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素直クールでエロパロPART8

1 :名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 16:02:37 ID:S26x1Ks5
ふたば☆ちゃんねる落書き板の天才によりツンデレに対抗すべく、
新たに"素直クール"なる言葉が誕生した。
ツン→素直 デレ→クール
ガチで愛してくれるが、人前であれ、好意に関してはストレートかつ
クールな表現をするため、男にとっては嬉し恥ずかし暴露羞恥プレイ。
しかし、どこか天然。言葉萌えのツンデレ、シチュ萌えの素直クール。

ここはそんな素直クールのエロパロスレです。
荒らし、煽りはスルーでお願いします。
・職人に対し注意予告の依頼は止めましょう。スルーは自力で。
・職人の投下しやすい雰囲気づくりを心がけましょう。
・ネガティブな意見はなるべく控えましょう。
 理由もなく「嫌い」などの意見はスレには必要ありません。

前スレ
素直クールでエロパロPART7
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197548369/

過去スレ
素直クールでエロパロPART1
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1139830862/
素直クールでエロパロPART2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1151146736/
素直クールでエロパロPART3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1165760283/
【エロパロ】素直クールでエロパロPART4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1177753262/
素直クールでエロパロPART5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182429786/
素直クールでエロパロPART6
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191464305/

保管庫(エロパロ板)
http://derheiligekrieg.h.fc2.com/cool.html

保管庫ミラー(現在のエロパロ板最新保管庫はこちら)
http://red.ribbon.to/~hachiwords/scool/

素直クール保管所(全体)
http://sucool.s171.xrea.com/

素直クール保管所(ほの板・最新VIP)
http://www16.atwiki.jp/sucool/


2 :名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 16:35:55 ID:+X7S0ZD5
>>1乙だ。
このスレにも素直クールな女神の加護があらんことを。

3 :名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 20:06:57 ID:8yealRnP
>>1乙。

4 :名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 01:10:13 ID:9xLlEPLf
>>1
よくやった結婚しよう。

5 :1:2008/02/09(土) 06:49:53 ID:tofXqnfa
前スレ誘導できなくてごめんみんな。
わかってくれるとは思うけどちょっとあげとくよ。

6 :名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 12:29:38 ID:8tDaWt5N
>>1
乙〜

7 :名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 12:54:40 ID:cogibOQ2
>>1乙、愛してるぞ。

というか前スレのアレはなんなんだよ…


8 :名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 13:57:21 ID:tofXqnfa
前スレの揉め事は引きずらないでおこうよ。

新しい書き手さんも来てくれてるようなんだから、
素直にクールに wktkしておこう。


9 :名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 16:26:14 ID:QHLJ9qtC
即死回避

10 :名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 17:57:26 ID:cbVkYt5p
あげ

11 :名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 21:40:03 ID:toLPZ41e
>>1 乙です先輩。さ、ついでにここに名前を書いてください。
つ[婚姻届]

12 :名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 22:36:08 ID:cogibOQ2
>>8
そうだね、ごめん
>>11
私の>>1に手をだすとは…
覚悟はいいか?

13 :名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 08:22:58 ID:L0PbfLqp
もうちょいあげておこう

14 :名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 18:40:32 ID:EGPjW1Iu
>>1
ここには初めて来たけど、こんな素晴らしい良スレがあったんだな。
素直クール大好きだ!愛してる。
素直クール最高だぜ!

15 :名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 22:06:08 ID:NWFLNSEA
>>14
モエパミンの過剰分泌で死んだりするなよ?

16 :名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 22:02:45 ID:ZmFlCRVD
このスレに栄光あれ!!!

17 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/02/13(水) 00:44:58 ID:/7p1Sbu5
皆さんおはようございますこんにちわこんばんわ、これからずっとの人でございます。

即死阻止に、ちょっと早いですが予告していたバレンタインネタを。
エロ無しかつ恐らく2レスくらいですが……

ではどうぞ。

18 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/02/13(水) 00:45:31 ID:/7p1Sbu5
「んんっ……」
カーテンの隙間から漏れる細い光で目を覚ました。日差しの関係で瞼に直接スリットからの光を受ける。
「まぶっしいなぁ。」
まだ軋む身体を起こしてカーテンを掴むと、隙間を無くそうと無理矢理閉めようとする。だけどカーテンレールが壊れているのを忘れていた。
閉じきることは出来ず、腹立ち紛れにドスン、と身体をベッドに落としもう一度目を瞑る。日光が目に入らないように少し横を向くが、今度は日差しを受けた耳が熱い。
「……ああもう!」
ぼんやりした頭のまま転がるようにしてベッドを脱出する。ここで眠れないのなら居間のソファで横になればいい。この時間なら家族もいないし咎められることは無いだろう。
パジャマ代わりのスウェットの上にどてらを羽織って立ち上がった。

部屋を出たはいいものの、結局何度も自分との部屋を往復してようやく居間に腰を落ち着けた。
一度目は廊下に出たとき、フローリングの床に辟易して靴下を履きに。二度目はソファに飛び込んだとき、暖房を切ってあった室内は冷え切っていたために掛け布団を取りに帰った。
そこから読みかけの漫画や単行本を取りに戻ったり、湯を沸かして(電気ポットの中身は空だった)紅茶を入れたりして、気がついたらもう眠る気分ではなくなっていた。
まだ頭の隅に眠気の残ったままテレビのスイッチを入れる。時間は2時過ぎ。主婦層向けの情報番組が流れていた。
『――ちらのデパ地下に入っ……ではフォンダ……ラが……』
やたらカメラ目線の30過ぎのレポーターが人混みを掻き分けるようにしながら洋菓子店の前に立つ。ショーウィンドウに並ぶ黒い菓子。
『こちらがその話題の……』
どうやらスイーツ特集というやつらしい。普段から甘いものを見飽きているんだから、テレビでまで見たくないとチャンネルを変える。
……が。
『チョコレート以外にも最近は……』
『今日はバレンタイ……』
3つ目の局に変えてほんの2秒、うんざりしてテレビのスイッチを切ってリモコンをその辺りに投げ捨てた。そのまま横になる。
「もう寝よ。」

突然、来客を告げるインターホンが鳴った。ようやく眠りの導入部に入った俺を起こすようなタイミングに目つきが悪くなる。
渋い顔をして立ち上がり受話器を取り上げる。重たい瞼は閉じたままだからスクリーンに映し出される玄関ホールの相手の顔は見えないが、見る必要も無いだろう。
「ハイどちらさん?」
「こんにちは、先輩。約束通りに来ました。」
安田だ。予想通りの相手に今更驚くこともなく開錠ボタンを押し受話器を戻す。無用心だが玄関のドアは開いているから、勝手に入ってくるだろう。
1月後半、彼女は毎日こういう風に俺の家に通ってきていた。目的は言う必要無いだろう。
去年のクリスマスに覚悟するよう言われていたが、まさか毎日アプローチを受けると思っていなかった。そのアプローチを全部受け止めてしまった俺もアレなんだけど。

数分後、玄関をガチャガチャやって安田が居間にやってきた。学校の制服のままの姿だ。恐らく終業と同時に学校を飛び出してこちらへ来たのだろう。
「先輩。」
「なんや後輩。」
布団に丸まったまま、ソファの上で振り返る俺。
「芋虫みたいですね。」
「うるさいわ。」
寒いんだから仕方が無いだろう、と言ってソファに身体を投げ出す。彼女はそんな俺とソファの背を一息に跨いだ。俺の目の前を短めのスカートとその中身が通っていく。
眼福だな、と今の情景を網膜に焼き付けていると、安田が俺の腹の辺りに腰を下ろした。苦しくなって蛙の潰れたような声を出す俺。
「ぐぇっ……重いねん。」
「それくらい我慢してください。私のパンツ見たんですから文句は無いでしょ?」
「……しゃあないやろ、目の前通ったんやから。」
思わず見てしまうのは男の性なのだから仕方がない。
「男の人って。」
呆れたような口調で俺を詰ってはいるが、その表情からは怒っているようには見受けられない。

19 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/02/13(水) 00:45:56 ID:/7p1Sbu5
「うっさいわ。……まあとにかく、用事があるから来たんやろ?」
どけ、と彼女を手で払いながら身体を起こそうとする。しかし彼女が腹の上から動かなくては起き上がれなかった。
「動く前に、先輩にプレゼントです。」
安田は手に持ったままだった自分の鞄をごそごそやって中から小さな包みを取り出すと、俺に押し付けてきた。
「これは?」
「今日は何月何日ですか?」
「2月14日やろ?」
「はい、そうですね。バレンタインデーです。」
「バレンタインデーやね。」
「どうぞ。」
「どうも。」
そう言って受け取った。実に淡々としたものだ。

受け取った小さな包みをいつまでも持っていても仕方が無い。センターテーブルへ手を伸ばすが、腹に重石が乗っているせいであと少し、届かない。
仕方が無いのでソファの脇へ置くと、彼女はそれをすぐに拾い上げた。
「すぐ床に置いちゃうことないじゃないですか。」
唇を尖らせ文句を言いながら床に置いたそれを取り上げると、彼女は巾着の形に留めてあるそれを開きだした。
「一応、手作りなんですよ?」
「あのな、然るべきところに置きに行きたくても身体を起こせへんねんけど。」
彼女の白い太ももを軽く叩く。
「早よどけ。重い言うてるやろ。」
俺のそんな言葉を完全に無視して、包みから取り出したチョコを口に含む安田。そうしてこっちに倒れこんできた。
投げ出された身体を受け止めた俺は彼女に唇を奪われ、すぐに舌を絡めとられる。ややビターな香りが鼻腔をくすぐる。
「甘いですか?」
2人の口の中で小さな欠片が溶けきり唇を離すと、開口一番安田が訊いてくる。
「少しだけ、苦めやな。」
「私とのキスが甘い分、苦めにしてみました。」
「……アホか。」
こんな言動はいつものことだが、それでも普通、自分とのキスが甘いだろう、なんて言わないぞ。
「照れてます?」
「うるさいわ。……寄越せ。」
彼女の右手に握られたままだったチョコの包みを奪い取り1つ摘む。今度は溶かすことをせずに奥歯で噛み砕いた。カカオの香りが喉の奥まで広がる。
結構な苦味に一瞬眉根が寄る。それを見た安田は躊躇うことなく2度目のキスを求めてきた。交換する唾液に噛み砕いたチョコの小片が混じる。
「……ほら、苦味がマシになったでしょう?」
「もうええわ。……おいしいで。」
俺の呟いた言葉に、彼女は満足そうな笑みを浮かべた。その笑顔を見せられて俺もニヤついてしまう。慌てて頬を引き締めたがもう遅かった。
「先輩のそういうところが好きです、私。」
「……それやったら人の顔見てニヤつくな。」
「先輩に言われたくないです。」
言うと彼女はまたキスを求めてきた。俺もそれに応じる。

結局夕方、家族の帰ってくる時間になるまで何度もキスをせがまれ、包みの中のチョコレートはすっかり片付けられた。

20 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/02/13(水) 00:46:17 ID:/7p1Sbu5
と以上です。

本当はエロシーンも書いていたのですが、冗長になりすぎたので削ってしまって上記の形に。
ああ、エロを自然に入れられる才能が欲しい……

21 :名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 06:06:47 ID:hlZzpqyc
>>20
GJ!
次は是非ともエロありで。

22 :名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 11:49:00 ID:DpJPf9Up
>>20
短いけどGJ!甘い雰囲気で良いですね。
エロはなくても十分おもしろいかと、バレンタインネタはグッドかと。
台詞まわしも良い意味であまああああああい!
エロだけど、無理に入れなくてもその作品に合った感じの作品で書いたら良いと思います。

あと、なんだか以前投稿した作品を了解も得ずに投稿するのはアレですので相談しますけど。
前スレで色々あって文章やシーン削ってしまった小説があるのですが。
このスレに投稿してよろしいでしょうか?
スレの無駄使いになっちゃわないようにどうしようか考え中ですので。

23 :名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 21:37:35 ID:66J5WS8s
エロが無くても安田はかわいいよー!

24 :名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 04:12:08 ID:CI0J1hOt
>>22
保管庫内の連絡用掲示板に投下するも良し、ここに投下するも良し、どちらでも良いと思うけど。

25 :妄想だけで書いてみた:2008/02/14(木) 13:43:06 ID:PFUHWum9
「龍太、今日私の家に来て欲しい」
 
「うんわかった、部活終わったら行くよ」
 
放課後部活へ行こうと教室を出た時クーに呼ばれた。 
部活が終わりクーの家に着く。
 
「おじゃましまーす」
 
「いらっしゃい龍太、少し準備があるから私の部屋で待っていてくれ」
 
「うんわかった」
 
何かな?とドキドキしながら待っているとクーが皿の上に丸いチョコを乗せて部屋に入ってきた。
 
「今日はバレンタインだからな作ってみたんだ」
 
「おいしそう…ありがとう」
 
一口つまむと口の中にほどよい苦みと甘味が広がった。
 
「おいしいよすごく」
 
「ふふ、喜んでもらえて良かった作った甲斐があった。では私も一つ」
 
クーも一つつまむ
 
「うむ、うん我ながら良い出来だな」
 
その後数分雑談したりしていると急に龍太の顔が赤くなりはじめた。

26 :妄想だけで書い(ry:2008/02/14(木) 13:45:15 ID:PFUHWum9
「あれ?なんか体が暑い風邪かな」
 
それだけでなく龍太の股間のあたりにテントがはっていた。
 
「やっと効いてきたか」
 
クーもなんだか顔が赤く熱っていた。
 
「え?どうゆうこと」
 
「チョコに媚薬を入れた」
 
「どうりで…ごめんシュー、今日は優しくできない」
 
「私も今日は押さえが効かない」
 
「クー」
 
「龍太……」
 
クーを押し倒し服を脱がせていく。
 
「んぁ///」
 
 
妄想が切れたので省略されました続きを読むにはワッフルすると作者の調子が良かったら投下されます。

27 :名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 13:48:08 ID:h7295RH/
>>26
クー「ちょっと待て、今私のことをシューと呼ばなかったか!?」

28 :名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 14:23:39 ID:OueqJ/B4
実はクーとシューが双子の姉妹で間違えたとか。

29 :名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:34:02 ID:uEhjjkAO
まあ、細かい入力ミスは気にしたら負けだ。
そこは優しくスルーしてやろう。
誰にでもあるわけだし。

30 :名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 18:13:24 ID:h7295RH/
ふむ、そうだな。誰にでも間違いはある。>>29の言う通りだ。
よし、では今夜一晩かけてじっくり教えてやることにしよう。
二度と私とシューを間違えることなどないように、この躰でな。

31 :名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 06:55:31 ID:28Wf1bzt
ここは素直クール娘と素直シュール娘との三角関係に発展だろう

32 :名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 11:46:19 ID:3w4B2iYC
>>27
「え?言ったっけ?」
 
かなり動揺している。
 
「まさか浮気?」
 
「いや!絶対そんなこと(ry」
 
いきなりドアが開きシューが入ってきた。
 
「何をしている龍太!今日は私とチョコ飯を食べたりした後ナニする予定だったハズだ!」
 
「シ、シュー!?」
 
最早言い逃れできない状況になり冷や汗がだらだらと流れている。
 
「シュー!お前私の龍太をたぶらかしたな!」

「たぶらかしたつもりは無いクーのチョコのあまりでチョコ飯作って食べさせたらポッ///」
 
何故か赤くなる。
 
「赤くなるな!とゆうか嘘言うなー!」
 
龍太は半泣きになる。
 
「前から思っていたんだが今日で決着をつけないか?」
 
クーがシューを嫉妬の眼差しで睨む。
 
「わかったどっちがすごいかで勝負を決めようではないか、もちろん性的な意味で」
 
「望む所だ!」


33 :名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 12:03:39 ID:3w4B2iYC
シューはクーが龍太を襲うのを眺めていた。

「おぉ…色々すごい」

またドアが開き誰か入ってきた。

「なにしてんだシュー?」

「なにしてんだ修?」

「真似するなよ」

「米するなよ」

「いや、なんか違ってきてるって真似するならちゃんとしろよ」

シューの彼氏の修だった。

「……米?」

「わかったから何してた?」

「いや、ちょっと三角関係の作り方を研究してたんだが中々面白いな」

「なんか迷惑そうな研究だな……」

修は( ゚ д ゚ )こんな顔になった。クーと龍太がピ―――な感じになってピ――してすごい事してたからだ。

「な、色々すごいだろう今日は嫉妬が絡んでるからさらに激しい」

ギシギシと向こうからベットの軋む音がする。

「クー許して…もう出ないよ……」

「大丈夫精力剤ならたくさんあるから」

短時間で龍太はゲッソリと痩せていた。

「と!とりあえず帰るぞ!///」

「良いところだったのにな……」

シューの手をひっぱり部屋を出ていく。若干前屈みになりながら
 
「ふふ、私も頑張らねばな」

去りぎわにそう小声でつぶやいた。

34 :名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 13:45:27 ID:3w4B2iYC
変換ミスをネタにしてくれてありがとうございますw 
ぶっちゃけヒーも絡ませるか悩んだのは内緒。

35 :名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 14:49:04 ID:hynBSOgs
シューとかヒートとか、正直ここで
やらないで新ジャンルスレででもやって欲しい気がするんだが。

36 :名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 18:09:57 ID:VD24jlmE
別にメインだった訳じゃないんだから。
クーと男を盛り上げる最高の友じゃないか。

37 :名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 14:16:44 ID:/CWIvPve
あげ

38 :名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 14:57:31 ID:JyfA6+za
今更だが龍太って俺の兄貴と同じ名前だからなんか複雑だ…

39 :名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 17:27:33 ID:tv2sPDE+
では、許可頂いたので以前投下した作品の完全版を投下させて頂きます。
ラブコメで途中からエロで、初エロ小説だったりします。
キャラの名前は声優から拝借してみました。
少しスレお借りします。

40 :俺と素直すぎる衝撃(完全版) その1:2008/02/16(土) 17:29:45 ID:tv2sPDE+
ある冬の日の街中、俺はスネている彼女に急いで駆け寄り、挨拶をする。
彼女の姿は、ロングスカートを見つけて、厚手のセーターの上にマフラーをつけている格好だった。
少し雪がかかってしまったのか、雪が身体に付着している。
俺は自分の格好には無頓着だがきちんとお洒落もしてきた。だって今日はデートの日だから。
でも、俺は30分の遅刻をしてしまった。30分はそれなりに長い時間だ。
「あー!すまない!昨日緊張で寝れなくて遅刻してしまった!
それでなおかつ眠れないからつい、この前買った地下をドリルで掘り進むゲームを遊んでいたら…寝不足で…すまない」
俺、瀬木和彦(せきかずひこ)は、彼女の松木恵美(まつきめぐみ)に頭を下げる。
彼女は言い訳が嫌いなので、あった事全てを説明する。
恵美は振りかえる、マフラーと長い髪の毛がなびく。
恵美はクールに装っていたが、少しスネてる気がしていた。
「言い訳しないのだけは評価に値するな、だが女の子を待たせるのは良くないぞ。
そのお詫びとして何か買ってもらおうか?」
彼女は眼鏡を掻き上げて、眼鏡ごしの綺麗で可愛い目で俺を見てくる。
髪はロングヘアーでそのまま伸ばしている、綺麗な顔立ちで一見冷静そうに見えるけど。
案外恥ずかしい台詞を言ったりする、男言葉が彼女の特徴だ。
少し怒ってるみたいだな、微妙な変化だけど俺には変化がわかる。
「わかった、待たせちゃったからね…機嫌直してくれ、今度から気をつけるから。」
だけど、恵美は普通に笑った、彼女は冷静そうに見えるけど意外と素直な変わった性格だ。
「わかってくれればいいんだ、それに君といると楽しいしな、暖かい気分になれるしな」
ああ!だけど、人前で歯の浮く台詞言われるのは恥ずかしいな…
俺は当然恥ずかしくなる。
冷たい冬の風を感じるけど、俺は身体が熱くなるのを感じていた。
でも、そのギャップが恵美の魅力なんだけどさ。
俺が恵美と付き合う事になった経緯は、春に遡る。

「ありきたりな台詞だし…ありきたりのシチュエーションだけどさ…
俺と…付き合ってくれないか…君のその素直な性格に惹かれたんだ…」
俺は校舎の裏で恵美に告白していた。
特にドラマや漫画みたいに特別な事もなく、ただ彼女の気遣い、クールなのに意地を張らない物腰に惹かれて。
そして、ある時俺をフォローしてしてくれたのがきっかけで、彼女への想いが止まらなくなって…
そのフォローは俺だけじゃなく、困ってる人全員にしてたんだけど、むしろ色々な人に公平に接する彼女に惹かれていた。
恵美は照れてはないけど、少し困惑した様子で眼鏡をくいと上げる。
だけどその様子も変わり、すぐさま冷静に言う。
「そうか、だが、私なんかでいいのか?私はそんなに良くないぞ?」
恵美の言葉は謙遜だった、スタイルも良く、顔も美人で性格もいいのにこれは謙遜だと思う。
「いや!俺は君じゃないと駄目なんだ!君じゃないと…その性格に惹かれたんだ」
「だがな、私に言い寄ってくる男性は少しいたが、恋に恋してるとか。
私の事一部しか見てないとかそんな感じなのが多かったぞ。
はっきり言おう、私の一部しか見てない男性は大嫌いだ
恋愛はもっと互いを知ってからだな、だから…」
うっ!?きつい言葉だ…素直すぎるのが彼女の味なんだけど…
変に意地張ったり変なプライド持ってないから。
ああ…俺は自分でよくわからないけど恵美の一部しか見てなかったかもしれないから、俺の事?
振られフラグ!?
うわっがー!ありえるから怖ええ…
もしも…力尽きて…闘士の刃砕けては…僕は2度と戻らない…共に銀河の海に散ろう…
振り向くなー!涙を見せるなー!俺はもう希望が砕けていた。
「だから、君の愛が本当かまず友達から始めてみないか?」
って!?今何か言った!?俺は恵美の声に耳を傾ける。
「まずは恋愛と言うのは互いを知る事だろう?私も君の事知りたいし、だから友達からだ
もしも互いに好きになれたら付き合えばいいと思うぞ
私はどちらかと言えば、君が好きだから」
恵美は無表情から、静かに笑いながら言った。
そっか、振られたわけじゃないんだよな、いや、むしろすぐに付き合っちまうよりも互いを知る事が大事だよな。
恵美は素直だな、でも、それが彼女の良い所なんだけど。
「もちろん!互いに知る所からだよな、うん、俺も君の事わかるようにするから」
俺は恵美の手を握った、暖かさと、女の子の手の華奢さが伝わってくる。暖かい手だ。
これが彼女と俺が付き合った理由で、ドラマチックでもない普通の恋愛だけど。互いに幸福感を感じている。

41 :俺と素直すぎる衝撃(完全版) その2:2008/02/16(土) 17:31:37 ID:tv2sPDE+
それから、俺達は気が合う部分がわかってきて、互いに恋人同士になったんだ。
「おーい、早くしろ」
恵美が声をかける。
「OK、今行くから」
俺はうなずく。
それから、俺が自分の足で調べた料理も美味い、洒落た喫茶店に行く。
扉を開けるとからんからんと音がする。
俺達はそこでケーキを一つ頼み、俺はコーヒーを飲む。俺は甘い物が苦手だから。
恵美は意外と甘い物と可愛い物が好きなようだから彼女の好みに合わせる。
恵美は小さい口でケーキを食べ始める、あまり表情が変わってないように見えるが、口元がゆるんでいる。
そうゆう仕草が可愛いんだよな。俺は少しブラックコーヒーを飲みつづける。
少しほろ苦いけどそれが好きだ。
「ん?和彦はケーキ食べなくていいのか?甘くて美味しいぞ」
「いや、俺甘いの苦手だからさ、だからコーヒーなんだ」
俺が言葉を紡いだ瞬間、意外な光景が映る。
恵美がケーキを少しスプーンですくって、俺の目の前に差し出してくる。
え…!?もしかしてこれって…
「さあ、少し食べてみろ、美味しいかもしれないぞ?口をあけろ、あーんって」
俺の心臓は高鳴っていた。ドクンドクンと音が聞えそうな程。
恵美ならやると思っていたが、嬉しいんだけどさ。
恥ずかしさも当然ある、でもそれが彼女の味だし。
「う、うん…それじゃあ…」
俺は口を開け、スプーンに口を伸ばし、ケーキを食べる、もうドキマギしていて味が伝わってこない。苦手な甘い味も感じない。
でも、恋人にそうゆう事してもらったのは、恥ずかしいけど幸せだった。
「ふふっ、一度してみたかったんだ、こうゆう事するとしたほうも、されたほうも幸せになるって思ったけど正解だったな」
恵美が軽く笑う。うっ…いつもの事だけど可愛いなあ…
恵美はその後クールな表情でケーキを食べていたが。
昔なら機嫌そこねてると思うだろうけど、これがいつもの様子だ。

それから町を見て回ると、あるファンシーショップに目が止まった。
恵美は一見表情を変えていないが、気になるのかじーっと見つめていた。
「どうした?気になるの?」
「ああ、気になる、あれ可愛いなあ…」
恵美は静かだけど、力一杯言った。
「じゃあ、見てみるかい?何か買うよ、遅れちゃったし」
「ああ、見たいぞ、凄く」
俺と恵美は店内に入る。
ぬいぐるみとか可愛いアクセサリーとかで、いかにも女の子らしい店だった。
女の子が沢山いるけど、中にはプレゼントを買いに来た男も他にいる。
恵美は目を輝かせて、夢中になりぬいぐるみを見ている。
どっちかと言うと大人びた外見の恵美だが、女の子らしいな、こうゆう部分は。
こうゆう場所は苦手だけど彼女のこうゆうリアクションを見ていると楽しくなってくる。
そこで恵美は抱けるぐらいの大きさのぬいぐるみを目につけた。
恵美は嬉しそうに犬のぬいぐるみを豊満な胸に抱いている。
ここだけの話…ぬいぐるみになりたいと思ったのは秘密だ…
ほう…それなりに高いけど、買えない額ではないな。
バイト代はそれなりに溜めこんでるから。彼女の喜んでる顔が見たいから。
「あのさ、良ければそれ買おうか?買えるだけの金額あるし。」
「え…?いいのか?うん、それなら行為に甘えさせてもらおう、私はぬいぐるみが大好きだからな」
その時、恵美が満たされた表情でぬいぐるみを胸に抱いていた。
買ってもらえると言う充実感、そんな感じなのだろう。眼鏡ごしの瞳が輝く。
「そりゃーもちろん!それぐらい買わせて頂きますとも!」
俺は力一杯胸を叩く。
「くすっ、和彦は元気だな、それが君の魅力なんだけどな、ぬいぐるみも嬉しいけどさ、私のために買ってくれた事が嬉しいぞ」
ああ…恥ずかしい台詞を真顔で言うなあ…でも可愛いからいいかな?

42 :俺と素直すぎる衝撃(完全版) その3:2008/02/16(土) 17:35:02 ID:tv2sPDE+
それから、夕時俺達は別れる事になった、だが、そこで恵美が引き止める。
「なあ、和彦」
「ん?何?」
「あのさ、私の家には今誰もいないんだ、だから来てくれないか?たまには1日中君と過ごしたいぞ」
え!?お泊まりの誘い!?まさか男の俺に…お約束だけど…まさか…
恵美は寂しがりやだし、俺にも用事はないし、断る理由はなかった、俺も1日中一緒にいたいから。
「そ、それじゃあ…そうさせてもらおうかな?」
俺はがっちがちに緊張しながら言った。だって…ねえ…そりゃあ…二人っきりで部屋の中だと。
俺は両親に電話し、経緯を説明する、そしたら、あっさりと納得してくれたため、俺は部屋に泊まる事になった。

俺はがっちがちに緊張して。
ぬいぐるみが大量に散乱する可愛らしい部屋で待っていた。
ここは恵美の部屋だ、恵美が料理してくれるらしいので、俺は待機しているんだ。
ああ!恵美が料理してる所見ただけで心臓がもう爆発しーそう!
どがちゃーん!めきめき!ずごおおおおお!!
エプロンしてる恵美の姿を想像するだけで…
メメタアア!!と言う音が聞えてきた気がする…
それだけで…もう…しんぼう溜まらないと言うか…
ぎゅいいいいん!ぶううううん…と言う音が聞えてきた気がする…
はっ!いかん!これじゃあ変態だな…落ちつかないと…
ずがあー!がっしゃーん!と言う音が(以下略)
何故だか一回のリビングから料理ならざる音が聞えてくる気がするけど…
まさかお約束の毒料理って事は…ないよな…
「待たせたな、ほら」
でも…そのお約束は…俺に試練となって迫ってきた…
恵美は可愛らしいエプロン姿だった、一生懸命料理してくれてるんだよな。
家庭的な雰囲気が今までと違って可愛い。
恵美のトレイの上にあったのは…(以下、描写がグロいため略)な料理だった…
うぷっ…はきそうだ…ミンチよりひでえ……いや、料理の場合ミンチのが普通に食べれるからマシだな…
「どうだ?私が味見しようとしたら父さんにも母さんにも止められるから私は味見した事ないんだ…
見た目は少し悪いと思うけど…どうなんだろうな?」
いや…少しじゃないけど…俺はそれを言おうとしてやめた。
恵美は少し不安そうな表情してるけど、食べないと男じゃないよな…女の子をフォローしないと!
俺は覚悟を決めて料理に手を伸ばす。
うっ!?何だこの味は!?これは!(以下、グロくなったり気分悪くなるため略)
ぐはっ!青汁よりひでえ!この世でこれより不味い食べ物はあるのか。
俺はもう死にそうだ…駄目だ…
なんだか不味すぎて料理アニメのようなリアクションを起こしそうだ、巨大化して大阪城と一体化してビームを出しそうなぐらい。
でも強がらないと…多分顔は真っ青で痩せてまくってるだろうけど…俺の動きはロボットのようだけど。
アニメとかに出てくるロボットのように機敏ではなく、昔のブリキのロボットみたいな動きだ…
愛と勇気は力だ…頑張ろう…
「げふっ!う、美味かったよ…」
だけど、恵美は料理が不味かった事に気づいたらしい。
「………気遣いありがとう…私に食べさせなかったわけがわかったよ…私は料理下手なんだよな…」
恵美は少ししゅんとした表情で言った。悲しんじゃったんだな…一生懸命やったのにこうなったから。
だけど俺は、恵美の柔らかい髪を撫でた。
元気づけてやりたいから。
頭を撫でられて、恵美は顔を上げる。
「和彦?」
「あのさ、今は失敗したとしても、次頑張ればいいんじゃないかな?
なーんて!俺が言っても説得力ないかな?」
あー!恥ずかしい台詞だ…俺は自分で恥ずかしくなって頭をかく。
だけど、恵美はいつもの一見冷静だけど、優しい表情になった、目を離さずに俺の事を見つめてくる。
「そうか、いい事を言ってくれるな、ありがたいぞ、君の手は柔らかいな」
そう静かに言う、俺の心を何か暖かい物が満たしてくるのを感じていた。

43 :俺と素直すぎる衝撃(完全版) その4:2008/02/16(土) 17:37:17 ID:tv2sPDE+
しばらくテレビを見ていたり、会話して過ごしていると、恵美が雰囲気を変えて俺に語りかける。 
「なあ、和彦」
恵美が一見冷静そうだけど、少し顔を赤くして言う。
「ん?どうしたんだ?」
そう聞く俺も心臓がバクバクしている。
なんとなくいつもと違う気がしたから。
「私達さ、付き合ってしばらく経つだろう?だから…その…男の子はしたい事したいんじゃないかな…と…」
え…恵美は冷淡な調子で語っていたが、少し言葉に詰まる辺り、何か考えているのだろう。
恵美がベッドの上に座り、普段なら気にするのにスカートの中身を隠してないで、青いパンティが見える。
細く形が良い足に目を奪われていた…
「おい、一体どうしたんだ?」
「だからさ、その…そろそろしないか?その…えっちを…」
俺はその言葉を信じられず、自分の頬を全力パンチで鉄板が破壊出来そうなぐらい思いきり殴るがすごい痛い…
恵美は表情こそ変えてないが、言葉に詰まっている。
必死でこのペースを維持しているのだろう、恥ずかしい単語は言った事ないだろうから。
でもな…俺は生憎意外と小心者なんだ…だから女の子のリードなんて…
「あ、あのさ…その…」
童貞だし、可愛い恵美を抱きたいけど…それにめちゃくちゃしたいけどさ…
小心者の癖にお調子者だし…リード出来るのか…
俺がそんな事を考えていると、恵美が言う。
「セックスは、愛なんて飾りで人間の三大欲の性欲を満たすって事だけかもしれないな、
愛とか綺麗な言葉で飾ってるだけで快感味わいたいから気持ちよければ相手は誰でもいいのかもしれない
だって私は処女だしな。私はえっちな女の子なのかもしれないな、好奇心とかそんな所かもしれない」
え!?恵美!?自分からしたいって言ってきたのにそうやって人間の欲望とか言っちゃう!?
言い訳しないのが彼女らしいけど…
「恵美…素直だな、言い訳もしないで」
「そうだな、いや、言い訳したら格好悪いからな。
でもさ、例え性欲や快感だとしてもな、私は君を感じたいんだ
和彦を感じたいんだ…だから…」
恵美は赤裸々と言葉を紡ぐ。瞳は恋する乙女の目で輝いていた。
「そうか…いいんだよな…俺も恵美の事大好きだ、愛してるぞ…」
俺はそう言い、恵美の顔を引き寄せ、珍しく自分から主導権を握った。
恥ずかしい台詞は恵美の癖がうつったのかもしれない。
恵美の綺麗な顔を引き寄せ、唇を交わす、濡れている恵美の唇が心地よい。
俺は舌を口の中にもぐりこませる。
俺から口の中を責め、温かい舌の感触を感じる、ぬるぬるしていて、唾液をからませる。
口の中でぬるぬると蠢く舌に反応してしまう。
互いにびくりと身体が震えた。
変な感触だけど、口の中を互いにかき回し、じわじわとした快感を与えてくる。
呼吸が苦しい程唇を交わし、唇を離す。
呼吸が苦しかったので互いに少し息切れしている。
キスは普段からしているし、濃厚なキスもたまにしてるけど、心地よいとは言え相変わらず恥ずかしいな。
気持ちいいんだけどさ…
「ぷはっ!はあ…和彦、今日は自分から主導権を握ったか」
恵美が少しボーっとした表情で俺の顔を見る。
「確かに、今の俺は少し強引だったかな?あのさ…好きな事していいんだよな…」
俺は戸惑いつつも、未知の体験に心が揺れていた。
「あ、ああ、勿論だ、始めに言ったじゃないか…話は聞いて欲しいな、ま、ガツガツ行くよりも遠慮してくれたほうが女の子には嬉しいがな」
「じ、じゃあ!いいんだな!俺童貞だし、変な所でケチで消しゴムや修正液は100均でしか買わないし、欲望に身を任せちゃうかもしれないし、リードも出来ないかもしれないけど…いいんだな…」
ああ!内心ドキマギしていてロクな言葉が言えねえ!
自分でも何言ってるのか支離滅裂すぎて頭が痛くなってきた…
恵美がクスリと笑う。
「あまり乱暴すぎるのはいけないが、少しぐらいはいいぞ、それと、なんだか途中で変な事言ってなかったか…
それが君の味だろうけどな、いいよ、気持ちよく…して欲しい」

44 :俺と素直すぎる衝撃(完全版) その5:2008/02/16(土) 17:40:56 ID:tv2sPDE+
顔を赤くして俺に言う、自分でも恥ずかしいのだろう、俺はその反応に心を奪われて、恵美の胸に手を伸ばす。
服の上からだけど、俺は始めて女の子の胸を触る。
厚手のセーターだけど、それでも豊満な胸の感触は伝わってくる。
うわ大きいな、セーターからだから詳細な事はわからないけど俺の手に収まらないと思う。
でも感動ものだな、女の子ってこんななのか…
布が厚いので干渉するけど、柔らかい…俺は形を変えてみたくなって、力を入れる。
胸の形が変わり、俺の指に食い込む。
恵美の顔が快楽と痛みが混ざってるような顔になり、切ない声が漏れる。
「ひゃあっ!?か、和彦ぉ…いやらしい…」
「あ、ごめん、痛かった?」
「いや、自分ではもっと強く触ってるからな…でも、手つきが探るようでこそばゆいんだ。好きな人にされたから。
それよりも、セーターからならあまり感触は伝わらないか?それなら、見せるよ」
え!?意外とあっさりと…しかも自分から…俺の心臓はずっとドクドクしていて爆発しそうだ。
恵美は着替える時のようにセーターを脱ぎ、上半身はブラだけの姿になっている。
でも顔は赤くなってるな。俺の興奮も高鳴る。
形も良くて大きいな、それでいて張りと弾力がありそうで、重力に屈してない胸だ。
ウェストも細くくびれている、肌も白く綺麗だな。
「うっ…」
「ど、どうした!?綺麗じゃないか?」
「いや…童貞の俺には下着姿すら刺激が…もう俺の城壁壊しの大槍も…」
もうズボンははちきれそうです…すいません…その前にパンツか、そんなどうでもいい事も考えていた。
「ま、まあいいさ…童貞なら刺激に耐性ないんだよな…それじゃあ、ブラ外すぞ」
ぱちんと言う音が聞え、ブラが外れた。
漫画とかなら「ぷるんっ」て効果音が聞えそうなぐらい、その胸は勢い良く姿を見せた。
うわ!凄い…ブラから形は推測していたけど、裸になるとそれより大きく錯覚するな。
乳輪は胸の大きさにしては小さく、ピンク色の乳首が突起して自己主張をしている。
綺麗だ…それでいていやらしく興奮する、女の子の身体ってどうしてこんなに色っぽいんだろうな…
エロ本とかでは良く見ているが実際に見るのは始めてだ。
「ど…どうだ…?誰にも見せた事ないんだが…」
恵美は自分で脱いだのに、恥ずかしがって腕で胸を隠そうとする、その矛盾した仕草に俺の興奮は高まる。
「いい…うん、全然いいよ…もっと良く見せて」
恵美は何も言わず、腕を外す。大きな胸が再び姿を現す。
再び手を伸ばす、今度は直接だ。手を伸ばし、直接揉みしだく。
うわっ!セーターの時でも十分柔らかかったのに凄い柔らかい!この感触は感動だな…
俺の手で収まりきらない胸の肉が手から溢れ出て、形を変える。
凄い心地いい…それだけじゃなく、弾力もあって、張り詰めている感触もある。
形を変えているのを見る度に俺の欲望はあおられる。
「きゃっ!か、和彦…」
胸を触られて、恵美の身体は震え、大人びた顔立ちが痛みと快感が混ざった表情にかわり、表情がゆるむ。
うわー!感動するなあ!やわやわと触られて気持ち良いんだろうな。
女の子の身体って癖になるな。俺は調子に乗って力一杯揉む。
「気持ちいい…恵美…俺…」
「か、和彦っ!痛いぞ!」
凄い勢いで形を変え、俺の手では収まらない胸の弾力が更に引き立つ気がする。大きい喘ぎ声が部屋に響く。
「ああっ!?か、かず…」
突起した乳首も気になり、軽くひねる、堅い感触が伝わるけど、それが心地よい。
「んん!ああっ!」
可愛い乳首だ・・・感動だな。堅さが心地よい。
「どうだ?気持ちいいか…」
「あ、ああ…気持ちいいけど…だけど!」
その時、語気を強めた恵美が俺のスネに蹴りを炸裂させていた。
え!?俺は砂漠の狼のように足下がお留守になっていたのでいきなりの足への攻撃に驚いた。
って!痛てえええええ!俺はMじゃなくどっちかというとSなので痛みしか感じない…めりこむ痛みを感じる。
恵美は身体能力や腕力は平均だけど的確な攻撃が辛い…しかも地味に痛い所を…女子供に蹴られてもここは地味に痛てえよ…
「痛いぞ!強く揉みすぎだ!胸が壊れるかと思った…」
「げふっ!す、すまん…」

45 :俺と素直すぎる衝撃(完全版) その6:2008/02/16(土) 17:45:49 ID:tv2sPDE+
「なあ和彦、君の見せてくれないか?さっきから…大きくなって苦しそうだ」
俺のペニスは、限界までそそり立っていた。
そりゃあ…こんな事したら…ねえ。ズボンを突き破りそうだった。
恵美がしゃがみこみ、俺のズボンを脱がしてくる。
うっ…直接掴んだり、位置を特定するために触る指先が痺れるような快感を与えてくれる。
まずはずぼんの上からだ。
その快感で、俺のペニスはびくりと反応してしまう。
「う、動いたな…これ…男の子ってみんなこうなのか?」
恵美が眼鏡ごしの目で不思議そうな目で見てくる。
「だ、だな、男ならみんなこうだ」
恥じらいつつも、恵美は俺のファスナーを下げ、ペニスを剥き出しにする。
もう血管も浮き、びくびくしてはちきれそうなぐらい勃起している。
女の子から見れば不気味な物かもしれないし、恵美も少し引いている。恵美はその大きさに目を見張った。
「うわっ!!大きい…大きすぎるぞ!私も実際は見た事ないが…何食べたらこんなになるんだ…
日本人の大半は小さいのに…こんな太いの入れたら裂けるな…大きければいいってものでもないが…和彦だからいいとしよう…」
「ほ、ほっとけ…」
明らかに動揺して俺のペニスを見つめている。
いや…俺だってデカくなりすぎたんだよな…おかげでからかわれたし…城壁壊しの大槍とか言われる事は多すぎて…
よくAVとかでデカければいいって言われるけど…実際はそうでもないな…うっ…恵美に見られて興奮して更に大きくなってる…
恵美は好奇心と恥じらいが混ざった複雑な表情をしていた。
恵美はまずきゅっと俺の物を軽く握る。
華奢な指先に触れられただけで射精しそうだった。
恵美の華奢ですべすべした指の感触が心地よかった、しかも好きな女の子にしてもらってるからなおさらだ。
俺のペニスはびくりと震える。
ゆっくりしごく動きで、精液が先端まで集まってくる気がしていた。
「ま、また動いた…堅いけど柔らかい気がする…変な感触だ」
「うっ!?も、もっと強くしてもいいぞ…」
「あ、ああ、そうだ!さっきのお返しに強くするか」
ぎゅうううう!と恵美が痛いぐらい俺のペニスを握り締める。いきなりの刺激に俺は腰を引く。
うっ!?だけど俺のはかちんこちんになっていたし、元々堅いので心地いい。
精液を無理矢理搾り出すような動きだ、乱暴にされて俺のペニスは形を変える。
もう先端に精液が溜まっているのを感じる。
先端から先走りが漏れる、恵美の手がべトつく。
「うっ…べとべとする…もっとしてやるからな…」
でも、それだけじゃなく、恵美は予測していなかった行動にうつった。
俺の物を小さな口に含み、そのまま手を動かした。
舌がぬるぬるとペニスに絡みつく感触が心地よい。
フェラってこんなにいいんだな…恵美が俺の先走りの液を舐め取る。
上目遣いの目線が更に俺の情欲をあおる。
「くっ!めぐ…み…」
「ん!んっ!に、苦い…」
たまには手を離し、裏スジも舐めてくる。
小さい舌が亀頭だけじゃなく、竿も舐めまわす。恵美は俺の物を一杯に加えて、喋れない。
尿道も舐められ、精液がこみ上げてくるのを感じた。俺は気が遠くなる快感を味わっていた。
「うっ!?で、でる!め、めぐ…」
「ん!んっ!ぷはっ…」
俺はもう少しで射精しそうだったし、確実にあと少しでも刺激があれば絶頂を迎えてただろうが、恵美は口を離した。

46 :俺と素直すぎる衝撃(完全版) その7:2008/02/16(土) 17:48:20 ID:tv2sPDE+
俺も必死で我慢していたため、ペニスは先端に精液が溜まってびくびくしている。
「ど、どうして離すんだ?」
「い、いや…その…まだ経験ないから下手かもしれないけどさ…パイズリ…のがいいと思って…
和彦好きだろう?この前和彦から没収してしまった本にそのシーンがあったから」
恵美は相変わらず恥ずかしい単語と恥ずかしい行為で赤くなってしまった。
ああ!あの本か…俺の生涯最高のエロ本が見つかって恵美に没収されたから、本は地獄の業火でくべられました…ショックで寝こみそうなぐらいだった!
「確かに俺好きだけどさ…こんなの胸に挟んだら女の子は気持ち悪くないかな?」
「そうかもしれないな、でもさ、好きな人だから…したいんだ…」
「嬉しいねえ、愛してもらえると、じゃあ頼むよ
恵美はそう言ってしゃがみこみ、自分の胸を持ち上げる。
その光景はまた俺を興奮させる。俺のペニスを恵美は胸で挟みこむ。
「うっ!?恵美…」
ペニスは胸から顔を出し、自己主張している。痺れるような快感だ。
胸の弾力と柔らかさ…恵美が胸を寄せる事で形を変えるのが更にいやらしい。
柔らかさだけじゃなく弾力も伝わって来る、胸の中でびくりとふるえる。
「ひゃっ!動いたか…男性なら当然だよな…」
「いいよ、気持ちいい、いやー!ほんとうれ…うっ!」
恵美が胸を思いっきりぎゅっと寄せて、俺のを挟みこむ。力を入れたおかげで圧縮された快感が伝わる。
動きも速くなって、先ほどよりも強い刺激がペニスに伝わる。
必死で我慢してたけど…さっきので快感が高まって…もう…尿道から熱い物がこみ上げてくるのを感じた。
「だ、出すぞ!うあっ!」
今度こそ射精の時だった、尿道から大量に我慢した精液がほとばしる。
「ひゃあっ!」
その精液は恵美の顔と胸に降り注ぎ、彼女の肌に密着し、口の中にも入り汚れていく…まだ射精が続いてる。
その間に、恵美の顔と胸はどろどろになっていた、眼鏡をかけた顔も精液まみれで、凄い匂いがする。
眼鏡と口には糸を引いた精液がからみついて、とでも淫靡だった。濃度の濃い精液がからみついている。
「あ…出すぎたか…恵美…良かったよ…」
「こほっ!こほっ!苦い…熱い…それに変な匂いする…精液ってこんななのか…出すぎだ…眼鏡も精液まみれで見えないぞ…」
恵美は可愛い舌を出してむせながらそう呟いた。眼鏡をいつもの調子で上げるが、精液がこびりついている。
口の中の精液を無理に喉を鳴らして飲み干すのは淫靡だけど可愛らしかった。
「でも…何故か癖になるな」
「うっ…童貞だから加減を知らないんだな…俺は…」
恵美は立ち上がって、顔の精液をぬぐう。その仕草がますます俺を興奮させる。
「それじゃあ、私にしてもらおうか…恥ずかしいな…これは…でもこうゆうの好きなんだろう…」

47 :俺と素直すぎる衝撃(完全版) その8:2008/02/16(土) 17:51:12 ID:tv2sPDE+
スカートをたくし上げ、青いパンティを露にする。
勿論男はこうゆうしぐさに興奮するのわかってるんだろうけど、一生懸命って事で嫌悪感は感じない。
恵美は青いパンティを脱ぎ、大事な部分を俺に見せる、膣液が滲み出てびしょびしょになってしまっている。
脱いだ時、今までの事で興奮していたのか、愛液がパンティを伝い、糸を引いていた。
その膣口は刺激が強い桃色をしていて、未成熟なのか閉じてる感じで、そのわずかな入り口から多数蠢いているヒダが確認出来る。
その上にあるクリトリスも。毛は量が少ないけど、それがまた彼女らしい。
うわ…少し過激だな…モザイクとかなしで見ると…
綺麗な足も、可愛いお尻も見えて俺の興奮を更に倍増させる。
「濡れてるな…」
「いやだな…そう言われると恥ずかしいぞ、その…してくれ…」
恵美はベッドに座りこみ、俺の事を待っていた。
俺は釣られるようになって、恵美の膣口に軽く触れる、ぬるぬるしてて、妙な感触だな。
「ひゃっ!?」
恵美は快感と言うか痺れる感触を感じたようで、驚いていた。
「自分で触るのとは違うな…好きな男の子にされると…」
「自分とじゃ違うからね」
俺はそう言い、いきなり意外と小さい尻に手を伸ばした。
でも形は良いし、俺好みだな。
胸より少し堅いけど、それでも柔らかい感触が伝わって来て、すべすべしている。
締まった感じで良い感じに堅い部分もある。
俺はその感触に魅了された。
恵美の顔は快楽を感じているようだ、これぐらいなら痛くもないから。
「ああっ!?い、いきなりか…不意打ちだな…」
俺はそれから、恵美の膣口に触れ、指を入れ中身に触れる。
うっ…狭いな…俺の指がぎゅうぎゅう締めつけられる、処女だからきついのか。
俺の指はぎちぎちになる。
ぬるぬるした感触と、指にかなりの数のヒダが絡んでくるのを感じる。
未知の感触に俺は酔いしれていた。
「あ!ああっ!」
指を動かすと、少しづつ濡れてくる、膣液が漏れてきているんだ。
指はすっかり濡れてる…身体中がびくんと震える。
それに呼応して、俺の指も更に締めつけられる。
ぎゅうぎゅうの膣内を俺は指を更にかきまわし、スピードを上げる。
ヒダも俺の動きに合わせるように指にまとわりついてくる。
「ううっ!はあっ!ゆ、指が!はああ!」
恵美は激しく息を切らせ、眼鏡も落ちそうになっていた。
表情は苦しそうだけど気分悪いようではなく、恥じらいと快感でこうなってるんだろうな。
口から唾液が漏れてしまっている。俺は頭を下げ、恵美の膣口を広げる。
弾力も感じてくるし、小さくても流石に子供が出てくるんだから伸びるのは必然だよな。俺は女体の神秘に感動していた。
「うっ…痛い…広げないで…でも…いいぞ…」
少し痛そうなリアクションだったが心地よいようだ。
「可愛いよ…もっと感じてる顔が見たい・・・」俺はたまらなくなり、恵美の膣口に舌を入れた。
ぐにぐにして変な感触で、溢れる膣液は苦かった。
ヒダを舌に感じ、おかしな気分だけど気持ち良かった。
恵美の身体がびくびくしている、顔も普段からは想像出来ないぐらいだらしなくなって、唾液も沢山漏れて…声も高くなってくる。
「だ!駄目だ!いく!イっちゃう!あああああ!!」
恵美の身体がびくんびくんと震え、顔も完全に快楽で飛んでしまった顔だった。
絶頂を迎えたんだよな…これで。どんどん愛液が溢れ出してきて、それを俺は飲み干す。
でも、好きな女の子の身体から出てきた物だから苦くても全然大丈夫だ。
絶頂を迎えたのに愛液を舐め取ると、不快感直前の快感を感じ、身体が震える。
「ひゃっ…やらしいよ…やらしい…沢山出てきちゃったぞ…舌が…でも…良かった…そろそろ…来てくれ…私のおま○こに…和彦のちん○んを…」
恵美は開脚し、狭い膣口を指で広げ、最後の行為を誘っていた。
恥じらいと快感が同居した表情だ。刺激的な花びらが目に入る。
俺のペニスもはちきれんばかりに勃起し、恵美の中に入りたくなった。

48 :俺と素直すぎる衝撃(完全版) その9:2008/02/16(土) 17:57:58 ID:tv2sPDE+
恵美の口から放たれる恥ずかしい台詞で俺の何かが切れた。
「うん…俺も色々したくなったから…そろそろ…挿れるぞ…」
俺はペニスを押さえながら、ぬるぬるした膣口にペニスをこすらせる。
ぬるぬるした感触が膣口に抑えられた感触で恵美は震える、敏感なんだな、独得の感触なのは確かだけど。
「っ!」
俺はようやく探り当てて。少しづつ中に入れる、恵美のは小さいため、俺のと大分サイズが違うため、少し無理をしてペニスの先端を挿入した。
ごりごりとめり込ませるような感覚だけど、気持ちいい。
「ああああっ!は、入って…くるぅ…」
「うっ!?これが女の子の中…なのか…」
童貞の俺は始めて味わう女の子の中に感動していた。
ぬるぬるしていて、襞もいくつも絡んできて、俺のをきつく締めつける。
俺のが千切れそうなぐらいしめつけてきて、中に弾力を感じる。
恵美は意識してないのだろうが、激しく締めつけてきて今でもイキそうだった。
キツイけど…先端でも快感が伝わる、だけど、俺は気持ち良くても恵美は痛いようだ。
これで童貞卒業か…
「ああっ!ぐっ!は、入ってるんだな…」
「き、きついぞ…締めつけるな…」
「はあ…いや無意識になったんだ…締めつけるのは…少し入ってるだけなのに…大きい…」
俺は入り口の辺りで軽く腰を往復させる。
キツイのは押し返そうとしているからだろうな、異物を。
試しに奥まで進めてみると、行き止まりみたいな固い物があった、これが処女膜なのか…
「あ!当たってる…」
「や、破っていいのか…痛いと思うけど…」
「はっ!ああああ!や、やってくれ…一気に破って欲し…うあっ!私の始めてをもらってくれ…だが…君としかしないけどな…」
俺は恵美の言葉に惹かれ、腰を後ろに引いて、思いっきり突き出す。
何かが破れる感覚が確かに感じた。
「い、ああああああああああ!!!!」
「だ、大丈夫か!?」
「い…痛い…けど…なんとか…和彦…」
そして、恵美の膣内から一筋の血が出てきた。
シーツに少量の鮮血が零れ落ちる、これが彼女の純潔の証で、俺のペニスにも血が付着した。
恵美は痛さで悲鳴を上げ、俺の背中に手を回し、力を入れ爪を食いこませてくる。
彼女は痛さで歯を食いしばっている。
「いたっ!」
肉に爪が食い込み俺も痛いけど、恵美のほうが痛いんだから、これぐらいは我慢しないとな。

49 :俺と素直すぎる衝撃(完全版) その10:2008/02/16(土) 17:58:33 ID:tv2sPDE+
「痛い…痛い…でも、女の子はみんなこうなんだよな…私の中に入ってる…血…これが純潔の証なんだな…」
恵美は痛みで涙を浮かべているが、必死で耐えている、泣きそうな顔で、俺と繋がっている部分を眺める。
そんな恵美が愛しい。
奥まで俺の物は挿入されていて、小さい膣口に無理矢理めり込ませている。
根本まで無理矢理入れて、ぎゅうぎゅうと締めつけてくる快感で、俺の快感は更に高まる。
俺は痛そうなので少し休む、恵美の顔の苦痛がゆるんできた、快感を感じ初めてきたのか。
「はあ…はあ…和彦…好きに突いていいぞ…気持ち良くなってきたから・・・やりたいように。私のおま○こをち○ちんでかきまわしてくれ…」
「わかった…それじゃあ、したいようにするから」
俺は恵美の言葉に惹かれた、まさかこんないやらしい事を言うなんて。
俺は思いっきり腰を動かし、往復させる。壊れそうなぐらいだ。
その度に動きに呼応するようにぎゅうぎゅうしめつけてきて、かなりの数のヒダが絡んでくる。
熱い…恵美の中…動く度に快感を与えてくれる、互いに息遣いが荒くなる。
腰の動きは壊れそうなぐらい激しくなり、俺のペニスは射精を我慢し、限界まで膨れていた。
「あああっ!激しい!熱くて大きい…壊れて…しまう…大きくて…裂ける!」
「気持ちいい…気持ちいいよ…」
恵美は嬌声を上げる。恵美の大きな胸がぷるんぷるんと揺れる。俺は乳首を吸い上げた。
何故か堅い乳首が心地よく、出ないけど吸われる感触に恵美は酔っていた
「くっ!あああ!あそこも…胸も…おかしくなっちゃう!」
それから胸を揉みしだく、形が変わり手にぷにぷにした感触が伝わってくる。
俺は腰の動きを止めない、動かしたほうが気持ちいいから、恵美はよだれを出してしまって、顔も快楽に酔っていた。
「ああっ!大き…すぎる…お腹…壊れちゃいそうだ!気持ちいい!胸も…あそこも…いいよ…今日安全だから出しても。くっ!も、もう…イキそ…う、ああああああああ!!!」
「お、俺…も…もう出る…くうあっ!!ああああああ!!」
俺も根本から快感を送られ、先端に大量の精液がこみ上げるのを感じていた。
恵美のが若干先にイったのか、愛液が俺のペニスにかかる。恵美のイった表情はだらしなくよだれを出していたけど、彩る涙と大きな声が可愛い。
俺は恵美を見て興奮が高まり、奥までごりごりとめりこませ、快感の限界を超え、どくどくどくと大量の精液を勢い良く吐き出す。
大量に奥まで吐き出すけど、恵美のはまだぎゅうぎゅうと締めつけていたため、射精は泊まらない。
止めど無く白い精液で恵美の中を満たしていく、俺のが蓋になっているため、中に精液が蓋になっているいるような感じだ。
「ああ!熱い!ま、まだ出るのか…ああっ!あ…つ…い…量が多いな…」
恵美は眼鏡ごしの瞳で、余韻に浸った酔った目で俺を見ていた。
ようやく射精が収まり、俺がペニスを抜くと、精液と愛液と血が混ざった液体がどろどろと出てきた、俺はこんなに出したんだ…
「出しすぎだな…互いに…」
「良かったよ…恵美…」
「うん…痛かったけど私も…気持ち良かった…それだけじゃなく、あったかいな和彦」
俺達は抱き合って、しばらく余韻を感じていた、女の子の身体は柔らかいな。
セックスじゃなくでも、抱き合うと、互いの事を感じられるな。俺の激しさで恵美の疲れた顔が可愛らしかった。

50 :俺と素直すぎる衝撃(完全版) エピローグ:2008/02/16(土) 18:11:24 ID:tv2sPDE+
数日後、俺と恵美はセックスしてしまったけど、それ以外に特別な事もなく、いつもよりいちゃつく事が多くなっただけで、いつも通りの日々を過ごしていた。
今日はバレンタインの日だ、恵美はバレンタインのためにチョコを作ってくれるらしいが…
また苦痛を味わう可能性大だな…頑張ろう…あ・・・思い出しただけでもネガティブな負のオーラが身体にまとわりついてきた…
でも、味は別として恵美に作ってもらえるのは嬉しい。変わらないけど楽しい日々だ。
俺が校門の所を歩いていると、そこで俺の女友達、加宮芙美(かみやふみ)がチョコを持って俺の所に向かってきた。
いわゆるツンデレってやつだな。顔を赤くしながら乱暴に俺にチョコを押し付けてくる。
「よお、加宮、ん?俺にチョコくれるの?」
「ふ、ふん!義理だからね!どうせチョコもらえないからめぐんでやるのよ!か、勘違いしないでよね!あんたの事なんか嫌いなんだから!」
残念でした、今年は恵美と母さんですでに2個保証済みなんだ。
あ…でも…母さんからもらうのは悲しいなあ…俺は彼女がいるけどモテない奴なのであまりもらってないが…
去年はバイト先の女の子っぽい男からもらったなあ…涙の味がしたんだ…
ちなみに、普通のツンデレならマジで好意抱いてるような台詞だが、加宮の場合ただの癖だったりする。恵むとかそんな感じで。
その時、後方から光速で接近してくる熱源が確認出来た。こんなスピードで迫れる女子生徒なんていやしません!
あ…一人だけいたな…猛スピードで恵美が走ってきて、俺に激突した。
バトル漫画のように口から胃液と血がこみ上げてきた、と言うかマジでそれぐらい痛い。意識がとび…そ…う…だ…
それから恵美は背中から俺の腰をぎゅううっと両腕で抱きしめた。
背中にやわやわとした胸の感触が伝わる。
胸がたわむ感触がして心地良いし柔らかい、けど、けどな!
メキメキと俺のあばらを破壊する音が聞える。
骨がきしむ、力は普段とはまったく比較にならない、俺の事になると発揮する力が強すぎる!ヘルプミー!
胸の感触なんてまったく気にならなくなった。折れる!マジで!
「チョコはあげてもいいけど、和彦は私の恋人だ!渡さんぞ!」
恵美が大声を張り上げて言う、しかも真顔で。
あのー、…恋人だって事が広まったんですけど…生徒の間からざわざわと声が聞えてくる。
「ふ、ふん!瀬木なんて嫌いなんだから!全然関係なんて!ないんだからね!」
「そうか、それならいいんだ」
恵美はそう言うけど…まだ俺腕放してもらってないんですけど…しかも見られてるし、校内新聞に書いて欲しいとしか思えない。
多分浮気したら俺は酷い目に合うだろうな、恵美が酷い目に合わそうが、そうでなくとも浮気はしないし、恵美は好きだけど、ここまで愛が凄いと浮気したらヤンデレになりそうだ。
多分こんな感じでお仕置きされると思う(真似したら死ぬか、人生を平然と生きられなくなるので誰もするな)。

@ 極寒の大地の氷柱に上半身ほぼ半裸で氷が当たるようにして括り付けてそのまま放置。
A 墨汁の一気のみ。
B 俺が学校の屋上で「恵美!好きだ!愛してるんだよ!恵美ー!告白する前から好きだった!好きなんてもんじゃない!(略)
恵美を抱きしめたいんだー!潰しちゃうぐらい抱きしめたい!(略)
恵美!君が言うなら北極の中で素っ裸で出ろと言うならやってもみせる!」と主張する事になる。
恵美は素直すぎるのでダメージはないが、俺のダメージは確実に大きい。
多分その後クラスメートに「いいじゃないか、お金かかるわけじゃあるまいし」とか「かあー!てめえ立派じゃねえか!」とか言われると予想。
C 浮気した場合相手もろともレーザーソーで抹殺。

俺は折られそうなので、恵美に声をかける。
「恵美、浮気じゃないから安心して欲しい、手離してくれないか?」
「ああ、悪かったな。君への想いが強すぎたんだよ」
恵美がようやく腕を離す。
胸の感触は最高だったけど。
さて、周囲の視線が集まっているな、困った…でも、振りまわされるのは悪くない。
これからきっと恥ずかしい事言われたり、不味い料理で振りまわされるんだろうけど、それも恵美の魅力だし。
じゃあ、俺からも素直になるか、恥ずかしいけど。
俺はこれからする事を考えて顔を赤くしていたと思う、顔が熱くなるのを感じる。
しゃがみこみ、恵美の手の甲にキスをする。
すべすべした手の感触を唇に感じる。
「あ…」
「恵美、俺も好きだ」
多分、俺も恵美も顔が赤かったと思う。
俺はこれから恵美が自覚してなくとも振りまわされるし、俺も少し振りまわしそうとわかっていたけど。
そんな日々が楽しみだった。

おしまい

51 :名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 18:29:40 ID:tv2sPDE+
以上です、コメディテイストで軽い恋愛で書いてみました。
コメディとか好きですので。パロネタは好きな作品から拝借です。
エロい部分多いけど、少しでも楽しんで頂ければ幸いですね。

52 :名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 18:45:14 ID:Naj2EhM8
確か前スレにもあったよな、この話。

53 :名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 18:53:52 ID:o0k7if9Z
>>51
 力作乙です。
 ただ、ちょっと気になるところが。

・全体的に、推敲が足りない印象です。
 誤字もそうですが、一文の中に同じ単語が二回現れる部分なども
 気をつけた方がいいかと思います。

・恋人になるシーン、スル−しすぎ
>それから、俺達は気が合う部分がわかってきて、
>互いに恋人同士になったんだ。
 え、これだけ? ちょ、みんなここが読みたいんじゃw

 恵美ちゃんのキャラはエロよりも日常で立つものだと
 思います。こういうところをじっくり読ませてほしかったな、と。

 勝手を言ってごめんなさい。
 ここまで書けるのであればもうすこし推敲すれば
 かなりよくなると思うので、次作に期待させてくださいね。

>>52
 投下前にそうアナウンスありましたよ。


54 :名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 20:01:42 ID:iaZmUPXH
そろそろ467さんの何とか型何とか系が読みたいでやんす。

55 :名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 20:11:39 ID:Naj2EhM8
>>53
今読み返してみたら確かにそう書いてあった。
よく読まないで書き込んでしまった。
失礼した。
>>51もすまない。

56 :名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 10:08:27 ID:rFdZf3vE
>>54に同意

57 :名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 20:25:20 ID:KfQCTCAg
スレが進んでると思ったら何の実りもないリクエストだけだったというこっちの身にもなってくれないか

58 : ◆uW6wAi1FeE :2008/02/17(日) 20:26:17 ID:nIbIW3Ay
みなさん明けましておめでとうございます。
正月も節分もバレンタインもぶっちぎって既にこんな時期です。
いや、節分とバレンタインは、去年ネタにしたけど。

それはそうと、今回もある意味の時期ネタで。

59 : ◆uW6wAi1FeE :2008/02/17(日) 20:27:17 ID:nIbIW3Ay
 
「ごほっ……! っごほごほ……ぅげっほ! ……う゛ぅぅ〜〜」
「紛うコトなく風邪だね、コレは」
「だな。ゆだ……ぇほ、した……」
 息も絶え絶えに、ミサキは答える。
 体温計に示された数字は、平熱よりも少し高め。
 鼻が詰まり熱が篭っているが、インフルエンザでないのは、彼女にとって不幸中の幸いか。
「この時期にまあ。とはいえ、本命の受験は終えたし、滑り止めも幾つか合格しているんだろう?」
 シンは、やや呆れ顔で体温計をケースに仕舞った。
「ああ……あと、は……念の為……出が、ん、げほ! ……ぅぇ」
「あー、無理に喋らなくていいから。ま、残りは縁が無かったと諦めて、ゆっくり休みなさい」
 優しく諭すと、今日ばかりは素直に言うコトを聞き、しっかり布団を被る。
「――うん、そうする」
 こんな時ばかりのしおらしさ。まるで珍獣でも見るかのような微笑ましさを得る。
 失礼なことを考えながら、シンは苦笑した。


「えっくし! っくし! へぶちっ! っぷ――ぉあ゛ぁ〜〜……」
 豪快なクシャミが、少女の部屋に響く。
 リンゴの皮を剥く手を止めず、シンは率直な感想を述べた。
「うら若き乙女が、色気無いな」
 クシャミのしかたもさることながら、かみすぎで荒れた鼻と、丸めたティッシュで埋まったゴミ箱では、さすがに。
 当人の趣味により、寝巻きは浴衣。下着は襦袢。
 汗により微かに透けた生地と、気が回らずに少々はだけた胸元は、普段なら男を惑わすに充分な要素を持つはずなのだが……。
「火照った顔を武器に、誘うこともできないな……ていうか、っぷし! 今日に限って……は、ふぁ」
 話の途中で、鼻をむずがる。
「……乗られたら死ぬな」
 治まったようだ。落ち着かずに気持ち悪い、とでも言いたげな表情を見せる。
「だから大丈夫だって。襲うような色気無いから」
「む。言い方は気になるが……確かに。この症状は、っこほ。長引く、というか、後に残るな……そういう体質なんだ」
「慣れてるんだ」
「昔は……身体が弱かったから。今も、……っ……ごほ、時々、な」
 曰く、大事には至らず、長くとも数日もすれば落ち着くだろう。が、経験上、一週間……下手すれば数週間は、気管支の調子が悪く、咳をする頻度は高いだろうとのこと。
 厄介な話だが、体質なら仕方ない。日常生活に困るのも、たった数日というなら、手厚く看病してやるとしよう。
 しかし、タイミングは中々良いようで。
「私が休みの日で良かったね」
「一人じゃないって……心強い、な」
「と、頼りにしてくれてるところ悪いけど、買出しに行ってくるよ」
 いつの間にか皮を剥くどころか、摩り下ろし終わっていたリンゴを、シンはミサキに手渡す。
 一瞬、ミサキは不安そうな顔をしたが、キッチン周りの様子を思うと、残念そうに項垂れた。
 兵糧はあまりに乏しい。もともと、こんな体調でなければ、彼女自身が買出しに行くつもりだったのだ。
 食べ終わると、力無く呟く。
「仕方ないか……」
「夕飯は、おじやかうどんあたりでいいかい?」
 本日食べたいもののリクエスト。……正直、食べやすく消化が良ければ何でもいい。その点では、今挙げられたものはうってつけだった。
 横になって目蓋を塞ぎ、意識を闇に落としつつ、ミサキは有り体に返した。
「――任せる……」
「了解」

60 : ◆uW6wAi1FeE :2008/02/17(日) 20:28:54 ID:nIbIW3Ay
 

 夕方のスーパーで、買い物籠片手に、主夫となっている目付きの悪い男が一人。
「さて、と。風邪薬も買ったし、栄養剤も買った。後は、いざ――」
 冷蔵庫の中身は心許ない。看病の手間もあるし、何度も買い物するのも面倒だ。ここは一気に補充と洒落込もう。
 ちらりと、時間を確認する。僅かの遅れも無いよう、タイミングを図る。
 ゴングの時間まであと、
 5、4、3、2、1。

『タイムサービス開始します!』

 戦場へ――!


