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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第56話☆

1 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 10:19:39 ID:r7qPwD98
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

リンクは>>2

2 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 10:20:03 ID:r7qPwD98
【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第55話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1203747893/

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSS倉庫
 http://www38.atwiki.jp/nanohass/
 (ここからクロススレの現行スレッドに飛べます)

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
 ・Nanoha Wiki
  ttp://nanoha.julynet.jp/
 ・アリサだもんっ!
  ttp://homepage3.nifty.com/damenahito2000/
 ・R&R
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/  (wiki)


3 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 10:23:07 ID:hVty34Ds
>>1
乙!

4 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 10:25:06 ID:lwjbZXE6
>>1
乙ッス!!

5 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 10:47:09 ID:CN3gS7sH
キシャー(華麗にゴゲ)

6 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 10:48:24 ID:xHHnvxZp
よくやった
うちに来て納豆を食ってもいいぞ

7 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 10:58:19 ID:S2YEdtEE
>>1
乙。

>>◆kd.2f.1cKc氏
前スレの感想になるがGJ。
ただ幾らか疑問が残ったので書き込み。
アリサがなのはを撃墜した件て誰も問題視してないっぽいけどこれって本局のカードになるんじゃね?
なのはのやり方に異議を申し立てるだけならまだ良いんだけど、それを素っ飛ばして攻撃を行い、
さらに教導を受けていた隊員を配置換えまでする(しかも中将から本局へ打診してまで)となると、
下手を打てば陸と空との関係悪化にも繋がりそうな物だと思うんだが・・・
あと、割と関係が深いのにいまいち前に出てこないクロノやすずかとかなにしてるんだろうと。
作品内のアリサとなのは、はやての関係の理由は分かったけれど、こうなったアリサと他の面子の間を
取り持たなかったのがいまいち腑に落ちない感じがした。
この辺りが今後で明らかなになって欲しいなぁとか思いつつ次話を期待してます。
最後に雌狐と聞いてハラオウン母子がスカと繋がって黒幕化とか言う電波を受信し(ry

8 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 11:18:41 ID:HTry+sxN
>>1


>>
僕はカリムかと思った。
後、該当しそうなのはリンディ、レティ・・・・・は、まさかミゼット?
後見人というのはカムフラージュか!?

9 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 11:44:18 ID:RJ0ajQJa
>>7
向こうがまだ埋まってないんだから少しは空気嫁

10 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 11:54:37 ID:rtaRRZ8M
>>1
乙です。


11 :B・A:2008/02/26(火) 12:12:26 ID:HTry+sxN
埋め用に軽いのを考えたつもりが、何故か容量の3倍にも膨れてしまったのでこっちに投下します。
埋めるのって難しい。

注意事項
・捏造満載。
・ヴァイスとティーダは陰で親友だった
・切ない、というか鬱
・ヴァイスの性格、かなりアレンジ加えてます

12 :狙撃手は誰(た)がために 1/3:2008/02/26(火) 12:15:54 ID:HTry+sxN
人の命とは儚いものだ。
少なくとも、ヴァイス・グランセニックはその輝きに何ら価値を見出せなかった。
善人も悪人も撃てば死ぬ。金持ちも貧乏人も撃たれたら死ぬ。神様はどこまでも平等で残酷だ。
その命の重さはみんな同じであり、意味ある死など一つも存在しない。
もし、ヴァイスが真っ当な魔導師や騎士だったのなら、そんな風に悩むことはなかったかもしれない。
敵と相対し、感情のままに戦える戦士ならば救われたかもしれない。
だが、彼は狙撃手だった。
その存在定義は、相手に悟られぬ位置から狙撃すること。
一片の容赦もなく、相手を撃ち抜くこと。
スコープに映る標的の命を一撃で刈り取る死神なること、それだけだった。
ただ1人を殺すためだけに己の体を七日七晩風雨に晒したこともあった。
標的を誘き出すために、その仲間をいたぶったこともあった。
何のためにこんなことをするのか。
自分は正義のためにデバイスを手にしたはずだった。なのに、やっているのは人殺し以下の外道の所業だ。
仕事での暗い気分を紛らわそうと彼が明るい笑顔を浮かべれば、誰もが恐れて顔を背ける。
ヴァイス・グランセニックは笑って人を殺せる死神だと陰口を叩かれる。
こんなことが正義なのか。
死神だ、悪魔だと罵られる所業が正義なのか。
だから、いつしかヴァイスは考えることを止めた。
撃てば死ぬ。
引き金を引けば死ぬ。
ただ命じられるままに人を殺す。
それだけを己の定義とした。


13 :狙撃手は誰(た)がために 2/3:2008/02/26(火) 12:17:39 ID:HTry+sxN
不意に、懐の携帯電話が震えた。
スコープから目を反らさずに電話を取り出し、耳に当てる。

「もしもし?」

その時、標的が動いた。

「あ、お兄ちゃん」

「ラグナか。仕事中にはかけてくるなって言っただろ」

努めて冷静を装いながら、ヴァイスは引き金に指を当てる。

「ごめんなさい。けど、約束、覚えているか心配になって」

標的はゆっくりと車に向かっている。護衛は3人。いずれも屈強な大男ばかりだ。

「約束?」

「あ、やっぱり忘れてたぁ」

非難がましい妹の声に、ヴァイスの思考がぶれる。構築した術式が乱れ、引き金にあてた指が僅かに震えた。

「・・・・・・・」

「お兄ちゃん?」

「いや・・・・覚えているよ。週末は、2人で遊園地に行くんだったな」

思考を切り替え、再度術式を構築。
迷うな。
戸惑うな。
躊躇うな。
己の定義を思い出せ。

「良かったぁ・・・・約束、ちゃんと守ってね」

そして、その時は訪れた。

「ああ」

自分と標的を遮るものは何もない。
撃つならば、今しかないと死神が告げる。

「約束だ」


14 :狙撃手は誰(た)がために 3/3:2008/02/26(火) 12:21:18 ID:HTry+sxN
電話を切ると同時に、ヴァイスは引き金を引いた。
音もなく発射された魔力弾は、正確に標的の頭蓋を射抜いた。
スコープの中では、頭を撃ち抜かれた標的が仰向けに倒れ、周りの護衛が何事かと周囲を探している。
長居は無用、見つけられる前に逃げねばならない。
だが、ヴァイスは動けなかった。
動くことができなかった。

「ははっ・・・・ははっ・・・・やったぜ、ラグナ。見てたか、ティーダ? 俺はまた殺した。
これで、悪党がまた1人死んだんだ。世界からまた一つ、汚い奴が消えたんだ」

ライフル形態の相棒を手にしたまま、狂ったように笑う。
自分がさっき殺したのは、悪どい手段で弱者を食い物にしてきた極悪人だ。法の網を搔い潜り、
次々と世間を騒がせるような大犯罪を裏から糸を引いていた黒幕だった。
自分は決して表に出ず、証拠を残すこともない。そして、今日も被害だけが増えていく。
故に、管理局はそいつの逮捕を諦めた。

「良いんだ・・・・これで良いんだ・・・・・・俺は正しいことをしている・・・・正しいんだ・・・・
そうだろ、ラグナ。お兄ちゃんは、正しいことをしているんだよな・・・・・・」

零れた涙が頬を汚した。
嬉しいはずなのに。
正しいことのはずなのに。
どうして、こんなにも悲しいのか。
奴は死んで当然の腐れ外道だった。このまま野放しにしていれば、より多くの犠牲者が出た。
それを未然に防いだ自分は間違いなく英雄だ。誇って良い。
なのに、止めどなく涙が流れるのはどうしてだ?
思考が迷走を始めた時、再び携帯電話が着信を告げた、今度は、武装隊の上司からだ。

「もしもし?」

「ヴァイス、至急こっちに戻ってくれ。凶悪犯が人質を取ってビルに立てこもっている。突入して人質を助けるために、お前の腕が必要だ」

「・・・・わかりました、すぐにいきます」

電話を切り、ストームレイダーを待機状態に戻す。
今度は殺しの命令ではないが、やることに変わりはなかった。
自分はただ、犯罪者を撃つだけだ。
平和のために、正義のために悪を撃ち抜くだけだ。
ヴァイスは重い足取りで潜んでいた廃ビルを後にし、立てこもり事件が起きた現場へと向かう。
彼はまだ知らない。先ほど電話で話した妹が、そこで人質となっていることを。
彼女を助けるために撃った魔力弾が、愛する妹から光を奪ってしまう残酷な未来を。

あの忌まわしき誤射事件が起きるまで後数時間。


15 :B・A:2008/02/26(火) 12:22:53 ID:HTry+sxN
以上です。
ヴァイスが誰!? って感じです。笑って流し読みしてくれれば幸いです。内容は笑えませんが。
埋め用に考えていたのに、何でこんなに膨れたんだろう?

16 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 12:48:49 ID:Gs9iGRwy
>>15
シモ・ヘイヘ……というよりもどっちかっつぅとカルロス・ハスコック的なGJを送る!

17 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 12:53:42 ID:EL3Rw9Rp
>>15
うお!?ヴァイス君が機動隊の凄腕スナイパー(俺印象)から血生臭いヒットマンになってる!?
GJです。個人的にはティーダ関連のエピを水増しして、さらに誤射事件前後の心理描写も付加した作品も
見てみたいです

18 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 12:57:44 ID:j+b8i+d+
>>1
乙です

>>15
ヴァイスにこんな過去が、てかラグナはなんで人質になったんだろう原作とか。
あとGJ

>>アルカディア氏
自動人形の体液は恐ろしい病の源なのだ。
は関係ないがGJ

自動人形で疑問に思ったんだがノエルさんはロケットパンチが撃てるらしいが
アレってどこからが飛ぶんだろう、肘から?手首から?
手首の場合ブレードつけてたらそれごと飛ぶのか?
詳しい方、教えて下ちい

19 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 13:01:20 ID:ej6R5kpg
>>18
うろ覚えで済まないが、手首からだったと思う。
ブレードは飛ばない。

20 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 13:02:21 ID:4nHQXzbW
スナイパーは心身ともに鍛え抜かれたプロフェッショナルじゃなきゃ勤まらないんだぜ、へへへ。
実際スナイパーは精神面でのテストも相当厳しいみたいですし。

>>アルカディア氏
もう外道クアットロが好きすぎてたまらないが、セッテの設定も好みですよん。
本当に分かっていらっしゃる、へっへっへー。

21 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 13:06:07 ID:RUHEPnWS
>>15
GJ!ヴァイスが凄くかっこいい。

アルカディア氏
もうすこししたら、四番は自滅かな。



22 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 13:40:04 ID:CN3gS7sH
>>15
GJ!
さっき読んだフルメタ最新刊の
クルツとダブって見えた
スナイパーカコイイ!

23 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 13:58:47 ID:UY9IV3ZC
>>15
兄貴!兄貴!

24 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 14:06:30 ID:H7y+wgcY
ラグナって眼帯よりエアウルフのアークエンジェルみたいな
眼鏡っ娘でも似合うと思った。義眼やコンタクトだと普通だし。


25 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 14:12:36 ID:b6+4nOvJ
前スレ埋め乙っておまwwwww

26 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 14:20:57 ID:vWPIPq+q
>>24
悪魔的天才スカリエッティ博士が作り、南ミッドランド某国に隠した
秘密兵器が出ると聞いて飛んで来ました

27 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 14:51:20 ID:VLwoq2Qr
前スレ>>718
GJ!!です。
クアットロ外道wそして、戦闘人形の強さに感激。ODEシステムを積んでるみたいだw
戦闘面で六課が優勢になっても、クアットロにはまだ人質を使えるんだよなぁ。
トーレにも爆弾が仕込んであるんだろうか。


28 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 16:06:58 ID:dG2etZm4
前スレラスト刹那の見切りかよwwww 埋め乙!

29 :三浦:2008/02/26(火) 16:39:41 ID:u9UK/XzB
>>15
うわぁ、やられた!
いや、アルバ君の話書いてる間に、ティーダお兄ちゃんの話し書きたくなって
それにヴァイス絡ませようと練ってたもんで、誤射事件の捏造もしたかっただけにくやしい、でも読んじゃう
でも、それに関して一番やばいのは、俺がティーダ×フェイトと言う電波を受信してしまった事……
とにかくGJ!

30 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 16:42:28 ID:Gs9iGRwy
>ティーダ×フェイト

 そ れ だ ! ! ! 1 !


31 :ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:15:42 ID:Al5FAqHO
 このスレでは初めての投稿でござる。陵辱モノを書いたので、投下させていただきます。
なのはStsは今回のSSを書くために初めて見たくらい経験が浅いので(無印とAsは
見たことあったけど)、変な部分があるかもしれませんが、生温かい目で見ていただけると幸いです。

 内容は、フェイトちゃんの陵辱モノ(前スレの>>770さんスマソ)。一部にエリオとキャロの陵辱もあり。
全く救いはありません。ハイパーテラ鬼畜です。自分で書いててガクガクブルブル。
場面はStsの最終決戦でフェイトがスカリエッティのアジトに突っ込んでいったところ。
ちょっと長くなっちゃったので、前編と後編に分けます。

32 :ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:16:25 ID:Al5FAqHO
★閲覧者の方への注意★

・陵辱を含む残酷な描写が多々あります。嫌いな方は、スルーしてください。
 NGワードは、『リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編』
・決して一人では見ないでください。
・心臓の弱い方はご遠慮ください。
・キシャー!あばばばばばば!あばばっあびゃばびゃばば!
・パソコンの前での飲食はやめましょう。

 ガシャン!

フェイト「あっ?!」
なのは「パソコンにコーヒーが!……動かなくなっちゃったの!」
はやて「弁償やな、フェイトちゃん」

 数ヵ月後、そこにはパソコン弁償で作った借金に追われるフェイトの姿が!

フェイト「もう二度とパソコンの前で飲食はしないよ……/(;;)\」


↓本編スタート

33 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:17:36 ID:Al5FAqHO
【なのは達と別れ、地下にある次元犯罪者・ジェイル・スカリエッティのアジトに侵入した
フェイト・T・ハラオウン。目的は、スカリエッティの逮捕、及びアジトの制圧。
そこでスカリエッティの護衛に来ていた戦闘機人bRのトーレと、bVのセッテとの戦闘に突入する。
しかし、AMF状況下・2対1ということに加え、切り札であるライオットブレードも
ソニックフォームも温存しながら戦わなければならない、という制約付きでの戦闘に、
フェイトは大苦戦を強いられる。そんな中、モニター越しに現れたのは、彼女が長い間
追い続けていたスカリエッティだった。彼は言葉巧みにフェイトを挑発、それに逆上したフェイトは
一瞬の隙を衝かれ、バインドで拘束されてしまう……】


「くぅっ……」

――尊い実験材料に変えてあげたんだよ、価値のない、無駄な命をね……。

 その言葉は、フェイトの価値観・人生観からすれば、最も許せない発言だった。
思わずカッとなり、モニターに移るスカリエッティに飛びかかろうとした瞬間――
怒りに我を見失ったフェイトの、視界が狭くなった。我に返ったときには、突如地面から
飛び出してきた赤い糸状のバインドに、彼女は身体とザンバーを絡め取られてしまっていた。

(しまった……!私としたことが……)

 今更、自分の短慮を悔やんでみても遅い。なんとかバインドを解こうと手足に力を込めたが、
全く解けそうにない。一体、どうすれば……。焦るフェイトの前に、奥の方からカツカツと
足音を響かせながら現れたのは――

「……――っ!!」


34 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 17:19:45 ID:QtGYvJ+U
>>32
決して一人では見ないでください

無理言わんでください(´・ω・`)ショボーン

35 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:21:44 ID:Al5FAqHO

 フェイトは、息を呑んだ。今、フェイトの目の前に現れた男。その男こそ、彼女が長い間
追い求めていたスカリエッティだったのである。彼は拘束されたフェイトの姿を冷たい目で見据え、
まるで爬虫類を思わせるような、ねっとりとした口調でククク、と低く笑う。

「普段は温厚かつ冷静でも、怒りと悲しみには、すぐに我を見失う――」

 スカリエッティが右手に力を込め、拳をギュッと握り締めると、ギリギリ、バリバリと
いう音とともに、糸状のバインドによるザンバーへの締め付けが一層強まっていく。
どうやら、スカリエッティの右手とバインドが連動しているようだ。その締め付けに耐えられず、
ザンバーがバリンと音を立てて、砕け散った。


36 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:22:33 ID:Al5FAqHO
「くっ!」

 ザンバーに一瞬気を取られたフェイト。同時に、横から発せられた魔力の気配に、
ハッとしてスカリエッティの方に向き直ったときには、彼の放った赤い魔力弾が、
目前に迫っていた。防御が、間に合わない。

「しま――」

 どおんっ

「ぁぐぅっっ!!」

 スカリエッティの攻撃がクリーンヒットし、爆煙がもうもうと上がる。フェイトは自分の身体に
走った衝撃に、一瞬意識を飛ばしかけ、バルディッシュを手放してしまった。

 がっしゃあぁんっ!!

甲高い音を立てて床に叩きつけられるバルディッシュ。

「あぁっ?!」


37 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:23:57 ID:Al5FAqHO

 もう遅い。相棒を失い、空中に拘束されているフェイトは、先ほどまでとは一転して
無力な一女性に成り下がってしまった。そして――彼女は気づく。自分の周りに、
スカリエッティの魔力弾がいくつも展開されていることに。完全に魔力弾に包囲され、
逃げ場はない。嫌な汗が、流れた。

「君のその性格は、まさに母親譲りだよ。フェイト・テスタロッサ――」

  バインドから逃れようと必死にもがくフェイトに浴びせかけられる、獲物をいたぶるような、
ねちっこい声。人間味がまるで感じられない、視線。フェイトは、自分の背中がゾクリとするのを感じた。

「ククク……」

 スカリエッティが、ぱちん!と指を鳴らす。次の瞬間、フェイトを囲む魔力弾が
一斉に彼女に牙を剥いた。手に、足に、胴体に、雪崩を打って殺到する魔力弾。
目の眩むような閃光。爆ぜる空気。


38 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:24:41 ID:Al5FAqHO

 ドォォンンッッ!!ズガァウウンンッッ!!

「ぐぁ…っ!!ぁがあぁっ!!」

 その攻撃に、バリアジャケット・インパルスフォームは耐え切れず――衝撃と激痛がフェイトを襲う。

「……ぅ…ぁ…」

 攻撃の衝撃でバインドが解け、フェイトは力無くその身を地面に打ち付けた。攻撃に耐えられず、
大部分が破損してボロボロになったバリアジャケット。半裸状態の素肌に滲む赤いもの。
そんなフェイトに、スカリエッティの操るバインドが容赦なく襲い掛かった。

「……――っ?!」

 気が付いたときには身体中をバインドでグルグル巻きにされ、お中元のハム状態になって
床に転がされていた。両手を後ろ手に拘束され、足首から太腿にもバインドがガッチリと巻き付いている。


39 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:26:15 ID:Al5FAqHO

「うぐっ!」
「ククク……」

 スカリエッティが、右手の拳を握り締める。バインドがさらにきつく締まり、
大ダメージを受けたフェイトの身体にギュウギュウと食い込む。今度はボンレスハム状態だ。

「ぐわ、あああぁぁぁ……!!」

 たまらず苦痛の声を上げ、身体を弓なりに仰け反らせながら顔を歪めるフェイト。
2回、3回と締め付けが繰り返され、その度にフェイトの悲鳴が上がった。

「…はあっ、…はあっ!…あ、うぅぅ……」

 スカリエッティはフェイトにかけていたバインドを解いた。十分過ぎるほどのダメージを与えたし、
デバイスも手元に無い。もはや反撃できるとは思えなかったからだ。そして事実、
フェイトには反撃する手立てなどありはしない。
 スカリエッティはフェイトの傍にしゃがみ込み、床にうつ伏せで転がされている彼女の前髪を
乱暴に掴んで顔を上げさせた。その顔は苦痛に満ちていたが、スカリエッティを眼前にした途端、
みるみるうちに怒りの表情へと変貌した。


40 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:27:03 ID:Al5FAqHO

「この…っ、重犯罪人が…っ!!放せっ!!」
「……ふむ。まだお仕置きが足りないようだ。私のラボを荒らした償いを、してもらおうじゃないか。
――トーレ、セッテ」

 スカリエッティがそう言うや否や、後ろに控えていたトーレとセッテがつかつかと
フェイトの傍に歩み寄ってしゃがみ込む。二人は、床にへばり付くフェイトを引き剥がして仰向けにし、
バリアジャケットの破損によって大部分が露出しているフェイトの豊満な双丘を、
無造作に掴んで揉み始めた。フェイトの、驚愕の声が上がる。

「うあぁっ?!何をする!――っ?!んん、んっ」
「私はプロジェクトFによって造り出された君の身体にとても興味がある。お仕置きついでに、
いろいろと実地検証をさせてもらおうと思ってね」

 トーレとセッテが、御椀型の綺麗な形の乳房を揉み込みながら、空いているもう片方の手で、
フェイトの身体に残っているバリアジャケットの上半身部分を引き裂き、剥ぎ取っていく。
ところどころから血が滲み出している彼女の白い素肌が剥き出しになり、スカリエッティは興味深げに、
そして舐め回すようないやらしい目でそれを眺めた。


41 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:28:47 ID:Al5FAqHO

「ほほう……綺麗な身体をしているじゃないか。やはりプロジェクトFは……ブツブツ」
「うぁ、よせっ!やめろぉっ!!」

 よりによって、憎むべき犯罪者の目の前で素肌を晒されるとは。羞恥心にフェイトの顔が真っ赤に染まり、
そしてまた同時に、首筋をじわじわ這い上がってくる恐怖感に、気持ちの悪い汗が噴き出し始めた。
抵抗しようにも、さんざん痛めつけられた身体は、動いてくれない。

「――ひっ?!」

 戦闘機人のゴツゴツした手が、乳房の先端の最も敏感な部分に触れた。フェイトの身体が、
ビクッと反応する。トーレとセッテは、連続して頭頂部を責めた。物理的な刺激を受け、
フェイトの乳首はたちまち充血し、勃起する。

「うあ、あ、ああぁっ!く、ふ、……ん…っ…」
「ほぅ、先端が固くなってきたな。生理的には普通の人間と同じか」

 フェイトは感じてなどいなかった。感じていたのは、おぞましさと恐怖、そして悔しさ、
情けなさ。こんな状況下で、気持ちよくなるはずもない。身体の反応は、単なる生理的な
反射に過ぎない。

42 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:30:47 ID:Al5FAqHO

「やめっ……!…っ!……っ!…ふぅ…んっ…!」

 必死に唇を噛み締め、目を固く閉じて耐えるフェイト。トーレとセッテの手が、身体から離れる。

「ぐはっ、はあっ…、はあっ…、はあ……」

 責めから開放され、息を乱しながらも、フェイトはわずかの間安堵する。
しかし、それは本当にわずかな間だけ。

「今度は、下の反応を見てみたい」
「う、あぁっ?やめ、あぁぁぁっ!!」


43 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:32:03 ID:Al5FAqHO

 再び、トーレとセッテがフェイトの身体に触れ、上半身に残っていたバリアジャケットを
全てちぎり捨てた。仰向けからうつ伏せにされ、背中も露出させられる。フェイトも動かない身体で
必死に抵抗しようとするが、戦闘機人達が彼女を剥いていく作業になんら支障は無い。
下半身――フェイトの大事な部分を覆っていたバリアジャケットも、悲鳴と共に剥ぎ取られる。
トドメと言わんばかりに、ほつれたニーソックスを勢いよく引き摺り下ろされて真っ白な太腿を露わにされ、
ついに全裸になってしまう。もう一度ひっくり返され、フェイトは仰向けの状態で、
その身体をスカリエッティと戦闘機人二人の眼前に晒された。無防備になった自分の身体に注がれる視線から
逃れるように、再度固く目を閉じるフェイト。周りには、バリアジャケットの、無残な
残骸が散らばっている。


44 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:32:44 ID:Al5FAqHO
「これはこれは……」

 戦闘による多少の傷が付いているが、つやつやとしたみずみずしい白い肌。
たっぷりとした、美しい金髪。ふっくらとした女性らしい丸みを帯びた身体。
それでいて日々の鍛錬の成果か、無駄なところに肉は付いておらず、付くべきところには
しっかりと肉がのっていた。その最高の身体が、目の前で力なく肢体を投げ出し、
か細く息を吐きながら、全身をしっとりさせている。
スカリエッティは、自分の股間が熱くなっていくのを感じた。

「ふ、はははは」

 何かに突き動かされるかのように、スカリエッティはいきなりフェイトの陰部に手を伸ばす。
金色の繁みを掻き分け、その奥にある処女の丘に到達し、無骨な手がフェイトの大事な部分を
無遠慮にまさぐった。

「ひぃっっ?!」

 途端に、力の抜けていたフェイトの身体がビクッと強張った。


45 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:33:19 ID:Al5FAqHO

「はははは」
「ぅ、ぁ!触るなっ!やめろ変態!」
「はははははは」

 無機質な笑い声を上げながら、スカリエッティは、執拗にフェイトの割れ目をなぞった。
自分以外の誰にも触れられたことの無いその部分が、蹂躙されていく。その理不尽な侵攻に対し、
力を失った今のフェイトにできることは、拒絶の声を上げ、現実逃避をするかのように、
目を閉じて耐えることだけ。

 ぴちゃ

 わずかに、フェイトの秘所が潤い始めた。もちろん、フェイトは感じているわけではない。
これも、単なる生理的反射だ。再度述べるが、今の彼女が感じているのは、おぞましさと恐怖、
そして悔しさ、情けなさ。


46 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:34:23 ID:Al5FAqHO
「うっ」

 再び、フェイトの身体がビクッと跳ねた。スカリエッティの指が、陰核に触れたのだ。
フェイトの反応がおもしろかったのか、スカリエッティは連続して陰核を責め続ける。
いいようのない不快感が、フェイトを蝕む。気が付くと、スカリエッティの股間にそびえ立つ肉棒は、
痛いほど勃起していた。ふと、手を止めて考える。そういえば、研究に没頭しすぎて、
最後に射精したのはいつだっただろうか。心の中で、彼は舌なめずりをした。

 ちょうどいい機会じゃないか……、と。

 一度フェイトの身体から離れたスカリエッティは、ベルトを外してズボンを下ろし、
勃起した肉棒が露わになった。上半身は研究着、下半身だけ丸出しという、なんとも滑稽な姿だ。
傍にいたトーレとセッテが、普段のスカリエッティからはとても想像出来ない姿に、
さすがにちょっとたじろいだ。

「ド、ドクター……」
「いいじゃないか。私も男だ。たまには、こういうこともしたくなるのだよ」


47 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:35:06 ID:Al5FAqHO

 ガチャガチャと何かを外すような音。スカリエッティと戦闘機人の会話。
一体、何をしているのだろう……?

「見たまえ、フェイト・テスタロッサ」

 その声に、閉じていた目を恐る恐る開けるフェイト。その視線の先にあるものを見た途端――
彼女は固まった。目にしたのは、スカリエッティの怒張した肉棒。フェイトの裸体に反応したそれは、
90度以上の角度でそそり立ち、腹にピッタリとくっついている。先端からはヌメヌメとした汁を流し、
見るからに太く、硬そうで、『肉の凶器』という形容がぴったりだった。

「ぁ、ぁ…ぁ……」

 未だ処女であり、そっちの方面には奥手なフェイトは、知識では知っていたものの、
実際に本物を見たことが無い。見たことがない、すなわち、初めてということが、
彼女により一層の恐怖心を巻き起こした。


48 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:35:47 ID:Al5FAqHO

「さて」

 スカリエッティが、床に横たわるフェイトの身体に覆いかぶさった。張りのある若々しい女体、
しっとりとした素肌の感触。それら全てを、スカリエッティは存分に楽しんだ。
固まっていたフェイトが、悲鳴を上げながら、もがき出す。

「ひぃっ!ど、けぇ!やめろ!」

 両手で押し返し、突き飛ばそうとしたが、戦闘のダメージが抜けておらず、まだ身体に力が入らない。
自分の身体にむしゃぶりついてくる男は、長い間追っていた重犯罪者なのだ。そんな奴に
こんなことをされるなんて……。いや、そんな理屈以上に、蛇でも見たときのような生理的嫌悪感が
湧き上がり、フェイトは鳥肌を立てた。

「さあ、そろそろ本番を始めようじゃないか」
「えっ?!」
「……わからないのかい?私の男性器を、君の女性器に挿入するのだよ。
つまりは、セックスということだ」


49 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:36:27 ID:Al5FAqHO

 セックス――。この先、自分の身に何が起こるのか、それを考えるのが怖くて、
無意識のうちに頭から排除していた単語がスカリエッティの口から飛び出した。
フェイトには彼氏ともいうべきボーイフレンドなどおらず、セックスやらロストバージンやらは
まだまだ遠い言葉だと思っていたが、それでも漠然と、それらを考えることはあった。

 しかし、絶対に違う。自分の処女を捧げるのは、断じてこんな男ではない。

「私も、随分溜まっていてね。少し楽しませてもらうよ」
「やめろぉぉっ!放せっ!!はなせえぇ――――っっ!!」

 スカリエッティの怒張した肉棒が、フェイトの割れ目にあてがわれる。『死』がフェイトの脳裏に浮かび――
まだほとんど濡れていない秘裂に、肉の凶器がずぶずぶと埋まっていった。


50 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:37:04 ID:Al5FAqHO




「!!!ひぃぎぃいぃあァアあぁあぁ――――――ッッ!!!」








51 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:37:55 ID:Al5FAqHO

 フェイトの身体が、大きく仰け反った。内側から引き裂かれるメリメリという感触。
真っ赤に熱した鉄の棒を突っ込まれたかのような灼熱感。未知の領域を無理矢理蹂躙される激痛。
口から迸る絶叫に混ざって、完熟トマトが潰れたような音がした。

「痛いぃっ!?ひぎぇぇっ…!いぁああぅぁぁあ――……ッ!!」

 処女膜が破られる。最も乱暴かつ無残な方法で、フェイトの開通式は完了してしまった。
男を一度も受け入れたことの無いフェイトの膣は、抵抗をものともせずに乱暴に突進してくる
スカリエッティの肉棒を強烈に締め付ける。その感覚に、スカリエッティの顔が悦びとも
興奮ともつかない表情で満ち満ちていく。

「これがプロジェクトFによって造り出された女性器……この感覚、素晴らしい!
素晴らしい!素晴らしいぃ!!まさにプロジェクトFの結晶だよ!わははははははは!」


52 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:38:59 ID:Al5FAqHO

 もはやプロジェクトFの本質とは何の関係も無いことを、プロジェクトF、プロジェクトFと
無意味に喚き立てて喜ぶスカリエッティ。滲み出す程度のわずかな愛液と破瓜の血だけを潤滑油にし、
スカリエッティの肉棒がフェイトの中で暴れまくった。

 2年くらい前の記憶が、頭の片隅に甦る。親友である高町なのはと久々に一緒の部屋で寝たとき、
年頃の女の子らしく、そっち系の話になったことがあった。フェイトは性格的に、
人前でそっち系のことを口に出すのはしないタイプなのだが、なのはと二人っきりということもあり、
ついつい話し込んでしまった。そして、実は……、と恥ずかしそうになのはが切り出したところによると、
彼女は実はもう「初体験」を済ませたというのだ。お相手は、フェイトもよく知る
幼馴染のユーノ・スクライアだったという。それを知った時、フェイトは自分が取り残され、
なのはがひどく遠くの世界に行ってしまったように感じられたものだ。


53 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:39:56 ID:Al5FAqHO

 ちょっと、痛かったけどね……。確か、なのははそう言っていたが、今、自分を襲っている痛みは、
「ちょっと」どころではない。痛い、痛い、痛い、痛い。フェイトの口から、
聞くに堪えない痛々しい絶叫が上がる。

 ここに至って、ようやく身体を保護するために愛液が順調に分泌され始め、ほんのわずか、
ほんのわずかだけ痛みが和らいだように思えた。いや、単にフェイトの身体が慣れただけかもしれない。
あるいは、痛みを感じる感覚が麻痺し始めているだけかもしれない。

「抜い…!あぅあぁっ!!うあああっ、ぎひぃぃっ…あ、あぁぁあっ!!」


54 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:40:33 ID:Al5FAqHO

 フェイトも19歳。少女時代と違って性的な知識はそれなりに持っているし、もちろん自慰行為もしていた。
いや、それどころか、なのはのように初体験を済ませていても、全くおかしくない年齢だ。
たまに行う自慰行為は、軽く達するだけでとりあえず満足していた。が、彼女の生真面目な性格は、
果てた後に自己嫌悪や罪悪感をもたらすことも事実で、また、自分の保護している少年、
エリオ・モンディアルや、少女、キャロ・ル・ルシエを教育する観点からも、自分がこんなことを
していいのかと悩むこともあった。そんな彼女にとって、無理矢理のセックス、強姦というのは、
まさに価値観を根底からひっくり返され、崩されるに等しい行為であった。

「ククク、そろそろ限界だよ。中に出させてもらう」
「あっ、ぐぎゃあぁ!…えっ?!」

 痛みと屈辱のあまり、何度も飛びそうになる意識の隅で、フェイトは辛うじてその言葉を捉えた。

 ……中に、出す……?


55 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:41:27 ID:Al5FAqHO

 …………

 その言葉が頭の中で反芻され、意味を理解したとき――この男はつまり、自分の胎内に
精液を注ぎ込むと言っているのだ――闇に霧散しかけていたフェイトの意識が、明瞭に戻っていき、
赤みの差していた顔色が、みるみるうちに真っ青になっていく。

「ひ、ぎぃっ!や、やめろっ!出すなっ!」
「何を言う?人工生命体の君がキチンと妊娠できるかどうか確かめる、絶好のチャンスじゃないか」

 妊娠――。その言葉に、ついにフェイトの口から、今まで懸命に抑えてきた恐怖の叫び声が上がる。

「やめてぇっ、嫌だっ!いやあぁっ!!やめてェェ―――――ッッ!!」


56 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:42:01 ID:Al5FAqHO

 何とか結合を解こうと、フェイトが生きのいい魚のようにジタバタと暴れ出したが、
三人がかりでガッチリ押さえ込まれ、ピストンは止まらない。次の瞬間、スカリエッティの肉棒が
フェイトの膣内で大きく膨れ上がり――射精が開始された。肉棒がギッチリ埋め込まれた狭い処女の膣道を、
ネバネバの液体が侵食していく。自らの中に開放された欲望を感じ――

「やめて!!いやあぁあぁああぁぁあ―――――――……ッッッ!!!!」

 フェイトは絶望の叫びを上げた……。


57 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:42:48 ID:Al5FAqHO

 ずぼっ

 スカリエッティの肉棒が、フェイトの膣内から引きずり出される。ゴボッという音を立て、
破瓜の血と混ざったピンク色の精液が割れ目から溢れ出し、汚されてしまったという現実を
フェイトに突き付けた。久しぶりの射精に、満足げな笑みを浮かべるスカリエッティ。

「最高だったよ、フェイト・テスタロッサ。やはり処女はいい」
「…はあっ、…はあ…、…はっ……ぁ………ぅ……」

 生温かい粘液が、胎内にたっぷりと溜まっている。それが「あの」スカリエッティの精液なのだと
認識した途端、どうしようもない気持ち悪さがフェイトを襲い、意識がぐゎんぐゎんと
渦巻きながら闇に堕ちていく。フェイトの目からは一気に光が失われていった。
なんだかんだいっても、フェイトはまだ19歳。強姦、処女喪失、膣内射精……。
こんなショックに耐えられるほど、彼女の精神キャパシティは大きくない。
いや、こんな状況でショックに耐えられる女性など、そもそもいるはずもない。


58 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:44:05 ID:Al5FAqHO
「おい」

 トーレが呆然自失とするフェイトを蹴り付けたが、反応がない。

「まあ待て、トーレ」

 スカリエッティが下半身を丸出しにした滑稽な姿のまま、パネルを出し、キーを叩く。
ほどなくして宙空にモニターが出現し、映像が映し出された。そこに映っていたのは――

「音声が少々小さいかな?」

 スカリエッティが再びパネルのキーを叩くと、音声が上昇する。

『ぐわ、あっ!ぐぎゃああぁぁ…………!』
『ひ、ひぃぃぃ――――っ!やめてぇ!ルーちゃんやめてぇぇ――っ!!』

 その声に、呆然自失だったフェイトが、ビクッと反応した。スイッチが入ったかのように、
ボンヤリとしていた頭に意識が戻ってくる。

―――まさか……?

59 :ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:44:40 ID:Al5FAqHO

 とりあえず、前編はここまで。読んで不快になった方がいたら、申し訳ない。
つーか、投稿の行数が長すぎたのか、何回も虚数空間に文が葬られますた。
なので、途中からかなり短く区切ってしもうた。スレを大量消費した上に見にくくてスマソ 

orz orz orz


60 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 17:47:38 ID:/VZSfiVq
なんという期待の超新星爆発……次回のエリオきゅん陵辱が超楽しみ
スカリエッティのリリカルミートスティックがなんとも想像つかないのは俺だけじゃないはず

ちなみに>>1より
『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。


61 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 17:48:30 ID:eAE1OVoY
GJ!!!これほどスカ死ねと思ったのは久しぶりだ
後編も楽しみにしております!!

62 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 17:48:53 ID:QtGYvJ+U
>>59 GJ続編期待。
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 わっふるわっふる
 ⊂彡

63 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 17:49:31 ID:FiHJCbF9
GJ、そして後編にも期待
虚数空間行きは>>1でも触れられてますぜ、一行目を空白行にするとマズイらしいです

それとガッ

64 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 17:50:17 ID:Vv6IEydZ
なんというか、エロパロ板にいながら久々にガチ陵辱を見た気分だ

65 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 17:53:05 ID:XO0E8xCb
前スレ最後ワロタw
今回は埋めAA無しかと落胆してたので感動した!

>>31-33 >>35-59
閲覧者への注意ワロスw
もっとだもっとだ!陵辱がまだ足りないぜ!
続き待ってます、本当にGJ

66 :ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/02/26(火) 17:55:36 ID:Al5FAqHO
あーしまった。一行目の空白は昔からやっちゃうクセなんだよなぁ。
さっき>>1を読み返してみて、ようやく気付いた。逝ってくるわ。

67 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:06:25 ID:OCQVStNK
ハムで吹いたのは俺だけかね?

68 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:08:24 ID:vWPIPq+q
うおっ!さすがはトラウマのデパートのフェイトらしい展開ww

幸せになって貰いたいんだがな
どうしてもこういうお話の方に映えちゃうんだよねww

69 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:11:13 ID:j+b8i+d+
>>19
サンクス

フェイトの口調に違和感を覚えたがGJ
エリキャロルーがどうなっているのか、次回も期待

70 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:15:37 ID:UlyDsBHu
>>68
だってさ…フェイトって普通にカプ書くだけでも障害多いから…
フェイユーだとなのはと修羅場、クロノだとエイミィと修羅場、
エリオだとキャロと修羅場……一切もめずに幸せになった例って実はあんまりないんじゃないか。

71 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:18:32 ID:EvbOVjNv
エイミィさんはほぼいないも同然だからそんなに修羅場な記憶は無いんだけど…

72 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:19:36 ID:rOBKMNQu
か、帰ってきたらすでに前スレが埋められていた…最近埋めるのが唯一の楽しみだったのに…。
ま、消費が速過ぎてAAネタももうすぐ切れそうだったからいいかw バトンタッチってことで。 

>>59
期待の新星あらわる。GJ!続きもwktk

73 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:20:05 ID:fSQg3hE2
百合ならアレだけど、ノマカプだと確かになかなか
パラレルワールドとかじゃないと難しいよね

74 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:39:42 ID:WOqFA/uV
>>70
正直オリで行くしかないからなw

エリック氏の続きまだー?

75 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:41:32 ID:b6+4nOvJ
>>70
修羅場だって!可能性がある相手がいるだけいいじゃないか!
スバルなんて修羅場ありにしたって可能性ないよ!姉でさえラッド(ほぼオリキャラだが)がいるってのに!

76 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:44:52 ID:UlyDsBHu
>>75
可能性ないとか言うな!w
まぁ実際ほとんど作品ないけどよ。

77 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:45:00 ID:rOBKMNQu
>>75
なのスバならっ…あるいはスバなのなら、フェイトと修羅場になる可能性が!

あれ。結局フェイトはシュ・ラーバ属性じゃね?

78 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:47:09 ID:cWnt3gly
はやフェ……フェシグ……いやなんでもない

79 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:48:36 ID:Vy2L+Eob
百合だろうがノマカプだろうがどんな組み合わせでもいいじゃん、あくまで二次創作だし

80 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:54:17 ID:XO0E8xCb
スカちゃんとの恋愛カップリングだとツンデレフェイトさんが見れそうで楽しそう。

81 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 19:02:54 ID:pKFPeZZM
>>80
ある意味一番幸せになれそうではある。
しかしそれだとウーノさんと(ry

82 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 19:04:18 ID:Nfgxc0u3
どっちにしろ修羅場るフェイトさんカワイソス

83 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 19:10:27 ID:373eYOnm
前スレの感想になるけど

>>アルカディア氏
いつもながらGJです!
ここまで外道なクアットロを描ける貴方に尊敬の念を抱きます。
是非とも外道に相応しい思いっきり惨めな最後を期待します。



でも、こうも考えてしまいます。
なのは達がデバイスを殺傷設定にした時点でクアットロはある意味勝利したのではないか?…とね。

これは私の妄想にすぎませんが、クアットロはスカリエッティが勝利する為、自らをも捨て駒にしたような気がします。
強すぎる怒りは冷静さを奪い取る。
冷静な判断が出来なければ、どんな強者も雑魚となってしまいます
そんな連中相手ならスカリエッティの勝利は100%から揺るがない

そこまで考えてクアットロが行動していたら…





まぁ、馬鹿の考えすぎと笑って下さい


84 :サイヒ:2008/02/26(火) 19:11:31 ID:KaDsw/Z7
幸せフェイトさんしか書いたことない俺が通りますよっと。


>B・A氏
前にもちらっと言いましたが、今書いてるクロフェ出産話が少しそちらの連載と中身被っております。
「自分は父親やれるのか」と悩むクロノの話になる予定です。

そこまで深刻に悩んでるわけではないですし解決方法も全く別ですが、
パクリじゃないかと言われたらそれまでなんで、
一応許可をもらっておいた方がいいかと思いまして。

書いて投下してもいいですかね?

85 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 19:15:15 ID:h2xh62YO
フェイトさんへ
つハーヴェイ

86 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 19:20:01 ID:FIQX4RD/
>>85
フェイトさんTSすればハーヴェイポジションになる
普通になのはさんとラブラブになり、万事解決。

>>84
多分大丈夫。

87 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 19:53:40 ID:XO0E8xCb
チンコ付きのフェイトさんもエロそうだ…
嬲りたいぜ

88 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:05:33 ID:Jbpm8G2k
>>75
⊃マリー
マリー(ドゥーエ)のスバル調教の続き待ってます……
(電話待ってます的な意味で)

89 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:06:24 ID:UY9IV3ZC
じゃあ俺はチンコ付きのフェイトさんに嬲られたい

90 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:09:11 ID:/VZSfiVq
俺は脇に立って見てるだけでいいや

91 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:13:59 ID:ntSCJXrW
そもそも、空いてる男がいないから、全て寝取られになっちゃっうんだよね
辛うじて空いてる男は、レジアス、三提督の二人(キールとレオーネだっけ)くらいじゃない?
後は、擬人化バルとか……あれ、後ろにいるあなたはひょっとしてレイジn

92 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:15:03 ID:RbNrbp+u
>>84
サイヒ氏キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

93 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:37:22 ID:V82mttJZ
ランディとギャレット(だっけ?)なんてどうだい→チンコ要員

94 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:40:50 ID:xg5LOeSV
フェイトそんがユーノと仲良くなのはさんを共有している未来しか想像しない自分には、
平和な世界しか見えないな( ´∀`)

95 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:42:17 ID:a5WTJ20U
>>93
アレックスじゃね? 名前。
あとサイヒ氏。貴方の幸せかつ色ボケフェイトをいつも楽しんで読んでます。
全裸で投下待ってます。

96 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:43:08 ID:TvKI2R1X
まあクロノでいいじゃん。
エイミィさんだって後妻なんだし今更3人目ができようが4人目ができようが(ry

97 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:43:35 ID:XO0E8xCb
>>93
ランディとアレックスだ

98 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:44:13 ID:2PDeMgDx
>>95
アレックス・ランディ(アースラのオペレーターの眼鏡&紫髪)
ギャレット(アースラ組武装局員)
だったはず

99 :B・A:2008/02/26(火) 21:51:24 ID:HTry+sxN
>>84
>サイヒ氏
ネタ被りについてはこちらは特に構いません。お好きなように書いてください。
クロノがどんな風に悩んでどう答えをだすのか今から楽しみにしています。
こっちでは幸薄いフェイトさんをそちらで幸せにしてあげてください。



そして、多分20分頃に投下すると思います。

100 :B・A:2008/02/26(火) 22:13:40 ID:HTry+sxN
ちょっと早いですけど、投下いきます。


・20歳verエリオ×ルーテシア
・非エロ
・「Ritter von Lutecia」要読
・前作から10年後、故に捏造のオンパレード
・おっきなエリオキュン、ルー子、ヴィヴィオが見たくない人にはお勧めできません
・メインヒロインを差し置いて男2人がガチバトル
・挿入歌としてお好きな燃えソング(多分、みんな「真っ赤な誓い」って言うんだろうな。僕は「エミヤ」でも良い気がするけど)を用意すると盛り上がりますよ



101 :Nach dem eines Speerritters 第13話@:2008/02/26(火) 22:14:54 ID:HTry+sxN
男と言うものはとことん馬鹿である。今日、ヴィヴィオはそれを痛感した。
結婚を明日に控えておきながら、全力全開の決闘がしたいなんて、普通言うだろうか? しかも、結婚相手の親友に結界の構築を依頼するなんて。

「何を考えているんだろうね、あの2人」

『まったくです』

胸元のレイジングハートが同意する。同時に、世界が切り取られたかのように色を変化させた。
これで、結界の形成は終了だ。近接攻撃以外は不得手なベルカ式ではあるが、結界の固さにはかなりの定評がある。
父親ほど堅牢には作れないが、それでも並の魔導師がぶつかり合ったくらいの余波は防げるはずだ。

「それじゃ、今世紀最大の大馬鹿同士の対決を見物しに行こうか?」

『はい、お嬢様』





102 :Nach dem eines Speerritters 第13話A:2008/02/26(火) 22:16:59 ID:HTry+sxN
外界と切り離された空間で、2人の男が対峙している。
1人は鎧のような外骨格を纏った人型の昆虫。武器は持っておらず、その油断のない構えは拳こそが最大の武器であることを物語っている。
対するもう1人は蒼い槍を右手で構えた青年。展開したバリアジャケットは母譲りのインパルスフォームではなく、慣れ親しんだライトニングスタイルだ。

「準備は良いよ、2人とも」

審判役のヴィヴィオの言葉に、2人は黙って頷く。
張りつめた空気は決壊寸前のダムのようだ。少しでも亀裂が入れば、たちまち堰を切ったように溢れだす。
そして、その亀裂を入れたのはエリオの方だった。

「まずは、僕からいきます」

『Explosion』

カートリッジがロードされ、ストラーダの魔力回路に魔力が充填される。
淀みのない手つきで槍を一閃させると、エリオはまるで馬上試合をする西洋の騎士のごとく地を駆けた。
小細工は一切ない。繰り出すのは、彼が最も得意とする突きだ。

『Speerangriff』

「!」

真正直なその一撃を、ガリューは片手で受け止めた。直後、衝撃に耐えきれず後方へ吹っ飛ばされる。
まるでボールのように地面を二転三転し、壁にぶつかることでようやくガリューの体は停止した。

「・・・・・・・・」

ゆっくりと体を起こし、拳を腰だめに構える。向こうが必殺ならば、こちらも必殺。手加減など、最初から抜きだ。

「!」

「ぐぅっ!」

神速の乱撃がエリオに襲いかかる。一撃の重さもさることながら、特筆すべきはその拳速だ。鋭敏なエリオの感覚を以てしても、その全てを見切ることはできない。

「がぁぁっ!!」

先ほどのガリューと同じようにエリオも吹き飛ばされる。
鈍い痛みに体が悲鳴を上げるが、エリオはそれを無視して立ち上がった。そして、再びカートリッジをロードする。


103 :Nach dem eines Speerritters 第13話B:2008/02/26(火) 22:19:33 ID:HTry+sxN
『Düsenform』

その意図を察してか、ガリューも両腕に爪を出現させる。
直後、何の前触れもなく両者は駆けた。普通の人間では知覚できない神速の領域。
ヴィヴィオですら、その動きを正確に見極めることはできず、残像を捉えるので精一杯だ。

『Speerschneiden』

「!!!」

互いの斬撃がぶつかり合い、衝撃が大気を震わせる。未だ腕力ではガリューの方が上だが、エリオにはストラーダのブースターがある。
結果、両者は鍔迫り合ったまま動けなくなっていた。

「強いですね」

「!!!」

「けど、負けません!」

まるで鏡のように2人はハイキックを放ち、互いの頭部を一蹴する。グラリと視界が揺れ、バランスを崩す。その無理な体勢のまま、エリオはフォトンランサーを、ガリューは衝撃波を放った。
至近距離で爆発が起こり、再び2人は吹き飛ばされる。

「・・・・・さすが、今までルーテシアを守ってきただけはある」

エリオの言葉に、ガリューもまた頷いた。
そう、これはただの決闘ではない。エリオが真の意味でルーテシアの騎士となるために必要な通過儀礼だ。
主従の関係を超え、ある時は従順な従者のように、ある時は誇り高き父親のようにルーテシアを守り続けてきた
ガリューを打ち破ってこそ、エリオは本当の意味でルーテシアの騎士を名乗ることができる。

「こういう時、普通なら娘さんを僕にくださいって言うんだよね」

消費したカートリッジを補充し、懐からバルディッシュを取り出す。
ここまでは、10年前の戦いの焼き直しだ。このまま打ち合うのも面白いが、それでは決着がつかない。
何より、ガリューがそれを望まないだろう。だから、ここから先はエリオ・モンディアルとしてではなく、
エリオ・M・ハラオウンとして死力を尽くさねばならない。

「少し遅いけど・・・・・ルーテシアお嬢さんを、僕にください!」


104 :Nach dem eines Speerritters 第13話C:2008/02/26(火) 22:22:01 ID:HTry+sxN
『Set up』

電光が迸り、左手にバルディッシュが顕現する。同時にバリアジャケットがインパルスフォームへと変化した。

「ここから先は・・・・・・初めてだよ・・ね!」

『Blitz Rush』

まるで掻き消えるようにエリオの姿が消え、ガリューの背後へと回り込む。その超高速移動に反応することもできず、
ガリューはバルディッシュの一閃を防御することもできずに地面に叩き伏せられた。

「!!」

瞬間、回し蹴りがエリオの頬を掠める。
一拍遅れて追いついたエリオの思考が肉体に後退を命じ、頬から血を流しながらエリオはバックステップを踏んだ。
そのまま油断なくデバイスを構え、ガリューが起き上がるのを待つ。

「・・・・・・・」

むくりと、ガリューは体を起こす。
様子がおかしかった。
激情ではあるが激昂はしない。感情を爆発させることはあっても暴走はさせない。それがガリューという男だ。
だが、今のガリューはまるで、ずっとお預けを食らっていた飢えた犬が餌を前にした時のように、自分の感情を御しきれずにいる。

「――――――!!!!!」

ガリューが吼えた。
ガリューの中で眠っていた闘争本能が、強さへの渇望が鎌首を上げる。
かつて、ガリューは更なる高みを目指してフェイトと戦ったことがある。しかし、諸々の事情で決着は着かずじまいだった。
だが、今、目の前にいる男は彼女と同じ武器と姿で、彼女に勝るとも劣らない一撃を放ってきた。ガリューはエリオの中にフェイトを見たのだ。
終ぞ決着が着かなかった強者の姿をそこに認めたのだ。
感極まったその姿は、喜んでいるようにも泣いているようにも見えた。

「―――!―――!!!――!!」

――――いざ・・・・――――

「尋常に・・・・・・」

――――勝負!――――


105 :Nach dem eines Speerritters 第13話D:2008/02/26(火) 22:24:57 ID:HTry+sxN
2人の姿が消える。
聞こえるのは剣戟と打撃がぶつかり合う音と、攻撃の余波で周囲の何かが壊れていく音だけ。
最早、視界に映らぬ魔の領域にまで高まった2人の戦いをヴィヴィオは固唾を飲んで見守っていた。
魔力の流れはほとんど感じない。
ミッド式魔導師では絶対にありえない、武術のみの戦い。魔導師という在り方を根底から覆しかねない騎士同士の決闘。
風が唸る度に何かが壊れ、金属音が轟く度に何かが砕けていく。まるで世界が癇癪を起して体を捩っているかのように風景そのものが壊れていく。

「すごい・・・・・」

自分の張った結界すら揺るがしかねない戦いに、ヴィヴィオは息を飲んだ。
たった2人の戦いが世界を壊していく。まるで神話の再現のような光景を、見えぬとわかっていながら見届けようと目を凝らす。
やがて世界に静寂が戻ると、消えていた2人の姿が再び現れた。
どれほど苛烈な攻防があったのか、2人の体はどちらも傷だらけだった。
エリオは頬と首に赤い線が引かれており、そこからドクドクと血が流れている。バリアジャケットもボロボロで、
純白のマントは引き千切られたかのように真ん中で裂けていた。一方のガリューも、両腕の爪は根元から叩き折られており、
左腕には縦に大きな傷が走っている。大腿部や腹部にも殴打されたと思わしき跡があった。

「はぁ・・・・はぁ・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

改めて、ガリューの強さを痛感する。
彼は強い。その速さは正しく風であり、岩をも砕く一撃は鋼にも匹敵する。
神速の攻防で、エリオは覚えている限りで数十の斬撃を放っていた。得物のリーチ差を利用した最大限の攻撃、
点である槍と線である斧の乱撃を、ガリューは尽く受け止め、避け、打ち返してきた。この10年で鍛え上げた技巧が
成す術もなく敗れていく光景はゾッとするような恐怖すら覚える。
だが、それはガリューも同じであった。
エリオ速い。その動きはさながら雷光であり、繰り出される攻撃は嵐のようだ。
神速の攻防で、ガリューは覚えている限りで数十の斬撃を捌いた。だが、降りしきる豪雨のような乱撃を全て捌きながらも
ガリューはエリオに攻め込むことができなかった。間合いを読み、隙を窺い、確実な打撃を打ち込みながらもエリオはそれを
驚異的な反射神経で見事防ぎ切ったのだ。この10年で鍛え上げた体術が成す術もなく敗れていく光景はゾッとするような恐怖すら覚える。


106 :Nach dem eines Speerritters 第13話E:2008/02/26(火) 22:27:28 ID:HTry+sxN
「ふっ・・・・・」

「!!・・・・・」

どちらからというでなく笑う。
戦慄が体を駆け抜け、武者震いが起きる。血の滾りに獣染みた笑みが浮かぶ。
愉悦が恐怖に勝る時、人は笑う。
壊れた神経が、壊れた脳髄が、壊れた感覚が、壊れた快感を呼び起こす。
いつしか2人は笑い合いながら切り結んでいた。
その形相はあくまで必死。互いが互いを潰し合い、殺し合うことしか考えていない修羅のそれだ。
それ故に笑っていた。殺し合う快感が2人の心を麻痺させた。
それでも、僅かに残った理性があるとすれば、それは・・・・・・・・

「ガリュー、君には!」

「・・・・!!!!!」

――――負けない!――――

目の前の男にだけは負けたくないという意地だ。

「バルディッシュ、ストラーダ、フルドライブ!」

『Unwetterform』

『Zamber form』

駆動音とともに2つのデバイスが変形する。
繰り出すは最強の一撃、プラズマザンバーブレイカー。だが、一度それを見ているガリューが、術式の構築を許すはずがなかった。

「!!」

「・・!」

今まで以上の速さで拳が繰り出される。
必殺は、放てねば必殺足り得ない。

「ぐっ、はぁぁぁっ!」

大剣で受け止め、雷光を纏った槍で打ち払う。再び距離を取りながら、エリオは本能のままに次なる一手を模索する。
斧を大剣に変えたことで取り回しがより困難となったため、至近距離での打ち合いは不利。
中距離からの射撃は命中率の問題から困難。
PZB、ジェットザンバーはチャージに時間がかかるので使用不能。
ジェノサイドシフトは使おうにも今の自分の技量ではフォトンスフィアを必要数確保することができない。
手持ちの魔法、技術を如何ほどに駆使しようと、エリオに打つ手はない。


107 :Nach dem eines Speerritters 第13話F:2008/02/26(火) 22:30:22 ID:HTry+sxN
逡巡は1秒にも満たなかった。
ガリューの烈火の如き苛烈な攻めがエリオを追いこみ、必殺の拳が空を引き裂く。
裂帛の一撃。ただの突きでありながら、その一撃はあらゆる魔法をも凌駕する殺意の象徴だ。
刹那、エリオは両手のデバイスを手放した。そして、まるでガリューの動きを真似るように右手で拳を作り、
獲物に跳びかかる猫のように姿勢を低くする。

「!!!」

「紫電――」

「!!」

「――、一閃!!」

両者の拳が互いの鳩尾を捉える。
ガリューほどの使い手ならば、大剣も槍も予備動作で動きを見切られる。故に、エリオに残された最後の手段は10年前と同じく拳による一撃であった。
それも、相手が気づいたとしても避けられないようにギリギリの距離で放つ一か八かのカウンターだ。

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

グラリと、エリオの体が揺らぎ、そのまま仰向けに地面に倒れる。
勝敗は決した。
自分にはもう、戦う力は残されていない。余力を振り絞れば微弱な電流くらいは起こせるが、その程度ではこの猛者を倒すことは不可能だ。
後はただ、その剛腕で意識を奪われるのを待つしかない。
だが、いくら待とうともガリューは攻撃してこなかった。まさか、情けをかけているのか? そう思って目を開き、エリオは息を飲んだ。

「ガ・・・ガリュー・・・・・君って奴は・・・・・・・」

ガリューは揺るがなかった。
最後の一撃を放ち、エリオを地に伏せ、そこで彼の意識は途絶えていた。
それでも、彼は倒れることなく不動であり続けた。それが、ルーテシアの騎士の姿だと言わんばかりに。
これからは、お前が自分の代わりにこう在らねばならないのだと言わんばかりに。

「君って奴は・・・・・・」

ゆっくりと体を起こす。傷の痛みは酷いが、意識はハッキリしている。満身創痍でも、自分はまだ立ち上がれる。
その瞬間、呆けていたヴィヴィオが興奮した面持ちで勝敗を告げた。
勝負あり、エリオ・M・ハラオウン・・・・・・・と。

「尊敬するよ・・・・・お義父さん」

最後の最後までその強さを見せつけられた宿敵に、エリオは偉大な父の姿を幻視するのだった。

                                       to be continued

108 :B・A:2008/02/26(火) 22:33:26 ID:HTry+sxN
以上です。
どこのスクライドで武装錬金だ、これ。
エリオは試合に勝ったけど勝負には負けた、です。それでも、ガリューは認めてくれましたが。
これで、後は結婚式とエピローグ。最終回はいつもより拡大して長めにお送りすることになりそうです。

109 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:37:38 ID:RbNrbp+u
GJ!
ガリューは強いね(某運命の白い少女風に)。
エリオとガリューに愛されているルーテシアは、本当に幸せだと思います。
そして、出生の苦しみを乗り越えて、温かい義母と義父を手に入れたエリオも。

次回はいよいよクライマックスですか。今から凄く楽しみです。

110 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:42:35 ID:+xEBaZFl
GJ!
いや、よかった。
エリオの「これが、天下無敵の力だぁあぁぁぁぁ」
という叫び声が聞こえてきそうだw
エリオの「君って奴は……」でテリーマンを思い出したのは内緒

111 :サイヒ:2008/02/26(火) 22:43:11 ID:KaDsw/Z7
>B・A氏
GJ!
ガリューの漢っぷりに感涙。

>挿入曲「エミヤ」
赤毛と白髪の八つ当たり対決じゃなくて、「是、射殺す百頭」な雰囲気ですな。


許可をいただきありがとうございます。
しかし期待されてるところ申し訳ないんですが、
エロメインなのでさくっと終わらす予定なんですw


112 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:05:21 ID:W/bp6m0V
>>108
お義父さぁぁぁぁああああん!!!!!!1

マジ燃えた、GJGJGJ!!!!!!!!11111

113 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:16:55 ID:/VZSfiVq
誰か義父が甲殻類っていうシュールな状況で最後の最後に噴出してしまった俺を殴ってくれ

114 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:19:13 ID:QtGYvJ+U
>>113
ガリューってカニやエビの類だっけ?

ああ、だから鍋部隊長が命を狙うわけだ・・・

115 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:19:31 ID:dMm6gzNw
 モフモフ  モフモフ
    (´・ω・)
(´・ω・)U))ハハ(・ω・`)モフモフ
⊃)))>>113 ゚ω゚)(((⊂
モフモフ ∩))((∩ モフモフ
 (    )   (   )


116 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:21:13 ID:uRF2cn4q
>>113
お前のせいでその事気付いて噴いてしまったではないか、せっかくの余韻返せwwwwwwwwww

117 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:27:56 ID:k1auCws5
>>113
いやうん、俺もメガーヌさんとガリューの新婚生活を想像して吹いたクチだから気にするな

118 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:27:57 ID:XO0E8xCb
>>116
いや最初から気付くんだw

119 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:31:07 ID:BT6qKzFJ
>>117
どうやって会話するんだろうな… ピピッ ピッ! とかか

120 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:32:38 ID:XO0E8xCb
まぁ、召喚蟲であることを忘れられがちだよね。
だからこその仮面ライダー呼ばわりなのに

121 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:38:05 ID:pKFPeZZM
>>117
一番最初に考えたのが夜の営みな辺り
俺はもうどうしようもないな。



ああ、蟲姦だなんてそんな……

122 :26-111:2008/02/26(火) 23:47:24 ID:/AsKUhAV
アクセス規制一週間って何じゃーーーい!

