのスレ向きでないことに気付いた。
スーパーヒロイン総合スレの行方分かる人いる?中身的に明らかにそっちの方が近いんだけど…

699 :名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 09:11:15 ID:o/GMP28g
行方不明だよな

700 :名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 22:44:33 ID:4gC9Z8kQ
保守

701 :名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 00:10:29 ID:kwoZC/rc
戦隊モノで人外化に目覚めた俺

702 :名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 00:03:46 ID:EovjNNQG
怪人の変身とか

703 :名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 18:57:55 ID:Gn2RiIco
そんなあなたに

おにゃのこが改造されるシーン素体13人目
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1237203917/

おにゃのこ改造 BYアダルト14
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1230558568/


704 :名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 01:01:23 ID:DCObZ/N/
このスレだめかもしれんね

705 :名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 06:57:02 ID:0d31oaQe
なぁに、昔のペースに戻っただけでしょ。

706 :名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 13:21:03 ID:oFVTNUZq
毎日覗く虚しさ

707 :名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 16:52:13 ID:hbL8FJJ1
にゃり〜ん

708 :名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 13:31:46 ID:wn2dBac9
変身シーンはグロイ方がいい・・・よね?(´・ω・`)

709 :名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 15:49:16 ID:yppe/VSj
あまり気にはしないよ

710 :名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 00:00:25 ID:GmnWKA5q
汝のなしたいように為すが良い

711 :名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 08:48:46 ID:8R2xsLzE
魔法少女の変身シーのごとくメルヘンちっくだけど、
できあがりは……というのもいとをかし

712 :名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 12:06:55 ID:12FFFQEY
拝啓
このスレにある悪魔化みたいに価値観が変わる展開があればヨロシ
敬具

713 :名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 15:06:25 ID:FxZjIfSy
精神の変化はいるよね

714 :名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 15:33:04 ID:8R2xsLzE
無くても良いと思う。個人的には異形と化した肉体ともとのままの精神の
ギャップが良いというか、心身ともに変わり終わったらただの怪物だろうと
思うが、クトウルー神話みたいに自分の精神が少しずつ人外になっていくという
恐怖を描くというのもまた良きかな。

715 :名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 16:36:05 ID:12FFFQEY
肉体の変化は遅くても早くても良いけど、精神の変化はゆっくりだよね

716 :名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 19:09:45 ID:os3ZG5e8
まぁ、好みは人それぞれだから。

話題の流れぶった切る訳じゃなくて、
好みは人それぞれだからこそ面白いって事で。

717 :名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 19:10:04 ID:2N2oBALr
そういえばプレステ1で
人魚の烙印とかいうのあったな

718 :名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 19:13:04 ID:c6fYpqHE
「こ、怖ぇ!鋭い変化がゆっくりとやってくるッ!うおああああああああ」
「どうやら異形化している人間にイギョウカ・エクスペリエンスで さらに過剰に異形化を与えると・・・
 『暴走』しちまうらしいな・・・『感覚』だけが・・・せいぜい利用させてもらうかな・・・」



719 :名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 00:50:47 ID:k0z15z6s
イタリアに帰って下さい

720 :名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 14:05:26 ID:Qx/74eWt
ウェザーさんの蝸牛は良かったよ

721 :名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 15:25:00 ID:t4hsfyQZ
Dio様に一生ついていきたい

722 :名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 01:35:00 ID:QwlFw4ge
age

723 :名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 21:46:42 ID:xroLgME0
>>715
精神はゆっくりがいいな
変身してすぐ「ククク・・・」は萎える

724 :maledict ◆sOlCVh8kZw :2009/05/06(水) 20:53:25 ID:Qol5p+gg
ご無沙汰しております。

20レスの中くらいの長さのを書けたんですが、現在残り464KBという微妙な容量です。
まず次スレを立て、リンクを貼ってから投下し、
もし終わらなければ次スレに続く、というやり方で投下したいと思います。
これだと、スレ内で終わるにせよ終わらないにせよ、
埋め立てに長い時間かけなくてすむのではないかと思います。

で、先に次スレ立ててしまいました。下記です。

【異形化】人外への変身スレ第四話【蟲化】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1241610755/

勝手に進めすぎたかもしれませんが、どうかご容赦下さい。


以下のSSの内容ですが、
実は>>693のカキコの代わりに投下したかった内容だったりします(w。
ただ、本物のハルピュイアとは色々違うのでその名は使いませんでした。
あ、あと百合と、ごく微弱なスカ表現がありますので一応注意です。

725 :人面鳥(1/20):2009/05/06(水) 20:53:56 ID:Qol5p+gg
「あぶないな。あぶない、あぶない…」
 たしかに、ごつごつした岩場は足を滑らせるとかなり危ないが、そればかり
ではない。このあたりは怪物が出てきて人間をさらっていくという噂があり、
村人は決して寄りつかない場所なのだ。実はわたしも、道に迷わなければ、
こんな恐ろしいところに近づく気はなかった。
 だが、人が寄りつかないせいなのだろう。薬草として珍重されるトリコゴケが
岩の隙間に密生している。別のハーブを採りに来たわたしが、急遽予定変更して
コケの採集に夢中になってしまったのは、軽率ではあるが抗しがたいことだった。
これを売ればハーブなどよりずっとましなお金になる。
 欲に目がくらんでいなかった、と言えば嘘になる。でもこれは、親に迷惑ばかり
かけている親不孝娘の、せめてもの罪滅ぼしなんだ。…そんな言い訳を自分に
しながら、わたしはせっせと貴重な地衣類を採取し続けた。採り放題とは言っても、
ハーブとは違い、一度に採取できる分量はわずかなもので、採っても採っても
バスケットは一杯にならず、そのため、この、危険な場所を立ち去る踏ん切りが
なかなかつかずにいた。
 不意に、背後からばさばさっという音がした。振り向く間もなく、わたしは
うつぶせに押し倒され、脇腹の部分にがっちりとした腕が回されたのを感じた。
そして次の瞬間、再びばさばさっという音がしたと思うと、体が地面から
持ち上げられるのを感じた。それで、自分が大きな鳥のようなものに捕えられて
しまったのを知った。大事なバスケットを置き去りに、わたしは遠ざかる地上を
唖然として見つめていた。