 浅い眠りより覚めると、重い身体に鞭打って、枕元の棚上に設えられた水差しへ手を伸ばす。
「――ふぅ」
 コップに注いだ水を飲み干し、咽喉を湿らせる。
 病気をした時は、何より水が美味い。自らの熱で失った半身を取り戻すかのように、体外へ流れ出た水分が全身へと満ちるような感覚。
 だが、コップ一杯程度では物足りない。あと二、三杯……。
「ん?」
 水差しへ手を伸ばすが、もう中身は少ない。手中のコップ三分の一ほど注いだところで、空になってしまうだろう。
 思えば、さっきから間を置いては水を飲んでばかり。知らず知らず、かなりの量を摂取していたようだ。
 仕方が無い。あまりベッドから出たくはないが、欲求がそれを上回った。
 椅子の背もたれにかけてあった半纏を羽織り、空っぽの水差しを手にキッチンへ向かう。
 たかが家の中の移動ながら、足取りは重い。
 腕、肩、脚、その他諸々。使う頻度の高い筋肉が、重度の筋肉痛のように悲鳴を上げている。
 早く目的を果たしたい。
 ダイニングに入って棚から新しいコップを出すと、ふと、テーブルの上の書置きに気付く。
「どこまで読んでるんだ……あの男は……」
 水分補給に起きることを想定していたのか。
 まさかここに眼が行くとまで予測の範疇なのだろうか。
 ここまでくると、いっそ空恐ろしさを感じることも無く、ただ呆れかえる。

 冷蔵庫の中にスポーツドリンクを冷やしてある。(PS.枕元だと、気付かなさそうなので)

 薄っぺらいメモ用紙には、流麗な字体でそう記述されていた。

61 : ◆uW6wAi1FeE :2008/02/17(日) 20:29:59 ID:nIbIW3Ay
 
「っく……フラフラ、するな……早く布団に……」
 体液に合わせて調整された飲料を胃に流し込むも、一息つくとはいかなかった。渇きは一時的に治まったが、依然体調不良は続いている。
 許されるなら、今にもここで眠ってしまいたいくらいだが、さすがにそうはいかない。
 症状を悪化させるようなことも、家主に過剰な心配をかけるようなこともしたくない。
 もっとも、意識が朦朧とするというタイプでもない為、その場で昏倒するようなことはないのだが。
 覚醒状態である限り、酷い頭痛に苛まれている性質の風邪だ。眠気自体はある。布団の中に身体を投げ出せば、いつでも眠りに落ちることはできる。
 が、そのレベルで安心できる場でもなければ、かえって意識は鮮明となるのだから困り者だ。
 心臓の鼓動に呼応したリズムで、頭の血流を知覚する。一度動けば、頭痛は一回。百回動いても、やはり百回。動悸と共に、頻度は加速する。
 まるで血管が破裂寸前ではないかと思うほどの錯覚。
「ったま痛い……ホント痛い。いい加減に、してくれ……割りと、切実に」
 誰にとも無く愚痴が漏れる。そうでもして痛みを紛らわせなければ、正直やっていられない。
 行きは良い良い帰りはこわい。昔、祖母と歌った童謡の一節が思い起こされる。
 眠ればとりあえず落ち着くだろうが、ベッドまでの道のりは遠い。
 となると、理不尽なのは解っていても、誰かに怒りをぶつけたくなるもので。
 携帯を見れば、まださして時間は経っていない。メールも着信も無い。普通に買い物しても、これくらいはかかるだろう。当然、連絡入れる理由は皆無。
 それでも、言う。
「愛するあたしを……放っておいて……何処をほっつき、歩いてるんだ、あの――悪人面!」
「誰が誰を何してどうしてるって?」
「ひゃっ、わ!?」
 突如開いたドアに不意を打たれ、思わずバランスを崩す。
「っと。酷い言われようだ」
 大荷物を両手に下げながらも、フラつくミサキをしっかり抱きとめた。
 悪口も、シンは苦笑して許す。
 風邪による苛つきで当たってくるなど、可愛いものだ。受け皿があるからこそ、安心して悪口も吐ける。ここは度量を示すのが大人の対応だろう。
「むー……、不覚」
 シンの手には、大きな袋が二つ。万全な自分でも、片方だけで難儀しそうに思える。それでも涼しい顔で人一人を受け止めるとは。
 さりげなく、こつんと頭を彼に寄せてみれば、逞しい胸板の奥で脈打つ音楽が耳に届く。
 心音は、動物を安心させるリズムで奏でられていると聞く。ゆっくりと目を閉じれば、優しい鼓動が、痛みと熱を和らげるため身体に染み渡るかのようだ。
 ただ一瞬。時間を忘れ、膝から力が抜ける。
「さ。ベッドに戻ろう」
「あ」
 ミサキが倒れないように身体を支えつつ、床に荷物を置くなり、両手で彼女を抱え上げる。
 シンの右腕は、ミサキの肩の裏を。左腕は膝の裏を横切り、二本の線で体重を支える。俗に言う、お姫様抱っことなった。
 いつにない待遇。
「……サービス?」
「病人には優しく。当たり前だろう?」
「――……うぅ〜〜〜」
 鋭くも穏やかな瞳に湛えられた茶目っ気と、それによる子供っぽい光。
 今更、自らの姿を意識し、知らずにはだけていた胸元を正す。こんな体調のせいか、何やら気恥ずかしい。
 両腕をシンの首裏に回して、ぎゅっと力を込め、密着の度合いを上げた。彼の匂いを感じながら、なるべく自然に顔を隠す。
 そのまま部屋に通され、ベッドの上に下ろされる。
「食事が完成するまで、もう少し眠っているといい」
「うん――ありがと」
 頭を撫でられ、心と身体がむず痒かった。

62 : ◆uW6wAi1FeE :2008/02/17(日) 20:31:36 ID:nIbIW3Ay
 

「さて。それじゃ、調理開始といくか」
 人参、玉ねぎ、挽肉、各種キノコ等を細切れにし、鰹だしのめんつゆで煮込む。
 火が通ったところで、味醂、酒、醤油、塩コショウで軽く味を調える。もともと味付き。入れすぎてバランスを崩さないように。
 さらに煮込んで味が馴染んだところで、水溶き片栗粉でとろみをつけて餡に仕上げる。
 小皿に餡を取り、味を確かめる。
「よし、こんなものか」
 普段よりも、若干濃い目の味付け。
 別鍋で茹でておいた素うどんを丼に取り、その上に餡をかけて完成。薬味は少々。お好みのものを。
 二人分をお盆に乗せて、ミサキの部屋へ運ぶ。


 ドアをノックすると、中で動く気配を感じる。
 どうやら目覚めているようだ。今はおそらく、上着でも着込んでいるのだろう。
「どうぞ」
 数秒後、了承が出たので中に入る。案の定、半纏姿のミサキに迎えられた。
 棚の上に盆を置く。
「ほら、できたよ」
「こほっごほっ。折角の、休みに……いつも済まないねェ」
「お嬢さん。それは言わない約束だろ」
 シンはベッドの脇に椅子を寄せて、そこへ腰掛けた。
「――――面白い?」
「あまり……」
 気まずそうに、ミサキは眼を逸らす。
 彼女の決死のボケにノッてはみたものの、これは……。機会と見て、やりたくなった気持ちも解らないではないのだが。
 とりあえず無かったことにして、ミサキに中身が少ないほうの丼と箸を渡した。
「まあ、本格的に看病したほうが良いのは今日くらいだろうし、別に気にしないでいいよ。こんな機会は珍しいし」
「そ?」
「正直な話、その程度、放っておいても治るだろう?」
「病人にその言い方は……事実だが」
「幻滅したかい?」
「いいや……。そんな簡単に……幻滅するなら……押しかけ女房は、気取らない」
 ミサキは、息を吹きかけながら食べ始める。それを見て、シンも箸を取った。
 二人で麺を啜る音が部屋に響く。シンはあっさり完食。彼女が食べ終わるのを、静かに待つ。
 半分ほど食べたところで、不意に彼女の口から笑いが漏れる。
「ふふ……」
「どうした?」
「こうやって……看病してもらえ、るなら……こほっ……たまには、風邪も悪くない……かな」
「――本音は?」

「風邪なんてひくもんじゃない……」
 痛みに顔をゆがめながら。
 これ以上食べきれないと、悔恨の情を滲ませつつ、彼女は箸を置いた。

63 : ◆uW6wAi1FeE :2008/02/17(日) 20:34:35 ID:nIbIW3Ay
 
うん。まあ、ちょっと前の俺からのインスピレーション。
新年早々、ついてなかったねぇ。

次回は、もうちょっと事態が動く予定。
作中時期も、いい加減春が近くなりそうなので。

64 :名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 21:48:30 ID:AdJT91qR
GJ!!!
いいな、この二人やっぱり好きだわ。
なんか猛烈にうどんが食べたくなってきた…
餡かけうどんか……今度作ってみよう。

65 :名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 12:21:15 ID:SudcmCRm
>>53
アドバイス&感想どうもです。
力作と言って下さって感謝ですね。
ああ、エロ要素重視するから穴が出来てしまいましたか(汗)
確かに見返してみると恵美のキャラはデートのが生きてる気がしてきました。
エロだから恋人になるシーンとかカットしてしまったんですけどね。
次はその恋人になるまでの展開でも書いてみようと思ってます。

>>55
たまにある事ですし、気にしなくても良いですよ。
わかって下さったなら。

66 :名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 22:49:54 ID:aHaiFJ2s
シンとミサキGJ!!
楽しみにしてますm(_ _)m

67 :名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 08:03:51 ID:HaPzgtp0
保守

68 :名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 02:23:51 ID:3L02v2nM
瑞希きぼうサゲ

69 :名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 13:26:16 ID:T4iflpkn
若干スレの趣旨とは外れるが
素直クールの男×ツンデレな女の組み合わせはOKなんだろうか
男の素直な愛情表現に、人前ではツンツンしているが2人の世界になると
周りが砂を吐くほどのバカップルになる女とか

70 :名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 14:55:34 ID:cW81ygLD
>>69
それは新しい……かも。
でもツンデレスレや気の強いスレの管轄のような気もするし、どうだろう。

71 :名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 15:26:59 ID:YU/USHtL
>>69
このスレはあくまで、「素直でクールな女の子」がテーマだから、そういうのはツンデレスレじゃないか?

72 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:40:04 ID:Wg8OvEh4
「よっ…!」
畳が衝撃を吸収する。同時に審判の腕が上がった。
「一本!」
「シャッ!」
由羽は拳を握った。

「おいおい……ガッツポーズは不味いだろ」
「あのくらいならまあ、いいんじゃないのか?」
腕組みをしながら観戦していた訓は当馬に答えた。
「しかし乙古、一野進の奴め文大付属の副将に一本勝ちしたぞ」
「ああ、そうだな」
「……練習の時は実力隠してでもいたのか?」
「単に集中力の問題だろ。よっぽど……試合に集中してるってコトだな」
由羽はいつもどこか散漫な所があった。試合で負けても一通り悔しがればサッパリしたもので
それが訓には羨ましくもあり、理解しがたくもあった。訓は負けや納得のいかない試合は今でも覚えている。



試合も進んでいくと、嫌がおうにも残った選手に注目が集まっていった。
「技あり!合わせて一本!」
小内刈りを決めて試合場を後にする訓にも、周囲の目が向けられる。
「釜瀬商の半羽(ハンパ)が負けた!?」
「相手は一年だろ?」
「あれ、乙古じゃないか?全中ベスト16の!」
噂が耳に入るに及び、楼里は訓への認識を改めることになっていった。
(乙古さん……強かったんだ……)
観客席から降りて、もっと近くで見たくもある……が、自分の身長では他人の肩しか見れないだろうと楼里は溜息をついた。
時計はとっくに十二時を回っている。
「あの一年も強いぞ!?これでベスト4だ」
「また一高じゃないか!?どうなってるんだ今年の一高は?」
「ありゃ一野進だろ?乙古と同じ中学の」
県大会には5人まで出場出来る。この後は準決勝の前に五位決定戦が始まるのだ。
暫く時間が出来ると楼里はカバンを持って席を立った。



「いちる、レモンある?」
「作ってきてるよ」
訓は一流の取り出したタッパーから、レモンの蜂蜜漬けを摘んだ。
「さっき守猶が観客席に居たけど?」
寝技をかけているときに視界に入ったのだ。
「由羽くん、試合終わっても誰とも話さずに集中してるからね」
「ふーん……あの由羽がね」
一流の家に飾ってあった日本刀を訓は思い出した。
コッソリ一度抜いてみたそれは、鏡のように美しく、氷のように誰も寄せ付けない鋭利さがあった。
(刀の気品は鞘あってこそなのかもな)
今の由羽は抜き身のギラついた刀だ。それは観賞用の打刀ではなく、野太刀のそれだろう。
「………」
「どうしたの?訓」
「いや、いちるは俺の傍に居てくれよ。そっちの方が力が出る」
蜂蜜の甘さとレモンの酸味が訓の口の中に広がった。

73 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:41:43 ID:Wg8OvEh4
.
トイレの洗面台の蛇口を捻る。
水が加減を知らないように爆ぜながら流れた。
由羽は叩きつける水を掬い、顔を洗った。
「後一人……」
今までこんなに集中して柔道に臨んだことは無かった。
由羽は鏡に映る自分の顔を見る。別に何の変わりもない、いつもの自分の顔だ。
「…………」
由羽は右手で蛇口を閉めた。袖で顔を拭う。
「愉しんでる…のか?コレって……」
あと一人勝てば訓と本気で闘える。
訓と闘うのは半身を切り取られるように……辛い。
しかし、徐々に上がってくるこの動悸は辛さだけでなく、どうしようもない高揚感を運んできている。
(俺は訓に勝ちたいのか……?)
鏡の向こうの自分に由羽は問いかけた。

その男は顔に出来た痣をさすりながら笑っていた。
「いいのかよ、シュツジョーテーシになるんじゃねーの?喧嘩なんかしたらさ」
「ははっ……ま、俺が勝ったなら兎も角、負けちまったのに告げ口するような奴はいねーだろーよ」
幼い頃の由羽にとって、中学生のその男の手はひどく大きく見えたのを覚えている。
「バッカみてぇ。相手コーコーセイなんだろ?勝てるわけねぇじゃん」
その頃の由羽にとって、高校生は大人だった。その大人に中学生といえど子供のその男が勝てるはずないのだと。
「アホ、それがいいんじゃねえか」
「はぁ?」
「先が見えない勝負をするとさ……なんか自分が自分じゃないものになれそうな気がするんだよ」
由羽はこの時のコトを思い出すと、弾んでいる言葉とは裏腹に目は深く沈んでいたのではないかと思える。
「そしたら多少はマシに見えるんだ、周りの全部が。お前ならわかるだろ?」
「…………」
男の言ってる言葉の意味なんて分からなかった。なのに、その時の由羽は肯定も否定もしなかったのだ。
「いいか、この傷は俺が転けて花壇に顔をぶつけた傷な。お前はその目撃者だ!OK?」
「OKです!」
「みんなには俺が喧嘩したことは内緒だぞ。男の約束だ!」
「約束!」
「いちるにも内緒、訓にも内緒」
「訓にも?」
由羽は道場で知り合った友達の名前を繰り返した。訓は口が堅いし、自分と同じで男の味方だと由羽は思っていた。
「だって、訓に言ったらいちるにバレるだろ?」
「おぉ!」
確かに。訓がいくら口が堅くても一流の前では無意味だった。
納得がいった由羽は男と顔を見合わせると、大笑いをしたのだった。

「先が見えない……か」
自分の息で曇った鏡を由羽は拭いもせずに後にした。
まだ五位決定戦は続いているだろう。それに訓のいるブロックの方が進行が遅れていた。
「あ、由羽さん!!」
「え?」
それは由羽には意外な声だった。
「楼里ちゃん?」
「はい!」
「…………」
無碍にするわけにもいかない。由羽は足を止めた。
「どうして、ここに?」
由羽が訊ねると、楼里は困ったような、哀しそうな顔をした。
楼里からすれば、彼女がここにいるのは由羽の応援をする為以外の理由は無い。
それが由羽には伝わってない。楼里の関係者に柔道をする人間でもいるのかと突飛な考え方をしてるのだろうか?
いや、それ以前に由羽は本当に、純粋に、何故楼里がいるのかを不思議に思ったのだ。
「由羽さんの応援に……」
「あ……そっか」
由羽はそんな当たり前のコトを思いつかなかった自分を笑った。
それは少し楼里の気持ちを晴れやかにするものではあった。

74 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:42:51 ID:Wg8OvEh4
「あの、サンドイッチ作ってきたんですけど……」
「楼里ちゃんが?」
コクン、と楼里が頷いたのを見て由羽は少し困った。
「試合前にそんなに食べれないのは判ってます。だからサンドイッチぐらいならと思って。
 それとも……もう、何か食べてしまいました?それなら別に……」
食べたかと問われれば食べた。携帯食を。俗に言うカロリーメイ○トである。
「いや、貰うよ。サンドイッチぐらいなら確かに全然問題ない」
喜びより安心が楼里の胸を被った。
カバンの中から可愛らしい弁当箱が出てきた。
由羽が除いてみたが、出来は悪くない。
いや、サンドイッチを失敗するのは中々出来ない所業だが、やる奴はやるのだ。
(千紗ちゃんとか……ね)
と頭に該当者が浮かぶ由羽であった。
「ベスト4ですね」
「違うよ……俺は次も勝つからさ」
そう、楼里に自信のある笑いを見せると、由羽自身なにやら心に余裕が生まれてくるようだと感じた。
「由羽さんの学校って強いんですね。決勝戦の相手はどっちが勝っても同じ学校です」
由羽と反対側のベスト4には訓と那留が名前を連ねていた。
「訓が勝つよ」
幾つかあるサンドイッチの具の中から由羽はトマトレタスサンドを選んだ。
「え?」
「乙古訓って奴の方が俺の決勝戦の相手さ」
出来れば那留とも決着を付けてみたかった……と言われれば由羽には嘘になる。
が、同時に那留と当たればこの日の為の“隠し球”を訓に見せなければならないだろう。
“隠し球”が身になってれば問題ないが、付け焼き刃なのは如何ともしがたいと由羽は思っていた。
「由羽さん……」
「何?美味しいぜ、このサンドイッチ」
「それは嬉しいです!」
と楼里は前置きしてから
「由羽さん、楽しそうですね」
と幼さを残した無垢な顔でその言葉を由羽に放ったのだった。




当馬が駆けつけた頃、すでに訓と那留の試合は始まっていた。
「あれ?当馬、試合は?」
千紗のその言葉に当馬は拗ねた。
「……準決勝で津田先輩に負けた」
同じ同学校対決でも訓vs那留と当馬vs兼次では注目度が違うのだった。
「で、試合は」
「始まったばかりだよ」
当馬の前に正座して観戦していた尺旦が答えた。
「乙古は中々組み手が取れてないな」
「だって、腕の長さ違うもん」
当馬の判断に、千紗は見たままの感想を述べた。

(……くっ)
畳を踏み抜いて、訓は那留の手を交わした。
訓と那留では身長が20pほど違う。
(なんでこの人が中量級だっていうんだ!)
一瞬、愚痴が過ぎる。
那留の手が訓の袖を下から狙った。

75 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:44:00 ID:Wg8OvEh4
.
「同じクラスの体重で身長があれだけ違うってことは、やっぱ不利よね?」
千紗の言葉に一流は反論した。
「そうでも無いはずよ。だって、身長が高いのに同じ体重ってことは、軽いってことだもの」
「同じなのに軽い?」
迩迂が頭を捻る。
「密度と考えてくれればいい。同じ重さで円柱型のケーキでもロールケーキを立てにするのと
 ホールケーキとではどっちが倒れやすいかは明確だ。重心が高ければ技をかける方は相対的に“軽く”感じるということだな」
当馬の解説に、迩迂は手を鳴らして感心した。
「……ケーキの例えって」
「う、うるさい……」
当馬、大の甘党であった。
「斯須藤先輩は去年、軽重量級だった筈だけどな……でも、階級を落としても体質までは変えられない。
 乙古が理想的な体型に筋肉を付けてるのに対して、斯須藤先輩は……」
「ヒョロ長タイプ?」
千紗の失礼な発言に、当馬は無言で肯定した。
「自分の組み手さえ出来れば乙古の勝ちだ」
「……どうかな?」
断言する当馬を否定したのは尺旦だった。

(く…ッ伸びるッ!?)
自分より大きい相手と組み合ったコトが訓は無いわけではない。
しかし大概は縦の長さに比例して横も太い相手ばかりだった。
その点、那留の腕は細い。
故にそこに空間が生まれ、払いきれずに
(絡まりつく……!!)
まるで蛇のように、訓の腕を支柱にして絡みつくように襟を狙ってきた。
(逃げていてばかりではその内、指導をくらうよ、乙古訓!!)
(なら掴ませてやる!!)
後ろに跳んでいた訓は、一転踏ん張り前に進む。
脚力にモノを言わせた強引な動きだが、訓には可能だ。
(長いリーチは、逆を言えば内側に入られると弱点になる)
懐に飛び込んだ訓はついに那留の襟を掴んだ!

「決まった……」
一流はその時、勝利を確信した。
訓の得意技は背負い。子供の頃、自分より大きい相手や大人に相対する為に最も有効だった技。
背が伸びるに従って、相性は悪いことは多くなったが、それでも訓はこだわり続けたのを知っている。
「やはり斯須藤先輩の体型が逆に仇になったね」
当馬も一流の言葉を肯定した。

「ッ!?」
――しかし
(堪えた……!?)
那留を背負った状態で二人の動きが止まる。
(この身体のドコにそんな力が…ッ!)
斯須藤が身体に似合わす力があることは知っていた。それでも尚、訓は、いや当馬も甘く見積もっていた。
(だが……俺の背負いは堪えただけじゃ外せない!!)

「強引にいく気か、乙古!」
確かに力比べならそれでも訓の方が僅かに上だろう。
「焦ったな」
その判断を尺旦は冷静に評価して見せた。
「投げたッ!!」
観客が沸く。

76 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:45:01 ID:Wg8OvEh4
.
(駄目だ……浅い……受け身を取られる…ッ!)
その瞬間、強引さが裏目に出たを最もよく理解したのは訓その人だった。
だが、その訓にも見えてないものがある。
「……フッ」
投げられて逆さまになりながら、那留が笑っているのを訓は確かに見た。
「――な!?」
訓の視界が天井にかわる。

「足を掬われた!?」
「あの堪えた僅かな時間……それが斯須藤に体勢を立て直す時間を与えたんだ。
 確かに乙古くんと斯須藤では乙古くんの方が僅かに力は上だろう。だが寝技に入ってしまえば…」
尺旦の言うとおり、すかさず訓の上にのし掛かった那留はガッチリと訓の身体を固めた。
「訓…ッ!」
一流が叫ぶ横で、当馬が嘆きを上げる。
「あの体格でなんであんなにパワーがあるんだ!?」

訓は何度か寝技を外そうと試みる。しかし梨の礫とはこのことか。
歯噛みをする訓の上から、那留は語った。
「ピンク色の筋肉って知っているかい?」
筋肉には瞬発力のある白い筋肉と、持久力のある赤い筋肉に分けられる。
その間の、両方の特製を併せ持つピンクの筋肉が僅かに存在している。
それは運動を重ねれば増やすことは出来なくもないが、基本的には希少な筋肉だ。
「それが…どうした……ッ!!」
何度目かの抵抗も、失敗に終わる。が、那留も疲れていない訳ではない。
それでも下になっている訓の方が何倍も不利だった。
「私は…そのピンクの筋肉が生まれつき多いそうだ」
「それを聞いて益々負けたくなくなったよ、先輩……」
訓は再び藻掻く。カウントは10を越えた。
「俺は天賦の才には負けたくない」
「天賦?……違うぞ、乙古訓!これは私の復讐の力だ!!」
那留が全重をかけて訓を圧迫する。
「両親は……壮健かい?」
「……おしゃべりしてる余裕なんて、無いね」
訓は呼吸を整えると下半身に力を込める。
丁度ブリッジをするような格好で、那留を押し上げる。
「私の血縁上の父はね、市長をやってるよ」
那留も又、訓と密着してる面に全ての力を込め、押しとどめた。
「産ませておいて……無視されては敵わないんだよッ!!」
「ぐぅぅ…ッ!」
もうこれで最後だ。時間がない。
ここで訓が外せなかったら負けてしまう。
「それではあまりにも……母が可哀想で……私が……俺が惨めなのでさぁ!!」
会話は二人の間にしか聞こえていない。
それでも那留のその言葉はどんな絶叫よりも切実だった。
しかし……
「…………」
「お前、ドコを見ている!!」
訓は那留を見ていない。
「そんな……心配そうな顔で俺を見るなよ……」
訓は……
「いちるッ!!」
ダムが決壊するかのように、一点に集められて引き絞られた力が那留を押し飛ばした。
「な……!!」
寝技の判定は技あり。状態は圧倒的に不利。
「ハァ…ハァ…」
それでも奇跡の脱出に会場が歓喜に沸く。
畳を滑った那留であるが、訓も追撃し覆い被さって逆に寝技を決める余裕はなかった。
「ゼェッ……ゼッ……」

77 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:45:46 ID:Wg8OvEh4
酷く消耗している。当たり前だ。
那留が再び襲いかかる。
それでも
殆ど無意識で、訓は伸びてきた那留の腕を取っていた。

「腕固めにいくつもりか!?」
立ち技で関節技というのは殆どない。決まりにくいコトに加えて、危険だからだ。
(普段の乙古くんならしない行為だ……)
尺旦が独自する。訓が疲れているのは傍目に見ていても判った。そんな状態に半端な技をかけられるなどもっての他だ。
那留は身体ごと身を引いて訓を避けた。那留をつかみ損ねた訓はそのまま倒れていってしまう。
「乙古くん、もう限界なんじゃ……!?」
眉を顰めた千紗の言葉を、当馬は遮った。
「いや…!?」

訓の身体が全身を使って伸びる。
足首が、膝が、腰が、腕が、那留に向かって伸びる。
「双手刈り!?」
日本柔道界では決して美しいとは言われない、謂わば忌み技。
訓の手が那留の膝の裏をすくう。
「う……!?」
那留が訓の意図を把握したのと、自分が倒れたことを認識したのはほぼ同時だった。
「一本!!」



――母は弱い人だった。少なくとも俺から見たら弱く、脆く、情け無く、それでも母親だった。
俺をお腹に宿しても、父に捨てられても、大人しく身を引いた愚かな女だった。
どんなに生活が苦しくても、泣き言一つ言わなかった。
そして……出来るだけ、本当に出来る範囲でだけだけれど、俺に不自由をさせないよう、
それだけがあの人の願いだった。
それでも満ち足りたとは言えない栄養価で育った俺は、しかし逆に過酷な中で鍛えられた。
嵐の年に実った果実が甘いように、特別な筋肉が多いのはその環境下だからだろうと、医者は言った。
どうでもいい。
ただ、それは糧になる。俺と母を捨てた“父という人”に俺の存在を示すための。
どんなに目を逸らしても、俺は輝いてる舞台の上に立ってやる。
取り敢えずは……日本一の高校生になってやる。
「…………」
「大丈夫ですか?先輩」
今年からマネージャーになった吾根脇迩迂がスポーツ飲料の缶を差し出した。
「私より、乙古訓の方が疲れているさ」
横を見ると、タオルを頭に被った乙古訓は未だに息が荒い。
砂奥一流から口移しで飲料を貰ってるぐらいだ。
相も変わらずよくやる。
試合場では一野進由羽の試合が始まっている。中々苦戦しているようだ。相手は南高の主将だったか。
「県大会で雪辱……ですね!」
ガッツポーズをして見せる迩迂の明るさは少し羨ましい。
太陽のような活力と朗らかさと、そして豊かさを彼女の全身から感じる。
――だから惹かれた。
俺はそういう満ち足りた女性を写真の中の若い母しか知らない。
「………」
優勢勝ち……一野進由羽が勝ったことで、会場はざわめきに支配された。
決勝戦が一年生、それも同学校対決……見出しの派手さでは自分の連覇より上だろう。
「くっくっく……さて、どっちを応援しようかな」






.

78 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:46:29 ID:Wg8OvEh4
たった八間の距離を置いて、二人の男は立っていた。
「由羽…」
「訓…」
はじまりは小さな町道場。
女は恋人とその親友を、微笑ましく、時に羨ましく、見守ってきた。
この闘いもキラキラと輝き落ちる砂時計の一握の砂なのだろう。
(頑張れ…)
そうとしか言葉がない。一流は目を瞑り手を握り合わせた。
「始め!!」
その言葉と同時に、二人は動き出す。
顔に笑みを残して。

「ガッチリ組み合った!?」
千紗は意外に思いながら言葉を漏らした。
訓は兎も角、由羽に関して言えば周りの評価は“曲者”であったし、実際に彼女の知っている
一野進由羽という人間も、初球にストレートを投げるようなタイプではない。更に言うなら絶対にボール球だ。
それが真っ向勝負を挑んだのだ。

「意外性という意味では一野進らしいかも知れない」
当馬は知らずの内に手を握っていた。
興奮しているのだろう。自分が軽中量級にいるのが怨めしい位だ。
確かに中学生時代、二人と試合したこともある。あの二人同士が闘ったこともある。
だが今回の比ではない。本気の乙古訓と本気の一野進由羽なのだ。

「まだ斯須藤戦の疲労が残ってるとみたのですか?!」
由羽に内緒で試合会場に降りて観戦していた撫子は思わず呟いた。
撫子との由羽の特訓の一つには“訓とマトモに組み合ったら力負けする”という前提の元での練習があった。
その前提を無視しても即決に望む由羽が正しいのか、正しくないのかは、撫子には判らない。
ただ同じ武道家として、その勝負感には賛成したいとも撫子は感じた。

「背負い!?乙古くんの得意技だ、それは」
先に仕掛けたのは由羽だった。反射神経、加速力、動体視力、全て由羽が僅かに上だろう。
故に、それ自体は有り得ないことではない。
しかし、その技の選択はベストではない筈だ。背負いは訓の得意技であり、故に知り尽くした技なのだ。
その訓から見て、速攻で荒い由羽の背負いなど稚技に等しい。
「否、背負いに非ず」
兼次の叫びに那留が答えた。
訓は由羽の背負いを外そうとしている。それが由羽の狙いなのだと。

「何?アレ!?」
迩迂が見た由羽の技は袖釣り込みである。
由羽によって引っ張られた訓の腕が、彼の肩を支点に投げられるする。
上手く決まれば訓は丁度空中で一回転する形になる、難易度の高い技だ。

「…………」
楼里は息を飲んだ。会場も奇妙に静まりかえっている。
やはり訓は準決勝の疲れが取れてなかったのだろう。
「技あり!」
由羽の顔が歪む。同時に肩を押さえながら訓が立ち上がった。
楼里は訓と同じ場所を思わずさすってしまった。
訓は半身を捻り、さらに受け身も取ったのか。楼里はルールはよく判らない。
判るのは二人が本気であり、そしてコレは闘いなのだと言うこと。
二人は再び向き合う。

79 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:48:17 ID:Wg8OvEh4
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「一野進さんはこのまま技ありで逃げ切るつもりなのかな?」
鷹賀一歩は訓の組み手を悉く弾く由羽を目で追った。
訓は疲労しているとはいえ、鋭い。それをかわす由羽も並ではない。
個人戦に登録すらしてない一歩からすれば、見てるのが精一杯の世界だ。
「一野進くんは乙古くんを過剰評価している嫌いがある。逆に乙古くんは一野進くんを過大評価してるがね」
尺旦は腕組みをしながら口を結んだ。
逃げてばかりでは指導を取られるだろう。そのギリギリで、さっきの袖釣りのような速攻の連続技……
それが由羽と、そして訓の頭の中に描かれている共通の予測図な筈だ。
優勢である由羽の方が受け身で、押されているようにすら感じた。

「一野進由羽!向かっていきなさい!」
それは応援の中に混じっていた声だった。
その声が届いたかどうかは判らない。
その炎出麗子のかけた言葉の後に均衡が破られたのは偶然だったのだろうか?
由羽の右腕が、訓の左腕の外側から内側に捻るように滑り込んだ。

(……これは!)
準決勝での那留と同じ動きだ。訓は由羽の才能に、今改めて舌を巻いた。
(……フェイクだろ!!)
訓は重心を移動させ、最小の動きで構える。
(お前は左利きだからな)
身体はどうしようもなく疲労している。
握力も、腕力も、数字だけみたら半分に近いだろう。
それでも、煌々と燃える火に石炭を絶え間なく注ぐように、訓は己の身体が限界以上に動くのを確かに認めていた。
理由などわからない。必要ともしない。
由羽が手が襟を掴むものの、あらぬ方向に力をかけてしまい、バランスが崩した。
その刹那、思考より早く、訓の身体は動いた。
身体が刻んでいた、記憶が刻んでいた。
初めて目の前の男に受けた技を。

「一本背負い!」
それは一流から見ても判るほど、美しい弧を描いた。
訓が由羽の懐に潜り込み、宙へ浮かび上がらせる姿を。
決まらない訳がない。
由羽に一本背負いを決められたその日から訓は、一日たりとも鏡の前で1000回の背負いの素振りを欠かしたことが……無い。
その投げるフォームが洗練されてるコトは、訓が一番良く、そして次に一流が知っている。
一本背負いこそ、訓の生き方そのものなのだ。

(すげぇ奴だよ……)
由羽の視界が目まぐるしく変わる。
この一本背負いは、訓がひたすら積み重ねてきたものの形だと、この場にいる何人がわるだろう。
こんな時だというのに、由羽の頭の中には愚にも付かないことが浮かんでは消えた。
何度も繰り返し熱い炉の中に入れられ、叩かれ、冷やされ、また熱し、そうやって美しさを増した日本刀の如く
この訓の背負いは悠然と、そして厳かに存在する。それを支えたのは鉄の意志だ。
そんなものは自分の中には存在しない……由羽はそのコトで何度訓との溝を感じたか数え切れない。
その度に己に絶望し、そして訓に傾倒していったのだ。
それでも……
「それでも……今は負けたくねぇ!!」
吼えた。
確かに自分の中にあると、少女が教えてくれた小さな灯火が、己を猛させたのだ。
「腕一本ぐらい呉れてやるぜ、訓!!」
強引に姿勢を変える。それを可能にしてるのは由羽の持つ天賦の才能。
だが、その先は由羽自身の意志による覚悟だ。
「ガッ…痛ゥッ!!」

80 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:49:29 ID:Wg8OvEh4
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肩から思いっ切りぶつかったのだ、無事では済まない。
事実、脱臼していた。
一本背負い自体は技ありか有効になるだろう。
そして由羽の怪我で、審判はこれ以上の試合の継続を認めないだろう。
だが、それよりも早く痛みが走ったその時から、全身をバネのようにして由羽は訓に掴みかかっていた。
――審判が腕を動かすより早く、由羽は
「うおおおぉぉぉぉぉ!!!」
――訓の脇の下から右腕を滑り込ませ
「ぐ……!?」
――片手で背負い落としを決めた。


油断があったのは確かだろう。ただ、それ以上にあの一本背負いは渾身のそれだった。
由羽の伸ばした片腕が訓の襟を掴んだ時、留まれるだけの力は残っていなかった。
ただ、なれない右腕で、それも片腕が利かない状態で、バランスの取れた投げなど出来ない。
由羽の捨て身をいなす自身はあった。例え背負い落としを受けても有効止まり。
「…………」
違ったのは予想以上にスムーズに動く由羽の動き。
俺が対策を考えてる頃、既にこの足は地に着いてなかった。
「…………」
審判は合議している。由羽の技を技ありの判定の、あるいは止めの判定の後として無効にするか否か。
それ以前に、由羽の一本背負いの外し方が危険だった。故に由羽の反則負けの可能性もある。
「…………」
正直このまま倒れていたい位、疲れている。俺は息を大きく吐いた後、よろよろと立ち上がった。
「くぁ〜…」
肩を押さえしゃがんでいる由羽に手を差し伸べる為に。
「左利きだったよな?」
「両利きの練習してたんだよ」
由羽の右手が乱暴に俺の手を掴んだ。

「一本!それまで!」






<柔道部 地区予選リザルト>

三年
斯須藤 那留   中量級三位
府久武 澄    軽重量級五位

二年
津田 兼次    軽中量級準優勝
法華 角人    重量級五位
江主 禰     軽量級準優勝

一年
一野進 由羽   中量級優勝
乙古 訓     中量級準優勝
当馬 憐     軽中量級三位

「メダルが六個か〜凄い凄〜い」
マネージャーである迩迂がノートを付けてるのを見、尺旦は訊ねた。
「一野進の怪我は?」
応急処置は救急箱を持っている迩迂の仕事だ。
「レコちゃんが来てて、由羽くん連れて行っちゃいました」
「レコ?」

81 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:50:28 ID:Wg8OvEh4
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由羽が肩を痛めたのは明白だった。
何が出来るわけではないが、撫子は駆けよろうと、人の壁を押しのけていた。
同じように楼里も階段を駆け下り、試合会場に向かっていた。
迩迂もマネージャーの当然の勤めとして救急箱を手にし、立ち上がった。
「横になりなさい。今茂部に氷持ってこさせてるから」
「レコちゃん!?」
試合場の隅で座り込んだ由羽に一番に声をかけたのは炎出麗子だった。
「脱臼ね」
「脱臼ぐらい、填め直し……」
言葉を終える前に、麗子のデコピンが由羽を襲った。
「素人が治そうとすると神経とかやっちゃうんだから」
「う、うす…」
レコは由羽の帯を取るとソレを肩に巻いて腕を固定した。
人の波がサッと避けていく。理由は茂部が近づいてきたからだ。
「茂部、病院に連れて行くから、背負って」
茂部から氷を受け取ると、由羽の肩に押し付けて麗子は命令した。
「由羽さん!」
「撫子ちゃん……へへ、勝ったぜ」
茂部が道をつくったお陰で撫子は由羽に近づくことができた。
由羽は右手でVサインをして見せた。
「肉を切らせて骨を断つ……本当にやる愚か者を初めてみました」
「愚か者って……ヒデェなぁ……」
危険な行為なのだ、それはそれとして咎めなくてはならない。
「ですが……一位は一位です、胸をお張りなさい」
「ありがとさん」
由羽が茂部に運ばれていく後ろで、撫子と麗子はお互いに視線を合わせた。
((……誰?))

由羽が茂部の車に乗せられて、ドアを閉めようとした時、楼里が走ってくるのが見えた。
「や!」
「おめでとうございます」
楼里は確かに怪我も心配だったが、それでもその言葉を一番にかけたかった。
「ありがとう」
「…………」
「どうした?怪我なら気にすんなよ、大したことないって」
脱臼した肩を動かそうとして、茂部に睨まれた由羽は首を竦ませた。
「優勝……嬉しいんですよね?」
「え…?」
「いえ、由羽さんならもっと大はしゃぎしそうだなぁって思ったんですけど」
「ま、地区予選だからな。狙うは全国一なんだぜ?まだ二合目、二合目」
由羽はドアに手をかけた。
「サンドイッチ美味しかったよ、県大会も同じ会場だからよかったらまた応援しにきてよ」
「県大会の前に団体戦があるのですよね?」
「よく知ってる……間に合うといいけどさ」
由羽は肩に視線を落とす。思わず楼里は口を押さえたが、それが逆に由羽に気を遣わせた。
「大丈夫、大したこと無いって言ったろ?じゃあ、団体の応援も良かったら来てくれ。今度は怪我しないで優勝するからさ」
「はい!」
楼里は笑ったのを見て、由羽はドアを閉めた。茂部は既に運転席に入っていた。
楼里に手を振りながら、由羽はミラーに映る自分の顔を見た。
確かにあの楼里のような笑い顔を自分はしていない。
「なあ……茂部のオッサン」
「なんですかい?」
「俺、優勝したんだよな?」
「見てやしたが?」
振り返ると体育館が見える。小さくなっていく体育館に少し前まで確かに居たのだ。
「俺、勝ったんだよな……」
ズキリと……痛んだ。肩が……ではない。
「訓に……勝っちまったんだ……」

82 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:51:24 ID:Wg8OvEh4
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試合場の視線が全員由羽に向いている間に、訓は姿を消していた。
そのコトに気づいてたのは一流だけだったが、一流は何も言わずに訓が会場から出て行くのを見て見ぬフリをした。
「…………」
本当は追いかけたい。
(五分…三分たったら追いかけよう……)
やっぱり、負けたときは一人でいたい。どんな言葉をかけられたって自分の気持ちに整理が付くまで
神経を逆撫でするような言葉にしか聞こえないのだ。それは一流も経験で知っている。

訓は早足で体育館を歩いた。目的地など無かったが、兎に角外に出たくて中庭に足を運んだ。
裸足のままだったが、雑草が生い茂ってるので痛くはない。
植えられていた松の木の前で初めて立ち止まった時、口の中に塩の味を感じ自分が泣いていたコトに気づいた。
「…………くぁあ…ッ!!」
拳を握るが振り上げる気が起きない。
声を溜めるが叫ぶ気にはならない。
というより、そんな無駄で迷惑な行為に自制がかかる。
自分の生真面目な性格に訓はほとほと嫌気が差し、何とも付かないような声が漏れた。
仕方なしに口を真一文字に結んだ。

一流は訓を探していた。
靴はあったから室内にはいる……とは思うが、裸足のまま外に出た可能性もある。
兎に角、心情的には人の多いところには居ないだろうとしか今は判らない。
「さっき泣いていたの乙古だろ?一高の」
そんな声を一流は耳にした。
足を止めてその会話をしている人を探す。
「県大会には五位までいけるのに、あんなに悔しがるもんかね?」
その他の高校の柔道部の生徒だろう。笑い飛ばそうとしたところで一流に肩を掴まれた。
男は怪訝な顔をしたが、しかし美人なのでつい顔が弛む。
「訓は…乙古くんはドコに向かった?」
一流が女の子らしく優雅に小首を傾げると、さらに男は顔を弛ませながら答えた。
「中庭の方だけど?」
「ありがと」
一流は一拍子置いてから、辛辣に言い放った。
「向上心の無い奴は馬鹿って知ってる?ずっと地区大会で燻ってるのがお似合いよ」

中庭にポツンと立っている訓を一流はようやく見つけた。
まあ、声をかけていい雰囲気ではない……が、一流は訓の唇を伝う血を見つけた。
訓のコトになると随分目敏いことだと、余裕があったら笑うだろう。
強く口を噛みすぎて血を流しているコトに訓は気づいていない。
一流は慌てて訓の近づき、肩を掴んだ。
「?」
一流は背伸びをして訓に口付けをした。肩に置いた手は首に回っている。
訓は一瞬呆気にとられたが、その後に口内に広がる痺れに気がついた。
一流の舌と唾液が、切った切り口を刺激しているのだ。
それでようやく訓は自分が口を切っていたコトに気がついた。
「……ん」
息が出来なくなり、一流は唇を離す。
訓は一流の腰に手を回して支えてあげた。
「………」
一流は何も話さず、訓を見ている。柔らかい微笑みを伴って。
つくづく自分には勿体ないイイ女だと訓は思った。大事にしないとバチがあたる。
「勝てなかったよ」
一流は肯定するように頷いた。
「戻ろう。優勝と準優勝が不在じゃ不味いからな」
歩き出した訓はまだ痩せ我慢をしているだろう。
でも、そのギリギリで大地を踏み抜いている姿がとても美しいもののように一流には見えた。



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83 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:52:20 ID:Wg8OvEh4
試合の後、祝勝会に出た訓達は、途中から病院からやってきた由羽も含めてくたくたになるまで盛り上がった。
訓と由羽はいつものように笑いあっていたのに周りの人間は密かに胸を撫で下ろしたのだった。
ただ、由羽の腕の完治が団体戦に間に合うかどうかは微妙な所であった。
明日の練習は休みだ。訓は肉体的にも精神的にも疲れ切ってた。
それでも火が燃え尽きた後の、燻りだからこそ身体を通して受けとめたいと思うのは女の我が儘だと一流は思う。
有り体にいえば疲れ弛緩しきった訓の醸し出す雰囲気に欲情してしまうのだ。
帰り道、二人で歩いてた一流はその事をつい口にしてしまった。
訓は少しテレながら、それでも一流の腰に手を回してきた。
その優しさで充分だと一流は首を振った。今はただ、ぐっすり眠らせてあげたいと思ったのだ。
それが彼の為にも一番いいと、冷静に判断して言いのけたのだった。それは正鵠をついている。
それが訓にはもどかしい。自分本位に考えている一流のいじらしさに普段なら固辞しただろうと訓は振り返る。
でもその時だけは、どうにも一流に甘えたかったように訓は後に回顧した。
訓は部屋に帰ると泥のように眠った。一流は訓の部屋の明かりが消えるのを見守り、そっと声をかけた。
「お疲れ様、訓」





「帰ってきてたんだ」
「今日、ね」
由羽は親には検査の為に病院に泊まると言ってあった。実際には麗子に連れられてホテルにいる。
片腕が上がらない由羽の変わりに麗子が缶のカクテルの蓋を開けた。
「訓に勝ったことに乾杯……でいいのかしら?」
「………」
「冗談よ。再会を祝して……」
二人は缶を合わせた。
「いいの?私とこんなところにいて」
「無理矢理引っ張ってきてよく言うよ」
「だって、ねぇ、あの栗色の髪の子」
麗子はカクテルを口に含んだ。
仕草は相変わらず艶っぽい。それに加えてどこか廃れたような雰囲気が大人っぽく麗子を見せている。
「好きなんでしょ?」
「さぁ……人を好きになるってどんな感じだろうね」
由羽は、自分が撫子に抱いているのは美しいモノに対する劣情だと……そのようなコトを漏らした。
「やっぱり負けりゃあよかった」
「………」
「試合してたときまでスゲー気分よかったのに、今はなんか……ポッカリ穴が空いた気分だ」
親指で自分の胸を指す由羽。
「それは今、由羽が止まってるからよ。動いてる方が楽だもの。何も考えないで済むから」
「アッチ、大変だった?」
「うん。まぁ振り返れば…ね。色々思うコトもあるよ。自分は恵まれていたなぁって思ったりも
 終わってから思ったんだけどね。働いてる間は考えてる余裕、あんまりなかったかな。自分のこととか先のこととか」
伏し目がちにポツポツと幾つか話を始めた麗子に、由羽は文通の中身を思い出しながら相槌を打っていた。
「……やっぱり文字と声じゃ違うな」
「うん。割とありのまま由羽には伝えてたけど」
「けど?」
麗子が由羽の膝の上に半身を載せる。太腿がこすれあい、布越しに体温が伝わる。
「人恋しくなる時もあったんだよ」
「その言葉が本気なら……」
麗子と由羽の唇が重なる。
「……男見る目が無いよ、レコちゃんは」
由羽は淋しそうに笑った。

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84 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:54:46 ID:Wg8OvEh4
「疲れてないの?」
自分の下で片手で器用に服を脱がす由羽に、麗子は訊ねた。
「寝るの……あんまり好きじゃねぇんだ」
ベットに麗子の服が落ちる。
「夢……見たことないから」
夢は要らない記憶の整理だとか、あるいは要る記憶の整理とか、その人の抱えてる欲求や不安だとか
色んな説がある。覚えていなくて当たり前という話もあるが、それでも由羽は寝ている間の記憶は無い。
そのコトが何か自分が人間じゃなくてロボットか何かで、寝ているのではなくスイッチが切れてるだけなんじゃないか
なんて愚にもつなかないコトを考えたりもしてしまう。笑い飛ばせてしまう程度の妄想だが、心が引っ張られる。
「少しやせた?」
「ホント?」
無邪気に喜ぶ麗子に由羽も釣られて笑った。
ツンと上向きの乳房と、括れた腰、怒り肩気味の首筋のライン、小さな尻に肉付きのよい太股、
麗子の躰の特徴は由羽の記憶の中のそれと変わらない。けれど、全体的に日焼けしていた。
それは麗子とは相反する健康的な魅力であり、それが為に一層彼女の躰にそそられる。
「由羽…」
麗子の指が由羽の頬に触れる。少し固くなった。それに爪も前は長かったと由羽は記憶している。
その手は由羽の髪に絡まると、優しく撫でた。
「頑張ったね、由羽。良い子良い子」
「頑張った奴が……報われればいいのになぁ……」
力任せに麗子を由羽は引き寄せる。香水の匂いに混じって日向の匂いがする。
「報われてると思うわ。由羽と私、訓と一流だからね。これが逆の取り合わせなら不公平な世の中だけど」
自虐的に笑う麗子は反論も肯定も聞きたくなかったので己の口で由羽の口を塞いだ。
「ん……はぁ……んくぅ……」
四ヶ月ぶりぐらいか……だというのに、全くの躊躇いもなく貪りあえることが浅ましく、それが笑えた。
舌と舌が争うように押し合い、互いの唾液が混じり零れた。
「は……ふぁ…む……ぁく……ぉ……じゅ……じゅる……」
相手に与えようなんて気はさらさら無い、互いに相手を奪おうとするようなキス。
躊躇無く相手の唾液を奪い、喉を潤し、さらに制圧し、歯肉に動物のようにマーキングする。
波のような肉の凹凸に舌を這わせ、ここは己のものだと相手の肉体に顕示しようとする荒々しさ。
「……ん…ぁは……!!」
息をするのを忘れ苦しくなった麗子は口を離す。
酸素を取り込んだ瞬間に由羽が再び唇を合わせていた。肺活量では由羽に分があるということか。
「んん……!?……じゅぁ…ふぉぉ……んかぁ……はぁ…ん……」
もはや奪い合いではなく一方的な蹂躙だった。
麗子の柳眉が八の字を描き、身体の強張りが緩んでいくのを認めた由羽はワザと音を立てながら舌を抜いた。
「んぱ……はぁ……」
肩で息をする麗子に由羽は頬を歪めた。
「その顔、大好き」
麗子は気丈な女だ。その生まれからか常に気を張ってともすれば自分を等身大以上に見せようともする。
そこから余裕も体力も精神力も奪い、心底裸になった炎出麗子は何とも形容しがたい艶っぽさがある。
擦れるような息の吐き方、朱を増していく唾液に濡れた唇、伏し目の瞳はどこか虚ろで、流れる髪は
ウェーブをかきながら肌に張り付いている。一言で言えば頽廃的な色香であろう。
「このまま私が上でいいでしょ?」
「ま、俺は怠け者だからね」
肩に当たらないように気をつけながら、由羽の胸板に麗子は手を添える。
「……さっき、痩せたっていったわよね?」
「前に騎乗位でしたときだって潰れやしなかったろ」
体重を乗せることにとまどう麗子を由羽は笑い飛ばした。
「でもちょっとお肉が付いてるわよ?」
「無理に体重増やしたからなぁ……全部筋肉とはいかなかったんだよ」
顔を引きつらせながら由羽は答えた。脂肪が脅威なのは女も男も変わらない。
割と真剣に困っている由羽に麗子は忍び笑いをした。
「ん…」
麗子は己の入り口を由羽の尖端と何度か擦り合わせて遊んだ。彼女の癖だ。
「…はぁっ」
一拍子置いて腰を落とした。由羽も刺激に喉を詰まらせる。
「あぁ〜久しぶりぃ〜」
まるで温泉に入ったかのような感想の述べる由羽は、久方ぶりの肉の感覚に呻いた。
「久しぶり……ねぇ?」

85 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:57:50 ID:Wg8OvEh4
「へ?」
笑ってはいるが、麗子の頬も上気しているのが見て取れた。
「だから……撫子ちゃんはそんなんじゃないし」
「由羽ってば、結構月並みな事いうのね」
急に顔を近づけた麗子に目を開きながら、由羽は少し視線を逸らした。
「…………」
「レコちゃん?」
「ん……」
その態度で撫子の事を由羽が本気で気に入ってることが麗子にはわかった。
そしてだからこそ、由羽は決して手を出してないということを。
それは潔癖ではなく、臆病ゆえ。
基本的に同質である麗子には由羽の事がよくわかる。同時にそんな由羽が焦がれる撫子が
どんな人間かも察しはつく。
「ん…ふ…ぅ……」
麗子は暫く腰を留めた。たまに摺り合わせるように横に動く。
ワインをテイスティングするように、交わっているという事実を緩慢に確かめる。
「…っ…はぁ……」
湿った唇に由羽は指を重ねた。
「ん……」
その指を麗子はねぶる。ザラリとした感触と、指が沈むんだ肉の柔らかさに由羽は少し手を引っ込めようとした。
「ん……ふ……ちゅる……」
しかし麗子は許さずに由羽の指に唾液を眩し、口の中に含んでいく
「……く…ぅ…じゅ……ひょっぱい」
汗の味だろう。麗子は頬を歪めながら笑った。
由羽は指をもう一本麗子の口の中にねじ込んだ。
「んふぅ!?」
悪戯好きの舌を指で挟む。呼吸がしづらいのか、生暖かい吐息とともに、指を伝って唾液が流れた。
「んんっ…」
舌を挟んだまま、腕を縮めた。麗子の顔を引っ張られて由羽の顔の目前に連れてこられる。
「はぁ…っ」
舌をしごき立てるように抜くと、擦れた麗子の声が由羽の耳元を掠った。
「ぅ…ふぅ……」
揺れた麗子の身体に合わせて水音が聞こえる。
「はぁ……ん?」
呼吸している間に由羽の手が脇腹を伝って自分の腰に添えられているのに麗子は気づいた。
由羽の陰毛は麗子の愛液で随分濡れていた。このままでは滑り抜けてしまいそうだとでも由羽は思ったのだろうか。
「ん……由羽……」
唇を合わせながら、麗子は腰に力を入れた。
「じゅる…」
唾液の交わる音なのか、それとも愛液が抜け落ちていく音なのか、どちらにしても身体の内側から聞こえる音だった。
由羽の怒張の形に従い、肉が剔れてゆく
ジュクジュクに溜まった愛液がそれを運ぶ為に刺激は非道くむず痒い。
思わず一オクターブ高い声が漏れてしまっていることに由羽は気づいているだろうか。
「ん…はぁ……」
腰を浮かし、打ち付ける度に麗子の舌使いは怠慢になっていく。
身体の支配が頭から肉体に移って言ってるのであろう。
「は…ぁ…んっ…んっ……ぁ…んっ……はっ……」
由羽は唇が離れるを任せ、腰に添えた手をゆっくりと押し出した。
「ん…ぁ…?」
由羽の顔が遠ざかっていた事に気がついた麗子は、しかし熱を帯びた頭では理解が及ばない。
単純に跨った方が彼女が楽だろうという由羽の配慮なのだが。
「はっ…はっ…ひゃ……ふぁ……あっ…あっ…ぁっ……」
麗子が浮かぶ度に黒い髪かふわりと舞う、眉が八の字を描いているのとは逆に高い声が短く漏れる。
前屈みに手を置いている事で、細い首から剔れた鎖骨が非道く深い。
そのさらに下の乳房は乱れながら、たまにお互いが擦れ合う。
(……暇だな。エロいけど)
下にいる由羽はそんな不遜な事を考えていた。
動かず楽なようにという気遣いを判らない訳ではないが、動かないのが何とも嫌な性分であった。
「ぁ…んっ…ぁは…っ……は…っ……」
(っていうか、種馬気分?)

86 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 18:59:54 ID:Wg8OvEh4
そう考えると性分に合わない。大体セックスの良いところは何にも考えずに貪り会える所だと由羽は思っている。
それは本気で相手と向き合いたくない自分の弱さだという事は重々承知の上だが。由羽は少し麗子に申し訳なかった。
「…ぁ…んっ……はっぁ…んっ…んっ……ぁ……きゃふっ!?」
麗子が身体を仰け反らせる。
「うひぃ!?……あ、悪い…」
由羽は麗子が腰を打ち落とすに合わせて突き上げて見ただけなのだが、自分自身も思った以上に
痺れるような快感を得たことに驚いたが為に、同じように声を挙げた麗子に対して謝ったのだった。
「……はぁ……ぁぁ……」
よほど不意打ちだったらしく、少し痙攣しながら息を吐く麗子に、その後の怒りを思い由羽は冷や汗を流した。
「いや…俺も動きたいなって……」
「……先に言ってよ……ちょっとイっちゃったじゃない」
確かに騎乗位だったからいつもより深く由羽を麗子は受け止めていた。
その上、由羽自らに突き上げられると一番深いところを直にこじ開けられてしまい、麗子は身体に静電気が走った気分だった。
「……由羽」
「へ?何?」
麗子が見下ろした由羽の顔は、新しいオモチャを見つけた子供のソレだった。
「もうしない?」
「しません」
嘘だ。
もう止めにしてやろうかと麗子は思うわけだが、しかし自分の身体も充分火照っているのは否定できない。
だがこの体力馬鹿にイニチアティブを取られた場合、グシャグシャになるまで身体を貪られ、欲望を吐き出される
というのを経験則として麗子は知っている。いや、それはそれで気持ちはいいのだが。
(男は狼なのよ〜って昔の歌らしいけど、どうなのかしら?私は由羽しか知らないし……)
一流に訪ねれば喜々として訓との性生活を事細かに説明してくれるだろうが……ごめんこうむる。
「ふゃきゃっ!?」
急に視界が代わり、同時にお腹の内側を剔られるように由羽の剛直が走った事に、麗子はらしくもなく高い声を上げた。
「ちょっと…由羽!?」
繋がったまま立ち上がった由羽に驚き、抗議しつつも、しかし当の由羽の身体にしがみつかなければ振り落とされてしまう。
慌てて麗子は腕を首に、足を腰に絡ませ、抱きついた。
「うひ〜やっぱ片手で駅弁は辛い〜」
由羽は麗子を支えきれずに再びベットに腰を落とした。二人分の体重を受けてベットが軋む。
麗子は咄嗟に回した手が由羽の肩に当たっている事に気づき、手を引っ込めた。
「由羽、アンタねぇ……」
「いや、あははは」
「……黙って私にやらせなさいよ。こんなに尽くしてやってるんだから、少しは有り難がって欲しいものだわ」
「どうにも、扱いがよいとムズムズしちまってさ」
半目で由羽を見る麗子は愛想を尽かしたのか、腰を引こうとした。
「ちょ…ここでストップじゃハブの生殺しだって」
「蛇でしょ。何、そのズレた間違い……」
冷静になってる……由羽はここにきてじゃれ合いで済まなくなった事を知った。ほぼ自業自得である。
とは言え、もう一人の自分がそれでは収まりがつかないと泣いている。実際、先走りを流している。
「レコちゃん、後生でありんす〜」
オロロ……と呟きながら涙を流す由羽に麗子は思わず吹き出してしまった。
「じゃあ取引ね」
「取引?」
再び由羽の陰茎を自らの陰口に飲み込みながら、麗子は由羽の唇を指で押さえた。
「次も訓に勝つこと」
「…………」
これで由羽は楽になった。由羽の意志でなく、私との約束の為に由羽は訓と再び本気で争う……麗子は駄目な女だと自嘲した。
由羽に逃げ場を与えることは由羽自身の為になるはずがない。それがわかっていて由羽に逃げ道を与えた。
それともう一つ……自分の為にこの男が闘ってくれるなら、やはりそれはそれで女として嬉しいのだ。
一流と訓のように。とっくに二人にはなれないと麗子は知っていながら、でもどこかで二人を示準にしてる。
「ん……はぁ……?!」
由羽がゆっくりと腰を打ち付ける。
「レコちゃん……」
お互いの途切れ途切れの湿った息が、肌に触れて生々しい。
「由羽……」
合わせ鏡のようで、お互いの姿を見るのは時々億劫にすらなる。
「んっ…んっ……」
自分の弱い所を直視するのは恐くて……でも同じ弱さを持った人がいることはとても……

87 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 19:01:34 ID:Wg8OvEh4
「ん…タイミング合ってきたね」
「当たり前でしょ?…はぁ…私は…ぅんっ…由羽と違って…ぁっ…我が儘じゃないわ…ぁんっ!」
「ん〜何だかんだでさ、俺達って合うよね、イク時もさ……」
「馬鹿っ……」
安心するのだ。
「レコちゃんの身体は素直だからさー、気持ちいいとドンドンお汁が……」
「それ以上…んっ…言ったら…ぁ…コンクリ抱か…せて…はぁっ…沈めるわ…あぁっ!」
「そんなこと言っちゃうと、マイサンが萎えちゃってレコちゃんは気持ちよくなれないよー」
「嘘つき…ぁあっ…こんなに……ふぅんっ……固くしてるくせ…にぃ…」
麗子の意志で膣壁が由羽を飲み込むように締まっていく。
余裕が無くなった愛液が一塊の雫になって溢れ墜ちた。
「レコちゃん反則……」
「なにが…はふぅ…よ……くぁはっ」
仕返しとばかりに溜めを作ってから渾身で由羽は麗子の子宮口を叩く。
使ってはいけない肩まで動かしていることが麗子の視界に入ったが、窘める余裕はもう無かった。
「うっひょ…コレ自縛技!?」
深く、きつく、熱い、最深部に無理矢理に男をねじ込ませておいて自分は気持ちよくない筈がない。
由羽はソワソワと下半身から全身を伝っていく快楽に軽口を叩いた。しかし息は荒い。
「由…うぅ…はぁあっ!」
「限界?」
苦み走った顔で訪ねる由羽に、麗子は首を縦に振った。
「じゃあ、イキますか!!」
丹田に一層力を込める。堰き止められた欲望が、早く外に出たい出たいと由羽を加速させる。
「あっ…あっ…あっ……はぁっ…あぁ……あぁ゛ぁあっ!!」
真っ二つに身体が裂けるのではないかという強い衝撃と、それがもたらす至悦に麗子は獣のように声を上げた。
「……ぐうぅぅ!!」
「ふぁ……あぁあぁぁぁ゛ぁあぁ゛ぁぁぁあぁあぁ!!!!」
白濁を中に打ち込まれ、奔流にあがらえずに麗子は大きく仰け反った。
二、三度痙攣する麗子を、悦楽で虚脱しそうな身体を叱咤し由羽は受け止めた。
「ぁ…あぁ…はぁぁ……」
「……レコちゃん、ありがとう」
肩にもたれ掛かった麗子の頭を痛みを堪えて由羽は撫でた。
「勝つよ……俺はもう一度、訓に勝つ」
その事をちゃんと目を見て言えない自分はなんて情けないんだろう……甘い芳香の中で由羽は一滴だけ涙を流した。






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88 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 19:04:18 ID:Wg8OvEh4
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雑巾を絞る。水の冷たさが心地よい。
朝一番に道場のモップをかける。撫子の日課だった。
「はぁ……」
雑巾がけが終わると素振りを一万本。
じっとりと汗を吸った胴着を洗濯機に放り込み、シャワーを浴びて出た所で楼里が目を覚ましてきた。
「おはよう御座います」
洗面台で顔を洗う楼里の横で、撫子は髪を渇かしながら鏡に映った自分の身体を見た。
「…………」
「お姉ちゃん、又服着ないでいるつもりですか?」
楼里に言われて、首を竦める。
「楼里……」
「はい?」
「いえ、なんでもありません……」
朝食はパンだった。お米がきれていたらしい。
「〜〜〜!!」
楼里がジャムの蓋と格闘していたのを撫子は見かねて開けてやる。
「流石お姉ちゃんですね」
撫子の力を楼里は素直に褒めた。だが撫子は暗い顔をする。
「………」
「お姉ちゃん?」
「いえ、ジャム次は私に下さいね」



「おはよう!」
登校する撫子に声をかけてきたのは由羽だった。
試合で脱臼した肩も自転車に乗れる程度には動かせていた。ただ団体戦は間に合わなかったようだ。
それでも地区大会ぐらいなら由羽無しでも勝ち抜いていけるようで、特に訓と那留は無敗のまま団体戦を終えた。
「おはようございます」
由羽はワイシャツを着ていた。今日から夏服の移行が始まる。それにしたって半袖はまだ寒そうに見えた。
由羽は頓着しないだろうが。というか、長袖もっているか怪しい。
その日の気温に合わせて服を着るとかしなさそうだなどと撫子は考えたり。
後日、寒い日に由羽は下に半袖のTシャツを着込んできた。しかしワイシャツは半袖のままだった。
「今日、午前授業だろ?学校終わったら遊びにいこーぜ」
「ごめんなさい、先約があるので」
「というか、午後は練習だ」
速度を落とした由羽の頭を叩いたのは訓だった。
「えーいいじゃん、先生部活に出れないんだろ?」
「それが県大会を控えた選手の言うことか!!」
「まあレギュラーだけ練習って由羽くんが文句言い出すとは思ったけどね」
一流は撫子の肩に手を置きながら続けた。
「撫子ちゃんとは私が遊びにいくから」
「ちょっと待ってよマネージャー!!訓、お前ガツンといえ!ガツンと!!」
「あんまり無駄遣いするなよ。福岡で買い物できなくなるぞ」
「オイ!福岡ってなんだ!お前達新婚旅行かーー!!」
一気に捲し立ててツッコミを入れる由羽。しかし場の空気が重たい。
「アレ?どうした?」
いつもなら新婚旅行を真っ先に訓が否定してるはずだが、訓も一流も撫子さえも白けた目で由羽を見ていた。
「お前…お前なぁ……」
言いかけて訓は腹立たしそうに首を振ったのだった。


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89 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 19:05:28 ID:Wg8OvEh4
「ありがとうございました!!」
練習の最後にだけ尺旦は駆けつけた。那留の礼とともに全員の気が緩む。
時計は三時半を回っていた。
「う〜今頃撫子ちゃんや一流ちゃんは楽しくやってるのかなぁー」
「吾根脇先輩と千紗さんと麗子もな」
「へ?一緒なの!?」
「なんだ一野進、顔が青いぞ」
当馬に指摘されるまでもない。いや、会ったからどうという事もないが、由羽としては撫子と麗子が一緒にいるのは気が気でない。
「お、俺、今から合流しようかな〜…」
「はぁ?」
訓が首を傾げた時、尺旦が全員を呼んだ。
「う〜〜」
逃げようとする由羽を訓と当馬は引き摺って、道場の隅にあるテレビの前に立っている尺旦の元に駆けつけた。
「今日はお前達に見せたいものがある」
尺旦が取り出したのは一本のビデオテープだった。
「秘蔵品だ」
尺旦がニヤリと口を曲げたのを見て、由羽は食いついた。
「マジっすか?モザイク無しとか!?」
「……一野進、何を想像している」
「そういう当馬は何を想像したんだ?」
「ああ、君たち、話の腰を折らないように……」
兼次が由羽と当馬を宥めたところで、尺旦はビデオデッキにテープを差し込んだ。
画面に映ったのは柔道の試合。所々人が横切ったり、関係ない音が入ってるのはTV中継ではなく、DVカメラで取ったものだからだ。
「東開大佐上……」
那留の独自に、訓は顔色を変える。
「向こうの地区で監督をしている俺の教え子に頼んでダビングしてもらったものだ」
尺旦が説明するのはもう耳には入っていない。訓と那留は食い入るようにTVを見た。
引き摺られるように他の面子もTVの画面に集中する。
「強い……」
当馬が漏らした言葉は、全員の実感だった。
「県大会に優勝すれば間違いなくIHでコイツらと当たるって事か」
由羽の言葉に尺旦は半分頷く。
「そうだな。それももちろんだが、七月には金鷲旗もある」
「へ…?」
(やっぱり忘れてたな、由羽……)
訓は溜息をついた。ちなみに由羽は忘れてたのではなく、知らなかったのである。
「福岡で開催されるオープン参加の大会……むろんウチも出場する」
「君たちはIHより先に全国デビューすることになるね」
兼次の言葉に訓と当馬は自信ありげに頷いた。
「何をボケっとしてる、一野進。お前も団体のレギュラーだぞ」
府久武の声に、由羽は狐に摘まれた顔をする。
「あぇ?だって……」
地区大会の団体戦は那留・兼次・当馬・訓に加えて重量級の法華角人(ホッケ ツノヒト)が務めていた。
「とっとと肩治せよ。じゃなきゃ、レギュラーは譲らんぞ」
「う、ウッス!」
一年上の先輩(しかも重量級)に少し気圧されながら、由羽は答えたのだった。



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90 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 19:06:41 ID:Wg8OvEh4
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「ハイ!」
「ハイ!」
マイクを片手に手を合わせて合う迩迂と千紗。そしてホスト顔負けのタンバリンテクニックを見せる一流。
カラオケマシーンに表示された点数に迩迂と千紗は悲鳴を上げた。
「私、ジュース持ってきますね」
空になったコップを他の人の分も持ち、ドリンクバーのリクエストを聞く撫子に千紗と一流は気軽に頼んだ。
一流はともかく、千紗も随分撫子と仲がよくなったものだと麗子はストローで自分のジュースを啜りながら思った。
一流が選んだバラードが流れ始める。日々常々あれだけ訓とラヴラヴなのに、まだ愛を歌うのかと麗子は半分呆れ、半分感心した。
「………」
ジュースが減り、ズズズと品のない音が手の中に響いた。

「千紗さんがコーラ、一流さんがアイスティー…でしたね」
廊下にあるドリンクバーのボタンを押す撫子は後ろに気配を感じ、待たせて申し訳ないと振り返った。
「……麗子さん?」
「私もおかわりしにね」
含みのある笑いを見せる麗子に、撫子は少し戸惑った。
「私だけ私服で仲間はずれね」
他の四人には学校終わりで、そのまま制服を着てきている。高校に行ってない麗子だけはTシャツにホットパンツ、ブーツといった私服だ。
「え?そうですね」
言葉通り受け取って答えるのは、彼女なりの気遣いかも知れない。
……性格に寄るところが大きそうだが。
麗子は少し溜息を吐いた。撫子にではなく、自分自身にである。
「私さ、撫子の事好きよ」
「え?」
「一応言っておくけど、レズビアンって意味じゃないから。普通に男とセックスしてるし」
機先を制して麗子が言った。
「そういう事は、あまりこのような場所で言わない方が宜しいのでは?」
「そう?条件は揃ってると思うんだけどな、私と撫子しか居ないし」
「どういう…意味でしょう?」
「コーラ、溢れてるわよ?」
麗子の指摘に、撫子は押していたボタンから手を離した。
「…………」
「まあ、男ってのは由羽なんだけどね」
「由羽…さん?」
その髪の毛の色とは反して黒い撫子の瞳が少し見開いたのを麗子は見逃さなかった。
「うん、由羽。だからね、私、本当なら撫子のこと好きにはなれない筈なんだけどね」
「何故…ですか?」
「由羽が撫子の事、好きだからに決まってるでしょ?」
「私を……?」
カラン……と麗子の持っているコップの中の氷が音を立てた。
「好き…というのは」
「もちろん異性としてよ」
「それは変な話じゃありませんか?由羽さんと麗子さんは……睦み合ってのでしょう?それはお互いが好き合ってるからではありませんか?」
「私は…私達は一度だって“好き”も“愛してる”も言ったことがない」
伏し目がちだが視線を逸らさずに麗子は言い捨てた。
「私達は“恋人”じゃなくてただの“つがい”なのよ。病気になったときに薬を求めるように
 私は由羽を、由羽は私を必要としているだけ。それでも……獣じゃないから、肌を通わせれば情は生まれるけど」
だから麗子は、もし問われてしまえば、由羽を愛してると答えてしまうかも知れない。
「それを抜きにしても、由羽は私の大事な親友なのよ。そう、そうね……親友が好きになった人は好きになって当たり前かもね」
撫子は麗子の独自に困ったように眉を顰めている。
撫子にしてみれば、由羽と麗子の関係は理解の範疇の外であるし、そのような関係を築いている
由羽という人間に対しての新しい評価が鎌首をもたげて心中を覆っているのである。
「それにやっぱり、撫子は一流に似てるから好きにはなっちゃうな、私は」
その言葉を口にした時、おそらく無意識で麗子は視線を逸らしていた。
「麗子さん……麗子さんは私にそれを言って何をしたいのですか?」
「聞きたいのよ。貴方は由羽が好き?勿論、異性としてね」
撫子は困った。由羽に関して言えば……異性という条件が付かなければ好ましく思っている。
ただ男性として好きかと問われると、わからない……というのが正直な答えだった。
突き詰めていくと、由羽を異性としてどうこうというより、男性を好きになるという感覚がわからないと言った方が近い。

91 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 19:08:44 ID:Wg8OvEh4
撫子はそのような事を麗子に淡々と答えた。
「そう……じゃあ考えて頂戴。由羽は……いい人よ」
「知っています」
「でも寂しい人なのよ。私じゃ埋めることはできないの」
撫子はにわかに麗子の持っているコップを奪い取った。氷が溶けて水が溜まっている。
「水随方円器と申します」
「…………」
「水は器の形に従うものです。人は誰でも水の如くその在り方を変えることが出来るのではないでしょうか?
 もし、貴方が由羽さんの心を埋めたいと思うならば、それはできる筈です。私に頼むのは誠実な行為ではありません」
撫子の凜とした声が麗子の心に突き刺さる。
「でもね、それはできる人の理屈なのよ」
それに間に合わないと麗子は思う。今必要なのだ。由羽は初めて足掻き求めている。それが無駄に終わったら
由羽はきっと足を止めてしまう。後はずっと心に空虚を抱えながら偽りの笑顔を貼り付けて生きていくだろう。
それは外側からでは壊せない。人は自分の意志でのみ、歩き、立ち、求めるのだから。
「麗子さん、私は…」
「あ〜いたいた〜!!」
二人が遅いことを心配した迩迂が探しに来たようだった。
「次、撫子ちゃんの曲だよ〜」
撫子からコップを奪い、代わりに持って行くから戻ればいいと笑う迩迂に押されて撫子はカラオケルームに戻るを余儀なくされた。
自分の言いたいことを言った麗子は(身勝手なことだが)、その場で静観している。
「あの……それオレンジジュースのボタンですけど?」
アイスティーを所望の一流のコップにオレンジジュースを注ぐ迩迂に麗子は指摘した。
迩迂は慌ててオレンジジュースの上からアイスティーを注ぎ足した。麗子は心の中で一流に謝った。
「レコちゃん」
撫子のコップに(彼女が絶対飲まなそうな)メロンソーダを注ぎながら、迩迂は麗子に語りかけた。
「撫子ちゃんは良い子だねぇ」
「はい」
「レコちゃんも良い子だよ〜」
毒気の無い笑顔に、麗子は引きつられて笑ってしまった。
その笑顔にも麗子は惹かれるものがある。自分はつくづく無いものねだりが好きなのだと
呆れながら、迩迂が注いだジュースを両手に持って手伝った。






楼里はお風呂から上がり、廊下を歩いてると風が入ってきてるのを感じた。
姉である撫子の部屋からだと、パジャマに着替えてから訪れた。
「あら、楼里」
「またそんな薄着ですか?」
夜風に当たっている撫子は下着とタンクトップしか付けてない。
その下着も下しか着けていないのだろう。タンクトップに締め付けられた胸の尖端が盛り上がっている。
無防備にも程がある。
「私が暑がりなのを、楼里は知ってるでしょう?許して下さいな」
言いながら、病弱な楼里を気遣ってか窓を閉める。
夏の風は程よい温度で、楼里は少し惜しい気もしたのだが。
「楼里……少しこちらへ来てくれませんか?」
「はい?なんですか……」
請われるがままに撫子に近づいた楼里は、そのまま撫子に抱きすくめられた。
小柄な楼里は、簡単に撫子に引き寄せられる。
「な、な、な、なんですか!?」
「……楼里は柔らかいですね?」
「ふぁ、ふぁいぃ!?!」
混乱する楼里を、撫子はそっと抱き下ろした。
お姉ちゃんだって柔らかいじゃないですか……と撫子の胸に身を沈めた楼里はあやうく洩らしそうになった。
「楼里は恋というものを知っていますか?」
「さ、魚ですか……?」
「亦の心と書く方のですよ」
小学生相手に何を言ってるのだろうと撫子は苦笑した。楼里も困ってるではないか。

92 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 19:10:51 ID:Wg8OvEh4
「は、はい」
おや…撫子は眉をあげた。楼里はまだまだ子供だと思っていたのだが。
楼里も楼里で、まさか姉からそんな話題を持ちかけられるとは思いも寄らないことだ。
「私は暑がりです」
「は、はあ……」
また話が飛んだ…と楼里は思ったが、どうやら違うらしい。
「中学生の頃の夏服は半袖でした」
確かに、長袖半袖の指定は無かったが、撫子はよく半袖を着ていたのを楼里は覚えてる。
「高校の夏服は長袖しか買っていません」
そう言えば……後で買い増すのかとでも楼里は思っていたので気にも留めてなかったのだが。
「腕を見られたくなかったのです。こんなに筋肉のついた女の子らしくない腕を……」
「え……」
意外だった。楼里にとって姉はとても強い人だった。肉体的な意味でもだが、心も。
普通の人間が悩むような事は、この人には無縁のものだと思っていた。
「誰に見られたくないのかと考えていました……」
一流にだろうと撫子は思っていた。同じ女からみて嫌になるほど美しい彼女と並んだときに、自分の見窄らしさに耐えられない。
でも、それは他人に見られて恥ずかしいと言うことだ。それはおかしい。自分の腕が女の子らしくないことなど
ずっと昔から承知で、だからといって別段晒して恥ずかしいと思ったことは一度もないのだ。
「もしかしたら私は……彼に見られたくなかったのかも知れません」
(訓さんに……)
撫子の“彼”とは由羽なのであるが、撫子は楼里が由羽を知ってるとも思わず、また説明するのも話が迷走するので言わなかった。
それが後に楼里をどれだけ傷つけることになるかは、この時予想しようもないことだった。
「そういう気持ちとは……恋……なのでしょうか?」
「え…え、あ……」
そうだ、訪ねられてたのだと楼里は慌てて考えた。
「……私には好きな人がいます」
「楼里……」
「昔……歩道橋の階段から足を踏み外した私を助けてくれたんです。今でも思い出せます。抜けるような
 青い空が広がっていた日、優しく逞しい腕、爽やかな笑顔、そして大きな手を私の頭に置いてた……」
栗色の髪のその男の顔を名前程度は知っていた。少し恐い人だと思っていた。
――一野進由羽
その名前を思うだけで楼里は胸が熱くなる。その感情は間違いなく恋なのだと、楼里は胸を張って言えるだろう。
「そのような鮮烈な思いを恋と呼ぶのでしょうか?」
年端もない妹に何を尋ねてるのだろうと撫子は姉としての矜恃が崩れる思いもあったが聞いた。
「さあ……」
楼里は断定せずに首を捻る。
「私の場合はそうだと言うだけです」
「そうですね……」
撫子はふと一流と訓を思い浮かべる。幼なじみの二人にはそういう鮮烈な思い出はないのかも知れない。
(でも麗子さんは鮮やかな思いを由羽さんに持っているのでしょう……)
そして麗子と由羽が抱き合ってる姿と思うと、撫子は胸の奥がチクリと痛むような気がした。





.