とりあえず、連絡事項
50スレ、51スレの保管作業が完了しています。執筆陣諸兄は確認をお願いします

それと、小ネタを一本投下

・限りなく非エロな微エロ
・メインはヴァイス、アルト、エリオ
・10レス使用
・タイムテーブルとしては、拙作「フェイトさんは大変な告白を〜T」〜「同タイトルU」の間にあった出来事です
・タイトルは、「上達の理由」

では、投下します

123 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:47:32 ID:XO0E8xCb
>>121
蟲姦って最高じゃん。

124 :上達の理由:2008/02/26(火) 23:48:15 ID:/AsKUhAV
再建工事の進む機動六課隊舎の外れには、バラックのような風体の仮設格納庫がある・・・六課の足であるヘリコプター:“ストームレイダー”の為のものだ
そんな格納庫の片隅、周りからは死角になる場所に、もつれ合うように抱き合っている男女の姿があった

「ん、んっ!ふぅ、ん、はぁっ・・・!ヴァイス、陸曹・・・ほ、ほんとに、こんな所でするんですか・・・?」
「・・・ふぅ・・・心配すんな。メカニック連中は休憩中だし、ストームレイダーもオーバーホール明けでピカピカなんだから、黙ってりゃ誰も来やしねーよ・・・」

輸送隊服姿のヴァイスとアルトが、熱い吐息を交わしていた
埃っぽい格納庫の、更に物置の様に乱雑に道具やロッカーが置かれている片隅で、ヴァイスはアルトの身体を、壁に押し付けるようにして抱き締めて、彼女と唇重ねていた

「ん、ふぁ・・・んくっ・・・や、やっぱり、ダメです・・・こんなとこじゃ・・・」
「だったら、いつまでもしがみついてないで、突き飛ばすなり振り解くなりすりゃ良いだろうが・・・続けるぞ」
「ん、んっ!・・・か、ふっ・・・ん、あんっ・・・!」

ヴァイスは、首筋に顔を埋めてそう囁きながら、自分の背中に手を回して抱き付いているアルトの身体をやや荒っぽい手付きでまさぐり始めた
ハーフパンツからすらりと伸びる腿は、内勤組にしては引き締まった、健康的な脚をしている。滑らかな肌触りを楽しむようにヴァイスは掌を押し付け、指先で撫で上げた

「スカートの時は何とも思わなかったけどよ・・・お前、結構良い脚してるよな」
「そ、そんなの、知りませんっ!」

真顔でそんな風に褒められて、アルトは顔を真っ赤にして俯いた・・・身体中を撫で回される感触に、唇から小さく嬌声が漏れる
ヴァイスは、隊服のジャンバーを脱がせてやると、中に着込んでいたカーキ色のシャツの前をはだけさせた
ちらちらと戸口の方に目を向けるアルトに意地悪な笑みを見せながら、からかうように耳元で囁く

「・・・あんまり大声出すと、誰か来ちまうかもな?」
「ヴァ、ヴァイス陸曹!?さっき、誰も来ないって自分で「黙ってたら、って言っただろ?」

ブラジャーの上から掌を押し当て、高鳴る鼓動を感じながら乳房を少しきつめに揉み込んだ
苦痛と快楽にアルトは眉根を寄せた・・・唇からは噛み殺しきれなかった喘ぎ声が僅かに漏れ出て、格納庫の埃っぽい空気を震わせる
続けて欲しいが、誰かが来たらどうしよう・・・それが不安なら、逃げ出してしまえばいいのだが、今、この愛撫を中断されるのも苦しい・・・
結局、アルトは逃げ出すでもなく、ただヴァイスの愛撫に身を任せて、指を噛んで嬌声を押し殺しながらされるままになっている

「ん・・・ふ、んっ・・・ぅく・・・んんっ!!」

125 :上達の理由:2008/02/26(火) 23:48:47 ID:/AsKUhAV
快楽の波に、為す術もなく翻弄される少女の痴態にいよいよ辛抱溜まらなくなり、ヴァイスはアルトの穿き込んでいるハーフパンツのベルトを緩め、ショーツごとずり下ろそうと、



「ヴァイス陸曹?ヴァイス陸曹ー!いませんかー??」



外から聞こえてきた声に、ぎくりと二人は動きを止め、その場にしゃがみ込んだ。完全に身を隠せる遮蔽など無いが、何もしないよりは遙かにマシだ
声の主の姿を確かめようと、ヴァイスは物陰からそっと頭を出す・・・視線の先で、きょろきょろと辺りを見回している人物がオレンジ色の髪の少女で無かったことに心から安堵した
赤毛の少年:エリオが、困った顔で格納庫の中を見回している。誰の姿も見えない事に、彼は頭を掻きながら首を捻った

「・・・おかしいなぁ、アースラの方の格納庫にも居なかったのに・・・行き違いになったかな・・・?」

どうやら、自分に用があるらしい・・・少年の手には、書類を挟んだクリップボードが握られている

(あ・・・やべ、武装局員資格の再取得申請書類、書類記入に不備があるとかでグリフィスの奴に事務まで取りに来いせっつかれてた奴だ)
(ヴァ、ヴァ、ヴァ、ヴァイス陸曹・・・ど、どうしましょう・・・?)
(あー、アルト、落ち着け。でもって頭下げてろ。しばらく見回して居ないとわかれば戻るだろうし、こんなとこまで入ってくる程あいつは暇じゃねーよ)
(は、はい・・・)

荒い息遣いがエリオの耳に聞こえそうで、アルトは自分の口を掌で覆った。恐怖と緊張で震える身体が、埃っぽい床にへたり込む

その時、カキン、と、ヴァイスが先程外したベルトのバックルがコンクリートの床に触れ、小さく音を立てた

ほんの僅かな物音だった筈なのだが、恐るべき事にエリオは即座に反応し、こちらへ爪先を向けて歩いてくる。物陰にへたり込んでいる二人は、その小さな足音に総毛立った
魔力探知を除けば、フォワード勢でも随一の鋭敏な知覚能力を持っている持っている彼である。不可視化迷彩で姿を消しているガリューの機動をも捉える少年の耳が聞き逃す筈は無い
アルトは祈るような気持ちでぎゅっと身を縮こまらせ、ヴァイスは頬を伝う冷や汗を拭い・・・歯を食いしばって決意を固めると、がばっと身を起こした

「スマン、エリオ!ちょっとそこまでで立ち止まってくれ!」
「え?あ、はい・・・ヴァイス陸曹、そんなところで何を・・・?」


126 :上達の理由:2008/02/26(火) 23:49:19 ID:/AsKUhAV
立ち上がって、降参を示すように両手を上げているヴァイスの言葉に、エリオは不思議そうな顔をしながらも素直に従った
ヴァイスは冷や汗をかきながらもエリオに向かって歩き出す。このまま、半裸のアルトの姿さえ見られなければ、どうとでも誤魔化しようはある
誤魔化しようがある、筈だったのだが・・・

「ヴァ、ヴァイス陸曹・・・」

ヴァイスの意図を汲みきれなかったアルトは、小さく彼の名前を呟いてしまった
当然、エリオはひょいと首を動かしてヴァイスの背後を覗き見てしまい、そこには何故か衣服を乱したアルトの姿が

「ア、アルトさん!?え、あ、その、ご、ごめんなさいっ!!」

エリオは一瞬遅れて状況を認識し、顔を真っ赤にしながら慌てて後ろを向いた。
アルトはそこでようやく自分の姿がとても他人に見せられた物ではないという事実に思い至り、慌ててシャツの前を掻き合わせた
ヴァイスは、全ての目論見が水泡に帰したことに溜息を吐き出し・・・

「ヴァイス陸曹・・・何があったんですか?・・・いえ、何をしていたんですか」

後ろを向いたままだが、エリオの声音は少々厳しい。少年ながら、ただ事ではないと思ったらしい
ヴァイスは考えた・・・本当の事をここで白状し、生真面目な彼が、もしもありのままを上に報告したならば・・・

(クビ。免職っちゅう意味とちゃうよ?な、シグナム)
(えぇ、心得ております。八神部隊長・・・斬首、という意味ですね)

有り得る。いや、むしろ絶対そうなる。だが、このまま黙っていても結末は同じなような気がする
ヴァイスは首をブンブン振って、最悪の未来予想図をどうにか投げ捨て、これしか無いかと腹を括った

「なぁ・・・エリオ。頼みがあるんだ」
「・・・何も聞かずに黙っていろって言うんですか?」
「察しが良くて助かるぜ・・・でも、そんなに睨むなよ。ここはクールに取引と行こう・・・なぁ、エリオ。お前、キスしたこと無いだろ?」

ポン、と生真面目な少年の肩を叩いて、ヴァイスはそう尋ねた

127 :上達の理由:2008/02/26(火) 23:49:50 ID:/AsKUhAV
突然の問い掛けにエリオは思わず噎せ返り、

「キ、キスっ!!?」
「おうよ。キス、口付け、ベーゼ。ありとあらゆる意味合いでの接吻的行為に興味は無いか少年?有るよな?むしろ無い筈が無いだろ?無いって言ったら男じゃねーぞ!」
「そ、それは・・・その・・・」
「いい男の必須科目だぜ?キスが上手いって言うのは・・・だからよ・・・唇の初体験と引き換え、ってのはどうだ?」

困惑するエリオに、ヴァイスは脈有りと踏んだのかそんな提案をしてきた
ようやく衣服の乱れを直し終えたアルトが、口元を手で覆って、目を丸くしてヴァイスに尋ねる

「ヴァイス陸曹、エリオとキスしたいんですかぁっ!?」
「んなわけ無いだろうかこのたわけっ!!!やるのはお前だアルト!!」
「え、ええっ!?」

ヴァイスの身勝手な提案に、アルトは目尻にじわっと涙を浮かべてしまうが・・・そんな彼女の耳に、ヴァイスはそっと耳打ちをした

(ここでエリオに口止めできなかったら俺もお前もやばいだろ!?な、ここは頼む、お前だけが頼りなんだから・・・!!)
(・・・でも・・・)
(わーったわーった。あとで何でも一つ言うこと聞いてやる!それでどうだ!?)
(・・・約束ですよ)
「よーし!さて、どうするエリオ?お姉さんは準備OKだぜ?ここら一歩、大人の階段を上ろうじゃねーか!」

ヴァイスの大仰な言葉に、エリオはごくりと固唾を飲み込み・・・つい頷いてしまうのであった・・・





そんなこんなで、椅子代わりの木箱に座ったアルトと向き合って、彼女の肩に両手を乗せているエリオである

「あの・・・アルトさん。本当に、その・・・良いんですか?」
「う、うん、良いよ・・・あはは、ちょっと、恥ずかしいね」
「馬ッ鹿ヤローお前が恥ずかしがっててどうすんだアルトーっ!!こういう時は『お姉さんがリードしてあげるから安心してうふふ♪』っつうくらいの心構えで居やがれーっ!!」


128 :上達の理由:2008/02/26(火) 23:50:22 ID:/AsKUhAV
何やら絶叫するヴァイスに、二人は冷え切った視線を送ってしまうが・・・エリオは気を取り直してアルトの顔をじっと見詰め・・・

「・・・あの、ヴァイス陸曹」
「何だ?少年?キスするんだったら普通は唇だぞ?デコちゅーや鼻ちゅーは上級者向きだからな」
「・・・何でそこで頬が入らないのか凄まじく疑問なんですが・・・その、参考までに、上手なキスって言うのは、どんなキスですか・・・?」
「お?勉強熱心だなぁ?上手なキスか・・・そうだな・・・ん、熱烈であることが第一だな!こう、思いっきり抱き締めて、ぶちゅーっとやれば一発だ!」

サムズアップして、実に明快な結論のヴァイスにエリオは首を傾げ・・・

「・・・相手を思いやって動くこと、じゃないんですか?剣術の駆け引きみたいに、“押さば引け、引かば押せ”っていう」

思わぬ言葉に、ヴァイスは言葉に詰まり、

「何だお前・・・どこでそんな知識を仕入れたんだ?エロ本か?」
「ち、違いますよっ!!」

実は先日、7年ぶりの両親との対面の後、一泊したホテルで、保護責任者で上司でもある女性:フェイト・テスタロッサ・ハラオウンと熱烈な一夜を過ごしたのです。とは言えない
あの夜の事は“忘れなくても良いが、絶対に秘密”と、彼女と約束したのである

「その・・・そんな気が、したもので・・・」
「ふーん・・・まぁ、好きにやってみろって。アルトもその辺、ちゃんとサポートしてやれよ」
「は、はい・・・」

首肯するアルトだが、彼女の顔には緊張の色が濃い・・・心なしか、唇が震えているようにも見える

「アルトさん・・・本当は、嫌なんじゃ無いですか?」
「い、嫌なんかじゃないよ!?ただ、こっちも約束したからには・・・その・・・ほら、かかってきなさいっ!」

自棄っぱち、という言葉が実に似合うアルトである。エリオはこっそり溜息を吐くと、改めて、アルトの瞳をじっと見つめた
目尻に薄く浮かんでいる涙を、指先で拭ってやりながら、笑顔を作る

「アルトさんに・・・涙は似合いませんよ。いつもの笑顔の方が、ずっと素敵ですし、綺麗です」


129 :上達の理由:2008/02/26(火) 23:50:52 ID:/AsKUhAV
「・・・え?えっ?」

思わぬ褒め言葉に、アルトは頬を染めながら狼狽えてしまった
“綺麗”と褒められた事に、思わず胸が高鳴った・・・10歳の少年に言われた言葉だというのに・・・

「そんなに緊張しないでください・・・僕だって、緊張してますから・・・」

そっと、熱い頬を両手で挟まれた。その掌は、微かに汗ばんでいて、緊張の為か小さく震えている
アルトは、頬を撫でてくるエリオの手に自分の掌をそっと重ねる・・・少しでも少年の緊張を和らげてあげたくて

「アルトさんの掌・・・あったかいですね」
「そ、そう・・・?」
「はい・・・それじゃあ、良いですか?」
「・・・うん、良いよ。エリオ・・・」

アルトはそっと瞳を閉じて、小さくおとがいを反らし、唇を差し出した
エリオは彼女の唇に顔を寄せてゆき、ゆっくりと、静かに唇を触れ合わせた。顔に掛かる鼻息が少しくすぐったい・・・

「・・・」

齢10歳にして、ムード作りの才能を発揮させる少年に、すっかり蚊帳の外なヴァイスは戦々恐々としているが・・・瞳を閉じて、静かに口付けを交わす二人の目には入らない
舐めるわけでもない、吸い付くわけでもない。貪るようなキスとは違い、ただ、唇が触れ合うだけの、互いの存在を確かめるような柔らかい接吻に、アルトは少しずつ酔い痴れてゆく
自分の腕が、力を無くしてだらりと垂れ下がった事にも気付かず、彼女はうっとりとエリオの唇の感触に浸るのだった

たっぷり、数十秒間。それが、二人の唇が触れ合い、離れるまでの時間である

「・・・ぁ」

唇が離れたことに、アルトは小さく、だがはっきりと、残念そうな声を出してしまった
叶うなら、もっと長く、ずっと触れ合っていたかったくらいだが・・・
至近距離にある、紅潮したエリオの顔に、潤んだ眼差しを向ける・・・エリオは、照れたように少し顔を伏せると、彼女に尋ねた


130 :上達の理由:2008/02/26(火) 23:51:23 ID:/AsKUhAV
「・・・続き、良いですか?」
「うん・・・来て・・・お願い・・・」

拒む理由は、何も思い浮かばなかった。せがむように唇を突き出してくるアルトに、エリオは再び唇を重ね・・・そっと、舌先で彼女の唇をつついた

「ん、んっ!?」

アルトは一瞬、驚いたように目を見開いたが、やがて唇を薄く開き・・・エリオの舌が、その隙間からゆっくりと侵入ってきた
くちゅり、と互いの唾が混ざり合う水音が口の中で小さく響く。エリオはそろそろと舌を伸ばすと、アルトの前歯の間を抜け、彼女の舌にそっと触れた
怖ず怖ずと、アルトも応えるように舌を伸ばし・・・温かい口の中で、柔らかく舌が絡み合う感触に、全身の力が抜けるようだった

「んっ・・・ん、んっ・・・ちゅっ・・・んはっ・・・んんっ・・・」

口の端で微かに喘ぎながら、アルトはエリオの深く優しい接吻に夢中になって舌を絡ませる
思い付きもしなかったほど大胆に、口の中にあるエリオの舌を唇をすぼめて扱くように味わえば、エリオも自分の舌を絡め取って同じようにしてくれる
快楽の電流に、背筋が震える。思わず腰がくねる。身体の芯がかっと熱くなるのが自分でも分かる
いつしか、口の中の掻き混ぜ合うかのような、激しく熱烈な接吻を交わしている二人の姿を、狸の置物以下の存在感となったヴァイスが敗北感に塗れた顔で眺めていた

一頻り、散々に唇を重ね合わせ、舌を絡ませ合った二人の顔がゆっくりと離れる
唇の間では、離れても繋がっていたいのか・・・唾液の筋が、細く二人を繋いでいた

エリオは頬を紅潮させたまま、制服のポケットからハンカチを取り出すと、互いの唇の周りに付いた涎を拭き取った
アルトは、すっかり熱に浮かされたような顔で・・・エリオの肩に頭を乗せると、少年の耳元に熱い吐息で囁いた。はしたないとは承知の上で、尋ねる

「ねぇ・・・この続きは、してくれないの?」

ヴァイスが隅っこの方でorzになったことにも気付かず、アルトはエリオの首に腕を回して、すっかり熱を帯び、発情した身体を擦り付ける。だが、エリオは彼女の身体をもぎ放した

「だ、ダメですよアルトさん!キ、キスだけっていう約束だったじゃないですか!」
「あんまり上手だったから、ご褒美を上げたくて・・・お姉さんに任せて欲しいな・・・いっぱい、気持ち良くしてあげるから・・・ね?安心して・・・」

淫蕩な笑みを浮かべてしなだれ掛かってくるアルトの腕から抜け出しながら、これ以上無いくらいに顔を赤く染めたエリオは、打ち拉がれているヴァイスに向けて叫んだ


131 :上達の理由:2008/02/26(火) 23:51:55 ID:/AsKUhAV
「そ、それじゃあ、ヴァイス陸曹!書類は置いておきますから早めに出してくださいね!し、失礼します!!」

正直に言えば、瞳を潤ませたアルトの誘惑には思わず屈しかけたエリオだが、すっかりorzなヴァイスに声を掛けるとそのまま一散に格納庫を飛び出していった

「・・・あ・・・もう・・・」

アルトは、昂ぶる身体をぎゅっと抱き締める・・・こんな風に、ここまで興奮した事は初めてだったというのに・・・
やり場の無い、身体に籠もる熱を持て余していると、視界の端の方でこちらに歩み寄ってくる男が居た

「な、なぁ、アルト・・・その、俺で良かったら、続きに付き合うぜ・・・?」

取りあえずグーを叩き込んだ



――― ヴァイス陸曹のヘタレ!!ムード知らず!!10歳児以下っ!!変態強姦魔ーーーっ!!!!!
――― スマン、俺が悪かった!!悪かったぁぁぁっ!!!
――― 何でも言うこと聞いてくれるって約束でしたよね!今すぐ背伸びキスが似合う可愛い男の子になってください!!
――― な、なれるかぁぁっ!!背伸びキスされたいんだったら、ちょっと踏み台でも用意して来い!!

(想像中)

――― 気色悪いだけですよ馬鹿陸曹ーーーっ!!!!
――― ぐっはぁぁぁぁっ!!!!



仮設格納庫を飛び出したエリオの耳にまで、そんな言い合いは聞こえてきたそうな


132 :上達の理由:2008/02/26(火) 23:52:25 ID:/AsKUhAV
後日談である

「んっふふー♪るったらー♪」
「・・・アルト、今日は随分ご機嫌だね。何か良いことでもあったの?」

上機嫌でデスクワークをこなしていたアルトに、彼女の同僚:ルキノが声を掛けてきた
アルトは実に締まりのない笑みで振り返ると、じゃーん、と手首に光るブレスレットを見せた
細身の、シンプルな意匠のバングルブレスレットは、以前から彼女が雑誌で眺めては溜息を零していたアクセサリーだったが・・・

「あ!それ、この間雑誌で見てた奴?結構高かったけど・・・買っちゃったんだね」
「えっへへー、実は、買ってもらったんですよーうっふふー」
「買ってもらったって・・・誰に?ヴァイス陸曹?」
「正解っ!いやー、あれ以来ヴァイス陸曹も大人になったし、まったく、エリオ様々だよねー」
「・・・?・・・エリオが、何かしてくれたの?」
「っとと、何でもなーい。さ、仕事仕事!」
「えー?アルト、教えてよー?」
「だーめ、これだけは秘密、絶対秘密なんだから」

頬を赤く染めたまま、しつこく尋ねてくるルキノに背を向けると、アルトは机に向かい書類の束を次々と成敗してゆく
小さな騎士殿がくれた、優しくも激しい接吻を思い出して・・・蕩けるように、頬を弛ませるアルトであった





それから数週間後の、アースラの一室で・・・

「ふぁっ・・・んっ、ちゅ・・・んんぅっ・・・はぁっ・・・エリオ、何だか・・・キスが上手になった・・・?」
「そ、そうでしょうか?」
「うん、そんな気がする・・・んっ、んーっ・・・ぷは・・・うん、離れたくなくなっちゃうくらい・・・上手だし、美味しいし・・・」

エリオは、フェイトと唇を重ね合わせながら、ヴァイス陸曹とアルトさんのお陰なのかな・・・などと、考えていた


133 :26-111:2008/02/26(火) 23:55:12 ID:/AsKUhAV
エリアルレイ○

・・・うん、そんな一言がトリガーになっただなんて絶対に言えないぜ
「諜報者〜」の続き、書いてます。エロ展開考えてるとこういうスピンオフがぽんぽんできて困ります・・・

当方に、オーリスメイン(エロ有り)、セッテメイン(非エロ)、エイミィメイン(多分エロ有り)のプロット有り!
形にできるかどうかはわかりませんが・・・

では、スレ汚し失礼しました

134 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:58:25 ID:/VZSfiVq
アルト可愛い!エリオエロい!ヴァイス抱きたい!

135 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:07:16 ID:kQu1DUnR
>>133
オーリスにセッテにエイミィて…
えらい茨な連中セレクトしたな…w

136 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:16:55 ID:8PkvSvnU
>>133
GJ!
その時の我々は、これが後のスーパーアルトタイムの始まりだとは知る由もなかった

137 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:20:30 ID:FNQV9NV5
>>133
>実は先日、7年ぶりの両親との対面の後、一泊したホテルで

ああ、nowhereの人だ。
GJ。
ヴァイスさんは寝取られ属性もちなのか><

138 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:21:41 ID:EAVL2nRJ
前スレでクロノ×リンディを宣言してた者ですが・・・

PCがコーラで溺死してしまい、バックアップもなかったから携帯で書き直すことにしたんですが、ここって携帯で編集→投稿ってアリでしたっけ?

携帯だと叩かれるような気が・・・

139 :アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/02/27(水) 00:25:55 ID:QrL+UuPN
>>133
GJ! です。個人的な嗜好ですが、エリオとアルトって、ショタ×お姉さん系の組み合わせではベストな気がします。
超人揃いの六課の中で、アルトの普通のOLっぽさが何とも……
プロットですが、セッテは地味に好きなキャラなので楽しみにしてます!

私事で申し訳ありませんが、Little Lancerの5〜10話の編集が終わりましたので、また保管をお願いしても良いでしょうか?
 

140 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:27:11 ID:729UZCAn
>>138
携帯ですって人もいらっしゃるようですよ?

141 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:28:06 ID:FNQV9NV5
>>138
勝手にローカルに保管してテキストビュワーで読みますんで
どんな手段でもOKです。

142 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:28:34 ID:GPhoTq3K
>>138
今を以ってコーラに憎しみを感じた!!

143 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:28:45 ID:oJ20NTiM
>>138
お前のPCさん南無。
携帯からの投稿は今までもあるにはあったよ。
ただ妙なところで改行があったり、投下間隔があまりに長いとちょっと言われるかもね。
レス番号がだいたい>>500以上いってたら、残りの容量を聞いてから投下したほうがいいぜよ。

144 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:37:20 ID:EAVL2nRJ
ありがとうございます。なんとか一から書き直します!

145 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:41:29 ID:GPhoTq3K
>>144
全力で応援致します! リンディさんにどうか出番を(主に性的な意味で)あげてください!!

そういえば以前ユーノとリンディさんでなんか書くって言ってた方がいたけど、どうしたんだろうか?

146 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:44:21 ID:JKdb0HQC
>>133
これはいいアルト……!!

147 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:45:16 ID:w90YX15n
>>15
GJ!!ハードボイルド!!ヘタレなSSが多いヴァイス兄のかっこよさに孕むw

>>108
GJ!かっこいいです。もはや展開がネ申としかいいようがないです。
バトルが神速すぎて頭がついていかない。

>>133
さすが、エロオ。そんなところで才能が開花するとは・・・GJでした。

>>144
頑張ってください。いい職人がこのスレは集うためかレベルが高いアドバンテージ
がありますが。

148 :26-111:2008/02/27(水) 00:45:46 ID:Rc0iFhIp
>>アルカディア氏

「little lancer」読ませていただいています。貴兄のGJなエリオ分のお陰で自信が無くなりそうですぜ
さて、5〜10話の保管との事ですが・・・以前の様にテキストで改訂版を・・・ということですか?
それでしたら、またどっかのアップローダーに上げていただければ、そっちを拾って対応します。そうでないなら、スレから拾うので大丈夫ですよ?
現状、既に5スレ分引き離されているので、追い付くのが大変そうですが・・・集中してやれば、案外さくっと終わる作業なのですがね



それと、前スレの「◆6BmcNJgox2」氏。誤字の修正申告についての返答です
私としては、ここで修正の申告をしていただけると助かります。保管の際には上から下まで全部レスを浚いますからね

できれば、修正箇所に関して詳しく指定して貰えるととても助かります。
〜レス目の何行目 >「修正前の文章」
             >「修正後の文章」
とでも指定していただければ

ただ、保管庫の司書は私だけではありませんし、私もいつまで司書業に付き合えるかはわかりません
前述の意見は、あくまで、「私としては」です。人が変われば対応が変わることもあると思いますので、執筆陣諸兄は臨機応変にお願いします
・・・こんなことを、新米司書である私が言って良いものかと海より深く内省

それでは、長々と失礼しました

>>144
南無・・・しかし、応援しています

149 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:48:01 ID:KMV7ev8R
>>133
俺も前々々スレあたりの一覧表にショックを受けてオーリスのエロに挑戦してみたんだが……
どっかの誰かの行き遅れネタのせいでギャグにしかならなかったんだよな
それでも活性化のために書き上げるつもりだが

150 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:51:58 ID:dmiw7JRm
>>138

PCがコーラで溺死って……

>>32を見直せw

151 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:54:50 ID:oJ20NTiM
>>148
>保管の際には上から下まで全部レスを浚いますからね

いつも乙かれさまです。
考えてみれば保管庫の方々は、万が一自分の嗜好に合わないようなSS
があったとしても、一々、目を通なきゃならんってことですよね…。
議論雑談も否応なく目に入るだろうし…。すごく大変だと思う。
ただ有志の方々には感謝するばかり。

152 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:10:07 ID:lm+lMiM2
>>133
( ゚∀゚)o彡゜エイミィ!エイミィ!

153 :アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/02/27(水) 01:33:17 ID:QrL+UuPN
>>26-111
説明不足で申し訳ありません。またテキストで改訂版を用意しました。
http://sakuratan.ddo.jp/uploader/upload.cgi
のロダのdate72168.zipです。
お手数をお掛けしますが、宜しくお願い致します。

それから、個人的な我が侭で申し訳無いのですが、もし宜しければ、タグの端っこに「クアットロ」をくっつけて頂いても良いでしょうか?
勿論、不適と判断された場合は無視して頂いて一向に構いません。

私がエリオSSを書こうと思った切っ掛けは、保管庫で「エリオ」のタグで検索して『nowhere』を拝読した事でした。
これからも、氏のご活躍をお祈りしています。

154 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 02:00:15 ID:EY/95PnS
>>133
ちょw
恋人になんてことやらせてるんだヴァイス兄

しかしエロくてGGJJJJ!!!

>>148
あいかわらずお疲れ様です!
ブドウ糖補給にリンディ茶でもどうぞ

つ 旦

155 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 04:16:02 ID:w20qveBA
>>151
デスクトップなら防滴キーボードって高くないよ。
ノートでも外付け可能だろうけど運用面倒かな。

156 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 08:48:59 ID:J200X7HJ
>108 我が生涯に一片の悔いなし、な台詞が浮かんだガリューテラかっこよす
いや死んでないけどw

157 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 09:23:57 ID:F0kURtAO
ちょいと質問〜

セインのディープダイバーって、他人を引きずりこむことも出来るんだっけ?

158 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 09:26:46 ID:voCGaHhE
>>157
最初の戦いでルーテシアってどうやって助かった?

159 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 09:28:28 ID:vpwp3ZuN
>>157
可能だけど一度に引き込める最大人数は2〜3人で、対象がバリアもフィールドも使ってないことが条件。

160 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 09:47:51 ID:f2fTatfC
でもそうなると、バリアジャケット着てるのって矛盾だよね。

161 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 09:56:34 ID:N4FXIuDt
俺も質問なんだがミッドチルダの一年も365日なんだっけ?
あと平均寿命とかは明かされてなかったが現代人と同じくらいと考えていいんだろうか?

162 :( ゚Д゚):2008/02/27(水) 09:57:43 ID:F0kURtAO
投下待ったほうが良いかな?

163 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 10:05:07 ID:NU17sL5z
>>161
その辺は確か不明確だった気が。本編だと、ミッド人は外国人みたいな描写しかしてないから。
書き手の裁量でってことで良いんじゃない?


>>162
カモン

164 :( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/02/27(水) 10:08:57 ID:F0kURtAO
>>159 ありがとうございました。
>>158 ごめん忘れてたわ。あれってセインが助けに行ったんだっけ。orz

注意事項
・まぁ、初っ端からどえらい捏造です。
・非エロ。
・レジアス中将はモブか悪役だと思っている人は、読まないほうが吉です。
・でも、フェイトファンには比較的毒が少なかったりします。
・前半アリサとユーノのノロケ話。後半シリアス。
・他にもビミョーなカップルが二組ほど作られているので、カップリング物が嫌いな片は要注意。
・あぼーんキーワードは「熱い彗星の魔導師たち」

165 :熱い彗星の魔導師たち 8-01/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/27(水) 10:09:29 ID:F0kURtAO
『第3小隊から陸5本部へ。搬入車両1、新たに構内に入ります』
『第5班は確認後、引き続き正面エントランスの点検に向かってください』
 ──ホテル・アグスタ。
 各管理世界より、著名な考古学者達が集い、発掘されたロストロギアについての意見を
交換する評価大会が、年に1度、ここの大ホールを利用して行われていた。
 もっとも、出展されるロストロギアは、史料としての性格は強いものの、レリック、あ
るいはジュエルシードや、かつての『闇の書』のように、危険度の高いものはない。
 だが、その輸送申請が通りやすくなる事、専用便への警戒がどうしても片手落ちになる
事から等から、舞台裏で上級ロストロギアの裏取引を行おうとする者が後を絶たない。
 理由は、金銭だ。
 考古学の実施発掘調査には、莫大な金銭と時間がかかる。その一方で、見返りは名誉以
上のものはほとんどない。
 自治世界政府が出資をすることもあるが、“雀の涙”という評が、業界では一般的。
 管理局付の発掘調査が行われることもあるが、管理局は史料と言うよりも、上級ロスト
ロギアの収集により重きを置いてしまっている。
 かと言って、民間のパトロン、言うなれば道楽者など、数が限られる。
 そこで行われるのが、発掘された、上級ロストロギアに分類されるであろう代物を、管
理局に届け出ず、保管し、密売してしまうと言うものだ。
「考古学に携わる一族の生まれとしては、恥ずかしい限りなんだけどね」
 フィアット“NUOVA”500改、「チンク・エント・チンク」。地下駐車場に停められたそ
の運転席で、ユーノが、苦々しくそう言った。
「ふーん」
 アリサは運転席のドアの窓越しに、ユーノの顔を覗き込みながら、最初、そう、素気な
く言った。
 アリサの反対側に、ミッドチルダ製の、黒いコンパーティブルのスポーツカーが停まっ
ている。スタイルはフェラーリとポルシェを折衷した感じか(トヨタや三菱という身も蓋
もない表現も出来るが)。サイズもそれらのフラグシップモデルよりはやや小さく、フェ
アレディZやスープラよりはやや大きいといった印象である。────閑話休題。
「ねぇ、ユーノ」
「あ、その先言いっこなし」
 アリサが、問いかけようとすると、ユーノはそれを手と言葉で遮った。
「え……」
「僕は望んでアリサの隣に立ってる。確かに興味が無い事はないけど、今の位置には満足
してる」
 そう言って、ユーノは、少し当惑気味のアリサに向かって、微笑を向けた。
「うん……ありがと、ユーノ」
 アリサは、少し顔を赤らめながら言うと、開けられた窓越しに、ユーノのおでこに、キ
スをした。

熱い彗星の魔導師たち〜Lyrical Violence + StrikerS〜
 PHASE-08:It's taken or given (前編)


166 :熱い彗星の魔導師たち 8-02/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/27(水) 10:10:18 ID:F0kURtAO

「んで……」
 アリサは、かなり苛立った様子だった。
「なんで、一介の小隊長のあたし達まで、こんな格好させられてるワケ?」
 やや朱に近いピンクの配された、パーティードレスに身を包み、アリサは言った。髪は
アップにして、銀の飾りをつけている。
「まぁ、良いじゃない。私服警備も、立派な任務の内だしさ」
 同じく、黒いドレス姿のフェイトが、宥めるように、言った。
「私服なら陸士からも来てるし、部下を制服で立ちん棒させといて、ってのは、主義に反
するんだけど」
 ツンツンとしながらそう、言った。
 そして、ふと視線をずらすと、その先で、はやてが両手を腰だめに、わきわきと動かし
ているのが見えた。
「はやて?」
 アリサがジト目ではやてを睨むと、
「はっ!?」
 と、あからさまに動揺の姿勢を見せて、はやては背筋を正し、両手を後ろにやった。
「い、いや……そうやなくて。アリサちゃんは、第2中隊長でもあるんやし。堂々として
てもええと思うよ?」
 いかにも誤魔化しましたという苦笑で、はやては言う。
「けどそれって、はやてに実働6個支援2個直轄は問題あるから、名前貸してるよーなもん
じゃない」
 機動6課は、第1小隊『スターズ』、第2小隊『ライトニング』、第3小隊『レッドフレイ
ム』のフォワード小隊、第4〜第6のビハインド(後詰め)小隊、支援小隊『ミーンズ』、本
部小隊『ロングアーチ』で構成される。
 このうち第1、第2、第4と、ミーンズ、ロングアーチは、課長大隊長八神はやて二佐の
直率。第3、第5、第6は、中隊長としてアリサ・バニングス特三佐が入る。これは、陸士
総隊からの捻じ込み云々ではなく、直轄本部小隊以外に7個小隊を、しかも大隊長直率で
抱えるのは、編成上歪になるためである。
 レジアスがアリサに特三佐の階級を与えたのは偶然であり、行き掛かり上新たな中隊長
クラスを確保できなかった(なにせヴォルケンリッターの面子と同等かそれ以上という強
烈な条件がつく)為に、アリサに第2中隊長のポストが与えられた、というよりは、アリサ
が第2中隊長というポストに、一種の“名義貸し”している、というほうが正しい。
「ま、良いけどね、いざとなったら、いつでもバリアジャケットに変えられるんだし」
 そう言うアリサの首元には、当然、待機状態のレイジングハートと、同じくホーンテッ
ドクリムゾンが、ペンダントとして下げられている。
 それに────
「主はやて、そろそろ会場の中へ。陸の私服も、そちらに向かいました」
 その声に、その場にいた4人が振り返ると、そこに、長い鮮やかな銀髪と、吸い込まれ
そうなほど澄みきった紅い瞳、グラマラスな体つきに、フェイトよりもそのイメージが強
い黒いドレスを着た、長身の女性が、立っていた。
「ん、リインフォース、わかったで」
 はやては、笑顔で答える。
「……? お前達、どうかしたか?」
 ほーっと、自分に視線を向けてくる、アリサやフェイト達を見て、リインフォースは、
戸惑ったように、言った。
「いや……綺麗だなって思って」
 なのはが、苦笑になって、そう言った。

167 :熱い彗星の魔導師たち 8-03/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/27(水) 10:10:47 ID:F0kURtAO
「悔しいけど、負けてるわね」
 アリサも苦い顔になって、そんなことを言う。
「なっ……それは……」
 リインフォースは、突然のことに赤面し、じり、と後退りかける。
「そーなんよー。あたしもめっちゃ似合うでぇって言うてんのに、リインフォースってば、
なかなかこう、おしゃれせぇへんのや。今日かて、なんとか宥めかしてようやっと着せた
んやで」
 いつの間にか、リインフォースの後ろ側に回っていたはやてが、その右腕を捕まえなが
ら、笑ったり、ため息混じりになったりと、表情を変えつつ、言う。
「主、白銀(しろがね)の5騎目と一緒になって無理矢理着せるのは、宥めすかすとは言い
ません……」
 肩を軽く脱力させながら、リインフォースは、力のない声で、ぼやくようにそう言った。
「大体、そうは言うが、主はともかく、お前達だって充分に……」
 リインフォースは、3人を見回しながら、そう言いかける。
「ちょぉ待ち、リインフォース。主はともかくってどない意味や!? あたしが幼児体型っ
ちゅーことか!? おい!?」
 抗議の声を上げるはやてに、しかしリインフォースはそれを意に介しないかのように、
アリサの左手を見た。
「その指輪、そうか、スクライアとだったな」
「ああ……うん」
 アリサは気がついて、自分の左手を見る。薬指に、2本の指輪が入っている。
 1つは、金の装飾のない単純な指輪。
 もう1つは、エメラルドの嵌った、プラチナの指輪。厚地のリングに石を埋め込む意匠
の装飾になっている。
「ダイヤじゃないねんな〜。アリサちゃん、誕生石エメラルドなん?」
「違うけど……どうでもいいじゃない、そんな事」
 はやてに問いかけられ、アリサは面倒くさそうな口調で言うが、顔は、どこか気恥ずか
しそうに、言う。
「ユーノの魔力光の色だよね」
「!」
 フェイトの言葉に、アリサはビクッ、と、背筋を伸ばす。
「あ、そっか、そうだよ!」
 なのはまで、納得したというように、わざわざ声を上げる。
 緑の宝石の中でも、代表格でかつ、発色も鮮やかなものである。
「それじゃあ、アリサからユーノに渡したのは……」
「同じデザインの指輪で、石はファイアオパール」
 フェイトに言われ、照れくささに顔を真っ赤にしながら、アリサは、ぶっきらぼうな口
調で言う
「色で選んだから、あっちの方がずっと安くて、少し申し訳なかったんだけどね」
 そう、あっさりと言う。
「せやけど、左手の薬指に嵌める指輪は、愛の力の象徴やそうやからなぁ」
 はやてはそう言って、ニヤニヤと笑う。
「お互いを象徴する色の石をそこに、まさに2人の心は片時も離れへん、ちゅうわけやね」
「と、当然じゃない」
 顔を紅くしながらも、アリサはそう言って、右手で後ろ髪を梳いた。
「でも、ちょっとうらやましいかも」
 苦笑気味に、なのはが言う。

168 :熱い彗星の魔導師たち 8-04/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/27(水) 10:11:19 ID:F0kURtAO
「あー? なのはもさっさとクロノ抑えちゃえばいいでしょーが」
「え? いや、ま、まぁ、そうなんだけどね」
 アリサがぶっきらぼうな口調のまま振ると、しかしなのはは、俯いて、もじもじとし始
めてしまう。
「あーあ、お互い1人モンはつらいなぁ。な、フェイトちゃん?」
 はやてはニヤニヤと笑いつつ、大げさにそう言った。
「え? あ、う、うん……そうだよね」
 話を振られたフェイトは、しかし、言葉を濁すように言った。
「……フェイトちゃん?」
 はやてが、フェイトの態度に、顔をしかめる。すると、フェイトは、気まずそうに、視
線を逸らした。
「あ、そー言えば、アリシアから、最近フェイトが彼氏作ったとかメール着てた覚えがあ
るわね」
 アリサはニヤリと、意地悪く笑い、そう言った。
「何!?」
 はやてが顔色を変えて、素っ頓狂な声を出す。
「あ、ああ、アリサ、その話は……」
 フェイトの抵抗もむなしく、アリサの口はマシンガンのように暴露を続ける。
「確か陸士出の武装隊員とか聞いてたけど?」
「なっなっ、なんやてぇ!? どーいうこっちゃ、そりゃあ〜 きいとらんで!!」
 アリサの言葉に、はやてが反応して、フェイトに向かって、声を上げる。
「えっと……別に、アリサやユーノとか、なのはとクロノみたいな関係じゃないし。ただ、
悩みを聞いてあげてただけで……」
「そこから深い仲になるのが、男と女やろが〜。どこの誰なん? キリキリ吐けい〜」
 はやてに問い詰められ、フェイトはおろおろとする。救いを求めて、なのはに視線を向
ける。
 だが、なのはも、好奇心旺盛そうな目で、笑顔が「ちょっとお話聞かせて」と語ってい
た。
 アリサに視線を向ける。指輪のお返しだとばかりにニヤニヤと笑っていた。

169 :熱い彗星の魔導師たち 8-05/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/27(水) 10:11:47 ID:F0kURtAO

「何も、動きはありませんね」
「今のところは、ですが」
 ロストロギア評価大会、警備本部用移動指揮車。
 小型バスベースの、通信装置(正確には通信“補助”装置)やディスプレイの並ぶ、薄暗
い車内で、『ロングアーチ』副隊長グリフィス・ロウラン三等尉官は、地上本部側の統括
本部要員として派遣された、オットー・レックス特別陸准尉と、そんなやり取りをしてい
た。
「あの、私的な質問になるんですが、よろしいですか?」
 グリフィスは、階級的に下のはずのオットーに、敬語を使い、話しかける。
「? いいですけど?」
 短い髪に、中性的なややきつめの顔立ち、小柄で起伏も少ない痩せ型の体つきと、少年
のような容姿を持つオットーは、変化に乏しい表情をしかし少し動かして、グリフィスを
見る。
「オットーさんは、なぜ、陸の方に残られたんですか?」
 グリフィスは、手振りを加えながら、質問する。
 オットーは、一度視線を戻すと、身体ごと、グリフィスの方を向いた。
「ボク達は3人とも……いや、ディードを入れて4人、レジアス中将に恩義がありますか
ら。むしろディエチが例外か。貴方のお母さんが引き取ると言ったから、その関係で本局
勤めに」
「レジアス中将に……?」
 オットーの答えに、しかし、グリフィスは表情を、怪訝そうにする。
「しかし、中将はス……失礼」
 スカリエッティ製、と言いかけて、グリフィスは、一旦言葉を呑み込む。
「その、戦闘機人のデータを手に入れるのに、それに固執したとも訊いていますが……」
「そんなものは関係ありませんよ。中将は、善悪の区別すらつかなかったボク達が、“存
在すること”を、認めてくれましたから。それに、こうして、働く場所も与えてくれた。
ウェンディなんか、養子になって、よく懐いてます」
 オットーは、そう言って、しかし、無表情な顔を、わずかに微笑ませる。
「そうですか……すみません、失礼なことを言ってしまいました」
 グリフィスは、そう言って、気落ちしたように、俯く。
「いえ、気にしないでください。本局の人間には、言われ慣れてますから」
 オットーは、それだけ言うと、身体を正面に戻し、並ぶモニターを一瞥する。
「いえ……その……すみません、許してください」
「?」
 頭を下げ、しつこく謝罪をするグリフィスに、さすがに、オットーも、怪訝そうに、グ
リフィスを見る。
「自分はただ、その……貴女の事について、知りたかっただけなんです。申し訳ありませ
んでした」
 そう言って、グリフィスは、ひときわ深く、頭を下げる。
「ボクの事を知りたい? ああ、戦闘機人としての能力のこととか?」
 オットーは、納得が行ったと言う様な口調で、聞き返す。
「そうじゃなくて、あくまで、貴女という人間の事を、知りたいんです」
「…………? もっときちんと説明してくれないと、解りませんよ」
 グリフィスの言葉に、しかし、オットーは、首をかしげる。
「その、貴女は、外見も、正確も、自分の周りには見たことのない女性で……」
 グリフィスが、そう、言いかけたとき。
「ホテル敷地内に反応!」
 オペレーターの声が、それを遮った。
「ごめんなさい、話の続きは後で」
 オットーは、グリフィスを制し、そう言った。

170 :熱い彗星の魔導師たち 8-06/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/27(水) 10:12:18 ID:F0kURtAO

 ホテルの外庭、樹の立ち並ぶ公園のような森のような場所に、突如として、転移で出現
した。
『セッテ、獲物を譲ってやったんだ、しくじるなよ』
『解っている』
 念話で呼びかけてきた、チンクの言葉に、セッテは淡々と返す。
「行くぞ」
 セッテは言い、飛び上がると、4機の飛行型傀儡兵が、それに続いた。
「!?」
 警備の陸士隊が、それに気付き、凝視して、見上げる。
『指揮本部! スカリエッティ型傀儡兵と思しき一団を発見! 本棟南南西の方角から、向
かっています!』
 一方。
「さて、それでは我々も行動を始めるとするか」
 薄暗い、トンネルのような場所、チンクは、直方体のコンテナのような箱を持ち。そう
言った。
「オーケー、チンク姉」
 そう答える、“VI”の刻印を持つ、スカリエッティ製戦闘機人。No.6セイン。
 そして、チンクは、丁度、チンクの身長より頭1つほど長い、その細長い箱を持って、
トンネルの中を進み始めた。
 それは、まるで、小さめの棺桶のようだった。

171 :熱い彗星の魔導師たち 8-07/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/27(水) 10:12:42 ID:F0kURtAO

「飛行型やて!?」
 指揮所からの一方的な送信に、はやては思わず、声に出して、聞き返していた。
「飛行型だとすると、多分、陽動……か」
 返信を諦め、はやてはそう、判断する。それから、フォワード小隊長陣の顔に、視線を
向けた。
「それじゃ、あたしンとこで片付けてくる」
 真っ先に、アリサがそう言った。
「アリサ、いいの?」
 早速その場を離れようとしたアリサに、フェイトが問いかける。
「良いもなにも、揃って空戦できるのはうちだけなんだから、しょうがないじゃない」
「せやね……」
 アリサの答えを聞いて、はやては力なく言ってから、
「頼む」
 と、一言付け加えた。
 アリサはホールを飛び出し、エントランスロビーに向けて走りながら、その胸元で跳ね
るレイジングハートを、握る。
『警報聞いてるわね、「レッドフレイム」、小隊集合、場所は、正面玄関前』
 小隊員にそう呼びかけておいてから、
「レイジングハート、行くわよ!」
『O.K. Standby, Set up, Ready』
 ひらひらとしたドレスは、オレンジ色の光に包まれ、白と水色のバリアジャケットに変
化する。柄の部分まで一体鍛造された、片刃の西洋剣を模った、レイジングハートを、そ
の右手に、握る。
 アリサがエントランスを抜けると、そこには既に、他の小隊メンバーが揃っていた。
「あたしとユーノがFirst、ウェンディとティアナでBehind、良いわね!?」
「了解!」
 3人が声を揃えて答えると、4人揃って、空へ舞い上がった。
 ヒュンヒュンヒュンヒュン……
 飛び上がった途端、4人を周回するようにして、それが飛来してきた。
「なに、これっ」
『Round shield』
 アリサが声を上げるのと同時に、迫ってきた刃を、緑のシールドが、受け止める。
 魔力光を帯びた刃が、バチバチとユーノのシールドとの間で、火花を散らす。
「Freccia leggera」
 ビシュッ
 なのはのそれよりやや彩度の低いピンク色の魔力弾が、ユーノの背後めがけて迸った。
『Dual exercise』
 ユーノは背後にもシールドを出現させる。
『Load Cartridge』
 ドンッ
 アンブロークンイージスが、カートリッジを撃発させると、シールドの光が強くなり、
命中した魔力弾を、砕き、霧散させた。
「でぇりゃぁぁぁっ」
『Fire slash』
 アリサは上段に構え、ユーノに向かって撃った、その相手めがけて、斬りかかる。
 シャッ

172 :熱い彗星の魔導師たち 8-08/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/27(水) 10:13:35 ID:WuJ6gc5U
 その相手はすばやくそれをかわすと、急機動で下から捻り、ユーノのシールドに払われ
た刃、ブーメランを、拾って、再度、上昇する。
「!?」
 ガッキィィィィンッ
 相手が、充分高度を取ったと思い、攻撃態勢に移りかけた。だが、その背後に、アリサ
は追いすがり、横薙ぎに、斬撃を繰り出す。
 大型のブーメランを剣のように扱い、レイジングハートと交錯させ、激しく凌ぎあう。
「アリサさん!」
 ティアナは思わず、同じ相手に向けて、飛び出しかけたが、
「待つっス!」
 と、ウェンディが、それを制した。
「あの2人なら大丈夫っス。それより、危ないのはこっちかも知れないっスよ」
 ウェンディは言い、自分達より高い高度から、急降下してくる4体の傀儡兵に、視線を
向けた。
「クロスミラージュ!」
『O.K. Load Cartridge』
 ズドンッ
 クロスミラージュIIの、刀具部分の付け根に装着された、CVK-695Dユニットが、2発の
カートリッジを、一気に撃発させる。
「こっちも行くっスよ、アイアス!」
『Yes, Load Cartridge』
 ドンッ
 アンブロークンイージスもまた、カートリッジを1発、撃発させた。
「下がって、間合いをとるっス」
「え、うん!」
 行って、ウェンディは傀儡兵の方を前に向いたまま、フローターボードから、流れ落ち
るように飛び降りる。もちろん、飛行魔法は駆動している。ティアナもそれに続き、2人
は並んで、構えた。
『Revolver set, Phantom Blazer』
『Divine Buster, Break shoot』
 赤紫の散弾が先に放たれ、一瞬遅れて、赤みがかったオレンジの高速弾が、次々と、傀
儡兵に向かって撃ち込まれる。
 ウェンディの散弾に溜まらず、向きを変えかけたところを、ティアナの高速弾が貫く。
2体の傀儡兵が空中分解しつつ、落ちていった。
 しかし、残りの2体は、なおもこちらに向かってくる。
 キィンッ、ガキィィンッ
 ブーメラン使いと、アリサ・ユーノペアの戦いは、激しさを増している。
「得物こそ違うけど……アンタ、No.3の後継かしら!?」
 凌ぎあいつつ、アリサは問いかける。
「私はNo.7セッテ……私が、トーレの後継と考えた事は無いが」
 キィンッ
 アリサが、わずかに間合いを許した瞬間。
 シャッ、シュルルルルルッ
 セッテは、ブーメランを投げた。
「くっ」
 アリサが、それを追おうとした瞬間。
「Freccia leggera」
『Protection, Dual exercise』

173 :熱い彗星の魔導師たち 8-09/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/27(水) 10:14:02 ID:WuJ6gc5U
 バン、バン、バン、バン、バン、バンッ!!
 セッテのゼロ距離射撃を、鮮やかなオレンジ色の光の二重盾が、凌ぐ。1枚目は、軋み、
ヒビが入り、欠けかけたが、2枚目までは、貫けない。
 ヒュルルルルルッ
『Round shield』
 アリサの背後から迫るブーメランに、ユーノがアリサの背後に背を合わせるように回り
込むと、そこで、シールドを展開した。
「くっ!」
 バチバチバチバチバチバチッ!!
 激しく火花を散らした後、帯びていた魔力を失い、落下に転じる。セッテは、それの落
下軌道を修正しつつ、急降下で離脱すると、ブーメランを拾う。
『Devine Clasher』
 イージスの射撃端子から、緑の魔力光の矢が、放たれる。
 セッテは、それを、スナップの急機動で回避すると、一転、上昇に転じようと────
「おそぉおぉぉぉぃっ」
 その正面に、上段に構えたアリサが、いた。
 ガキィンッ、キィィィンッ
 ブーメランとレイジングハートがぶつかり、火花を散らす。アリサは、のしかかって、
セッテごと、高度を下げる。
「相手が悪かったか……?」
「1:2で、卑怯だなんていわないでよ!? 最初は、そっちの頭数のほうが多かったんだか
ら!」
 漏らすセッテに、アリサは怒鳴った。
『Break slash』
「はぁっ!」
 刀身に、魔力光を帯びたクロスミラージュIIを構え、ティアナは正面の傀儡兵に向かっ
て、斬りかかった。
 まだ、打撃武器の扱いは付け焼刃だったが、それでも、その斬撃は、正確に、傀儡兵の
頭部を潰した。
 複数の関節から火花が散り、傀儡兵は地上へ落下していく。
「はぁっ、やった……」
 ティアナが、感慨にふけりかけてしまったとき。
「危ないっス!」
 シャッ
 ウェンディが、ティアナの横に、背中を向けて滑り込んでくる。
『Round shield, Dual exercise』
 赤紫の光の二重盾が現れ、
 ズドン、ドドンッ
 2発の、強烈な砲撃が、それを激しく揺さぶった。
「こんのぉっ!」
 ウェンディは、フローターボードに自分の真下を通過させると、それに飛び乗り、加速
して、傀儡兵に、一気に迫る。
『Edge slash』
 懐に飛び込むと、再びフローターボードから飛び上がる。アンダウンテッドアイアスの
射撃端子に、斬撃魔法を帯びさせると、それで、片翼を切り裂き、もいだ。
 片羽となった傀儡兵は、しばらくはふらふらと飛んでいたが、やがてあちこちから火花
や黒煙を吹いて、高度を落としていった。

174 :熱い彗星の魔導師たち 8-10/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/27(水) 10:15:05 ID:WuJ6gc5U
「どんなもんっスか」
 ティアナの横に移動すると、落ちていく傀儡兵を見ながら、ウェンディは得意そうに、
そう言った。
「あの……ご、ごめんなさい。私」
 ティアナは、自分の落ち度に気付き、ウェンディに、謝罪の言葉をかけようとする。
「んー、気にしないでいいっス。Packsのペアなんだから、フォローするのは当然っス。
義務っス」
 ウェンディは笑い、そう言った。
「あ……はい」
 それでもまだ、気落ちした様子のティアナに、ウェンディは続ける。
「そのかわり、ティアナのペアが危なくなったら、フォローするっスよ? あたしはもち
ろん、アリサも結構、ポカするっスからね」
「あ、は、はいっ!」
 ティアナは、ようやく顔を上げた。
「ちっ、チンクに申し訳が立たないな……」
「なんですって?」
 幾度目かの交錯。アリサの背後で、傀儡兵がウェンディに落とされるのを見たセッテは、
口惜しそうに言う。
「だが、目的は達された。悪いが、失礼する」
「あ、待ちなさい!」
「クアットロ!」
 急機動で、後ろに下がるセッテ。アリサは追いすがるが、突如、セッテは閃光に包まれ
たかと思うと、姿が消えてしまった。
「…………キー!! また逃げられた! 3番と言い6番と言い!!」
 不完全燃焼のアリサは、レイジングハートを右手に持ったまま、空中で地団駄を踏む。
「まぁまぁ、アリサ……」
 ユーノは、一度、そのアリサを宥める言葉を発してから、真顔に戻って、言う。
「それより、気になることがあるよ、連中の目的って……」
「ん、うん……」
 なんとか落ち着いたアリサが、なにかを言おうとした瞬間。
『なのはちゃーんっ』
『なのはーっ!』
 はやてとフェイトが、不特定に、念話を飛ばしているのが、聞こえてきた。

175 :熱い彗星の魔導師たち 8-11/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/27(水) 10:15:29 ID:WuJ6gc5U

 ────わずかに、時系列は戻る。
「囮……にしては、次を仕掛けてきぃへんな」
 ロビーに出た隊長陣。はやては、怪訝そうに、そう言った。
 屋外ではレッドフレイムがセッテ達と戦闘を繰り広げていたが、他に異常は、まだ、見
られない。
「本命……にしては、規模が小さすぎるよね?」
 フェイトも、訝しげに、言う。
「せやな……意図がわからん」
 はやては、同意するように呟く。
「なのははどう思……!?」
 フェイトは、なのはに振りかけて、ギョッと、目を剥いた。
「なのはっ!?」
「なんやっ!?」
「どうし……っ!!」
 突然、水のような色の髪を持った少女が、なのはの背後に現れたかと思うと、なのはを、
背後から、羽交い絞めにした。
 そして────その少女は、なのはもろとも、床の中に吸い込まれていった。まるで、
液体の中に、もぐりこむように、消えてしまったのである。
「なのは!?」
「なのはちゃーんっ!?」

176 :熱い彗星の魔導師たち 8-11/11 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/27(水) 10:16:08 ID:WuJ6gc5U
>>165-175
今回は以上です。

177 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 10:29:00 ID:PtZTpyq2
思うんだがこのスレってかなり進行早いよな。
自分は知らないんだけどエロパロってこんなのは普通なのか?

178 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 10:34:10 ID:kJHann6N
去年の秋ぐらいから加速してる。
長編が異常に増えたwww


179 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 10:35:14 ID:s2PONEyJ
>>177
うんにゃ。このスレはエロパロの中でもスレ速は常時1位〜3位。普通じゃないよ。
エロパロのスレの大半は職人さんが欠乏してる過疎スレだと思う。
といっても昔はこのスレもそうだったのだけれどね。

スレッドランキング(エロパロ板)
http://www.bbsnews.jp/2ch/eroparo.html

180 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 10:39:05 ID:Sf2GsaO9
>176
乙。

……そー来たか。

181 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 11:05:27 ID:NU17sL5z
>>178
このスレはまだ緩い方だよな。3日、4日でスレ消費した時もあったし。

182 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 11:07:27 ID:PtZTpyq2
サンクス
あ、やっぱ早い部類に入るよなwww
マイナー作品ので100行く前に落ちるのが当たり前なスレか
このスレ以外行く機会が無いといまいち普通の速度が分からなくなる。
保管庫の主、乙。

183 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 11:17:15 ID:kJHann6N
セインに壁に引き込まれた後、
放り出されたらやっぱ死ぬのかな?
セインにステルス付けたら実はつおいの?

184 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 11:28:35 ID:vpwp3ZuN
>>183
かべのなかにいるってか。
とはいえ対象が意図的にBJのバリアとフィールド切ってない限り(普通は自動展開)は
どの道効果付与できないから対魔導師としては微妙だね。
相手が魔導師でなければ格闘戦でも勝てるだろうし。

185 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 11:29:56 ID:IeZE65Rm
旅の鏡で体半分引きずりこんで閉じると体が切断されるのかが気になる

186 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 11:37:19 ID:mtBFMJuJ
まあ、セインの本領は直接戦闘よりも、潜入破壊工作だからねえ。
逃げに徹したり、重要施設等への潜入とかにおける、ディープダイバーはマジ反則。

187 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 11:41:57 ID:voCGaHhE
どうにもセインのIS見てて思い浮かぶのが
・オアシス
・ダイバーダウン
・壁男
となんかこうビジュアル的にあまり良い物じゃないんだ

188 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 11:56:29 ID:Eu8Voj4d
忍者刀の武装錬金みたいに真・鶉隠れを使えば暴力シスターにも勝てたんだよ!

え?ソードサムライXなんてないよ

189 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 12:22:07 ID:0w0INEwq
結局力ずくで引きずり出されてボコられるイメージしか浮かんでこない…

190 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 13:00:11 ID:Q2Ubrbxg
セインのディープダイバーって有機物擦り抜け出来ないだよな・・・。
なんでルーテシア救出出来たんだ?

191 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 13:02:19 ID:/Lr04QFB
>>176
GJ! ディープダイバーの本領はやっぱり拉致だよなw

>>178
20スレ台中盤ぐらいから加速したと思う。
有名所だとターンA氏とかエリックの人とかが参戦したあたりかな?
……確かある意味有名な38氏もそのくらいだったと記憶してるが。
ただ、そこらあたりが最速だったな。
640氏とかの初期の神がまだ多少は投下してて、新規さん大量発生な時期だったから。

>>179
何となく見てみたら思い切りトリプルスコアで1位で吹いたw

192 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 13:14:12 ID:4othGXn7
>>108
またまた燃える会でした!
義父にはさすがの騎士も勝てなかったか・・・
エリオもガリューもカッコよかったです!
次回がラストですか・・・寂しいような、見たいような複雑な気持ちです。
GJ!!

>>133
氏のシリーズが好きな俺も思わず突っ込みかけましたw
でもエロいので無問題
フェイトさんとのことといい、エロオ・モンデヤルはとにかくうらやましすぎる
「フェイトさんは大変な告白を〜U」でフェイトそんに不意打ち気味にするりと主導権を握っていましたが、なるほど納得です
GJ!!

193 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 13:20:53 ID:w9lpqG74
>>177
エロパロスレで平均週一スレは滅茶苦茶早いぞ
それこそ数えるほどしかない

194 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 14:23:35 ID:UXkRbFgu
>>190
ミッドの道路がアスファルトとは限らんわけだが

195 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 14:41:35 ID:T2rWh/M8
生物は_っていいたかったんだろうな

196 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 15:06:50 ID:FVWpoJH5
>>190
有機物を擦り抜けることは出来なくても、有機物を持って擦り抜ける事は出来る
つまりルーを擦り抜けることは出来ないが、ルーと一緒に擦り抜ける事は出来ると言う事
ん、待てよ…有機大豆で作った納豆をセインはスルー出来ないと言う事か?(関係ない

197 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 15:21:22 ID:GPhoTq3K
また納豆か!!

198 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 15:28:49 ID:voCGaHhE
う、うわあーなにこれ取れない!動けないー!
とじたばたするセインが普通に浮かんだ

199 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 15:40:01 ID:cOvQqO8F
>>198
それは私のおいなりさんだ

200 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:03:47 ID:GPhoTq3K
お、おいなりさん?

201 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:05:30 ID:orucmXuU
納豆巻きだな(長さと寿司的に考えて)

202 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:10:52 ID:iFQ1lMw5
>>201
それは強く握ったりすると、端からねばねばしたものが飛び出すってことか

203 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:17:26 ID:GPhoTq3K
「この黒くて長くて太いのって擦ると先っぽからねばねばしたのが出るよ、面白〜い♪(そう言いながらその粘り気を美味しそうにペロリと舐める)」

今までの事を纏めると、このような発言をするセインとなる。

204 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:19:16 ID:fokXLo6E
やべぇ分かってるのに凄く卑猥だ

205 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:20:34 ID:GPhoTq3K
ちなみにディードだと胸の谷間に挟む。

206 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:24:14 ID:voCGaHhE
トーレ姉だと尻の間にこすりつける

207 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:25:36 ID:jVUj0nfI
食べ物で遊ぶなお前らw

208 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:30:48 ID:FVWpoJH5
ちなみに大きさは、槍騎士が細巻き、司書長が太巻き、狙撃手が中巻きでいいかな?

209 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:35:15 ID:iFQ1lMw5
中将は恵方巻き

210 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:42:18 ID:rd61iPf7
さすが司書長!

211 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:53:30 ID:AUK3JP+W
>>187
セインが角砂糖をクアットロに貰ったり、「よーし、よしよしよし」されるんだな。
微笑ましい姉妹のスキンシップだな。

212 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:56:12 ID:SYKlkS6Y
きゅ、きゅ、きゅ〜///

213 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:58:59 ID:kJHann6N
フェレットもどきにチンポが付いてるんじゃない。
チンポにフェレットもどきが付いてるんだ。

214 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:59:46 ID:JKdb0HQC
フェレットはシャマルさんの下のお口に咥えさせるという道もあるぜ

215 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 17:33:07 ID:orucmXuU
>>205ー6
メ、メガ姉は?あの悪女さんだとやっぱり歯を立てちゃうの?

216 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 17:34:05 ID:voCGaHhE
あの悪女は顔面いっぱいにぶちまけですよ
もしくは全身コーティング

217 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 17:35:48 ID:JhEMvSMx
おまいら……

一瞬司書長スレに来てるのかと思っちまったじゃねーか。

218 :ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:37:49 ID:gEOXYy8q
3分後に爆撃開始しまふ。

219 :ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:40:49 ID:gEOXYy8q
 警告終了、爆撃開始。

★閲覧者の方への注意★

・今回は後編です。前編は>>33 >>35-58
・陵辱を含む残酷な描写が多々あります。嫌いな方は、スルーしてください。
 NGワードは、『リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編』
・決して一人では見ないでください。
・心臓の弱い方はご遠慮ください。
・キシャー!あばばばばばば!あばばっあびゃばびゃばば!
・パソコンの前での飲食はやめましょう。

 ガシャン!

フェイト「あっ?!」
なのは「ええっ?!フェイトちゃん、また?!」
はやて「開いた口が塞がらんわぁ……」

 翌日、そこには完全になのはに無視されるようになったフェイトの姿が!