726 :人面鳥(2/20):2009/05/06(水) 20:54:16 ID:Qol5p+gg
 胸元を見ると、脇の下から差し入れられた太いごつごつとした鳥の足が、
どちらかといえばまだ小振りな乳房の下で、お祈りでもするようにがっちりと
組まれていた。振り払うのは難しそうだったし、万一振り払ったら、はるか下の
地面まで真っ逆さまである。たとえ、もうじきこの怪物に食べられてしまうの
だとしても、少なくとも今は、この怪物の腕にしがみついていないといけない
のだった。
 あまりに急な出来事は、人の恐怖を麻痺させてしまうようだ。それに、
怪物からは、できかけのワインのような甘い香りが漂っていて、それが
本物のワインのように、全身の筋と頭の中を奇妙に弛緩させていた。それで
わたしは、かなり長い間、悲鳴を上げるのも忘れ、非現実的な空の旅に目を
見張りながら体を委ねていた。
 長い飛行が続き、目的地らしきところが見えてきて始めて、わたしの中の
現実感が戻ってきた。目に入ったのは、とても人の近づけない険しい山岳地帯、
切り立った崖の途上の棚のような張り出しにある、「鳥の巣」らしき場所だった。
崖は上も下も果てしなく広がり、空を飛ぶ以外の仕方でこの場所に近づくことも、
出ていくこともできなさそうだった。その意味では、とても安全な巣であり、
そして牢獄であった。
 ――怪物はこんなふうに孤絶した安全な「巣」に獲物を運び込み、ゆっくりと
解体して食べるに違いない。それはつまり、もうすぐ先の自分の運命なのだ――
 そんな冷静な推理を行ってしまった後で、ようやく現実感と恐怖が生まれた。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 目前に迫る巨大な鳥の巣を前に、わたしはかなりテンポのずれた恐怖の叫びを
絞り出していた。

727 :人面鳥(3/20):2009/05/06(水) 20:54:40 ID:Qol5p+gg

 「巣」はちょっとした小屋ほどの大きさの工作物だった。巨大な崖の中央部の、
広く張り出した棚の中央部に、人間の背丈の倍はあるしっかりした土壁のような
ものが、円柱状の囲いを形成している。
 鳥はなぜかわたしを巣に運び込まず、壁の外側の地面の上に押しつけた。そして、
うつぶせにされたわたしの背中とお尻に、固いくちばしが当てられた。
「ぎゃあ!やめて!やめてよ!!」
 無我夢中で無駄な叫びをあげるわたしの肉を怪物が食べることは、しかし、
なかった。怪物はわたしの衣類だけを破り、噛み裂き、ひきちぎっていった。
背中とお尻が外気にさらされ、その頼りない感覚がわたしの不安をさらに煽り立てた。
 後半身を丸裸にした怪物はわたしをごろんと転がした。あおむけにされた
わたしは、そのとき始めて怪物の姿を目にした。その姿のあまりの異様さに、
わたしは思わず息を呑んだ。
 わたしの両ももを文字通りわし掴みにしているかぎ爪は、紛れもなく猛禽類の
それだった。それに、かぎ爪が生えているごつごつした足、後ろの尾羽、その上に
広げられた、ワシなどよりはるかに巨大な翼は、やはりどう見ても鳥だった。
…しかし、その翼を生やしている胴体の中央部に羽毛はなく、代わりに、
鳥にあるはずのない二つの半球、人間そっくりの乳房があった。そしてその
乳房の上には、やはりどうみても人間、それも若い女性の頭部であると
ほぼ言ってよいものが続いていた。抜けるような白い肌、細い首、ほっそりとした
面立ち、ぱっちり開かれた青い目、豊かな金色の髪。たしかに、鼻から口に
かけてだけ、わたしの服をついばんだ猛禽類のようなくちばしに変形している。
しかしそれ以外はとても美しい女性の顔であった。その全体の姿は、まるで、
巨大な猛禽の上半身に、若い女性の裸像をレリーフとして彫り込んだような姿だった。

728 :人面鳥(4/20):2009/05/06(水) 20:54:58 ID:Qol5p+gg
 「レリーフを彫り込んだような」というのはまた、その顔から受ける印象でも
あった。その美しい顔は、感情の移入をまったく拒む、無機的な無表情さに支配
されていたのである。きょとんと見開かれた目は瞬きをすることもなく、ただ
ときどき、目の下側から伸びる薄い膜に覆われるだけだ。そしてその青い瞳の奥に、
人間らしい感情を読み取ることはできない。
 そんな無表情な美しい怪物は、わたしの両足に爪を立てながら、わたしの胸と
お腹になお残っていた布をむしり取る作業を開始した。その不気味さと、
まだはっきり正体のつかめない漠然とした不安が、静かな戦慄となって
わたしの全身を覆った。
 やがてわたしはやがて糸くず一つない完全な裸身に剥かれてしまった。そして人面鳥は
わたしを再び抱き上げ、軽く羽ばたきをして壁を乗り越え、わたしを巣の中へ運んだ。
 巣の中は床も壁も一面薄桃色だった。人面鳥はわたしを支えながら、わたしを壁に
寄りかかるようにして座らせた。そして器用に羽ばたきながら、わたしを壁に
押しつけた。壁の感触は粘土のように柔らかく、ねとねととしていて、わたしの背中と
腕はそこに軽くめり込んだ。両足は八の字に開かれた状態で、やはり床に押しつけられた。
 わたしはすぐ、薄桃色の壁と床が、強力な糊のようにわたしの胴体と手足を固定して
しまったことに気づいた。それはたしかにぐにゃぐにゃと柔らかいが、貼り付いた
手足や胴体を、思うように動かすことはできなかった。
 人面鳥は床に立ち、あいかわらずきょとんとした無表情な顔で、体を動かそうともがく
わたしをしばらく観察していた。やがて、わたしが動けないのを確認したのか、ばさばさと
音をたててどこかへ飛び去っていった。人面鳥の足は床に貼り付かない作りのようだった。