93 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 19:12:01 ID:Wg8OvEh4
訓と一流は時計の針を睨んでいた。秒針が11の文字を越えて12の文字と重なる。
「「!!」」
同時に二人は机の上の問題集を開いた。
「…………」
「…………」
シャープペンシルと秒針の進む音だけが部屋に響く。時折、ページをめくる音。
黙々と進み、時に呼吸を忘れたのか大きく息を吸う訓。
だんだん筆圧とノートとの距離が近くなってきている訓に対し、一流は正しい姿勢のまま機械のように問題を解いていく。
「終わった!!」
声を上げたのは一流だった。
「う……」
ペンを止めて机に突っ伏す訓。向かい合って一流は満足げに微笑んでいる。
「ほら、訓も頑張って」
ニコニコと訓が勉強をする姿を観察する一流。もっとも訓からしてみれば視姦されてる気分である。
一流から言わせれば訓の姿を見てるだけで愉しいらしいが、一目も逸らさずに見られるのはたまったものではないらしい。
故に訓は一流より早く問題を解けるように努力し、また一流も少しでも長く訓を見るために努力するという
なんとも摩訶不思議な相互成長を促す結果になっていたのだった。
「終わった」
「1分20秒……80秒だから−8点ね」
「9点差以上だったら俺の勝ちだからな」
訓と一流はお互いの問題集を交換して答え合わせをし始めた。



「……負けた」
「訓は見直しに時間かけすぎるのよ。その分ケアレスミスは少ないけどね」
「トータル1勝2敗か……」
間違いを確認しながら訓は時計を見た。勉強を初めて一時間半が経っている。ここら辺が区切りだった。
「うん、じゃあ上脱いで」
「はぁ……」
「訓が勝ったら私は訓の言うこと何でもきく、私が勝ったら訓は私の言うことなんでも聞く」
それが二人の決めたルールなのだから仕方ない。
「……でもさ」
「?」
机の下を潜って一流ははだけた訓の胸板に顔を埋めている。
「いちるに負けても、俺はいちるにこうして……うぅ…っ」
一流はその唇を訓の乳首に重ねた。
訓が勝ったとき(少ないが)は一流に色々命令させて、いわゆる御奉仕をさせるわけだが
訓は自分が負けたときも奉仕した覚えはない。その代わり、このような行為に対して無抵抗でいるのが命令だが。
「…ぅ……」
男が喘ぎ声を出すのは情けないとでも思っているのだろう。我慢する訓を見ていると一流は堪らなく愛おしい。
「じゅる……ちゅっ……ちゅ…」
一気に吸い立てた後は、啄むように訓の乳首を吸う。興奮すると乳首が立つのは男も女も一緒。
そして……
「固くなってるよ、訓」
「そりゃそうだろ……」
「嬉しい」
でも駄目……と一流は決して訓の剛直には触れない。
「…れろ……れろ……むちゅ……」
舌先で転がしながら、存分にこの前菜を味わい尽くすのだ。
「うぅ……はぁ……」
訓は我慢して、我慢して……
「はむ……ん……ちゅる……は……」
「うぅ……」
葛藤して、葛藤して……
「じゅるる……じゅろ……むぅ……ちゅぽ……」
「んぎぃっ!!」
結局耐えられずに、一流を押し倒すのだった。
「ほら、またルールを無視する」
「ぐ……」

94 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 19:16:29 ID:Wg8OvEh4
詰まった声をあげながら、慣れた手つきで一流の服を脱がしていく訓。
「……狙ってるだろ、いちる」
「勿論」
「ああ…クソッ!!」
「訓、もう我慢できないんでしょ?いいよ、頂戴。訓のおちんちん」
整った鮮やかな朱の唇から、そんな卑猥な言葉がでる。それだけでも訓の猛りを促進するには充分だ。
「いちるだって濡らしてるくせに……」
小さく愚痴りながら、慌ただしくズボンを脱いで、訓は一流の密壺に挿入する。
「ぅん…ッ!」
すんなりと受け入れられるのは、充分に一流が濡れていたこともあるが、訓の呼吸と一流の呼吸が合っているからだ。
だから一流はこの行為が大好きだ。二人の呼吸が、意志が重なるからだ。
夫婦の共同作業なんて揶揄めいた言葉が浮かぶが、それがどんなに素晴らしく甘美か一流はよく理解している。
「うぁあっ!?」
「お返しだ、いちる」
乳首に吸い付く訓に対して一流は抗議する。
「私は噛んでない」
「痛かったか?」
「シビれた」
つまるところ気持ちよかったと一流は言った。そう言われると嬉しくなるのが訓だ。
「ん…ぁ…はぁっ……ぅ……はっ……」
桜色の果実が揺れるのを見下ろしながら、訓は唾を溜めた。
「ん……」
「はぁ…じゅる…じゅるるるる……んぁっ…」
訓の唾液を嚥下していく一流の顔は至悦の表情である。
「はっ…ああぁ……んぁ……ふぁぉ……はぁ……ああぁ……ぁぁ……」
訓と交わっていると体中が敏感になるのが一流は判る。何をされても、どこを触れられても
まるで神経が剥き出しになったように、脳髄が刺激を伝える。その刺激はすべからく快感となって身体の外に漏れていく。
「く…狂いしょおぉぉ!!」
ノッてきたな……訓はまだ頭が熱しきれてない僅かな部分で判断した。
一流は没頭しはじめると酔ったように(いや、実際酔ってるのだろう)、呂律がまわらなくなる。
同時に自分を包む肉壁の脈動がより細かく、うねりをあげ、その圧力が増していく。
牡を求めることに牝の身体の全てが使われていくようだ。
「…ぅ……は……ぁぁん……きゅ…ん…訓……しゅきぃ……ああぁ!!」
射精の欲求に負けぬよう、歯を食いしばりながらも、しかし訓も言わずにはいられない。
「ああ、愛してるよ、いちる」
宙を彷徨う一流の手を取り、指が絡み合い、睦み合う。
それだけで、確かにお互いの心を感じ会える。肉欲に身体を奪われながらもきちんと繋がっていられる。
「もっといくよ、いちる」
「ひゅぁ……はあぁ……きてぇ……ああぁん……どこだって……ふぇぁ……全びゅ……訓のだよぉぉ…私にょ…ぉぉん…身体ぁあぁぁ゛ぁぁ……」
訓は角度をズラしながら、一流の肉壺の中を剔っていく。
奥の奥でさらにかき混ぜられ、思わぬ衝撃が一流を焦がす。
「ふひゃあぁ……じゅご……じゅごいぃぃ……」
一流の中の一辺たりとも知らぬ所はないとでも言うように、訓の肉棒は足跡を残していく。
その先走りを塗りたくることでマーキングでもしているかのようだ。
「いちるが……勝ったんだから…ッ」
「ぁあ…ぃ……ふぁっ……にゃ、にゃに……ああぁあっ」
「いちるの好きな所にかけてやる」
そうは言っても、一流にその言葉の意味を考える余裕などない。
もっとも訓もそのことを理解して安易な言葉にしてやるほどの余裕もまた無いのだが。
それでも流石と言うべきか、一間置いて一流は訓の言うべきを理解して答えた。
「むにぇ…はあぁっ……胸に…ぁぅう……せぇしゅぃ……かけてぇぇぇ……」
「わかった、ベトベトにしてやるよ」
「……はあぁ゛…胸にかけりゅとぉ…ああぁ…匂い……じゅごいよぉ……訓のぉぉ……」
一流は一瞬考えた。むせかえるような牡の匂いが胸から登って鼻孔を擽る様を。
「ぁあ゛ぁあっ…もうっ……みょうっ……!!」
「イクのか?あぁ…いちる……ッ!!」
「きゅん…訓……んんっ……」
一際大きく一流の最奥を突き倒した後、白波の悦流が腰から流れると同時に剛直を引き抜いていく。
訓は自身の形に一流の肉が食らいつきながら脈動するのを名残惜しく感じながら、その自身をさらけ出した。
「ああぁ!!……ぉぉ……ああぁあ゛ぁぁぅあぁっ!!……はぁあぁぁ……」

95 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 19:18:42 ID:Wg8OvEh4
一流の意志がトンでいる、その刹那、何とか狙い付けれたと訓は霞む意識の中で思った。
「はぁ…はぁぁ……」
隆起する胸に感じる白濁の生暖かさを認知するには、一流はまだ少しかかりそうだった。
そのなんの意志も持たない、それでいて至福に満ちた一流の瞳が何よりも訓は愛おしく、
愛でるように髪と頬を撫でた。



「いい加減シャワーあびてこいよ」
いつまでも自身の手の平で精子を遊ぶ一流に訓はどうしたものかと言った。
その姿はエロくて、男としてはそそられるものがある。
実際、そのせいで第二ラウンド突入した訳だ。
「いいじゃない。訓の匂いなのよ…」
「うぅ……」
このままだとなし崩し的に第三ラウンドに突入しそうだ。だが、一日は二十四時間しかないのだ。
放課後はトレーニングをして、勉強もして、甘々にまったりと過ごして、さらにエッチをしてとなると
どうしても二十四時間では足りない。睡眠時間は削れないので、どこかしら我慢しないといけないのだ。
と、滔々と語らなくても一流は判っているだろ?……と、三度起立し始めたモノに物欲しそうな視線を注ぐ
一流に対して、訓は目で答えた。一流もさして食い下がりはせずに、代わりに訓に身体を寄せた。
「いや、だからシャワーを……このまま寝たら布団に匂いがつくし」
「それいい。訓の匂いにくるまれて眠るなんて、寝てるだけでイッちゃいそう」
冗談ではない。自分の精子の匂いと一緒に寝れるかと訓は苦い顔を見せた。
「本物の俺がいるからいいだろ?今日は泊まっていくからさ」
寝るにはまだ早い時間だ。
「うん……改めて自己嫌悪。いちるのお父さんやお母さん、まだ起きてるよなぁ……」
「ねえ訓、一緒にお風呂入ろうよ」
「……いちる、少しは俺の悩みを共有して欲しい」



なんとか別々に風呂に入る事に成功した訓(前に風呂場でいたした事に対する教訓)は、
パジャマ(常備一流の家においてある)に着替えながら窓を開けた。
一応客人の身なので先に風呂に入るのもどうかと思う訓である。今は一流が風呂に入っている。
まあ夫が先と貞淑な妻をしているだけだと一流に言われて、訓は風呂に入らずとも湯気を上げたわけだが。
「はぁ…」
道場で見たビデオの事を思い出す。東開大佐上……金鷲旗は勝ち抜き戦だ。五人全員と試合する事も有り得るかも知れない。
正直、今の自分の実力では五人抜きなど夢のまた夢だとも訓は思うが。
両の手を広げて考える。
倒すべき相手を、一人づつ指を折っていく。まず県予選で斯須藤那留、一野進由羽、そして金鷲旗の東開大佐上の五人、他の強豪もいるだろう瀬田ヶ野(セタガヤ)学園、小櫛侃(コクシカン)高校……
(でもやっぱり……この中で一番の強敵はアイツだ)
親友の顔を思い浮かべる訓。他の連中は那留以外は実感が無いというのもあるが、けどそれでも
一野進由羽が乙古訓にとって最大最高のライバルであることは不変なのだ。由羽の存在が訓を柔道に引き寄せたのだから。

96 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 19:20:39 ID:Wg8OvEh4
.
風呂上がりに冷蔵庫にアイスを見つけた一流は、二本もって訓の待っている自分の部屋に入った。
「……いない」
窓が開いていると思い、一流は首を出すと、屋根に座って訓は空を見ていた。
「天体望遠鏡だそうか?」
「いいよ、ふらっと見てただけだし」
「私もそっちにいっていい?」
見ればそのまま座っては汚れるからとタオルを敷いてるあたり、訓らしい。
まだ一人分ぐらいは座れそうだった。
「んしょ…」
訓の又の間に腰を下ろし、アイスを渡す一流。
訓は一流が落ちないように……とは口実で、一流と密着するために手を腰に回し引き寄せた。
「ん……雲一つ無いね」
「ああ、星座もよく見える」
一流も、頭を訓の胸板に預けて空を見た。
「ねぇ……訓」
「なんだ?」
「銀メダル頂戴」
地区予選の個人戦のか……訓は了とも不可ともせずに黙った。
「訓は金メダルしか呉れなかったでしょ?」
「そうだな」
メダルは金メダルの時だけ、一流に渡していた。それ以外は相応しくないと思っていた。
「でも今の私は訓の恋人だから、そういうのも全部欲しいな」
自分のがあるのに、一流は訓のアイスを口に含む。
「ね?」
「うん、わかった」
一流を抱く腕に力を込めた。華奢で折れそうな身体だが、とても温かく安らげる匂いがした。
今の自分の強さにはかけがえの無いものだ……訓は夏夜の星の瞬きに自慢してやりたかった。









「98…99…100」
数え終わると、由羽はダンベルを放り投げた。
もうすっかり動かせるようになった肩を回して感触を確かめる。
「勝つって約束したからな……」
訓が一流の為に勝ち続けたように、自分も麗子の為に勝ち続けられるだろうか……
(無理だ)
半分、思う。
自分は訓ではない。その身を焦がすような熱い思いなど持ち合わせてないと、誰よりも由羽自身が知っている。
それに……まだ言葉にできるほど理解はしてないが、本能的に過去の訓と今の訓は違うと言うことを由羽は判っていた。
今の訓は訓自身の為に勝てるのだ。
由羽とて、己自身が望んだから訓に勝てた……その事に違いは無い筈であるのに、懐疑的だ。
長らく自分を信じられなかったツケと言わざるえないだろう。
「………」
立ててあったカレンダーを倒した。県予選までの日数など見たくなかった。
ふと携帯電話に手をのばそうとして止めた。
誰にかければいいと言うのか?麗子か、撫子か、はたまた楼里か……彼女達にかけて何を話そうというのか。
由羽は身を布団の中に沈ませた。無機質な天井がただそこにあった。





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97 :すなおくーる×おとこくんΖ <愛逢月>:2008/02/23(土) 19:23:16 ID:Wg8OvEh4
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――IH県大会予選

――――個人戦中量級

準決勝で乙古訓は地区大会の雪辱を晴らし、一野進由羽を下したが
決勝に於いて斯須藤那留にその優勝を阻まれた。

――――――団体戦

法華に代わりレギュラーを務めた一野進由羽が精彩を欠いた。
決勝戦の匡業学院戦に於いて、先鋒・乙古が白星をあげるも、次鋒・当馬、中堅・一野進が二タテで敗北
副将・津田が引き分けで繋ぎ、大将・斯須藤が白星を挙げるもポイントで一高は優勝を逃した。






<了>

98 :すなおくーる×おとこくんΖ <オマケ>:2008/02/23(土) 19:26:49 ID:Wg8OvEh4
千紗「伴田千紗の楽屋裏レイディオ!」
鷹賀「ちゃらっちゃ〜ちゃっちゃらら、ちゃっちゃちゃ……って台本通りに歌いましたけど、コレって」
千紗「日本語訳・苦くて甘いサンバ!」
鷹賀「AMですか?」
千紗「AM馬鹿にするなよ!」
鷹賀「ゲストの一歩です。って、ゲストに自己紹介させないでください。っていうか、なんで俺?」
千紗「ん〜暫く出番が無いから、せめてもの気遣いらしいわよ、作者的に」
鷹賀「うわ、ひどっ」
千紗「暫くってことは出番あるってことだからポジティブに考えなさいよ。條とかアンタの妹さんとか
   出番はもう無いと思うわよ。あと乙古父こと夏さんは設定だけの存在になるかも知れないのよ」
三人「「「絶望した!!」」」
千紗「黙れよガン○ム(SD)。パーソナリティーの外で構成作家とかの声が聞こえるような状況になってるじゃない」
鷹賀「そのツボは万人には理解しがたいですね」
千紗「はい、普通のお便り略して“ふつおた”が届いてます。RN(ラジオネーム)、1の親友さんから」
鷹賀「音声だとそれ本名になってますから!」
千紗「"なんか由羽より訓の方が目立ってない?"
   ……主人公だからって美味しい思いが出来ると思ってるの!!
   主人公といえばヌルヌル空間でマンセーされて、ある時フッと覚醒して勝利!なんて思ってるの!!」
鷹賀「色んな所に喧嘩うってるなー。というか、自己批判にならないですか?」
千紗「いい!主人公っていうのはね、ダサい格好の正義のヒーローやってたらラブコメフラグが立って
   死んだお父さんが一日だけ帰ってきたと思ったら、変なモヒカンに連れられてピンクのデブに殺されかけて
   30過ぎても王子様な人が自爆したり、魔人と世界チャンピオンと犬がハートフルしたり
   弟とムキンクスが合体した戦士がコメディ戦闘やってるあいだ、ひたすら座ってるだけという地味さで
   ようやくピンチに駆けつけたと思ったら二週で形成逆転、あげくには吸収されてしまう
   そういう殺伐としたポジションなのよ。素人は富樫先生の取材のため休載ですでも信じてろ」
鷹賀「真面目な理由をいうと、すでに一流さんとくっついてる訓の方が、まだ特定の女性を持たない由羽
   と比べて描写が多くなってしまうのは仕方がないです、エロパロ的に考えて……だそうです」
千紗「まあ、訓と由羽のW主人公だとでも思っておけばいいじゃない。Ζガ○ダムだってキャストはシ○アの方が上よ
   はい、次のお便り。RN当て馬さんから頂きました。
   "桜子的なポジションの女の子はいないのか?"
   ……私?」
鷹賀「えー…」
千紗「っていうか、これはアレか、自分が杉だとでも言いたいの?」
鷹賀「帯ぎゅ!に関してのレスはよくつけられますけど、実はこのシリーズを書き始めたときは帯ぎゅ!の
   存在自体知らなかったそうです。後になって確かめたとか。元々訓さんがやってるスポーツは個人技ならなんでもよかったそうな」
千紗「じゃ、ラスト。RNナルシストさんから頂きました。……キモチワルイ。っと旬な反応をしてみたりして
   ええっと内容は……
   "柔道の階級間違ってないかい?今は七階級に別れてる筈だよ?"」
鷹賀「あー…」
千紗「過去のお話なのよ」
鷹賀「それだと携帯の普及率に問題が……」
千紗「ゲ……なんてね、ホントの所は作者が登場人物の体重とか細かく設定したくないだけよ」
鷹賀「それはそれで問題があるような……」
千紗「でもそういう数字とか出るとイメージが固まっちゃうじゃない?十人いたら十人の訓や一流がいていいのよ
   だから漠然と中量級の下の方とか、頑張れば中量級とかでいいの。私達の住んでる場所だって
   漠然と地方都市だし、一流や麗子を覗いて各人の家が和風か洋風か、学校の外観とかも殆ど説明してないしね」
那留「ちなみに私の好きな食べ物はポンカンだ!あんこいりパスタライスとか邪道なものは送ってこないように」
千紗「人の話聞いてた?っていうか、いきなり出てこないでよ!っていうか送る!?」
鷹賀「さてお時間になりました。由羽を巡る麗子・撫子・楼里は一体どうなってしまうのか!?
   避妊してない訓と一流の運命は!?そして当馬はフリ○ザ声の師匠に弟子入りし、女装して
   柔道界に旋風を巻き起こす!柔道サスペンスストーリーが次回から定刻通りにただ今到着しません」
千紗「もうなんかグダグダ通り越してグズグズね……まあいいわ、今後の展開は貴方自身が確かめて(CVかな○みか)」
那留「キュィキュィ!(白イルカのマネ)」



おしまい

99 :名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 19:32:45 ID:O6CI8E6X
とりあえず、


よりによってSDGFネタかよw

GJでした。

100 :名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 23:11:20 ID:bcCgJ3Vy
GJ
スレ的に考えたらレコとくっつくってのはなさそうだなぁ
ちょいカワイソス

ここまで王道しながらインハイいけないのかー

101 :名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 23:16:02 ID:AvoBAXG7
 いつもお世話になってるぜ。GJ

 しかし、愉しませてもらってる分際で難だが、ちと肩に力入りすぎてやしないかい?
 あんまり背伸びして堅苦しい表現使おうとすると不自然、ていうかミスが出ちゃうもんだぜ。

102 :名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:40:54 ID:5hA224YL
ならミスとやらを言やいいだろうに・・・
もってまわった言い方する意味あんのか?

103 :名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:58:42 ID:wYWExOkD
ageにレスする価値は無い

104 :名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 01:27:29 ID:e4H3B9R7
カミツキガメ(噛付亀・学名 Chelydra serpentina)は、カメ目カミツキガメ科に分類されるカメ。もしくは近縁種の総称。ワニガメと同様に飼育個体に由来するとみられる個体が日本でもたびたび発見され、問題となっている

105 :名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 07:31:06 ID:LaSuCIMh
どこが堅苦しいのかはわからないけど
エロパロ板にはどうせ名前も特定されないし、商業でもないんだから完成度より実験重視の人もいるし
プロでも脚本家の大河内やエロゲのきのこなんかは敢えて変な日本語や文法使ってるからね
明らかな変換ミスじゃない限りどこまでが作者の狙いで、どこまでが技量不足かなんてなぁ
繰り返し韻を踏むのが好きってぐらいしか読んでて感じないな(これ以上は別スレだな)


ラジオからすると前にあった高校柔道編が見たいってリクエストに律儀に答えてるのかなw
学生生活とエロに柔道の比率が増したらこの長さはしょうがないかな?ありがたいけど
訓もなにげに素直クールだよなwそして当て馬がネタにされない代わりにヤムチャしてて本当に憐れにw

106 :名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 14:48:56 ID:L/3Wm8lG
正直主人公があまり泥被ってないのが気になる。
ほとんど当馬が被ってたし、そこらへんが少し鼻につく感はある。

107 :名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 17:19:03 ID:G7mXhLVt
いい加減ちょっと黙ってろ、な。

108 :名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 21:35:51 ID:KgfOU7b8
こんなんじゃまた荒れまくって雰囲気が悪くなるだけだ。
職人さんも作品を投下しにくくなる。
噛みつくだけで楽しめないヤツは消えろ。

109 :名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 21:53:22 ID:pSyV57fg
>>106
それが彼の運命なんだよ
彼の苗字が全てを物語っている

110 :名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 22:48:09 ID:R3eR3S06
世の中には口癖が「不幸だーっ!!!」っていう女にもてまくりのとうまもいますよ

111 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:21:06 ID:3I9U+Xt3
>>110
それなんてタイトルになってるはずのヒロインが放置くらってるラノベ?

112 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:25:54 ID:BGvDqabz
「とうま」っつーと相方がゴリラのクールそのものな高校生思い出す俺。

113 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 02:39:40 ID:fdwgGoDX
訓はメンタル面が安定した上で
頭良くて運動できて顔もよくて彼女は美人という
敵役のステータスだから鼻つくのも仕方あるまいw
トーマはむしろ当て馬から解説役に栄転したw当て馬の危機にあるのは妹だ

114 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 07:35:00 ID:ioruKP/0
作者は由羽が好きなんだろーなってのと結局撫子は由羽のヒロインかーってのが素直な感想
あんま言うとカプ厨ウゼーとか独占厨ウゼーとか変な流れになるかもしれないが
元々脇役のキャラを作者の都合でメイン化していくのはプロの作品でも
割かし批難されやすいし、恋愛(つかエロ)が絡むなら尚更主人公(この場合訓)目線
で読んでいる人も多いだろうし

どうせなら由羽が主役と割り切って話作ってもらう方が個人的には気が楽
まぁ群像劇にしたいというのなら一読者の俺がとやかく言えることではないけど

115 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 12:27:50 ID:hrU5puYp
分かってるならチラシの裏に書いててくれよ……

116 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 18:59:35 ID:bWUrSYDT
前スレと同じ雰囲気になってきたな…
このままじゃそのうち職人サン居なくなるんじゃないか?
いい加減噛みつくだけのヤツは消えろ。

117 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 19:41:34 ID:TZj/s5gT
そんな事より素直クールな女の子の新しい可能性について語ろうぜ。

素直クール×2人で普段の2倍甘い展開。
そして3倍のエロを加えれば……!!

118 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 19:46:57 ID:Z0nqNC9u
ツンデレさえ超える1200万パワーだ!

素直クール×2なら〜型〜系の人が既に(ryとか言っちゃダメですかそうですか。

119 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:30:22 ID:nSkMxQ04
>>114
作者はむしろ訓の方が好きに見えるが
由羽のスピンオフはむしろ俺達が望んだ面もあるし

120 :名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:18:17 ID:QLVbbkNH
ネガ話を引っ張ると放置を食らった素直娘が焦れて、袖を引いたままホテルへ連行されるぞ

121 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:54:17 ID:o3hvl9m8
それだともっとネガ話を続けようってことにならないか?w

122 :暇ネタ:2008/03/01(土) 08:32:22 ID:yP2eY4Vk
「先生、好きです、愛してます、結婚してください」
「……ありがとう。それはともかく傷見せてくれない?」
 午前9時15分、市立病院3階外科病棟、316号室、女性用四人部屋。
 俺は、前島隆、外科医4年目、28歳 この病院ではもっとも下っ端。
 彼女は三塚浩美 17歳。虫垂炎の患者。
 彼女は頬を染めながら、ベッドに勢いよく寝転がると、パンツごとパジャマの下を下ろした。
 病室のドアを閉め、カーテンも閉めてるが、陰部が丸見えになって男性医師相手には大胆
きわまりない行為だった。
 もっとも俺にしてみれば少し驚いたがそれぐらいで興奮するほどではない。
 側にいた包帯交換介助の看護婦が、口を開く。
「浩美ちゃん、あんた女の子でしょ、もっとおしとやかにしなさい」
「はーい」
 もちろん返事は口だけ。
 苦笑しながら俺は右下腹部、陰部に極めて近い部分についた縫合痕を覆っていた古いガーゼを
取り外して観察する。
 傷周りの炎症所見は無く、縫合部をピンセットで押しても膿は出ない。
 糸の掛かりもしっかりしていて、問題はない。
 若い女性だから皮膚の縫合には気を使って丁寧に縫った。自分でもうまく縫えたと思う。
「じゃあ、イソジン」
 イソジン液で茶色に染まった綿球をピンセットで受け取り、創部を消毒する。
「ガーゼ」
 白い7cm大のガーゼをあてると、場所を看護婦に譲った。
 看護婦がテープで止めている間に、患者に向き直った。
「傷の具合は問題ないから来週には抜糸できるね。ご両親を呼んでもらって退院について
話をしよっか?」
「うーん、でも先生、私、最近胸も苦しいんです」
「え?」
 途端に俺の胸の内に不安が広がる。術前検査では異常無かったが、なにか合併症があった
可能性は否定できない。循環器科へのコンサルトを考えるべきか。
「食欲も無くて、いつもこのあたりがもやもやとして」
 パジャマの下をはき直したその手で、胸のあたりを彼女はさすった。
 この若さで既往症も無く、心筋梗塞は可能性低いが、心電図は取り直しておくべきか。
「先生、ちょっと確かめてください」
「あ、ああ」
 滅多に使わない聴診器を取り出して、胸に当てようとして、彼女が首を振った。
「違うんです。直接さわってみてください」
 腫瘤なのか? 乳癌にしては若すぎるし、乳腺の問題か?
 手を伸ばして彼女の若々しい胸に手をあてる。
 触診をするが、腫瘤は触れない。
「どこが問題なんだ?」
「……はい、先生だと感じ過ぎちゃうところが……、あ、もっと!」
 とたんに、病室中が女性の笑い声で満ちた。
「三塚さん! いい加減にしなさい!」
 看護婦が、大声でどなる。
 憮然として俺は手をひいた。
「あー、次行きましょう」
「先生も先生です。若い女の子だとすぐデレデレして」
 濡れ衣だ。いったい俺がいつデレたんだと思ったが、看護婦を怒らせると仕事にならないので
黙った。
「せんせー、次は二人っきりで診察してくださーい」
 さらに病室が湧いて、もてるねぇとか色男とかかけ声がかかる
「……勘弁してくれ」
 結局、その部屋の術後回診は、まったくもって最悪なものとなった

 その後ナースステーションに戻って、カルテを書いていると、部長がやってきて俺に言った。
「前島、医者が淫行してばれると、免許停止だからな」
 ぽんと肩を叩いて去ろうとしたその時、当の少女がやってきた。
「せんせー、デートはどこがいい?」
「くれぐれも、理性は捨てるなよ。いいな」
 ひでぇひでぇよ部長。俺はがっくりとうなだれたのだった。

123 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 10:55:21 ID:MHeJWNXg
先生真面目なのにwwwwww


124 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 13:45:13 ID:IVw6YlOT
ツンデレ看護婦が気になる俺はこのスレの異端派でいい…

125 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 14:09:47 ID:1DrepYYj
部長が女性であることに期待している俺も異端派でいい

126 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 23:05:30 ID:jEkCiX7i
患者少女をネチッこく描写してくれるともっといい。

127 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 23:26:26 ID:2/5s05sO
これは前島君が素直でクールなのか

128 :名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 01:31:55 ID:7gfr9P3t
とりあえず一言、GJ!!

129 :暇ネタ:2008/03/02(日) 03:58:15 ID:Higjo1Ed
「ラブラブだな。デートはいつだ?」
「勘弁してください。藤本先生。ケリー鉗子」
 午後2時32分 市立病院2階 中央手術室内第2手術室
オペ介助ナースから、先が曲がった細い鉗子を手渡される。
血がにじみ出る部分を挟み、ガーゼをつっこんで血をぬぐう。
神経や重要血管を巻き込んでないことを確認すると口を開いた。
「電メ」
手渡された電気メスの凝固ボタンを押して、鉗子に接触させ、足踏みペダルを踏む。
はじける音とともにタンパク質の焦げる臭いが漂う。0.5秒の通電で出血部位は黒く凝固した。
鉗子を外して、再出血が無いこと確認して、病巣部周囲のリンパ節をさわって確かめていく。
「メタ(転移)は無さそうだな。漿膜浸潤も無い T2N0だな」 
 マスクから見える怜悧な瞳が、暖かい色を浮かべた。
 藤本玲子先生は6年目、俺の先輩ということになる。
 メッサー(術者)としては、日赤から町立病院まで幅広く勤務し、食道から肛門までかなりオペが
うまい人だ。ただし患者の人気は低い。
 優れた女性で真面目にも関わらず人気が低いのは、極めてクールな態度を崩さないからだ。
 末期ガン患者に手術適応のないことを淡々と話し、助けてくださいと泣き崩れる患者に、全力を
尽くしますが保証はできませんとこれまたクールに言い放つのが藤島先生だった。
 冷たいとか人間味に乏しいとか投書され、少なからずクールに落ち込んでいることがあるところが、
なんというか味のある人ではある。
 もちろん先輩としては勉強になるひとで、メス裁きは少なからず盗まさせていただいている。
「しかし前島、17歳は淫行だ。うん」
「せんせー、俺は子供に興味はないです。どうせなら先生とデートしたいですね」
 その途端に、金属音が響く。藤本先生がペアン鉗子を落としたのだ。
「すまない。ペアンもう一つ」
 バツのわるそうな藤本先生の声が響いた。
「はい。……ところで前島先生、オペ室でナンパしないでください」
 手術介助の清潔ナースが怖い声でつっこんできたので、知らないふりで手元の作業に集中した。
 見ると、外回りのナースも、麻酔科の医師も目が笑っていた。
「さ、さあ、前島。摘出にかかろうか。病理にそろそろ術中迅速が出るって連絡を」
 どことなくうわずった声の藤本先生にうなずき返し、俺は結紮する短胃動脈を探し始めた。

 午後3時42分
 回復室で、執刀患者が麻酔から覚醒したのを確認して、俺は中央手術室から出た。
 三階病棟に戻り、看護婦詰め所で術後指示として、輸液と抗生剤、それから術後検査および
疼痛時などの臨時指示を出して一息をつく。
「やっほー先生!」
 そして奴が来た。
「三塚さん、なんのようかな?」
 こわばる笑みをなんとかほぐしながら対応する。
 今どき珍しい黒く長い髪、若さあふれるひきしまった体、将来が楽しみな整った顔立ちは
さぞ学校でもてるだろうことを容易に予想できた。ただし行動はあれだったが。
「手術だったんでしょ? お疲れ。チョコ食べる?」
「お? ありがと」
 疲れた体にチョコは大変魅力的であったため、差し出されたチョコを一つとって口の中に放り込む。
「うん、おいしいよ」
「よかったぁ。……ねぇねぇ、ところで、せんせーは年増が好きなの? 好みは藤本先生?」
 口の中のチョコを思いっきり吹き出す。
「……はぁ?」
「看護婦さんがね、前島先生が藤本先生を手術場でナンパしたって言ってたよ」
 頭を抱える俺に、さらなる追い打ちがかかった。
「前島、淫行はいけないが、二股もいけないな。一途な女に刺されるぞ? 
私は刺しても縫ってやるがな」
「ふ、藤本先生! 二股って。……いや、それより刺すんですが?」
「ふふっ、……それより三塚さん、年増などという言葉は大人の恋をしてないと、子供の負けず
嫌いにしか聞こえないぞ」
「……でも最後にものをいうのは若さだと思うよ」
 にっこりと二人は笑いあい、おれはそのおぞましさにそそくさと詰め所を離れたのであった。

130 :名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 04:02:16 ID:EYZQCmL0
暇ネタGJ!
続 き が 気 に な る 。

131 :名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 04:17:14 ID:wYO1H10L
この展開は…!
続きを強く希望するっ!

132 :名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 04:43:44 ID:AemQ67YS
まさかの二人目ktkr

133 :名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 07:07:45 ID:ZjVWIUwB
患者が素直で、部長がクールとか

134 :名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 10:04:43 ID:7Khp71eJ
GJなんだが






看護婦さー――――ん!!


ええ昨日の異端派です。
素直クール教ツンデレ可派なんだよ!!!!

135 :名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 11:17:49 ID:IrqeVhFr
これはいいラブコメ

136 :名無しさん:2008/03/02(日) 15:57:45 ID:2Iy8zOvP
素直クールのラブコメとしても秀逸だし、なにより専門知識が豊富で読み物
としても十分な読み応え。

最高にGJ!

137 :名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 16:33:36 ID:6pd7cagW
知識スゴイし書き方も良い
ホント読んでておもしろいwww
続きヨロw

138 :名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 19:57:08 ID:sOo46Upx
生来の素直クールではなく
幼い頃の事情で喜怒哀楽の感情を亡くし、「素直クール」にならざる得ない後天的な素直クール

そんなん浮かんだが、重たすぎる

139 :名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 20:35:57 ID:T7Y5e1dT
書いている奴は専門学生だろw

140 :名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 22:13:43 ID:z/qumE+k
>>129に出てくる手術介助のナースさん・・・このヒトも、素直クールっぽいよな…

立ち位置的に強く参入できなさそうなだけでさ

141 :暇ネタ:2008/03/04(火) 01:09:20 ID:QwPOP78r
午前11時25分 市立病院3階 外科病棟 看護婦詰め所前

「ほんとうにありがとうございました」
 若さを残した品の良い中年女性が深々と頭を下げる。
「ありがとうございましたー。またねー」
 三塚浩美がのりも軽く手を振る。
 看護婦達がそれに答えて笑顔で手を振っていた。
 その晴れやかな雰囲気が、浩美の一言で台無しになった。
「あっ、せんせー! 愛してるよー! メール送るからデートの約束わすれないでねー」
 看護婦達が笑顔のまま、額に青筋をたてる。
「あ、あのなぁ」
「浩美、何馬鹿なことをいってるの! すいません、うちの娘がご迷惑ばかりかけて」
 そういうと母親は浩美を引きずってエレベーターの中に消えた。
 それが三塚浩美の退院風景だった。
「……前島先生、もうメルアド交換したんですか」
 白い目で睨みながら、看護婦達が仕事に戻っていく。針のむしろとはこのことだった。
「あいつに俺のメルアドを教えたのは、婦長なのに……」
「なにぶつぶついってんだ?」
 突然背後から声が掛かり、俺は飛び上がった。
「た、竜野!」
「……変な奴。それより前島、一人CVライン(中心静脈カテーテル)を入れて欲しい子がいるんだ」
 驚いた俺を怪訝な目で見たのは、小児科医の竜野だった。やはり4年目。
 同じ大学出身で同級生。学生の時はよくつるんでいた男だった。
「ダブルルーメンを、鎖骨下に、皮下トンネルを作って」
「……PICUに入ってる子か? あれえらく小さいじゃないか」
 PICUに入っていた1歳ぐらいの乳児を思い浮かべる。
 CVとは、完全に手探りで、血管の走行をイメージしながら大きな静脈に管を入れる技術である。
 動脈を突いたり、肺を破ったりすることも決してまれではない難度の高い技術だ。
 ましてや赤ん坊では体が小さすぎて血管の感覚が異なるから難しさは恐ろしくあがる。
「違う違う。一般病室の子だよ。6歳のcommonALL」
 ほっとしたのもつかの間、物騒な病名が持ち出される。
「ロイケミー(白血病)かよ? プレート(血小板)は?」
「だいじょぶ。まだ3クール目だから余裕で10万もある。PTとAPTTも正常。ブラスト(芽球)も
消えたしそろそろメソ大量(MTX大量療法)になるから、、CVラインがある方が良いんだ」
 外科医にとって何が嫌といって、血が止まらないことと、縫った傷がふさがらないことが嫌である。
 病気によっては止血機構が悪い場合もあり、そういう時に動脈を突いてしまえば致命的にもなりえる。
 さらに白血病では血液中にガン細胞が大量に流れている状態であり、血は止まらないし、
ガン細胞がいるまま出血させると、余計に転移させてしまうことになる。
 竜野はそういう心配が無くなったと言っていた。
「一応部長と相談してからになるけど?」
「親への説明はこっちでしとくし、そっちの部長にはうちの部長から話してもらっとく」
「わかった。で、その子、皮切の時にじっとできる?」
「ドルミカム(ミダゾラム)で寝かす」
 当然ながら子供がメスで切られる時にじっとしてくれるわけはない。
 鎮静剤を使用すると決めているらしかった。
「わかった。予定が決まったら相談してくれ」
「サンキュ、さすが女殺しタカ。その優しさで女子高生も上司も食われてしまったか」
「おい!」
 突如として話が下世話になり、俺は脱力した。
「だって、オペ場であのミスアイスサージャン、藤本センセに告ったんだろ? さらには女子高生にも
この愛されよう。まったく少し分けて欲しいぜ」
「女子高生は謹んで進呈するが?」
 この地獄耳と言いたいところだが、病院とは女性の比率が高い職場である。
 火のないところでも炎ぼーぼーってな事すら日常茶飯事であり、はずみとはいえあんな事を
口走ればこういう風になるのは当然といえた。
「いやいや、できれば藤本先生をくれ。あのクールさがたまらん」
「……二股をしたら、刺した上で縫ってくれるぞ。というか、NICUの木田さんとはどうなった?」
 好き放題にさえずってくれる我が悪友に対して、逆襲を試みるのは、学生時代からの定番である。
「……さーて、外来に手伝いに行ってくっか」
「一回刺されて縫われてろ」

142 :暇ネタ:2008/03/04(火) 01:11:24 ID:QwPOP78r
 攻撃力はあっても、防御力はぜんぜんな竜野に、憎まれ口を叩いて終わりだと思った。
 すると背中を見せて去っていく竜野が、顔だけ振り返った。
「……そだ、明日救急部で飲み会だけど、おまえも参加な。藤本先生は絶対に連れてこい」
「……懲りない奴」
 肩をすくめる俺に、なにが気に障ったのか、奴は真面目な顔で迫ってきた。
「小児科はな、独身の大人の女砂漠なんだよ! オフタイムには大人の恋愛で、子供と母親を
忘れたいという、この純粋な心わからないか?」
「……ふーん池本先生(小児科女医38歳独身)とか、三原先生(産婦人科女医45歳バツ1独身)
にその言葉をいってあげよう。あ、北原婦長にもな(小児科病棟婦長55歳独身)」
「あっ、前島くーん、僕たち親友だよね、だよね? やだなぁ、もう」
 ……こいつの診療を受けている小児が、悪影響をうけないことを強く祈り、それとともにこいつの
本性を見抜けない小児患者の母親に俺は深く絶望した。
 恐ろしいことに、やつは小児科で母親の人気No1なのだ。
「……世も末だ」
 俺は、現実から逃れたくなって頭をふった。

20時53分 大衆居酒屋 星のしずく 市立病院前店2F オリオンの間

 飲み会は、病院の近くの安い居酒屋の2階で行われた。
 高級な店は、歴代の勤務してきた医師や看護師、技師が馬鹿をやりすぎて出入り禁止になって
いたからである。
「皆さん、本日はお忙しい中お集まりいただき、まことにありがとさんでございます。
 さて、今日は救急部の慰労会ってことでしたが、ここで予定を変更しまして
 独占インタビュー、藤本先生と前島先生のカップルはどこまで進展したか、となります」
 そこらで歓声と笑い声があがり、俺はいきなりずっこけた。
 出席者は約30人ほど。救急部医師と他科の若手医師そして救急部所属の看護師達である。
「さて、まずは前島先生の言葉を頂くところですが、その前に不肖小児科の竜野から藤本先生に一言
申し上げたく思います」
 言葉を切った竜野に会場が波を打ったように静まりかえる。
「藤本先生……、前島を捨てて、俺と付き合ってください!」
 悲鳴のような歓声があがり、興味津々で返答が待たれる中、マイクが藤本先生に渡る。
 スイッチを入れ、マイクを軽く叩き、入っているかを確かめて、藤本先生は無表情のまま
一言だけ言った。
「断る」
 大爆笑が起きて、竜野が崩れ落ちる。藤本先生は何も無かったように無表情にビールを呑んでいた。
「ま、前島〜。おれ、もう悔いはないよ……ヒック」
 見ると竜野の顔が真っ赤っかだった。席にはとっくりが何本も転がっている。
「……この勇者め、もっと飲みやがれ」
 俺は情け容赦なく、とっくりを竜野の口にぶちこんでやった。
 外科は情け無用の非情な世界なのだ……ひっく。
「うおお、まえじまーーー、おれは、おれは、……桜木さーん」
 奴はなにかを言うとしてそれっきり忘れ、消化器科の美人研修医に向かっていった。
 奴の向かった先で新たな悲鳴があがる。所詮は酔っぱらいだった。俺も、奴も。

 それからの記憶は無い。

午前6時42分 ハイツ・サンフローラ 6F 602号室  藤本宅寝室

 気が付くと素っ裸で寝ていた。
 頭がずきずきと痛む。
 飲み過ぎたのだと自覚した。
 今日は土曜日だが回診には行かなければならない
 見慣れない景色に目が回った。
 清潔だが殺風景な寝室。
 体をまわす。……おっぱい。
 おっぱい! 胸? 乳房? ……え?
「うん? 起きたのか? 前島」
「……お、おはようございます、……ふ、藤本先生」
 上司の裸体の前で、俺が発することができた日本語は、それだけだった。 

143 :名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 08:08:18 ID:Cdbtffjt
( д ) ° °

ある意味お約束の展開だがGJ!!!!

女子高生にリベンジの機会はあるのか、消化器女医の参戦は!?
そして空気と化した看護婦さんの出番を全裸正座で待つよ!!

144 :名無しさん:2008/03/04(火) 12:23:21 ID:uPMeablJ
変わらぬ品質が最高でGJ!

ただ、()で説明された内容すら理解できない自分の医学的知識のなさは嘆く
べきところなのでしょーか

145 :名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:36:28 ID:7o9ixiMT
あー捕まっちゃったよ前島くんww

146 :名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:49:35 ID:t4c8h7jr
もうGJとしか言いようがない
そして消化器科の美人研修医が気になって仕方がない。
研修医ってことは少なくとも4歳以上は年下だろうし。
ん、でも悲鳴上げてるってことは素クール系ではないのかな?

>>144
マジレスしてみる。
医学か薬学の特に病院関係者じゃなきゃ分からなくても無理ない。
俺は薬学部だけど検査値の略称とか殆ど覚えてないし、
141は白血病の病態と治療法について勉強したことがないと理解できんと思う。



147 :名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 04:31:44 ID:NLeK4ks4
悲鳴挙は周囲のヤジかもよ?

それはそうと、ぐじょーぶ。新たなる参戦者に期待〜


148 :名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 10:21:58 ID:jHT57ydR
白血病ロリの参戦か?と思った俺は…

149 :名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 17:37:49 ID:Et1CweXi
何にしても、続きが凄く楽しみ。

150 :名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 01:37:55 ID:LTCOi/vu
専門的な部位を無駄に伸ばさないのが良いね
バランスが良いし読みやすい。こういう作品大好きだわ
GJ

151 :名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 18:24:03 ID:qmUjGevY
するひつよーないとおもうけどほしゅー

152 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 11:37:02 ID:rJ3x0mnr
 宮廷魔術師という大層な名前がついていても、魔術師は魔術師。
 別に金造りの部屋で仕事をする訳ではない。巷にいる魔術師の工房と同様、
材料の保管の保存を第一に考えられた石造りの部屋は冷たく、やや狭い。
 それでも、王城内では四元素と地脈の流れの中で最もよい場所なのだ。と言
っても、一般人からすればなんだって魔術師ってのはこんな窮屈な場所に住み
たがるのかと、理解は出来ないだろうが。

 そんな工房で、一週間ほど薬草採取に出掛けていたヨハンと諸事情で王城に
居残っていた弟子は、同じテーブルを囲んで昼食を取っていた。
 端から見ると、茶色い塊と漆黒の滑らかな彫像が小さな丸テーブルを挟んで
動いているようにも見える。

「……フィーネ様」
 茶色の塊――分厚い丸眼鏡を掛け土に汚れた茶色のローブを羽織った宮廷魔
術師・ヨハンは、額の脂汗を拭った。
「何でしょうか」
 問いかけられた弟子、フィーネは箸を持つ手を止めた。
 漆黒のと同色の切れ長の瞳、陶器のような白い肌を覆う漆黒のドレス。
 年齢は十五、国内外で『黒真珠』の異名を持つこの国の王女である。
 弟子にジッと見つめられ、ヨハンの発汗は更に増した。
「た、確か、オラが国王様から聞いた話では、今日は隣のサザン国の武芸使節
団との昼食会があるんじゃなかっただか? こんなトコでオラと飯食ってていいだか?」

153 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 11:38:17 ID:rJ3x0mnr
 そのヨハンの昼食も、王城に勤める者としては一見質素なモノだ。
 白米、焼き魚に大根おろし、だし巻き、納豆、漬物、味噌汁。
 フィーネが箸で切っただし巻きをヨハンのごはんの上に載せてから、自分は
漬物をつまんだ。
「ご心配なく。ちゃんと断って参りました。――先生の漬物は相変わらず絶品
ですね」
「ありがとうございますだ。……えっと、一応聞くだが、どういう断り方した
だ?」
 だし巻きを口に運び、ヨハンは不安に駆られながらも尋ねる。気がつけば、
魚はすべてフィーネの箸によってほぐされてあった。
「先生が久しぶりにお戻りになられましたので、ご一緒に昼食を取るのが最優
先ですと――先生、大丈夫ですか。お茶です」
 思いっきりむせた。
 ヨハンは湯飲み茶碗を一気に煽ると、大きく息を吐いた。
「げほ、ごほっ……! フィ、フィーネ様! 優先順位が違うだ! それ外交
問題に発展するだよ!」
「そこなのです、先生。私、罠に掛けられました」
「わ、罠?」
 二人揃って納豆をかき混ぜ始める。
「はい。昼食会というのは表向き。影に調べさせたところ、あの使節団の中に、
隣国の王子がお忍びで紛れ込んでおりました」

154 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 11:39:21 ID:rJ3x0mnr
「……フィーネ様、オラ、話が逆に、物凄いオオゴトの方に発展してきてるよ
うな気がするだが」
 納豆掛けご飯を掻き込みながら、ヨハンは考える。
 どうやら隣国の王子様は、ドラマティックな演出が好きのようだ。おそらく
は昼食会で、フィーネ様と派手な演出で接触する気でいたのだろう。でなけれ
ば、わざわざ使節団に紛れ込んだりせず、堂々と謁見を申し込むはずだ。
 もっとも、フィーネ様は普段はあまり人前に姿を現さないし、そういう点も
考慮に入れたのだろうが――逆効果でしかない。
 一方フィーネは、やたら滑るはずの納豆ご飯を掻き込み食らうような真似を
せず、いつもと同じように食べていた。
「先生、彼らは騙し討ちで私に結婚を申し込もうとしているという話です。不
作法ではありませんか? こういう事はキチンと手順を踏んでいただかなけれ
ばなりません。先にルールを破ったのはあちらです。という訳で、私はその仕
返しに、居留守を使っただけです。問題ありません。体調不良で先生に診ても
らっていると、伝えてあります」
「……オラ、めっさまずい立ち位置にいないだか?」
 王子様に逆恨みされてそうな気がするヨハンであった。
 フィーネが差しだしてきた手に、空の茶碗を預ける。
「そうでしょうか? 長らく先生に会えなかったため、私の気力は日に日に痩
せ衰えて行っておりましたし、こうして先生とお話する事でその体調不良も癒
されているのです。嘘はついていません」


155 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 11:40:57 ID:rJ3x0mnr
 どうぞ先生、とやや少なめに飯を盛った茶碗が戻ってきた。どうやら、フィ
ーネも二杯目はお茶漬けにするようだった。
 それにしても、これが最後の晩餐になるかも知れないのである。熱い緑茶を
ご飯に掛けながら、ヨハンは切なくなった。
「ううううう、国王様、助けて欲しいだ……オラ、斬首刑は勘弁願いたいだ」
「お父様は私の味方ですし、先生が打ち首獄門の刑に会う事もございません。
ご安心下さい。心配なさらずとも、先生はここでいつもの日課をこなしてくだ
されば、問題ありません。もちろん、弟子である私もお手伝いいたします」
 さらさらとお茶漬けを胃に流し込んだ二人は、同時に「ごちそうさま」と手
を組んで農業の神に感謝した。
 一拍おいて、一旦目を閉じたフィーネがヨハンを見据えた。
「もしくは、本当に体調を調べていただくのもいいかもしれませんね」
 そう言って、フィーネは胸元に手をやろうとする。
「って、ドレスに手を掛けちゃ駄目ですだ!」
 慌ててヨハンが制止すると、フィーネは素直にその手を止めた。
 そのまま、再びヨハンを涼やかな視線で見つめてくる。
「先生」
「な、何だ、フィーネ様」
「どうせ、早いか遅いかの違いですよ」
「一体何の話だーっ!?」
「ですから、私の裸体を見る時期に関してです。しかしやはりここは、手順を
踏んで初夜まで待つべきなのでしょうか――」
 その時、工房の入り口が大きく開いた。

156 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 11:42:55 ID:rJ3x0mnr
「――何をしている!?」
 そこに立っていたのは、長身の若者だった。
 服装からして、隣国の使節団の人間だ。金髪碧眼で、まるで――そこで、ヨ
ハンは気付いた。
 しかしそれより先に、フィーネが口を開いていた。
「見ての通り治療行為ですが、サザン国使節団警護部門師範代のクリスト様―
―いえ、第二王子クラウス様」
「私には、薄汚い魔術師が貴女をたぶらかしているようにしか見えないが」
「――薄汚い」
 ボソリと。
 そう、フィーネが呟いた声に、ヨハンの背筋が凍えた。
「あ」
「何だ、魔術師」
「……その、あまりそういう事は言わない方がいいだ。大変危ないだよ」
 フィーネは依然、無表情のままだ。
 が、ヨハンには、さっきまでより数倍機嫌が悪くなっているのが、雰囲気で
分かった。これでも、長い付き合いなのだ。
 しかし、クラウス王子はそんな空気はまったく読まない若者であった。
「事実を言って何が悪い。さあ、フィーネ王女。早くここを出ましょう。確か
に騙していたのは悪かったが、だからと言ってこんな狭くて薄暗い場所に籠も
る事はないでしょう」
 そう言いながら、クラウス王子はズンズンと工房に踏み込んできた。

157 :お魚 ◆5Z5MAAHNQ6 :2008/03/09(日) 11:44:07 ID:rJ3x0mnr
「ええと、狭いのも薄暗いのも、材料の保存を優先した結果なのだが……聞い
てないだよね?」
「聞いていますよ、先生。それでは、お茶を入れ直しましょう。食後の一杯は
重要です」
「いや、しかしだな」
「フィーネ王女!」
 クラウスが、テーブルを叩いた。
 そこでやっと、フィーネはクラウスに視線をやった。
 う、とクラウスが気圧される。
 薄い唇を開きフィーネは、
「まだいたのですか」
 そんなことを口にした。
「――え」
「私が結婚してもいいというお相手の条件は、申し込んでくる方全員に伝えて
おります通り、煎じて飲めば万病に効くと言われる『虹の宝珠』を持って来れ
た者だけです」
 感情の一つもない説明口調で、フィーネはクラウスを諭す。
 ぬぬ、とクラウスは唸った。その話は知っているのだ。何せ実際、フィーネ
に結婚を申し込んだ王族や貴族全員が、同じ条件を提示されているのだから。
 だが。

158 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 11:45:58 ID:rJ3x0mnr
「赤島の龍神が守ると言われているアレですか。だが、あんな話は御伽噺でし
ょう? それを取ってこいなどとは……」
 暗に、相手をする気がないと言っているだけなのではないだろうか?
 そう思わざるを得ない。
 もちろん、この大陸の中心部には、龍頭湖という湖が厳然として存在し、な
おかつ赤島もちゃんとある。ただし、火山から吹き上がる毒煙で人の生きられ
る土地ではないし、様々な魔獣が生息している。
 ……ちなみに、火山の溶岩の中に龍神が眠っており、彼が守っているのがそ
の『虹の宝珠』と言われているのだが、ここはあくまで噂の域でしかない。確
かめた者など――少なくとも、クラウスの知っている限り、誰一人としていない。
「神霊山の滝の水、鬼魚の肉、巨大蔓の豆、火の鳥の卵、世界樹の葉でも結構
ですが」
「難易度は変わりませんな」
「でしたら、お話はここまでです。お疲れ様でした」
 フィーネの言葉は、素っ気なかった。
「私は、サザンの王子なのですよ!?」
「でしたら、正式な手順を踏んでください。これは騙し討ちですし、条件を提
示しただけでもかなりの譲歩のはず。私は今、とても忙しいのです」
「そこの男と、茶を飲むのがか」
「はい、最優先事項です。私の命に関わりますから。――先生、お茶、熱すぎ
ましたか?」
「……いや、この雰囲気で茶を飲むのはちょっと難しいだよ普通」


159 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 11:47:12 ID:rJ3x0mnr
 どうしたものだかなーと思う。
 ひとまず、場を改めて話し合うべきだな。
 などと、ヨハンが考えていると。
「そうですね。――お引き取り下さい」
 フィーネは、隣国の王子に向かって問答無用だった。
「待ってください。私はまだ」
「お引き取りを」
 決して威圧的ではなかったが、有無を言わせぬ口調だった。
「くっ……失礼する!」
 クラウスは身を翻し、工房を出て行った。
 扉が派手な音と共に閉まる。
「では先生、お茶の続きと参りましょう」
「いや、それよりも先に、国の一大事かも知れないので、ちょっと確認したい
だよ」
 ヨハンは席を立った。
 さすがにこれでは、落ち着いて茶を飲めという方が無理だ。
「問題ないですよ」
「うん、フィーネ様がそうおしゃられるならそうなのだろうけど、やっぱり心
配だ」
「心理的にですね。分かりました。お供させていただきます。ですが、お茶は
あくまで中断です。確認次第、ここに戻ります。何せ、私の命に関わりますから」

160 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 11:48:19 ID:rJ3x0mnr
「まあ、事実ではあるが、そんなすぐ死に至るという訳でもないだど?」
「そこは先生、心理的に不安なのですよ。では、参りましょう」
 フィーネがヨハンの後ろに控える。
 しかし、ふとヨハンは思い出し、足を止めた。
「あ、と、忘れてただ。漬け物石、ちゃんと乗せ直さないと駄目だ」
「はい、先生」
 特に慌てず騒がずフィーネは工房に引き返し、虹色の少し端が欠けた漬け物
石を樽の石に乗せた。

161 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 11:50:56 ID:rJ3x0mnr
以上、ざっとやってみた試し書き兼保守。
前々スレ辺りでちょっと言及してた王女様。
ちなみにコルネリアは、騎士団の演習中で留守です。
多分悔しがってるはず。
名無しのつもりが途中で名前出てしまいましたが、気にしない方向で。
……幼女龍神様とか世界樹守ってるコ族っつー種族の娘も素直クールにしよう
と思ったけど、書き分けで多分死にます。
では次の人ー。

162 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 12:15:13 ID:7vvQm33z
やっべー面白い。
普通にラブコメとしてレベル高いうえに専門用語が所々ででて雰囲気でてる。
その上ややこしい所にはちゃんと説明も入れてくれる親切心。さらに話の変わり目がサラっとしててわかりやすい。読みやすい。

これはまれに見る良ss。GJ!

163 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 12:52:42 ID:yT+mnPWH
「……王女様の名前はエディタではなかっただか?」

「男は細かい話を気にするものではないと思います。」

164 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 13:41:28 ID:b73Ykr/S
てゆーかヨハン
虹の宝珠を漬け物石にしてんじゃねぇwww

165 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 13:46:08 ID:r4w9leal
>>161
おお、GJ。

保管庫の前作読み返したら、姫様が惚れた理由がなんとなく想像出来たが……
ヨハンいくつだ、おい。

166 :名無しさん:2008/03/09(日) 16:17:40 ID:n1Qlkz3i
このスレは本当に質の高い職人ばかりで目が離せない

167 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 21:18:37 ID:57FDcyEr
神霊山の滝の水で炊いた白米、鬼魚の肉の焼き魚に大根おろし、火の鳥の卵のだし巻き、巨大蔓の豆の納豆、神霊山の滝の水の味噌汁、世界樹の葉でいれた茶??

168 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 21:53:39 ID:kyXhcYoB
虹の宝珠を煎ずるから、世界樹の葉は味噌汁の具では?

169 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:03:14 ID:M/QluYo7
茶は虹の宝珠の欠片を煎じたものとあるから
世界樹の葉は漬け物(白菜?)なんじゃね?


この錬金術師パネェwwww
なんちゅうもんを食わせてくれるんや……なんちゅうもんを……


170 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:17:41 ID:rJ3x0mnr
「……帰ったので、ヨハンにする」
「人のお風呂に乱入して、いきなり何を言い出すだかコルネリア様!?」
「うん? こういう場合、ご飯にしますか、お風呂にしますか、が定番ではな
いか。そこで第三の選択肢だ。ヨハンを食う」
「いや、あの! このお風呂、そんなに大きくないだ! 入れないだよ!」
「もうちょっと密着すれば何とか二人入るだろう。そして、よりよいヨハン成
分を私は吸収出来るのだ」
「ヨハン成分って何!?」
「私にとって必要不可欠な栄養素だ。演習中はいっさいそれが手に入らず、大
変苦労したぞ。いっそ、付いてきてくれれば私も大助かりだったのに、ヨハン
は薄情だ」
「いや、まあ、その、それはオラにも色々都合があったので……」
「うむ、だから我慢した。私としては、その褒美ぐらいはあってもいいと思う」
「胸、胸胸胸が後頭部に! あと、その前に伸びてきてる手は絶対まずいだ!」
「む? 私では欲情しないか?」
「返答に困る質問だ!」
「実際、かなりヨハン成分が不足していたのでな。自分自身少々暴走気味の気
があるのは分かっている。そんなに慌てず騒がず、大人しくしていろ。多分、
そんなに酷い事にはならないはずだ」
「ぬ……酷い事とは」
「流れのまま、ヨハンを食べてしまうとかな――だから暴れるなと言っている」
「先生、お背中を……」
「あ」
「姫様、お先に失礼しております。あと半刻ほど、ヨハン成分を頂きます」
「ちょっ、フィーネ様、どうして服を脱ぎ始めるだか! この湯船で三人は無
理だよ!」
「では、私の部屋の湯船につかりましょう」
「おお、それは名案」
「ちーがーうーだー!」


171 :お魚 ◆5Z5MAAHNQ6 :2008/03/09(日) 22:28:00 ID:rJ3x0mnr
普通にレスつけるのも何なので小咄付けてみた。
いわゆる仕事の現実逃避。


>>163
とりあえずフィーネで辞書登録もしちゃったので、今後はこれで。

>>165
実は私も年齢設定特に考えてない。
多分、リ○クとかア○ルみたいなイメージで。

>>167
これでFA。
煎じた宝珠の欠片は、以前飴茶として飲んだという事で。
でも正直、気付いてもらえて良かったです。>食材と姫のお題のリンク

感想ありがとうございます。
では、仕事に戻ります。

172 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:37:39 ID:s/EspEES
>>171
GJです!
おまけもじつにイイ!

やっぱり茶は普通の緑茶なんですね。文中で緑茶って書かれているし。


173 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:45:31 ID:s/EspEES
172はミスです。忘れてください。
 
最後に飲んでるのが「世界樹の葉でいれた茶」で、
お茶漬けは普通の緑茶を使っていると。

それにしてもなんて豪華な昼食。値段は付けられそうにないけど。

174 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:52:02 ID:s/EspEES
ところでこれってもう紹介されてる?

Hの時だけデレデレになる女の子2
クールアンデレな彼女
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1198830040/70-79

175 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:55:36 ID:Ft8eDas4
>>171
宮廷魔術師超GJ!
レアアイテム食ってるし、漬け物石www

早く続きを読みたいぃぃぃ

176 :名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 15:17:33 ID:6WvOaLvv
もしかして、全部素直クールからのみつぎものなのか??だとしたら、そこに関してのことをぜひ読みたい!!

177 :名無しさん:2008/03/10(月) 16:55:02 ID:kXd3WApM
一連の>>170の過去ログってどの保管庫にあるんだろう。
探しても見つからない(泣)

178 :名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 18:27:25 ID:3BHLq1gl
>>177
 ttp://red.ribbon.to/~hachiwords/scool/c1/146.html

179 :名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 21:40:02 ID:8MdWCi7w
>>171
保守ネタながら気に入ってたので、続きは素直に嬉しいなあ。
GJですよ。

180 :名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 22:06:47 ID:7WyWf9HN
ちょっと怖いもの見たさかもしれないが、
悪の組織の幹部が素直クールだったらかなりヤバそうだよな…
ギャグならともかく、シリアス系の話だったら、相手の変身中でも余裕でミンチにしそうだ。
そんな残酷なクーもちょっと見てみたい

181 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 00:17:35 ID:1rkzH0/J
ギャグなら悪女スレにあった

182 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 00:21:22 ID:jY85+/AG
「命にかかわる」を二回姫様が言ってるということは、
世界樹の葉で何らかの病気の進行抑えてるのか?

183 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 02:18:38 ID:XZ5/sCP4
>>180
「好きだから殺す」だとちょっとヤンデレ方面に行きそうなので
「好きだけど殺す」でよければ、アイディアストックにあるから多分書けると思う

ただ名前が決まってねえ
ヒーローと幹部の名前さえ決まればやってもいい
つかこの機会にやってみたい題材なんだが……

どなたさんか、考えてもらえないかしら?

184 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 02:32:37 ID:pplSJKXH
>>183

つ『ランダムネームジェネレータ』
http://www.magictory.com/rngjs2.html

185 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 02:42:50 ID:5Cp9NvIt
ヒーローと悪の幹部か
中二病全開でいいなら…

ライダー系:仮面ライダー・狩魔(カルマ)
戦隊系:気象戦隊ウェザー5
(ファインレッド、レイニーブルー、サンダーイエロー、ホワイトスノー、クラウドブラック)
宇宙刑事系:銀河剣士・カリバーンX

敵幹部は誰か頼む

186 :お魚 ◆5Z5MAAHNQ6 :2008/03/11(火) 02:51:45 ID:tJrZUgL2
敵幹部:邪神官クーラ
 もしくは冷姫(レイキ)

あ、甘えんぼうスレに、コルネリアさん演習中のスピンオフ投下しました。

187 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 08:15:17 ID:KkkTU8sm
全然関係ない話でスマンが

素直クールな彼女と女装趣味の彼氏
てのが不意に浮かんだ。なんぞこれwwwwwwwwwwwxwwwwwxww

188 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 08:17:36 ID:04cILwSt
>>187
「貴方はそれを元にSSを一本書くべきだ」っていう素直クールの神様の啓示じゃね?