フェイト「もう二度とパソコンの前で飲食はしないって誓ったのに……/(;;)\」

↓ 以下、本編

220 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 17:41:00 ID:Ls/ck96a
wktk

221 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:41:53 ID:gEOXYy8q
「あちらもなかなか、面白いことになっている。見たまえ」

 フェイトは、恐る恐るモニターに顔を向けた。その映像が目に飛び込むや否や、
無表情だったフェイトの顔がみるみるこわばっていき――

「エリオ?!キャロぉぉっ!!」

 我知らず、フェイトは絶叫していた。
それは、今の自分が置かれている状況すら頭から完全に吹き飛ぶほどの、衝撃的な、
そして、彼女が最も見たくないものだった。

『やめろガリュー!!うわ、あ゛あ゛あぁっ!』
『いやぁぁ!――ひっ?!ひぃっ、ぎぃぃィィィ――――ッ!!』

 戦闘機人対応のために市街地に向かったエリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエ。
二人は、戦闘機人達に混ざって都市を壊滅させようとしていた、ルーテシア・アルピーノと、
彼女の召喚獣・ガリューに遭遇。キャロの言葉に心を動かされ、戦闘・破壊行為を一瞬やめかけるルーテシア。
しかし、戦闘機人bS・クアットロの策略により、エリオとキャロを苦しめ、殺すよう焚き付けられてしまう。
殺すつもりで襲い掛かってくる、ルーテシアの召喚獣と召喚虫。戦うことに迷いを覚えるエリオとキャロ。
両者の間には、戦意も勢いにも、格段の開きがあり――アッサリと勝負はついてしまった。

 そして、敗れたエリオとキャロに待っていたのは、壮絶な陵辱劇だった。

『ぐぎゃぁっ!ぎゃあ゛あ゛あ゛ぁぁ……っ!』

 エリオはバリアジャケットの下半身部分を引き裂かれ、四つん這いにさせられていた。
剥き出しになった尻には、ガリューの股間にそびえ立つ、ビール瓶のようなイチモツを突っ込まれている。
そんなものが子供の尻にすんなり収まるはずもなく――エリオの尻は当然の如く裂け、抽送の度に、
ザクロ状になった無残な尻から、血飛沫が舞う。ぼろきれのように激しく揺さぶられるエリオ。

222 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:42:42 ID:gEOXYy8q
『いだい゛ぃぃっ!おねがい、やめてルーちゃぁぁん!!』

 キャロはフェイト同様、全裸に剥かれていた。その幼い身体には、蟻に襲われた獲物の如く、
ルーテシアの召喚虫・インゼクトがびっしりと群がっていて。今、画面に映し出されているのは、
まだピッタリと閉じた女性器をインゼクト達に無理矢理こじ開けられて、泣き叫ぶキャロの姿であった。

『あ、あっ、あああぁっ?!!』

 数匹のインゼクトが、ついにキャロの割れ目を押し開き、その中に身体をねじり込ませていくのが見えた。
インゼクトはこれから、キャロの胎内で産卵を行うつもりなのだ。
胎内に産み付けられた卵は母胎兼食料のキャロの身体を蝕みながら、すくすくと育っていく。
数日もすれば、キャロは身の毛もよだつような恐怖を味わいながら、絶命することになるだろう。
ルーテシアの「苦しめて」「殺して」という命令と、自分達の生殖行為が、うまいこと合致したわけである。

 インゼクトが群がっているのは、そこだけではない。まだ平たい胸に群がるインゼクトは、
薄桃色の幼い乳首に身体をこすり付ける。手に、足に、あらゆる箇所に殺到し、幼い肌の感触を楽しんでいる。
インゼクトによって注入された神経毒により身体が麻痺し、キャロは群がるインゼクトを
振り払うことすらできない。彼女は、身体をビクビクと震わせながら、涙で顔をグシャグシャに歪めていた。
蟲姦――それが、今のキャロが置かれている悲惨な状況。

223 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:43:36 ID:gEOXYy8q
『ひ――っ!助けて、たすけてぇ!エリオくん!フリードぉっ!』
『キャ、ロ!―――っ?!ぐぁっ!!』

 ほのかな恋心を抱いている少女の助けを求める声を聞き、なんとかガリューの拘束から逃れようともがくエリオ。
しかし、そんなエリオをガリューはひょいっと持ち上げ、今度は裏返して仰向けにする。

『なにを?!うゎあ゛あ゛っ?!』

 ガリューが、その化け物じみた、いや、化け物の力でエリオの肉棒をしごき始めた。
もともと血みどろになっていたそれは、外部からの物理的刺激によって痛々しく勃起し、
ついには、め゛りぃ!と粘着質の嫌な音を立てて、皮が剥がれた。

『グギャアアァぁぁ……!』
『えりおくぅぅぅぅぅん――――ッ!!』
『ぎゃおぉぉ、ぉぉぉ……』

 キャロの使役竜・フリードリヒも、ルーテシアの召喚した5体の地雷王にもみくちゃにされ、
全身から血を噴き出させていた。とても、キャロやエリオを救える状態ではない。

 目の前で繰り広げられる地獄絵図を、ルーテシア・アルピーノは、
「もっと苦しめて……そいつら、殺して……」と呟きながら、狂った目で見つめていた。

224 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:44:25 ID:gEOXYy8q
「エリオォォぉ――っ!!キャロぉ――――ッ!!」

 愛するエリオとキャロが、ズタズタにされていく様に、フェイトは喉が張り裂けんばかりに叫ぶ。

「今すぐ……」

 愛する者を助けようとする狂気にも近い眼差し。痛みで動かないはずの身体に鞭打って、
ピンク色の精液をボタボタと股間から垂らしながら、フェイトはよろよろと起き上がり、

「やめさせ――ぐぶっ!」

 スカリエッティに飛び掛ろうとする。
が、彼女の身体はトーレとセッテにあっさり叩き伏せられ、再び地面に転がされてしまった。

「がぁっ……」

 ボロボロになった身体をバラバラにされるような痛みがフェイトを襲い、彼女は床をのた打ち回った。
今の自分にはエリオとキャロを助ける力がないのだと悟ると、身体から力が抜け、
これまで抑えていた涙が一気に溢れ出した。己の無力を呪うフェイト。
そんな彼女を馬鹿にするような口調で、スカリエッティはトドメを刺しにいった。

「そもそも、あの子達がああなったのは、君のせいではないのかな?」
「なに……?どういう意味だ……?」

 その言葉に、うつ伏せの状態からなんとか顔を上げ、涙を流しながら気丈にも、
スカリエッティを下から睨み付けるフェイト。
そんなこともわからないのか、やれやれという表情で、スカリエッティは続けた。

「簡単なことだ。君があの子達を魔導師に仕立て上げ、このような戦いに参加させたから、
あんなことになったのではないか、と言っているのだよ」
「なん、だと……?」
「ひょっとして君は、自分達は戦えば絶対に勝つ正義のヒーローとでも思い込んでいるのかね?
自分やあの子達が負ける、ということを君は考えたこともないのかい?」

 その言葉に、フェイトは押し黙ってしまった。

225 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:45:09 ID:gEOXYy8q
 フェイトは、エリオとキャロが管理局の魔導師になることを、そもそも快く思っていなかった。
それはそうだろう。誰だって、自分の愛する者にわざわざ危険なこと――管理局の仕事は、
時として殉職者を出すこともある――などさせたくないに決まっている。
だが、結局自分はエリオとキャロが管理局の魔導師になることを認めてしまった。
いや、そればかりか、機動六課という最も危険度が高いといっていい最前線への配置まで、
なんやかんやで認めてしまっているのだ。

 そしてスカリエッティの言うように、フェイトは確かに「最悪の事態」ということを真剣に考えたことがなかった。
いや、考えたことはあった――からこそ、エリオとキャロの管理局入りには反対した――
のだが、それは非常に漠然としたものでしかなく、今回のようなことが起こるとは、
夢にも思っていなかった。具体的にどのような惨劇が降りかかるかなんて、想像したことはなかった。

 そこまで考えて、ようやくフェイトは気が付く。

 本当にエリオとキャロのことを大切に思っているなら、
何が何でも二人が魔導師になるのを止めるべきではなかったのか……、と。

 こんな事態になってから巻き起こる、疑念の渦。
エリオとキャロがあんなことになってしまったのは、自分のせいなのだろうか。

 それを見透かしたかのように、スカリエッティは言う。

226 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:46:03 ID:gEOXYy8q
「君と私は、よく似ているんだよ。私は自分で作り出した生体兵器達、君は自分で見つけ出した、
自分に反抗することのできない子供達……それを自分の思うように作り上げ、
自分の目的のために使っている」

 ……いや、違う。絶対に違う。自分は、そんなつもりであの子達を保護し、育てているわけではない。
かつての不幸だった自分と同じような子供を生み出したくないという一心だ。
スカリエッティの言葉、そして心の疑念を振り払わんと、フェイトは声を張り上げた。

「……だ……黙れっ!お前なんかと一緒に――」
「ククッ、図星かい?そうやってムキになって否定するのは、それとなく自覚している証拠かな?」
「違う、違う違う!!」

 このままスカリエッティの言うことを受け入れてしまったら、
エリオとキャロをあのような目に遭わせているのは、自分ということになってしまう。
押し流されるようになる心を、フェイトは必死でつなぎ止めた。

「君はあの子達が自分に逆らわないように教え込み、戦わせている。私もそうだし、
それに――君の母親、プレシア・テスタロッサもそうだった」
「…………っ!」

 思わぬところで母親の名前を出され、フェイトはいよいよ絶句した。

 …母…さん……

 フェイトの脳裏に、幼い頃の記憶が甦る。

227 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:46:45 ID:gEOXYy8q
 ジュエルシードを巡り、なのはと戦う自分。無関係な人を巻き込み、たくさんの悲劇を作ってしまった。
それでも母親のためにと盲信的に信じ込み、決して逆らわず、バルディッシュを振るい続ける。
何も考えず、知らず、ひたすら信じた。そうすれば、母親の愛を受けられると思って。でも……

 事件の後も、母親を憎いと思ったことはないけれど、悲しかった。認めたくはなかったが、
結局あの人にとって、自分は子供なのではなく、目的を達するための道具に過ぎなかったのだ。
だから、自分が子供を育てるときには、決してそんなことのないようにと、心に誓った。

 なのに自分は、エリオとキャロのことを真剣に考えず、この男の言うように、
自分の目的を達するための道具にしてしまったのだろうか。
エリオとキャロは、昔の自分のように、なんら疑うことなく自分のことを信じ切り、
自分はそれにつけこんで無意識のうちに二人をいいように操っていたのだろうか……?



 私は、母さんと同じことをしてしまった……?

 エリオとキャロがあんな目に遭っているのは、自分のせい……?

 ……違う……そんなはずは……



「やはり――君は母親そっくりだよ、フェイト・テスタロッサ」
「――――……っ!!」

 モニターに映し出される惨劇。エリオとキャロはすでに気絶していた……。

228 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:47:46 ID:gEOXYy8q
「クク、絶望したかい?まあ正直なところ、私にはどうでもいいことだ……
それより、汗が引く前に、もう少し楽しもうじゃないか」

 スカリエッティはパネルを操作してモニターを切り、力の抜けたフェイトの脚を掴んで持ち上げた。その途端、

「……ぅ、ああああっ!」

 呆けていたフェイトが正気に立ち返り、反射的にスカリエッティを蹴飛ばした。
胸元に強烈な一撃を食らい、後ろによろめくスカリエッティ。さらにフェイトは、身体の奥底、
わずかに残されていた力を全て振り絞って身体を起こし、一瞬の出来事に不意を衝かれた脇の二人を突き飛ばす。

「がっ」
「ぐぁっ」
(エリオとキャロを、助け……)

 もう、自分でも何を考えているのか、わからなくなっていた。
それでも頭の中にあるのは、エリオとキャロを助けたいと切実に願う心。
逃げようとした。が、脚がもつれ、フェイトはたちまちその場に転倒してしまった。

「ぁうっ!」

 床に身体を強かに打ちつけ、瞬間、息が詰まった。それまでの戦闘と、
苛烈な陵辱に疲弊しきったフェイトの身体は、やもすればそのまま床に張り付いてしまいそうになる。

「ぐっ……うぅ…ぅ」

 顔を上げた視線の向こうには、先ほど取り落としたバルディッシュがあった。

(バルディッシュが……あれば……)

229 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:48:37 ID:gEOXYy8q
 倒れた状態から這いつくばって必死に愛機のもとへと向かうフェイト。
彼女の股間からは、精液と愛液が混ざり合って溢れ出し、床にはカタツムリが這ったような跡を作り出す。

(もう……少し……)

 右手を伸ばし、バルディッシュに手が届く寸前――現実は残酷だった。
伸ばした手が、視界に突如割り込んできた足に踏みつけられる。

「ぎゃうっ!!」

 激痛に顔を歪めるフェイト。痛みを堪えて見上げると、トーレが冷ややかな目で自分を見下ろしていた。

「残念でした、フェイトお嬢様」

 突き飛ばされたことに対する怒りなど、一片も感じていない様子、
いや、むしろフェイトの抵抗を楽しんでいるようにさえ見える。もう片方の足でバルディッシュを蹴飛ばす。
甲高い金属音を立てて転がっていくバルディッシュ。派手に壁にぶち当たり、一際大きな音を立てた――のと同時だった。
フェイトが後ろからスカリエッティに両足を掴まれ、恐怖の叫び声を上げたのは。

「ひっ?!」
「くくくく……フェイト・テスタロッサ。今度は後ろから犯して欲しいという意思表示かな、その格好は」
「ち、違う!やめてぇ…っ!」

 バルディッシュを取り戻せなかった時点で、逆転の可能性は万が一にもなくなり――
そして、戦闘で打ち負かされたショック、憎むべき犯罪者に処女を散らされ、
よりによって子種を注がれてしまったショック、愛するエリオとキャロの凄惨な姿を見せつけられたショック……。
それらはフェイトから時空管理局執務官としての矜持を奪い、抵抗する気を失せさせるには十分すぎた。
こうなってしまっては、人間というものは脆い。

230 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:49:24 ID:gEOXYy8q
「…ぁ、ぁぁ……」

 三人がかりで腰を持ち上げられ、脚を開かされる。
後ろに向けて尻が突き出され、まるで尺取虫のような格好にされてしまう。
スカリエッティの目の前に、未だ裂け目から白濁色を垂れ流すフェイトの女性器が剥き出しになった。

「さて、それでは第2ラウンド開始と行こうか」

 腰に手を掛け、スカリエッティは勢いよく肉棒をフェイトの中に突っ込んだ。

 ずぶうぅぅぅぅ……

「!!はひぃっ?!やめぇぇ!あ、あ!あぁぁ?!ぃゃぁあぁぁあぁぁ――……!!」

 再度、秘裂を押し広げられ、灼熱の肉棒が圧倒的な圧迫感を伴ってフェイトの中に入ってくる。
その感覚に苦しげに呻くフェイト。一度射精を行ったにも関わらず、スカリエッティの肉棒はまるで硬度を失っていない。
膣内に残っている精液のおかげで、肉棒は滑らかに突き進み、やがて最奥に達する。
先端に、フェイトの子宮が当たる。

231 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:50:09 ID:gEOXYy8q
「いい格好だな、フェイト・テスタロッサ。クク、このほうが奥まで入る」
「ぅぁ、抜いてぇ……お願い、抜いてぇぇ……っ」

 フェイトの必死の懇願も、陵辱者たちを喜ばせる材料にしかならない。
ククク、とスカリエッティがいやらしい笑みを浮かべ、ピストン運動が開始された。
ぱん、ぱん!腰と腰がぶつかり合う小気味良い音に同調し、ひぃ、ひぃっという声がフェイトの口から漏れ出す。
肉棒が突き入れられるたびに、肉付きの良い尻が波打つように震え、結合部からは
赤みがかかった液体が淫らな水音を立てて床に飛び散る。
乱暴な突き上げに内臓が圧迫され、フェイトは吐き気を催した。徐々に加速するピストン運動。
バックからガンガン突き込まれる激しいセックスに、フェイトの精神回路が破綻寸前に追い込まれていく。

「ぐっ、ぇぇっ、たす、けぇぇ、っ!なのっ、はぁぁっ、はや、てぇ…っ!」
「出すぞ」
「だぁ、め゛ぇぇっ?!も、やめ、てえっ!」
「ダメだ。君が孕むまで出させてもらう」
「――っ?!あ、あ、いやああぁぁあぁぁ――――っ……!」

 残虐な笑みを浮かべながら、一気に最奥部までスカリエッティは肉棒を突き込む。
その身が、再度、爆ぜた。特濃の精液を胎内に浴びせかけられ、膣壁を灼かれる感覚にフェイトが絶叫する。
その絶叫は、次なる惨劇の幕開けでしかなく――床にへばりついた尺取虫のような格好から、
今度は四つん這いにさせられ、すぐに第3ラウンドが開始された。ぱん、ぱん!ぶちゅ、ぶぴゅっ!
肉音と水音の奏でる協奏曲がBGMとなり、レイプショーに彩りを添える。
助けて、誰かたすけて。苦しげに頭を振りたくるフェイト。

 ぱさっ

 ツインテールがほどけ、薄汚れた金髪が、蒸気して汗ばむ頬にパラリとかかる。
その隙間から覗くフェイトの表情は、ゾッとするほどの色香を醸し出していた。

(エリオ……キャ、ロ……)

 途切れ行く意識、壊れかけた心に、自分の愛する二人の子供のことが、浮かぶ。
それを最後に、ついにフェイトの思考は砕け散った。

232 :リリカルマジカル氏ねよおめーら・フェイト編 ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:51:13 ID:gEOXYy8q
 そして、どれほどの時が経っただろうか――

「ああ…んっ、はあっ、あ、あんっ!」

 苦痛はいつしか快楽へと変わり――フェイトは堕ちていた。

「くっ、はぁっ!あ、うっ、だめ、えぇ……!!」

 しかし、自身の口から漏れ出す声が、苦痛を帯びたものから快楽の喘ぎ声へと変わって
しまっていることに気がつく余裕など、当然、今のフェイトにありはしない。

「くぁんっ、ふぁっ、あ、ぁあっ、あ、あっ!」

 彼女は今、トーレとセッテに両脇を抱えられ、まるで幼児が大人に抱えられておしっこを
するときのような格好で持ち上げられている。秘裂はその下にそびえ立つ肉棒とドッキングし、
両脇の二人に身体を上下に揺り動かされることでピストン運動を強要されていた。

「はぁっ、うっあぁっあっ!ああぁぁ――――っ!」

 もはや締まりのなくなった口から涎を溢れさせながら、もう何度目かわからない最高点に到達するフェイト。

 どびゅびゅうっ
 びゅうぅっ
 びゅるるるっ

「――ぁぁっ?!あ、つぃ…ぃっ!……ッ!」

 一瞬遅れてやってきた、胎内をドロドロの粘液で一杯に満たされる感触に、再度フェイトの精神がスパークし、
視界がホワイトアウトする。もう彼女の頭からは、最後の理性すら失われ、愛するエリオとキャロのことも、
機動六課の仲間達のことも、自分がレイプされているということさえ、吹き飛んでしまっていた。
あるのはただ、肉の疼きという獣の本能のみ。津波のように何度も何度も襲い来る絶頂の波に、
たっぷりとした金色の髪を振り乱し、汗にまみれた一糸纏わぬ美しい裸体を弓なりに大きく仰け反らせ、
震わせ、嬌声を上げ続け――

「んぅ、はっ、あぁんっ!はあんっ、あぁんっ!――っ!!んはあぁぁぁぁぁ――……っ!」

 それが、ジェイル・スカリエッティのアジトに侵入した、時空管理局執務官、
フェイト・T・ハラオウンのあまりにも惨めな末路だった……。


BAD END

233 :ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/02/27(水) 17:53:07 ID:gEOXYy8q
前編 >>33 >>35-59
後編 >>221-232

 なんか自分で書いてて心も身体もズタズタにされていくフェイトちゃんが可哀想になってしまった……。
それにしてもスカリエッティは溜まり過ぎだろ、常識的に考えて……

 本当は他にも、ティアナがウェンディ達に敗れて「弱っ」「役立たずの局員」と嘲笑されながら陵辱されるとか、
スバルがギン姉のドリルでフィストファックされてGスポットをえぐられまくるとか、
nanohaさんがヴィヴィオとクアットロに敗れてガジェット姦された挙句、快楽の虜になって堕ちてしまうとか、
アイデア自体はたくさんあったんだが、

 フェイト編だけでこんなに長くなるんじゃ、とても全員分は書けねえ、と思って断念しますた orz 
根性なし?そう罵ってくれて構わんよ。でもまあ、あんまり長いとメリハリなくなるし、
どうしても同じような表現の使い回しになって、読むほうも飽きるかなと……。

では ノシ

234 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 17:58:49 ID:ykp6NTTw
エロオはルー子に逆レイプされてるかと思ってたのに!


235 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 17:58:57 ID:uFe+VCmw
痛い・・・

236 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 18:00:23 ID:voCGaHhE
ういGJ、たまにある陵辱はエロへのカンフル剤だなぁ

そのほかの面々も面白そうだが確かに似たような表現多くなる
その英断に敬意を表するッ!
溜まり過ぎスカwwwww
多分本編のスカだったら二回目で萎れてちょい〜ん・・・で
フェイトさんも流石に惨めに思ったか慰めてあげて・・・

あれ?エリキャロなければ純愛ルート?

237 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 18:06:47 ID:dmiw7JRm
エリオのところでチンコ痛くなった。でもGJ!!

他のメンバーもぜひ書いてくれ、根性無し!w

238 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 18:26:53 ID:5RTZvT3X


今までは陵辱とかも結構いけてたんだが、ここに来てからちょっと辛くなってきた。
なんでだろ?

239 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 18:31:50 ID:SYKlkS6Y
周りの女の反応がそれほどでもないからじゃない?
ウーノさんが見たら、どう思うんだろう………
T「アタマヒヤソウカー」となるのだろうか?

240 :B・A:2008/02/27(水) 18:43:43 ID:NU17sL5z
>>233
これは・・・・・何だか久々に本物の凌辱を見た気がする。いや、エリオのところは僕もきつかったですが。
けどGJ。他のメンバーのもみたいです。


僕の方は7時半〜8時くらいに投下できると思います。

241 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 18:47:41 ID:XCBuTfmV
>>108
亀レスすまそ
でもってGJ!!
「気を失って尚君臨するのか、ガリュー」
が思い浮かんだ俺は間違い無く不謹慎。
いや・・・・・だって・・・・ねぇ・・・・。

242 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 19:22:46 ID:T+orRGdr
>>233
いいね!Good Job!
長くてもいっこうに構わないぜ? 
投下ペース遅めでも待つから他のアイディアの具現も〜

243 :B・A:2008/02/27(水) 19:59:25 ID:NU17sL5z
ボチボチ投下します。


・20歳verエリオ×ルーテシア
・非エロ
・「Ritter von Lutecia」要読
・前作から10年後、故に捏造のオンパレード
・おっきなエリオキュン、ルー子、ヴィヴィオが見たくない人にはお勧めできません
・最終回だけに、お祭り騒ぎです。

244 :Nach dem eines Speerritters 最終話@:2008/02/27(水) 20:04:45 ID:NU17sL5z
控え室と呼ぶにはあまりに厳かな一室。奥行きは広く、天井も高い。照明は豪奢なシャンデリアだし、調度品も一級品だ。
その一角に置かれた鏡に自分の姿を映し、ルーテシアは嘆息した。

「ふぅ・・・・・」

彼女が着ているのは、肩と胸元が露出したウェディングドレスだ。造りはシンプルだが、要所要所に花を模した装飾が施されており、
それがルーテシアのお嬢様然とした容姿と相まって何とも言えない魅力を引き出している。もっとも、それを着ている本人は酷く窮屈そうな顔をしているが。

「奇麗よ、ルーテシア」

「本当・・・・」

「お姉ちゃん・・・・・本当に奇麗」

「うん、奇麗」

メガーヌ、フェイト、ヴィヴィオ、キャロが口を揃えて同じ感想を呟く。

「はは・・・・・ありがとう」

苦笑して、ちょっとだけ体を捻る。
一度試着しているとはいえ、やはりウェディングドレスというものは緊張する。
フォーマルな服装には慣れていたつもりだが、やはりこれは別格だ。
鼓動はいつもより早いし、気分も高揚している。

「それにしても、エリオくん遅いね。もうすぐ式が始まっちゃうよ」

時計を確認し、キャロがぼやく。
既に式の準備は整っており、招待客も全員着席している。ルーテシアの着替えも終わっており、後はエリオが来るのを待つだけだった。


245 :Nach dem eines Speerritters 最終話A:2008/02/27(水) 20:05:43 ID:NU17sL5z
「すみません、すみません・・・・・うちの息子が迷惑かけて」

「いいえ、フェイトさん。男の子にも色々ありますから」

「色々・・・・ね」

フェイトとメガーヌの言葉にヴィヴィオは乾いた笑みを浮かべた。
まさか、昨日の夜に全力全開の決闘をして寝坊したとは言えなかった。
一応、出かけの際に声はかけておいたし、起きる姿は確認しているので、こちらに向かっては来ていると思うが。

「ヴィヴィオ、何か心当たりでもあるの?」

「え? ううん、別に。どうしたんだろうね、お兄ちゃん」

キャロに話を振られ、慌ててヴィヴィオは首を振る。

(もう、早く来なさいよ、お兄ちゃん・・・・・・ん?)

ふとルーテシアを見ると、彼女はいつものように落ち着いた表情を浮かべていた。
新郎が遅刻しそうになっている状況で、その落ち着きはかなり異様に見えた。

「お姉ちゃん、心配じゃないの?」

「何が?」

「お兄ちゃん、まだ来ていないよ」

すると、ルーテシアはどこか不敵そうに微笑み、確信しているかのように言った。

「大丈夫、エリオは必ず来るよ・・・・・いつも、そうだったから」





246 :Nach dem eines Speerritters 最終話B:2008/02/27(水) 20:09:42 ID:NU17sL5z
そのエリオはというと、式場へ向かう途中で運悪く渋滞に引っかかっていた。

「動きそうですか?」

「どうだろうねぇ・・・・・どうも、この先で玉突き事故が起きたみたいで、動くのは当分先になると思うよ」

タクシーの運転手が呑気そうに言って、カーラジオのスイッチを入れる。
陽気な歌謡曲が却って焦燥感を煽り、エリオは落ち着きなく時計と窓の外を交互に見やった。
式の予定時刻まで後30分強。ヴィヴィオに叩き起こされたのが2時間前、シャワーを浴びて身嗜みを整えるのに15分、
食事は着替えながらチューブゼリーを流し込んだ。それだけなら十分間に合うはずだったのだが、出かけようとした瞬間、
突然右腕の義手が動かなくなった。どうやら、昨日のガリューとの決闘のせいで内部機構がやられてしまったらしい。
急遽Uターンして技術部の門を叩いたが、戦闘機人について詳しい人間がいなかったため、寮に引き返して非番だった
スタッフを叩き起こしたのが1時間半前、寝起きで機嫌の悪いそいつを宥めて煽てて診察を受けたのが1時間前、
神経系がイカレテいるので修復するには腕を交換しなければならず、その手術には1日かかると診断されたのが40分前、
それでは式に間に合わないから、不格好でも動けるように応急修理を頼んだのが35分前、そして応急修理を終え、
通りを走るタクシーを捕まえたのがつい10分前のことだ。

「すみません、ここで降ろしてください」

「え、いいの?」

「はい! 釣りはいいですから!」

このままでは遅刻してしまう。
懐から取り出した紙幣を運転手に握らせ、周りに人がいないかを確認してタクシーから飛び降りる。
刹那、用意していた術式を開放した。

『Sonic Move』

雷光と化したエリオが人の波をかき分けて疾走する。
ガードレールを飛び越え、赤信号はタイミングを計って横断、表通りは人混みが多いので裏道に飛び込み、
路地裏を右へ左へ駆け抜けて再び表通りに出る。

(ああ・・・・転送魔法を覚えておくんだった)

行く手を阻む幼稚園児の行進を恨めしく見つめながら、エリオは思う。
今度、ルーテシアに習った方が良いかもしれない。

(!?)

再び疾走を開始したエリオは、不意に横をすれ違った2人に気を取られて足を止めた。
赤い髪の少年と紫の髪の少女。兄妹なのか単に仲が良い友人なのかはわからないが、2人は仲良く手を握ったまま、並んで歩いている。
その光景に、エリオは懐かしさを覚えた。10年前、先の見えない暗闇の中をルーテシアとともに逃げ回った時も、ああして手を繋いだものだ。
その時、少女が石に躓いてバランスを崩した。慌ててエリオは加速魔法を発動させようとするが、それよりも早く、少年が空いている手で少女の体を支えた。
そうしながらも、繋いだ手は決して放そうとしない。
やがて、2人は何事もなかったかのように歩きだし、人混みの中へ消えていった。通りを歩く人々は、誰もあの2人のことを注視しなかった。
まるで、2人は最初からそこにはおらず、エリオだけが見た幻であるかのように。
それでも、気付けばエリオは2人が消えた人混みに向かって言っていた。

「その娘を守りたかったら、その手は絶対に放すなよ、少年」





247 :Nach dem eines Speerritters 最終話C:2008/02/27(水) 20:12:40 ID:NU17sL5z
「遅いね、エリオ」

「まったく、こんな大事な日に何しているんだか」

隣に座るスバルの言葉に、ティアナは苛立たしげに同意した。その隣ではヴァイスがエリオの携帯電話に連絡を入れているようだが、
留守番電話に切り替わってしまい、指を叩きつけるように電源を切って懐にしまった。

「すみませんすみませんすみません」

「フェ、フェイトちゃーん、そんなに頭振ったら、呼吸器のチューブが外れるからぁっ」

「なのは、やっぱり僕が迎えに行った方が早いんじゃ・・・・」

「けど、どこにいるかがわからないと・・・・・」

今回、仲人を依頼されたなのはとユーノも途方に暮れていた。他の面子もエリオの性格は知っているので大人しく着席してはいるが、
全員が何かあったのかと不安そうな顔をしていた。
その時、式場の扉が勢いよく開いて、タキシード姿の青年が飛び込んできた。

「すみません、遅くなりました!」

「・・!!!」

そこにいた全員がグルッと首を回し、その場に現れた青年を凝視する。ホラー染みた光景に、エリオは思わず息を飲んだ。

「あれ・・・・・ここ、結婚式場ですよね?」

「そうだよ。ほら、さっさと定位置につく!」

いつの間に回り込んだのか、ヴィヴィオがエリオのお尻を思いっきり蹴り飛ばした。ヒールが刺さって少し痛い。
痣がつかないか心配しながら、エリオはバージンロードの真ん中に立った。待ちわびたオルガンの音が響き、
エリオの登場で騒がしくなっていた場内がシンと静まり返る。
やがて、エリオが駆け込んだ扉が軋むような音とともに開き、純白のウェディングドレスに身を包んだルーテシアが現れた。
思わず目を奪われた。
彼女のことはどこまでも熟知しているつもりだった。だが、目の前にいる彼女は自分が知るルーテシアよりもずっと奇麗で、可憐だ。


248 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:15:48 ID:wNjfYpL/
支援

249 :Nach dem eines Speerritters 最終話D:2008/02/27(水) 20:16:36 ID:NU17sL5z
「エリオ」

どこか咎めるように、呆れるようにルーテシアは彼の名を呼ぶ。

「ごめん、遅くなって」

「けど、来てくれたよね。走ってきたの?」

「途中までは・・・・・後は、ヒッチハイクで」

腕を組み、バージンロードを歩く。招待客の女性が羨ましげにルーテシアを見つめ、男性は喜び半分悔しさ半分といった表情でエリオを睨んでいた。
そんな視線もエリオは気にならなかった。彼の眼には、もうルーテシアしか映っていない。

「奇麗だ」

「・・・・・・ありがとう」

祭壇の前に辿り着くと、オルガンの曲が終わった。
祭壇に立つ神父が厳かな声で式の始まりを告げ、手にした聖書を読み上げる。
神父の言葉を半分聞き流しながら、エリオはチラリと横に立つルーテシアを見下ろした。
ショールに隠れて表情は伺えないが、少し緊張しているのか肩が強張っていた。
不意に、今日まで起きた様々な出来事が脳裏に浮かぶ。
下水道での出会い、廃棄都市区画での戦闘、燃える旧六課隊舎を背にした戦い、ゆりかごの浮上、管理局からの離反、過酷な逃亡生活、
身も心も引き裂かれるような友との死闘、師匠との決闘、母の抱擁、ストラーダの思い、暴走するレリックに飲み込まれたルーテシア、
彼女を救うために駆けつけた頼もしき仲間たち、病院での別れ、10年ごしの再会、ルーテシアの妊娠、苦悩、スカリエッティを模した機械との遭遇、
ハラオウンという新しい姓、母から受け継いだバルディッシュ、ルーテシアと過ごした幸せな時間、ガリューとの命を賭けた決闘。
色々なことがあった。そして、これだけのことがあったから、今の自分がいるのだ。
その事実を噛みしめ、エリオは今日まで出会った全ての人に感謝した。
やがて、挙式は誓いの言葉へと移った。


250 :Nach dem eines Speerritters 最終話E:2008/02/27(水) 20:18:48 ID:NU17sL5z
「新郎エリオ・M・ハラオウン」

呼びかける神父の言葉で、エリオの思考は現実へと戻った。

「あなたはルーテシア・アルピーノを妻とし、その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、
貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

「誓います」

迷う道理はなかった。
命ある限りなんてケチ臭いことは言わない。死のうが生まれ変わろうが、この魂が在り続ける限りルーテシアを守り抜こう。

「新婦ルーテシア・アルピーノ」

今度はルーテシアに向きなおり、同じ質問を投げかける。

「あなたはエリオ・M・ハラオウンを夫とし、その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、
貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

「誓います」

少しだけ上ずった声で。しかし、確かな響きを持って答える。
2人の宣言に、神父は満足そうに頷いた。
そして、指輪の交換もつつがなく終わり、とうとうあの瞬間がやってきた。

「では、誓いの口づけを」

ほんの少しではあるが、心臓が跳ね上がった気がした。
駆け足気味な鼓動を宥め、平静を装いながらルーテシアのショールを上げる。
うっすらと化粧をしたルーテシアの顔を見て、不覚にも見惚れてしまう。
堪えるなんて無理だ。可能ならば、今すぐにでも彼女が欲しい。

「エリオ?」

様子がおかしい新郎に、ルーテシアは怪訝そうに首を傾げる。その一言で、エリオは我に返った。

「なんでもないよ」

愛しい人の肩を抱き、潤んだ瞳をジッと見つめる。
時さえも停止してしまったかのような静寂に見守られながら、エリオは薄く色づいたルーテシアの唇にそっと自分の唇を重ねた。
守り抜こう。
何があっても側にいよう。
ご託なんていらない。
ただ一言、これだけあれば十分だ。

「愛しているよ、ルーテシア」

「私も愛している・・・・エリオ」





251 :Nach dem eines Speerritters 最終話F:2008/02/27(水) 20:24:48 ID:NU17sL5z
招待客たちに拍手で迎えられながら、2人はバージンロードを歩く。
この後は披露宴が待っているのだが、それよりも前にやらねばならないことがある。
そのために、式場はホテルの中庭に造られているのだ。

「ほら、ブーケ・トスだよ、ルー」

「う、うん」

花嫁が放り投げたブーケを見事掴んだ女性は、次に結婚できるという習わしだ。それを期待してか、
既に多くの女性が互いに牽制しあいながら、ブーケを投げられる瞬間を今か今かと待ちわびている。
その気迫にやや押されながら、ルーテシアは彼女たちに背を向けた。

「いくよ・・・・・・えいっ!」

ふわりと、ブーケが弧を描く。些か投げる力が強すぎたのか、大暴投だった。
次の瞬間、中庭は地獄へと変わった。
最初に動いたのはウェンディだった。いったいどこから取り出したのか、愛用のライディングボードで落下していくブーケに向かって飛び出したのだ。

「へっへーん! 次の花嫁は頂きっス!」

「てめっ・・・・待て、ウェンディ!」

一拍遅れて、ノーヴェがエアライナーで追走する。こちらもいつの間に履き替えたのか、ジェットエッジを装着していた。

「抜け駆けなんてさせねぇぞ!」

「ノーヴェにはゲンヤさんがいるじゃないっスか!」

「何でそこで親父が出てくるんだよ!」

「いつだったか、プレゼントするネクタイは何色が良いかってギンガ先生に相談してたそうじゃないっスか」

「あれは、父の日だぁっ!」

絶叫し、ノーヴェはガンナックルを構える。その瞬間、オットーのレイストームが疾走する2人を焼き払った。

「よし、目標沈黙・・・・・・何をするんだい、ディード?」

首筋に突きつけられたツインブレイズの刃を見て、オットーは背後のディードに言った。

「私も・・・・結婚したいから」

「だからって、双子の姉妹にこの仕打ちは・・・・・・・」

オットーがぼやいたその時、遙か後方でテンプレートが光輝いた。


252 :Nach dem eines Speerritters 最終話G:2008/02/27(水) 20:26:55 ID:NU17sL5z
「IS・・ヘヴィバレル・・・・・・・」

弾丸を非殺傷設定にセレクトし、ターゲットスコープ内で組みあっているオットーとディードを狙う。
だが、発射の寸前、彼女の足下にナイフが突き刺さり、それが爆発を起こした。

「くっ・・・・」

「姉を差し置いて結婚しようとは、中々度胸の据わった妹たちだ」

スティンガーを弄びながらチンクはディエチと睨みあう。

「だいたい、お前はまず止める側に入るべきだろう」

「止めようとした」

「嘘をつけ。制圧射撃で昏倒させ、その隙にブーケを取りに行こうとしていたではないか」

「・・・・・・・・・・・」

「その間が何よりの証明だ」

「IS、ヘヴィバレル」

「なっ、姉と戦うというのか!」

ディエチの砲撃とチンクの投擲が同時に放たれ、互いの背後で爆発が起きる。
そんなやり取りを尻目に、セインはディープダイバーを使って地面に落下したブーケを目指していた。

(ふっふっふっ、地面に潜れば誰にも気づかれない・・・・完璧な作戦だ。もうアホの子なんて言わせないよ)

もちろん、そんな思惑は彼女にお見通しだった。


253 :Nach dem eines Speerritters 最終話H:2008/02/27(水) 20:28:35 ID:NU17sL5z
「烈風一陣!」

轟音を上げて、シャッハは地面ごとセインを吹き飛ばした。その横を、カリム・グラシアが優雅に通り過ぎていく。

「ご苦労さまです、シャッハ」

「は、はい・・・・」

大人気ない主の所業に、シャッハは泣きたくなった。そんな彼女の嘆きなど露にも気づかず、カリムは色鮮やかなブーケに手を伸ばす。
瞬間、彼女の胸から滑らかな真白の腕が飛び出し、カリムはショックで地面の上に倒れこんだ。

「がはっ!?」

「いけない、失敗しちゃったぁ」

思いっきりわざとやっておきながら、シャマルはいけしゃあしゃあと言い切った。
これで次の花嫁は私の番、と勝ち誇った笑みを浮かべる。当然のことながら、それは3秒天下で終わった。

「シャマル・・・・・ちょいおいで」

「はっ・・・・はやてちゃん!?」

「私よりも早く結婚したいなんて・・・・いつからそんな気の利かん娘になったのかなぁ?」

「そそそそそれは・・・・・シグナム!」

「無理だ、諦めろ」

「ヴィータちゃん、ザフィーラ!」

「右に同じ」

「すまんな、シャマル」

「死刑確定ですぅ」

「いやぁぁぁぁっ!!」


254 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:30:15 ID:Ls/ck96a
支援

255 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:31:00 ID:SNLT3hy2
支援

256 :Nach dem eines Speerritters 最終話I:2008/02/27(水) 20:32:45 ID:NU17sL5z
あっちで爆音が上がり、こっちで悲鳴が轟く。阿鼻叫喚の地獄絵図に、ゲンヤは思わず傍らの娘を見た。

「ギンガ、おめぇは参加しないのか?」

「いいえ、まだ結婚する気はありませんから」

その瞬間、隣にいた六課課長が屍になったが、ギンガがそれに気づくことはなかった。
あまりに無秩序な光景に、仲人の2人は唖然と突っ立っていた。クロノとエイミィもお手上げだと肩を竦め、
フェイトとメガーヌもおろおろと首を振っている。

「あの・・・・みなさん、この後は披露宴が・・・・・・」

「そんなんじゃダメだよ、フェイトママ。こういう時はね・・・・・」

そう言って、ヴィヴィオはレイジングハートを起動させた。
同時に、彼女の足下にミッド式魔法陣が展開し、杖の先端に虹色の光が収束していく。

「Starlight Breaker. stand by ready」

「みんな。少し・・・・・・頭冷やそうか?」

ヴィヴィオの言葉に、暴れていた全員がピタリと動きを止めた。
その隙にフリードがブーケを掴んで飛びあがり、キャロの手の中にポンとそれを落とす。

「あっ・・・・・・」

突然、手の中に落ちてきたブーケをマジマジと見つめる。
呆然と立ち尽くすキャロに、スバルとティアナは祝福の言葉を述べた。

「おめでとう、キャロ」

「次はあんたが花嫁ね。まったく、また年下に先を越されちゃうなぁ・・・・」

「う、なんで俺を見るんだよ」

ティアナの意味深な視線に耐えられず、ヴァイスはそっぽを向いた。
ここに来てようやく自分が手にしたものの意味を察したキャロは、耳まで真っ赤にしてあたふたと首を振る。
だが、仲睦まじく寄り添い合う新郎新婦を見て、キャロは決意するように頷いた。

「はい! わたし、頑張ります!」





257 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:37:45 ID:wNjfYpL/
支援します

258 :Nach dem eines Speerritters 最終話J:2008/02/27(水) 20:39:56 ID:NU17sL5z
騒々しいブーケ争奪戦をどこか楽しそうに見つめていたルーテシアの肩を、エリオはそっと抱き寄せた。
ルーテシアは一瞬だけ驚いたように身を固くしたかと思うと、すぐに緊張を解いてエリオの肩に自分の首を預ける。

「楽しそうだね」

「うん・・・・・こんな風に笑える日が来るなんて、思わなかった」

「ははっ・・・・確かに、出あったばかりの頃じゃ想像もできなかったね」

10年前の無感情なルーテシアを思い出し、エリオは苦笑する。
ルーテシアは思う。
エリオと会えて良かった。
彼と出会えたから、日常がこんなにも楽しいと思えるようになった。
彼と出会えたから、世界がこんなにも素晴らしく見えるようになった。

(ゼスト・・・・私、幸せだよ)

今はもういない、親代わりだった騎士を思う。
彼は喜んでくれているだろうか?
あの空の上で、笑ってくれているだろうか?

「ルー?」

気づけば、涙が流れていた。そっと指で流れた雫を拭い、心配そうに見つめるエリオを見上げる。

「何でもないよ・・・・・・エリオ、私に心をくれて、ありがとう」

互いに向き直り、再び唇を重ねる。
背後で歓声と冷やかしの声が上がったが、そんなものは気にならなかった。
見せつけてやれば良い。自分たちは、こんなにも幸せだと。

「エリオ・・・・・私、幸せよ」

「僕もだよ・・・・・ルー」





259 :Nach dem eines Speerritters 最終話K:2008/02/27(水) 20:42:46 ID:NU17sL5z
半年後。

「ルー、僕のネクタイどこだっけ?」

「それなら、アイロン台の上に・・・・・あぁあっ、お鍋が吹いたぁっ!」

「蓋! 蓋開けて火を消して・・・・って、なんで換気扇点けてないの!? ガス漏れしたらどうする気!?」

「ごめんなさい・・・・・・うぅ、化粧が決まらない。ねぇ、ルージュの色おかしくない?」

「大丈夫、今日も奇麗だよ」

「ありがとう・・・・あぁぁ、ゴミ出しの時間がぁっ!」

「出かけに僕がやっとくから、ルーも早く支度して!」

ドタバタと駆け回る音に、ベビーベッドの上で眠っていた赤ん坊がぐずりだす。だが、出勤準備に追われる両親はそれに気づかなかった。
今日は機動六課準備室が試験運用期間を終え、正式に遺失物管理部の一部署として発足する記念すべき日であった。
エリオとルーテシアも当然のことながら発足式には出席せねばならないのだが、運悪く寝坊してしまったため、こうして朝っぱらから上へ下への大騒ぎを起こしているのである。

「もう、エリオが遅くまで寝かせてくれなかったからだよ!」

「なっ、君だって散々楽しんだじゃないか! むしろ最後の方は嫌がる僕を無理やりに・・・・・・」

「先に誘ったのはそっちでしょ!」

両親に構ってもらえず、とうとう赤ん坊が泣きだしてしまう。見かねたガリューが赤ん坊を抱きかかえ、
泣き止まそうと試みるが、どう見ても化け物にしか見えないその姿を見て赤ん坊は余計に泣きだしてしまった。

「・・・!・・・・・・!!!」

ふと思いつき、エリオやルーテシアを真似ていないいないばあをやってみた。すると、赤ん坊は目を見開いて
ガリューを見上げたかと思うと、さっきよりも激しく手足をバタつかせて暴れ出した。却って逆効果だった。


260 :Nach dem eines Speerritters 最終話L:2008/02/27(水) 20:46:50 ID:NU17sL5z
「・・・・・・」

「貸して、ガリュー。はいはい、どうしたんでちゅかぁ?」

傷つき、落ち込むガリューから我が子を取り上げ、上下に揺すりながら話しかける。
たちまち、赤ん坊は泣き止んで天使のような微笑みを見せてくれた。

「ふふっ、可愛いなあ、アリシアは」

身支度を整えたエリオが愛娘の頬を撫でると、アリシアはくすぐったそうに身を捩った。つられて、2人の頬も緩んでいく。
不思議なことに、アリシアの髪の色は両親に似ずに金色で、瞳はルビーのように赤かった。遺伝上は確かに2人の子どものはずなのだが、
両親の身体的特徴はまったく受け継がなかったのである。そして、孫と対面したフェイトはその子を一目見て、こう言ったのだ。
「この子の名前は、アリシアだ」と。2人はその名が持つ意味を知らなかったが、耳にした時の響きが良いし、何より尊敬する母が
つけてくれた名前であったため、快くその名を頂戴することにした。

「エリオ、そろそろ時間・・・・・」

「あぁ、そうだった・・・・・えっと、今日は燃えるゴミの日だっけ?」

「うん、黒い袋の方。私もアリシアを託児所に預けたら、すぐに行くから」

「向こうで待っているよ、ルーテシア隊長」

軽くルーテシアと唇を重ねた後、エリオは自宅を飛び出した。
廊下を疾走し、エレベーターは降りてしまっていたので階段を駆け降りる。そして、すれ違いざまに管理人と挨拶を交わし、
ゴミ捨て場に持参した黒い袋を放り投げてからタクシーを拾うために表の通りへ向かう。

「いってらっしゃい、エリオ!」

途中、ルーテシアの声が聞こえてエリオは振り返った。見上げると、ベランダでルーテシアが
アリシアの手を取ってこちらに手を振っている。思わず顔が綻び、エリオは鞄を片手に大きく手を振った。

「いってきます、ルー、アリシア!」

愛する妻と娘に見送られながら、エリオは駆けだした。
明日に向かって。
希望という名の未来を目指して。
始まりの鼓動を、その胸に感じながら。

                                             fin


261 :B・A:2008/02/27(水) 20:52:51 ID:NU17sL5z
以上です。
長かったぁ。途中、この連載ではかなり浮いているお祭り騒ぎを挟んだけど、大丈夫かなぁ?
これでもかってくらいシリアスぶち壊しちゃったけど、気を悪くしている人がいたなら謝りますorz
ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございます。連載はこれにて終了です。
支援もありがとうございました。


もう長いことエロを書いていないので、次はエロ書くと思います。
順当にいけばフェイト、もしくは年少組で。大穴でセッテ・・・・は無理だろうなぁ。

262 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:54:14 ID:/9aECg3P
ぬおお!!感動した!!GJ!!
完結お疲れさまでした!次回作も楽しみに待ってます!

263 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:54:53 ID:vkz3jyam
何よりもまず盛大なるGJを!!
素晴らしい話でした
山あり谷ありで様々な展開を乗り越えての結婚式
ぶっちゃけ本編よりもいい話だったなぁなどど感慨深く感じつつ

いないいないばぁをするガリューで全て持っていかれたーー

新ジャンル キシャー萌え か……

264 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:56:55 ID:UVHFZz2y
嗚呼、我思幸福也。
最終回投下、お疲れさまです。皆が幸せになる未来って良いものですね。
これからの三人の人生に幸あれ。



………………ところで、キャロがブーケを受け取ったのは伏線ですよね? そうだと言ってよバー(ry

265 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:57:12 ID:orucmXuU
キャロの相手は誰だ
エリオと不倫とかフリードと竜姦とかサイズ違いのヴォルテールとかは義母さんが多分許しませんよ

ガリュー?
それならまだ何とか…

ともあれGJ
やはりエンドマークが出ると途中の紆余曲折が思い出されて感慨深い


266 :B・A:2008/02/27(水) 20:57:13 ID:NU17sL5z
そして、余韻をぶち壊すように誤字発見。

>>256のI、レイジングハートの台詞

>「Starlight Breaker. stand by ready」 ×
>『Starlight Breaker. stand by ready』 ○

保管の際は、訂正をお願いします。

267 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:57:14 ID:gEOXYy8q
お疲れ様です。読みごたえありました。

フェイトがおばあちゃんに…… orz

268 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:58:27 ID:vkz3jyam
>>261
むしろお祭り騒ぎが良かった
辛い展開、暗い展開を乗り越えて
その最期をハッピーエンドで締めようっていうなら
こういうお祭り騒ぎの方が気持ちいい

269 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:03:27 ID:wNjfYpL/
B・A氏
リアルタイムGJです。
暖かい気持ちで読ませていただけました。
お祭り騒ぎについては問題ないと思いますよ。
六課らしくて良いかと

シャマルさんとカリム自重w
しかし、それよりも衝撃だったのがガリューのいないいないばぁ〜
思わずニヤリとしてしまいました。

そしてエリオとルーにはこれからも幸せな日々を過ごしてほしい
望むのはそれだけです

次回作はエロということで楽しみにしています。
フェイトさんなら寿命に縛られない幸せエロをできれば見たいです。

長い感想になりましたが、素晴らしいSSをありがとうございました。
B・A氏の小説は大好きです。

270 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:03:44 ID:FVWpoJH5
GJ!
紆余曲折して結ばれた幸せ一杯な二人、自然と頬が緩む緩む
だがガリューの子守が、一番和んだのは秘密だww
エロを書き始めるのならば、ぜひ二人の愛の営みを!
次の投下も期待しています!

271 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:13:22 ID:Sf2GsaO9
>261
乙!
時に、世の中には“ガータートス”なるイベントが……

【灰になった】

272 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:23:48 ID:QrL+UuPN
>>261
GJです! 長らく連載お疲れ様です。
随分楽しませて頂きました。次回作も楽しみにしています!


273 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:45:59 ID:RTiFr7a+
>>261
GJです!そして今までお疲れ様でした。
次回作期待していいですよね?

274 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 22:12:20 ID:8AyrhFwn
>>233
超GJですわ。
読み進んでゆくうちにおちんかちんになってしまいました><

275 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 22:20:13 ID:EY/95PnS
B・A氏、GJです!!

感動しました。・゚・(ノД`)・゚・。
まるで新年に買いたてのパンツを履いたような、そんなスガスガしさがこみあげてきます。






あとはアニメ化を待つだけですねッッ!!

276 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 22:29:24 ID:4othGXn7
>>261
GJ!!&完結乙お疲れ様でした。
今まで萌えさせてもらったり、燃えさせてもらったり本当に色々とお世話になりました。
エリオとルーの未来に幸あれと心から祝福できるほど、のめりこみました。
やっとたどりついた結婚式・・・ルーのために管理局を裏切ってから本当に長かった
これからは二人とそして子供に幸せな未来があること信じています
まあエリオ、キャロとなら浮気も許しても(ry
・・・エロなら自分も夫婦二人の営みをみてみたいっす

277 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 23:17:37 ID:GPhoTq3K
>>261
GJです! やっと、やっっっっと最高のハッピーエンドに辿り着いた!!!
もう逃避行の最中なんて下手したらヤバイ終わり方するんじゃないかと冷や冷やしていたが、見事に幸福なゴールに到達できて俺感動です。

エリオ主体のSSとしては最高の作品だと胸を張って言い切れる良作でした、面白いSSを読ませていただきありがとうございます。

278 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 23:47:41 ID:729UZCAn
>>261
完結乙
途中設定やキャラの行動に疑問を持ったりしましたが
お話だしこれはこれで良いですね。

279 :26-111:2008/02/27(水) 23:58:34 ID:Rc0iFhIp
>>B・A氏
連載お疲れ様でした。そして完結おめでとうございます
長らく楽しませていただきました・・・ガリューにときめいたのはきっと私だけじゃない筈・・・
フェイトさんやキャロのその後を番外編的に描いて欲しいなー。などと思っております
ともあれ、無事完結。お見事でした



そして、保管庫より業務連絡です
52スレの保管作業が完了しました。執筆陣諸兄は確認をお願いします

46スレで、保管作業が追い付いた時は、一週間に一度の「お勤め」だった筈なのですが、
50スレを境に、「お勤め」は一週間に二回になりましたとです・・・うん、私が言えるのは一言だけですね

「もっとやれ」

それでは、失礼します

280 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 00:04:04 ID:60KswBHQ
>>279
おつー
しかし52スレはあまりに速くて、
感想つけるのも追いつかなかった記憶が。

281 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 00:26:21 ID:VcmJjBo9
>>261
GJ、俺…遅れそうになるシーンでジェットマン最終話を思い浮かべてたYO

282 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 00:26:59 ID:KlGq/4ov
>>281
ド鬱話になるYO

283 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 00:28:54 ID:FWflSexG
また古いネタを

284 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 00:36:04 ID:HTAOC5EM
戦記エロパロスレにナンバーズネタを投下したやつ、続きも書けよw

285 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 00:37:24 ID:BOEEUDog
>>283

ちょ、そのIDは

286 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 00:38:41 ID:JDQmHINA
>>261
超GJです!
はじめからリアルタイムで読ませてもらいました。

自分の中では、もうこれがstsの3クールと4クールでOKだと思います。
次回作も期待しています。

287 : ◆6BmcNJgox2 :2008/02/28(木) 00:40:13 ID:W5gShDBQ
>>279
乙です。

こんな夜遅くですけど投下させて頂きます。

・先の「歳の差なんて関係ねぇ!」を投下した後で、
>さて、なのは(二世)の活躍に期待しつつ、ヴィヴィオのママっぷりがでる
>アフタストーリーを見てみたいな
って反響があったのを見て、思い切って続編作っちゃいました
・ユーノとの結婚を目前に控えたなのはが突然事故死して、ショックでユーノは
無限書庫に引きこもるけど、十数年後に美しく成長したヴィヴィオがユーノの前に
現れ、色々あって二人はゴールイン。二人の間に生まれた子供はなのはと命名される。
それから五年後…って感じの前提
・で、ユーノとヴィヴィオの間に生まれた子供の存在を知ったスカリエッティとクアットロが
新たなる聖王計画を思い付いてしまうお話
・大人…と言うかヴィヴィオママいやんって人は注意
・前述の理由によりヴィヴィオのキャラは壮絶に変わってます
・微エロ(直接行為に至る事は無いけど淫語とかは出て来るから)
・オリキャラ登場
・JS事件失敗の影響で性格が捻じ曲がったのか、スカリエッティとクアットロの
キャラ崩壊が激しいですスマソセン(小悪党臭がしたり、ロリコン化してたりとか)
・高町の方のなのはと名前が被って紛らわしいのでユーノ×ヴィヴィオの子供の方のなのはは
ナレーションの部分では『なのはjr』と表記する事にします(会話では普通になのは)
・リンディさんが未だに老けないネタキャラと化してます注意
・また前後編と言う事で

では前編行きます

288 :新たなる聖王計画 1 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/28(木) 00:41:43 ID:W5gShDBQ
かつてユーノ=スクライアは高町なのはと結ばれるはずであった。
しかし、結婚を目前に控えた最中、なのはは突然訓練中の事故によって亡くなってしまったのだ。
それによって受けたユーノのショックは計り知れない。以来ユーノは無限書庫に引きこもる様になった。
それから十数年後、三十五歳になっていたユーノの前に突如一人の美しい女性が現れる。
彼女の正体はなのはの娘であった高町ヴィヴィオであった。かつては小さな幼子であった彼女も
十数年の時を経て二十歳の美しい女性へ姿を変えており、またユーノをなのはと結婚するはずだった
相手としてでは無く、一人の男性として愛していた彼女はユーノにアプローチをかける。
それにはユーノも最初の頃は迷惑していたが、付き合っていく中で徐々に失われた明るさを
取り戻して行き、なのはの娘としてでは無く、一人の女性としてのヴィヴィオを愛する様になった。
間も無くして二人はおよそ十五の歳の差も物ともせずにゴールイン。翌年には可愛らしい女の子を
授かる事となった。そしてその子供にはユーノの幼馴染…かつての婚約者…今では義母であり…
またヴィヴィオの母親でもある『なのは』と同じ名前を与えられた。
根拠は無いが…二人はある事を予感していたのだ。この子供はただ単純に二人の子供と言うワケでは無く、
かつて亡くなったなのはがユーノとヴィヴィオの子として生まれ変わって来たのでは無いか?
そう言った想いを込めて…二人はその子供に『なのは』と命名し、またなのはの遺品であった
レイジングハートを託した。そこからさらに…………五年の歳月が流れた。

なのはjrは五歳になっていた。ヴィヴィオと同じ金髪と、赤と緑のオッドアイを持っていた彼女は
母親似である事が分かる。しかし髪型は違う。長い髪を左右にリボンで結んだ姿は
ヴィヴィオの母親であり…この子の祖母でもある高町なのはの少女時代を連想させる物だった。

「いただきま〜す。」
平和な食事時。父も母も平日は忙しいが、今日は休日。親子三人揃っての昼食を楽しんでいたが…
「あ、なのはちゃんとピーマン食べないとダメでしょ?」
「いや〜苦いの嫌〜い。」
なのはjrがピーマンだけを残していた事に気付いたヴィヴィオは注意し、なのはjrは泣きそうになっていた。
「別に良いじゃないか…嫌な物を無理矢理食べさせる方が身体に毒だと思うよ僕は。」
「貴方! もうこの子を甘やかしちゃダメですよ!」
「そ…そんな怒らなくても…。」

289 :新たなる聖王計画 2 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/28(木) 00:42:21 ID:W5gShDBQ
ヴィヴィオは、幼き日の自分に対する今は亡き母なのはがそうであった様に、
優しさの中にも厳しさのある育て方をなのはjrにしていたのだが、父ユーノとしては
そこそこ歳を取ってから出来た子供であるが故、どうにもなのはjrを甘やかす傾向にあった。
こうして双方の育て方の方針の違いが原因で喧嘩する事も度々あったりしたのだが…
管理局員としてはユーノの方が遥かに地位が上でも、家の中ではどうにもヴィヴィオに
頭が上がらず結局ユーノが負けてしまう事が多かった。
「で…でもお茶で流し込む位は許してあげても良いだろう?」
「仕方ありませんね。なのは、お茶で流し込んでも良いからピーマン絶対全部食べるんですよ?」
「ハ〜イ…。」
なのはjrは目に涙を浮かべながらも渋々鼻を摘み、口へ放り込んだピーマンを
お茶で一気に流し込む方法で対処していた。細かく刻まれているとは言え、ピーマンが
喉を通って行くと言うのは心地悪い物であり、なのはjrの表情は晴れなかった。
しかし、それでもしっかりピーマン全てを食べ終えたなのはjrをヴィヴィオは
笑顔で抱き上げるのである。
「ハ〜イ! 良く出来ました! 良い子よなのは!」
「ママありがとう〜。」
喜ぶなのはjrに、ヴィヴィオは抱っこしたまま優しく話しかけた。
「あのね、なのは…ママも昔はピーマン大嫌いだったんだよ。」
「え? ママ本当なの?」
「本当。でも…お母さん…つまりなのはのお祖母ちゃんが応援してくれたから…
ママもピーマン食べられるようになったんだよ。だから、なのはも今はお茶で流し込んでも
良いから…何時かはピーマン普通に食べられるようになろうね?」
「うん…なのは…頑張ってみるよ…。」
ヴィヴィオは厳しい時は厳しいが…優しい所は優しい。なのはjrは厳しいヴィヴィオママに
怯える事も多々あったが、同時に優しくもあるヴィヴィオママが大好きだった。
と、この様に飴とムチのバランスの取れた環境でなのはjrは平和に育っていた。

290 :新たなる聖王計画 3 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/28(木) 00:43:21 ID:W5gShDBQ
さて、その頃時空管理局系列のとある刑務所内では、かつてJS事件を起こすも
失敗して逮捕されたジェイル=スカリエッティの姿があった。しかし受刑者とは言え
スカリエッティは牢獄の中では無く、各種コンピューターや工具等が置かれた
一種の研究室と呼べる場所にいた。時空犯罪者とは言え、同時に優秀な科学者である
スカリエッティの頭脳は管理局としても腐らせるには勿体無い物であり、
懲役代わりにスカリエッティへ技術の平和利用への研究を課していたのであった。
故に、JS事件からおよそ二十年の時が経過した現在もスカリエッティは
ガジェットをベースにした土木作業機械等の設計開発なんかをやらされていたのだ。

「ふ〜…たまには兵器開発なんかもして見たいな〜。」
休憩時間中に新聞を読みながらそう呟いていたスカリエッティだが…そこで一人の女性が現れる。
それはかつてJS事件の際にスカリエッティの尖兵として活躍した戦闘機人の一人、クアットロだった。
彼女も当然のごとく逮捕され、この刑務所の中にいたりしたのであった。
「ドクター! 何やってるんですかぁ!?」
「何って…新聞読んでるんだよ。」
馬鹿正直に答えるスカリエッティにクアットロは呆れて額に手を当てていた。
「ドクター…こんな生活何時まで続けるんですか…?」
「何時って…何時までだろうね?」
のん気に答えるスカリエッティにクアットロはますます呆れる。
「ドクター…もうあれから二十年も経つんですよ。いい加減こんな所は脱獄して…
管理局に一泡吹かせようなんて思わないんですかぁ?」
「まあその気になれば脱獄なんて容易いけど…今更そんな事として何になる?
私はもうすっかり歳を取ってしまったしね。強力な支援者が外にいるのなら話は別だけど…
それが無い現状で脱獄したって何も出来ずに直ぐに捕まるのがオチだよ。」
スカリエッティは腐っても天才だ。故にその気になれば何時でも脱獄は出来たのだが
今の本人にそれをやる気が無かったりした。
「自由に外を出歩けないのが難点だけど…ここでの暮らしも悪くは無いよ。
研究だってワリと好きにやらせてもらえるし…メシも中々良い物食わしてくれるしね。
ここでのんびり研究に没頭しながら天寿を全うするのも良いさ。」
「………………。」
魂が抜けてしまったかの様にのん気な態度を取るスカリエッティにクアットロは呆れるしか無かった。
かつては管理局を翻弄した科学者だったと言うのに…この落ちぶれ振りは何だと…………

291 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 00:43:49 ID:JDQmHINA
支援

292 :新たなる聖王計画 4 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/28(木) 00:44:49 ID:W5gShDBQ
「もういい加減にして下さいドクター! 忘れたんですか!? かつての貴方は
あんなにも情熱に溢れていたじゃありませんか! また凄い事をやって管理局に
一泡吹かせてやりましょうよ!」
目に涙を浮かばせながら叫ぶクアットロだが、スカリエッティの表情はなおものん気だ。
「凄い事って言ってもねぇ…我々の最終兵器だった聖王のゆりかごは完全に轟沈したし…
何よりも……………………………。」
「何よりも?」
途中で口ごもったスカリエッティにクアットロは首を傾げるが、直後スカリエッティは号泣しながら…
「私が聖王の器として作ったヴィヴィオ…あの時はあんなに小さくて可愛かったのに…………
今では二十代のババァじゃないかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「エエ――――――――――!?」
ジェイル=スカリエッティ魂の咆哮にクアットロは愕然とする他無かった。
「ちょっと待って下さいよドクター! 二十代はまだ立派に若いでしょう?」
「うるさいな! 私にとっての二十代は立派なババァなんだよぉ!」
目から涙を滝のように流すスカリエッティもクアットロも戸惑うが…
「って事は私もドクターにとってはお婆さんって事ですか!?」
クアットロもまた涙目になって叫ぶ。戦闘機人であるが故に、その外見は
二十年前のJS事件時と殆ど変わらない若々しい姿のままである。
それでもスカリエッティにとっては老婆なのかと内心傷付いていたのであったが…
「嫌、君は元々老け顔だから…全然気にならないね。」
と、スカリエッティは真顔で答える。しかしそれはそれでクアットロは傷付く。
クアットロが老け顔か否かに関してはスカリエッティ個人の完全な主観なのだが、
いずれにせよクアットロ本人には迷惑千万な事だった。
「ドクタァァァァ!! 私の何処が老け顔なんですかぁ!? 私は老け顔じゃありませんよぉ!!」
クアットロは号泣しながらスカリエッティの胸倉掴んで超高速で揺さぶるしか無かった。
そして頭を超高速で揺さぶられた結果、スカリエッティは脳震盪を起こすのであったが…
突然クアットロはある事を思い出し、手を止めた。
「あ! そうだ! ならばドクター…聖王の器に五歳のお子さんがいらっしゃるのはご存知です?」
「五歳だと!!?」
『五歳』と言う単語に反応し、スカリエッティは急に元気になりクアットロの肩を掴む。
「その五歳の子供と言うのはどんな子なんだ!? おい!」
「い…一応…こんな子ですけど…。」

293 :新たなる聖王計画 5 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/28(木) 00:45:57 ID:W5gShDBQ
クアットロは慌て顔でコンピューターを操作してある画像を画面に映し出す。
それはヴィヴィオとユーノの間に生まれたなのはjrの写真だった。
「何と…アイツ何時の間に子供こしらえていたのか…。にしても可愛いなぁ…ハァハァ…。」
心なしか興奮して息が荒くなるスカリエッティにクアットロは半ば呆れるが、こうも言う。
「ドクター、こうは考えられません? 聖王の器の子供と言う事は…この子にも
聖王の力が受け継がれていると…。この子を拉致して利用すれば………。」
「そうだ! お前の言う通りだよ! この子を利用して新たな聖王計画を発動しよう
じゃないか! ようし! やるぞー!!」
「ドクター素敵です!」
なのはjrに興奮した勢いで、かつての情熱を取り戻したスカリエッティに
クアットロも感激して手を叩いていた。こうして…二人は新たな聖王計画の為の
作戦を練り始めたのであった。

数日後、スカリエッティとクアットロは脱獄した。前述した通り、スカリエッティは
その気になれば脱獄出来ると言ったが、それはハッタリでは無く本当の事だったのである。
しかし、そうなれば管理局としても追手を出すのは当然。そして局内で組織された
スカリエッティ&クアットロ逮捕隊の中にはヴィヴィオの姿もあった。
「JS事件からもう二十年近く経つと言うのに…奴は一体何を企んで……?
それはともかく! 奴は私が絶対に逮捕して見せます!」
「ああ…お前は子供の頃に奴に酷い目に遭わされている因縁があるからな〜。
だが…あまり熱くなりすぎるなよ。」
相手が自分にとって因縁のあるスカリエッティ&クアットロと言う事もあって
ヴィヴィオは燃えていたが、燃えすぎない様に他の武装局員は落ち着かせようとしていた。

スカリエッティとクアットロ脱獄の報は無限書庫にも届いていた。
「そうか…もうJS事件から二十年近い時が経っているのか…時が流れるのは早い物だな。」
ユーノは何時も通りに無限書庫の仕事をこなしながらもそう呟く。なのはが事故で亡くなって、
ヴィヴィオと結婚するまでの十数年の思い出等殆ど無いユーノにとって、JS事件は未だに
強く印象に残っていたが、それでも二十年も昔の事件だと言う事に内心驚いていた。
続いて、管理局が送り込んだスカリエッティ&クアットロ逮捕隊の中には自らの妻の
姿もあった報告も聞く。

294 :新たなる聖王計画 6 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/28(木) 00:47:07 ID:W5gShDBQ
「ヴィヴィオ…確かに君にとってあの二人は因縁の相手だけども…気を付けるんだよ…。」
ユーノはそう呟くしか無かった。JS事件の頃…まだ四〜五歳の幼子だったヴィヴィオは
スカリエッティとクアットロの手によって聖王のゆりかごの核にされた事がある。
それと同じ悲劇を繰り返して欲しくは無い。ユーノは心から願った。
今のヴィヴィオは聖王の器などでは無く、ユーノ=スクライアの妻であり、一人の母親なのだから。

管理局はスカリエッティとクアットロの脱獄によって大騒ぎになってはいたが
世間的にはどうでも良い事で、ミッドチルダは何だかんだ言いつつ概ね平和だった。
なのはjrも一人でのんびり外を歩いていたりしていたのだが………
「お嬢ちゃん、ちょっと良いかな?」
「え?」
突然口にはマスクを、目にはサングラスをした男女二人組がなのはjrの前に現れた。
二人の正体は現在お尋ね者の脱獄囚スカリエッティとクアットロである。
しかし、なのはjrにとってはそんな事は知るよしも無い。
そして二人なのはjrにペロペロキャンディーを差し出すのである。
「お嬢ちゃん? お菓子をあげるから一緒にこないかい?」
スカリエッティとクアットロは新たなる聖王計画の為、なのはjrをお菓子で釣って拉致しようと
企んでいた。しかし、なのはjrは不満そうな顔でそっぽ向く。
「やだよ。だって知らない人に付いて行っちゃダメってママに言われてるもん。」
「やや! ちょっと待って! ちょっと待ってよ!」
予想以上にしっかりしていたなのはjrに二人は慌てるが、そこでスカリエッティは言う。
「確かに私とお嬢ちゃんは初めて会うけど…でも私はヴィヴィオママとは古い知り合いなんだよ。」
「え? そうなの? 本当にママの知り合いなの?」
「そうだともそうだとも。」
スカリエッティは決して嘘は付いていない。聖王教会に残されていた古代ベルカの聖王の
遺伝子を基にしてヴィヴィオを作り出したのも彼であるし、面識もある。
そして何よりも、母親の知り合いと言う事でなのはjrが完全に安心し、警戒を解いた点が
スカリエッティとクアットロにとって都合が良かった。
「それじゃあおじさん達と来るかい?」
「うん! 行く〜!」
やはり『母親の知り合い』と言う点でなのはjrは安心し切っており
この様にあっさりと二人に付いて行ってしまった。

295 :新たなる聖王計画 7 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/28(木) 00:49:21 ID:W5gShDBQ
時同じく、リンディ=ハラオウンが一人街を歩いてると突然不良っぽい若者が話しかけて来た。
「ヘイ姉ちゃん! 俺とお茶しない?」
「え? 私?」
「そうそう! 姉ちゃんの事だよ!」
如何にも不良っぽいチャラチャラした若者にナンパされ、リンディは半ば戸惑ってしまう。
「あらあら、でも私こう見えてももうお婆ちゃんだったりするのよ。」
笑顔でそう答えるリンディだが………
「はぁ? 幾らなんでもその冗談無理ありすぎだぜ姉ちゃん? だってこんなに若いじゃん!」
不良っぽい若者には到底信じられない事だった。実年齢を見ればリンディは既に
多分六十歳は楽に超えている…………はずなのだが………何故かまるで老ける様子さえ見せない。
そうで無くても彼女には孫がいるし、その孫もまた良い歳に育っていてリンディ自身
お婆ちゃんは愚か曾お婆ちゃんになる事も時間の問題だったりするのだが………
彼女自身は何故か全然老けない。と言うか二十代前半でも十分通用する程若々しかった。
はっきり言って謎だ。だが今リンディをナンパしようとしてる若者にはそんな事等知る由も無い。
「とにかく俺とお茶しようぜ姉ちゃん!」
「え〜? 困ったわねぇ〜。」
リンディはほとほと困り果てていたが、ふと若者の背後に何かが見えた。
「おや? あれは…。」
それはなのはjrがスカリエッティとクアットロに連れられて歩いている光景。しかし二人とも
マスクとサングラスで変装しており、リンディはスカリエッティ&クアットロとは気付かない。
「(あの子はなのはちゃん…。でもあっちの二人の方は誰かしら…何処かで見た事ある
様な気もするけど……でも…多分知り合いか何かね。あのしっかりしたなのはちゃんが
知らない人に付いていくはず無いもの。)」
と、リンディは結局何もする事は無かった。

296 : ◆6BmcNJgox2 :2008/02/28(木) 00:51:55 ID:W5gShDBQ
前半はここまでです。

ちなみにリンディさんの年齢に関してですが…私の知る限りでは
リンディさんの年齢に関しての設定が見当たらないので
二十歳でクロノを産んだと仮定して、クロノが十四歳だった一期では三十四歳、
その十年後の三期では四十四歳、本作はそこからさらにおよそ二十年後と言う設定なので
六十四歳としました。いずれにせよスマソセンorz

297 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 00:55:51 ID:JDQmHINA
>>296
乙です。
リンディさん、エイミィと並んで歩くと親子逆に見られるんですねw

298 : ◆6BmcNJgox2 :2008/02/28(木) 01:18:20 ID:W5gShDBQ
今更遅レスすみませんが、
>>148
ありがとうございます。では早速…

55スレの194レス目の7行目
修正前の文章「帰る頃にはヴィヴィオに肩車してもらってやっと 」
修正後の文章「帰る頃にはヴィヴィオに肩を貸してもらってやっと」
でよろしければお願いします。

299 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 01:23:26 ID:L8ay6e+i
>>261
GJ!!お疲れでした
二人のその後も幸せであってもらいたい
あとブーケトス時の関係者自重しろw

300 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 01:40:26 ID:+GpRHNEA
>>296GJ
最近悪役として輝いていたクワットロが急にかわいくなったなww
そして博士自重ww

リンディさん、60代で20代に見えるなんて化物か!?
むしろリンディさんも機人なんじゃね?