729 :人面鳥(5/20):2009/05/06(水) 20:55:17 ID:Qol5p+gg

 視界から人面鳥がいなくなってようやく、巣の中にわたしと人面鳥以外の住人がいた
ことに気づいた。わたしの斜め前の壁に、わたしと同じような姿勢で囚われている
女性の姿が目に入ったのだ。わたし同様、怪物にさらわれてきた犠牲者だろう、と思えた。
 悲しげな顔でわたしを見つめている女性はとても美しかった。そしてわたしの目は
つい、わたしなどが今後いくら成長しても追いつけないであろう、その豊満な乳房に
釘付けになってしまった。
 だが、落ち着いて見ると、目の前の女性にはどことなく違和感があった。日陰の
せいで始めはっきり見えなかった姿が、暗さに目が慣れるにつれ徐々に鮮明になり、
それと共に違和感の正体が明らかになった。
 まず、女性の足は、関節の比率やその他の様子がおかしかった。指が長く、爪の先が
鋭くとがっていた。かかとも長く、その代わり、太ももが短かかった。そして全体に、
ごつごつとしたうろこのようなものができかけていた。腕も奇妙に短く、太くなり、
手も変な風に変形していた。小指と薬指がほとんどなくなりかけ、他の三本もとても
短くなり、その代わりに、手首の上のあたりが細長く伸びていた。そして、
よく見ると腕や肩には、ごく細かい毛が密生していた。
 それに気づいたわたしの顔には、反射的に恐怖と嫌悪感が浮かんだはずだった。
それを見た女性の顔に、さらに深い悲しみの表情が浮かんだのが目に入った。
わたしは直観的に、この女性はあの無表情な人面鳥の仲間ではなく、ちゃんと人間の心を
もっているのだということが分かり、あんな顔をしてしまったことに対し、申し訳ない気持ち
が浮かんだ。だが同時に、まだ形をなさない大きな恐怖と不安が心に広がり始めていた。
 女性がわたしの体を見つめ、悲しそうな顔のまま口を開いた。
「ちゃんとした人間の体を久しぶりに見たわ。そんな風だったのよね…。でも、とても
悲しいことだけれど、あなたもすぐ…」

730 :人面鳥(6/20):2009/05/06(水) 20:55:37 ID:Qol5p+gg
 その言葉が、わたしの形のない不安を一気に結晶化させた。わたしは取り乱して
女性に聞き返した。
「…わたしもすぐ!?わたしもすぐ、何なの!?そんな風になっちゃうの?
化け物にされちゃうの!!??」
 口に出してから自分のデリカシーのなさに気づき、わたしはうろたえながら付け加える。
「…あ、ごめんなさい。違うの。あなたが化け物だと言ったんじゃありません。すみません…」
 女性は、しかし、悲しそうな顔をやめ、きりっと眉を引き締めて返事した。
「いえ。いいの。わたしの方こそ気弱になってごめんなさい。むしろ、化け物に
なるのはいやだ、という、今のその強い気持ちを忘れないでいて」

 それからしばらく、わたしは衝撃的な事実を頭の中で整理していた。
 この女性はわたし同様、あの人面鳥に捕まってここに連れてこられたのだろう。
そして、人間と人面鳥の中間のような姿をしている。ということは、この女性は…
人面鳥とわたしが呼んでいる生き物は…そして、わたし自身は…。
「教えて下さい。…わたしも、これから、そんな風に姿を変えられてしまうんですか?
…そして、最後は、あの人面鳥になっちゃうんですか?」
 女性は答えた。
「そうよ。わたしも、ここに来る前はちゃんとした人間だった。それに、わたしの前にも
『先客』がいた。彼女はわたしの見ている前で、徐々に身も心も完全な人面鳥に
変えられていき、やがてどこかへ『巣立って』いった。普通にいけば、わたしも、
あなたも、そうなるのは間違いないわ」
 女性はそういって眉を曇らせた。激しい恐怖と絶望がわたしの心を覆った。せめて、
ぱくぱくとついばまれ、苦しみながら食べられてしまうのよりはましだと思うべきだろうか?
…いや、恐らく一瞬で終わる死の苦しみより、何日もかけて徐々に人間でなくなっていく
恐怖の方がずっとおぞましいのではないか?少なくともそのときのわたしにはそう思えた。

731 :人面鳥(7/20):2009/05/06(水) 20:55:58 ID:Qol5p+gg
 女性は再び毅然とした表情を取り戻し、言葉を続けた。
「わたしの体は、多分このまま完全な人面鳥に変えられてしまう。それは防ぎようが
ないわ。だけど、あなたをどうにかして助けることはできるかも」
 女性はまた眉を少し曇らせつつも、やはり決然とした口調で先を続けた。
「…残念だけど、あなたをまったく今のままで帰してあげることも無理。だけど、
あなたが本物の人面鳥になってしまう前に、ここを出してあげることなら、できる
かもしれない。してみせる。信じれば、神様はきっと見捨てないわ」