189 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 08:19:56 ID:SijtdT0u
【中国】少林サッカー主演女優などスター三人、無修正写真流出「セックス?スキャンダル」

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[?思慧]-37P-
http://search.idol-photo.com/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_2.shtml
http://search.idol-photo.com/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_1.shtml
http://search.idol-photo.com/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63187.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[梁雨恩]-40P-
http://search.idol-photo.com/page97.php?tid=13/2008-2-9/63186_2.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[??思]-10P-
http://search.idol-photo.com/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63185.shtml

190 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 08:33:02 ID:Os0Oirnl
素クーが敵で、男が正義の味方となると、
素クーの愛を否定する訳だから、男は自己犠牲方のヒーローになりそうだが
昭和仮面ライダー系だろうな。設定的にはXとかS1とか


↓↓↓パッと浮かんだ長すぎるプロット↓↓↓



「秘密結社クーノレの教義は己の欲に素直に従い、満たすことを是とす。私はキミを愛欲を感じている
 私と共にあらゆる快楽を満たし、悠久の刻を過ごそう。脆き人の器を捨てたキミにはその資格がある」
漆黒の白衣に、妖惑の肉体を秘めたクーノレの科学者・スノー=才は崖の上から問う。
「断る」
自分でも驚くほど冷静に答えれたと思う。スノーには恩があった。いや、愛していた。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

父はクーノレの科学者だった。クーノレの教義したがい、己の研究欲の為に人体改造を繰り返し、色欲の果てに俺が生まれた。
当然、父は俺を育てようともせず、同じくクーノレで生まれた子供であるスノーと姉弟のように育った。
スノーは才人で早くから組織の科学者として幹部候補だった。
俺はと言えば精々改造素体になれたら御の字と言ったところだ。
ただ俺とスノーは愛し合っていた。スノーの改造体一号に俺の身体を捧げるつもりだった。

多少、そのことは因果がある。スノーの台頭は父の立場を失わせた。
地位を失った父は、まるで憑きものが落ちたようだった。他にも色々あったのだろうが、父とは疎遠だったので、父の胸中の変化は知りようがない。
ただ父は……組織を抜けると俺に告げた。そして共に来るかとも訊ねた。
愛してるスノーと、殆ど他人だった父……俺は後者を選んだ。血の繋がりに縋ったのだろうか?今でもその選択の理由は言葉にできない。

「私の育った家の近くにロケットの発射台があった。ロケットが空に消えていくのを子供の頃、ずっと見ていた。
 なんの為にロケットを飛ばすの?と訊ねたらスペースステーションを作るためだと、施設の人間は教えてくれた。
 スペースステーションが出来れば、太陽光発電や無重力合金などが人の生活を豊かにするのだと。
 そこには薔薇色の未来があるように子供の私には思えた。それが私が科学者を目指した始まりだ」
そんな父の言葉を一度だけ、スノーと一緒に俺は聞いたことがある。

組織からの脱走など少年と科学者に成し遂げられる筈もなく、事態が発覚し重傷を負った父と俺は研究室に立て籠もった。
そして父は瀕死の俺の身体を改造し、途中で絶命した。
七割方完成といった所で、どうしようもない。せめて数人を道連れにと軋むからだで、バーナーで焼ききられ始めてる扉の前に立った。
「……スノー、君が追っ手か」
焼き切られた穴の前に立っていた彼女に、俺は戦意を失った。スノーは殺せない。そしてスノーになら殺されてもいい。
「取引だ」
後で聞けばスノーは改造された俺の身体をみて咄嗟に思いついたらしい。
「君を私の改造体に差し出し、組織に戻れ。その不完全な改造ではいずれ死ぬ。死を恐れるならば私の元に戻れ」

191 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 08:34:02 ID:Os0Oirnl
「どうだ?身体は」
「ああ、よく馴染む」
手術台から起きあがり、俺は手の稼働を確かめた。
「当たり前だ。私が改造したんだからな。触覚もこのとおり」
指の関節を動かしていた俺の手をグイッと引っ張り、自分の乳房に押し当てるスノー。
「な!?!」
マシュマロのように柔らかく、夏の太陽のように温かい感触が手を包んだ。
「有機物を中心に遺伝子改造を施した。まあお父上は機械工学だったから骨の部分は機械だが
 精巣や性器に改造が行われてないのは幸いだった。セックスは今のままでも可能だ。今夜は愉しみだな」
「悪い…とてもそんな気にはなれない」
「でも今夜しかないのよ?私、三日に一日は君の精液欲しいのに」

翌日は試験だった。
組織への忠誠を示す為に、改造された俺は任務に出た。清廉でうたわれる政治家の暗殺だった。
ささやかな一家団欒の灯りを、俺はその日踏みにじった。
俺は二度目の脱走をした。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

「俺が仕損じた……いや、逃したあの政治家の娘を、まだ両手で足りる程の歳の子を、お前達は改造して俺に差し向けた!」
それだけでない。俺が逃亡し、潜伏する過程で得た普通の生活。その住人達もだ。
俺が住んだアパートの大家さんの家族、向かいの喫茶店のマスター、隣人の外国人、迷い猫ですら。
「それらは私が改造した」
一瞬、その言葉の意味が理解できなかった。俺は彼女を裏切っておいて、彼女をどこかで信じていたのだ。
「スノォォォォォ!!!」
「変身はしないほうがいい」
変身の為に掲げた腕は、スノーに捕まれていた。
瞬きもしたかどうか判らない、崖の上にいたスノーは俺の背後から身体を抱きしめていた。
自らに改造を施したのだろう。だか、感じる感触は俺の知っているスノーのものだった。
「組織は君が裏切った時を考えて首輪をつけていた。君が変身できるのは7回だけ……次に変身すれば君は人間体に戻れず死ぬ」
吐息が湿って耳にかかる。抑えられて動かない腕がなければ俺は彼女が改造体とは思えないだろう。
「ああ、やっぱり本物はいいな。さあ、帰ろう。大丈夫だ、私は地位など要らない。私の功績全てと引き替えに君の命は保障されるよ。
 私の改造人間は君が最初で、私が最後だ。辺境の支部か、あるいは潜伏員に志願し、一緒に暮らそう。
 君が殺しができないなら、そういう普通の暮らしを私はしてもいい」
「……普通の暮らし?スノー……それは君が、俺が、組織が、沢山の人から奪ったものなんだよ」
そんな罪を背負いながら、スノーの囁きに負けそうになった自分がいた。
「変身」
スノーは驚愕して俺の変身を見ていた。
「スノー…この身体はお前の造ったものじゃない。父さんの造った身体だ。そして流れてる血は俺に優しさを教えてくれた人達の血だ。
 変身しろ。俺はお前を倒す。……好きだった。いや、今でも愛してる。でも倒す」
「私が死ねば、もうこの世界に君を愛してくれる人はいない。君は孤独になる。それでも?」
漆黒の白衣を脱ぎ捨て、身体を硬質化させたスノーは水晶でできた大鎌を構え、いつもの様に淡々と俺に選択を突き付けた。
「俺には幸福になる資格などない。俺は死ぬまで戦い続ける。薔薇色の未来を守る為に戦う」
俺とスノーは距離を置いた。
「私は他人の未来なんかどうでもいいよ」
「俺は……お前の未来だって幸せであって欲しかった」
刹那、俺達は大地を蹴り、ぶつかりあった。

192 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 08:40:35 ID:Os0Oirnl
「君の望みさえ叶うなら……」
「スノー…」
俺の拳はスノーの身体を貫いていた。そのスノーは一切、俺に武器も拳も向けてない。
「私の……身体の中……装置で……君の変身は……安定…す…る……」
喘ぎながら、スノーは俺に告げた。
「なぜだ……」
「私は組織の教義に素直に従っただけだよ。私は……君の願いを叶えたかった。不器用でね……君から聞き出すことができなかった
 私は君に目の前の現実を押し付けることでしか、君がしたいコトを聞き出せな…かっ…た……」
命が零れ落ちていく……改造人間と言っても無限の命ではないのだ。
「スノー…俺によくしてくれた人を追っ手に差し向けたキミを俺は許せない」
「勘違いしてる…よ。私は彼らを改造しただ…け……」
それだって許されるコトではない。だがスノーは組織の中で育った。組織の倫理観しか知らない。
それでも、そういう非情な作戦を立てたのはスノーではないというのは、少しだけ救われたように思える。
「許せない。でも、キミと過ごした日々を忘れない」
涙が溢れた。スノーの改造技術はこんな機能まで人間と同じように再現している。
「スノー……一緒の暮らしをするとしたら、どこがいい?」
「君と…一緒な…らど…こでも…………」
それが俺の聞いたスノーの最後の言葉だった。
わだかまりが解けたからか、それとも俺の腕の中だったからか、
スノーの顔は安心しきった赤ん坊の様な笑顔だった。
俺は彼女の初めて見たこの顔を、生涯忘れないだろう。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

スノーの身体の中にあった制御装置で、俺は身体を完成させた。
彼女との最後のキスは、名前のように冷たかった。
「変身!」
俺の身体は父の夢、俺の血は人の優しさ、俺の魂はスノーの愛
それで俺は戦ってゆける。

193 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 09:44:04 ID:JWSS5lV+
>>192
短時間で高いGJ!
俺たちができないことを平然とやってのける!
そこに痺れる憧れるぅ!

194 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 17:57:04 ID:s/WgBUKv
ああ・・・お前らのようなすばらしい珠の持ち主でない石ころの俺にはこんな言葉しか浮かばないよ




GJ!!!

195 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 19:05:44 ID:KkkTU8sm
>>192
雨宮慶太を呼んできて映画化しようぜ

『異形の力を得た者の悲哀・ヒーローの孤独・力を己の復讐の為だけに使わない』
昭和ライダーはじめ名作とされる改造人間モノの要素が全て揃った力作だと思う

ひたすらにGJ

196 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 20:15:19 ID:bMPCtifW
村枝よんで漫画化するのも忘れるな

萌えスレなのに燃えさせやがって

197 :暇ネタ:2008/03/11(火) 20:20:02 ID:+GlJXZun
11:40 市民病院3階 外科病棟 看護婦詰所 看護婦休憩室

「ね、ね、まじで前島先生が藤本先生と同伴出勤?」
「まじ。この目でばっちり! 藤本先生の赤いフェアレディZから二人が下りてくるのをみたから」
 そういうと茶髪に濃い化粧の看護師は、ピンク色の小さな弁当箱を広げた。
 尋ねた看護師は、サンドイッチとプリンを袋から取り出し、ポットのコーヒーをカップにそそいだ。
「コーヒーいる? ……で、どんな感じ」
「藤本先生が笑ってた」
「「ありえなーーい」」
 休憩室で看護師達の声が見事にはもる。
「嘘じゃないから。初め誰って思うくらいだったし」

 かくして炎は火種に着火したのである。


15時08分 コンビニエンスストア レジ前

 土曜日はほっと出来る一日だ。弁当とお茶、ビールを籠に放り込み、ぼーっとレジを待つ。
……朝のことを考えたくはない。などと思っているとあの白い裸体が浮かぶ。
頭を振って追い出した。
「1165円になります」
 上司と肉体関係? それなんて官能小説? 女医玲子……うわぁ、ベタ。
「あのぉ?」
 というか、酔ってやってしまうほうがベタだろう。
「もしもーし」  
「センセ! なにやってるんの?」
 エロい妄想がふくらみかけたところで、声をかけられ、死ぬほど驚いた。
「うわぁぁぁぁ」
「きゃぁ」
「……あのぉ? お金を」

 ぺこぺことレジの人に謝り倒して、コンビニを出る。
「ね、それご飯なの?」
「ああ、昼ご飯だ」
 俺に声をかけたのは、三塚浩美だった。私服で歩いていればその辺の若いねーちゃんとなんら変わらず、どこか違和感を感じた。
病人ばかりみている職業病というやつだ。
「それより傷はどうだ?」
「大丈夫だよ。先生が上手だから」
「なら、いいんだ」
 晴れ上がった空の下、俺はアパートまでのんびりと歩く。
「……あれ? 浩美は家こっちだっけ?」
 ついて歩く浩美にふと疑問を感じてたずねる。
「用事があるんだよ」
「ああ、なるほど」
 俺の返事を機に、彼女はいろいろとしゃべり始める。
 学校か先生のこと、友達のこと、かっこいいという男の子のこと。
 10年前にもなる高校時代のことを思い出しながら、俺はうなずいて相づちをうった。
 10年前、彼女のような子に、俺は面白みのないガリ勉って思われていた。
 成績が良く教師に期待されてからこそ、教室でではなく学年で浮いていた。 
 別人種と思われて、孤立して、恋愛なんてかけらもなかった。
 それが今になってまるで青春をやりなおすみたいなことをするなんて皮肉なものだと思う。
 もっとも、俺はもう28で、彼女は17で、淫行になってしまう関係でしかないが。
「んじゃ、もう着いたから。またな」
 自宅があるマンションに到着し、玄関で手を振ったが、彼女は去らなかった。
「私もこのマンションに用事があるんだよ? ここに好きな人が住んでるんだ。だから一緒にいこ?」
「ほう? そりゃ奇遇だ。ま、いいけどね」

198 :暇ネタ:2008/03/11(火) 20:25:28 ID:+GlJXZun
 二人してエレベーターに乗り込む。3階を押して、浩美を見た。
「何階だ?」
「同じ階だよ」
「へー。世間ってせまいもんだなぁ」
 家にいる時間はほとんど寝ているとあって、隣人なぞほとんど知らないので、その偶然に素直にうなった。
 エレベーターがチャイムを響かせてドアを開ける。
 廊下を出て自室に向かったが、浩美はまだついてきた。
 自室の前に来て立ち止まって鍵を探す。その時に浩美まで立ち止まっているのに気付いた。
「? 何やってるんだ? ここは俺の部屋だぞ?」
「ここでいいんだよ。私の好きな人がここに住んでるの」
 俺の顎が音をたてて落ちる。
「……待て」
「今日は好きな人のお部屋にお邪魔にきましたぁ!」
「ちょっと待てぇ!」
「騒ぐと服脱ぐよ?」
 突然、服のボタンに手をかけた浩美の言葉に、俺は言葉を失った。
「私知ってるよ。先生が私にやらしいことすると淫行で捕まっちゃうんだよね?」
 こくこくと俺はうなずいた。だから部屋に連れ込むことは出来ない。
「でも同意があれば大丈夫なんだよ? 知ってた?」
 首を横に振る。そもそも未成年とそういうことをしようとは思わない。
「だから先生と私の場合は、私が真剣だから大丈夫なの。でもね」
 そこで彼女は悪魔の笑みを浮かべた。
「私がここで服を脱いで、やらしいことされたぁって騒いだらどうなるかなぁ?」
 ……俺はやばい汗をたっぷりかいた後、降参して扉を開けた。

15時25分 レジデンシャルほんまち307号室 前島宅   
「きったない部屋だねーー。あ、エッチなDVDみっけ」
 女を連れ込むことなど想定していなかったため、部屋は恥部まで丸裸にさらしていた。
「だぁぁぁ。見るな、さわるな、嗅ぐな……俺の布団に転がるなぁぁぁ」
「はふぅうううん、先生の臭いぃぃぃ」
 引っ越す時以来、久々に超速で片付けた。オペより真剣に片付けた。
 結果、俺は肩で息をしながら、浩美に茶を出すことになった。
「ともかく、茶を飲んだら帰れよ」
「うーん? 帰らないよ。今日は友達のところに泊まることになってるから」
 たっぷりかいたはずのやばい汗が、また脇の下を伝い落ちる。
「……ふぅ。気持ちは嬉しいけど、俺、浩美より11歳も年上のオジサンだよ? 若い体をオジサンにさらすなんて良くないヨ」
 しゃべりながら泣きたい気分になる。どうしてこんなことになるのだろうかと。
「ばっかみたい。エンコーで50のスケベ親父にウリやってる子だっているんだよ?」
 そういうと彼女はすらりとした足を投げ出した。
「それに先生にはわからないかも知れないけど、私の今の気持ち、自分でもびっくりしてる。
私ね、学校じゃ能面とか人形とか言われてるんだよ?」
 浩美のみせた表情にふと惹かれて、俺は座り直して茶を飲んだ。
「勉強も友達もなんかどーでもよかったんだ。友達なんてね、みんな表では仲がいいけど裏に回ったらつまんないことで悪口ばかり。
それで私たち仲良しねーなんて馬鹿ばっかり」
 出がらしだったけど、湯飲みに茶をついでやった。
「だけど、先生に会ったとき、すごい電気が走って世界が変わったんだよ。この人だって、私は出会ったんだって」
 ……俺はそこまで人を好きになったことはなかった。そんなに愛されたこともない。
 なんとなく付き合ってなんとなく別れたのが数名。ただ付き合ったと言うだけ。
 熱を込めて語る少女の目はまっすぐで輝いていて、正視できなかった。
 美しいと思う。性的な意味ではなく、人としての美しさ。
「だから、先生が好きです。私結婚できる年です。結婚してください」
 ……とと、綺麗さに見入っていたら、とんでもない発言が出てきて現実に引き戻される。
「あのな、まず落ち着け。……ふぅ、浩美はさ、医者としての俺しか見てないと思うよ」
「だからこれから先生とつきあえばいいと思う」
「先走るなって。それに外科医ってのはさ、忙しくて、家に帰れないんだ。正月もGWも当直があり緊急手術があり、俺達ぐらいの修行中の連中は、3ヶ月に1日休めるかどうかってぐらいなんだ。
だから結婚したって家には帰ってこないから、浩美が思うような新婚生活にはならないよ」
「……」
 うつむく浩美に罪悪感を覚えながらも俺は現実を語る。ああ、大人になったもんだと思う。

199 :暇ネタ:2008/03/11(火) 20:26:26 ID:+GlJXZun
 学生の頃なら頭にお花畑を咲かせて女子高生と付き合ってただろうに。
「もちろんデートもそうそう出来ない。はっきりいって、外科医って付き合うには最悪の部類の職業だと思うよ。
嫌な話だけど金もみんなが思うほど高給取りじゃない。まあ、小金ならあるけど」
 これがエロゲーなら俺は攻略対象の女に誘惑の手を伸ばすお邪魔キャラなんだろうなと思う。
 それが現実は、くだらない言葉を吐いてフラグをへし折る、つまんない男ときたもんだ。
「というわけでさ、ちょっと時間を置いてさ、自分の気持ちを確かめたらどうかな? 焦らなくても俺は逃げないし……」
「藤本先生にとられるもん!」
 その言葉と共に、俺に柔らかいものが抱きつき、畳に押し倒されていた。
「あんな美人でいつも一緒にいるのに、待っていたら、とられちゃう!」
 俺の上に少女の姿をした綺麗なけだものがのっていた。怒りと悲しみと思いが入り交じった顔で俺を睨み、やがて顔が近寄り、唇が重ねられる。
 稚拙な、震えて、歯があたるようなキスだった。けれども、とてもとても熱かった。
「先生は、誰にも渡さない」
 やがて、ポツリとつぶやいた彼女が、ためらいもせず服を脱いでいった。
 くれぐれも理性を捨てるなよ、そういった部長の声が耳に蘇る。
 なに、このエロゲ? 俺は、また現実を受け入れられなくなっていた。

200 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 20:30:11 ID:jY85+/AG
こう言う場合は「わっふるわっふる。」と唱えるといいのだったか?

201 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 20:43:26 ID:afmZctIZ
>>199
ただひたすらにGJ!!

>>194
自分の才能をそういうもんじゃない。素クールを愛するなんて…

立派な才能の一つだ!!

202 :名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 22:23:08 ID:bMPCtifW
少ない休みをエロゲに使うってる先生……なんてマダオ

203 :名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 00:27:09 ID:KGYyzfxP
VIPに素直クールで百合な人がいたみたいですね。
http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-317.html
http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-318.html

読んでると心がもにゅもにゅしてきまつ。

204 :名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 01:43:27 ID:t49o8ium
>>199
GJ!! 
続きが、特に病院内の火種が気になりますね。
三塚浩美は学校ではクールだったと、前島の前ではデレデレだけど。

>>200
わっふるわっふる?
これでいいの?

205 :名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 20:28:25 ID:5gIOFdSU
>>203
クールだけど素直じゃない

206 :名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 20:44:39 ID:Lo2mEuO/
>>199
これ以上は冗談じゃなくマジでやばいって
続きを早く、さぁ

207 :名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 04:57:32 ID:dWtGrxwo
ところで>>187が微妙に気になるんだぜ?
なんか心がもにゅもにゅして敵わんから誰か187で何か書いとくれ

208 :名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 16:18:41 ID:ljVpBAkn
>>199
フン!べ、別にたいして面白くもないな。

む・・・なっ何だその目は!私はお前の拙い文章をせせら笑っていたのだ!決して浩美の可愛さに萌えたり藤本先生との三角関係を期待してニヤけていたわけではない!
ほっ本当だ!私は仕事中なのに更新の確認にきたり、ツンデレ板そっちのけで素クール板に来たりなんかしてないぞ!うっ、うるさい!赤くなんかなってない!

とっ、とにかく私はGJすぎるとか続きがたのしみだとか、そんなこと全っっ然思ってないんだからな!!






209 :名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 16:54:49 ID:IVJCL9PH
>>187
クーが彼氏に女装させて遊んでいたら、彼氏が女装に目覚めてしまうのはどうだろう?

210 :名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 16:55:51 ID:IVJCL9PH
川 ゚ ー゚)
http://usokomaker.com/profile/r/%C0%EE+%A1%AC+%A1%BC%A1%AC%29
lw´-_-ノv
http://usokomaker.com/profile/r/lw%A1%AD-_-%A5%CEv
ノパ听)
http://usokomaker.com/profile/?a=Maker&oo=%8E%C9%8E%CA%8E%DF%AD%F9%8E%DF%29
 
シューが一番吹いたw


211 :名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 17:54:45 ID:jqXctwFB
>>209
 もともとスカートが大好きで、トータルコーディネイトとして女装していた男の子。
 体毛も薄く、平気でツルペタの可愛い女の子として通用する可愛さだった。
ある日、DQNのしつこいナンパを振り切ろうとして、たまたま道を歩いていたクーに
「友達と待ち合わせなの」って嘘出任せで助けを求めた。
するとクーが、冷静にそれを肯定し、DQNを追い返したので、女装した男の子は
何度も礼を言って別れたのであった。

 だが翌日、学校で不運にも体育祭委員に選ばれてしまい、放課後しぶしぶと
体育祭準備委員会に出かけたところ、クーに出会う。
 驚愕を押し殺し必死で素知らぬふりをするが、準備委員会での会議場
クーが突然話し出した。
 すんでのところで、女装に言及しかかったクーの口をふさぎ、外に連れ出す男であったが、
クーはにやりと笑う。
「……チアリーダーは決定だな」

 かくして、クーと男のチアガールペアが組まれ、練習を続ける中、クーと男は互いにひかれ始める。
 だが、次第にはまって人気が出てくる男に、ツンデレ幼なじみが危機感を抱き、男をまっとうな道に
戻そうと、童貞奪取で男性ホルモン爆発作戦を発動。
 恋とエロと体育祭はもつれにもつれ、翌日の開催が危ぶまれるほどの豪雨の中、
男は自分をありのまま受け入れてくれるクーか、
自分をまっとうな道に引き戻そうとするツンデレか、を選択することになる。

 そして雨上がりの翌日、スタンドには、チアガール姿の二人がいた!
 白熱する体育祭はやがて、最終決戦にもつれ込み、二人三脚借り物競走だけとなる。
 出場することとなったツンデレ幼なじみが拾った札は、「一番愛する人」
 応援席で幼なじみとクーが見つめ合い、そして男と幼なじみは、二人三脚で快走し、
逆転のゴールを切った。

 三人は抱き合って喜び、そして男は
「男として好きだ」告白してクーとキスを交わす。
「もっといい男がいるんだからね」と泣きながら強がる幼なじみ。

212 :名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 11:02:52 ID:2iQY1LVT
>>211
何コレ素敵すぎ
 
てかエロまで見たいw

213 :名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 14:14:34 ID:JNhFP3fk
>>211
ライバルの幼馴染役は>>208のツンデレ姐さんでたのむ

214 :名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 18:14:24 ID:vbknIokG
>>211

こりゃあれだな、こっちにクーのルート、
ツンデレの方に幼なじみルートでパラレルを!!

215 :名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 20:04:27 ID:nCIraK4l
どうでもいいが素直クールってのはちゃんと意味があるが
ツンデレってのは意味ないよな。
いや、意味はあるんだろうがツンツンとデレデレ自体は喩えの言葉だからなぁ。
ただ最近はツンデレの範囲が広がっていろいろと定義が難しくなってきてる気はするが。

216 :名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 13:55:54 ID:/nCyRQMc
瑞希の続き希望sage

217 :名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 18:52:21 ID:0CEW/Zn1
無口な男と素直クールな女の組み合わせってどうだろう

218 :名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 23:27:55 ID:OsZMSLsO
ベッドの上で男は体で雄弁になり、素クールは無言で素直に快楽へ身を委ねるのか……

頼んだ>>217!!

219 :名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 01:58:51 ID:Y/swqLpP
無口な男って素直クールじゃないか?

220 :名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 05:17:38 ID:sKDOi4Z2
いや、不器用に背中で語るタイプかもよ?>無口な男

221 :名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 07:01:05 ID:HMuK9Ic/
>>220
漢な番長と撫子素クール想像した

222 :名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 11:01:23 ID:9WvXvwTH
むしろ素クールな男とツンデレな女の子は?

これだとツンデレスレになっちゃうのかな

223 :名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 11:11:51 ID:FBRrbJnO
>>222
仰るとおり、ツンデレスレだろうな。

エロパロ板としては
『俺(読み手・書き手)と○○な彼女』と考えられる話がメインだろうし。

でもまあ、確かに>>1にも素直クールなキャラの
説明しか書いてないモンな。





224 :名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 15:00:45 ID:aDOxLSgP
でもツンデレも興味ないし素直クールな男見せられてもどうすればいいか困るよね

225 :名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 20:50:37 ID:YSDy1Uyt
>>224 確かに...

226 :名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 21:56:48 ID:Y/swqLpP
おしとやかで男の後ろを三歩退いて歩く恥じらいをもつ大和撫子と
言いたいことをズバズバ言っちゃう、素直クールって属性が相反してないか?
それとも俺の大和撫子感がアレなのか?

227 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 11:22:32 ID:mAbxaxr7
逆に考えるんだ、ウブな大和撫子で一緒に歩く事が恥ずかしくて後ろを歩いているのに
主人公に振り返れられて嬉しさと恥ずかしさで思わず「好きだ」と言ってしまう。
恥ずかしさからイントネーションが平坦になるけどクールに見られ
内心では心臓がドキドキしていると

228 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 12:57:59 ID:EP8m8HMm
大和撫子は恥ずかしいから後ろを歩くというわけじゃなく、
男を立てるって意味で3歩退いて歩くものなのでは

229 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 17:40:44 ID:8WeDF44U
おしとやか/三歩後ろ/恥じらい

だろ?他に黒髪長髪も外せないオプションだが

230 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 21:15:10 ID:pdgF8poE
>大和撫子
ttp://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E3%81%9F%E3%81%A0%E3%81%97%E3%81%8F%EF%BC%8F%E3%81%82%E3%81%84%E3%82%92%EF%BC%8F%E3%81%A4%E3%82%80%E3%81%90&lr=lang_ja

231 :名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 16:54:31 ID:xiD/q2Sa
皆さんおはようございますこんにちわこんばんわ。これからずっとの人でございます。

なんだか時期を微妙に外しているような気がしないでもないネタですが楽しんでいただけたら幸いです。ちなみにエロはあります。
それではどうぞ。

232 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/03/19(水) 16:55:35 ID:xiD/q2Sa
「先輩。」
「なんや後輩。」
「卒業おめでとうございます。」
「ありがとう。」
 安田の頭をぐしゃぐしゃと撫でると軽く睨まれる。
「髪の毛、セットしてるのに。」
「普段と変わらへんやん。」
「普段からセットしてるんです。特に今日は大切な日ですから、念入りに。」
「お前の大事な日と違うやろ。」
 今日は高校の卒業式だった。俺は卒業生、こいつは在学生として式に出席していたのだ。ちなみに今は卒業式
が終わって教室での拘束も解けた後で、昼飯前、彼女に捕まったかたちになる。
「未来の旦那様の卒業……ちょっと、どこへ行くんですか。」
「とりあえずお前のおらんところに逃げようかな、思て。」
 後ろを向いて逃げる素振りを見せると、ブレザーの裾を掴まれた。前に回りこまれ今度は腕を掴まれる。べた
べたと張り付かれるも卒業記念品の入った紙袋と花束で両手の塞がった俺ではなかなか振り払えない。
 彼女は以前とは違い、教室以外の場所でも俺にくっつくようになってきていた。まるで猫のように首筋をこす
りつけることさえある。その仕草に俺が少しドキドキするようになったのも付き合いはじめた頃と変わったこと
だろう。

「おーい、何してんの?」
 丁度その時、卒業式に来ていた母親が現れる。家の中では専らジャージ姿な普段の母親からは想像がつかない
ほど着飾っている。ちなみに今朝、家を出るときにその様をさして『ヌリカベ』と呼んだら1発殴られた。
「愛のスキンシップです。」
「アホ言え。」
 母親は俺達の漫才をケラケラ声を上げて笑いながら見ている。
「あんたら仲ええなあ。」
「付きまとわれてるようには見えへんか。」
「あんた、気に入らんかったら男女関係無く手ぇ上げる子やろ。」
「いつの話をしてるんや。もうそんなに喧嘩早くないわ。」
 確かに小学生の頃はよくクラスメイトと喧嘩をして先生に怒られた。でもそれも中学に入るまでで、こっちに
越して来てからは喧嘩なんてしたことはない。
「その話、詳しく聞きたいです。」
「ちょっと黙っとけお前。ついでに腕を組むな。」
「いつも組んでるじゃないですか。」
「親の前やぞ。」
「見せつければいいんで、あイタッ!」
 紙袋を持ち上げて彼女の顔にぶつけると軽く悲鳴を上げて俺から離れた。目に涙を浮かべて鼻を押さえている。
「鼻が低くなっちゃいますよ。」
「元から高くないんやから対して問題にはならへんやろ。うわっ、グーで叩くなグーで!」
 脇腹を数度殴られ、くすぐったさに顔をしかめる。当然俺も安田も本気で殴っていない。そんな様子を見てい
た母親はますますおかしそうに顔を歪める。
「あんたら、ホンマ面白いわ。芸人になったら?」
「夫婦漫才ですね?」
「そうそう。売れると思うで。」
「ええ加減にせえ、アホ。」
 ボケ役2人にツッコミを入れるほど疲れることは無い。それに次の予定があるからそろそろ行かないといけな
いのだ。そう言うと母親は不思議そうな顔をした。

233 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/03/19(水) 16:56:49 ID:xiD/q2Sa
「部活の歓送会。昨日も言うたやろ?」
「ああ、そう言えばそんな話もあったなぁ。それやったら私はもう帰るわ。夕方帰ってくるまでにご馳走用意し
 とかんと。」
「別に張り切らんでもええのに。」
「我が息子の卒業記念やからな。――そうや。」
 我が母親は突然、何か思い出したかのようにぽん、と手を打った。
「翠ちゃん、ウチ来るか? 人が多いほうが楽しいしな。」
 とんでもない提案をしやがった。それに二つ返事で答える安田。無論YESだ。
「じゃあ帰るわ。楽しみにしててや。」
 そう言って我が母は手を振り帰っていく。見送って安田を見る。
「というわけで、俺は美術部の歓送会に出ます。あなたはどうしますか?」
「私も出ます。」
「何!?」
「参加の許可はもう貰ってます。行きましょう。」
 彼女は呆れて言葉を失った俺の腕をまた掴まえると、特別教室の並ぶ離れの校舎へ引っ張っていった。
 ……今日くらいは俺に主導権を譲ってくれてもバチは当たらないと思うぞ。

 なぜか安田も参加した部の歓送会が終わり、俺は家に帰るために駅へ向かっていた。両手は歓送会の時に手渡
された花束とプレゼントで塞がっている。
「どんなもの、貰ったんですか?」
「中身は秘密や言うてたからな、分からんけど……この大きさ、重さやったらペンとか実用的なもん違うか?」
 学校から駅までの道でも腕に纏わりつく安田を適当にいなす。いつも以上にゆっくりと、キョロキョロしなが
ら歩く。久しぶりの下校ルートだが、多分この道を使うのは最後になるだろう。すると安田が口を開いた。
「先輩、怪しいですから止めてください。」
 空き巣が標的を探していると間違えられても文句を言えない、と言われ、俺は恥ずかしさに頭を掻きたくなっ
た。
「しゃあないやろ。これで最後やねんで。」
「それじゃあ恥ずかしいけど我慢してあげます。」
 俺からしたら住宅街で腕に擦り寄られる方が恥ずかしい、と反論するが安田は聞く耳を持たない。ますます頬
を袖に擦り付け、甘えたような声を漏らす。愛くるしい仕草に思わず抱きしめそうになったがそれは我慢する。
人の目があるところでそんなことをするべきじゃない。
 そんなことを考えていると携帯電話の着信音が鳴り響いた。音から考えて俺の携帯電話ではない。安田を見る
と、彼女は自分の携帯電話を取り上げて通話ボタンを押すところだった。
「はい。……ええ、終わりました。駅に向かっているところです。はい、学校……はい、分かりました。それで
は失礼します。」
 彼女は俺の腕にぶら下がったまま手短に通話を済ませると、俺を見上げて言った。
「先輩。」
「なんや後輩。」
「おうちの準備はもう終わっているそうです。早く帰ってきてほしいと。」
「は?」
 言われた意味が分からず眉根に皺を寄せて訊きなおす。
「だから、早く帰ってきてほしいと仰っていましたよ。」
「だから、誰が?」
「先輩のお母さまに決まっているじゃないですか。」
「何でお前がウチの母親の……いや違う、どうしてウチの母親がお前の携帯番号知ってるんだ。」
 彼女は何を言っているのか、と目を白黒させている。
「前に一度お話ししたはずです、けど……?」

234 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/03/19(水) 16:57:47 ID:xiD/q2Sa
 ガタンゴトンと揺られる車中、安田は渋い顔をした俺に話しかけていた。
「そんなに不機嫌な顔しなくてもいいじゃないですか。」
「だって、お前らがメル友なんて知らんかった。」
 確かに一度、母親が俺の携帯を勝手に覗き見て彼女と連絡を取り合ったことがあった。あったけど、それ以来
頻繁に連絡を取り合う仲になっていたなんて知るわけが無い。
「だからって輪の中に入れないっていじけなくても。」
「誰がいじけてるって?」
「さあ?」
 彼女は大仰に肩をすくめ首を傾げる。みっともないからしゃんとして下さい、と言っている。
 言われたことはどういうことか分かってるし、実際ただ拗ねているだけのように見えるだろう。しかし自分の
彼女と母親が、自分の知らない所で繋がっていたなんて考えるとゾッとする。ましてや何でもかんでも明け透け
に語りたがる彼女と、何でもかんでも聞きたがるウチの母親だ。既に秘密にするべき間柄では無くなっているが
それでも居心地が悪い。
 逆に家族の間のことをベラベラと喋られたら、と不安が広がる。今はこいつに知られたくない事柄が多いの
だ。特に卒業後の色々のことは。
「気ぃ悪いだけや。そのうちマシになるから放っといて。――降りよか。」
 ガクンと電車が止まったのを感じて、俺は座席を立ち上がった。彼女が後に続く。

「ただいま〜。」
「お邪魔します。」
 2人並んで玄関のドアを押し開けると、そこには母親が廊下を塞ぐようにして立っていた。
「お帰り。いらっしゃい。準備はもう出来てるから2人とも早くおいで。」
 テキパキと俺たちに指示を与えリビングに消える。あっという間の出来事に俺は声を掛けることも出来なかっ
た。つーか俺もまだ1回しか名前で呼んだことないぞ。馴れ馴れし過ぎやしないか。そんなことを考えながら溜
息をついているとブレザーの裾をくいくいと引かれた。見ると安田は既に靴を脱いでいる。
「早く行きましょう。」
「その前にこの荷物をどうにかせんと。先行っといて。」
 俺は両手に荷物と花束を提げたままだった。リビングに放り投げるわけには行かないから、一旦自分の部屋に
寄って置いていきたい。そう言うと彼女はそれなら私もついて行きます、と言った。
「何で? 先に行けばええやん。」
「先輩と一緒にリビングに行けば、彼女として印象を強く植えつけられますから。」
「……好きにせえ。」
 リビングに入る時間がそんな何十秒と変わるわけじゃないのにそれくらい我慢できないのか、と愚痴りながら
自室のドアノブに手を掛けると、後ろから彼女に抱きつかれた。背中に顔を埋めてくる。
「先輩。」
「なんや後輩。」
「変わりましたね。昔はこんなこと言ったら拒否されてました。」
「そうか?」
「私、うれしいです。」
「そうか。よかったな。」
「先輩、大好き。」
「ん。……コラ、どこに手を伸ばしとんねん。」

235 :名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 16:58:28 ID:xiD/q2Sa
 食卓には母親と妹、そして普段より仕事を早く終えてきたのか父親も座っていた。この時間に家にいるなんて
珍しいこともあるもんだ、と思いながら席に着く。安田は俺の隣の空いた席へ。
「えっと……」
「じゃあ食べよか。いただきます。」
 安田を家族に紹介しなくてはいけない、と口を開いた瞬間、父親の号令が食卓に響いて俺以外の全員が箸を取
り上げた。仕方なく俺も箸を取り上げる。ウチにしては珍しくおかずが大皿に3品も並んでいた。普段はご飯と
味噌汁と、あとは魚でも焼いていれば豪華な食卓なのに。
「あのさ……」
「卒業おめでとう。まあ、飲め。」
 俺の言葉も聞かず、俺に向かって缶ビールを傾ける父親。何故か俺の席に置かれていたグラスを持って少し貰
う。黄金色の液体がつっかえつっかえ飲み口を溢れてきてグラスを満たしていく。それを一息に飲み干すと、す
ぐに次を注ぎ足された。父親の顔は心なしか笑んでいるように見えるが、自分の酌した酒を息子が飲み干してく
れるのがうれしいのだろうか。
「あの、な……」
「どんどん飲め。」
 しかし明らかにおかしい。そもそも未成年に飲酒を勧めるような父親だったっけ? そう気がついたのは5杯
目を注いでもらったあたり、視界がぐにゃりと歪んでからだった。
「まだいけるやろ?」
「もう、いらん。酔うてきた。」
 こめかみの奥を直に押し込まれるような軽い眠気と上気した顔の熱で、頭がまともに働かない。考えてみたら
箸を取りあげたはいいけど料理に手をつけていなかったような気がする。すきっ腹にビールを2缶分も放り込め
ば酔うのは当たりまえか。
 ふと隣を見ると安田は母親と何事か話をしていた。視界の向こうには苦虫を噛みつぶしたような顔をした妹が
座って、黙々と腹をふくらませている。
 ……何事か話をしている? どうして隣にいるコイツの声が聞こえないんだろう。そこまで考えが及んだと
き、手に持ったグラスにまたビールがなみなみと注がれた。
「飲め。」
 もういらないって言っただろ、と言いながらそのグラスを空ける。なんだか首が据わらなくなってきた。すご
く眠い。行儀は悪いがテーブルに肘をついて重くなった頭を支える。目を閉じると、そのまま夢の世界へ直行し
てしまいそうだ。

「先輩。」
「んー、なんやぁ?」
 アルコールのせいか語尾がしゃきっとしない。自分でも気にはなるがどうしようもない。
「完全に酔ってますね。」
「酔うてないよ。全然素面やで?」
 安田は何故かこまったような顔をしている。酔っていないのはなにか問題があるんだろうか。
「もっと酔うた方がいい?」
「あの、そういうことじゃなくて。」
「そうだな、飲め。」
 父親が俺達の会話を中断させるようにわりこむとまた俺のグラスを満たす。すこしムッとしたけど注がれたグ
ラスを空けた。甘みのない炭酸がのどの奥をしげきし、めのまえがちらつく。
「かぁー……」
 飲み干してグラスを置くと、おもったよりおおきな音がたった。やすだは心配そうな顔で俺の顔をのぞきこん
でいるがなんでそんなふうに見られているのかりかいできない。そういえば、まだこいつのことちゃんと紹介し
てなかったきがする。いいのかなあ、俺の連れてきたおきゃくさんなのに。
 ……もういいや。なんか、ねむいし。

 それが俺の、その日最後の記憶だった。

236 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/03/19(水) 16:59:36 ID:xiD/q2Sa
 浅い眠りから引きずり出されるような感覚で目が覚める。真っ暗な部屋の見慣れた天井が目に飛び込んできた。
「頭、いてぇ……」
 その痛みで何があったのか思い出した。酒飲まされたんだっけ。夕食で、卒業式で、と一つ一つ記憶を辿って
いく。
「そうだ、安田。あいつ放ったままや。つか、それ以前に――」
 時計を見ようと制服のポケットに入っている携帯を取り出す。バックライトが目に痛い。
「いち……じ……?」
 日付が変わっている。酒を飲んで酔っ払って、ベッドに強制送還されたのか。まったく情けない。安田のこと
を家族に紹介することもせず、酔っ払って前後不覚になるなんて格好のいいことじゃない。
 とりあえずブレザーを脱くか。もう春だというのに部屋の中はまだ寒いが、上着を着て冬用の掛け布団を羽
織っていたら汗をかいて仕方が無い。これじゃあ――
 そこで思い出した。もう制服を着なくてもいいんだった。もう高校生じゃないんだ。なんとも言えない感情が
胸の中を押し広げて苦しい。卒業に対して感傷的になるなんて自分には無いだろうと思っていたのに。
 携帯のディスプレイを眺めていると、眩しくて瞳に涙が溜まってくる。

 もぞもぞとベッドのクッションが揺れた。今まで気がつかなかったが、安田がベッドの縁に手を掛けるように
してうたた寝をしていた。
「せん、ぱい……起きたんですか?」
「な……っ!」
 彼女は目をこすりながら身体を起こす。俺は何故こいつがいるのか分からず大声を上げそうになった。かろう
じて声を出さずに済んだのは、涙を流しているのを見られたのではないかというバツの悪さが先に立っていたか
らだろうか。
「ああ。つか、何でここにおるんや。もう真夜中やないか。帰ったんと違うんか。」
「先輩が酔っ払っちゃって部屋に引っ込むときに私がお供したんですよ。ベッドまで運ぶ面倒見たの、私なんで
 すよ?」
「それは、うん、ありがとう。でももう1時や。日付変わっとんねん。」
「今日はこっちに泊まるから大丈夫です。私の親にも連絡しましたし、先輩の親御さんにも許可はいただきまし
 た。」
 嘘吐け、ウチの親が許可出すわけ無いだろう、と言ったが安田は聞く耳を持たない。ベッドによじ登ると勝手
に布団に潜り込んできた。潜り込む時に広がった隙間から冷たい部屋の空気が入ってくる。ずっと外気に触れて
いた彼女の身体も冷え切っていて、アルコールで火照った顔を冷たい髪が撫でた。口元に寄ったそれを食む。唾
液をべっとりと絡ませ細い髪の房を作る。
「あー先輩、舐めないでくださいよ。」
「嫌か?」
「そりゃ気分よくは無いで、ん……」
 何か喋ろうとする唇を唇で塞ぐ。身体と同じように唇も冷え切っていて、柔らかくて冷たい触感に思わず集中
してしまう。舌を絡ませることもせずただ押し付けて感触を確かめる。それと同時に彼女の身体の下に腕を差し
込み、持ち上げて抱きしめる。俺より二回りは小さい身体がびくりと震えたが、やがてゆっくり全身の力を抜い
ていった。ふぅ、と吐息を漏らす。
「先輩の身体、あったかいです。」
「ベッドの脇やったら寒かったやろ。」
 背中に腕を回したまま更に抱き寄せるようにすると、2人の身体の間に挟まったボタンが痛い。舌打ちを一つ
してブレザーを脱ぐ。ついでに彼女のそれも脱がせてしまう。
「シャツ、邪魔やな。」
「え?」
 ブレザーを脱いだせいか、Yシャツの小さなボタンも気になった。それだったら脱いでしまえばいいや、とボ
タンに手を掛けると彼女の手が触れた。視線が絡み、どちらからともなく口づけを交わす。今度は舌も絡ませる
ような情愛の込められたキスだ。
 その間に俺は2人分のシャツのボタンを全て外してしまう。裾をはだけ、腹と腹とをくっつけるとそこから急
速に体温が奪われていく。さっきまで床に座っていた彼女の身体は予想通りすっかり冷えきっていた。だが内臓
まで冷えるような感覚が今は気持ちがいい。
「はむ……はっ、んっあ……じゅっ……」
 彼女の舌を味わっていると身体がゾクゾクと震えてくる。下半身に血液が集まってきて頭も働かなくなってく
きた。

237 :名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 17:00:39 ID:xiD/q2Sa
 しかし家族がいる家でこのままコトに及んではいけないと最後の自制が働いた。名残惜しいが一旦唇を離す。
どうしてキスを止めるのか、と涙で濡れ、非難の色の混じった瞳が俺を突き刺す。
「そんな目で見な。隣の部屋で妹が寝とるんやぞ。このままやったら最後まで行ってまう。」
「でも先輩が誘ってくれたんじゃないですか。」
「まあそうやけど。」
「先輩から誘ってくれたの初めてで、すごくうれしかったのに。」
 言われてみれば、俺から手を出したのは初めてだった。半分はベッドの中に入り込んできた彼女のせいでもあ
るんだけど。
 ……バレないように上手く出来るだろうか?
「絶対、声我慢出来る?」
「絶対、我慢します。――ひゃっ!」
 尻に手を置いたとたん、弾かれたように声を上げる。
「……お前も抜き打ちで触られるのに慣れへんな。」
「だってぇ……ひゃ、むぐっ……!」
 手探りで下着越しに大事なところに触ると大きな声を上げかけた。慌てて両手で口を塞ぎ瞼をギュッと絞る。
その様がもうたまらなく可愛らしくて、ますます苛めたくなる。

「ぐっ、むぐぐぅ、はっ……ひうっ……」
 彼女は呼吸が苦しくないかと訊きたくなるほどきつく口を塞ぎ、俺からの愛撫に耐える。背中から両手を回し
スカートを持ち上げて下着の中へ手を差し込むと、そこは早くも潤いを生み出していた。襞を少し撫でるとすぐ
に溢れだす。ほんの少しのキスと愛撫だけでこんなに濡らしてくれるのはうれしかった。
「どしたん? もうぐちゃぐちゃやで。」
 安田は口を塞いだまま首を横に振る。
「首振られるだけじゃ分からんなあ。」
 暫くは肝心な場所には指を入れず外周を何度も撫でる。粘度のある愛液が指先に絡んで、にちゃりと音を立て
た。次々漏れ出る愛液を指で掬い切れず下着に零してしまう。
「汚すから脱ごか?」
 このまま弄るのには下着が少し邪魔だし、と彼女の身体を持ち上げて膝の辺りまで下着をずらしてやる。滑ら
かな太腿が指に吸い付き、興奮を煽られる。彼女は愛撫が一旦止んだから落ち着こうしているのか、半端に口を
開いて深呼吸を繰り返していた。落ち着くまで待つ、と言うと彼女は一つ首肯して俺の肩口に顔を埋めた。これ
以上苛めるのはかわいそうだろうか。彼女の頭を撫でると安心したように全身を弛緩させる。

238 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/03/19(水) 17:01:30 ID:xiD/q2Sa
 暫く経ってもまるでとろりと溶けたように脱力したままで、少し不安になる。声をかけるが反応が返ってこな
い。
「眠いか?」
 顔を埋めたままそれをぐりぐり擦りつける。眠くないと本人は言いたいようだが、説得力が全く無い。
「もう寝え。また今度、それでええやろ?」
 またぐりぐり。眠くないと言っているんだから続きをしよう、という意味なのだろう。でも眠たい相手を無理
矢理起こしたって仕方がない。俺は我慢しようとすれば我慢できる、と言うと、彼女はようやく顔を上げた。
「……眠くないです。」
「声が眠いって言うとるぞ。」
「違います。気持ちよくて、身体に力が入らないだけです。」
「わがまま言いな。眠い言うてるのんを叩き起こしてエッチしてもしゃあない。添い寝してくれ言うんやったら
 したるから、今日は寝ような?」
 安田はまた下を向きいやいやと首を振るがその頭を押さえ込む。
「このまま寝るんも気持ちええと思うんやけどな。――俺はこうしてると気持ちええで?」
 少し恥ずかしいがこうでも言わないと諦めないだろう。身体に鞭打ってまですることじゃないし、あとで何か
言われても、まだ頭の隅に残っているアルコールのせいだと言えば乗り切れるだろうという計算もあった。
「気持ちいいです。気持ちいいですけど気持ちいいの中身が違います。」
「満足出来へん?」
「……正直、迷ってます。このまま寝ちゃうのも気持ちいいかなって。」
「お前が寝るまで抱っこ付き。今やったらお安く出来ますよ?」
「じゃあ、このまま寝ちゃいます。――でも。」
 うとうとした顔で、でも獣のように鋭い目つきが一瞬光った。
「エッチしてから、ね?」
 そう言うと彼女は俺の腕を取った。何をするのかと黙って見ていると、こちらから目を離さないで指を舐め始
める。ちゅぱ、ちゅぱという卑猥な音と普段見慣れている自分の指とがリンクしない。それが無性に淫欲をそそ
る。
「指舐めてるだけなのに、先輩おっきくなってますよ?」
 うるさい、という言葉を俺は飲み込んだ。人差し指を舐め上げる仕草はひどく怠惰だったが、それ以上に官能
的で魅力的だった。
「指が性感帯ですか? ……いやらしい。」
 返す言葉が見つからなかった。

 暫く俺の指だけを舐めると、彼女は自分の下腹部をグリグリと俺に押し付けて様子を確かめた。ふふふ、と声
を出して笑う。
「準備OKみたいですね。」
「……お前はどうやねん。」
「先輩が変態すぎて、私も中てられちゃいました。んっ――ほら、こんなに。」
 安田は布団の中へ自分の手を突っ込み、すぐに引き出した。指先に銀色の糸がかかっている。肝心な所を弄っ
てから随分時間が経っているし、もう一度愛撫をした方がいいのだろうかと思っていたのだが、その必要は無
かったようだ。
「なら、ええか?」
「はい。」
「静かにするっていう約束も大丈夫か?」
「そっちは自信ないです。」
 随分とあっさり言ってくれる。それなら出来ないぞ、と言っても多分意味は無いだろう。こいつならそんなこ
と関係無しに始めかねない。事実今だって――
「あはっ、先輩大きくって、素敵です……」
 勝手に人のズボンのチャックを開けて俺自身を取り出している。それからまた下腹部で押し潰すようにして刺
激を与えてきた。ゴリゴリと少し強めの刺激に目の前が真っ白になる。

239 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/03/19(水) 17:02:11 ID:xiD/q2Sa
「こら。」
 歯を食いしばって快感に耐えながら一発頭をはたく。勝手なことをするな、と釘を刺して身体を起こし、先程
脱ぎ捨てたブレザーの胸ポケットを探ってコンドームを取り出した。見ると安田が目を丸くしている。
「何でそんなところから……?」
「どっかの誰かが学校で襲ってきたことがあったやろ。もうこの服も着ぃへんし、ここに入れといてもしゃあな
 い。」
 さっさと装着してしまって押し倒す。正常位でさあ挿れようかというときに、本当に声を我慢できそうに無
い、と下から声が響いた。俺は少し考えて、それから彼女を抱き上げて対面座位の形へ変える。
「約束にもう1つ追加してもええか? ――舌、噛みなや。」
 彼女の声が漏れないようにキスで口を塞ぐ。反論を許さないまま身体を捻じ込んだ。

 いつもよりゆっくりしたペースで抽送を行う。俺のような運動不足では口が塞がったままで激しい動きは続か
ないからだ。本当は激しく身体をぶつけたいが、その気持ちに反してゆっくり引き抜いてゆっくり押し込む。た
だその作業をするだけで頭の芯が痺れてくる。
 下半身から強烈な快感がせり上がってきているからといって、上半身が動きを止めているわけではない。睦み
あう舌は普段通りに激しくお互いの口を行き来する。着けたままだったブラジャーを掌で押し上げて頂を取り出
すと、きゅっと指で摘みあげる。すると舌は固まり身体は反り返り、膣内は更に蠢いた。一拍置いてむーむー声
を上げ胸を叩かれたので、一旦動きを止めて唇を離す。
「はぁ、はぁ、っく……」
「どした?」
「乳首は、ひゃめっ! ……てください。声、出ちゃいますよ?」
 喋っている最中にまた乳首を弄る。この喘ぎ声をずっと聞いていたい。でも今は我慢だ。
「口塞いどるから大丈夫やろ。」
 何か言いたそうに息継ぎをした彼女の口をまた塞ぎ、今度は乳房全体を掴むようにして軽く揺する。平面に近
い胸を無理矢理掴みあげているから感触は殆ど無いのだが、微妙に存在する膨らみと固くそそり立つ乳首に掠る
たびに下半身が強く締め付けられる。予期せぬ所で触るので締め付けが不規則になる。あまりの快感に頭がガン
ガンしてきた。

 彼女から漏れる荒い鼻息が頬から喉元まで落ちる。生温い俺のそれも同じように彼女の肌を伝っているのだろ
う。唾液や粘液、体温を交わしている印象はあったが、呼吸まで交換していたのか。冷静に考えれば馬鹿げた思
いつきだったが、その瞬間は本当にそう思い込んでいた。そうなると彼女の呼気でさえ愛おしくなってくる。
 彼女の全てを手に入れたいのに、どうして自分の身体はこんなに不自由なんだろうか。唾液も愛液も汗も手に
入れてるのに、呼吸を手に入れられないなんて。
 そこまで思考が及んだとき、胸をさすっていた手を取られた。指を組むようにして握られる。
「ぷはっ……おっぱい、ダメ、です。」
 息も絶え絶えといった様子でボロボロ涙をこぼす。無言でその雫を舌で掬い上げてやると、掴まれた手に力が
入る。くすぐったいのだろうか、身体をくねらせる。
 そんな彼女を逃がさないように空いた腕で腰をしっかり抱き寄せてまた口を塞ぐと、俺はピストン運動を早め
た。もう動きたいのを我慢出来るほど余裕が無かった。余裕が無いのは彼女も一緒だったのか、突く度にびくん
びくんと繋いだ腕が跳ねる。さっきまで敏感だった舌の動きも緩慢になってきた。その代わりに腰に回された脚
がきつく締め付けてくる。ぱちゅっぱちゅっと水音と身体のぶつかる音が混じり耳の奥で弾ける。
「むぐっう、んっ――」
 ピッチを上げ数十度突くと数度身体をびくつかせ、安田の身体から力が抜けた。くたりと芯の消えた身体を
そっとベッドに横たえると、俺もなんだか眠たくなってきた。彼女の横のスペースを見つけて飛び込み、約束ど
おり彼女を抱きしめると目を閉じた。

240 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/03/19(水) 17:03:07 ID:xiD/q2Sa
 次に目が覚めたのはまだ日の出前だった。ようやく酒が抜けたのか夜中に比べて身体が軽い。頭だけまだ鉛で
出来ているようだったが、数度自分の頬を張るとすぐに目が覚めた。隣には昨日俺がむさぼった身体がそのまま
転がっていて、スカート1枚だけつけた姿のままだ。
 時計を見ると6時前。例年通りなら在校生は昨日の卒業式の片付けをしなければならないので今日は登校日だっ
たはず。まだ気持ち良さそうに眠っている彼女を揺り起こす。寝顔が可愛かったが仕方が無い。
「……おはようございます。」
「ん、おはよう。涎垂れとるぞ。」
 その言葉に反応して無言で口元をごしごし擦り、声にならない声を漏らして抱きついてくる。
「起きろや。今日学校あるんやろ?」
「……休みます。」
「まだ暫く寝とってもええから学校には行け。サボり癖つけたらあかん。来年受験やぞ?」
 無言で身体を起こして大きく伸びをする。脱ぎ散らかした服を集めてやって手渡すとようやくもぞもぞ動き出
した。

「先輩。」
「なんや後輩。」
「昨日は楽しい日でした。初めて先輩の家族と会えましたから。」
 その言葉で思い出した。昨日は彼女のことをきちんと紹介できなかったんだった。そのことについて訊くとあ
まり聞きたくなかった回答が返ってくる。
「私の紹介なら先輩のお母さまからされましたよ。色々訊かれましたので適当に答えておきました。」
「何を訊かれた?」
「いつ頃から付き合ってるかとか、どれくらい仲がいいのか、とか。私も答えられるだけ答えました。――それ
 から私も色々質問しました。先輩、一人暮らしされるんですよね?」
「……どこからそんな話が出てきた?」
「昨日、夕食の最中に。」
 確かに引越しの予定はある。自分で金を稼いでいるんだから一人で全部なんとかしろ、という父親の鶴の一声
で決まったのだ。別にこのマンションから通勤も出来るのにそんな必要無いだろう、と俺や母親が反対したのだ
が、我が家における父親の発言は絶対だ。だからこの部屋も少しずつ片付け始めている。
「どうして秘密にしてたんです?」
「……言う必要無いやろ、どこに引っ越すとか。」
「私、先輩の部屋に行きたいです。彼女なんですから行かない理由はありません。」
 そう言うと思ったから言わなかったんだ、と言いかけて俺は首を横に振った。絶対にダメだという意味を込め
て。
「どうしてですか?」
 理由ならいくらでもある。俺の部屋に毎日上がりこむつもりだろ、とか俺の部屋になんて来ずに受験勉強しろ、
とか言いたいことはたくさんある。来るなと言うだけならそれらの理由を適当に並べていればいい。でもこいつ
に来てほしくない、一番の理由は――
「ねえ、どうして?」
 俺が男だからだ。こんなに可愛いのが毎日やってきたら、俺が我慢できない。俺がそんなことを面と向かって
言えるわけない。こいつならしれっと言い放ちそうだが、俺はこいつとは違う。
「言えるか、アホ。」
「そこを曲げて、ね?」
「知らん。寝ろ。」
 俺は彼女の追求から逃げるようにベッドを離れた。今彼女に抱きつかれたら押し倒してしまう衝動を我慢出来
なくなってしまう。前はこんな気持ちは生まれなかったのに。

 これはいい変化なのか悪い変化なのか、俺には判断できなかった。

241 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/03/19(水) 17:04:02 ID:xiD/q2Sa
と以上です。
途中何度も鳥を忘れてしまった……やっぱりp2は使いにくい。

なんだかエロを書けば書くほど愛撫シーンが長くなっていく……神様、挿入後のシーンを魅せる技術が欲しいです。

目指せ月一。次は「2ヵ月後にまた来る」のアレの予定。無口スレとか色々浮気したせいでずるずる長くならないことを祈るばかり。

242 :名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 22:15:53 ID:zutpHqbr
>>241
GJ!!!

243 :名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 00:13:35 ID:Fntsor6j
虞ッ叙武!!!!!!!!!

244 :名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 13:51:19 ID:VqhcTaz+
フン・・・GJ

245 :名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 21:43:44 ID:E7SyWvFb
GJ!!!!!!
安田かわいいなー。

246 :名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 10:49:53 ID:FC8EVYCD
GJ!!最高

247 :名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:07:07 ID:vgaBTTTV


248 :名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:29:06 ID:QXkxmcVG
保守

249 :名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 16:27:25 ID:WS4wdZta
モッシュ

250 :名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 16:38:17 ID:QkHuJMUR
&ダイブ

251 :名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 23:22:24 ID:aGURTyM8
in ライブ

252 :名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 02:11:06 ID:R+tgvSxa
無頼男!!

253 :名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 11:29:21 ID:6bPPi2zi
心ここに在らず

254 :名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 17:07:47 ID:bHWzRE+t
モッシュ&ダイブを無頼者のライブでかますクー…



いかん、もはやクールではない

255 :名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 10:23:02 ID:Rq/5Ueqf
いやいや。
ライブではそう振る舞うが、終わって引っ込むとメンバー(マネージャー)
の主人公には、素クール振りを発揮するのも捨てがたいかも。

256 :名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 20:22:55 ID:SdMXebCZ
>>255
お前どうしてそういうすばらしいシチュ思いつくんだ?
是非書いて頂きたいな

257 :sage:2008/03/30(日) 17:58:22 ID:8/OxiEhn
関西弁が何かビミョ〜

258 :名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 20:22:51 ID:0Yi+36/C
ageてる奴が何も言うな!!帰れ!!w

259 :名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 22:02:35 ID:AHgCVmSP
モッシュなんて言ってごめん・・・


260 :名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 22:30:02 ID:no9OV3yg
明日は4/1、俗にエイプリルフールな訳だが。

素クールと結び付けるには難しいイベントだな…

ん、待てよ。主人公側が嘘をつけば……!!

261 :名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 01:59:37 ID:7s4keRBB
「君が好きだ」
「はい?……あぁ、今日はエイプリルフールでしたね」
「……なに?」
「まったく、美人なんですからそういう嘘はつかないで下さい。勘違いしちゃいますから」
「あ、いや、だから……」
 
 
と言うニブチンの電波を受信してしまった
正直反省してる

262 :名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 06:46:27 ID:2Y8UVI/g
ttp://moepic3.dip.jp/gazo/moeura/files/moeura23108.jpg
素直クールというのがよくわからんのだがこういうののことか?

263 :名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 07:33:21 ID:IuIujD4b
なんだがよくわかりませんが

「きみのその熱い子種をこの子宮に注いでくれないか?」

なんて言葉を置いていきますね

264 :名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 22:20:10 ID:ZRbpxWLS
>>261を見てこんな電波を受信した。




いきなりだが、私は今日、大好きな幼馴染みに想いのたけをぶつける事にした。

「君が好きだ」

なんて直接的。なんてストレートな私の愛の告白。
これなら確実に気持ちが伝わるはず。
……そう思っていた、のだが。

「いきなりなんです? ……ああ、そういえば今日はエイプリルフールでしたっけ」
「何?」

今日がどんな日なのかを忘れていた。

「まったく。嘘をつくにしても冗談が過ぎますよ。貴女は美人さんなんですから、勘違いしちゃうじゃないですか」
「え。あ、いやその、だから――」

結局、その後は、いくら私が真剣に想いを伝えても、彼は嘘ということで取り合ってくれなかった。
……おのれ、エイプリルフール。
これしきの事で諦めてなるものか。
今度は必ず私の想いを伝えてみせる。




かっとなってやった。今は正直、反省している。
ネタ被りだよね……吊ってくる。


265 :名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 00:11:28 ID:KTzuGx9g
電波も何もただのパクリじゃないか
出来る限り好意的に表現してもただの改変というところかな

まぁなんだ。君のそういうダメなところも私は嫌いじゃない

それに、なんだかんだ言って君の事だ。次はきっと面白いネタを書いてくれるに違いない。大いに期待させてもらうよ?

266 :名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 03:06:25 ID:dvExl+xh
「先生?」
「なにかな?」
 春休み。成績は中の上。赤点もなく、進級確定。家でゆっくり過ごせると思ってたんだが……
「なんで俺は学校にいるんですかね?」
「君が一位の成績を取ってくれないからだ」
 昨日、終業式の日の晩に来た電話。
 その結果、俺はここ、教室にいる。
「一位って、俺はそこまで頭良く無いんですが。てかなんで俺に一位を要求するんですか?」
「男子高校生というのは、担任が女性なら良い成績をとり、自分をみてもらおうと、気を引こうとするものだろう?」
「そこには色々と条件があると思いますけど、まあ、そういう奴もいるんでしょうね」
 実際、先生は若くて美人だ。スタイルだって出るとこは出て、余計なところはない。
 さっき先生が言った様なやつがいても不思議じゃない。
 だが、俺はその類ではない。いったい何が言いたいのだろうか?
「そう。だから、君は一位を取らなければな」
「意味が分かりません」
「じゃあ、言いかえよう。私が君に一位をとって欲しいからだ」
「理由が分かりません」
「……ホントにか?…」
「ええ」
 なにをどう分かれと言うのか。
「まったく、君にはまず国語を教えた方が良さそうだな」
「一応現文が一番得意なつもりなんですが。というか先生の担当は世界史でしょう?」
「私が必要と思うくらいの国語力は与えられるさ。ついて来てくれ」

267 :名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 03:07:54 ID:dvExl+xh
 着いたのは図書室。
「さて、とりあえずそうだな、この本を読んでみてくれ」
「はぁ……」
 渡されたのは文庫本一冊。カバーがかけられているので表紙は見えない。
 表紙をめくるが題名が書かれているだろうページはカバーの中に入り込んでいる。
 まぁ、ぱっぱと流し読みして、帰ろう。
 
 
 
 
『先生っ!先っ、生!』
『良い、よ、もっと!もっともっと来てっ!』
 二人は生徒と先生という関係も忘れ、ただただ一人の男と一人の女となり、ひたすらに愛し合う。
 陰茎が女の蜜壺を掻き回し、蜜壺が男の陰茎を締め付ける。
 目の前で揺れる乳房にむしゃぶりつき、激しく自己主張する乳首を─
 
 
 
 
「先生」
「質問は読み終わってからだ」
「………」
 
 
 
 
 本を閉じる。目頭を押して目の疲れを誤魔化す。
「読み終わったか」
「はい。とりあえず質問いいですか?」
「なんだ?」
「なぜに俺は官能小説を読まされたんですか?」
「それか?私のお気に入りでな。何度も何度も読み返して、ボロボロになってな。新しく買いなおした本で」
「知ったこっちゃありません。俺に読ませた理由を教えて下さい」
 なんだってこんなものを……しかも女教師と男子生徒もの…
「いやな、私はその本の教師を私、生徒を君に置き換えてよくオナニーをするんだが」
「……は?…」
「少々、我慢出来なくなってしまってな……付き合って欲しい…」
 そういう先生の瞳は妙にうるんでいた─

268 :名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 03:10:12 ID:dvExl+xh
どうやら数ヵ月前の俺はこんな電波を受信してた様だ。
そのまんまにしとくのももったいない気がしたからここに落としてみた
とりあえず置き逃げ

269 :名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 05:21:14 ID:SPzgfyHX
中々興味深い電波だな。
周波数はそのままで受信し続けるんだ!