301 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 01:43:05 ID:gvklbPiC
まあリンディさんに関してはSTSアニメ本編でもあの通りの若さを誇ってたからな。

っていうか死ぬまで老いそうにない気がするぜ。

302 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 01:45:26 ID:xM9nEcMe
てか、A's本編とEDでは、EDの方が若く見えた俺は異常なのだろうか。

303 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 02:06:48 ID:+CRnmUkQ
>>302
仕様です

304 :( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:09:37 ID:sZ/JVMQ3
そして俺が今投下。

注意事項
・まぁ、初っ端からどえらい捏造です。
・非エロ。バトルばっか。待て、主人公誰だ。
・オリキャラあり、今回から少しずつ“増殖”します。
・レジアス中将はモブか悪役だと思っている人は、読まないほうが吉です。
・でも、フェイトファンには比較的毒が少なかったりします。
・あぼーんキーワードは「熱い彗星の魔導師たち」

305 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 02:09:43 ID:uQoWJHt7
B・A氏>
GJでした!やっと、ゴールインですね!
ルーとエリオには幸せになってほしいものです。
あと綺麗が奇麗になってますよー



ところで誰ですか
『リンディ・ハラオウン17歳です!』
とか言う電波を送信したのは

あれ、なんか外が明る

306 :熱い彗星の魔導師たち 9-01/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:10:14 ID:sZ/JVMQ3
「あつつつ……」
 意識を喪失したわけではなく、なのはは、一瞬混乱した視界を、すぐに取り戻す。
 周囲は、薄暗く、無骨なコンクリートの壁や床が、広がっていた。
「ホテルの……地下?」
 なのはが、状況を確認しようと、周囲を見渡したとき。
「お初にお目にかかる」
 と、突然、薄暗い空間から、声をかけられた。
「!」
 なのはがそちらを振り向くと、そこに、軽くソバージュのかかったロングヘアの、人形
のような愛らしい姿の少女が、立っていた。
 しかし、その容姿は、右目を覆う無骨なアイパッチによって、その均整が崩されている。
色はよくわからないが、所々にボディアーマーのような素材のついた、レオタード状の全
身スーツに身を包んでいた。
「スカリエッティ製戦闘機人……」
 なのはは身構えると、ハンドバッグの中に忍ばせていた、L4Uのメタリックカードを取
り出す。L4Uは錫杖型に展開すると、なのはのパーティドレスが、桜色の光を伴って、バ
リアジャケットへと変化する。
「ナンバーズ、No.5チンク、以後お見知りおきを」
 淡々とした口調で、チンクはそう言った。
「少し、お話聞かせてもらいたいんだけど、いいかな?」
 L4Uにはまだ術式を展開させず、なのはは、チンクに語りかける。
「管理局の走狗に、話す事などないな」
 チンクは、面白くもなさそうに、そう、吐き棄てるように、応えた。
「少なくとも、スカリエッティに付き従うよりは、正しい事だと思うよ」
「管理局の傲慢が、正義を騙るか」
 チンクは、投げナイフを、手元に実体化させる。
『Break slash』
 L4Uが、翼の装飾にそって、魔力刀を発生させ、長巻を模る。
「ウェンディや、オットーや、ディエチは、その管理局で働いてるよ」
「ディードの安全と引き換えに、か?」
 チンクは忌々しそうに言い、なのはを睨んだ。
 なのはの目つきも、険しくなる。
 ヒュッ
 声もなく、チンクの投げナイフが、短く空を切り、なのはめがけて、放たれた。
『Round shield』
 キンッ、キンッ
 チンクの投げナイフは弾かれ、落下しかけると、床に落ちる前に、炭酸の泡のように、
はじけて、消えた。
『Stinger snipe』
「シュートッ!」
 なのはは、チンクの狙いから外れようと、駆け出しながら、桜色の魔力弾を放つ。
 やや弾道に捻りを加えながら、それは、チンクの横側に向かって、迸った。

307 :熱い彗星の魔導師たち 9-02/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:10:38 ID:sZ/JVMQ3
「Esercizio duplice」
 チンクは、渦巻状の光の二重盾を生み出し、それを凌いだ。バチバチと、魔力弾とシー
ルドが干渉し、火花を散らす。
「Esplosione!」
 チンクの1枚目の盾が爆発し、凌ぎあっていたなのはの魔力弾を、打ち消し、霧散させ
る。
「私としては、このようなやり方は好きでは無いが……」
 やや不本意だというように、チンクは不愉快そうに言う。
「射撃魔法を多用して良いのか? ここは機械室だ、燃料設備もある。ホテルの一般人が、
巻き添えになるぞ?」
「!」
 チンクの言葉に、なのはの顔が、さらに険しくなった。
 チンクは、右手に、新たな投げナイフを、実体化させ、視線を、なのはに向けた。

熱い彗星の魔導師たち〜Lyrical Violence + StrikerS〜
 PHASE-09:It's taken or given (後編)

308 :熱い彗星の魔導師たち 9-03/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:11:07 ID:sZ/JVMQ3

「なのはちゃーん、どこやー?」
 地下駐車場。
 突然、スカリエッティ製戦闘機人──No.6セイン──に、連れ去られたなのはを探して、
レンは、そこを、声を上げながら、小走りに、回っていた。
 入り口近くから、少し奥に入る。管理局員の車が、そこに停められていた。「チンク・
エント・チンク」や、フェイトの黒いコンパーティブルの姿も見える。
 さらにその奥は、中型トラックや小型バスが駐車できるスペースになっていた。
「なーのーはーちゃーん」
 レンが、口を両手に当てて声を飛ばす仕種をしつつ、声を上げていると、
 ドリュリュリュン、キュイィィィン……
 大排気量の、ユニフロースカベンジング式2ストロークエンジンの始動音が響く。
「んっ?」
 レンが、エンジン音に気付いて振り返ると、管理局仕様の、シングルタイヤ6輪のトラ
ックが、駐車場から、発進するところだった。
「ちょぉ待ちい、そこの! どこ行く気や!? まだ会議は終わってへんはずやで!?」
 レンが、両手を広げて、仁王立ちに立ちふさがるが、
 キュイィィィィンッ……、ヴォンッ……!!
 運転手は、明らかに、アクセルを踏み込んだ。スーパーチャージャーの過給圧が上がる
時の甲高い音を響かせ、トラックはレンめがけて、突っ込んでくる。
「っ!」
 レンは、間一髪、直前でトラックをかわす。
「なっ!?」
 ヒュッ
 刈り取るような、強烈な一撃が、レンを襲った。
 レンは、シールドではなく、回避で、それを逃れる。
「何モンや!?」
 レンが、上半身を立て直し、怒鳴る。すると、その主は、今度は、トラックの走り去っ
た方から、レンを遮るようにして、立ちはだかった。
 それは、ローティーンとハイティーンの、境ぐらいの少女。体つきは全体に整っている
が、まだ、子供らしいあどけなさが抜け切っていない。赤い髪を、無造作な感じで、ショ
ートにしている。その顔には、しかし、攻撃的な意思が宿っていた。
「なんや、パチスバルか? パチウェンディか?」
 レンは、わざと挑発気味に、そう言った。
 相手は、全身を青いレオタード地のスーツで覆い、同系色の、『ジルベルンメタリッシ
ュ』と同じような手袋型ナックルダスターを嵌め、スバルの『マッハキャリバー』のよう
なローラーブーツを履いている。
 そして、首元のガードには、“IX”の刻印。
「うっせぇっ! 管理局の犬に成り下がったような連中と、一緒にすんなっ!」
 言うと、スカリエッティ製戦闘機人の少女──Mo.9ノーヴェは、ローラーで駆け出しな
がら、レンに向かって、飛び掛ってくる。
 バシュ、バシュ、バシュ、バシュ────!!

309 :熱い彗星の魔導師たち 9-04/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:11:33 ID:sZ/JVMQ3
 突き出されかけた、ノーヴェの拳から、魔力弾が、無詠唱で放たれる。
「ハッ」
 レンはしかし、身を捻り、跳びあがって、その射撃をかわしていく。
「アカンなぁ、飛び道具に頼りすぎや」
「何っ!?」
 平然、強気を装うレンに、ノーヴェは、頭に血が上ったように、声を荒げた。
 レンは、口元でニヤリと笑い、構えつつ、ノーヴェを睨んで、言う。
「その“お犬様”から直々に、ナックルデバイスの使い方を教育したるわ、ジルベルンメ
タリッシュ!」
『Ja!』
 輝く白い弾丸は、応え、コアを点滅させた。

310 :熱い彗星の魔導師たち 9-05/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:12:04 ID:sZ/JVMQ3

『地下駐車場、不審者が局のトラック持ち出しとる、行かせんな!』
「ええっ」
 スバルが、思わずといったように、声を出した。
 地上、屋外。地下駐車場の出入り口付近。
 スバルが、真っ先に駆けつけた。続いて、飛行可能なマギーが、その傍らに、降り立つ。
「まだ、通ってない?」
「すぐに来たから、多分」
 マギーの問いかけに、スバルが答える。
 すると、それを裏付けるかのように、出入り口のトンネルの奥から、ヴィイィィィィン、
と、2スト直噴エンジンの音が、響いてきた。
『Floater Fiel……』
 マギーが、バリケード代わりに、フローターフィールドを垂直展開しようとした。
「Cannone aereo」
 複数の声が響き、周囲から、閃光が瞬く。
「危ない!」
『Protection』
 スバルが、マギーの反対側に躍り出て、シールドを張る。突然飛来した魔力弾を凌ぐ。
それは、スバルのシールドに命中して、爆裂した。
「スバルっ」
 今度は、マギーが、スバルを抱えて、道路から、脇の芝生に、倒れこんだ。トラックが、
瞬間前まで、2人のいた場所を、轟音を立てて、通過していく。
「!」
 2人はすばやく起き上がる。スバルはその時点で構えなおしていた。
 すると、2人の目の前に、丁度2人の人影が、生垣の隙間から、姿を現した。
 スカリエッティ製戦闘機人“ナンバーズ”に共通する、青いレオタード状の全身スーツ。
茶色がかった黒いロングヘア、スバルと同じくらいの背格好。
 だが、そこから先が、明らかに異様だった。一目にほとんど同一の姿をした彼女達は、
目元を金属製の、目出し穴もない重厚なマスクで覆っていた。
 そのマスクに、“XI・XE”の、大きな刻印。ネックガードには、刻印はない。
 右手に、『アンブロークンイージス』や『アンダウンテッドアイアス』に通じるデザイン
の、紅い盾。
「なに、こいつら」
 マギーも構え直しながら、その異様な二人の戦闘機人を見て、困惑した声を出す。
「どうも、このまま追っかけるわけには行かないみたいだね」
「あんまし冴えたやり方じゃないけどね」
 スバルが言うと、マギーは不承不承という感じで、そう返した。
『Axel Stinger』
「ブレイク・シュート!」
 マンダリン・オレンジカラーの魔力光が、散弾となって、WS-Fから放たれる。
「行くよ、マッハキャリバー」
『Yes, Knuckle Duster』
 ドォンッ

311 :熱い彗星の魔導師たち 9-06/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:12:32 ID:sZ/JVMQ3
 衝撃波を纏い、リボルバーナックルを嵌めた拳が、マッハキャリバーの速度を乗せて、
突き出される。
 ガキィィンッ
「なっ!?」
「Colpo aereo」
「!」
『Round shield』
 マギーがWS-Fを掲げ、シールドを展開した。そこに、何発もの魔力弾が、着弾し、バ
チバチと火花を散らす。
 スバルの拳は、赤いシールドに易々と受け止められ、衝撃波も、弾かれ、消滅した。ス
バルは、信じられないものを見たというように、目を円くしている。
『Flash move』
 一瞬動きが止まったスバルの前に、マギーが踊りこむ。
「スバル、しっかりしてっ」
「えっ、あっ」
 スバルが、我に返りかけたその瞬間。
『Round guarder』
 マギーが、ラウンドドーム型の小さいバリアを張り、自分とスバルを覆う。
 ドンドン、ドンドンドンッ
 間一髪、迫り来る魔力弾を、バリアが散らした。
「くっ」
『Load Cartridge』
 ドンッ
 WS-Fが、カートリッジを1発、撃発させる。バリアの輝きが増し、厚みが増した。
 すると、2体の戦闘機人は、制圧射撃を中止し、突然、踵を返した。
「っ、待ちなさいっ」
 慌てて、マギーはバリアを解く。
 戦闘機人は、盾を水平に浮かべると、それにサーフボードのように飛び乗り、トラック
の走り去った方角へ向けて、飛び去ろうとする。
『Stinger blade, Execution shift』
 マギーはとっさに、剣を模った魔力弾を発生させると、それを、逃げる2体めがけて、
放った。
「Galleggiante Miniera」
 戦闘機人の1体が振り返ると、後ろに手をかざして、赤茶色の魔力光のそれを、空中に
ばら撒いた。それは、ふわふわと漂っていたが、
 ドン、ドンドンドンドンッ
 スティンガーブレイドが命中すると、それは魔力の剣が持ち得るよりも、はるかに大規
模な爆発を起こし、爆煙であたりを包んだ。
「くそっ、マッハキャリバー!」
「行っちゃだめっ」
 マッハキャリバーに命じて、爆煙を突っ切り、トラックや戦闘機人達を追おうとしたス
バルを、反射的に、マギーが止めた。

312 :熱い彗星の魔導師たち 9-07/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:13:05 ID:sZ/JVMQ3
「えっ?」
 スバルが急停止し、振り返る。
 すると、はれた爆煙の中から、赤茶色の魔力スフィアが、ふよふよと1つ、スバルの近
くに漂ってきた。
「それっ、機雷型の魔力弾、触ったら、大爆発するわよ!」
「ええっ!?」
 スバルは驚いて目を円くする。マッハキャリバーに後進をかけさせ、マギーの傍らまで、
戻る。
「どうすれば……」
 スバルが、憎らしげに空中機雷群を睨みながら、困惑気に言う。
「シールド、お願いできるかしら?」
 マギーも、同じように機雷群を見ながら、スバルに言った。
「え? うん……それぐらいなら」
『Round shield』
 ベルカ式の魔法陣による、光の盾を、スバルは2人の前に張る。
「応援も期待できない、時間もない、なら、これしかない」
『Load Cartridge』
 ドンドンッ
 WS-Fが、2発のカートリッジを、立て続けに撃発させる。
 2人の前面に、無数の、オレンジ色の魔力スフィアが、集束する。
『Stinger blade, Phalanx shift』
 閃光が、あたりに迸り、満たした。

313 :熱い彗星の魔導師たち 9-08/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:13:41 ID:sZ/JVMQ3

『該車はホテル敷地内を突破、裏側の市道から国道107号線へ向けて逃走中! 阻止願いま
す』
 オットーの声が、第5陸士隊の隊員にいっせいに伝えられる。
『こちら第1中隊、了解』
 そう返しつつ、クイント・ナカジマはソニックキャリバーを駆動させ、先行してトラッ
クを追いかける。
 両腕には、第2世代とも言える現代ベルカ式・ナックルダスター型サブデバイス、『パ
ワーロードナックル』が嵌められている。
 パワーロードと言いつつ、リボルバーナックルで直付けにしていたカートリッジシステ
ムを廃し、ソニックキャリバー側に集約。耐久力と制御系の応答性の向上を図っている。
「タイヤね」
 クイントは言い、低く構える。
『Ray Lance, Multi shot』
 右手側に6発の、小さな魔力弾を生成すると、トラックのリアサスペンション回りを狙
って、撃つ。
 つ、つ、つっ……っ
 トラックは横滑りするように、レイ・ランスの弾道から逃れる。
「Cannone aereo」
 背後で撃ち出された魔力弾の気配に、クイントは前進の慣性を殺しつつ、踵を返して、
上を振り向く。
 ズドンッ!
 放たれた魔力弾は、クイントからはだいぶ逸れ、路上駐車のクイックデリバリーバンを
撃ち抜いた。
「?」
 クイントには、それが、意図して外したように、見えた。
『Ray Lance, Clash mode』
 無数の青白い閃光が、クイントの上方を占めようとしていた2体の戦闘機人めがけて、
地上から、放たれる。
「隊長! ご無事ですか!?」
 量産型のストレージデバイスを手に、クイントの部下である陸士隊員が、駆けながら追
いかけてくる。
「大丈夫、早く追跡車を────」
 ズドォンッ!!
 言いかけたとき、クイントは、衝撃波を背中から浴びた。
 クイントの意識は飛びかけたが、歴戦の身体は、無意識に受身を取りつつ、路面に、力
を逃すようにして、転がった。
「隊長!?」
 とっさの受身が効いたか、クイント自身は、かすり傷すらない。だが、前方の道路は、
その幅の半分を、炎が覆ってしまっている。
 クイックデリバリーバンのLPGタンクが破損し、漏れたガスに引火したのだ。

314 :熱い彗星の魔導師たち 9-09/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:14:09 ID:sZ/JVMQ3
「こんな巻き方を……!」
 クイントは、険しい表情で言いつつ、陽炎をたてる炎を、軽々と飛び越え、その先に出
た。
 陸士隊員たちも、飛行魔法でそれを飛び越え、クイントに続く。
 だが、クイントが着地したとき、トラックは信号のある交差点を強引に突っ切り、クラ
ナガン中心部を取り囲むように走る環状国道に、飛び出した。
「中隊長! ここから先は、一般車を巻き込む恐れが」
 隊員の1人が、そう言った。幹線の国道は、多くの車両が、上下とも行き交っている。
「くっ」
『陸5・第1中隊より統括指揮本部へ。阻止失敗、該車は国道107号線を内回り方面に逃
走中。なお、スカリエッティ製と思しき、不明の戦闘機人2名が逃走を援護中。注意され
たし』

315 :熱い彗星の魔導師たち 9-10/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:14:34 ID:sZ/JVMQ3

『Break slash』
 ガキン、キィンッ
 チンクは投げナイフを、投擲ではなく両手に3本ずつ掴み、なのはに斬りかかる。
 L4Uの魔力刀で、それを受け止め、流す。
「ほう」
 チンクは、斬撃を止めずに、しかし、感心したように、なのはを見る。
「管理局の空戦といえば、砲撃と空中機動を封じられれば大抵は役立たずだったが……」
 チンクの言葉に、なのはは少し、むっとしたように、眉を吊り上げつつも、
「こう見えても、2つの剣の流派の末子だからね、この程度じゃ、負けないよ」
 と、言い返した。
「そうか、それは失礼した」
「それは、ゆっくりお話しできるようになってから、言って欲しいな」
 チンクの言葉に、なのはは不敵に笑いつつ、そう言った。
「お前がドクターに協力すると言うのなら、それも適うが?」
「……出来ない、相談だね」
「だろう、それはこちらも同じというだけのことだ」
 なのはの詰まるような言葉に、チンクは冷淡に、そう言った。
『見つけた! なのは!?』
 その声に、聞き覚えのある、男性にしては高い、しかし綺麗な声が響いてくる。
「ユーノ君!?」
 ほぼ、同時に。
『セイン、そろそろ、ずらかるぞ』
『O.K.』
 ガキィンッ
 なのはが、上段から、L4Uの魔力刀を振り下ろす。それは、チンクの左手のナイフで、
受け止められた。
『ノーヴェの回収は、どうなっている?』
『それは、こっちでやっておきますから、だぁい丈夫ですよ、チンクちゃん』
 セインのそれではない声が、チンクに伝えられる。
「Detonazione Pungiglione」
 チンクは、ギリギリとL4Uを受け止めつつ、右手のナイフを、ひゅっ、と、天井に向け
て、放った。
 ドン、ドンドンッ!!
「えっ!?」
 そのナイフは、天井に刺さったかと思うと、爆発を起こした。
 ガラガラガラガラ……
 これが日本の一流ホテルであったのなら、地下があろうと地表階の床が抜けるような事
は、そうそうないのだが、それはむしろ例外中の例外。
 コンクリートに亀裂が走り、板だったそれは瓦解して、崩れ落ちてくる。
「いくよ、チンク姉」
「うむ」

316 :熱い彗星の魔導師たち 9-11/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:15:04 ID:sZ/JVMQ3
 すっ。
 チンクの立っている、そのすぐ後の床から、セインが、その中から湧いて出るように、
飛び上がると、そのまま、背後から、チンクを抱きかかえた。
「Protegga Campo Via」
 チンクのスーツが、鈍い光を放った後、わずかに色を褪せる。
「あ、ちょっとっ……」
 なのはが、チンクに向けて手を伸ばそうとするが、崩れ落ちてきた、天井だったコンク
リートの瓦礫が、それを遮った。
 セインはチンクを抱えて、再び、床の中に、液体に沈みこむように、消えていった。
「あいたたたた……」
「アリサちゃん!?」
 次の瞬間、なのはの目に入ったのは、瓦礫の山の上に、上下逆さに転がる、アリサの姿
だった。
「アリサ! 大丈夫!?」
 ユーノが、素っ頓狂な声を出して、アリサの傍らに、飛び降りてきた。
「大丈夫じゃないわよ……」
 アリサは、低い声に、ゆっくりとした口調で言い、起き上がる。
 そして、その場に立つと、
「一体どうなってんのよ! もーっ、キーっ!!」
 アリサは、レイジングハートを手に持ったまま、その場で地団駄を踏む。
「はぁ……はぁ……」
 ひとしきり癇癪を爆発させた後、荒い息を整える。
「で、なのは、大丈夫?」
 表情を締めなおして、ようやく、アリサはそう訊ねた。
「え? あ、あ、うん」
 なのはは、なぜか戸惑ったように慌てて、視線を伏せ気味に、どもりがちに、返事をし
た。
「? 変な……あら?」
 なのはの様子に、素の表情でぽかんと言いかけて、アリサはふと、視線をその背後に向
けた。
「人が倒れてる!」
「えっ!?」
 アリサの声に、なのはは驚いて、後ろを振り向いた。
 確かに、そこに、色白の肌に、金髪の人間が、うつぶせに、倒れていた。
「大丈夫ですか!?」
 なのはが駆け寄ると、そのシルエットが、より詳細になる。小柄……未就学ぐらいの、
子供のように見えた。
「子供だよ! 小さい子!」
「ええっ!?」
 なのはの背後から、駆け寄ってきた、アリサとユーノも、なのはの声に、仰天する声を
出す。
「地下も、この区画はホテル関係者しか入らないはずだし」
 アリサは、なのはの背後に立ちつつ、キョロキョロと、辺りを見回した。

317 :熱い彗星の魔導師たち 9-12/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:15:26 ID:sZ/JVMQ3
「……崩落に巻き込まれたのかしら?」
「そんな……親子連れなんか、いなかったよ」
 アリサが、半分近く崩壊した天井を見上げて、険しい顔で呟く。しかし、それを、ユー
ノが、即、否定した。
「大丈夫? しっかりして!」
 なのははしゃがみ、その子供を抱き上げると、仰向けに起こしながら、声をかける。
「……う……ぇ……っ……?」
 子供は、少しぼんやりとしたように、ゆっくりと、目を開けた。
「!?」
 その姿を見た、3人が、絶句する。
「なんやなんや。どうなってるんや、これは!」
「アリサ、なのは、大丈夫!?」
「バニングス、大丈夫か?」
 はやてとフェイトも、瓦礫の山に飛び降りてきて、それに、浮遊するリインフォースが、
続いてきた。
「Angel Eyes」
 3人が近寄ると、アリサがそう、ポツリ、と、呟いた。
 なのはの抱きかかえる少女は、ハニーブロンドのユーノよりもさらにふわふわとした長
い髪を持ち、透き通るような白い肌。それに、澄んだ瞳。しかし、その瞳の色は、左右で
異なる。エメラルドのような緑と、ルビーのような赤。
「…………まま……?」
 弱々しく、少女が発した声に、なのはがはっ、と、我に返る。
「もう、大丈夫だよ」
 優しげに微笑んで、少女を手繰り寄せるように、抱き上げた。
「どこか、痛いところないかな?」
 なのはが、優しく訊ねる。だが、少女は答えずに、
「ママ……ママ、ママ……ママっ、うわぁぁぁぁぁぁっ!! ママ、ママぁっ!」
 と、堰を切ったように、瞳から涙ボロボロとを溢れさせ、泣き声を上げた。
「!」
 なのはは、泣きじゃくる少女を見て、そっと、自分の腕で、抱きしめた。
「大丈夫、もう、大丈夫だよ」
 そう言って、少女の背中を、優しく、撫でる。
「ぁ……っく、えぐっ……ママ……ぁ……っ」
 少女は、泣いた後のしゃくりあげをしながらも、声を落ち着けていった。その幼い腕が、
なのはに抱きつく。
「?」
 アリサは、小首を傾げて、ユーノを見た。ユーノも、似たような表情をしていた。

318 :熱い彗星の魔導師たち 9-13/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:15:55 ID:sZ/JVMQ3

「作戦は成功というわけだね?」
 スカリエッティは、満足そうに、そう言った。
『はい。セッテは痛み分けに終わりましたが、レリックの確保、それと“Unlimited
Powered”との接触、問題なく果たされました』
 執務机に座るウーノの前で、小型非実体コンソールのディスプレィに映るチンクは、そ
う言った。
 !?
「クックック、今回の事件だけでも、彼の歯噛みする姿が想像できるじゃないか!」
「レリックの件こそ伏せられていますが、ホテルの一部破壊、強奪行為の一部阻止失敗、
いずれも、管理局の治安維持能力に対する民衆の疑念を煽るには、充分と思われます」
 スカリエッティの言葉に、ウーノは正面のメインコンソールを操作しながら、そう言っ
た。
「それに、量産型戦闘機人の登場も、非公式ではありますが、目撃証言などが水面下で一
般に流出しています」
「流出、か。ハッ、故意に流しておいて、流出もなかろうに」
 そう言うと、スカリエッティは、また、哄笑を上げた。
 一方。
「くそっ!」
 ガンッ!
 レジアスは自らの執務机を、乱暴に叩いた。
「量産型だと!? 奴め、一体どこからそんな資金を得ているというんだ!?」
 管理局は、とっくにスカリエッティとは切れ、特に陸士総隊・地上本部は、むしろ犬猿
の仲と言って良い。
 反管理局系のシンパがパトロンを務めているとも言うが、とてもそれで予算を確保でき
るとは思えない。
「その事ですが、中将」
 オーリスは、手に持っていた報告書を、別のフォルダに持ち替え、切り出した。
「資金ルートとして有力な存在が、報告されているのですが、その捜査を進めますか?」
「!」
 オーリスの言葉に、レジアスは顔色を変えた。
「よし、構わん。指示を出せ。人員は可能な限り投入する」
 落ち着きを取り戻し、レジアスは、オーリスに伝えるべき命令を言う。
「ただし、慎重にだ。一歩間違えば、クラナガンを戦場にしてしまうからな」
「畏まりました」

319 :熱い彗星の魔導師たち 9-補足&連絡/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:17:30 ID:sZ/JVMQ3
今回より、スカリエッティ製戦闘機人のIS発動をイタリア語で統一しました。

後ほど、以前のトーレやチンクの詠唱も、修正します。保管の際、お手数おかけすることになります。申し訳ありません。

320 :熱い彗星の魔導師たち 9-15/13 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/28(木) 02:18:39 ID:sZ/JVMQ3
>>306-319
今回は以上です。

321 :( ゚Д゚):2008/02/28(木) 02:24:07 ID:sZ/JVMQ3
>>296
GJ! しかしリンディさんそれじゃ確実にプレシア2号ですぜ。
それとスカリエッティ自重。

322 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 02:30:17 ID:L4e1XYyn
>>305
リンディ・ハラオウンさんじゅうななさいか

因みに一発変換で多い方の数字が出たとしても怒られない
何故なら事実だから。としm

(主砲が放たれた模様です)

323 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 02:41:26 ID:K8nWbF7e
>>297
エイミィも老けない希ガス
最強は永遠にプレシア母さんだけど
なんだあのスタイルはw

324 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 02:44:37 ID:gvklbPiC
っていうかプレシアの格好といい、一期や二期でのアルフの服といい、フェイトの新ソニックフォームといい、テスタロッサの家系周辺には露出の伝統でもあるんか?

325 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 02:47:35 ID:HIOIVcwi
>>320
GJです。
ようやくヴィヴィオキターーーー!!!アリサじゃなくて原作通りなのはの方に行ったようで
一安心です。さすがにアリサの方だったらちょっと・・・・・と思っていましたので。

どうやら、二人を鉢合わせたのはスカリエッティの計略のようですが、果たしてこれが何を意味す
るのか・・・・。wktkしながら続きを待ってますw

326 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 02:52:37 ID:K8nWbF7e
>>324
アリシアお姉ちゃんが存命なら突っ込みまくってくれたような気がするが…
アリシアお姉ちゃんがいないので暴走するばかりですw

327 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 02:54:27 ID:u+FRK0rk
>>320
GJ

ただ、チンクにチンク・エント・チンクを奪って逃げてほしいと思ったのは俺だけでいい

328 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 02:54:58 ID:UPd+rJa/
>>320
おおっ、ついにヴィヴィオ嬢が登場しましたねぇ〜。乙です!
次回も期待してお待ちしております!!

329 :マーク1.5 ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 09:39:00 ID:K4NGUgYo
いつもここのSSを楽しく読ませてもらっている自分が初めて投下させてもらいます。
注意事項は以下の通りです。

・カップリングは知る人ぞ知るマイノリティー、クロノ×エイミィです。
・エロ無しです。
・クロノとエイミィにヴェロッサを絡める形で話が進みます。
 時間軸はA'sエピローグより少し前。クロノとエイミィは恋人同士だけれども
 婚約はしていない、そんな時のお話。
・エイミィとヴェロッサの会話等関してはほぼ自分の想像で書いてます。
 同じクロノという友人が居るのに漫画でも会話一つないので…。
 なるべく口調や性格には違和感ないようにしたつもりですが、苦手な方はスルー
 お願いします。

以上です。こちらへの投下は初めてなので、何か気付かれた点ありましたらお教え
頂けると嬉しいです。では、次から。

330 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 09:40:59 ID:AWJYu6D+
>>281
おや、俺がいるw
まさか、エリオも暴漢に刺されてなんて、嫌な想像してしまったorz

331 :Sugarless ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 09:42:59 ID:K4NGUgYo
コツ、コツ、コツ

カップの縁を打つフォークの音が、静かな室内に響いて消える。
巡航艦アースラの中に設えられた小さな休憩室。
その一角のテーブルに座っているエイミィ・リミエッタ管制指令は、只今少々ご機嫌斜めであった。
今は彼女以外、完全に無人の状態であるから、むくれている彼女の表情を見る者はおらず、思わず漏れた呟きを聞き取る者も、従って誰もいない。

「もぉ…クロノ君てば…」

彼女の前のテーブルの上には、買ったばかりのケーキの箱。
今、クラナガンでも美味しいと評判の店の新作だ。
普段の彼女なら三秒を数える間も無く飛びつく所だが、今日に限っては少々事情が違った。

「ひ〜と〜り〜で〜カフェタ〜イム〜…、ケ〜キもぜ〜んぶ、ひ〜と〜り〜じ〜め〜…」

間延びした声で即興の歌を作ってみる。
が、空しくなってすぐに止めた。
そして、はぁっという溜息をついて、また机の上のケーキに視線を戻す。

その日、つまりアースラが巡洋航海を終えてクラナガンに戻った翌日だが、その日のエイミィは珍しく時間が空いていた。
乗組員のスケジュール調整、次の寄港地の選定と連絡など、航行時はもちろん停泊中も忙しさから開放されないのが管制指令の任務と言うものだが、今日はたまたま運が良かった。
元々の仕事量が少なかったのに加え、優秀な部下達がフル回転してくれたおかげで予定より早く、クロノもエイミィも仕事を終える事が出来たのである。

そんなわけで、部下達にも交代で休息を取るようにと申し渡して、クロノもエイミィも久しぶりに羽を伸ばす時間を持てた。

「せっかく、美味しいの手に入ったのにな」

頬杖を着いて、呟きを漏らすエイミィ。
そう、このケーキも本当ならば二人で食べるところだったのだ。
たまの休み、久しぶりに二人でのんびりしよう、ついでに少々甘えさせてあげよう、とか考えたりしていたのだ。
が、ケーキを携え、エイミィが彼の部屋の前に行った時、クロノは既に出かける準備万端の体勢。
デバイスの整備の事で、マリエル技術官と話さなければいけない、が彼の答えだった。

確かにデバイスの整備は大事だが、そう急ぐような事でもないはずだ。
元々クロノのものを含めた各デバイスは、平時からマリエルら一流のスタッフが最高の状態を保ってくれているし、少なくともこんな偶の休みまで消費するようなものではないと思う。

(なのになのに!あの態度は無いんじゃないかな!?)

もちろん、言ってみた。
美味しいケーキ買ったんだけど、一緒に食べない?と。
そうしたらクロノは急に顔を歪めて「…ああ、後でな」の一言だけを残し、そそくさとその場を離れてしまった。
色気も食い気もあったものではない。


332 :Sugarless 2 ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 09:44:56 ID:K4NGUgYo
「ふんだ。クロノ君のばか…」

解っている、別に彼が悪いわけではない。
デバイスを何時、如何なる時でもベストのコンディションに保っておくのは、魔導士としての基本だ。
今こうしている次の瞬間、非常警報が鳴って、クロノもエイミィも飛び出していかなければならなくなるかもしれない。
空いた時間でのデバイスの調整、大いに結構だと思う。

が、たまの休日、恋人とのひと時という望みだって、罰当たりな望みではないはずだ。
大体、そうでなくとも、彼は普段から仕事に毒されすぎている。
このままリラックスのリの時も無い時間が続いた日には、三十代を迎える前に若禿げでもきてしまうのではと、彼女は半ば本気で心配していた。
ただでさえスーツが似合わないのに、そんな事になったら見れたものじゃないよ、心の中で少々失礼な想像をする。

ふとテーブルを見ると、煎れておいたコーヒーがすっかり冷めてしまっていた。
黒く波打つ水面が、何だか先ほどつれない態度をとった彼の分身のように見えてくる。

「…あんまり構ってくれないと、私の愛も冷めちゃうぞ〜クロノ君」

カップの淵をコツコツと指で叩きながら、冗談めかしてそう言ってみる。
無論、返事が返ってくることなど期待していない。
だから。


「おや、奇遇だね」
「ひゃあ!?」


後ろから唐突にそんな声が降ってきた時、エイミィは素っ頓狂な声を上げて椅子から飛び上がりそうになった。
振り返ると、入り口の扉に背中を寄りかからせた、長髪の青年の姿が目に入る。
それが彼女も良く知る人物である事に気づいて、ほっと胸を撫で下ろした。

「何だ…ロッサ君か。あ〜、びっくりしたぁ」
「いや、すまない。驚かすつもりはなかったんだけどね」

申し訳なさそうな笑みを浮かべて、ヴェロッサ・アコースは片手をひょいと挙げて挨拶した。

「久しぶり。相変わらず綺麗だね、リミエッタ君」
「ありがと。ロッサ君は、相変わらず変だね」

(さっきの独り言、聞かれてませんように)
心の中でそう思いつつ、ニッコリ笑って挨拶を返すエイミィ。

「そんなに褒めないでくれ。照れるじゃないか」

朗らかな笑顔で、ヴェロッサはそう返す。
軽口を叩いたエイミィも、それを見ると、不思議と心が和んだ気がした。


333 :Sugarless 3 ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 09:47:25 ID:K4NGUgYo
クロノの親友でもある彼とエイミィは、結構な頻度で面識がある。
初めて顔を合わせたのは、とある事件の捜査協力の時だったが、優秀なその探査能力と洞察力を活かして、事件解決に随分と貢献してくれた。
元々、気さくで誰とでも爽やかに接するのがヴェロッサの性格であり、エイミィもまた人見知りをしない人間だったから、会えばなかなか話が弾む。

「でも、どしたの?こんな時間にここに居るなんて珍しいね」
「いや、クロノ君が帰ってきたって耳にしてね。久しぶりに土産話でも聞かせてもらおうかと思ってきてみたんだが……」

彼の言葉に、エイミィはクスリと笑って言った。

「ロッサ君、そんな事してて大丈夫なの?お仕事あるんでしょ?」
「なぁに、そこはそれ。ちゃんと考えてあるよ。この時間、ヴェロッサ・アコースは本局にてデスクワークをしている事になっている。アリバイは完璧さ」

全く悪びれた様子も無く彼はこんな事を言っている。
こんな事を言っていてもヴェロッサには嫌味や、怠惰な感じがまるでしないのは、不思議だなぁとエイミィは思う。
性格から何からまるで正反対のクロノと彼が友人を長くやっていられるのは、こういう部分のおかげなのかもしれない。
が、彼はそこで微かに口の端を上げて面白がるような表情で、若干トーンを落とした声で囁く。

「ところで…何かあったのかい?」
「?何が?」
「こんな時間に君がここに居るのも珍しいし、せっかくのお茶に一人でってのも、あまり見ない光景だし…何より、今の君は何となくご機嫌宜しくないみたいだからね」
「…!」

瞬間、エイミィの顔が羞恥でポンッと赤くなる。
やってしまった―――そんな表情が浮かぶ。

「あ、あははは…見てた?」
「部屋の前を通りかかったら君の声がしたのさ。いや、気にすることはないよ。誰にでも、物言わぬ何かに語り掛けたい時はあるものさ」
「…楽しんでるでしょ、ロッサ君」
「ご想像に任せるよ」

あくまで笑顔を崩さないヴェロッサに、エイミィはまだ微かに頬を赤くしたままで、む〜などと唸るしかなかった。

「…で、話を戻すけれども、何かあったのかい?ひょっとして、今クロノ君が一緒にいないのと関係がるのかな?」
「…別に何も」

彼の言葉を聴いた瞬間、エイミィの顔が一目で分かる仏頂面を形作ったのを見て、ヴェロッサは踏んではいけないものを踏んだ事に気づいたのか、少しだけ慌てた表情になる。

「…まあ、あれだ。最近、クロノ君も大変だよねぇ。若き次元航行部隊司令官として上層部の期待も厚いっていうじゃないか。僕みたいなお気楽極楽査察官とは、文字通り次元が違うっていうか…」
「うん、そうだね」

抑揚の無い声でサクッという擬音が聞こえそうな一撃を喰らい、ヴェロッサは笑顔のままで凍りつく。
が、その気まずい間も一瞬の事で、エイミィは頭を抱えてまた盛大な溜息をついた。

「はぁ〜、あたし、ヤな感じだね。ごめん、別にロッサ君に当たるつもりじゃなかったんだけど」
「いや、気にすることはないよ。それより…」

そこまで言ってヴェロッサは、彼女の向かいの椅子に腰掛け、身を乗り出してくる。

「…良かったら、話してみないかい?アドバイスなんてあげられないだろうけど、愚痴くらいなら聞けるはずだよ?」
「ん〜…ホントに大した事じゃないんだよ」

言いながらエイミィは、ぽつぽつと話して聞かせた。


334 :Sugarless 4 ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 09:49:48 ID:K4NGUgYo
ヴェロッサは時折、「ふむふむ」などと相槌を打ちながらも、最後まで真面目にそれを聞いてくれた。
話そのものは、当たり前だが呆気ない程に短く終わってしまった。

久しぶりに休む時間が取れた、だからクロノをお茶に誘った、そしたら断られた、猛烈に不愉快です―――以上。

改めて人に説明してみると、なんて子供じみた話だろう。
そう思うと、今更ながらに、エイミィは恥ずかしくなってくる。
が、ヴェロッサは笑う事もなく静かに考え込んでいる。
妙に真面目なその態度が、何だか嬉しく感じられた。

「それは確かに、クロノ君の態度も態度だけど…何だか解せない感じはするねぇ」
「…?」

きょとんとする彼女を他所に、何やらぶつぶつ呟いていたヴェロッサの視線が、テーブルの上で止まる。

「…ちなみに、ケーキというのは、それの事かい?」
「そ。美味しそうでしょ。今、クラナガンで話題の『ル・クレイブル』の新作。食べてみる?」
「では、お言葉に甘えて」

言ってヴェロッサはどこからともなく取り出したフォークでケーキを器用に切り分けると、それを口に運ぶ。
ゆっくりと咀嚼する事しばし、目を閉じて味わっていた彼は、次にケーキを飲み込んで口を開いた瞬間、何とも言えない苦笑いの表情で、「なるほどねぇ」と呟く。
訳が分からず、エイミィは目を瞬かせた。

「…何が、なるほど?」
「クロノ君が君のお誘いを断った理由さ。このケーキ、確かに美味しいけど、少し甘さがきついだろう?僕がそう思うくらいなんだから、彼には尚更のはずさ」
「あ…」

言われてエイミィは思い出した。
確かに、クロノは甘いものが大の苦手だ。
食べたら即座に吐くレベルまでとはいかないが、チョコレート級以上の甘さになるともう駄目だ、確実に寒気を誘発する。
このケーキの甘さなら言わずもがな、であろう。
大方、彼の母親のあの甘党方面に偏りまくった破壊的な味覚が原因の一端では、とエイミィは踏んでいるのだが。
それにしても。

(何で気づかなかったんだろ…)

考えてみれば、部屋の前でクロノが見せた、あのぎょっとした表情も頷ける。
普段の自分ならすぐに気がついたはずなのに、久しぶりに取れた休みだからと言ってそこまで舞い上がっていたのだろうか。
ヴェロッサは話を聞いただけでそこまで思い至ったというのに。

「あたし、ダメダメだね。クロノ君の好みなんて、耳にタコができるくらい聞いてきたのに」
「そう悲観したもんでもないよ。そもそも、クロノ君はあんまり自分の好みを表に出す方じゃないからね。変に良識派というか、相手に合わせようと我慢してしまうのさ。好みを通して誘いを断る、なんていうのは余程付き合いの深い人間だけだよ。…そう、君のようにね」

ヴェロッサにそう言ってもらっても、あまりエイミィの気は晴れなかった。
冷たくなったコーヒーを啜りつつ、先程までの不機嫌モードから一転、落ち込みモードになりつつある彼女をしばらく見ていたヴェロッサだが、唐突にポンと手を打つ。

「なら…君にいいものあげよう」
「?」
「まあ百パーセントと断言はできないが、君達なら上手くいくと確信は持てるよ」

思わず青年の碧の目を凝視してしまったエイミィに、ヴェロッサは悪戯っ子のような笑顔で微笑んだ。


335 :Sugarless 5 ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 09:52:00 ID:K4NGUgYo
「それでは、検査終了です。当分はこのままでも、大丈夫なはずですよ」
「すまないな、マリエル主任」

開発室の扉をくぐり、見送りに出てきたマリエル・アテンザに、クロノ・ハラオウンはそう言って感謝の意を伝える。

「いえいえ、私は何もしてませんよ。相変わらず、日頃から丁寧にメンテナンスされてて、羨ましいくらい」
「君にそう言ってもらえれば、安心だな」

手を振るマリエルに最後にもう一度礼を述べ、クロノは開発室を後にした。
廊下を歩きながら、整備してもらったばかりのデバイス―――カード待機状態のデュランダルを懐にしまい込む。
以前に開発室に行った時以来少々日が空いてしまい、念の為に見てもらおうと来てみたのだが、結局は数十分の検査で終わってしまった。
マリエル主任曰く、整備も何もやる事が殆どありません、との事。
ともあれ、恩師の譲り物にして大事な相棒に、異常が見つからなかったのは良い事だ。

途端にクロノの心には出かける直前の心配事がぶり返してきた。

(エイミィは…どうしているだろうな)

部屋を出る前に誘ってくれた彼女を邪険に扱ってしまった事を、実のところクロノは少なからず後悔していた。
彼にとってもエイミィにとっても、久しぶりに取れた休みなのだ。
「後で二人、ゆっくりしよう」の約束くらい取り付けてもよかった。
いや、実際半分くらいはそうするつもりだったのだ。
エイミィの手にした、あの箱のラベルを見るまでは。

思い出した瞬間「うっぷ」と口を押さえるクロノ。

(嫌いなわけでは、ないんだがな…)

甘味が口内に広がるあの感覚それ自体はそんなに嫌いではない。
ただ、食べた後にやってくる、あの胸元から突き上げてくるような胸のむかつきはどうしても耐えることができないのだ。
女性たちは、よくもあんな刺激の強いものをカパカパ口に入れられるものだ、とクロノは思う。

ともあれ、彼の好みがどうあろうと、一言謝るくらいはしておくべきかもしれない。
デバイスの時刻表示を見ると、艦に戻る時間までにはまだ余裕があった。
流石にこれからお茶に誘うわけにはいかないが、部屋に戻って荷物を置いて、それから彼女の部屋に行くくらいの時間はあるはずだ。
そう思いながら歩いていると、いつの間にか自室の前まで来ていた。
IDカードを取り出し、読み込ませようとしたところで彼の手の動きが止まる。

―――ドアの鍵が開いている?

瞬間、訓練を積んできた身体がいつでも動けるように緊張する。
艦長私室であるこの部屋には魔法・物理両面での厳重なプロテクトがかかっていて、行きずりの人間が、気まぐれで開けられるようなものではないはずだ。
それを開けて中に入る能力と必要性を持った人物とは…?

神経を研ぎ澄ませて、ドアの向こうの様子を探ると、確かに人が居る気配がする。
扉の開閉スイッチに手をかけ、クロノは大きく息を吸い込んだ。
用心深く、いつでも動けるようにして扉を開ける。


336 :Sugarless 6 ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 09:54:53 ID:K4NGUgYo
部屋の風景は一見するといつもと変わらないように見えた。
必要なものがどこにあるか一目で分かる整理された机も、最近知り合いに半ば無理やり聞かされた音楽データディスクの入った棚も。
全てが最後に見た時と変わらない。

ただ一つ、ベッドの上に手足を抱えて丸くなっている人影の存在以外は。

「…エイミィ?」
「おかえり、クロノ君。早かったね」

背中を向けていて顔は見えないが、後姿から一目で分かる。
管制官の蒼い制服も、こちらに向いた背中に垂れかかっている栗色の髪も。
ついでにもうお馴染みになった、頭のてっぺんからぴょこんと飛び出すアホ毛も、いつものエイミィと変わりない。

敢えて言えば、聞こえてくるその声が、やけにツンととんがった感じになっている事くらいだろうか。
さっきまでの緊張感が一気に抜けて、クロノはやれやれと肩を竦めた。
考えてみればそうだ、可能性はもう一つあった。
館長の私室のロックを解除して中に入れるのは、それ相応の技術を持った人間か、あるいは―――管制指令の彼女か。

「エイミィ、こんなところで何をやってるんだ?」
「………」
「勝手にロックを解除したりして。危うく不審者と勘違いするところだったぞ」
「………」

少々呆れ気味のクロノの言葉にも、返事はない。
相変わらずベッドの上に寝転がって向こうをむいたまま、沈黙しているのみ。
どうでもいいが、制服のまま寝転がるなよ、皺になるぞ。
それに何かが無いと思ったら、さっきから君が抱えているその枕は僕のじゃないか。
どうでもいい事がクロノの頭に浮かんで消える。

ともあれ、いい加減彼の方も焦れてきた。
大体、こちらが話しかけているのだから、せめて相手の顔を見るのが常識というものではないか。
少々強引にでもこちらを向かせようと思い、彼女の肩に手をかける。

「エイミィ!聞いているの――」

ビシッ

「いっ!?」

触れた瞬間、手に小さい、だが鋭い痛みを感じて思わずクロノは手を引っ込めた。

「つ〜…何をするんだ」

手を擦りながら抗議するクロノにも、返答はない。
寝転がって背中を向けたまま、彼の手に小さくチョップをかましたエイミィは、相変わらずツンとした空気を発散させている。
もしかして、とクロノはあまり良いとは言えない可能性に思い至った。

「なあ、エイミィ…ひょっとして、さっきの事で怒っているのか?」

恐る恐るそう尋ねるクロノ。
その途端、彼女の頭のアホ毛が、ほんの少しだが、ピクッと動いた気がした。


337 :Sugarless 7 ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 10:00:35 ID:K4NGUgYo
ビンゴのようだなと、クロノは心の中で溜息をつく。
どうやら思った以上に、彼女のご機嫌はマイナスの方向に傾いているらしい。
予定より早いが、こうなった以上はさっさと仲直りの意思表示をしなければならない。
彼女の寝転がっているベッドに近づき、できるだけ柔らかな声で話しかける。

「聞いてくれ、エイミィ。さっきの事は謝る…すまなかった」
「……」
「その…せっかく誘ってくれたのにあんな言い方をしてしまって…悪かったよ」
「………」

自分でも言葉がぎこちないのは分かるが、こればかりは仕方がない。
仕事の上の交渉事ならともかく、こういった場ではどうせ気の利いた台詞を言おうとしても、自分では吹き出すような言葉しか出てこないのだから。
相変わらず、そっぽを向いた彼女の様子に変化はない。
冷や汗を流しながら、クロノは必死に何か手はないかと考える。

「埋め合わせは必ずする。次の休みは、二人で出かけよう。約束だ」

どもりがちな台詞ではあるが、少なくともクロノはいい加減な気持ちではなかった。
もしこれでエイミィが許してくれたら、何が何でも行けるように死ぬ気で仕事を終わらせよう、心からそう思っている。
エイミィは相変わらず背中を丸めているが、心なしか、ツンとした空気が少しだけ柔らかくなった気がした。
そんな彼女の背中を見ながら、クロノは最後の取って置きの切り札を出す。

「その時はケーキでも何でも付き合うよ。無論、僕のおごりだ」

これも本気だった。
無論、奢る自分もいくらかは食べる羽目になるだろうが、それは構わない。
この気まずい雰囲気をどうにかする為ならば、胸のむかつきくらい安いものだ―――きっと。
彼の言葉に、ピクリと頭頂部のアホ毛が動く。

(脈ありか?)

クロノは好機と捉えて、すかさず畳み掛ける。

「そうだな…君の好きな『ル・クレイブル』のラズベリーパイでどうだ?言うまでもなくコーヒー付だが」

ピクピク、また動く。
と、ススッという衣擦れの音と共に、エイミィがこちらに寄ってくる。
無論、背中は向けたままだが。

(よし、いい感じだ。この調子で……)

「高いからって、君はいつもあまり沢山は食べなかったが、今回はその心配はないぞ。僕の全面出資だからな」
「………」

その言葉が効いたのかどうなのか、エイミィがまた少しクロノの側に寄る。
あと一息、もう少しで手が届く距離。

「本当だぞ。特別に…3個でどうだ」

途端に、ザザザッという音と共にエイミィが下がる。
慌ててクロノは言い直した。

「…というのは冗談だ!6個にしよう」

ピタッ スススッ

動きが止まり、また少し寄ってくる。
危ないところだった、とクロノは胸を撫で下ろした。



338 :Sugarless 8 ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 10:02:45 ID:K4NGUgYo
「悪い条件じゃないだろう?そこが駄目なら、君が決めてくれ。どこだろうとお供するよ」

まるで野生のリスの手なずけ方である。
ただ、この場合違うのは、ドングリを差し出せば済む問題でもない、という事。
だからクロノはベッドの脇に肩膝をつけると、最後の一言を口に出した。

「だから、エイミィ。機嫌を直して、話をしてくれないか。頼む」
「…………」

言い終わると、クロノはじっと彼女の反応を待つ。
と、背中を向けたエイミィが、ふぅ、と小さく息を吐いた。
そしてごろんと寝返りを打ち、驚いた表情のクロノに視線を合わせる。
さぞ怒っているかと思った彼女の顔は、以外にも怒りの色はそれほどでもなかった。

「クロノ君…言葉、足りなすぎだよ」
「…すまない」
「あたしだって…そういう我侭、言いたいんだからね」
「…ああ」

上目遣いに睨んでくる彼女に、クロノは流石に小さくなって謝罪の言葉を口にする。
頭を下げる彼に、エイミィは首を振りながらゆっくりと身を起こす。
さっきから抱きしめていた彼の枕に、ポフッと顔を埋めて。

「いいよ。あたしの方も、ちょっと態度悪かったね。クロノ君が甘いもの苦手なんて、前から知ってたのにさ」
「だとしても、僕の態度は褒められたものじゃないからな。君が気にする必要はないさ」

真面目な表情で答えるクロノに、エイミィはこの部屋に来てから初めて、可笑しそうに笑みを浮かべる。

「堅いなぁ、クロノ君」
「…そう、か?」
「まぁ、いっか。何はともあれ、お互いこれでおあいこ、ってなったところで…」

エイミィはそう言って、ニンマリとした笑顔をクロノに向けた。

「ホントに奢ってくれるのかな〜?『ル・クレイブル』のラズベリー、高いよ?」
「勿論だとも。僕が嘘をついた事があったか?」
「じゃあ、クロノ君も一緒に食べてくれる?」
「…勿論だ」

一瞬の間の後、クロノは頷くが、その顔には一筋の汗がしっかり見えていた。
エイミィはクスクスと笑いながら、

「ウソウソ。無理しなくていいよ。倒れられちゃったら申し訳ないし」
「む…そこまでひ弱じゃないぞ、僕は」
「そうじゃないって。実を言うとね…」

言いながらエイミィはおもむろに立ち上がり、部屋の隅にあるクロノの机にいつの間にか置いてあった箱を手にとって戻ってきた。
そして、訳が分からず問いかけるような目つきをするクロノの前にポンとそれを置き、蓋を開ける。

「…そんなクロノ君の為に、こんな物を用意してあるわけですよ」
「これは?」

箱から出てきたのは、やはりケーキだ。
一瞬また顔を顰めそうになったクロノだが、先刻の事態になった原因を思い出して何とか踏みとどまる。
が、意外にもそのような努力は不必要だった。
エイミィが目の前に広げたケーキは確かに見た目こそ甘そうだが、今までのように見ただけで苦手意識がこみ上げてはこなかったからだ。


339 :Sugarless 9 ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 10:04:42 ID:K4NGUgYo
試しに香りを嗅いで見る。
やはりそうだ、彼の苦手な甘味料の刺激臭がしない。

「何だか…いつもと違うな」
「ふっふっふ。そうでしょう。これはね、ロッサ君が作った、彼特製甘さ控えめケーキ」
「ロッサ?何だってあいつが?」

唐突に出てきた友人の名前に、怪訝そうな表情で問い返す。
そこでエイミィは、事情を説明して聞かせた。
クロノと別れた後一人で拗ねていたら、ヴェロッサが悩み相談に乗ってくれて。
でもって、それならこれを試してごらん、というわけで、クロノでも食べられるケーキを持たせてくれた、と。

「何を隠そう、このケーキも自分で作ったんだってさ」
「変なところで多芸だな、あいつは」

呟きながら、ゆっくりとケーキを口に運ぶ。
口に甘い味が広がるところまでは確かに普通のケーキと同じだが、それがくどく残らずスゥと溶けるように消えていく。
これまで食べたものとは全く違う味だ。

「…美味い、な。これなら僕でも食べられる」
「でしょ?よかったぁ」

嬉しそうに笑いながら、エイミィはコーヒーを煎れて出してくれた。

「作り方も教わってきたし、今度作ってあげるね」
「それは有難いが…無理をしなくていいんだぞ?」
「大丈夫。私にはちゃんとこっちがあるから」

そう言ってエイミィが取り出したのは、もう一つの箱。
クロノも見覚えのあるその箱は、さっきあった際に彼女が持っていたのと同じだ。
納得して微笑みかけたクロノだったが、彼女の取り出したケーキが半分以上減っている状態なのに気付いて表情が固まった。

「エイミィ…一人でそんなに食べたのか?」
「そんなわけないでしょ。食べたのは半分以上ロッサ君!これはそのお余り」
「…食べかけ?ロッサの?」
「そ。すごい勢いで食べてくんだもん、止めるタイミング逃しちゃってさ。まぁ相談に乗ってもらったし、これくらいは正当報酬かな…って、クロノ君、どうしたの?」

話を聞くうちに不機嫌な顔になってきたクロノに、エイミィは不思議そうに問いかけた。
微かに喉の奥で唸って、彼はケーキをじっと見つめている。

何となく―――面白くない。


340 :Sugarless 10 ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 10:06:31 ID:K4NGUgYo
逡巡は長くは続かなかった。
いきなりクロノはフォークも使わず、エイミィのケーキを鷲摑みにすると、それをそのまま一気に自分の口へと放り込む。
まだ切り分けてもいない、およそ三人分はあろうかという塊のままのケーキを。

「ち、ちょっと、クロノ君!?」

突然の彼の奇行に、エイミィは横取りされたケーキの事を想う暇もなく、ただ面食らっている。
視界の端にそれを捉えながら、クロノは必死でケーキを咀嚼し、飲み込もうとする。
流石にきつい。
胸がムカムカするのに加え、視界までグルグル回り始めている。
今にも倒れそうな甘味の濁流に何とか耐え、クロノは一気に飲み込んだ。
顔は青ざめ、今にもぶっ倒れそうにしながらも、クロノは元のムスッとした表情を取り繕う。

「もう、いきなり何なの?無理して食べなくていいって言ったじゃない!しかもこんな一度に!クロノ君じゃなくたって、気持ち悪くなって当たり前だよ!」
「別に、気持ち悪くはない」
「何、意地張っちゃってるの!あ〜…しかも私の分のケーキ、全部食べちゃうし…」

最初の驚きが過ぎると、改めてケーキが綺麗に無くなってしまった事への怒りが沸いてきたらしい。
悲しそうな顔でしょげているエイミィを、クロノは苦々しげに見つめる。
抗議したくなるのは解るが、頼むから少しは察してくれ。
恋人の前で、他の男が口を付けた食べかけを君が喜んで食べているのは、いい気分じゃないんだぞ。

心が狭い?
ああ狭いさ、好きなように言ってくれ。
今更弁解も何も無しだ。

「うぅ〜…あれ、新作で数量限定なんだよ?今度いつ買えるかわからないのに……クロノ君のバカ〜……」

露骨にがっかりしたエイミィをしばらくじっと見ていたクロノだが、不意にニッと笑みを浮かべる。

「なら、いい考えがある」
「?…なに?いい考えって…っんっ!?」

一瞬だった。
ひょいと屈みこんで、エイミィの細い顎を右手でそっと掬い上げる。
そのまま、空いた左手で彼女を引き寄せると、息が詰まる程に強く唇を重ねた。

「んっ…んむっ…うぅ…ん……!」
「………」

柔らかな感触と共に、吐息が漏れるのが分かる。
じたばたともがくエイミィの肢体が、徐々に抵抗の力を失って、クロノにもたれ掛かるのを感じる。
ゆっくりと唇を堪能していた時間はどれくらいだろうか。

「んっ…ふ…はぁっ…クロノ…くん?」
「……」
「いきなりっ、なに…す…っ…」

当然といえば当然だが、肩を上下させたエイミィは上気した頬を真っ赤に染めて食って掛かる。
普段の、姉のような余裕のある態度を見慣れているせいか、クロノにとってのそれはえらく新鮮で、可愛らしいものに映った。
それを見て取りつつ、クロノは一言、エイミィの目を覗き込んで、言う。

「甘かったろう?」
「っっっ!!」

ボンっという音が聞こえそうな勢いで、エイミィの顔が真っ赤になる。
舌で軽く唇を舐め取り、クロノは満足の――心から満足げな笑みを浮かべて背中を向ける。
背後でエイミィが何か抗議の言葉を紡ごうとしているが、突然の刺激と羞恥心に舌が追いついていないらしく、パクパクと陸揚げされた魚のように口を開くのみである。


341 :Sugarless 11 ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 10:08:49 ID:K4NGUgYo
おっと…気がつけばもうこんな時間だな。そろそろ、艦橋に戻るか」
「あのねぇ…クロノ君…!?」
「君も一緒に来るだろう?ロッサのケーキは後で頂くことにしよう。せっかく作ってくれたのに、食べないのは勿体無いからな」
「だからっ!クロノ君、聞いてるの!?」

クロノは扉の方に向かっていた足を止め、クロノは顔だけで振り返った。

「来ないのかい、管制指令殿?」
「〜〜〜〜行きますっ!行くに決まってるでしょ!」

言うが早いか、エイミィは足音も荒く、ズンズンと彼を追い越すように歩き出し、部屋の外に出る。
クロノも追いかけるように部屋の外に出ると、素早く鍵を閉め、早歩きでエイミィに追いついた。

「そんなに怒らなくてもいいだろう」
「怒ってません」

宥めるように言うと、プイッと顔を背けた彼女から、そんな返事が返ってきた。
まあ、怒って当たり前かな、とクロノは心の中で苦笑いを浮かべる。
と、唐突にバリアジャケットの裾が引かれる感触。
見ると、隣を歩くエイミィの腕が、自分の腕に絡められている。

「エイミィ…?」

呼んでみるが、相変わらず答えはない。
顔もそっぽを向いたまま。
ただ、両の腕はクロノの右手にしっかり回されている。
まあこんなのもいいか、とクロノは思う。
このままで早歩きは野暮なので歩く速度を落とすと、エイミィもそれに合わせる。

「…クロノ君」
「?」

艦橋の近くまで来た時、聞こえた声に隣を見ると、エイミィの視線とぶつかる。
その顔はまだ赤いけれども、尖った所はどこにもない。
ただ膨れっ面でじっと見てくる彼女の唇から、言葉が零れ出る。

「さっきの約束、無効じゃないからね!むしろ割増!6個じゃなくて9個!」
「仰せのままに」

余裕の笑顔でそう答える。
彼女が機嫌を直してくれるなら、安いものだ。
それに何より、また彼女と二人の時間ができるのなら。

少々意外そうなエイミィを横目で見ながら、次の休暇までに仕事を終わらせる効率的なやり方を模索しつつ、クロノは艦橋への扉をくぐった。


342 :マーク1.5 ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 10:15:07 ID:K4NGUgYo
予想以上に緊張した初投下、これにて終了です。
久しぶりの休みだからって飛ばしすぎた…。

あとエイミィからロッサへの呼び方についてですが、敢えてここでは「ロッサ君」にさせて
もらいました。
漫画版では「アコース査察官」と呼んでいますが、流石に面と向かって話す時はもう少し
気安いんじゃないかと。
でもって語呂の良さを重視して、こういう呼び名にさせてもらいました。
まあ結局、漫画版での絡みがないんで、最後は想像なワケですが。

読んで下さった方々、ありがとうございました!