 わたしが質問を返そうとしたとき、ばさばさとあの音が聞こえてきた。そして人面鳥が
いきなりわたしに覆い被さった。
 人面鳥はわたしの足の上に乗り、くちばしでわたしの口を強引に押し開けた。そして、
円筒状の固い舌をわたしののどに押し入れた。そして、ゲエッという汚い音と共に、
わたしののどの奥に何かどろりとしたものを吐き出した。
 吐き出された液体は、ほのかな酸味のある以外に味はなく、ただしあの濃厚なワインの
ような甘い香りがしていた。人面鳥はゲエッ、ゲエッと何度かそれを繰り返し、
それからわたしから離れ、少し離れたところからわたしをじっと見ていた。
 わたしは人面鳥が離れたとたん、激しく嘔吐した。そして嘔吐の発作は、目の前の
女性を意識してずっと我慢していた、排泄の欲求も解放した。胸一面にたった今
注ぎ込まれた生温かい液体が広がり、お尻の下には糞尿が散乱した。
 人面鳥が次にとった行動はさらに嘔吐を掻き立てるものだった。あの円筒形の舌を
出して、わたしの下にまき散らされた排泄物を丁寧に吸い取り始めたのだ。それが終わると、
次は胸の上に広がった吐瀉物をやはり丁寧に吸い取り、あるいは舐め取った。そして、
その同じ舌を再びわたしののどに差し入れてきたのだ。
 先ほど以上の激しい抵抗もむなしく、のどの奥にどろりとした液体が差し入れられた。
先ほどの排泄物もたしかに混じっているはずなのだが、ほのかに甘い味に変わっている
だけで、決していやな味はしなかった。

732 :人面鳥(8/20):2009/05/06(水) 20:56:19 ID:Qol5p+gg
 鳥が離れると、わたしは再度嘔吐を試みた。だが、先ほどのような勢いのある嘔吐の
発作は起きなかった。そして多少漏れ出た吐瀉物を人面鳥がまた舐め取り、わたしの
のどの奥に入れて後は、どんなに試みても、嘔吐の発作はもう起きてはくれなかった。
 やがて腹の中のものが全身に広がっていくのがわかった。全身が火照り、
軽く酔ったようなほんわりした感覚が生じた。
 わたしはそのままとろとろと眠ってしまいそうになったが、その欲求をどうにか
こらえたのは、人面鳥がわたしの前の女性の方に移動したからである。
 人面鳥の作業は一見わたしに対してと似ていた。だが、どうもただのどの奥に液体を
流し込んでいるだけでもないようだった。人面鳥は彼女の足の上に立つのではなく、
自分自身も足を開き、その中央部を彼女の両足の中央部に押し当てている感じだった。
そして、のどに液体を流し込む作業が終わり、人面鳥が口を離しても、その下半身での
作業は続いた。女性は中空を見つめ、眉間にしわを寄せながら、切ない声を漏らした。
「あ、あ、あふ…はあん…ぁん……」 
 やがて人面鳥が体を引き離し、どこかへ飛び去った後も、女性の切なそうな様子は
続いた。しばらくすると眉間のしわは消え、女性は無表情な、やはりうつろな顔で、
何も言わずに中空を眺めていた。
 わたしは不安になり、声をかけた。
「ねえ!お姉さん!しっかりして!ねえ!ねえ!お姉さん!!」
 わたしの必死の呼びかけが届いたのか、女性は再び眉間にしわを寄せ、とても険しい
顔つきで首を振り、目をしばたたかせた。そして深く息をすると、わたしの方を見て言った。
「…ありがとう」

 女性はそれきり黙りこくってしまった。わたしの方は、眠気は幾分ひいてきたものの、
体の熱はさらに強まっていた。全身の骨と関節に、まるできしんでいるような鈍い痛みを
感じた。体の形が変わり始めたのだと思った。

733 :人面鳥(9/20):2009/05/06(水) 20:56:34 ID:Qol5p+gg
 実際、変形は思っていたよりもずっと早く進むようだった。目の前の女性に比べると
まだまだ微々たる変化ではあるが、小指と薬指が短くなり、足の指とかかとが伸び、
太ももが縮む様子など、目で追えるほどだった。ただ変形はいつまでも続くのではなく、
徐々に収まっていった。
 目の前の女性もまた、その肉体がまた一歩鳥に近づいたのがわかった。骨格の変化も
そうだが、全身を覆う綿毛が一段と濃くなったのが目に見えて分かった。そして、
とうとう唇の形が変わり始めたようだった。
 女性がようやく口を開いた。まだしゃべり方は普通だった。
「注入された直後が、一番急激に変形するの。だけどその後もゆっくりだけど変形は続くわ」
 それから悲しそうな顔でわたしを見て、先を続ける。
「あなたももう変形が始まってしまったのね。仕方のないことだけど、あまり進まない
うちに何とかしてあげたい」
 その言葉を聞いて、わたしはさっき聞きたかったことを改めて聞いた。
「あなた、わたしを助けてくれる、と言っていたけど、どういうことなの?神様が
助けてくれるから、というのは無しよ。神様は信じていないこともないけど、
わたしなんかのためにそこまでしてくれるとは、とても信じられないわ」
 女性は考えながら答えた。
「わたしはもともと、神に仕える仕事をしていたけど、文字通りの奇跡を起こして
くれるとは思っていないわ。問題は心。つまり、体をいくら化け物に変えられても、
心まで奪われなければいい。わたしはそれに精一杯抵抗する。そして、自由に空を
飛べるようになったら、あなたをここから連れ出す。そういうことだったんだけど…」
 それを聞いて、一応女性の言いたいことは納得できた。たしかに、この人がこの人の
心を守ったまま空を飛べるようになれば、わたしをここから連れ出し、帰してくれる
ことも可能だろう。