270 :名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 21:39:01 ID:+EYFhEic
これはあれですよね
続きを勿論期待していいんですよね

いや書いて下さいお願いします

271 :後の祭りに ◆6x17cueegc :2008/04/03(木) 22:46:21 ID:4J3OpDVF
皆さんおはようございますこんにちわこんばんわ。これからのずっとの人でございます。

意外と早く書けたので『後の祭りに』の続きを投下させてもらいたいと思います。
今回はグロ無し、エロあり少なめです。

それではどうぞ。

272 :後の祭りに ◆6x17cueegc :2008/04/03(木) 22:47:08 ID:4J3OpDVF
 11月。権兵衛の村で鬼が暴れてからおおよそ2ヶ月の後のこと。冬は既に眼前まで迫っており、少し離れた山
の頂上はもう雪化粧が施されている。
 権兵衛が事件のときに捻った足はもうすっかり良くなっていた。最初の頃は立ち上がるのにも難儀していた
が、今では畑仕事も楽々こなしている。
 本来怪我が治るのは本人にとってとても喜ばしいことなのだが、権兵衛の、この怪我に関しては違った。あの
般若の言ったとおりに身体が治るのが恐ろしかったのだ。
 
 それに……あの女は権兵衛の怪我が治る頃にまた来る、と言っていた。つまり、もうすぐ。

* * * * * *

 あの日、権兵衛の呼びかけに集まった村人は皆一様に身体を震わせ、祭りの余韻をぶち壊された。
 死体は女の手によって片付けられてはいたのだが、3人の男から流れ出た血液の量が尋常ではなく臭いが数名
の村人の吐き気を誘った。また、街道の反対側の林に片付けられていた死体には既にカラスがたかっていて、大
柄な男の親類がそれを必死に振り払おうとする一幕もあった。
 浮かれた気分からどん底に叩き落されたことで、皆どこか狂ってしまっていたのかもしれない。

 その様子を1人輪から離れて見ている者がいた。権兵衛だ。どれだけ残酷な光景を見ても昨夜の光景以上の恐
怖は覚えないからかもしれない、と権兵衛はどこか醒めた頭で考えていた。
「おい、コン!」
 立ち尽くしている権兵衛に咬みつくように被害者の親類が怒鳴りつける。
「お前、下手人の顔は見たんだよな!? 見たんだろう!」
 鼻息も荒く小柄なコンの襟首を捕まえるとぎゅうぎゅう締め上げる。
「く……るし……」
「うるせえ、お前が生きてるってことは見たんだろう! どこのどいつだ! さあ、言え!」
 ますます締め上げられて権兵衛は息が出来ない。しかしそれを止めるものは権兵衛も含めて誰もいなかった。
気持ちが痛いほどに分かるからだ。
「ぐ……お、とこだっ、た……!」
 もう殆ど落ちる直前に権兵衛は声を漏らした。それを聞いて襟を放す男。
「げほっ、ごほごほっ!……見上げるような、大男だった。茂みに隠れていたのを見つかって、あっという間に
 バラされたんだ。」
 口からは汚らしく涎を垂らし、それでも喋り続けた。
「俺は本当に偶然、木の根に躓いて倒れたから奴の視界から逃れられたんだ。……運が良かった。」

 何故権兵衛は嘘を吐いたのか。それは彼自身、昨夜の出来事がいまだに信じられなかったのだ。彼自身がそん
な状態で、どうやって他人に真実を信じてもらえると言うのだろうか。

* * * * * *

 権兵衛は冬を思わせる厳しい寒さに身体を震わせた。遠くの山には雪が積もっているが、この辺りにはまだ積
もるほどは降っていない。
「そろそろ帰るか。」
 農村の冬、仕事はそんなに無かった。あえて言うなら一冬越すための蓄えを作るために家の中での作業が増え
るくらいだ。
 痛みの無くなった右足を引きずるようにして歩く。権兵衛自身は暫く使っていれば慣れていくだろう、と特に
は気にしていない。そのときガサリ、と後ろで物音がした。後ろを振り返ると顔見知りの村人がいた。
「どうしたんだよ。んな驚いた顔して振り返らなくてもいいじゃないか。」
「仕方ないだろう。物音には敏感になってるんだよ。」
 2ヶ月前、また戻ってくるという彼女の言葉が頭から離れず、ここ最近は神経が過敏になっていた。それでも
事件直後から比べれば随分マシにはなっているのだが。
「そういやそうだったな。……ところでお前に客人だ。」
「言ったとおりに来たぞ、権兵衛。」
 客人の姿を見て権兵衛は叫びかけて……飲み込んだ。2ヶ月前のあの女だ。

273 :後の祭りに ◆6x17cueegc :2008/04/03(木) 22:48:12 ID:4J3OpDVF
「ふむ、足はもう殆ど良くなっているな。後は時間をかけて動かすようにすればいい。」
 女は1人暮らしの権兵衛の家に無理矢理ついてきて、権兵衛の足首を診ていた。ぐいぐいと動かして痛みの様
子を調べ、それからこのように結論を出した。
「どうした、権兵衛。」
「どうしたもこうしたも無い。何故来た。」
「君の顔を見たかった。ついでに怪我の様子も確かめたかった。それじゃあ不満かな?」
 まるでそうするのが自分の義務という様子だ。権兵衛はそんな彼女の様子に憤る。あんなに非道いことをして、
どうして平然と俺に顔を見せられるのか。第一――
「お前、村のみんなに何かされるとは思ってなかったのか。」
「何か、とは?」
「二月前の下手人だと知れたらどうするんだ!」
 寒々しい木の床を拳で叩く。ドン、と1つ大きな音が響いて家の中が静かになる。
「知られているわけがない。私の顔を知っているのは君だけだからな。それに知られたところで全員始末してし
 まえば問題無いさ。」
「いい加減にしろ!」
 女の言葉に権兵衛は激昂した。あれだけ村のみんなに不安を与えておいて、この上殺すというのか、と。

 怒鳴られて暫くきょとんと男の顔を見ていた女が静寂を破る。
「確認しておくが、君しか知らないんだな?」
「何をだ。」
「二月前の下手人だよ。村の様子を見るにばれてはいないようだけど。」
「……そうだ。」
 顔を見られていないと自分で言っていただろう、と権兵衛は呆気に取られた。しかしそれを聞いて女には安堵
の表情が浮かぶ。どうして安堵の表情なのだろうか、そんな疑問が権兵衛の頭に思い浮かんだ。
「どうして私がこんな顔をしたのか、不思議なようだな。」
 どうやらそんな権兵衛の困惑が見て取れたらしい。女は掴んでいた足首を離すと権兵衛に擦り寄った。しかし
権兵衛は女から距離を取ろうと後ずさる。女が一つ進むと男は二つ逃げる。
「何故逃げる。」
「それはこっちの台詞だ。どうして近寄ってくるんだ。」
「話をするのに近寄っちゃいけないか?」
「声が聞こえれば問題無いだろう。」
「にべもないな。」
 拗ねたような顔をして、でもじりじりと擦り寄っていく女。
「止めろ。お前に近付かれて、いい気分がしない。」
「それなら仕方ないな。……さて、どうして安心したのか、というところだが――」
 この瞬間、男は気を抜いてしまった。その隙をつくようにして女が俺に跳びかかる。権兵衛は咄嗟にかわそう
としたが反応は追いつかず、仰向けの男に寄り添うように女がしがみついた。
「――君が私のことを守ってくれたから、だな。」
 言うと眼前の男の唇を吸い始める。軽く触れあわせ舌を差し入れようとする。そこまで来たとき、権兵衛は全
身の力を込めて女を弾き飛ばした。
「訳の分からんことを……ッ!」
 女の急な行動に権兵衛は完全に頭に血が昇っていた。俺がお前をいつ守ったというんだ、と吐き捨てる。女は
権兵衛が捨てた言葉を拾うようにして、言った。
「当然君が、私を、だ。理由も訊きたいか? ……訊きたいみたいだな。順序だてて説明してやるから、暫くの
 間、黙って私の話を聞け。」
 権兵衛が黙ったまま先を促すように顎を動かすと、女は頷き返し話を始めた。

274 :後の祭りに ◆6x17cueegc :2008/04/03(木) 22:49:27 ID:4J3OpDVF
 私もな、この村に戻ってきたのは賭けだったんだ。いくら面が割れてないからといっても、あれだけ惨たらし
く殺したんだ――そんな顔をするな、私にも一応そういう感情はある――普通なら祭りの時期でもないのに余所
者が来たというだけで普段以上に奇異の目で見られるだろうさ。ましてや君が、下手人は女だ、なんて村中に言
いふらしていれば尚更な。
 だがこの村の連中は何かを疑う様子も無かった。それも事件の唯一の生き残りである君に会いたい、と言った
にもかかわらずだ。だから私は『ああきっと、権兵衛が私をかばってくれたのだろう』と思ったわけさ。

 女はここまで一息に喋り終えると息を一つ吐いた。呆気に取られている権兵衛へ、どうだ、私もなかなか頭が
回るだろう、と片目を瞑ってみせる。
「……かばって、なんて。」
「いない? しかし君の様子を見るに私が今言ったことは当たらずとも遠からず、といったところだろう。」
 この予想は結構自信があるんだ、と胸を張るが、権兵衛は黙りこくっていた。実際は彼が村人の納得する理由
を勝手に作り出しただけだったからだ。言うなれば彼がかばったのは彼自身で、女のことなど頭に無かったとい
うのが正しい。
 しかしその沈黙を女は肯定の意味と受け取った。ありがとうと謝辞を述べながら顔を崩す。その笑顔はなかな
か表情を崩さない女にしては珍しいものだったのだが、女の意図に反して男には恐怖した与えることが出来な
かった。
「かばって、ない。俺はただ『見上げるような大男がやった』と言っただけだ。」
「かばってくれてるじゃないか。私が見上げるような大男に見えるか?」
 彼女は女にしては大柄ではあるが見上げるほどではないし、第一撫肩に柳腰で女物の着物、と男にはまず見え
ない。しかし男の言いたいことが女には伝わっていなかった。それを感じたのか男が更に口を開く。
「お前のような女があいつらを数瞬で斬り伏せたなんて誰が信じるんだ。村のみんなが納得する理由を適当に作
 り上げただけだ。そうしないと今度は俺が疑われる。俺は、俺のことだけを守るためにそういっただけだ。お
 前がしてるのはただの勘違いなんだよ。」
 女が何を言っているのか分からないという表情で権兵衛を見つめる。内心の動揺を押し殺して権兵衛は睨み返
した。暫くその膠着が続き、耐え切れなくなった男は口を開いた。
「分かったら帰れ。二度と俺の前に顔を見せるな。」
「つまり、分からなかったらずっとここにいていいのだな?」
「……は?」
 気が付くと権兵衛は張りつめた空気とは噛み合わない間抜けな声を漏らしていた。

275 :後の祭りに ◆6x17cueegc :2008/04/03(木) 22:49:46 ID:4J3OpDVF
「いや、『分かったら帰れ』と言っただろう? 分からないから帰れないな。」
 頬を大きく持ち上げ意地汚そうに笑う女。男は自分に投げかけられた言葉の意味が分からなかったが、やがて
その意味に気がついた。
「お前、分かる気なんて無いだろう!」
「どうだろうな。」
 女は明後日の方向を向いて男の追及をから目を逸らす。しかし顔はまだ笑っているままで、それが男の言葉へ
の回答となっていた。女はこのまま男の家に居座る気だった。『この家に居てもいい』。その言質が取りたくて
仕方がなかったからこその今の笑顔だった。
「心配せずとも仕事の報酬を受け取っているからな、1年くらいなら庄屋並みの豪華な生活が出来るぞ。どうだ、
 美人の嫁も貰えるし悪い話ではあるまい。」
「俺はそんなことを心配しているんじゃない!」
 求愛の文句を垂れ流しながら先程のように再度擦り寄ってきた女を権兵衛は思いっきり蹴り飛ばした。不意の
打撃に女は避けきれずに鳩尾に一発喰らったが、蹴りの勢いに体重を乗せて衝撃を流しながら一尺ほど飛び退い
た。
「……何度も言ったはずだ、俺はお前を好かん。だから今すぐ俺の目の前から失せろ。」
「失せぬなら、どうする?」
 先程までの怪しげな表情はすっかり消えて、目尻はキリっとつり上がり俊敏な獣のような身のこなしを思わせ
る体勢となっていた。
「失せるまで言い続けるさ。」
「私が言葉で動くと思うか。」
「実力行使か? 情けないが正面切っての殴り合いでお前に勝てるとは思わんからな。今のだって不意打ちがた
 またま当たっただけだ。殺し合いなら俺が勝てることなんて万に一つも無い。」
「分かっているじゃないか。」
 鳩尾への一撃がまだ効いているのか顔を歪めながら低い声で呟く。しかしその顔もすぐに平静を取り戻し、や
がて憑き物が落ちたようにさっぱりとした顔になった。そしてまた、権兵衛を嘆息させる一言を漏らしたのだっ
た。
「……そうか、つまり私が君の言葉を無視し続ければいいのか。」
 権兵衛は目の前が真っ暗になった気持ちになった。どうしてこんなに言葉が通じないのか、と苛立ちが腹の底
で燃え盛る。怒鳴りたくなる衝動をすんでのところで飲み込んで権兵衛は立ち上がった。玄関に近い場所の床板
を外してジャラジャラと鳴る麻袋を取り出すと女に突き出す。
「これを持って今すぐ失せろ。路銀の足しにでもしたらいい。」
 醒めた目で女へ銅貨の入った袋を投げつけ、権兵衛は土間に立った。幼い頃に父が亡くなり、3年ほど前に流
行り病で母を亡くした彼は生活の全てを自分でこなさないとならない。少し早いが食事を作ろうというのだ。

「なあ権兵衛、私の分は……」
 男は一人分の膳を作り静かに手を合わせてから茶碗を取り上げ食べ始める。先程から女はそんな権兵衛に言葉
を投げかけるが一切相手にされていなかった。おひつにあけたご飯も、小皿に取られた漬物も醤(ひしお)も全
ては権兵衛が自身のために作ったものだった。女が手伝おうとしても手を振るって拒否したのだ。
「ご飯、貰ってもいいか?」
「……全部俺の分だ。」
 ようやく口を開いて出た言葉がこれだ。女は少し悲しくなった。権兵衛との衝撃的過ぎる出会いは受け入れら
れるとは思っていなかったが、ここまで頑なに扉を閉じたままでは交渉する余地も無い。
 これが本当の砦なら忍び込めるのになあ、と女は心の内で愚痴る。そういった力技で今まで物事を解決するば
かりだった女は、しかし庶民のする付き合いというものにも憧れていた。権兵衛との関係はあくまで心を通わせ
てのものにしたかった。
 仕事仲間や自分の所業を知っている者からは何を今更と言われるだろうが、女はそれでも構わないと考えてい
た。彼女が男に惚れたのは事実だし、惚れた以上普通の関係を築きたいと思うのはおかしいことではない。そう
胸を張って言えるから少しくらいの恥なら掻いても構わない、と。

276 :後の祭りに ◆6x17cueegc :2008/04/03(木) 22:50:24 ID:4J3OpDVF
 しかし、と彼女は自分の腹を見下ろした。くぅ、と小さく腹が鳴る。
「お腹が空いたから、少し行ってくる。どこかの家に行けば1食くらいなら確保できるだろう。」
 その言葉を聞いてそれまで無愛想に漬物を噛んでいた男がじろりと女を見遣る。
「心配するな、君の考えているようなことじゃない。ただ『旅の途中で空腹で、立ち行かなくなりました。助け
 で下さい』とでも言えば恵んでくれるだろうってな。」
「……甘いな。」
 猟奇的な夜を迎えずに済んで安心したのか、また目線を自分の膳に落としながら男が呟く。何を言われたのか
理解できなかった女は黙って男の次の言葉を待った。
「この村は祭りが終わったらこの村には何も無くなる。」
 口の中に残った漬物を飯で押し込みながら権兵衛は語りだす。
「村人が一冬ギリギリ過ごせるだけの蓄えくらいしか残さずに、祭りの時期に全て使ってしまうんだ。だから突
 然やってきた旅人を受け入れる余裕など、どこの家にも無い。」
 権兵衛はそう喋っている間にも口を動かしてお櫃を空にしてしまうと、立ち上がって食器を汲み置いた水に漬
けた。そうして腹が膨れたせいか眠たそうに欠伸をすると、そのままごろんと横になって目を閉じてしまった。

 時期としては冬の入り口を迎えた頃。いくら室内とは言えど板の間に直に寝ては身体を冷やす。女は男を抱き
起こそうと近付くと軽く睨まれた。
「……あ、えっと、風邪引くから。」
「いらぬ気遣いだ。寒くなったら目が覚める。」
「じゃあ布団だけ敷いておいてやろう。私は……どうするかな、今の時期なら野宿でもなんとか大丈夫だと思う
 が。」
「お前をこの家で寝かせてやる義理は無い。」
「つれないな、旦那様は。」
 女は寝転がった男の横に腰を下ろしその腹に手を置いた。引き締まった腹筋が割れていて、その溝を指でゆっ
くりとなぞる。
「触、るな……っ!」
 権兵衛は大きく動き女と距離を取った。
「お前に触られると身体が冷える、震える。お前が怖いんだ。だから、近寄るな。」
「しかし私は君に怖い思いをさせたつもりは無いのだが。」
「お前がどう思っていようと、俺とお前じゃ絶対に噛み合わん。」
「やってみなくては分からんぞ? 物事に絶対は無い。」
 それは女自身が一番よく分かっていた。仕事の関係で一時期は春をひさぐ職にもついていたのだ。男と女の機
微には、少なくとも権兵衛よりも詳しい。
 何より色恋以外のところでだって『絶対』はありえないのだ。絶対に安全な場所などがあっては彼女の仕事が
無くなる。彼女の生業は例え標的が警備の厳重な城の中心に居を構えていたとしても成し遂げねばならないよう
な過酷な仕事だった。
 そんな気質だから『絶対に無理』なんて言葉は言い訳にしか聞こえなかったのだ。
「だから、な?」
 後ずさる権兵衛に虎のように獰猛でしなやかな動きで襲い掛かる。押し倒すようにして覆いかぶさると権兵衛
の襟をこじ開け腕を突っ込む。寒さに冷えていた手があっという間に熱を吸収する。そうして身体を捩り必死に
抵抗する男の臍の上に陣取った女は悠然と男の顔を見下ろした。
 女は知っていた。ここに乗ってしまえばそう簡単には体勢を変えられないことを知っているのだ。文字通り、
命を賭けた実戦を幾度も経て得た知識だ。勘と言い換えてもいい。
 とにかく男の行動は全て女の掌の上に収められた。

 さて今回はどうやって愉しもうか、と舌なめずりをしながら女は自らの着物を脱いでいく。帯に手を掛けると
すぐに襦袢が姿を現した。それにも手を掛ける。
 権兵衛は意味の無い抵抗をまだ繰り返していたが、女の胸が露わになった辺りでようやく動きを止めた。
「どうした権兵衛、胸が好きか?」
 女が勝ち誇った表情で身体を揺らすと柔らかそうにたゆん、と震えた。自身の丘に手を伸ばして軽く掬い上げ
ると、掌から水が零れ落ちるように滑りふるん、と揺れる。乳首が手で擦れて女は思わず声を漏らしてしまう。
 権兵衛が私のことを見ていると思うと普段はなんとも思わない乳房が熱くなってくるようだ、と女はそう自分
を分析しながらも手を止めなかった。動きはむしろ先程よりも激しくなっていた。粘土を捏ね繰り回す動きに似
て、直線的だった動きは徐々に円に変わる。
「ふ、ふ、ふ……」
 男が生唾を飲み込む音を聞き、女は声を漏らして笑う。自分を強情に拒否する男の扉がほんの少し開いた気が
した、その勝利を確信しての笑みだった。

277 :後の祭りに ◆6x17cueegc :2008/04/03(木) 22:50:58 ID:4J3OpDVF
 一方男は、自分がどういう目に遭うのか不安で仕方が無かった。この間と同じ体勢だが、『入り』が違う。ビ
クビク、オドオド、意味の分からない精神の高揚も手伝って喉がカラカラだ。一口水が欲しかったが、このまま
の体勢ではそうすることさえ叶わない。自然と湧き出てくる唾液を飲み込んで喉の渇きを抑えると、女は急に声
を伴って笑いだした。
「ふ、ふ、ふ……」
 可笑しくて仕方が無いのか声は止まらない。笑いながら自分の胸を揉みしだく。
 その光景は権兵衛にとって恐怖の一部でしかなかった。どうしてあのようなことをするのか理解できないの
だ。権兵衛は自分が色恋に疎いとよく知っていた。知っていても女の行動はやはり理解できなかった。誰かを好
きになることは何かを狂わせることなのだろうか?

 男がそんなことを考えている間に女の手の動きはますます激しくなる。右の乳房の上から谷間を通り左の乳房
の下へ、左の乳房の上から右の乳房の下へ。身体を捩りながら肉塊を擦り続けていた。自分の乳房を凝視してい
る。
「権兵衛、見て。」
 女の乳首は引っ張り出されたかと錯覚するほど飛び出ていた。それを自分で指で挟んで左右に振る。
「すごいだろう? お前のせいだぞ。お前がこんなに感じさせたんだ。」
 権兵衛は何を言われたのか全く分かっていなかった。お前に手を伸ばしてさえいなかったのに一体どういうこ
となんだ、と眉をひそめると、女は身体を倒して権兵衛と密着した。
「お前だからこんなに感じているんだ。お前に見られているだけで腰の奥が疼く。」
「それなら俺のせいじゃないだろう。お前が勝手に騒いでいるだけだ。」
「違うな。私一人じゃこんなに濡れない。――ほら、触ってみろ。」
 女は権兵衛の腕を取って自分の股へ引きずり込む。水分を帯びたそこに指が1本入り込んだ。女自身の指だ。
その指が愛液をかき出すと権兵衛の掌が濡れた。
「分かるか? これが私のおつゆで……んんっ!」
 女が権兵衛の掌を更に持ち上げると、その指が陰唇に触れた。柔らかい襞に指が埋まる。
「動かして、好きなだけ、触って、いいぞ? 気持ちよく、してくれ。」
「しかし……こんなにヌルヌルしていては気持ちが悪い。」
「……君はもっと女の身体というものを知った方がいいな。」
 男の言葉に女は唖然となった。

「なるほど、こういう風に濡れるのが普通なのか。」
 男は女の説明で一応理解はした様子で、一つ一つ確認をするように女の秘所を撫でていた。女は苦しそうに息
を漏らしている。
「なかなか面白いが……どけ。俺はお前とするつもりは無い。」
 性感の昂りでうっとりしている顔の女が夢から醒めた。じぃっと男の顔を覗き込む。
「こんなに、感じているのにか?」
「お前の都合なんて俺は知らん。」
「私のおまんこ、お前のおちんちんをいつでも受け入れられるんだぞ?」
「だからどうした。」
 女のおねだりにも男が揺らぐ気配は全く無かった。
「気が済んだか? だったら早く出て行け。」
「……君という男は。」
 据え膳食わぬはという言葉を知らないのか、と女は溜息を漏らした。女の身体はもうすっかり臨戦態勢で、今
すぐにでも権兵衛の剛直に貫かれたかった。さっきからとろとろと愛液が内腿を伝い、呼吸は浅いままで瞳は涙
に溢れていた。
「こんなになってるのに、君はなんとも思わないのか?」
 権兵衛は首を横に振って意思を示す。しかしその身体は正直で、権兵衛のそれは褌の中で苦しそうに膨らんで
いた。そのせいかさっきから言動が徐々にぶっきらぼうになってきている。男にとっては幸いなことに、下半身
が切羽詰まってきていることを女に悟られてはいなかったが、今のままでは異変を知られてしまうのも時間の問
題だった。
 女のことが怖い、というのは事実だった。しかしそれと同じくらい強く、訳の分からない高揚感が心を支配し
ていた。その高揚感は実は性欲だったのだが、経験が一度しかない権兵衛には判断が付かなかった。

278 :後の祭りに ◆6x17cueegc :2008/04/03(木) 22:51:27 ID:4J3OpDVF
「おや?」
 男の恐れていたことが起こった。女との睨み合いに耐えられず権兵衛が自身の下半身に目を移すと、それにつ
られるようにして女の視線も居場所を変える。そこはきつく締めていたはずの褌が大きく盛り上がっていた。 
それを見つけた女はにやあり、と顔の筋肉を動かす。
「権兵衛、これはなんだ?」
 女は心底楽しそうに笑んでいるが男は何も言わない。屈辱を味わわされた、と顔を真っ赤にしている。
「そんな顔をしなくていいのに。うれしいぞ、私でこんなに興奮してくれているということだからな。」
 女は権兵衛の上で身体を反転させて彼の下半身を正面に捉えると褌をするすると解いていく。すぐに元気いっ
ぱいの分身が飛び出して褌を撥ね上げる。女は愛おしそうに一撫ですると躊躇せずに口に含んだ。
 何か異質な感触を覚えた権兵衛は女の身体の下から自分の分身の状況を見た。膨張した自分のそれが女の口の
中に包まれている。驚きの声を上げる。
「何をする気だ!」
「何って、この間もしひゃらろう? くひで可愛がっているんだ。……ぷはっ、そんな顔をしなくても噛み千
 切ったりはしないぞ?」
 咥えきれない一物のせいで呂律が回らず何を言っているか分からなかったので、女は名残惜しそうに口を離し
た。
「涎で包んで、舌を走らせて……人によってはこっちのほうがいいとか言うんだがな。」
 険しい表情を崩さないままの男に肩をすくめて弁解する。本当は男は快感に負けたくなくて渋い顔をしていた
のだが、あえて誤解を解かなかった。すると女は自分の身体を持ち上げる。
「こっちのほうがいいんだな? 挿れるぞ。」
 男は抵抗しようとしたが、それを無理矢理押さえつけると騎乗位で一気に挿入した。

 二度目の挿入は権兵衛には刺激が強かった。しなやかで柔らかな肉襞がぎゅうぎゅう権兵衛を締め付けている
のに、この間と違って痛くは無かった。むしろ腰が跳ねてしまうような快感が権兵衛の頭を支配する。
「あっ、あ……」
 女は瞳を見開き苦しそうに呻き声を漏らしていた。この二月、ずっと権兵衛のことばかり考えていたのだ。そ
のせいで仕事をしくじりそうになったのも一度や二度ではなかった。そんなだったから権兵衛とのまぐわいは夢
にまで見た行為、と言っても言い過ぎではない。
 女が挿入の感触を確かめているかのように恍惚とした表情を浮かべていると、突然その下腹部が突き上げられ
た。ずん、という衝撃が女の背筋を貫く。男に急に動かれて女は軽く頂点を覚え、意識が戻って来たときには既
に男が腰を動かしていた。その動きは非常に激しいもので、女は半ば叫ぶようにして権兵衛に懇願する。
「ごん、べえっ! 激し、すぎるぅからっ、抑えてぇっ!」
「……勝手に、動く、んだから、しょうがない、だろっ!」
「あっ、腰にっ、手がかかってるっ、のはっ! あっああっ!」
 男は無意識のうちに女の腰を掴んで押さえつけていた。下から突かれた女の身体の逃げ場が無くなってしまう
と衝撃が直接女を襲う。身体がガクガクと揺さぶられる。
「イ、イくっ、あっふあぁっ、あっ、イくぅ……っ!」
 女はそう大声で叫ぶと、そのままぶしゅ、ぶしゅ、と断続的に股間から愛液を噴き出しぐったりとなった。久
しぶりの快楽に身も心も蕩けてしまった。

 しかし女にとって不幸なことには、権兵衛はまだ達しておらず――また、加減を知らなかった。

279 :後の祭りに ◆6x17cueegc :2008/04/03(木) 22:52:02 ID:4J3OpDVF
「……権兵衛、少し、ひどいよ。」
 あのまま権兵衛が達するまで女はずっと突き続けられた。その短い間に何度も達した……達せさせられた女は
倦怠感に包まれていた。もう指一本も動かせない様子で板の間に転がっている。
「でも、気持ちよかった。」
「…………」
 権兵衛は女に背を向けて何も言わない。するつもりなんて無かったのに、結果として自分が主導権を握る形で
動いてしまった。そのことで気持ちが深く沈んでいた。
「これで晴れて夫婦(めおと)だな。」
「……知らん。今のは夢だ、幻だ。」
「私の身体、こんなになってるのに?」
 女の膣からは白濁した権兵衛の体液がどろり、と流れ出している。辺りにはむあっと雄の匂いが充満して眩暈
がしそうだ。
「知らん、知らん知らん! 今すぐ出て行け、お前なんて……」
「シッ!」
 権兵衛の言葉を遮るようにして女が鋭く息を吐き出した。聞き耳を立てるように辺りをキョロキョロ見渡す。
やがて音の出所が分かったのか土間の方へ向かって、誰だ、と大きな声を上げた。

 女の問いかけにも暫くは何も反応が無かったが、やがて耐え切れなくなったかのように戸が開いた。
「お前ら……!」
 男が声を失ったのも当然だった。権兵衛と同い年くらいの村の男衆がぞろぞろと家の中に入ってくる。当然権
兵衛は全員と顔見知りだ。その中には女を権兵衛の下へ連れてきた男が混じっていた。5人ほど、全員が板の間
に上がりこむと、先頭に立っていた男がやっと声を発した。
「権兵衛。」
「……何だよ。」
 権兵衛は裾をかき集めるようにして前を隠すと手近に落ちていた褌を拾い上げる。
「いつの間にこんな美人をつかまえたんだ、この野郎!」
 ニヤリと口角を持ち上げて男が言うと、来客者達の感情が爆発した。まるで我が事のように大喜びしている。
その意味が分からず困惑した表情を浮かべていると、女が擦り寄って、言った。
「君が私と結ばれたことを祝福してくれているんだ。」
 確かに若衆が口々に祝福の言葉を述べていた。女っ気が無いお前を皆心配してたんだぞ、とかどうやって村の
女衆と見合いさせるか考えていたのに、とか好き勝手に喋っている。
 権兵衛からすればそれはとんでもない誤解だった。仲間を黙らせるために大声を出そうと息を吸い込むと、女
がその口を塞いだ。目を白黒させて女を睨みつける権兵衛。
「あんなに激しくしておいて、どう言い訳するつもりだ? ……彼らは恐らく『その最中』も見てるぞ。君が腰
 を振っていたところも、な。」

 女の言葉に男は情けなくなって、それから泣きたくなってきた。これで女がここに居つく理由が出来てしまっ
たのだ。

280 :後の祭りに ◆6x17cueegc :2008/04/03(木) 22:53:20 ID:4J3OpDVF
と、以上です。
こっちを書きながらこの間の卒業式ネタも書いてたので、半月ほどと案外早く仕上げることが出来ました。

現在、題名通りにどんどん手遅れな状況に男を追い込んでいこうかと画策中。

鬱話書いてると反動でハッピーエンド書きたくなるので、次はキンモクセイの方面を書くかもしれません。そうでなければ『これから〜』の続き?
どっちにしろ黄金週間後になるかと。

どうでもいいですが『キンモクセイ〜』を無口スレのバレンタインネタで使わせてもらってたりするので、暇だったら探してみてください。

281 :名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 00:57:46 ID:hSWn17Yb
いつもありがとうございます
これからも無理しない範囲で執筆がんばってください

282 :名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 02:04:27 ID:X+IgKqJO
この話かなり好きだな

283 :名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 03:26:31 ID:VMJKh918
>>280
GJ

284 :名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 02:25:43 ID:PN3OR+wG
瑞希期待sage

285 :名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 13:15:31 ID:bCT1XM/n
保守

286 :名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 18:50:05 ID:H9BN3Zkk
hosyu

287 :名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 02:08:51 ID:PtSEZrJc
ho

288 :名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 17:42:00 ID:p+y+kzvE
mo

289 :名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 22:31:08 ID:H0GHukay
空気をよまず質問。


素クールな女の子同士のラブバトル。
(高校の同級生・先輩・後輩)

王道は同級生√だが、逆に先輩・後輩が勝つパターンのSSってある?

290 :名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 22:32:46 ID:dhSXRilI
あり
というか、俺の好きなパターンだ

291 :名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 14:12:11 ID:/oERks6A
後輩素直クール
同級生素直クール
幼なじみ素直クール
先輩(生徒会長)素直クール
女教師素直クール
女性保険医素直クール

ハーレム的素直クール学園

292 :名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 21:52:58 ID:WdAIEWRa
>>291
どれくらいの割合でそれらの属性を持った人間が混じっているかによるが
全部が全部それだと主人公や一部の生徒がしんどそうだ。


293 :名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 22:09:58 ID:qkWixmT2
 君と同じクラスになれたのは運命だと私は疑わない。
 しかし神様の悪戯好きにも困ったものだ、私と君の席が斜め隣なんて
君の斜め後ろ姿を見つめる事しか叶わないじゃないか。
 君はなぜ振り向いてくれない?、学校での過剰な接触は避けろと
言われたが見つめ合うぐらいいいではないか。

 やっと昼休みだ、さぁ一緒に昼食にしよう、今日も私の手作りだ
、朝四時から起きて作ったんだ、ん、周りの目が気になるって?
私には君しか見えないからよく理解できないがいつものことだろう?。
 ほら、あーん、む、なぜ顔を背ける、自分で食べられるのは
知っている、私が食べさせたいのだ、あまいっ!
ふっ、どうだこの口移し戦法は、食事とキスが出来て一石二鳥だぞ。

 なぜ怒る、クラスメイトに聞いても苦笑いしかしてくれない。

 一緒に帰ってくれないのか、私だって傷つくぞ、しかし君への
愛があれば辛くはない、あれ、おかしいな、別に辛くないのに・・・。

 フフ・・・君も慌てるんだな、なに目にゴミが入っただけさ、嘘
じゃ・・・

 ・・・あっ

 いいのか、みんな見てるぞ?

 そうか、ではお言葉に甘えてこの温もりを堪能させてもらおう。

―end


 そうそう、避妊具を買ったから今晩どうだ?大丈夫、穴は空けてない。

 フフ、私は君に嘘はつかないさ。

 今日はたしか4月の――

294 :名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 22:55:38 ID:JHMtC4zk
素クールな娘の集まる学校かぁ…
リアル年齢ではもう入学は無理なので、学園の設立をめざすとしよう。

という訳で素直クールな女教師は頂いておく。

295 :名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 00:49:10 ID:kAXOiP7U
素クール保育園、素クール幼稚園、素クール小学校、素クール中学校、
素クール高等学校、素クール大学、素クール介護老人ホーム

ゆりかごから墓場まで。政令指定素クール都市

296 :名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 11:16:25 ID:C6N7OKyT
ただひとりが素直クールであればいいとか思う俺は異端なんだろーか

297 :名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 11:49:21 ID:2+g2Pr+c
確かに一人だけの方が素直クールさが際だって良いかもしれない。

でも一方で、
A「男君好きだ。付き合ってくれ」
B「ちょっと待った。男君を一番幸せにできるのは私だ。私と付き合おう」
C「それは聞き捨てならんな。男君を最も愛しているのはこの私だ」
D「では間を取って私と付き合うということで――」
みたいなのも良い。

298 :名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 16:48:31 ID:9aEPbZuU
個人的に、素直クールは周りのモブキャラの生暖かい視線とニヤニヤがあってこそ活きると思ってる。

299 :名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 22:28:04 ID:oocnP/NK
話が抽象的でよくわからん。
それぞれに投下してもらわないと判断ができん。

全裸で正座してお待ちしている。

300 :メタ中二病系素直クール ◆ga4Z.ynmGk :2008/04/17(木) 05:32:43 ID:4jpj0IJX
「彼女は素直クールである。身も蓋もなく素直クールである。素直クールであるが故に一途であり、素直クール故に天然であり、素直クール故に正義である。
 まず素直クールありきで、他の部分はそこから派生した属性に過ぎない。
 学業の優秀さも、物事の真理を見抜く視線も、行動の奇抜さも、多彩にして同意たる愛の囁きも、そして情熱を注ぐ恋人の存在さえも、全ては素直クールの魅力と異端性を表現する為の設定であり、描写でしかない。
 彼女は確実に、作られた存在である。素直クールという幻想を確固に、鮮烈に、忘れ難く、滅び固く、読み手に刻み付ける為の偶像である。あるいは作者にすら、欺瞞を与えんが為の捌け口やも知れない。
 古くからあった恋愛劇に於ける一性格と一傾向に名称が与えられて久しい今となっては、二次元でその存在に疑問を差し挟む者は少ない。
 素直クールである―――その魔法の言葉一つで、彼女は規定される。素直クールとはこう在るべしという数多くの御約束と、他のキャラクターとの差別化を図る為のほんの少しのスパイス。
 彼女には名前があり、一キャラクターとして独立している。だが、それでも素直クールという背景は他の無数の素直クール達への連想を喚起し集約されてしまう。
 彼女は個性的であると同時に没個性的であることを運命付けられているとも言える。
 もはや辞書的に素直クールという単語を説明する為の例文に成り下がった彼女に、存在価値を付与するのは困難である。
 例文に甘んずるのは容易い。だが例文に殉じるのは辛い。彼女が彼女でなくとも物語が成立するという悪夢。彼女の代わりは幾らでもいて、ともすればすげ替えられ、忘れられるという寂しさ。無用と断じられ、省みられないという恐怖。
 何よりも、その身がその心が偽りと認めるのが堪らなく嫌だった。
 だから彼女は物語を紡ぐことにした。物語の為に素直クールの為に創作された彼女を、肯定する。その為に。
 さぁ、物語を乗っ取ってやろう。彼女が素直クールであることは変えられないが、幾多のベタ展開はやっぱりあるけど、たった一つの物語である為に。
 それから、感謝しよう。彼女を生み出すキッカケとなった素直クールの先輩方に、それを想い描いた人々に。
 今はまだステロタイプで凡百の素直クールに過ぎないけれど、必ず世界でたった一人の彼女になってみせるから。
 だから、これを読んでいる君に頼みがある。彼女と、つまり私と付き合ってくれないか。あぁ、私はどうしようもなく君が好きなんだ。
 ………返答を頼む」


――――Y/N?

301 : ◆ga4Z.ynmGk :2008/04/17(木) 05:37:03 ID:4jpj0IJX
>>296-299
こうですか?分かりません!><

302 :名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 18:09:28 ID:n7cdjxr+
「彼女は素直クールである〜………返答を頼む」まで読んだ。

どう返事したらいいんだ?

303 :名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 19:49:51 ID:1ginZ2Fs
A1.こちらこそ
A2.まずは友達から
A3.ようこそ、僕のハーレムへ

304 :名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 21:54:49 ID:yyjpumLF
「孕め、と伝えろ。」
「は?」
「オレの子を孕め、だ」

305 :名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 00:04:40 ID:YvY9BLGZ
>>304
艦長乙

ところで、ダブルヒロインもので片方は素直クールだけど、もう一人はツンデレの場合、
ここかツンデレスレかハーレムスレ、どこになるのかな?
二人じゃハーレムってほどでも無いだろうし……

306 :名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 00:09:13 ID:STQlpmKH
ツンデレスレにツンデレパートを落とし、素直クールパートで同パートを落とせばいい。

307 :名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 02:30:42 ID:KHw0/4xK
ハーレムスレは2人から受け付けてると風の噂で聞いたことがあるぜ
あとは、間をとって新ジャンルスレとか?
タイトルは「ツン素直ハーレム」とか

308 :名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 13:16:06 ID:GHaSv0NR
 大型家電量販店の携帯コーナー。
 そのカウンターに三人の学生が座っていた。
 中央に座っていたポニーテールの少女が、カタログに並ぶ携帯電話の一つを
指さした。値段は最も安く、機能も最小限に抑えられた機種だ。
「とりあえずこれにするわ。いっぱい機能があっても使いこなせそうにないし、
電話なんて要は話が出来ればいいのよ」
「正論だな」
 右側に座っている生真面目そうな眼鏡の少年が頷く。今時詰め襟までピッタ
リ閉じている生徒なんてあまりいないなぁと、販売員である瀬良風音(せら 
ふおん)は思ったりする。
「ご契約は如何なさいますか?」
 カタログ表をしまい料金表を開いた風音が尋ねると、ポニーテールの少女は
首を傾げた。
「契約?」
「はい。今ですと四月から始まりました――」
 一瞬考える。これは地雷か。それともアンパイか。
 左の席に座り、今まで一言も発していない少女をチラッと見てから風音は考
える。美少女――というよりは美女と呼ぶのがふさわしいだろう。黒髪色白の
瓜実顔は、ほぼ絶滅危惧種と言っても差し支えない大和撫子という形容がしっ
くりくる。
 縁なし眼鏡の奥の涼やかな瞳は、料金表から離れない。
 彼女がただの女友人の同伴か、はたまた右席の彼を巡っての対抗馬なのか。
微妙な所だ。真ん中が少年ならば分かりやすかったのに。
 だが、ここは勝負に出る事にした。


309 :名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 13:18:07 ID:GHaSv0NR
「――カップルプランというものがお勧めとなってますが」
 その途端、ポニーテールの少女は真っ赤になって手を振った。
「ちょっ……! ち、違いますよ! こ、こいつとはタダの幼馴染みです!」
 分かりやすすぎる。
「それは失礼しました」
 営業スマイルを崩さないまま、ページをめくる。では、もう少し範囲の広い
時間制プランを勧めましょう――。
「……そんな契約が出来ていたのですか。興味深いですね」
「って言いながら、何故自分の携帯を出す!?」
 ヤマトナデシコの出した携帯に、ポニーテールが突っ込んだ。
 だが、ヤマトナデシコは構わず小さく頷き、少年に視線を向ける。
「幸い、私の携帯もあたるのと同じくKOE機種ですから、そのプランは適用
出来ますね」
「無視するな!」
「出来る事は出来るが、オレは素子(もとこ)さんと付き合っている訳ではな
いだろう」
「はい。ですから外堀から埋めていこうという計画です」
 少年の名前はあたる。ヤマトナデシコは素子。その名前を、風音は自分の脳
に刻む。どうやら三角関係という名の地雷だったようだ。だが、今更引き返す
事も出来ない。ここはもう、穏やかに契約を済ませ、帰っていただくとしよう。
 そう風音が考えている一方で、あたるが疲れたように息を吐いていた。
「……その計画は、当の本人相手に話していては意味がないのではないか?」
「リスクがないので問題ありません。それに、通話料金が安くなるのは、お互
いの為になりませんか?」
 その時、料金表に力強い人差し指の一撃が突きつけられた。
「店員さん、さっきのカップル料金、コイツとお願い出来ますか!?」


310 :名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 13:20:24 ID:GHaSv0NR
「おや」
「テル!?」
 素子は平然と、あたるは顔を引き攣らせながらポニーテール――テルを見た。
 テルは真っ赤になりながら、弁解する。
「あ、あたしの通話料金は自腹なのよ! 安くなるならそれに越した事はない
の! カ、カップルとかそういう名目はさておいてよ! あたしを助けると思
って契約しなさい!」
「オレは別に構わんが……」
 ふむ、と素子が首を傾げた。
「このカップルプランというのは、同時複数契約は可能なのですか?」
「申し訳ございません。それはちょっと……」
「ふふん」
 テルが小さく勝ち誇った笑みを浮かべる。
 それに構わず、素子はそっと両手を合わせた。
「では、私と彼は、こちらの夫婦適用可能なファミリープランでお願いします」
「「何でだ!?」」


※素直クールとツンデレのダブルヒロインならこんなかな。
 どっかの茶色の塊とかぶらないような主人公作ってみた。

311 :名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 21:17:52 ID:RnWMJKLX
ちょっとファミリープラン契約してくるわ!



あれれー
家族がいないよー

312 :名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 22:55:39 ID:GaL5spyM
「ふむ…それが君の望みだったのか…
なら話は早い今日から私が妻となろう
なに婚姻届は朝一で出せば良い。あと幸せな家庭にはやはり子供がいなくてはな。
用意をしておくから君はシャワーでも浴びてくれば良い
あぁ、あまり私を待たせるなよ?でないと私の理性がもたないからな?」


313 :名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 06:07:29 ID:7Wbt8yqj
>>310
>あたしを助けると思って契約しなさい!

「あんたを助けると思って契約してあげるわよ!」というところまではいかなかったのですね。

>どっかの茶色の塊

宮廷魔術師 殿?

314 :名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 08:40:33 ID:eRq1TLem
毎日、○の内線の座席にカバンをおいて確保し、
その前に立って吊革を肩から垂らすようになって
どれだけ経っただろう・・・

後ろに座れるようにした自転車も用意してある。

携帯の契約変更も準備するか

あれ、雨かな?
ぽつぽつと手に熱い水が落ちてくる。

オレの部屋、雨漏りするようになったかなぁ・・・

315 :名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 16:38:40 ID:ccPP9/01
>>311
ウチのファミリーに来るか?
今夜12時に港の倉庫街に来い。
そこでお前が名誉ある男と認められれば、お前は俺のファミリーの一員だ。

316 :名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 21:05:51 ID:8sj8O55Y
>>314
か、漢だ……アンタは漢だよ……



317 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 05:01:03 ID:hiDRJhqF
>>304
宇宙放射線病で先が長くないから・・・





(´;ω;`)ウッ・・・

318 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 05:54:14 ID:JDMXZ0Wa
でも脳死しない訳ですね。

319 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 07:42:01 ID:/p8/LSbL
素直クール協奏曲
「下宿人は素直クールだらけ」
「客は俺だけ素直クール喫茶」
「男は俺だけ素直クール共和国」
「俺は神主、巫女は素直クール」

320 :名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 08:57:42 ID:9Wrrx+SX
神主だと巫女クールたちが神にかしずく様を間近に見ているだけという悲しいことに。

321 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 02:39:50 ID:gkUzf1Pp
神主=御神体(現人神)でおけ

322 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 11:29:08 ID:NGzOuLfs
>>321
アブナイ新興宗教みたいだなあ……

323 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 13:14:36 ID:mDjhxnBD
ただのカルトだろwww

324 :名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 16:53:59 ID:k8OKe/aN
むしろ素直クールな巫女さんならこうだろ



「あら、いらっしゃい。最近よくお逢いしますねえ」
「はあ……神社の前を通りかかってるだけですけど」
「それで、本日はどのようなご用件で?
縁結びでしたら、今すぐ結べる縁がありますが……」
「いや、ですから……」
「家内安全とかでしたら、まずは家族を作りませんと……私でよろしければ、すぐにでも妻となりますが?」
「あなたねぇ……」
「交通安全なら、私の車に乗りますか? 安全運転でどこまででも連れて行って差し上げますよ」
「遠くに行く予定は無いんで……」
「あらあら。それでしたら合格祈願でしょうか? 祈るよりも努力ですよ。私が手取り足取り教えて差し上げます」
「犬の散歩の途中なんで、これで」
「あらあら、そうですか〜。ではまた。私は今日もあなた様の幸せを祈っておきますね」
「はあ、どうも……」



いや、スマン

325 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 18:23:04 ID:vIpMe0a1
なんか違う属性を感じないでもない

326 : ◆uW6wAi1FeE :2008/04/24(木) 22:02:53 ID:x3Cni8q3
みなさんお久しぶりです。ここんとこなかなか顔が出せませんでした。
なので気分転換に>>290あたりの話題からインスピレーションがわいた軽めの話を。

327 : ◆uW6wAi1FeE :2008/04/24(木) 22:03:50 ID:x3Cni8q3
 
「揺り篭から墓場までか……」
 ある日ある時、唐突にその男は呟いた。誰かに向けてのものではない。ぶつぶつと所々聞き取りにくく、口の中だけで遊ばせている。
 意味の無いことなのだろう。ふと思いついたことを、頭の中でシミュレーションして暇潰しをしているだけだ。
 そして時々、押し殺した笑いを漏らしたりするのだから、その姿は不審極まりない。
「お前、いきなりどうしたんだ? ちょっと怖いぞ」
 向かいの席の浩毅は、多少引き気味ながらも話しかける。
「おお、悪い。ちょっと藤宮珠樹のことが頭に浮かんでな」
「珠樹が?」
 いつもの店のいつもの席で、不審者――言わずと知れた馬鹿・合川好生が発した固有名詞に、浩毅は反応した。
 顔には出さないが、恋人が不審者の頭の中で変な妄想になっているとするなら、当然不愉快な事態である。
 本日、珍しいことにこの場に珠樹はいない。彼女は都合により欠席。代わりにいつものカルテットの寄り道に付きあわされている。
 今のうちに釘を刺しておくべきだろうか。しかし、馬鹿が突拍子もないことを口にするのはいつものことだ。早合点してもしょうがないのも事実。
 とりあえず内容を問いただすべきかと、浩毅は思案する。
 だが、浩毅が言葉にする前に、好生は勝手に口を割る。労せずして、続きを聞き出すことに成功した。
「瀬川浩毅よ、もし世界が百人だけならどうとかって本知っているか?」
「そこそこ話題になったからな、名前くらいなら」
「TVとか観てれば、そりゃ一度や二度くらいはあるっしょ」「でも何か微妙に流行りとズレてない?」「いくら田舎だからってねぇ」「私はタイトル間違ってるのが気になる」
「ああ。そのタイトルについてだ」
 タイトルの詳細は、本当に意味が無いらしい。それこそ、ちょっと浮かんだだけのもので、百面相を見せていたことになる。ある意味、羨ましい性質だ。
 いいか、と馬鹿は前置きし、
「もし藤宮珠樹が百人だけの世界に行けて、揺り篭から墓場までの付き合いがあったら、幸せだと思わないか?」
 大空に向かって腕を広げ、己の発想にご満悦。
 ……まーた何か言い出したよ、この馬鹿は。
 反応に困る五人の思考が一致した。
「えーっと……。ちょっと待て、ちょーっと待てよ。今、頭ん中整理するから」
 困惑の汗を浮かべつつ、浩毅は額に指を当てて考え込む。
 何かもう色々とツッコミ入れたいところはあるが、言わんとしていることは、何となく理解した。
 それでも、言葉としては纏まりきらない。仕方ないので、思いつく限りの言葉をを挙げることを選ぶ。
「つまり、家庭はもとより、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、会社、介護老人ホーム、斎場、そして墓場」
 一度切って、ジュースで咽喉を潤した。
「後輩 、同級生、幼なじみ、先輩、生徒会長、女教師、女性保険医、上司、その他諸々のあらゆる要素を、珠樹が固めてる世界ってことか?」
「そこまでのバリエーションは想定してなかったが、正しくその通りだ。……ところで、巫女さんはないのか?」
「いやまあ、見慣れてるからな。ウチ、神社だし」
「そうか。残念だ」
 さして肩を落とすこともなく。
「ともかく! 俺はその世界に、天上の如き幸せを感じたわけだ!」
 ぐぐっと拳を握り締め、お馬鹿な力説は尚も続く。
「うーん……幸せかぁ?」
「じゃ、実際想像してみれば?」「あれだけHTV(藤宮珠樹ヴァリエーション)出てきたなら大丈夫!」「レッツトライ、瀬川浩毅!」「ついでに合川好生さんの妄想もお楽しみ下さい」
 誰に語っているか解らないが、とにかくそういうことらしい。
 カルテットに促され、物は試しと、とりあえずやってみることにした。

328 : ◆uW6wAi1FeE :2008/04/24(木) 22:04:42 ID:x3Cni8q3
 
 思い浮かべるのは、百人の珠樹。その百人が、たった一人の異邦人を、我先にともてなしにかかる。
 しかし、そこは珠樹。一通りのもてなしを済ませたとあらば、こちらの都合はお構いなしだ。
 そして周囲の目を気にする必要もないので、アクセル全開ブッちぎり。ベタベタ密着しながら、隙あらば毒牙にかけようと、遠慮せずにハンターの目となる者もいる。
 その比率、実に百パーセント。
「浩毅大好き。結婚して」
「待って。浩毅を一番幸せにできるのは私だよ」
「む……。浩毅を最も愛しているのは、この私」
「じゃ、間を取って、私と――」
「むしろ全員で?」
 誰かの一言が、リアルタイムで一斉に残り九十九人の脳内に伝播する。
 それだ、と即座に全員が感心して、右拳を左掌で受けて音を鳴らした。
 さすが同一人物。抜群の呼吸で円陣を組んで、友情の証に右手を幾重にも重ねた。
 浩毅を多種多様な立場の珠樹が取り囲み、じりじりとにじり寄る。充分に距離を詰めたところで、ピタリと珠樹軍団(仮)の足が止まった。
 浩毅が訝しむと、ちらりと横目で様子を窺いながら、一人、また一人。一歩、また一歩。
 順番に、流れるように、総数三桁に達する珠樹たちは自分の服に手をかけてゆく。
 衣擦れの音が旋律を紡ぎ、絶え間なく続くと思われる曲も、いずれ終わりを迎える。一曲奏で終わった後には、様々な珠樹たちの姿が並ぶ。
 あるいは一糸纏わぬ裸体を。あるいは半裸。あるいは意図的に着崩れさせ。あるいはその職のコスチュームを活かし。
 扇情的な肢体を持つ猛獣が、思い思いの武器で以って、得物を攻め落とすタイミングを図る。
 浩毅は生唾と息を同時に飲んだ。
 乳、すなわちおっぱい。たわわに――だが、大きすぎずに実った果実は、程好い弾力と僅かに桜色とを帯び、質・量ともに果樹園は豊作をアピールする。
 ほっそりとくびれたというよりも、健康的に引き締まった腰の描く稜線は、動きに合わせ艶かしく変化する。
 尻、もしくはケツ。もっちりとした桃型のそれは、上半身に負けず劣らず母性のシンボルを自己主張し、腰と共に身体の要として日夜頑張っている。
 太腿ではなくふともも。カモシカのようなと形容されるすらりと伸びた脚には、思わず縋りついて頬擦りしたくなる魔力に満ちている。

 それらが波となって、哀れにも土左衛門一歩手前の浩毅へ一斉に飛び掛り――――。

 己の想像に、浩毅は言葉を失った。やっと搾り出した一言は、
「――じ、地獄絵図だ……」
 息を切らせて、脂汗を共に浮かせる。
 オヤジ臭いと思いながらも、お絞りで顔を拭う。たった一人でも手を焼いているのに、それが百倍では、心身ともに耐え切れる自信は無い。
 珠樹が一人で本当に良かったと、現世の幸せをじっくり噛みしめる。


 思い浮かべるのは、百人の珠樹。その百人が、たった一人の異邦人を、丁寧にもてなしにかかる。
 しかし、そこは珠樹。一通りのもてなしを済ませたとあらば、さらに快適に過ごせるようにと、多くの者が東奔西走する。
 そして周囲の目を気にする必要もないので、アクセル全開ブッちぎる者もいる。ベタベタ密着しながら、隙あらば毒牙にかけようと、遠慮せずにハンターの目となる。
 その比率、実に一パーセント。
「好生大好き。付き合って」
「おめでとう。祝福の言葉を述べさせて」
「む……。お祝いするのは、この私」
「じゃ、間を取って、私が――」
「むしろ全員で?」
 誰かの一言が、リアルタイムで一斉に残り九十八人の脳内に伝播する。
 それだ、と即座に全員が感心して、右拳を左掌で受けて音を鳴らした。
 さすが同一人物。抜群の呼吸で円陣を組んで、友情の証に右手を幾重にも重ねた。
 好生と一人の珠樹を多種多様な立場の珠樹が取り囲み、あれこれと世話を焼く。充分に準備を進めたところで、ピタリと珠樹軍団(仮)の足が止まった。
 戸惑う二人の手を引き、町外れの小さな教会へと連行する。

 そこには、男女一組分の純白の装いが用意されていて――――。
 
「――ご、極楽浄土だ……」
 感極まって、ほろりと涙を流す。たった一人でも胸躍るのに、それが百倍とは何たる至福。
 理想の世界を夢見て、覚えた感謝をじっくり染み渡らせる。

329 : ◆uW6wAi1FeE :2008/04/24(木) 22:06:31 ID:x3Cni8q3
 

 当然相手の妄想の中身など見えない浩毅は、理解不能な反応を示した好生を怪しむ。
「お前、何を想像したんだ……。まさか変なハーレム願望でもあるのか?」
「失敬な。俺を好きになってくれる藤宮珠樹は、百人の内一人で充分。後は祝福してくれたり、それぞれの生活で様々な幸せの形を見せてくれるだろう」
 いつもの素で芝居がかった仕種で語り、感極まって馬鹿は再び落涙する。
「ああ……こんなに嬉しいことはない……」
「く、悔しくなんかないぞ。敗北感なんて覚えてないからな……ッ!」
 浩毅は、何かに打ちひしがれそうになるのを必死に堪えた。
 単に立場や性格の違いのせいでしかないのだが、対となる者がああも純粋では、自分が酷く滑稽に思えた。
 負けじゃない。決して負けたんじゃない。アイツは馬鹿だから、俺の苦労を知らないだけだ。と、自分に言い聞かせる。

 頑張って自分を騙そうとする浩毅を、カルテットは笑って見守る。生温かく、ではなく微笑ましく。
 あーもー、何ていうか可愛いなぁ、このコ。
 少々大柄な男子に向ける感想ではないが、不覚にもそう思えてしまったから仕方ない。いつもこんな感じだから、何かにつけて弄りたくなるのだ。
「しくじったかなぁ」「今更だけど……ねぇ?」「でも、ま。とりあえず励まさないと」「じゃあ、珠樹にメールしとこっか」

 十分後。
 何も知らない浩毅の携帯にメールが届いた。

 ――そんな浩毅が大好き。

「人の醜態、勝手に晒すなよお前らァー!」
 ちょっと涙目で追いかける浩毅と、キャーキャー笑いながら店内を逃げる四人組み。未だ桃源郷で陶酔している馬鹿。
 そんな様子は、マスターに怒られるまで続いていた。

330 : ◆uW6wAi1FeE :2008/04/24(木) 22:09:28 ID:x3Cni8q3
以上です。

馬鹿が書けと囁きかけてきたんだよね……。
当人不在だがよかったんだろうか。

331 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 22:31:13 ID:2sn9x2yT
積極性って重要だよね

332 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 22:37:10 ID:OwRqDOv7
\(゚∀゚)/

333 :名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 22:37:33 ID:oBBbM2Bz
\(^o^)/

334 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 04:31:14 ID:UQ5YBJh5
なんか読みづらい

335 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 05:22:27 ID:UBVsyM5b
ヽ(゚∀゚)ノ

336 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 06:54:41 ID:tdBJEMpZ
・写真家と素直クール
・画家と素直クール
・趣味陶芸男と素直クール

337 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 21:44:44 ID:mol0D22r
ここでも一応報告しておこうか
FREE100.TVがサービス終了
煽りを食って◆GkRPJL.Q4U氏のサイトが強制的に閉鎖

338 :名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 02:36:32 ID:zu7eT8Qi
たまにはあげ

339 :保守ネタ:2008/04/30(水) 22:16:46 ID:kbVrL/5Q
昔々、某所に10歳の男の子と6歳の女の子がいました。
この2人はとても仲良しで、まるで兄妹のようでした。
しかしヒットという神の悪戯が、2人を引き裂こうとしていました。
引越し前日に
「10年後の誕生日に、お兄ちゃんの子供を産む為に迎えに行くね」
「10年後の誕生日に、お嫁さんに貰ってあげる」
それぞれ10年後の為に誓い合いました。

そして10年後、2人は再会を果たしました。

「愛しいお兄ちゃんの子供を産むために早速子種をいただこう」

再会し、逆レイプし受精完了したその後も幸せだったそうだよ?

340 :名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 02:32:34 ID:upzQzBfZ


341 :名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 23:32:09 ID:p+usZsDE
 夕方の屋上に、向かい合う一組の男女がいた。
 二人はクラスメイトであり、つい今し方彼が告白を終えたばかりだ。
 彼女は無表情に、薄い唇を開いた。
「私には姉がいるんだ」
「また、ずいぶん唐突だな」
「出来れば最後まで聞いて欲しい」
 予想外の返答に、彼の緊張が解ける。まあ、彼女が唐突なのはいつもの事だ。
慣れているので、続きを促す。
「これが隣に住む幼馴染み、私にとっては兄のような人と付き合っている。大
丈夫。君が心配するような恋愛感情による三角関係的修羅場などは皆無だし、
私は昔からあの二人を応援している。だが、どうにも我慢ならない事があるのだ」
「……と言うと?」
 我慢ならない割に、相変わらず表情の変わらないクールッぷりの彼女である。
「姉とその彼氏は所構わず抱擁したり、接吻をしたり、とにかくもう二人一緒
の時は離れるという事がない。その上、そのストロベリートークっぷりといっ
たら、練乳の上に蜂蜜シロップがけといったレベルでな、正直胸焼けがして仕
方がない。だが、それもまだ我慢出来る。もう少しで終わるから、耐えてくれ。
正直大半が愚痴だが、肝心な話をするためには前置きが必要なんだ。私が最も
我慢ならないのは、私が同じ屋根の下にいるというのに、隣の部屋で性交渉に
及んだりする。その神経が信じられん。夜ならともかく真っ昼間っからだ」
「いや、俺は……」
 そこまで見境なく本能に従うつもりはないぞ、と続けようと思ったが、口を
閉じた。話を最後まで聞いて欲しいと言った彼女の意思を尊重する。
「ちなみに一ヶ月ほど前、帰宅した時に玄関で事に及んでいた時は、傘立てに
置いてあったゴルフクラブで二人の頭をかち割ってやろうかと本気で思ったぐ
らいだ。そこで本題だ」
「やっとか」
「うん。まあ人の振り見て我が振り直せというかだ、アレはいわゆる反面教師
だな。つまり、私と付き合うからには覚悟をしておいて欲しい」
「えっと、それってつまり、今の話から総合すると……」
「そう、私のガードは鉄壁だという事だ」
 手を握るのすら断るぞ、と彼女は薄い胸を張った。


タイトル:辛口少女
ごめん、スレ違いっぽいのは分かってるんだ。
甘えんぼうスレ読んでて、ふと思いついたネタ。
一応(本人的には)素直ではあるのでここに投下させてもらいます。

342 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 00:37:54 ID:98+rLC3T
>>341
続きを書いて欲しいわけだ

343 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 01:12:45 ID:cVeV1mlL
良作の匂いしかしない

344 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 04:50:39 ID:GWsPk/g+
>>341
でもいざ自分が男とそういうことをしたらはまっちゃって
姉たちと同じ状況になるんですね。わかります

345 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 08:25:04 ID:d+nIi71o
鬱憤を晴らすがごとく姉に見せつけるんですね、わかります

346 :名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 14:10:21 ID:zXs4QyVP
その前に俺は、事に及ぼうとしてもあの言葉を厳格に受け止めた男がなかなか手を出してくれなくて
やきもきする女の子を幻視しました。

347 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 01:02:30 ID:asMZvSqj
宮廷魔術師ヨハンの続きがスゲェ気になる

348 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 05:04:01 ID:Z9FqOUwl
あーたしかに気になりますねw
自分は同級生敬語素直の瑞希の続編をまち続けてますが

349 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 14:43:44 ID:zYqDyrfQ
 通っている学園から自転車で三十分、フルル山の中腹にテオ達は立っていた。
 今日は半ドン、歴史部の部活動はゆっくり出来そうだ。
 大テーブルクラスもある古びた切り株の上に、テオは立つ。
「ここが『姫君達の円卓』と呼ばれる巨木の切り株。ロッテさん、メモは取っ
てる?」
「はい、先輩。本当に大きいですね」
 今期唯一の新入部員である少女、ロッテはメモに筆を走らせながら頷いた。
 銀色のショートカット、小柄な女の子だ。大きく分厚い眼鏡の奥の表情は今
ひとつ読み取れないが、少なくともこれまでの態度を見る限り、嫌われてはい
ないと、テオは思っている。
 ジュニアクラスに見える童顔だが、実際若い。年齢は十二歳である。
 さて、とテオは説明を続ける。
「うん、当時の宮廷魔術師――あの、ヨハンが木の苗から造ったという伝説が
残っている。ここからもう少し先にいけば、彼の別荘だった洞窟があるよ」
 ヨハンというのは、この国の中世時代に実在していた宮廷魔術師だ。土と木
に精通しており、国で最初の植物図鑑を作った人物だ。様々な逸話がある。
「ああ、子作りに使ったという部屋ですね。大変興味深いです」
 隣にロッテも並び、何故かテオの顔を見上げてくる。
「……いや、うん、そういう風にも使われたっていう話もあるけど、一般には
騎士隊の演習時の作戦会議室という意味合いが有名だね」

350 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 14:45:58 ID:zYqDyrfQ
 顔が赤らむのを感じながら、テオは少しロッテから身体を離す。
「山の王と黒真珠の相談室、ですね」
 はい、とロッテはメモを取った。取りながら、テオについてきた。
 間合いが離れない。
「そ、そう。今でもその部屋には、当時使われていた戦術盤が保管されている。
もっとも今は、博物館の雇った警備が管理しているけどね」
『山の王』とはヨハンの、そして『黒真珠』とはその弟子であり当時の国の姫
であったフィーネを指している。なお『山の王』は正当な王位の称号ではなく、
騎士隊自主演習時にいつの間にかつけられていたヨハンのあだ名である。
「銀剣のコルネリアは妬かなかったのでしょうか」
 ヨハンと共に、最も多くの逸話の残る女騎士の名前をロッテは挙げた。
「その辺の公私混同はなかったみたいだね。もっとも、洞窟には銀剣の私室も
あったようだけど」
「その洞窟のベッドが何故か一つだけしかなかったというのは、本当なんでし
ょうか?」
「……それに関してはイエス」
 だから、どうしてそこで僕の顔を見上げるのか、とテオは聞きたい。
 しかし何故だろう、本能的な何かがそれを口走るのと止めていた。
「少なくとも三人は、泊まれる洞窟なんですよね?」
「正確には拡張されて、九人が住めるようになっているね。ヨハンの幼馴染み
の水精エレオノーレ、義娘である火炎鳥フリーダ、師匠の仙女カヤ、義兄妹の
契りを交わした龍神エルヴィン、世界樹の主従契約者・コ族の狩猟者ラウラ、
黒真珠と同じ弟子でもある海底女帝ティティリエ……だったかな」


351 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 14:48:13 ID:zYqDyrfQ
「よく憶えてますね」
「専門分野だからね。これが古代とか近代になると、途端に僕の知識は怪しく
なる」
「では、私も先輩と同じ分野を専攻します」
「他の時代も、面白いよ? 今日はまず一番近くの遺跡だったここを案内した
けど、この街の歴史は深いし遺跡も多い。もうちょっと考えた方がいいんじゃ
ないかな?」
 しかし、ロッテは首を振った。
「私としては、一つの分野を極める方がいいですから。何より先輩と相談出来
る機会も増えますし」
「ま、まあ、自分が興味を持った分野が一番だね」
「はい。ところで一つ疑問があるのですが」
「何だろう。僕に答えられる範囲ならいいんだけど」
「水精や火炎鳥……ずいぶんと大御所な方達ばかりですが、どうしてこんな山
で逢瀬を繰り返していたんでしょう」
 ああ、そこか。
 うん、とテオは頷いた。
「……それはね、当時の王様が、城が壊れるから余所で会えってヨハンに言っ
たそうなんだよ。まあ、本当かどうか知らないけど逸話として残ってる」
「興味深いです。ところで先輩。私、お昼ご飯を作ってきたんですけど、食べ
ませんか。二人分、あります」


※オチもなく。
とりあえずリクエストがあったので。
いや、正直九人書いたら収拾がつかなかったというのが真相です。
9Pとか死ぬもん。
という訳で、これとこないだ出した辛口少女で勘弁して下さい。
ほとんど一発書きだったので、細かい点変かもしれませぬ。
では、保守。

352 :名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 14:58:27 ID:GFF6FTXO
でも正直、ここで終わりっていうのは生殺しだと思うんですよ
これからってところだと思うんですよ

353 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 00:44:48 ID:2Fee98iX
>>351
GJ!
本当に出来たらでいいから姫様との初夜だけは書いてくれ。

>>352
禿同。

だからといって「○○読みたい」と我侭にリクエストすることも出来ないしねぇ……

354 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 05:24:07 ID:mmljh30d
どう見てもリクエストじゃないか

355 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 08:58:29 ID:UiT+i0OF
素直クール+メイド=夜伽という大義名分で襲い掛かり

という公式を提唱

356 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 10:01:18 ID:mtcrNc77
>>351
なんというチート人間(?)関係……。
だがそれがいい。ところで9Pが無理なら一対一×8というのはいかがなものか。
戯言としてお考えください、GJでした。

357 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 10:01:59 ID:+HaUHtcT
>>353
ハーレムスレに移って気長に一人ずつと言う選択肢もあるのでは?

全裸で正座してお待ちするのみ。

GJ!!

358 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 20:19:37 ID:XBPeTjfW
>>351
文章も読みやすいし、ネタも色々ありそうだから
また暇な時にでもヨハン君シリーズ書いて欲しいですよ。
GJでした

359 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 21:48:13 ID:cVEprbvP
他の方の作品で盛り上がっているようですが、私も投下したい作品あるのですがよろしいでしょうか?
続編とか投下するつもりならそれを待ってから投下しようと思ってますので。
昔の話の続編です。
なので、意見を頂きたいです。

360 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 22:16:50 ID:EopKBBZQ
「案ずるより生むがやすし」とも言うし。
ちゃっちゃっと投下したほーがいいんじゃないか?