343 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 11:29:11 ID:yZ+a0usn
>>342
GJです。
クロノもエイミィもヴェロッサも、らしい感じが出てて良かったです。
後半のクロノとエイミィの遣り取りもすんなりイメージできましたよ。
嫉妬するクロノも新鮮でした。

344 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 11:46:10 ID:wRKD++LS
可愛い二人GJ

345 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 12:00:41 ID:v/JyiJfR
>>342
GJ
あんた最高

346 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 12:05:15 ID:w5Rxz098
>>342
あんまぁぁぁぁああああい!!!!!!!!11111111


個人的には好きなカップリングなのに、ほとんど投下がなかったんだよなぁ……

347 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 12:30:23 ID:OQBn7+Sc
>>342
少々遅いレスですが
エリキャロが蟲姦されるなんて、ここのルーは
「ガリュー、殺してー!!」じゃなく「ガリュー、犯してー!!」
とか言うわけですね。

ルーに何てこと言わせやがる、この…GJ!!

348 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 12:30:48 ID:g/T3g8bo
やっほう!久々のクロエイうれしいぜ!

349 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 13:00:17 ID:bjlx1O7+
>>342
GJです!何という「あまーーーーーーーーーーーーい」クロエミタイム!!

何かこのSS読んでるとクロノがプロポーズしたのもロッサ
が仕掛け人のような気がしてきますねw

350 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 13:32:05 ID:bID7DXmg
新規参入の方が増えてきて嬉しいのう

ところで、ヴェロッサをロッサというのと、ハンバーグをバーグと略すのって似てるよな

351 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 13:41:19 ID:c+VxfYtb
>>342
あなたが神か 

マイノリティーだろうがなんだろうが、クロエイ好きにはうれしい!GJ!

352 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 14:25:30 ID:gvklbPiC
やべえ、エイミィ見るなんてあまりに久しぶりなんで嬉しさのあまり涙が出た。
GJです。

皆、エロパロ板的にマイナーなキャラにもっと光を上げてください。

353 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 14:38:03 ID:9eXSqrf6
>>B・A氏
キングオブGJ!!!!
色々な感動をありがとうございました!
ようやく辿り着いた幸せな生活
完全なるハッピーエンドなんてありはしないけど、この二人が報われただけで本当に満足
フェイトの持っていた運命はとても残酷なものだったけど、同時に幸福なものでもあったと今なら断言できる
そしてこの夫婦が子供を何人作るのか実に楽しみw

354 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 15:40:02 ID:JJD90SR/
二人の子供は甘党なんだろうか?

家族全員が甘いもので盛り上がる中、子供達の手前食べないわけにもいかず一人だけ悶絶しながらケーキを食べるクロノw

355 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:23:00 ID:ZdwV777y
人目を忍び、隙を見て、流れも読まず

〜規制で社窓から2〜 「規制10日目突入の巻だッコロン♪」

という感じに取り急ぎ、さくさく投下させてくださいな

ざふぃふぇ!の4幕です、諦めてください
タイトル通りです、お気をつけください

フカフカ量産計画発動篇は今回で終幕です
……え、このまま胎動篇とか続かないといけないの!?(ガビーン

それはともかく、いきまーす

356 :ておあー:2008/02/28(木) 16:25:00 ID:yYYdICWB
26-111氏、もしくは司書の方へ

更新いつもご苦労様です。えと、先日まとめに蒐集されたガリュー話の2話なのですが、
一番上についてるあらすじと登場人物紹介(いわゆる名前欄『まえがきてきななにか』の箇所)
は自分の中で作品の一部ではないという認識なのでお手数ですがカットしていただけません
でしょうか。ネタっぽくはあるけれど、あれは全部まとめて読む際には不要な箇所だと思いますので……
同様に今蒐集待ち状態の3話、そしてこれから投げ込まれる4話以降も『まえがき〜』部分は
カットしていただけるとありがたいです。
誤字とかではなくあくまで個人のこだわり的な部分でお手間をとらせてしまい申し訳ありません。

あと>>72氏へ
いつも貴方の埋めAAを楽しみにしています。AAのストックが尽きかけているということですので、
ガリュー(幼虫Ver.)のAAを作ってみました。よければ使ってみてください。

 〜<キシャー()

たぶん()の中に次スレのアドレスを貼ったりするといいんじゃないかと。




357 :ざふぃふぇ!:2008/02/28(木) 16:29:01 ID:ZdwV777y
最愛の名前はフェイト、そして、腐れ毛皮の名前はザフィーラなの!
登場機会すら乏しいモブ犬が、私のフェイトちゃんを誑かして、既に何度も既成事実が…

でも大丈夫! 待っててねフェイトちゃん、今すぐ遠距離射撃をって、え、駄目、何をするの!?
どいてはやてちゃん、そいつコロせない!!



『ざふぃふぇ!』 第ベルカ式四幕 うごのたけのこ



 合 体



(アヴィ!!!![完])


358 :ざふぃふぇ!:2008/02/28(木) 16:29:39 ID:ZdwV777y
あとがきー

ふう、ここまでエロい内容を書いてしまったのは初めてです
ああっ、ものを投げないで投げないで なんかいつもより殺気が殺気がああぁぁ……

と、軽く流したところで第四幕をどうぞ


359 :ざふぃふぇ!:2008/02/28(木) 16:30:43 ID:ZdwV777y
奥様の名前はフェイト、そして、だんな様の名前はザフィーラ。
あまり普通でない二人は、あまり普通でない恋をして、ごく普通の結婚をしました。

でも、見ればわかるような気もしますが、だんな様は狼だったのです!



『ざふぃふぇ!』 第四幕 うそとほんとう



フェイト・T・八神の本懐は、未だに遂げられていなかった。

汗に塗れ、幾度も達したその身をザフィーラの、指が、舌が、執拗に責めたてている。
湿り気を帯びたシーツの上に、乱れた金髪が広がり、幾房かが腰まわりに絡み付いていた。

足を抱え上げ、不必要に高い音をたてながら啜り、反り返る背筋を額に受ける。

彼の妻の、だらしなく開いた口元からは絶え間なく、泣き声とも喘ぎともとれる呼気が漏れ続け、
卑しく夫の与える快楽を貪りつくさんと震える身体に、意識が追いつく事は無く、喘ぎ、啼く。

もう小半時は、このような時間を過ごしている。

控えめな淫唇は尽きせぬ愛撫に、どろどろに花開かされぷくりと充血している。
二本、三本と指を受け入れている膣口と菊蕾が、喘ぐように生々しく桜色の肉弁を開閉させていた。

せめて不品行に歪んだ表情を見せまいと、交差させて顔を覆っている両腕を掴み、解く。

人型を維持したままの盾の守護獣が、腕を取ったままシーツへ押し付けるように覆いかぶさり、
赤面をさらに朱に染めた、羞恥に見開いた瞳の、涙と涎で蕩けきった表情を、舐めとった。

「い…いいかげん、とどめが欲しい……かな」
「そうは言うがな執務官殿、性欲を持て余す」

「泣いていいですか?」

とりあえず、言葉の上だけは平素の如き内容ではあったが、声色はどうしようもなく、湿る。


360 :ざふぃふぇ!:2008/02/28(木) 16:32:10 ID:ZdwV777y
暫時、蠕動する指と舌に翻弄され、尾骨から頚椎までが電流を流されたかの如く、痺れ、
脳と子宮で弾けた快楽の波が、神経の末端までを犯し尽くし、世界を白く染め上げた。

脱力した身体に残るのは、満足に上気した頬と、しかしながら、不満気な視線。

「どうした?」
「………まだ、してもらってない」

同衾より小一時間、ここに至って乱れ湿ったシーツの上に投げ出されている肢体は、
脱力しきって足を閉じる事すらできない白い裸体に、散り濡れて絡みつく金色の糸。

それに対して、身を寄せている褐色の体躯は、未だバリアジャケットすら脱いでいない。

「やっぱり、発情期でないと……勃たないのかな?」
「いや、そういうわけではないのだが」

決まり悪く言葉を濁す様相には、迷い。

何を悩んでいるのかはさっぱり理解できないが、悪意は感じられない。
なんとなく伝わってくる思いやる心に、執務官は安堵して要望を言葉に乗せた。

「せっかくの人間形態だし、最後までして欲しいんだ」
「そういえば、この身体でした事は無かったな」

そのような趣味なのかと思っていたのだがと、しみじみと語る人間形態守護獣に、
何か果てしない誤解がと、慌てて弁解を届ける金色の執務官。

「え、えーと、ほら、ザフィーラって狼素体だから、だからこう、夫婦なんだから、
 こっちの都合で人間形態になってもらうのも、何か違うかなって…」
「またお前は、変な事に気を使う」

見るからに色々と複雑な様子を、呆れた声色で嗜めながら、褐色を覆うジャケットを解除した。
途端、でろりと、何とも形容し難き冒涜的な宇宙的恐怖の具現が姿を現する。

その地獄めいた様相を的確に表現する事は、我々の存在する文明圏に対し最も挑戦的な事柄であり、
矮小な人間世界を陵辱するがために産まれた異形の産声は、理解たる狂気に怯える執務官の内心を、
狂信的な高揚にも似たおぞましき戦慄で埋め尽くした。


361 :ざふぃふぇ!:2008/02/28(木) 16:32:49 ID:ZdwV777y
「ちょ…ちょっと待って、それって、その大きさって!?」
「どうした? 大きさ的には狼形態と、そうは変わらないと思うが」

「大違いだよ! だって、だって…狼の時は先が尖ってるじゃないか!!」

静寂、言われて見れば先端から根元に至るまで満遍なく、太かった、それはもう太かった。

前田慶次郎利益が「これぐらい!」と握りこぶしを見せたかの如きの威容だった。
棒枯らしの蛍も「そ、そんなに!?」と驚くばかりの狂器であった。

それ故に先端が埋まる折、短く悲鳴が漏れたのも無理からぬ事であった。

「やめるか?」
「いえ………どうぞ」

夫を受け入れるというよりは、処刑を目前にした死刑囚の如きフェイトの様相である。
何故にこのような微妙すぎる空気で事に及んでいるのかと、ザフィーラは自問した。

「覚悟しておけよ」

みちりと、聞こえるはずもない擬音が、確かにお互いの心の中に響き、埋まる。
なんかもうどうしようという心持ちの守護獣が、諦観を抱えて一息で突き入れた。

奥に届く。

届けらた側は既に、限界まで背筋を反らせて、掬われた金魚の如く口をぱくぱくと開閉し、
涙に濡れたままに見開いた目は、今にも裏返り白目を剥いても違和感の無い有様である。

「だ…大丈夫か?」

引いていた。


362 :ざふぃふぇ!:2008/02/28(木) 16:33:31 ID:ZdwV777y
「だ、大丈夫だから…ひぎっ、さ、最後ま…で」
「そ、そうか…」

どん底まで引いていた、それはもう引いていた。
気分は既に罰ゲームであった。

「ひぃ……あぎゃ…ぎ、ぎぁっ……えぐ、えぎゃ……」

一突きごとに、尋常の様相には存在しない歪な悲鳴が上がる。

せめて手早く終わらせようと、無理にでも自分の中だけで盛り上げてみれば、
心情に素早く反応してしまった凶器が肥大化し、一際に大きい悲鳴が上がった。

可能な限り優しく腰を動かしていたザフィーラだったが、流石に少し泣きたくなった。

玉の肌には脂汗が浮かび、食いしばられた歯に、強く顰められた眉に、
閉じられた瞼に舌を這わせば、少しだけ笑顔が戻って、また悲鳴。

ひぎぃと、いぎゃと、誰かが聞いていたら即座に通報されかねない物音を立てながら、
なんかもう笑うしか、とか疲れた雰囲気を身に纏い、延々と腰を動かし、動かす。

一挙動の度に内臓の悉くが捲れ上がる感覚に、白い裸身が玩具の様に跳ね上がる。
快楽というよりもむしろ、泣き喚き、命乞いをしていると言った雰囲気が滲み出ている。

それでも努力と忍耐の果てに、ようやく終焉が訪れる感覚を腰まわりに予感したザフィーラは、
毒を喰らわば皿までと腹を括り、観念して、苦悶する妻の身体を抱え上げた。

反り返る背筋を締め上げながら、どすりと、子宮口を突き上げる。
亀頭の先端がドーナツ状の肉輪に埋まり、未だ出産を知らぬ閉じきった門内に、捻じ込まれる。

「……!…!!」

串刺しにされた形になる肉欲餌食は、夫の突然の行動に激痛に、瞼も口も限界まで開き硬直し、
もはや身も世も無い有様で、声にならない断末魔の悲鳴を上げた。

開いた顎に震える舌に、絡めるように貪るが如き口付けを交わし、肺の空気を吸い尽くす、抱擁。

すると、どこにそのような余力が残っていたのかと、驚嘆に値する勢いで抱擁を返され、
全身で全身を締め上げられる鈍痛の中で、串刺しにしている子宮へと、勢い良く白濁を放出した。

あ、とも、う、とも判別のつかない嗚咽を残し、浅黒い肌に包まれ、痙攣の果てに、脱力の白。


363 :ざふぃふぇ!:2008/02/28(木) 16:34:02 ID:ZdwV777y
いや、脱力と言うには些かに異常がある。

見れば歯の根の噛み合わぬままにがちがちと鳴らし、哀願するように縋りつく身体は小刻みに震え、
全身の毛穴が開き、脂汗がぬめりを伴いながら滝の如く滴り落ちる。

そして、どれほどに耐え続けようとも、悪夢の如く、広がりきった膣にかかる膨らみは蠕動し、
絶え間無く注ぎ込まれる精液が、子宮の奥へと注ぎ込まれ続け、内臓を腹部より圧迫し続ける。

吐瀉物に塗れ、病人の如く無惨に震える身体には、平素の穏やかな様相は欠片も見当たらない。
その死に体の藻屑を両腕で支え、決して逃がすような無様は晒さぬとばかりに、強く抱きしめる。

その時点より数え、ザフィーラの射精は30分ほども継続した。

しかしてついに終焉を迎え、最後の一滴までもを余すことなく注ぎ込み、身を震わせて満足する。
注ぎ込まれ続けた精液で、膨れ上がった子宮が、下腹が、外からも瞭然の有様になっている。

腰を引き、奥の奥へと突きたてていた剛直を抜き放てば、粘液と精液に塗れた淫唇から、
びゅるりと生臭い音がして、勢い良く白濁が溢れ出してきた。

これは些か以上にやり過ぎたと、刹那に自己嫌悪へと陥った守護獣は、取り急ぎ手当てを考える。
壊れた人形の如く痙攣を続ける犠牲者の、開かれたままの瞼に手を置いて、閉じれば、

「ざふ…好き……」

限界を越えてなお意識が残っていたのか、ただのうわ言だったのか、それとも何かの幻聴か。
ザフィーラの意識にただ一言だけを届けて、そのままに健やかな寝息を立てはじめた。

不意の一言に、少しばかり決まりを悪くしていた青き守護獣は、緩やかに身を横たえさせ、
愛妻へと頬を寄せて耳元で何事かを返答し、身を重ね、就寝する。

壊れぬようにと、知らず祈りながら、優しく抱きかかえ、吐息。
やがて、その宵は少しばかり騒々し過ぎた寝室から、二人分の寝息が聞こえてきた。



364 :ざふぃふぇ!:2008/02/28(木) 16:34:36 ID:ZdwV777y
不思議と穏やかな心持ちで、夢を見る。


遥けき遠く、古きベルカの地を俯瞰する、小高い丘の只中に、
突き刺す風より互いの身を守るかの如く、寄り添う二匹の狼が居る。

いまだ夜天を仰ぐ事の無い、その青き姿に身を寄せるのは、金色。

それは、あるはずの無い風景、見たことも無い記憶。


転寝より醒めたザフィーラは、益体も無い妄想に苦笑した。



(余談、あけてぞけさは)



朝方に身を清めれば、穏やかな食事などは贅沢の果て、気がつけば時間に疾く急かされる。
慌しく姿見を覗きあいながら、ひと時の別離の前に、短く会話を交した。

「じゃ、今日から長期任務だけど、浮気しちゃ駄目だよ」
「自分に言え、自分に」

珍しく独占欲の混じる返答を、フェイトは何処かしら楽しそうな様相で、戯弄する。

「このまま何も言わなかったら、浮気するかもしれないよ、するかもー」

見るからに聞くからに本気では無い声色なのだが、上目遣いで期待している眼差しを、
冷たくあしらったがために意地になって暴走されたトラウマが、ザフィーラにはあった。

仕方無し、そっと首筋に唇を這わせ、臭いをつける。

「おまえは俺のものだ、これでいいか?」
「上出来です」

咲き誇る、そんな笑顔。

余談になるがその日、T・八神さん家から見知らぬ男性が出てきたと近隣の噂になり、
そのために暫く、ザフィーラは人間形態をとって生活せざるを得なかったと言う。

(終)


365 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:35:15 ID:7r9zVoY9
黒エイもいいなぁ

お兄ちゃんどいて!そいつ殺せないフェイトも大好物なんだけどさ。

366 :ざふぃふぇ!:2008/02/28(木) 16:35:29 ID:ZdwV777y
あとがきー

その時、居並ぶ局員はサイドポニーの意味を理解した。

正面からは頭を下げているように見えるけど、本当の私はそっぽを向いているの。
そのような意思がありありと伝わる、見事な傾きぶりであった。


ではなく、或る執務官では一度たりとも普通のエロが挿入されていないと気がついて、
いっそ違う話で普通のラブイチャエロな一幕を、という理由もあったシリーズでした

念願叶って、トテモマトモで普通の、夫婦のラヴラヴでイチャイチャな………
あぎぃとか、ひぎゃとか言っているのは気のせいです、ええ気のせいですとも

まあ、性交は失敗の母と言いますし、そんなこんなでした

…あぶなく上司にバレるところだったZE(ボソ

367 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:49:26 ID:yYYdICWB
>>366
完結乙ですー
しかしイチャラブなエロを見せられたはずなのにニヤニヤではなく豪快に吹いたのは
俺の感覚がおかしいんでしょうか?



368 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:02:06 ID:XOCo2/Eg
GJ!
なにwwwこのwww獣姦小説www
もっと犯れwwww

369 :マーク1.5 ◆sirW4AJp5E :2008/02/28(木) 17:21:28 ID:K4NGUgYo
まず、感想くれた方々、ありがとうございました!
予想以上に好評のようで、こちらとしても感謝の極み。
クロノはおそらく、子供達に薦められたら断れないでしょう。きっとそうだ。

>>296
遅くなりましたが…やばいくらいにGJです!
すっかり楽隠居状態のスカと妙に可愛いクア姉に萌えた。
外道クアもいいけれど、こういうのも面白いものですね。

370 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:26:20 ID:V/8QNORQ
このタイミングで投下してもおkなのかいお兄ちゃん?

371 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:30:21 ID:XOCo2/Eg
断る

372 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:31:09 ID:V/8QNORQ
わかった。出直してくるわorz

373 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:31:29 ID:7VP/WMNH
カモン

374 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:33:18 ID:XOCo2/Eg
ごめんwwww嘘www
帰ってきてぇwwwwww

375 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:37:02 ID:V/8QNORQ
いや、よく考えたら設定面とかの刷り合わせを怠りぎみだった。
引き止めてくれてサンクス。
きっとまた後で来るよ

376 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:38:32 ID:HIOIVcwi
HQより>>372。後退は認めない。繰り返す、後退は認めない。

377 :督戦隊:2008/02/28(木) 17:39:35 ID:KMHTT5IG
そこから一歩でも下がってみろ・・・さ、下がるな!

378 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:40:59 ID:RFo+a1lF
>>377
鬼の形相をした教導官殿が無数の魔法弾を浮かべています。

379 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:49:39 ID:M5vKozOB
マーク1.5 ◆sirW4AJp5E 氏

エロイ!超エロイ!!弩エロイ!!
読んで早々、さっそく実用させていただいたッッ!!!
金の狼という表現にちょっとホロリとしたぜ。・゚・(ノД`)・゚・。

そして敵陣に恐るべき単騎駆けをする魔法少女とコズミックホラー吹いたw
次はアルフを加えた3Pを希望!

380 :蒼青:2008/02/28(木) 17:50:32 ID:V/8QNORQ
>>378
暴力に屈したので投下しますww

・カップリング:エリオ×??? まあ、1スレ読んで頂ければわかるので…
・エロなし、鬱なし、戦闘ちょいあり
・タイトル「First Love」 NGもこいつでお願いします

じゃあ行くぜい

381 :First Love No_1:2008/02/28(木) 17:51:51 ID:V/8QNORQ
何もないその場所に、ソレはいた。
大地も空も、宇宙も、光も闇も。
上も下も、右も左も、有も無もない、不可思議な空間の中。
その体躯を気兼ねすることなく表し、有を誇るソレ。
─その表皮は、他からの侵食を欠片も許さぬ盾であり。
─その2対の翼は、己の威容を倍化させ、見る物を圧倒する。
─その手の爪は、時に大地さえ、空さえ引き裂く剣。
─その逞しい足は、その大地を自らの物と定めるかのように在る。
時にその大木のような尾を動かしながら、巨体はその有を、他に何物も存在しない
空間に見せ付け、存在する。



そして。
その威容はただ、考えていた。
─その対象は一人の少年。
─その脳内は、どこまでも淡いピンク色。端的に表すなら、お花畑。
かの体躯は、そっと、しかし人のものさしで見れば小さいと呼べる訳が無い大きさの
声で呟く。
『エリオ………』



ソレの名。
いや、彼女の名は。
真竜 ヴォルテール。
キャロ・ル・ルシエの、機動六課新人フォワード陣の最大戦力にして、ル・ルシエの里の
守り神は現在、


初恋による、乙女街道を一直線に突っ走っていた。




〜The Biggest Love〜
Step 1 First Love






382 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:52:34 ID:u+FRK0rk
>>355
ナイスイチャラブと言っておこうwww
そしてIDが777!

383 :First Love No_2:2008/02/28(木) 17:52:43 ID:V/8QNORQ
契機は、数日前の訓練中の模擬戦。
JS事件が一応の解決を迎え、1月ほど経過したころ。
密度の高い訓練と、様々な状況下での実戦の経験によってキャロは、まだまだ
完全とは言い難いが、ヴォルテールを召喚、制御することが少しづつ可能に
なってきていた。そこで、隊長陣の提案によってヴォルテールを絡めた模擬戦を
やってみよう、ということになった。

ちなみにその裏側には、魔力・術式の制御をより精緻に行うという課題を掲げつつ、
『六課の砲撃最強は私なの』という、嫉妬に似た何かを体外に薄く纏う某教導官と、
新しく手に入れたユニゾンデバイスの(性能的な)魅力に取り憑かれ、戦闘への渇望が
さらに高まった桃色の髪のサムライガールの強い希望があったらしいが、ここでは
決して関係ない話である。決して。

という訳で、ここに機動六課隊長チームvsヴォルテールを含む新人チームという、
今後どうあっても成立し得ないであろう対戦カードが組まれた。

とはいってもこれも訓練のための模擬戦の一つなのだから、当然隊長陣にかかった
リミッターが外せるわけも無い。さらに、フェイト隊長はJS事件に対する逮捕後の
事務処理や公判の準備に追われている為に不参加。ヴィータ副隊長も、キャロが制御を
誤るなどの万が一を憂慮するという理由で(極めて面倒そうに)辞退することと
なったため、なのは・シグナムコンビでこの戦闘に当たる事になった。
そうなれば、いくら冥王と烈火の将といえど少々無理が生じる。結果、そのための
処置としてヴォルテールにも出力リミッターが掛けられる事となった。初めはのうちは
召喚獣に対して不自由な思いをさせることに対して抵抗を覚えていたキャロではあったが、
ヴィータの『制御の面でもそのほうがリスクを抑えられる』という説得に、若干の不満を
残しつつも許可した。

「ごめんね、ヴォルテール…少し窮屈かもだけど我慢してね」

ヴォルテールは、ただケリュケイオンの輝きによってのみそれに応える。

かくして準備は整い、決戦の幕は切って落とされる。




そして、10分後。
隊長のなのはを除くスターズ分隊の3人は、揃ってまだ続いている戦闘をぼけっと眺めていた。
もともとはティアナとスバルも模擬戦に参加していた。いたのだが…

何しろ、やることが無い。

そもそもヴォルテールがいる時点で直接的な近接打撃など必要が無いに等しいし、牽制すら
必要なのかも疑問符がつくところ。さらに真竜の特性なのかは知らないが、ヴォルテールは
体の表面にやたらと硬いフィールドを展開しており、防御の面においても完璧に近い性質を
示していた。

むしろ、下手に動き回ればこちらが危ない。
スバルに至っては、ウィングロードで飛び出そうとした矢先にヴォルテールの軽く振った尻尾に
空色の道を破壊され、そのまま空中へ放り出される始末。その後もランダムに振られる尾を
必死で避けながら、スタート地点に涙目で戻ってくるのが精一杯という有り様だった。



384 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:53:14 ID:RFo+a1lF
>>381
tywwwww

385 :First Love No_3:2008/02/28(木) 17:54:05 ID:V/8QNORQ
ならばと術者であるキャロの防衛に回ることにしたのだが。

攻撃が飛んでこない。一切。

シグナム副隊長はまだ納得できる。強者との対決を望むあの人が、そのような戦法を用いる
とは考えにくい。現に、ホラ。あんなキラキラ(ギラギラとも言う)した顔でレヴァンティン
を振るって…

問題はなのはさんの方だ。勝敗にこだわるなら、相手の弱点を徹底して攻めるのが必定。
しかしなのはさんは、ひたすらにヴォルテールに対して砲撃と誘導弾を撃ち込んでいる。
なにやら口が小さく動いてるのでなにかを呟いてるらしいが、あの表情を見るに聞かない
ほうがきっと幸せなんだろう…

てゆーか、目が怖いです。
あの目を見てると、あまり良くない思い出がこう、背中辺りを…

「お前ら、こんなとこで油売ってないでとっとと戻れよ」

不意にヴィータ副隊長がこちらに向けて話しかけてきた。だが、声から察するにそこまで
深く注意する気もないのだろう。

そんなわけで、あたし達は戦闘地点から離脱してヴィータ副隊長が待機、監視している
ポイントまで戻って来た。ちなみにエリオは、万に一つも攻撃が飛んでこないともわからない
ので、ということでキャロのいるポイントに今だ待機している。まったく、あの年で律儀というか
バカ正直というか…

「はい、まあ…そうなんですけどね…」
「あ、ちょうちょだー」

ん?なのはさんの今の誘導弾の軌道、おもしろいなぁ。今度私も試してみよう。


こんな調子の部下の姿を見たヴィータは『あたしも戦るべきだったか』と一瞬考え、その後、
目の前で行われている狂人達のvs怪獣戦に目線を移して、即座にその思考を叩き潰した。






386 :First Love No_4:2008/02/28(木) 17:54:47 ID:V/8QNORQ
炎を纏い上段から振り下ろされた剣を、纏ったフィールドと爪で受け止めながら、ヴォルテールは
考えていた。

─目の前にいる人間達は、強い。
 まあ、人間としてのレベルで見れば、だが。

 二人とも理性という螺子が何本か抜けてしまっているような(しかし互いに全く異なる)表情を
 浮かべてはいるが、攻撃の精度、威力共になかなかの部類に入る。
 特に、2人の間で行われている連携は、今まで見てきた様々な戦いの中でも屈指の部類、と
 評していいだろう。

砲撃を障害にして剣士が接近、切りつける瞬間に誘導弾が背後を攻撃し、剣士に意識を戻せば
その隙に中距離へ離脱、弓矢で狙うと同時に足元に再びの砲撃。
それらを魔力砲で迎撃しながらも、ヴォルテールは考えることをやめない。

─思えば、このように人間と戦うことがひどく久しぶりに思う。
 生まれた当初のことはよく覚えていないが、真竜という名だけでも虫除けには充分だったの
 だろう。せいぜいじゃれる程度に他の竜と小突き合った程度だ。
 アルザスの、ル・ルシエの里の護り手となってからは、そもそも私の力を使うような機会が
 少なかった。
 何しろ、考えなしに揮えば里が滅ぶどころの話ではない力なのだ。
 集落の中では敬われ、畏れられ。私と盟約を結んだ数少ない巫女も、それとほぼ同様の
 扱いを受けてきた。

躯をその場で1回転。尻尾での変則的な打撃を仕掛けるも、距離を取られる。空振り。
その一瞬の隙を突いて、再びクロスレンジへと踏み込んでくる剣士。
なかなか速い。フィールドの出力を上げて防御。

─だからだろうか。
 私が彼女たちの事を、とても愛おしく思うのは。
 私がその世界に触れるための触媒ではなく、私と世界との境界でもなく。
 常に私が共に在り、私と共に在る存在。
 共にいる訳ではないのに、共に在る。精神の、さらに深い部分での繋がり。
 まるで私は、彼女たちを、娘のように感じている。
 想っている。



387 :First Love No_5:2008/02/28(木) 17:55:40 ID:V/8QNORQ
剣戟が弾かれたと見るや、剣士はその場で鞘を召喚しながら、弾丸を撃発。魔力が
剣と、体から溢れ出る。

ふと意識を走らせる。砲撃の術者がいない。どこに─
真上に魔力反応。規模が大きい。後ろへ跳んで回避。
同時に踏み込む剣士。目の前に立つ、砲撃の柱。土煙。
「紫」
抜刀。刀身を加速。
「電」
砲の衝撃。更に加速。
「一」
炎の噴出。更に更に加速。
「閃っ!!!」
そのまま、横に薙ぐ超速の剣士。フィールドが切り裂かれる。
仕方ない。爪で防御。飛び舞う火花。
拮抗は数瞬。力で押し切る。押し戻される剣士。煙の緞帳の中へ。

─今のは、少し危なかった、かもしれない。
 ああ、何を考えていたのだったか。
 そうだ、私の愛しい娘達の事だ。
 特に、今の巫女。私の娘、キャロは。
 力が強すぎたがために、家族も、居場所も失ってしまった。
 力故に、虐げられ、得られる愛を、与えてやれなかった。
 力を、正しく使ってやれなかった。
 力しか、与えられなかった。

未だに晴れない土煙。その向こうでは、新たな魔力反応。

─しかし、あの娘は。キャロは。
 逢う事が出来た。暖かさに。いるべき場所に、再び。
 いて欲しいと、願ってくれる場所に。
 温もりに満ちた家族に。安らげる母に。
 だから。
 私は、それらを護る。全てで護る。
 それが、私の、娘の望むことなのだから。
 護るんだ。

膨れる魔力。その後飛び来るのは、多数の直射弾─ではなく、大量の、礫。土塊。
降り注ぐ、石の雨。フィールドで問題ない。破れた箇所を修復しながら─
その時、不意に、左足元で何かが跳ねた。
それは、木だった。砲で打ち倒された、木。
弾丸となって、襲い掛かる幹。修復中だったフィールドの隙間を抜けようと。

─見事だ。

しかし、大丈夫。フィールドの再構築のほうが速い。
結果、丸太は修復したフィールドに挟まれ─




388 :First Love No_6:2008/02/28(木) 17:56:25 ID:V/8QNORQ
その中心を、刃の蛇が、貫いた。


見れば、地面すれすれを這い、木製のの弾丸と寸分違わぬ軌道を描く、鋼の蔦。
それは、木の幹を貫ききった瞬間に、弾丸へとその本質を変える。
丸太という銃弾の、意志を継ぐかのように。
爪での防御は間に合わない。虚を突かれ過ぎた。
表皮もかなりの硬度を誇るが、この蛇が相手では分が悪いだろう。
次いで襲い来る痛みを覚悟し。


その痛みは、予想を飛び越えて、思いもよらぬ形で襲ってきた。




キャロの側で、エリオは槍を片手で軽く持ちながらヴォルテールと、戦闘狂
と化したコンビとの戦闘を遠巻きに観察していた。

やっぱり、シグナム副隊長はすごいと心から思う。
援護を得ての切り込みの速さ、その場の応用力。
そして、何よりも瞬発的な爆発力が桁違いだ。

僕のポジション、ウィングガードに求められるもの。
それは、苦しむ仲間の背中をいつでも支えに行けるだけのスピードと。
仲間の危機を瞬く間に好機へと変えられるだけの爆発力。

土煙の前に佇む黒き威容を臨みながら、自分の理想を思う。
スピードは、今の僕の最大の武器だと思ってる。

「ストラーダ、フォルムツヴァイ」
『Ja.』

カートリッジを飲み込み、槍は、槍騎士は、空を跳ぶ羽を得る。
ブースターによる推進力を用いた、高速移動、旋回、滞空を可能とする、
フォルムツヴァイ、デューゼンフォルム。
そして、更なる高み。フォルムドライ、ウンヴェッターフォルム。
もっと使いこなせたなら。いや、使いこなせる。
その時には、理想に手が届くと。
そう信じて。

エリオは手のストラーダをきつく握りしめ、岩の散弾を弾くヴォルテールの
先にいる師へと、その思いを誓う。

だから。
放ったシグナムを除けば、誰よりも先に、ソレに気付いた。
不自然に跳ねた樹木。そして、土煙に輝く一筋の光。

それらが示す結論に思考が到達したときには、既に身体は反応している。
そうなりたいと思い、そうなるべく師に教えを乞うたのだから。



389 :First Love No_7:2008/02/28(木) 17:56:56 ID:V/8QNORQ
「ストラーダ!!カートリッジロード!!!」
『Load Cartridge,Sonic Move.』

さすがは、相棒。
そして、瞬きほどの間隔の後には、エリオはヴォルテールの眼前で、槍を振りかぶって
いた。

「おおおおぉぉぁぁ!!」

彼の振るった槍の一撃は、師の放ったシュランゲを、ヴォルテールを傷つけるはずの銃弾を
無力な刃の連鎖に変え。


後方から飛来した3発の誘導弾の直撃を受けて、彼は撃墜された。




目の前で、白を纏った槍騎士が宙を舞う。
彼は、そうだ。キャロの家族。
私の娘の、暖かな居場所。
大切な、パートナー。
名は確か、エリオ。
ああ、護らないといけなかったのに。
護られるのではなく、護りたかったのに。
全てから。あらゆるものから。
彼の名を叫ぶ声が聞こえる。あれは、キャロの声だ。
桃色の光を纏う体。
どうやら、キャロが召喚の術式を止めた様だ。
ああ、もうすぐ私は還るのか。

…せめて。
…せめて、彼だけは。
これ以上傷付くことのないように。

ヴォルテールは、エリオをその手で受け止めるとそっと地面に下ろし、
光の中に、やさしい桃色に還っていった。

──彼に駆け寄る娘の姿が、最後に見えた。
  気がした。








390 :First Love No_8:2008/02/28(木) 17:57:45 ID:V/8QNORQ
ヴォルテールが送還されたことで、模擬戦は当然中止となった。そして、
撃墜されて意識を失ったエリオは、すぐさま医務室のシャマルの元へと運ばれた。
診断は、訓練用の誘導弾が当たった程度なので、脳波にも特に異常は無いし、
しばらく寝ていれば目を覚ます、との事だった。
キャロは医務室で、そのエリオに付き添っている。
ここへ来る途中で、ヴィータ副隊長には『片付けもろもろはスターズで
やっとくから心配すんな』と言われてある。

ちなみに、この状況の元凶であるスターズ01およびライトニング02は、報を聞きつけ
訓練場に顕現した笑顔の金色夜叉によって、知らない何処かに連れて行かれたようだ。

ベッドの中で眠るエリオを見つめ、キャロは心配そうな、それでいて少し怒ったような、
複雑な表情を浮かべていた。そしてそれを、カーテンの隙間からシャマルが、微笑ましげに
覗いている。

この場にはもう二人。いや、二匹か。
一匹はフリード。エリオのベッド脇にあるサイドテーブルに乗り、彼を心配そうに見ている。
時折上げる泣き声も、なんだか切なげなものだ。

そして。
もう一匹の浮かべる表情は、後悔。
沈む心情は、悔恨に彩られて。
訓練場からここまで、解除していないキャロのデバイス、ケリュケイオン。
それを介して、エリオの様子を知ったヴォルテールは一瞬安堵したものの、すぐにその心は
護れなかった悔しさに押しつぶされた。

もう、キャロにはこんな顔をさせたく無かった。
そのための力になろうと思った。
思っていたのに。

護れなかった、ただそれだけではなく。
護ってもらった上に、護ることができなかったんだ。
情けなかった。
自分が。力が。思いが。

『キャロ』

いきなり話しかけられた事にこの娘は驚いたようだが、受け入れてくれるのもさすがに
早かった。

「…ヴォルテール?」
『ごめんなさい』

今の私には、謝る事しかできない。
力になることも、癒すことも出来ない。
だから、謝るんだ。許してもらえるまで。何度でも。

『ごめんなさいっ』
「え?え?な、何?何がごめんなさいなの??」
『私は、あなたの大切な家族を護れなかったからっ。あなたを悲しませてしまったからっ』



391 :First Love No_9:2008/02/28(木) 17:58:23 ID:V/8QNORQ
キャロは絶句してしまっている。いや、呆れてるのかな?
うん、しょうがないよね。だって、私は護れない護り手だから。
護れなかったから。

「え?ちょ、ちょっと待ってよヴォルテール?!」
『護ろうって決めたんだ。これからは、キャロの居場所も、家族も全部。
 でも、護れなかった。実際は護りきれなかったんだよっ。
 私が護るはずだったのにっ。逆に護られてっ、護りきれなくてっ』
「…」
『悔しいよっ。私は護り手なのにっ。
 キャロも、その周りの何もかもを護らなきゃいけないのにっ!!
 これじゃあっ、これじゃあっっ!!』

ああ、なんでこんなに悲しいんだろう。
なんでこんなに涙が…
あれ…?私、今泣いてる?
え?え?今までこんなこと無かったのに…
あれっ?

「ヴォルテール」

キャロの声が、聞こえる。
いっぱいの優しさに、少し厳しさが溶けた声。
つよい、こえ。

「だめだよ。ヴォルテール」

え?

「そんな事言ったらだめ。
 そんな事言ったら、エリオくんに失礼だよ?」

え?あれ?
これじゃあ、まるで…

「まずエリオくんが起きたら、目を覚ましたらね。
 ヴォルテールが言わなきゃいけないのは」

ベッドから唸り声。
途端に、キャロの声色が全く別のものに変わる。

「エリオくん!?」

心配そうな声。
やっぱり、心が痛む。
やがて、彼が。エリオが、うっすら目を開く。
数回、しぱしぱ。そして。

「おはよう、キャロ」

うっすら笑って、言った。
すると。



392 :First Love No_10:2008/02/28(木) 17:59:15 ID:V/8QNORQ
「はぁ〜〜〜」

キャロの長いため息。
あれ?私、こんなキャロ、知らないよ?

「…おはよう、エリオくん」

とりあえずあいさつ。
そして、その後。

「とりあえずエリオくんには言いたいことが…
 ……………あれ?」

キャロの首が突然、がっくん。
縦に揺れた。

「あれ?あれれ?
 なんか、ほっとしたら、なんかねむい……………」

遂には、エリオの布団に突っ伏して。
キャロ・ル・ルシエさん、就寝です。

エリオちょっと困ったみたいだったけど、息を吸って、吐いて。

「まあ、しょうがないよね。
 あんなに大規模な魔法を、長時間維持してたんだから」

言って、キャロの髪をなでた。やさしく、やさしく。
なでるエリオの顔も、なんだかやさしい。
…やっぱり、ちゃんと謝らなくちゃ。このやさしい人に。

『エリオ』
「………え???」
『エリオ、ここです』
「え?ケリュケイオン?!
 でも、ケリュケイオンってブーストデバイスだから…
 ……え?」

戸惑う彼。うん。まあ。普通はこうだよね。

「え?フリードはここだし……
 てことは、もしかして……」
『はい』
「ヴォルテール…………さん?」
『はい…』

気がついてくれた。
でも、なんか恥ずかしいのはどうしてだろう…?



393 :First Love No_11:2008/02/28(木) 17:59:56 ID:V/8QNORQ
『ごめんなさい』
「え?」
『ごめんなさいっ』
「え?えっ??」

やっぱり、呆れられてるのかな…?
それもしょうがないかな。

『護れなくて、ごめんなさい』
「…はい?」
『キャロの大切な人たちだから、キャロの家族だから。
 護りたいって思ったのに、護れなくて。
 それで、その、ごめんなさいっ』
「…」

やっぱり無言だ。
キャロと同じ。少しうれしくなったけど、やっぱり、涙が止まらない。

『護り手なのに、護れなくてっ。
 逆に、護ってもらってっ。それでも護れなくてっ!
 本当に、ごめんなさい…』

止まらないんです。

「……ヴォルテールさん」
『…ヴォルテール、でいいです。
 エリオは、キャロの家族なんですから。
 だから…』
「うん。わかった。ヴォルテール」

彼が、私を呼ぶ。またちょっと涙出てきた。



394 :First Love No_12:2008/02/28(木) 18:00:37 ID:V/8QNORQ
「ちょっと、僕の話。聞いてくれる?」
『……はい』
「正直言うとね、少し、安心した」
『え…』
「ほら、僕、キャロからヴォルテールが昔から生きてる偉い守護竜さまだって
 聞いてたから。でも、こうして話してると、なんか話しやすいなって。
 だから、ちょっと安心」
『はい…』

彼の声は続く。なんだか安心できる声。

「それとね。謝らなくてもいいんだよ?」
『え…?』

だって、私は……

「だって君は、ヴォルテールは、キャロを護りたいって、
 笑って欲しいって、思ったんだよね?」
『はい』
「だったら、それは、君がキャロの家族だってことじゃないか」

…心が、想いが、なんか、おさまった。なんか、ストンって。

「それで、君は、キャロの家族なんだよね?」
『……はい』

ちょっと、恥ずかしかったけど。

「と、言うことは。
 僕とキャロは家族なんだから、ヴォルテールと僕も、家族。
 家族なんだよ?」
『…あ…………』

唐突に、わかったことが、ある。

「家族が助け合うのは、当然なんだ」

私とキャロは、家族。
これは正しいこと。

「だから、あやまらないで?」

私とキャロは、母娘みたいなもの。
これも多分、正しいこと。

「僕はただ、家族を助けただけなんだから」

でもそれは、ちょっとだけ、違う。



395 :First Love No_13:2008/02/28(木) 18:01:33 ID:V/8QNORQ
「あ。それとね、最後にもう一つ」

だって、私はキャロのお母さんだけど、

「助けてくれて、ありがとう」

私は、キャロの娘なんだ。

「あの時、気絶した僕を受け止めて、降ろしてくれたのは、君だよね?」

どっちか一方通行じゃない、そんな関係。

「だから、ありがとう」

お互いがお互いのお母さん。

「助けてもらったら、『ありがとう』って言って、笑いあうんだ」

お互いがお互いの、娘。

「そうしたらそれでおしまい」

そんな、家族なんだ。

「もう泣く必要なんて、無いでしょう?」

そう言って、エリオは私の、ケリュケイオンの宝珠部分を、やさしくなでてくれた。
キャロと同じように。やさしい顔で。

『うん』

だから、私も。



396 :First Love No_14:2008/02/28(木) 18:02:07 ID:V/8QNORQ
『エリオ』
「うん?」

エリオの、家族だから。

『助けてくれて、ありがとう』

こう、言うんだ。言ったんだ。
そうしたら。

「うんっ」

エリオが笑った。やさしい顔で。すごくうれしそうに。

その、刹那。


どっごんっ!!!


…あれ?
今なんか、すごい音がしたよ?









こうして、アルザスの護り神にして機動六課の切り札、
真竜 ヴォルテールの初恋は、すさまじい轟音と共に幕を開けた。




                              続く




397 :First Love おまけ1_1:2008/02/28(木) 18:03:16 ID:V/8QNORQ
おまけ1

「それじゃあ、もう少しエリオも横になってなさいな」
「はい、シャマル先生」

そんな会話の後にカーテンが閉められる。
キャロが医務室で寝付いてしまったので、隣のベッドを借りて寝かせてもらうことに。
あ、エリオが見えなくなる直前、フリードリヒが彼の布団に入っていくのがちらっと見えた。

…何故かすごい悔しい。

「あ、そういえば。
 ヴォルテール?」
『ひゃい?!!』

なんかへんな声出た。どこから出たんだろうこんな声。
でもエリオは気にもしていない様子で。

「どうして急に僕としゃべれるようになったの?
 今までは、キャロともそんなに話ができてないって感じだったのに」
『ああ、そのことですね。
 たぶん、キャロの召喚師としてのスキルが上昇したのが要員だと思いますよ?
 フリードリヒと違って私は土地に着いてた竜ですから、意志の疎通を図るのにも
 かなりの時間を要したんです。それが周りの親しい人間ともコミュニケーションが
 取れるようになった、ということは、キャロの竜召喚師としての成長を意味するの
 ではないかと』
「なるほど」

うん、でも、私もエリオとこうして直に話せるのはうれしい…かな?

「まあ、僕もヴォルテールとこうして話せるのはすごく嬉しいな」

どっごんっ!!!

あ、ま、また心臓が…

「それじゃ、おやすみ。ヴォルテール」
『お、おやすみなさい。エリオ』

声を裏返らないようにするのが大変だ。
しかし、なんなんだろうコレは。
幸いというか、ここは医務室だ。
ちょっと聞いてみよう。
キャロを起こさないように、そ〜っと…

『Dr.シャマル。Dr.シャマル』
「はい?誰か呼んだかしら?」
『私です、私』
「え?ケリュケイオン??」



398 :First Love おまけ1_2:2008/02/28(木) 18:03:57 ID:V/8QNORQ
〜何度もやったやり取りなので端折るの〜

「じゃあ、あなたはヴォルテールで、ケリュケイオンを介して私と話をしている、と…」
『はい、概ねそういう事です』
「で、私に何の御用ですか?」
『はい、私の身体に異常が発生しているかもしれないのです。
 それで、Dr.の意見を仰ぎたいな、と…』
「え゛!?でも私も、さすがに真竜は看たことが…」
『ですから、参考までにということです。
 何か有意義なアドバイスが頂ければ、キャロとも相談してみますから』
「なるほど…
 …よしっ!!わかりました!!
 癒しと補助のスペシャリスト・湖の騎士の名に懸けて!!
 原因をバッチリ特定してあげましょう!!」
『よろしくお願いします』
「と、いっても、現段階でできるのは問診くらいですね…
 とりあえず、今からの問いに正直に答えてくださいね?」



で、5分後。
「…」
『ど、どうでしょうか』

ドキドキ

「え、ええと…
 つまり、あなたの症状は、
 ・エリオと話している時の異常な心拍数増加
 ・エリオとの会話で突然呂律が回らなくなる
 ・エリオと話していると体温が著しく上昇する
 コレくらいでいいかしら…?」
『はい…』

シャマルは思った。まあ、アレだ。間違いない。
…しかし、腕を組みながら思う。


真竜って実はバカなの?
それともヴォルテールがバカなだけ?


Dr.シャマル、死亡フラグ1本クリア。




399 :First Love おまけ1_3:2008/02/28(木) 18:04:43 ID:V/8QNORQ
まあそれはさておき。
シャマルはヴォルテールに向き直ると、なるべく厳かに告げた。つもりだった。

「まあ、ヴォルテール。あなたの病名が概ねわかったわw」
『えっ、やっぱり病気なんでしょうか…』
「ズバリ……恋の病よ………!!!w」(ババーン!!)
『………………こい?』
「ええ、まず間違いなく。あなたは、エリオに、恋をしている…!!!w」
『恋?恋??え?ええええ??』

混乱するヴォルテールをよそに、シャマルは脇を向いて必死に笑いをこらえている。
その後しばらくすると、

『そうですか…恋ですか……』

どこか呆けたような、そんな返事が返ってきた。そして。

『そうですか…ありがとうございました……』

そんな言葉を最後に、ケリュケイオンはその動作を止め、ブレスレットに戻った。
シャマルはその様子を見届けると、静かに机の抽斗に向かった。
取り出すのは、携帯用通信端末。用意するのは1通の新規メール。
タイトルは無題。
宛て先は、部隊長、八神はやて。
本文は、たった一行。しかし、ぎっちりと。



「オモシロクナッテキタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



彼女らは、まだ知らない。この道が、やがて引き返せぬ終わりの無い迷宮に繋がっている事も。
今しか、後戻りする機会は無いということも。
何一つ、知らなかったのだ。



Step2へつづく




400 :First Love おまけ2_1:2008/02/28(木) 18:05:46 ID:V/8QNORQ
おまけ2

機動六課隊舎の、地下600m。本来なら何も存在しない、土砂と石しかないはずの空間に、
8畳ほどの一つの部屋が作られていた。
部屋の主の名は、フェイト・T・ハラオウン執務官。
この超高濃度のAMFが張られた部屋の名は、『特別訓練室』。
通称『トラウマルーム』(命名:八神はやて)という。
そして、今日もここには二人の人物が。
一人は、戦技教導官高町なのは一等空尉。真ん中で正座中。
もう一人は、部屋の主、フェイト・T・ハラオウン執務官。真ん中で起立中。
二人とも、いつもの陸士隊の制服姿ではあるのだが、ただひとつ
違和感があるとすれば、それはフェイト執務官の所持品。

物干し竿である。
………いや、確かにA'sで振ってましたが、まだ持ってたんですかフェイトさん。

ふと壁を見渡すと、
罪状:訓練中にエリオを誤射した罪。
の張り紙。なかなか達筆。
部屋の隅には転送ポートが一つ。そしてそれの対角線上の角には、某モン○ン
の支○品BOXに酷似した箱が一つ。

それが、この部屋の全て。

その中で、フェイト執務官が、重い口を開いた。
…物干し竿で、張り紙を示しつつ。

「では、今回の罰ゲームですが…」
「いやあああぁぁぁぁぁ!!!!」

いきなり頭を抱えだす一等空尉。何か触れて欲しくない部分に触れてしまったようです。

「あの箱の中から、今日は7番を」

全く意に介することなく、箱を指す執務官。やはり物干し竿で。
仕方なく、よろよろと箱に近づく教導官。この部屋で逆らって、いいことが起きたためしがない。
箱を開けると、中にはさらに9つの箱。
なのはは7番の箱を取り出す。かなり重い。
経験上、重い箱には割と軽めの罰が…

開けると、中には石が入っていた。大量に。

「この石を、3mの高さまで積んでもらいます」
「うわああああぁぁぁぁ!!!」

教導官、発狂寸前。

「さぁ、スタート。」
「うう、ごめんなさい。ごめんなさああい」

言いながらも石を積み始めるなのは。
そして、悪戦苦闘しながらも80cmを超えた時。
執務官の伝説の棒術が火を噴いた。

がっしゃんがらがら

「ああああああああぁぁぁぁぁ」



401 :First Love おまけ2_2:2008/02/28(木) 18:06:43 ID:V/8QNORQ
くず折れるなのは。フェイトを睨む。

そこには、なんていうか、鬼がいた。金髪の鬼。
簡単に言うと、目からハイライトが根こそぎ消えてた。
凶器的な眼に見定められ、なのはは心の底から恐怖した。

「うっっ、うっっ。
 私だけが悪いわけじゃないのに…
 シグナムさんもいたのに……」

涙を流し、ぼやきながらも石を積みなおすなのはさん。

ちなみに、残りのスターズ分隊全員の証言から、シグナム二等空尉の事件への直接的な
関与は薄かったことが立証されている。
このことから、二等空尉に対しては減刑の処分が即日下され、昨日のうちに刑は
執行されている。

2枚の皿の上で、箸を使って30粒の生小豆を10k回往復させるという刑だ。
コレでしばらく和菓子は食えまい。

…さて、そろそろ石並べを見るのも飽きてきた。
私は帰ることにしよう。家族が待つ、私達の夢の結晶へ。
淀みない動作でストーンタワーを蹴り倒し、網膜認証のために転送ポートに近づく。
あ。

「そうそう、ちゃんと3m詰み終えたら、カメラが反応して魔力が通るからね。
 コレで帰ってこれるよ。」

ポートをコンコンッ、とノック。

「だからって頭とか手とか出しちゃダメだよ。不正があったらレーザーで焼き切っちゃうからね。
 じゃあ教導官、頑張ってください」

満面の笑みを浮かべて、執務官と物干し竿が去ってゆく。
残されたのは、なのは、石、張り紙。以上。
部屋に響く音は、石の当たる音と、自分が立てた物音、あとは反響のみ。

現代に限りなく精巧に再現された、地獄がそこにはあった。

「フェイトちゃんゆるして〜〜〜〜!!!」





続かない



402 :蒼青:2008/02/28(木) 18:09:06 ID:V/8QNORQ
あとがき

ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
重すぎだろ俺…orz

まず始めに。
>>265
>キャロの相手は誰だ
>エリオと不倫とかフリードと竜姦とかサイズ違いのヴォルテールとかは義母さんが多分許しませんよ
ん?
ヴォルテール→設定的に結構まっさら→女の子でもいけんじゃね?
コ レ ダ !!

という訳で、誰も手を出してないであろうヴォルテールにおにゃのこしてもらうことになりました。
目指せ萌えヴォル!!w

あ、この話、続きます。たぶんあと3〜4回くらいかなぁ…

多くのスレの占有ほんとに申し訳ありませんでした。
それでは読んでくださった方に。
ありがとう。

最後にもう一度、>>265 氏に限りない感謝を!!


403 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 18:10:04 ID:u+FRK0rk
やっちまったorz
上げたうえに、割り込みまでしちまった
今からクアさんに改造さるてくる

404 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 18:19:38 ID:M5vKozOB
ばかすwwww
いや〜、良い意味で、たいへんGJでした!

とりあえずイロイロ突っ込みどころ満載w
あとフェイトさん怖い(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル


ところで先の完結したSSのおかげで
キャロと結婚式をあげる前に守護竜のもとに挨拶しにいくエリオを幻視したッッ!!

405 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 19:01:12 ID:nDII0s86
……その発想はなかったわ。
てかフェイトさん怖ぇぇ…あのなのはさんがこうも恐れるとは。

406 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 19:08:07 ID:+GpRHNEA
さすがはプレシアママンの娘
本物のドSだ・・・

407 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 19:56:08 ID:bjlx1O7+
>>402
GJでした。んでもってぶはっ、エリオとのカップリングでこいつは予想してなかった。
そしてフェイトママン怖すぎです。

408 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:17:06 ID:L8ay6e+i
>>402
GJです
この発想の転換はガリューの中の人説に遭遇した時並みの衝撃がっ!
あの一言が思いもしなかったとんでもない発展を遂げてるとは…
母性が溢れ出てる上乙女乙女してるヴォルテールというのもいいものということを認識

そしてフェイトさんがまさしく地獄の鬼…

409 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:20:22 ID:xM9nEcMe
>>402
GJです。あれあれ、ヴォルテール可愛すぎじゃないですかw?
予想外な純情乙女だったヴォルテールに、wktkが止まりませんw
続きが楽しみだ。

あと金色夜叉自重w

410 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:26:27 ID:LpwjIMSC
>>402
Gj
ヴォルテールかわええな
そしてフェイトそんこえぇwwwなんという賽の河原の低級鬼
なのはさんは親より先に死んでしまうのか?
…ぶっちゃけ桃子さんより長生きは無理だと思うんだ


411 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:36:44 ID:vK/fgzvr
>>410
そんな事になったら俺は……俺は……。

……なのはさんの葬式から始まって、周囲の人物がどう折り合いをつけていくかという
四期という電波を受信した。

412 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:40:27 ID:KMHTT5IG
葬式ネタだとどうしてもハガレンヒューズが浮かんでなぁ・・・

ヴィヴィオ「ねぇ、どうしてなのはママ埋めちゃうの・・・?なのはママ、お仕事一杯あるって言ってたよ・・・?」
フェイトさん「ヴィヴィオ・・・!」
ヴィヴィオ「いやだよ・・・みんななのはママ埋めないで、お仕事できなくなっちゃうよ・・・」

413 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:43:23 ID:bMDUh0Jb
>>411の発信源はガチで自分じゃないかと。
なのはさんの葬式シーンがちょっとだけ入ってるSS執筆中なおいどんが3番乗り場を通過しますよっと。

414 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:44:25 ID:nDII0s86
>>412
誰がマスタング役?

415 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:47:16 ID:LpwjIMSC
>>412
そして
「いかん。雨が降って来たな」
と名ゼリフを発し、
なのはの死の原因になった管理局の腐敗部分(つまり上層部衰ヌ理局ほぼすべて)
にクラウディアとアースラで反逆するクロノ・ハラオウン(独身)と申したか。
…いや、その流れだと一期の片思いフラグを引っ張った方が面白いかな、と


416 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:11:48 ID:0imOVq49
つかなのはは現場主義なのでアームストロング少佐と被るような気がするw

417 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:16:46 ID:KMHTT5IG
>>416
性格は姉のほうにwwww

418 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:17:52 ID:aQ4lDVHQ
現場主義と言われるとHOTな現場に直行するなのはさんを想像するじゃまいか

まぁそうなんだけど

419 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:19:13 ID:nZ76TqkW
>>416
まあ、現場主義っていっても少佐達みたいにイシュヴァール内戦みたいな戦い経験して無いだろうし…
まだまだ青いか

420 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:20:08 ID:L4e1XYyn
見よ!我が一族に代々伝わる華麗なる暗殺術ぅ!!!といいながらその裸体を魅せつけるなのはさんと申したか

421 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:25:19 ID:M5vKozOB
……ハッ!
いかん、足が自然に内股になってきてしまった!!
これでは戦えん!恐るべし!!

422 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:26:44 ID:p2J917Rc
>>421
勃起してんじゃね?

423 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:31:39 ID:L1cxizt4
>>420
それで筋肉ムキムキだったら嫌だよ…

その胸は筋肉で出来ている
乳房は鉄球で 乳首は錐
幾たびのセクハラを超えて不敗
ただの一度も形を変えず
ただの一度もハァハァされない

424 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:46:43 ID:LpwjIMSC
>>420
なのはさんは運動ダメで御神流習えなかったから、
その役割は雫ちゃんにやってもらってだな(マテ

425 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:52:33 ID:GzaCXpOZ
ちょっと質問なんだが、なのは達ってプライベートとかで連絡を取るときってどうしてたっけ?


426 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:55:47 ID:5LV20ksh
>>425
携帯で良いんじゃないか?

427 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:00:45 ID:WWVBEhu2
フツーにクアットロが偽造メールを出してたジャマイカ

428 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:05:14 ID:5LV20ksh
今思い出したデバイスが通信機の代わりになってなかったか?
「機動六課の休日」で

429 :蒼青:2008/02/28(木) 22:05:24 ID:+qHXRpGA
しまったあああぁぁぁ
誤字発見しますたorz

>>390
18行目
泣き声→鳴き声
エリオ死んだw

数多くのレスどうもありがとうございました!!
てゆーか、ドSフェイトの人気に全俺がワラタ。
ヴォルテール喰われてるよヴォルテールwww
これはもっと乙女度全開でいけというメッセージと受け取りますた。

実は、フェイトそんとリインTを混ぜて、乙女回路を搭載したのが
ヴォルテールだという噂が…w
彼女の乙女回路はまだアイドリングが済んだばかり
、と信じて頑張りたいと思います。

それでは本当に、
ありがとう!!

430 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:10:07 ID:d/lftyJW
>>428
それは普通に出来るね

431 :B・A:2008/02/28(木) 22:18:22 ID:qCZrZQhU
>>402
は、発想のスケールで負けた・・・・・次のSSは未開拓分野でいこうと思っていたのに、まさかヴォルテールなんて超絶存在出してくるとは・・・・・・。
いや、GJです。都築が気になってきた。もう終わっているけど、バレンタイン編とかどうですか? エリオにチョコを渡そうと恥じらうヴォルテール・・・・
いかん、萌えてきた。

>>425
A’sまでなら携帯電話、stsはそもそもプライベートが演出されてないから不明だった気が。
新人たちはデバイスを電話代わりにしてましたね。

432 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:23:51 ID:8VDD8XsL
>>402
なんという意表をついたチョイス!GJwww
ヴォルテールが可愛く思えてしまうとは恐ろしいわw
これは続きが楽しみでしょうがないZE

しかしフェイトさんよ・・・あなたはどこの三途の川の鬼だw

433 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:29:39 ID:42sahjqk
確か携帯電話って地球独自のもんだったよな?
三人娘とクロノ、ユーノくらいか? 携帯持ってるの。

434 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:33:18 ID:BOEEUDog
スバルは、チョコポットの支払いに携帯電話っぽいものを店員さんに見せてたように思う・・・
あれが電話だったとは限らないけど、おサイフケータイっぽいイメージがありましたね

435 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:33:20 ID:NPsD4sEJ
>>433
持ってるとしたらA's組だけかな
ザフィーラやユーノが変身した状態で携帯電話使ってたらシュールなんだがw

436 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:37:36 ID:VXHbC71R
>>402
GJ

トラウマルームのお仕置き、シリーズで見たくなってきたwww

437 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:40:42 ID:VVaBgnEB
>>434
普通にカードに見えてた俺orz

>>435
三人娘は確定だな。あと、ユーノが二期のエピローグの時に持ってたっけ?

438 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:55:21 ID:UPd+rJa/
>>342
遅ればせながらも乙ですっ!リンディ母さんも裸足で逃げ出しそうな程の甘々なクロエイSSでしたね〜〜
無印の頃からこの2人(カプ)が大好きな自分としては『大満足』の一言でした
もう一度、乙っ!!

439 :ザ・シガー:2008/02/28(木) 22:59:00 ID:gvklbPiC
相変わらず流れが速い、追いかけるのが大変だ。

そして投下するぜ、準備いいかい?