734 :人面鳥(10/20):2009/05/06(水) 20:56:58 ID:Qol5p+gg
 しかし、女性はその思いつきを伝えながら、言葉を濁してしまった。それが意味する
ことをわたしは察して、あえて聞いてみた。
「だけど…何?…やっぱり難しそうなの?」
 女性は悲しそうな顔をして答えた。
「簡単でないことは、認めなければならないわ。日に日に体だけではなく心まで変わり
つつあるのが分かる。わたしの前にここにいた女性と、全く同じ道を歩んでいるのが
分かる。自分は違う、自分だけはそうなるものか、と気を張っても、抵抗しようのない
強い力がわたしをどこかへ連れて行こうとする…」
 そこまで言ってから、何かに気づいたように、女性の顔はきりっとした様子を取り戻した。
「…でも、まだ希望はある気がするの。聞いて。さっきあなたがわたしに必死で呼びかけて
くれた。そのおかげでいつもより早く正気をとりもどせたわ。そして、目の前のあなたを、
あなただけでも、なんとか助けてあげなきゃ、という強い決意が生まれた。だから、
お願いがあるの。これからも、あんな風にわたしを励まして、声をかけて!あなたは
まだ大丈夫のはず。そうしてわたしを励ましてくれることが、わたしのためであり、
あなたのためでもあるの。お願い」
 強い決意に満ちた顔はとてもきれいだった。わたしは、今のきりっとした顔こそ、
この人の本来の顔なのだろう、と気づいた。つらい現実を突きつけられるごとに、
あの悲しい絶望の表情が浮かぶようになってしまったのだろう。そんな顔ではなく、
このきりっとした顔をもっと見たい、とわたしも強く思った。
「わかったわ。できる限りやってみます」
「ありがとう」

735 :人面鳥(11/20):2009/05/06(水) 20:57:18 ID:Qol5p+gg

 人面鳥は夕方まで帰ってこないらしい。わたしたちはぽつぽつとお互いの身の上を話した。
といっても、近所の村の普通の娘であるわたしに大した話はできなかったのだが、
彼女の方は色々と興味深い話をしてくれた。
「わたしの故郷はここからずっと離れた都市。ずっと神様に仕えるお仕事をしていたのだけど、
色々とあって今は教会の付属の大学に通っている。動物についての研究が専門で、
この辺には調査のために来たの。古文書には出てこないような生物はたくさんいる。
大昔に起きたあの大異変以来、色々とこの世界は変わってしまったらしい。昔には
いなかったはずの生き物もたくさん生まれている。それでちゃんと調べる必要を感じたの。
…そのあげく、うかつにも調査対象に捕まってしまったということ」
 そしてその女性、わたしは「お姉さん」と呼ぶことにしたのだが、お姉さんは、
あの人面鳥についてもある程度の推測を行っていた。
「あの森によく行くなら、自分よりも大きなヒナにエサをあげている鳥を見たことが
あるでしょう?『托卵』といって、別の鳥がもとの卵を捨てて自分の卵を産みつけ、
ヒナを育てさせるの。そしてあの人面鳥は、そういう托卵鳥の餌食にされた鳥の仲間。
押しつけられたよその鳥のヒナに自分の遺伝子を組み込むように進化したのよ。
わたしたちは逆托卵鳥と呼んでいる。そしてこの逆托卵鳥からさらに、積極的に他の
生き物をさらってきて、自分の仲間に作りかえる種が出てきた。正確に言うと、
もともとの逆托卵鳥の遺伝子と、さらわれてきた種との混合生物ね。そんな混合生物が、
さらわれる動物の種の数だけいる。そして同じ種の犠牲者は同じ種の仲間をさらってきて、
同族を増やす。人面鳥はその一種ということ。若いグループらしくて、まだ数は少ない
けど、これから飛躍的に増える可能性もあるわ」

736 :人面鳥(12/20):2009/05/06(水) 20:57:38 ID:Qol5p+gg
 イデンシとかシンカとかよく分からない単語も多かったが、あの鳥が悪魔や魔物の類では
ないこと、元々は托卵鳥の餌食にされたかわいそうな鳥だったということ、そして、
どの人面鳥も半分は人間なのだということはよく分かった。それとは別に、こういう話を
しているお姉さんはとても生き生きとしていて、とても好感がもてた。
 いつのまにか夕闇が迫っていた。ばさばさと人面鳥が帰ってきてうずくまり眠り始めた。
「さあ、もう寝た方がいいわ。夜明けと共にこの人面鳥が目覚め、またあれが始まる。
そして睡眠不足の状態であれをされると、危険なことにもなりかねない。今は無理にでも
眠りなさい」
 異常な状況だが、疲労が溜まっていたのと、あの液体の作用もあるのだろう。わたしは
目をつむると同時に熟睡してしまったようだ。

 朝、のどに違和感を感じて目覚めると、すでに人面鳥が口の中に「エサ」を流し込んで
いるところだった。やはり嘔吐感は起きてくれず、わたしのお腹の中には、肉体を変形
させる物質がたっぷり残されてしまった。
 やがて体が熱くなり、変形が始まった。四肢の比率が変わり、手の指は短く、足の爪は
固く鋭くなり、足や肩の皮膚はぽつぽつとした「鳥肌」に変わり始め、足は脂肪が落ち
ごつごつとし始めた。さらに、昨日にはなかった変化も始まった。女性のあそこと
お尻の穴周辺が落ちくぼみ始めたのだ。いずれも、思っていたよりも急速で、この分では、
明後日ぐらいには昨日のお姉さんに追いついてしまいそうだった。
 お姉さんをふと見ると、目覚めてはいるようだが、呆然と中空を見つめている。
寝ぼけているのではなく、心を冒されかけているのではないかと思われた。わたしは
ぞっとしてお姉さんに声をかけた。
「お姉さん!目を覚まして!目を覚まして!」

737 :人面鳥(13/20):2009/05/06(水) 20:57:58 ID:Qol5p+gg
 あらん限りの声を発して呼びかけているうち、お姉さんは我に返ったようだった。
やがてお姉さんへの「給餌」と、あの怪しげな下半身への操作が始まっても、わたしは
お姉さんへの声かけを続けた。
 声をかけ続けたのが功を奏したか、お姉さんはその後ずっと眉間にしわを寄せ心を
冒されることに抵抗を続けられた様子だった。人面鳥が飛び立つと二人は目を合わせ、
深いため息をついた。二人とも涙ぐんでいた。
「ありがとう!」
「ううん。よかった。お姉さん。よかったよ!」
 その後また二人は色々と話をした。午後の「給餌」のときもお姉さんは耐え抜いた様子
だった。その後また会話を交わし、その日は眠りについた。
 