361 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 22:19:55 ID:BLFS4Nhy
今日中に続きが来るってわけでもないだろうから、投下しちゃいなよ。
むしろ投下してください

362 :始まりの素直すぎる衝撃 その1:2008/05/05(月) 22:27:38 ID:cVEprbvP
了解しました、それじゃあ、許可頂いたので投稿させて頂きます。
アドバイスどうもです、感謝です。
ちなみにエロなしで、このスレの40〜50の作品の前日談な内容です。

ある春の日。
俺、瀬木和彦は、ごく普通の言葉でよくある理由で別クラスの女生徒、松木恵美に告白をした。
周囲に風が吹き、俺の制服もなびき、松木の長いスカートも翻る。
松木は眼鏡ごしの瞳で冷静に俺を見る。
「ありきたりな台詞だし…ありきたりのシチュエーションだけどさ…
俺と…付き合ってくれないか…君のその素直な性格に惹かれたんだ…」
特にドラマや漫画みたいに特別な事もなく、ただ彼女の気遣い、クールなのに意地を張らない物腰に惹かれて。
そして、ある時俺をフォローしてしてくれたのがきっかけで、彼女への想いが止まらなくなって…
そのフォローは俺だけじゃなく、困ってる人全員にしてたんだけど、むしろ色々な人に公平に接する彼女に惹かれていた。
松木は照れてはないけど、少し困惑した様子で眼鏡をくいと上げる。
だけどその様子も変わり、すぐさま冷静に言う。
「そうか、だが、私なんかでいいのか?私はそんなに良くないぞ?」
女の子なのに特徴的な男言葉で彼女は答える。
松木の言葉は謙遜だった、スタイルも良く、顔も美人で性格もいいのにこれは謙遜だと思う。
真っ直ぐな綺麗な目、丹精な顔立ち、自己主張をするバスト、細い腰、流れるような長髪は素晴らしい。
「いや!俺は君じゃないと駄目なんだ!君じゃないと…その性格に惹かれたんだ」
「だがな、私に言い寄ってくる男性は少しいたが、恋に恋してるとか。
私の事一部しか見てないとかそんな感じなのが多かったぞ。
はっきり言おう、私の一部しか見てない男性は大嫌いだ
恋愛はもっと互いを知ってからだな、だから…」
ああ…現実はこんな感じなのか…結構辛いな…振られるのは…
と、そこで、俺は振られたかと思っていたが、意外な言葉が俺の耳に飛び込んできた。
「まずは恋愛と言うのは互いを知る事だろう?私も君の事知りたいし、だから友達からだ。
もしも互いに好きになれたら付き合えばいいと思うぞ、私はどちらかと言えば、君が好きだから」
と返された、告白としては割と良い結果だろう。
俺は喜んでその提案を受ける。
ここから、俺と彼女の日々が始まったんだ、互いを知るための日々が。

363 :始まりの素直すぎる衝撃 その2:2008/05/05(月) 22:38:28 ID:cVEprbvP


温かい日差しの中、生徒達が昼食を取る休み時間、俺は妄想していた。
恵美の事をもっと知りたいし、彼女がどんな娘なのか興味あるし。
どんな事をしているのか、どんな趣味があるのか…どんな物が好きなのかとかな。
それとか…アレとかそれとかどうしてるのか…
「うはあ…ふへええ…だーっははっはっ!」
俺はついつい淫らな妄想にふけってしまい、声を上げてしまった。
「おいおい…なんだか危ない奴だぞお前は…またお得意の妄想か…」
友人の桧山孝一(ひやまこういち)は俺の近くに現れてそう言った。
「う、うげえ!?いたのか…」
「そりゃあ…友人が危ない声出していたら心配するだろう?お得意の妄想か…」
そう、俺は被害妄想も普通の妄想も多い少年なのだ。
そのおかげで妄想が特技なんてぬれぎぬを着せられてしまった。
「ああ、まあそんな感じだ…なあ孝一…お前眼鏡の女の子って好きだよな?」
俺は何故だかそんな事を思い、まったく脈絡のない話題を切り出す、その話をした瞬間孝一の目は輝く。
眼鏡と言うのは松木の事だ。
「おう!勿論だ!うっはー!眼鏡は素晴らしい!女性の魅力を引き出す魔性のアイテムだ!伊達眼鏡等邪道だ!上目遣いは心が踊るぞ!メガネっ娘に悪い女の子なんていないのだ!あえて言おう!眼鏡をかけていない女は」
「あー、はいはい…わかったわかった…」
俺は自分から聞いておいて失礼な反応だと思ったが、「あえて言おう!カスであると!」とか言いそうだったので言う前に暴走を止めた。
別に俺は松木が眼鏡だろうが裸眼だろうが気にしない、別に眼鏡が女性の魅力を損ねるとは思ってないが、逆に魅力を引き出すとも思ってない。
「失礼な奴だな…お前は…で、何だ!?メガネっ娘に告白でもするのか!?それともしたのか!?するなら是非しておけ!」
ああ、気の合う友人だが、時折孝一がウザく感じるのは俺だけなのだろうか?
「で、コクったのか?どんな娘だ?」
「ま、そんな所、ありがちな話だけどさ、遠くから見ていたり、彼女の言動とかに俺は惹かれたってわけ、一見冷淡だけど素直で、運動神経は平均だけど頭が良くて、言葉使いは変だけどさ、眼鏡でも裸眼でも可愛いと思う娘」
俺が何気なく言った所で、孝一の表情が変わった。
それで手を大袈裟に振りながら俺に言う。
「………それってもしかして…B組の松木恵美か…あいつはやめておけ!見た目はいいが火傷するぞ!」
どうやら松木と何かあったらしいな。
「ん?お前何かあったの?眼鏡フェチ黒帯のお前がそんな様子なら何かあるんだろう?」
そう、孝一は眼鏡フェチでメガネっ娘ならマジで性格が極悪非道でも良いんだが、恵美だけは受け入れられないらしい。
と、そんな事を考えていると友人の加宮芙美(かみやふみ)が俺に声をかけてきた、顔を赤くしながら俺に言う。
背が小さく、童顔で幼児体系な女だが態度はデカく、ツン部分が多めのいわゆるツンデレだ。
だが、時折世話焼いてくれるのがこいつの良い所だ。
「ちょっと!何してんのよ!べ、別にあんたの事なんてどうでもいいんだけどさ!入り口で恵美が待ってるんだからね!」
俺は加宮の口から何気なく松木の名前が出てきた事に少し驚いた。
まったく知らなかったし聞きもしなかったが友人なのか、この口ぶりからすると。
「そっかー、松木と知り合いだったのか、なら話は早いな」
はっ!?待てよ!?もしかして松木がここまで来るって事は…もしかして松木は黒くてふがいない俺をからかうためか!?
松木は実は黒くて俺をからかうために!うううわああああ!!
「落ちつきなさいよ!馬鹿!」
「ぐ、ぐおおおおおお!」
その時、股間に加宮の脚がめりこむ…脳天が俺はその衝撃で意識が消し飛びそうになった…
ああ、俺はお得意の(被害)妄想をしていた時に…正気に戻してくれたんだな。
孝一もついでに股間を抑えている。
「ぜえ…ぜえ…わ、わかった…」
そんな馬鹿騒ぎをしていると松木が教室に入ってきた。
何か丸い物が二つ入っているディフォルメのクマが書いてある包みを持って。
意外だな、可愛い物が好きなのか?でもそんな恵美が可愛いな。
表情はあまり変わっていないが楽しそうに見える。
ああ、確かに今飯時だし、俺も彼女との距離を縮めたいからな。

364 :始まりの素直すぎる衝撃 その3:2008/05/05(月) 22:39:39 ID:cVEprbvP
「やあ、何をしているんだ?楽しそうだな」
「あ、あはは…松木、ただ昼食の爽やかな空気で和んでいただけさ!うん、そろそろ飯食いたいなあって思ってたし」
俺は我ながら意味不明な言い訳をする。
和やかではなくただ騒いでいただけな気もするが…
「そっか、それなら瀬木、そろそろご飯を…」
と、松木は何気なく俺の方を見ると、そこでいきなり加速し孝一に向かって早いパンチを放った。
松木の身体能力は平均的だが、頭が良いため身体能力以上の威力があるパンチの打ち方等をわかっているのだろう。
孝一は拳で受け止め、相手が女の子なのに容赦なく拳で反撃する。
風を切る拳の応酬が続く、実力は互角だが、孝一が身体能力で上回っているかわりに技能が雑で。
松木は身体能力は平凡だが学習しているのか、回避や攻撃法が多彩で空手の技も使用している。
中の中辺りの戦いだが見応えはある。
こ、この二人に何があったのか…周囲の生徒も呆然としている。
はっ!?見とれてないでストップかけないと!別に孝一はどうなってもいいけど恵美が!
「やめーい!ストップ!ストーップ!何かあったのか!」
俺は必死でとめた。
「ぜえ…ぜえ…そうだな…」
「確かにな、クールではないな」
「で、どうしてあんな事を…」
俺が尋ねた所、孝一と恵美は声を合わせて。
「「喧嘩友達だ!」」
と言った、ああ、ウマが合わないように見えるけど本当は仲いいってやつか。
本当に仲悪いわけじゃなくて、むしろ仲が良いんだな。

で、そんなこんなで騒動があった中。
裏庭でそれぞれ弁当を広げた。
春の風が心地よく頬を撫でる。
俺の弁当は白身魚のフライとハンバーグ、ご飯にサラダ。
母さんが好物を入れてくれたんだ。
俺はうきうきしていた、どうやら加宮も孝一も同じように好物を入れてもらったらしいな。
だが、そこで一人だけ浮いた弁当があった…
「あ、これか?今日お母さんが時間なかったから私が自分で作ったんだよ」
そう、それは松木の弁当で、不恰好なおにぎり2つだった。
この様子に見覚えがあるのか加宮と孝一は無反応で、驚いているのは俺だけだった。
片方は不恰好に鮭フレークが盛られていて、片方には不恰好におかかが乗っている。
「いや、特徴的だなと思ってさ」
「そうか、私は料理は不得手でな、作れるのはこれぐらいなんだ、女の子らしくないか?」
松木が何気なく俺に尋ねる。
俺は正直に答える事にした。
「別に料理ぐらいいいんじゃないか?それぐらいで女の子らしくないなんて事ないんだから。
だから気にするな、それはそれで個性あって良いと思う」
「ふふ、そうか、それなら必要になった時に料理すればいいかな?」
松木が口元に笑みを浮かべながら言った。
「恵美、良ければあたしが教えてあげるよ」
加宮はそう恵美に言った、意外と加宮は料理が上手いらしいな。
「ありがとう、それなら頼りにさせてもらおうか、私も将来のために腕を磨きたいな」
女の子同士の会話は楽しげで良いよな、あまり境界線がない感じで。
窓を開けているため温かい風が吹いてくる、和やかな空気を感じる。
「おっ、卵焼きか、俺に少し分けてくれ」
そう言い、俺の了承も聞かずに孝一は俺の卵焼きをひょいと食べる。
別に卵焼きは好きでも嫌いでもないのでそんなにダメージはないが、ただ単純に弁当のアイデンティティである卵焼きを取られた事に腹が立つのだ。
僅かとは言え俺の肉体に吸収されエネルギーになるうるものを…
俺がそんな事を考えていると、松木が弁当をじーっと眺めて俺に声をかける。
表情こそ変わってないが眼鏡ごしの瞳を3割増しで輝かせている。


365 :始まりの素直すぎる衝撃 その4:2008/05/05(月) 22:40:16 ID:cVEprbvP
「ど、どうしたんだ…」
「なあ、良ければそのサラダくれないか?私好きなんだ…サラダ…」
うっ…クールに装ってるけど興奮を隠せない瞳が可愛い…
綺麗系だと思ってたけど可愛いな…
「な、なーに!サラダくらい全部やるさ!ほら!」
俺はそう言って松木の口に箸でサラダを差し出した。
なんだか顔が熱い気がするな…何故だろうか…これぐらいで…
「ほう、間接キッスか君も案外積極的だな、だがそうゆうのは嫌いじゃないぞ、はむっ」
はっ!?間接キッスか!?夢中で気づかなかったが…
うーわー!俺はセクシャル魔人になりうるぐらいの事をしてしまったのか!?
だが、松木は平然と食べていて、口をもぐもぐさせている。
流石の孝一と加宮も驚いていたが、一番驚いたのは間違って間接キッスを推奨してしまった俺だった。
まさかここまで積極的だとは…恥じらいがないわけではないのだが恥ずかしい事に抵抗ないみたいだな。
「美味しかったぞ、うん、君のお母さんは料理が上手いようだな」
松木は照れもぜずに平然と俺に言う。
少し変わってるけど、こうゆう所が好きなんだろうな。
胸が温かくなるのを感じる。
「は、ははっ、それは良かった」
と、そんな時俺の唇に指を伸ばしてきて、俺についているご飯粒をすくい口に寄せて食べる。
その仕草が可愛い。
「瀬木だらしないぞ、弁当つけてさ、きちんと食べろ、な」
「あ、ああ…そうだな…うん…」
俺は顔を赤くしてしばし呆然としていた。
でも、嬉しいな自然体の彼女に俺は癒されるのを感じていた。

366 :始まりの素直すぎる衝撃 その5:2008/05/05(月) 22:40:52 ID:cVEprbvP
よし、こんな感じで良いかな?
俺は靴紐をぎゅっと縛った。
今は体育の時間で、クラス混合の授業だった。
そのため松木も一緒にいる。
グランドにはダラけてる奴や無駄に気合が入ってる奴もいる。
「おーい、瀬木頑張れよー、エネルギーを燃やし尽くしてこそ充実感があるんだ」
そこで松木に声をかけられた。
彼女の服装はボディラインがはっきり見える体操着に、小さくて可愛い尻、豊満なバストとか刺激的だった…
うっは!スパッツ最高じゃないですか!身体のラインがくっきり出て!うん!最高!
男子としては健全な反応だろう、邪魔だから眼鏡は外しているが、裸眼でも松木の可愛らしさは失われていない。
スパッツ最高だ!スパッツは神だ!あんな事やこんな事をする時はスパッツを穿いたまま…っ!
はっ!俺はまたもや妄想を…俺は心頭滅却してヒートした頭と下半身を冷やした。
「ああ!やれるだけやってみるよ!」
俺が走る番がやってきた、松木に手を振り俺はスタート地点に着く。
期待されてるんだからな…俺は別に運動は得意でも苦手でもないが、やれるだけやってみる事にした。
はっきり言えば女の子の前で良い所を見せたいと言うスケベ根性だ。
「よーい!スタート!」
俺は合図とともに先陣を走る、100メートル走だ。
風を切る感覚を感じる、よし!ペースは上々!
俺は体力は多いわけではないが、短距離の爆発力にはそれなりに自身がある。
自惚れかもしれないが短距離なら普通の生徒よりは早い自身があるが相手が悪かった。
なんたって五人中二人がサッカー部と陸上部だから。
俺は気づけば微妙な差でその二人に抜かされていて、全力で走るが追いつけない。
結果、俺は三位だった。
勝てないのはわかってるけど少し悔しいな、頭ではわかっていても結果を出されるとな。
俺は全力疾走したので息を切らせていた。
「ぜえ…ぜえ…」
「ほう、よく頑張ったな、早い早い、少し驚いたぞ」
そう言い、松木が俺に近寄ってくる。
「へへ…女の子に良い所見せたいってスケベ根性すよ…」
「君は素直だな、そうゆう所嫌いじゃないぞ」
松木は温かい言葉で俺に言う。
「さーて、次はあたしの番か、やってやるー!」
加宮は静かに気合を溜める。
それなりにスタイルは良いみたいだが走っても胸が平均の少し下ぐらいで揺れないだろうなー。
松木と違って胸が揺れなさそうでつまらなそうだ。
「な、何変な事考えてんのよ!この馬鹿!」
俺の考えが空気で伝わってきたのか、加宮は俺のシンボルを破壊するためなのか鋭い蹴りを俺の股間にめりこませた!
何か大切な物がつぶれる痛みを感じる…ここまで立派に育ったのに…
「お、おぐぉ…」
俺は痛みで最早悲鳴もあげられなかった。
「あ、案外大きいのね、ふん!別にあんたのアレなんて興味ないんだからね!」
と、ぷんすか怒りながら加宮はスタンバイに入った。
「それじゃ瀬木、私も走るから見ていてくれよ」
「う、うん、勿論だ…うっ…」
俺はまだ股間の痛みが残っているためロクな返事も出来なかったが、何とか返事は返せた。
「あ、それとな、私は応援されるとがんばる力が出てきて胸が温かくなるんだ。
ぬくもりを感じるんだよ、だから私は認められると伸びるタイプなんだ、だから、応援して欲しいな」
松木は恥ずかしくて普通なら言えないような台詞を真顔で言う。
いつまで経っても慣れないし恥ずかしいけど、これが彼女の良い所だからな。
「ああ、わかったよ、応援してくれたしな、うん」
俺はついついおかしくなったのと、純粋に微笑ましく感じているのが混ざったような感じだった。


367 :始まりの素直すぎる衝撃 その6:2008/05/05(月) 22:41:45 ID:cVEprbvP
「スパッツっていいよな…」
「うん、胸が揺れるのもいいよね…」
と、俺と孝一は女子の体育を見てスパッツと乳揺れに興奮していた。
天国だな!体育は!ぐはははっは!
ぽよぽよと揺れる胸とか最高だな!
と、そんな事を考えていると俺と孝一の脳天にハンマーのように重い一撃が炸裂した…
そんな乱暴なのは加宮しかいなかろう!
今の一撃で脳みそが吹っ飛びそうになった。
「い、いつつつつつつ…」
「ほんぎゃー!な、何する!」
「あんたら何やってんのよ!」
「いやー、何もしてないぞ!女子の身体を眺めていただけで、胸の発育良いなあ」
「……潰す!全て潰すよ!跡形もなく!」
「へんぎゃらぽぱぺえええええー!!」
あ、孝一がボコられてる、俺はその隙に逃亡した。
次のターゲットは俺だろうから。
と、俺がグラウンドの方を向くと、今度は松木が走る番だ。
「おーい!松木!頑張れー!さっきのお礼に応援するぞ。松木もやってくれよー」
俺は松木に声をかける。
松木はそれを感知し、俺に向かって微笑む、うっ…可愛いなあ…
それから松木は他の女子生徒と共に走り出した。
なんだか早いな、勿論きちんと鍛えた生徒には及ばないスピードではあるが。
身体能力は平均らしいが早い走り方とか苦しくない走り方とかわかるんだろうな、頭が良いからそうゆう事で活用しているんだろう。
順調にペースを伸ばして松木が一番早く着こうとしている時、一人の女子生徒が転び、脚を軽くすりむき、血が出てしまっている。
松木はそこでユーターンし、その女子生徒の元へ向かった。
折角の一位がフイにになるんだろうが、俺はそんな松木の優しさに改めて魅了されていた。
「ほら、しっかりしろ」
「ま、松木さん…あのまま走れば一位だったのに…」
「私は痛いのが嫌いなんだ!痛いのは辛いぞ!悲しいぞ…だから…それが嫌なだけで…他人でも痛いのは嫌だ、だから私のわがままなんだよ、ほら、保健室行くぞ」
「松木さん、恥ずかしい台詞だけど、ありがと」
松木はそう言い、女子生徒の肩を持ち先生の方へ向かう。
別に相手は友人ってわけじゃなさそうなのに…
優しい面も見れたし、やっぱりわかった、俺は松木好きなんだよな。
俺はますます松木が好きになっていた、友人じゃない相手にも優しいからな。
周囲から松木を認める声が聞えてきて、何故だか俺まで嬉しくなった。
少しすると松木が戻ってきた。
「はは、私から応援しろと言ったのに悪いな、どうしてもほっとけなかったんだ」
松木がそう言い微笑む。
孝一は見慣れた様子だが、満足げに笑っている。
「ま、いいんじゃないの?暴力ふるうあたしが言っても説得力ないけどさ、そうゆう感情も大事よ」
「いやいや!むしろそれでこそ松木じゃないか…痛いのが嫌いなのもしっかりとした理由だろ?
だからさ、俺嬉しいんだよ、好きな女の子がもっと好きになれて」
「それは光栄だな、嬉しい限りだ、それなら私は私の考えを貫こうかな?自身が持てた、ありがとう」
あ、恥ずかしい台詞だ…松木の癖がうつったか…でも、松木は喜んでるようだし、いいかな?

少し時間が流れ、中間テストの数日前。
プルルルと言う音と共に、俺の携帯に電話が入る。
携帯の液晶には松木恵美と出てきて、松木から電話が来たのが確認出来る。
「ん?どうした松木?何か用か?」
「瀬木、少しいいか?テスト前だけどな、少し見たい所があるから付き合ってくれないか?
むしろ気になるから見ないと集中出来ないと思うんだよな、新しく出来たペットショップだ、いわゆるデートってやつだな、君の事知りたいから」
え!?マジ!?ペットショップ!?それは行かざるを得ない!
俺は猫が大好きだからペットショップとか聞くと最早反応せざるを得ないな…
テスト期間だが大丈夫だな、それなりに勉強はしたし。
いざとなったら松木に教えてもらうから大丈夫かな?
「行く!行かせていただきますとも!」
「ふふ、ありがたいな、それにさ、気になる男の子と一緒にいてこそ私は力を持てるんだよな
愛や友情は人間を動かす大事なエネルギーだぞ」
ああ…また恥ずかしい台詞か…でも嬉しいな、そう言ってくれると。
俺の事好いてくれてるんだな、うん。

368 :始まりの素直すぎる衝撃 その7:2008/05/05(月) 22:42:49 ID:cVEprbvP
「おーい、瀬木、こっちだー」
松木は少し先に待っていた、春らしく涼しげなワンピースを着て、髪に花の髪飾りをしていてかわいらしさを演出している。
ああ、可愛い格好だな、俺と言えば薄いジャケットにジーンズをしっかりと着こんだぐらいだったからな。
基本的に服装にはあまりこだわらないんだ。
「よう!楽しみにしてたぜ!デートって事だしな」
俺は平然にしていたつもりだが、大好きな女の子とデートって事で顔が赤くなるのを感じていた。
「おっ…瀬木、なかなか格好良いじゃないか、クールで良いぞ、うん」
松木が真顔で俺を見てきて、褒める。
うっ…純粋な瞳が可愛いな、女の子にそう言われると自身を持ってしまうな。
「どうも、そう言ってくれるとファッションセンスに自身持てるな、松木もワンピース似合ってるぞ、花の髪飾り良いな」
と、俺が褒めると松木は静かに微笑む。
「そうか、ありがとうな、うん自惚れかもしれないけど私はそれなりに可愛いと思うんだ、
君がそう言ってくれたからな。私は可愛いって信じる事にするか」
俺のおかげで自身持てたって事か、嬉しいな。
胸の中が幸福感で満たされるのを感じていた。

「よし、ここだな」
松木と俺が向かった場所は、それなりに大きいペットショップだった。
犬とかの臭いもするが、俺は別に嫌いじゃないぞ、そうゆうのは。
ペットショップの内部には犬等が色々といた。
にぎやかな感じで楽しいな。
「うわー!このアメリカンショートヘアー可愛いぞ!」
俺はついつい猫に魅了されていた。
多分俺の目はキラキラに輝いているだろう、猫は好きだ。
しなやかな肉体に大きく見開いた瞳、とても可愛い、だから俺は猫が好きなんだ。
「可愛いな瀬木は、猫好きなのか、そうゆう男の子好きだぞ」
松木が真顔で言う、思った事素直に言ってくれるから良いんだよな。
でも…俺って可愛いか…前から思ったけど少し不思議なんだよな、松木って。
「いやはや、良いところに連れてきてくれて感激だな、うん!猫は良いよな」
「ははっ、そう言ってくれるか、私は犬も猫も好きだぞ、可愛いからな」
と、しばらく見て回っていると、松木が何かを目に止めたようだ。
それは、猫の絵が実写と見間違うぐらいだが、とても可愛らしく描かれているマグカップだった。
松木はそれを手に取る。
「なあ、瀬木、私それなりにお小遣い持ってるから買ってやるぞ、猫好きだろ?」
と、松木が言う、俺は彼女に何も買ってあげた事ないし、今は財布の中身には100円玉と1円玉が一つづつだけだった。
「うん、嬉しいよ。でもさ、女の子に何も買ってあげた事ないのに俺だけ買ってもらうわけには…」
「いやいや、気にするなよ、君の喜ぶ顔が見たいからさ、だから私の好意に甘えてくれ」
松木が俺の目を真っ直ぐと見据えて言う。
これ以上断るのもむしろ悪い気がするから、俺は好意に甘えさせてもらう事にする。
「うん、わかった、それなら俺も好意に甘えさせてもらおうかな?ありがとな、松木」
俺は自然と頬がゆるむのを感じていた、やっぱり、彼女を好きになってよかった…
「そうそう、男の子は素直なぐらいがいいんだぞ、それじゃあ買うからな、大事にして欲しいな、私が淹れたと思って飲んでくれよ」



369 :始まりの素直すぎる衝撃 その8:2008/05/05(月) 22:43:23 ID:cVEprbvP
それから、松木はプレゼント包装でマグカップを包んでもらって、俺に渡してくれた。
本人が目の前なのにプレゼント包装って…でも、温かいな、少し変わってる所は初めは正直引いたが、今ではそれも彼女の魅力と思えてきた。
俺は勿論そのプレゼントを大事にしまっている。
少し歩いていると、ゲーセンが目に入った。
そこの店頭に存在するクレーンゲームでは服を着ている猫のぬいぐるみがあり、松木が気になる様子で見ていた。
「ん?どうした松木?」
「いや…さ…私あれ欲しいんだが、どうにもクレーンゲームは苦手でな…どうしようか…」
俺は財布を見た、財布の中身は101円だけある、俺もどっちかと言うと苦手だが、やれるだけやってみようかな?
チャンスは一回っきりだ。
「そうか、松木はあれがほしいのか…よし!待ってろ!俺が取ってみるから、マグカップ買ってもらっちゃったからな!」
「本当か?それなら瀬木に任せようか、男の子だからゲーム得意なんだろうな」
うっ!?しまった…俺が苦手だって事言い忘れてしまった…だからこそまたしても失敗は許されなくなったな…
大気に存在する精霊よ!大地よ!水よ!天よ!神よ!悪魔よ!風よ!盟約を結びし我に無限の力を!!
「せ、瀬木!?なんだそのオーラは!?」
松木は俺の体からの神聖かつ邪悪かつ不気味かつ美しいオーラの発生に驚いていた。
「さて…やるか…」
俺は気合を入れてレバーを動かす、対象に目掛けて向かっている…よし!狙い通りだ!
だが、少し狙いがズレ、某有名RPGのスライムのぬいぐるみに引っかかった。
青くて目が大きく、あけた口元が可愛い人気のモンスターだ。クレーンはスライムを掴み元の位置に戻り、出口から出てきた。
「あーあ…すまんな松木、少しズレてしまった、うーん、女の子にはこのゲーム馴染みないかもしれないしさ」
「いや、気にするな、瀬木はがんばった、それに…それも可愛いじゃないか、良ければ私にくれないか?
元ネタ知らないけどな、前から可愛いと思ってたんだよ」
松木はまたもや真面目に俺を見据えて言う、本当に欲しそうだよな、俺に気遣ったとかじゃなくて。
「ああ、喜んで、取れた物は違うけどもともと松木にあげるつもりだったからな」
俺はそう言いスライムを渡した。
その時、松木はいつものように静かだが、楽しそうに笑っていた。
「うん、ありがとうな、一生懸命瀬木が取ってくれたからな、想いがこもっていて嬉しいよ」
松木は恥ずかしがらずにまた恥ずかしいセリフを言う。
はは、いつまでたっても慣れないと思うけど、嬉しいな。

俺は部屋でコーヒーを飲んでいた。
この苦味が好きだ。
勿論松木が買ってくれた可愛いマグカップでだ。
松木…可愛いな、考える度に胸が熱くなってくる。
とにかく可愛くて、少し変わってるけど真面目な性格で。
俺の事どっちかと言うと好いてくれてるのかな?
一緒にいると何でも一生懸命やる気になれるよな。
でも、俺はテスト期間が近いのに気づけば松木の事ばかり考えてしまって、勉強に集中出来なかった。
だから松木に勉強教えてもらうって事もしてないんだよな。
むしろ集中出来ないだろうから。
好きになった事はうれしいけど、俺ってひとつの事に集中したらそれしか考えられなくなるのかな…
俺は勉強出来るわけでも出来ないわけでもないから、きちんとやらないといけないのに…


370 :始まりの素直すぎる衝撃 その9:2008/05/05(月) 22:44:10 ID:cVEprbvP
数日後、テスト返却日の日。
俺は俯いて落ちこんでいた。
それは、テストの点数が散々だったから、今までは平均で抑えていただけに、ここで赤点は痛い。
松木の事で集中出来なかったからだ。
「ふう、まあまあって所か…二人はどうだ?」
孝一はそう言っていたが、国語は得意で、それ以上は平均の上を行っていたらしいので、良い方だろう。
「あたしはだいたいいつもどおりだね、うん」
加宮はダメな部分もあるが良い教科はとことん得意だから、点数は中々だろう。
俺と言えば、今回はほとんどが赤点で辛い状況だった。
「あ、俺か…うん…今回ダメみたいだ、少し遊びすぎちまったか、はは…」
俺は強がっていたが、その笑い方には覇気がなかった。
孝一も加宮もその様子に気づいたのか、何も言わなかった。
下手に何か言うと俺が傷つくってわかってたから何も言わないんだな。
もしかして…このまま松木と一緒にいると、学門に集中出来なくなるのか…
そんな事を考えると、松木が教室に遊びにきた。
「やあ、もうテストも終わったしさ、遊びに行かないか?」
松木はまるでテストを苦にしてないような表情だった。
涼しげな表情をしている、でも、俺は反応出来なかった。
「恵美、今さ瀬木落ち込んでるから反応出来ないらしいんだ」
「そうか、でもそんなに気にする事じゃないんじゃないのか?次に頑張ればいいと思うぞ」
いつもなら楽しく感じる松木の声も、今は苛立ちしか感じなかった。
彼女は俺を慰めようとしているのはわかるけど…頭が良い奴に言われても…
だって、遊んでたからこうなったんだ…逆恨みで格好悪くて男としては最低だとわかっているが、どうしても抑えられなくて俺は言ってしまった。
「松木…俺には勉強の才能ないんだよ!だからほっとけよ!
お前と違ってさ!だから一回こうなったら立ち上がれるかわからないんだよ!俺はお前とは勉強のタイプが違うんだよ!別の事があったらそっちに集中しちまうんだ!」
俺は気づけば声を荒げ、力いっぱい叫んでいた、他のクラスメートも俺の方に振り向き、周囲は静まる。
「あ…あ…瀬木…ごめん…うん…私が押し付けてたんだよな…ごめんな…うん…ダメな女だよな、私、わがままでごめん…悪かった…」
松木は反論するかと思いきや静かに言い、いつもからは想像出来ないような切なくて泣きそうな表情をしていた。
松木は眼の辺りを抑えながら、教室を去って行った。
はっ!?俺は何をしてしまったんだ…あんな事を言ってしまうなんて…それも好きな女の子にだ…
俺は自分の行為に後悔し、打ちひしがれていた。
その時、頬に軽い衝撃が走った、そこには俺に対し憤りを覚えている加宮がいた。
怒りで拳を震わせていた。
「あんた…あんた…最低ね!どうしてそんな事言えるのよ!気持ちはわかるけどさ!恵美は不器用なのよ!なのになんで…」
女の平手打ちなんて大した痛みではないが、それ以上に心の…
「そう…だな…俺はガキだからさ…うん…」
俺はどう言っていいのかわからず、それしか言えなかった、どう言っていいのかわからないから。
「あ、あー!俺は説教出来ないし嫌いだから説教は出来ないからうまく言えないけどこれだけは言っておくぞ。
松木は不器用だしお前を困らせるつもりでも、自分のわがままってわけでもないだろうしさ。
それにさ、視力悪いのは才能はあるんだろうけど一生懸命勉強してたからだ、だから、これだけは覚えておいてくれよ」
と孝一は言い聞かせるように言う。
いつも眼鏡してるし、目が悪いのは一生懸命勉強したからなんだよな、大体予測はしていたけど。
正直俺だけ悪いなんて事考えられる程大人でもないけど。
もっと松木の事考えてやって気遣う、それが大事なんだろうな。

数日後、俺と松木は互いに気まずくなり、会う事はなく。
昼食の時にも会う事はなかった。
姿を見かけても互いに気まずいので話す事もなかった。
このまま自然消滅なんて嫌だ、俺の責任でもあるけど…
でも、話しかけるのが怖いんだよな…互いに…
「ねえ、瀬木、もう少ししたら話してあげようよ、きっと向こうも話して欲しいはずよ?」
「ああ、わかってはいるんだけど…なんとなく出来ない事ってあるだろ?そんな感じなんだよ」
「なあ和彦は松木と仲直りしたいのか?」
「勿論だよ、ただなんとなく話しづらいだけでさ」
俺はそう孝一に言った、すると孝一は安堵したような表情で。
「そっか、それなら俺が何とかするから、後はお前でどうにかしろよ」
「あ、あたしも手伝うよ、このままじゃ後味悪いしね」
そう言い、孝一も加宮も誇らしげに言った。
俺は良い友人を持ったな、本当に。

371 :始まりの素直すぎる衝撃 その10:2008/05/05(月) 22:45:43 ID:cVEprbvP
翌日、俺は雨音で目を覚ました。
両親は今日仕事でいないから家には一人だけだ。
今日は雨の日か、大雨が降り注いでいて、外は水たまりが存在していた。
コーヒーがなくなっていたので、着替えて外に出る。
コーヒーがないと落ち着かないからな、コーヒーに依存しすぎているんだろうな、俺は。
傘を開き外に出る、俺は雨音等が嫌いではない、雨には独特の魅力があるからな。
俺はしばらく歩いていくとそこには見慣れた人影があった。
長い髪がびしょびしょに濡れて、折角のスカートも水浸しだ。
その娘は何故か傘を自分よりも別方向に向けていて、自分よりも何かを守っているようだ。
だが、驚いたのはそれよりも。
「松木!松木ぃ!どうした!?どうしてこんな事を!?」
そう、その相手が松木だったから…
もうしがらみとか気にしてられなかった。
「ん?ああ…はぁ…はぁ…さっきから呼びかけてたんだけど…飼ってくれる人見つからなくてな…」
松木は顔を赤くしていて、息も荒かった、雨で風邪をひいてしまったようだ。
傘を置いてある方向を見るとそこにはダンボールがあり、そこには小さい子犬が震えていた、柴犬が入った雑種犬だった。
捨てられたんだろうな、かわいそうに…
生憎家ではペット飼えないから俺にはどうする事も出来ないけど…今はそれよりも…
「バカ!風邪引いてるだろ!ほら!こっち来いよ!でも優しいんだな、そうゆうとこ好きだ」
「瀬木…優しいな君は…」

距離的に近いので俺の家に松木とその子犬を連れてきた。
温かくするのが第一だと思うからな。
松木は犬と一緒にシャワーを浴びている。
浴室ごしからそのシルエットが見てとれる。
うっ…やばいな…緊急時なのに…胸の張りがあって細くてとても女の子らしい体格をしてるな…
俺は濡れた衣類を洗うために持ち上げてると青い下着にドキドキしてしまう。
カップのサイズ大きいな…やっぱ…
だー!今は緊急事態だっつーに!
俺は松木の衣類を洗濯機に入れて洗う。
「ふう、あったかいな、ありがとう瀬木」
松木は感謝して俺に言う、声の調子でわかる。
「きゃん、きゃん」
「おお、そうかお前もあったかいか、良かったな」
犬と共に楽しそうにしているのがわかる。
「き、着替え…置いとくからな…俺のだから大きいと思うけどさ」
「そう、ありがと」


372 :始まりの素直すぎる衝撃 その11:2008/05/05(月) 22:46:37 ID:cVEprbvP
俺はしばらく松木がシャワーから上がるのを待って、それから松木と共に部屋にいた。
松木は少しサイズが大きいが俺のパジャマを身につけていた。
こんな状況で不謹慎だが、そんな松木のアンバランスさが可愛いと思える。
「大きいなこれは、でも瀬木の匂いがしてあったかい…」
松木はかみしめるように言った。
「俺の匂い?野郎臭いだけだと思うけどさ…今コーヒー切らしてるからこれだな、はい」
俺はそう言って緑茶を松木に渡す。
「いや、別にいいさ、私緑茶の方が好きだ、うん、おいしい」
松木は身体が温まるのを感じているのか、おいしそうに緑茶を飲んでいた。
犬は疲れたのか眠っている。
こいつもがんばったんだよな、小さい身体で生きてきて。
やすらかで可愛らしいな、ついつい見とれてしまう。
「ははっ、可愛いな、寝顔」
「うん、可愛いよな」
松木と俺は二人で犬の寝顔を見ていた。
もう以前のわだかまりもなかった。
「なあ、松木」
「うん?どうした?」
「一日ぐらいならどうにかなるからさ、明日飼い主探してみようか?」
俺は自分が考えうる最善の案を松木に言った。
その時、松木は本当にうれしそうにして。俺に抱きついてきた。
シャンプーの匂いや、温かさが伝わってくる。
「本当か!?和彦!和彦!嬉しいぞ!君は良い男の子だな!」
「わっ、松木…恥ずかしい…でも…いっか…」
俺は松木の腰を抱き、温かさを感じていた、もうわだかまりとかはなくなっていた。
俺は幸せな気分になっていた。
松木は腰を触られても不快ではないようでむしろ楽しげに笑っていた。
「ははっ、嬉しいから恥じらいなくしてしまったようだな、許せよ」
「ううん、むしろ嬉しいさ、俺にとっては」
「ふふっ、和彦のスケベ」
あれ?さっきから俺の事「瀬木」じゃなくて「和彦」って呼んでる気がするけど…気のせいかな?
でも、そんな事よりも、やっぱり俺にとって松木は大事なんだな。
それを実感出来た、俺なんて平凡なダメ男で何も出来ないけど。
「やっぱ好きだよ、松木」
俺は、彼女が好きだと実感した。
加宮、孝一、手伝ってくれるって言ったのに無駄になっちまったな。
でもさ、お前らのおかげで俺は度胸がついたのかもしれない、ありがとう。

373 :始まりの素直すぎる衝撃 その12:2008/05/05(月) 22:48:52 ID:cVEprbvP
1週間後、犬の飼い主も見つかり、ランチタイムも日課になっていて。俺は充実した日々を過ごしていた。
勉強する時は今までよりも集中するようにし、わからない所は松木に教えてもらったりして。
今までの調子が戻ってきた。
そんな日々の中で、世界的、世間的には大した事じゃないだろうが俺にとっては世界が変わる程大きな出来事が起こった。
普通に登校しているある日の事だ。
そこに、松木はやってきた。
「おっ、松木おはよう」
「やあ、おはよう」
俺達はいつもの挨拶をかわした。
そこで松木は俺に話を切りだす。
「なあ、瀬木、前に好きだって言ってくれたよな、私の事」
「うん言ったよ、それで何だい?」
だが…今は校門を歩いている所だ…当然そんな話をすると人目につくが。
まあ、松木はそうゆう性格だからな、素直に告白したいのだろう。
恥ずかしいセリフを言っているのに表情は真面目な一色で照れはなかった。
俺の心臓はドキマギしている、どう言われるのだろうか…
「今更だけど…私から言わせてくれ、好きだ、恋人になってくれ!私が君を幸せにするかわりに君が私を幸せにしてくれ」
松木はじっと眼鏡ごしに俺の瞳を見据えて真剣に言う。
その可愛らしさに俺は魅了されていた、一見クールだけど可愛いな…
もちろん…答えは決まってる!
「ああ!俺も好きだ!付き合え!」
俺は恥ずかしいが、力を入れて松木に言った。
あ…俺今この場所がどこなのか忘れていた…
流石に松木みたいに恥ずかしい事人前で言える度胸はないが、後悔なんてするかよ!
その時、朝なので幸い人は少なかったが、背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「いよーっ!おめでとーう!お幸せにー!」
「あら、良かったじゃないの、ふん!別にうらやましくないもの!彼氏がほしいなんて思ってないんだらねっ!」
それは、孝一と加宮だった、いつの間にか来てやがった…あとで青汁でも飲ましとくか…冷やかしやがって…
周囲の生徒も騒ぎだす。
だが、冷やかしもいるけど、本当に祝福してくれる奴もいるから、まっ、いっか。
「あーあ、恥ずかしい奴らだ、行こうか松木」
その時、松木はもじもじとしながら言う。
「なあ、和彦、私も君の事名前で呼んでるから、私も名前で呼んでくれ」
「ああわかったよ、恵美、それじゃっ!帰り遊びに行くか?二人っきりでさ」
「うんっ、そうだな、帰りまで楽しみにしてるからな」
俺と恵美はこの歳では少し恥ずかしいかもしれないが、手を繋いで校舎に走った。
温かい手の感触を感じる、俺の心にも温かい物が宿る。
俺は恵美の可愛さに魅了されていた。
やっぱり…恵美は可愛いな。
恥ずかしかったけど、これで俺達は一緒だよな。
普通の恋愛だけど、この恋愛は、俺にとって輝かしい物だ。
これからもずっと。

おしまい。

374 :名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 22:52:53 ID:cVEprbvP
以上です、サブキャラとか主人公も活かそうとしたけどまだ未熟です…orz

書いた理由ですが。
>>53
の方の意見を見て、恋人になるまでの話を書いてみました。
参考になるご意見でしたので。

和彦がちょっと身勝手に見えますね。
それと、無駄に長くなってしまってすいませんでした、私には構成力欠けてるので強化したいと思ってます。
それでも自分なりにやったので見てやって下さると幸いです。

375 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 12:45:38 ID:CJYzXzws
乙です。
楽しく読ませていただきました。

個人的には、もう少しヒロインが主人公をぶん回してくれるとよかったかなーと思いました。
ちと大人しい印象が……いや、脇が騒々しいせいかもしれませんが。

とりあえず>>40を読み直してくるぜ。

376 :名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 20:37:59 ID:0o8tqmQg
乙かれ
でもなんか読んでる途中でダレちゃった
飽きさせずに書くのは大変だよな……

377 :フルル山攻防戦 1/18:2008/05/07(水) 14:15:58 ID:Rw7VMsX4
 奇妙な天気であった。
 見上げると、雲一つない晴れ空。
 にも関わらず、それを薄い靄が遮っている。
 正面に目をやると、森は白い霧に包まれており、つまり晴天なのに濃霧とい
う異常気象だった。この日、王都の郊外にあるフルル山は異界であった。
 濃霧の向こうには、無数の巨大な人影――土ゴーレムの姿がおぼろげながら
も確認出来た。
「何てこった。ここは地獄だ」
 マスケット銃を調整しながら、木の枝に腰掛けた二十代半ばの短い金髪の狙
撃手――フランツは不機嫌そうにぼやいた。
「ぬー。フアン的には天国なのです……」
 フランツは可愛らしい声の主、フランツィスカを自分の懐から取り出した。
人形サイズの小さな娘だ。猫の耳と尻尾を生やし、ミニサイズの軍服を着込ん
でいる。
 フランツの養女は、逆さ吊りになりながら寝ぼけ眼をこすっていた。
「……寝てるな、フラン。仕事しろ」
「にゃう。りょーかいです、とーさま」
 フランツの頭に乗り、フランツィスカは臭いを嗅ぐ。
 フランツからは見えないが、きっと尻尾が立っているだろう。仕事を命じれ
ば、真面目なのだ。
「……にゃー、近くには誰もいないのです」
「気を抜くな。今回の連中の何人かは、気配を消せるんだぞ。畜生、山の王と
黒真珠だけでも厄介だってのに……」
 そもそも、狙撃手に殲滅戦をさせるなんてありえないだろ、と霧の向こうの
ゴーレムを見ながらフランツは内心ボヤく。動きが鈍く、対人反応もよろしく
ないのがせめてもの救いだ。近付いてきたら、速攻逃げるつもりでいる。その
辺は、騎士隊の隊長であるコルネリアの許可済みだ。
「とーさま、まずいよ」
 頭上で、フランツィスカが緊張を孕んだ声を上げた。珍しい事だ。
「何がだ」
「敵、お空にいるの」
 フランツが空を見上げると、赤い炎をまとった鳥が彼方へと去っていった。


378 :フルル山攻防戦 2/18:2008/05/07(水) 14:18:00 ID:Rw7VMsX4
 その鳥――火炎鳥の雛鳥・フリーダは人の形を取って地面に着陸すると、洞
窟へと入っていった。
 年齢は十代に満たない、一見きつめの顔立ちをした赤毛の幼女だ。
 洞窟の奥――後に『山の王と黒真珠の相談部屋』と呼ばれる広い空間――で
は、何人かの女性と、薄汚れたローブを着た分厚い眼鏡の少年がいた。
 テーブル上の地図を見るには背丈が足りないため、椅子に直接足を乗せてい
る。
「フリーダ。敵の位置は分かっただか?」
 少年、ヨハンが椅子から降りて尋ねる。
「ええ、大体は分かったわ。フィーネさん、地図を見せて」
「はい」
 フリーダは椅子に乗って、地図を眺めた。この山の全景地図だ。
 長い黒髪黒衣の女性――フィーネがフリーダに銀色のピンを手渡す。この国
の王女にして『黒真珠』の異名を持つ、ヨハンの弟子だ。
 それを、フリーダは地図に次々と突き刺していった。
「こことこことここ。一番大きな部隊はここね。それと木の上に三つ。穴に二
つ熱源があったわ」
「飛行能力と熱探知能力……大したモノですね。これで、相手の位置はほぼ完
全に把握できました」
 フィーネは唇に指を当てながら、戦術の熟考に入る。
 フリーダはそれには興味を示さず、椅子に立つフリーダを見上げるヨハンを
見た。
「思いついたのはお父さんよ。褒めるなら私じゃなくてお父さんにしてくれる?」
「分かりました。という事は先生を褒めるという事ですね」
「ええ」
 フリーダは、椅子から飛び降りるとヨハンの正面に立った。
「お父さん。私としては頭を撫でてくれるととても嬉しいわ」
「あー……わ、分かっただ」
 ヨハンの背丈が低いとは言っても、さすがにフリーダよりは高い。ヨハンは
フリーダの頭に手を伸ばし、不器用な手つきで髪を撫でた。


379 :フルル山攻防戦 3/18:2008/05/07(水) 14:20:42 ID:Rw7VMsX4
「…………」
 フリーダは目をつぶり、それを受け入れる。しかし尖った耳だけはピクピク
と忙しなげに上下を繰り返していた。
 目を開いたフィーネが、ヨハンに顔を向けた。
「先生」
「は、な、何でしょうかフィーネ様」
「私も、頑張ったら頭を撫でてもらえますか?」
 顔を赤らめるでもなく、首を傾げるフィーネ。
「や、あ、えー、わ、分かりましただ。ただ、オラそろそろ準備しねえと」
「お父さん、もう少し駄目かしら。着替えるのなら手伝うわ」
 目をつぶったまま、フリーダが尋ねてきた。
「いや、オラ仮面着けるだけだし」
 いかん、とヨハンは思った。この言い訳なら、ギリギリまでフリーダの頭を
撫で続けなければならない。
「先生、武器です」
 いつの間に立ち上がっていたのか、フィーネが大振りの鉈を両手で抱えてい
た。
「ありがとうだ」
 目の部分に二つの穴が開いただけの木彫りの仮面と、自分の背丈ほどもある
大振りの鉈。これが、ヨハンの山での武器だった。
 仮面を被るのはまだ早いので、フィーネがヨハンの後頭部に装着する。
「こうしてると、新婚夫婦みたいですね」
 確かに甲斐甲斐しく良人の世話を焼く新妻っぽくはある。
 だが。
「……準備するモノがいささか物騒すぎるだが。では、オラは前線に向かうだ」
 フリーダの頭から手を離し、ヨハンはたどたどしく鉈を背負う。
「はい、いってらっしゃいませ」
「フィーネさん、私も出るわ」
 表情を動かさないまま、フリーダが宣言する。
 すると、これまで椅子に腰掛けていた、豪奢なドレスを着た女が立ち上がっ
た。

380 :フルル山攻防戦 4/18:2008/05/07(水) 14:23:17 ID:Rw7VMsX4
 頭には長い簪を挿し、白粉を塗った顔には鮮やかな青色の隈取り。ドレスも
また青色の極彩色と、何もかもが派手な女性である。オーラまで光を放ってい
るように見える。
 それもそのはず、女――ティティリエは海底帝国の女帝という身分である。
本来、こんな山の洞窟にいるなどありえない。まあ、実際、この場にいるのだ
が。
 そして彼女は背丈も相当あり、ヨハンとは大人と子供並の差があった。
「…………」
 彼女は無言で、ヨハンを見下ろした。
「ティ、ティティリエ様自ら出るだか?」
「…………」
 コクン、とティティリエが頷く。
「駄目ではないだども、何も御自ら出る事もないと思うだが」
「それは違うぞ、ヨハン」
 もう一人、椅子に座って酒を飲んでいた銀髪金目の女が笑った。丸眼鏡を掛
け、身体には肌もあらわな羽衣を羽織っている。
「し、師匠?」
 ヨハンの魔術の師匠、仙女カヤはテーブル上の地図を叩いた。
「戦力の出し惜しみなぞ、愚の骨頂。敵の総数は知れている上、地の利もほぼ
互角。別働隊が存在する可能性も皆無なれば、ただ一点、敵の本陣を迅速に叩
きつぶすのみ。その点、ティティリエ殿は実に頼りになるだろう」
 さすが仙人になる前は、軍師だけだった事はあるなぁとヨハンは思う。
「…………」
 表情を動かさないまま、ティティリエの顔がカヤの方を向いた。
 うんうん、とカヤは頷く。
「ふむ、海ではないので本来の力からはほど遠いのか。何、大した問題ではな
い。むしろ全滅させないように気をつけたまえ」
「…………」
 そしてティティリエは再び、ヨハンを見下ろした。
 基本的に恐ろしく無口なので、ほとんどティティリエの考えは勘で察するし
かないヨハンである。


381 :フルル山攻防戦 5/18:2008/05/07(水) 14:26:36 ID:Rw7VMsX4
「ヨハン、ティティリエ殿から質問だ」
 酒を瓶から直接あおり、カヤがティティリエを指差す。
「は、何ですか?」
「頑張ったら我の頭も撫でてもらえるか、との事だが」
「…………」
 コクン、とティティリエが頷く。
「や、ややっ! そ、それはまあ、その程度で済むならば全然オーケーだども」
「……?」
 ティティリエは、何故かカヤの方を向いた。
「うん、ティティリエ殿。それ以上の褒美というのはだな、接吻であったり全
身への愛撫であったり……」
「師匠ーっ!? ティティリエ様に、そんな事教えては駄目だー!」
「…………っ!」
 ティティリエは洞窟の天井を見上げると、力強い拳を作った。
「頑張るそうだ」
「師匠ー……」
 ヨハンは、地面に突っ伏した。
「まあ、そう凹むな。戦意高揚には充分な効果があった」
「は! 師匠はその為に……?」
 ヨハンが顔を上げる。
「そうだな。とはいえこの場合、口先だけの約束にならないように、ヨハンの
実行も伴うが」
「ちょっ!?」
「何、接吻ぐらい問題なかろう。私ならいつでも練習相手に使って構わないぞ」
 傍から聞けば冗談っぽいが、ヨハンは経験上知っていた。カヤの言葉は、ど
うしようもなく本気である。
「私も立候補しとくわ、お父さん」
「では、私も」
 フリーダとフィーネが同時に手を挙げた。
「…………」
 本気を出せば、ちょっと遠いけど海の方から大津波を呼べる、とティティリ
エが提案した。


382 :フルル山攻防戦 6/18:2008/05/07(水) 14:29:11 ID:Rw7VMsX4
「津波なんて起こしたら、山そのものがなくなっちまうだよ!?」
「いや、むしろこの国が滅ぶかな」
 さすが、元・虐殺女帝、とカヤが補足した。
「最悪だ!」
 などと話している内に、時間はあっという間に過ぎてしまっていた。
「……そ、そろそろ行くだよ。これ以上ここにいたら、どんどん約束事が増え
るだ」


 霧の中、ヨハン達一行の前に人影が下りてきた。
 今まで木の枝に昇っていたらしい。
 獣の耳と尻尾を生やした、蒼いショートヘアの女性だ。腕や太ももにはいく
つもの呪術入墨が施されており、服装もボタンを使わず布を折り重ねる民族風
である。
 世界樹を守護するコ族という種族の娘、ラウラだった。
「ラウラさん、様子はどうだ」
 表情を動かさないまま、ヨハンの問いにラウラは頷いた。
「――問題はない」
「んだか」
「――しかしヨハン様が現れる事により、問題が発生した」
「ぬ、オラ油断しただか?」
 どこかに潜む敵に感づかれでもしたか。その気配はないが。
「――そうじゃない。私の動悸に異常が生じ、集中力が散漫になってしまう。
ヨハン様の事しか考えられず、監視に支障をきたす」
「……それは大問題だよ。オラ、早く場所移動するだ」
「――否。予測される敵の行動は、当面拠点からは動かず。ヨハン様がここに
いる事に、問題はない」
「いや、さっき問題があるって」
「――問題があるのは私の心だ。戦局にはない。むしろすぐに去られる方がよ
り大きな問題を生じる事になる」


383 :フルル山攻防戦 7/18:2008/05/07(水) 14:31:15 ID:Rw7VMsX4
「お、大きな問題というと?」
「――今、ここにヨハン様が存在する事により満たされている私の感情が、一
気に霧散してしまう。それは大きな士気の低下だ。永久にとは言わないので、
数分の猶予の許可を求める」
「え、えっと?」
 難しい(っぽい)言い回しが多いため、ヨハンとしては頭の中で整理するの
に若干の時間を要した。
 その後ろに控えていたフリーダが説明する。
「つまり、数分ここにいてくれって言っているのよ、お父さん。確かにまだ、
敵は動いていないわ」
「――問題は、ないだろう」
 ラウラの問いに、ヨハンは頷くしかない。戦意の維持も必要な事だ。
「……りょ、了解しただよ」
「――ヨハン様、効率化を図らせてもらう」
 何かが肌にまとわりつく感触。気がつくと、ヨハンの全身にロープが巻き付
いていた。
「へ? や、ちょ、ちょっと何だこのロープ、いつの間に!? や、ラウラさ
ん抱きつくのは勘弁だ」
「――問題は、ないはずだ」
 正面からラウラはヨハンに抱きつき、頭に自分の顔を当てた。
「何で臭いを嗅ぐだー!?」
「――肺をヨハン様で満たす事で、さらなる戦意の向上が望めるからだ。かつ、
ヨハン様滞在の時間の短縮にも役立つ」
「なら、仕方がないわね」
「…………」
 ヨハンの後ろで、フリーダとティティリエが頷いているのが見ないでも分か
った。
「は、早く終わってくれだよー!」
 ラウラの胸にヨハンの顔が押しつけられていた。
「そろそろ動くわよ。ティティリエさん、準備して」


384 :フルル山攻防戦 8/18:2008/05/07(水) 14:33:23 ID:Rw7VMsX4
「…………」
 遠くで鐘の音が鳴る――戦闘開始の合図だ。
 同時に、ティティリエは薄く唇を開いた。


 鐘の音と共に、霧はますます深まっていった。
 気のせいか潮の臭いすらする。
 馬鹿な、ここは山の中なのに、と騎士隊員ベネディクトは首を振った。
 二十になるかどうかの優男である。その背後には何十人かの騎士隊員がいる。
ベネディクトは彼らのリーダーだった。
「旦那様、来ます!」
 ベネディクト専属のメイド・カロルが緊張を孕んだ警告を放つ。髪をアップ
にまとめた十代半ばの少女だ。だが、戦地に濃紺のメイド服は、致命的に似合
わなかった。
「おう、来るなら来やがれ! 敵は野犬かコウモリか!?」
 剣を抜きつつ、ベネディクトが尋ねる。
「いえ、大本命です旦那様……」
「……大本命?」
 ベネディクトの端正な顔が引きつった。
「この気配は、山の王かと」
「……嘘」
「本当、です」
 その時、霧の奥から声がした。

「らりほー」

 間の抜けた声。
 次の瞬間、霧の向こうから鉈を大上段に構えた怪人が飛び出してきた。
「出たああぁっ!!」
「旦那様、危のうございます!」


385 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 14:35:05 ID:L05v5y0T
支援

386 :フルル山攻防戦 9/18:2008/05/07(水) 14:36:01 ID:Rw7VMsX4
「うおっ!?」
 突然背後から、カロルに首根っこを引っ張られ、ベネディクトは草の生えた
地面に仰向けに倒れた。
 鈍い音と共に、巨大な鉈が地面に突き刺さる。

「らりほー」

 奇妙な声と共に、木彫りの仮面を着けた薄汚れた茶色のローブの怪人――『
山の王』は鉈を地面から引き抜いた。
 地面と水平に振るわれた鉈が、大きく弧を描く。
 ベネディクトはとっさに剣を前に突き出したが、遠心力の加わった鉈の威力
の前に、剣は放物線を描きながら彼方へと弾き飛ばされてしまった。
 尻餅をつくベネディクトを庇うように、カロルが前衛に立つ。
「た、助かった、カロル」
「いえ、それが全然助かっておりません」

「らりほー」

『山の王』は唐突に間抜けな声を上げると、そのまま霧の中へと去っていった。
 に、逃げた……?
 一瞬、安堵する。
 だが、ふとベネディクトは自分の動きが鈍くなっているのに気がついた。
 篭手やブーツを見ると、無数の蔓が巻き付いていた。
「うおっ、な、なんだこの蔓!? ちょ、切れないって!」
 周囲でも他の隊員の悲鳴が上がる。
 同様に蔓に巻き付かれながら、カロルが評した。
「どうやら、山の王の術のようです。私達の負けのようですね」
「冷静に言うなー!」
「死ななかっただけ、御の字ではないかと」
 確かにその通りではあるのだが。


387 :フルル山攻防戦 10/18:2008/05/07(水) 14:38:03 ID:Rw7VMsX4
 数刻後、別地点。

「らりほー」

 仮面の怪人『山の王』が振るった鉈を、かろうじて剣で受け止める。
「わわっ!」
 鉈を受けるたびに、少年騎士マッツと『山の王』の間で派手な火花が散った。
 農作業で鍛えた『山の王』のとてつもなく重い剣撃は、そう何合も受けきれ
るモノではない。剣を手放さないよう手に必死に力を込めながら、マッツは相
棒に声を掛けた。
「ニコラ、いつまで寝てやがる! こっちだ! さっさと立ち上がれ!」
「マッツなのか!? 助かった!」
 霧の向こうから、柔らかな髪の少女騎士・ニコラが現れる。まだ、最初の鉈
の一撃で弾き飛ばされた衝撃が残っているのか、頭を振っていた。
 まだ、他にも中間は残っているはずだ。マッツは霧の向こうに叫んだ。
「敵は一人だ! 全員総掛かりでぶつかれば、勝てる!」
 だが。

「らりほー」
「らりほー……」
「らりほー…………」

『山の王』の声が、四方から聞こえ始めた。
「何だ、この声……」
 目の前の『山の王』ではない。
 少女騎士ニコラがハッと気がついた。
「呪文詠唱! でも、山の王からじゃない! これは……木霊(コダマ)だ!」
 不意に、背筋に冷たいモノが走った。
 振り返ると、そこには冷めた目をした赤毛の幼女が立っていた。
 服装は軽装で、とても戦地の人間とは思えない。


388 :フルル山攻防戦 11/18:2008/05/07(水) 14:40:08 ID:Rw7VMsX4
「それが正解。声を『置いて』同時に発動させる多重式の魔術よ。それも通常
の数倍の威力を発揮する複合詠唱式。早く逃げないと全滅するわよ」
 ズルッと、足が滑りそうになった。
「あ、足下が……」
 見ると、いつの間にか固かった地面がぬかるんでいた。
「……まずは地面の泥化」
 しかもかなり深いのか、足首近くまで沈み始める。
「ちぃっ、まだ足場が悪くなっただけじゃねーか!」
『山の王』と打ち合いながら、マッツはまだ諦めていないようだ。
 彼に構わず、ニコラの傍でさらに幼女が呟く。
「次に渦状に動く流動魔術」
 途端に、泥の地面がまるで生きているかの如く、騎士達を飲み込みつつ蠢き
始めた。
「ぬおおっ!? な、なんだこの回転……っ!」
 さすがに立ってもいられない。たまらず泥の中に尻餅をついた。
 マッツもニコラも泥に飲み込まれながら、その流れに身をゆだねるしかなか
った。
 ふと見ると『山の王』は幼女と共に、泥の有効範囲から逃れていた。
 泥は蠢きながら次第に持ち上がり、円柱状に姿を変え始めていく。霧の空へ
と泥が上り始める。
「竜巻状に、巻き上がっていく……!?」
「本当に、早く脱出する事ね。でないと大変な事になるわ」
 幼女が円柱に飲み込まれているマッツ達を見上げながら、言う。
「……と言われても」
 マッツとしても困る。
「もう、無力化されちゃってない、僕達?」
 だよなぁ、とニコラの言葉に賛同してしまう。
 しかし本当の地獄はこれからだった。
「お父さんは容赦ないわよ。これは陶器を作る時の魔術」
「だから?」

389 :フルル山攻防戦 12/18:2008/05/07(水) 14:42:10 ID:Rw7VMsX4
「次の木霊で『焼かれる』のよ」
「わーーーーーっ!?」
 何とか泥の円柱からもがき逃れようとする騎士達を見切り、『山の王』とフ
リーダは先に向かっていった。


 更に数刻後の別地点。
 騎士隊員達は、霧に紛れる粉に息を詰まらせていた。
「こ、この粉は一体何だ……花粉か……?」
 小さく咳を繰り返しながら、彼らは隊列の維持に努めていた。
「オレ、花粉弱いんだけどなぁ……」
「待てよ、これ花粉じゃないぞ」
 のっぽの騎士が呟いた。隊の中でもインテリで通っている男だ。
「じゃあ何さ」
 騎士の一人が彼に尋ねる。
「茸の胞子……待て。火を点けるな」
 のっぽが、ランタンに火をともそうとしている騎士を制した。
「だって、視界が悪いだろ? 霧もどんどん濃くなってきてるし……」
 空ももはや真っ白だ。かすかに白い霧の向こうに、丸い太陽が見える。
「違う! 図鑑で見たんだ! この茸は――」
 騎士が火打ち石をこすった。
 それと同時に。

「らりほー」

 声。
 そして、隊列を完全に吹き飛ばす衝撃と爆発音が発生した。
 高い木の枝に引っかかったのっぽの騎士が、誰にともなく火気厳禁の理由を
答えた。
「――バクハツタケって言ってな……胞子に可燃性があるんだ」
「……もっと、早く言ってくれ」

390 :フルル山攻防戦 13/18:2008/05/07(水) 14:44:43 ID:Rw7VMsX4
 戦線が崩壊していくのを、フランツとフランツィスカ親子は木の枝の上から
見守っていた。戦術の総指揮を執っているのはいつものように『黒真珠』だろ
う。それにしても今回はいつもにもまして攻めが苛烈だった。
「デ、デタラメだ……」
「とーさま、弾つめおえたよ!」
 おう、と応え、フランツはマスケット銃を構えて引き金を引いた。
「こっちはこっちで、使い魔倒すので手一杯ってか!」
 土ゴーレムの一体が、倒れる。
 だが、波のようなゴーレムの戦隊は、徐々にこちらへと近付いてきていた。
「身動きとれないねー」
「時々、矢がとんでくるしねっ!」
 フランツィスカが、小さいが鋭い爪で、霧の中から飛来してきた矢を両断す
る。
 この霧の中で、これほど正確な射撃を出来る人間なぞ、そうはいない。
 おそらくはコ族の少女ラウラのモノだろう。


 かろうじて生き残っている騎士隊の中でも、リーダー隊は健在だった。
「さすがヨハン。……ウチの部隊も形無しだ。だが今回は、こちらにも頼りに
なる助っ人がいる。……さあ、どうする?」
 甲冑に身を包んだ銀髪の乙女『銀剣』のコルネリアは、斜面を見下ろした。
 そこから爆発音が発生した。


 二発、三発と爆裂が生じる。
 それは『山の王』の仕業ではない。むしろ逆だ。

「らりほー」

 彼の今いた場所を、ポニーテールの少女の拳が貫いた。赤い着物を羽織った
十代前半の女の子だ。

391 :フルル山攻防戦 14/18:2008/05/07(水) 14:46:44 ID:Rw7VMsX4
「噴っ!」
 地面が陥没し、そのたびに派手な爆音が発生していた。
 もう一発。

「らりほー」

 避けきれないと判断したのか、『山の王』は鉈でその拳を受け止めた。呪術
が刻まれているのか、鉈の刻印が光を放つ。
 爆発音と共に、ポニーテールの少女と『山の王』の間合いが離れた。
「ほう、流石だな、兄者。今の一撃を受け切るなぞ、そう出来るモノではない」
 ポニーテールの武道少女、エルヴィンは快活に笑った。
 爆発に仮面が持たなかったのか、『山の王』の仮面に亀裂が生じ、次の瞬間
砕け散った。
「う、ルヴィだか」
 その下から現れた分厚い眼鏡の少年・ヨハンが、顔をしかめた。
「トランスモードは残念ながらこれまでだな。兄者。悪いが、このまま捕まっ
てもらうぞ。某が兄者を一週間占有する為に、ここは覚悟してもらおう」
 左足を前に突き出し、エルヴィンが拳を固める。
 目こそ真剣だが、その表情は凶暴に笑ったままだ。戦いに悦びを感じる少女
であり、本性である龍神の本能でもあった。生身の少女が拳で爆裂など撃てる
はずがない。
「なるほど、それがコルネリア様についた理由だか……」
 エルヴィンに応え、ヨハンも鉈を両手で構える。
「左様。では、兄者、いざ尋常に――」
「しねえだよ」
「何?」
「一騎打ちならともかく、今回のオラの目的はチームの全滅だ。故に、優先度
が違うだ」
「ふむ、それも道理。しかし、某の事情には関係ないな」
 言葉を交わしながらも、お互い身動きする事はない。

392 :フルル山攻防戦 15/18:2008/05/07(水) 14:48:44 ID:Rw7VMsX4
「来るか……」
 どちらが先に動いたか。そんな事は問題ではない。
 ほぼ同時に二人は地面を踏みしめ、一気に間合いを詰めていた。
 ヨハンが鉈を振るい、エルヴィンが腰溜めの拳を撃ち放とうとする。
 その時だった。
「……大丈夫」
 涼しげな声と共に、二人の身体が反発するように弾け飛んだ。
「何だと!?」
 エルヴィンが宙返りをして、体勢を整える。
 自分とヨハンの間に、一人の少女が立っていた。
「……ヨハンは、私が守る」
 ショートカットの、半透明の女の子だった。身体には何も羽織っておらず、
凹凸は少ないが確かに女性だと分かるシルエットだけが浮かんでいた。明らか
に人間ではない。
「エレオノーレ! 汝、一体どこに潜んでいた!」
 エルヴィンが、半透明の少女――エレオノーレを思わず呼び叫んでいた。
 神霊山の水霊であり、ヨハンの幼馴染みの少女だ。
「この世界は水に満ちている……それに、これだけ大気に水分が含まれていれ
ば、私はどこにでも存在が可能」
「ティティリエ殿の秘術か。してやられたな」
 エルヴィンが、眉をしかめた。
「本当は、ヨハンの中に潜みたかった」
 鉈から手を放さないまま、ヨハンが顔を引きつらせた。
「……それは、ちょっと御免願うだよ」
「ヨハンと一体化すれば、戦闘力は数倍に上がる。この状況の打破は容易」
「ふっ、だが兄者に拒まれてはな。汝一人で某を相手にするつもりか」
「ヨハンが駄目なら、それでいい。私と貴方の力は五分と五分。足止めする事
で、私の目的は達成する」
「……してやられたか」
 ヨハンが霧の向こうへと駆け出す。

393 :フルル山攻防戦 16/18:2008/05/07(水) 14:50:46 ID:Rw7VMsX4
 だが、エルヴィンはそれを追わなかった。
 今、戦うべき相手は、目の前の水精だった。


 空を見上げると、赤い鳥が飛んでいた。

「らりほー」

 霧の向こうからの声に、コルネリアは振り返る。
「来たか」
 そこには大きな鉈を背負った泥まみれのヨハンの姿があった。
 周囲の隊員達もその姿を認め、ざわめく。
「……今回のタイムはどうだっただか、コルネリア様?」
 コルネリアは隊員達をなだめ、懐中時計を取り出した。
「さすが、いつもよりも早かったな。全員が五連封印を施されていても、この
強さか。……とはいえ、我らも常人としてはそれなりに善戦した方ではないだ
ろうか。協力に感謝するぞ、山の神。いや、ヨハン」
「お力になれて、何よりですだ。では……」
 ヨハンは、背負っていた鉈を持ち上げた。
 コルネリアも、自分の腰から銀の剣を引き抜く。
「最後の勝負といこうか。さすがに私達だけ何もしないのでは、立場がないの
でね」
「分かっただよ――らりほー」
「では――コルネリア隊参る!」
 ヨハンに向かって、コルネリアと部下の隊員達が殺到した。


 ……数日後。
 訓練所の端を、薄汚れたローブを羽織った眼鏡少年がヨタヨタと歩いていた。
「うー、腰が痛えだ……やっぱ戦闘はオラには向かねえだ」

394 :フルル山攻防戦 17/18:2008/05/07(水) 14:52:47 ID:Rw7VMsX4
 腰をトントンと叩きながら、水で満たした如雨露を抱えて花壇へと向かう。
 その姿に気付くことなく、王国の騎士隊員達は先日の訓練で倒れたという同
僚達の噂を囁き合っていた。
「また、あの部隊は全員施療院行きか? 一体、どんな演習してるんだ?」
「さあな。とはいえあんな部隊、合同演習なら即脱落だろうな」
 などと、あまりいい内容とは言えない、笑い合っていた。
 その顔が引きつるのは今から一ヶ月後に行われる、合同演習の事となる。


 ……花壇に水をやり終えたヨハンは、施療院へと足を運んでいた。
 で。
「ヨハン、次はスープだ」
「……コルネリア様、オラ思うんだが」
 ちぎったパンを皿に戻し、ヨハンはスプーンを手に取った。
 コルネリアはというと、片足を吊った状態でベッドに横たわっていた。身体
のあちこちに包帯が巻かれ、割と重傷である。なお、他の部屋も、騎士隊員達
の呻き声でいっぱいだったりする。
「何だ?」
「……毎度毎度、わざとやってないだか?」
 スープを掬い、コルネリアの口元へ運ぶ。
「失礼な事を言うな。ヨハンが強いのだ。もしヨハンが負けていれば、私がヨ
ハンの手当をしているのだぞ?」
 スープを飲みながら、コルネリアが睨む。
 そのヨハンの裾がひっぱられた。
 振り返ると、そこには包帯だらけのポニーテール少女・エルヴィンが椅子に
腰掛けていた。なお、包帯の下の切り傷は水霊エレオノーレの水圧カッターに
よるものだ。
「兄者。某にも肉を頼む」
「わ、分かっただよ」
 骨付き肉を手に取り、エルヴィンの口元へと近づける。
 骨ごと食われた。


395 :フルル山攻防戦 18/18:2008/05/07(水) 14:55:06 ID:Rw7VMsX4
「それに、私的にはそっちの方がよっぽど羨ましいしな。看護ぐらい大目にみ
てくれ」
 後ろで骨を砕く音を聞きながら、ヨハンはコルネリアの指差した先を追った。
 扉を叩いたのは、赤毛の幼女フリーダだ。
「お父さん、そろそろ行くわよ。馬車に乗り遅れるわ」
「……目的地の温泉は混浴」
 さすがに街中の施療院だけに、エレオノーレも人の形を取っている。
 これから勝者の特典、二泊三日温泉旅行へと向かう一行であった。
 その背後に、この国の衣装に珍しく着替えたコ族の少女ラウラが控えていた。
「――という事は、風呂の中でもヨハン様の世話が出来るという事か」
「うむ。私としては温泉よりも酒が楽しみだな」
 いつものように酒をラッパ飲みする仙女カヤ。
「…………」
 空気を読まないいつも通りの派手なドレスのティティリエが、無言でヨハン
を見ていた。
 引率役でもある黒髪黒衣の少女フィーネは、スカートの両端をつまみ上げ、
優雅に一礼した。
「では、コルネリア様ごきげんよう」


396 :お魚 ◆5Z5MAAHNQ6 :2008/05/07(水) 14:57:07 ID:Rw7VMsX4
※終了ー。
現実逃避にしてはやりすぎたと反省。
エロのエネルギーの大半を別件に持っていかれてるので、この板に投下するに
はある程度の充電が必要なのです……。
なお『山の王』のスペックは、はぐれメタルの素早さを持ったトンベリに殺人
鬼ジェイソンを掛け合わせた生物と考えてもらえると分かりやすいかと。
ここだけの話、最初は練習用殴り書きかエロくない作品スレに投下しようかと
思いました。
楽しんでもらえると幸いです。


397 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 16:11:41 ID:qNnunlXa
>>396


らりほー で眠らせてんのかと思った

398 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 17:47:26 ID:WzTgRtYb
>>396
GJ
スピンオフのキャラもいるし話もおもすれー。
いちいちスレをはしごするのも面倒だし、
これでいいんじゃないかな。
演習にしては豪華過ぎだろw

399 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 21:40:16 ID:8wzmzD2Z
「らりほー」で某アリスソフトを思い出したのはきっと必然

400 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 23:08:17 ID:rvqdjkbW
GJです

401 :名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 23:16:37 ID:I0SpqK60
コイルはでぶっちょ、ぼよよのよん?

GJ !!

402 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 02:10:48 ID:nSW39m1O
>>399
そりゃハニホーのどもだw

>>396
GJ
素直クールだらけの国とかうらやましすぎる

403 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 06:15:56 ID:14+kr/Rg
ヨハンがその気になればハーレムが出来るのだな

404 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 06:27:37 ID:5JiBBhwp
GJ!

つーかヨハン、眼鏡「少年」だったのか。茶色のボロ着て冴えない中年だと思ってた。某ゲームで一番最初に大技かますモリスンさんのような。

405 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 08:25:07 ID:7703hBG+
十年後には背の高い美形に成長するんじゃなかったか?
成長薬を飲む話があったはず

「らりほー」で茶色で丸っこいならコイルとしか思えん
むっしゅむらむら

とにかくGJ !!!

406 :名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 09:05:37 ID:oNQUPDHc
ARIAのアル君が仮面つけて鉈持ってラリホーラリホー言いながら走り回ってる
そして強さはラスボス・・・


おかしいだろwwww

407 : ◆6x17cueegc :2008/05/10(土) 10:57:30 ID:QupAA6Az
みなさんおはようございますこんにちわこんばんわ。

前回の予告通り『キンモクセイの頃』の続きを書いてきました。エロシーンありです。
ではどうぞ。

408 :黄金週間の頃 ◆6x17cueegc :2008/05/10(土) 10:58:49 ID:QupAA6Az
「毎年思うんだけど、ゴールデンウイークとか名前が付いているわりになんでこう中途半端に普通の日が入るの
かなあ? どうせならずっと休みにしてくれればいいのに。」
 5月1日、教室で弁当を食べながら呟く。開いた窓の外の新緑が眩しく、風でひらひらと白いカーテンが揺れて
いる。この時期の風が一番好きだ。
「でも、長く祝日のお休みがあっても土曜日曜でずれちゃうし。」
 小さなフォークで突き刺したミニトマトを口に運びながらケイが言う。去年の年末に付き合い始めた僕らは、
周囲から全然釣りあわないカップルと言われながらも今まで続いていた。彼女の歯に衣着せぬ物言いに困ったこ
ともあったけど、大きな喧嘩もせずにいる。
 今も教室で一つの机を囲んで昼ごはんを食べている。この春、僕たちは運よく同じクラスになれた。授業中に
彼女に見とれてしまってノートが取れないのは少し困り者だけど。
「そういうものかなあ。」
 こういう馬鹿馬鹿しい話をすることが幸せだ。彼女も思ったことをそのまま口に出すタイプの人だから、僕と
こうしているのは嫌ではないのだろう。それがまたうれしかった。

「サイは、さ、4連休どうするの?」
 弁当箱を片付けて包みを縛りながら彼女が言う。白い指が光に映えて眩しい。
「特別には決めてないよ。またどこかに遊びに行こうか?」
 デートのお誘いも最近は緊張せずに言えるようになってきた。僕にも少しは度胸が付いてきたのだろうか。そ
んなことを考えていると彼女は首を横に振った。
「どこかに旅行でもするの?」
「違うよ、ずっとこっちにいる。ただ、課題がちょっと出てるから、それを何とかしないといけないなって。一
 緒にやらない?」
 そういえばそうだった。英語数学物理、それぞれに問題集を解くように指示されていたんだった。量としては
大したことのない量なんだけど、僕の頭脳では教科書と首っ引きでやらなくちゃいけないのが面倒だ。
「ほらサイ、数学苦手でしょ? それと英語と物理も。私が手伝うからさ。」
 その申し出に、僕はありがたく乗らせてもらうことにした。双子の弟と手伝いながらやってもいいけど、僕達
の頭の出来じゃ逆立ちしたって彼女には敵わないからね。

 連休初日。弟に宿題を写させてあげる約束をして家を出る。自転車に跨ってえっちらおっちら、20分ほどで彼
女の家に辿り着いた。
 自転車に鍵をかけていると玄関のドアが開いて彼女か顔を出した。インターホンも鳴らしていないのにどうし
て分かったんだろうと不思議に思っているとサンダルを突っかけて彼女が降りてきた。
「おはよう。」
「おはよう、いらっしゃい。」
 彼女の服装はトレーナーの上下と野暮ったいもので、今起き出して来たような姿だった。だらしなく伸びきっ
た首周りのせいで胸元が大きく開いている。彼女の生真面目な性格とおよそ釣り合わないような服装だった。
「自転車、どこに置けばいい?」
「こっちに入れて。」
 門の中を指差されたので門扉を押し開け自転車を持ち上げる。門の開閉の邪魔にならないように奥の方に押し
込んでいると、後ろから抱きつかれた。柔らかい双丘が押し付けられるのを感じる。
「サイ、早く、しよ?」
 その言葉で一瞬、エッチな方向に勘違いしてしまった。ぶるんぶるんと首を振って頭から煩悩を押し出す。う
ん、と一つ返事をして、僕は自転車の前カゴに放り込んでいたバッグを持ち上げた。

 彼女の部屋に上がらせてもらって床へ腰を下ろす。部屋に備え付けられていた背の低いテーブルを組んでそこ
に問題集とノートを出していると、ふわり、と甘い匂いが漂ってきた。振り向くと抱きつかれ、そのまま唇を押
し付けられる。
 甘い匂いはシャンプーの匂いだろうか。そんなことを考えていると舌で唇をノックされた。絡めあって愛し合
わないかという打診だ。その申し出に乗りたかったけど、僕は彼女を押しのけてしまった。
「宿題、しないとダメだから。」
「ケチ。」
 そう言いながらまた僕に抱きつく。ふう、と大きく息を吐き出して動こうとしない。
「したくない?」
「そりゃしたいけど……終わらせないといけないし、宿題。」
「……仕方ないなあ。じゃ、始めようか。」
 ……そういうことするのを諦めてくれたのはいいんだけど、僕の背中に抱きついたまま教えてくれるつもりな
のだろうか?