「鉄拳の老拳士」の第四話、ゴードン爺さんの話、あともう5分くらいしたら投下するっす。

440 :ザ・シガー:2008/02/28(木) 23:04:24 ID:gvklbPiC
それじゃあ、投下します。

「鉄拳の老拳士」の第四話、オリキャラあり、エロ及びラブ要素は無し。

441 :鉄拳の老拳士:2008/02/28(木) 23:04:49 ID:gvklbPiC
鉄拳の老拳士4


まったく、ちょいと戦っただけで昔の古傷が疼きだしやがった。
昔から比べりゃあ魔力量の出力も低くなってる、魔力結合もし辛くってしょうがねえぜ。
やっぱり俺ももう若くねえ。
まあ無理もねえか、昔は散々無茶しまくったからな。
消耗の激しい戦闘はもってあと三時間弱、大技は二回が限度ってところか。

だがまだ止まる訳にはいかねえ、あのクソッタレをぶち殺すまでは‥‥





今は廃棄された巨大工場区画、そんな場所で耳をつんざく爆音が響き魔力弾や高出力エネルギーの射撃攻撃が飛び交う。
それは激しい戦闘の彩り、戦うのは若きストライカーと異形の戦闘機械ガジェットドローン。


「くっ! スバルあんまり突っ込まないで!!」


爆音の中、ティアナが声を上げながら構えたクロスミラージュから大量の魔力弾を撃ち出す。
その全てが正確に敵ガジェットに命中するが戦況は一向に苦戦の様を呈している。

隊長陣に空中戦を任せて一足先に目的の廃棄工場区画へと向かったフォワード陣だったが、彼らを待ち構えていたのは新型ガジェットの群れだった。
隊長陣でも苦戦する高濃度AMFの影響下、さらに数多と群れを成す大群に若きエース達は防戦一方となっている。
そして形勢は徐々に敵へと傾きつつあった。



「ディバインバスタアアアァァッ!!!」


スバルが叫ぶと共に青き閃光を閃かせてガジェットに自身の持つ最高の技を放つ。
十数メートルを超える新型ガジェットの装甲がひしゃげて魔力による圧倒的な破壊にスクラップへと変わった。
スバルの攻撃により破壊されたガジェットの巨体が地に転がる、だがその上を増援のガジェットがそのクモのような多脚で乗り越えてスバルへと迫り来る。
そして金属製アームを唸らせてスバル目掛けて振りかざした。


「ブラストレイ!!」


そこへ飛竜の火炎弾が支援に入り敵ガジェットのボディを砕く。
火力支援の主は言わずもがな飛竜フリードを従えし竜召還師、キャロ。
そしてキャロは続けて、自分と同じくフリードに跨っていた若き槍騎士にブースト魔法を行使する。


「行くよストラーダ!」


飛竜フリードに跨る若き槍騎士エリオはキャロのブーストにより得た力を存分に自身のデバイスに巡らせて最大の加速を加えた刺突を繰り出す。
次の瞬間、閃く刃の風となったエリオの軌跡に従ってガジェットが斬り裂かれる。
エリオが高速移動によりフリードの上に戻った瞬間、裂かれたボディから火花を散らせたガジェットが轟音を立てて爆散した。
だが敵の数には限りが無いかのように次々と沸いて出てくる。


442 :鉄拳の老拳士:2008/02/28(木) 23:05:15 ID:gvklbPiC
そして醜悪な戦闘機械の群れは、もう引く場所が無いほどにフォワードメンバーを追い詰める。

ザフィーラやヘリから援護射撃をしているヴァイスが助けに向かおうとするが数多の敵に阻まれてそれは叶わない。

万事休す、圧倒的な数の暴力により今正に若き命が戦場に散らんとする。

だがその刹那、一筋の青き閃光が宙を走りフォワードメンバーの前に現われる。そしてフォワード全員に念話通信が入った。


(全員、地面から離れろ!!!)
「これは‥‥ゴードンさん?」
「ゴードンさん、一体どいう意味‥‥」
(いいから早くしな!!)
「は、はい」


念話越しにも耳を震わせるようなゴードンの怒声に驚きながらも、フォワードメンバーは地より離れる。
エリオとキャロはフリードの上に、スバルとティアナはウイングロードの上に乗り大地より離れる。
そしてスバルとは違う、濃密な青色をしたウイングロードの上を疾走しながらゴードンが現われた。


「一撃いいいぃぃぃ爆震んんんっ!!!!!」


空気を震わせる凄まじい掛け声を上げながらゴードンは加速のギアを上げた。
それに加えて足元のウイングロードが二重の螺旋を描き、彼の身体に壮絶な回転を与えていく。
ゴードンは、もはや見る者の動体視力ではまともに動きを追えない程の速度で回転しながら、独楽のように身体をしならせて拳を振りかぶる。
そしてゴードンは、最高の回転を与えられて空気の壁を突き破り音速に達する程の速度になった自身の拳を大地に叩き付けた。


「ガイアアアァァクラッシャアアアアアアア!!!!」


拳が大地にめり込み、それに完璧なタイミングを合わせてありったけの魔力が拳から爆散する、そしてその瞬間に周囲の空気に圧縮されたような衝撃が生まれて轟音が轟いた。
究極のタイミングで拳のインパクトを合わせる技術、それが古流拳術における発剄という技であると知る者はここには存在しない。
だがその威力は誰にでも眼で見て理解できるだろう。

ゴードンの放った拳は“ガイアクラッシャー(大地を砕く)”の名の如くに大地を崩壊させ、深いクレーターを作り出す。
そして撃ち込まれたゴードンの拳を中心に大地が凄まじい勢いで隆起して円形に広がっていった、その様はまるで海面を走る津波。
ここが地の上だと忘れそうになるような凄まじいアスファルトの大波が周囲のガジェットを飲み込み破壊しながら広がり、壊れた戦闘機械達の部品を宙に舞わせる。

天地を震わせる轟音が鳴り止んだ時には、ガジェットの残骸がゴードンを中心に山と築かれていた。


「ふう〜、ちょいとやり過ぎちまったかな?」





「これはどういう事だスカリエッティ!!」


廃棄工場区画の奥底、大量の画面で外部の状況を映し出すモニタールームで男は吼えた。
身に纏った軍服の装束から男が軍人であると容易に想像がつく。


443 :鉄拳の老拳士:2008/02/28(木) 23:05:58 ID:gvklbPiC
そして男の激昂を受けた白衣姿の狂科学者、ジェイル・スカリエッティは涼しい顔で言葉を返す。


「何か問題でも?」
「大ありだ! たった数人の空戦魔道師を倒すのにどれだけ掛かっているのだ!?」


部屋に備え付けられたモニターにはガジェットの大編隊と勇猛果敢に戦うなのは達、機動六課の隊長陣が映っている。
かなりの大編成で送り込まれた新型ガジェットの群れも隊長陣の強大な戦闘力に一進一退の攻防を見せていた。


「彼らは一応、管理局の中でも最高クラスの魔道師ですからねぇ、簡単には倒せませんよ。まあβタイプでもう少し体力を削ってからγを送り込めば事足りるでしょう」


スカリエッティは宙のモニターに格納庫から発射される空中戦闘用新型ガジェット、タイプβを映し出す。
次々と射出される新型ガジェットの群れには、まだまだ余裕があるようだ。


「ならば良い。少なくともここに進入してきた奴らだけは始末しろ、そうでなくては貴様に莫大な予算と設備を与えた意味が無いからな」
「分かっておりますよ将軍閣下」
「ここではその名で呼ぶな」
「これは失礼」
「‥‥ともかく私は首都に戻る、後は任せたぞ」
「かしこまりました、依頼主(クライアント)様」


将軍と呼ばれた軍人は踵を返して部屋を後にする。
スカリエッティは彼が出て行ったのを確認すると、一つ重い溜息を吐いた。


「まったく、どこの世界でもああいう手合いは変わらないものだ‥‥」


嘲笑めいた呟きを漏らしながらスカリエッティは振り返ってモニターに映る侵入者達に目を向けた。
そこにはかつて自身の誇る自慢の戦闘機人や召還師を破った機動六課の魔道師達、若きストライカーの姿が映っている。
スカリエッティは邪悪を内包した笑みを零しながら小さく呟いた。


「それじゃあ、来てくれた方々にご挨拶といこうか」





ゴードンの放った超弩級の破壊力を持つ鉄拳によって巨大なクレーターが出来上がり、その場には土煙が濛々と立ち込める。
クレーターの周囲には鉄屑の残骸へと姿を変えたガジェットが山と成り、破壊されたボディから火花を散らす。
この惨状をたったの一撃で作り上げられたというのだから、にわかには信じられない事だ。
恐らくは広域破壊に長けた機動六課部隊長の八神はやてでもこう簡単にはいかないだろう。

だが破壊を行った主、黒衣のバリアジャケットに身を包んだ老兵は自身の禿げ上がった頭をポリポリと掻きながらゆったりとクレーターの中心地から上がってくる。


「いやぁ、すまねえな。ちょいとやり過ぎちまったみてえだ」


ゴードンはまるで何事も無かったような軽い口調、その様子に一同は唖然とするより他はない。

444 :鉄拳の老拳士:2008/02/28(木) 23:06:56 ID:gvklbPiC
ただ一人、活発すぎる少女を除いては。


「凄い凄い〜、ゴードンさん凄いです!」


スバルはゴードンの下に駆けて、それはもうご主人様にくっつく子犬のようにはしゃぎだす。
その様子を見る者は、思わずスバルに犬の耳や尻尾が付いているのを幻視するほどだ。
じゃれ付いてきたスバルの頭を撫でながらゴードンは陽気な笑みを見せる。


「ははっ、まあこれくらいなら嬢ちゃんにもすぐに使えるようになるぜ」
「本当ですか!?」
「おうともさ」


戦いの中のつかの間の安らぐようなひと時、だがそんな中に耳障りな笑い声が響く。
それは聞き覚えのある、あの男の声だった。


『はははっ、やあ諸君ご機嫌はいかがかな?』


空中に展開された映像に映る金色の瞳、狂気を宿した笑み、その顔は忘れようにも忘れられぬ六課の追う犯罪者ジェイル・スカリエッティである。
スカリエッティは実に愉快そうな表情でモニター越しに機動六課の面々に語りかけた、まるで久しく会っていなかった友人にでもするかのように。


『お久しぶりだねぇ機動六課の皆様方、私の新しい作品は気に入っていただけたかな? ゆりかごやナンバーズの様な面白みのある素材は無いんだが、案純な戦闘兵器の物量というのも中々に捨てたものじゃないだろう?』


この映像は工場区画に侵入したフォワード一同だけでなく制空権を奪取する為に空で戦っている隊長陣や後方支援に回っていたロングアーチを含めた全機動六課メンバーに対して流されていた。
相も変らぬふざけた態度に機動六課の面々は思わず表情に怒気を宿すがスカリエッティは構わず言葉を繋げる。


『私はここの最深部にいる、逃げも隠れもしないから是非とも来てく‥‥』
「おい糞野郎」


だがスカリエッティの慇懃無礼な言葉はドスの効いた老兵に遮られる。
瞬間、その場にいたフォワードメンバーやスカリエッティを含めた全ての人間の視線がゴードンに集る。
もはや先ほどの快活に笑う好々爺の姿は微塵も無い。
そこにいるのは黒衣に身を包んだ猛獣、空気が歪むような錯覚を起こさせる程に凄絶な気迫を全身から放つ一匹の修羅。


「すぐに行くから待ってろ、てめえは今日この場で‥‥」


顔を上げたゴードンの眼がスカリエッティの視線と交錯する。
それは凄まじく暗い虚(うろ)、地獄の釜の底ですら生温く感じるような灼熱を孕んだ殺意と憤怒と憎悪の炎。
スカリエッティはモニター越しにゴードンの瞳を見ただけで全身の細胞に死の警鐘を刻まれた。


「‥‥殺す」


ただ一言、だがその言葉に込められた意思は紛れも無い不退転の決意。
スカリエッティは思わず情けない悲鳴が出るのを我慢するだけでも精一杯であり、股間には生温い失禁の感覚すらあった。

次の瞬間には宙に展開されていた映像は消え去り、スカリエッティの姿は虚空に消えた。
だがその場にはゴードンの身体からほとばしる憎悪が大気に溶けるかの如く、空気に重いものが満ちる。

445 :鉄拳の老拳士:2008/02/28(木) 23:07:24 ID:gvklbPiC
そんなゴードンの腕に柔らかい少女の手が絡んだ。


「あ、あの‥‥ゴードンさん‥‥」


ゴードンが振り向けば、そこには不安そうな眼差しで自身を見つめるスバルがいた。
その切ないまでに曇無き瞳に復讐鬼と化していた老兵は一瞬で毒気を抜かれる。


「少し興奮しちまったぜ。すまねえな嬢ちゃん、ちょいと恐がらせちまって」


ゴードンは再び陽気な貌へと戻ってスバルに微笑みかけた。
老兵の中に渦巻く憎しみの黒き獄炎もこの少女の前でならば形を潜めるのだろう。
スバルは彼の様子にほっとして、柔らかい微笑で零した。





工場区画周辺のガジェットは先ほどのゴードンの攻撃により掃討され。
一同は隊長陣の到着を待つよりも、先に進んでスカリエッティを確保して事態を早期収拾する方向でいく事となった。
広大な工場区画内部での探索にゴードンはフォワード一同と共にウイングロードの上を駆けている。
そんな時、久しく聞いていないデバイスの電子音がゴードンに声をかけた。


<兄貴>
「なんだ兄弟、おめえが喋るなんて珍しいな」
<身体の消耗が激しい、古傷にも響いてるみてえだ。補助系統の得意そうな奴に治癒魔法でもかけてもらわねえと危ないぜ? あんたもいい年なんだからよ>
「“いい年”? 何言ってやがる、そういうのはムスコの立たねえ奴の事を言うもんだぜ? 生憎と俺はまだソッチの方は現役だ」
<そうなのかい?>
「おうよ。大体、そんな時間があったらあのクソッタレを探す方がましだ」
<‥‥しかし本当に良いのか? 仇とは言え、人を殺(ばら)すなんてよ>
「なにも初体験って訳じゃねえだろ」
<なあ兄貴‥‥俺は誰よりも永くあんたの傍にいた。兄貴が局に入ってから60年以上も一緒に鉄火場潜って共に戦ってきた、だからあんたを少しは理解しているつもりだ>
「今日は随分とお喋りだな? 雪でも降りそうだぜ」


茶化した言葉で返すゴードンに名も無き鋼の兄弟が、思わず機械である事を忘れるような熱さを持った言葉を吐く。
永き時をこの老兵と共に駆け抜けたデバイスには、使い手と同じく滾る魂を持っているのだ。


<兄貴、あんたは例えその手を血で汚しても、怨みや憎しみで拳を振るった事はねえ筈だ>
「何が言いてえ、はっきり言ったらどうだ」
<兄貴‥‥‥‥‥‥‥あんた、拳が泣いてるぜ>


鋼の兄弟は心の底からの嘆きを漏らす。
老兵は無骨なデバイスの言葉に一瞬深い悲哀を瞳に宿した。


「うるせえ‥‥‥んな事ぁ分かってらぁ」


ゴードンは聞き取れるか否かの小さな言葉で呟いた。
鋼の兄弟はその言葉に再び寡黙な鉄拳へと戻り、老兵もまた瞳から発せられる眼光に再び憎悪の黒き炎を宿した。

続く。


446 :鉄拳の老拳士:2008/02/28(木) 23:07:51 ID:gvklbPiC
オリ要素解説。

オリキャラ
「アルベルト・ゴードン」
クイントの父、スバルとギンガの祖父。
設定年齢70〜80前後、外見的特長ヒゲ・ハゲ・マッチョで身長2メートル以上の大男。
デバイスにこれといった名前は無いが自身のこの世でたった一人の弟として“兄弟”と呼ぶ。

キャラクターの元のイメージとしては板垣敬介の漫画から、愚地独歩&松尾象山&劉海王あたりから来てます。
快活で明るい性格に打撃主体ながらも奥の深い戦闘技術を持つ、そういう感じをこれらのキャラクターを下地に作りました。

しかし今気付いたんだけどガイアクラッシャーってGガンダムに出てくる技と同じだ、技の効果もほとんど同じ。


新型ガジェット
一番最初に登場したのがタイプα、クモみたいな多脚(推定6本くらい)の上にガジェットT型みたいな円筒状のボディを持ち、そこに攻撃用アームを4本つけている。
こうして考えるとなんかタコみてえ、イメージは攻殻機動隊のタチコマかな?

そして空戦用のがタイプβ、ガジェットU型をただでかくした、それだけの存在。
でもでかい事は単純に強い事だって偉い人が言ってたのでたぶんアリだと思います。

両タイプ共に全長十数メートルの巨体で、従来のガジェットよりも戦闘力も制作費用も上。

今後の予定としてはγあたりのネーミングを出します。



447 :鉄拳の老拳士:2008/02/28(木) 23:08:51 ID:gvklbPiC
投下終了です。

できればあと二回くらいで終わりを予定してます。

448 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 23:12:40 ID:0imOVq49
なんかデバイスがカッコイイ…
他の若いデバイス達とも違う主と同じ無骨な歴戦の戦士を思わせますね

449 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 23:21:41 ID:+qHXRpGA
Gちゃんかっけぇ!!!
男は相棒と共にあって初めて漢になれるのかなぁ?
とか言ってみる。
とにかくGJっした!!

450 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 23:29:34 ID:BOEEUDog
>>ザ・シガー氏
GJ!
老兵は死ぬか、それともただ立ち去るのみか・・・続きも楽しみにしてます

>>433
そう言えば、スバルは入院中にメールを打ってましたよね・・・(SS03)
エリオとキャロも、リンディ提督にメールを頻繁に送っていたみたいですし・・・(SS02)
勿論、通信端末としてデバイスが使える以上、携帯メールと決めつけることはできませんけどね

451 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 23:31:46 ID:PI5N/uGG
>>447

老人マッチョ最高ですね!
洒脱な喋りかたが愚地独歩or松尾象山っぽな〜、とは前々から少し感じていました。
余談ですが、私は板垣の老人マッチョキャラでは泣き虫サクラが一番好みです。

452 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 23:44:22 ID:oaM5wMTI
>>ガイアアアァァクラッシャアアアアアアア!!!!
ええぇぇぇ!Gガンかよ!!!
なんかゴードン爺さんが歳食ったアルゴに見えたw

453 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 23:59:16 ID:p2J917Rc
技名の前に“炸裂”って付け足してくだしあww

ともあれGJ!

454 : ◆6BmcNJgox2 :2008/02/29(金) 00:01:13 ID:W5gShDBQ
日付が変わりましたんで…ちょいと先日の続き書かせていただきます。

・先の「歳の差なんて関係ねぇ!」を投下した後で、
>さて、なのは(二世)の活躍に期待しつつ、ヴィヴィオのママっぷりがでる
>アフタストーリーを見てみたいな
って反響があったのを見て、思い切って続編作っちゃいました
・ユーノとの結婚を目前に控えたなのはが突然事故死して、ショックでユーノは
無限書庫に引きこもるけど、十数年後に美しく成長したヴィヴィオがユーノの前に
現れ、色々あって二人はゴールイン。二人の間に生まれた子供はなのはと命名される。
それから五年後…って感じの前提
・で、ユーノとヴィヴィオの間に生まれた子供の存在を知ったスカリエッティとクアットロが
新たなる聖王計画を思い付いてしまうお話
・大人…と言うかヴィヴィオママいやんって人は注意
・前述の理由によりヴィヴィオのキャラは壮絶に変わってます
・微エロ(直接行為に至る事は無いけど淫語とかは出て来るから)
・オリキャラ登場
・JS事件失敗の影響で性格が捻じ曲がったのか、スカリエッティとクアットロの
キャラ崩壊が激しいですスマソセン(小悪党臭がしたり、ロリコン化してたりとか)
・高町の方のなのはと名前が被って紛らわしいのでユーノ×ヴィヴィオの子供の方のなのはは
ナレーションの部分では『なのはjr』と表記する事にします(会話では普通になのは)
・リンディさんが未だに老けないネタキャラと化してます注意
・また前後編と言う事で

では後編行きます

455 :新たなる聖王計画 8 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/29(金) 00:02:17 ID:W5gShDBQ
夜になり、無限書庫の仕事を終えたユーノは家に帰って来た。
「ただいまなのは、良い子にしてたかな?」
ユーノは優しくそうなのはjrに呼びかけていたが…返事が無い。
「あれ? なのは…?」
不穏に思ってユーノはなのはjrの部屋に行くがなのはjrの姿は無い。
「何処に行ったのかな? かくれんぼでもしてるのかな?」
その他、トイレや風呂場、押入れまでユーノは家中の彼方此方を探して回ったが…なのはjrの姿は無い。
「嘘……もうこんな夜遅いのに帰って来ないなんて………。」
ユーノは嫌な予感を感じ、電話を手に取った。
「もしもし……そちらになのはは来ていませんか?」
ユーノは自分が知り得る限り、なのはjrが行きそうな場所へ電話をかけた。
しかし返って来るのは来てはいないと言う返事ばかり。それでもユーノは諦めない。
自分の大切な娘の為に…必死になって…次に電話をかけたのはハラオウン家だった。

『もしもし、そちらになのはは来ていない?』
「え? 別に来てないけど…。」
ユーノがハラオウン家へ電話をかけた際、応対に出たのはアルフだった。
しかしアルフもまたなのはjrが何処にいるのかは分からない。が……
「あらアルフどうしたの?」
「あ、お義母さん。」
アルフが電話に出ていた事に気付いたリンディがやって来ていた。
「ねぇお義母さん、ユーノん所のなのはが帰って来ないんだって。何処かで見て無い?」
「え? なのはちゃん!?」
そこでリンディは昼間になのはが見知らぬ二人と一緒に歩いていた所を思い出した。
「もしかして……なのはちゃん………。」
リンディは真っ青になった。あの時はただ知り合いか何かと歩いていただけかと
考えていたのだが、今も家には帰って来ないと言う事は……………
忽ち悪寒が走ったリンディはアルフから強引に受話器を奪い取り、叫んだ。
「ごめんなさいユーノ君! もしかしたらなのはちゃん誘拐されたかも……。」
『ええ!? リンディさんそれ本当ですか!?』
それにはユーノも慌てており、続けてこう言った。
『ちょっとそこで待っていて下さい! 今そっちに行きます!』

456 :新たなる聖王計画 9 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/29(金) 00:03:38 ID:W5gShDBQ
およそ十分経過し、ユーノはハラオウン家へやって来た。恐らく走って来たのだろう
息も荒くなっており、本当にきつそうだった。
「ハァハァ…リンディさん……なのはが誘拐されたと言うのは……本当ですか?」
「まだそれは分からないけど……知らない二人組となのはちゃんが歩いていたのを見たわ…。」
体力的疲労に加えてなのはが拉致されたかもしれないと言うショックで
物凄い形相で問い掛けるユーノに、リンディは泣きそうな顔で答える。
「それは一体どんな二人なんですか!?」
「え…そ…そんな事言われても……。」
リンディが二人を見たのはほんの少しの間であるし、また口で説明する事も難しい。
しかしユーノが真剣な顔で問い詰めて来ている以上…何かしないワケにも行かず、
苦しそうな表情で必死に記憶を辿っていたのだが…そこでリンディの目にある物が映った。
「ああ! こ…この二人! この二人よ!」
「ええ!?」
リンディが指差した先には、管理局から局員とその家族に配布されていた
脱獄したスカリエッティ&クアットロの写真の付いたプリントだった。
ハラオウン家の壁にもそれが貼られていたのだが…リンディは今更になって
あの時なのはjrを連れて歩いていた二人組がスカリエッティ&クアットロと気付いたのだ。
「ああごめんなさいごめんなさい! ユーノ君本当にごめんなさい!
私ともあろう者が…私ともあろう者がぁぁぁぁぁ!!」
管理局に勤めて何十年も経過したベテランにあるまじきミスにリンディは自分が許せなくなり、
頭を抱え、号泣しながら何度もユーノに謝った。それにはユーノとアルフも戸惑うが
次の瞬間リンディは何処からか刃物を取り出し自分の首へ近付け始めた。
「もうこうなったら死んで詫びるしか無いわ…………。」
「うわわわわ! リンディさん落ち着いて下さい落ち着いて下さい!」
「お義母さんやめて! やめてよぉぉぉ!!」
ユーノとアルフが必死に止めてリンディは自殺未遂に終わったが、やはりリンディの
罪の意識は消えなかった。
「ごめんなさい…本当にごめんなさい…私がなのはちゃんを殺したも同然だわ…。」
「リンディさんが謝る必要は無いですよ。でも…どうしてあの二人はなのはを…?」
そこがユーノには解せなかった。誘拐お決まりの身代金目当てならとっくに
ユーノの家に電話がかかって来ても良いはずなのだが…それは無い。
「けど今はなのはが何処へさらわれたかを突き止める事が先だ。一体何処に行ったんだ?」
「それだけどさ…。」

457 :新たなる聖王計画 10 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/29(金) 00:05:07 ID:W5gShDBQ
顎に手を当て、首を傾げていたユーノだが、ふとアルフがユーノの服の袖を引っ張りながら言った。
「なのはって首にレイジングハート下げてたよね? その反応を辿って探せない?」
「あ! そうだ! その手があった! アルフ頭良いよ!」
「え…あ…その…。」
アルフとしては何気無く言った言葉だと言うのに、予想以上にユーノに喜ばれて
唖然としてしまうが、ユーノは大急ぎで玄関へ駆けて行った。
「それじゃあなのはを探して来るよ!」
「行ってらっしゃい…。」
「気を付けてね…。」
ユーノはそのまま何処へ出かけて言ったが…その後でアルフとリンディは顔を見合わせながら…
「とりあえず…管理局にも連絡しておこうか?」

間も無くして、なのはjrがスカリエッティ&クアットロに誘拐されたかもしれないと言う事実は
スカリエッティ&クアットロを捜索中の逮捕隊にも届いていた。
「ええ!? なのはが!? 分かりました…。」
愛娘であるなのはjrが誘拐されたかもしれない事実にヴィヴィオも慌てていたが…
直ぐに冷静さを取り戻していた。焦った所で何も始まらない事は彼女にも分かっていたからだ。
「でも…奴はどうしてなのはを………。」

翌日、ミッドチルダの奥地に存在した粗大ゴミが大量投棄されている場所に
スカリエッティ・クアットロ・なのはjrの姿があった。
「ねぇあのおじちゃん何してるの〜?」
粗大ゴミを集めて何かしているスカリエッティを指差しながら
なのはjrはクアットロにそう質問するが、クアットロは優しく答える。
「ドクターはねぇ、なのはちゃんの為に面白い玩具を作っている最中なのよぉ♪」
「え? そうなの? 楽しみ〜!」
なのはjrは自分が拉致された事は愚か、利用されようとしている事さえ自覚していなかった。
スカリエッティは粗大ゴミを材料に、『超小型聖王のゆりかご』とも言える超兵器を
製作中なのだが、それさえもなのはjrには『自分の為の面白玩具』としか認識していないのだ。

それから数時間後、粗大ゴミ投棄場の近所に住む住人から
「粗大ゴミ投棄場の中から何やら変な音がする。」
と言う苦情を聞いた管理局が、もしやと思い様子を見に行かせて見たら
スカリエッティ・クアットロ・なのはjrが目撃されたと言う事で
逮捕隊は大急ぎで現場へ急行し、ヴィヴィオとスカリエッティ&クアットロは
およそ二十年ぶりの邂逅を果たしていた。

458 :新たなる聖王計画 11 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/29(金) 00:06:31 ID:W5gShDBQ
「ジェイル=スカリエッティ! 私の娘を誘拐して何をするつもり!?」
「おやおやぁ…あの時のお嬢ちゃんがこんなにも威勢が良くなってぇ…。」
我が娘を救う為、デバイスを構えるヴィヴィオだが、クアットロは余裕ある表情を浮かべる。
「ドクターはねぇ、新たなる聖王の器を発見したのよぉ…。」
「新たなる聖王の器!? まさかなのはの事!?」
「そうよヴィヴィオちゃん? 貴女の子供を新たな聖王の器として利用する事にしたのよぉ。」
余程自分達の計画に自信があるのか、武装局員に取り囲まれているにも関わらず
クアットロは自信たっぷりにそう自分達の計画を皆へ話していた。
「何故!? 何故なのはなの!? 聖王の器の力が必要だと言うのなら私で十分なはず!
そもそもスカリエッティはその目的の為に私を作ったはずなのに………。」
ヴィヴィオは焦りながら叫んだ。確かにヴィヴィオの血を引いているなのはjrもまた
聖王の器としての力を受け継いでいる可能性はある。しかし…だからと言って
自分の子にJS事件の様な悲劇を味わせたくは無かった。だが………
「うるさいよ! もうお前みたいな股毛もボーボーなババァはいらないんだよ!!」
「ば…ババァ!?」
突如叫んだスカリエッティに皆は愕然とした。しかしスカリエッティはさらに続ける。
「二十年前のお前はそれはもうとんでも無い可愛らしさだったさ…。しかしそんな
お前も今では見ての通り股毛もボーボーのババァ…。そんなババァになっちまった
お前はもういらないんだよ! だからこれからは可愛い可愛いなのはちゃんを
新たな聖王の器として祭り上げて古代ベルカ再興を果たすんだよー!」
スカリエッティは自信満々にそう論じていたのだが…………
「貴様! ヴィヴィオちゃんをババァとはてめぇの目は節穴か!」
「ヴィヴィオちゃんみたいな超絶美人をババァなんて…てめぇの頭どうなってるんだ!?」
「ヴィヴィオちゃん本人が許しても俺達がゆるさんぞ!」
「ぐへぇ!」
血相変えた男達に一斉に飛びかかられ、忽ち袋叩きにされてしまった。
ユーノと結婚し、なのはjrを産んで母親になったヴィヴィオだが、今なお彼女は美しい。
しかもただ美しいだけでは無く、内面的にも素晴らしいまさに男達にとって理想の女性。
故に管理局内には彼女のファンが大勢おり、『真にヴィヴィオの夫に相応しいのは俺だ』と
考えてユーノから何とかしてヴィヴィオを寝取る事を画策していた男達も少なくは無い。
そんな彼らにとって、スカリエッティの発言は許せない物だった。
故にスカリエッティは彼らに袋叩きにされてしまい、クアットロもヴィヴィオによって
あっという間に取り押さえられてしまった。が………
「ふ…フフフ…だがもう遅い…。私が作った『超小型聖王のゆりかご』は完成したのだからな…。」
「え!?」

459 :新たなる聖王計画 12 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/29(金) 00:07:51 ID:W5gShDBQ
次の瞬間、粗大ゴミ投棄場の粗大ゴミを吹飛ばしながら巨大な何かが姿を現した。
「あれが超小型聖王のゆりかご!?」
スカリエッティが『超小型聖王のゆりかご』と呼んだ物の形状は本家聖王のゆりかごとは
似ても似つかない代物だった。と言うよりむしろガジェットを少々大型化して
四足歩行のロボット兵器として作り上げた様な…そんなイメージ。まあいずれにせよ
粗大ゴミを材料にここまでの物を作り上げるのは天才としか言い様が無いが…
「あ! なのは!」
ヴィヴィオは超小型聖王のゆりかごの頭部のキャノピーの向こう側になのはjrの
姿があった事に気付いた。そしてなのはjrの方もヴィヴィオの事に気付いた様子で
「あ! ママだ! わ〜い!」
と、手を振ったりする。しかも…
「ママー! あのね、あのね、おじちゃんがなのはにこんな面白い玩具を
作ってくれたんだよ〜! ほら、もうこんなに動かせる様になったんだよ〜!」
なのはjrはのん気に笑いながら超小型聖王のゆりかごを歩かせて行く。
その度に辺りの粗大ゴミが吹き飛び、武装局員は慌てて逃げ惑う。
「やはり思った通り、なのはちゃんも聖王としての力を持っていたんだ!」
「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!」
なのはjrが超小型聖王のゆりかごを動かせた事実に感激していたスカリエッティの
頭をヴィヴィオは小突くが、このまま超小型聖王のゆりかごが動き続ければ
どんな被害が出るかも分からない。その上操縦席にいるなのはjrはゲームか何かとしか
認識していないからますます性質が悪い。故になのはjrを傷付けない様に
超小型聖王のゆりかごを機能停止させようと脚部へ攻撃を仕掛けるが…傷一つ付かなかった。
「無駄だよ! 天才の私が作った超小型聖王のゆりかごだよ! 君みたいな
股毛ボーボーのババァが何をしたって無駄だよ!」
「だからヴィヴィオちゃんをババァ呼ばわりすんな!」
「んべ!」
またもヴィヴィオに対する悪口を言ったスカリエッティが他の男性局員に
殴られるアクシデントはあったが、今は超小型聖王のゆりかごを何とかするしか無かった。
「わ〜い! 楽しいな! 楽しいな〜!」
「うひゃ〜!」
「逃げろ〜!」

460 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:07:54 ID:PwBFfX+d
支援w

461 :新たなる聖王計画 13 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/29(金) 00:09:44 ID:ih7oG0OH
なのはjrはやはり超小型聖王のゆりかごを玩具か何かとしか認識しておらず、
またそれを動かすと言う行為もゲームか何かとしか考えておらずに
無邪気に動かし続けていた。無論その足元では幾多の局員が逃げ回る
阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられていたりするのだが…なのはjrは気付かない。
ヴィヴィオも母親として何とかしてなのはjrを止めようとしていたのだが、
超小型聖王のゆりかごは粗大ゴミが材料とは思えない程頑丈だったりするのだ。
「このままじゃ被害は増えるばかり……こうなったら……あれだけはやりたく無かったんだけど……。」
最後の手段とばかりにヴィヴィオは一度深呼吸し………
「なのはぁぁぁ!! ママの言う事聞かない悪い子は今夜ピーマン大盛りだよぉぉぉぉ!!」
「うわぁぁぁぁぁ!! ママごめんなさぁぁぁぁぁぁい!!」
超小型聖王のゆりかごは止まった。やはり母は強かったと言う事であろうか…。

こうしてスカリエッティとクアットロは再び逮捕され、なのはjrは無事保護された。
だが、そこでやっとユーノが遅れて顔を出して来るのである。
「あ…貴方…。」
「あ、パパも来てたの? パパ〜!」
なのはjrは大好きな優しいユーノパパの方へ駆け出して行くが、ユーノが娘へ行ったのは
抱擁では無く…頬への平手打ちだった。
「貴方…………。」
それにはヴィヴィオを含め、周囲の空気そのものが忽ち凍り付いた。
ユーノが愛娘なのはjrを溺愛している事は管理局内でも有名だ。
それだけに、ユーノの行動は信じられなかった。
「貴方! どうしてなのはを叩くの!?」
「ヴィヴィオは黙ってて!」
「!」
真剣な顔で叫ぶユーノにヴィヴィオは反論出来なかった。何時もならばユーノがヴィヴィオに
勝てるはずが無いと言うのに…今はまるでヴィヴィオはユーノに勝てる気がしない。
むしろユーノに逆らってはいけない何かを感じ取っていたのだ。
そしてユーノは頬を腫らして泣きそうになっているなのはjrの肩を掴んで言う。
「なのは…ヴィヴィオママは知らない人に付いて行ってはダメって言っていたよね?」
「で…でも…あのおじちゃん達はママの知り合いって言ってたよ…。」
なのはjrは涙を堪えながら答えるが、ユーノは表情を変えずに言う。

462 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:11:45 ID:7+nKytE8
真に怒ると怖いのはやはり父親だな支援

463 :新たなる聖王計画 14 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/29(金) 00:11:48 ID:ih7oG0OH
「確かにあの二人とヴィヴィオママは知り合いだったよ。でも、知り合いだからと言って
必ずしも良い知り合いかは限らない。あのね…あの二人はね…二十年前…まだなのは位の歳の頃の
ヴィヴィオママに酷い事をしたんだよ。」
「酷い事? いじめられたの?」
ユーノは首を左右に振る。
「いいや、もっと酷い事。命に関わる位酷い事をされたんだよ。もしかしたら死んでいたかもしれない。
もしそうなっていたら…なのはは生まれなかったかもしれないんだよ。」
「あ…………うぁ…………。」
ユーノの言う事は幼いなのはjrにはまだ完全に理解出来ない事だったのかもしれない。
しかし、それでもなのはjrはユーノが怒っても仕方が無い位に悪い事をしたと言う事は理解出来た。
「うわぁぁぁぁぁぁん!! ユーノパパ! ヴィヴィオママ! ごめんなさい! ごめんなさい!」
なのはjrは泣きながらユーノへ抱き付き、ユーノはなのはjrを優しく抱いた。
その後でユーノとヴィヴィオは共に逮捕隊の隊長の方へ歩み寄る。
「娘の責任は全て親である私達の責任です。ですから………。」
スカリエッティに騙されていたとは言え、超小型聖王のゆりかごをなのはjrが動かした事によって
怪我人も出た。その分の責任をユーノとヴィヴィオは取ろうとしていたのだが…
「はて…何の事を言っているのかね? その子はスカリエッティに一方的に拉致されていた
だけでは無いか。皆もそう思うよな?」
「ハイ。何かの気のせいでは無いですかな?」
「え…………。」
逮捕隊隊長やその他の局員の言葉にヴィヴィオは理解出来ないでいたが、
ユーノは事を悟って頷いた。
「なるほど…そう言う事ですか…ありがとうございます。」
今回の事はあくまでもスカリエッティとクアットロが悪いのであって、なのはjrに罪は無いと言う
配慮を逮捕隊隊長や他の局員は行っていたのだった。現に怪我人もそれなりに出たが、
それでも笑って許せる些細な物だったので、大して問題も無い。故になのはjrと
スクライア夫妻には何のお咎めも無かった。

464 :新たなる聖王計画 15 ◆6BmcNJgox2 :2008/02/29(金) 00:12:40 ID:ih7oG0OH
事件は無事終了。ユーノ、ヴィヴィオ、なのはjrの三人は手を繋ぎ、笑顔で帰宅した。
そして間も無く夜になり、なのはjrを寝かし付けた後でユーノは自室で本を読みながら
ゆっくりしていたのだが、そこでヴィヴィオが部屋に入って来た。
「貴方…ちょっと良いかしら?」
「どうしたんだい? ヴィヴィオ…。」
ヴィヴィオは頬を赤くしながらユーノの隣に座った。
「貴方を…見直しちゃった。だってなのはには甘い貴方がなのはを叩くんですもの。
貴方にも厳しい所あったのね。」
「当然じゃないか。僕だって怒る時は怒るさ。」
ユーノは笑って答えるが、ヴィヴィオは優しい笑みを浮かべながらユーノに顔を近付ける。
「その時の貴方…怖かったけど…とっても格好良かった。だから惚れ直しちゃった。」
「ハハハ…ありがとう。」
ユーノは恥かしくも嬉しかった。そしてヴィヴィオはユーノの頬に軽くキスをしてから立ち上がる。
「それじゃあ貴方…また明日ね? お互い遅れないようにしましょう?」
「うん…おやすみ…。」
「おやすみ…。」
平和を取り戻した親子はこうした眠りに付く。明日何が起こるか分かりはしないが…
願わくはこの平穏が何時までも続いて欲しい。そう願いたい物だ。

翌年、二人の間に二人目の子供…今度は父親似の男の子が誕生する事になったりもするが
それはまた別のお話。
                   おしまい

465 : ◆6BmcNJgox2 :2008/02/29(金) 00:14:21 ID:ih7oG0OH
最後の二行は蛇足だったかなとか考えつつこれにて完結です。
ちなみにフェイトとかはやてとかが出て来なかったのは
この時期に彼女等が一体何をしているのか想像し難かったからと言う事で…

466 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:15:50 ID:yrj+HH7i
脱線するだけ脱線した末に綺麗な〆へ軟着陸するシュールさはもはや達人芸

467 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:19:41 ID:7+nKytE8
GJっす。
できることならなのはjrの大冒険(仮)の連載を希望しあっす。

468 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:22:18 ID:yE+62kBD
>>465
“別の話”にも期待wwwww

とにかくgj!!


469 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:23:09 ID:PwBFfX+d
乙です。
クアットロが空気に…


470 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:26:20 ID:y1vd4hi+
>>438
今更ながら突っ込ませていただく。
一期にエイミィいないから。
アレ通信士Aだから

471 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:27:39 ID:uylnZyyw
>>465
GJです。私の身勝手なコメをわざわざ現物化していただきましたありがとうございます。

472 :y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/02/29(金) 00:43:59 ID:dpslL/pr
自分もこっそりと続き投下させていただきます
ええ…自分も最後いつ投下したのか忘れそうでしたが

・非エロ、なのレンジャー
・全員性格に変な補正がかかっています、ご了承下さい
・世界観はかろうじてなのはです、えーたぶんですが


473 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:44:34 ID:FicV4P9R
>>470
本放送時の録画は誤って消してしまったので俺は確認出来ないが
DVDでは初登場時からエイミィとちゃんと呼ばれてる

474 :y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/02/29(金) 00:45:01 ID:dpslL/pr
 空が高かった、空気が澄んでるだけの事ではない
見上げる男の心象がそう思わせるのだ
 そして気温は低い、だが太陽の光はオレンジ色に眩しい
ごつい体に作業服、汗ばんだTシャツ
愛機、白い塗料で書かれた文字『あいんへりある』が鈍く光る―を駆る
 男は顔を上げた

 あと―――――――――  一息で春を迎えるこの季節
冷涼たる風が労働に疲れた体を心地よく撫でていく



「ふ…………」

 男はトラクターのエンジンを切った、首にかけたタオルで額を流れる汗をぬぐう
ドッドッドッ…プシュー…熱くなった体の相棒に休息をとらせる事にした
そろそろお昼だ、娘もやって来る時間だろうか

「ふぅーう…………どっこら…うー…むッむっ…」
拳を握り大きく伸びをする、軽く息をついてトントンと腰の辺りを叩いた
少し苦笑した
(ふっふ、ワシももう年か…)

改めて、あたりの広大な土地を見渡した、広大な沃野がその中年の瞳に写る
(大分開墾が進んだものだ…)
感慨深く思う、彼が来たばかりの時はお世辞にも豊かとは言えない荒れ果てた土地であった

 ヒョイと高い位置にあるトラクターの座席から大地に降り立つ
ふかりとその深い絨毯のように柔らかな地に男の体重を受け長靴が軽く沈んだ

 しゃがみこみ男はその掌に一握りの土を握った
そのいかつい目つきは一転我が子を見るように愛おしさで溢れていた
満足げに何度も頷く、思わず笑顔がそのごつい中年顔からこぼれる

「うん…うん、順調だな…、今年も頼むぞ…お前達…」

地平線、空との境目に目を凝らす、小さな黒い点が編隊を組んで飛んで行く
 渡り鳥か…うむ、北の春ももうそこまで…




 「 ……って」




 「違うだろうがあああああああああああああああああ!!!!!!!!!」



 突然男はベシャリと土を地面に叩きつけると男は叫んだ、絶叫
「なんでワシが北の大地開墾しとんのじゃあああ!!!!!!!!!!」




「…おのれ、おのれ、おのれええええ!!あの小娘ええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」


475 :y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/02/29(金) 00:45:48 ID:dpslL/pr
 その上空に浮かぶは
にっくき小娘
 いや子狸
彼にはその姿がはっきり見えた

「八神っ!…はやてええええええええええ!!!!!覚えてろおおおおおおお!!!!!!!!!!!」


 6課部隊長はやてさんが宙で
にこやかに微笑んでピースサインを出していた





パパパパパ…
 彼方から軽い邸馬力のエンジン音を響かせて
あぜ道を中古のべスパがそののどかな風景にまったく似つかわしい速度でやってきた
その背にうら若…いや結婚適齢期がそろそろ心配な女性を乗せて

 博物館に陳列されそうなそれに乗っていたのは
叫んだ男の実の娘である、年齢はともかく
いや、見た目世間一般的には十分に知的美人と言えるだろう

 ただしその表情はやや疲れているようだ、実際本人も心中軽く嘆息していた

(…我事ながら…政治的圧力を受けて僻地へ飛ばされる悪役というのは…
           …このアニメ的にもかなり珍しい部類ではないだろうか)と

多分絶無だと思います

お空に向かい叫ぶ父を見やる
(仕方ないか…)
突然降格、左遷された上、生きがいのおもちゃ(アインヘリアル※本物)を奪われて
最果ての地へ左遷(とば)されたのである、政府からの一方的な通達であった

…父兼上司の無念は察するに余りある、  あるが…

 (なんで私まで…TxT)

周囲100kmは民家もない、ここ一ヶ月ほどこの父以外は野生動物としか話していない
泣きたいのは

「むしろ…セットでトバされた、わたしの方…なんですけどね…あの……お父さん、お弁当……」

 娘は小さく手を掲げ小さな包みを持ち上げたが
激昂した父にはまったく気がついてもらえなかった

父の方は口角を飛ばし身振り手振りで
いかに現行部隊が無能なのか、わが身の地上における重要性を訴え
加えて利権に捕らわれ大儀を見失っている現行政府の愚かさを罵ってもいる
まぁ、もっとも聴衆は空を飛ぶ鳶ぐらいしか居なかったのだが

なおも女性は手を上げかけたまま、数秒ほどその場に虚しく立ち尽くした、肩を落とし呟いた
(だめだこいつ…私が何とかしないと…)

「…お弁当ここに置いておきますね…」
 返事を待たずに、ヘルメットを被ってべスパに跨り帰って行った



476 :y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/02/29(金) 00:47:17 ID:dpslL/pr
 娘の名をオーリス、その父の名はレジアス・ゲイズといった
かつて防衛長官にまで昇りつめ
強面、豪腕中将と呼ばれたその男は去っていく娘兼秘書に気づかずもう一度叫んだ

「八ぁ神ぃい!!はやてえええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!」

 

 男の叫びは空に吸い込まれていった

パパパパパ…
べスパの音が遠ざかっていく一滴の光るものと共に

 北キツネの子供がじゃれあっているのを中断して
キョトンと不思議そうに、その場違いに騒々しい生き物達を遠巻きに眺めていた




リリカル戦隊なのレンジャー
第3話

嵐の公演日 そして舞台の幕は上がったの! 



嵐の公演日@


「…えっエビふりゃあああああああ!!!!」



ズッ…ドォオオオ………ン!

 派手な爆発煙と共に激闘の末、遂にナゴヤ怪人シャチホコダガヤーが倒れた
「うっ…ウイ…ローも…ある…で……よ………ガクッ」
そして突っ伏す、その目にはちょっぴり光る涙が
(終った…これでやっと一抜け…)
どこぞの突撃レポーターのような着ぐるみの怪人の中の人ヴィータであった
 再び上がる爆煙


「お、おのれ…おのれぇ!なのっ…レンジャー!」
と半ばやけっぱち気味にセリフを言っているのは追い詰められ、独り鞭を握る悪の女幹部こと
シグナム副隊長(現ライトニング)であった
 世の中これほど赤いビキニのような専用衣装…が似合う人が居るだろうか…
こぼれそうなほどムチムチの胸とお尻を危うい布地面積でキープしているその凛々しいそのお姿

 観客からは一斉に成人男性のピンクがかった歓声が湧きフラッシュが炊かれた
最前列辺りの男達が何を口走っているかは
シグナムは努めて聞いていなかった、聞きたくなかった、それでも一瞬、く…と歯を噛む
(が、がまん…がまんだ私…もう…もうちょっとの辛抱…)







477 :y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/02/29(金) 00:48:40 ID:dpslL/pr
 この恥ずかしい格好で(下などシグナムからすれば紐同然のフンドシであった)
まがりなりにも際どい角度のアクション(ジャンプ、ハイキック、ずっこけダウンして四つんばい)
等々がこなせてきたのも、これで最後…これで終る、その彼女の一念であった、シグナムさん不幸


 ザザッ
舞台上では
 なのレンジャー
ブルー・スバル、ゴールド・フェイト・ピンク・キャロ・ホワイト・なのは
が勢ぞろいしていた
「悪の栄えた試し無し…なの!」
午前の部ハイライトシーンである、演出上の都合、遅れて来る一人を除いて



 そう、その一人は特別席、舞台を見下ろすVIP専用スペースに居た
「…アッハハハ〜ですやろー!ペラペーラペラペーラや、ボルシチニーハオチャイナフリ〜スムニダハムニダ!…」
 華麗でハイテンションな怪しい多国籍語を操り
招待席の外国からのお歴々を輝く営業スマイルでバス添乗員のごとく応対しているのはもちろん八神はやてその人
なのブラックであった
ちなみに彼女は今回、主人公兼、生き別れの姉=敵首領、兼次元外国の偉い人のお相手と舞台に裏に大忙しであった

 観客動員数実に10万人、大観衆と言っていい、天気も上々、目下のところ大成功であった

「それじゃすいません〜私もそろそろ出番なんで〜―」
 すいと立ち上がるはやて
オウ!ハヤテサーン!もの悲しげな目つきで見つめると
オーバーに肩をすくめ、さっとはやてのお尻を撫でようとするごつい手
 その手をスパーンといい音で笑顔でひっ叩くはやて、アウチ!とおっさん
「お痛はアカンで〜」などとクルリと華麗に肩越しに微笑むはやて


 さて、叩かれたスケベそうな面の金髪のおっさんは、こないだ浮気でエライ騒ぎ起こし
支持率がウルトラ低空飛行していたあの某国大統領である

(ちなみに彼はなのブラックの大ファンであった)
 叩かれた手をフーフーしながらも実に嬉しそうにニヤニヤしている

 隣で愉快そうにウォーホッホッと笑っているのは赤い共産魔法国家主席のハゲた人…
そのまた隣は髭とグラサン、ターバン巻いたレアメタル産出国の王族、かと思えばお肌の黒い人達
 小太りの独裁者…と
今日もまた、やばいぐらい豪華な人達を相手にとり、日々着々とその人脈広げる6課隊長であった
 いや、これなら某中将を僻地へ飛ばすぐらい朝飯前だね、うん納得



「…はっはっは、ご苦労さん、ご苦労さん…」
カツンカツンカツンカツン
「…や、こりゃ長官はん〜こんちご機嫌うるわしゅー」
横目にフフフと不敵な表情で微笑むはやて、歩きながらうむうむと愉快げに頷く長官

 通路を早足で行くはやてに歩みよるのはローゼン・アッソー・アブラハム長官(ユダヤ系ドイツ)
 今回のなのレンジャー公演のスポンサーである政府の偉い人である
はやてにとっては事実上、限度額無制限の大事なお財布であった
その長官、あと半歩で政府を牛耳る、とまぁそう言うところまで彼は来ていた

 今回の公演の目的はミッドチルダの新産業のアピールと外国要人との太いパイプ作り
…等々だったが、どうやらその結果は彼の大満足のいくものになりそうだった
(ふっふ…わたしがトップに立つ日も遠くない…)
自然に笑みがこぼれる、そんなわけではやてとは別の理由で彼もまた上機嫌であった

478 :y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/02/29(金) 00:49:34 ID:dpslL/pr
 ザッザッザッザッ
二人して大股に歩く上司ズ足取りも軽い
(ふーっふっふっ、糞ったれのオ・ザーワもあいつもこいつもまとめて追い落としてやるわい…)
(…フッフフ、これを足がかりに私は世界に羽ばたいてみせるんや…)

各々の野望に想いをはせ、二ッと見つめ合い笑う二人

「「フフフフ」」
「ふはははははは、はーっはっはっはっは!!!!!」
ひとしきり、人気の無い通路で大笑いする二人であった


ピタリと同時に笑いを収める
「…うむ、さて、で、はやて君、だがな!…油断は禁物…ここ!この辺が大事だ!
 …気を抜かずに、しかしそれでいてアグレッシヴに…
 …どんどんたたみかけるようにだ…頼むよ!この調子で最後までやってくれたまえ!
 ご来訪のお歴々も大変(色んな意味で)期待している、バーンと頼むよ、ドーンとな!」

コホンと咳を一つ声のトーンを少し下げる
 「…放送コードの方は我が党の力でなんとかしておこう
 ワシに任せておきたまえ…たのむよポロリとか…」

それを受けてはやて
はっはっは…一息入れて、長官に負けないぐらい狸なこの人は不敵な笑みを浮べた
「ふふふ…お任せ下さい長官、このはやて…そのあたりのことは、まぁーっ…たく
 …万事ぬかりありません、バッチリですわ…
 この日の為に…カリ…いえ聖王教会演出の方ともそりゃもう
            …じっくり、ねっちょりと相談してきましたから…」
ふっふっふ…そりゃ頼もしい、と長官

 さらにうちの湖の騎士とかなどと、微笑む
すでに悪のトライアングルを形成しているはやてであった
おぬしも悪よのう、と長官、ホホお代官様ほどでは、とはやて

「…もうポロンもポロン、…そりゃもう、えらい騒ぎにしてみせます
 …ミッドチルダ放送界の歴史にでーっかく太文字ピンクで
 毎年衝撃の映像特番でレギュラー放送されるぐらいのピーに挑戦ですわ…フッフフ」
すいと腕を引いて演劇かかった仕草で腕組みを解き、一礼するはやて

「このはやてにまかせといて下さい♪、なーに、うちのメンバーも一切合財、了解済みですから♪」
邪悪に請け負った
もちろん6課のみんなには全然ナイショの事後承諾である

「うちはオッパイ星の人材も豊富ですからね〜はっはっは、揺らして揉んでぽろりといったりましょ〜♪」

「「わーははははは♪」」
ハモる笑い
カツンカツンカツン!
通路に響く、軽い二種の足音

明るい未来に向かって仲良く歩む

親子ほど歳の離れた黒幕二人だった
                    


ゾクゾクゾク
 舞台上
いきなり巨大生物にでも舐め上げられたかのような背すじを駆け上る悪寒に
腰が浮くような異様な感覚を覚えた二人、つまりシグナムとフェイトだった

479 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:52:23 ID:PwBFfX+d
支援します

480 :y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/02/29(金) 00:52:40 ID:dpslL/pr
てくてくてく

…なんならおショタ方面でもサービスしますよ〜長官?
歩きながら、明るく人差し指を立ててチッチと奴隷商人よろしく請け負うはやて
「…うーむ、いやそれもどうかな…」

 腕組して提案を大真面目に思案する長官であった、少年愛か…ふむ?
まぁ最近は若いもんも色んな趣味があるらしいしな、ワシもそれなりのオタクだし…鰤とか(古いね長官)
…嬲られる少年か…
 若者文化を理解しているってカラーをもう一歩進めるのも
…それもアリか…などと考えたりしなくもないアッソーであった

「確かそう……何と言ったかな…あー…


                       …ウホッ?」




 ガチャーン

 派手な音と共に床にコーヒーカップが落ちて黒い液体と白い破片を散らした

人形サイズの少女が驚いた顔で少年を見つめた
「ど、どうしたですかいきなり…エリオ?…ちょっと…顔色悪いですよ大丈夫ですかエリオ?…」
一緒に舞台裏でコーヒーを飲んでいたリインが心配そうに尋ねる

 言われた方の赤毛の少年、なのレンジャーでは毎回攫われる役の少年Aことエリオだった

「い…いやその…リインさん…な…なにか急に寒気が…悪寒が…」
曖昧に頷く青ざめた顔に、油汗を額に浮かべ、…急に嫌な予感がしてきたエリオであった


嵐の公演日B

「…ふぅ」
『…提督すべて準備整いました』
「OKだ、じゃ発射と」

クロノはズッとブラックのコーヒーを啜った

 カチン

 大して面白くも無さそうに半透明のキーを捻る
半瞬の後、眩い光芒が次元航行路を満たし、クロノの半面を照らした

パパッ…パァアア……
光の粒子と化した後爆縮して消滅していく

「…………」
 ズズ
クロノはしかめっ面でそれを見ていた

 魔導砲アルカンシェル―半径数百キロが空間歪曲して対象を消滅、次元航行部隊のいや
…管理局の切り札的最終兵器である

「…それが今や…日曜廃品処理の業務に日々こき使われてるとはなぁ…」
 ズッ…また一口すする、インスタントだ、ああ…エイミィのコーヒーが懐かしい
いや彼女もインスタントなんだけどさ、愛があればこそさ…寂しく呟く

481 :y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/02/29(金) 00:53:27 ID:dpslL/pr
 指揮官席に足を組んで沈思する指揮官
世も末だ、クロノはそう思った

 エリート揃いの部下達もさぞかし忸怩たる思いの毎日だろう
まさか精鋭中の精鋭と張り切って入隊した挙句に廃品回収では
いっそまたJS事件みたいなの起こらないだろうか…などと不謹慎な事を考えてしまいそうになるクロノだった

 こないだの政令施行からの事である
日常、廃棄する旧型デバイス、カートリッジ、電化製品、機人のパーツなどなど
 何を処分するにも結構なお金がかかるようになってしまった
(まぁそれはしょうが無い)
環境保全はなんでも出来そうな魔法世界でも大切だ

 だが困るのはどこの管理世界でもそれらの不法投棄が後を断たず
各政府、政体ではゴミの処分場を巡って喧々諤々、紛糾し2転3転した挙句
こっち、事もあろうに本局、次元航行部隊の最精鋭部隊
つまりクロノの部隊にお鉢が回ってきてしまったのであった
(貧乏クジだよなぁ…)
ズズ、また一口コーヒーを啜るクロノ

 次元航路の外れ、一般の迷惑にならないような場所でひっそりと行われているこの地味な業務
非常にエコに配慮されている兵器―何せ文字どうりの『消滅』である―いるため環境にも優しいと上には大好評であった

 それに噂によると処理に困るようなヤヴァイ筋のヤヴァイものまで回されてきてるらしい、大金と共に
でっかいコンテナ数百個を毎日一度に処理するのだが、中身のチェックなどしていない、必要が無いからだ
あながち噂とは笑えないクロノだった

「…公務員も辛いよ…か」
上が一体どんな取引をしてるのか知る由もないが
「…やっぱり、知りたくも無いボクか」
クロノは憮然として呟いた

 航行部隊としてもアルカンシェルの定期的な使用は『必要』は『必要』なのであった
何せ使わないと次回からはその分不必要な経費だと計上され、また隊の予算を減らされてしまう…

 この辺りはその辺の町役場と事情はそう大きくは変わらない、そういう事情があるからこそ
尚一層、クロノの気分は良く無かった、清廉潔白が彼の信条であったし、それに相応しい生き方をしてきてはいたが
(部下達の為でもあるか…彼等の給料にも響くし…)
部隊の潤滑な運営には我慢しなければいけない、せちがらい世俗的な部分もあったのだった

『艦長、対象の消滅を確認、今日の予定終了です』
宙に浮く電光パネルの部下から報告が届く
「…ああ、ご苦労さん、君達も休んでくれ、通達を頼む」
了解、と尊敬する上司に敬礼する部下にチョンと額に手をあて、敬礼を返すクロノ
ふっと溜息をついた
世間なんて所詮は灰色か…


「………TVでも見るか」

 部下の顔が消えた画面をしばし眺めた後、やや鬱とした気分でクロノはそう呟いた、夢がないなぁ…などと
何の気なしにチャンネルをミッドチルダ民放、に合わせた
(そういえば今日あたり確かはやて達が何かやってるって言ってたか…)
ズズ、大した期待も無く、ピピピ、ズっ…またコーヒーを口に含みパネルを操作した

ピッ


482 :y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/02/29(金) 00:55:32 ID:dpslL/pr
沈黙→ガタン!→ぶはぁ!

 頬杖をついたまま画面を変えた後の一連の彼の反応である
クロノはコーヒーを盛大に吹き、椅子ごとずっこける事となっていた
クロノの実に良く知る顔が画面一杯に大写しに笑っていた、その男
白いスーツに青いネクタイ、緑の流れる髪の美青年


「はーーーっははははははは!そこまでだ、なのレンジャー!覚悟したまえ!
この…素晴らしきヴェロッサ・アコースが来たからにはな!、あ、そーれそれ!パッチンパッチン指パッチン!」

ドン、ドン、ドドン!

 極彩色の煙が派手に上がる
キャアアア、観客席から女性の嬌声が上がる

な、なな…何…クロノは呻いた

「ろろおっ…ロッサ!?な…何やってんだコイツ!!?」
 驚きの後、ようやく机にしがみついて起き上がったクロノの眼前で
親友ヴェロッサ・アコース査察官その人が華麗なステップと共に、フィンガースナップ
俗のに言う指パッチン―をしながら右へ左へ踊り狂っている

「あ、それパッチン」
 ロッサがパッチンする先、岩が真っ二つに割れ
「うわぁ!」衝撃に吹き飛ぶ、なのブルー・スバル
「こっちもパッチン」
 くるりと振り向きざまに指を撥ねる
爆炎、爆風
「キャア!」頭を抱える、なのピンク・キャロ

 スナップ音に合わせて次々に爆音と爆風が上がり
なのレンジャーの面々のBJが実にいい感じに切り裂かれていく
なぜ服だけが切れお肌に傷がつかないか、そんな事知らねえ、気にしちゃ負けだ

 …唖然としたクロノが見るに画面の中
気のせいか彼の義妹が集中的に切り裂かれていた、BJの胸とかスカートが
「…あっあああっ…て、フェ、フェイト……ってオイ、今こいつたしかロッサの奴、本名言ってなかったか!?」
上がる歓声、なのゴールドぉおお!!!観客大喜び、キャーキャー、クロノの疑問なんか挟む余地も無かった
切り裂かれたコスチュームの前を必死で合わせて逃げ惑うフェイトさん


 絶句したままのクロノの前、見ると新たに参戦してくる影あり
それを見てまたも若き提督の目と口は大きく見開き、ハニワになった
「…あ、あれは…」

 ぷるぷると指差すその先にあるのは
またも彼の良く知った顔であった、よく知りすぎるぐらいに幼い頃から知っているその人達だった

『ふふ…私達の事も忘れてもらっちゃ困るわ…』
カカッ←(逆光の演出)

崖の上に立つブラックシルエット3つ

 そのうち二人がトウ!と軽やかにジャンプしてくるくると回転し
カメラの前に華麗にスタっと降り立った黒いコスチュームに猫耳、尻尾のスレンダー体型の美少女二人
左右対称にモデル立ちで現れた、その名は

「衝撃のリーゼロッテ参上!」
「同じく幻惑のリーゼアリア!」

483 :y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/02/29(金) 00:57:42 ID:dpslL/pr
パクパクと口を開閉させるクロノ

ロッテとアリア、クロノの魔法と格闘の師匠であった

「…ま、まさか…と言うことは後ろのは…」
と呟いたところでまさかのその人もズイと画面の前に現れた

「激動たるグレアム、ここに推参!」
 ドシャアアア

 またしても腰が砕けずっこけたクロノだった
指揮シートにしがみついてよじ登る
 ああ、今となっては懐かしい
退屈でアンニュイな日常はここに遠く消し飛んでいた

 画面の中では何やら新幹部がどうのこうのと
どうやら、10絶集がどうだとか悪の軍団の交代劇のようだ

 ロッサが得意満面でペラペラと自己紹介を始めている、よく見れば
きわどい、変な格好した6課のシグナム副隊長
その人が愕然とした表情で這いつくばって何か言われてるいる

 い、いや…そんな事より、クロノは呻いた
仮にも英雄と呼ばれた人達が実名で、いやそれより現役のロッサの奴まで…
 いや待てよ

クロノはハッと我に返り
 ある事に思い当たった、急いで高速通信を開いた
今すぐ確認すべきことがあった、そう、彼にとってはかなり重要な案件だった
 祈るようにしてコール音を聞く

 数秒後、クロノにとっては
ようやくと思えるほどもったいぶった回線が開き
そこにノリ煎餅を咥えた女性の姿が現れた

「んーひゃにー(何)あークロノ?(ぽりぽり)…」



は、、、           …はぁあああ〜……

 クロノはがっくりと安著の息を吐き、両手を床についた

彼のまっとうな人生のはどうやらギリギリで危機から回避されていたようだ

クロノは呟いた

よ…良かった、どうやらうちのは出演して無いようだな、と





484 :y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/02/29(金) 00:58:56 ID:dpslL/pr
「?」

 夫の心配をよそに、ぽりぽりと袋の煎餅を取り出しながら
不思議そうな顔でダンナを見ている妻
エイミィ・ハラオウンであった、は思い出したようにニパっと笑った

「あ、それよりクロノ、今ね、テレビでなのはちゃん達の面白いのやってるよ〜
  居間でうちの子二人も観て、あ、…笑ってるよ〜w」
「…今知ったよ」

…ああ、そういえば家に帰ったの最後いつだっけ…
ミッドチルダから単身離れて任務に就いていたため世情に疎かったクロノであった
久しく聞いていなかった子供達の笑い声が遠く聞こえる

 その哀愁を漂わす男の傍らでは
ようやくなのレンジャーの主人公が遅れて登場してきたところだった

「みなっっ…さぁあん!…さーぁ、お待たせー!私が、このなのブラックが来たからにはもう安心…」

 くるくるとシュベルトクロイツを回す、やんやと言う観客席に充分アピールした後
なのブラックはやてはババーンとそれをロッサ達、悪の新幹部連にに突きつけ不敵な笑みを浮べた

「まとめてかかってこいやーあんたら♪」

上がる五色の爆炎、立ち上がる5人、ようやく舞台で勢ぞろいした、なのレンジャー

なのであった





続く

485 :y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/02/29(金) 01:03:05 ID:dpslL/pr
えー、まだ3話なのか、と本人が愕然としました
何とか終らせたいと思います、初めての方ワケが解らないと思います、スイマセン筆遅いです
最近レベル高い人増えましたね〜おかげで読み専やってま…ゲフゲフ
ではまた

486 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 01:04:53 ID:Hj3m0Eya
これはつまり、偉大なるビッグファイアのために! と叫べと。
なぜ、GRなんて知っているんだ、俺は・・・・。


487 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 01:08:26 ID:PwBFfX+d
>>485
なのレンジャーキター!
ずっと待ってました!相変わらずはやてが黒いw

次回も楽しみにしてます。超GJでした。


488 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 01:09:49 ID:WQzCPMsf
亀レスですが
>>366
GJでした!!

純愛故に何時もとは違う方向に壊れるフェイトさんに涙。
とりあえず冒頭のなのはさんの出番はいつだいつだと読ませてもらいましたw
或る執務官シリーズも楽しみにして待ってます。
お疲れ様でした。

489 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 01:29:11 ID:nNj85iXR
>>470
8話目のなのフェイの魔力値を調べる下りで「エイミイ」と呼んでいますよ。

490 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 01:38:10 ID:+onknTe+
>>412
俺の受けた電波はそこで死んでるのはユーノだったんだが?
だって情報部門で眼鏡かけてて愛してる人(なのはかも)がいるからなぁ
「早くこのことをクロノに知らせないと・・・」
僕は急いで通信機に向かいクロノへの直通通信をかける。
「スクライア司書長だ。ハラオウン提督へ繋げてくれ。緊急の用事だ。」
「わかりました。少しお待ちください。」
「急いでくれ。管理局がやばい・・・」
ここまでは出たけどここから先がうまくできなかった・・・・Orzごめん

491 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 01:40:13 ID:GlPfXNlx
>>485
GJ!GRネタ吹いたw
保管庫で見つけて続きが気になってたんで嬉しいよ

492 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 01:50:14 ID:1ZqQfNdc
なんという孔明なんだはやて。
あ、レジアスはこのほうが幸せかもしれんな。
ほのぼの農村生活になっとる。

493 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 02:05:29 ID:eq3m2B0H
懐かしいですね。なのレンジャー
どうなったのかな?と思っていたので再開はとても嬉しいです。
続きをお待ちしています。

494 :ウェンディ:2008/02/29(金) 02:18:30 ID:L3kVCJ5D
続き楽しみにしてるっす

495 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 02:41:19 ID:qZH+gW2u
>>494
ウェンディが瞳をキラキラさせながら楽しく特撮物を見てる光景が頭の中に出て来たw

496 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 02:45:21 ID:lJWTYQGX
スカリエッティの手により花粉症がミッドチルダに広められて、くしゃみと目の痒みに苦しめられながらガジェットと応戦するがくしゃみと鼻水と目の痒みにより集中できず上手く術式の構成が出来なく、結果ガジェットに触手でえろいことされるフェイトさん

とか言うわけわからん電波を発信したかたはどこのどなたですか?