 三日目の朝の「給餌」後、昨晩から続いていた股の辺りの違和感がとても強くなった。
どうも、お尻の穴と前の穴が一つの穴にまとまってしまったようだった。
 そのショックのせいで声が小さくなってしまったのか、それともお姉さんの変形が
否応なく進んでしまっているせいなのか、今回、わたしの声かけにもかかわらず、
お姉さんは意識を飛ばしてしまった。
 呆然と中空を見つめるお姉さんを見ると、お姉さんの変形も着実に進んでいるのが
わかった。全身に羽毛が生え始め、腕は小さな翼になっていた。足もほとんど鳥の足と
いっていいものになっていた。
 お姉さんを何とか呼び戻すと、お姉さんはわたしの姿を見て、久しぶりにあの
暗い表情を浮かべた。
「…あなたにも、総排泄控ができてしまったみたいね。明日か、早ければ今夜あたりから、
あれが始まってしまうわね」
 お姉さんの発音は不明瞭になっていた。くちばしがだいぶ伸びたし、多分、舌も細く
固く変形しつつあるのだ。

738 :人面鳥(14/20):2009/05/06(水) 20:58:20 ID:Qol5p+gg
 わたしはなんとか聞き取れた知らない単語について尋ねる。
「ソウハイセツコウ?」
「そう。鳥はおしっこの穴とフンをする穴と生殖器の穴がひとつだけなの。あなたも
そういう体に変えられてしまっている。そしてそれが完成すると、その総排泄控から
あの物質を流し込む作業が始まる。…ああ、そして、それが始まると、心の変化が急速に
進むの…」
 お姉さんの声には強い恥じらいのトーンがあった。しばらく何か言いよどんでいた
お姉さんは、しかし意を決した様子で先を続けた。
「やっぱりあらかじめ知っておいてもらわないといけないわ…」
 どう話せばいいかをしばし思案したらしいお姉さんは、動物学の講義を始めた。
「哺乳類、つまりケモノの場合、交尾は膣に突起物を挿入して、その先から精子を注入する。
…修道女だったので人間の男性のそれをちゃんと見たことはないのだけど、人間も
そういう風にできているわ」
 わたしの方が恥ずかしいような気まずいような感じをおぼえた。わたしと言えば、
すでに詳しく経験したことがあったからだ。
「だけど鳥の場合、交尾はお互いの総排泄控を密着させるだけ。そういう風にできているのよ。
そして、人面鳥は人間の女性しか襲わない。だからもともと女性同士なのだけど、
生殖器からのあの物質の注入は、鳥の本物の交尾とほとんど同じ行為なのよ。…そして、
あのときの感じは、まさにそれなの…いえ!いえ!それかどうか、確言はできないけれど、
そうであると考えられるのよ」
 お姉さんは話しながら真っ赤になっていた。わたしは修道女や修道士という人種が
そういうものを過度にタブー視するものだ、という話を思い出して、妙に合点がいった。
お姉さんは自分が性的快感を感じているという事実をできればわたしに隠したかったの
だろう。それに、多分お姉さんはここに来る前に性的快感の何たるかを知っていた。
しかしそれを認めることもしたくはなかったのだろう。

739 :人面鳥(15/20):2009/05/06(水) 20:58:37 ID:Qol5p+gg
 それで、お姉さんのためらいの理由が分かったし、ひょっとすると感じなくてもいい
過度のプレッシャーを感じていたのかもしれない、と気づいた。それでわたしは、
変な言い方にならないように注意しながら、言った。
「要するに、あそこからあの物質を注入されると、セックスの快感を感じちゃうのね。
そしてそれが頭の調子をおかしくしちゃう、という仕組みなのね。わかったわ。でも
大丈夫。ちょっと怖いけど、セックスは経験があるから。それに、自分で慰めたこと
だっていっぱいある。だから、少なくともそれがどういうものかは知っている。だから、
負けずにがんばってみるわ」
 お姉さんは目を丸くしている。多分、まったく予想外のリアクションだったのだ。
むしろ、もっと色々と言いにくいことを聞かれるだろうと覚悟していたのではないか。
 わたしは畳みかけるように言った。
「お姉さん。セックスを特別視して、そのせいで余計な気力をすり減らしたら負けちゃうわ。
ケモノだって鳥だって、普通にやっていることでしょ?お姉さんも、普通のものとして
つきあっていかなきゃだめだよ!」
 お姉さんはしばらく呆然としていた。わたしの言葉を反芻しているようだった。
それから、あのきりっとした表情が帰ってきた。
「ありがとう!振り返ってみると、自分は、何かとても狭い見方に囚われていたみたいな
気がする。これからは、わたしも協力するわ。『交尾』が始まったらわたしからも声を
かける。そうして、二人で力を合わせて乗り切りましょう!」
 とても頼もしい言葉だった。
 …だが、結局それが、お姉さんと交わすことができた最後の会話になってしまった。