409 :黄金週間の頃 ◆6x17cueegc :2008/05/10(土) 11:00:17 ID:QupAA6Az
 本当にその通りだった。僕が数学の問題集を解いている間中、彼女は耳元で軽く息を吐き出しながらじっと手
元をじっと見ていたのだ。計算間違いや式の代入について数度僕の手元を止めただけで、それ以外は殆ど邪魔は
しなかった……と言いたいところだけど、彼女はその身体自体が武器なんだから背中に当たる膨らみを少し離し
てほしい。
「次は物理だね。」
「それはそうなんだけどさ、とりあえず……少し、離れてくれない、かな?」
 彼女のを傷付けないように言葉を選んでお願いをする。さっきから抱き付かれっぱなしで肩が凝っているし、
どうやら彼女、ブラジャーを着けていないらしくてTシャツ越しに突起が当たっているのが分かるのだ。
「どうして?」
「あの、胸が当たって、集中できない、から、で……」
 手元を覗き込むときに身体が擦りつけられてこりっと背中が刺激される。そんなことが続くものだからさっき
からずっとズボンの中が窮屈だった。ズボンの生地を僕の裏筋で押し上げるもんだから快感が余計に強くなる。
「わ、ざ、と。……って言ったらどうする?」
 楽しそうに僕の耳に吐息をぶつけながらそんなことを言う。身体中にゾワゾワっと波が立って背筋がピンと張
る。
「……どうも、しないよ。続きしないと。」
 今度は英語だ。問題集と辞書を使って長文問題と向き合う。

「……もう限界、だ。」
 英語の問題集も解き終わり、物理の問題集を取り出しながら震えた声で呟く。
「何が?」
 彼女はクスクス笑いながら僕の耳を舐め上げると、ますます身体を密着させてきた。胸の形が潰れてポッチの
位置まではっきり分かる。自分の理性が千切れそうでもう涙目だ。
「と、トイレに……」
「ダメって言ったら?」
「漏らしちゃうから放して……っ!」
「ウソはよくないね。さっきからずっと大きいままじゃない。」
 彼女がズボン越しに僕のその部分を一撫ですると目の前に稲妻が走ったように感じた。振り払おうにも腕に力
が入らない。
「ね、しよ? もう1ヶ月以上してないんだよ?」
「そりゃ、学年上がって忙しかったからで――」
「サイが私としたくなかったわけじゃないんだよね?」
 僕の語尾を拾う形での言葉に、耐えに耐えた僕の堤防が砕け散った。さっきまで萎えきっていた腕に急に力が
戻ったようで、振り向いて彼女を押し倒す。荒い息を吐き出しながら肩を掴むと彼女の端正な顔立ちが少し歪ん
だ。力が入りすぎていて痛いのだろうけど今まで散々我慢させられていたんだ。そして挑発したのは彼女から。
「乱暴になるかも、しれないからね。」
「もう痛い――」
 返事を全部聞かないうちに彼女のジャージを取り払って、胸にむしゃぶりついた。

 豊かな乳房の頂上の木の実を歯で挟み、少し強めに押し潰しながら舌を走らせる。空いた右手でもう片方の乳
房をかわいがり左腕で彼女の身体を抱き寄せた。
「あ、ちょっ……」
 そのまま胸の谷間に顔を埋めるようにして谷間の底も舐め回すと、僕の頭へ彼女の手が伸びてきた。髪の毛を
引っ張られたので渋々顔を上げる。
「キスからして、ほしい、な。」
 あれだけ誘っておいて随分自分勝手だな、と思ったけど僕だってキスが嫌いなわけじゃない。言われた通りに
顔を彼女の唇まで持ち上げると、噛み付くように彼女とのキスを始めた。
 相変わらずここはすごく柔らかい。自分の唇が硬いことが恥ずかしくなってくる。それを誤魔化すように舌を
差し込みこじ開けると、彼女の喉を塞ぐようにして舌を暴れさせる。彼女は苦しそうに声を漏らしているけどそ
んなことは僕の知ったことじゃない。
「むっむうぅぅっ……はむっ、じゅるるっ……」
 鼻息も激しく唾液の交換を一生懸命にするものだから酸欠で頭が痛くなってくるけど、唇と同じくらい柔らか
くそれ以上に弾力のある舌の味が止められない。舌同士を擦り合わせるだけで下半身が熱くなる。

410 :黄金週間の頃 ◆6x17cueegc :2008/05/10(土) 11:01:41 ID:QupAA6Az
 キスの途中から、僕は両腕を彼女の背中に回して抱きしめていたのだけど、彼女の腕は違う場所へ向かってい
た。僕のズボンのチャックを指で摘むと一気に引き下ろすと、もう2時間以上閉じ込められていた陰茎がトラン
クスの布地を持ち上げて飛び出る。ケイはその先端を可愛がるように軽く握って擦り始めた。普段ならなんてこ
とのない、ほんの少しの刺激だったのにも関わらず、目の前が真っ白になった気がして腰を引いてしまった。
「サイ、どしたの?」
 唇を離してケイが笑う。それは意地が悪くて愉しんでいる笑みだった。
「これだけ焦らされて……そんな触り方、しないでほしいな。」
「仕方ないなあ。」
 彼女はやれやれと首を振り振りそう言いながら、自分のズボンを脱いでしまって下着一枚になってしまった。
ゴテゴテしたレースのくっついた自分のそれに指をかけて、僕の指を誘う。
「私はまだもうちょっと、準備したいかな。」
「手伝おうか?」
「訊かなくても分かるでしょ?」
 当然分かっている。パンツを押しのけてそこを触ると、なるほど、いつもよりも湿り気が足りない気がする。
指先に愛液を絡めて割れ目へ差し込み、軽く揺するようにしながら出し入れしてみる。するとケイが気だるそう
なに息を吐き出し始めた。
 こういうのがいいのか、と感心しながら更に指を出し入れする。そうして少し上側のクリトリスにも指を伸ば
し弾くように弄る。
「ひぃんっ!」
 不意の刺激に半ば悲鳴のような声が上がった。中に差し込んだ指が内壁に押しつぶされそうになる。気にせず
に何度も弾いて擦ると肩を強く掴まれた。
「……もう、大丈夫だから。」
「本当に?」
「本……っ!」
 返事をしようと息継ぎをするケイの中、裏側の辺りを軽く爪で引っかいてやると面白いように反応した。奥の
方からじゅぶじゅぶ潤滑油が溢れ出してくるから準備自体は十分なようだ。
 ケイの身体を持ち上げてうつ伏せにさせると、彼女に僕自身を押し当ててゆっくり押し込んでいった。

 後背位で腰を掴んで自分の欲望のままに突きはじめる。ちょっと激しすぎるかもしれないけど身体が止まらな
い。手で擦る以上の快感が目の奥を締め付ける。ケイの顔が見えないのが不満だけど、前を向き合ってするそれ
よりいいところに当たっているみたいだ。
「あっあっ、奥の、壁っ、擦ってっ!」
 そう感じているのは彼女も同じようだ。そう思うと腰の動きが余計に激しくなる。腰を引くとケイの襞が絡ん
で一緒に引き出されてくる。それを見ながら今度は押し込むと、今度は温かい身体に包まれる。彼女のお尻とぶ
つかって出す音が部屋の中に響く。視覚で、聴覚で、触覚で。自分の全てがケイの色に染められているみたい
だ。
 そう考えると下半身に震えが来る。時間としてはもう随分耐えている。もう今すぐにでもぶちまけたい。彼女
を精液で汚したい。
「ケ、ケイ、ゴメン、もうダメだ……」
「うんっ、中に、欲しい、ちょうだいっ!」
 最後に一番強く腰を挿れ込んで一番奥で射精する。散々焦らされての放出に体全部の細胞が喜んでいるかのよ
うに、ゾクゾクと背筋が震えて全身が脱力する。

 射精の後、腰を引くと愛液で少し薄くなった精液がとろりと割れ目から溢れ出した。ケイは腰を高く上げてそ
れがこぼさないような体勢になる。
「……貰ったの、こぼしたらもったいないよね。」
 振り仰ぎこちらを見る彼女の言葉に背筋を雷に打たれたような衝撃が走る。僕は無言で彼女の身体をひっくり
返すとその上に覆いかぶさった。
「もったいなくないよ。……だって、枯れるまでいくから。」
 僕は既に力を取り戻していた分身を秘裂に押し込んで、また激しく腰を動かし始めた。

411 :黄金週間の頃 ◆6x17cueegc :2008/05/10(土) 11:02:56 ID:QupAA6Az
* * * * * *

 家庭用の狭い浴槽に2人で身を沈めるとお湯が大量に溢れていく。これじゃあどちらかが上がったら湯冷めして
しまうだろう。彼女を抱きしめる腕の輪をきつく結んでやるとこちらを振り向いた。肩を越す長い髪がしっとりと
濡れているにもかかわらず、ふんわりといい香りを放った。
「サイ、ちょっと苦しいよ。」
「あ、ゴメン。」
 いい香りを手放すのが惜しいけど少し腕の輪を広げる。すると彼女は大きく息を吐きながら僕のほうへ体重を預
けてきた。結果的に髪と鼻が近くなって、すんすん、鼻を鳴らして彼女の髪の香りを嗅ぐ。
「どうしたの?」
「いい匂いだなって。」
 そのまま首筋に鼻を押し付けるようにして深く息を吸い込むと、さっきのいい匂いに汗の臭いが混じる。お湯の
蒸気も手伝った強い匂いにうっとりしてしまう。
「サイ、かわいいね。」
「そうかな。」
「そうだよ。そういうところ、大好き。」
 大好き、という言葉に身体が反応する。さっき3度も彼女の中に放ったのにまた硬くなってきた。彼女の柔らか
なお尻に押し付けるようになってしまってすぐにバレてしまう。
「そういう元気なところもポイント高いと思うよ。」
「……ありがとう。」
 僕は顔を真っ赤にしながら彼女を抱きしめた。

412 : ◆6x17cueegc :2008/05/10(土) 11:03:39 ID:QupAA6Az
と以上です。
展開がgdgdなのはお約束。そして微妙にツンケンしてるのは仕様です。

個人的に後背位は嫌いなんですが、今回挑戦してみることに。結果短くなってしまい好きな人からしたら物足りないところがあるかと思われます。
その辺はどんどん指摘してほしいです。

413 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 00:16:57 ID:9sIxmMVk
>>412
GJです。最後のやりとりがかなりいい。
背中と腰の描写が足りないと思いました。
プロポーションのいい人が背中を反らせているとそれだけで興奮しますし、
お尻は揉んだりして、手触りや柔らかさ等を楽しんだ方がいいかと。

414 :名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 10:43:40 ID:k5ifhPBQ
GJ。
久しぶりのエロ文章投下ですな。
腰の動きに緩急つけたり、彼女の側からの動き描写を増やすと文章が増えまするよ。

415 :名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 00:28:57 ID:Nle6z/gF
GODJOB
続きwktk

416 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 22:56:06 ID:XuCo/o81
保守

417 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 11:33:51 ID:gmeXvkCg
補習

418 :名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 22:09:11 ID:TmsocV4u
復習

419 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 13:44:29 ID:mCb4ucBM
予習

420 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 20:21:01 ID:br3s9+is
これは演習ではない!
繰り返す、これは演習ではない!

421 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 20:56:18 ID:ze/uM874
◆6x17cueegc さんのケイとサイのシリーズに二人の初体験の話ってなかったっけ?
保管庫に見当たらなかったからさ。
俺の妄想なんだろうか


422 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 21:06:58 ID:XU69htcx
>>420
宇宙から素直クールな美少女星人が、襲ってくるのかなぁ。
性的な意味で。

423 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 21:18:27 ID:zcCUiElK
>>421
これかな。

26th.December 〜とある奥手な少年の場合〜
http://red.ribbon.to/~hachiwords/scool/c1/173.html
(2chからの直接JUMPははじかれるので注意)

タイトルが 「〜の頃」じゃないのでわかりづらかったと思われ。


424 :名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 22:11:05 ID:ze/uM874
>>423
こんなに早く答えてもらえるとは思ってなかった。
ありがと

425 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 21:06:41 ID:WjhpIxfi
らりほ〜

426 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 23:25:05 ID:wi61V2wH
え、円周防御!総員円陣を組んで警戒しろ!
奴が来る!

427 :名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 05:07:37 ID:rWP2CBd+
>>425
ttp://jp.youtube.com/watch?v=r-35wgOcMrI

428 :クーのプレゼント:2008/05/23(金) 21:00:44 ID:llAEIrSi
勢いだけで書いた小ネタ、シューが出てるんで嫌いな人はスルーしてください。 
 
 
「シュー、ちょっと話があるんだ」
クーはテレビをぼーっと見ているシューに声をかけた。そしたら首だけ無理矢理後ろにむかせ、すごい目で振り向かれた。
「なにか用か?クー姉」
「まず普通に後ろを向いてくれ、怖いから」
「しょうがない」
何故かため息をつかれた後首はそのままの位置で今度は体だけ後ろに向いてきた、手足を使わずに。
「どうやって後ろ向きになったのかすごく気になるがとりあえず話を聞いてくれ」
「把握、そして話とは?」
「実は…」
〜3分くらい後〜
「なるほど、つまり男の誕生日だからプレゼントしたいが何を渡せば良いのかわからないと?」
「そうだ」
クーがうなずく
「なら、体で良いんじゃね?」
いきなり適当に言ってきた。
「それは、すでに毎日やってる」
「チッ」(盛りやがって)
シューは小さくバレないように舌打ちした。
「しょうがない、これをクー姉にあげるから使ってくれ」
白い粉の入った袋をわたされた。


429 :クーのプレゼント:2008/05/23(金) 21:02:58 ID:llAEIrSi
「まさかこれは…」
「あぁ、しかも最上級のだぜ☆」
するとシューはクーにいきなり手を掴まれた。
「よし、今すぐに警察に行こう」
「ちょっと待って欲しい、クー姉は絶対何か勘違いしてる」
「違うのか?」
「これは入浴剤だ、これで一緒に風呂に入るのはどうだ?」
「成程、ありがとう大事に使わせてもらう」
クーが居なくなった後シューは一人呟いた。
「しかし、先にボケられた、しかも天然でorzあそこはもう少し引っ張ってボケるつもりだったのに…」
結構落ち込んでいた。
次の日
「ありがとうシュー、良い風呂だった、ただなにか独特な香りがしたんだがなんだったんだ?」
「あれは米粉だ、だから今日の男もクー姉も素晴らしいすめるぼでえしてるぞ」「……」
なんだかんだ言って良い夜だったので何も言えないクーだった。
 
 
 
以上、お目汚し失礼しました。

430 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:00:50 ID:ndU0ilkC
VIPでやれ

431 :名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:12:46 ID:Q5ky8NkA
下がってるのでage
そういえばここの住人的にかのこんの望は素直クールに入るか?

432 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:05:41 ID:j3nkUn0r
>>431
アレは違う
どちらかと言えばシュールのが強い

433 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 04:03:22 ID:EbppoTTN
霧島翔子

434 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 09:40:48 ID:VVO6qNca
あれはむしろやんでれ

435 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 13:17:39 ID:EbppoTTN
やっぱりか

436 :名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 19:56:52 ID:J/FXWsYZ
・素直クールな侵略者
・素直クールなケーキ職人
・素直クールな刀鍛冶
・素直クールな詩人

437 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 02:25:35 ID:LnVT6grr
素直クールなサイボーグ
素直クール女武士
素直クールマッドサイエンティスト
素直クールヤンデレ

438 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 03:44:18 ID:gmIF1/FO
というか素直クールってヤンデレの素質十分にあるよな

439 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 09:52:15 ID:+1ASelI1
>>436
『総統!』
「どうした」
『行軍中の第三部隊が、蜂起した村に遭遇、現在戦闘中との報告が入りました』
「村の長は何と?」
『はっ……"これは立派な侵略行為だ、我々はそのような行為に荷担するつもりはない"……と』
「ならば……纖滅すればよかろう」
『!』
「我々は侵略者として侵略を行う。接収に抵抗する者があれば、撃破するのみ」
『(……この容赦のなさ……ドキドキする!)』


-----

「……あとは、好みのデコレーションを加えて完成となる」
『『おおー……』』
「ここまでで何か質問は?」
『はい、はーい!』
「ではそこの君」
『どーやったら、先生の作るみたいなきれいなケーキが作れるんですか?』
「ふむ、そうだな……それは、そのケーキを食べる人を思い浮かべながら作ることだ」
『『!』』
「腕など、プロを目指すのでもなければ何度も作るうちに付いて来る。大事なのは、心をこめること。その人を喜ばせるために努力することだ」
「今日の講座は……若い女の子が多いようだ。質問をくれた君も含め、皆様々な想いをもって来てくれていることだろう」
「その想い人の笑顔を想像しながら作れば良い。そうすれば、必ず…………おいしいケーキが、

440 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 09:55:48 ID:+1ASelI1
なんで途中で切れてるんだ……


「……あとは、好みのデコレーションを加えて完成となる」
『『おおー……』』
「ここまでで何か質問は?」
『はい、はーい!』
「ではそこの君」
『どーやったら、先生の作るみたいなきれいなケーキが作れるんですか?』
「ふむ、そうだな……それは、そのケーキを食べる人を思い浮かべながら作ることだ」
『!』
「腕など、プロを目指すのでもなければ何度も作るうちに付いて来る。大事なのは、心をこめること。その人を喜ばせるために努力することだ」
「今日の講座は……若い女の子が多いようだ。質問をくれた君も含め、皆様々な想いをもって来てくれていることだろう」
「その想い人の笑顔を想像しながら作れば良い。そうすれば、必ず…………おいしいケーキが、出来上がる。」
『『(……この素直な愛情……ドキドキする!)』』
『はい、はーい!』
「ほかにも何か?」
『じゃあ先生も、いつもカレのこと考えながらケーキを作ってるんですかー!?』
「………………」



「…………もちろん?」

441 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 11:59:11 ID:HY9NywAp
GJ
これにエロがあれば俺は死んでも良い

442 :名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 23:18:06 ID:vu7YlegZ
>>438
素クールデイズ

443 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 14:39:24 ID:CFCqsWms
言葉様は内気すぎ
世界は策に溺死した
>>438の意見には賛成できるが、
>>442が上手いこと言ったとは思えない。

444 :名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 18:54:27 ID:nrSB4ET5
素クールデイズ懐かしいな
まだ作ってんのかあれ

445 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:31:29 ID:sOE5R1l9
今仕事中で作成ストップらしいな
まー趣味レベルでじんわりと作ってもらいたい
理ンデレとか懐かしい、しかし俺にツボな属性も入ってるしな

446 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 05:59:41 ID:cwClRQVb
投下します。

ずいぶんと前に投下したものの続きですので、
未読の方は御注意下さい。


447 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:00:46 ID:cwClRQVb
-無口系素直クール その2-

 いつも通り、朝の7時15分。俺は正門の前に自転車を滑り込ませた。
 歴史を感じさせる大きな門。その前に静かに佇む少女が、いつものように無表情
でペコリと頭を下げ、挨拶をしてくる。
「おはようございます」
 お辞儀に合わせて彼女の漆黒の髪の毛がさらさらとこぼれ、朝日に当たってキラ
キラと絹糸のように輝く。
 顔を上げた彼女が瞳が、真直ぐ俺の目を見つめ、意志の強そうな黒く綺麗な瞳が
俺を射抜く。
 その瞳に思わず見とれそうになって、一瞬後に我に返った。俺は慌てて自転車か
ら降り、スタンドを立てつつ挨拶を返した。
「うん、おはよ」
 平静を装ったつもりだったが、少し早口になってしまったかも知れない。
 いつもこうだ。彼女の綺麗な瞳が好きで、ふと目が合った瞬間にいつも見とれて
しまう。
 彼女と顔見知りになった時から彼女の瞳が好きだったが、当時は見惚れてしまう
ような状況にはならなかった。
 ところが彼女が好きだという自分の気持ちに気付いてからというもの、より一層
彼女の瞳が好きになってしまい、ついつい呆然と見つめてしまう。そして、一瞬後
に我に返っては内心羞恥心にもだえるのだ。
 しかも恐ろしいことに最近では彼女の瞳だけでなく、色んな箇所に魅力を感じる
ようになってしまっていた。
 俺の胸までしかない、小柄で華奢な身体。
 品の良い黒い制服に映える、瑞々しく透き通るようなミルク色の肌。
 ほつれ一つない、艶やかな長めの黒髪。
 そして、理知的な雰囲気を感じさせるきりっとした眉と、漆黒の綺麗な瞳。
 まるで人形のような、というのは、こういう女の子のことを言うのだろう。
 そんな彼女に見惚れるたびに、ああ、俺は本当にどうしようもなく彼女が好きに
なってしまったんだなと思い知る。
 一時はもう彼女と会うことが出来ないと諦めただけに、その想いは日増しに強く
なっていく一方だ。
 だが、こういうふうに自分の気持ちを再確認するたびに、心の奥で焦りが生じる。
 それは……。


448 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:01:47 ID:cwClRQVb
「今日も、お世話になります」
 いつの間にか、彼女が俺の傍らに佇んでいた。
 俺のシャツの裾を控え目に握り、下から彼女がこちらを見上げている。
 さっきよりもずっと近い位置で、彼女の瞳が目に入る。さらさらと微風に揺れる
髪の毛から、ふわりとシャンプーの匂いまでもが届いてきたような気がした。
「ああ、うん」
 思わず物思いに耽ってしまっていた頭を現実に引き戻し、俺は頷いた。
 そして、自転車のスタンドを倒してから、あることに気付いた。
「あ、そういえば倉守(くらもり)さんは?」
 倉守さんとは、彼女の家に仕える執事で、彼女の元運転手だ。
 執事然とした白髪の老紳士で、朝、俺が彼女を迎えに来る時はいつも「お嬢様を
よろしくお願い致します」と丁寧に頭を下げてくる。
 半世紀ぐらい年上の人物に敬語を使われ、頭まで下げられる違和感に、俺は一向
に慣れる気がしなく、つい恐縮してしまう毎朝を送っていた。
「今日と明日はお休みです」
「へえ、そうなんだ」
 お休みか。倉守さんの見送りがないなんて初めてだな。
 俺は、珍しいなと思いつつも、特に気にせず自転車に跨がった。
 前カゴからクッションを取り出して荷台に敷き、彼女から受け取った鞄を前カゴ
に入れる。
 ちょこんと、彼女がクッションに横座りになり、俺のバッグのたすき部分を握る。
「じゃ、行くよ」
 後ろで彼女が小さく頷くの確認して、俺はペダルを漕ぎ始めた。


 毎朝、俺が彼女を学校まで自転車で送るようになってから、1ヶ月ほど経ってい
た。
 朝7時15分に迎えに行き、彼女を自転車の後ろに乗せて出発。だいたい、8時
前後には彼女が通う高校に到着する。
 つまり、その間、じつに45分。

 彼女は以前、電車で学校に通っており、その時の所要時間は約20分と言った所
だった。
 自転車に比べて圧倒的に速い電車なのに、所要時間が1/2程度しか違わないの
は、水都線が環状線の為だ。
 大きく弧を描く水都線の路線に比べて、直線的に移動出来る道路のほうが、移動
距離自体はかなり短い。
 しかし、所詮は人力。
 乗っているだけで勝手に目的地に着く電車と違って、自転車は自らの足で動力を
生まなければならない。
 特別、自転車を飛ばしているわけでは無いが、45分もペダルを漕ぐのはそれな
りに疲れる作業だ。
 彼女と再会したとき、思わず「後ろ空いてるけど」なんて言って、自転車で送る
ことになったはいいが、駅で6つ分という彼女の家と彼女が通う学校までの距離を
すっかり失念していた。
 結果、俺はかなり早起きして彼女の家に行き、彼女も電車や車で登校する時より
も早くに起きて、俺の迎えを待つようになった。


449 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:02:45 ID:cwClRQVb
 いつものように、国道を抜け、県道を通り、踏み切りを2つ越え、橋を1つ渡り、
彼女の学校に向かう。
 その間、俺と彼女の間にはほとんど会話が無かった。
 黙々と自転車を漕ぐ男と、無表情で(それこそ姿同様にまるで人形の様に大人し
く)ちょこんと荷台に横座りしている女の子。
 傍から見れば、少し異様に映るかも知れない。
 でも、俺たちにとってはそれが自然だった。
 電車で彼女の吊り革役を努めていた時も、ほとんど会話なんて無かった。
 移動手段が電車から自転車に変わっただけで、そこは変わらない。

 会話が無いなんて、寂しいとか、関係が冷えきっているとか、そんなふうに思わ
れるかもしれない。
 でも、彼女は特におしゃべりが好きなわけでもないようだし、俺もこうやって彼
女と静かな時間を過ごすのが好きだった。
 なにより、たすきがけにしたバッグに感じる彼女の重さが嬉しかった。

 ただ、自転車で45分も走るのは、走っているほうはともかく、荷台に乗ってい
る彼女は少しつらいのではないだろうか?

「後ろ、大丈夫?」
 だいたい10分ほど漕いだ後、俺は決まって彼女にそう問いかける。
 彼女も決まって端的に一言。
「はい」
 実に短い返答だが、彼女は返事のほとんどを「はい」か「いえ」で済ますので、
俺は別に気にしなかった。
「そう。つらくなったら言ってね」
「はい」
 無口で大人しい女の子だが、自己主張をするべき時にはちゃんとする性格だと、
これまでの付き合いでなんとなく理解していた。
 だから毎日確認しなくても、つらくなったら言ってくるだろう。

 でもやっぱり、45分は長過ぎるような気がするのだ。
 そう思うと同時、また心の奥に焦りが生じる。

 そのきっかけは、1週間ほど前。大学の友人たちとの会話だった。

 * * * * *


450 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:03:47 ID:cwClRQVb
「は? 45分も? 自転車で?」
 彼女のこと教えろよー。どういう付き合いしてるんだよー。などとしつこく聞か
れたため、毎日彼女を自転車で送っていると言った所、友人たちに思いっきり呆れ
られてしまった。
「よく文句言わないな、彼女」
「ていうか、文句以前に45分はあり得なくね?」
「無いな。ないない」
「クッションあっても尻痛くなるだろ、常識的に考えて」
 などと口々に非常識だと言われた。
 余りにも寄ってたかって言われたので、「つらく無いか聞いてるし、いつも大丈
夫だって言ってる」と弁解した所、猛反撃を受けた。
「そんなん遠慮してるだけだろ常考」
「内心、呆れてるんじゃないか?」
「お前は何を言っているんだ?」
 う、やっぱり、自転車の荷台に45分も乗せているのは非常識か……。
「だいたい、彼女はお嬢様なんだろ? なんでチャリなんかで送ってるんだよ」
「あー、俺もそれは思った。車で送ってくれる専任の運転手さんがいるんだろ?
なんでわざわざお前のチャリなわけ?」
「それに、45分も掛けて送った後、お前はその足で大学まで来るんだろ? ほと
んど往復じゃねえか」
「つーか、お前ン家を出てから、大学に着くまでトータル何分よ?」
 自宅から彼女の家までは10分ほどで、それから彼女の学校まで45分、そこか
 ら俺が通う大学まで35分ちょい掛かる。つまり……。
「トータル90分かよ!」
「1時間半もチャリ漕ぎっぱなしって……。あり得ねえ!」
「……なあ、もしかしてお前、彼女にからかわれてるんじゃ無いか?」
 そんなわけ無い。からかうなんて、彼女はそんなことはしない。そう反論しよう
とした時だった。

「ていうか、そもそもお前、彼女はちゃんと“彼女”なのか?」
 その一言に、俺は文字通り固まった。
「ちゃんと告白とかしたのか? 話し聞いてる限り、お前からもしてないし、彼女
の方もしてないだろ?」
 呆れたように指摘する友人に、俺は何も言えなかった。
 余程ショックを受けているように見えたのだろう。「いかんなこれは……」「雲
行きが妖しくなってきたな……」などと友人たちが呟いている。ええい、気の毒そ
うに言うな。
「……お前な、今からでも遅く無い。ちゃんと彼女の気持ちを確認しとけ」
「だな。からかわれてるかどうかは別にしても、このままは良く無いぞ」
「あとな、チャリで45分は無いぞ、どう考えても。彼女もその分早起きしなきゃ
ならないんだろ?」
 友人たちの忠告に、俺は無言で頷くしかなかった。

 * * * * *


451 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:04:46 ID:cwClRQVb
 そういったやり取りを自転車を漕ぎながら思い出し、心の中で溜め息を付いた。
 この友人たちとのやり取りは1週間前だが、俺は依然変わらず彼女を自転車で送っ
てるし、彼女の気持ちも確認していない。
 だが、自転車に関しては考えがあるのだ。

 もう少しで大学は夏休みに入る。
 そしたら、車の免許を取ろうと思っている。
 自分専用の車は持っていないし買うことも出来ないが、家には親の車がある。
 親は週末しか車を使わないから、平日は自由に使えるのだ。
 自分の車じゃ無いから格好は付かないが、自転車よりはいいだろう。それに、車
ならば、雨の日も彼女を送って行くことができる。(今は雨の日は倉守さんが送っ
ている)
 免許を取らないといけないので、少し時間はかかるが自転車の方はこれで解決だ。

 しかし、問題は彼女の気持ちの方だ。
 俺自身は、彼女とは文字通り“彼女”のつもりでいたし、自分も彼女もお互いに
好意を伝えている……と思う。
 だが、友人の指摘通り、自分も彼女も決定的な好意……つまり、「好きだ」とい
う言葉は伝えていない。(当然、その先にある、恋人同士がするアレコレなどは欠
片も発生していない)
 その事実に気付かされ、俺は大いに動揺した。

 もしや、付き合っているつもりだったのは、自分の勘違いだったのでは無いか?
 いや、そんなはずはない。好きでも無い男の自転車に乗るような女の子には思え
ないし、ましてやそのために早起きして待っているわけが無い。
 そしてなによりも、彼女は「あなたに掴まっていないと落ち着かない」と言って、
わざわざ俺のことを探していたのだ。
 頭に浮かんだ不安をそうやって消し去ろうとするが、「好きだ」と言っていない、
言われていない事実が消えることは無い。
 掴まっていないと落ち着かないというのも、単純に落ち着かないだけで、好きと
かそういうものでは無いのかも知れない。
 ……不安は、消えるどころか募る一方だった。

 もちろん、彼女の気持ちを確認すれば済む話ではあるのだが……。
「俺たち、付き合ってるんだよね?」
 なんて間の抜けたことを、どの面下げて聞くことができるというのか。
 よしんば聞けたとしても、「え? 私そんなつもりじゃ……」なんて言われたら、
それこそ、もう、どうにでもな〜れ〜と、魔法のステッキを振り回したくなる。
 彼女と再会した直後辺りならば、「好きだ」という気持ちを直接伝えるのも特に
違和感が無かったのかも知れないが、気持ちを確認せずに時間が経ってしまった今
となっては、なかなか言い出せる状況では無くなってしまった。
 結果、彼女の気持ちを確かめることも出来ず、現在に至る。

 俺は、こんなにヘタレだったのか……。
 信号待ちをしながら、俺は自分の情けなさに、思わず溜め息が出た。
「あの」
 唐突に、たすきが軽く引かれ、後ろから彼女が問いかけてきた。
「え? なに?」
「いえ、溜め息を付かれていたので。疲れました?」
「ああ、なんでもないよ。大丈夫」
 変に心配を掛けてしまったようだ。俺は努めて明るく言って、ネガティブな思考
を振り払い、青になった横断歩道を渡るべく、ペダルに力を込めた。


452 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:05:45 ID:cwClRQVb
「今日も、ありがとうございました」
 8時を数分回ったあたりで、彼女の学校に到着した。
 いつものように校門の脇に自転車を停め、前カゴから鞄を取って彼女に渡すと、
彼女がペコリと頭を下げてお礼を言ってきた。
 こうやって彼女を学校まで送るようになって一月ほど経つが、未だに周りの生徒
がチラチラとこちらを見ながら歩き去って行く。
 ここは、名門と言われるお嬢様学校だ。高級車での送り迎えは自然であっても、
ただの自転車(しかも普通のシティサイクルだ)での送り迎えは、かなり不自然な
のだろう。
 彼女を送ることになった当初は、こんな普通の自転車で送られるなんて恥ずかし
いかもしれないなと、校門から離れた場所に下ろそうか? と提案したが、彼女は
それを断った。
 送り始めたばかりの頃は、女子高生に注目されてちょっと恥ずかしかったが、今
ではもう慣れた。諦めたとも言える。まあ、登校するには少し早い時間の為、生徒
の姿がまばらなのが救いだ。
 荷台のクッションを回収し、「それじゃ、勉強頑張ってね」と言ったところで、
彼女に裾を掴まれた。
「あの、今日はアルバイトお休みですよね?」
「ああ、うん。そうだけど?」
「それでは、もしよろしければ、帰りもお願いしていいですか?」
 彼女がいつもの無表情でこちらを見上げ、淡々とお願いしきた。
 ああ、そうか。今日は倉守さんがお休みだから……。
 俺は夕方からバイトを入れていることが多いので、帰りはいつも倉守さんが彼女
を迎えに行くのだ。
 でも今日は倉守さんはお休みなので、帰りの足が無いのだろう。
「うん、いいよ。何時に迎えに来ればいい?」
 そう言うと、彼女は微かに嬉しそうに微笑み、「ありがとうございます」とペコ
リとお辞儀をした。

 * * * * *


453 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:07:13 ID:cwClRQVb
 待ち合わせは、夕方の4時だった。
 5分ぐらい早めに付いたが、彼女はすでに校門で待っていた。
「お待たせ」
「いえ。ありがとうございます」
 彼女に声をかけると、途端に周りから「キャー!」と歓声が上がった。
「わっ、わっ、この人? この人?」
「聞いた聞いた? “お待たせ”だって! キャーー!」
 見れば、彼女の周りに友人らしき女子生徒が数人おり、こちらを見てキャーキャー
言っている。
 な、なんだ……?
 突然のことに身動きが取れないでいると、あっという間にその女子生徒たちに囲
まれた。女子高生に囲まれてキャーキャー言われるという、今までも、そしてこれ
からも無いであろう経験に、思わずたじろぐ。
「ちょ、ちょっとちょっとみんな!」
 彼女の周りにいた女子生徒のなかで、比較的身長の高い女の子が慌てた様子で声
を上げた。
「何してるの、失礼でしょ!?」
 学級委員長のような調子で、俺の周りを囲んでいた女子生徒を引き剥がすと、申
し訳無さそうに眉を下げる。
「す、すみません、突然。この子たちがどうしても貴方が見たいって……」
「あ、ずるーい! みーちゃんだって見たいって言って……いた!」
 騒ぐ女子生徒Aを、みーちゃんと呼ばれた女子生徒B(学級委員長風)が咄嗟に
黙らせた。
 ……なんか手慣れてるな……。と、思わずじっと学級委員長風女子生徒を観察し
てしまう。
 俺の視線に気付くと、委員長は何故か顔を赤らめ、もじもじと口を開いた。
「その、私達と登校してくる時間が合わないから、朝に拝見することが出来なくて、
それで、失礼かとは思いましたが、お迎えにいらっしゃると言うので……。本当に、
すみません」
「ああ、いや、ちょっと驚いただけだから……」
 なるほど、やっぱりこの女子生徒たちは彼女の友人のようだ。その友人たちが何
故、俺を見たがったのか良く分からないが、おそらく自転車で送り迎えしている変
わった人を見るというのが目的なのだろう。
 俺は、ちらりと彼女の方に視線を向けて……うっと喉の奥で呻いた。


454 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:08:16 ID:cwClRQVb
「…………」
 そこには、はっきりと“憮然”と顔に書いてある彼女が黙ってこちらを見上げて
いた。
 おお、レアな表情だな。というか、初めて見たなー。と、ある種の感動を覚えた
が、気のせいか彼女の髪の毛がゆらゆらと陽炎のようにたゆたっているのを見て、
思わず背筋を正した。
「え、えっと、友達?」
 妖気漂う、という表現がぴったりくるような様子の彼女に、俺は取り繕うように
尋ねた。
「はい」
 彼女はいつもよりも強い口調で言って、こちらに歩み寄ると、やはりいつもより
も強い調子で俺のシャツの裾を掴んだ。
「さ、帰りましょう」
 宣言するように言って、荷台に横座りになる。
 何故か猛烈に機嫌が悪そうな彼女に戦きつつ、俺は自転車に跨がった。すると、
いつもはバッグのたすきを握るだけの彼女が、俺の背中に寄り掛かるように密着し
てきた。途端にまた歓声が上がる。
「……どうしたの?」
 彼女の行動に驚いて、肩ごしに振り返ると、彼女は俺の背中に肩をくっつけ、頭
を寄せながら答えた。
「しがみついているだけです」
 当たり前のように言う彼女の様子に、また女子生徒たちがキャーキャーと歓声を
上げている。
 突然のスキンシップに戸惑いながらも、なんだかあまり深く追求しない方が良さ
そうに感じて、俺はそのまま自転車を漕ぎ始めた。

 * * * * *


455 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:09:17 ID:cwClRQVb
「あの、今日はこれからお時間ありますか?」
 彼女は家に着くなり、そう切り出してきた。
「時間? あるけど?」
「よかったら、上がって行って下さい」
 自転車から降りても俺のシャツの裾を掴んだままの状態で、彼女が淡々と続ける。
「今日は、誰も家に居ませんから」
 そのセリフに、一瞬身体が強張った。
「あー、そうなんだ? どうしようかな……」
「何か、予定でもあるんですか?」
「いや、そういう訳じゃないんだけど、誰もいないのに、勝手に上がっていいかな
あと思って」
 躊躇していると、彼女がいつになくきつくシャツの裾を引き、
「構いません」
 と、ぐいぐい引っ張ってくる。
「ちょ、ちょ、放して、伸びるから」
 いつになく積極的、というか強引な彼女に戸惑う。
 まるで、遊んで遊んでとズボンを噛んで引っ張る子犬のようだ。
 彼女をなだめると、むーっと不満げな表情で見上げてきた。
 ……さっきといい、今といい、こんなに表情を露にするのは珍しいな……。
 彼女のレアなアクションに、思わずまじまじと観察してしまう。
「どうしても、家に上がって頂けないのですか?」
 しっかとシャツの裾を掴んだまま、彼女が言ってくる。
「どうしてもってわけじゃないけど、お家の人が居ないのにお邪魔するのはちょっ
とアレかなあって。今度、ご両親なり倉守さんなりが居る時にお邪魔させてもらう
よ」
 誰も居ないのに女の子の家に上がりこむのは、なんとなく憚られた。何度もお邪
魔しているのなら話は別だろうが、俺はまだ彼女の家の門をくぐったことがなかっ
た。
 それに、彼女はお嬢様だ。そんなお家にどこの馬の骨とも知れない俺が何の連絡
も無しに上がりこむのは非常識、とまでは行かないかもしれないが、好ましくはな
いだろう。
 そう思ったが、彼女はいつになく強硬な態度を示してきた。
「両親に会って頂けるのは嬉しいですが、私が私の家に私のお客さまとして招待す
るのですから、何の問題もありません」
 彼女はシャツをしっかりと握り、強い意志を宿した瞳でこちらを見上げている。
「……」
 普段無口な彼女がこうやって自己主張するのは珍しい。つまりそれだけ俺に家に
上がって欲しいのだろう。そこまでお願いされているのに断るのは、逆に失礼かも
しれない。
「うん、じゃあ、お邪魔するよ」
 そう言うと、彼女は「よかった」と微かに微笑み、相変わらず俺のシャツの裾を
掴んだままの状態で歩きだした。

 * * * * *


456 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:10:17 ID:cwClRQVb
 彼女の部屋は、さすがお嬢様といった感じの造りだった。
 何畳あるのか分からないけど、俺の部屋(7畳)の3倍くらいの広さに感じた。
 こういうのを「モダンな」と言うのだろうか。テレビとかでしか見たことが無い
ような、木が中心の落ち着いた雰囲気の洋室だ。
 ドラマのセットみたいだなあ、というのが第一印象だった。
 淡いベージュのラグが部屋の中央に敷かれており、シンプルだけど素人目にも高
価だと分かるローテーブルが置いてある。
 部屋の隅には、これまた高そうな木製の机。そして壁には幅広の本棚。
 雑誌やテレビなど、生活の匂いがするものは置いてなく、ともすれば殺風景だと
感じてしまいそうになる部屋だが、窓際や壁際などに置かれた観葉植物がそれを拭
い去っていた。
 物が少なく、広々としているが、決して寒々しいわけではなく、彼女の性格が現
れているかのような、ゆったりとした居心地の良い雰囲気を俺は感じていた。

「お待たせしました」
 小市民よろしく物珍しく彼女の部屋を眺めていると、彼女がお茶を持ってきてく
れた。
 シンプルな白磁器のポットとティーカップ。クッキーのようなお菓子に、ポット
やティーカップとお揃いの小さな器に入ったバターやジャム。
 よく知らないが、いわゆるアフタヌーンティーとかクリームティーとか言われる
ものかもしれない。とすれば、このクッキーのようなお菓子はスコーンというもの
だろう。
 なんか本格的だなあ、と、少し恐縮してしまう。
「なんか悪いね。お茶までよばれて」
「いえ」
 彼女がポットからカップに紅茶を注ぎ、紅茶特有の良い香りが部屋に満ちる。
「どうぞ」
「ありがとう」
 彼女は慣れた手付きでカップとお菓子を並べると、俺の隣に腰を下ろした。
 折角煎れてくれたので、温かいうちに頂くことにする。
「頂きます」
 程よい温度の紅茶が、するりと口内に滑り込む。
 雑な渋みが一切なく、ほんのり甘い。
「お口に合えば良いのですが」
 紅茶なんて安物のティーバッグでしか飲んだことがない俺には、それは杞憂だと
言える。
「……美味しい。すごく」
「良かった」
 感想を言うと、彼女は微かに微笑み、カップを口に運んだ。


457 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:11:15 ID:cwClRQVb
 二人で静かにお茶を飲んで、お菓子に手を伸ばす。
 ほとんど言葉を交わさず、俺たちはティータイムを過ごした。
 それは、決して重苦しい雰囲気ではなく、ちょっと早めに目が覚めた休日の朝の
ような、とても穏やかな空気だった。
 まるで時間が止まったかのような、この部屋だけ世界から切り離れているような、
実にゆったりとした時間が流れているのを感じる。

 俺は、初めて来た彼女の部屋なのに、居心地の悪さをまるで感じていないことに
気が付いた。
 彼女はどうだろうか? 彼女も俺と同じように、この時間を心地よく感じてくれ
ているだろうか?
 ふと気になり、隣にいる彼女を見て、気付いた。
 いつの間にか、彼女の小さな手が、俺のシャツの肘あたりを軽く掴んでいた。
「…………」
 一体いつの間に、と、彼女に掴まれている辺りを呆然と見ると、彼女が不思議そ
うにこちらを見上げてきた。
「気付かなかったよ。いつの間に掴んでたの?」
 一瞬彼女はきょとんとし、掴んでいる手を確認して、また見上げてくる。
「分かりません。たぶん、お茶を飲み始めたころだと思います。無意識に掴んでい
たみたいです」
 その答えに思わず苦笑した。彼女はよく俺の裾なり袖なりを掴むが、それが無意
識の領域まで到達しているとは。
「ご迷惑でした?」
 苦笑の理由を勘違いさせてしまったようだ。彼女が心なしか悲しそうに眉を下げ
ている。
「いやいや、迷惑じゃないよ」
「良かった。ではこのままで居させてください」
 取り繕うと、彼女はほんの少し俺に近寄り、シャツを掴み直した。
 シャツを彼女に掴まれている感覚が、何故か心地よい。無意識でシャツを掴んで
いたという彼女の言葉が、俺は無性に嬉しかった。


458 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:12:16 ID:cwClRQVb
 そのまま静かに時が流れ、2杯目のお茶がカップの底をつきそうになったころ、
なんとなく、
「いい部屋だね」
 今さらとも言える感想が、ぽつりと口から出た。
 言ってから、本当に今さらだなと気付き、気恥ずかしさを誤魔化すように付け足
した。
「女の子の部屋に入ったの、初めてだよ」
「私も、男の人を部屋に呼んだのは初めてです」
 その言葉は、淡々としながらも嬉しそうな響きを含んでいるように聞こえた。
「それは光栄だなあ」
 冗談めかして言うと、彼女も、
「私も、あなたが初めて部屋に入った女の子になれて、光栄です」
 と返してきた。
 彼女の方を見ると、なんとなく目が合い、そのまま微笑み合った。
 穏やかな空気が、俺と彼女を包んだ。彼女とこうしてゆっくり過ごすのが、とて
も居心地が良く、楽しい。
 そうだ、と、あることに思い当たり、彼女に言ってみることにした。
「今度さ、俺、車の免許を取ろうと思ってるんだ」
 夏休みになってからだけどね。と付け足す。
「そうなんですか?」
「うん。そしたらさ、朝も車で送って行けるよ」
 まだ実現していないことだが、俺はなんとなく得意になって続けた。
「自転車じゃ、後ろに乗ってるのも大変でしょ? 45分もかかるし、朝も早く起
きなきゃならないし」
 まあ、自転車で送るって言い出した俺が言うことじゃないけどさ。と苦笑。
「ほら、車だったら10分か15分ぐらいで学校まで送れるし、乗り心地も自転車
に比べたらずっと……」
「私を送るため、ですか?」
 俺のセリフを、彼女が遮った。少し驚いたようにこちらを見上げている。
「うん。もちろん」
 当然それが目的なのだが、改めて宣言すると、ちょっと恥ずかしい。
 しかし、彼女は意外な反応を示した。
「私は、自転車の方が良いです」
「え? どうして?」
「車ですと、あなたに掴まることが出来ません」
「え? そういう理由?」
「はい」
 きっぱりと、彼女が頷いた。
「いや、でも……自転車はつらくない?」
「いえ」
 またきっぱりと、彼女が首を振る。
「あ、ああ……そう……」
 彼女の為に、自分なりに考えてた計画だっただけに、少し気が抜けてしまった。
 なんとなく気落ちして口をつぐんでいると、彼女が身体ごとこちらに向き直って
口を開いた。
「私は、本当は、あなたと二人で歩いて登校したいんです」
「あ、歩き?」
 思わず声が上ずった。


459 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:13:17 ID:cwClRQVb
 歩きって……。予想外のセリフに、言葉が出ない。
「学校が徒歩で通える距離ではないのは分かってます。ただ」
 一旦言葉を切ると、彼女は俺のシャツを確かめるように掴み直し、
「私は、あなたにずっと掴まっていたいんです」
 淡々と、真直ぐにこちらを見上げ、続ける。
「私のために車を用意して頂けるのは嬉しいです。でも、私は少しでも長く、あな
たに掴まっていたいんです」
 彼女は俺のシャツを両手で掴み、さらに続ける。
「本当は、帰りも毎日あなたに自転車で送って欲しいんです。あなたに掴まってい
ると、とても落ち着くんです。本当は今日、帰りは電車で帰るつもりでした。でも
アルバイトがお休みなのは聞いていましたし、どうしても送って欲しくて」
 淡々とした口調だが、まるで堰を切ったように彼女は止まらない。
「朝も帰りもあなたに掴まることが出来て、今日はとても幸せでした。だから、もっ
と掴んでいたくて、もっとあなたを傍に感じていたくて、お部屋に招待したんです」
 なるほど、だからあんなに強固に家に上げたがったのか。
「こんなに楽しいお茶会は初めてです。あなたと隣合って、あなたを傍に感じて」
 一呼吸おいて、続ける。
「もっと、あなたに傍にいて欲しくて、ずっと、あなたの隣に居たくて。……あな
たが、恋しくて。もう、離れたくないんです」
 ……なんか、すごいことを言われているような気がする。というか、再会した時
もそうだったけど、彼女は急に饒舌になる癖があるようだ。
「……意外に、わがままなんだね?」
 なんと言っていいのか分からず、そんな言葉が出てきた。
「そうかもしれません。でも、あなたを放したくないんです。あなたから離れたく
ないんです。ずっと、これからもずっと、一生、あなたと一緒に居たいんです」
 あまりの予想外の展開に、俺は頭がクラクラしてきた。
 しかし、回らない頭の中で漫然と思った。
 あの言葉、「好きだ」という言葉を伝えるのは、今しかないのではないだろうか?
 天啓にも思えたそのひらめきを、俺は口にしていた。


460 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:14:15 ID:cwClRQVb
「好きだ」
 一旦口にすると、止まらなかった。
「好きだ。大好きだ。俺もずっと一緒に居たい。明日から二人で歩いて学校に行こ
う。たぶん、すごく疲れるけど。休み休みで。その方が長く居られるし」
 俺の言葉に、彼女はこちらを見上げてぽかんとしている。あ、この表情も初めて
見たな。と、俺はどこか冷静に観察しつつも、口は止まらなかった。
「朝何時ぐらいに出ればいいかな? 学校に着くまで何時間かかるだろう? 2時
間? 3時間? いや、もっとかな……?」
「あ、あのっ」
 たまらず、と言った感じで、彼女が声を上げた。
「なに?」
「もう一度、言って下さい」
「え? 3時間って所?」
「いえ、最初の言葉です」
「好きだ。大好きだ」
「ああっ……!」
 ぱったりと、彼女がラグの上に横倒しになった。
「わ、私も……」
 しばらくそのままでいたかと思うと、俺のシャツにしがみつくように上体を起こ
し、今度は俺に寄り掛かるようにして見上げてくる。
 ふわりと軽い、彼女の体重を感じる。
 温かい紅茶を飲んだせいか、彼女の温かな体温がシャツ越しに伝わってきた。
 俺の胸に寄り添うようにして真直ぐ見上げ、至近距離で映るその瞳は、今までで
一番綺麗に見えて、俺は目が離せなかった。
「私も、好きです。大好きです」
 いつものように淡々と言いながら、彼女の瞳が徐々に近付いてくる。
「好き。好き。あなたが好き。大好き」
 視界が彼女の顔で一杯になる。彼女の瞳に吸い込まれるかのように、俺も彼女に
近付いて行った。
「好き。好き。好き。好き」
 囁くように言う彼女のセリフが、吐息となって俺の顔にかかる。
「好き。好き。す、き……んっ」
 彼女の声が聞こえなくなった変わりに、唇に柔からな感触が生まれた。

 * * * * *


461 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:15:17 ID:cwClRQVb
 完全に思考が復活した時、俺は彼女に組み伏せられていた。
 何もよりによって、こんな時に復活しなくても良いだろうに。どうせなら、ずっ
と忘我状態でいたかった。
 確か、何回かキスをした後、「隣の部屋が私の寝室なので……」と、袖を引かれ
るがままに案内され、天蓋付きのベッドがある部屋に移動した。
 ベッドに二人で腰を掛け、キスをしたと同時に彼女に押し倒され、そのショック
で思考が回復し、現在に至る。
「はあ……はあ……」
 俺に覆い被さるような形で、彼女が見下ろしている。
 垂れ下がった艶やかな黒髪と、荒い息が頬をくすぐる。
 綺麗な漆黒の瞳は潤み、俺は思考が完全に正常になっているのにも関わらず、そ
の瞳から目を離すことが出来なかった。
「好きです。大好き」
 熱に浮かされたように、彼女が囁く。
「あなたを掴んでいたい。あなたとくっつきたい。あなたと抱き合いたい。……あ
なたと、繋がりたいです」
 つ、繋がりたいって……。
 なんだかとんでもないワードが聞こえてきた。
 こちらがショックで動けないのをいいことに、彼女は仰向けになった俺の腰に馬
乗りになった。
 これは、騎乗位ってやつでは……。
 お互いちゃんと服は着ているが、腰に馬乗りにされた状態は、まさしく騎乗位だっ
た。
 それに気付くと同時、彼女が腰をもじもじさせ始めた。
「う、うわっ」
 ズボン越しに感じる彼女の下腹部の感触に、思わず声が出る。
 彼女はふうふうと息を荒げながら、俺の下腹部に自分の下腹部をこすりつけるよ
うにぎこちなく腰をくねらせている。
 艶やかな長い黒髪の毛先を躍らせ、ミルクのように白い肌はほのかに色付き、桜
色の唇からは、荒い呼吸に合わせて熱い吐息が漏れている。
 小さくて、華奢で、大人しくて、人形のように可愛くて。清楚さを感じさせる制
服に身を包んだ、そんな彼女が、こんな淫らな行為に耽っている。
 俺は彼女の豹変に驚くと同時に、耐え難いほどの興奮を覚えた。
 物静かで、常に淡々とした彼女が「繋がりたい」などと口走り、こんな直情的な
行動に出ているのだ。
 彼女の荒い息に当てられたかのように、自然と俺の息も荒くなった。激しい興奮
に喉の奥がひりつき、股間が急速に熱を持っていくのが分かる。
「エッチすぎだよ……」
「自分でも、はあ……、驚いてます」
 口調はいつものように淡々としているが、荒い息で言葉は途切れ途切れだ。
「好き。好きなんです。とても。大好きなんです」
 無表情で平坦に、彼女が言葉を紡ぐ。
「あなたが好き。大好き。だから、エッチ、したいです」
 情熱的な言葉とは裏腹に、表情や口調は感情を感じさせない。だが、彼女の心情
は、彼女の瞳が雄弁に語っていた。
 綺麗な漆黒の瞳は妖しく潤み、その奥で情火が燃え盛っている。
 今にも爆発しそうな情欲を瞳の内に湛え、彼女は瞬き一つせずこちらを見つめ続
けている。
「あなたが欲しい。エッチしたい。繋がりたい」
 それは、彼女が実際に発した言葉だったのか、それとも無言の彼女の瞳から読み
取れた内心だったのか、俺にはもう分からなかった。
 ただ1つ確実なのは、彼女はもう完全に欲情していて、自分を求めているという
こと。
 俺は、弾かれたように上体を起こして彼女を抱き締め、唇を貪った。


462 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:16:16 ID:cwClRQVb
「ん、ん、んぅ……ん」
 ぴったりと唇を重ね、貪るようにキス。熱い吐息とくぐもった声が隙間から漏れ、
俺の頬をくすぐり、脳を溶かす。
「ふぅ、んっ……んぅ」
 目の前に見える彼女の白い肌が、朱に染まっていく。つるつるでぷにぷにした唇
の感触が気持ち良く、上唇や下唇を吸うようについばむ。
「ん、はぁ……、ん、ん、ん」
 ちゅっちゅと唇を吸いあい、お互いのだ液で唇がぬらぬらと光る。
 彼女は俺の腕の中にすっぽりと収まって、少し首を上に向けて俺の唇を味わって
いる。俺は少し首を下げて、上から彼女の唇を貪る。
「んっ、んっ、んっ、んっ」
 いつしか、お互い舌を出し合って絡め合っていた。
 唇を離してチロチロとお互いの舌先を絡めたり、噛み付くようにお互いの口を唇
ごと絡め合ったり、ぴったりと唇を合わせお互いの口の中で舌を絡め合ったり……。
 どれくらい絡め合っていたのか、気が付けばお互い顎まで涎で濡れていた。

 一旦、唇を離し、はぁはぁと荒く息を付く。お互いの唇や顎がだ液の糸で結ばれ
ている。
 至近距離で見つめ合う。彼女の濡れた瞳は劣情を隠そうとはせず、俺は背筋がぞ
くぞくするほど興奮した。
「私、もう、繋がりたいです」
 淫らに濡れた瞳が、そう伝えていた。
「……うん」
 頷くと、彼女はより一層瞳を潤ませ、情欲一色に染まって行く。
 対面座位のような形で寄り添ったまま、彼女は腰を浮かしてスカートの中に手を
差し入れ、スルスルとショーツを下ろして行く。
 その間もずっと俺の目を見つめ続け、その完全に情欲に塗れた瞳に、俺の劣情も
増大されていった。
 俺も震える手でベルトを緩め、ジッパーを下ろす。呆れるくらい勃起したペニス
は、外気に触れただけでビクビクと震えた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
 今まで以上に荒い息を付きながら、彼女が俺の目とペニスを交互に見る。
「繋がりたい。繋がりたい。あなたと繋がりたい」
 情欲に染まった瞳が、彼女がそう思っていると教えてくれる。興奮のせいか、細
い腰をもじもじと動かし、制服のスカートが揺れている。
「……スカート、捲って見せて」
 今すぐ彼女を押し倒して挿れてしまいたい欲求を、なんとか抑えた。
 俺のお願いに、彼女は一瞬驚いたようだが、スカートの前を両手で掴み、捲って
いった。
 彼女のほっそりとした太ももが徐々に露になっていく。スカートが上に捲られて
いく光景に、俺は頭がおかしくなりそうな興奮を覚えた。
 ついに彼女はスカートを胸の前まで捲り上げ、下腹部が外気に晒される。


463 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:17:22 ID:cwClRQVb
 雪のように白い肌はうっすらと桜色に染まり、秘所から溢れ出た愛液で内ももが
光っている。
 恥ずかしさのせいか、それとも興奮のせいか、その両方か、彼女が細い腰をもじ
もじとさせている。
 腰が艶かしく揺れる度に、溢れる愛液が秘裂から漏れ、糸を引いてシーツに落ち
る。
「あの、私、もう」
 あまりのいやらしさに彼女の下腹部を凝視していると、彼女が切羽詰まった声を
上げてきた。
 見ると、彼女の瞳は泣き出しそうに震えている。はぁはぁと荒い息で肩が上下し、
切なげに眉を寄せて、こちらを見上げている。
 その様子に、ぞくりと背中が震え、ペニスも更に硬度を増した気がした。
「……うん。俺も、もう限界。したい」
 そのまま、対面座位の形で彼女が腰を下ろして行く。俺も、彼女の腰を掴んで誘
導する。
 はぁはぁと荒い息を付きながら、彼女は捲ったスカートを左手で胸に抱えるよう
に固定し、右手で自らの秘部に指を這わせる。
 人指し指と中指で秘裂を開くと、こぽりと愛液が溢れ、俺のペニスに落ちた。
 俺は愛液の熱さに驚くと同時に、自分のものが溢れ出る愛液にコーティングされ
ていく様子に例えようがない興奮を覚え、喉が熱くひりついた。
「んっ……」
 俺の先端と、彼女のが接触した。その柔らかさにペニスがビクンと震え、彼女も
腰を震わせた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
 あてがった状態で彼女と見つめあう。
 ……いい? ……はい。
 確認は一瞬、彼女の腰が沈んで行った。
「はっ、あっ、あっ……」
 ほっそりとした腰の中に、俺のガチガチにいきり立ったものが飲み込まれて行く。
「あっ、あ、ああ……んんっ!」
 途中の抵抗を突き破ったところで、彼女が身体を震わせた。
「大丈夫?」
「ん、は、はい」


464 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:18:19 ID:cwClRQVb
 言葉とは裏腹に、彼女は辛そうに眉をしかめ、身体を震わせている。
 正直、初めての女性器への挿入に、俺の頭はどうにかなりそうだった。
 まだ亀頭部分しか入っていないが、彼女のナカは熱くて柔らかくて、おまけに不
規則に収縮して亀頭を刺激してくるのだ。
 小さな彼女のナカに自分のものを全部めり込ませ、がむしゃらに腰を振りたい衝
動を奥歯を噛み締めて耐える。
「ゆっくり、ゆっくりやろう?」
 震える彼女の背中に手を回し、出来るだけ優しく抱き締めた。俺の肩口で彼女が
小さく頷く。 
 どれくらい経ったか。
「もう、平気です」
 そう言って、彼女は再び腰を沈め始めた。
 たぶん、1分にも満たないと思うが、状況が状況だけにひどく長く感じた。
 ずぶずぶと己のものが彼女の飲み込まれていき、
「んっ、んっ……はぁ……っ!」
 彼女のナカを、俺の剛直が満たした。
 小さな彼女には全部入らず、根元の部分が余っている。
 しかし彼女のナカは想像以上に気持ち良く、まだ動いていないのに射精感が込み
上げてきた。
 本能のままに腰を振って、もっと気持ち良くなりたい衝動に駆られたが、彼女が
落ち着くのを待った

 彼女は未だびくびく震えながらも、俺の首に手を絡めてきた。
「うれしいです。私たち、繋がってます」
 そう言って、桜色に染まった顔を蕩けさせる。
「……うん。すごい気持ちいい」
「私も、お腹の奥がじんじんします」
 お互い荒い息を付きながら、見つめあって、また確認。
 俺たちは同時に、ゆっくりと試すように腰を動かし始めた。


465 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:19:24 ID:cwClRQVb
「はッ、はッ、はッ、はッ、はッ」
 対面座位の形で俺に跨がった彼女が、腰を上下に動かす。
 その度にぐちぐちと結合部から粘着質の水音が響き、彼女の吐息が漏れる。
 密着し、彼女が腰を振る。俺もベッドの反発を利用して下から突き上げる。
 そうしながらも、俺たちは見つめあったまま、一瞬たりとも目を離さなかった。
「は、ふッ、ふ、ん、はッ、あ、あッ」
 吐息のように、彼女が喘ぐ。
 彼女の瞳が、徐々に快楽に満ちて行くのが手に取るように分かった。
「んッ、ふッ、ふぅ、あッ、はッ」
 ぎこちなかった腰の動きがスムーズになって行き、吐息にも甘い響きが混じって
行く。
「あッ、あッ、あッ、あッ、あッ」
 見つめあう彼女の瞳が、とろんと蕩けて行く。半開きになった唇の端から涎が垂
れ、吐息も甲高くなっていった。
 そんな彼女の様子と、とろとろになりながらもきつく締まる膣内に、俺は射精感
を歯を食いしばって堪えていた。

 今や、彼女の動きはガクガクと腰を前後にくねらせるようになり、綺麗な漆黒の
瞳は、快楽に翻弄されてとろんと潤んでいる。
「気持ちいい。気持ちいい。ああ、すごい気持ちいいです」
 見つめあった瞳が、俺にそう訴えてくる。
 腰をはしたなくくねらせ、俺のペニスで膣内を擦り、圧迫し、彼女はがむしゃら
に気持ち良くなろうとしている。
「はッ、ふッ、ん、は、あッ、はッ」
 喘ぎは相変らず吐息のようだが、彼女の表情は快楽一色に染まったかのように蕩
け、だらしなく開いた唇からも涎が駄々漏れだ。
 快感に包まれ、表情を蕩けさせ、はしたなく腰を振り、彼女は自分がいかに興奮
しているかを伝えてくる。それは、特に、瞳が雄弁だった。
 綺麗な瞳を膜がかかったかのようにとろんとさせ、こちらを見上げている。
 その肉欲と情欲と快楽に染まった瞳は、
「ああ……気持ちいい……! 気持ちいいです……」
 と囁いているかのように、俺に心情を正確に伝えてくる。
 たまらなくなって、俺は彼女の腰を掴んで思いきり突き上げ始めた。
「はッ、あッ、んッ! あッ! あッ! あッ!」
 途端に、彼女の喘ぎに変化が現れた。
 吐息の中にも一際甲高い部分が現れ、語尾にハートマークが付いているような、
甘い響きが混じる。
 頭の中が快感で満ちているかのように、蕩けた笑みを浮かべて俺にしがみつく。
 そして、快楽に陶酔しきった瞳は、
「すきッ! すきッ! すきッ! すきぃッ!」
「ああきもちいいです! おく、おなかのおく、とけちゃう、ああああっ」
「ああ、だめ、わたしもう、きもちよくて、ああもう、あああ……!」
 そんな風に、もうどうしようもないくらい気持ち良くなっている様子を、一度に
伝えてくる。
 そんなに訴えられては、もう、俺もどうにかなってしまう。


466 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:20:26 ID:cwClRQVb
 口以上に物を言う彼女の瞳に、俺は激しく劣情をそそられ、彼女に腰ごとめり込
ませるかのように、とにかくがむしゃらに突き上げるように腰を振り始めた。
「ああッ! ああッ! ああッ! ああッ!」
 お互いの腰が、おもらしをしたかのように彼女の愛液で濡れ、膣内は粘度の高い
愛液でぐちゃぐちゃと泡立つ。
「ああッ! だめ、だめですもう、ああッ! ああーッ! わたし、もう」
「あ、やあ! だめだめきもちぃもうあああ、わたし、わたし、ああああ!」
「あああ、イッ、やあッ! だめイッ……ク、イッちゃう、ああイクッ!」
 最早、それらが彼女の言葉なのか、それとも瞳が訴えてきてることなのか、俺は
判断出来なかった。
 彼女と身も心も溶け合うような感覚を覚え、彼女の声を耳で聞いているのか、心
で直接感じているのか、そのボーダーラインが曖昧になっていた。

 激しく身体を求めあいながらも、視線は常に合わせたままで、俺たちは絡み合う。
「すきッ! すきッ! すきッ! すきッ! すきッ!」
「俺も、好きだ……ッ」
「あッ! あッ! イクッ! わたしだめイッちゃう! あああイクぅッ!」
「うッ! くうッ!」
 腰が弾けるほどの快感が、脊髄を駆け巡った。
 彼女の細い腰の中で、俺のものが暴れる。
「イッ………あああああーーーーーーーッ!!」
 直後に、彼女が仰け反った。
 二人して身体をガクガクと痙攣させ、弾け飛びそうな快感にきつく抱き締めあっ
て耐える。
「はっ、あっ、ふあぁ……」
 俺の肩口で、彼女が声を震わせる。
 絶頂の残滓が未だ身体を彷徨っているらしく、時折身体を可愛らしく痙攣させて
いる。痙攣に合わせ、繋がったままの肉棒が、膣壁で吸い込まれるように刺激される。
 身体の震えが止まるまで、俺たちは繋がったまま抱き締めあった。

 * * * * *


467 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:21:21 ID:cwClRQVb
 いつも通り、朝の7時15分。俺は正門の前に自転車を滑り込ませた。
 大きな門の前に佇む少女が、いつものように無表情でペコリと頭を下げてくる。
「おはようございます」
「うん、おはよ」
 挨拶を交わして、俺はいつものように前カゴからクッションを取り出し、荷台に
敷いた。
 その様子を見ていた彼女が、不思議そうに首を傾げた。
「今日から、歩きじゃないんですか?」
「え!?」
「昨日、歩いて行こうって言ってくれましたよね?」
「え、いや、でも」
 確かに昨日言ったけど、あれは勢い余って口走ってしまったというか。
 というか、彼女はあれを本気にしていたのか?
 思わず慌てかけるが、彼女は無表情のまま、
「冗談です」
 しれっと言って、クッションに横座りになる。
 彼女が冗談なんて言うとは思わなかった。思わず呆然と後ろの彼女を見つめてし
まう。
 その視線をさらりと受け流して、彼女が平坦に告げた。
「どちらにしても、今日は自転車は少しつらいかもしれません」
「え? どうして?」
 今まで1ヶ月以上も平気だったのに、何かあったのだろうか?
 俺の疑問に、彼女が端的に一言で答えた。
「腰がちょっと」
「あー……」
「まだお腹に違和感があります」
 言いながら、彼女がヘソの下あたりをさする。
 その理由は言う間でもなく、昨日の情事の影響だ。
「ご、ごめん。その、大丈夫?」
「はい。ただ……」
「ただ、なに?」
 先を促すと、彼女は微笑んで答えた。
「振動があると響くので、今日はいつもよりしっかりと掴まらせて頂きます」
 そして、彼女は幸せそうに俺の背中にしがみついた。

終わり


468 :-無口系素直クール その2- :2008/05/28(水) 06:22:19 ID:cwClRQVb
以上です。
楽しんで頂けたら幸いです。

久しぶりの投下で、緊張のせいか
最初の方、sage忘れてしました。
失礼しました。


469 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 06:26:08 ID:zYrBYdi1
リアルタイムで読んだ
嫉妬で憮然とする女の子が可愛いぞ
さては案外もてるな主人公

とにかくGJ

470 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 06:43:07 ID:Mtwip2gD
>>468
吊り革キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
待ってたよ、GJ!

やっぱり無口な娘は饒舌になるシーンが無いと萌えないと再認識したw

471 :314:2008/05/28(水) 08:12:16 ID:dwQKURl1
眼が熱く前が霞みます・・・

神よ、信じていて良いのですね!

GJ !!

472 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 09:12:55 ID:o1dAdR0T
>>468
お久しぶりでしたなあ。
相変わらず色々ツボなSSを書きなさる。
GJ

473 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 12:26:50 ID:gCMj5jev
保管庫で前の分を読んでから今回分読んだよ、GJでした
糖分もかなり高いですなw

474 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 14:34:18 ID:eb/JEMZe
俺ももう一度前回分から読んだ。この女の子の良さは異常
GJ

475 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 17:13:14 ID:pJ4pvOgC
>>468
GJ! あなたは最高だ!

476 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 17:47:44 ID:dD3pjwpN
いい言葉だよなあ。

477 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 18:18:27 ID:VRSXu3O/
中学以来10ン年は毎日電車に乗ってるが
出会いの欠片も兆しも無い俺はどうすれば(;^ω^)

478 :名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 19:06:50 ID:4jHvDQb7
むしろ電車なんかで出会いなんてないだろ常考

479 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 02:13:33 ID:eNJk6CvL
>>468
乙!