497 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 02:53:41 ID:+6efSZx8
確かにフェイトって花粉症になりそうなイメージはあるな。
俺は花粉症になったことないから、辛さはよくわからんけど。そろそろ時期か。

498 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 03:03:44 ID:PwBFfX+d
瓶底ぐるぐる眼鏡+大型マスク装備で、
「それって危ないひとなの、フェイトちゃん。」
になるわけですね。

499 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 03:06:32 ID:fHvkMZ+A
>>498
「えっ、普段着じゃないの?」
と聞き返してくるシャマルさんと申したか

500 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 03:14:33 ID:Hj3m0Eya
花粉症のなのはがガジェットにSLBを放とうとした瞬間にくしゃみをしてしまう。
クラナガン消滅という夢を見た。

501 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 03:30:01 ID:nNj85iXR
>>500
ドリフの舞台転換の音楽が聞こえてきます><

502 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 04:04:06 ID:NsHju8YM
>>421
私は必死で走った… しかし不覚にも股間のものが怒張して思うように進めず差はつまる一方だった

503 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 04:16:48 ID:L3kVCJ5D
ティアナどうなんだろ


504 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 08:16:35 ID:lnN+Cz5q
>>485
GJ!アッソーと笑撃のマッガーレ自重しろw

>>501
ヴィータが半笑い・苦笑いで「駄目だこりゃ」と言うのを夢想した

505 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 08:50:46 ID:5vFekXqa
リトルランサー待ち

506 :( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 09:09:35 ID:tDaF6Qzk
だが俺が投下。

そして俺が今投下。

注意事項
・まぁ、初っ端からどえらい捏造です。
・非エロ。長編少し場つなぎ気味。
・オリキャラあり。
・レジアス中将はモブか悪役だと思っている人は、読まないほうが吉です。
・でも、フェイトファンには比較的毒が少なかったりします。
・微妙なカップルが登場するのでカップリング嫌いな人は要注意。
・あぼーんキーワードは「熱い彗星の魔導師たち」

507 :熱い彗星の魔導師たち 10-01/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 09:10:23 ID:tDaF6Qzk
「居残りさせて悪いわね、ウェンディ」
「いや、かまわないっス」
 少し申し訳なさそうに言うアリサに、ウェンディはしかし、彼女にしては珍しく、強い
表現を伴わない、真顔で、そう答えた。
 機動6課隊舎。2人は、小会議室へと入る。
 室内には、はやてとリインフォース、なのはとレン、それに、ユーノ、フェイト、グリ
フィスがいた。
「緊張せん、言うのは無理やろな。ま、かけてくれ」
 はやては、言い、ウェンディに椅子に座るよう、促した。
 ウェンディは、ガチガチと固くなるのとは別の緊張を伴いながら、椅子に腰掛けた。
「グリフィス、始めてくれ」
「はい」
 はやてが言うと、グリフィスは手元の光学キーボードを操作した。
 正面、置かれているホワイトボードの前に、大型の非実体ディスプレィが現れる。
「今回確認された、不明の戦闘機人です」
 ディスプレィに、目元を目出し穴もない、重厚な金属性のアイマスクで覆った、ブラウ
ンのロングヘアを持つ、少女の姿が、映し出される。
「出現数は4体。スターズの2名及び陸5・第1中隊と接触した2体と、ライトニングの
シグナム副隊長以下3名と接触した2体です。いずれも魔法出力はB+程度ですが、防御力に
関しては、A+を上回ると推測されます」
 グリフィスが、映像に説明を加える。
「しかし、一番の特徴は、今までのスカリエッティ製戦闘機人は、いずれも固体間に何ら
かの差異が見られましたが、今回の4体には、それがありません」
「っちゅーことや。何か解ることがあったら聞かせてもらいたいねんけど、言いたくなけ
れば無理にとは言わん」
 はやては、険しい表情をしつつも、ウェンディに、そう言った。
「別に、そんな事はないっス」
 ウェンディもまた、険しい表情で、言う。
「元々、“ナンバーズ”は、人工的に作成された胚から培養されたグループと、既存の魔
導師の遺伝子を調整したクローン胚から培養されたグループがいるっス」
 ウェンディの説明に、フェイトが表情に蔭を落として視線を逸らした。すると、すっ、
と、アリサとなのはが、その両隣に、移動する。
「こいつらは多分、あたしと同じオリジナル胚組の、ディードの遺伝子から、クローン胚
を製作したモノっス。ディードは“ナンバーズ”の集大成的な存在っスから」
 ウェンディは言ってから、視線をはやてに向けた。
「でも、ウェンディ」
 アリサが切り出す。
「こいつらの能力ってさ……ディードも、ウェンディと同じ能力を持たされる予定だった
の?」
「それは多分、違う理由っス」
 アリサの問いに、ウェンディは、視線をそちらに移した。
「こいつらの装備しているのは、間違いなく、あたしの固有装備と同じ、『ライディング
ボード』っス。ディードは、3年前の段階で未完成だったっス。稼動データが取れていな
いから、多分、1コ前のあたしの能力に換装したんっス」
 ウェンディは、手振りを交えながら、そう、説明した。
「しかし、それは不自然じゃありませんか?」
 そう言ったのは、リインフォースだった。全員の視線が、彼女に集まる。

508 :熱い彗星の魔導師たち 10-02/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 09:11:03 ID:tDaF6Qzk
「へ?」
 ウェンディはキョトン、として、間の抜けた声を出してしまった。
「その汎用性から言うなら、3年前にバニングスが接触したNo.3トーレ、或いは同様に今
回接触したNo.7セッテの方がそれに適していますし、データもより高度なものが活用でき
るでしょう」
「いやっ、ま、確かに、それはそう、っスけど」
 リインフォースに言われ、ウェンディは言葉を詰まらせてしまう。
「せやな……ウェンディの能力をコピーしたんは、他に理由があるんちゃうやろか?」
 はやては、顎を手で抱える仕種をしつつ、そう言った。
「…………」
 しかし、そこから先は、推測も難しく、一同、沈黙してしまう。
『オーリス、取れるかな?』
 ただ1人。
『ユーノ? なんでしょう』
 ユーノは、地上本部のオーリスを、念話で呼び出した。

熱い彗星の魔導師たち〜Lyrical Violence + StrikerS〜
 PHASE-10:The holiday in front of a storm


 ヴォン、ヴァオォォーン……
 クリーム色のフィアット“NUOVA”500改、「チンク・エント・チンク」が、クラナガン
の首都高速を飛ばす。
 片側3車線の、緩慢なカーブを、レーンチェンジを繰り返しながら、そこそこ通りのあ
る車の隙間を、縫って走る。
「すみません、付き合ってもらっちゃって」
 後部座席に収まったなのはは、やはりその隣に乗るシグナムに、少し済まなそうにそう
言った。
「いや、気にする必要はない。元々聖王教会への連絡役は私の役目だし、バニングスの車
に同乗できたし」
「ま、あたし達も別に、地上本部に顔出すついでだけど」
 シグナムが薄く笑いながら言うと、アリサがルームミラー越しに2人を見て、そう付け
加えた。
 助手席には、ユーノが収まっている。
「けど、どうして聖王教会系の病院に? 医療施設なら地上本部にだってあるし、より高
度な医療なら本局の方が充実してるんじゃないかな」
 ユーノは、浅く後ろを振り返って、そう訊ねた。
「それも考えたのだが、6課の後見人である、聖王教会の騎士、カリム・グラシア殿から、
是非にという推薦をもらって、主としても、断りにくかったようです」
「ふーん」
 シグナムが説明すると、ユーノは、正面に表情を戻した。
『どう思う?』
 スクランブル付の念話が、アリサの頭に響いてきた。
『なにがよ?』
 不慣れなスクランブルを組んで、アリサは返答する。
『なんかこう、聖王教会って単語にヒットしすぎじゃないかと思うんだけど』
 ユーノは、そう話しかけつつ、ちらりとアリサを見る。

509 :熱い彗星の魔導師たち 10-03/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 09:11:30 ID:tDaF6Qzk
『気に入んないのは確かね』
 アリサは顔を憮然とさせて、そう答えた。
『古代ベルカにまつわるってことじゃ、はやても関係者だし』
『!』
 アリサがそう言ってため息をつくと、ユーノは目を円くして、アリサを見た。
『確かにそうだ……何か、つながりでもあるのかな?』
『今のシグナムの態度からすれば、今のところ、後見人って以上の関係は推測しにくいけ
ど』
 ユーノは、腕を組んで、考え込む。アリサは、不機嫌そうに、運転を続けた。
「あの、アリサちゃん、もうちょっと安全運転を……」
「あーっ!!」
 なのはが、冷や汗混じりの苦笑で言おうとすると、アリサの大声が、それを遮った。
 パネルバンのトラックが、チンク・エント・チンクの前に、隣の車線からレーンチェン
ジして来た。
「このあたしの前に割り込むとは、良い度胸じゃない!」
 アリサはそう言って、運転する身体の姿勢を軽く正すと、クラッチを踏んでODレバー
を抜き、アクセルを踏み込んだ。
 ラムコ製のタコメーターが、5000rpmを越え、LJ50エンジンが咆哮を上げる。
「シグナムさん、よく平気ですね……」
 平然とシートに収まっているシグナムを見て、なのはは渋く苦笑しながら、そう言った。
「慣れだ。それに、主の運転も、そう変わらん」
 シグナムが言うと、なのはは脱力したように、かくん、と、首を下げた。

510 :熱い彗星の魔導師たち 10-04/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 09:11:59 ID:tDaF6Qzk

「じゃ、終わり次第迎えに来るから」
「うん」
 なのはが返事をして、軽く手を振ると、アリサはギアを1速に入れ、チンク・エント・
チンクを発進させた。
 スパパパン、と、クランクケース圧縮式2ストロークエンジンの軽い排気音をたて、市
道をすり抜けていく。
「では、行こうか」
 シグナムに促され、なのはは、一見古めかしい木造建築の建物の方へと、歩いていく。
「ところで、あの子にわざわざ会いに来るという事は、処遇に関して、何か思うところが
あるのか?」
 連れ立って歩きながら、シグナムは、なのはに、そう訊ねた。
「うん……フェイトちゃんと相談したんだけど、やっぱりきちんと里親、探したほうが良
いかなって。それで、きちんと、あの子なりの生き方をした方が、幸せかなってね」
 なのはは、どこか照れたように笑いながら、言った。
「ほう」
 シグナムはそう言って、それから、ニヤリと笑った。
「私は、主やバニングスと同意見だがな」
「えっ?」
 彼女にしては珍しく、意地悪そうに微笑むシグナムの言葉に、なのははドキッ、として、
シグナムを見た。
「この際、高町がクロノ提督と籍を入れて、引き取ったらと言うことだ」
「そんな……でも、そうなると2人とも忙しいし、あの子1人ぼっちにすることが多くな
っちゃうし」
 顔を紅くしつつ、なのはは慌てたように、言った。
「そうか? 本心では否定していないようだが。それにいざとなれば、高町の御母堂や姉
君もいるだろう?」
「…………」
 シグナムが言うと、なのはの表情に、さらに赤みが増す。まるで、湯気が上がりそうな
勢いだった。
 なのはの両親である高町士郎・桃子夫妻には、既に兄の恭也の娘として実孫がいる。し
かし、恭也はその配偶者である忍の月村姓を名乗った上、現在はその忍の仕事の関係でド
イツに定住している為、めったに孫の顔を見ることが出来ないと、2人はぼやいていた。
 特に、士郎は自分は『翠屋』から引っ込んで、初孫・雫の面倒を見る気満々だった為に、
落胆することひときわである。
 クロノとなのはの関係も、既にほとんど公認状態だし、その2人の子供といえば、例え
養子であろうと、猫かわいがりにするのは目に見えている。
「お、お姉ちゃんは、そろそろ自分がお嫁に行かないと、まずいから……」
 話を逸らすかのように、なのはは頬をかきながら、そう言った。
「それに」
 シグナムは、そう言って、一転、表情を険しくした。
「状況から行って、スカリエッティと何らかの因縁があるのは確実だろう」
「!」
 シグナムの言葉に、なのはもまた、表情を引き締める。
「その子を一般人の養子に出して、将来にわたって安全かどうか。それならば高町とクロ
ノ提督なら、本人はもちろん、ハラオウン家はほぼ全員が高度の魔導師かその使い魔だし、
士郎殿は魔導師ではないとは言え、その実力と人柄は信頼に足る」

511 :熱い彗星の魔導師たち 10-05/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 09:13:25 ID:tDaF6Qzk
「…………」
 なのはは、すぐに返す言葉を見つけられず、ただ、ゴクリと、息を呑んだ。
 やがて2人は、病棟である建物の入り口をくぐった。そこに、2人の人物が、なのは達
を待っていた。
「お待ちしておりました、騎士シグナム、それに、高町隊長」
 そう言ったのは、シグナムと良く似た、ベルカ人に見られるピンクがかった赤紫の髪を、
やや短めのおかっぱにした、修道着姿の女性。
「シスター・シャッハ。ご足労をおかけします」
「いえ、これも修行の一環ですから」
 シグナムが言葉をかけると、シャッハは苦笑気味に微笑みつつ、そう言った。
「シャマルも、ご苦労だな」
 シグナムは、視線を、シャッハから、6課の制服の上に白衣をかけた、シャマルに移し、
そう言った。
 ちなみに、シグナムとなのはは、私服である。
 制服で出かけかけたところを、同乗させてもらうアリサに、咎められたのだ。
『あのね、世間一般的に、今日は平日なのよ? だいたいシグナム、アンタこの前ので懲
りてるでしょーが』
 マスコミにとって公務員のスキャンダルは、大なり小なり良いネタである。仕事上の行
きがかりとは言え、オフシフトの私用に等しい行動に、制服姿で出歩いては、目立つこと
この上ない。
 『屋上の暇つぶし事件』は、シグナムはたまたまの小休憩だった、と、言い訳された。
もっとも、シャーリーは“しょっちゅう暇をもてあましてる”と、6課内でも吊るし上げ
を食らったのだが……
 模擬戦の判定条件上間違いではないにもかかわらず、航空戦技教導隊出身の小隊長が部
下の行動にキレてその部下を滅多打ちにしかけ、挙句別の小隊長に(模擬弾とは言え)撃墜
されるという『教導官逆噴射(笑)事件』とともに、6課の二大汚点とされている。
 この事件はマスコミの餌食にこそならなかったが、なにせそもそも航空戦技教導隊は、
次元巡航警備部でも執務官以下からは(ネガティブな意味合いで)『鬼』と言われて恨まれ
ているし、陸士総隊からは『身勝手』と思われているので、その中でも看板といって良い
人間が、陸士系の小隊長に撃墜されたものだから、グラミィのごとく尾ひれ背びれが付い
て、面白可笑しく噂が広まってしまった。
 閑話休題。
「シスター、早速あの子の所へ、案内願います」
「はい、どうぞ、こちらへ」
 シグナムが頼む。今度は、シャッハを先導にして、4人が、建物内の廊下を移動する。
「シャマルさん、あの子の様子は?」
 歩きながら、なのははシャマルに訊ねた。
「今は、精神的に落ち着いてるし、肉体的にも、少し筋力の衰えが見える以外は、特に問
題ないわ」
 シャマルは、優しげに笑いながら、そう答えた。
「よかった」
 なのはは、胸を撫で下ろすようにして、苦笑気味の笑顔で、そう言った。
「ただ……」
 そこで、シャマルは表情を曇らせる。
「ただ?」
 なのはも、不安そうになって、シャマルに聞き返した。
「うん、あの子、リンカーコアが、そうね、出力自体も大きめなんだけど、少し変なの」

512 :熱い彗星の魔導師たち 10-06/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 09:14:02 ID:tDaF6Qzk
「変?」
 なのはが聞き返すと、シャマルは、こくん、と頷いて、続ける。
「まるで萎んだ風船のような感じでね。本来のキャパシティをまだ余してるって言うか、
そんな感じ」
「そうなん……ですか?」
 なのはは、不思議そうな表情になって、訊き返す。
「ええ、ただ、以前にもそう言う例を見たことがあるから、ひょっとしたら、特殊であっ
ても、あり得ない現象じゃないのかも知れないわ」
「月村嬢のことだな」
 シャッハとともに、前を歩いていたシグナムが、振り返って、そう言った。
「えっ、すずかちゃんが?」
 目を円く見開いて、なのはは訊き返す。
「だけではない。姉の忍殿も、似たような感じだった。もっとも、2人の場合は実の姉妹
だから、不思議ではないのかとも思ったが」
「ふぇ……」
 シグナムの言葉に、なのはは、驚きの声を漏らしてしまう。
「もっとも、その2人の場合、その状態でのリンカーコアの出力は、バニングスの倍程度
だったがな」
 倍、と言われると大きいような気がするが、元々アリサは、管理局の登録魔導師のラン
ク認定試験では、本来Dで出力値による、所謂“足切り”となるような数字(C+を保有して
いるのは、初回接触時にクロノがC-を付けた為)なので、倍になってもさほどのものでは
ない。
「着きましたよ、こちらの部屋です」
 個室の、病室の前で、シャッハが歩みを止めてそう言う。それから、シャッハはドアを
ノックした。
『どちらさまで?』
 中から、女性の声が聞こえてくる。子供のものでは、なかった。
「シャッハ・ヌエラです。面会希望の騎士シグナムと、高町一尉をお連れしました」
 シャッハがそう言うと、
『どうぞ、お入りください』
 と、中から、明るい声で、歓迎するように、返答があった。
 それから、シャッハはドアを開け、後の3人を招き入れるようにしつつ、共に、部屋に
入った。
「あ、ママ!」
「!」
 真っ先に目に入ったベッドから、その上に乗っていた、赤と緑のオッド・アイ、透き通
るような淡いブロンドの幼い少女は、なのはを見るなり、そう言って、表情を明るくした。
 右手に持った、ミニカーの玩具を握ったまま、手をバタバタと振り、嬉しそうにする。
「ようこそおいでくださいました」
 中年の小柄な看護師が、なのは達に、そう挨拶する。
「あ、えっと……」
 なのはが困惑していると、看護師は苦笑気味にしながら、さらに言う。
「この子、昨日一晩、高町一尉に会いたがって、しょうがなかったんですよ。ママはどこ、
って」
「そうだったんですか」
 シグナムが言う。なのはは、言葉を発さず、すっと、ベッドに近寄った。

513 :熱い彗星の魔導師たち 10-07/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 09:14:27 ID:tDaF6Qzk
「ママ♪」
 カチャカチャと、右手のミニカーを揺らしながら、少女は嬉しそうに微笑み、そう言っ
た。
「うん……良いよ。私があなたのママになってあげる」
 そう言って、なのはは、身を屈め、少女の頭を、優しく撫でた。
「だから……あなたのお名前、教えてくれるかな?」
 そう言って、にこり、と、優しげに微笑んだ。
「ヴィヴィオ!」
 少女は、満面の笑顔で、即答した。
「そっか、ヴィヴィオ、って言うんだね」
 そう言うと、なのはは、ヴィヴィオと名乗った少女を、抱きしめた。
「まぁまぁヴィヴィオちゃん、よかったわねぇ」
 看護師は笑顔でそう言いながら、なのはの背後から、ベッドに近づいてきた。
 その光景を、後で、シャッハやシャマル、シグナムが微笑ましそうに見ていた。
 だが、シグナムは、ふと気付き、
「シスター、あのミニカーはこちらで与えたのですか?」
 と、シャッハに訊ねた。
「いえ。崩落事故現場から回収されたものだと伺っておりますが。あの場に他に玩具を持
ち込むような子供はいませんでしたし、この子の持ち物かと」
「ふむ」
 シグナムは、短く答え、再び、視線をヴィヴィオに向けた。
「でも、妙よねぇ」
 シャマルが、少し訝しげに、そう言った。
「なにが、です?」
 シャッハが訊き返す。
「女の子に持たせるのに、自動車の玩具って言うのは、少し不自然じゃないかしら?」
「確かに……」
 シャマルの言葉に、シグナムも同意するように、言う。
「それも、このような無骨なオフロードカーのミニカーというのは、妙といえば妙だ」
「親が自動車好きだったんじゃないでしょうかね?」
 シャッハは、苦笑しながら、そう言った。
「まぁ、確かに、世のすべての女性が同じ趣味というわけじゃありませんけど……シグナ
ムのような例もあるし」
「シャマル、一言余計だ」
 シグナムは、憮然とした表情で、きっぱりとそう言った。

514 :熱い彗星の魔導師たち 10-08/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 09:19:35 ID:dLVYD5Db

 クラナガンの夕刻。
「これなんか良いんじゃないっスか?」
 一軒のブティックの前で、ショーウィンドゥ越しに、ウェンディが指差し、言う。
「こ、このようなデザインは、私の趣味では……」
 オーリスが戸惑ったように、声を上げる。
「そんなことないっスよ。姉さん地がいいんスから。似合うっス」
 ウェンディは、底抜けに明るい表情で、言った。
「なんなら、儂が出してやろうか、オーリス」
 制服ではない、私物のスーツに帽子をかぶったレジアスが、好々爺のように笑いながら、
オーリスに言う。
「え? しかし、いいんですか?」
 オーリスは、レジアスの言葉に、驚いたように、訊き返す。
「もちろんだとも。たまには父親らしいこともさせてくれ」
 レジアスはそう言ってから、ウェンディにも視線を向ける。
「ウェンディにも何か買ってやろう」
「わーい、やったっスー」
 ウェンディは、無邪気に、飛び上がってはしゃぐ。
「それじゃあ、なんにするっスかねぇ」
「ウェンディこそ、たまには女性らしいものを買ったらどう?」
 物色し始めたウェンディに、オーリスが言う。
「あっ、姉さんひどいっス! あたし、これでも結構、おしゃれには自身あるっスよ!」
「そうかしら?」
 ウェンディは軽く憤慨したポーズをとり、オーリスは窘めるように言う。しかし、ウェ
ンディの表情は、すぐに、明るい笑顔に戻る。
「店内に入って、選ぶ……あれ?」
 そう言って、ウェンディが、真っ先に店のドアに向かおうとすると、その視線の先に、
見知った顔が見えた。
「オットー! それに、ロウラン三尉!」
 ウェンディは声に出して言うと、たたっ、と、反射的に駆け出し、2人に近寄った。
「ウェンディか」
「うっ」
 オットーは、素気なくそう言って、声の主を見る。だが、一緒に歩いていたグリフィス
は、なぜか、表情を引きつらせた。
「珍しい組あわせっスね。こんな所で何してるっスか?」
 ウェンディはオットーの前まで来ると、好奇心旺盛そうに、瞳を輝かせて、そう尋ねた。
「いや、その……」
「見てわからない?」
 グリフィスは、何か言い訳しかけたのだが、オットーは、あっさりと、そう言った。
「見て……?」
 ウェンディは、2人を一瞥する。2人とも私服姿。グリフィスはカジュアルカラーのカッ
ターシャツとデニムパンツで、ラフ過ぎない程度に。オットーは、パンツルックではある
が、ジャケットの下に、キャミソールタイプのカットソーを着ている。
「まさか、デートとは言わないっスよねぇ?」
 ウェンディはニタニタと笑って、オットーの顔を見た。
「それ以外に何に見える?」
「へ!? マジっスか!?」

515 :熱い彗星の魔導師たち 10-09/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 09:19:56 ID:dLVYD5Db
 オットーがあっさりと言うと、ウェンディは目を円くして、訊き返した。
 オットーは、言ってしまってから、顔を少し紅くし、視線を逸らす。
「別に、誰かと恋愛しようと、ボクの自由じゃないか……」
「いっやー、おどろきっス。びっくりっス。一番色気のないオットーが男と付き合うなん
て、明日はクラナガンは大豪雪っス」
「…………殴るよ?」
 大げさに言うウェンディを、オットーはさすがに少し憤ったように、睨みつけた。
「大体、告白は彼の方からされたんだ」
「あ、いや……」
 オットーが言うと、グリフィスは気まずそうな声を漏らす。
「えーっ!? 本当なんスか!? どうしてっス!?」
 ウェンディは視線をグリフィスに移し、眼を真ん円くした表情で問い質す。
「それは……」
 一瞬、言い澱んだグリフィスだったが、一度、喉をゴクリ、と鳴らすと、気まずそうに
視線を泳がせながらも、言う。
「彼女は、僕が今までに会ったことのない女性でしたから」
「そりゃそうっス。オットーみたいなのが何人もいたら、困るっス」
「喧嘩を売ってるのか、ウェンディ?」
 グリフィスの答えに、ウェンディが反射的に即、言うと、オットーが、静かながらも憤
慨したように、言う。
「外見の問題だけじゃなくてですね、こう、静かで理知的なところに、惹かれたんです!」
 まるで、婚約者の両親に答える様に、グリフィスは、きっぱりとした口調で、言う。も
っとも、ウェンディとオットーは、実際に身内と言って良いが。
「ふーん、そんなもんっスかねぇ」
 ウェンディは、嫌味や皮肉ではなく、感心したように、そう言った。
「そう言うウェンディは、何をしているんだい?」
 今度は、オットーがウェンディに、そう訊ねる。
「え? ああ、あたしは家族サービスっス」
「家族?」
 オットーが言い、グリフィスと共に、視線をウェンディの後ろに移す。
 そこに、レジアスとオーリスの姿を確認すると、2人は慌てて、レジアスに向かって直
立不動の姿勢になり、敬礼した。
 レジアスは、2人の敬礼を解かせる為に返礼した後、手振りで「気にするな」と送る。
「もう、2人ともあたしがちょっと帰らないと、食事とかインスタントやら栄養飲料ばか
りになっちゃうんスよ? やれやれっス」
 ウェンディは、呆れたというようなポーズを、大仰にとりながら、そう言った。
「ウェンディが……食事作れるのか?」
 オットーは、軽く驚いたような表情を見せて、訊き返した。
「あっ、ひどいっス! 家庭料理ぐらいは作れるっスよ! そりゃ、マギーとユーノから教
わったんスけど……」
「…………ユーノに、ね」
 オットーは、脱力したように、そう言った。
 あの夫婦なら確かに、そうなるかもしれない、というニュアンスである。もっともアリ
サにとっては、濡れ衣もいいところだったのだが。
「それじゃ、ボク達はプライベートに戻って良いかな?」
 オットーは、そう言いながら、右手で、グリフィスの左腕を引き寄せた。グリフィスは、
戸惑いの色を見せつつも、拒否せず、ただ顔を紅くしている。

516 :熱い彗星の魔導師たち 10-10/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 09:20:26 ID:dLVYD5Db
「おうっス。あたしも家族の団欒に戻るっス」
 ウェンディはそう言って、手を振り、レジアスとオーリスのいる方向へと、引き返して
いった。
「おまたせっス」
 戻ってくるなり、ウェンディは、レジアスとオーリスに向かって、そう言った。
「ウェンディ、他の局員のプライベートを邪魔するのは、感心しないわよ」
 ため息交じりに、オーリスはそう言った。
「あははっ、ちょっと挨拶しただけっス」
 ウェンディは、そう言って後頭部を掻きつつ、苦笑した。
「はは、まぁ、良いじゃないか。平和な証拠だ」
 レジアスはそう言うと、腕で、ブティックの入り口を指した。
「行こうじゃないか」
「ええ」
「はいっス〜」
 ウェンディが真っ先に踏み出し、オーリスが続いて、店内に入る。
 続いて、レジアスは扉をくぐりつつ、2人には気付かれないように、表情を険しくした。
 ────後何度、このような夜を迎えられるか、な。
 首都高速を飛ばしながら、アリサは険しい表情で、ステアリングを握る。
 ユーノが座る助手席の向こうで、陽が沈もうとしていた。
『今から9年前、聖王教会から聖骸布が、その管理を担当していた1人の司祭によって、
持ち出されたことがある』
 聖王教会、というキーワードに、レジアスが伝えたのは、その事実だった。
 聖骸布、すなわち聖者の遺体を来るんだ布の事だ。イギリス生まれのアリサにとって、
それは普通、イエス・キリストのことを指すが、この場合は、古代ベルカに君臨した聖王、
その末代のことである。
『女性に誑かされての犯行だったが、背景まではウラが取れなかった。ただ、聖王教会が
積極的に管理局と接触し始めたのは、その事件が、きっかけだ』
「バニングス、どうかしたのか?」
 ユーノの後から、黙々と、しかし乱暴にするわけでもなく「チンク・エント・チンク」
を走らせるアリサに、シグナムが怪訝そうに、訊ねた。
「え? あ、ああ、なんでもないのよ。少し、疲れちゃっただけ」
 アリサは、ルームミラー越しにシグナムを見て、どもりがちに、そう言った。
 ──9年前。
 “最後の”『闇の書』事件が発生、それをきっかけにベルカ式魔法の再隆盛が見られ始
めたのが、丁度10年前の今頃。
 何かがリンクしている。アリサとユーノの胸中に、そんなわだかまりが出来た。
 だが、それは未だ、全貌を見せてくれてはいない────

517 :熱い彗星の魔導師たち 10-10/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 09:20:55 ID:dLVYD5Db
>>507-516
今回は以上です。

518 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 09:31:23 ID:BkLUO0wv
GJ!!です。
前回からフラグは立ってましたが、グリフィスとオットーがくっつくとは思いませんでしたw
量産型戦闘機人の装備の謎と聖王教会の暗躍が気になります。

519 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 09:31:24 ID:SRReDEw+
これはもしかして最高評議会以外のレジアスに代わるスカのパトロンって…
予想が正しければ確かにスカの目的から考えればある意味レジアスより自然な成り行きですよね…
問題ははやてがそれに気づいてるかどうかだよなあ
オーリスと立場が逆転してることになる

520 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 10:07:07 ID:8UdOItDJ
スカットロ

521 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 10:53:40 ID:uylnZyyw
>>517
GJです。今回は日常編と次回への布石の回と言ったところですかね。さて原作と逆転で6課が道化かな、やることすべて裏目、ヴィヴィオも元から敵臭いし、家族愛も悩みも全て敵の掌の上と

522 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 11:26:09 ID:v0fwIclY
>>517
GJです。
レジアスが可愛……格好良いですよ。こういうのを読む度に、アニメのレジアスは惜しかったなと思わざるを得ませんね。
次回も楽しみにしてます。

けどそれはそれとして、以前も何度か挙がっていましたが、やっぱり( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc氏の態度は如何なものかと。
事前に断りもなく前のレスや流れを否定して、投下するだけして去っていく。
自分の話題で荒れていても無視して、それどころか煽りすらする。

差し出がましいことは重々承知していますが、改善の態度を見せるくらいはしないと、好感度が下がる一方ではと心配に。

523 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 11:27:11 ID:oijXLEVR
>517
 GJです。パトロンはもう決定なのか……次回の更新を待っています。
 ただ、ちょっと前からそうなのですが描写が陸側に集中している気がします。
 アリサが陸側だからそちらがメインになるのは分かるのですが、なのはとアリサ
の件での本局側の内情などが描写されていないのでどうにもご都合主義な感じが
拭えません。
 なのはを落とした件も、末端の陸隊隊員たちがそう言う風に面白おかしくするの
は分かりますが、組織として考えればなのはに一方的に攻撃したアリサが処罰され
無いというのはおかしな気がしました(訓練中でもないのに)
 その辺りを本局が使わない(或いは使えなかった)理由が今後本編で語られると
個人的に嬉しかったりします。

524 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 12:00:27 ID:pFnu9/ma
>522
反応があるだけでこういうタイプは調子に乗るから相手にしないほうがいいよ。
どういったって自分のやってることを理解できない子供なんだってことが、今までのことで分かりきってる。
こっちが大人になって対応(例→スルー、NG登録)するしかないよ、正面から見るとイライラして疲れるだけだからね。

525 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 12:17:51 ID:2eX9Tjpm
>>524
お前が一番見ててイライラする。

526 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 12:17:58 ID:XmWdDkcT
つかまあ、久々にえらく長々と2chが落ちてた後だし
その話題蒸し返す必要自体ない気もするんだが…

527 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:07:47 ID:lnN+Cz5q
>>525
何というか
多少なりとも理屈をつけないと、小学生の反論か言い返せないことへの負け惜しみにしか見えないから見苦しいんだが…
相応の対応をしましょうよ…

528 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:12:21 ID:iqVaPWOg
>>524
構うと「やっぱり俺ってかわいそうな被害者」と変に自己陶酔しそうだしな。

529 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:25:53 ID:3m9plyvi
>けどそれはそれとして、以前も何度か挙がっていましたが、やっぱり( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc氏の態度は如何なものかと。
>事前に断りもなく前のレスや流れを否定して、投下するだけして去っていく。
>自分の話題で荒れていても無視して、それどころか煽りすらする。

>差し出がましいことは重々承知していますが、改善の態度を見せるくらいはしないと、好感度が下がる一方ではと心配に。


>>524とか>>528のようなのを相手にしたくないからスルー決め込んでるだけでは?

530 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:35:18 ID:poSWfpqj
読まないのはスルーでいいけど読んでる人もいるわけだし
そういう人が態度だけは改善して欲しいと思って言うのは悪い事なのかな?

531 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:38:31 ID:pFnu9/ma
>529
それは憶測、俺の意見も憶測、よって意見の交換自体が無駄。
( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc氏何を思ってるか分からないのは、そのことに関して言及しないから。
なら態度で判断するしかない。
で、その態度が『それ』なんだから、俺は、

こっちが大人になって対応(例→スルー、NG登録)するしかないよ、正面から見るとイライラして疲れるだけだからね。

という結論に至った。OK?

532 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:43:41 ID:/nGecYtT
>>530
だから最近はあとがきでなにも言わないんだろう。
文句言う奴は何言っても文句言うからな。

ちょっとのことで煽りだ荒らしだ言われるんじゃ黙りたくもなる。
もっとも煽り耐性無いと見越して燃料注いでるのかどうかまではわからんけどな。

>>531
だったらいちいち蒸し返さないでずっと黙ってたら?

533 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:48:23 ID:O6BpoREn
>>532
流石に邪推だろ
そこまで性根の腐ってるやつなんてそうそういないぞw

>>531
大人の対応というならまず黙れ。水掛け論にしかならん

534 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:49:23 ID:csDi1lfr
>>533
ええっ? ねらーだったら一度は厨の揃ってるスレにガソリン注いでみたくならない?

535 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:54:52 ID:FlwomfJ/
>>534
「やりたくなる」と「やる」は違うだろ。
実際にやったら自分も同類だ。

536 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:56:28 ID:ik9Iv1aU
あれがちょっと、あの煽りがちょっと、態々AA張ってまで煽ってみたりするあの燃料投下さえもがちょっと。
勉強になるな。原油は高騰していると思ったが燃料はまだ量があるとは思いもせなんだ

537 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:57:47 ID:csDi1lfr
Σ すまん新シャアで一度やったことがある。
炎上して一気に容量埋まったけど。

まぁ、それ自体は、00開始直後の爆撃嵐にも耐えてまだ続いてるけど。

538 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:57:59 ID:L8BcINZK
ほら、>>522が変なこと書くから、マシになってた流れがまた変になる。

539 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:59:28 ID:5vFekXqa
くだらん

540 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 14:09:26 ID:sKZEJNhc
キシャーの続きはまだかな?

あと>>517の展開で
グリフィス×(オットー+ディード)の3Pを期待するッッ!!


541 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 14:23:09 ID:OMUbMiPe
〜<キシャー(まあ納豆でも食って落ち着け)

542 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 14:47:12 ID:csDi1lfr
ま  た  納  豆  か  !!

543 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 14:49:12 ID:F8BXOreI
オットー+納豆=ナットー
スマン首吊って来る

544 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 14:51:56 ID:lnN+Cz5q
オットーのISが納豆のせいで変化したようです

545 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:02:19 ID:dAFD+ta1
グリフィスとオットー……シャーリーvsルキノは痛み分けか……
>543
〜<キシャー(蜘蛛の糸と納豆の糸って同じなのか?)

546 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:08:48 ID:jjmDLbVQ
>>517

普通にほのぼのしていてG.J.!!

あやしいのは、やっぱ教会かー。未だわからないけど、"ベルカと教会の復権"の話とかは、あんましピンとこない。
でも、たしか本編ではほとんど言及されなかった、ヴィヴィオやゆりかごに対する教会の見解みたいなものが出てきそう。

役割的に、はやての立場はたしかにあやしい。まあ、利用されてたり囮や内偵って線もありだけど。(勝手に妄想鬱)

547 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:11:53 ID:csDi1lfr
むしろ納豆だけにいつまでも粘着?

548 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:21:32 ID:OgU6YznR
>>402
カプリングを見た瞬間、あなたは神かといいたくなるような衝撃を受けたw
まさか、ここまで予想の上を行く内容とは・・・・
あとヴォルテールが可愛すぎ、フェイトさんこえええええ
内容は色々突っ込みどころ満載なのに次も読みたいと思ってしまうのは何故なのだろう
GJ!!

549 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:43:45 ID:sKZEJNhc
……すまん。
納豆をローション代わりに使うプレイが頭に中に浮かんだorz

ウェンディ「うわ〜……ネチョネチョしてて気持ちいいッス……」

550 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:47:04 ID:DutQAxKU
流石にそれは無いわ……

551 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 16:10:32 ID:KmrrnRPi
ギンガのドリルがこのスレの流れをぶった切るっ!

以下、人肌並に温かい流れに

552 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 16:16:05 ID:csDi1lfr
>>549
しかもウェンディかよ。

ということで人肌納豆。

553 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 16:31:03 ID:rc5hJc/w
>>537
訓練された厨ばかりのスレだとその燃料もスレ住人のエサになるけどなw
投下された燃料と普段の話題二つ三つが同時並行で進行するスレもあるし

554 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 16:46:34 ID:csDi1lfr
>>537
それはひょっとして淫獣スレの事なんでわ……

555 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 16:47:46 ID:csDi1lfr
あ! アンカー間違えた!
>>554>>553宛です。

ちょっと頭冷やしてきます。


  |懺悔室| λ........<トリプルブレイカー一丁

556 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 16:50:01 ID:lxEfG8Bf
>>554
新シャアって書いてあるじゃねえか……
一瞬kd.2f.1cKc氏繋がりで、逆シン荒らしやったのが537なんじゃないかと思った

557 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 17:10:34 ID:NAeYApbF
ヴィヴィオに縋られて母性が芽生えてしまい、
現実一切投げ出してヴィヴィオ連れてスカリエッティ強引に引きずって逃避行するウーノ
なるものを幻視した。

558 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 17:24:02 ID:iqVaPWOg
ドクターやヴィヴィオとのささやかで平凡な将来設計を夢見るウーノ・・・ちょいとかわいいw

559 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 17:44:22 ID:yrj+HH7i
なんか燻ってるなあ……
ヴィヴィオちゃん、皆は大人の話をしてるみたいだからお兄さんと一緒にあっち行こうか!

560 :( ゚Д゚):2008/02/29(金) 17:53:36 ID:xQdtmh+v
投下してもよろしいでしょうか?

561 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 17:54:52 ID:O6BpoREn
どぞー

562 :( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 17:57:52 ID:xQdtmh+v
>>540
Σ(゚д゚;三 ゚Д゚)すみません3Pは無理。漏れの経験的技術的に。
グリフィス×オットーのホテルシーンは書いたろかと思っていたのですが……

それでは

注意事項
・まぁ、初っ端からどえらい捏造です。
・非エロ。長編少し場つなぎ気味。
・オリキャラあり。
・レジアス中将はモブか悪役だと思っている人は、読まないほうが吉です。
・でも、フェイトファンには比較的毒が少なかったりします。
・今回やや原作ヘイト気味の部分あり。要注意。
・あぼーんキーワードは「熱い彗星の魔導師たち」

563 :熱い彗星の魔導師たち 11-01/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 17:58:23 ID:xQdtmh+v
「早速で悪いんだが、この送ったリストの資料、明日には欲しい、頼む」
 クロノ・ハラオウン提督がモニター越しに言うと、そこに引きつった、を通り越して、
“悪魔か般若の如き笑顔”を浮かべる、“幼い姉”アリシア・T・ハラオウンがいた。
『いい加減にして欲しいわね。ここはあなたのサポートの専門部署じゃないのよ』
 苛立った口調で、アリシアは言った。
「そんなことはわかっているよ」
 クロノは、憮然とした表情で、アリシアにそう言い返す。
『わかってない! 以前にも言ったわよね!? 急を要する資料はいくらでもあるって! 疫
病、自然災害! あなたの、使うかどうかもわからない予備資料のために、余力を割いて
るほど、本来ここはヒマじゃないのよ!?』
 アリシアは激昂し、怒鳴り返してくる。
「わかっているよ。でも、任務に携わる部下の為に、万全を期すのも、僕の仕事なんだ」
 クロノは言う。艦に乗る部下も生身の人間だ。そしてその安全は、彼が責任を持たなく
てはならない。
『ああそう、あなたの部下は幸せね。多くの人の“こんなはずじゃなかった未来”を作り
出して、安全に任務を遂行できるんだから』
 はっ、し、呆れたように、アリシアは言った。
「そ、それは……」
 クロノが言葉に詰まる。確かに、管理局員といえど人間である。だが、彼らは公僕、自
分達が真っ先に危険に晒されなければならない身分でもある。
『今回は引き受けてあげるけど、次からは冗長な資料は出来るだけ差っ引いて頂戴。現地
調査で間に合うものは、優先順位を下げて。そうでなかったら、今後「クラウディア」の
依頼は、こっちで優先順位最下位に指定するからね!』
 そう言って、クロノの返事を待たず、アリシアは、一方的に通信を切ってしまった。
「はぁ、僕だってワーカホリックって訳じゃないんだぞ……」
 クロノは、気落ちしたように、項垂れて、ため息をついた。
 アリシアが怒るのも解る。この所普段の倍近い依頼を無限書庫に出していた。
 前々から、アリシアには注意されていたのだが、そこへ持ってきて、この所、『クラウ
ディア』の、稼働率自体が、上げられていた。
 かの『アースラ』を含む、傑作の誉れ高き巡航L型も、今や旧式化したロートルだ。そ
もそも、10年前の時点で、1番艦建造から10年以上が経過していたのである。
 それに代わって、現在就役が進められているのが、『クラウディア』を含む巡航XV型だ。
 この10年、L型就役当初から見れば20年の技術革新を経て、メンテナンスフリー化、運
用人員の省力化が進められている。
 だが、それがこう、忙しくなると、裏目に出てくる。メンテナンスサイクルの延長は、
逆に言えば、一度動き出したら、帰港までの時間が長く取れるということだ。そしてたい
ていの場合、それを運用する人間自身の生理的なものは、考慮に入れられていない。
 クロノとて人間である。たまにはのんびりしたいと思うし、サブカルチャーの1つも持
ちたいと思わないわけでもない。
 実は、なのはの出身国である日本の、盆栽というものに興味があって、手に付け始めよ
うと思っていたのだが、この所の多忙で、それが流れてしまった所でもあった。
「クロノ君、なのはちゃんから親展で通信来てるよー」
「艦長、高町一尉」
 もううんざりするほど繰り返した、現『クラウディア』副長兼CICチーフオペレーター、
エイミィ・リミエッタへの訂正を入れてから、正面に非実体ディスプレィを出させる。
 荒みかけているクロノにとって、事実上の婚約者であるなのはとの会話は、良い心のオ
アシスになる。少なくとも、本人は、そう思っていた。

564 :熱い彗星の魔導師たち 11-02/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 17:58:57 ID:xQdtmh+v
『クロノ君……私用で悪いんだけど、今、大丈夫?』
 なのはは、少し申し訳なさそうな顔で、そう、話しかけてきた。
「ん? あ、ああ、移動巡航中だからね、多少は大丈夫だよ」
 アリシアが聞いたら、烈火のごとく怒りそうだというのは重々承知しつつ、クロノはそ
う言って、苦笑した。
『実は、お願いがあるんだけど……』
「なんだい?」
 視線を逸らしがちに言うなのはに、クロノは、優しげな笑顔をになって、訊き返す。
『あのね、クロノ君に、父親になって欲しいの』
 クロノの目が、点になった。

熱い彗星の魔導師たち〜Lyrical Violence + StrikerS〜
 PHASE-11:Mother


 時空管理局本局、次元巡航警備部・総務統括室。
「リンディ、新しく決済の依頼来てるよ」
 アルフは、上官であり、主人の義親にもかかわらず、リンディに砕けた口調で、そう言
った。
 茜色の長髪に、女性としては長身、グラマラスな体つきは以前と変わらないが、今は、
時空管理局・次元航行警備部の制服を着ている。
「はいはい、と」
 リンディは、飲みかけの湯呑みを自分の机に置くと、その正面に、非実体コンソールを
出現させた。
「この所、忙しいわねぇ」
 リンディは、コンソールの光学キーボードを叩きつつも、ぼやくように、そう言った。
「スカリエッティがあちこちにアジトを残してるからな、ローラー作戦かけてるのも効い
てんだろうけど」
 アルフも、自分の机に向かって、いささか行儀悪くしつつ、そう言った。
 3年前、リンディの盟友であるレティ・ロウランが運用室長の座を追われることになっ
た、ジェイル・スカリエッティ博士による戦闘機人密造事件は、管理局からは辺境と言っ
て良いエリアにある、コンテッサ自治世界で起こった。
 この研究施設は第3セクター的、公的な存在ではあった。しかし、辺境世界で起きた事
件である故、他の世界にもスカリエッティの拠点となりうるアジトが隠されているのでは
ないか、という主張は、以前からあった。
 しかし、この主張にもかかわらず、本格的な捜索活動は、つい最近まで、行われていな
かった。
 ところが、である。半月ほど前から、突然、スカリエッティ関係に関する、捜査活動が
命令されるようになった。発信元は時空管理局の意思決定組織、最高評議会である。巡航
警備部は、検査期限切れの艦を除き、ほとんどの巡航艦が動員されていた。
「でも、正直効率は良くないのよね……」
 リンディは、さらに続けて、ぼやくように、そう言った。
「なんで? 多くの世界で、スカリエッティのアジトらしき施設を見つけて、潰してるんだ
ろ? だいぶ進んでるんじゃないのか?」
「でも、こんなのは結局、トカゲの尻尾ですもの」
 キョトンとして、疑問を呈するアルフに、リンディは苦笑気味に言う。
「現在事件を起こしているのが、ミッドチルダと特定されている以上、末端部を枯らして
も意味がないわ」

565 :熱い彗星の魔導師たち 11-03/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 17:59:36 ID:xQdtmh+v
「けど、いざって時、逃げ出す場所にはなるかもしんないじゃん?」
 アルフは、なおも小首をかしげる仕種をしつつ、そう言った。
「まぁ、それは可能性としては否定できないけどね」
「ふーん」
 リンディが苦笑したまま言うと、アルフは、軽く返事をした。
「それに、ここ半月って言うのがどうも、ね。確かにカリム・グラシアの予言で、機動6
課が設立が決定されたのもその頃だけど、どうにも急でしょ?」
 リンディは困惑げな表情になって、そう言った。
「ん? まぁ、それはそうかな」
 アルフは思い返すようにし、それには同意の言葉を返した。
「今まで悠長に構えてたのに、なんでここに来て慌ててるのかしら? 最高評議会は何を
考えてるのか、どうにも本心が見えなくてね」
「最高評議会っていやぁ」
 アルフが、思い出したように言う。
「例の、6課でひと悶着あったのも、そっちからの横槍で有耶無耶になっちまったんだよ
な?」
「まぁ、あれはね」
 アルフが効くと、リンディは母親の顔つきで、苦笑した。
「こっちとしてもね、下手を打つと、逆に陸のカードにされかねなかったから」
「そうなのか?」
 キョトン、として、アルフは訊き返す。
「ティアナ・ランスター二士……よね。彼女、出向扱いにはなってるけど、本来は陸の所
属でしょ? それを、空の教導官がシゴキで滅多打ちって、よく聞こえる?」
「まぁ、そりゃ、陸が反発するのも目に見えてるわな。ただでさえ、空は優秀な人間、引
っ張りすぎてるし」
 巡航警備部、本局側の所属であるアルフでさえ、渋い顔で、そう言った。
 陸士総隊・地上本部と、本局との対立……と考えられがちだが、実は本局内でも、航空
戦技教導隊と次元巡航警備部の間には少なからず溝がある。
 逆に、陸士総隊も、巡航警備部が人材を欲しているのは、“理解できる”。無限に等し
い空間に、送り込む人材は、いくらあっても足りる事は無いからだ。
 極論するならば、レジアスが、巡航警備部と陸士総隊の間で望んでいるのは、その質の
均一化に過ぎないとも言える。
 だが、航空戦技教導隊は違う。局地的に投入される部隊であるにもかかわらず、多くの
優秀な人材を引き抜き、擁している。
 しかも、“エース・オブ・エース”である高町なのはを擁し、新人の配属希望率も高い。
 実は現在、人材面で、一番ワリを食わされているのは、巡航警備部だったりするのだ。
 陸士総隊には、外様とは言え、アリサという看板がある。資質に恵まれないが故に低ラ
ンカーに甘んじていた魔導師にとって、彼女の存在が一縷の希望となったのは、言うまで
も無い。陸士そのものがPRしているわけではないが、かの“燃え上がる炎”。口コミで噂
は広がり、本局内勤の者が、陸士への転属を希望することも、パラパラとだが、見られ始
めている。
 そこへ、巡航警備部はといえば、執務官フェイト・T・ハラオウンがいるものの、彼女
のキャラクターは、強烈なカリスマでもないし、かと言って、経歴に何か特筆すべきこと
があるわけでもない。いや、あるにはあるが、彼女はそれ──実母プレシアと姉アリシア
にまつわる事柄──が、広がることを良しとしていない。
 確かに能力は抜きん出ているが、然るべき資質を持ったものが然るべき立場についてい
る、としか見られないのだ。

566 :熱い彗星の魔導師たち 11-04/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 18:00:09 ID:xQdtmh+v
 アリサの好き勝手を放っておけば空技が反発、さりとて処分すれば陸士が反発。
 当然、本局とミッドチルダ地上本部との対立は、さらに深まる。
 そうなると、一番たまらないのは、それに巻き込まれる巡航警備部である。唯でさえオ
ーバーワーク気味のところへ、いざというとき、陸士から人員を動員できなくなったら、
お手上げの状況になりかねない。
「…………だから、うち(次元巡航警備部)としては、事件そのものについては有耶無耶に
した上で、再発の芽を摘み取っておくのが、最善だったわけ」
 リンディは、困ったように苦笑したまま、その旨を説明した。
「なるほど、リンディがアリサにすぐ首を縦に振った理由が、やっとわかったぜ」
 アルフが、苦笑交じりに、そう言った。
「同じ陸でも、マギーさんはグレアム提督の縁者だしね」
「確かに」
 リンディの言葉に、アルフはもっともだと頷く。
「でも、それにしても、最近の最高評議会は、下にやたら注文付け過ぎだって感じはする
な」
 アルフは、腕を組んで、怪訝そうに、言う。
「確かに、そうなのよ」
 リンディは言って、また、軽くため息をついた。
 すでに40も後半にさしかかろうとしているとは思えない、やや童顔気味の美貌に、蔭が
走る。
「あら?」
 リンディは苦笑しつつ、ふと、コンソールに視線を向けて、何かに気付いたように、声
を出した。
「? どうかした?」
 アルフは、そう言って、リンディを見る。
「この船、コンテッサに出入りしてるけど……航路にしては、所要時間が妙に長いわね」
 リンディが言うと、アルフもくるりと回りこんで、リンディのコンソールのディスプレ
ィを、彼女の肩越しに、見た。
「ホントだ。どうしてこんなにかかってるんだろ」
 アルフも、不思議そうに、言う。
「このあたりで、民間輸送船が出入りするような世界って、他にあったかしら?」
 リンディは、呟くように言って、首を捻った。
「ないと思うよ、工業化が進んでないから、このあたりは辺境扱いなんだし。石油の資源
惑星がある第801管理世界があるけど、この船はタンカーじゃないしね」
 アルフは、そう言って、ふと、続ける。
「管理外も含めるなら、工業化されている世界としては、第97管理外世界が近いけど」

567 :熱い彗星の魔導師たち 11-05/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 18:00:31 ID:xQdtmh+v

「どうやら、レジアスの奴が我々の介在に気付いたようだな」
 薄暗いホール。
 No.2と書かれた、モノリスのような、LEDのような光点が複数ある石板が、そう、声を
発した。
「3年前の事件で、表向き、管理局とスカリエッティは、切れたことになっているからな」
 No.3と書かれた、同様の石板が、言う。
「しかし、現時点でスカリエッティに退場されては困る」
 両者の中央に位置する、No.1と書かれた石板が、そう言った。
「我々の、力の基盤となる存在ですからな」
「そうだ、その為の“Unlimited desire”(無限の欲望)。我らの生み出しし者」
 No.3が言い、No.1は、それを肯定した。
「しかし、現状でレジアスに力を落とされるのも、不味いのではないですか?」
 No.2が、2人を窘めるように、言う。
「その通りだ。ミッドチルダは我々の為の畑だからな」
 まるでそこに存在するすべてが、自分達の創造物であるかと言わんばかりに、No.1は、
そう言った。
「レジアスには、不相応な権力と、スカリエッティに関する重要ではないヒントを与えて
おけば、ヤツで勝手に空回りしてくれるさ」
 No.2が、ペットを弄ぶがごとく、そう言った。
「しかし、今クラナガンで、管理局の求心力が落ちることになっても不味い」
 No.3は、そう、反論した。
「何、所詮スカリエッティには、その知的欲求を満たすこと以外の能力はない。政治には、
向かないからな。せいぜい、破壊活動が関の山と、すぐに看破されるさ。例え、民衆が愚
昧であってもな」
 No.2は、嘲笑うように、言い返した。
「その通り。奴に世界を纏める力はない。世界を統べるのは、我々の役目だ。そして、い
ずれは全てを作り出すことも、我々の義務となろう」
 No.1は、尊大な口調で、そう言った。

568 :熱い彗星の魔導師たち 11-06/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 18:00:57 ID:xQdtmh+v

「おーいヴィヴィオ、こっちこっちー」
「わー、ローウェル待てー!」
 ひゅるるっ、と飛来したローウェルが、振り返って声を上げる。それを、パタパタと、
ヴィヴィオが追いかけてくる。
 機動6課隊舎、裏手の森の入り口。
「ほんで?」
 その光景を見ながら、夜勤明けのアリサは、どこか不機嫌そうに、声を出した。
「あの子をここに連れてきた、と」
「うん……あの子、私から離れたがらなくなっちゃって」
 なのはは、少しだけ眉を下げた笑顔で、そう答えた。
「クロノ君も、事情を話したら良いって言ってくれたし、フェイトちゃん、後見人になっ
てくれるそうだから」
「ふっ、ついにCheck mateね、クロノ・ハラオウン」
 なのはの言葉に、アリサはニヤリ、と、意地悪そうに笑った。
「うー」
 なのはは、抗議するように唸り、顔を紅くした。
「でも、意外だな」
 なのはは、アリサを見て、そう、苦笑した。
「何がよ」
 アリサは、口元を尖らせて、訊き返す。
「アリサちゃん反対するんじゃないかなって思ったんだけど」
「まぁ、あんまし外聞は良さそうじゃないけど」
 アリサはそう言って、軽くため息をついてから、ヴィヴィオに視線を戻す。
「状況的に、スカリエッティがらみなのは確実でしょ? 陸に届出もないし」
 アリサがそう言うと、なのはの表情が、にわかに曇った。
「だったら、下手な場所に置いとくより、ここのが安全じゃない? まぁ、ユーレイみた
いなヤツがいるって話だけど、ここにはそうそう、ちょっかいかけられないでしょ」
「うん……そうだね」
 アリサの言葉に、なのはは軽く俯いて、答えた。
 ヴィヴィオは、ローウェルと戯れている。ローウェルも意外に子供慣れしていて、付か
ず離れず飛び回ったり、逆にじゃれつかさせたりしている。
 ただ、ヴィヴィオは、その間も、手に持っているオフロードカーのミニカーを、離そう
としない。
「なのはママー」
 ヴィヴィオの声に、なのはは蔭を振り払って、顔を上げた。
「ヴィヴィオー」
 なのはが手を振る。すると、ヴィヴィオはなのはに向かって、駆け出そうとした。
「危ない!」
 ローウェルが、声を出すが早いか、ヴィヴィオは、脚をもつれさせて、転んだ。
「あ……うぁ……っ」
 ヴィヴィオの顔は、途端に、ぐしゃぐしゃに崩れる。
「うわぁあぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」
 ヴィヴィオは、涙を流しながら、転んだまま、泣き声を上げ始める。
「ヴィヴィオ!」
 なのはは、しかし、反射的に飛び出そうとはせず、険しい顔を、ヴィヴィオに向ける。
「泣いててもだめだよ、自分で起き上がって」
 ヴィヴィオは、一瞬泣き止み、なのはを見た。

569 :熱い彗星の魔導師たち 11-07/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 18:01:25 ID:xQdtmh+v
 しかし、
「うぇえぇぇぇぇぇぇぇぇんっ!!」
 再び、その場で泣き声を上げ始める。
「ちょっ、未就学児に何言ってんのよ」
 アリサは、言わんこっちゃないとでもいうように言いつつ、ヴィヴィオに向かって、走
り出す。
 駆け寄り、ヴィヴィオを起こした。ヴィヴィオは、素直に、自分の足で、立つ。
「よし、いい子だ」
 言って、アリサはヴィヴィオの顔を覗き込み、笑顔を見せて、頭を撫でる。
「ほら、痛いの痛いの、とんでけ〜、ってね」
 ヴィヴィオの紅くなった膝に手を当てて、おどけた様に言った。
「まだ、この歳ぐらいだと、母親って絶対的な庇護者なんだから。本当に引き取るんなら、
そのつもりでいないと」
 ぼやくように言いながら、ヴィヴィオの服に付いた土を、軽くはたいて、落としてやる。
「意外と過保護だね、アリサちゃん」
 なのはは、背後に近寄りながら、苦笑して、そう言った。
「そうよ、あたしは過保護なの」
 アリサは、なのはを振り返らず、そう答えた。
「もう大丈夫よね? ヴィヴィオ」
「うん」
 もう一度、ヴィヴィオの頭を軽く撫でてから、アリサは、すっと立ち上がった。
「あたしは、過保護だから、それぞれの空に行っても、1人だなんて思わせたくないの。
いつもどこかで誰かと繋がってる。1人じゃない、って思っていて欲しい」
 言ってから、なのはを振り返り、不敵に、笑う。
「…………その、ティアナ、どう?」
 なのはは、俯きがちになりながら、細い声で、聞いた。
「少なくとも、足手纏いだと思った事は無いわ」
 あっさりと、アリサは答える。
「そっか……」
 なのはは言いつつ、顔に蔭を走らせながらも、口元で微笑する。
「まぁ、ティアナはちょっと因縁があってね、特別なんだけど。でも、他の連中だって、
ウェンディやマギーはもちろん、スバルやエリオやキャロだって、求められれば、あたし
は助けに行くわ。もちろん、アンタでもね」
「!」
 なのはははっとして、顔を上げた。
「アリサちゃん、その……7年前のこと……」
「ほらっ、母親が娘の前で、いつまでも暗い顔してんじゃなーいっ」
 なのはが言いかけた言葉を遮って、アリサは声を上げ、バンバンと、なのはの背中を叩
いた。
「なのはママ?」
 ヴィヴィオが、くいくいと、なのはのスカートを、下から引っ張っていた。
「ん、ごめんね、ヴィヴィオ。今度はママと、遊ぼっか」
「うん!」
 ヴィヴィオは、満面の笑顔になって、なのはにそう答えた。
 アリサは、苦笑気味に笑って、それを見ていたが、ふと、それに注視する。
「ねぇ、なのは」
「? なに、アリサちゃん」

570 :熱い彗星の魔導師たち 11-08/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 18:01:55 ID:xQdtmh+v
 アリサがニュートラルな口調で声をかけると、なのはは、ヴィヴィオとじゃれあったま
ま、訊き返す。
「あたし、こっちにはそれほど長く滞在したことないんだけど、ここで、そんな形の車、
発売されてたっけ?」
「え?」
 なのはは、訊き返してから、車、という単語に、ヴィヴィオが片時も手放そうとしない、
ミニカーに視線を向けた。
「ああ、うん、私もこんな型は見たことないよ。って言うか、地球の旧い車に似てるよね」
 なのはは苦笑しながら、そう答える。
「……ランドローバー ディフェンダー、シリーズII、ロングボディ」
「えっ?」
 アリサの呟きに、なのはは訊き返す。
「似てるも何も、地球の車のScale modelよ、これ、多分!」
「ええっ?」
 アリサが険しい顔で言うと、なのはは驚いたように言い、もう一度、それを見直す。
「イギリスの車! あたし、フィアットとどっち買うか、迷ったんだもん」
「ヴィヴィオ、ごめん、これ、見せてくれる?」
 なのはが、ミニカーに手を伸ばすが、ヴィヴィオは、なのはの手が触れる前に、それを、
ふぃっ、と、自分の身体の反対側に、運んでしまった。
「や」
 ヴィヴィオは、途端に不機嫌そうな顔になって、そっぽを向いてしまう。
「ヴィヴィオ、ね、ママにも見せてくれないのかな?」
 なのはは、宥めるように言いながら、再度それに、手を伸ばす。
「やーっ、なのはママでもやなの! ぜぇったい、やなの!」
 ヴィヴィオはそう言って、ミニカーを護るように、後ろ手に隠してしまう。
「ヴィヴィオ……」
 なのはは、困惑気にヴィヴィオを見る。
「なのは、別に無理に取り上げなくても良いわよ」
 アリサは、険しい顔で、言う。
「大体、事情はわかったから」

571 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 18:02:29 ID:8UdOItDJ
何で書くのそんなに早いんだよwww

いやマジで

572 :熱い彗星の魔導師たち 11-09/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 18:02:56 ID:xQdtmh+v

「ドクター、工廠の方から連絡が入っております」
 執務机の前のウーノは、淡々と、そう言った。
「『ゆりかご』の復元、間もなく終了とのことです」
「そうか、予定より早かったな」
 スカリエッティは、言って、ククク、と含み笑いをする。
「クライアントが追加予算を回してくれましたから。後は、『器(うつわ)』の完成が、ど
れぐらいで完了するかですが……」
 ウーノは、非実体コンソールを操作しながら、やしりあくまで冷静な口調で、言う。
「こちらも、計算しなおしてみたが、最初の想定より、速く終わりそうだよ」
 スカリエッティは、悦に入った様子の口調で、言う。
「そうですか。では、『こちらのクライアント』から依頼されているあれも、早急に用立
てなくてはなりませんね」
 ウーノは、そう言って、光学キーボードを叩き、別の小型非実体コンソールを呼び出し
た。
『なんだ、ウーノ』
 ディスプレィに映ったのは、No.3──トーレの姿だった。
「そちらの受注者の方は、品を揃えられたのか?」
 ウーノは、トーレをモニター越しに見て、そう、訊ねる。
『問題ない。もともと在庫が、焦げ付きかけていたそうだからな。「最近はキターイェッ
ツに客を取られて、商売上がったりだ」そうだ』
「そうか」
 トーレの言葉に、ウーノはしかし、何の感慨もないかのように、答える。
『既に私の手元にある。後は、持ち出すだけだ』
「そうか、すまないな、戦闘が本職のお前に、ブローカーの真似事をさせてしまって」
 ウーノは、わずかに申し訳なさそうな色を見せて、トーレに言った。
『いや、元はといえば、3年前に、あの執務官と、剣の魔導師を仕留めそこなった私の落
ち度だ』
 トーレは、モニターの向こうで、自責するかのような表情になり、言う。
「それは、チンクも同じだ。それとトーレ、その執務官は、記録では死亡となっている」
『…………、そうか』
 何か思う所があったのか、ウーノの言葉に、トーレはわずかに言い澱んでから、短く、
そうとだけ言った。
『それに、あ、話を戻すが』
 トーレは、俯きがちになった顔を上げ、モニターを正面に見た。
『こちらでも、こちらの戦闘技術を吸収できたからな。質量兵器を使った戦闘法など、そ
ちらでは経験できないものだった。それに、体術使いも凄かった』
「そうか」
『あと、人間離れした、剣士とやりあったな。まるで歯が立たなかった』
「お前が、か?」
 軽く動揺の色を走らせて、ウーノは、トーレに訊き返す。
『ああ、ほうほうの体で逃げ出す始末だった。恥ずかしくはあったが、悔しいと言えるよ
うな技量の差じゃなかった』
「魔法のない世界で、しかも飛び道具でもない武器で、か。ますます信じられん」
 ふう、と、ウーノは、鼻からため息を吐き出した。
『私だって、夢だと思いたい』
 トーレもそう言って、軽くため息をつく。

573 :熱い彗星の魔導師たち 11-10/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 18:03:18 ID:xQdtmh+v
『とにかく、後は、持ち出すだけだ』
「そうか、それなら、トーレ、お前も同乗して、帰って来い」
『!』
 ウーノからそう訊くと、トーレの表情に、軽く、動揺が走った。
『もう、そこまで進んでいるのか……』
「そうだ。お前が学んだという技術、ドクターの為に、生かすことになる」
『解った』
 トーレは、神妙な面持ちで、頷く。そして、通信は切れた。
「それにしてもだよ」
 部屋に沈黙が戻ってくると、再び、悦に入った様子の口調で、スカリエッティが言い始
めた。
「まったく彼らの技術はすごい。とても魔法技術の衰退した世界とは思えないな。科学の
みの方が万能かもしれないよ。魔法科学両立のミッドチルダが、最先端だというのは、管
理局の思い上がりだね。彼らがその技術だけで時空間に船出するまで、あと1世紀は必要
ないだろう」
 聞き手はウーノだけの独演が、続けられる。
「その芽は、しかし、ドクターがお摘みになられるのではないのですか?」
 ウーノは、ふと手を止めて、言う。
「まさか! 私は、一介の科学者に過ぎないよ。それを看過するかどうかは、あくまで、
『クライアントの判断』さ」
 スカリエッティが、得意そうに言う。
「商売人の真似事をしておいて、その言葉には、説得力がないと思いますが。
 そう言ってから、ウーノは、再び、コンソールの光学キーボードを叩く作業を、再開す
る。
「ハハッ、これは私の、研究のひとつだよ! 研究対象が、少しばかり大きい……ただ、
それだけ事さ」
 スカリエッティの哄笑が響く中、ウーノは黙々と、作業を続ける。
 そう────────ただ1人で。

574 :熱い彗星の魔導師たち 11-11/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/02/29(金) 18:04:16 ID:xQdtmh+v
>>563-570,>>572-573
今回は以上です。

言い訳気味の回です、申し訳ありません。

575 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 18:55:23 ID:I7CBBExJ
>>574
言い訳気味だとしても相変わらずGJデスと言わせて下さいw
ヴィヴィオの持ってたミニカーやトーレの戦った相手…いよいよもってスケールが拡大してきたようです。
読んでる側からはいい意味でw

576 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 18:56:09 ID:jpQHg3fV
車にどんなこだわりがあるのか知らんが興味ない者としては連呼されてもオナニー臭くて寒いだけなんですけど

577 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 18:58:09 ID:O6BpoREn
>>576
その辺は単なる趣味だろうし、スルーしてやりなよ

578 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:06:57 ID:yrj+HH7i
 当たり前の事だが、文学や創作活動が原初から孕んでいる問題において明らかな通り、
そもそも物書きなんて行為はオナニーの域を出ないし、そして勿論読み手も、書き手の
オナニーを見てオナニーをしているオナニー的存在なのだ。どんなアクロバットなオナニー
でも、やはりそれはオナニーに過ぎない。オナニーには崇高もへったくれもない。
 オナニーはオナニー。それを我々は認めなければならぬ。

579 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:08:29 ID:OOsLSyUK
ディープダイバーでスルーってやつだな!?