740 :人面鳥(16/20):2009/05/06(水) 20:58:55 ID:Qol5p+gg

 その日の二回目の給餌のときまでは、お姉さんはちゃんと人間の言葉を発音できた。
力強い励ましの言葉を受けたわたしは、予想以上の強烈な快感に、何度も意識を飛ばされ
そうになりながらも、持ちこたえることができた。そしてわたしはわたしでお姉さんに
声援を送り、お姉さんもそれを切り抜けた。
 だがその後、お姉さんのくちばしはこれまで以上に急激に成長を始めた。舌の形も
変形してしまったようだった。何かを喋ろうとする意志ははっきりあるのに、ろれつが
回らないどころか、音声を区切ることすらままならないようで、「クエッ、クエッ」
という鳴き声しか出せなくなってしまったのだった。
 体の羽毛はほぼ完全に生え揃い、足の形もどこから見ても立派な鳥だった。なのに、
翼の骨格と羽毛だけはまだ未熟で、しかも貼り付いた手足はいまだにいくらあがいても
引きはがせなかった。
 わたしはわたしで、一段と鳥に近づいてしまった。もう指はほとんど人差し指一本しか
なく、両側に親指と中指が小さないぼのように張り出しているだけだ。全身を綿毛が覆い、
羽毛らしいものも生え始めている。それに体の内側も変わりつつあるらしく、排泄物は
尿と便の区別がなくなり、ピンク色のどろっとした液体が出るようになっていた。
少し前からお姉さんを見て気づいていたことだったが、それがこの巣の壁を形成している
物質なのだった。そして囚われた日はちょうど生理が始まった日だったのに、すぐに
止まってしまっていた。多分、もう、人間の赤ちゃんを作る能力はなくなってしまった
のだろうと思えた。
 ――どうしても子供が欲しければ…人間をさらって同族に作り変えるしかない。ならば…。
 ふと生じたそんな考えにわたしは慄然とする。これはわたしの考えじゃない!人面鳥の!
…わたしはうろたえ、おびえた。

741 :人面鳥(17/20):2009/05/06(水) 20:59:13 ID:Qol5p+gg

 その夕方は二人とも沈みがちだった。わたしはこのままではいけない、と無理にでも
明るく振る舞い、イエス・ノーで答えられる質問を使ってお姉さんと会話をした。
お姉さんも、ここでくじけたら終わりだという判断があったのだろう。気分を切り替え、
恐らく無理をしてとても明るく振る舞ってくれた。痛々しかったが、何だか楽しかった
のも事実だった。
 …しかし、やはりそれは空元気だったのだろう。翌朝の「給餌」はとても惨めな
結末になった。
 まずわたしが、昨日よりも強烈になった快楽の果て、人ならざるものに心を乗っ取られて
しまった。心を奪われる経験は、とても甘美な経験だったことを告白せねばならない。
よく覚えていないが、安らぎや解放感といったものに満たされていた気がする。
 それでも、遠くで聞こえる「クエッ、クエッ」というお姉さんの声がわたしを励まし、
なんとか戻ろうという気力を与えてくれた。わたしは泥沼からはい出すように、
一歩一歩生ぬるい忘我の沼から這い出そうとした。
 どうにか帰ってきたときは昼過ぎで、お姉さんへの処理はとうに終わっていた。
その姿はもうほとんど完全な人面鳥で、ただ翼だけがまだすこし小さく、羽根も揃って
いなかった。
 わたしが声をかけられなかったせいもあるのだろう。お姉さんは人面鳥そのものの
無表情な顔で呆然と中空を見上げていた。わたしは泣きながら、必死でお姉さんを
呼び戻そうとした。だが。声をからして呼びかけてもお姉さんは帰って来ず、そのまま
午後の給餌が始まった。わたしはまた快楽と忘我の沼に溺れ、気がつくともう夜中だった。
 その翌朝、例によって人面鳥の給餌で起こされたわたしは、何とか気を張り、心を
冒されるのを防いだ。人面鳥が離れると、お姉さんの姿が目に入った。お姉さんはまだ
眠っていたが、一晩の内に完全な成熟を遂げたらしく、大きく見事な翼が揃っていた。

742 :人面鳥(18/20):2009/05/06(水) 20:59:32 ID:Qol5p+gg
 人面鳥は給餌ではない、見慣れない動作を始めた。口から何かの液体を吐き出しながら、
お姉さんの腕や背中をつつき始めたのだ。壁からお姉さんを引きはがしているのだと
すぐにわかった。
 壁から外されている内にお姉さんは目を覚ましたようだ。翼をばさばさとうち下ろし、
両足でぴょんぴょんと飛び跳ねた。それから「母親」である人面鳥とキスのような仕方で
くちばしを合わせた。無表情なきょとんとしたその顔からは、もう人間の感情は
読み取れなかった。
 わたしはそんなお姉さんの顔をじっと見つめた。そしてお姉さんの目がわたしと
合ったとき、お姉さんの顔にあのきりっとした勇ましい表情が戻った。
 お姉さんは「母」ののど笛にその鋭いくちばしで食いついた。ぶしゅっと鮮血が
噴き出し、お姉さんと巣の中を赤く染めた。そしてお姉さんは先ほど自分がされたように、
わたしの腕や背中に何かの液体をかけながら、わたしを壁から引きはがした。それから、
「母」がわたしをこの巣へ連れてきたときのように、わたしを抱え、空に羽ばたいた。

 晴れ渡る空に一羽の人面鳥と、人面鳥のなり損ないが飛翔していた。
 お姉さんはどうやら、わたしの故郷を目指して飛んでくれているようだった。わたしは、
つい数日前まで普通に暮らしていた故郷の光景や家族、友人たちの顔を、とても懐かしいが、
しかし、何かとても遠い世界のことのように思い浮かべた。それからわたしは、
自分の体を改めて見回した。
 わたしの体は、最初に会ったときのお姉さんよりも変形が進んでいた。羽毛が生え始め、
くちばしも形成され始めていた。足の表面も人の足よりは鳥の足にずっと近く、蹴爪も
伸びていた。そしてひなどりのような未熟な翼を両肩から伸ばしていた。