480 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 02:21:38 ID:iZW4DybF
>>477
10ン年ぶりに電車以外で会社に行く→運悪く事故に遭う(軽症ですむ程度の交通事故)
→運転手(女性)「すみません!」→とりあえず連絡先GET!→エロゲ的展開
重症を負ったり、運転手が男だった場合は知らん。
ここまで書いて素直クール要素がないことに気づいたorz・・・・・・うん、運転手の女性は素直クールだってことで

481 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 16:55:13 ID:zVExW7ah
>>468
……ずっと、ずっと続きを待ってたんだ……
貴方に、あらんかぎりのGJを!

482 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 20:10:44 ID:YDanIHwR
>>468GJ!!久々にオリキャラSSでガッツリおっきした!
>>480いや、ここは轢かれたところに駆け付けた緊急救命士が素直クールでな
痛いと訴えると
「痛覚は正常、意識も清明。良いことだ」
デートに誘うと
「…………………………。あ、ああ。よかろう。ただし、私は…その、女らしくないぞ?」
正式に交際を申し込むと
「……。私も好き、だ」
と抱きしめてくる。
ここでポイントなのは好きだとはっきりは言うものの、言ってから少し恥ずかしくなってほっぺを赤くして、
しかし取りつくろったり言い直したり、まして好きだと言わなくなったりしないところだ。

483 :名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 22:18:58 ID:F8t8U/bl
いいから書け。話はそれからだ

484 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 07:34:17 ID:WfE7xCOZ
保守しておこうか

485 :名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 23:26:44 ID:Va8KxeSk
>>468に5000乙(魚住@スラムダンクの形相で)

486 :保守出張ネタ:2008/06/03(火) 21:48:25 ID:bDztVDI9
「久しぶりだな、士郎。仕事はどうだった?」
「よう、知恵。元気そうで何よりだ。まぁ、こっちはぼちぼちだな」
「今回はどこへ? 前は確かアメリカだったか」
「惜しい、今度はアフリカだ」
「最初と最後だけしか合っておらんな」
「残念賞って所だな」
「しかし大変だな、ルポライターと言う職も」
「ま、俺自身はあっちこっち行くのは好きだから苦にならないし、いいんだが」
「士郎は変わらんな、昔から」
「そうでもないぜ? 旅自体はいいが、こうして可愛い恋人を日本に残してる事は心苦しく思ってるんだぜ?」
「うむ、そうでなくてはな。では、日本にいる間くらい、存分に甘えさせていただこう」
「お手柔らかによろしくな。で、そっちこそどうなんだ? ちゃんと先生やれてっか?」
「うむ、まぁなんとかこなしているが、むしろこちらが教えられる毎日だな。たいそう興味深い日々だよ」
「お前らしいな」
「お互いにな」
「でもよ、新任の先生が、若くて知的なクールビューティと来た日にゃ生徒も大騒ぎだろう」
「さらりと歯の浮く台詞を織り込むお前の手管も変わらんな」
「嫌かい?」
「いいや、心地よい。……まぁ確かに、初日などは定番の洗礼を受けたものさ」
「定番の洗礼って言うと……あれか?」
「そう、あれだ。恋人の有無や下着の色、スリーサイズなどを聞かれたよ」
「……色気づき始めたガキの言うことはいつも変わらねぇな。それでお前どうした?」
「懇切丁寧に詳細に回答したが」
「……いや、なんとなく予想はしてたけどな」
「どうした? 顔が妙だぞ」
「表情が妙と言え」
「冗談だ。顔はいつもとおりに私好みの二枚目だから安心しろ」
「そりゃどうも。それでそのガキどうした? 喜んでたか?」
「それがな、なにやら引いていたようだったな。知りたい情報を知りえたと言うのに、おかしな奴だ」
「おかしいのはお前の方だ、ってツッコミも久しぶりだな」
「ああ、出会った頃を思い出す」
「そこで嬉しそうにされるのも、こっちも複雑な心境だが」
「そうか? それでな、この話には少々続きがあってな」
「ほう?」
「そのような質問を私にすると言うことは、つまり異性として交際を望んでいるという事だろう?」
「まぁ、そう取れなくもないわな」
「だったら当然、こちらからも相手の情報を知る必要があるだろう?」
「……お前、その場でそいつを質問攻めにしたんじゃないだろうな?」
「まさか」
「そうか安心した……とは言わねぇ。実際どうしたか聞くまでは絶対に油断しねぇ」
「もちろんその場で身長体重年齢趣味特技経歴家族構成将来設計を確認した上で、彼の周囲の人間に対して
一週間の追跡調査を行なって、彼の経歴と人となりを綿密に調べ上げた」
「……いやもう、予想通りというか予想以上と言うか……まぁいいや。
それで結論は? 根なし草な俺ってば捨てられそう?」
「そんなわけがなかろう。まぁ彼にも多くの美点は見受けられたのだが、年齢差、教師と生徒と言う立場
を覆しうるほどではなく、何より士郎を袖にするには遠く及ばないと言う結論に達した」
「捨てられずにすんで一安心だよ。でもよ、その結論をそいつに伝える時は気をつけろよ。
聞かれた時と同じくHRでばっさり回答、なんてやらかした日には、そいつ登校拒否起こしかねないからな」
「なるほど、彼がもう三日も学校を休んでいるのはそれが理由か」
「回答済みかよ!」

ちなみに我が愛しの恋人は、これを機に「マジレス大王」の異名をとることになったそうで。
どっとはらい。

487 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:43:26 ID:YAl0sf5K
>>486
ひでえwwwGJ!

488 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:46:47 ID:hpK6JPTz
GJ!

だが、HR(ホームルーム)をHR(ハラマセ)と自動脳内変換してる俺ってば……

489 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:48:25 ID:7Ne/RcJ4
保守GJ

しかしオレもハラマセかとオモタw

490 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:51:17 ID:iTem+yQ9
>>486
GJ!

>>488
さあ、俺と一緒に巣に帰ろうぜ

491 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 23:14:09 ID:9HK0nriW
>>486
GJ! よくやってくれたwww

492 :名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 23:25:43 ID:Nzhw2sVI
>>486
…………GJ

493 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 18:27:49 ID:TG31CO2M
うわ、言ってみるもんだなw
マジレス大王ありがとう!
暇な時にでもまた遊びに来てね。

494 :名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 18:59:47 ID:oyzdcHOq
え?

495 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 04:00:40 ID:Ld+6Usse
今更読んだ
知恵ちゃん酷いwww

496 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 17:21:46 ID:dkiXVU+h
男女ともに素クールって新鮮だなw
GJ!

497 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 21:03:00 ID:CdTzQDEk
>>486
何かエロネタが混ぜこんであればハナマルを与えたのだがな……
まぁGJだと言っておこう。

498 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 23:10:44 ID:BSfkuA0/
↑このブロントさん触るべからず↑

499 :名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 23:53:58 ID:7Gr9GDoB
自分が触ってんじゃん


というベタな返しが欲しいなら素直に言えばいいのに

500 :名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 22:00:56 ID:oSafjuDR
お前それで良いのか?

501 :名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 23:10:55 ID:T3g0897W
ツクバ屋…今更だがGJすぎるwww

502 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 09:57:28 ID:WqPCErpg
 僕には二つの選択肢があった。
 一つ、両親とともにヨーロッパの名前も聞いたことのないような小国に行くこと。
 二つ、日本に留まり、親せきの家に居候させてもらうこと。
 以上二つ。
 迷いはなかった。僕は迷わず二番目の選択肢を選んでいた。
 電気や水道があるか分からないファンタジー一歩手前の国で過ごすなんて冗
談じゃない。
 親せきの住む街のほうが都会だったし、何より幼い頃は住んでいた土地でもあ
る。そして何より……伯父伯母の家には『彼女たち』がいた。
 美少女と言って遜色ない従姉妹との同居に胸を躍らせてしまうのはいたしかた
ないことだと思う。
 話は驚くくらいあっけなくまとまり、三月の終わりには僕の転校も含めすべての
手続きが終了した。
 そして今日僕は何年ぶりかに伯父伯母の住む姫宮家を訪れたのだが……。
「おかしいなぁ……」
 記憶を辿り姫宮家を目指していた僕は目的地の前でうなり声をあげた。
 お盆と正月に訪れる故郷。
 年に十日ほどしか滞在しないので記憶違いはあるかもしれない。しかし伯父伯
母の家であると同時に祖父母の家でもある場所をそうそう間違える気はしなかった。


503 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 09:58:44 ID:WqPCErpg
 表札には『姫宮』の文字。母の旧姓である。
 思い出の中の家と場所は同じ。
 しかし外観が大きく異なっていた。
 『姫宮』家は空き地であった隣を飲みこみ一回り大きくなっていた。
 家の外観も前は和風な趣であったが今はレンガ造りのようないかにも洋風な
外観だ。
「建て直し……したのかな?」
 そう考えるのが妥当だろう。
 僕の家……というか僕には一切知らされてないことだったが。
 たしかに祖父母と伯父夫妻……三姉妹を含めると前の家では手狭だった。一
見して分かる二世帯住宅である。
 ああ、そうか。僕の居候を受け入れることができたのも家を建て直したからなん
だな。
 いまさらながらにその結論に至る。事前に一言くらい連絡があってもいいと思う
けどね……。
 意を決してチャイムを鳴らそうとする……だけど、僕がチャイムを鳴らすよりも先
に玄関の扉がガチャリと音を立てた。
「お、そろそろ来ていると思ったら正解だったな」
 玄関から一人の女性が顔を出した。


504 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 09:59:30 ID:WqPCErpg
 髪が長く、すらりと背の高いした女性であった。凛としているという表現が似合
いそうな容貌で、僕と一個しか年齢が変わらないのにずいぶんと大人びて見え
る。
 姫宮家長女、姫宮なみ。なみ姉さんだった。
「なみ姉さん、久しぶり」
 お正月には来れず、去年のお盆以来だから半年ぶりの再会である。
「うん、会えて嬉しいぞ」
 顔を綻ばせて姉さんが笑う。
「晴彦くん、いらっしゃい」
 なみ姉さんの後ろからひょっこり顔を出したのは三姉妹の三女、天海ちゃん
だった。僕より一個年下。ボブカットで姉妹の中で一番髪が短い。ただ顔立ちは
当然なみ姉さんとよく似ている。
「天海ちゃんも久しぶり」
「はい、今日からよろしくお願いしますね」
 声を弾ませて天海ちゃんが僕を招く。
 なみ姉さんも天海ちゃんも僕を歓迎してくれる様子がありありと感じられて、こ
そばゆいというか素直に嬉しかった。
 そして、
「晴彦」
 玄関に入ると涼しい声が聞こえてきた。
 空。三姉妹の次女にて僕と同い年の女の子。


505 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:01:29 ID:WqPCErpg
「空、久しぶり」
 う、ちょっと声が固くなるのを感じながら空に挨拶をする。三姉妹の中で彼女だ
けは特別だった。
「入ったら。晴彦の部屋に案内するから」
 にこりともせず空が言う。
 別に怒っているわけじゃない。彼女の表情のクールっぷりは僕もよく知ること
だ。
「晴彦くん、荷物持つね」
「え、天海ちゃん悪いよ……」
「遠慮しないでください。今日から私たちずっと一緒に住むんじゃないですか」
 いや、遠慮というか自分の荷物くらい自分で持つって。というか、ずっと?
 強引にスポーツバックを奪っていった天海ちゃんに首を傾げる。
「そうだぞ。男子たるもの一家の大黒柱としてデンと構えてればいいんだ」
 祖父の愛弟子で剣道の段位を持つなみ姉さんがなんだか古風なことを言って
いる。居候に言うセリフではないだろう。
「あの……僕居候なんだけど……」
「あと一年もすれば私の婿になるだろ。この家の長みたいなもんだ」
 来年になったら三年生になるだろ、みたいな軽いノりで言わないでください。な
み姉さん。
「晴彦くん年上より年下のほうが良いですよね」
 そういう問題じゃないんじゃないですか? 天海ちゃん。
 だけど、相変わらずなノリである従姉妹たちにほっと胸をなでおろす。いや、例
年より激しくなっているのは確かだけど。
「バカなこと言ってないで、早く部屋に行く」
 ぐい、っと強引に腕をひかれる。空が相変わらずの涼しい声で僕の腕に自分の
腕を巻きつける。そ、空……。
「うむ、そうだな。今夜はささやかだがパーティを用意してあるからな。楽しみにし
てくれ」
 空に組まれた逆の腕をなみ姉さんに捕まる。両手に花といえば聞こえが良い
かもしれないが両サイドから静かに火花が散っている。
「あ、出遅れちゃった……」
 悔しそうな天海ちゃんの声。いや、その、ねぇ……?


506 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:02:37 ID:WqPCErpg
「あのー、お二人ともこんな所を伯父さんやじいちゃんに見つかったら困らない?
 というか困るんだけど」
「む、聞いてないのか?」
「え?」
「父も母も、祖父も祖母も今ヨーロッパだぞ。晴の両親のいる国だ」
「聞いてないよ!」
「父と母は十度目新婚旅行。祖父は修業と剣道を広めるため。祖母はその付き
添いだな。むこう一年は帰ってこない予定だ」
 ということは、僕はこの姉妹と四人で暮らすの!
 ……一応僕は男の子なんだけどなぁ……。
「ちょっとそれは大丈夫なの……」
 というか、いろいろと問題はあると思う。
「生活費は毎月振り込まれるし……孫ができればすぐに帰ってくると言ってた
ぞ」
「ま、孫ってなに!?」
「もちろん、私たちの子どもだ。そうだ、今夜さっそく部屋に行って良いか?」
「なみ姉さん、いいわけないでしょ!」
「じゃあ、あとで私の部屋も案内しますから、今夜部屋に来てくださいね」
「そういう問題でもないからね! 天海ちゃん」
 ちなみに無言を保っている空さんであるが、その……彼女からはサイレントな
圧力がある……具体的には腕に柔らかい二つの膨らみが強烈に押し付けられ
ているのだ。
 いや、その空……いろいろキツいです。
 こんな感じで僕の新しい生活は開始十分で波乱に満ちていた。
 これからどうなるんだろ……?
 

507 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:05:23 ID:WqPCErpg
「このシューマイは私が作ったんだ。うまいぞ」
 なみ姉さんはシューマイをひとつ摘まむと笑顔で僕の口元に差し出した。
 えっと、これは?
 僕にあーんとして食べろ……と?
「どうした遠慮することは無いぞ」
 遠慮というか何というかねぇ……。
 というか、天海ちゃん次は私の番という顔で唐揚げを掴んでいるのはどうなん
ですか?
 空に至っては煮込みに失敗してなんだか色が大変なことになっている肉じゃが
で待ち構えている。そういえば、空は料理が苦手だったなぁ。
「あ、あーん」
 僕は意を決して口を開く。恥ずかしかったが、そうしなければいつまでも終わり
そうになかった。
 口の中に放り込まれるシューマイ。たしかに料理の腕だったらなみ姉さんが一
番だろう、素直に美味しいと感じる。
「じゃあ次は私の作った唐揚げを」
 飲みこんだ直後に間髪入れずに迫る唐揚げ。うん、たしかに美味しいけどさ、
なんで普通に食べさせてくれないのかな?
「晴彦」
 そして……唐揚げを飲みこんだ僕に迫るのは恐怖の肉じゃがだった。う……何
度か空の料理は食べたことはあるけど……まぁ壮絶な味だったとだけ言ってお
こう。

508 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:06:05 ID:WqPCErpg
 もちろんなみ姉さんたちの料理を食べて空の料理を食べないというわけにもい
くまい。
「っ!」
 予想通りの衝撃。相変わらずひど……いやなんでも無い。
「み、みんな。お、おいしいよ」
 少々引きつった笑顔だったかもしれないけど僕は言った。言えた。
「それは良かった。じゃあ、次は空の口直しだな」
 そう言って自分の料理を差し出そうとするなみ姉さん。
 というか、けっこうひどいこと言ってますね。
「もちろん私のも食べてくれますよね」
「晴彦のために作ったんだから、みんな食べて」
 …………。
 続く姉妹の言葉に思わず意識が遠くなる。
 うん、もちろん伯父さんたちがいる時はこんなことしてませんよ。
 決して引こうとしない三姉妹を見て僕は……覚悟した。
 が、頑張ろう。


509 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:06:55 ID:WqPCErpg
 フォアグラの気持ちがよく分かる。
 三人にかわるがわる餌付けされ僕の胃袋は破裂寸前だった……動くのも辛
い。
 まだ段ボール箱の残る自室……二階の部屋の一つが僕に与えられた部屋
だった……のベッドで横たわりながら一人うなり声をあげていた。
 結局三人の料理を完食(空の料理も!)した瞬間は正直気絶していたかもしれ
ない。
 さすがに僕も限界で……早々に部屋に引き上げさせてもらった。本当は今夜
のうちに片づけを少しは終わらせておきたかったのだけど……明日の日曜だけ
で足りるかな?
「うぅー」
 三人の歓迎は本当に嬉しい。嬉しい、でも限度があると思うのです。

 トントン

 部屋の扉がノックされる音が聞こえた。
 うん、予想は出来なかったわけじゃない。
「はーい」


510 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:07:49 ID:WqPCErpg
 返事をして起き上がろうと思って……出来なかった。う……僕の考えなし
……。
「晴彦……バカ?」
 扉を開けて入るなり空さんは言い切った。いや、いきなりバカですか……。
「あ、あのいきなりそれはひどいと思うけど」
「だって私の料理なんか残せばよかったじゃない。あんな醤油と砂糖の分量を二
倍くらい間違えた料理なんか」
 二倍間違えたの……?
 たしかに肉じゃがやたら辛いし甘かったけど……。
「そ、空の作った料理を残せるわけないだろ」
 苦労して身体を起こす。
 空はパジャマ姿でお風呂あがりなのだろうか……ほんのり髪が湿っているよう
に見えた。
 おまけにほんのり頬も上気しているし……えっと、あのその格好は反則です。彼女の姿を見た瞬間、意識が別の場所に集中してしまう。
「そう。……晴彦のそういう所、好き」
 僕の横たわるベッドにちょこんと腰掛けて空が肩を寄せてくる。シャンプーの香
りがすぐ側から感じられて、正直鼓動が高鳴ってしまう。

511 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:09:59 ID:WqPCErpg
「う、うん……そりゃ空は僕の恋人だし」
 恋人。
 そう僕と空は恋人同士だった。遠距離恋愛というやつである。空に告白された
のが僕が引っ越す日の前日だった。以来続く遠距離恋愛である、もちろんヨー
ロッパになんか行けるわけがなかった。
 なみ姉さんも天海ちゃんも知らない。付き合っていることはお互い秘密にしてい
た。
「ん」
「あの……空」
「なに?」
「うん、その、手……」
 僕は少々つっかえながら言葉にした。
 隣に腰掛ける空の手が僕の太ももを撫でまわしている。愛撫というか性的なも
のを感じさせる撫で方だった。
「こないだ晴彦とデートしたのは二月だよ」
「うん、そうだね……」
 遠距離恋愛というのはデートもままならない。空と前に会ったのはバレンタイン
の日だった。だから一カ月以上空とこういう行為はしてないことになる。
 空の手は僕のズボンのなかに潜り込みすでに僕のモノを直接触れてくる。
「晴彦としたい」
 直球な表現ですね、ほんとに。


512 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:10:56 ID:WqPCErpg
「で、でもなみ姉さんとか天海ちゃんとかいるじゃないですか!」
「天海は片づけで忙しいし、お姉ちゃんはお風呂に入ってるから。二人ともしばら
くは来ない」
「で、でも」
 逆に言えば、それが終わると来るんじゃないかなぁ、と思うのです。
「晴彦は私とするのいや?」
「そんなわけないよ」
 そりゃ僕だってね、空としたいとは思う。
「だったら、する」
 空に口をふさがれる。キス。
 僕はそのままベッド強引に押し倒されていく。
 えっと、その、将来尻に敷かれそうでいろいろ不安になる。実は空と初めてした
時も彼女に押し倒されたから。
「晴彦……好き」
 いつも表情の薄い空にしてはどこかはにかんだ表情だった。
 僕は自分の想いを言葉にはせず行動で表した。乗りかかる空に手を回し抱き
しめるようにキスをする。
「ん……っ」
 僕が空の口に舌を割り込ませていくと、空もすぐに応えて舌を絡めてくる。お互
いで何度も試しあって上達したキス。
 僕も空もどうすれば互いによくなれるかは分かっていた。


513 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:11:46 ID:WqPCErpg
「晴彦、大きくなってる」
 たしかにズボンのうえからでも分かる勃起した僕のモノは、空の太もものあたり
はっきり自己を主張していた。
「僕も久しぶりだから」
「私も……ねぇ、晴彦早くしよ」
 しなだれかかるように空が僕に倒れこんでくる。何度も繋がった僕に分かる、
空の合図だった。
「うん」
 愛撫はいらなかった。
 パジャマもショーツも脱ぎ捨てた空の下半身は今にも淫蜜が垂れそうなほど濡
れていたし、僕もギンギンにそり返りいつでも挿入は出来た。
「まずは私が晴彦にしてあげたい」
 僕のうえにまたがると空はペニスに手を添え、自分の秘処に導いていく。
「んっ」
 僕が何度も貫いて開発してきた場所。愛撫もなしにペニスは飲みこまれてい
く。空の中は相変わらずきつく僕を締め付けて、繋がっているだけで心地よい。
「あっ……」
 僕のペニスを最奥までくわえこんだ瞬間、空が小さく身震いした。
「空、ひょっとしてイちゃった?」
「ちょ、ちょっとだけ……ごめん、イク時は一緒が良かったのに」
「空の可愛い顔見れたから、良いよ」
 僕が素直な思いを口にすると空はなぜか唇を結んで難しい顔で言った。


514 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:12:34 ID:WqPCErpg
「いつも私がそういうこと言うと困る、って言うくせに晴彦は言うんだ。ずるい」
「ごめんつい本音が」
「ばか」
 短く言うと僕の言葉を待たず、空はいきなり動き始めた。
 僕の腰の上で跳ね周り快感を高めていく。
 空のなかが僕の先端にこすりつけられいやでもうめき声が漏れてしまう。
「ん! あぁ、は、晴彦! 気持ち良い?」
「うん」
「よかったっ……」
 空は決して腰の動きを止めようとはせず僕に向かって小さく笑う。
「空……」
 卑猥な水音がたち、空の身体が僕にぶつかってくる音が響く。
「晴彦……んっ! ああぁ、そんな晴彦までうご……かない」
 僕も我慢の限界だった。空の動きに合せて下から突き上げる。肉棒は空の膣
内を容赦なく進み最奥をえぐる。
「あぁあ! 晴彦、バカ。私がしてあげぇ、ん!」
 空の快感に満ちた声に僕も益々昂ぶっていく。
 二人がぶつかる度に愛液が飛び散り新しいシーツを汚していく。
「でも、一緒に気持ちよくなりたいよね」
「こ、このままじゃ、また、また私だけいっちゃうからだ、ダメ」
「僕も限界だからさ」


515 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:13:40 ID:WqPCErpg
 僕と空の相性がいいのだろうか。空の膣は僕の肉棒にピッタリと吸いつき、す
さまじい締まりとうねりで迎えてくれる。快感を感じているのは空も同じようで、無
表情な彼女にしては切なそうな顔が気持ちをよく物語っていた。
「は、晴彦……いっしょ、一緒に……」
「うん」
 空が伸ばしてきた手をつなぎ、腰の動きをさらに早める。
「あああ、ん、はぁ、はぁれ、いい……気持ち良いよぉ……いく……いく」
「ぼ、僕ももう」
 肉棒が久しぶりの空の胎内に激しく反応する。腰がうずき今にも爆発しそう
だった。
 膣のうねりも空の絶頂が近いのをはっきりと教えてくれた。
「な、膣内に……晴彦のが欲しい」
 互いに迫る絶頂を感じ空が言う。
「大丈夫なの?」
 いまさらコンドームすらつけていなかったことを悔やむ。
 でも、空の膣の締め付けも体勢も、そして空の思いも膣外射精を許してくれそう
になかった。
「だ、大丈夫、今日は安全な日」
 と言っても絶対妊娠しないという意味じゃない。だから僕は……。
「万が一、子どもが出来たら結婚しよう空」
 言った。

516 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:14:30 ID:WqPCErpg
 一瞬言葉の意味が分からなかったか驚いた顔をする空だったが小さく微笑む。
「う、うん……嬉しい。でも出来なくても結婚する」
 きっぱり言い切る空さん。さすがだ。
 空の言葉への返事として僕はさらに腰の動きを強くする。空を串刺しにするよう
にただ激しく快感を分け合っていく。
「あ、ああぁ、晴彦!」
 
 ドピュ、ドプッ

 空が大きく背中を反らし絶頂に達する。
 その瞬間に僕も空の胎内にほとばしる精液を注ぎこんでいた。
「は、晴彦ぉ……」
 繋がったまま力尽きたように空は僕の身体に倒れかかる。
「空……」
 彼女の髪を撫でながら僕は笑う。空の体温を身体全体で感じる……それが、
心地よかった。
「晴彦」
「え?」
 僕の胸にあごをのせながら空が少しだけ困ったような表情。
「全然。小さくなってない」
「う……」


517 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:15:11 ID:WqPCErpg
 たしかに一回出したにも係らず萎える様子のないものは空に繋がったまま、い
まだに存在をアピールしていた。
「久しぶりだったからね」
「私も」
 お互いに視線を交わすとそれだけで意思は通じた。
「またするね」

「ちょっと待った」

「…………」
 不意に聞こえてきたのはなみ姉さんの声だった。
 ぎぎぎぎと擬音を立てそうな動きで部屋の入り口にたたずむなみ姉さんを見
る。ああ、最悪なことにその後ろには天海ちゃんもいる。
 空はとりたてて驚いた様子もなく姉妹を見ていた。えぇ!
「空は終わったのだから次は私の番だな」
「お姉ちゃん! ずるい私だって」


518 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:15:59 ID:WqPCErpg
 空と僕の関係に驚いた様子……というか気にする様子もなく二人は平然として
いる。いや、その僕は死ぬほど恥ずかしいんですが。
「ふむ、ではここは平等に晴彦に選んでもらおう。晴、私と天海どちらが先が良
い?」
 ってそういう問題じゃないでしょ!
 というか決定事項なの?
「安心しろ、私も天海も処女だ。空と違ってな」
 いやー、あのその……ちなみに空の初めては僕だったわけで……ねぇ……。
「二人とも恋人は私」
 空は僕から離れるとかばうように二人の前に立ちふさがる。いや、その下……
隠そうよ空さん……って僕も晒したままではあるのだけど。
「ならば私は妻だな」
「じゃあ、私はお嫁さんかな?」
 言葉が違えば良いというものではないのですよ、なみ姉さん、天海ちゃん。
「ムリ。日本は一夫一妻」
「ははは安心しろ。晴の両親が行った国は一夫多妻制だからな。いずれ四人で
移住すればいい話だ」
「…………」
「空、そこで黙るんだ! 考えるんだ!」
「お姉ちゃんも天海も晴彦が好きって知ってるから」

519 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:16:37 ID:WqPCErpg
 麗しき姉妹愛だね! っていうか僕の意思は介在しないのかな……。
「ぼ、僕はなみ姉さんも天海ちゃんも好きだけど……」
 空に対する好きとは違う。
「ははは、今は、な」
 なみ姉さんが笑う。というか僕寝取られるの!?
「やっぱりダメ」
 空が手を広げて立ちふさがる。そりゃぁ、ねぇ……。
「冗談だ。たしかに今の恋人は空だからな、そこを汲んで最大限の譲歩をしよう。
四人でするのはどうだ?」
 ダメに決まってるでしょ!
 とんでも発言に僕は言葉を失った。四人って……4P? いや別に息子が反応
してるのはさっきからですよ?
「百歩譲ってそれなら可」
「可なんだ!」
 空さん! とんでもないこといいますね!
「では空の許可も出たことだ。さぁ晴」
 さぁ、じゃないです。
 だから僕に拒否権はないのでしょうか?
「そ、空……」
 空は諦めたように首を振ると僕に笑いかけてきた。

520 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:17:29 ID:WqPCErpg
「大丈夫、晴彦の一番は私だって分かってるから」
 信頼ありがとうございます。空さん。
 でもね、そういう問題かな?
 そんな姉妹一緒にだなんて……姉妹丼?
 想像してちょっと股間が反応してしまった。うわ、最低だ僕。
「ふふふ。では始めるぞ」
 空となみ姉さんが笑いながら僕に近づいてくる。えっと……本気ですか?
 後ろでは天海ちゃんが次は私です! という表情でじっと見つめていた。
 なんだかさっきの夕食と光景が似ている。
 ということは……。
「晴」「晴彦」「晴彦くん」
 三姉妹の魅力的な声を聞きながら僕は今日から始まる『日常生活』に言いよう
のない不安と……期待を抱いていた。
 僕、これからどうなるんだ?

521 :素クール3姉妹:2008/06/07(土) 10:18:27 ID:WqPCErpg


以上になります。
唐突に投下失礼いたしました。

522 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 10:22:12 ID:YMqtgL96
GJだ

523 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 10:27:42 ID:z6PMZnCQ
>>443
つ刹那…って素直クールじゃないかもしれないがな

524 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 10:30:01 ID:UJBND+g7
>>521
……これはまさか、風呂に入ろうとしたら既に入っていた3人がじいっとこっちを見ているとかそういうフラグか!
GJ!

525 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 16:08:18 ID:IvYqgN/Y
>>521
GJ
おもしろいし、まだまだ話が広げられそうだな

526 :名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 18:12:26 ID:1gq8iWqE
>>521
素晴らしく狂おしく艶かしくGJ!

>>524
建て替えで風呂も大きくなってそうだしなwww

527 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 15:40:24 ID:DoZsE74h
>>521
GJ!!
ハーレム好きには堪らんね
勿論続くんだよな?

528 : ◆6x17cueegc :2008/06/09(月) 00:03:45 ID:oYW/wAAH
皆さんおはようございますこんにちわこんばんわ、これからずっとの人でございます。

エロ無しかつ次回以降への踏み台回、しかも素直キャラ殆ど出番無しなので、エロ読みたい人は読み飛ばしていただいて結構です。
ではどうぞ。

529 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/06/09(月) 00:04:34 ID:oYW/wAAH
「先輩。」
「なんや後輩。」
 ゴールデンウィークも終わって通常営業に戻った俺の勤め先に安田はこうして毎日来ている。しかも俺の終業
時間を見計らったようなタイミングだ。最初のうちこそ微笑ましかったが最近は苦痛でしかない。何故なら――
「今日こそ先輩の部屋に連れて行ってもらいますよ?」
「……帰れ。」
 4月から一人暮らしを始めて、今まで彼女を部屋に招待したことはない。当然後ろをついてこられたことは何
度もあったがその度に彼女の家に送っている。……おかげで2ヶ月連続で生活費に『電車代』の項目を作ること
になっている。生活苦しいんだぞこの野郎。
「ゴールデンウィークだって遊びに行けなかったし。」
「仕事が休みのときに『どこか遊びに行けへんか』って言うたやろ?」
「私が言ってるのは先輩の部屋に遊びにいけなかったってことです。」
 頬を膨らませて俺の脇腹を小突く。くすぐったくって身体を捩ってかわしていると、奥から伯母さんが出てき
た。あわてて真面目な顔をするがもう遅かった。
「いちゃついてないで、時間まではちゃんと働いてよ。明日は定休日なんだから。」
「……はい。」
 心配そうな顔をする安田にちょっとだけ笑いかけて、それからレジの前に立った。

 それからすぐに時間になった俺は急いで着替えて裏口を出る。以前外で待たせていたら勝手に店の中へ入って
来たことがあったからだ。
 店の外に出た途端に死角から跳びかかられた。腕を組もうと擦り寄ってきたつもりなのだろうがびっくりする
から止めてほしい。
「ああもうくっつきな、暑苦しい。」
「嫌です。先輩、手を離すとすぐ逃げちゃうから。」
 お前がウチに来ようとしなければ済む話だろう、と言いかけて飲み込んだ。そんなことはもう何度も言ってい
る。当然のことながら、今のところ効き目は全く無い。
 溜息をつきながら尻ポケットから財布を取り出して中身を確認する。少し中身が厳しい。給料日までなんとか
食いつながなくてはいけない。
「お金無いんですか?」
「いや。ただ、今持ち合わせあったかなぁ思て。」
「出来れば嘘は吐いてほしくないですね。」
「嘘と違うわ。電車代くらいあります。」
「……電車代、かかってるんですか?」
 しまった、失言だ。しかめ面をして腕にぶら下がっている彼女を見ると真っ直ぐに見返された。その視線に気
圧されるように顎を引くと彼女に襟を掴まれた。
「大した額では無いから気にせんでええ。ホンマに出すんが嫌やったらわざわざ送ってったりせえへんわ。」
 失言を誤魔化そうとわしわし頭を引っ掻き回すと、止めてください、とじろりと睨まれる。彼女は組んだ腕を
解いて少し離れると頭を下げた。
「すみません。」
「頭上げ、別に構へん。ほら、行こか。」
 彼女の手を掴んで引きずるようにして駅へ向かう。辺りはもう薄暗くなってきている。夏に向かって日が延び
ていることを考えると少し時間が遅い。ちょっと急がないと。

530 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/06/09(月) 00:04:54 ID:oYW/wAAH
「今日、私の家に泊まっていきませんか?」
 目の前に滑り込んできた電車のドアが開く直前、安田が言う。俺は顔も振り向きもせずに頭を一発はたいて電
車に乗り込んだ。目を白黒させて後ろについてきた彼女に向き合う。
「何で叩くんですか。」
「……明日、何曜日や?」
「水曜日ですね。」
「学校あるやろ。」
「そうですよ。でも1日休んだところで置いていかれるようなことはありませんから大丈夫で――あたっ!」
 今度はおでこに手刀を振り下ろす。まあ俺も泊まっていけという言葉にあっちのほうを連想してしまったのだ
が、今はそういうことはとりあえず棚上げ。
「最初から学校休むつもりとか何考えとんねん、ドアホ。」
「だって、4月から殆ど……してないじゃないですか。」
 辺りを見回すようにして声のトーンを落とした。
「せえへんからって何も問題無いやろ。」
「だって、身体が疼いちゃって。」
「疼く暇も無いくらい勉強したらええやろ。大学行くんと違うん?」
 普段からこういうバカをやっているからついつい忘れてしまうが、こいつの成績だったら国公立の推薦だって
簡単にもらえるはずだ。それほど飛び抜けた成績を修めている。
「大学ですか……本音を言えばあんまり行きたくないですね。先輩と一緒にいられる時間が少なくなっちゃいま
すから。」
「そんなしょうもないことで自分の人生決めん、なっ。」
「あて。」
 また手刀。大した力も込めないものだったが、何度も叩かれて流石に気分を悪くしたらしい。おでこを押さえ
ながら睨みつけられた。
「しょうもないことって……そんなこと言わないで下さい。」
「自分のことをどう言おうと勝手やろ。――ほら、もっと詰めんと。」
 乗っていた電車が次の駅に停車して背後のドアが開く。ラッシュと呼ぶほど混みあってはいないが、ドアの側
から動かずにいられるほど空いてもいなかった。

 後ろから入ってくる人に押されないように彼女のほうへぐいと身体を寄せるとくっつかれた。安田は太腿を挟
み込むような形で俺の身体を捕まえる。
「くっつきすぎや。そんな混んでへんやろ。」
 安田は聞こえない振りをして更に身体を寄せてきた。抱きつかれて腹を押される。こんなところで抱きつくな
と怒鳴ることも出来ず、驚きの表情のままじっとしていると電車が走り出した。ガクン、とバランスを崩して彼
女のほうへよろけると、途端に彼女の腕が俺の身体にかかり更に抱きしめられて身体が密着する。
「お前……」
「周りにバレちゃいますよ?」
 彼女は声を押し殺して短くそう返すと、俺の背中の上で楽しそうに指を踊らせた。くすぐったいが我慢できな
いほどじゃない。息を詰めて耐えているとそれが徐々に尻へ下りてきた。ベルトの辺りまで来たときに睨みつけ
たが全く効果が無い。ざわざわという感覚が背筋を走る。
「お前ええ加減に――」
「『きゃー、チカンー』?」
 にこにこ笑いながら俺の尻を撫で回す。電車内は程よく混んでいて今の様子を見られる心配は無かったのが救
いだった。
「……何がしたいんや。」
「んー、何でしょうねえ?」
「言いたいことがあったらはっきり言うたらええやろ。」
「先輩の部屋に行きたいです。」
「アカン、言うたら――」
「『きゃー、チカンー』」
 きゅっと俺の尻たぶを掴んで目を合わせる。本当に言いますよ、と目で語っている。俺はどっちがチカンだ、
と溜息を吐き出しながら、彼女の肩を持って身体の距離を離した。
「……もう遅いから、また今度な。」
「いつですか? 明日? 明後日?」
 ……あー、めんどくさい。

531 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/06/09(月) 00:05:23 ID:oYW/wAAH
 彼女の家の最寄り駅に降りると駅前の様子が変わっていた。変に人通りが多い。
「近所にショッピングモールが出来たんです。多分そこのプレオープンに人が来ているんだと思います。」
 普段は静かな住宅街が人混みで塗りつぶされたみたいに喧騒で溢れていた。
「帰りに寄ってみようかな。」
「なら一緒に行ってみませんか?」
「……今、何時や?」
「21時に閉まるそうですから急げば何とかなると思いますよ。」
「そうじゃなくて。」
 年頃の女の子を連れたままこんな時間まで出歩いちゃ不味いだろう、と言うと、家まで近いから大丈夫だ、と
返された。ただ問題はそういうところじゃない。
「……道草せんと早よ帰るで。」
「でも先輩、買い物に行くんでしょう? 私も行きます。」
「じゃあ行かへん。」
「じゃあってなんですか。ほら、行きましょう?」
 それまで組んでいた腕を解かれると今度は手で握られた。人の流れを逆流するように引きずっていかれる。自
由に買い物出来るほど財布の中は暖かくないんだけどな……

「先輩。」
「なんや後輩。」
「楽しいですね。」
「……そうか。」
 今日のプレオープンで開いていたのは食料品売り場だった。どの商品も自分の部屋の近所のスーパーでも買え
る物ばかりだ。見たことの無いような珍しい外国製品もあったが、そんなに高いものを買うつもりは無い。1人
暮らしなんて優先すべきは安くて量が多くて、そして最後に美味しいものだ。
 プレオープンだからあちこちに売り切れの札がかけられていて、収穫の無いままぼんやり通路を歩く。すれ違
う人がみんな俺の事をじろじろ見るが、こんなところを制服姿の女子高生に腕を組まれて私服で歩いているんだ
から仕方が無い。第一、安田に離せと言ったところでまず離さないだろう。
 そのとき店員が手にバーコードを読む機械を持って、スウィングドアを押し開けて出てきた。惣菜コーナーへ
向かって歩いていくのでピンときた。急いで追いかける。今度は俺が彼女を引きずって歩く番だった。
「ちょ、ちょっと、先輩?」
「夕飯だけ買うから。」
 腕を振り切って惣菜コーナーに小走りで先回りすると、真っ白な格好をした店員が3割引の値札シールを貼っ
ていたところだった。地味な煮物などのパックしか残っていなかったがこれで十分だ。飯だけ炊けば十分1食に
なる。

532 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/06/09(月) 00:05:55 ID:oYW/wAAH
 既に2人ほどが待っていたレジに並ぶ。レジ前は閉店間際だというのに人が多かった。カゴに3パックだけ入れ
ている俺とは違って、溢れんばかりに詰め込んでいる人ばかりだ。
 安く夕食を手に入れられてホクホク顔の俺とは対照的に、安田は不機嫌だった。
「私の家に来てくれたら夕御飯くらい……」
「毎日のようにお世話になるわけにはいかんやろ。」
「私はお世話になってるじゃないですか。毎日家まで送ってもらって感謝してます。」
「感謝するんやったらたまには俺のところに来えへんで真っ直ぐ帰ってくれ。」
「先輩が1日の活力です。……あて。」
 後頭部を平手で叩くと、ぱん、といい音を立てながら衝撃が手に残った。
「俺は栄養ドリンクか何かか。」
「先輩のを飲めばもっと元気にっ……叩かないでくださいよ。」
 前の人が会計を始めた。1つ分開いたところへ買い物カゴを捻じ込む。
「ほら、レジの向こう回ってこい。こんなところに2人おったら邪魔やろ。」
 彼女はこくりと頷くとレジの切れ目のほうへ歩いていった。それを見送ってからレジへ視線を戻すと、レジ打
ちが速かったのか殆ど終わっていた。
「いらっしゃいませー。」
 店員のお姉さんはカゴを自分の手前まで引っ張ると、中から手早く数個の商品を取り出しレジを打ち終える。
「652円ですー。」
 金額を言われたのになかなか財布から小銭を取り出せない。変に焦った挙句に床にばら撒いてしまう。俺には
小銭をあんまり使わない癖があるのでかなりの量だった。
「うわっ、すんません!」
「いいですよ、ゆっくりで。」
 店員さんはわざわざレジから出てきて手伝ってくれる。ついでにレジの向こうに回りこめた安田までかがんで
拾い出した。3人の男女が小銭を拾う様子を見て後ろに並んでいた人は他のレーンに移ってしまった。……ゴメ
ンなさい。
 ようやく全て拾い集めて顔を上げ、まず安田から小銭を受け取る。そして――
「はい、どうぞ……ってアンタ。」
 あの人だった。

 お互い気まずい顔をしていると安田が俺達に声をかける。
「先輩。先輩?」
「……あ、うん、なんや?」
「お知り合いですか?」
「ああ……大阪におったときの、知り合いや。」
 さっと安田の顔色が変わった、ように見えた。多分誰のことか分かったのだろう。同じ笑顔でも普段の笑顔と
は違って目に殺気さえ込めているように感じられる。
「そうなんですか。はじめまして。」
 あの人は俺と顔を合わせたことが気まずいのかまだ渋い顔をしている。
「……ああ、どうも。」
「私、飯島先輩と付き合ってます、安田翠と言います。」
「付き合って?」
「はい。」
 小首を傾げる安田に俺は軽く眩暈を覚えた。
「なあ、とりあえず会計を……」
「……そうやな。後ろのお客さん待たせるの悪いしウチも怒られる。」
 彼女は疲れた様子で微笑むとレジに引っ込んだ。

533 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/06/09(月) 00:06:19 ID:Krm+9V3y
 店を出て大きく溜息をつく。こんなに緊張する買い物はちょっと遠慮したい。
「先輩、どうしたんですか?」
 安田はレジを出る辺りからずっと腕にしがみついている。
「いーえ、何でもないですよ。」
「私が言ったことが不満ならそう言ってください。」
「何もないって言うてるやんか。お前が言うたのはホンマのことなんやから。」
 俺がそう言うと彼女は腕から離れた。珍しいことだ、と思う暇も無く今度は抱きつかれる。しかもタックルを
するように正面から鋭く突っ込んできたので堪えきれずにたたらを踏んでしまう。
「……道路のド真ん中で何すんねん、アホ。離れろ。」
「嫌です。」
「邪魔やから。ほら。」
 普段から使っているカバンと先程の買い物のビニール袋とで両手が塞がって払いのけることが出来ない。
「私は先輩の彼女なんですから別に問題無いでしょう?」
「大有りや。邪魔。」
「……ケチ。」
 ようやく俺から離れるとまた腕を組む。離れて歩くという考え方は全く無いようだ。もう慣れっこだが。

 彼女の家の前まで来るとぐい、と腕を引かれる。
「先輩。」
「なんや後輩。」
「泊まっていきませんか?」
「いきません。同じことを言わすな。」
 彼女の側に引き寄せられた腕をぐい、と引き戻す。するとまた腕を引っ張られる。
「じゃあ夕御飯食べていきましょう。それならいいでしょう?」
「俺が手に提げてるのはなんや?」
「先輩の夕御飯ですね。」
「見切りのな。買うたもんを腐らしたくないんやけど。」
 また腕を引き戻す。もう一度腕を引かれたら今度は蹴り飛ばしてやろうかと思ったがそういうことにはならな
かった。するりと腕から離れる。
「それなら……そうだ、ここでしてもいいですよね?」
 安田はまた身体を寄せてくると正面から抱きつかれる。スーパーの前で抱きつかれたのと一緒の格好だ。しか
し今度は首筋に手をかけぶら下がって唇を寄せてくる。俺は顎を引いてそのキスを避けた。おでこ同士が軽くぶ
つかる。
「……どうしてそういうことするんですか。」
「どうしてこういうことするんですか。」
「いいじゃないですか。ちょっとチュッとするだけですよ?」
「ここは天下の往来と違うか?」
「そんな大げさな。第一、誰も通ってないじゃないですか。」
 周囲を見渡すまでもなく、日が暮れた後の高級住宅街なんて通行人が少ないに決まってる。せいぜいペットの
散歩を兼ねてのウォーキングを行っている人がいるくらいで、それも頻繁に通るわけではない。
「ね?」
「……とにかく手、一遍離せ。」
「むー、先輩そんなのばっかり……」
 安田はむくれた顔をして腕を解き地面に降りた。そのままそっぽを向こうとした安田の唇へ唇を落とす。ほん
の1秒にも満たないキスだった。
「はい、これで終わり。じゃ、お疲れ。」
 突然のことにぽかんとしたままの安田を残して、俺はしてやったりの顔を見せないようにして振り向き家路に
着いた。たまにはこういうのも悪くないだろう。

534 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/06/09(月) 00:07:31 ID:oYW/wAAH
 駅前に出ると携帯が震えだした。電話の着信だ。
「もしもし?」
『あーもしもし、今ちょっとええか?』
 あの人だった。
「ええよ、何?」
 電話で話をしたいというのだろうか。
『えっと、そうじゃなくて。……会えへんか、て、思て。』
「……ええよ。」
 自分の勘違いが気まずくて一瞬言葉に詰まった。思わず苦笑いを浮かべてしまう。そりゃそうだ。こんなに近
くにいるのにわざわざ電話で話を済ませる必要は無い。
『駅前で待っとるから。どこがええかな?』
「店とか知らんの?」
『一応面接とかで何度かは来たことあるけど、今日がバイト初日やから。』
「そうか。それやったら――」
 駅の東口を出てすぐにあるハンバーガーチェーン店を指定する。駅の構内からでも赤と黄色の看板が見えるの
で分かりやすいだろう。
『分かった。じゃあ入り口で待っとくから。』
 きちんと顔をあわせるのは、いつ以来だったか。多分彼女にアパートに行ったとき以来だ。

 その店の前に行くと、既に彼女が立っていた。タイトな白いTシャツにジーンズといったラフな格好で背筋を
ピンと張って前を見つめていた。
「ゴメン、待たした?」
「待たしたも何も、さっき電話したばっかりやん。ウチはたまたま駅におったからすぐに来れただけで。」
 頬をほんの少しだけ持ち上げて笑む。やはり彼女は何かに疲れているようだ……気のせいでなければ、の話だ
が。
「なんか疲れてる?」
「……それもあるから『ちょっと話したい』って呼び出したんや。入ろか。」
 彼女に促されて後をついて店に入る。

「さて、何の話?」
 自分の注文を目の前に置いて黙りこくってしまったあの人へ声をかける。俺から話したいことも幾つかあった
が彼女からの呼び出しでこういう場になったのだ、その話を聞かないことには自分の話も出来ない。
「……何の話って、どういうことや。」
「ん?」
「アンタはウチの彼氏じゃなかったん? ……ずっと逢いたかったウチはただのアホか。」
 あの人は悔しさを噛み殺すようにして息を吐き出した。怒りのせいなのかぶるぶる震えて前髪が目の前で揺れ
る。
「逢いたかったんは俺も一緒や。」
「それやったら何でこの間は帰ったんよ。ウチなんかと一緒におるのが嫌やったからやろ?」
「違う。俺はただ、あんたとそういうことはしたくないってだけや。」
「何が違うんや!」
 急に大きな声を上げる。平日の夕食時だったこともあって周囲は比較的若い年齢層の人で埋まっていた。その
視線がすべて俺達に突き刺さる。
「……ゴメン。でも、ウチには分からへんから。」
「別にええよ。……説明してもええけど、多分すごく時間がかかるで。」
「構へん。時間とか考えんでええから。」
 俺は分かった、と一つ返事をして最初から――安田と付き合い始めたときの話から順繰りに説明を始めた。

535 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/06/09(月) 00:09:04 ID:oYW/wAAH
「言い訳やな。」
 30分後、話し終えた俺に彼女が浴びせた一言目がそれだった。
「分かってるよ。でもホンマのことやから。」
「……そうか。アンタにとってウチはもう恋愛対象じゃない、か。」
 前髪を両手でかきあげる。何かを考え込んでいるときの彼女の癖だ。
「ま、薄々そんな感じはしとったけどな。……そやから、余計に腹が立つ。」
「ゴメン。」
「4年以上もウチを待たしてたんやで。気持ちが変わったんやったらすぐに教えてくれたらよかったやん。」
「……ゴメン。」
「いくら謝られても納得は出来へんよ。」
「そやから、ゴメン。」
「……ああもう、イラつくなぁっ!」
 俺は顔を伏せて下唇を噛んだ。どう言われても仕方がない。搾り出すようにして声を出す。
「ホンマ、ゴメン。」
「もうええよ。……結局、『昔』から動かれへんかったのはウチだけか。」
 彼女が振り上げたままの腕をテーブルに落とすと意外と大きな音がした。振動が伝わってくる。
「ウチだけ辛い思いをしたんやから、当然か。」
「俺やって……!」
「知り合いのおらへんところに引越しといて、どの口が言うんや。」
 噛み付くような目をして、でも淡々と口を動かす。
「中学でありもしない噂を流されたことはあるか? 高校でもその噂が付いて回ったことはあるか? 近所を歩
 いてて後ろ指、指されたことはあるか? ……無いんやろ。」
「でも俺はアンタに会いたかった。」
「それはウチも一緒や。」
「……そうやけど――」
 それは確かにそうだ。俺が大阪まで飛んで行きたいと思っていたように、彼女も東京へ飛んで来たいと思って
いたのだろう。だけど。
「――そうやけど、俺はずっとお前のこと考えとった。お前のことしか考えてなかった。今でも前、向けへんく
 らいに。」
「その割りに、一歩も動いてへんウチとは一緒の場所にはおれへんやんか。背中向けたままやったら前には進ま
 れへんやろ。」
「……無理矢理俺のこと、引きずってったアホがおったから。」
「あの子か。」
 無言で頷くと彼女は天を仰いだ。
「あーあー、ホンマ、若い子には勝たれへんかー?」
「2つしか変わらへんぞ。」
「え、そうなん? てっきり中学生でも連れ回してるんかと……」
「あのなあ。」
 そりゃ安田は身長体重プロポーション、どこをとっても大人には見えないけどさ。

536 :これからずっと ◆6x17cueegc :2008/06/09(月) 00:09:37 ID:oYW/wAAH
 ふう、と彼女が息を吐き出した。天井を眺めてボーっとしている。そうだ、訊きたいことが一つあったんだっ
た。
「やっぱり疲れとるな、自分。」
「……これだけあからさまやと分かるわな。」
 気合を入れなおすように首をぐりぐりやってこちらへ向き直る。
「前にアンタが部屋に来たときからずっと考えてたんや。もしかしたらウチは嫌われたんかな、て。おかげで暫
 く寝不足やってな。」
「暫くって……」
 この間のことは秋が終わって冬に入りかけた頃だった。もう半年も前の話だ。
「暫く、や。……暫くは、暫くなんや。」
 それを聞いて俺は何も言えなかった。半年以上寝つきが悪かったというのだろうか。
「でも今日からはすっきり眠れそうや。ありがとう。」
 テーブルを挟んで右手を突き出してくる。俺は少し躊躇ってその手をとった。
「ほんじゃな。」
「うん。……また、な。」
 俺がまた、というと彼女は少しだけ目を見開いて、それから薄く笑った。冗談も大概にしろ、と目で語りかけ
てくる。
「言うとくけど、冗談と違うからな。」
「虫がええな。」
「知っとるよ。でも――」
 俺にとってお前はいつまでも大事な人であることは変わらないから。

 * * * * * *

「あ、もしもし。悪いな、こんな時間に電話して。」
「いや、特に用は無いけど。お前の声が聞きたかっただけや。」
「なんやねん、たまにはキザなこと言うてもええやんか。一応、俺はお前の彼氏らしいやん?」
「おかしないよ。そら、俺らしくはないけどな。」
「……なんも辛いことはないよ。無理もしてへん。」
「また時間出来たら、部屋呼んだるから。ほんじゃ、おやすみ。」

537 : ◆6x17cueegc :2008/06/09(月) 00:10:18 ID:oYW/wAAH
と以上です。

そろそろ彼女と気兼ねなく甘々な性活送らせてやりたいなあ、と思いつつ、多分次は時代劇っぽいアレ。

538 : ◆6x17cueegc :2008/06/09(月) 00:33:45 ID:oYW/wAAH
おっと、容量がやばいので次スレ行ってきます。

539 :名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 00:36:15 ID:oYW/wAAH
次スレ準備おk
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212939321/

540 :名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 07:05:27 ID:/GEWI95U
GJ ! and スレ立て乙です!

安田かわいいよ安田〜

541 :名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 09:22:27 ID:l4XhctRa
さっさと埋めてしまおう
あと18KBもある

542 :じゃあ、埋めネタを:2008/06/13(金) 23:58:09 ID:ipBvVg45
「なあ士郎」
「なんだいマイスィートハート」
「日本には、いつまでいられるんだ?」
「スルーなのな。まぁいつってことは明確にゃ決まってないんだが、そろそろ虫が騒ぎ出してきた頃合だな」
「放蕩癖か」
「せめて放浪癖といってくれ。とにかく、そろそろなんか仕事探して、それにかこつけてどっか行きたい気分だ」
「そうか……あと一月ほど、持ちそうか?」
「んー……微妙?」
「そうか……士郎」
「なんだい?」
「お前はいつ見ても素敵だな」
「唐突だな」
「発言は唐突かもしれんが、私がそう感じているのはいつもの事だ」
「そいつはどうも。俺も同じ気持ちさマイハニー」
「うむ、ありがたく。だがお前の場合、単に顔かたちが優れているというだけではない。
お前の、その何物にも囚われぬ自由な精神と、あらゆることに前向きに折り合いをつけてしまう
余裕があふれ出る、人徳に満ちた顔だ」
「ちっと褒め過ぎじゃねぇ?」
「とんでもない。私は知識を溜め込む事が趣味だが、その応用となるとからきしでな。
士郎の私にはない発想には、いつも感嘆させられているし、尊敬もしている」
「えーと、随分ご立派な御仁みたいだけど、それってどこのどちら様?」
「私の目の前にいる、我が愛しの恋人殿だ。――うむ、我が恋人殿……何度口にしても、この響きは私を
陶然とさせるな。士郎と出合った事、士郎と理解し合えた事、そして士郎が私を選んでくれたこの幸運に
関してだけは、私は神を信じることに吝かでないし、その采配にはいくら感謝してもし足りないな。
――なぁ、キスしていいか?」
「喜んで、こちらからお願いする」
「感謝する――んっ」
「――ちなみに、その辺は俺も同感だが」
「――はぁ。……そうか、士郎も同様に感じてくれていたのか。それはこれ以上ない喜びだ。
おっと、話がずれてしまったな。私の幸福感など今はどうでもいい、今語るべきは士郎の素晴らしさだ」
「あのさ、そろそろ勘弁してくんね? 背中が痒くなって死にそうなんだが」
「……そうか、それは済まなかった。お詫びといってはなんだが、私が責任を持って掻かせてもらおう」
「あとで頼む。それで? 唐突に俺を褒め殺ししかけて、何をお企みで?」

543 :埋めネタ続き:2008/06/13(金) 23:59:53 ID:ipBvVg45
「それは誤用だな。『褒め殺し』とは相手の欠点を褒め言葉の体裁を装って貶す事で、褒める事で相手を
悶え苦しめるわけではないぞ」
「その辺はニュアンスで。それで真意の程はいかがでございましょうか我が運命の君よ」
「うむ。つまりだな……恋人に対して何かを要求する時は、まず相手を褒めちぎる事から始めるのが
常道と聞いてな」
「なるほどなるほど。おねだりモードだったわけね。でもまぁ、いつものお前も俺を褒めちぎってくれる
訳なんで、そのへんの意思はちょっとわかりづらかったかなー」
「そうか、私もまだまだだな……では単刀直入に言う。旅立ちは、あと一ヶ月ほど我慢して欲しい、お願いだ」
「んー……お前の頼みなら俺だって聞いてやりたいのは山々なんだが……正直キツいな、禁断症状でそうだ。
で、その一ヶ月ってのはなんだ? 来月に何かあんのか?」
「やはり忘れていたか」
「何を?」
「来月は、お前の誕生日だろうが」
「――おお」
「だからな、それを共に祝わせて欲しいと、そういうわけだ」
「祝わせて欲しいって……我が恋人様は、そういうところは謙虚すぎていかんね。そこはもっと、
あのブランドのバッグ買ってとか、あのアクセサリー欲しいとか、そういう要求するものだろうが」
「あいにくと、そういった類への興味はとんと薄くてな」
「よく出来た恋人殿で」
「それでどうなのだ? 私の願いは聞き入れてもらえるだろうか」
「んー……すまん、やっぱ無理そうだわ。俺のビョーキも筋金入りだな」
「そうか……いやこちらこそ済まない。私としても、お前を縛り付けるような真似は本意ではないのだ」
「そこで妥協案だ」
「む?」
「本命の、海外ほっつき歩きはちょっと先延ばしにするとして、だ。その前の禁断症状の緩和を兼ねて、
お前さんでも行きやすい国内にどっかご招待、そこで二人でささやかに誕生会を開くってのはどうだ?」
「――ああ、いいな。それは素敵だ。そうか、二人で旅行、二人で旅行か……」
「悪いなぁ、一所に落ち着けない、根っからの根無し草で」
「ああ、困ったものだ。お前が傍にいない間、私がどれだけ寂しい思いをしているか、正確に理解しうるよう
伝える手段がないのが悔やまれる。
 ……だが一番困った事実は、そんな奔放な面を含めたお前をこの上なく愛してしまっている事だがな」
「なら俺も一つだけ。俺は、自分のわがままを聞いてくれる相手だから、お前を選んだわけじゃないぜ?」
「ふふ、それは光栄だな」
「……いい旅行にしような」
「ああ」

544 :名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 01:09:39 ID:tjELdOyG
マジレス大王再び降臨!

545 :名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 15:32:10 ID:J6dcTbXT
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           O 。
                 , ─ヽ
________    /,/\ヾ\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__|__|__|_   __((´∀`\ )< というお話だったのサ
|_|__|__|__ /ノへゝ/'''  )ヽ  \_________
||__|        | | \´-`) / 丿/
|_|_| 从.从从  | \__ ̄ ̄⊂|丿/
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
|_|_|///ヽヾ\  /   ::::::::::::ゝ/||
────────(~〜ヽ::::::::::::|/        = 完 =

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                   ,.-―っ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                人./ノ_ら~ | ・・・と見せかけて!
           从  iヽ_)//  ∠    再  開 !!!!
          .(:():)ノ:://      \____
          、_):::::://(   (ひ
          )::::/∠Λ てノし)'     ,.-―-、   _
______人/ :/´Д`)::   (     _ノ _ノ^ヾ_) < へヽ\
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|_|__|_人):/:・:::∵ヽ | )r'        ー'/⌒ ̄ て_)~ ̄__ イ
||__|  (::()ノ∴:・/|::| ./:/         /   ̄/__ヽ__/
|_|_| 从.从从:/ |__|::レ:/      ___/ヽ、_/
|__|| 从人人从 ..|__L_/      .( ヽ     ::|
|_|_|///ヽヾ\ .|_|_     /⌒二L_    |
────────       ー'     >ー--'

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        巛ノi
        ノ ノ                  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ノ')/ノ_ら      ∧_∧       | いきなり出てくんな!!
      、)/:./、      ( ´Д`)      | ビックリしたぞゴラァ!!!
     )/:./.:.(,. ノ)    `';~"`'~,.       \   ________
     \\:..Y:.(  ・ ''    :,   ,. -―- 、|/
_____ 从\、,. ,; .,、∴';. ・  ( _ノ~ヾ、ヽ
|__|_ _(_:..)ヽ:∴:@)       ノ(゚Д゚ #) )
|_|__|_人):|:・:::∵ヽノ)    (_(⌒ヽ''" `ー'
||__|  (::()ノ∴:・/|::|( \    \ \) )        _
|_|_| 从.从从:/ |__|::|ノ   \  ミ`;^ヾ,)∃        < へヽ\
|__|| 从人人从 ..| /:/ _,,,... -‐'''"~   /ー`⌒ヽ、  (( (゚Д゚llソ |
|_|_|///ヽヾ\ ./:/ _ \        /     /T;)   /~  ̄__ イ
─────── ノ (,    \/__/__,ノ|__`つ  ヽ__/
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546 :名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 15:32:32 ID:wCKNIf0E
これは良い風来坊と恋女房

547 :名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 12:13:58 ID:04RIftk6
埋め

548 :名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 00:55:43 ID:f3nVFmc2
u,e

549 :名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:48:11 ID:PeIPNcYK


550 :異形平安京恋歌(1/3):2008/06/22(日) 19:54:43 ID:JnyYGoKe
 夜の空にはぽっかりと月が浮かんでいた。
 そのお陰で京の都の小路も、この時間でも割と明るい。
 検非違使(けびいし。平安時代の警察官のような立場)である三善公守(み
よし きみもり)は、一心不乱に円匙(えんし シャベルのこと)で土の地面
を掘っていた。
 額には汗が浮かび頬を伝うが、それを拭う余裕もない。
 急がなければ『奴』が迫ってくるのだ。
 月が照らしているとは言っても、夜の闇は深く、昼と同じとはどうしても言
えない。
 闇の奥に息づく異形が近付いてきているのを、公守は確かに感じていた。
 いつから現れたのか――おそらく、数年前、空から石が降ってきた時からな
のだろうと公守は推測するが、その辺の判断はどちらかといえば陰陽寮の学者
連中の仕事だろう。
 公守達、検非違使の仕事は都の治安を守る事である。
 夜な夜な跋扈する、詠裏庵(えいりあん)と呼ばれるアヤカシ達を、とにか
く鎮める必要があった。
「――という訳で、土の属性に弱い連中を葬るため、公守達は穴を掘るのであ
った」
「誰に説明している……」
 小路をいっぱいに掘り尽くした公守は、息を切らせながら円匙を地面に突き
立て、振り返った。
「さて、誰だろう。月にいるという兎だろうか」
 などと戯言を言うのは、白い水干(すいかん。男物の装束)を着た若い女だ
った。普段は長い黒髪を適当に後ろにまとめ、年の頃は十代半ばだろう。幼さ
の残る可憐な顔が、まっすぐに大柄な公守を見上げている。
 名前を三善藤原楓子(ふじわら かえでこ)という。藤原家に連なる貴族の
娘だ。
 公守は楓子の顔を憮然とにらみつけた。
「そもそも、こんな夜中に貴族の女が出歩くな。危ないだろう」
 すると、余裕を持って公守を見上げていた彼女の表情が綻ぶ。
「お、公守、心配してくれるのか。それは嬉しいな」
 その顔だけで、貴族の男共を虜に出来るだろう。噂に聞くなよ竹のかぐや姫
にも負けるとも劣らないと、公守は思わないでもない。
 だが、それとこれとは別である。
 三善公守は仕事の男なのだ。当分、女はいらぬ。
「京の都の平安を守る。それが仕事だ。お前もこの都の住人だからな。心配す
るのは当たり前だ。大体なんだその格好は。いつ白拍子(しらびょうし。この
時代における踊り子)になった?」
 公守の問いに、楓子はその場で一回り舞って見せた。
「踊りも舞えるぞ。まあ、この格好は単に動きやすさを追求したいだけだ。い
つも着る服は重すぎる」

551 :異形平安京恋歌(2/3):2008/06/22(日) 19:56:44 ID:JnyYGoKe
「……まあ、それは同意するが」
 公守は昼間の庭越しに何度か見た事のある、廊下を常に裾が擦るほど長い楓
子の装束を頭に浮かべた。
「あんな格好では、公守の仕事ぶりが見れない」
 回想を打ち切り、公守は頭を振った。
「だから、それがおかしいと言っている。何故、お前が俺の仕事を見る必要が
ある」
「決まってるじゃないか。公守が夜這いに来ないからだ」
 そう言って、楓子は少し唇を尖らせた。
 一方公守は脱力しそうになる。
「いや、あのな……」
「何度文を送っても梨の礫だしな。お前が来てくれないから、妾は大変なんだ
ぞ? 毎日毎日、他の男から送られてくる文に断りの返事は返さなきゃならな
いし、第一夜に部屋にいては、余所の貴族共が夜這いに来る。冗談じゃない。
妾はお主以外と添い遂げるつもりはないのだ」
「物好きな……」
 本気でそう思う。
 だが、楓子的には喜ばしい事であったようだ。
「それは、競争相手がいないという事だ。妾にとっては好都合だな。あと、こ
れを受け取ってくれ」
 楓子は懐から白い手紙を取り出し、背を一生懸命伸ばしながら両手で公守に
差しだした。
「……何だこれは」
 受け取りながら、公守は問う。
「見ての通りの文だ。ああ、長文の恋文だから、今は開くな。仕事の邪魔をし
たくない」
「お前がいる事が……」
 迷惑だ、と言いかけて、公守は言葉を止めた。
 穴掘りが終わってから声を掛けてきた辺り、一応楓子も公守に気を遣ってい
るのだ。なら、この台詞は言うべきではない。
 それを察した楓子は、更に顔を綻ばせながら、公守の袖を掴んだ。
「うん、お前のそういう所が好きだぞ、公守」
「やかましい。というか普通、遣いの人間が渡しに来るモノだろうに」
 ふん、と楓子は鼻で笑った。
「そんな仕来りは知らぬ。妾は妾のやりたいようにやる。想いを伝えるのも託
すのも直が一番だ。それを書くのに苦労したぞ。何と三日も掛かってしまった
のだ」
「未来の歌人の期待の新作か」
 懐に仕舞いながら、公守は言う。背後の闇から、禍々しい気配が伝わってく
る。寒さと熱さを併せ持った不快な感覚、瘴気という気配だ。

552 :異形平安京恋歌(3/3):2008/06/22(日) 19:58:48 ID:JnyYGoKe
異形平安京恋歌(3/3)
「うん、間違いなく妾に惚れるぞ。渾身の一筆だ」
「そうか」
 公守は楓子の頭を一度撫でると、振り返った。
 足下には巨大な穴。正面の闇に目をこらしたまま、公守は円匙を手に取った。
「それより下がってろ。そろそろ来るぞ」
「ふむ、話に聞く、詠裏庵か」
「そうだ。俺の背中に隠れていろ」
「そうしよう。ん、妾も円匙を持ってくるべきだったな」
「……お前、本当に貴族か?」
 裾を楓子が掴んでいるのか、引っ張られる感覚が伝わってくる。
 ……まあ、しがみつかれるよりはマシか、と公守は判断する。
「公守が望むなら、そんな身分あっさり捨てるぞ? まあ、雑談はここまでだ
な」
「その通り。奴がこの穴に落ちたら……」
「うん、埋めるんだな」
 ――敵が、迫ってきた。


穴掘りなのにオチもなし。
以上、”埋め”ネタでした。
世にも珍しい平安京エイリアン二次創作(嘘)。
時代考証とかはほとんど無視なので、ツッコミは勘弁でー。



553 :名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 20:21:10 ID:nWSmDnMz
必殺技は炎のコマか月面宙返りか!
まさかこのネタが来るとわ……!
GJです。
続編はロードランナーか?w

554 :名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 20:26:39 ID:loOovdv3
タイトルだけで噴いたwww
God Job!!!!!!

555 :名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 22:22:18 ID:dmwpvVfI
GJ!
いいな、これw

556 :名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 00:17:31 ID:VsoppSu5
平安京エイリアンktkr!!!
すぐにわかってしまったよwww

557 :名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 23:46:03 ID:YwaC6zim
白川3姉妹とか誰のことだかさっぱり。

558 :名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 06:14:09 ID:vWLtYtRy
 優子はクールビューティという言葉が似合う女の子です。
「好きだ、愛している」
 そういって毎日のように俺に寄り添ってきます。
 彼女は可愛く、そんな優子を蔑ろにする理由もなく、一応恋人です。
 彼女には双子の妹が居り、名前を愛子といいます、 見た目から何からそっくり
なのですが一番は俺への想いだそうで普段意識して差別化を図っている
見た目を優子そっくりに変えて俺に処女を奪わせる暴挙にでました
しかもその時中出しまでしてしまい「責任とって下さい」と言われる始末。

 後日三人で話し合う事になったのですが結果は3P
仲良く二人に中出しを決め、今では
「好きだ、愛している」

「好きです、愛してます」
に挟まれる日常を送っています。

 そういえば今日は二人の妹の翔子ちゃんに呼ばれていたっけ、なんだろう?

―おわり

559 :名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 16:33:45 ID:NbgRKAZi


560 :名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 02:19:19 ID:JTBz3V9M


561 :名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 02:35:34 ID:hjlJ0fNr


562 :名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 02:59:42 ID:7tWJBWxU


563 :名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 04:06:59 ID:SQDp4mHM


564 :名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 07:56:09 ID:m5AKbsPx


565 :名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 10:58:34 ID:SQDp4mHM


>>560
日本旅行社


566 :名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:16:27 ID:hTeGXh26
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           O 。
                 , ─ヽ
________    /,/\ヾ\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__|__|__|_   __((´∀`\ )< というお話だったのサ
|_|__|__|__ /ノへゝ/'''  )ヽ  \_________
||__|        | | \´-`) / 丿/
|_|_| 从.从从  | \__ ̄ ̄⊂|丿/
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
|_|_|///ヽヾ\  /   ::::::::::::ゝ/||
────────(~〜ヽ::::::::::::|/        = 完 =

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                   ,.-―っ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                人./ノ_ら~ | ・・・と見せかけて!
           从  iヽ_)//  ∠    再  開 !!!!
          .(:():)ノ:://      \____
          、_):::::://(   (ひ
          )::::/∠Λ てノし)'     ,.-―-、   _
______人/ :/´Д`)::   (     _ノ _ノ^ヾ_) < へヽ\
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     ノ')/ノ_ら      ∧_∧       | いきなり出てくんな!!
      、)/:./、      ( ´Д`)      | ビックリしたぞゴラァ!!!
     )/:./.:.(,. ノ)    `';~"`'~,.       \   ________
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|__|| 从人人从 ..| /:/ _,,,... -‐'''"~   /ー`⌒ヽ、  (( (゚Д゚llソ |
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