580 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:10:48 ID:y1vd4hi+
>>578
そんなに連呼すんなよwww
まぁ、作者の趣味に文句つけるもんでもないと思う

581 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:14:22 ID:lxEfG8Bf
なんつーか、作者が何か言わないようになっても文句つける輩は減らないのな。
コンビニでよく見るクレーマー思い出したわ。何でもいいから文句つけて鬱憤晴らせればいい最低の人種

582 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:17:14 ID:bHol9Nu6
↑ まったくなぁ・ ・ ・ ・ ・ ・ 嘆かわしい限りだ

583 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:17:51 ID:LlLTfhjL
ヴィヴィオ・バニングス誕生ですね


ただなのは扱下ろしたいだけとちゃうん?
いや、今更だけど、なんかがっかりだわ

584 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:19:48 ID:bHol9Nu6
>>576
>>583
お願いしますっ!!荒らしがしたいんだったら他所へ行ってください!!

585 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:20:44 ID:O6BpoREn
まぁ待ておまいら。もしかしたらこの先予想もつかない超展開をかましてくれるかもしれんではないか
だから俺は感想は全部終わったら書こうと思う。今書いても…抑えきれんから、色々と

586 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:21:10 ID:j7tON7gu
したらば等で借りてるならともかく、ここでは荒らしとかヘイト作品投稿者が現れても完全無視するくらいしか無いよ。
借りてるところや0chスクリプトン設置なら、いくらでも削除とか頼めるだろうけど。

587 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:22:11 ID:O6BpoREn
>>584
>>576はともかく>>583は荒らしか?まぁ濃いめの毒だとは思うが

588 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:24:02 ID:fHvkMZ+A
要するにアレだ
せっかくアリサとユーノが夫婦なのに
夜の性活描写がないのがいけないんだ!
無理にとは言わんが是非書いてくれ、こんにゃろう!

589 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:29:55 ID:O6BpoREn
>>588
オットーとグリフィスもよろしくだぜ!、と言っておく

590 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:34:30 ID:fPSjcDmh
>>574
このスピード恐ろしい
次の話がすぐに読めるというのはすばらしいです
毎回楽しみにしています、続きがんばってください

591 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:41:38 ID:v0uU2JBR
>>574 車にどんなこだわりがあるのか知る事ができて、興味あるものとしては、細かに解説を入れてくれる
たびに興奮して熱くなります!

 そして本編の方もグッジョォブ!!

592 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:50:11 ID:oR/0Cxcb
某氏がいなくなって、今度は誰に食いつくだろうかと思ってたら
やっぱりこの人に食いついたな。

593 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:56:43 ID:vx+sbkC2
食いつくには食いつくなりの理由があるからだろ

594 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:56:47 ID:X/RHizih
おまいら、喫茶翠屋謹製のなのはさん羊羹が届いたからみんなで食おうぜ

  ⌒*__*⌒
  ヽ|・∀・|ノ  わたぢを食べて なの!
   |__|
    | |


595 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:59:52 ID:XmWdDkcT
>>576
まあ、設定に飲まれてないうちは大丈夫だと思う。
それに描写の少ないキャラにはオリジナルの性格付けの一つや二つ必要だしな。

596 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:03:14 ID:L8BcINZK
>>594
  食べる
  食べない
ニアあ、ちょっと用事を…

597 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:03:24 ID:CMvgYQQb
>>594
それ翠屋ちゃう。緑屋や。

598 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:03:28 ID:DutQAxKU
>>594
節子、それ救世主ちゃう。
大魔王や。

599 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:05:16 ID:fHvkMZ+A
>>594
すみません、医務室の予約取ってきていいですか?

600 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:07:58 ID:F8BXOreI
>>594
とりあえず胃薬用意してきますね

601 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:08:01 ID:CMvgYQQb
>>599
おまっ、>>594の後にシャマルさんの手料理かよ!?

どんだけチャレンジャーなんだ。

602 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:10:44 ID:yrj+HH7i
食堂や胃の中をずったずたにする一寸法師が浮かんだのは何故

603 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:11:03 ID:fHvkMZ+A
>>601
どうせ死ぬならシャマルさんの手料理も悪くないと思うんだ…

604 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:14:50 ID:gMiXxtwY
文字どおり、はらわたをぶちまけるわけか。

605 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:20:10 ID:rc5hJc/w
シャマルの料理は普段は普通の出来だと思うぞ

606 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:21:35 ID:CMvgYQQb
>>605
それは、普段ははやてが下ごしらえして火入れれば良いだけにしてあるか、
そうでなければ妙なことやらんようにシグナムかザッフィーが監視してるから。

607 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:32:47 ID:HoCrA8iG
>>574
誰も突っ込まない事が不思議なんだがウーノの口調が違いすぎるだろ…
なんで姉妹と話す時にスカ口調になるんだよ

ナンバーズの“キャラ”まで弱体化されるのは納得いかないんスけどねー…

608 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:34:23 ID:X77eRhbc
なのはさん羊羹人気なさすぎワロタ
ということで俺がいただいていきますね


609 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:36:45 ID:OnoOQoOZ
>>593
ならば朝鮮人のレイプや放火に明確な理由が(ry

610 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:39:18 ID:XmWdDkcT
>>607
それはわかる。
アルフの口調もちょっと乱暴すぎだし以前のグレアムの口調も
幼少から見てるクロノに対してなのに若干変なとこもあったしな。

その辺の設定把握、表現に対しちゃ確かに荒削りだね、( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc 氏。

611 :尊ぶべき愚者 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:39:32 ID:29/8KIhq
これから投稿してもいいでしょうか?

612 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:40:30 ID:+K6CPMbc
おkだぜ

613 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:40:37 ID:X/RHizih
>>608
  ⌒*__*⌒
  ヽ|・∀・|ノ  貴方の胃にドライブ・イグニッション! なの!
   |__|   
    | |

>>611
かかってこい なの!

614 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:40:49 ID:X77eRhbc
おk

615 :尊ぶべき愚者 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:43:03 ID:29/8KIhq
では投稿します

・非エロです
・オリキャラ多数です
・独自解釈を含みます
・sts開始前の地上本部をメインにした話なので六課の面々については察してください
・NGワードは「尊ぶべき愚者」で



616 :尊ぶべき愚者 八話 1/11 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:43:51 ID:29/8KIhq
 陸士108部隊のギンガ・ナカジマ捜査官は極度の緊張を強いられていた。
 場所はクラナガン内のとある喫茶店だ。
 一人で来ているならこんな緊張はしない。
 原因は対面に座る一人の男だ。
 執務官の制服を身に付けた赤髪の男が束になったレポート用紙を一枚一枚捲っていく。
 そして、その度に表情を厳しくしていく。

「これが一ヶ月の調査結果か」
 口調は穏やかだが目が笑っていない。
 執務官が読んでいたのは今回のテロ活動に関する報告書だ。
 事件終了後、部隊としての被害が比較的軽微だった108部隊が調査に当たっていた。
 そして本局側でも調査が開始された事に伴い地上部隊が資料提示を行う事になったのだ。
 本来なら部隊長であり彼女の父であるゲンヤ・ナカジマ三佐が臨むべきなのだが本局からの要望でギンガが席に着く事になった。
「一ヶ月の調査で判明したのは当日まで犯人が宿泊していたホテルか。
 この手の事件にしては優秀かな。本局では侵入した経路や日時を割り出せなかった訳だし」
「あ、ありがとうございます」

 恭しく頭を下げる。
 相手は三等海佐で自分は一等陸士。
 比べる事がおこがましい程の差があるのだ。
「別にそこまで固くならなくていい。それより陸側から聞く事はないかい?」
 深呼吸をして心を落ち着かせる。
「では、本局の調査の成果を」
 その言葉で執務官の表情に陰りが生まれる。
「さっきも言ったが本局側は殆んど掴めていない。四十九管理外世界にも問い合わせたが」
 執務官が一息吐く。
「見るかな? 四十九管理外世界から渡された下手人のパーソナルデータだ」

 執務官は自製のファイルから一枚の紙を取り出す。
 受け取り、一通り確認したギンガはその内容に絶句した。



617 :尊ぶべき愚者 八話 2/11 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:44:33 ID:29/8KIhq
名前:ヴィレオン(ファミリーネーム不明)
性別:男性
血液型:不明
年齢:不明
出身:不明
指紋サンプル:なし
遺伝子サンプル:なし
身体的特徴:ヘテロクロミア(未確認)
その他、特記事項:特になし

 つまり、何も分からないと言っているに等しい。
「これが先方の答えなんですか?」
「間違いなく公式な回答だ」
「執務官はこれで納得したんですか?」
「納得するしかない。向こうはその男一人に責任を押し付けたがっている風だったが、それなのにその回答という事は本当に知らないのだろう」
 注文していたアップルティーを口に含み、
「捏造しなかったという事はこちらの捜査能力を買っているという事だから、自尊心は満たされるけどね」

 なおも不満の色を消さないギンガに執務官は苦笑する。
「ミッドチルダに住む君には実感が湧かないかもしれないが、個人のデータを記録しておかない世界や地域も珍しくない。
 というか僕の故郷がそうだった。それに、一年がミッドチルダと同じ世界は少ないし、性別や血液型といった概念そのものがない世界もある」
「しかし、これは」
「どうにもならないよ。管理外世界にこちらの制度を導入しろ、なんて口が裂けても言えないし」
 執務官はカップを手に取り中身を一気に飲み干す。

「じゃあ、犯人が泊まっていた部屋でも見に行こうか」
 席から立ち上がると会計を済ませ喫茶店から出る。

「しかし、僕の故郷では宿泊施設の中に飲食店はなかったな」



618 :尊ぶべき愚者 八話 3/11 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:45:20 ID:29/8KIhq
 108部隊がこの部屋に宿泊していた事を突き止めた時には事件発生から数日が経過していた。
 当然ながら部屋は清掃され証拠品を見つける事は出来なかった。
 証言にしても一日で何百人もの人間が出入りする上に一ヶ月前の話なので従業員の記憶も曖昧ではっきりしない。

「高級ホテルの最上階か。随分と大胆不敵な指名手配犯だ」
 執務官はガラス張りの窓から眼下の街並みを見下ろす。
 慌ただしく道を走る会社員や買い物袋を下げた主婦。風船を持った子供など、そこには確かな人の営みが存在していた。
「その男もこの風景を見ていたのだろうか」
「見ていたんでしょう」
「……この風景を見てなお、人を殺める事が出来るのか、君には分かるかい?」
 ギンガは無言のまま首を横に振る。
「執務官は分かりますか?」
 問い返しに執務官は力ない笑みを浮かべ、
「残念ながら、僕は自分自身の心すら分かっていなくてね」
「そう、ですか」
 時折、執務官の雰囲気が危うくなる事にギンガは気付いた。
 自分より年上の筈の彼がまるで迷子の子供のように感じられるのだ。
 

「さて。これから僕は地上本部に挨拶に行かなければならないんだけど」
「では一旦別れましょう。進展があったら連絡を取るという事で」
「じゃあ、そういう事で」
 二人は互いの連絡先を教え合う。

 それと、ギンガにはどうしても尋ねておきたい事があった。
「何故本局側は私を指名したんですか? 本来なら部隊長が適任だと思うんですが」
「ああ、その事か。別段深い理由はないんだけど、やっぱり中年の人と話すよりは若い女の子との方が楽しいからね」
 そう言って執務官は笑みを浮かべたが、ギンガはその笑みがとても薄っぺらいと感じた。

「それともう一つお聞きしてもいいでしょうか?」
「何だい?」
「一ヶ月前、ミッドチルダにいませんでしたか?」
「? いや。一ヶ月前は別の任務で航行船の中だったが」
 不思議そうな顔で赤い髪の執務官はギンガの質問に答えた。





619 :尊ぶべき愚者 八話 4/11 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:47:42 ID:29/8KIhq
「先生、どうなんですか」
 室長は思いがけない客を迎えていた。
「……見てくれだけを気にするなら今の義眼で十分だろうが、失った機能を取り戻したいなら相応の苦労がいるな」
「どれほどですかね」
「機人に使われるような義眼は機構が複雑な分、肉体への拒絶反応が強く推奨は出来ん。脳に近いから影響も大きいだろう。
 クローン技術を応用した人口臓器は時間がかかる。急速培養はどんな問題が出るか分からんしな」
「結局は現状維持しか出来ないって事ですか」
「……すまない。グランセニック陸曹」
 室長が頭を下げようとすると相手の男はよしてください、と制止する。

「俺はただ、あの時の罪から逃げたいだけなのかもしれない」
「陸曹……」
 陸曹はぶるぶると震える両手を凝視する。
「あの日からずっと罪悪感が消えないんです。
 あいつには不自由な思いをさせているのに自分は好きな事をやっているのが……」
「……別に君が苦しい思いをした所で妹さんが楽になる訳ではない。割り切って楽しんだらどうだ?」

 陸曹は力なく笑い、
「貴方ほど図太い神経はしてませんよ。でも違った意味では割り切りが必要ですね。
 ……そうしないと一生、ラグナともストームレイダーとも向き合えない」
「なんなら今から技術部に掛け合ってヘリからデバイスを抜き取ってやろう」
「い、いえいえ。今はまだ無理ですって。何か切っ掛けが必要ですよ」
 室長は軽く舌打ちし、
「ヘタレが。お前なぞさっさと本局に行ってしまえ」
 陸曹は一瞬だけ考えるそぶりを見せたが思い当たる節に気付き、
「あー、俺や姐さん達の事、怒ってますか?」
 陸曹はばつが悪そうに室長の顔色を窺う。
「当たり前だ。貴様、自分達のランクと地上の平均を分かっているか?」
「そ、それを言われると辛いですね」

「まあ、貧乏臭い地上本部より本局の方が魅力的なのは分かるが」
「そこまで卑下しなくても」
 室長は周囲を見渡し自分達しかいないのを確認すると声を潜め、
「……ここだけの話だが、今の地上本部は資金面で相当ピンチなのだ。負傷した局員の治療だけでもかなりの額になってしまったからな」
 片手で目頭を押さえる。
「E計画は駄目だな。
 指向性のAMF発生器やミッドチルダ全域に巡らせる転送ポート等は先送りだし、
 新型を建造する予定だった魔導砲台も試作型のマイナーチェンジに留まるしかない。
 予定されていた合同演習も延期して欲しいな。今は本局に恥を晒すだけだ。再度のテロの可能性もあるからな」
「ああ、あの第7管理世界で行われる。確か陸や空のエースを送り込む予定だったとか」
昼食の時などにたびたび話題に上るので陸曹も関心を持っていた。

620 :尊ぶべき愚者 八話 5/11 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:48:41 ID:29/8KIhq
「そうだ。そしてエースの一人が馬鹿をやって戦えなくなった。
 他の管理世界は情勢不安定で現地の地上部隊を借り受ける訳にもいかない」
「自前の部隊は損耗している上に敵の再攻撃の可能性がある。よその部隊を借りる事も出来ない。どうしようもないっすね」

「事情は本局側も把握しているから延期しても文句は言ってこないだろうがな。
 ただ、こちらから持ちかけた話だから中止には出来ん」

「……さっきから地上本部のネガティブな話題ばっか話すのはやっぱし俺達に対する当て付けですか?」
「……別に。お前がどう受け取ったかは知らんがそういう意図はない。
 ただ、地上本部にとってネガティブな話題を地上本部に所属している人間に愚痴るのは憚られただけだ」
 陸曹は苦笑いし、

「俺でよければいつでも聞きますよ。ただ、うまい話に釣られた形の俺に予算がないとか人員が足りないとか嫌味にしかなんないですよ、実際」
「その実際の状況を話しているだけで嫌味になる現状は嘆くべきなのだろうな。最近はよくない事が立て続けに起きている」
「十数年振りの大規模テロとそれに伴う財政貧窮と人員の疲弊っすね。
 小さい所だと、最近、夜中になると本部になんかが出るらしいですよ。死んだ人間の幽霊じゃないかってもっぱらの噂ですけど」
 室長はふん、と鼻を鳴らし、
「幽霊などより予算表の方が恐ろしいよ、私は」
 医務室内に乾いた笑いが響く。



 二尉を病院に送り届けた後、半ば茫然とし、おぼつかない足取りで地上本部に向かう。
 深い考えがあった訳ではないが医務室に入ると見知った顔に迎えられた。
「准尉か。……どうした、酷い顔だぞ」
「どうやら先生に用があるみたいなんで俺は失礼しますよ」
 陸曹が席を立ち、准尉の肩を軽く叩く。
 その背中に、
「嫌味ばかりで送り出すのもあれだからな」
 室長が一回ほど咳払いをして、
「陸曹、新しい職場で君がきっかけを掴める事を願っているぞ」



621 :尊ぶべき愚者 八話 6/11 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:49:24 ID:29/8KIhq
 准尉は墓地で起こった事を包み隠さず室長に打ち明けた。

「それは災難だったな。お前が駆け付けた時には既に死んでいたというのに」
「同じですよ。もし生きていても何も出来なかったです。あの子は今、どうしてるんですかね?」
「保障が出ているだろうが、元々が二人暮らしだった筈。楽ではないだろうし、場合によっては施設に入るかもしれんな」

「そうですか」
 安月給ではあるが、少し位の支援は出来るだろう。
「お前、余計な事を考えているだろ?」
「余計な事なんて……」
「どうせ金銭面で助けようとか考えていただろ?」
 室長に隠し事は無意味らしい。
 読心術を心得ていてもおかしくない。
「いけないんですか?」
「いけないとは言わない。ただ一時の同情ならよせ。その娘には金銭面だけでなく精神面でのケアも必要だ。
 中途半端な気持ちじゃお前の自己満足で終わり娘をいたずらに傷つけるだけだ」

 覚悟の問題だと室長は付け加えた。
 そして准尉はなんとなく悟る。
 これが二尉の言っていた足掻く時なのだろう。
「つまり、一生責任を持つ覚悟で行けって事ですか?」
「……意味はあってるんだが、なにか誤解を招くな」
 言ってから准尉自身も気付いた。
「どっちにしろ、私からは住所などは教えられんぞ」
 肝心な事は分からなかったが、室長と話したお陰で精神的にはかなり落ち着きを取り戻す事が出来た。



「そう言えば、二尉を連れ出したのはお前か?」
「あ、はい。そうですが、やっぱり問題でしたか」
「いや。私は構わんのだが……」

 室長が何か言いかけた所で桃色の髪の局員が入ってくる。
「ゲイズ中将がお呼びです。ご足労お願いします」
「……ああ。分かった。准尉、少し待っていてくれ」
 室長は面倒臭そうに立ち上がると局員に付いて部屋を出て行く。
 その時、局員が室長に小声で耳打ちをする。
 室長の表情がにわかに厳しくなり局員に非難の視線を向けるが互いに声を発する事はなく、廊下は歩いていく。



622 :尊ぶべき愚者 八話 7/11 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:50:10 ID:29/8KIhq
 残された准尉は暇を持て余していた。
 少し、とは非常に曖昧な表現である。
 正確な時間が分からない以上、よそで時間を潰すという選択肢は取りづらい。
 なので医務室内をぼんやりと見渡していたのだが、ふとあるものに気付いた。
 室長が普段使用している机の上、そこに写真の部分を下にした写真立てが置かれていた。
 悪いと思いつつも、好奇心には勝てず写真立てを立ててみる。

 写真には白衣姿の三人の男女が写っていた。
 一人は見覚えがある。
 室長だ。
 他の二人は黒い髪の女性と紫色の髪の男性だが准尉の記憶の中にはない。
 写真の中でその二人は笑っているのだが室長だけ難しい顔だ。
 もっとも男の方も何処か人を小ばかにした笑みなのだが。

 他に情報はないかと写真を凝視すると、右下の部分にペンで何かが書いてある事に気付く。
 写真を近付けて確認するとP・T、そしてJ・Sと読む事が出来た。
「イニシャルかなにかか」
 そこまで考えて急に罪悪感が湧いてきた。
 自分は他人の過去に必要以上に踏み込もうとしている。
 見なかった事にしよう。
 もとあった状態に写真立てを戻そうとした時、
「随分と手癖が悪いな、准尉」
 背後からの声に背筋を震わせる。
 恐る恐る振り返ると微笑を湛えた室長がこちらを向いていた。

「なにをしていた?」
「あの、その、すみません!」
 両手で写真立てを差し出しつつ頭を下げる。
「……!」
 頭上からの息を飲む音を捉える。
 顔を上げる。
 室長にあまり変化はないが普段より目を見開いていた。
「見たのか」
 それは答えを確信した問い掛けだった。
「すみません」
「いや、私が悪い。埃を被っていたから綺麗にしようと机の上に出したんだが、
 予想外に来客が多くてそのままになっていた」

 室長は写真立てを手に取り長い溜め息をつく。


623 :尊ぶべき愚者 八話 8/11 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:50:43 ID:29/8KIhq
「なんだ。写真の事は聞かないのか?」
「聞いたら教えてくれるんですか?」
 期待をしないで放った問い掛けに意外な答えが返ってきた。
「ああ。教えてやるとも。最近は厄介な出来事が多かったからな。
 昔話でもして逃避したい気分だ。根が臆病者のお前なら誰かれ構わず言いふらす事もないだろうしな」

 失礼な意見とともに室長の昔話が始まった。

「これは私が管理局に入る前の写真だ。当時、私は彼等とあるプロジェクトを行っていた」
「どんなプロジェクトなんですか?」
「プロジェクト「F.A.T.E」と言えば分かるか?」
 准尉は無言のまま首を横に振る。
「簡単に言えば人造生命の研究だ。あの時は遺伝子を解析しコピーを生み出すことを専門にしてな」

「理論上は完璧の筈だった。だがどうやってもオリジナルとの差異が生まれる。
 中にはオリジナルを上回る個体もあったが、そこは研究者の悪い癖というか、完全に同一な存在を造りだそうと苦心していた」

「数え切れない失敗の末、理論だけでは計れない揺らめき、魂のようなものがあるのではという結論が出た」
「魂……」
「それさえもコピーすべく記憶の転写も検討されたが、実行前に解散になった。元々、倫理的に問題のある計画だったからな」

「お陰で動物実験ばかりだったよ。……今にして思えば、完全同一クローンさえ完成させておけばあんな事にはならなかっただろうが」
「あんな事?」
「独り言だ」
「それで、この後どうなったんですか?」
「……私は設備と資金欲しさに管理局に入った。あの男は戦闘機人の研究に切り替えたようだ。
 彼女は、新型の魔力駆動炉の設計を任されたんだが……」
 
 思いっきり地雷を踏んだようで室長の声は次第に弱くなっていく。
 なので話を変える事にする。



624 :尊ぶべき愚者 八話 9/11 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:51:30 ID:29/8KIhq
「この二人はどんな人達だったんですか?」
「こう言ってはなんだが、今の管理局にあの二人に並ぶ研究者はいないだろう」
 いつもと変わらない平坦な口調だったがその顔にはどこか、誇らしさと自慢が含まれていた。
「へえ。そのすじでは有名人なんですか?」
「……もしや、お前は今までこの二人の事を知らないで話を聞いていたのか?」
 室長の顔に驚きの色が混じる。
「そうですけど、室長は知ってると思ってたんですか? この二人の事を」
「……いや、だからこそ写真の事を聞いてきたのだと。
 ……すまない。私の自意識過剰だった。確かに専門家以外にはさほど知名度は……
 ははは。駄目だな。昔の事をあれこれと喋りたくなるのは年をとったせいかな」
 
 どうやら室長は本当にこの二人の事を話したくてしょうがなかったらしい。
 続きを促すと饒舌に語ってくれた。

「この男の唯一にして最大の不幸はな、生まれる時と場所を間違えた事だ」
「いや、生まれを選べないのは誰でも同じですって」
「奴はそういうレベルではない。自分にとっての常識が世界にとっての非常識なのだ。
 孤高の天才とはよく言ったものだが、親しくしていた私や彼女でさえ奴の深奥を多少でも理解出来ていたかどうか」

 准尉は黙って室長の話を熟考した。
 写真の男にとっての常識は世界にとっての非常識なのだという。
 それは、つまり、
「この人にとっては世界のすべてがおかしく見えるって事ですか?」
 問いに室長は僅かに逡巡。
「そこまで極端かは分からんがある分野においては正しくその通りだろう」
「ある分野?」
「……生命操作技術の分野だ。
 さっきプロジェクト「F.A.T.E」は倫理的に問題があって解散したと言ったが、
 奴が何が問題だったのか理解出来ていたかどうかは私には分からん。そもそも」

 室長は一旦区切り、
「奴は生命倫理を無視する事に疑問を持つ余地はないし、間違っていると否定する訳にはいかないのだ」
「否定する訳にはいかない?」
「それを否定してしまうと何もかも喪うからな。
 どっちみち、奴はこの世界とは相容れない存在なのだ。
 よく狂人を形容するのに頭のネジが抜け落ちているなどと言うが、奴はネジ以外の方式を使っているだけだ。
 他人からは狂人に見えるが本人はいたって正常だ」

 割と分かりやすい比喩だった。
「でもそれって辛くないんですかね。自分をちゃんと理解してくれる人がいないって事でしょ」
「さあな。どう思おうと奴自身がさほど気にしていないのだから同情は無意味だ」
 准尉が無言で考えを纏めようとしたが纏まらない。
「……だから最大の不幸だと言っただろう。悩んでもお前にはどうも出来ん。まあ、だからこそ軽々しく喋ったのだが」
 どうせ会う事もないだろうし、と言葉を足し話題を女性の方に変える。



625 :尊ぶべき愚者 八話 10/11 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:52:13 ID:29/8KIhq
「平均的にスペックが高かったな。どの分野でも成功出来ただろうに。
 ただ、彼女の名誉のために詳細は言わんが、服飾のセンスに多少の難があってだな。
 それが離婚の遠因だったのではないかと当時は皆で噂していた。
 そういえば、本人の前でその事を指摘した馬鹿が鞭で叩かれたな」

 その時の事を思い出したのか室長から笑みがこぼれる。

「彼女に関しては運がなかったとしか言えんな。初めて会った時から薄幸な雰囲気が見え隠れしていたが」

「生死不明だからあまり深くは言わないが、もし辿り着けたとしたら親子二人で幸せに暮らしていてほしいものだ」


 一通り拝聴した後、当初の目的を思い出す。
「二尉の事で用があったんじゃ」
「ああ。あれか」
 室長はまだ名残惜しそうだったが気持ちを切り替えたらしく、机の中から用紙を取り出す。
「二尉の体調について、何か変わった事はなかったか?」
「いえ、特には」
「ふむ。そうか」
 用紙にペンを走らせていく。
「二尉の具合を知らないんですか?」
「ちゃんと毎日病院に出向いて診察しているが、レジアスも同様だが、傷が普通じゃなくてな、いつ急変するか分からんのだ」
「中将がどうかしたんですか?」
「ん? そうか、お前はノックアウトされていたからな。
 ヴィレオンの持っていた剣でバッサリといかれてな。
 その傷は治りが遅い上に治癒魔法を受け付けなくて、さっきも包帯を変えていたのだ」
 
 自分を気を失っている間にそんな事があったらしい。
「ただでさえ血圧が高めだというのに、最近はストレスを溜め込んでいるようでな」
 室長は渋面をつくる。
「ストレス?」
「本局から執務官が調査のために来てるのだ」
「海の人間が来てるからストレスが?」
 中将が海の人間を嫌っているのは一般局員の間でも共通認識となっている。
「それともう一つ。あのヴィレオンの出身世界である四十九管理外世界から外交官が来る」
「謝罪ですか?」
 室長は渋い顔を崩さない。
「謝罪というか言い訳というか。つまり、自分達の世界の者が迷惑をかけて申し訳ありません。でも自分達は関係ありません、と」
「中将達は信じるんですか?」
「正直、微妙だと思っている。世界全体が関わっているとは思えんが、個人だとも思えん」



626 :尊ぶべき愚者 八話 11/11 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:52:55 ID:29/8KIhq
「なんというか、中将って多忙ですね」
 日々訓練や巡回をしている自分達とは別の次元の苦労だ。
「本来なら本部長の仕事ではある。今はいないし、レジアスは政治家からの信頼も厚いから適任だが」
「本部長はどうしたんですか?」
 そういえば、地上本部のトップは本部長だった事を思い出す。
「本部長は現在休暇中だ」
「この時期に? どこで」
「星になった」
「は、……はぁ?」
「冗談だ。現在は本局で事情聴取を受けている。どうやら執務官を派遣しただけでは満足出来ないらしいな」
 嘆息し、
「なんにしろ本部長は終わりかもしれん。週刊誌の餌食になっているようだし」
 机の引き出しから昨日発売の週刊誌を引っ張り出す。
『地上本部本部長の呆れた勤務実態』
『我々の税金を何だと思っているんだ! 市民からも怒りの声』
『医務室に勤める男性局員が本誌にだけ語った驚愕の事実』
「……」
「残念だ。あの男がトップの方が色々とやりやすかったのだが」
 週刊誌のインタビュー記事と目の前の人物を交互に見比べる。
「……准尉、今、君は私の名誉を推論だけで貶めようとしているようだから言っておく。これは全て本部長が望んだ事だ」
「週刊誌の餌食になる事がですか?」
「そうだ。積極的にマスコミの矢面に立ちすべての問題の責任を自分一人で取るつもりだ」
「じゃあ本局に行ったのも」
「本局に睨まれているレジアスではいい加減な理由で長期間に渡り束縛される危険があるからな」
 可愛い奴だ、と言い添え、
「本部長は自分に力がないことを自覚している。だから力がある者が制限を受けずに能力を発揮出来るように自分が縛られてるのさ」
 
 この組織は誰もが自分に出来る事を必死に行っていると改めて実感し准尉は医務室を後にした。



627 :尊ぶべき愚者 ◆Ev9yni6HFA :2008/02/29(金) 20:54:05 ID:29/8KIhq
以上です
ギン姉は本編だと砕けた口調が多いからこのSSみたいに丁寧な口調をさせると誰だよお前、になるな

ヴァイスと准尉の関係については一話の本当に最初の方を見てもらえれば分かると思います

あと以前投稿した時にトム・クランシー氏のファンなのですか? との質問がありましたが、違います
というか誠に失礼ながらググってみるまでまったく知りませんでした
でも興味が出たので機会があれば是非読んでみたいです


628 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:06:48 ID:+K6CPMbc
なんか室長が可愛いなw
けどプレシアママンならいざ知らずスカの事を誇らしげに自慢すんなよw

あと本部長の株が凄い事になってる
本編じゃカルタス以上に謎の人物なのに

629 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:10:22 ID:X/RHizih
>「平均的にスペックが高かったな。どの分野でも成功出来ただろうに。
>ただ、彼女の名誉のために詳細は言わんが、服飾のセンスに多少の難があってだな。
>それが離婚の遠因だったのではないかと当時は皆で噂していた。
>そういえば、本人の前でその事を指摘した馬鹿が鞭で叩かれたな」

リアルで吹いたw
StSではフェイトは遂に、テスタロッサ家の露出センスの呪縛から
逃れられたかと思いきや、真・ソニックフォームでやっぱりかとw

630 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:26:34 ID:FicV4P9R
愉快なテスタロッサ一家とかそんなノリのファミリー劇場を是非見たいもんだw

631 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:44:25 ID:dQXVjF7j
今スレッドの残り容量はどの位でしょうか?

632 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:45:16 ID:HTYu0qkd
460kB。残り40kB

633 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:47:07 ID:dQXVjF7j
有難う御座います。そろそろ次スレが立ちますよね。

634 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:47:14 ID:nBgqq6Ik
また3〜4日でスレを消費していく……
リアルタイム放映時だってこんなスピードじゃなかったぜ
何が起きたんだ

635 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:48:02 ID:X/RHizih
>>633
まさか40kb以上投下しようとしてるのか?

636 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:50:24 ID:dQXVjF7j
いえ、そこまで大くは無いですが、完成予定時間を考えるとこのスレじゃ無理かもかなー、と。
まだ、書き上がるかも未定ですが。


637 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:51:52 ID:FicV4P9R
>>634
二次創作って終わってからのほうが書きやすくないか?
モチベーションが続くかはまた別問題だけど

638 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:52:47 ID:Hj3m0Eya
>>630
461KB

残り40KB

639 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:55:49 ID:0srXYCle
>>637
情報揃ってくるからいろいろと整合性は取りやすいと思う。

640 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:01:07 ID:+6efSZx8
半年くらい前はまだ20スレ目をちょっと超えたくらいだったのにな
ここにきて新たな職人も登場しつつあるし、まさになのはスレは飛ぶ鳥を落とす勢いだ

641 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:01:23 ID:dpslL/pr
何より放映中は執筆開始時には無かった設定が
いきなり出てきて、おじゃんになる恐怖も(カップリングとか)

642 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:02:16 ID:yrj+HH7i
そうだな。下手すると致命的なエラーが発生しかねない。
小ミスでさえ、二次創作だと割り切って読む方には余り気にならないんだろうが
個人的には凹みに凹む

643 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:12:55 ID:lw+vdixm
二次創作であるが故に原作の設定ってのは気付いたら改変されてるもんだ。
まあ、いいじゃないか。改悪じゃなければな。

644 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:18:38 ID:XmWdDkcT
まあ改悪も読む人によるけどな。

たとえば「なのはさん」に「なのちゃん」の気質を移植するとかな。
人によっては大きな改善だが人によっては大きな改悪だ。

645 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:23:37 ID:6HT2Z8x8
まあ極端に本来のキャラが貶められてなければそう鼻につくことはないが。

646 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:25:11 ID:sbMVgqfT
『貶める』にしたって人によりけりだからなあ。
いざとなれば殺す覚悟ができるキャラなのか、という話とか。

647 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:41:23 ID:q1+cl5d6
「貶める」ってのは軽蔑する、見下す、劣ったものとして扱う、って感じの意味だからな。
「殺す」ってのとはベクトルが違うと思うんだ。

648 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:41:29 ID:A678kk5L
ニート侍とかトリガーハッピーとか
ギャグ作品内ならそういうもんかと割り切れるが……

649 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:57:03 ID:lnN+Cz5q
程度問題じゃ…?
キャラ改変しても一部だけが割りを食うor一部だけが良い目を見る(溜飲を下げる様なもので無く、都合よく振る舞う只の道化回し)ようなのは…

650 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 23:02:06 ID:poSWfpqj
改変でも受け止める土壌というか雰囲気があればOK
ただやっぱり誰であってもキャラが扱下ろされてるようなのは見てて面白くないかな
そこらへんは作者の匙加減だけど、だからこそ気をつけては欲しいかな
ギャグでもあまり良い目を見ません程度に注意書きとか

651 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 23:07:32 ID:xBOfOVvi
>>649
カップリング議論自体、絶えないのだから改変程度も何も永久に平行線な話
二次創作すら否定する勢力だってあるんだし
それから不遇空気キャラは庶民特有の判官びいきという文化があってな…


652 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 23:37:59 ID:YSOqAUPA
まぁ、ぽっと出のオリキャラが主人公で原作キャラを批判したり掻き回したり、
状況設定を贔屓したい方に圧倒的に有利にするとか
展開のためにキャラの性格改変して嫌悪するような行動をとらせるとか
この辺は最低系SSのテンプレみたいなもんだから覚えておいた方がいいよ

653 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 23:52:34 ID:jpQHg3fV
>>652
ほとんど当てはまっててワロタwww

654 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 23:59:09 ID:poSWfpqj
>>652
wwwオwワwwwwタww
きっつぅwww

655 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 23:59:27 ID:xBOfOVvi
>>652
最低系の定義としては合ってはいるけど、最低系が絶えないのは原作に隙が指摘されたり、
例え原作の満足度が高くても、ニッチな改変物はニッチなりの需要があるから
読み手は、
好きか嫌いか
文章力が有るか無いか
スルー出来るか出来ないか
という判断しか出来ない

656 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:03:35 ID:OMUbMiPe
今更だが>>578の文章に一番文学を感じたのは俺だけだろうか

657 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:06:46 ID:FicV4P9R
>>656
文学的過ぎて感動したよ

658 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:07:42 ID:SI3DjxxD
>>656
なぜかそれみてオ ナ ニ ー !って叫ぶ空耳思い出した

659 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:07:55 ID:xBOfOVvi
>>656
それは同意。所詮オナニーの仕方が邪道とか感じないとか性癖にケチ付けて
悦に浸っても仕方ない。

660 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:10:58 ID:UqjYWDNB
>>656
微妙に大正浪漫懸かってるよな
いや芥川とか太宰とかか
走れメロス調とかになったら面白いと思うんだが如何せん書きにくいし読みにくいんだよなあ

661 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:13:06 ID:/HEOyVFz
最低系かどうかはさておき、しっかりと1、2期分で各キャラの性格やら行動原理を描いてるので、
そう変えたのか、と納得してたが、例のエピ関係は今までの改変を無視して、原作の通りの性格のように動かして、
その行動を非難してるので不自然に感じる。
今回も個人的にはクロノは自分と直属以外はおざなりな協調性に欠く指揮官として描かれてるし

662 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:25:11 ID:86fr5eKS
個人的にはスカのクライアント疑惑が濃厚なあの人が気になるね
理由はまだよく分からんが、そんなキャラだったか?と

663 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:26:30 ID:Dp9IAreo
>>656
皮オナは異端だの亀頭オナが正統だの言い争ってるようなもんだもんな
なんだかそれを見たら、設定がどうだのキャラ改変がなんだの言い争ってる俺たちが
とてつもなくちっぽけな存在に見えてきたよ。ハイル・オナニー。
全ての人類はオナニーへ忠誠を誓うだろう。

664 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:27:37 ID:VeQ239t+
>>663
みんな三大欲求には跪いてるだろ?
つまりはそういう事だ

665 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:30:49 ID:UqjYWDNB
3期になってから急に批判が多くなったのもその辺の豹変があってのものだと思うんだが

666 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:34:58 ID:OiggQG5c
別に誰も豹変してないのに変わったと思うのはそいつらの想像が実際とずれてただけのことだろ。

667 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:37:40 ID:86fr5eKS
>>666
正確なキャラ象なんて作者しか分からんしねぇ
豹変してないとみるも豹変してるとみるも読み手の判断によるし

668 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:42:07 ID:2dxQJhUC
>>666
例えば、負債のオナニーやセックスに同意出来るか出来ないかなんて、視聴者や
読み手の判断だよ。

669 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:46:20 ID:ug41Wm9Z
とりあえずオリキャラに嫌悪感を持たないSSを作るのはザ・シガー氏だけでFA?

670 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:48:03 ID:ZsDQbdrF
教導隊制服着用には注意しておいて、無謀運転は何の問題もないのかおい。
あんだけ体裁に気を遣えみたいに言っておきながら本人があれか……
あの時はまあ一理あるなと思ったんだが、言った本人がこれじゃ説得力が一気になくなったぞ。

671 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:54:10 ID:tU1yg7yA
なんつーか、またこういう流れか。某ブログ閉鎖に追い込んだような基地
多くね、しかし。人の作ったものに完璧なんて求めるなよ、本編からして矛盾の塊なんだし。
辛らつな意見は重要だとは思うけど、ただクレーム言いまくって八つ当たりしたい輩が
多すぎだわ、昨今

672 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:57:10 ID:FtE01SxK
>>671
なんだろうなあ。俺も含めてSSかけないガヤはそんなに主張するべきじゃないんだがなあ。
気に入ったら賞賛、気に入らなければ読まない。他逝け。
それだけで済む話なのに。

673 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:58:14 ID:2dxQJhUC
>>669
オナニーの仕方に是非求めてどうすんの?
>>670
どう見ても揚げ足取り
制服に拘る人も居れば、料理の描写、運転、戦術、政治、宗教、魔力、
好みや得手不得手あるだろうに

674 :B・A:2008/03/01(土) 00:58:40 ID:2zMI44yf
すみません、議論切るようで失礼かもしれませんが、質問です。
フェイトのBJって、sts漫画第1話からインパルスでした?
これ次第で今書いているSSの時代背景が3年前後します。

675 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:59:45 ID:86fr5eKS
>>671
毒多いSSに毒感想がつくのは半ば必定だからなぁ
これが個人サイトならともかく、掲示板に「ヘイト気味」と称するSSを載せてるんだから覚悟の上だろう
出ていけとか中傷なら流石に完全アウトだがな

676 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:00:35 ID:SI3DjxxD
自分が好きなカップリングで気持ちよくオナニーできればそれで良い

・・・駄目だ、>>578の足元にも・・・

677 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:00:50 ID:86fr5eKS
>>674
イエス

678 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:04:11 ID:ZsDQbdrF
>>673
いや、制服だけにこだわるなと言いたいんじゃないんだ。
ただ、制服1つでケチ付けられたら困るだろ、みたいに言っている本人が、外から叩かれる要因を自分で作ってるみたいに見えたんだ。
物事に筋を通せと厳しく言うなら自分の行動にも気を遣うのが普通じゃね? ってこと。
まあ、揚げ足取りと言われればそれまでだし、そう取られても仕方ないカキコだったかもしれん。
しばらく沈んでくる。

679 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:04:56 ID:VeQ239t+
>>669
わざわざ名前をあげるなよ
気に入らないと思ってても言わないだけの連中だっているだろうに

680 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:05:14 ID:lrQU4Hom
>>674
15歳のときにインパルスでしたね。

681 :B・A:2008/03/01(土) 01:09:41 ID:2zMI44yf
>>677
>>680
ありがとうございます。それなら書き直す必要もないです。
半分書き上げたところで、「あれ、フェイトっていつからインパルスだっけ?」と気になって。

682 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:10:05 ID:pHI5eCcO
嫌な作品は読まなければいい。

好きな作品作者のものだけ読んで面白ければGJ。
つまらなければ感想なし+次回からスルーでOK。

ただそれだけなのにな。

683 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:10:14 ID:2dxQJhUC
>>1
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。

俺もみんなも読み直そうぜ。基本はGJかNGワード指定。気持ちよくオナる為にもね。
IDが気になるなら感想掲示板をまとめサイトで出来ないかなぁ…

684 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:10:47 ID:FabofeV7
残り容量が微妙な感じがする・・・

685 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:13:09 ID:N4HyYlVH
( ゚Д゚)氏は作品の内容がたいした事ないのはともかくとして
全く読み手とコミュニケーションする気がないのがなぁ。
真面目に読んで意見くれてる人もいるのにそっちもガン無視するし。
その癖影ではこそこそ自演をするとかSS書きとして下の下だよ。

読み手側にも乱暴なモノ言いしか出来ない人がいるのも確かだけど
それ以上に( ゚Д゚)氏が今の態度を変えないとどーにもならんよ

686 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:14:35 ID:86fr5eKS
>>685
だから書き手は読み手の意見を聞くべきという考えそのものがおかしいと何度(ry

687 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:14:36 ID:FtE01SxK
>>685
作品と人格は別物。
どうしてこんな単純なことがわからないんだろうなあ。

688 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:16:13 ID:SI3DjxxD
>>685
つ 松本零士

ちょっと解り辛いか・・・

689 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:16:13 ID:urnomgCH
一切の反応を返さない方が
中途半端にコテつけて議論に参加するより
はるかにいいと思う

690 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:16:29 ID:o3H8ruxm
まぁまぁ、とりあえずこの話そろそろおしまいにして次スレ立てようぜ。

691 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:18:19 ID:2dL+MssI
初めてだけど、立てていい?

692 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:19:16 ID:6mR4PZBp
良いんじゃない?

693 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:19:21 ID:5xUXkRBL
>>691
よろしくお願いいたします

694 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:19:26 ID:UqjYWDNB
ご随意に

695 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:21:06 ID:2dxQJhUC
>>678
あれから、本文投下以外に物言わなくなって個人的に好ましいと思うけれど、
逆に指摘無視だと思ってしまう価値観の人も居るから、本スレ以外に場を設けた方が
良いと思うんだ。

696 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:22:55 ID:FabofeV7
>685
「職人様だ文句があるか」という基本姿勢なんじゃないの。

697 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:23:47 ID:2dL+MssI
立ててきた
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204302104/
間違いがあったら叱ってください

698 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:24:52 ID:VeQ239t+
>>685
むしろ書き手さんはあまり書き手として反応を返したりコミュニケーションを返さない方が良いと思うが
むしろ投下時以外は名無しでスレに参加した方が良いと思う。

699 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:25:11 ID:N4HyYlVH
ゴメ、レスしないのが問題っていうか完全にレスしないっていうスタンスと思いきや
自演行為なんぞして結局読み手とやり取りしたいんじゃん、
っていうチキンっぷりがどうかしてるって言いたかった

まぁまた蒸し返すのもアレなんでそろそろNGぶちこんで退散するよ。おやすみ

700 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:26:34 ID:SI3DjxxD
埋めるにはちょっともったいないな

701 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:42:24 ID:tU1yg7yA
あれだな、俺も今日は否定的なレス幾つかつけたけど、もっと冷静になるべきだったと思う。
書き手が完璧じゃないように俺たち読み手も完璧じゃあない。そこを心がけるべきなんだろうなあ
ってことで、ナノハサーンに頭冷やされてくる……

702 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 02:28:22 ID:jtvj8m5t
純粋に興味あるから聞いてみたいんだが、
4,5歳の子供が転んだときなのはみたいに自分で立たせるか、
フェイトみたいに助け起こすかどっちがいいんだ?

オレは助け起こされた覚えがあるけど、確か従妹は自分で立たされた気がする。

703 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 02:32:14 ID:2dL+MssI
>>702
俺は少なくともなのはさんみたいに毅然とした態度はとらないな
自分で立つように応援はすると思うけど。
子持ちの人がいたら意見聞かせてw

704 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 02:36:17 ID:YXG5g67b
残念ながら子持ちではないが……まぁ仕事はそっちよりなので一応

その子の精神年齢や体力、転んだときの状況なんかにもよって違うが
アニメの場面ならだけど、助け起こさないで、しっかり立てたら褒めてやる
立てなくても叱ったりはしない、ってのがベストかなぁ

705 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 02:39:44 ID:2zMI44yf
>>702
僕の場合は助け起こされたかな。割りと甘やかされた覚えがある。

706 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 02:40:05 ID:rmGl+yQg
それ以前にもう一人で立って直ぐ走り回るような年じゃないか?4,5って
4はまだちょっとあやしいけど

707 :( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/03/01(土) 02:42:40 ID:70xVTPia
3レスほどお借りします。よろしいでしょうか?

708 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 02:42:49 ID:gURf0dAL
何度も済みません、投下したいんですが空き容量とかは大丈夫でしょうか?


709 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 02:43:53 ID:2dL+MssI
>>706
ヴィヴィオ基準でいくと親への依存度はかなり高いな
近くで見ていたらなおさら

>>707
どぞ

710 :11-11/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/01(土) 02:46:55 ID:70xVTPia
作品本体ではなくて申し訳ありません。
・あぼーんキーワードは「熱い彗星の魔導師たち 反省文」です

711 :熱い彗星の魔導師たち 反省文 1/3 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/01(土) 02:47:28 ID:70xVTPia
・最初に
 スレ住人の皆様に、深くご迷惑をおかけしていますことを、まずは深くお詫び申し上げ
ます。
 一重に、今回の問題は、自分の人間性に原因があると、ようやくにして結論付いた次第
です。
 ただ、人間の出来上がっておりません自分の事ですゆえ、フォローと言いつつ言い訳だ
けはしておこうと身勝手にも感じ、次スレも立っている状況でありますので、ここに記さ
せていただくことを、ご容赦ください。

・原作第8話〜第9話、当方第4話〜6話のアレ
 StS編をやるに当たってかなり毒があるなぁと思いつつ、どうしても入れたかったのが
このシーンだったのです。それだけ、原作のこのシーンには不満がありました。周囲は持
てる者ばかりという状況で、しかもティアナの境遇を考えればああいう結末になるのはあ
る程度見えていたというか。あのビデオで納得するティアナの心情も理解できませんでし
た。確かにティアナが内に溜め込んでいるという点はティアナ側の落ち度だとは思います
が。なのはの制裁には大いに疑問でした。増して許せないのがヴォルケンの2人。隊長本
人が気遣ってるのに、隊長と部下をつなぐ役割をすべき立場の人間が対立を煽ってどうす
る。流れ上シグナムは軟着陸できましたが、ヴィータには退場してもらわないと、むしろ
この先ヴィータヘイトが悪化していきそうだったので、オリキャラ率上げると解っていて
レンと入れ替えさせたのです。ただ、それにしてもやはり毒が強すぎたようで、スレが荒
れる原因となってしまいました。その事は深く反省いたしております。申し訳ございませ
ん。
 また、この話は、投下時にも書きましたが当初2本分で終わらせるつもりで、このエピ
ソードをさらに後まで持っていくつもりはさらさらありませんでした。しかしながら、も
っとフォローが必要とのご意見を賜りましたので、中4話も経て10・11話で蒸し返す羽目
になったのです。これは私の力量不足です。誠に申し訳ありません。
 また、プロローグ投下前に出た「まるっきりなのは→アリサ」物もいいなと思っていま
した。ただ、ウェンディを機動6課、その他ナンバーズ数名を管理局側というのは通した
いと思っていたので、うまくそのあたりが整合できませんでした。妙案ある方おられまし
たら、お教えいただけますと幸いです。

712 :熱い彗星の魔導師たち 反省文 2/3 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/01(土) 02:47:56 ID:70xVTPia
・キャラ改変(ナンバーズについては後述)
 正直に言ってしまいますとStSは新キャラも旧キャラもいまいち掴めないというのが本
音です。が、強いて言うなら新キャラでもスバル、ティアナ、それにヴァイス等は大雑把
には掴めている(と思っている)のに対して、むしろ旧キャラの方が掴めなくなりました。
 キャラの把握をする為に一部キャラのカット及びモブ化を行ったのですが、やはりそれ
でも限界がありました。
 一方でアリサとユーノ、それとウェンディとマギーに関してはある程度固まっていたの
で、結果こちらに刷り合わせる形でしか対応できませんでした(もっともマギーは、最初は
もっと口先だけキャラだったんですが。リーゼ姉妹が絡んでいるという設定が出てきた時
点でだいぶ変わってしまった……)。
 クロノに関しては、他の方の二次創作の影響もありますが、基本的に私はクロノは(と
いうより、時空管理局全般的に)協調性そのものはあまりない人間だと印象を持っていま
す。
無印でも管理外世界にやってきて管理局のやり方を押し付けたりしていますし、A’sでも
下手を打てば地球そのものの存亡に関わる事態に対して“ギャンブル性が高い”プランを
採用したりしているからです。その他、ユーノへの暴言など、表向きに反して決して高尚
な人物とは言いがたいというイメージです。ファンでイメージが崩されたと思う方が折ら
れましたら、申し訳ありません。
 グレアムの口調ですが、執筆当時に>>610氏のような意見があれば、対応できたのです
が、漠然と“おかしい”と言われただけだった為、本編を見直しても“どうおかしいのか”
なかなか把握できませんでした。ただこれは指摘側の落ち度ではなく、一重に書き手の力
量不足です

・ナンバーズ
 以前にも書きましたが4番と11番以外は把握しにくい、完全には把握していないという
のが本音です。それでも、5・6・8・9は、大雑把にアウトラインが組まれているのですが
(特にオットーは自然に修正箇所が見えるようになってきた)、1・2・3・7・10・12につい
てはいまいち掴みきれていません(ウーノがスカリエッティ寄りになっているのには他に
も理由がありますが)。特に1・2・3・7については、執筆しながらビデオで追っかけよう
にも、どこで(口調やキャラをつかめるような)会話をしているかさえつかめず、苦しんで
いる状態です。
 もし我こそはという方が折られましたら、ナンバーズについて、口調や性格的特長など、
纏めていただける方がおられますと、幸いかと思います(他力本願で申し訳ありません)。

713 :熱い彗星の魔導師たち 反省文 3/3 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/01(土) 02:48:31 ID:70xVTPia
・公務員だぞ地方公務員
>教導隊制服着用には注意しておいて、無謀運転は何の問題もないのかおい。
 “なんらかの理由があって、アリサがなのはに対し苛立っている”ということを表現し
たい為に入れたシーンでした。しかし、確かに以後の行動と矛盾していますね。これは表
現・シーン描写優先とした私のミスです。申し訳ありません。
 ただ、以下に、見苦しい言い訳をいくつか。
 軍隊及び、銃砲を所持する警察等、権力の元に暴力を執行する人間が、定められた制服
を着るのは、原則というより“鉄則”です。地球で言えば国際法に関わってきます。自動
車事故等のスキャンダルはこれに比べれば正直些細です(もちろん、他者に損害を与えたな
らば、相応の対応は必要ですが)。
 それと、こういう人間(公務員)は実在します。普段は割りと正論吐きなのに、スキー渋
滞中の関越120km/h巡航(しかも練馬2車線時代)とか……

・自演・チキン・自己燃料
 「コテのレス乞食は控える」というのが自演の動機の1つになっていましたが、感想が
まったくない状態なら仕方のないことなのですが、小ネタでツッコミが入らないと少し寂
しかったりして、ついやってしまいました。申し訳ありません。
 煽り返しは、今思い返してみると結構みっともないのがあります。ただ、言い訳しても
かえってスレが荒れると思ったので、あとがきなしの状態にしました。ご迷惑をおかけし
まして、誠に申し訳ありませんでした。
 ただ、「SSスレで議論が鬱陶しいならSS書いて投下」というのは素です。私自身の技量
はさておいて、マンガと違って、SSというのはそれほど難しいものではありません。別に
編集者が見るわけでもありません。鬱憤が溜まるなら自分なりのものをぶつけてみてはい
かがでしょうか、という意味でした。それにしても、空気を読めなくて申し訳ありません。

 他に何かありましたらどうぞ。
 次回投下は、しばらく見合わせます。
 (別に他意はありません。スレの流れ次第とさせていただきたいだけです)

誠に申し訳ありませんでした。

714 :熱い彗星の魔導師たち 反省文 4/3 ◆kd.2f.1cKc :2008/03/01(土) 02:50:14 ID:70xVTPia
>>711-713
以上です。重ね重ね、誠に申し訳ありませんでした。
それと>>710でのコテハンミスも重ねて謝罪いたします。

715 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 02:52:57 ID:AiEhPNTF
乙とだけ言っておく

>>708
いま485KBだけど大丈夫?
次スレ立つまで待つ?

716 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 02:54:38 ID:5oA9TRo/
>>706
教科書ほりだしてきた。
3歳児で上手く走る事が出来るようになる、とある。

ヴィヴィオの年齢が幾つかは知らんが4歳以上なら、なのはさんの対応は当然かと。

717 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:01:51 ID:pHI5eCcO
>>714
毎回楽しみにしていたので投下を続けてほしかった。

ほとぼりが冷めたらぜひ続きを書いてください。



718 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:07:04 ID:gURf0dAL
>>715
申し訳ありません、697で既に次スレが立っているのを発見しました。
完成はしましたが、酷く疲れて集中力も落ちているようなので、
明日もう一度見直してからちゃんと投下します。ご迷惑をお掛けしました。

719 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:09:13 ID:AiEhPNTF
>>718
ホントだ
見落としててスマンかった
あと>>697

720 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:09:48 ID:egM0eFPM
>>714
まあ気長に待ってますよ

しかし『マナー』の項目にある【読み手 & 全員】の1と2の項目をちゃんと呼んでいるのだろうか?(全員に)
最近フインキが悪すぎるよ特に言葉使い


721 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:11:24 ID:2dL+MssI
>>714
とりあえず3時間頭を酷使して1レス小ネタ(しかも某CMパロ)しかひねり出せない俺やその他文才のない人に謝れと……
続きは楽しみにして待ってます

>>716
走れるかどうかと転んでも自分で起き上がれる精神的強さは別じゃない?

722 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:11:42 ID:ed2tBPPC
注意書きと作品、必要最小限の語りだけで去って行く

ってもう時代遅れなのかな……

723 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:16:03 ID:tU1yg7yA
>>722
最近それをやってた◆kd.2f.1cKc は、なんで反応しないんだこの流れについて
一言謝れっ、て言われてたわけで……難しい話だな。本当に

724 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:19:03 ID:tU1yg7yA
氏が抜けてました。また頭冷やされてきます……

725 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:24:07 ID:urnomgCH
>>714
毎回楽しみにしていたので残念です
またいつか戻ってきて続きを読ませてください

726 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:25:43 ID:pHI5eCcO
雑誌の立ち読みだと好きなところだけ読んで、
興味ないところは読み飛ばす。

みんなここでも同じことをすれば良いのに。

727 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:26:42 ID:eqvKPhBB
上の文で述べられた様に多少なりとも自分から煽ってなすった訳だ
その状況での沈黙は金にも成りゃしない
理想論、大いに結構。ただ状況が違うの引き合いに出すのとはまた別


さて……マスター、トリプルブレイカー頼むよ

728 :( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/03/01(土) 03:29:34 ID:70xVTPia
>>720,>>721
すみません。多分期待を裏切るような早さで戻ってくる気がします。
ただスレの空気嫁って言われたしそう思うのでちょっと成り行きを見ている程度です。
本当に申し訳ありません。

729 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:31:47 ID:pHI5eCcO
>>728
続編楽しみに待ってます。


730 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:33:38 ID:v4MhJpu6
>>726
興味ないならそれでいいが
今の状況は好きな漫画の中に落丁で嫌いな漫画が挟まってる様なもんだ

731 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:43:34 ID:3tUHMRQR
埋めついでに投下していいかい?

732 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:46:03 ID:VeQ239t+
>>731
10ほどしか残ってないが大丈夫なようならどうぞ

733 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:46:27 ID:eqvKPhBB
>>731
カムキシャー

734 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:47:29 ID:Uzt0moBg
>>723
拡大解釈すれば、「必要最小限」の語りをしていない
って取れなくも無いのかも > 一言謝れ
とは言え、読み手が殆ど「ああすればこう言う、こうすればああ言う」的な
状態では書き手側も相当やり辛かろうにとも思う

>>728
続編待ってるよう〜

>>730
掲示板でそれを言うかい?

735 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:49:31 ID:q3YLJOci
>>722
激しく同意ですね。
というか、自分は読んだSSの感想に、職人さんが応答してくれるとは期待していないです。

>>728
ノシ
そろそろ貴殿のエロSSが読みたい……。


ところで……
今突然、とろろでローッションプレイというのを思いついたんだ。
こう……、ナンバーズの着ているスーツの首筋からですね、浣腸用の注射器でビュルビュル注ぐわけですよ。
体とスーツの間を分け入り、もぐりこみ、嫌がって動いても、足掻けばあがくほどかえってとろろが全身に廻る。
ついに足のつま先まで侵入し、全身くまなくチュルチュルでニュルニュルな状態に……。
そして“痒さ”がやがて“疼き”に変わり、涙で瞳を潤しながら「スーツを破いて」と懇願するわけだッッ!!
(※イメージ対象はセイン)

736 :蒼青:2008/03/01(土) 03:50:26 ID:3tUHMRQR
ありがとう。では。
・1時間ほどで書いてみた。故にタイトルもなし。あえて言うなら「名無しさん」?w
・フェイトさんOnly?
・スレを読んでて思いついて、書いてみた
・3レスほど使います。
・エロ、鬱、戦闘オールゼロ。

それでは、どうぞ。

737 :名無しさん:2008/03/01(土) 03:52:20 ID:3tUHMRQR
小説を、書いてみようと思うんだ。


きっかけは、親友たちの会話。

『フェイトってっさ。押しが弱いって言うか、引っ込み思案というか…』
『まぁ、進んで前に出よう、ってタイプとはちょお違うなぁ』
『自分を内に溜め込んじゃう感じかな』

さすがに、みんな鋭い。

『たまにはガス抜きしなさいよ?カラオケとか。フェイト歌上手いんだから』
『でも管理局のお仕事もあるしなぁ。独りカラオケはちょおさみしすぎるで?』

それは私もちょっと…

『小説とか、どうかな?』

『小説ぅ?あんたやはやてならともかく?』
『でもまあ、これから先書類もちょくちょく作らなならんようになるし、
 今からタイピングに慣れとくのもええかもしれへん。私、書いてみよかなぁ』

なるほど。一理ある。

『わたし、フェイトちゃんの小説、読んでみたいかな?』


……
………



そして、私は今。
非実体ディスプレイと向き合ってます。


だって、書くしかないじゃないですかっ!!!
あんな事言われたらっ!!!




言われた通り、私は物事を内に溜め込む性格らしい。
そのせいで、たびたびアルフにも迷惑をかけてきた、ように思う…
そういえばあの時も私がちゃんと説明さえできていれば……

30分後…

………大体お気に入りのあのお店が潰れてしまったのだって私が……



ええと、こんな感じです……

とにかく、この性格じゃ損するばかりだし、周りのみんなにも迷惑かけちゃうし、
それにそれに…

…とっ、とにかくっ、書こうと思います。なのはのためにも。


738 :名無しさん:2008/03/01(土) 03:55:32 ID:3tUHMRQR
自分の中に隠した想いを、文字に乗せて。

普段なら言えない言葉を。
恥ずかしい感情を。

文章の中だけなら、出してもいいよね?



…3時間後に、出来上がったモノは。


絶対に見せられない。なのはにだけは。死んでも。


なんですかこの凄絶なブツは。
大変なものを生み出してしまった。
見られたら、死ねる。比喩表現じゃなくて、本当に。


でも、この小説は、見てもらうために書いたものなんだ。
だから、誰かに見てもらわなきゃ。
でも、誰に…?

「と、いうわけなんだけど…」
『掲示板とか、どう?』

さすがは、すずか先生だ。



調べて、見つけて、読んでみて。

みんな、レベルが高い。
高すぎるよ…



739 :名無しさん:2008/03/01(土) 03:56:18 ID:3tUHMRQR
ちょっと躊躇もしたけど、これは、見てもらわなきゃいけないから。

読んでほしいと、そう思うから。

ああ、そうか。
私は、知ってほしいんだ。
私を。みんなに。本当を。

もう、気恥ずかしさや、迷いは消えた。
それでも緊張で、手が震える。
それはそうだ。
これは、さっきまで私だったものなんだから。
私の心を、切り出したものなんだから。
怖くて当たり前。震えて、当たり前。

でも、その先をみたいから。
見てもらって、みたいから。

だから、私は、押した。
書き込む。しばらく待つ。
書き込まれた私。名無しの私。

これが、私だよ。



次の日、もう一度昨日の掲示板に。
いくつか感想がついてた。嬉しい。
中にはよく意味のわからない言葉や、褒めてくれる人や。

けなす人も、いたけれど。

それも、受け止めてこそ。
多くの人の、全員に好かれることは、できないから。
できたなら嬉しいけど、それは、夢だから。

受け止める現実が、私を強くする。

そう考えられた。
だから。
そう思えた私は、きっと強い。
昨日より、いつもより、誰より。
無敵の私なんだ。



感想を読む、無敵の私。
ふと、目が留まる。1行だけの感想。

よかったよ。かわいかった。

名前を何気なく見る。
N・T


世界の止まる、音がした。


終わり


740 :蒼青:2008/03/01(土) 04:00:00 ID:3tUHMRQR
あとがきです。どうもありがとうございました。

啓発っぽい内容になってしまいました。自己投影が強すぎる気もします。
でも、俺は言いたい。

>>721
読みたいです。読ませてください。

以上、乞食の正当化のためのSSでした。w

それでは、ありがとう。

741 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 04:06:16 ID:LuAQrd/g
投下乙。

>>730
そうか、そうだな。お前みたいなゴミが挟まってるとイライラするもんな。

742 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 04:57:19 ID:tv4o4IpF
  ヽl   ,、 l/
  〃"ナ'⌒ ~´ヘヘ^
  // ,ハノノソヽソハ
 ハ  ヾl.゚ ヮ゚ノ!. ノ   )) 卩__
o=====○===∩====[]コ[i(●==>
    ./ソ、j、iヾ.   ))  |ノミ´⌒《ヽ
    /~(_>!(_>~´チャリーン_(((ノハc八
       _| ::|_       | |Θ|( l!)ソ ) )
  | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|と   ((
  |___|__|_|  |_|  しーJ`


  ヽl   ,、 l/
  〃"ナ'⌒ ~´ヘヘ^              ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  // ,ハノノソヽソハ             .;;;''''
 ハ  ヾl.゚ ヮ゚ノ!. ノ   )) 卩__  ,.';;''
o=====○===∩====[]コ[i(●==>                    >>730
    ./ソ、j、iヾ.   ))  |ノミ´⌒《ヽヽ;,,    
    /~(_>!(_>~´    _.__(((ノハc八 ''''';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
       _| ::|_       | |Θ|( l!)ソ ) )  
  | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_| ∪  ((    バシューーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!
  |___|__|_|  |_|  し^J `


  ヽl   ,、 l/
  〃"ナ'⌒ ~´ヘヘ^
  // ,ハノノソヽソハ
 ハ  ヾl.゚ ヮ゚ノ!. ノ   )) 卩__
o=====○===∩====[]コ[i(●==> )
    ./ソ、j、iヾ.   ))  |ノ ̄,'`》⌒`彡
    /~(_>!(_>~´    _.__ ノ,ィ∝ノノ)))
       _| ::|_       | |Θ|.( ( ゞッ(l!ノ  ・・・
  | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_| ノ)| U
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743 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 05:00:08 ID:tv4o4IpF
            / : : : : : /: :/: : : : |: {: : : : : : : : : : : : :\: : : : : : : : \ : /   ∧          /
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        ∨l: : : : :/ : : : |: : |: : : l : : : |: :ト、l.: : : : : : : : :| |: : l: : |: : | \ : : : : : lヽ:∨\: :|  /
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         ヽ: : :| {ハ:.:.八 : : : : , : : : :ハi /ー='彡ヘ : /ー=ミ` ̄ ゙̄ヽ ! |: :.|.: :.:.|: :// !   >>730……どうしちゃったのかな?
           \レ ハ: Vヘ: : : : ヽ. : :ハ.i     ∨        i i |: :ハ.: :.:|:// /    ちょっと、頭冷やしとこっか?
              ∧:ヽ \: : : :\: : :ヘ    、ノ            j レ|:/ハ: :.|'/ /|          l
             ,′'\{  \: :∨\: :|ゝ     t‐=  ⌒>   /=´|′ 〉│/ l            /|
              │        ヽ/│ハ:|   > .,_`ー 一'´ /     //V/   !            |
            /|       /\\ ',!  │ l  >ー=彳⌒ト、   │| ノ   /          |
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