743 :人面鳥(19/20):2009/05/06(水) 20:59:50 ID:Qol5p+gg
 わたしは目をつぶった。いつの間にかまぶたはなくなっていて、下から広がる瞬膜が
目を覆った。そしてしばらくの間、もう一度、故郷の懐かしい人々の顔を順に思い浮かべた。
 それから、わたしはお姉さんに声をかけた。
「ねえ、お姉さん。引き返して!わたしたちの巣に帰ろうよ。お母さんは死んじゃったけど、
お姉さんが新しいお母さんになって、続きをやってちょうだい」
 お姉さんは動揺しつつもコースを変えようとしなかった。わたしは言葉を続けた。
「村のみんなは優しいわ。わたしがこんな姿になっても、迫害なんかしないで迎え
入れてくれそうな気はする。…でも、もうわたしが変わってしまったの。こうやって
連れ出されてみて、ようやく気づいたの。
 ねえ。お姉さんはもう人間界には戻れないよね。最後の意志の力でわたしを故郷に
送り届けたら、あとは完全な人面鳥として暮らすんでしょ?…わたしは、故郷のみんなよりも、
お姉さんと一緒にいたい。ううん、一緒に暮らしたいということじゃない――人面鳥は
孤立して暮らすんだよね。そうじゃなくて、わたしは、お姉さんや、死んじゃった
お母さんや、お姉さんのお姉さんになった人たちと同じ世界で生きたいの。そういう風に
なっちゃったの。わかるでしょ?
 聞いて!お姉さんもずっと勘違いしていたんだよ。お姉さんが頑張って人間の心を失う
まいとしてきたのは、わたしを救うため。でも、その気持ちがもともと人面鳥の気持ち
なんだよ。お姉さんを『お姉さん』と呼んで慕ってくるわたしを、お姉ちゃんは同じ巣で
育つ姉として思い、姉として何とかしてあげようと思った。その気持ちは人面鳥の
気持ちだよ。ただ、それを形にする仕方が間違っていただけなんだよ!」
 お姉さんは向きを変え、再び巣を目指し始めた。言葉はしゃべれなくなっていたが、
その仕草からはこんなお姉さんの言葉が聞こえてきそうだった。
 ――まったく、あなたの言葉にはいつも目を開かされるわ。

744 :人面鳥(20/20):2009/05/06(水) 21:00:12 ID:Qol5p+gg

 巣に帰るとわたしたちは早速食事をした。お姉さんがお母さんの死体をついばみ、
飲み込んで変化させたものをわたしに与えてくれた。お母さんの死は正直悲しいが、
人面鳥に死骸をいたわる感受性はないのだった。むしろ、遠くまでエサを採りに行かなくとも、
こうして近くに新鮮なお肉があるのは好都合といえた。
 食事が終わったら、お姉さんは総排泄控をわたしのそれに重ね合わせてくれた。柔らかな
丸い開口部が重ね合わされ、温かな至福が流れ込んできた。お姉さんであり、新しい
お母さんの情愛のすべてを注ぎ込まれているような気がした。
 間もなく訪れる、大空を羽ばたける日を夢見ながら、わたしはその心地よい流れに
身を委ねた。
<了>

745 :maledict ◆sOlCVh8kZw :2009/05/06(水) 21:01:58 ID:Qol5p+gg
…以上、お粗末でした。
残り496KBで、何とか収まりました。
次スレをもう一度貼っておくと下記です。
何か誤記がないことを祈ります。

【異形化】人外への変身スレ第四話【蟲化】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1241610755/

746 :名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 21:15:37 ID:0piIT306
長文投下乙

747 :名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 22:08:34 ID:yWRNP9UI
GJ
鳥の醍醐味は羽と鱗と排泄口!猛禽のたくましい脚とかたまらんよなー

好いものをご馳走になりました

748 :名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 23:56:44 ID:MwKdK4U2
これはGJ!ご馳走様です

749 :名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 03:20:30 ID:PPS03S0X
>>745
新スレおよび短編投下、お疲れさまです。

人面鳥、最後の気持ちの切り替わり方(解釈の変更)が逆転の発想という感じで
面白かったです。
口がくちばしになるのも、見た目に異形化の度合いが増すし、口が利けなくなることで
精神変容にも説得力が加わるしで、見事なアイデアですね。

埋め立て用の短い話を私も書きかけていて、数日前に冒頭だけでも投下するつもり
だったのですが、アクセス規制を食らっておりました。
新スレの方で始めてみますね。即死回避の一助になればと思います。

750 :名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 03:39:36 ID:fhNAvEm+
>>724-745
これはGJ!

751 :maledict ◆sOlCVh8kZw :2009/05/07(木) 16:14:14 ID:NivxC1ei
>>レス頂いた皆様、ご好評頂けて感謝です

>>747
鳥はファンが多そうなので、分かる範囲で解剖図を見たりなどしてみたのですが、
お気に召して頂けたようでよかったです。もうちょっとウロコを強調してもよかったですね。
そういえば鳥の交尾は"cloacal kiss"というのだそうです。なんか素敵ですね
(cloacaは(総)排出腔のことだそうです。ちなみに、作中、
「腔」の字を全部間違えて控除の控にしてたのに気づきました。お恥ずかしい)

>>749様(◆eJPIfaQmes様)
丁寧なご感想ありがとうございます。
たしかにハルピュイアにくちばしはないんですが、おっしゃるとおり、そのままでは
異形化度がちょっと足りない気がしたのと、あとは手がないので、くちばしがあると
色々と手の代わりに使わせられて便利、というのがありました。そう考えると
自然の生き物はよくできていますよね。

新作の感想は次スレの方でさせて頂きます。

そろそろ埋まりそうですね。

752 :名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 19:22:54 ID:3cfsnAmp
埋めついでに次スレ誘導
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1241610755/

753 :名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 03:21:40 ID:fv2Cbzue
この神スレまとめサイトないの?

754 :maledict ◆sOlCVh8kZw :2009/05/08(金) 04:00:10 ID:T0/JLwMZ
>>753
お返事と、埋めるどさくさで、自分のサイトの宣伝しておきます。

いわゆるまとめサイトではないのですが、
いくつかのSSは当方のサイトにアップしてあります
ttp://book.geocities.jp/maledictarum/otherslist.html

過去ログも保管してあります。
ttp://book.geocities.jp/maledictarum/kakolog/index.html

上記にアップしていない、
「【】の人」様、◆eJPIfaQmes様のSSについては、
各々の方個人のサイト(またはブログ)にSSが再録されてます。
(リンク集ttp://book.geocities.jp/maledictarum/linklist.htmlをご覧下さい)
あ、自分のSSも同様です。

いずれにしても、このスレだけのまとめということになっていないのはご容赦下さい。

…埋まったかな?

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